車両到着判定装置及び車両制御システム
【課題】車両が様々な店舗や施設等に到着したことの判定を、より簡単な構成で行うことができる車両到着判定装置を提供する。
【解決手段】車載装置1に、GPSセンサ6と、POI情報DB14とを備え、POI情報判定部11は、車両の位置とPOI情報DB14に記録されている店舗や施設等の建造物の位置とを比較することで、車両が前記店舗や施設等の何れかに到着したと判定するとその判定結果を出力する。そして、車両制御部17は、車載装置1により到着したと判定された店舗や施設等に応じて、車両が停車した場合に行うべき制御を選択して自動的に実行する。
【解決手段】車載装置1に、GPSセンサ6と、POI情報DB14とを備え、POI情報判定部11は、車両の位置とPOI情報DB14に記録されている店舗や施設等の建造物の位置とを比較することで、車両が前記店舗や施設等の何れかに到着したと判定するとその判定結果を出力する。そして、車両制御部17は、車載装置1により到着したと判定された店舗や施設等に応じて、車両が停車した場合に行うべき制御を選択して自動的に実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両が店舗や施設等の建造物に到着したか否かを判定し、その判定結果を出力する車両到着判定装置、及びその装置を備えて構成される車両制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置を使用すれば、車両の位置を道路地図上で特定することが容易に可能となる。例えば、特許文献1,2には、ナビゲーション装置における位置検出精度を向上させるためのマップマッチングに関する技術が開示されている。そこで、このように高精度で位置検出ができるナビゲーション装置を利用することで、車両が特定の施設などに到着したことを判定すると、その際にドライバが行うことが予測される複数の車両制御を、より簡単に実行するようなシステムを実現したいという要望がある。
【0003】
例えば、車両がガソリンスタンドに到着した場合、ドライバは、給油口を開いたり、ウインドウをオープンにしたり、ワイパーを動作させている場合は停止させる、というような車両制御を行うことが想定される。従って、そのような制御を到着地点に応じて車両側が実行できれば、利便性が向上する。
【特許文献1】特開平8−285622号公報
【特許文献2】特開平10−307037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のような車両制御システムを実現することを考えると、必ずしもナビゲーション装置が備えている機能が全て必要とされるわけではない。逆に、ナビゲーション装置を流用するのであれば、システムのコストを徒に上昇させることになってしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両が様々な店舗や施設等に到着したことの判定を、より簡単な構成で行うことができる車両到着判定装置、及びその装置を備えて構成される車両制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の車両到着判定装置によれば、位置取得手段と、店舗や施設等の建造物の位置情報が記録されている位置情報データベースとを備える。そして、判定手段は、車両の位置と位置情報データベースに記録されている建造物の位置とを比較することで、車両が前記店舗や施設等の何れかに到着したと判定するとその判定結果を出力する。即ち、ナビゲーション装置が備えている地図データベースのように冗長で大容量となる情報は不要であり、建造物の位置情報が記録されているデータベースがあれば、車両が各店舗や施設等に到着したか否かの判定を十分に行うことができる。
【0006】
請求項2記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、車両の位置を中心に、当該位置の取得状態に基づいて得られる誤差を半径とする予測誤差円を設定し、その予測誤差円の内部に建造物の位置が入ると到着判定を行なう。即ち、位置取得手段より取得される車両の位置情報は、その時々の取得状態に応じて精度が異なる場合がある。例えば、GPS(Global Positioning System)などでは、補足可能なGPS衛星の数によって位置精度が異なる。そこで、上記のように予測誤差円を設定して到着判定を行えば、取得された位置の精度に応じて妥当な判定を行うことができる。
【0007】
請求項3記載の車両到着判定装置によれば、位置情報データベースにおいて、建造物の夫々について、その位置を含む所定面積の到着エリアを設定しておき、判定手段は、車両が到着エリア内に位置すると対応する建造物に到着したと判定する。即ち、実際には、各店舗や施設等の建造物はある程度の面積を占めて存在しているので、その面積に応じた広がりをもつ到着エリアを設定することで、到着判定を妥当に行うことができる。
【0008】
請求項4記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、予測誤差円の内部に到着エリアが係ると到着判定を行なうので、請求項2,3の作用を組み合わせることで、より実態に即した到着判定を行うことができる。
【0009】
請求項5記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、予測誤差円の内部に複数の到着エリアが係った場合には、予測誤差円に夫々の到着エリアが占める割合を確度として算出し、その確度が最も高い到着エリアに対応する建造物に到着したと判定する。従って、複数の店舗や施設等の何れかに到着した可能性がある場合でも、確度に基づいて到着判定を妥当に行うことができる。
【0010】
請求項6記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、予測誤差円の内部に複数の到着エリアが係った場合には、各エリアに対応する店舗や施設等について到着判定を行った結果を出力すると共に、予測誤差円に夫々の到着エリアが占める割合を確度として算出し、夫々の確度情報も併せて出力する。即ち、複数の店舗や施設等の何れかに到着した可能性がある場合、車両到着判定装置のアプリケーションによっては、到着判定結果の出力先に最終的な判定を行わせる方が適切な結果を得ることができる場合がある。従って、確度情報も併せて出力することで、出力先での判定に資する情報も与えることができる。
【0011】
請求項7記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、予測誤差円の内部に複数の到着エリアが係った場合には、視線方向判別手段により判別された運転者の視線が向けられている方の店舗や施設等に到着したと判定する。即ち、運転者は、到着先に視線を向けつつ運転を行っているはずであるから、複数の店舗や施設等の何れかに到着した可能性がある場合に、運転者の視線方向に基づいて適切な判定を行うことができる。
【0012】
請求項8記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、上記の請求項1〜7のような判定条件に加えて、車両が走行を停止したと判断される場合に到着判定を行なうので、判定をより確実に行うことができる。
【0013】
請求項9記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、車両が停止する以前に記録されている走行履歴情報が、当該車両が目的地に到着したため停止しようとしている予備的な走行状態を示していると推定される場合に到着判定を行なう。即ち、車両が停止した場合であっても、その直前の走行状態によっては目的地に到着したことに基づく停止か、或いは、継続中の走行における一時的な停止であるのかなどをある程度推定できる。従って、到着判定を一層確実に行うことができる。
【0014】
