距離算出方法及び撮像装置
【課題】 簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行う。
【解決手段】 端子1X、1Yからの所望の座標と端子2X、2Yからの中心位置の座標が、減算器3X、3Y及び絶対値回路4X、4Yに供給されて座標上の距離値x、yが求められる。これらの距離値x、yが加算器5及び減算器6に供給され、この減算値が絶対値回路7を通じて乗算器8に供給されて端子9からの値b′が乗算される。また距離値xが上位に1ビットシフトされ、減算器10で距離値yが減算されて絶対値回路11に供給される。さらに距離値yが上位に1ビットシフトされ、減算器12で距離値xが減算されて絶対値回路13に供給される。これらの絶対値が加算器14で加算されて乗算器15で端子16からの値c′が乗算される。そして加算器5、乗算器8、15で求められた値が加算器17、18で加算され、算出された疑似距離の値d′が端子19に取り出される。
【解決手段】 端子1X、1Yからの所望の座標と端子2X、2Yからの中心位置の座標が、減算器3X、3Y及び絶対値回路4X、4Yに供給されて座標上の距離値x、yが求められる。これらの距離値x、yが加算器5及び減算器6に供給され、この減算値が絶対値回路7を通じて乗算器8に供給されて端子9からの値b′が乗算される。また距離値xが上位に1ビットシフトされ、減算器10で距離値yが減算されて絶対値回路11に供給される。さらに距離値yが上位に1ビットシフトされ、減算器12で距離値xが減算されて絶対値回路13に供給される。これらの絶対値が加算器14で加算されて乗算器15で端子16からの値c′が乗算される。そして加算器5、乗算器8、15で求められた値が加算器17、18で加算され、算出された疑似距離の値d′が端子19に取り出される。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばデジタルカメラに使用して好適な距離算出方法及び撮像装置に関する。詳しくは、撮像部上でのレンズ系の光軸に対応する点と所望の点との距離を算出すると共に、この算出された距離値を用いて、例えばレンズ系による周辺光量落ちに対するシェーディング等の補正を行うようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】一般的にレンズ系と撮像部とを有する撮像装置においては、例えばレンズ系による周辺光量落ちによって撮像される画像にシェーディング等の障害の発生する恐れがある。このような障害に対しては、例えばレンズ系を多枚数で設計して障害の発生を防止することも行われるが、このような多枚数で設計されるレンズ系は高価格であり、いわゆる民生機器には採用が困難とされる場合が多い。
【0003】一方、例えば半導体撮像素子を用いる機器のように信号の取り出しがXY座標に従って行われている場合には、取り出された信号に対するデジタル処理によって画像を補正することができる。そこで従来からスキャナ等の分野においては、例えば安価なレンズ系で撮像したために生じる歪みや、周辺光量落ち、色にじみ等のレンズシェーディングをデジタル補正する技術が各種提案されている(特開平11−355511号公報、特開2000−41183号公報等参照)。
【0004】しかしながらこれらの先行技術は、いずれもスキャナ等の分野に限定して実施されたものであって、例えば補正処理のために相当の時間を掛けることができるものであり、例えばデジタルカメラのようにリアルタイムでの補正処理が要求されるようなものではない。これに対して、例えばデジタルカメラにおいてレンズシェーディング等のデジタル補正を行う技術としては、例えば特開2000−41179号公報に示される技術が提案されている。
【0005】すなわちこのようなレンズ系を用いて撮像を行う装置において、上述の歪みや周辺光量落ち、色にじみ等のレンズシェーディングは、レンズ系の光軸からの距離の関数になっていると考えられる。そこでこのような距離に応じて撮像された画素の信号を補正することで、上述のレンズシェーディングを軽減、若しくは補正することができる。従ってこのような補正を行うためには、まず補正対象画素がレンズ系の光軸からのどのくらい離れているか計算する必要がある。
【0006】ところがこのようなレンズ光軸からの距離dの計算において、従来の距離算出方法では、例えば原点Oと補正対象画素とのX座標上の距離を値x、Y座標上の距離を値yとして、いわゆるピタゴラスの定理を利用したd=√(x2 +y2 )の計算が用いられる。しかしながらこの計算には、自乗の計算と平方根の展開の計算が含まれているために、この計算手段を例えばハードウェアで実現するには膨大な回路構成が必要になるものである。
【0007】なお、このような計算はソフトウェアで行うこともできるが、例えばデジタルカメラにおいてリアルタイムで処理を行うためには、ソフトウェアの計算では時間が掛かり過ぎてしまうものである。また、このような計算を簡略化したハードウェアで実現する技術も提案(特開平7−95856号公報)されてはいるが、高精度のものではなく、例えば周辺光量落ちのような輝度を補正する場合には、より高い精度で距離を算出する必要が生じているものである。
【0008】さらに上述のハードウェアによる距離の計算では、例えば撮像部の大きさが変えられたり、例えば撮像部に電荷転送素子を用いて画素を間引いて読み出すなどの読み出し方式の変更が行われた場合に、光軸からの距離を正しく求めることができなくなる。すなわち例えば図18Aに示すような間引きが行われていると、本来なら図18Bのように行われる補正が、間引きによって図18Cのようになり、ハードウェアの固定された計算では正しい補正ができなくなってしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この出願はこのような点に鑑みて成されたものであって、解決しようとする問題点は、従来の方法及び装置では、距離の計算手段をハードウェアで実現するためには膨大な回路構成が必要になり、また簡略化した回路構成では高い精度で距離を算出することができず、さらに例えば撮像部の大きさが変えられたり、間引きなどの読み出し方式の変更が行われた場合に、光軸からの距離を正しく求めることができなくなってしまっていたというものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため本発明においては、距離の計算を多角形で近似した計算式を用いて算出を行うようにし、さらに算出された距離値を用いてレンズシェーディング等の補正を行うようにしたものであって、これによれば、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】すなわち本発明においては、任意の点のXY座標と所望の点のXY座標とが入力されて任意の点と所望の点との距離を算出する距離算出方法であって、所望の点を任意の点を中心とする任意の多角形で近似した計算式を用いて算出を行ってなるものである。
【0012】また、本発明においては、レンズ系とXY座標に従って信号が取り出される撮像部とを有する撮像装置であって、レンズ系の光軸に対応する点のXY座標と所望の点のXY座標とが入力されて、光軸に対応する点と所望の点との距離を、所望の点を光軸に対応する点を中心とする任意の多角形で近似した計算式を用いて算出する距離算出手段を有し、距離算出手段で算出された距離値を用いて少なくともレンズ系による周辺光量落ちに対するシェーディングの補正を行ってなるものである。
【0013】以下、図面を参照して本発明を説明するに、まず本発明の距離算出方法においては、例えば図1に示すように、任意の原点Oと所望の点との距離dを計算するものとし、その場合に任意の原点Oと所望の点とのX座標上の距離を値x、Y座標上の距離を値yとして計算を行う。そして上述の距離dの計算においては、原点Oを中心とした同心円状の等距離線の計算を、同心円を例えば図2に示すような正16角形で近似することによって行うものである。
【0014】すなわちこのような16角形の近似を行うことによって、距離dの計算式は、d=a(x+y)+b|x−y|+c〔|2x−y|+|x−2y|〕
・・・〔式1〕
で与えられる。
【0015】ここで16角形の各頂点において距離が等しく計算されるように、点(r,0)のときの距離d=r、点(r,r)のときの距離d=√(2)r、点(r,2r)のときの距離d=√(5)rとして〔式1〕を解くと、各係数の値は、a=〔√(5)−1〕/2b=〔2√(5)−3√(2)〕/2c=〔√(2)−√(5)+1〕/2となる。
【0016】従ってこれらの係数値(a,b,c)を代入した〔式1〕を用いることによって、所望の点(x,y)について正16角形で近似した距離dを求めることができるものである。そしてこの場合に、上述の〔式1〕の計算には、自乗の計算も平方根の展開の計算も含まれていないので、この計算手段を例えばハードウェアで容易に実現することができる。
【0017】すなわち図3には本発明による距離算出方法を適用した距離算出手段の一実施形態の構成を示す。なおこの実施形態では、距離を値d′=d/aとして、d′=(x+y)+b′|x−y|+c′〔|2x−y|+|x−2y|〕
・・・〔式2〕
但し、b′=〔2√(5)−3√(2)〕/〔√(5)−1〕
c′=〔√(2)−√(5)+1〕/〔√(5)−1〕
で求めるが、求められた疑似距離の値d′はa倍して距離dの値を得ることもできるし、あるいはこの値をルックアップテーブル等で用いるのであれば、予め疑似距離の値d′に対応したテーブル等を用意することができる。
【0018】そこで図3において、端子1X、1Yにはそれぞれ所望の画素位置の情報、すなわち所望の画素位置の水平(X軸)方向の座標と、垂直(Y軸)方向の座標が供給される。また端子2X、2Yにはそれぞれ光軸中心位置の情報、すなわち光軸中心位置の水平(X軸)方向の座標と、垂直(Y軸)方向の座標が供給される。そしてこれらの位置情報がそれぞれ減算器3X、3Yに供給され、減算された値が絶対値(ABS)回路4X、4Yに供給されて、上述の任意の原点Oと所望の点とのX座標上の距離値x及びY座標上の距離値yが求められる。
【0019】さらにこれらの絶対値回路4X、4Yからの距離値x及び距離値yが加算器5に供給されて、上述の〔式2〕の右辺の第1項の値が求められる。また、上述の距離値x及び距離値yが減算器6に供給され、この減算値が絶対値(ABS)回路7に供給されて、上述の〔式2〕の右辺の第2項の絶対値が求められる。そしてこの絶対値が乗算器8に供給され、この乗算器8で端子9からの値b′が乗算されて、〔式2〕の右辺の第2項の値が求められる。
【0020】また、上述の距離値xが上位に1ビットシフトされる。なおこの実施形態で用いられる値は2進値であり、上位への1ビットシフトは値を2倍することに相当する。また図面では、上位へのビットシフトを〔<<n〕(但し、nはシフトされるビット数)で表す。そしてこの2倍された距離値xが減算器10に供給されて上述の距離値yが減算される。さらにこの減算値が絶対値(ABS)回路11に供給されて、上述の〔式2〕の右辺の第3項の最初の絶対値が求められる。
