説明

車両の駆動装置

【課題】触媒を素早く暖機させ、且つエンジンより所望の駆動力を出力させつつ素早く触媒暖機を完了させることが可能な車両の制御装置を提供することである。
【解決手段】
車両の駆動装置であって、駆動装置は、ユーザより要求された駆動力が触媒暖機用作動中のエンジンの駆動力と蓄電器の最大許容出力との和以下の場合は触媒暖機用作動を実施するようエンジンを制御し、ユーザより要求された駆動力が触媒暖機用作動中のエンジンの駆動力と蓄電器の最大許容出力との和より大きい場合は触媒暖機用作動を中断させて走行用作動に切り換え、走行用作動中のエンジンの出力と蓄電器の最大許容出力との和によってユーザに要求された駆動力を満たし、エンジンの走行用作動中に、ユーザによる動力性能を重視した操作を検出した場合は、エンジンの指令駆動力を所定のレートで上昇させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の駆動装置に係り、エンジンと電動機とを備える車両において、エンジンより所望の駆動力を出力させつつ、車両の走行中に排出される排気ガスの浄化を行う触媒の暖機を素早く完了させるための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の自動車は、エンジンの燃料消費量及びエンジンから排出される排気ガスの低減が要求されているため、エンジンと電動機との2つの駆動源を備えたハイブリッド車の開発が進められている。
【0003】
上記したハイブリッド車とは、エンジンと、エンジンの出力で駆動される発電機と、発電機により発電された電力を蓄える蓄電器と、発電機あるいは蓄電器の電力で駆動される電動機と、エンジンの出力を発電機と車輪とに分配する動力分割機構とを備え、要求駆動力に応じて駆動源をエンジンと電動機との少なくとも1つから選ぶ車両である。
【0004】
電動機からの出力のみで要求駆動力を満たすことが出来る場合は、ハイブリッド車はエンジンを停止させて走行するモータ走行を行う。
【0005】
電動機からの出力で要求駆動力を満たすことが出来ない場合は、ハイブリッド車はエンジンを始動させて走行する。この時、蓄電器の残存容量が低い場合は、エンジンは要求駆動力より大きい駆動力を出力して要求駆動力を満たす。そして、余剰出力を用いて発電機を駆動させて蓄電器の充電を行う一方で発電機からの電力で電動機を駆動する。また、蓄電器の残存容量が高い場合は、蓄電器からの電力により電動機を駆動し、エンジンの駆動力と電動機の出力とを用いて要求駆動力を満たすハイブリッド走行を行う。
【0006】
尚、上記ハイブリッド走行中は電動機の出力と蓄電装置の残存容量とが考慮されつつ要求トルクに応じてエンジンの出力が算出される。また、エンジンが燃費最適ラインの近くで作動出来るようにエンジンの回転数及び発電機の回転数が算出され、エンジン及び発電機が制御される。
【0007】
このように、ハイブリッド車は走行中に電動機を駆動源として選ぶことでエンジンを停止することが可能なため、燃料消費量及び排気ガスを低減することが出来る。
【0008】
ところで、上記のハイブリッド車では、走行中において要求駆動力に応じてエンジンが始動と停止を繰り返すため、排気ガスを浄化する触媒を排気ガスを用いて暖機することが出来ず、触媒が低温となりやすい。触媒は低温時に排気ガスを十分に浄化することが出来ないため、ハイブリッド車はエンジンの始動の場合に、触媒を素早く昇温させる必要がある。
【0009】
この課題を解決するものとして、特許文献1に開示されたハイブリッド車が知られている。特許文献1に開示されたハイブリッド車は、所定条件下では電動機を動力源として走行すると同時にエンジンを暖機運転状態として作動する触媒暖機制御を行い、該触媒暖機制御中に大きな駆動力を要求された場合はエンジンを暖機運転状態から高出力運転状態へ切り換えて走行する。
【0010】
この方法によれば、所定条件下では電動機を動力源として走行しつつエンジンを暖機運転状態とする触媒暖機制御を行うことで触媒を素早く昇温させることを可能としている。また、前記触媒暖機制御中にドライバにより大きな駆動力が要求されると、エンジンを暖機運転状態から高出力運転状態へ切り換え、エンジンの発熱量を増加させることにより触媒を素早く昇温させることを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11−173175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記の特許文献1に開示されたハイブリッド車のように触媒暖機運転を行えば触媒を素早く暖機することが可能である。しかしながら、エンジンを暖機運転状態から高出力運転状態へ切り換え、発熱量を増加させるためにエンジンの指令駆動力を急激に引き上げると、エンジンの回転数の上昇が指令駆動力に追いつかず、エンジンより駆動力を満足に出力出来ない恐れがある。
【0013】