請求項10記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、車両が走行を停止する前に所定量以上のステアリング操作が行なわれていると、到着判定を行う。即ち、車両が店舗や施設等に到着した場合は、所定のスペースに車両を駐車することなどが多いため、ステアリング操作を比較的大きく行うことが多い。従って、上記の予備的走行状態を妥当に推定することができる。
【0015】
請求項11記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、車両が走行を停止する前に所定量以上の減速が行われていると到着判定を行う。即ち、車両が店舗や施設等に到着して停止する前には比較的大きく減速するのが通常であるから、この場合も予備的走行状態を妥当に推定することができる。
【0016】
請求項12記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、車両が走行を停止する前に、当該車両が道路端の白線を通過している場合に到着判定を行う。即ち、車両が店舗や施設等に到着する直前には、道路上から店舗や施設等の敷地内に移行する間に道路端の白線を通過することが多いので、この場合も予備的走行状態を妥当に推定することができる。
【0017】
請求項13記載の車両制御システムによれば、車両制御手段は、請求項1乃至12の何れかに記載の車両到着判定装置により到着したと判定された店舗や施設等に応じて、車両が停車した場合に行うべき制御を選択して実行するので、簡単な構成の車両到着判定装置を用いて、運転者が行うべき操作負担を軽減するシステムを安価に構成することができる。
【0018】
請求項14記載の車両制御システムによれば、車両制御手段は、車両到着判定装置により到着判定された店舗や施設等に車両が停車すると車両制御を自動的に実行するので、運転者が行うべき操作負担を一層軽減することができる。
【0019】
請求項15記載の車両制御システムによれば、車両制御手段は、車両到着判定装置による到着判定の結果に応じて、車両のドア,ウインドウ,ライト,給油口,ワイパー,カーオディオの何れか1つ以上について駆動制御を行う。即ち、車両が到着した店舗や施設等に応じて、車両制御手段が具体的に上記の駆動制御を行うようにすれば、運転者がドアロックの解除操作やウインドウの開閉操作,ライトの消灯操作などを行う必要がなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について、図1乃至図9を参照して説明する。図1は、車載装置を中心とする車両制御システムの構成を示す機能ブロック図である。車載装置(車両到着判定装置)1は、車両の各部に配置されているセンサ群2と制御部3とで構成されており、センサ群2は、視線検知センサ(視線方向判別手段)4,対象物検知センサ(走行情報取得手段)5,GPS(Global Positioning System)センサ(位置取得手段)6,方位センサ(位置取得手段,走行情報取得手段)7,距離センサ(位置取得手段,走行情報取得手段)8,運転操作検出センサ(走行情報取得手段)9,速度センサ(走行情報取得手段)10よりなっている。
【0021】
視線検知センサ4は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOSイメージセンサなどで構成されるカメラを備え、ドライバの顔を撮像して画像処理し、ドライバの視線が向いている方向を判定するようになっている。対象物検知センサ5は、視線検知センサ4と同様のカメラを備え、車両周辺の画像を撮像して(少なくとも、路面の状態を撮像可能となっている)画像処理し、撮像した対象物を検知するようになっている。これらのセンサ4,5によって出力される情報は、制御部3のPOI情報判定部(判定手段)11に与えられている。
【0022】
GPSセンサ6は、天空上の複数のGPS衛星より送信されているGPS信号を受信して車両の位置を演算し、得られた位置情報を制御部3の自車位置計算部12に出力する。方位センサ7は、ジャイロセンサなどで構成されており、車両の進行方向が示す方位を検知して、その検知結果を自車位置計算部12に出力する。距離センサ8は、車両の走行距離を検知して、同様に検知結果を自車位置計算部12に出力する。そして、自車位置計算部12は、GPSセンサ6がGPS信号を受信できない場合は、その他のセンサ7,8,10などより得られた情報に基づき補完処理を行い、自車位置を取得する。
【0023】
運転操作検出センサ9は、ドライバが車両に対して行った各種の運転操作の操作量を検知し、速度センサ10は、車両の走行速度を検知する。そして、それらの検知結果は、POI情報判定部11に出力される。
【0024】
制御部3は、POI情報判定部11,自車位置計算部12の他に、POI(Point Of Interest)情報DB(位置情報データベース)14,走行軌跡メモリ(走行履歴記録手段)15を備えている。POI情報DB14は、図2に示すように、例えばガソリンスタンド(GS)やコンビニエンスストア(C)といったような店舗や施設等の建造物について、住所や種別、位置座標(緯度,経度)、エリアサイズなどの情報を持たせ、ID番号を付して管理するデータベースである。
尚、このPOI情報とは、一般的なナビゲーション装置では、地図データベースに付随して用意されているものであり、ドライバが目的地検索などを行う場合に使用される。また、ドライバが、自身で新たなポイントの情報を追加登録したり、或いは、情報提供サービスを行っている配信センタより新たなデータをダウンロードして、更新することなども可能である。
【0025】
ここで、エリアサイズは、各建造物の位置座標を中心として取り囲む矩形のエリア(到着エリア)であり、図3には一例としてID=001の場合を示す。この場合、エリアサイズは10m×10mであり、その正方形のエリアの中心が、「名古屋○○GS」の位置座標(N35.10,E136.55)となっている。到着エリアは、後述するようにその内部に車両が位置すると、例えば「名古屋○○GS」に到着したと判定するために使用される。そして、POI情報判定部11は、必要に応じてPOI情報DB14にアクセスして、そのデータを読み出すようになっている。
【0026】
走行軌跡メモリ15には、自車位置計算部12により周期的(例えば、時間t分毎)に計算されて出力された自車位置が、順次書き込まれて記憶されるようになっている。図4には、そのデータの一例を示す。ここで、「走行位置」は、車両の走行位置を時間t分毎の時系列で示す番号であり、各「走行位置」毎に、位置座標(N,E)と、GPSセンサ6により補足されて位置演算に使用されたGPS衛星の数と、その衛星数に基づき予測される位置座標の誤差(m)とが記録される。この誤差情報も、GPSセンサ6により与えられる。
【0027】
POI情報判定部11は記憶領域16を備えており、その記憶領域16には、自車位置計算部12より時間t毎に与えられる車両の走行情報と、各種センサ5,9,10による検知結果が順次記憶される。図5には、そのデータの一例を示す。「走行位置」は図4と同一の時系列番号であり、各「走行位置」毎に、「速度(km)」,「加減速(km)」,「ステアリング角(度)」,「周辺地物」,・・・などが記録される。尚、「周辺地物」とは、対象物検知センサ5により撮像・認識された道路上の白線(ペイント)などの有無を示すものである。
【0028】
そして、POI情報判定部11は、与えられた情報に基づいて自車両がPOI情報DB14に記録されている何れかの店舗や施設等に到着したか否かの判定を行い、何れかの店舗や施設等に到着したと判定すると、その判定結果を車両制御部(車両制御手段)17に出力する。車両制御部17は、車両各部に配置されているアクチュエータの駆動制御することで、例えば、ドアのロック,アンロック,ライトの点灯,消灯,ウインドウのオープン,クローズ,給油口のオープン,ワイパー制御,カーオーディオの制御などを行うようになっている。尚、以上において、車載装置1に車両制御部17を加えたものが車両制御システム18を構成している。