【0021】さらに上述の距離値xが減算器12に供給され、上述の距離値yが上位に1ビットシフトされて減算器12に供給される。そして2倍された距離値yが距離値xから減算され、この減算値が絶対値(ABS)回路13に供給されて、上述の〔式2〕の右辺の第3項の2番目の絶対値が求められる。さらにこれらの絶対値が加算器14で加算されて乗算器15に供給され、この乗算器15で端子16からの値c′が乗算されて、〔式2〕の右辺の第3項の値が求められる。
【0022】そして上述の乗算器8で求められた〔式2〕の右辺の第2項の値と、乗算器15で求められた〔式2〕の右辺の第3項の値が加算器17で加算され、さらに加算器5で求められた〔式2〕の右辺の第1項の値が加算器18で加算される。これによって、上述の〔式2〕に従った疑似距離の値d′が算出されて端子19に取り出される。なお、この値d′はa倍して距離dの値を得ることもできるし、あるいは予め疑似距離の値d′に対応したルックアップテーブル等で直接用いることができる。
【0023】従ってこの実施形態において、距離の計算を多角形で近似した計算式を用いて算出を行うようにしたことによって、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができ、この算出された距離値を用いて、例えばデジタルカメラのようにリアルタイムでの補正処理が要求される装置においても良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができる。
【0024】これによって、従来の方法では、距離の計算手段をハードウェアで実現するためには膨大な回路構成が必要になり、また簡略化した回路構成では高い精度で距離を算出することができなかったものを、本発明によればこれらの問題点を容易に解消することができるものである。
【0025】ところで上述の実施形態においては、値b′と値c′の乗算のために、乗算器8、15が用いられているが、このような乗算器は必ずしも小さな回路構成とは言えないものである。そこで以下に説明する実施形態では、これらの乗算器をも削減する方法を示す。すなわち図4には上述の乗算器を削減する方法を適用した距離算出手段の一実施形態の構成を示す。なおこの図4の構成の説明で、上述の図3の構成と対応する部分には同一の符号を附して重複の説明を省略する。
【0026】この図4において、絶対値回路7からの絶対値が加算器20に供給され、この絶対値とこの絶対値を上位に1ビットシフト〔<<1〕された値が加算される。これによって加算器20では入力値を3倍にする演算が行われる。そしてさらにこの加算値が下位に4ビットシフトされて取り出される。また、絶対値回路11からの絶対値と絶対値回路13からの絶対値とが加算器21に供給されて、この加算値が下位に3ビットシフトされて取り出される。
【0027】なおこの実施形態で用いられる値は2進値であり、下位への4ビットシフトは値を1/16倍することに相当し、下位への3ビットシフトは値を1/8倍することに相当する。また図面では、下位へのビットシフトを〔>>m〕(但し、mはシフトされるビット数)で表す。そしてさらにこれらの加算器20、21で求められた値が、加算器17で加算される。他の構成は、上述の図3の構成と同様にされる。
【0028】そしてこの回路において、加算器20では入力値を3/16倍にする処理が行われる。ここで上述の値b′=〔2√(5)−3√(2)〕/〔√(5)−1〕は約0.1856656であり、3/16=0.1875と近似した値である。また加算器20では入力値を3/16倍にする処理が行われる。ここで上述の値c′=〔√(2)−√(5)+1〕/〔√(5)−1〕は約0.1441228であり、1/8=0.125と近似した値である。
【0029】従ってこの実施形態において、値b′と値c′の掛け算を乗算器を用いずに、加算とビットシフトだけで行うことができ、回路構成を一層簡略化することができる。なお値b′と値c′を近似する値は、上述の3/16と1/8に限らず、例えば値c′については5/32=0.15625を用いても、加算とビットシフトだけで行うことができる。また、使用されるハードウェア等の都合により他の適当な値を選ぶことができるものである。
【0030】さらに上述の実施形態においては、同心円を近似する多角形として正16角形を用いる場合を説明したが、他の多角形として、例えば正8角形を用いても同心円を近似することができる。すなわちその場合には、疑似距離の値d′を求めるために、d′=(x+y)+k|x−y| ・・・〔式3〕
の計算式を用いることができる。
【0031】そしてこの〔式3〕において、値k=√(2)−1は約0.4142135となるが、この値kを1/2=0.5で近似することにより、回路構成を例えば図5に示すようにすることができる。すなわち図5には上述の〔式3〕を用いて距離の算出を行う方法を適用した距離算出手段の一実施形態の構成を示す。なおこの図5の構成の説明で、上述の図3の構成と対応する部分には同一の符号を附して重複の説明を省略する。
【0032】この図5において、上述の絶対値回路4X、4Yからの距離値x及び距離値yが加算器31に供給されて、上述の〔式3〕の右辺の第1項の値が求められる。また上述の絶対値回路4X、4Yからの距離値x及び距離値yが減算器32に供給され、この減算値が絶対値(ABS)回路33に供給されて、上述の〔式3〕の右辺の第2項の絶対値が求められる。そして求められた絶対値が下位に1ビットシフト〔>>1〕されて取り出される。
【0033】なおこの実施形態で用いられる値は2進値であり、下位への1ビットシフトは値を1/2倍することに相当する。これによってこの絶対値回路33からは、上述の〔式3〕の右辺の第2項の値が求められる。そしてさらにこれらの加算器31、及び絶対値回路33で求められた値が、加算器18で加算される。他の構成は、上述の図3の構成と同様にされる。これによって、上述の〔式3〕に従った疑似距離の値d′が算出されて端子19に取り出される。
【0034】従ってこの実施形態においても、距離の計算を多角形で近似した計算式を用いて算出を行うようにしたことによって、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができ、この算出された距離値を用いて、例えばデジタルカメラのようにリアルタイムでの補正処理が要求される装置においても良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができる。
【0035】これによって、従来の方法では、距離の計算手段をハードウェアで実現するためには膨大な回路構成が必要になり、また簡略化した回路構成では高い精度で距離を算出することができなかったものを、本発明によればこれらの問題点を容易に解消することができるものである。
【0036】ところで上述の実施形態において、例えば撮像部の大きさが変えられたり、例えば撮像部に電荷転送素子を用いて画素を間引いて読み出すなどの読み出し方式の変更が行われた場合に、光軸からの距離を正しく求めることができなくなる。すなわち従来の技術で述べたように、例えば図18Aに示すような間引きが行われていると、本来なら図18Bのように行われる補正が、間引きによって図18Cのようになり、ハードウェアの固定された計算では正しい補正ができない。
【0037】そこで以下には、このような変更が行われた場合にも光軸からの距離を正しく求めるための手段を示す。すなわち図6〜図11には、例えば垂直方向に走査線の間引きが行われている場合にも光軸からの距離を正しく求めるための手段を示す。なおこの図6〜図11の構成の説明で、上述の図3の構成と対応する部分には同一の符号を附して重複の説明を省略する。
【0038】まず図6においては、垂直(Y軸)方向の距離値yを求める減算器3Yで求められた値が変換器(conv)40に供給される。この変換器40では、例えば端子41から供給される間引き情報に応じて、例えば垂直方向に走査線の間引きが行われている場合に、その間引きに応じた値の変換が行われる。そしてこの変換された値が絶対値(ABS)回路4Yに供給されて、上述の任意の原点Oと所望の点とのY座標上の距離値yが求められる。
【0039】すなわち端子1Yには、例えば所望の画素位置の垂直方向の情報が走査線数のカウント値で供給されるが、このカウント値が間引きの行われた状態では、間引きの状態に応じて値が減少されてしまっている。これに対して変換器40で、端子41から供給される間引き情報に応じて値の変換が行われ、値を間引きの行われない状態でのカウント値に変換することによって、光軸からの距離を正しく求めることができるようになるものである。
【0040】なお上述の変換は、具体的には間引き率の逆数を掛ける変換が行われる。従って上述の図6の回路構成は、例えば図7に示すように乗算器42と間引き率の逆数の供給される端子43によって構成することもできる。但し、例えば上述の図18Aに示すような間引きが行われている場合には、単純に間引き率の逆数を掛けても正確な値には戻らないが、図8に示すようにその誤差は±1であり、補正ゲインに大きな影響を与えるものではないので問題は生じない。
【0041】しかしながらこのような誤差をさらに修正する手段としては、例えば図9に示すように、乗算器42の後に加算器44を設け、端子45に供給される偶数ラインと奇数ラインを識別するライン識別信号(1ビット)に応じて値を加算する。これによって、例えば図8で変換後の値が「4」「12」の場合のような、実際のカウント値(「5」「13」)とずれている部分において、「1」を加算することで距離補正の誤差を修正することができる。
【0042】また上述の値の変換で、変換器40(または乗算器42)の位置は、例えば図10に示すように絶対値回路4Yの後に設けても、全く同じ値の変換を行うことができる。
【0043】さらに上述の値の変換は、垂直方向の間引きだけでなく、水平方向にも画素の間引きが行われている場合には、例えば図11に示すように水平(X軸)方向の距離値xを求める減算器3Xからの値が変換器(conv)46に供給され、例えば端子47から供給される水平間引き情報に応じて、その間引きに応じた値の変換が行われる。そしてこの変換された値が絶対値(ABS)回路4Xに供給されて、上述の任意の原点Oと所望の点とのX座標上の距離値xが求められる。
【0044】従って端子1Xには、例えば所望の画素位置の水平方向の情報が画素数のカウント値で供給されるが、このカウント値が間引きの行われた状態では、間引きの状態に応じて値が減少されてしまっている。これに対して変換器46で、端子47から供給される間引き情報に応じて値の変換が行われ、値を間引きの行われない状態でのカウント値に変換することによって、光軸からの距離を正しく求めることができるようになるものである。
