説明

車両冷却システム

【課題】冷却液回路を使用して、車両のバッテリを冷却するための冷却システムを提供する。
【解決手段】本発明の冷却システム(1)は、ポンプ装置(13)と、冷却液とバッテリ(2)との間で熱を伝達させるための熱交換器(5)と、冷却液と環境との間で熱を伝達させるための熱交換器(6)と、さらに、冷却液と冷媒回路(4)内を循環する冷媒との間で熱を伝達させるための熱交換器(10)を含む。冷媒回路(4)は、さらに、熱交換器(19)及び関連付けられた膨張器と共に設計されている。冷媒回路(4)は、さらに、2つの更なる膨張器(14、15)を含み、第1の膨張器(14)は、冷媒流れ方向において、熱交換器(10)の上流に配置され、第2の膨張器(15)は、熱交換器(10)の下流に配置される。このため、冷媒側で蒸発器として設計された熱交換器(10、19)は、異なる圧力レベル及び温度レベルで動作できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却液回路を使用して、車両、特に電気自動車又はハイブリッド自動車のバッテリを冷却するための冷却システムに関する。
本発明は、さらに、冷却システムを動作させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車又はハイブリッド自動車で使用される大容量バッテリは、電気エネルギーを蓄積するために使用される。電源の供給元へ接続することにより、バッテリへエネルギーが供給される。ハイブリッド自動車では、さらに、自動車のブレーキプロセスの間にエネルギーを回収することができる。
動作時において、電気モータ及びパワーエレクトロニクス等の電気ドライブトレインの他の構成要素と、バッテリのバッテリセルとの両方の温度が上昇する。バッテリは、特に、放電及び充電時において最適な温度で動作する必要がある。高い動作温度は、バッテリセルに非常に高い熱負荷を生じさせる可能性があるため、プロセスにおいて生じた及び放出された熱は放散する必要がある。バッテリの温度耐性は限られているため、これらは、積極的に冷却する必要がある。バッテリ及びドライブトレインの他の電子構成要素を冷却するために適した媒体は、周囲空気、車内空気、冷媒及び冷却液である。冷却液として、例えば水及び/又はグリコールが使用される。
バッテリの冷却は、その寿命を延長させる。冷却されたバッテリの温度が、限られた範囲内のみで変動するように、バッテリの冷却を行うべきである。
しかしながら、最適な動作温度で電気自動車のバッテリを動作させるには、生成された熱を放散する必要があるだけでなく、特に始動時において周囲温度が低すぎる場合に、低温のバッテリに熱を提供する必要がある。
【0003】
電気自動車又はハイブリッド自動車で使用されるリチウムイオンバッテリは、狭い動作可能温度範囲を有する。低いバッテリセル温度、特に0℃以下の温度で、バッテリの電気出力を、セルの損傷を防ぐために低下させる必要がある。さらに、バッテリは、0℃未満の温度範囲で充電することはできない。
動作温度が上昇すると、リチウムイオンバッテリの電気効率は増加する。しかしながら、40℃を超える温度では、バッテリセルの老化が進み、温度が50℃よりも高い場合、セルを損傷させることになり得る。
【0004】
特に、およそ40℃を超えると既にパフォーマンスが制限される、リチウムイオンバッテリの場合、周囲空気を使用する冷却は、全環境条件において実現可能であるわけではない。外部空気温度値は、夏の暑い日において、40℃の値に達するか、これを超える可能性があるため、未処理の周囲又は外部空気を使用した冷却は実現可能ではない。こうした外部条件において、生成された熱を制限するためにバッテリ出力を低減する場合がある。しかしながら、その場合、バッテリは、必要な最大出力を提供しない。
一方で、空気調整された車内から冷却空気を回収し、これをバッテリへ導くという可能性がある。
車内からの冷却空気を使用することは、周囲空気の使用よりも狭い温度範囲を可能にする一方で、しかしながら、車内からの空気の回収は、車両内のノイズを増加させ、したがって、快適性を低下させることになる。
加えて、0〜5Kの範囲の温度差で、温度分布の均質性についてかなり要求の厳しい、バッテリのための空冷を使用すると、個々のバッテリセルの間の温度変化が大きくなりすぎる可能性がある。温度変化を小さくするには、冷却は、非常に大きい空気質量流量を使用して実行する必要がある。上記の高いレベルの流動ノイズ及び周囲条件によって変化する冷却容量に加えて、さらに、大規模な送風機及び大きな流れ断面を使用して、空冷システムを使用する場合には、空気の経路指定のために大きな設置スペースが利用可能であることを確実にしなければならない。
【0005】