【0029】
次に、本実施例の作用について図6乃至図9も参照して説明する。図6は、制御部3のPOI情報判定部11を中心とする制御内容を示すフローチャートである。先ず、POI情報判定部11は、自車位置計算部12より図4に示す自車位置情報を取得し(ステップS1)、続いて、各種センサ4,5,9,10より運転操作情報、即ち、ステアリング操作量(切り角),道路上の白線(検知対象ペイント),ドライバの視線方向などを取得する(ステップS2:尚、「視線方向」については第2実施例において用いる)。
【0030】
それから、POI情報判定部11は、ステップS1,S2で取得した情報と、POI情報DB14に記憶さている建造物の位置情報とを比較し、何れかの店舗や施設等に車両が到着したか否かの判定を行い(ステップS3)、到着していなければ(「NO」)ステップS1に戻り、到着したと判定すれば(「YES」)その判定結果を車両制御部17に通知する。
【0031】
図7は、ステップS3における判定処理の詳細を示すフローチャートである。POI情報判定部11は、ステップS5において車両が停止したか否か、即ち、車速が閾値以下となったか否かの判定を行い、停止したと判定すると(「YES」)、以降のステップS6〜S8において、車両がその停止に至る以前の走行状態が、店舗や施設等に到着したことで停止するための予備的な状態を示しているかどうかを判定する。
【0032】
即ち、ステップS6ではステアリングの操作量が閾値を超えているか、ステップS7では直前における加減速の度合いが閾値を超えているか、ステップS8では道路端の白線を検知したかを夫々判断する。そして、ステップS6〜S8の全てで「YES」と判断すると、ステップS9に移行する。これらのステップS6〜S8の判断条件を加重することで、車両が停止した場合であっても、その直前の走行状態によって目的地に到着したことに基づく停止か、或いは、継続中の走行における一時的な停止であるのかなどを推定する。つまり、車両が道路上を走行している状態から、何れかの店舗や施設等に立ち寄るために停車するプロセスを考えると、一般には、速度を大きく低下させ、ステアリングを大きく切ってそれらの敷地内に進入し、その際に道路端の白線を超えることが想定されるからである(図8参照)。
【0033】
続くステップS9では、自車両が停止した位置を中心とし、図4に示すその位置を取得した際に得られた予測誤差を半径とする円(予測誤差円)を描き、その円の内部に、POI情報DB14に記憶されている何れかの店舗や施設等の到着エリアがオーバーラップしているか否かによって到着判定を行う。予測誤差円と何れかの到着エリアとがオーバーラップしていれば(「YES」)、その到着エリアに対応する店舗や施設等に車両が到着したと判定する(ステップS10)。この状態を、図8に示す。そして、ステップS5〜S9の何れか1つで(「NO」)と判定した場合は、何れの店舗や施設等にも到着していないと判定し(ステップS11)、ステップS1に戻る。
【0034】
また、図9には、図7,図8における処理の流れをシーケンスとして示す。そして、店舗や施設等への到着判定結果は車両制御部17に通知され、車両制御部17は、到着した店舗や施設等の種類に応じて車両各部の制御を自動的に行う(先読み制御)。以下に制御の具体例を挙げる。
(1)<ガソリンスタンドの場合>
・給油口のオープン
・(ドライバ側)ウインドウのオープン
・ワイパーが動作していれば、停止
・ライトが点灯してれば、消灯
・カーオーディオが動作していれば、音声出力のミュート
(2)<ファーストフード店(ドライブスルー)の場合>
・(ドライバ側)ウインドウのオープン
・カーオーディオが動作していれば、音声出力のミュート
(3)<ドライバの自宅の場合>
・ウインドウのクローズ
・ワイパーが動作していれば、停止
・ライトが点灯してれば、消灯
・ドアロックされていれば、アンロック
・カーオーディオが動作していれば、電源オフ
【0035】
以上のように本実施例によれば、車載装置1に、GPSセンサ6と、POI情報DB14とを備え、POI情報判定部11は、車両の位置とPOI情報DB14に記録されている店舗や施設等の建造物の位置とを比較することで、車両が前記店舗や施設等の何れかに到着したと判定するとその判定結果を出力する。即ち、ナビゲーション装置が備えている地図データベースのように冗長で大容量となる情報は不要であり、建造物の位置情報が記録されているデータベース14があれば、車両の到着判定を十分に行うことができる。また、地図を表示する必要がないので、ディスプレイのような表示手段も不要である。
【0036】
具体的には、POI情報DB14において、各建造物の夫々について、その位置を含む所定面積の到着エリアを設定しておく。また、POI情報判定部11は、車両の位置を中心に、当該位置の取得状態に基づいて得られる誤差を半径とする予測誤差円を設定し、その予測誤差円の内部に到着エリアがオーバーラップすると対応する店舗や施設等に到着したと判定する。
即ち、実際には、各店舗や施設等の建造物はある程度の面積を占めて存在しているので、その面積に応じた広がりをもつ到着エリアを設定することで、到着判定を妥当に行うことができる。また、GPSセンサ6は、補足可能なGPS衛星の数によって位置精度が異なるので、上記のように予測誤差円を設定して到着判定を行えば、取得された位置の精度に応じて妥当な判定を行うことができる。
【0037】
更に、POI情報判定部11は、上記の条件に加えて、車両が走行を停止したと判断された場合、それ以前にステアリングの操作量が閾値を超えているか、直前における加減速の度合いが閾値を超えているか、道路端の白線を検知したかを夫々判断して、それらの条件を全て満たすと到着判定を行うようにした。従って、到着判定を一層確実に行うことができる。
【0038】
加えて、車両制御部17は、車載装置1により到着したと判定された店舗や施設等に応じて、車両が停車した場合に行うべき制御を選択して自動的に実行するので、簡単な構成の車両到着判定装置を用いて、運転者が行うべき操作負担を軽減するシステムを安価に構成することができ、運転者が行うべき操作負担を一層軽減することができる。具体的には、車載装置1による到着判定結果に応じて、車両制御部17は、車両のドア,ウインドウ,ライト,給油口,ワイパー,カーオディオの何れか1つ以上について駆動制御を行うので、運転者自身がドアロックの解除操作やウインドウの開閉操作,ライトの消灯操作などを行う必要がなくなる。
【0039】
(第2実施例)
図10及び図11は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施例の構成は、基本的に第2実施例と同様であり、図10に示すように、車両が停止した際の予測誤差円に、複数の店舗や施設等の到着エリアがオーバーラップした場合の処理を示す。
【0040】
図11は図7相当図であり、ステップS9,S10の間にステップS12,S13が挿入されている。そして、ステップS9で「YES」と判断すると、POI情報判定部11は、続くステップS12において、複数の到着エリアがオーバーラップしているか否かを判断し、「NO」であれば第1実施例と同様にステップS10に移行する。一方、複数の到着エリアがオーバーラップしている場合は(「YES」)、ステップS2で取得したドライバの視線方向が、何れの到着エリアの方に向いているかによって判定を行う(ステップS13)。即ち、ドライバは、到着先に視線を向けつつ運転を行っているはずであるから、ドライバの視線が向いている方向に位置している店舗や施設等に到着したものと判定する。
【0041】
以上のように第2実施例によれば、POI情報判定部11は、予測誤差円の内部に複数の到着エリアがオーバーラップした場合には、ドライバの視線方向が何れの到着エリアの方に向いているかによって判定を行うので、複数の店舗や施設等の何れかに到着した可能性がある場合に、適切な判定を行うことができる。
【0042】
本発明は上記し又は図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形が可能である。