【0045】なお、上述の水平(X軸)方向にも画素の間引きが行われている場合の距離値xを求める際の変換は、上述の図6、図7、図9、図10のいずれの実施形態にも適用できるものである。
【0046】従ってこれらの実施形態において、距離の計算を多角形で近似した計算式を用いて算出を行うようにしたことによって、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができ、さらに垂直及び/または水平方向に間引きが行われている場合にも良好な距離の計算を行うことができ、この算出された距離値を用いて、例えばデジタルカメラのようにリアルタイムでの補正処理が要求される装置においても良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができる。
【0047】これによって、従来の方法では、距離の計算手段をハードウェアで実現するためには膨大な回路構成が必要になり、また簡略化した回路構成では高い精度で距離を算出することができなかったものを、本発明によればこれらの問題点を容易に解消することができるものである。
【0048】さらに以下には、上述の本発明の距離算出方法を適用してリアルタイムで周辺光量落ちなどを補正する機能の設けられた本発明の撮像装置について説明する。すなわち図12には、例えばリアルタイムで周辺光量落ちなどを補正する機能の設けられたデジタルカメラの信号処理の構成を示す。
【0049】この図12において、例えば信号発生器(SG)50からの水平リセット信号と垂直リセット信号がタイミング発生器(TG)51に供給され、タイミング発生器51で発生された水平駆動信号と垂直駆動信号が半導体撮像素子(CCD)52に供給されて、撮像された各画素の信号がタイミング発生器51からの水平駆動信号と垂直駆動信号に従って読み出される。
【0050】また、信号発生器50からの水平カウンタ値と垂直カウンタ値が距離算出ブロック53に供給される。それと共に、端子54から光軸中心位置情報が距離算出ブロック53に供給されて、上述の本発明の距離算出方法を適用して距離の算出が行われる。すなわち上述の半導体撮像素子52から読み出される各画素ごとに、その画素に対応する水平カウンタ値と垂直カウンタ値が信号発生器50から距離算出ブロック53に供給されて、光軸中心位置との距離が算出される。
【0051】この距離算出ブロック53からの各画素ごとの光軸中心位置との距離がルックアップテーブル(LUT)55に供給される。そしてこのルックアップテーブル55からは光軸中心位置との距離に応じた周辺光量落ちなどを補正する補正係数が取り出され、この補正係数が補正ブロック56に供給されて、半導体撮像素子52から読み出される各画素の信号に対して光軸中心位置との距離に応じた周辺光量落ちなどの補正が行われる。
【0052】なおこの補正ブロック56は、一般的には補正係数を乗算する乗算器で構成されるが、オフセットを加えて補正を行うような場合には加算器であってもよい。また色にじみなど、周辺光量落ち以外の補正を行う回路を有していてもよい。そしてこの補正ブロック56で補正された信号がカメラ信号処理ブロック57に供給され、例えば供給される画像信号の補間や同時化などが行われて、端子58に取り出される出力画像信号(Y/C出力信号)が形成される。
【0053】従ってこの実施形態においては、距離の計算を多角形で近似した計算式を用いて算出を行うようにし、さらに算出された距離値を用いてレンズシェーディング等の補正を行うようにしたことによって、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができる。
【0054】これによって、従来の装置では、距離の計算手段をハードウェアで実現するためには膨大な回路構成が必要になり、また簡略化した回路構成では高い精度で距離を算出することができず、さらに例えば撮像部の大きさが変えられたり、間引きなどの読み出し方式の変更が行われた場合に、光軸からの距離を正しく求めることができなくなかったものを、本発明によればこれらの問題点を容易に解消することができるものである。
【0055】さらに図13には、上述の垂直及び/または水平方向に間引きが行われている場合の、例えばリアルタイムで周辺光量落ちなどを補正する機能の設けられたデジタルカメラの信号処理の構成を示す。
【0056】すなわちこの場合には、図13中に示すように距離算出ブロック53内に変換器40(または乗算器42)が設けられており、端子41から供給される間引き情報(または端子43から供給される間引き率の逆数)に応じて値の変換が行われる。これによって、カウント値が間引きの行われない状態でのカウント値に変換され、光軸からの距離を正しく求められることにより、良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるようになるものである。
【0057】また、上述のルックアップテーブル55は、例えば光軸中心位置との距離の値に対して周辺光量落ちなどを補正する補正係数を求めるようにした構成を用いることもできる。すなわち図14にはその場合の構成を示し、この図14中では、上述のルックアップテーブル55に代えて補正関数f(d)の演算ブロック59が設けられている。これによっても、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができる。
【0058】さらに上述の各実施形態において、補正ブロック56は、例えば図15に示すようにカメラ信号処理ブロック57の後に設けて変換を行うこともできる。従ってこの場合には、輝度信号(Y信号)と色差信号(Cb,Cr信号)とが分離された後で補正が行われるので、輝度信号に対しては周辺光量落ち、色差信号に対しては色にじみ補正を行うなど、輝度信号と色差信号に対して独立の補正を行うことができる。
【0059】またこのような補正ブロック56は、例えば図16に示すようにカメラ信号処理ブロック57の内部において、例えば色補間処理ブロック60の後に設けて、3原色信号(R,G,B)が補間により全画素揃った時点で、レンズシェーディング補正処理を行うようにしてもよい。さらに撮像素子が複数枚設けられた装置においては、例えば図17に示すように、各撮像素子52R、52G、52Bごとに補正を行う補正ブロック61を設けて実施することもできる。
【0060】さらに上述の実施形態においては、ルックアップテーブル55はいずれも1つのブロックで表現されているが、このルックアップテーブル55は、例えば3原色信号(R,G,B)や、輝度信号(Y信号)と色差信号(Cb,Cr信号)のそれぞれについて値を保存するようにしたものでもよい。
【0061】なお本発明の撮像装置は、一般的には静止画像を撮影するデジタルスチルカメラに適用されるものであるが、リアルタイムでの距離の算出が可能となる特長を活かして、動画像を撮影するデジタルビデオカメラにも適用することができるものである。
【0062】こうして上述の距離算出方法によれば、任意の点のXY座標と所望の点のXY座標とが入力されて任意の点と所望の点との距離を算出する距離算出方法であって、所望の点を任意の点を中心とする任意の多角形で近似した計算式を用いて算出を行うことにより、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができ、この算出された距離値を用いて、例えばデジタルカメラのようにリアルタイムでの補正処理が要求される装置においても良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0063】また、上述の撮像装置によれば、レンズ系とXY座標に従って信号が取り出される撮像部とを有する撮像装置であって、レンズ系の光軸に対応する点のXY座標と所望の点のXY座標とが入力されて、光軸に対応する点と所望の点との距離を、所望の点を光軸に対応する点を中心とする任意の多角形で近似した計算式を用いて算出する距離算出手段を有し、距離算出手段で算出された距離値を用いて少なくともレンズ系による周辺光量落ちに対するシェーディングの補正を行うことにより、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0064】なお本発明は、上述の説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱することなく種々の変形が可能とされるものである。
【0065】
【発明の効果】従って請求項1の発明によれば、距離の計算を多角形で近似した計算式を用いて算出を行うようにしたことによって、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができ、この算出された距離値を用いて、例えばデジタルカメラのようにリアルタイムでの補正処理が要求される装置においても良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0066】また、請求項2の発明によれば、任意の点と所望の点とのX座標上の距離を値x及びY座標上の距離を値yとすると共に、多角形を16角形とし、近似式を、(x+y)+A|x−y|+B〔|2x−y|+|x−2y|〕として距離の算出を行うことによって、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができるものである。
【0067】また、請求項3の発明によれば、多角形の近似式の係数に任意の近似値を用いて距離の算出を行うことによって、より簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができるものである。
【0068】また、請求項4の発明によれば、係数値を、A=3/16、B=1/8として距離の算出を行うことによって、極めて簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができるものである。
【0069】また、請求項5の発明によれば、XY座標を任意に圧縮伸張して処理を行う際に、入力される値x及び値yを予め圧縮伸張の比率に応じて変換して距離の算出を行うことによって、座標の間引きが行われている場合にも簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができるものである。
【0070】また、請求項6の発明によれば、任意の点と所望の点とのX座標上の距離を値x及びY座標上の距離を値yとすると共に、多角形を8角形とし、近似式を、(x+y)+C|x−y|として距離の算出を行うことによって、さらに簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができるものである。
【0071】また、請求項7の発明によれば、多角形の近似式の係数に任意の近似値を用いて距離の算出を行うことによって、より簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができるものである。
