説明

跳ね上げ式フード構造及びフード跳ね上げ方法

【課題】 アクチュエータの構成を複雑化することなく、跳ね上げたフードの上下振動の発生を抑制することができる跳ね上げ式フード構造を提供する。
【解決手段】 車両の前端と障害物との衝突を検出して、車両の前部に設けられたフード2の後端部を、車体本体3に固定されたアクチュエータ20によって跳ね上げる構成において、アクチュエータ20によるフード2の跳ね上げ動作後、フード2の運動エネルギをエネルギ吸収体23の塑性変形によって吸収するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行中の車両が障害物に衝突した場合に、障害物がフード上に倒れ込んで車両と二次衝突する際の障害物への反力を抑制する自動車の跳ね上げ式フード構造及びフード跳ね上げ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の跳ね上げ式フード構造の機能は、走行中の車両が障害物に衝突した際、フードの後端部を跳ね上げて、エンジンルーム内の構造物とフードとの間にクリアランスを確保し、フード上面に障害物が二次衝突した場合の障害物への反力を抑制するというものである(例えば、特許文献1)。
【0003】
このような跳ね上げ式フード構造では、例えば、フードの後端部における車幅方向両端部と車体本体とをアクチュエータによって連結し、そのアクチュエータによってフードの後端部を押し上げて、フードの後端部を跳ね上げている。
【特許文献1】特開平11−348716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような構造では、アクチュエータが押し上げ動作を完了することにより、アクチュエータに連結されているフードが急停止する。フードが急停止すると、慣性力によってフードの後端部における車幅方向中央部で上下振動が発生してしまう。
【0005】
この問題を解決するために、アクチュエータに内蔵した抵抗部材によって、アクチュエータの押し上げ完了の際の速度を緩やかに減速させる構成が知られている。この構成では、アクチュエータが緩やかに減速されるので、フードの上下振動の発生を抑えることができるとされている。
【0006】
しかしながら、このように抵抗部材をアクチュエータに内蔵させると、アクチュエータの構成が複雑化してしまうという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、アクチュエータの構成を複雑化することなく、跳ね上げたフードの上下振動の発生を抑制することができる跳ね上げ式フード構造及びフード跳ね上げ方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、アクチュエータによるフードの跳ね上げ動作後、フードの運動エネルギを、エネルギ吸収体の塑性変形によって吸収することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、エネルギ吸収体の塑性変形によって、フードの運動エネルギを吸収することにより、アクチュエータの構成を複雑化することなく、跳ね上げたフードの上下振動の発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態を図1ないし図5に基づいて説明する。図1は、本実施形態の跳ね上げ式フード構造を備えた自動車を示す概略構成図、図2は、フードの開閉状態を説明するための説明図であって、(a)はフード閉じ状態を、(b)はフード開放状態を、(c)はフード跳ね上げ状態を示している。
【0011】
図1に示すように、車両としての自動車1は、その前部にフード2を備えている。このフード2は、図1及び図2に示すように、フード2における後端部2bの車幅方向Y両端部に配置されたヒンジ機構11を介して車体本体3に開閉自在に設けられており、エンジンルームE・Rの上方を覆う。このフード2は、自動車1の前部に設けられたフードロック機構12によって、閉じ状態でその前端部2aを車体本体3にロックされる。この自動車1は、車両の前端と障害物との衝突を検出した場合、フード2を跳ね上げて、障害物への反力を抑制するための各種の構成要素を備えている。なお、図2において、符号6はフロントガラスを示している。