第2実施例において、予測誤差円に夫々の到着エリアが占める割合を確度として算出し、その確度が最も高い到着エリアに対応する店舗や施設等に到着したと判定しても良い。この場合も、上記の確度に基づいて到着判定を妥当に行うことができる。
また、第2実施例において、予測誤差円の内部に複数の到着エリアが係った場合には、各エリアに対応する店舗や施設等について到着判定を行った結果を出力すると共に、予測誤差円に夫々の到着エリアが占める割合を確度として算出し、夫々の確度情報も併せて出力しても良い。即ち、複数の店舗や施設等の何れかに到着した可能性がある場合、車両到着判定装置のアプリケーションによっては、到着判定結果の出力先に最終的な判定を行わせる方が適切な結果を得ることができる場合がある。従って、確度情報も合わせて出力することで、出力先での判定に資する情報も与えることができる。
【0043】
POI情報DB14における到着エリアの設定や、POI情報判定部11における予測誤差円を用いた判定は、必要に応じて行えば良い。即ち、予測誤差円内に建造物の位置座標が入った場合に到着判定を行っても良いし、到着エリア内に自車両が位置した場合に到着判定を行っても良い。
図7において、ステップS5〜S8の判断条件は、個別の設計に応じて必要と思われるものを適宜選択して実施すれば良い。
車両制御部17は、到着判定があった場合に、ドライバが所定のスイッチを操作したことをトリガとして各種制御を実行するようにしても良い。
また、到着時に行う車両制御の項目を、ドライバが予め選択して設定できるようにしても良い。
また、車両制御部17は、1つで車両各部の駆動対象を集中制御するものに限らず、各駆動対象に応じて個別に配置されているものが車載装置1の判定結果を受けて、夫々に駆動制御を行うように構成されていても良い。
走行情報取得手段についても、必要なものを適宜選択すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施例であり、車載装置を中心とする車両制御システムの構成を示す機能ブロック図
【図2】POI情報データベースに記憶されているデータ例を示す図
【図3】到着エリアの一例を示す図
【図4】自車位置情報の一例を示す図
【図5】POI情報判定部の記憶領域に記憶されるデータの一例を示す図
【図6】制御部のPOI情報判定部を中心とする制御内容を示すフローチャート
【図7】図6のステップS3における判定処理の詳細を示すフローチャート
【図8】車両が店舗や施設等に到着する場合の走行軌跡の一例を示す図
【図9】図7,図8における処理の流れを示すシーケンス図
【図10】本発明の第2実施例を示す図8相当図
【図11】図3相当図
【符号の説明】
【0045】
図面中、1は車載装置(車両到着判定装置)、4は視線検知センサ(視線方向判別手段)、5は対象物検知センサ(走行情報取得手段)、6はGPSセンサ(位置取得手段)、7は方位センサ(位置取得手段,走行情報取得手段)、8は距離センサ(位置取得手段,走行情報取得手段)、9は運転操作検出センサ(走行情報取得手段)、10は速度センサ(走行情報取得手段)、11はPOI情報判定部(判定手段)、14はPOI情報DB(位置情報データベース)、15は走行軌跡メモリ(走行履歴記録手段)、17は車両制御部(車両制御手段)、18は車両制御システムを示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両が店舗や施設等の建造物に到着したか否かを判定し、その判定結果を出力する車両到着判定装置、及びその装置を備えて構成される車両制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置を使用すれば、車両の位置を道路地図上で特定することが容易に可能となる。例えば、特許文献1,2には、ナビゲーション装置における位置検出精度を向上させるためのマップマッチングに関する技術が開示されている。そこで、このように高精度で位置検出ができるナビゲーション装置を利用することで、車両が特定の施設などに到着したことを判定すると、その際にドライバが行うことが予測される複数の車両制御を、より簡単に実行するようなシステムを実現したいという要望がある。
【0003】
例えば、車両がガソリンスタンドに到着した場合、ドライバは、給油口を開いたり、ウインドウをオープンにしたり、ワイパーを動作させている場合は停止させる、というような車両制御を行うことが想定される。従って、そのような制御を到着地点に応じて車両側が実行できれば、利便性が向上する。
【特許文献1】特開平8−285622号公報
【特許文献2】特開平10−307037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のような車両制御システムを実現することを考えると、必ずしもナビゲーション装置が備えている機能が全て必要とされるわけではない。逆に、ナビゲーション装置を流用するのであれば、システムのコストを徒に上昇させることになってしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両が様々な店舗や施設等に到着したことの判定を、より簡単な構成で行うことができる車両到着判定装置、及びその装置を備えて構成される車両制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の車両到着判定装置によれば、位置取得手段と、店舗や施設等の建造物の位置情報が記録されている位置情報データベースとを備える。そして、判定手段は、車両の位置と位置情報データベースに記録されている建造物の位置とを比較することで、車両が前記店舗や施設等の何れかに到着したと判定するとその判定結果を出力する。即ち、ナビゲーション装置が備えている地図データベースのように冗長で大容量となる情報は不要であり、建造物の位置情報が記録されているデータベースがあれば、車両が各店舗や施設等に到着したか否かの判定を十分に行うことができる。
【0006】
請求項2記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、車両の位置を中心に、当該位置の取得状態に基づいて得られる誤差を半径とする予測誤差円を設定し、その予測誤差円の内部に建造物の位置が入ると到着判定を行なう。即ち、位置取得手段より取得される車両の位置情報は、その時々の取得状態に応じて精度が異なる場合がある。例えば、GPS(Global Positioning System)などでは、補足可能なGPS衛星の数によって位置精度が異なる。そこで、上記のように予測誤差円を設定して到着判定を行えば、取得された位置の精度に応じて妥当な判定を行うことができる。
【0007】
請求項3記載の車両到着判定装置によれば、位置情報データベースにおいて、建造物の夫々について、その位置を含む所定面積の到着エリアを設定しておき、判定手段は、車両が到着エリア内に位置すると対応する建造物に到着したと判定する。即ち、実際には、各店舗や施設等の建造物はある程度の面積を占めて存在しているので、その面積に応じた広がりをもつ到着エリアを設定することで、到着判定を妥当に行うことができる。
【0008】
請求項4記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、予測誤差円の内部に到着エリアが係ると到着判定を行なうので、請求項2,3の作用を組み合わせることで、より実態に即した到着判定を行うことができる。
【0009】
請求項5記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、予測誤差円の内部に複数の到着エリアが係った場合には、予測誤差円に夫々の到着エリアが占める割合を確度として算出し、その確度が最も高い到着エリアに対応する建造物に到着したと判定する。従って、複数の店舗や施設等の何れかに到着した可能性がある場合でも、確度に基づいて到着判定を妥当に行うことができる。
【0010】
