説明

車両前部構造

【課題】車体前方から入力された荷重に対して、充分なエネルギー吸収ストロークを確保できるようにする。
【解決手段】車両の前輪50が取り付けられるサスペンションアーム40と、サスペンションアーム40をサスペンションメンバ30に連結するための連結部材52と、連結部材52に形成され、車体前方から入力された荷重により移動するサスペンションアーム40によって破壊されることでサスペンションアーム40をサスペンションメンバ30から離脱させる脆弱部60と、を有する車両前部構造10とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
クロスメンバとダッシュパネルとに跨ってサブフレームが配置されるとともに、そのサブフレームに、サスペンションアームのフロント側アームとリア側アームとが取り付けられている車体前部構造は、従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載の車体前部構造では、サブフレームの適宜箇所に脆弱部を形成し、車両の前突時に、その脆弱部によりサブフレームを座屈させて、前輪を車幅方向に回動させることで、エネルギー吸収ストロークを確保するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−127936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この特許文献1に記載の車体前部構造では、サブフレームからサスペンションアーム、即ち前輪が離脱しない構造であるため、車両の前突時等、車体前方から入力された荷重に対して、充分なエネルギー吸収ストロークが確保されないおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、車体前方から入力された荷重に対して、充分なエネルギー吸収ストロークを確保できる車両前部構造を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の車両前部構造は、車両の前輪が取り付けられるサスペンションアームと、前記サスペンションアームをサスペンションメンバに連結するための連結部材と、前記連結部材に形成され、車体前方から入力された荷重により移動する前記サスペンションアームによって破壊されることで該サスペンションアームを前記サスペンションメンバから離脱させる脆弱部と、を有することを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、車両の前突時等、車体前方から入力された荷重によりサスペンションアームが移動すると、そのサスペンションアームにより、サスペンションメンバにサスペンションアームを連結するための連結部材の脆弱部が破壊される。これにより、その連結部材が破壊され、サスペンションアーム、即ち前輪がサスペンションメンバから離脱されるため、車体前方から入力された荷重に対して、充分なエネルギー吸収ストロークを確保することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の車両前部構造は、請求項1に記載の車両前部構造であって、前記サスペンションアームは、前記サスペンションメンバの車体前方側に連結されるフロント側アームと、前記サスペンションメンバの車体後方側に連結されるリア側アームと、を有し、前記連結部材は、車幅方向外側が開放された平面視略「U」字状に形成されるとともに、前記脆弱部は、少なくとも前記フロント側アームを連結する前記連結部材の車体後方側部分に形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、脆弱部は、少なくともフロント側アームを連結する連結部材の車体後方側部分に形成されているので、車体前方から入力された荷重により、その部分が破壊されることにより、サスペンションアーム(前輪)がサスペンションメンバから離脱され易くなる。
【0011】
また、請求項3に記載の車両前部構造は、請求項2に記載の車両前部構造であって、前記フロント側アームを連結する前記連結部材は、車体後方側部分の車幅方向外側へ突出する突出長さが、車体前方側部分の車幅方向外側へ突出する突出長さよりも長く形成され、前記脆弱部は、前記車体前方側部分を投影した前記車体後方側部分の仮想領域よりも車幅方向外側に形成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、フロント側アームを連結する連結部材の車体後方側部分に脆弱部が形成されていても、その連結部材の車体後方側部分の強度が低減されることがない。つまり、その連結部材の車体後方側部分において、通常走行時に必要な剛性が確保される。
【0013】
また、請求項4に記載の車両前部構造は、請求項2又は請求項3に記載の車両前部構造であって、前記フロント側アームの前記脆弱部に対向する壁面に、該脆弱部を破壊し易くするための易破壊手段が設けられていることを特徴としている。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、車体前方から入力された荷重により移動するサスペンションアームのフロント側アームによって、脆弱部が破壊されるが、そのフロント側アームには易破壊手段が設けられているので、脆弱部の破壊を促進させることができる。
【0015】
また、請求項5に記載の車両前部構造は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両前部構造であって、前記サスペンションメンバの車体前方側端部よりも前記前輪の車体前方側端部が車体前方側に配置されていることを特徴としている。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、車体前方から入力された荷重をサスペンションメンバよりも先に前輪に伝達することができる。したがって、その前輪を介してサスペンションアームに効果的に荷重を伝達することができるため、そのサスペンションアームによる脆弱部の破壊を促進させることができる。つまり、これにより、サスペンションメンバから前輪を離脱させ易くなる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、車体前方から入力された荷重に対して、充分なエネルギー吸収ストロークを確保できる車両前部構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】車両前部側の概略構造を示す側断面図である。