本発明は、上記の課題を解決するためのものであって、その目的は、エンジンより所望の駆動力を出力させつつ素早く触媒の暖機を完了させることが出来る車両の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の発明に係る車両の駆動装置は、駆動力源として機能するエンジン及び電動機と、前記電動機に電力を供給する蓄電器と、前記エンジンの排気ガスを浄化するための触媒とを備え、車両の走行中に触媒暖機開始条件が成立した場合には触媒暖機用作動を行うように前記エンジンを制御する形式の車両の駆動装置であって、前記駆動装置は、ユーザより要求された駆動力が前記触媒暖機用作動中のエンジンの駆動力と前記蓄電器の最大許容出力との和以下の場合は触媒暖機用作動を実施するよう前記エンジンを制御し、前記ユーザより要求された駆動力が前記触媒暖機用作動中のエンジンの駆動力と前記蓄電器の最大許容出力との和より大きい場合は触媒暖機用作動を中断させて走行用作動に切り換え、前記走行用作動中のエンジンの出力と前記蓄電器の最大許容出力との和によって前記ユーザに要求された駆動力を満たし、前記エンジンの走行用作動中に、ユーザによる動力性能を重視した操作を検出した場合は、前記エンジンの指令駆動力を所定のレートで上昇させることを特徴とする。
【0015】
第2の発明に係る車両の駆動装置においては、駆動力源として機能するエンジン及び電動機と、前記電動機に電力を供給する蓄電器と、前記エンジンの排気ガスを浄化するための触媒とを備え、車両の走行中に触媒暖機開始条件が成立した場合には触媒暖機用作動を行うように前記エンジンを制御する形式の車両の駆動装置であって、前記駆動装置は、ユーザより要求された駆動力が前記触媒暖機用作動中のエンジンの駆動力と前記蓄電器の最大許容出力との和以下の場合は触媒暖機用作動を実施するよう前記エンジンを制御し、前記エンジンの触媒暖機用作動中に、ユーザによる動力性能を重視した操作を検出した場合は、前記エンジンを触媒暖機用作動から走行用作動に切り換え、前記エンジンの指令駆動力を所定のレートで上昇させることを特徴とする。
【0016】
第3の発明に係る車両の駆動装置においては、第1または第2のいずれか1つの発明の構成に加えて、前記触媒暖機用作動を実施しているエンジンは、前記電動機の最大許容出力よりも十分に小さい予め設定された一定の駆動力が出力されることを特徴とする。
【0017】
第4の発明に係る車両の駆動装置においては、第1乃至第3のいずれか1つの発明の構成に加えて、前記ユーザによる動力性能を重視した操作を検出した場合とは、一定値以上のユーザアクセル開度が検出された場合であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
第1の発明に係る車両の駆動装置によれば、ユーザより要求された駆動力が触媒暖機用作動中のエンジンの駆動力と蓄電器の最大許容出力との和以下の場合は触媒暖機用作動を実施するようエンジンを制御し、ユーザより要求された駆動力が触媒暖機用作動中のエンジンの駆動力と蓄電器の最大許容出力との和より大きい場合は触媒暖機用作動を中断させて走行用作動に切り換え、走行用作動中のエンジンの駆動力と蓄電器の最大許容出力との和によってユーザに要求された駆動力を満たし、エンジンの走行用作動中に、ユーザによる動力性能を重視した操作を検出した場合は、エンジンの指令駆動力を所定のレートで上昇させるので、エンジンの駆動力抜けを防止しつつ素早く触媒の暖機を完了させることが出来る。
【0019】
また、第2の発明に係る車両の駆動装置によれば、ユーザより要求された駆動力が触媒暖機用作動中のエンジンの駆動力と蓄電器の最大許容出力との和以下の場合は触媒暖機用作動を実施するようエンジンを制御し、エンジンの触媒暖機用作動中に、ユーザによる動力性能を重視した操作を検出した場合は、エンジンを触媒暖機用作動から走行用作動に切り換え、エンジンの指令駆動力を所定のレートで上昇させるので、エンジンの駆動力抜けを防止しつつ素早く触媒の暖機を完了させることが出来る。
【0020】
また、第3の発明に係る車両の駆動装置によれば、エンジンの触媒暖機用作動中は前記蓄電器の最大許容出力より充分小さい予め設定された一定の駆動力が出力されるので、触媒暖機用作動中のエンジンの出力を最低限に抑えることが出来る。
【0021】
また、第4の発明に係る車両の駆動装置によれば、アクセル開度に用いてユーザによる動力性能を重視した操作を検出するので、動力性能を重視した操作を的確に検出することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る車両の駆動装置の構造を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車両の駆動装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る車両の駆動装置がエンジンの触媒暖機用作動時と走行用作動時に算出するエンジン出力抑制量を表した表である。