請求項6記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、予測誤差円の内部に複数の到着エリアが係った場合には、各エリアに対応する店舗や施設等について到着判定を行った結果を出力すると共に、予測誤差円に夫々の到着エリアが占める割合を確度として算出し、夫々の確度情報も併せて出力する。即ち、複数の店舗や施設等の何れかに到着した可能性がある場合、車両到着判定装置のアプリケーションによっては、到着判定結果の出力先に最終的な判定を行わせる方が適切な結果を得ることができる場合がある。従って、確度情報も併せて出力することで、出力先での判定に資する情報も与えることができる。
【0011】
請求項7記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、予測誤差円の内部に複数の到着エリアが係った場合には、視線方向判別手段により判別された運転者の視線が向けられている方の店舗や施設等に到着したと判定する。即ち、運転者は、到着先に視線を向けつつ運転を行っているはずであるから、複数の店舗や施設等の何れかに到着した可能性がある場合に、運転者の視線方向に基づいて適切な判定を行うことができる。
【0012】
請求項8記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、上記の請求項1〜7のような判定条件に加えて、車両が走行を停止したと判断される場合に到着判定を行なうので、判定をより確実に行うことができる。
【0013】
請求項9記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、車両が停止する以前に記録されている走行履歴情報が、当該車両が目的地に到着したため停止しようとしている予備的な走行状態を示していると推定される場合に到着判定を行なう。即ち、車両が停止した場合であっても、その直前の走行状態によっては目的地に到着したことに基づく停止か、或いは、継続中の走行における一時的な停止であるのかなどをある程度推定できる。従って、到着判定を一層確実に行うことができる。
【0014】
請求項10記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、車両が走行を停止する前に所定量以上のステアリング操作が行なわれていると、到着判定を行う。即ち、車両が店舗や施設等に到着した場合は、所定のスペースに車両を駐車することなどが多いため、ステアリング操作を比較的大きく行うことが多い。従って、上記の予備的走行状態を妥当に推定することができる。
【0015】
請求項11記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、車両が走行を停止する前に所定量以上の減速が行われていると到着判定を行う。即ち、車両が店舗や施設等に到着して停止する前には比較的大きく減速するのが通常であるから、この場合も予備的走行状態を妥当に推定することができる。
【0016】
請求項12記載の車両到着判定装置によれば、判定手段は、車両が走行を停止する前に、当該車両が道路端の白線を通過している場合に到着判定を行う。即ち、車両が店舗や施設等に到着する直前には、道路上から店舗や施設等の敷地内に移行する間に道路端の白線を通過することが多いので、この場合も予備的走行状態を妥当に推定することができる。
【0017】
請求項13記載の車両制御システムによれば、車両制御手段は、請求項1乃至12の何れかに記載の車両到着判定装置により到着したと判定された店舗や施設等に応じて、車両が停車した場合に行うべき制御を選択して実行するので、簡単な構成の車両到着判定装置を用いて、運転者が行うべき操作負担を軽減するシステムを安価に構成することができる。
【0018】
請求項14記載の車両制御システムによれば、車両制御手段は、車両到着判定装置により到着判定された店舗や施設等に車両が停車すると車両制御を自動的に実行するので、運転者が行うべき操作負担を一層軽減することができる。
【0019】
請求項15記載の車両制御システムによれば、車両制御手段は、車両到着判定装置による到着判定の結果に応じて、車両のドア,ウインドウ,ライト,給油口,ワイパー,カーオディオの何れか1つ以上について駆動制御を行う。即ち、車両が到着した店舗や施設等に応じて、車両制御手段が具体的に上記の駆動制御を行うようにすれば、運転者がドアロックの解除操作やウインドウの開閉操作,ライトの消灯操作などを行う必要がなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について、図1乃至図9を参照して説明する。図1は、車載装置を中心とする車両制御システムの構成を示す機能ブロック図である。車載装置(車両到着判定装置)1は、車両の各部に配置されているセンサ群2と制御部3とで構成されており、センサ群2は、視線検知センサ(視線方向判別手段)4,対象物検知センサ(走行情報取得手段)5,GPS(Global Positioning System)センサ(位置取得手段)6,方位センサ(位置取得手段,走行情報取得手段)7,距離センサ(位置取得手段,走行情報取得手段)8,運転操作検出センサ(走行情報取得手段)9,速度センサ(走行情報取得手段)10よりなっている。
【0021】
視線検知センサ4は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOSイメージセンサなどで構成されるカメラを備え、ドライバの顔を撮像して画像処理し、ドライバの視線が向いている方向を判定するようになっている。対象物検知センサ5は、視線検知センサ4と同様のカメラを備え、車両周辺の画像を撮像して(少なくとも、路面の状態を撮像可能となっている)画像処理し、撮像した対象物を検知するようになっている。これらのセンサ4,5によって出力される情報は、制御部3のPOI情報判定部(判定手段)11に与えられている。
【0022】
GPSセンサ6は、天空上の複数のGPS衛星より送信されているGPS信号を受信して車両の位置を演算し、得られた位置情報を制御部3の自車位置計算部12に出力する。方位センサ7は、ジャイロセンサなどで構成されており、車両の進行方向が示す方位を検知して、その検知結果を自車位置計算部12に出力する。距離センサ8は、車両の走行距離を検知して、同様に検知結果を自車位置計算部12に出力する。そして、自車位置計算部12は、GPSセンサ6がGPS信号を受信できない場合は、その他のセンサ7,8,10などより得られた情報に基づき補完処理を行い、自車位置を取得する。
【0023】
運転操作検出センサ9は、ドライバが車両に対して行った各種の運転操作の操作量を検知し、速度センサ10は、車両の走行速度を検知する。そして、それらの検知結果は、POI情報判定部11に出力される。
【0024】
制御部3は、POI情報判定部11,自車位置計算部12の他に、POI(Point Of Interest)情報DB(位置情報データベース)14,走行軌跡メモリ(走行履歴記録手段)15を備えている。POI情報DB14は、図2に示すように、例えばガソリンスタンド(GS)やコンビニエンスストア(C)といったような店舗や施設等の建造物について、住所や種別、位置座標(緯度,経度)、エリアサイズなどの情報を持たせ、ID番号を付して管理するデータベースである。
尚、このPOI情報とは、一般的なナビゲーション装置では、地図データベースに付随して用意されているものであり、ドライバが目的地検索などを行う場合に使用される。また、ドライバが、自身で新たなポイントの情報を追加登録したり、或いは、情報提供サービスを行っている配信センタより新たなデータをダウンロードして、更新することなども可能である。
【0025】
