説明

車両の急減速装置

特に非常ブレーキ状況のための,車両を急減速させる装置が提案され,この場合,減速装置の少なくとも1つのコンポーネントに作用する,少なくとも1つの発射薬または爆破薬の爆発によって減速される。発射薬または爆破薬の爆発によって,ブレーキフルードに圧力を供給するピストンが移動され,あるいは固定装置が破壊されるので,エネルギを蓄える装置に蓄えられたエネルギを解放することができる。この装置の作動は,車両の周囲の対象とその動作に基づいて,避けられない衝突の存在が検出された場合に,環境センサ技術によって自動的に行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,特に非常ブレーキが必要な状況のために,車両を急減速させる装置に関するものであって,車両の急減速は,減速装置の少なくとも1つのコンポーネント(構成要素)に作用する,少なくとも1つの発射薬または爆破薬の爆発によってなされる。発射薬または爆破薬の爆発によって,ブレーキフルード(ブレーキ液)に圧力を供給するピストンが移動され,あるいは固定装置が破壊されるので,エネルギ蓄積装置に蓄えられたエネルギを解放することができる。この装置は,車両の周囲内の対象とその移動に基づいて回避できない衝突の存在が検出された場合に,環境センサ技術によって自動的に作動する。
【背景技術】
【0002】
WO03/006291A1には,衝突を回避するために車両の減速を作動させる方法および装置が開示されている。この場合,車両の間隔および速度制御装置を用いて,センサ検出領域内の対象が認識されて,各認識された対象について測定量が求められる。そして,求められた付属の測定量に基づいて,認識された対象が種々の対象クラスに対応づけられて,この認識された対象の各クラスへの対応づけに基づいて,対象の移動軌跡が予測される。これら予測された対象の移動軌跡と認識された付属の対象クラスとに基づいて,さらに,衝突の危険が求められる。予め定めることのできる衝突の危険が存在する場合には,衝突の危険の程度に基づいて車両の減速装置が駆動される。
【発明の開示】
【発明の核心と利点】
【0003】
本発明の核心は,回避できない衝突が迫っていることが認識された走行状況において,急激に,できる限り強い車両減速によって非常ブレーキをかけることである。この非常ブレーキは,衝突を回避,または車両の衝突強さをできる限り大きく減少させる。このため,一部不可逆的な減速装置について説明し,この減速装置によってできる限り強い車両の制動を達成しようとしている。
【0004】
本発明によれば,上述の事項は独立請求項の特徴によって解決される。好ましい展開と形態が,従属請求項から明らかにされる。
【0005】
好ましくは,車両の急減速または非常ブレーキを作動させるために,発射薬または爆破薬の点火が行われ,それによって極めて迅速に,大きいエネルギを放出することができ,かつ著しい減速作用を達成することができる。危険な状況における発射薬または爆破薬の使用は,例えば,自動車内のエアバッグの使用によって知られており,かつ十分にテストされている。
【0006】
好ましくは,発射薬または爆破薬の爆発によって,ブレーキフルードに圧力を加えるピストンが移動される。発射/爆破薬作用によるピストンの急速な移動によって,極めて迅速に高いブレーキフルード圧力が提供される。ブレーキフルード圧力は,場合によっては設けられるブレーキフルードポンプのパワーには依存しない。
【0007】
さらに,爆発によって固定装置が破壊されるので,エネルギを蓄積する装置は,蓄積されたエネルギを極めて迅速に放出することができ,これによりブレーキピストンまたはブレーキディスクへのブレーキライニングの高い圧接力が得られると,効果的である。
【0008】
さらに好ましくは,エネルギを蓄積する装置は,高圧下にある液体容器であって,かかる装置が固定装置の破壊によってブレーキ設備内に圧力構築をもたらす。ここで,高圧下にあるブレーキフルード容器は,永続的に高圧下にあることができる。というのは,本発明に基づく機能は一回しか必要とされず,その後は,修理工場における修理が必要だからである。
【0009】
しかしさらに,付加的なブレーキフルード容器の高い圧力をブレーキフルードポンプによって形成することも可能である。ブレーキフルードポンプは,例えば車両の始動後に圧力貯蔵器を駆動圧力にチャージし,または駆動する間,規則的に再チャージするので,高い圧力を必要な場合に迅速に供給することができる。
【0010】