空調システムによって冷却される車内からの空気によるバッテリの冷却以外に、バッテリ冷却システムを車両の空調システムへ接続するための更なる方法が知られている。冷媒から直接、及び、空調システムの二次回路の両方によって、バッテリを冷却することが可能である。直接冷却により、冷媒は、バッテリ内部で上昇する熱を吸収するために、熱交換器に供給される。二次回路による冷却の際に、熱交換器内で吸収されるバッテリからの熱は、車両の空調システムへの第2の熱交換器内で放散される。例えば二次回路内で再循環される熱伝達媒体として、水又はグリコールを使用できる。
冷媒によってバッテリを冷却する際に、周囲条件が車内の空気調整を必要としない場合でも、車両空調システムの冷媒回路を動作させる必要があるため、コンプレッサの動作に電気エネルギーを使用する必要がある。
さらに、冷却液によってバッテリを冷却するために電気エネルギーが必要である。しかしながら、冷却液を提供するための電力は、冷却液回路の動作に必要なコンプレッサ電力よりも大幅に低い。低温の回路内では、冷却液がバッテリから吸収される熱を環境へと放散させる。バッテリの温度は40℃を超えてはならないため、この動作は、知られているように、同様に40℃未満の周囲温度でのみ可能である。
周囲空気温度が40℃を超える場合、冷却液は、車両空調システムの冷媒回路によって周囲温度未満になるように冷却される。冷媒/冷却液熱交換器は、さらに、冷却装置とも称され、冷媒に対して蒸発器として動作される。その液体部分の大部分は蒸発器に入ると二相性(two−phase)である冷媒は、必要な場合に蒸発及び過熱される。
【0006】
先行技術に従い、冷却装置の流出口における持続的な過熱を制御するように、冷却装置の上流に温度自動調節用膨張バルブを接続することが知られている。この目的のために、冷却装置で冷蔵容量が不要である動作状態のための遮断機能が、自動温度調節用膨張バルブに組み込まれる。遮断機能は、ソレノイドバルブ又はステッピングモータバルブによって実行される。
バッテリの温度が切り替え上限を超えると、バッテリは冷却する必要が生じ、ソレノイドバルブが開かれる。冷蔵容量は、自動温度調節用膨張バルブによって、「自動で」調節する。このプロセスによりバッテリが冷却される。低温側の切り替え限度未満に低下すると、ソレノイドバルブは閉じられる。バッテリの温度は、ゆっくりと再び上昇する。自動温度調節用膨張バルブ制御は機械的なものであるため、バッテリを冷却するための冷蔵容量を必要に応じて提供することはできず、これにより、バッテリ冷却プロセスの効率は低下する。バッテリは必要以上に強く冷却され、したがって、動作の効率性は低下する。必要な冷却容量が増加すると、バッテリ冷却を動作させるために生成される電力も増加する。
【0007】
独国特許出願公開第10 2009 035 329号明細書(特許文献1)は、複数のシングルセルを含むバッテリを有する車両を動作させるための装置及び方法を開示している。冷却液回路内のポンプユニットから運搬される冷却液は、バッテリの筐体を通って流れる。冷却液回路は、熱交換器によって、冷媒回路と熱的に結合される。現在の周囲温度及び/又は車両の現在の速度に応じて、冷媒回路内に配置されたコンプレッサの回転速度は変動する。コンプレッサは、加えて、冷却装置として設計される熱交換器を介して、冷却液回路へ熱的に結合される。遮断バルブによって冷媒回路から水圧によって隔離できる冷却装置は、パルスモードで及び/又は断続的に動作される。したがって、蒸発器及び冷却装置は、個別に又は同時に、しかし冷媒と同じ圧力レベルで動作できる。
【0008】
独国特許出願公開第10 2007 012 893号明細書(特許文献2)は、ストレージセルから構成されるバッテリの冷却のための冷却システムを開示している。バッテリは、バッテリケース内に収容される。必要に応じて冷却を提供するために、冷却システムは、熱を周囲空気へ伝達するための空気熱交換器を有する冷却液回路、冷却液体へ熱を伝達するための液体冷却器、好ましくは空調システムの冷媒回路内の冷媒、及び並列に接続された2つの熱交換器の間で切り替えるための3方向バルブを有する。バッテリセルケーシングの許容温度を上回る場合、軸方向ファンを有する外部空気熱交換器は3方向バルブを介して閉じられ、車両の空調システムへの直接の接続を有する液体冷却器が利用可能になる。
【0009】
独国特許出願公開第10 2007 012 893号明細書(特許文献2)のものと同様の冷却システムが、米国特許出願公開第2009/0321532号明細書(特許文献3)に開示されている。冷却システムは、さらに、冷却液から車両の空調システムの冷媒へ熱を伝達させるための熱交換器及び空気熱交換器を有する冷却液回路を有する。熱交換器は、並列に接続され、3方向バルブを介して、必要に応じて接続される。この目的のために、流れは、両方の熱交換器を同時に流れ、ここで、冷却液から放散される出力に応じて、流れが、バイパスとしてこれを通過するように、熱交換器のうちの1つが非作動にされる。バッテリ及び接続される熱交換器の冷却容量の要求は、バッテリ及び環境の温度を決定するセンサによって決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2009 035 329号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2007 012 893号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2009/0321532号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