【0012】
フード2の跳ね上げに係わる構成要素として、自動車1は、アクチュエータ20、このアクチュエータ20とは別部品であってアクチュエータ20に連結されたエネルギ吸収体23(図3参照)、バンパセンサ13、速度センサ14、コントローラ15などを備えている。
【0013】
図3は、フード2の後端部2b周辺を示す縦断側面図、図4は、フード2の跳ね上げ状態でのフード2の後端部2b周辺を示す縦断側面図である。
【0014】
図1ないし図3に示すように、アクチュエータ20は、フード2の後端部2bの車幅方向Y両端部において各ヒンジ機構11の近傍で車体本体3に設けられている。図3及び図4に示すように、これらのアクチュエータ20は、下端部が車体本体3に固定された本体部21と、この本体部21に上昇可能に設けられた突き上げロッド22とを備えている。突き上げロッド22の上端部には、円盤状の支持部22aが形成されており、この支持部22aにエネルギ吸収体23の下端部が固定されている。アクチュエータ20では、通常時には、突き上げロッド22がその上端部を除いて本体部21に収納された状態となっている。
【0015】
このアクチュエータ20では、本体部21から突き上げロッド22を一気に上昇させることで、エネルギ吸収体23を介してフード2の後端部2bを押し上げて、フード2の後端部2bを車体本体3から跳ね上げ保持する。
【0016】
エネルギ吸収体23は、円筒状に形成されるとともに、その側部には、上下に伸縮可能な蛇腹状の蛇腹部23aが形成されている。このエネルギ吸収体23は、上述したようにその下端部がアクチュエータ20の支持部22aに固定される一方、上端部がフード2の下面に固定されている。ここで、フード2は、フード2の下面を形成する板部材であるインナパネル2cと、フード2の上面を形成する板部材であるアウタパネル2dとを重ね合わせて接合した構成であり、そのインナパネル2cの下面に、エネルギ吸収体23の下端部が固定されている。
【0017】
バンパセンサ13は、フロントバンパ4に設けられ車両の前端と障害物との衝突を検出し、速度センサ14は、車速を検出する。そして、コントローラ15は、バンパセンサ13及び速度センサ14から入力される検出信号に基づいてアクチュエータ20へ信号を出力して、アクチュエータ20を駆動する。ここで、バンパセンサ13、速度センサ14及びコントローラ15によって、制御手段16が構成されている。
【0018】
次に、この自動車1におけるフード跳ね上げ動作を説明する。車速が規定車速より大きい条件下で、バンパセンサ13が自動車1の前端と障害物との衝突を検出して検出信号をコントローラ15に入力すると、コントローラ15がアクチュエータ20を駆動し、アクチュエータ20がフード2を跳ね上げる(図2(c))。このとき、ヒンジ機構11においては、アクチュエータ20の作動に伴って、立上げ部材60が起立してアクチュエータ20と共にフード2の後端部2bを跳ね上げ位置に保持する。
【0019】
このときのエネルギ吸収体23の動作を説明する。コントローラ15によって駆動されたアクチュエータ20が、本体部21から突き上げロッド22を一気に上昇させて、突き上げロッド22の上昇を完了すると、エネルギ吸収体23は、その下端部がアクチュエータ20によって位置決めされた状態で、その上端部が、慣性によって跳ね上がるフード2によって上方へ引っ張られる。これにより、エネルギ吸収体23では、蛇腹部23aが縮んだ状態(図3)から伸びた状態(図4)に塑性変形する。この塑性変形によって、エネルギ吸収体23は、慣性によって跳ね上がるフード2の運動エネルギを吸収して、フード2を跳ね上げ目標位置で停止させる。このときのエネルギ吸収体23によるフード2の運動エネルギの吸収によりフード2が緩やかに停止され、フード2の振動の発生を抑制することができる。このようにエネルギ吸収体23の塑性変形によって、フード2の運動エネルギを吸収することにより、アクチュエータ20の構成を複雑化することなく、跳ね上げたフード2の上下振動の発生を抑制することができる。
【0020】