好ましくは,エネルギを蓄積する装置は,付勢ばねまたは付勢ピストンを有しており,これが弛緩することによってブレーキ設備内に圧力構築をもたらす。この場合,ばねは,例えば螺旋ばねとして,あるいは複数の皿ばねからなるパケットとして形成することができる。
【0011】
さらに,好ましくは,コンポーネントは,1本または複数本の固定ボルトまたは弁であって,これは発射薬または爆破薬によって外され,あるいは破壊することが可能である。これにより,固定機能が作用しなくなり,エネルギを蓄積する装置が蓄積されたエネルギを減速作用のために出力することができる。
【0012】
さらに,好ましくは,発射薬または爆破薬が作用する,減速装置の少なくとも1つのコンポーネントは,メインブレーキシリンダである。この形態は,メインブレーキシリンダは各車両内にすでに設けられており,かつメインブレーキシリンダによって構築されるブレーキ圧によって信頼性のある車両減速が可能なように設計されている,という利点を有している。発射薬または爆破薬が作用する,減速装置の少なくとも1つのコンポーネントがメインブレーキシリンダである実施形態は,付加的に必要とされる最小数の部品でかかる実施形態を実現することができるため,特に効果的な実施形態である。
【0013】
さらに,好ましくは,発射薬または爆破薬が作用する,減速装置の少なくとも1つのコンポーネントは,付加的なブレーキシリンダである。この付加的なブレーキシリンダは,必要な場合に,油圧ブレーキシステム内に必要な圧力を供給し,かつすでにあるメインブレーキシリンダの構造変更を必要としない。
【0014】
さらに,好ましくは,発射薬または爆破薬が作用する,減速装置の少なくとも1つのコンポーネントは,ブレーキキャリパ内の固定装置であって,固定装置は,発射薬または爆破薬が爆発した場合に付勢される付加的なブレーキピストンを解放し,これがブレーキディスクに作用する。この実施例においては,車輪ブレーキのブレーキキャリパ内に付加的なブレーキピストンを設けることが必要であり,この付加的なピストンが非常ブレーキの場合に発射/爆破薬の爆発によって解放されるので,メインブレーキシリンダまたはブレーキ設備の油圧系には依存しない。
【0015】
さらに,好ましくは,車両の周囲の対象とその動きに基づいて回避できない衝突の存在が検出された場合,環境センサ技術によって発射薬または爆破薬の点火がなされる。この場合,例えば,従来技術において挙げた発射薬または爆破薬に点火する装置を,本発明に基づく方法または本発明に基づく装置のために使用することができる。
【0016】
さらに,好ましくは,センサ技術は,適応的な間隔および速度測定のためのレーダーセンサ,ビデオセンサ,レーザーセンサ,超音波センサ,あるいはこれらの組合せを有している。これを用いて,車両の周囲の対象を検出し,その速度と移動方向を認識することができる。
【0017】
好ましくは,車両の急減速の作動後,ブレーキシステムの圧力は,アンチブロッキングシステムの少なくとも1つの弁を開放することによって減少させることが可能である。今日では,各新車両にはブロッキング保護システムまたはアンチブロッキングシステムが搭載されており,これらは,車輪がブロッキングした場合に,車輪のロードホールディングを保証するために,所望に制御される弁開口部によってそれぞれの車輪シリンダにおけるブレーキシステムの圧力を低下させることができる。さらに,各車輪のアンチブロッキングシステムの弁を所望に開放することによって,急激に減速する車両の移動方向を調節することができ,または,車両において回避できない衝突が生じた場合に,搭乗者の危険リスクが最小限に抑えられるように車両を回動させることが可能である。
【0018】
さらに,好ましくは,発射薬または爆破薬の爆発により,車両の少なくとも1つの車輪が変形され,車輪軸受が所望の状態に破壊されることによって,車輪軸受内において車軸がそれ以上回転することが阻止されるように,発射薬または爆破薬が配置されている。これにより,車両を減速させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の他の特徴,適用可能性および利点は,図面に示される,本発明の実施例についての以下の説明から明らかにされる。この場合,記載または図示されているすべての特徴は,これ自体,あるいは任意の組合せにおいて,明細書または図面におけるその表現または表示に関係なく,本発明の対象を形成する。
【0020】
以下,本発明の実施例を,図面を用いて説明する。
【0021】