先行技術による公知の装置は、本質的に、車内の空気を調整するための蒸発器と並列に、冷却装置を動作させる。冷媒ラインは、蒸発器及び冷却装置のそれぞれの下流に互いに接続されるため、冷媒は同じ圧力を有し、そのため、両方の構成要素において同じ蒸発温度レベルを有する。したがって、冷却装置内の圧力レベル及び温度レベルは、車両空調システムの蒸発器とは無関係に制御することができない。
【0012】
本発明の目的は、車両のバッテリの冷却、及び、特に、電気自動車又はハイブリッド自動車の車内に供給される空気の調整の組み合わせのためのシステム及び方法を提供することである。冷却システムは、動作について、車両の駆動システム及び空調システムの効率を最大限にするため、バッテリ冷却用に生成する電気エネルギーを最小にしなければならないように、設計する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、バッテリの冷却及び車内へ供給される空気の調整の組み合わせのための冷却システムによって、この目的が実現されることを教示する。冷却システムは、ポンプ装置を有する冷却液回路、冷却液とバッテリとの間で熱を伝達させるための熱交換器、冷却液と環境との間で熱を伝達させるための熱交換器、さらに、冷却液と車両空調システムの冷媒回路内を再循環する冷媒との間で熱を伝達させるための熱交換器を有する。冷却液と冷媒との間で熱を伝達させるための熱交換器は、冷媒側の蒸発器として設計され、以降、冷却装置とも称される。
【0014】
本発明によれば、冷却液回路は、2つの膨張器と共に設計される。ここで、第1の膨張器は、冷媒流れ方向において、冷却装置の上流に直接配置され、第2の膨張器は、冷却装置の下流に直接配置される。ここで、「直接」とは、構成要素が(構成要素は、第1の膨張器及び冷却装置、並びに冷却装置及び第2の膨張器である)接続ラインを除き、その間に配置される冷媒回路の更なる構成要素なしに、直接連続して、互いに追随することを意味することが理解される。冷却液と冷媒との間で熱を伝達するための熱交換器として機能する冷却装置は、冷却液回路及び冷媒回路の熱的結合を表す。
【0015】
冷媒回路は、好ましくは、車内に供給される流入空気を調整するための空調システムの構成要素として提供される。本発明によって教示されるように、冷却システムの冷媒と冷却液との間で熱を伝達するための熱交換器以外に、冷媒回路は、同様に冷媒の蒸発器として動作される空気/冷媒熱交換器として設計される更なる熱交換器を含む。
閉じた冷媒回路は、さらに、蒸発器として設計される空気/冷媒熱交換器に関連付けられる膨張器と同様に、冷媒コンプレッサ、コンデンサを含む。
【0016】
本発明の第1の実施形態では、冷却液と冷媒回路内の冷媒との間で熱を伝達させるための熱交換器は、車両空調システムの蒸発器として設計される空気/冷媒熱交換器と並列に接続される。
第2の実施形態では、冷却装置は、冷媒流れ方向において、並列ではなく、直列に及び/又は直列接続として、車両空調システムの空気/冷媒熱交換器の上流又は下流に組み込まれる。
【0017】
冷媒側の冷却装置の周囲に配置された膨張器は、好ましくは、調整可能な膨張バルブとして設計される。冷却装置上の冷媒回路は、冷却液と冷媒との間の熱伝達の温度レベルが空気/冷媒熱交換器内の熱伝達の温度レベルとは無関係に調整可能となるように、2段階の膨張で有利に動作できる。
調整可能な膨張バルブは自動温度調節用膨張バルブであり、これは、好ましくは、外部から操作可能となるように設計される。
【0018】
本発明の更なる有利な実施形態では、ファンは、空気/冷却液熱交換器として、冷却液と環境との間で熱を伝達させるための熱交換器に関連付けられることにあり、前記ファンは、速度制御可能となるように設計される。したがって、冷却液から空気へ伝達される熱が変化できるように、空気/冷却液熱交換器の熱伝達表面における周囲空気の質量流を調節可能である。
【0019】
本発明によって教示されているように、車両のバッテリを冷却するための冷却システムを動作させるための方法において、バッテリから放散される熱が、バッテリ冷却器とも称される熱交換器において冷却液へ伝達される。この目的のために、閉じた冷却液回路内でポンプ装置によって再循環される冷却液が、冷却装置として知られる熱交換器を介して冷媒へ熱的に結合される。冷媒は、次に、閉じた冷媒回路内を循環する。
