説明

車両内の対向したサテライトセンサでの取付けエラーの検出装置

車両内の対向したサテライトセンサでの取付けエラーの検出装置が提案されている。装置は、サイドドアが閉じられた際に、ドアコンタクト信号とサテライトセンサの信号との信号を比較することによって、取付けエラーを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両内の対向したサテライトセンサでの取付けエラーの検出装置に関する。
【0002】
ドイツ連邦共和国特許公開第10002685号公報から、車両内のセンシング手段の取付けエラーを検出することが公知である。取付けエラーの検出は、各々ヨーイング角速度値に換算された、センシング信号の各信号の比較によって行われる。各値の比較的大きな偏差は、エラーと解釈され、指示装置上に指示される。
【0003】
発明の利点
それに対して、本発明の独立請求項記載の要件(装置は、当該装置が、取付けエラーを、サイドドアが閉じられた場合に、ドアコンタクト信号と各サテライトセンサの1つの信号との信号比較を用いて検出するように構成されている)を有する、車両内の対向したサテライトセンサでの取付けエラーの検出装置の利点は、ドアコンタクト信号とサテライトセンサの信号との比較を介して、サテライトセンサの取付けエラーを検出することができるという点にある。殊に、例えば、運転席及び助手席の各々のドアの領域内にある対向した各サテライトセンサで、ケーブル接続を取り違えてしまうことがある。本発明の装置によると、簡単に、この取付けエラーを検出することができる。つまり、ドアコンタクト信号が送出された際に、所定時間内に、対向する反対側のセンサが信号を送出した場合、各センサ及び制御装置内でのケーブル接続の取り違えが生じていることは明らかである。その際、このことが、有利に、メモリ内に書き込まれ、乃至指示される。
【0004】
図面
以下、本発明について、図示の実施例を用いて詳細に説明する。
【0005】
その際、
図1は、本発明の装置のブロック接続図、及び
図2は、流れ図
を示す。
【0006】
実施例
周辺に設置された加速度センサ又はサテライトセンサは、乗員保護手段の制御用の制御装置を支援するために、側突を検出するため、又は、側突の別の衝突センサと組み合わせて妥当性評価(尤度を検査)するために、たいてい、車両のドアの領域内に組み込まれている。加速度センサでは、運転席側のセンサのタイプも助手席側のセンサのタイプも同じである。従って、制御装置にとって、例えば、運転席側ドア用のセンサが、助手席側ドア用の端子に接続されているかどうか区別することは不可能である。これにより、最悪の場合、衝突事故発生時に、取付けエラーのために、間違ったサイドエアバックが点火され、又は、両エアバックの点火タイミングが最適でなくなることがある。
【0007】
本発明によると、各サテライトセンサの各信号と、各ドアコンタクト信号との相関関係をそのために利用する、対向したサテライトセンサの取付けエラーを検出するための装置が提案される。従って、その際、各サイドで取り違えたセンサを検出することができる解決手段があるが、その際、この解決手段は、純粋にソフトウェアで実施してもよい。その際、アルゴリズムは簡単である。その理由は、限界値超過時点とドアを閉めた時点との単純な相関関係を、時間差Δtを用いて形成しさえすればよいからである。本発明の装置は、高い信頼度で、簡単に検出することができる。
【0008】
図1は、本発明の装置をブロック接続図で示している。乗員保護手段の制御用の制御装置12には、対向し合ったサテライトセンサ10及び17が接続されている。更に、制御装置12には、ドア閉コンタクト11及び18の監視用センサが設けられている。これらの各センサの信号は、制御装置12でプロセッサμCによって評価される。そのために、プロセッサμCは、メモリ13を使用する。制御装置12は、乗員保護手段(ここには図示していない)の他に、スピーカ15及びディスプレイ16を、制御部14を介して制御する。それにより、警報を送出することができる。
【0009】
ドア閉コンタクト11乃至18が、ドア、つまり、例えば、助手席側ドア及び運転席側ドアが閉まっていることを検出すると、ドア閉時点を示す信号が、センサ10及び17が送出した信号と比較される。このセンサ10及び17も、ドアが閉められた際に生じる加速度を介してドア閉自体も検出できる筈である。センサ11のドア閉時点を示す信号が、センサ17の信号と相関関係がある場合、取付けエラーが生じている。その理由は、センサ10が接続されるべき個所に、誤ってセンサ17が制御装置12に接続されていて、従って、センサ10も、同様に誤接続されているに違いないからである。しかし、センサ11のドア閉コンタクト信号が、サテライトセンサ10の信号と相関関係がある場合、センサは正確に組み込まれている。しかし、センサ10からもセンサ17からもまったく信号が生じない場合、センサエラーが生じており、このセンサエラーは、本発明の装置を用いて、検出することができる。工場サイドで、ドアを閉じる時に生じる信号を測定して、相応の限界値をプロセッサμC内に設け、それにより、センサ10及び17によって検出される、このドア閉を指示する信号を容易に識別することができるようになる。