図1には,本発明に基づく装置の実施例が示されている。図にはブレーキペダル1が示されており,ブレーキペダルは,操作された場合にロッドによる伝導機構によってメインブレーキシリンダ2内のピストンに作用する。このとき,メインブレーキシリンダ2内でブレーキフルードに圧力が加わるので,ブレーキフルード圧力が導管4からなる導管系を介して,図示されていない車輪ブレーキの車輪ピストンにさらに伝えられる。さらに,アンチブロッキングシステムの使用に用いられるような,ハイドロアグリゲート3を設けることができる。このハイドロアグリゲート3は,一般的に,貯蔵器,リターンポンプおよび少なくとも1つの磁気弁からなる。車輪がブロッキングしていない間は,ハイドロアグリゲート3はパッシブに振舞い,ブレーキ圧力を通過させる。個々の車輪または複数の車輪がブロッキングした場合にだけ,車両の流体圧設備に介入して,ブレーキ設備の車輪シリンダへ至る個々の導管4内の圧力を減少させる。
【0022】
環境センサ技術によって,衝突が不可避であることが検出された場合に,点火線(電光)を介して制御可能な発射薬または爆破薬5が点火される。発射薬または爆破薬の爆発によって,メインブレーキシリンダ2内でメインブレーキピストンがブレーキフルードにより摺動され,これによりブレーキフルードの圧力が急激に上昇する。このブレーキフルードの圧力上昇は,個々の通路,具体的にはブレーキ設備の車輪ブレーキへ通じる導管4内へさらに案内されることにより,車両の急減速が達成される。
【0023】
図2には,同様に,ブレーキペダル1によって操作される,概略的なブレーキ設備が示されている。ブレーキペダル1が操作された場合に,ロッドによる伝導機構を介してメインブレーキシリンダ2内のピストンが摺動されることにより,ブレーキ圧が構築される。このブレーキ圧は,車輪ピストン導管4を介して車輪ブレーキへさらに伝えられ,場合によっては設置可能なハイドロアグリゲート3を介して案内される。さらに,メインブレーキシリンダ2をハイドロアグリゲート3と接続する導管には,ピストン7を有する付加的なブレーキフルード容器6が設けられている。ピストン7の後方,すなわちブレーキフルードとは逆側には,点火線(電光)介して制御可能な発射薬/爆破薬5が設けられている。
【0024】
回避できない衝突の存在が検出された場合に,環境検出センサ技術によって点火信号が出力されて発射/爆破薬5を爆発させ,ピストン7が付加的なブレーキフルード容器6内のブレーキフルードにより摺動される。これによりブレーキ圧力が急激に上昇し,選択的に設けられているハイドロアグリゲート3を介してブレーキの車輪ピストンへ至る導管4へさらに案内される。この実施形態において,さらに好ましくは,メインブレーキシリンダ2の出口に逆止め弁を設けることができる。これにより,ブレーキ圧を急激に上昇させる発射/爆破薬5の爆発が起こってもメインブレーキシリンダ2のピストンは押し戻されず,車内の足下空間のブレーキペダルが急激に揺動されることがない。
【0025】
図3には,同様に本発明に基づく装置が示されており,かかる装置は,図2に示す装置とほぼ同様の装置である。ここでもブレーキペダル1が示されており,そのブレーキペダルは,ロッドによる伝導機構を介してメインブレーキシリンダ2と結合されている。ブレーキペダル1の操作によって,メインブレーキシリンダ2内においてブレーキ圧構築が行われ,導管と選択的に設けられているハイドロアグリゲート3を介して導管4上のブレーキ圧力をブレーキ設備の車輪ピストンへさらに伝える。
【0026】
ここでもメインブレーキシリンダ2をハイドロアグリゲート3と接続する導管には,付加的なブレーキフルード容器6が設けられている。この付加的なブレーキフルード容器6は,ピストン7を有しており,ピストンは,ブレーキフルードとは逆側に,すなわち図2の発射/爆破薬の代わりに,テンション部材8を有している。このテンション部材8は,例えば螺旋ばねまたは複数の互いに重なりあった皿ばねのパケットの形状で形成することができるが,他のエネルギを蓄える,機械的装置も適用することができる。このテンション部材は付勢されているので,ピストン7は押圧された状態にある。テンション部材8の弛緩を防止するために,さらに保持ボルト9が設けられており,この保持ボルトは,テンション部材8の力の作用によってピストン7が付加的なブレーキフルード容器6のブレーキフルードへ対して摺動することを阻止する。
【0027】