バッテリから冷却液へ伝達され、次に冷却液から放散される熱は、バッテリ冷却器として設計された熱交換器への冷却液の流入温度に応じて、及び、周囲温度に応じて、制御される。周囲温度は、特に、周囲空気の温度である。熱は、熱交換器内の冷却液から、周囲空気及び/又は冷却装置内の冷媒へと伝達される。
【0020】
本発明によれば、冷媒回路内の冷却装置は、冷媒流れ方向において、上流に第1の膨張器、及び下流に第2の膨張器を有する蒸発器として動作される。同時に、冷媒回路内に組み込まれ、蒸発器としても設計される空気/冷媒熱交換器が動作される。この目的のために、冷却装置内の冷媒の蒸発の温度レベルは、空気/冷媒熱交換器内の蒸発の温度レベルとは無関係に、有利に制御される。
冷媒の蒸発の温度レベル以外に、冷却装置を通る冷媒の質量流が、膨張器によって調整される。
【0021】
本発明による方法の好適な一実施形態では、蒸発器として設計される車両の空調システムの空気/冷媒熱交換器と、冷媒流れ方向において、上流に第1の膨張器及び下流に第2の膨張器を含む冷却液と冷媒との間で熱を伝達させるための蒸発器は、冷媒回路内で、互いに並列接続されて動作される。
この目的のために、制御可能な膨張バルブ、特に、自動温度調節用膨張バルブとして有利に設計される膨張バルブは、外部から操作される。冷却装置へと流れる前に、及び、冷却装置から流出後に必要な場合に、冷媒が減圧される。冷却装置の上流及び下流で冷媒を減圧するプロセスのために、冷媒回路は、2段階の膨張で動作される。冷却システムの動作時において、2段階の膨張によって生成される冷却装置内の冷媒の中間圧力レベルは、バッテリの冷却要求及び周囲温度により、種々の蒸発の温度レベルに調整及び変更される。中間圧力は、冷却装置内の圧力レベルに相当する、第1の膨張器における第1の膨張後の圧力を意味することが理解される。
冷媒/冷却液の熱交換器内の冷却液と冷媒との間の熱伝達の温度レベルは、したがって、車両空調システムの蒸発器とは無関係に、有利に制御できる。
【0022】
加えて、バッテリから放散される熱は、好ましくは、電気的に駆動されたポンプ装置を使用して、バッテリ冷却器を通る冷却液の流量によって、連続的に制御される。冷却液ポンプの補助により、冷却液は、必要に応じて、冷却液回路内で再循環される。
【0023】
本発明による方法の改良では、バッテリ冷却器を流れる間に冷却液に伝達される熱は、周囲温度が低い場合、空気/冷却液熱交換器として設計される熱交換器内の周囲空気へ放出される。低い周囲温度は、最大で30℃の周囲空気温度の値で存在する。
空気/冷却液熱交換器を通って導かれる周囲空気の質量流は、熱交換器に関連付けられたファンの回転速度によって制御される。冷却液から冷媒へ熱を伝達するための冷却装置が作動停止される。空気/冷却液熱交換器から流出した後で、冷却液は冷却装置の周囲のバイパスを通って流れ、及び/又は、流れは、冷却装置の冷媒側を全く通らない。いずれの制御形態をとっても、冷却液から冷媒へ熱は伝達されない。
【0024】
バッテリ冷却器への冷却液の流入温度が許容温度を超える場合に、冷却液から放散される熱は、空気/冷却液熱交換器内の周囲空気へ、及び、冷却装置内の冷媒へ伝達される。したがって、冷媒へ熱を伝達するための冷却装置が動作される。冷却液は、今度は、冷却装置を通り、冷却装置の周囲のバイパスは通らずに流れる。同時に、流れは、さらに、冷却装置の冷媒側を通過する。冷却装置内の冷媒の蒸発の温度レベルは、冷蔵容量と同様に、上流及び下流の膨張バルブの断面を変化させることによって制御される。冷却装置及び空気/冷却液熱交換器の同時の及び/又は組み合わせられた使用の方法は、特に中間的な周囲空気温度、例えば、空気温度が30℃〜40℃である場合に動作される。
【0025】
高い周囲温度で、冷却液から放散される熱は、冷却装置内の冷媒に伝達される。高い周囲温度は、40℃以上の周囲空気温度の値で存在する。冷却装置内の冷媒の蒸発の温度レベルも、冷蔵容量と同様に、上流及び下流の膨張バルブの断面を変化させることにより、変化する。熱を周囲空気へ伝達させるための空気/冷却液熱交換器が作動停止される。この目的のために、熱交換器のファンのみが遮断され、その結果、熱交換器の空気側がブロックされる、又は、冷却液回路のそれぞれの構成に基づいて、冷却液は、冷却液が熱交換器を流れないように、バイパスによって、熱交換器の周りに導かれる。この場合、空気/冷却液熱交換器が冷却液側で遮断される、及び/又は、冷却液回路から水圧によって隔離される。両方の場合において、熱は、空気/冷却液熱交換器内の周囲空気へ伝達されない。
【0026】