【0072】また、請求項8の発明によれば、係数値を、C=1/2として距離の算出を行うことによって、極めて簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができるものである。
【0073】また、請求項9の発明によれば、XY座標を任意に圧縮伸張して処理を行う際に、入力される値x及び値yを予め圧縮伸張の比率に応じて変換して距離の算出を行うことによって、座標の間引きが行われている場合にも簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができるものである。
【0074】さらに請求項10の発明によれば、距離の計算を多角形で近似した計算式を用いて算出を行うようにし、さらに算出された距離値を用いてレンズシェーディング等の補正を行うようにしたことによって、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0075】また、請求項11の発明によれば、撮像部上でのレンズ系の光軸に対応する点と所望の点とのX座標上の距離を値x及びY座標上の距離を値yとすると共に、多角形を16角形とし、近似式を、(x+y)+A|x−y|+B〔|2x−y|+|x−2y|〕として距離の算出を行うことによって、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0076】また、請求項12の発明によれば、多角形の近似式の係数に任意の近似値を用いて距離の算出を行うことによって、より簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0077】また、請求項13の発明によれば、係数値を、A=3/16、B=1/8として距離の算出を行うことによって、極めて簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0078】また、請求項14の発明によれば、XY座標に従って行われる撮像部からの信号の取り出しを任意に間引いて処理を行う際に、入力される値x及び値yを予め間引きの比率に応じて変換して距離の算出を行うことによって、座標の間引きが行われている場合にも簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0079】また、請求項15の発明によれば、撮像部上でのレンズ系の光軸に対応する点と所望の点とのX座標上の距離を値x及びY座標上の距離を値yとすると共に、多角形を8角形とし、近似式を、(x+y)+C|x−y|として距離の算出を行うことによって、さらに簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0080】また、請求項16の発明によれば、多角形の近似式の係数に任意の近似値を用いて距離の算出を行うことによって、より簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0081】また、請求項17の発明によれば、係数値を、C=1/2として距離の算出を行うことによって、極めて簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0082】また、請求項18の発明によれば、XY座標に従って行われる撮像部からの信号の取り出しを任意に間引いて処理を行う際に、入力される値x及び値yを予め間引きの比率に応じて変換して距離の算出を行うことによって、座標の間引きが行われている場合にも簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0083】これによって、従来の方法及び装置では、距離の計算手段をハードウェアで実現するためには膨大な回路構成が必要になり、また簡略化した回路構成では高い精度で距離を算出することができず、さらに例えば撮像部の大きさが変えられたり、間引きなどの読み出し方式の変更が行われた場合に、光軸からの距離を正しく求めることができなくなってしまってものを、本発明によればこれらの問題点を容易に解消することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の距離算出方法の説明のための図である。
【図2】本発明の距離算出方法の説明のための図である。
【図3】本発明による距離算出方法を適用した距離算出手段の一実施形態の構成図である。
【図4】本発明による距離算出方法を適用した距離算出手段の他の実施形態の構成図である。
【図5】本発明による距離算出方法を適用した距離算出手段の他の実施形態の構成図である。
【図6】本発明による距離算出方法を適用した距離算出手段の他の実施形態の構成図である。
【図7】本発明による距離算出方法を適用した距離算出手段の他の実施形態の構成図である。
【図8】座標の間引きの説明のための図である。
【図9】本発明による距離算出方法を適用した距離算出手段のさらに他の実施形態の構成図である。
【図10】本発明による距離算出方法を適用した距離算出手段のさらに他の実施形態の構成図である。
【図11】本発明による距離算出方法を適用した距離算出手段のさらに他の実施形態の構成図である。
【図12】本発明を適用した撮像装置の一実施形態の構成図である。
【図13】本発明を適用した撮像装置の他の実施形態の構成図である。
【図14】本発明を適用した撮像装置の他の実施形態の構成図である。
【図15】本発明を適用した撮像装置の他の実施形態の構成図である。
【図16】本発明を適用した撮像装置の他の実施形態の構成図である。
【図17】本発明を適用した撮像装置の他の実施形態の構成図である。
【図18】間引きの説明のための図である。
【符号の説明】
1X,1Y,2X,2Y,9,16…入力端子、3X,3Y,6,10,12…減算器、4X,4Y,7,11,13…絶対値(ABS)回路、5,14,17,18…加算器、8,15…乗算器、19…出力端子
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばデジタルカメラに使用して好適な距離算出方法及び撮像装置に関する。詳しくは、撮像部上でのレンズ系の光軸に対応する点と所望の点との距離を算出すると共に、この算出された距離値を用いて、例えばレンズ系による周辺光量落ちに対するシェーディング等の補正を行うようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】一般的にレンズ系と撮像部とを有する撮像装置においては、例えばレンズ系による周辺光量落ちによって撮像される画像にシェーディング等の障害の発生する恐れがある。このような障害に対しては、例えばレンズ系を多枚数で設計して障害の発生を防止することも行われるが、このような多枚数で設計されるレンズ系は高価格であり、いわゆる民生機器には採用が困難とされる場合が多い。
【0003】一方、例えば半導体撮像素子を用いる機器のように信号の取り出しがXY座標に従って行われている場合には、取り出された信号に対するデジタル処理によって画像を補正することができる。そこで従来からスキャナ等の分野においては、例えば安価なレンズ系で撮像したために生じる歪みや、周辺光量落ち、色にじみ等のレンズシェーディングをデジタル補正する技術が各種提案されている(特開平11−355511号公報、特開2000−41183号公報等参照)。
【0004】しかしながらこれらの先行技術は、いずれもスキャナ等の分野に限定して実施されたものであって、例えば補正処理のために相当の時間を掛けることができるものであり、例えばデジタルカメラのようにリアルタイムでの補正処理が要求されるようなものではない。これに対して、例えばデジタルカメラにおいてレンズシェーディング等のデジタル補正を行う技術としては、例えば特開2000−41179号公報に示される技術が提案されている。
【0005】すなわちこのようなレンズ系を用いて撮像を行う装置において、上述の歪みや周辺光量落ち、色にじみ等のレンズシェーディングは、レンズ系の光軸からの距離の関数になっていると考えられる。そこでこのような距離に応じて撮像された画素の信号を補正することで、上述のレンズシェーディングを軽減、若しくは補正することができる。従ってこのような補正を行うためには、まず補正対象画素がレンズ系の光軸からのどのくらい離れているか計算する必要がある。
【0006】ところがこのようなレンズ光軸からの距離dの計算において、従来の距離算出方法では、例えば原点Oと補正対象画素とのX座標上の距離を値x、Y座標上の距離を値yとして、いわゆるピタゴラスの定理を利用したd=√(x2 +y2 )の計算が用いられる。しかしながらこの計算には、自乗の計算と平方根の展開の計算が含まれているために、この計算手段を例えばハードウェアで実現するには膨大な回路構成が必要になるものである。
【0007】なお、このような計算はソフトウェアで行うこともできるが、例えばデジタルカメラにおいてリアルタイムで処理を行うためには、ソフトウェアの計算では時間が掛かり過ぎてしまうものである。また、このような計算を簡略化したハードウェアで実現する技術も提案(特開平7−95856号公報)されてはいるが、高精度のものではなく、例えば周辺光量落ちのような輝度を補正する場合には、より高い精度で距離を算出する必要が生じているものである。
【0008】さらに上述のハードウェアによる距離の計算では、例えば撮像部の大きさが変えられたり、例えば撮像部に電荷転送素子を用いて画素を間引いて読み出すなどの読み出し方式の変更が行われた場合に、光軸からの距離を正しく求めることができなくなる。すなわち例えば図18Aに示すような間引きが行われていると、本来なら図18Bのように行われる補正が、間引きによって図18Cのようになり、ハードウェアの固定された計算では正しい補正ができなくなってしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この出願はこのような点に鑑みて成されたものであって、解決しようとする問題点は、従来の方法及び装置では、距離の計算手段をハードウェアで実現するためには膨大な回路構成が必要になり、また簡略化した回路構成では高い精度で距離を算出することができず、さらに例えば撮像部の大きさが変えられたり、間引きなどの読み出し方式の変更が行われた場合に、光軸からの距離を正しく求めることができなくなってしまっていたというものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため本発明においては、距離の計算を多角形で近似した計算式を用いて算出を行うようにし、さらに算出された距離値を用いてレンズシェーディング等の補正を行うようにしたものであって、これによれば、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】すなわち本発明においては、任意の点のXY座標と所望の点のXY座標とが入力されて任意の点と所望の点との距離を算出する距離算出方法であって、所望の点を任意の点を中心とする任意の多角形で近似した計算式を用いて算出を行ってなるものである。