環境センサ技術によって衝突が差し迫っている走行状況が認識された場合に,点火線(電光)によって少なくとも1つの発射/爆破薬が点火されるが,その発射/爆破薬は,保持ボルト9の一部として形成することができる。これにより,保持ボルト9が破壊され,あるいは外されて,テンション部材8は,ピストン7をブレーキフルードに対して摺動させることができる。そして,ブレーキフルード圧が生じ,ブレーキフルード圧はハイドロアグリゲート3を介して車輪ピストンへ至る導管4へさらに案内される。この実施例においても,上述した装置が作動された場合に車内の足下空間内のブレーキペダルが激しく移動することを阻止するために,メインブレーキシリンダ2の出口に逆止め弁を設けることができる。
【0028】
図4にも,ブレーキペダル1が示されており,ブレーキペダルはロッドによる伝導機構を介してメインブレーキシリンダ2と相互に連結されている。ブレーキペダル1が操作された場合,メインブレーキシリンダ2内でピストンが摺動されてブレーキ圧が構築され,選択的に設けられているアンチブロッキング装置のハイドロアグリゲート3を介して,ブレーキ圧がブレーキ設備の車輪ピストンへ至る導管4へさらに案内される。この実施例においても,メインブレーキシリンダ2とハイドロアグリゲート3とを接続する導管に,他のブレーキフルード容器6が接続されている。このブレーキフルード容器は高圧下に置かれることにより,圧力栓10によって圧密に密閉されている。点火線(電光)を介して非常ブレーキが要請される場合は,圧力栓10が発射/爆破薬によって開放されて付加的な圧力容器6内の圧力を逃がすことができ,ブレーキ装置の油圧設備に圧力が供給される。
【0029】
図5には,他の装置が示されているが,この装置は油圧ブレーキシステムへは作用せず,直接車輪ブレーキに作用する。図には,概略的に示されたブレーキディスク11の一部が示されており,ブレーキディスクは走行駆動中に回転軸20を中心に回転する。さらに,ブレーキキャリパ12が示されており,ブレーキキャリパは油圧駆動可能なブレーキパッドとブレーキライニング(通常の走行駆動においてはこれらによって減速される)の他に,付加的なブレーキピストン13を有している。もちろんブレーキライニングを装備することの可能な,付加的なブレーキピストンは,螺旋ばねまたは皿ばねの形式のテンション部材14によって付勢され,保持ボルト15によって固定されていることが好ましい。テンション部材14の付勢によって,付加的なブレーキピストン13はブレーキディスクの方向へ押圧されるが,これが保持ボルト15によって阻止される。非常ブレーキが要請されるような衝突状況が存在する場合に,点火線(電光)を介して点火信号が出力されることにより,保持ボルト15の一部として形成されている発射/爆破薬が点火される。これによって保持ボルト15が破壊され,または外されるので,テンション部材14はブレーキピストン13をブレーキディスクに対して押圧し,著しい減速作用を生じさせる。
【0030】
図6には,他の実施例が示されており,その実施例において,減速作用は,油圧ブレーキコンポーネントへの影響なしに行われる。図には車両タイヤ16が示されており,それが車軸17を有しており,かかる車軸を中心にタイヤ16が回転する。車軸17は,車輪軸受18内に軸承されており,これによって車輪16が案内される。車輪軸受18内に,発射薬または爆破薬19が設けられており,車両の衝突が避けられない場合には,かかる発射薬または爆破薬に点火可能である。このため,点火信号(電光)が点火線を介して発射/爆破薬19に点火し,これにより車輪軸受18が破壊される。通常の駆動においては,車輪軸受は極めて小さい回転摩擦しか持たないので,車両は車輪回転によってわずかなエネルギしか失わない。発射/爆破薬19の作用による車輪軸受18の破壊によって,車輪軸受18の回転摩擦が著しく増大され,あるいは車輪軸受18内の車軸17の回転が完全に阻止される。これにより,車輪16の著しい減速作用が得られ,できる限り大きな運動エネルギを衝突前に車輪摩擦に変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に基づく装置の第1の実施例を示しており,この実施例において発射/爆破薬はメインブレーキシリンダ内に配置されている。
【図2】本発明に基づく装置の他の実施形態を示しており,この実施形態には発射/爆破薬を有する他のブレーキフルード用域が設けられている。
【図3】本発明に基づく装置の他の実施例を示しており,この実施例においても同様に他のブレーキフルード容器が設けられている。
【図4】本発明に基づく装置の他の実施例を示しており,この実施例においては高圧下にある他のブレーキフルード容器が設けられている。