本発明による方法の更なる利点は、車両の空調システムの冷却液回路が空気ヒートポンプとして動作される場合に生じる。この目的のために、周囲空気は、蒸発器として設計される冷媒回路の空気/冷媒熱交換器の周囲を流れる。こうして、周囲空気は熱源として利用される。バッテリ冷却器への冷却液の必要な流入温度よりも低い周囲温度において、冷却装置内の冷媒の蒸発の温度レベルは、冷蔵容量と同様に、バッテリ冷却器内の冷却液の必要に応じて、膨張バルブの断面を変化させることにより、制御される。
【0027】
バッテリの温度を連続的に制御するための本発明による解決法は、最適な温度でのバッテリの動作を可能にし、以下の多様な利点、すなわち、
−最大効率及び最小限のバッテリ電力損失、
−バッテリの調整のための最小限の電力消費、
−システム全体の、特に駆動システムの最大効率、
及び、したがって、
−車両の最大動作範囲、を有する。
加えて、本発明による解決法では、冷却液回路は、空調システムの冷媒回路にこのように熱的に結合され、冷媒回路は、両方のシステムを異なる温度レベルで動作できるため、車内がバッテリの冷却とは無関係に調整されるように設計される。
【0028】
本発明の更なる事項、特徴及び利点は、関連する図面を参照して、例示的な実施形態の以下の記載から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】ヒートシンクとして空気及び/又は車両空調システムの冷媒を有する冷却液回路を含む、冷却システムである。
【図2】空気/冷却液熱交換器の周囲にバイパスを含む、冷却システムである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、熱を冷却させ、及び/又は化学エネルギー蓄積装置2から放散させるように設計される冷却液回路3を含む冷却システム1を示す。以降、バッテリ2とも称されるエネルギー蓄積装置2の代わりに、エンジン又はパワーエレクトロニクス等の車両のドライブトレインの他の構成要素を、冷却システム1に熱的に結合させることも可能である。
冷却液回路3は、冷却液を供給するためのポンプ装置13を有する。冷却液流れ方向において、熱交換器5は冷却液ポンプの下流に配置され、熱交換器はバッテリ2に熱的に結合される。この目的のために、種々の熱伝達が考えられる。冷却液は、バッテリセルの間で形成される空間を直接通って流れ、こうして、バッテリセルの表面と直接接する。あるいは、熱は、バッテリ2の筐体の接触表面を介して、冷却液へ伝達される。
【0031】
冷却液流れ方向において、更なる熱交換器6がバッテリ冷却器5の下流に配置され、熱交換器は、再び、バッテリ冷却器5から吸収する熱を環境へ、一般的には、周囲空気へ放散する。改善された熱伝達のために、低温度冷却器6又は空気/冷却液熱交換器6とも称される熱交換器6は、熱交換器6を通って及び/又はその表面上に空気質量流を供給する、ファン7と共に設計される。冷却液の質量流を変化させ、したがって、電気的に駆動される冷却液ポンプ13の出力を変化させることにより、冷却液流量を制御することにより、バッテリ冷却器5内の冷却液の熱吸収及び周囲空気への熱交換器6内の熱放散は、共に、連続的に制御できる。加えて、低温度冷却器6内の熱伝達は、通過する空気の体積によって、変化できる。空気の質量流は、送風機7の回転速度を調整、遮断、又は変化させることによって変化する。
【0032】
熱交換器6から流出した後で、冷却液は、冷却液の質量流を流路9及びバイパス11に分割できる分岐8へ流れる。流路9及びバイパス11は、共に、T字部分12として設計されるマウスポイント12へと延伸する。冷却液は、マウスポイント12からポンプ装置13へ流れる。冷却液回路3は閉じられる。
分岐8とマウスポイント12との間で、流路9は熱交換器10を有し、これを通って、一方の側で冷却液が流れ、他方の側で車両の空調システムの冷媒が流れる。冷却液回路3は、冷媒/冷却液熱交換器10を介して、冷媒回路4へ熱的に結合される。冷媒回路4に対して蒸発器10として動作される冷媒/冷却液熱交換器10内部では、これを通って流れる冷媒は、熱を吸収する気体状態へ変換される。冷却液から熱が回収され、冷却される。バイパス11は、冷媒への熱伝達が行われないように、熱交換器10を通過する冷却液の誘導の操作の制御ついて選択肢を提供する。
分岐8は、3方向バルブ及び/又は切り替えバルブ8として設計される。一方の側では、冷却液は、冷却液回路3が直接、冷媒回路4へ接続されるように、冷却装置10とも称される蒸発器10を使用して、流路9を介して導くことができる。他方の側では、冷却液は、切り替えバルブ8を使用してバイパス11を通り、蒸発器10の周囲に導くことができる。あるいは、冷却液の質量流は、流路9及びバイパス11を形成するように、分岐8において分岐させることもできる。
【0033】