【0012】また、本発明においては、レンズ系とXY座標に従って信号が取り出される撮像部とを有する撮像装置であって、レンズ系の光軸に対応する点のXY座標と所望の点のXY座標とが入力されて、光軸に対応する点と所望の点との距離を、所望の点を光軸に対応する点を中心とする任意の多角形で近似した計算式を用いて算出する距離算出手段を有し、距離算出手段で算出された距離値を用いて少なくともレンズ系による周辺光量落ちに対するシェーディングの補正を行ってなるものである。
【0013】以下、図面を参照して本発明を説明するに、まず本発明の距離算出方法においては、例えば図1に示すように、任意の原点Oと所望の点との距離dを計算するものとし、その場合に任意の原点Oと所望の点とのX座標上の距離を値x、Y座標上の距離を値yとして計算を行う。そして上述の距離dの計算においては、原点Oを中心とした同心円状の等距離線の計算を、同心円を例えば図2に示すような正16角形で近似することによって行うものである。
【0014】すなわちこのような16角形の近似を行うことによって、距離dの計算式は、d=a(x+y)+b|x−y|+c〔|2x−y|+|x−2y|〕
・・・〔式1〕
で与えられる。
【0015】ここで16角形の各頂点において距離が等しく計算されるように、点(r,0)のときの距離d=r、点(r,r)のときの距離d=√(2)r、点(r,2r)のときの距離d=√(5)rとして〔式1〕を解くと、各係数の値は、a=〔√(5)−1〕/2b=〔2√(5)−3√(2)〕/2c=〔√(2)−√(5)+1〕/2となる。
【0016】従ってこれらの係数値(a,b,c)を代入した〔式1〕を用いることによって、所望の点(x,y)について正16角形で近似した距離dを求めることができるものである。そしてこの場合に、上述の〔式1〕の計算には、自乗の計算も平方根の展開の計算も含まれていないので、この計算手段を例えばハードウェアで容易に実現することができる。
【0017】すなわち図3には本発明による距離算出方法を適用した距離算出手段の一実施形態の構成を示す。なおこの実施形態では、距離を値d′=d/aとして、d′=(x+y)+b′|x−y|+c′〔|2x−y|+|x−2y|〕
・・・〔式2〕
但し、b′=〔2√(5)−3√(2)〕/〔√(5)−1〕
c′=〔√(2)−√(5)+1〕/〔√(5)−1〕
で求めるが、求められた疑似距離の値d′はa倍して距離dの値を得ることもできるし、あるいはこの値をルックアップテーブル等で用いるのであれば、予め疑似距離の値d′に対応したテーブル等を用意することができる。
【0018】そこで図3において、端子1X、1Yにはそれぞれ所望の画素位置の情報、すなわち所望の画素位置の水平(X軸)方向の座標と、垂直(Y軸)方向の座標が供給される。また端子2X、2Yにはそれぞれ光軸中心位置の情報、すなわち光軸中心位置の水平(X軸)方向の座標と、垂直(Y軸)方向の座標が供給される。そしてこれらの位置情報がそれぞれ減算器3X、3Yに供給され、減算された値が絶対値(ABS)回路4X、4Yに供給されて、上述の任意の原点Oと所望の点とのX座標上の距離値x及びY座標上の距離値yが求められる。
【0019】さらにこれらの絶対値回路4X、4Yからの距離値x及び距離値yが加算器5に供給されて、上述の〔式2〕の右辺の第1項の値が求められる。また、上述の距離値x及び距離値yが減算器6に供給され、この減算値が絶対値(ABS)回路7に供給されて、上述の〔式2〕の右辺の第2項の絶対値が求められる。そしてこの絶対値が乗算器8に供給され、この乗算器8で端子9からの値b′が乗算されて、〔式2〕の右辺の第2項の値が求められる。
【0020】また、上述の距離値xが上位に1ビットシフトされる。なおこの実施形態で用いられる値は2進値であり、上位への1ビットシフトは値を2倍することに相当する。また図面では、上位へのビットシフトを〔<<n〕(但し、nはシフトされるビット数)で表す。そしてこの2倍された距離値xが減算器10に供給されて上述の距離値yが減算される。さらにこの減算値が絶対値(ABS)回路11に供給されて、上述の〔式2〕の右辺の第3項の最初の絶対値が求められる。
【0021】さらに上述の距離値xが減算器12に供給され、上述の距離値yが上位に1ビットシフトされて減算器12に供給される。そして2倍された距離値yが距離値xから減算され、この減算値が絶対値(ABS)回路13に供給されて、上述の〔式2〕の右辺の第3項の2番目の絶対値が求められる。さらにこれらの絶対値が加算器14で加算されて乗算器15に供給され、この乗算器15で端子16からの値c′が乗算されて、〔式2〕の右辺の第3項の値が求められる。
【0022】そして上述の乗算器8で求められた〔式2〕の右辺の第2項の値と、乗算器15で求められた〔式2〕の右辺の第3項の値が加算器17で加算され、さらに加算器5で求められた〔式2〕の右辺の第1項の値が加算器18で加算される。これによって、上述の〔式2〕に従った疑似距離の値d′が算出されて端子19に取り出される。なお、この値d′はa倍して距離dの値を得ることもできるし、あるいは予め疑似距離の値d′に対応したルックアップテーブル等で直接用いることができる。
【0023】従ってこの実施形態において、距離の計算を多角形で近似した計算式を用いて算出を行うようにしたことによって、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができ、この算出された距離値を用いて、例えばデジタルカメラのようにリアルタイムでの補正処理が要求される装置においても良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができる。
【0024】これによって、従来の方法では、距離の計算手段をハードウェアで実現するためには膨大な回路構成が必要になり、また簡略化した回路構成では高い精度で距離を算出することができなかったものを、本発明によればこれらの問題点を容易に解消することができるものである。
【0025】ところで上述の実施形態においては、値b′と値c′の乗算のために、乗算器8、15が用いられているが、このような乗算器は必ずしも小さな回路構成とは言えないものである。そこで以下に説明する実施形態では、これらの乗算器をも削減する方法を示す。すなわち図4には上述の乗算器を削減する方法を適用した距離算出手段の一実施形態の構成を示す。なおこの図4の構成の説明で、上述の図3の構成と対応する部分には同一の符号を附して重複の説明を省略する。
【0026】この図4において、絶対値回路7からの絶対値が加算器20に供給され、この絶対値とこの絶対値を上位に1ビットシフト〔<<1〕された値が加算される。これによって加算器20では入力値を3倍にする演算が行われる。そしてさらにこの加算値が下位に4ビットシフトされて取り出される。また、絶対値回路11からの絶対値と絶対値回路13からの絶対値とが加算器21に供給されて、この加算値が下位に3ビットシフトされて取り出される。
【0027】なおこの実施形態で用いられる値は2進値であり、下位への4ビットシフトは値を1/16倍することに相当し、下位への3ビットシフトは値を1/8倍することに相当する。また図面では、下位へのビットシフトを〔>>m〕(但し、mはシフトされるビット数)で表す。そしてさらにこれらの加算器20、21で求められた値が、加算器17で加算される。他の構成は、上述の図3の構成と同様にされる。
【0028】そしてこの回路において、加算器20では入力値を3/16倍にする処理が行われる。ここで上述の値b′=〔2√(5)−3√(2)〕/〔√(5)−1〕は約0.1856656であり、3/16=0.1875と近似した値である。また加算器20では入力値を3/16倍にする処理が行われる。ここで上述の値c′=〔√(2)−√(5)+1〕/〔√(5)−1〕は約0.1441228であり、1/8=0.125と近似した値である。
【0029】従ってこの実施形態において、値b′と値c′の掛け算を乗算器を用いずに、加算とビットシフトだけで行うことができ、回路構成を一層簡略化することができる。なお値b′と値c′を近似する値は、上述の3/16と1/8に限らず、例えば値c′については5/32=0.15625を用いても、加算とビットシフトだけで行うことができる。また、使用されるハードウェア等の都合により他の適当な値を選ぶことができるものである。
【0030】さらに上述の実施形態においては、同心円を近似する多角形として正16角形を用いる場合を説明したが、他の多角形として、例えば正8角形を用いても同心円を近似することができる。すなわちその場合には、疑似距離の値d′を求めるために、d′=(x+y)+k|x−y| ・・・〔式3〕
の計算式を用いることができる。
【0031】そしてこの〔式3〕において、値k=√(2)−1は約0.4142135となるが、この値kを1/2=0.5で近似することにより、回路構成を例えば図5に示すようにすることができる。すなわち図5には上述の〔式3〕を用いて距離の算出を行う方法を適用した距離算出手段の一実施形態の構成を示す。なおこの図5の構成の説明で、上述の図3の構成と対応する部分には同一の符号を附して重複の説明を省略する。
【0032】この図5において、上述の絶対値回路4X、4Yからの距離値x及び距離値yが加算器31に供給されて、上述の〔式3〕の右辺の第1項の値が求められる。また上述の絶対値回路4X、4Yからの距離値x及び距離値yが減算器32に供給され、この減算値が絶対値(ABS)回路33に供給されて、上述の〔式3〕の右辺の第2項の絶対値が求められる。そして求められた絶対値が下位に1ビットシフト〔>>1〕されて取り出される。
【0033】なおこの実施形態で用いられる値は2進値であり、下位への1ビットシフトは値を1/2倍することに相当する。これによってこの絶対値回路33からは、上述の〔式3〕の右辺の第2項の値が求められる。そしてさらにこれらの加算器31、及び絶対値回路33で求められた値が、加算器18で加算される。他の構成は、上述の図3の構成と同様にされる。これによって、上述の〔式3〕に従った疑似距離の値d′が算出されて端子19に取り出される。
【0034】従ってこの実施形態においても、距離の計算を多角形で近似した計算式を用いて算出を行うようにしたことによって、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができ、この算出された距離値を用いて、例えばデジタルカメラのようにリアルタイムでの補正処理が要求される装置においても良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができる。