次に、このようなフード2の跳ね上げ後に、障害物がフード2上に倒れ込んで、フード2におけるアクチュエータ20の上方部分と二次衝突した場合について図5を参照して説明する。ここで、図5は、障害物とフード2との衝突を説明するための説明図であって、(a)はアクチュエータ20及びエネルギ吸収体23が伸びた状態を示し、(b)はアクチュエータ20及びエネルギ吸収体23が縮んだ状態を示す。
【0021】
この場合、図5(a)に示すように、フード2におけるアクチュエータ20の上方部分に障害物Aが衝突すると、フード2とともにエネルギ吸収体23及びアクチュエータ20に下方への荷重が作用する。この荷重によって、エネルギ吸収体23は、圧縮されて、蛇腹部23aが縮んだ状態(図5(b))に塑性変形し、障害物Aとの衝突エネルギを吸収する。これにより、フード2と二次衝突する障害物Aへの反力が抑制される。このようにエネルギ吸収体23により障害物Aとの衝突エネルギを吸収することにより、アクチュエータ20を複雑化させることなく、跳ね上げ後のフード2に対する上方からの入力荷重に対するエネルギ吸収特性を満足させることができる。また、このとき、アクチュエータ20では、突き上げロッド22が本体部21に押し込まれることで、障害物Aとの衝突エネルギを吸収しており、これによりフード2と二次衝突する障害物Aへの反力がさらに抑制される。
【0022】
また、本実施形態においては、フード2の跳ね上げ量は、アクチュエータ20の押し上げ量(跳ね上げ量)と、エネルギ吸収体23の伸び量との合算によって決まるので、エネルギ吸収体23が設けられていない構成に比べて、アクチュエータ20の押し上げ量が、エネルギ吸収体23の伸び量の分だけ少なくて済む。これにより、アクチュエータ20の小型化及びコスト低減を図ることができる。
【0023】
また、本実施形態においては、エネルギ吸収体23は、アクチュエータ20とフード2とに連結されていることにより、アクチュエータ20をフード2に連結するための部材をエネルギ吸収体23とは別に設ける必要がないので、跳ね上げ式フード構造の部品点数の減少及びコスト低減を図ることができる。
【0024】
また、本実施形態においては、エネルギ吸収体23においては、蛇腹状の蛇腹部23aが伸び縮みして、エネルギを吸収することから、蛇腹部23aの伸縮開始から伸縮終了までの間、安定した反力を発生させることができるので、設計においてエネルギ吸収体23のエネルギ吸収量の調整が容易である。
【0025】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態を図6及び図7に基づいて説明する。なお、前述した実施形態と同じ部分は、同一符号で示し説明も省略する(以降の実施形態も同じ)。ここで、図6は、本実施形態のフード2の後端部2b周辺を示す縦断側面図、図7は、フード2跳ね上げ状態でのフード2の後端部2b周辺を示す縦断側面図である。
【0026】
図6に示すように、本実施形態では、エネルギ吸収体33が第1の実施形態に対して異なる。本実施形態のエネルギ吸収体33は、金属製の平状の板状部材である。このエネルギ吸収体33は、その上端部がネジ34によってフード2に固定される一方、その下端部がアクチュエータ20に固定されている。
【0027】
このような構成において、フード2の跳ね上げ動作の際には、第1の実施形態と同様に、アクチュエータ20が、本体部21から突き上げロッド22を一気に上昇させる。突き上げロッド22の上昇が完了すると、エネルギ吸収体33は、その下端部がアクチュエータ20により位置決めされた状態で、その上端部が、慣性によって跳ね上がるフード2によって上方へ引っ張られる。これにより、エネルギ吸収体33は、段差状に折り曲げられた状態に塑性変形する(図7)。この塑性変形によって、エネルギ吸収体33は、慣性によって跳ね上がるフード2の運動エネルギを吸収して、フード2を跳ね上げ目標位置で停止させる。このときのエネルギ吸収体33によるフード2の運動エネルギの吸収によりフード2が緩やかに停止され、フード2の振動の発生を抑制することができる。このようにエネルギ吸収体33の塑性変形によって、フード2の運動エネルギを吸収することにより、本実施形態においても第1の実施形態と同様に、アクチュエータ20の構成を複雑化することなく、跳ね上げたフード2の上下振動の発生を抑制することができる。
【0028】