冷却液からの熱は、冷却装置10内の車両の空調システムの冷媒に伝達される。このため、冷媒回路4は、図示されておらずコンプレッサを含む従来の構成要素、及び環境へ熱を伝達するための熱交換器、さらに、車内への流入空気を調整するための空気/冷媒の熱交換器19を含む。冷却装置10は、好ましくは、流入空気を調整するために、蒸発器19として設計される、空気/冷媒の熱交換器19と並列に接続され、制御可能な膨張バルブ14、15及び/又は自動温度調節用膨張バルブとして設計される2つの膨張器14、15を含む。この目的のために、冷媒流れ方向において、第1の膨張バルブ14は、上流に配置され、第2の膨張バルブ15は、蒸発器10の下流に配置される。冷却液回路4は、外部から操作可能な膨張バルブ14、15によって、冷却装置10における2段階の膨張で動作可能である。例えば、第1の膨張バルブ14による中間圧力レベルへの減圧を使用して、中間圧力を使用する動作のオプションのために、冷却装置10内の冷媒の種々の蒸発圧力及び/又は蒸発温度を、冷媒側で調整可能である。こうして、冷媒による熱吸収の温度レベルを、次第に変化させることもできる。さらに、冷却装置10を通る冷媒の質量流は、調整可能な膨張バルブ14、15の補助により調整される。
あるいは、冷却装置10は、車内への流入空気の調整のために、冷媒回路4内の蒸発器19の上流又は下流で直列に配置することもできる。
【0034】
図2は、低温度冷却器6の周囲のバイパス18の拡張を有する、図1からの冷却システム1を示す。分岐16からマウスポイント17へと延在するバイパス18の空気により、冷却液を、冷却器6の周囲に導くことができる。冷却流れ方向において、T字部分16として設計される分岐16は、熱交換器6の上流に配置され、マウスポイント17は、熱交換器6の下流に配置される。冷媒の質量流は、切り替えバルブ17及び/又はマウスポイント17として機能する3方向バルブ17の補助によって制御される。冷却の質量流は、完全に冷却器6を通って、又は低温度冷却器6の周囲のバイパス18を通って、必要に応じて導かれる。
【0035】
バッテリ2への冷却液の流入温度は、周囲温度に応じて、異なるモードで制御される。
【0036】
最大で30℃の空気温度等の低い周囲温度において、バッテリ2への冷却液の流入温度は、低温度冷却器6における周囲空気の質量流を導くファン7の速度により、制御される。その結果、冷却温度は、熱交換器6によってのみ制御される。熱交換器6を通過後に、冷却液は冷却装置10の周囲のバイパス11を通って流れる、すなわち冷却装置10の冷却液側は作動停止される。この場合、冷却液は蒸発器10を通って流れない。冷却液は、切り替えバルブ8の2つの制御形態のいずれをとっても、冷媒へ熱を放散しない。
熱交換器6は、最大で30℃の周囲空気温度で、ファン7と共に動作される。特別に空冷された冷却液の温度が、バッテリ2の冷却のための許容温度を超える場合にのみ、冷却液回路4の熱交換器10がさらに動作される。空気によって冷却液を特別に冷却する方法において、低温度冷却器6を動作させる利点は、冷却液回路4、したがって車両の空調システムが、およそ30℃を超える周囲空気温度でのみ動作されるということである。したがって、車両の空調システムは、連続的に動作させる必要はないため、車両の駆動に利用可能なエネルギーが節約され、車両の動作範囲が最小限にされる。
【0037】
冷却装置10及び低温度冷却器6を組み合わせて動作している間、バッテリ2への冷却液の流入温度、さらに、冷却装置10内の蒸発の温度レベル及び冷蔵容量は、低温度冷却器6におけるファン7の速度によって制御される。この目的のために、蒸発温度及び冷蔵容量のレベルは、膨張バルブ14、15の断面によって調整される。冷却システム1は、中程度の周囲温度、特に、30℃〜40℃の空気温度で、冷却装置10及び低温度冷却器6の同時及び/又は組み合わせた使用によって、動作される。
【0038】
高い周囲温度、特に40℃を超える空気温度において、バッテリ2への冷却液の流入温度は、特別に、冷却装置10内の蒸発の温度レベル及び冷蔵容量を変化させることにより、調整される。冷却液回路3から放散される全体熱は、冷媒回路4内の冷媒へ伝達され、したがって、冷媒側で制御される。蒸発器10内の冷媒の温度レベル及び/又は圧力レベルは、膨張バルブ14、15の断面によって調整される。同時に、熱が熱交換器6へ伝達されないように、低温度冷却器6のファン7が作動停止される。こうして、低温度冷却器6は空気側でブロックされ、アクティブにならない。
あるいは、冷却液回路3の設計により、冷却液が低温度冷却器6を通って流れないように、冷却液がバイパス18を通るように導くことができる。次いで、低温度冷却器6は、冷却液側でブロックされ、同様に、アクティブにはならない。
そうでなければ、熱交換器6へ40℃を超える温度を有する非常に温度の高い周囲空気を供給すると、冷却液が周囲空気より低い温度を有する場合、冷却液回路3が環境から更なる熱を吸収することになる。
【0039】