【図4】本発明の実施形態に係る車両の駆動装置の触媒暖機時の制御ルーチンを示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る車両の駆動装置が走行用作動中のエンジンの駆動力を所定のレートで上昇させていく場合を示すタイムチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る車両の駆動装置が触媒暖機用作動中のエンジンの駆動力を所定のレートで上昇させていく場合を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1を参照して、本発明の実施形態に係る車両の駆動装置の構造を説明する。
【0024】
駆動装置は、エンジン120と、エンジンを制御するエンジンECU280と、エンジン120より排出された排気ガスを浄化する触媒122と、触媒の温度を検出する触媒温度センサ124と、発電機140A(図内ではMG(1)と記す)と、電動機140B(図内ではMG(2)と記す)と、発電機140Aと電動機140Bとを制御するモータECU300と、発電機140Aと電動機140Bとに電力を供給する蓄電器220と、蓄電器220を制御するバッテリECU260と、図示しないアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ402と、エンジンECU280とモータECU300とバッテリECU260とを相互に管理制御するハイブリッドECU320とを含む。
【0025】
車両はその他にエンジン120の出力を駆動輪160と発電機140Aとに分割する動力分割機構200と、蓄電器220の直流電流を交流電流に、また発電機140Aによって発電された交流電流を直流電流に変換するインバータ240と、エンジン120及び電動機140Bにて発生した駆動力を駆動輪160に、また駆動輪160の駆動をエンジン120や電動機140Bに伝達する減速機180と、蓄電器220とインバータ240との間に設けられるコンバータ242と、図示しない外部電源からの電力供給を受け蓄電器220を充電する充電器222とを含む。
【0026】
動力分割機構200には、エンジン120の動力を駆動輪160と発電機140Aとの両方に振り分けるため、プラネタリーキャリアと、サンギヤと、リングギヤとを備えた遊星歯車機構(プラネタリーギヤ)が使用される。エンジン120はプラネタリーキャリアに、発電機140Aはサンギヤに、電動機140B及び駆動輪160はリングギヤにそれぞれ接続される。エンジン120の出力はプラネタリーキャリアに入力され、それがサンギヤによって発電機140Aに、リングギヤによって電動機140B及び駆動輪160Bに伝えられる。エンジン120を始動させる場合には蓄電器220の電力を用いて発電機140Aを駆動してエンジン120を始動し、作動中のエンジン120を停止させる場合にはエンジン120の出力を発電機140Aを用いて電力に変換しエンジン120の回転数を下げていく。
【0027】
インバータ240は、図示しない6つのIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)と、各IGBTにそれぞれ並列に接続された図示しない6つのダイオードとを含み、モータECU300からの信号に基づいて、発電機140Aと電動機140Bとを制御する。インバータ240は発電機140Aを制御する場合は、各IGBTのゲートをオンまたはオフ(通電または遮断)して発電機140Aが発電した交流電力を直流電力に変換し、蓄電器220に充電する。インバータ240は電動機140Bを制御する場合は、各IGBTのゲートをオンまたはオフ(通電または遮断)して蓄電器220から供給された直流電力を交流電力に変換し、電動機140Bに供給する。
【0028】
コンバータ242は、蓄電器220とインバータ240との間に設けられる。蓄電器220の定格電圧が発電機140Aや電動機140Bの定格電圧よりも低いので、蓄電器220から発電機140Aや電動機140Bに電力を供給する場合にはコンバータ242で電力を昇圧する。尚、充電する場合にはコンバータ242で降圧して蓄電器220に充電電力を供給する。
【0029】
充電器222は図示しない外部電源より蓄電器220に供給される電力の電圧及び電流を制御する。つまり、外部電源より供給される交流電流を直流電流に変換すると共に、必要に応じて外部電源からの電圧を調圧して蓄電器220に供給する。
【0030】
次に、図2の機能ブロック図を参照して、本発明の実施形態に係る車両の駆動装置に設けられたエンジンECU300、ハイブリッドECU320等の電子制御装置の制御機能について説明する。
【0031】
エンジンECU280は、触媒暖機要求手段284と、エンジン制御手段288とを有する。
【0032】
触媒暖機要求手段284は、後述するエンジン出力算出手段328よりエンジン120の始動要求信号を受信した場合に、触媒温度センサ124より検出された触媒122の温度と図示しない冷却水温センサより検出されたエンジン120の冷却水温とを基に触媒122を暖機するかを判断し、暖機が必要と判断した場合は触媒暖機制御手段324に触媒暖機要求信号を送信する。