【0010】
図2は、本発明の装置が作動経過する方法が、流れ図で示されている。方法ステップ200では、ドアコンタクトセンサ11乃至18を用いて、ドアが閉じられることが検出される。このために、時間マークを使ってもよい。方法ステップ201で、所定時間Δt内で、加速度センサ10乃至17が、ドアコンタクトセンサ11乃至18が位置している近傍又はドア内で制御装置12に接続されることにより、同様にドアが閉じられたことを示す加速度信号を検出するかどうか検査される。加速度センサ10乃至17が加速度信号を検出した場合、方法ステップ202で、正確に取付けられていることが検出される。その際、各加速度センサの機能を検査するのにそれ自体用いられるので、本発明の方法は、もはや実行する必要はない。つまり、ドアを閉じたことに各加速度センサが全く応動しない場合、加速度センサそれ自体が故障しているのは、非常に確率が高い。しかし、方法ステップ201で、制御装置12への接続により、ドアコンタクト11に配属された加速度センサ10が、ドアを閉じたことに相応する加速度信号を供給せず、加速度センサ17、つまり、ちょうど反対側に位置していて、従って、相応の信号を供給することができない筈の加速度センサ17がドアを閉じたことに相応する加速度信号を供給したことが検出された場合、エラーが生じていることが、方法ステップ203で推定される。従って、取付けエラーが生じており、工場サイドでエラーが解消される必要がある。このような事態は、音響及び/又は光学的に、スピーカ15乃至ディスプレイ16を用いて示される。そのために、スピーカ15は、可聴増幅器14で制御され、乃至、ディスプレイ16は、制御電子回路14で制御される。ドアが閉じられる場合に、まったく信号が生じず、且つ、そのことが、方法ステップ201で検出されると、同様にエラーが生じており、このエラーが相応に示される。このエラーは、メモリ13内にマイクロプロセッサμCによって記憶される。
【0011】
ここでは、乗員保護手段の制御用の制御装置12によって、加速度センサ10及び17のテストが、その加速度センサの取付け位置に関して実行されることが示されている。このテストを、別の制御装置によって実行してもよい。殊に、ドアコンタクトセンサ11及び18が、CANバスを介して制御装置12と接続されるように設けてもよい。その際、制御装置12は、相応のCANコントローラを有する。メモリ13は、その領域の少なくとも一部分を、データを持続的に記憶するのに有しており、その結果、そのようなエラー、例えば、取付けエラーを、持続的に記憶することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の装置のブロック接続図
【図2】流れ図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内の対向したサテライトセンサ(10,17)での取付けエラーの検出装置において、
装置は、当該装置が、取付けエラーを、サイドドアが閉じられた場合に、ドアコンタクト信号と各サテライトセンサ(10,17)の1つの信号との信号比較を用いて検出するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
ドアコンタクト信号後、所定時間(Δt)内に信号が生じない場合、装置は、取付けエラーを検出する請求項1記載の装置。
【請求項3】
取付けエラーが検出された後、装置は、前記取付けエラーをメモリ(13)内にエントリする請求項1又は2記載の装置。
【請求項4】
取付けエラーが検出された後、装置は、警報を送出する請求項1から3迄の何れか1記載の装置。
【請求項5】
所定時間内に、ドア信号と、ドアに対向して位置しているサテライトセンサの信号が生じた場合、装置は、取付けエラーを検出する請求項1から4迄の何れか1記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−521971(P2006−521971A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518236(P2006−518236)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【国際出願番号】PCT/EP2005/050964
【国際公開番号】WO2005/113297
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】