図1及び2に示される構成は、特に空気ヒートポンプとして動作される空調システムの冷媒回路4内の蒸発器10を組み込むための利点を提供する。周囲温度が、バッテリ2の冷却液回路3内の冷却液の必要な温度よりも低い場合、蒸発器10内の蒸発温度レベルは、空調システムの動作時に、周囲空気による熱伝達によって空気ヒートポンプとして動作される、冷媒回路4の並列接続された空気/冷媒熱交換器19内の温度レベルとは無関係に制御できる。
非常に低い周囲温度、特に0℃未満の空気温度においても、冷却装置10内の蒸発の温度レベルは、膨張バルブ14、15の断面によって制御される。特に、熱源として周囲空気を使用して熱ポンプモードで動作される、冷却液回路3から車両の空調システムの冷媒回路4へバッテリ2の余熱を伝達する場合に、バッテリ2内の非常に高い温度勾配が、冷却システム1を0℃未満の周囲温度で切り替えられる場合に生じ得る。バッテリ2内の高い温度勾配を防ぐために、冷却装置10内の温度レベルが、冷媒回路4の並列接続された蒸発器19とは無関係に制御される。冷媒回路4内の蒸発器10、19内の圧力レベル及び/また温度レベルの独立した制御が、膨張バルブ14、15の配置によって、2段階の膨張によって可能になる。冷却装置10内の空調システムの冷却液と冷媒との間の熱伝達の温度レベルを、空調システムの空気/冷媒熱交換器19とは無関係に制御できる。
【0040】
記載された相互接続の変形及び動作モードは、低い圧力側における液体から気体への位相変化を行い、プロセス内の熱を吸収する、種々の冷媒で使用するために適している。高い圧力側において、冷媒は、熱回収及び/又は気体冷却、以降の凝縮によって、及び選択的には、過冷により、吸収した熱を、周囲空気又は車内への流入空気へ等、ヒートシンクへ再び放出する。適した冷媒は、例えば、R744等の自然物質、さらに、R134a、R152a、HFO−1234yf等の化学物質である。
【符号の説明】
【0041】
1 冷却システム
2 エネルギー蓄積装置、バッテリ
3 冷却液回路
4 冷媒回路
5 熱交換器、バッテリ冷却器
6 熱交換器、低温度冷却器、空気/冷却液熱交換器
7 ファン、送風機
8 分岐、切り替えバルブ、3方向バルブ
9 流路
10 熱交換器、蒸発器、冷却装置、冷媒/冷却液熱交換器
11 冷却装置バイパス
12 マウスポイント、T字部分
13 ポンプ装置、冷却液ポンプ
14 第1の膨張装置、膨張バルブ
15 第2の膨張装置、膨張バルブ
16 分岐、T字部分
17 マウスポイント、切り替えバルブ、3方向バルブ
18 低温度冷却器バイパス
19 熱交換器、蒸発器、空気/冷媒熱交換器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却液回路(3)を使用して、車両のバッテリ(2)を冷却するための冷却システム(1)であって、ポンプ装置(13)と、冷却液と前記バッテリ(2)との間で熱を伝達させるための熱交換器(5)と、前記冷却液と環境との間で熱を伝達させるための熱交換器(6)と、前記冷却液と冷媒回路(4)内で循環する冷媒との間で熱を伝達するための熱交換器(10)とを備え、前記冷媒回路(4)は、関連付けられた膨張器を有する熱交換器(19)をさらに備え、
前記冷媒回路(4)は2つの膨張器(14、15)と共に設計されており、前記冷媒側の蒸発器として設計される前記熱交換器(10、19)が、変動する圧力レベル及び温度レベルにおいて動作できるように、前記冷媒の流れ方向において、前記第1の膨張器(14)は前記熱交換器(10)の上流に配置され、前記第2の膨張器は前記熱交換器(10)の下流に配置されることを特徴とする、冷却システム。
【請求項2】
前記冷媒回路(4)は、前記車両の空調システムの構成要素として設計され、前記熱交換器(19)は、車内の前記流入空気を調整するための空気/冷媒熱交換器(19)として提供されることを特徴とする、請求項1に記載の冷却システム(1)。
【請求項3】
前記冷媒回路(4)内の前記冷却液と前記冷媒と間で熱を伝達させるための前記熱交換器(10)は、前記車両空調システムの前記空気/冷媒熱交換器(19)と並列に接続される、請求項2に記載の冷却システム(1)。
【請求項4】
前記冷却液と前記冷媒との間の前記熱伝達の前記温度レベルが、前記空気/冷媒熱交換器内の前記熱伝達の前記温度レベルとは無関係に制御できるように、前記冷媒回路(4)を前記熱交換器(10)における2段階の膨張によって動作できるように、前記膨張器(14、15)は、調整可能な膨張バルブ(14、15)として設計されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の冷却システム(1)。
【請求項5】
前記冷却液と前記環境との間で熱を伝達するための前記熱交換器(6)は、前記熱を前記冷却液から前記周囲空気の質量流へ伝達できるように、ファン(7)を有する空気/冷却液熱交換器(6)として設計されることを特徴とし、前記ファン(7)は調整可能な速度で設計される、請求項1〜4のいずれか1つに記載の冷却システム(1)。