ここで、エリアサイズは、各建造物の位置座標を中心として取り囲む矩形のエリア(到着エリア)であり、図3には一例としてID=001の場合を示す。この場合、エリアサイズは10m×10mであり、その正方形のエリアの中心が、「名古屋○○GS」の位置座標(N35.10,E136.55)となっている。到着エリアは、後述するようにその内部に車両が位置すると、例えば「名古屋○○GS」に到着したと判定するために使用される。そして、POI情報判定部11は、必要に応じてPOI情報DB14にアクセスして、そのデータを読み出すようになっている。
【0026】
走行軌跡メモリ15には、自車位置計算部12により周期的(例えば、時間t分毎)に計算されて出力された自車位置が、順次書き込まれて記憶されるようになっている。図4には、そのデータの一例を示す。ここで、「走行位置」は、車両の走行位置を時間t分毎の時系列で示す番号であり、各「走行位置」毎に、位置座標(N,E)と、GPSセンサ6により補足されて位置演算に使用されたGPS衛星の数と、その衛星数に基づき予測される位置座標の誤差(m)とが記録される。この誤差情報も、GPSセンサ6により与えられる。
【0027】
POI情報判定部11は記憶領域16を備えており、その記憶領域16には、自車位置計算部12より時間t毎に与えられる車両の走行情報と、各種センサ5,9,10による検知結果が順次記憶される。図5には、そのデータの一例を示す。「走行位置」は図4と同一の時系列番号であり、各「走行位置」毎に、「速度(km)」,「加減速(km)」,「ステアリング角(度)」,「周辺地物」,・・・などが記録される。尚、「周辺地物」とは、対象物検知センサ5により撮像・認識された道路上の白線(ペイント)などの有無を示すものである。
【0028】
そして、POI情報判定部11は、与えられた情報に基づいて自車両がPOI情報DB14に記録されている何れかの店舗や施設等に到着したか否かの判定を行い、何れかの店舗や施設等に到着したと判定すると、その判定結果を車両制御部(車両制御手段)17に出力する。車両制御部17は、車両各部に配置されているアクチュエータの駆動制御することで、例えば、ドアのロック,アンロック,ライトの点灯,消灯,ウインドウのオープン,クローズ,給油口のオープン,ワイパー制御,カーオーディオの制御などを行うようになっている。尚、以上において、車載装置1に車両制御部17を加えたものが車両制御システム18を構成している。
【0029】
次に、本実施例の作用について図6乃至図9も参照して説明する。図6は、制御部3のPOI情報判定部11を中心とする制御内容を示すフローチャートである。先ず、POI情報判定部11は、自車位置計算部12より図4に示す自車位置情報を取得し(ステップS1)、続いて、各種センサ4,5,9,10より運転操作情報、即ち、ステアリング操作量(切り角),道路上の白線(検知対象ペイント),ドライバの視線方向などを取得する(ステップS2:尚、「視線方向」については第2実施例において用いる)。
【0030】
それから、POI情報判定部11は、ステップS1,S2で取得した情報と、POI情報DB14に記憶さている建造物の位置情報とを比較し、何れかの店舗や施設等に車両が到着したか否かの判定を行い(ステップS3)、到着していなければ(「NO」)ステップS1に戻り、到着したと判定すれば(「YES」)その判定結果を車両制御部17に通知する。
【0031】
図7は、ステップS3における判定処理の詳細を示すフローチャートである。POI情報判定部11は、ステップS5において車両が停止したか否か、即ち、車速が閾値以下となったか否かの判定を行い、停止したと判定すると(「YES」)、以降のステップS6〜S8において、車両がその停止に至る以前の走行状態が、店舗や施設等に到着したことで停止するための予備的な状態を示しているかどうかを判定する。
【0032】
即ち、ステップS6ではステアリングの操作量が閾値を超えているか、ステップS7では直前における加減速の度合いが閾値を超えているか、ステップS8では道路端の白線を検知したかを夫々判断する。そして、ステップS6〜S8の全てで「YES」と判断すると、ステップS9に移行する。これらのステップS6〜S8の判断条件を加重することで、車両が停止した場合であっても、その直前の走行状態によって目的地に到着したことに基づく停止か、或いは、継続中の走行における一時的な停止であるのかなどを推定する。つまり、車両が道路上を走行している状態から、何れかの店舗や施設等に立ち寄るために停車するプロセスを考えると、一般には、速度を大きく低下させ、ステアリングを大きく切ってそれらの敷地内に進入し、その際に道路端の白線を超えることが想定されるからである(図8参照)。
【0033】
続くステップS9では、自車両が停止した位置を中心とし、図4に示すその位置を取得した際に得られた予測誤差を半径とする円(予測誤差円)を描き、その円の内部に、POI情報DB14に記憶されている何れかの店舗や施設等の到着エリアがオーバーラップしているか否かによって到着判定を行う。予測誤差円と何れかの到着エリアとがオーバーラップしていれば(「YES」)、その到着エリアに対応する店舗や施設等に車両が到着したと判定する(ステップS10)。この状態を、図8に示す。そして、ステップS5〜S9の何れか1つで(「NO」)と判定した場合は、何れの店舗や施設等にも到着していないと判定し(ステップS11)、ステップS1に戻る。
【0034】
また、図9には、図7,図8における処理の流れをシーケンスとして示す。そして、店舗や施設等への到着判定結果は車両制御部17に通知され、車両制御部17は、到着した店舗や施設等の種類に応じて車両各部の制御を自動的に行う(先読み制御)。以下に制御の具体例を挙げる。
(1)<ガソリンスタンドの場合>
・給油口のオープン
・(ドライバ側)ウインドウのオープン
・ワイパーが動作していれば、停止
・ライトが点灯してれば、消灯
・カーオーディオが動作していれば、音声出力のミュート
(2)<ファーストフード店(ドライブスルー)の場合>
・(ドライバ側)ウインドウのオープン
・カーオーディオが動作していれば、音声出力のミュート
(3)<ドライバの自宅の場合>
・ウインドウのクローズ
・ワイパーが動作していれば、停止
・ライトが点灯してれば、消灯
・ドアロックされていれば、アンロック
・カーオーディオが動作していれば、電源オフ
【0035】
以上のように本実施例によれば、車載装置1に、GPSセンサ6と、POI情報DB14とを備え、POI情報判定部11は、車両の位置とPOI情報DB14に記録されている店舗や施設等の建造物の位置とを比較することで、車両が前記店舗や施設等の何れかに到着したと判定するとその判定結果を出力する。即ち、ナビゲーション装置が備えている地図データベースのように冗長で大容量となる情報は不要であり、建造物の位置情報が記録されているデータベース14があれば、車両の到着判定を十分に行うことができる。また、地図を表示する必要がないので、ディスプレイのような表示手段も不要である。
【0036】
具体的には、POI情報DB14において、各建造物の夫々について、その位置を含む所定面積の到着エリアを設定しておく。また、POI情報判定部11は、車両の位置を中心に、当該位置の取得状態に基づいて得られる誤差を半径とする予測誤差円を設定し、その予測誤差円の内部に到着エリアがオーバーラップすると対応する店舗や施設等に到着したと判定する。
即ち、実際には、各店舗や施設等の建造物はある程度の面積を占めて存在しているので、その面積に応じた広がりをもつ到着エリアを設定することで、到着判定を妥当に行うことができる。また、GPSセンサ6は、補足可能なGPS衛星の数によって位置精度が異なるので、上記のように予測誤差円を設定して到着判定を行えば、取得された位置の精度に応じて妥当な判定を行うことができる。
【0037】
更に、POI情報判定部11は、上記の条件に加えて、車両が走行を停止したと判断された場合、それ以前にステアリングの操作量が閾値を超えているか、直前における加減速の度合いが閾値を超えているか、道路端の白線を検知したかを夫々判断して、それらの条件を全て満たすと到着判定を行うようにした。従って、到着判定を一層確実に行うことができる。
【0038】