【0033】
エンジン制御手段288は、エンジン出力算出手段328が算出したエンジン120の指令駆動力Peを出力するようエンジン120を制御する。
【0034】
バッテリECU260は、蓄電器残存容量算出手段262と、蓄電器最大許容出力算出手段264とを有する。
【0035】
蓄電器残存容量算出手段262は、図示しないセンサより検出された蓄電器220の電圧値、電流値、温度より蓄電器220の残存容量を算出する。
【0036】
蓄電器最大許容出力算出手段264は、蓄電器残存容量算出手段262より算出された蓄電器220の残存容量と、蓄電器220の温度とより蓄電器220が出力可能な最大値である最大許容出力Woutmaxを算出する。
【0037】
ハイブリッドECU320は、要求駆動力算出手段322と、触媒暖機制御手段324と、アクセル開度判定手段326と、エンジン出力算出手段328と、エンジン出力抑制量算出手段330とを有する。
【0038】
ハイブリッドECU320は、要求駆動力算出手段322により算出された要求駆動力Pusが得られるように、エンジン走行時及びハイブリッド走行時はエンジン120を高い効率が得られる運転領域で作動させつつ、発電機140A、電動機140B及びエンジン120の出力を制御し、モータ走行時には専ら電動機140Bの出力を制御する。
【0039】
要求駆動力算出手段322は、予め記憶された関係からアクセル開度センサ402より検出されたアクセル開度Acc(%)及び車速V(km/h)に基づいて要求駆動力Pusを算出する。
【0040】
触媒暖機制御手段324は、触媒暖機要求手段284より触媒暖機要求信号を受信した場合は、要求駆動力算出手段322にて算出された要求駆動力Pusと、蓄電器最大許容出力算出手段264にて算出された蓄電器220の最大許容出力Woutmaxと、触媒暖機用作動中のための予め設定されたエンジン120の出力Psdとを基に車両の駆動装置が後述するモータ走行時の触媒暖機開始条件を満たしているか判断する。この予め設定された触媒暖機用作動のためのエンジン120の出力Psdは、蓄電器220の最大許容出力Woutmaxよりも十分に小さい値に設定されたものであり、触媒暖機中出力値とも言えるものである。要求駆動力Pusが蓄電器220の最大許容出力Woutmaxと触媒暖機中出力値Psdとの和以下の場合は、車両の駆動装置が触媒暖機開始条件を満たしているとして触媒122の暖機を許可し、後述するエンジン出力抑制量算出手段330に触媒暖機許可信号を送信する。また、要求駆動力Pusが蓄電器220の最大許容出力Woutmaxと触媒暖機中出力値Psdとの和よりも大きい場合は、車両の駆動装置が触媒暖機開始条件を満たしていないとして触媒122の暖機を許可せず、触媒暖機許可信号の送信も行わない。
【0041】
アクセル開度判定手段326は、アクセル開度センサ402より検出されたアクセル開度Acc(%)と、エンジン120に触媒暖機用作動を実行させつつ、主に電動機140Bの駆動力を使って走行することが出来ないほど高出力状態であるか否か判定するために予め設定された2つの所定値(アクセル開度大判定値、アクセル開度小判定値)とを比較する。アクセル開度がアクセル開度大判定値より大きい場合はアクセル開度大判定を成立とし、エンジン120の駆動力を上昇させるべく、アクセル開度大信号を触媒暖機制御手段324及びエンジン出力抑制量算出手段330に送信する。また、アクセル開度がアクセル開度大判定より小さく且つアクセル開度小判定値より小さい場合にアクセル開度大判定を不成立とし、アクセル開度大信号の送信も行わない。
【0042】
エンジン出力算出手段328は、モータ走行時に要求駆動力Pusが蓄電器220の最大許容出力Woutmaxより大きくなった場合は、エンジン120を始動し、モータ走行からエンジン走行もしくはハイブリッド走行に切り換える必要があると判断し、エンジン120の始動要求信号を触媒暖機要求手段284へ送信する。一方で、ハイブリッド走行時及びエンジン走行時には、要求駆動力算出手段322より算出される要求駆動力Pusからエンジン出力抑制量算出手段330より算出されるエンジン出力抑制量Pmaを減じた値をエンジン120の指令駆動力Peとして算出し、エンジン制御手段288に送信し、エンジン120を触媒暖機用作動もしくは走行用作動させる。
【0043】
次に、上記したエンジン出力抑制量算出手段330について、図3を用いて説明する。エンジン出力抑制量算出手段330は、エンジン出力抑制量触媒暖機制御手段324より送信される触媒暖機許可信号と、アクセル開度大判定手段326より送信されるアクセル開度大信号とを基に、エンジン120の作動状態に応じた指令駆動力Peがエンジン出力算出手段328によって算出されるようにエンジン出力抑制量Pmaを算出する。
【0044】