【請求項6】
車両のバッテリ(2)を冷却するための冷却システム(1)を動作させるための方法であって、
−前記バッテリ(2)から放散される前記熱は、熱交換器(5)内で冷却液へと伝達され、前記冷却液は、冷却液回路(3)内のポンプ装置(13)によって再循環され、熱交換器(10)によって、冷媒へと熱的に結合されて、冷媒回路(4)内で再循環され、
−前記冷却液から放散される前記熱は、前記熱交換器(5)への前記冷却液の前記流入温度及び前記周囲温度に応じて、熱交換器(6)内において前記周囲空気へ、及び/又は前記熱交換器(10)内において前記冷媒へ、これを伝達することにより、制御され、
蒸発器として設計された空気/冷媒熱交換器(19)を含む、前記冷媒回路(4)内において、前記熱交換器(10)は、前記冷媒流れ方向において、上流の膨張器(14)及び下流の第2の膨張器(15)を有する蒸発器(10)として動作され、前記熱交換器(10)内の冷媒の前記蒸発の前記温度レベルは、前記空気/冷媒熱交換器(19)内の前記蒸発の前記温度レベルとは無関係に制御されることを特徴とする、方法。
【請求項7】
蒸発器として設計された前記空気/冷媒熱交換器(19)、並びに前記冷媒流れ方向において、上流に前記第1の膨張器(14)及び下流に前記第2の膨張器(15)を有する、前記冷却液と前記冷媒との間で熱を伝達するための前記蒸発器(10)は、前記冷媒回路(4)内において互いに並列接続で動作されることを特徴とし、
−調整可能な膨張バルブ(14、15)として設計された前記膨張器(14、15)は、外部から操作され、
−前記蒸発器(10)へ流れる前、及び前記蒸発器(10)から出た後に、前記冷媒は、前記冷媒が前記蒸発器(10)をまたぐ2段階の膨張を実行するように減圧され、前記蒸発器(10)内の前記冷媒の中間圧力レベルは、前記バッテリ(2)の前記冷却要求及び前記蒸発の種々の温度レベルにおける前記周囲温度に応じて、調整及び変動される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記バッテリ(2)から放散される前記熱は、電気的に駆動されるポンプ装置(13)を使用するバッテリ冷却器として設計される前記熱交換器(5)を通る前記冷却液の流量によって連続的に制御されることを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1つに記載される方法であって、前記冷却液から放散される前記熱は、
−低い周囲温度時に、前記熱交換器(6)で前記周囲空気に伝達され、
−前記熱交換器(6)における前記周囲空気の前記質量流は、前記熱交換器(6)に関連付けられたファン(7)の前記回転速度によって制御され、
−前記冷媒へ前記熱を伝達するための前記熱交換器(10)は、作動停止され、
−前記熱交換器(5)への前記冷却液の前記流入温度が前記熱交換器(6)内の許容温度を超える場合に、前記周囲空気及び前記熱交換器(10)内の前記冷却液に伝達され、前記冷媒へ前記熱を伝達するための前記熱交換器(10)は動作され、前記熱交換器(10)内の前記冷媒の前記蒸発の前記温度レベルは、前記冷蔵容量と同様に、前記膨張バルブ(14、15)の断面を変化させることにより制御され、
−高い周囲温度時に、前記熱交換器(10)で前記冷媒に伝達され、
−前記熱交換器(10)内の前記冷媒の前記蒸発の前記温度レベルは、前記冷蔵容量と同様に、前記膨張バルブ(14、15)の前記断面を変化させることにより制御され、
−前記周囲空気へ前記熱を伝達させるための前記熱交換器(6)は作動停止される、ことを特徴とする、方法。
【請求項10】
周囲空気が、蒸発器として設計された前記空気/冷媒熱交換器(19)の周囲を、前記熱交換器(5)への前記冷却液の前記必要な流入温度よりも低い周囲温度で流れ、空気ヒートポンプとして前記車両の前記空調システムの前記冷媒回路(4)が動作している間、熱交換器(10)内の前記冷媒の蒸発の前記温度レベルは、前記冷蔵容量と同様に、前記膨張バルブ(14、15)の前記断面を変化させることにより制御される、請求項6〜9のいずれか1つに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−83100(P2012−83100A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−235456(P2011−235456)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(505450755)ビステオン グローバル テクノロジーズ インコーポレイテッド (140)
【出願人】(591006586)アウディ アクチェンゲゼルシャフト (34)
【氏名又は名称原語表記】AUDI AG
【住所又は居所原語表記】D−85045 Ingolstadt,Germany
【Fターム(参考)】