【0035】これによって、従来の方法では、距離の計算手段をハードウェアで実現するためには膨大な回路構成が必要になり、また簡略化した回路構成では高い精度で距離を算出することができなかったものを、本発明によればこれらの問題点を容易に解消することができるものである。
【0036】ところで上述の実施形態において、例えば撮像部の大きさが変えられたり、例えば撮像部に電荷転送素子を用いて画素を間引いて読み出すなどの読み出し方式の変更が行われた場合に、光軸からの距離を正しく求めることができなくなる。すなわち従来の技術で述べたように、例えば図18Aに示すような間引きが行われていると、本来なら図18Bのように行われる補正が、間引きによって図18Cのようになり、ハードウェアの固定された計算では正しい補正ができない。
【0037】そこで以下には、このような変更が行われた場合にも光軸からの距離を正しく求めるための手段を示す。すなわち図6〜図11には、例えば垂直方向に走査線の間引きが行われている場合にも光軸からの距離を正しく求めるための手段を示す。なおこの図6〜図11の構成の説明で、上述の図3の構成と対応する部分には同一の符号を附して重複の説明を省略する。
【0038】まず図6においては、垂直(Y軸)方向の距離値yを求める減算器3Yで求められた値が変換器(conv)40に供給される。この変換器40では、例えば端子41から供給される間引き情報に応じて、例えば垂直方向に走査線の間引きが行われている場合に、その間引きに応じた値の変換が行われる。そしてこの変換された値が絶対値(ABS)回路4Yに供給されて、上述の任意の原点Oと所望の点とのY座標上の距離値yが求められる。
【0039】すなわち端子1Yには、例えば所望の画素位置の垂直方向の情報が走査線数のカウント値で供給されるが、このカウント値が間引きの行われた状態では、間引きの状態に応じて値が減少されてしまっている。これに対して変換器40で、端子41から供給される間引き情報に応じて値の変換が行われ、値を間引きの行われない状態でのカウント値に変換することによって、光軸からの距離を正しく求めることができるようになるものである。
【0040】なお上述の変換は、具体的には間引き率の逆数を掛ける変換が行われる。従って上述の図6の回路構成は、例えば図7に示すように乗算器42と間引き率の逆数の供給される端子43によって構成することもできる。但し、例えば上述の図18Aに示すような間引きが行われている場合には、単純に間引き率の逆数を掛けても正確な値には戻らないが、図8に示すようにその誤差は±1であり、補正ゲインに大きな影響を与えるものではないので問題は生じない。
【0041】しかしながらこのような誤差をさらに修正する手段としては、例えば図9に示すように、乗算器42の後に加算器44を設け、端子45に供給される偶数ラインと奇数ラインを識別するライン識別信号(1ビット)に応じて値を加算する。これによって、例えば図8で変換後の値が「4」「12」の場合のような、実際のカウント値(「5」「13」)とずれている部分において、「1」を加算することで距離補正の誤差を修正することができる。
【0042】また上述の値の変換で、変換器40(または乗算器42)の位置は、例えば図10に示すように絶対値回路4Yの後に設けても、全く同じ値の変換を行うことができる。
【0043】さらに上述の値の変換は、垂直方向の間引きだけでなく、水平方向にも画素の間引きが行われている場合には、例えば図11に示すように水平(X軸)方向の距離値xを求める減算器3Xからの値が変換器(conv)46に供給され、例えば端子47から供給される水平間引き情報に応じて、その間引きに応じた値の変換が行われる。そしてこの変換された値が絶対値(ABS)回路4Xに供給されて、上述の任意の原点Oと所望の点とのX座標上の距離値xが求められる。
【0044】従って端子1Xには、例えば所望の画素位置の水平方向の情報が画素数のカウント値で供給されるが、このカウント値が間引きの行われた状態では、間引きの状態に応じて値が減少されてしまっている。これに対して変換器46で、端子47から供給される間引き情報に応じて値の変換が行われ、値を間引きの行われない状態でのカウント値に変換することによって、光軸からの距離を正しく求めることができるようになるものである。
【0045】なお、上述の水平(X軸)方向にも画素の間引きが行われている場合の距離値xを求める際の変換は、上述の図6、図7、図9、図10のいずれの実施形態にも適用できるものである。
【0046】従ってこれらの実施形態において、距離の計算を多角形で近似した計算式を用いて算出を行うようにしたことによって、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができ、さらに垂直及び/または水平方向に間引きが行われている場合にも良好な距離の計算を行うことができ、この算出された距離値を用いて、例えばデジタルカメラのようにリアルタイムでの補正処理が要求される装置においても良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができる。
【0047】これによって、従来の方法では、距離の計算手段をハードウェアで実現するためには膨大な回路構成が必要になり、また簡略化した回路構成では高い精度で距離を算出することができなかったものを、本発明によればこれらの問題点を容易に解消することができるものである。
【0048】さらに以下には、上述の本発明の距離算出方法を適用してリアルタイムで周辺光量落ちなどを補正する機能の設けられた本発明の撮像装置について説明する。すなわち図12には、例えばリアルタイムで周辺光量落ちなどを補正する機能の設けられたデジタルカメラの信号処理の構成を示す。
【0049】この図12において、例えば信号発生器(SG)50からの水平リセット信号と垂直リセット信号がタイミング発生器(TG)51に供給され、タイミング発生器51で発生された水平駆動信号と垂直駆動信号が半導体撮像素子(CCD)52に供給されて、撮像された各画素の信号がタイミング発生器51からの水平駆動信号と垂直駆動信号に従って読み出される。
【0050】また、信号発生器50からの水平カウンタ値と垂直カウンタ値が距離算出ブロック53に供給される。それと共に、端子54から光軸中心位置情報が距離算出ブロック53に供給されて、上述の本発明の距離算出方法を適用して距離の算出が行われる。すなわち上述の半導体撮像素子52から読み出される各画素ごとに、その画素に対応する水平カウンタ値と垂直カウンタ値が信号発生器50から距離算出ブロック53に供給されて、光軸中心位置との距離が算出される。
【0051】この距離算出ブロック53からの各画素ごとの光軸中心位置との距離がルックアップテーブル(LUT)55に供給される。そしてこのルックアップテーブル55からは光軸中心位置との距離に応じた周辺光量落ちなどを補正する補正係数が取り出され、この補正係数が補正ブロック56に供給されて、半導体撮像素子52から読み出される各画素の信号に対して光軸中心位置との距離に応じた周辺光量落ちなどの補正が行われる。
【0052】なおこの補正ブロック56は、一般的には補正係数を乗算する乗算器で構成されるが、オフセットを加えて補正を行うような場合には加算器であってもよい。また色にじみなど、周辺光量落ち以外の補正を行う回路を有していてもよい。そしてこの補正ブロック56で補正された信号がカメラ信号処理ブロック57に供給され、例えば供給される画像信号の補間や同時化などが行われて、端子58に取り出される出力画像信号(Y/C出力信号)が形成される。
【0053】従ってこの実施形態においては、距離の計算を多角形で近似した計算式を用いて算出を行うようにし、さらに算出された距離値を用いてレンズシェーディング等の補正を行うようにしたことによって、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができる。
【0054】これによって、従来の装置では、距離の計算手段をハードウェアで実現するためには膨大な回路構成が必要になり、また簡略化した回路構成では高い精度で距離を算出することができず、さらに例えば撮像部の大きさが変えられたり、間引きなどの読み出し方式の変更が行われた場合に、光軸からの距離を正しく求めることができなくなかったものを、本発明によればこれらの問題点を容易に解消することができるものである。
【0055】さらに図13には、上述の垂直及び/または水平方向に間引きが行われている場合の、例えばリアルタイムで周辺光量落ちなどを補正する機能の設けられたデジタルカメラの信号処理の構成を示す。
【0056】すなわちこの場合には、図13中に示すように距離算出ブロック53内に変換器40(または乗算器42)が設けられており、端子41から供給される間引き情報(または端子43から供給される間引き率の逆数)に応じて値の変換が行われる。これによって、カウント値が間引きの行われない状態でのカウント値に変換され、光軸からの距離を正しく求められることにより、良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるようになるものである。
【0057】また、上述のルックアップテーブル55は、例えば光軸中心位置との距離の値に対して周辺光量落ちなどを補正する補正係数を求めるようにした構成を用いることもできる。すなわち図14にはその場合の構成を示し、この図14中では、上述のルックアップテーブル55に代えて補正関数f(d)の演算ブロック59が設けられている。これによっても、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができる。
【0058】さらに上述の各実施形態において、補正ブロック56は、例えば図15に示すようにカメラ信号処理ブロック57の後に設けて変換を行うこともできる。従ってこの場合には、輝度信号(Y信号)と色差信号(Cb,Cr信号)とが分離された後で補正が行われるので、輝度信号に対しては周辺光量落ち、色差信号に対しては色にじみ補正を行うなど、輝度信号と色差信号に対して独立の補正を行うことができる。
【0059】またこのような補正ブロック56は、例えば図16に示すようにカメラ信号処理ブロック57の内部において、例えば色補間処理ブロック60の後に設けて、3原色信号(R,G,B)が補間により全画素揃った時点で、レンズシェーディング補正処理を行うようにしてもよい。さらに撮像素子が複数枚設けられた装置においては、例えば図17に示すように、各撮像素子52R、52G、52Bごとに補正を行う補正ブロック61を設けて実施することもできる。
【0060】さらに上述の実施形態においては、ルックアップテーブル55はいずれも1つのブロックで表現されているが、このルックアップテーブル55は、例えば3原色信号(R,G,B)や、輝度信号(Y信号)と色差信号(Cb,Cr信号)のそれぞれについて値を保存するようにしたものでもよい。