まず、エンジン120が触媒暖機用作動を実施している場合、つまり触媒暖機制御手段324より触媒暖機許可信号を受信している場合は、エンジン出力抑制量算出手段330はエンジン出力抑制量Pmaを要求駆動力Pusからエンジン120の触媒暖機中出力値Psdを減じた値として設定し、エンジン出力算出手段328に送信する。エンジン出力算出手段328は上記したように、要求駆動力Pusからエンジン出力抑制量Pmaを減じた値をエンジン120の指令駆動力Peとするので、図3に表されるように、エンジン120の指令駆動力Peはエンジン120の触媒暖機中出力値Psdとなる。このようにしてエンジン120は触媒暖機用作動を実施している間は触媒暖機中出力値Psdを出力するよう制御される。
【0045】
また、エンジン120が走行用作動を実施している場合、つまり触媒暖機制御手段324より触媒暖機許可信号を受信していない場合は、エンジン出力抑制量算出手段330はエンジン出力抑制量Pmaを蓄電器220の最大許容出力Woutmaxとして算出し、エンジン出力算出手段328に送信する。エンジン出力算出手段328は上記したように、要求駆動力Pusからエンジン出力抑制量Pmaを減じた値をエンジン120の指令駆動力Peとするので、図3に表されるように、エンジン120の指令駆動力Peは要求駆動力Pusから蓄電器220の最大許容出力Woutmaxを減じた値となる。このようにしてエンジン120は走行用作動を実施している間は要求駆動力Pusから蓄電器220の最大許容出力Woutmaxを減じた値を出力するよう制御される。
【0046】
さらに、エンジン出力抑制量算出手段330は、ユーザによる動力性能を重視した操作を検出した場合、例えばアクセル開度判定手段326よりアクセル開度大信号を受信した場合は、エンジン出力抑制量Pmaを所定のレートで下降させることで、エンジン120の指令駆動力Peを所定のレートで上昇させる。
【0047】
このような制御機能を有する本発明の実施形態に係る車両の駆動装置は、デジタル回路やアナログ回路の構成を主体としたハードウェアでも、単一又は複数のECU内に含まれるCPU(Central Processing Unit)およびメモリとメモリから読み出されてCPUで実行されるプログラムとを主体としたソフトウェアでも実現することが可能である。
【0048】
次に、図4のフローチャートを参照して、エンジンECU300、ハイブリッドECU320等の電子制御装置の制御作動のうち、車両のモータ走行中に触媒122を暖機する場合に実行する触媒暖機制御手段324やエンジン出力抑制量算出手段330の制御作動等について説明する。
【0049】
図4において、ステップ(以下、Sと記す)1乃至S5はアクセル開度判定手段326に対応している。S1では、触媒暖機制御手段324からの指令に従ってアクセル開度センサ402により検出されたアクセル開度Acc(%)を読み込む。
【0050】
S2では、S1にて検出したアクセル開度が予め設定されたアクセル開度大判定値よりも大きいか否かを判断する。アクセル開度がアクセル開度大判定値未満の場合はS2の判断を否定してS3を実行する。また、アクセル開度がアクセル開度大判定値以上の場合はS2の判断を肯定してS4を実行する。
【0051】
S3では、S1にて検出したアクセル開度が予め設定されたアクセル開度小判定値よりも小さいか否かを判断する。アクセル開度がアクセル開度小判定値未満の場合はS3の判断を肯定してS5を実行する。また、アクセル開度がアクセル開度小判定値以上の場合はS3の判断を否定してS6を実行する。
【0052】
S4では、S2にてアクセル開度がアクセル開度大判定値以上であると判断したため、要求駆動力が大きく、且つ駆動力を早急に出力する必要があるので、例えばアクセル開度大を示すフラグを「1」にセットすることによりアクセル開度大判定を成立とし、触媒暖機制御手段326とエンジン出力抑制量算出手段330とにアクセル開度大信号を送信してS6を実行する。
【0053】
S5では、S3にてアクセル開度がアクセル開度大判定値未満であり且つアクセル開度小判定値未満であると判断したため、要求駆動力が小さく、且つ駆動力を早急に出力する必要がないので、例えばアクセル開度大を示すフラグを「0」にリセットすることによりアクセル開度大判定を不成立としてS6を実行する。
【0054】
S6乃至S9は触媒暖機制御手段324に対応している。S6では、触媒暖機要求手段284より触媒暖機要求信号を受信しているか否かを判断する。触媒暖機要求手段284より触媒暖機要求信号を受信している場合はS6の判断を肯定してS7を実行する。触媒暖機要求手段284より触媒暖機要求信号を受信していない場合はS6の判断を否定してS12を実行する。
【0055】
S7では、エンジン制御手段288がエンジン120を作動するよう制御しているか否かを判断する。エンジン120を作動するよう制御している場合はS7の判断を肯定してS8を実行する。エンジン120を作動するよう制御していない場合はS7の判断を否定してS12を実行する。
【0056】
S8では、ハイブリッドECU320により図示しない車両を制動するためのブレーキの操作中に負荷の運転を禁止しているか否かを判断する。ブレーキ操作中の負荷運転を禁止していない場合はS8の判断を肯定してS9を実行する。ブレーキ操作中の負荷運転を禁止している場合はS8の判断を否定してS12を実行する。