また、フード2の跳ね上げ後に、障害物Aがフード2上に倒れ込んで、フード2におけるアクチュエータ20の上方部分と二次衝突した場合には、第1の実施形態と同様に、フード2とともにエネルギ吸収体33及びアクチュエータ20に下方への荷重が作用する。この荷重によって、エネルギ吸収体33は、平状に塑性変形し、障害物Aの衝突エネルギを吸収する。これにより、フード2と二次衝突する障害物Aへの反力が抑制される。このようにエネルギ吸収体33により障害物Aとの衝突エネルギを吸収することにより、本実施形態においても第1の実施形態と同様に、アクチュエータ20を複雑化させることなく、跳ね上げ後のフード2に対する上方からの入力荷重に対するエネルギ吸収特性を満足させることができる。
【0029】
また、本実施形態においては、エネルギ吸収体33は、板状部材であるので低コストで製造することができ、これにより、エネルギ吸収体33を設けることによる跳ね上げ式フード構造のコスト増加を抑制することができる。
【0030】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態を図8及び図9に基づいて説明する。ここで、図8は、本実施形態のフード2の後端部2b周辺を示す縦断側面図、図9はフード2跳ね上げ状態でのフード2の後端部2b周辺を示す縦断側面図である。
【0031】
図8に示すように、本実施形態では、エネルギ吸収体43が第1の実施形態に対して異なる。本実施形態のエネルギ吸収体43は、フード2の一部によって構成されている。
【0032】
具体的には、本実施形態では、まず、アクチュエータ20の上端部がフード2に直接固定されており、エネルギ吸収体43は、フード2におけるアクチュエータ20の固定された部分(以後、アクチュエータ固定部という)43a及びその周囲を含む領域によって構成されている。このエネルギ吸収体43には、アクチュエータ固定部43aを略囲繞するとともに下方に開口した凹部43bが形成されている。この凹部43bは、フード2のインナパネル2cを上方へ凹ませることで形成されている。なお、凹部43bとしては、フード2のインナパネル2cを下方へ凹ませて形成した上方開口の凹部であってもよい。
【0033】
このような構成において、フード2の跳ね上げ動作の際には、第1の実施形態と同様に、アクチュエータ20が、本体部21から突き上げロッド22を一気に上昇させる。突き上げロッド22の上昇が完了すると、フード2を構成するエネルギ吸収体43は、アクチュエータ固定部43aをアクチュエータ20により位置決めされた状態で、慣性によって跳ね上がるフード2によって上方へ引っ張られる。これにより、エネルギ吸収体43は、凹部43bを起点として変形し、下方に凸状な形状に塑性変形する(図9)。この塑性変形によって、エネルギ吸収体43は、慣性によって跳ね上がるフード2の運動エネルギを吸収して、フード2を跳ね上げ目標位置で停止させる。このときのエネルギ吸収体43によるフード2の運動エネルギの吸収によりフード2が緩やかに停止され、フード2の振動の発生を抑制することができる。このようにエネルギ吸収体43の塑性変形によって、フード2の運動エネルギを吸収することにより、本実施形態においても第1の実施形態と同様に、アクチュエータ20の構成を複雑化することなく、跳ね上げたフード2の上下振動の発生を抑制することができる。
【0034】
また、フード2の跳ね上げ後に、障害物Aがフード2上に倒れ込んで、フード2におけるアクチュエータ20の上方部分と二次衝突した場合には、第1の実施形態と同様に、フード2とともにエネルギ吸収体43及びアクチュエータ20に下方への荷重が作用する。この荷重によって、エネルギ吸収体43は、凸形状が潰れるように塑性変形し、障害物Aの衝突エネルギを吸収する。これにより、フード2と二次衝突する障害物Aへの反力が抑制される。このようにエネルギ吸収体43により障害物Aとの衝突エネルギを吸収することにより、本実施形態においても第1の実施形態と同様に、アクチュエータ20を複雑化させることなく、跳ね上げ後のフード2に対する上方からの入力荷重に対するエネルギ吸収特性を満足させることができる。
【0035】
また、本実施形態においては、エネルギ吸収体43は、フード2に一体に形成されているので、エネルギ吸収体43を設けることによる跳ね上げ式フード構造のコスト増加を抑制することができる。