【0061】なお本発明の撮像装置は、一般的には静止画像を撮影するデジタルスチルカメラに適用されるものであるが、リアルタイムでの距離の算出が可能となる特長を活かして、動画像を撮影するデジタルビデオカメラにも適用することができるものである。
【0062】こうして上述の距離算出方法によれば、任意の点のXY座標と所望の点のXY座標とが入力されて任意の点と所望の点との距離を算出する距離算出方法であって、所望の点を任意の点を中心とする任意の多角形で近似した計算式を用いて算出を行うことにより、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができ、この算出された距離値を用いて、例えばデジタルカメラのようにリアルタイムでの補正処理が要求される装置においても良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0063】また、上述の撮像装置によれば、レンズ系とXY座標に従って信号が取り出される撮像部とを有する撮像装置であって、レンズ系の光軸に対応する点のXY座標と所望の点のXY座標とが入力されて、光軸に対応する点と所望の点との距離を、所望の点を光軸に対応する点を中心とする任意の多角形で近似した計算式を用いて算出する距離算出手段を有し、距離算出手段で算出された距離値を用いて少なくともレンズ系による周辺光量落ちに対するシェーディングの補正を行うことにより、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0064】なお本発明は、上述の説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱することなく種々の変形が可能とされるものである。
【0065】
【発明の効果】従って請求項1の発明によれば、距離の計算を多角形で近似した計算式を用いて算出を行うようにしたことによって、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができ、この算出された距離値を用いて、例えばデジタルカメラのようにリアルタイムでの補正処理が要求される装置においても良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0066】また、請求項2の発明によれば、任意の点と所望の点とのX座標上の距離を値x及びY座標上の距離を値yとすると共に、多角形を16角形とし、近似式を、(x+y)+A|x−y|+B〔|2x−y|+|x−2y|〕として距離の算出を行うことによって、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができるものである。
【0067】また、請求項3の発明によれば、多角形の近似式の係数に任意の近似値を用いて距離の算出を行うことによって、より簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができるものである。
【0068】また、請求項4の発明によれば、係数値を、A=3/16、B=1/8として距離の算出を行うことによって、極めて簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができるものである。
【0069】また、請求項5の発明によれば、XY座標を任意に圧縮伸張して処理を行う際に、入力される値x及び値yを予め圧縮伸張の比率に応じて変換して距離の算出を行うことによって、座標の間引きが行われている場合にも簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができるものである。
【0070】また、請求項6の発明によれば、任意の点と所望の点とのX座標上の距離を値x及びY座標上の距離を値yとすると共に、多角形を8角形とし、近似式を、(x+y)+C|x−y|として距離の算出を行うことによって、さらに簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができるものである。
【0071】また、請求項7の発明によれば、多角形の近似式の係数に任意の近似値を用いて距離の算出を行うことによって、より簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができるものである。
【0072】また、請求項8の発明によれば、係数値を、C=1/2として距離の算出を行うことによって、極めて簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができるものである。
【0073】また、請求項9の発明によれば、XY座標を任意に圧縮伸張して処理を行う際に、入力される値x及び値yを予め圧縮伸張の比率に応じて変換して距離の算出を行うことによって、座標の間引きが行われている場合にも簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができるものである。
【0074】さらに請求項10の発明によれば、距離の計算を多角形で近似した計算式を用いて算出を行うようにし、さらに算出された距離値を用いてレンズシェーディング等の補正を行うようにしたことによって、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0075】また、請求項11の発明によれば、撮像部上でのレンズ系の光軸に対応する点と所望の点とのX座標上の距離を値x及びY座標上の距離を値yとすると共に、多角形を16角形とし、近似式を、(x+y)+A|x−y|+B〔|2x−y|+|x−2y|〕として距離の算出を行うことによって、簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0076】また、請求項12の発明によれば、多角形の近似式の係数に任意の近似値を用いて距離の算出を行うことによって、より簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0077】また、請求項13の発明によれば、係数値を、A=3/16、B=1/8として距離の算出を行うことによって、極めて簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0078】また、請求項14の発明によれば、XY座標に従って行われる撮像部からの信号の取り出しを任意に間引いて処理を行う際に、入力される値x及び値yを予め間引きの比率に応じて変換して距離の算出を行うことによって、座標の間引きが行われている場合にも簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0079】また、請求項15の発明によれば、撮像部上でのレンズ系の光軸に対応する点と所望の点とのX座標上の距離を値x及びY座標上の距離を値yとすると共に、多角形を8角形とし、近似式を、(x+y)+C|x−y|として距離の算出を行うことによって、さらに簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0080】また、請求項16の発明によれば、多角形の近似式の係数に任意の近似値を用いて距離の算出を行うことによって、より簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0081】また、請求項17の発明によれば、係数値を、C=1/2として距離の算出を行うことによって、極めて簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0082】また、請求項18の発明によれば、XY座標に従って行われる撮像部からの信号の取り出しを任意に間引いて処理を行う際に、入力される値x及び値yを予め間引きの比率に応じて変換して距離の算出を行うことによって、座標の間引きが行われている場合にも簡単なハードウェア構成で良好な距離の計算を行うことができると共に、算出された距離値を用いて良好なレンズシェーディング等の補正を行うことができるものである。
【0083】これによって、従来の方法及び装置では、距離の計算手段をハードウェアで実現するためには膨大な回路構成が必要になり、また簡略化した回路構成では高い精度で距離を算出することができず、さらに例えば撮像部の大きさが変えられたり、間引きなどの読み出し方式の変更が行われた場合に、光軸からの距離を正しく求めることができなくなってしまってものを、本発明によればこれらの問題点を容易に解消することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の距離算出方法の説明のための図である。
【図2】本発明の距離算出方法の説明のための図である。
【図3】本発明による距離算出方法を適用した距離算出手段の一実施形態の構成図である。
【図4】本発明による距離算出方法を適用した距離算出手段の他の実施形態の構成図である。
【図5】本発明による距離算出方法を適用した距離算出手段の他の実施形態の構成図である。
【図6】本発明による距離算出方法を適用した距離算出手段の他の実施形態の構成図である。
【図7】本発明による距離算出方法を適用した距離算出手段の他の実施形態の構成図である。
【図8】座標の間引きの説明のための図である。
【図9】本発明による距離算出方法を適用した距離算出手段のさらに他の実施形態の構成図である。
【図10】本発明による距離算出方法を適用した距離算出手段のさらに他の実施形態の構成図である。
【図11】本発明による距離算出方法を適用した距離算出手段のさらに他の実施形態の構成図である。
【図12】本発明を適用した撮像装置の一実施形態の構成図である。
【図13】本発明を適用した撮像装置の他の実施形態の構成図である。
【図14】本発明を適用した撮像装置の他の実施形態の構成図である。
【図15】本発明を適用した撮像装置の他の実施形態の構成図である。
【図16】本発明を適用した撮像装置の他の実施形態の構成図である。
【図17】本発明を適用した撮像装置の他の実施形態の構成図である。
【図18】間引きの説明のための図である。
【符号の説明】
1X,1Y,2X,2Y,9,16…入力端子、3X,3Y,6,10,12…減算器、4X,4Y,7,11,13…絶対値(ABS)回路、5,14,17,18…加算器、8,15…乗算器、19…出力端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】 任意の点のXY座標と所望の点のXY座標とが入力されて前記任意の点と所望の点との距離を算出する距離算出方法であって、前記所望の点を前記任意の点を中心とする任意の多角形で近似した計算式を用いて算出を行うことを特徴とする距離算出方法。
【請求項2】 請求項1記載の距離算出方法において、前記任意の点と所望の点とのX座標上の距離を値x及びY座標上の距離を値yとすると共に、前記多角形を16角形とし、前記近似式を、(x+y)+A|x−y|+B〔|2x−y|+|x−2y|〕
として前記距離の算出を行うことを特徴とする距離算出方法。