【0057】
S9では、アクセル開度判定手段326よりアクセル開度大信号を受信していないか否かを判断する。アクセル開度大信号を受信していないと判断した場合はS9の判断を肯定し、触媒暖機制御手段324はエンジン出力抑制量算出手段330に触媒暖機許可信号を送信してS10を実行する。アクセル開度大判定が成立していると判断した場合は、S9の判断を否定してS12を実行する。
【0058】
S10は、エンジン出力抑制量算出手段330に対応している。S10では、エンジン出力抑制量算出手段330は触媒暖機制御手段324より触媒暖機許可信号を受信すると、エンジン120が触媒暖機中出力値Psdを出力するようエンジン出力抑制量Pmaを算出し、エンジン出力算出手段328へ送信する。エンジン出力抑制量Pmaの算出方法は上記した通りであり、要求駆動力Pusからエンジン120の触媒暖機中出力値Psdを減じることで算出される。その後、S11を実行する。
【0059】
S11は、エンジン出力算出手段328に対応している。S11では、エンジン出力算出手段328は要求駆動力PusよりS10にて算出したエンジン出力抑制量Pmaを減じることによりエンジン120の指令駆動力Peを算出し、本制御ルーチンを終了した後、次の制御サイクルを開始する。尚、S10にてエンジン120の指令駆動力Peが触媒暖機中出力値Psdとなるようエンジン出力抑制量Pmaが算出されているので、ここではエンジン120の指令駆動力Peは触媒暖機中出力値Psdとなる。
【0060】
S12及びS13は、エンジン出力抑制量算出手段330に対応しており、ユーザによる動力性能を重視した操作、例えば一定値以上のユーザアクセル開度が検出され、アクセル開度判定手段326よりアクセル開度大信号を受信した場合に、エンジン120の指令駆動力Peを所定のレートで上げていく過程を表している。
【0061】
まずS12では、エンジン120の指令駆動力Peを上昇させるために、エンジン出力抑制量算出手段330はエンジン出力抑制量Pmaの下降処理を行う。具体的には、エンジン出力抑制量Pmaより一定の値を減じることでエンジン出力抑制量Pmaを小さくし、エンジン120の指令駆動力Peを上昇させる。尚、エンジン出力抑制量Pmaを速やかに下降させるために、エンジン出力抑制量Pmaより減じる値を一定にせず、下降処理を実施した回数に比例して増加するようにしてもよい。その後、S13を実行する。
【0062】
S13では、S13でのエンジン出力抑制量Pmaの低下を受け、エンジン出力抑制量算出手段330は、エンジン出力抑制量Pmaが0kWまで低下していないか否かを確認する。エンジン出力抑制量Pmaが0kWまで低下していない場合はS13の判断を肯定し、継続してエンジン120の指令駆動力Peを上昇させるために、エンジン出力抑制量Pmaをエンジン出力算出手段328に送信した後にS14を実行する。また、エンジン出力抑制量Pmaが0kWまで低下している場合はS13を否定し、本制御ルーチンを終了した後、次の制御サイクルを開始する。
【0063】
S14乃至16は、エンジン出力算出手段328に対応している。S14では、エンジン出力算出手段328はS11と同じように、要求駆動力Pusよりエンジン出力抑制量Pmaを減じることによりエンジン120の指令駆動力Peを算出し、算出したエンジン120の指令駆動力Peをエンジン制御手段288に送信した後にS15を実行する。また、S12にてエンジン出力抑制量Pmaに下降処理を施しているため、前回の制御サイクルで算出されたエンジン120の指令駆動力Peと比較し、S14で算出されたエンジン120の指令駆動力Peは大きくなる。
【0064】
S15では、エンジン出力算出手段328はS14で算出されたエンジン120の指令駆動力Peが充分に小さい閾値Pminより小さいか否かを判断する。つまり、エンジン120の指令駆動力Peが充分に小さく、蓄電器220の最大許容出力Woutmaxで充分要求駆動力を賄えるか否かを判断する。エンジン120の指令駆動力Peが閾値Pminより小さい場合はS15の判断を肯定し、エンジン120の作動を停止しモータ走行を行うためにS16を実行する。エンジン120の指令駆動力Peが閾値Pmin以上の場合は、本制御ルーチンを終了した後、次の制御サイクルを開始する。
【0065】
S16では、エンジン出力算出手段328はS15にてエンジン120の指令駆動力Peが閾値Pminより小さいと判断したので、車両をモータ走行させるべくエンジン120の指令駆動力Peを0kWとして本制御ルーチンを終了した後、次の制御サイクルを開始する。
【0066】
(第1の実施例)
次に、図5を参照して、本発明の実施形態に係る車両の駆動装置を搭載した車両が、エンジン120の走行用作動中に、エンジン120の指令駆動力Peを所定のレートで上昇させる場合のエンジン120の駆動力の変化を説明する。尚、図5(a)は時間に対する要求駆動力Pus及びアクセル開度Accの変化を表したグラフであり、図5(b)は時間に対するエンジン120の指令駆動力Peの変化を表したグラフであり、図5(c)は時間に対するエンジン出力抑制量Pmaの変化を表したグラフである。