【0036】
また、本実施形態においては、アクチュエータ20が直接フード2に固定されているので、アクチュエータ20をフード2に連結するための部材を設ける必要がない。従って、跳ね上げ式フード構造の部品点数の減少及びコスト低減を図ることができる
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態の跳ね上げ式フード構造を備えた自動車を示す概略構成図である。
【図2】フードの開閉状態を説明するための説明図であって、(a)はフード閉じ態を示し、(b)はフード開放の状態を示し、(c)はフード跳ね上げ状態を示している。
【図3】フード後端部周辺を示す縦断側面図である。
【図4】フード跳ね上げ状態でのフード後端部周辺を示す縦断側面図である。
【図5】障害物とフードとの衝突を説明するための説明図であって、(a)はアクチュエータ及びエネルギ吸収体が伸びた状態を示し、(b)はアクチュエータ及びエネルギ吸収体が縮んだ状態を示す。
【図6】本発明の第2の実施形態のフード後端部周辺を示す縦断側面図である。
【図7】フード跳ね上げ状態でのフード後端部周辺を示す縦断側面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態のフード後端部周辺を示す縦断側面図である。
【図9】フード跳ね上げ状態でのフード後端部周辺を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 自動車(車両)
2 フード
2b フードの後端部
3 車体本体
16 制御手段
20 アクチュエータ
23 エネルギ吸収体
23a 蛇腹部
33 エネルギ吸収体
43 エネルギ吸収体
43a 凹部
A 障害物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後端部を跳ね上げ可能に車体本体の前部に設けられたフードと、
前記車体本体に固定され、前記フードの後端部を跳ね上げるアクチュエータと、
車両の前端と障害物との衝突を検出した場合、前記アクチュエータを駆動する制御手段と、
前記アクチュエータによる前記フードの跳ね上げ動作後、前記フードの運動エネルギを塑性変形によって吸収するエネルギ吸収体と、
を備えることを特徴とする跳ね上げ式フード構造。
【請求項2】
前記エネルギ吸収体は、前記アクチュエータと前記フードとに連結されていることを特徴とする請求項1に記載の跳ね上げ式フード構造。
【請求項3】
前記エネルギ吸収体は、蛇腹部を有するとともに、上端部が前記フードに固定され、下端部が前記アクチュエータに固定されており、前記蛇腹部の伸び塑性変形によって前記運動エネルギを吸収することを特徴とする請求項2に記載の跳ね上げ式フード構造。
【請求項4】
前記エネルギ吸収体は、板状部材であって、一端部が前記フードに固定され、他端部が前記アクチュエータに固定されており、折り曲げ塑性変形によって前記運動エネルギを吸収することを特徴とする請求項2に記載の跳ね上げ式フード構造。
【請求項5】
前記アクチュエータの上端部は、前記フードに固定され、
前記エネルギ吸収体は、前記フードにおける前記アクチュエータが固定された部分及びその周囲を含む領域によって構成されるとともに、前記アクチュエータが固定される部分を略囲繞した凹部を有することを特徴とする請求項1に記載の跳ね上げ式フード構造。
【請求項6】
車両の前端と障害物との衝突を検出して、車両の前部に設けられたフードの後端部を、前記車体本体に固定されたアクチュエータによって跳ね上げるフード跳ね上げ方法において、
前記アクチュエータによる前記フードの跳ね上げ動作後、跳ね上がる前記フードの運動エネルギを、エネルギ吸収体の塑性変形によって吸収して前記フードを減速させることを特徴とするフード跳ね上げ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−290297(P2006−290297A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117292(P2005−117292)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】