加えて、車両制御部17は、車載装置1により到着したと判定された店舗や施設等に応じて、車両が停車した場合に行うべき制御を選択して自動的に実行するので、簡単な構成の車両到着判定装置を用いて、運転者が行うべき操作負担を軽減するシステムを安価に構成することができ、運転者が行うべき操作負担を一層軽減することができる。具体的には、車載装置1による到着判定結果に応じて、車両制御部17は、車両のドア,ウインドウ,ライト,給油口,ワイパー,カーオディオの何れか1つ以上について駆動制御を行うので、運転者自身がドアロックの解除操作やウインドウの開閉操作,ライトの消灯操作などを行う必要がなくなる。
【0039】
(第2実施例)
図10及び図11は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施例の構成は、基本的に第2実施例と同様であり、図10に示すように、車両が停止した際の予測誤差円に、複数の店舗や施設等の到着エリアがオーバーラップした場合の処理を示す。
【0040】
図11は図7相当図であり、ステップS9,S10の間にステップS12,S13が挿入されている。そして、ステップS9で「YES」と判断すると、POI情報判定部11は、続くステップS12において、複数の到着エリアがオーバーラップしているか否かを判断し、「NO」であれば第1実施例と同様にステップS10に移行する。一方、複数の到着エリアがオーバーラップしている場合は(「YES」)、ステップS2で取得したドライバの視線方向が、何れの到着エリアの方に向いているかによって判定を行う(ステップS13)。即ち、ドライバは、到着先に視線を向けつつ運転を行っているはずであるから、ドライバの視線が向いている方向に位置している店舗や施設等に到着したものと判定する。
【0041】
以上のように第2実施例によれば、POI情報判定部11は、予測誤差円の内部に複数の到着エリアがオーバーラップした場合には、ドライバの視線方向が何れの到着エリアの方に向いているかによって判定を行うので、複数の店舗や施設等の何れかに到着した可能性がある場合に、適切な判定を行うことができる。
【0042】
本発明は上記し又は図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形が可能である。
第2実施例において、予測誤差円に夫々の到着エリアが占める割合を確度として算出し、その確度が最も高い到着エリアに対応する店舗や施設等に到着したと判定しても良い。この場合も、上記の確度に基づいて到着判定を妥当に行うことができる。
また、第2実施例において、予測誤差円の内部に複数の到着エリアが係った場合には、各エリアに対応する店舗や施設等について到着判定を行った結果を出力すると共に、予測誤差円に夫々の到着エリアが占める割合を確度として算出し、夫々の確度情報も併せて出力しても良い。即ち、複数の店舗や施設等の何れかに到着した可能性がある場合、車両到着判定装置のアプリケーションによっては、到着判定結果の出力先に最終的な判定を行わせる方が適切な結果を得ることができる場合がある。従って、確度情報も合わせて出力することで、出力先での判定に資する情報も与えることができる。
【0043】
POI情報DB14における到着エリアの設定や、POI情報判定部11における予測誤差円を用いた判定は、必要に応じて行えば良い。即ち、予測誤差円内に建造物の位置座標が入った場合に到着判定を行っても良いし、到着エリア内に自車両が位置した場合に到着判定を行っても良い。
図7において、ステップS5〜S8の判断条件は、個別の設計に応じて必要と思われるものを適宜選択して実施すれば良い。
車両制御部17は、到着判定があった場合に、ドライバが所定のスイッチを操作したことをトリガとして各種制御を実行するようにしても良い。
また、到着時に行う車両制御の項目を、ドライバが予め選択して設定できるようにしても良い。
また、車両制御部17は、1つで車両各部の駆動対象を集中制御するものに限らず、各駆動対象に応じて個別に配置されているものが車載装置1の判定結果を受けて、夫々に駆動制御を行うように構成されていても良い。
走行情報取得手段についても、必要なものを適宜選択すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施例であり、車載装置を中心とする車両制御システムの構成を示す機能ブロック図
【図2】POI情報データベースに記憶されているデータ例を示す図
【図3】到着エリアの一例を示す図
【図4】自車位置情報の一例を示す図
【図5】POI情報判定部の記憶領域に記憶されるデータの一例を示す図
【図6】制御部のPOI情報判定部を中心とする制御内容を示すフローチャート
【図7】図6のステップS3における判定処理の詳細を示すフローチャート
【図8】車両が店舗や施設等に到着する場合の走行軌跡の一例を示す図
【図9】図7,図8における処理の流れを示すシーケンス図
【図10】本発明の第2実施例を示す図8相当図
【図11】図3相当図
【符号の説明】
【0045】
図面中、1は車載装置(車両到着判定装置)、4は視線検知センサ(視線方向判別手段)、5は対象物検知センサ(走行情報取得手段)、6はGPSセンサ(位置取得手段)、7は方位センサ(位置取得手段,走行情報取得手段)、8は距離センサ(位置取得手段,走行情報取得手段)、9は運転操作検出センサ(走行情報取得手段)、10は速度センサ(走行情報取得手段)、11はPOI情報判定部(判定手段)、14はPOI情報DB(位置情報データベース)、15は走行軌跡メモリ(走行履歴記録手段)、17は車両制御部(車両制御手段)、18は車両制御システムを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置を取得する位置取得手段と、
店舗や施設等の建造物の位置情報が記録されている位置情報データベースと、
前記位置取得手段により取得される車両の位置と、前記位置情報データベースに記録されている建造物の位置とを比較することで、前記車両が前記店舗や施設等の何れかに到着したと判定すると、その判定結果を出力する判定手段とを備えることを特徴とする車両到着判定装置。
【請求項2】
前記位置取得手段によって、取得される車両の位置と共に、その取得状態に基づく誤差情報が得られる場合に、
前記判定手段は、前記車両の位置を中心として前記誤差を半径とする予測誤差円を設定し、前記予測誤差円の内部に前記建造物の位置が入ると到着判定を行なうことを特徴とする請求項1記載の車両到着判定装置。
【請求項3】
位置情報データベースは、前記建造物の夫々について、各建造物の位置を含む所定面積の到着エリアが設定されており、
前記判定手段は、前記車両が前記到着エリア内に位置すると、その到着エリアに対応する建造物に到着したと判定することを特徴とする請求項1記載の車両到着判定装置。
【請求項4】
前記位置取得手段によって、取得される車両の位置と共に、その取得状態に基づく誤差情報が得られる場合に、
前記判定手段は、前記車両の位置を中心として前記誤差を半径とする予測誤差円を設定し、前記予測誤差円の内部に前記到着エリアが係ると到着判定を行なうことを特徴とする請求項3記載の車両到着判定装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記予測誤差円の内部に複数の到着エリアが係った場合には、前記予測誤差円に夫々の到着エリアが占める割合を確度として算出し、前記確度が最も高い到着エリアに対応する建造物に到着したと判定することを特徴とする請求項4記載の車両到着判定装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記予測誤差円の内部に複数の到着エリアが係った場合には、各エリアに対応する店舗や施設等について到着判定を行った結果を出力すると共に、前記予測誤差円に夫々の到着エリアが占める割合を確度として算出し、夫々の確度情報も併せて出力することを特徴とする請求項4記載の車両到着判定装置。
【請求項7】
車両の運転者の視線方向を判別する視線方向判別手段を備え、