【0067】
まず、車両は要求駆動力Pusを蓄電器220の最大許容出力Woutmaxで満たすことが出来る間はエンジン120を停止させ、電動機140Bを駆動源として選択しモータ走行する。
【0068】
時刻t1において、要求駆動力Pusが蓄電器220の最大許容出力Woutmaxを超えたため、エンジン120を始動させるべくまずエンジン出力算出手段328が触媒暖機要求手段284にエンジン始動要求信号を送信する。触媒暖機要求手段284はエンジン120の冷却水温や触媒122の温度等を基に触媒122を暖機するかを判断し、暖機が必要と判断した場合に触媒暖機制御手段324に触媒暖機要求信号を送信する。触媒暖機制御手段324は触媒暖機要求信号を受け、要求駆動力Pusが蓄電器220の最大許容出力Woutmaxとエンジン120の触媒暖機中出力値Psdとの和以下の場合に車両の駆動装置がモータ走行時の触媒暖機開始条件を満たしているとして触媒122の暖機を許可し、エンジン出力抑制量算出手段330に触媒暖機許可信号を送信する。触媒暖機許可信号を受けエンジン出力抑制量算出手段330は要求駆動力Pusからエンジン120の触媒暖機中出力値Psdを減じた値をエンジン出力抑制量Pmaとして算出し、エンジン出力算出手段328に送信する。エンジン出力算出手段328は、要求駆動力Pusからエンジン出力抑制量Pmaを減じた値をエンジン120の指令駆動力Peとして算出し、エンジン制御手段に送信する。そしてエンジン制御手段288は、受信したエンジン120の指令駆動力Peを基にエンジン120を制御する。要求駆動力Pusをエンジン120の触媒暖機中出力値Psdと蓄電器220の最大許容出力Woutmaxとの和で満たすことが出来る間、エンジン120の触媒暖機用作動が実施される。
【0069】
時刻t2において、要求駆動力Pusがエンジン120の触媒暖機中出力値Psdと蓄電器220の最大許容出力Woutmaxとの和を超えると、触媒制御手段324は触媒暖機許可信号の送信を停止する。そして、触媒暖機許可信号の停止を受け、エンジン出力抑制量算出手段330は蓄電器220の最大許容出力Woutmaxをエンジン出力抑制量Pmaとして算出し、エンジン出力算出手段328に送信する。エンジン出力算出手段328は、要求駆動力Pusからエンジン出力抑制量Pmaを減じた値をエンジン120の指令駆動力Peとして算出し、エンジン制御手段に送信する。そしてエンジン制御手段288は、受信したエンジン120の指令駆動力Peを基にエンジン120を制御する。
【0070】
時刻t3において、ユーザによる動力性能を重視した操作、例えば所定値以上のアクセル開度Accが検出され、アクセル開度判定手段326よりアクセル開度大信号を受信すると、エンジン出力抑制量算出手段330はエンジン出力抑制量Pmaを所定のレートで低下させていく。上記の通りエンジン出力算出手段328はエンジンの指令駆動力Peを要求駆動力Pusとエンジン出力抑制量算出手段Pmaとを基に算出しているので、エンジン出力抑制量Pmaの低下を受け、エンジン出力算出手段328が算出するエンジン120の指令駆動力Peは所定のレートで上昇していく。エンジン120の指令駆動力Peが要求駆動力Pusとなるまで、つまりエンジン出力抑制量Pmaが0kWとなったら、エンジン出力抑制量Pmaの下降処理は終了する。
【0071】
(第2の実施例)
最後に、図6を参照して、本発明の実施形態に係る車両の駆動装置を搭載した車両が、エンジン120の触媒暖機用作動中に、エンジン120の指令駆動力Peを所定のレートで上昇させる場合のエンジン120の駆動力の変化を説明する。尚、図5と同じように、図6(a)は時間に対する要求駆動力Pus及びアクセル開度Accの変化を表したグラフであり、図6(b)は時間に対するエンジン120の指令駆動力Peの変化を表したグラフであり、図6(c)は時間に対するエンジン出力抑制量Pmaの変化を表したグラフである。
【0072】
上記したように、車両は要求駆動力Pusを蓄電器220の最大許容出力Woutmaxで満たすことが出来る間はエンジン120を停止させ、電動機140Bを駆動源として選択しモータ走行する。そして、時刻t1において、要求駆動力Pusが蓄電器220の最大許容出力Woutmaxを超えると、エンジン120は触媒暖機用作動を実施し、触媒暖機中出力値Psdを出力する。
【0073】
時刻t2において、ユーザによる動力性能を重視した操作、例えば一定値以上のアクセル開度Accが検出され、アクセル開度判定手段326よりアクセル開度大信号を受信すると、上記したようにエンジン出力抑制量算出手段330はエンジン出力抑制量Pmaを所定のレートで低下させることでエンジン120の指令駆動力Peを上昇させていく。
【0074】