【請求項3】 請求項2記載の距離算出方法において、前記多角形の近似式の係数に任意の近似値を用いて前記距離の算出を行うことを特徴とする距離算出方法。
【請求項4】 請求項3記載の距離算出方法において、前記係数値を、A=3/16、B=1/8として前記距離の算出を行うことを特徴とする距離算出方法。
【請求項5】 請求項2記載の距離算出方法において、前記XY座標を任意に圧縮伸張して処理を行う際に、前記入力される値x及び値yを予め前記圧縮伸張の比率に応じて変換して前記距離の算出を行うことを特徴とする距離算出方法。
【請求項6】 請求項1記載の距離算出方法において、前記任意の点と所望の点とのX座標上の距離を値x及びY座標上の距離を値yとすると共に、前記多角形を8角形とし、前記近似式を、(x+y)+C|x−y|として前記距離の算出を行うことを特徴とする距離算出方法。
【請求項7】 請求項6記載の距離算出方法において、前記多角形の近似式の係数に任意の近似値を用いて前記距離の算出を行うことを特徴とする距離算出方法。
【請求項8】 請求項7記載の距離算出方法において、前記係数値を、C=1/2として前記距離の算出を行うことを特徴とする距離算出方法。
【請求項9】 請求項6記載の距離算出方法において、前記XY座標を任意に圧縮伸張して処理を行う際に、前記入力される値x及び値yを予め前記圧縮伸張の比率に応じて変換して前記距離の算出を行うことを特徴とする距離算出方法。
【請求項10】 レンズ系とXY座標に従って信号が取り出される撮像部とを有する撮像装置であって、前記レンズ系の光軸に対応する点のXY座標と所望の点のXY座標とが入力されて、前記光軸に対応する点と所望の点との距離を、前記所望の点を前記光軸に対応する点を中心とする任意の多角形で近似した計算式を用いて算出する距離算出手段を有し、前記距離算出手段で算出された距離値を用いて少なくとも前記レンズ系による周辺光量落ちに対するシェーディングの補正を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項11】 請求項10記載の撮像装置において、前記撮像部上での前記レンズ系の光軸に対応する点と所望の点とのX座標上の距離を値x及びY座標上の距離を値yとすると共に、前記多角形を16角形とし、前記近似式を、(x+y)+A|x−y|+B〔|2x−y|+|x−2y|〕
として前記距離の算出を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項12】 請求項11記載の撮像装置において、前記多角形の近似式の係数に任意の近似値を用いて前記距離の算出を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項13】 請求項12記載の撮像装置において、前記係数値を、A=3/16、B=1/8として前記距離の算出を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項14】 請求項11記載の撮像装置において、前記XY座標に従って行われる前記撮像部からの信号の取り出しを任意に間引いて処理を行う際に、前記入力される値x及び値yを予め前記間引きの比率に応じて変換して前記距離の算出を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項15】 請求項10記載の撮像装置において、前記撮像部上での前記レンズ系の光軸に対応する点と所望の点とのX座標上の距離を値x及びY座標上の距離を値yとすると共に、前記多角形を8角形とし、前記近似式を、(x+y)+C|x−y|として前記距離の算出を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項16】 請求項15記載の撮像装置において、前記多角形の近似式の係数に任意の近似値を用いて前記距離の算出を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項17】 請求項16記載の撮像装置において、前記係数値を、C=1/2として前記距離の算出を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項18】 請求項15記載の撮像装置において、前記XY座標に従って行われる前記撮像部からの信号の取り出しを任意に間引いて処理を行う際に、前記入力される値x及び値yを予め前記間引きの比率に応じて変換して前記距離の算出を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項1】 任意の点のXY座標と所望の点のXY座標とが入力されて前記任意の点と所望の点との距離を算出する距離算出方法であって、前記所望の点を前記任意の点を中心とする任意の多角形で近似した計算式を用いて算出を行うことを特徴とする距離算出方法。
【請求項2】 請求項1記載の距離算出方法において、前記任意の点と所望の点とのX座標上の距離を値x及びY座標上の距離を値yとすると共に、前記多角形を16角形とし、前記近似式を、(x+y)+A|x−y|+B〔|2x−y|+|x−2y|〕
として前記距離の算出を行うことを特徴とする距離算出方法。
【請求項3】 請求項2記載の距離算出方法において、前記多角形の近似式の係数に任意の近似値を用いて前記距離の算出を行うことを特徴とする距離算出方法。
【請求項4】 請求項3記載の距離算出方法において、前記係数値を、A=3/16、B=1/8として前記距離の算出を行うことを特徴とする距離算出方法。
【請求項5】 請求項2記載の距離算出方法において、前記XY座標を任意に圧縮伸張して処理を行う際に、前記入力される値x及び値yを予め前記圧縮伸張の比率に応じて変換して前記距離の算出を行うことを特徴とする距離算出方法。
【請求項6】 請求項1記載の距離算出方法において、前記任意の点と所望の点とのX座標上の距離を値x及びY座標上の距離を値yとすると共に、前記多角形を8角形とし、前記近似式を、(x+y)+C|x−y|として前記距離の算出を行うことを特徴とする距離算出方法。
【請求項7】 請求項6記載の距離算出方法において、前記多角形の近似式の係数に任意の近似値を用いて前記距離の算出を行うことを特徴とする距離算出方法。
【請求項8】 請求項7記載の距離算出方法において、前記係数値を、C=1/2として前記距離の算出を行うことを特徴とする距離算出方法。
【請求項9】 請求項6記載の距離算出方法において、前記XY座標を任意に圧縮伸張して処理を行う際に、前記入力される値x及び値yを予め前記圧縮伸張の比率に応じて変換して前記距離の算出を行うことを特徴とする距離算出方法。
【請求項10】 レンズ系とXY座標に従って信号が取り出される撮像部とを有する撮像装置であって、前記レンズ系の光軸に対応する点のXY座標と所望の点のXY座標とが入力されて、前記光軸に対応する点と所望の点との距離を、前記所望の点を前記光軸に対応する点を中心とする任意の多角形で近似した計算式を用いて算出する距離算出手段を有し、前記距離算出手段で算出された距離値を用いて少なくとも前記レンズ系による周辺光量落ちに対するシェーディングの補正を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項11】 請求項10記載の撮像装置において、前記撮像部上での前記レンズ系の光軸に対応する点と所望の点とのX座標上の距離を値x及びY座標上の距離を値yとすると共に、前記多角形を16角形とし、前記近似式を、(x+y)+A|x−y|+B〔|2x−y|+|x−2y|〕
として前記距離の算出を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項12】 請求項11記載の撮像装置において、前記多角形の近似式の係数に任意の近似値を用いて前記距離の算出を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項13】 請求項12記載の撮像装置において、前記係数値を、A=3/16、B=1/8として前記距離の算出を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項14】 請求項11記載の撮像装置において、前記XY座標に従って行われる前記撮像部からの信号の取り出しを任意に間引いて処理を行う際に、前記入力される値x及び値yを予め前記間引きの比率に応じて変換して前記距離の算出を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項15】 請求項10記載の撮像装置において、前記撮像部上での前記レンズ系の光軸に対応する点と所望の点とのX座標上の距離を値x及びY座標上の距離を値yとすると共に、前記多角形を8角形とし、前記近似式を、(x+y)+C|x−y|として前記距離の算出を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項16】 請求項15記載の撮像装置において、前記多角形の近似式の係数に任意の近似値を用いて前記距離の算出を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項17】 請求項16記載の撮像装置において、前記係数値を、C=1/2として前記距離の算出を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項18】 請求項15記載の撮像装置において、前記XY座標に従って行われる前記撮像部からの信号の取り出しを任意に間引いて処理を行う際に、前記入力される値x及び値yを予め前記間引きの比率に応じて変換して前記距離の算出を行うことを特徴とする撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図12】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図12】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2002−216136(P2002−216136A)
【公開日】平成14年8月2日(2002.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−14852(P2001−14852)
【出願日】平成13年1月23日(2001.1.23)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成14年8月2日(2002.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成13年1月23日(2001.1.23)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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