前記判定手段は、前記予測誤差円の内部に複数の到着エリアが係った場合には、前記視線方向判別手段により判別された運転者の視線が向けられている方の建造物に到着したと判定することを特徴とする請求項4記載の車両到着判定装置。
【請求項8】
車両の走行状態に関する情報を取得する走行情報取得手段を備え、
前記判定手段は、前記車両が走行を停止した場合に、到着判定を行なうことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の車両到着判定装置。
【請求項9】
前記走行情報取得手段により取得された情報を、所定時間毎に記録する走行履歴記録手段を備え、
前記判定手段は、前記車両が停止する以前に前記走行履歴記録手段に記録されている走行履歴情報が、当該車両が目的地に到着したことに基づく停止に至る予備的な走行状態を示していると推定される場合に、到着判定を行なうことを特徴とする請求項8記載の車両到着判定装置。
【請求項10】
前記判定手段は、前記車両が走行を停止する前に、所定量以上のステアリング操作が行なわれていると、到着判定を行うことを特徴とする請求項9記載の車両到着判定装置。
【請求項11】
前記判定手段は、前記車両が走行を停止する前に、所定量以上の減速が行われていると、到着判定を行うことを特徴とする請求項9又は10記載の車両到着判定装置。
【請求項12】
前記走行情報取得手段として、車両周辺の路面を撮像する撮像手段を備え、
前記判定手段は、前記車両が走行を停止する前に、当該車両が道路端の白線を通過している場合に、到着判定を行うことを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載の車両到着判定装置。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れかに記載の車両到着判定装置と、
この車両到着判定装置により到着したと判定された店舗や施設等に応じて、前記車両が停車した場合に行うべき制御を選択して実行する車両制御手段とを備えてなることを特徴とする車両制御システム。
【請求項14】
前記車両制御手段は、前記車両到着判定装置により到着判定された店舗や施設等に前記車両が停車すると、前記制御を自動的に実行することを特徴とする請求項13記載の車両制御システム。
【請求項15】
前記車両制御手段は、前記車両到着判定装置による到着判定の結果に応じて、車両のドア,ウインドウ,ライト,給油口,ワイパー,カーオディオの何れか1つ以上について駆動制御を行うことを特徴とする請求項14記載の車両制御システム。
【請求項1】
車両の現在位置を取得する位置取得手段と、
店舗や施設等の建造物の位置情報が記録されている位置情報データベースと、
前記位置取得手段により取得される車両の位置と、前記位置情報データベースに記録されている建造物の位置とを比較することで、前記車両が前記店舗や施設等の何れかに到着したと判定すると、その判定結果を出力する判定手段とを備えることを特徴とする車両到着判定装置。
【請求項2】
前記位置取得手段によって、取得される車両の位置と共に、その取得状態に基づく誤差情報が得られる場合に、
前記判定手段は、前記車両の位置を中心として前記誤差を半径とする予測誤差円を設定し、前記予測誤差円の内部に前記建造物の位置が入ると到着判定を行なうことを特徴とする請求項1記載の車両到着判定装置。
【請求項3】
位置情報データベースは、前記建造物の夫々について、各建造物の位置を含む所定面積の到着エリアが設定されており、
前記判定手段は、前記車両が前記到着エリア内に位置すると、その到着エリアに対応する建造物に到着したと判定することを特徴とする請求項1記載の車両到着判定装置。
【請求項4】
前記位置取得手段によって、取得される車両の位置と共に、その取得状態に基づく誤差情報が得られる場合に、
前記判定手段は、前記車両の位置を中心として前記誤差を半径とする予測誤差円を設定し、前記予測誤差円の内部に前記到着エリアが係ると到着判定を行なうことを特徴とする請求項3記載の車両到着判定装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記予測誤差円の内部に複数の到着エリアが係った場合には、前記予測誤差円に夫々の到着エリアが占める割合を確度として算出し、前記確度が最も高い到着エリアに対応する建造物に到着したと判定することを特徴とする請求項4記載の車両到着判定装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記予測誤差円の内部に複数の到着エリアが係った場合には、各エリアに対応する店舗や施設等について到着判定を行った結果を出力すると共に、前記予測誤差円に夫々の到着エリアが占める割合を確度として算出し、夫々の確度情報も併せて出力することを特徴とする請求項4記載の車両到着判定装置。
【請求項7】
車両の運転者の視線方向を判別する視線方向判別手段を備え、
前記判定手段は、前記予測誤差円の内部に複数の到着エリアが係った場合には、前記視線方向判別手段により判別された運転者の視線が向けられている方の建造物に到着したと判定することを特徴とする請求項4記載の車両到着判定装置。
【請求項8】
車両の走行状態に関する情報を取得する走行情報取得手段を備え、
前記判定手段は、前記車両が走行を停止した場合に、到着判定を行なうことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の車両到着判定装置。
【請求項9】
前記走行情報取得手段により取得された情報を、所定時間毎に記録する走行履歴記録手段を備え、
前記判定手段は、前記車両が停止する以前に前記走行履歴記録手段に記録されている走行履歴情報が、当該車両が目的地に到着したことに基づく停止に至る予備的な走行状態を示していると推定される場合に、到着判定を行なうことを特徴とする請求項8記載の車両到着判定装置。
【請求項10】
前記判定手段は、前記車両が走行を停止する前に、所定量以上のステアリング操作が行なわれていると、到着判定を行うことを特徴とする請求項9記載の車両到着判定装置。
【請求項11】
前記判定手段は、前記車両が走行を停止する前に、所定量以上の減速が行われていると、到着判定を行うことを特徴とする請求項9又は10記載の車両到着判定装置。
【請求項12】
前記走行情報取得手段として、車両周辺の路面を撮像する撮像手段を備え、
前記判定手段は、前記車両が走行を停止する前に、当該車両が道路端の白線を通過している場合に、到着判定を行うことを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載の車両到着判定装置。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れかに記載の車両到着判定装置と、
この車両到着判定装置により到着したと判定された店舗や施設等に応じて、前記車両が停車した場合に行うべき制御を選択して実行する車両制御手段とを備えてなることを特徴とする車両制御システム。
【請求項14】
前記車両制御手段は、前記車両到着判定装置により到着判定された店舗や施設等に前記車両が停車すると、前記制御を自動的に実行することを特徴とする請求項13記載の車両制御システム。
【請求項15】
前記車両制御手段は、前記車両到着判定装置による到着判定の結果に応じて、車両のドア,ウインドウ,ライト,給油口,ワイパー,カーオディオの何れか1つ以上について駆動制御を行うことを特徴とする請求項14記載の車両制御システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−26259(P2008−26259A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−201959(P2006−201959)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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