【図5】本発明に基づく装置の他の実施例を示しており,この実施例においてはブレーキ設備の油圧コンポーネントへの作用は必要とされない。
【図6】本発明に基づく装置の他の実施例を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に非常ブレーキ状況のために,車両を急減速させる装置において,
減速装置の少なくとも1つのコンポーネントに作用する,少なくとも1つの発射薬または爆破薬の爆発によって減速されることを特徴とする,車両を急減速させる装置。
【請求項2】
前記発射薬または前記爆破薬の爆発によって,ブレーキフルードに圧力を供給するピストンが移動されることを特徴とする,請求項1に記載の車両を急減速させる装置。
【請求項3】
前記爆発によって固定装置を破壊することにより,エネルギを蓄える装置に蓄えられたエネルギが解放されることを特徴とする,請求項1に記載の車両を急減速させる装置。
【請求項4】
前記エネルギを蓄える装置は,高圧下にあるブレーキフルード容器であって,
前記ブレーキフルード容器は,前記固定装置の破壊によってブレーキ設備内に圧力構築をもたらすことを特徴とする,請求項3に記載の車両を急減速させる装置。
【請求項5】
前記エネルギを蓄える装置は,付勢されたばねおよび/または付勢されたピストンであって,
前記付勢されたばねおよび/または前記付勢されたピストンが弛緩することによってブレーキ設備内に圧力構築をもたらすことを特徴とする,請求項3に記載の車両を急減速させる装置。
【請求項6】
固定装置は,保持ボルトまたは弁であることを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の車両を急減速させる装置。
【請求項7】
発射薬または爆破薬が作用する,減速装置の少なくとも1つのコンポーネントは,メインブレーキシリンダであることを特徴とする,請求項1〜6のいずれかに記載の車両を急減速させる装置。
【請求項8】
発射薬または爆破薬が作用する,減速装置の少なくとも1つのコンポーネントは,付加的なブレーキシリンダであることを特徴とする,請求項1〜7のいずれかに記載の車両を急減速させる装置。
【請求項9】
発射薬または爆破薬が作用する,減速装置の少なくとも1つのコンポーネントは,ブレーキキャリパ内の固定装置であって,
前記発射薬または爆破薬が爆発した際に,前記固定装置が付勢された付加的なブレーキピストンを解放することにより,前記ブレーキピストンがブレーキディスクに作用することを特徴とする,請求項1〜8のいずれかに記載の車両を急減速させる装置。
【請求項10】
車両の周囲の対象およびその運動に基づいて回避できない衝突の存在が検出された場合に,環境センサ技術によって発射薬または爆破薬の点火が作動されることを特徴とする,請求項1〜9のいずれかに記載の車両を急減速させる装置。
【請求項11】
センサ技術は,適応的な間隔および速度測定のための車輪センサ,ビデオセンサ,レーザーセンサ,超音波センサ,あるいはそれらの組合せを有していることを特徴とする,請求項10に記載の車両を急減速させる装置。
【請求項12】
車両の急減速の作動後に,アンチブロッキングシステムの少なくとも1つの弁の開放によって,ブレーキシステム内の圧力が減少されることを特徴とする,請求項1〜11のいずれかに記載の車両を急減速させる装置。
【請求項13】
特に非常ブレーキ状況のために,車両を急減速させる装置において,
少なくとも車輪軸受に作用する少なくとも1つの発射薬または爆破薬の爆発によって車輪軸受が破壊され,
前記車輪軸受の破壊によって所望の減速作用が生じることを特徴とする,車両を急減速させる装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−506608(P2007−506608A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−519760(P2006−519760)
【出願日】平成16年7月10日(2004.7.10)
【国際出願番号】PCT/DE2004/001506
【国際公開番号】WO2005/009799
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(501125231)ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (329)
【Fターム(参考)】