以上のように、本発明の実施形態に係る車両の駆動装置によれば、ユーザより要求された駆動力Pusが触媒暖機用作動中のエンジン120の駆動力Psdと蓄電器220の最大許容出力Woutmaxとの和以下の場合は触媒暖機用作動を実施するようエンジン120を制御し、ユーザより要求された駆動力Pusが触媒暖機用作動中のエンジン120の駆動力Psdと蓄電器220の最大許容出力Woutmaxとの和より大きい場合は触媒暖機用作動を中断させて走行用作動に切り換え、走行用作動中のエンジン120の駆動力と蓄電器220の最大許容出力Woutmaxとの和によってユーザに要求された駆動力Pusを満たし、エンジン120の走行用作動中に、ユーザによる動力性能を重視した操作を検出した場合は、エンジンの指令駆動力Peを所定のレートで上昇させるので、エンジン120の駆動力抜けを防止しつつ素早く触媒の暖機を完了させることが出来る。
【0075】
また、本発明の実施形態に係る車両の駆動装置によれば、ユーザより要求された駆動力Pusが触媒暖機用作動中のエンジン120の駆動力Psdと蓄電器220の最大許容出力Woutmaxとの和以下の場合は触媒暖機用作動を実施するようエンジン120を制御し、エンジン120の触媒暖機用作動中に、ユーザによる動力性能を重視した操作を検出した場合は、エンジン120を触媒暖機用作動から走行用作動に切り換え、エンジン120の指令駆動力Peを所定のレートで上昇させるので、エンジン120の駆動力抜けを防止しつつ素早く触媒の暖機を完了させることが出来る。
【0076】
また、本発明の実施形態に係る車両の駆動装置によれば、エンジン120の触媒暖機用作動中は前記蓄電器220の最大許容出力Woutmaxより充分小さい予め設定された一定の駆動力が出力されるので、触媒暖機用作動中のエンジン120の出力を最低限に抑えることが出来る。
【0077】
また、本発明の実施形態に係る車両の駆動装置によれば、アクセル開度に用いてユーザによる動力性能を重視した操作を検出するので、動力性能を重視した操作を的確に検出することが出来る。
【符号の説明】
【0078】
120:エンジン、122:触媒、124:触媒温度センサ、140A:発電機、140B:電動機、220:蓄電器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動力源として機能するエンジン及び電動機と、前記電動機に電力を供給する蓄電器と、前記エンジンの排気ガスを浄化するための触媒とを備え、車両の走行中に触媒暖機開始条件が成立した場合には触媒暖機用作動を行うように前記エンジンを制御する車両の駆動装置であって、
前記駆動装置は、ユーザより要求された駆動力が前記触媒暖機用作動中のエンジンの駆動力と前記蓄電器の最大許容出力との和以下の場合は触媒暖機用作動を実施するよう前記エンジンを制御し、前記ユーザより要求された駆動力が前記触媒暖機用作動中のエンジンの駆動力と前記蓄電器の最大許容出力との和より大きい場合は触媒暖機用作動を中断させて走行用作動に切り換え、前記走行用作動中のエンジンの出力と前記蓄電器の最大許容出力との和によって前記ユーザに要求された駆動力を満たし、前記エンジンの走行用作動中に、ユーザによる動力性能を重視した操作を検出した場合は、前記エンジンの指令駆動力を所定のレートで上昇させることを特徴とする、車両の駆動装置。
【請求項2】
駆動力源として機能するエンジン及び電動機と、前記電動機に電力を供給する蓄電器と、前記エンジンの排気ガスを浄化するための触媒とを備え、車両の走行中に触媒暖機開始条件が成立した場合には触媒暖機用作動を行うように前記エンジンを制御する車両の駆動装置であって、
前記駆動装置は、ユーザより要求された駆動力が前記触媒暖機用作動中のエンジンの駆動力と前記蓄電器の最大許容出力との和以下の場合は触媒暖機用作動を実施するよう前記エンジンを制御し、前記エンジンの触媒暖機用作動中に、ユーザによる動力性能を重視した操作を検出した場合は、前記エンジンを触媒暖機用作動から走行用作動に切り換え、前記エンジンの指令駆動力を所定のレートで上昇させることを特徴とする。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか1つに記載の車両の駆動装置であって、
前記触媒暖機用作動を実施しているエンジンは、前記電動機の最大許容出力よりも充分に小さい予め設定された一定の駆動力が出力されることを特徴とする。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の車両の駆動装置であって、
前記ユーザによる動力性能を重視した操作を検出した場合とは、一定値以上のユーザアクセル開度が検出された場合であることを特徴とする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−224201(P2012−224201A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93325(P2011−93325)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】