【図2】本実施形態に係る車両前部構造を示す平面図である。
【図3】本実施形態に係る車両前部構造を拡大して示す平面図である。
【図4】本実施形態に係る車両前部構造を構成する取付ブラケットの斜視図である。
【図5】図4のX−X線矢視断面図である。
【図6】(A)本実施形態に係る車両前部構造を構成する取付ブラケットとサスペンションアームのフロント側アームを示す斜視図である。(B)サスペンションアームのフロント側アームを示す斜視図である。
【図7】車体前方から荷重が入力されたときの本実施形態に係る車両前部構造の作用を示す平面図である。
【図8】車体前方から荷重が入力されたときの比較例に係る車両前部構造の作用を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。なお、各図において、矢印UPは車体上方向を示し、矢印FRは車体前方向を示し、矢印OUTは車幅方向外側を示す。また、以下の説明において、車幅方向両側を単に左右と言う場合がある。
【0020】
図1で示すように、本実施形態に係る車両は樹脂ボディ構造とされており、車体下方側に設けられた樹脂製のアンダーボディ12と、アンダーボディ12の車体前方側に設けられたフロントサスペンションモジュール14と、フロントサスペンションモジュール14の車体前方側に設けられた樹脂製のフロントエネルギー吸収部材(以下「フロントEA部材」という)16と、を有している。
【0021】
アンダーボディ12は、平面視略矩形状とされ、略水平面に沿って平坦(フラット)な下壁18を有するフロア部20と、フロア部20の車体前方側端部から車体上方へ向けて立設されたダッシュロア部22と、を含んで構成されている。ダッシュロア部22の車幅方向の長さは、フロア部20の車幅方向の長さとほぼ同じ長さとされており、車幅方向に長手の略矩形状とされている。
【0022】
また、ダッシュロア部22は、閉断面構造とされ、図示しない左右のロッカ及びセンター骨格形成部の前端部に架設されている。詳細には、このダッシュロア部22は、車体前後方向に対向する前壁24及び後壁26と、下壁18に対向する上壁28と、を有しており、側断面視で、下壁18と、前壁24と、後壁26と、上壁28とで閉断面構造を構成している。
【0023】
そして、このダッシュロア部22を構成する後壁26の下部は、傾斜壁26Sとされている。傾斜壁26Sは、前端側より後端側が車体下方側に位置するように、車体前後(水平)方向に対して傾斜されており、その前上端部は、後壁26の車体上下方向に略沿った上下壁26Uの下端部と連続している。そして、傾斜壁26Sの後下端部は、上壁28の前端部と連続している。
【0024】
図2で示すように、フロントサスペンションモジュール14は、金属製のサスペンションメンバ30と、左右一対の金属製のサスペンションアーム40と、を少なくとも含んで構成されている。サスペンションメンバ30は、車幅方向に長手とされるとともに、側断面視で閉断面構造とされている(図1参照)。そして、サスペンションメンバ30は、サスペンションアーム40を介して、前輪50を転舵可能に支持するようになっている。
【0025】
図1、図2で示すように、フロントEA部材16は、車幅方向に長手とされた大型部品とされている。詳細には、フロントEA部材16は、サスペンションメンバ30の車体前方側壁面の車幅方向の長さと略同等の車幅方向に沿った長さを有している。
【0026】
また、このフロントEA部材16は、車体後方側が開口されたボックス形状(略矩形箱状)に構成されており、その車体後方側端部から車幅方向外側へ張り出されたフランジ部16Aが、サスペンションメンバ30の後述するフランジ部32が連設される車体前方側の壁面36に固定されるようになっている。
【0027】
なお、アンダーボディ12及びフロントEA部材16を構成する樹脂材としては、例えば炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などの強化繊維を含有する繊維強化樹脂等が挙げられる。また、図2で示すように、フロントEA部材16の車体前方側には、同様の樹脂製とされたフロントバンパカバー38が配設されている。
【0028】
以上のような樹脂ボディ構造とされた車両において、次にその前部構造10について詳細に説明する。図2、図3で示すように、サスペンションメンバ30の車幅方向外側端部には、車体前方側へ張り出すフランジ部32と、車体後方側へ張り出すフランジ部34と、が一体に形成されている。そして、各フランジ部32、34に、後述する金属製の取付ブラケット52、62の固着部55、65が、それぞれ溶接等によって固着されるようになっている。
【0029】
サスペンションアーム40は、サスペンションメンバ30の車体前方側のフランジ部32に、取付ブラケット52を介して連結されるフロント側アーム42と、サスペンションメンバ30の車体後方側のフランジ部34に、取付ブラケット62を介して連結されるリア側アーム44と、を備えた所謂Aアームとされている。
【0030】
フロント側アーム42とリア側アーム44の車幅方向内側端部には、それぞれ車体前後方向に貫通する貫通孔46A、48A(図3参照)を有する筒部46、48が一体に形成されている。そして、フロント側アーム42とリア側アーム44の車幅方向外側端部は一体に連設され、前輪50が取り付けられるようになっている。
【0031】
また、サスペンションメンバ30の各フランジ部32、34に固着された連結部材としての金属製の取付ブラケット52、62は、それぞれ車幅方向外側が開放された平面視略「U」字状に形成されている。
【0032】
すなわち、各取付ブラケット52、62は、車体前後方向に延在し、各フランジ部32、34に固着される平板状の固着部55、65と、固着部55、65の車体前方側縁部から車幅方向外側へ一体に延設された車体前方側部分としての平板状の前壁部54、64と、固着部55、65の車体後方側縁部から車幅方向外側へ一体に延設された車体後方側部分としての平板状の後壁部56、66と、を有している。
【0033】
そして、各取付ブラケット52、62の前壁部54、64と後壁部56、66には、それぞれボルト72を挿通させるための貫通孔58、68が形成されている。したがって、フロント側アーム42の筒部46が取付ブラケット52内に配置され、例えば車体後方側からボルト72が貫通孔58、46A、58に挿通され、その先端がナット74に螺合されることにより、サスペンションメンバ30に、取付ブラケット52を介してフロント側アーム42の筒部46が連結される。
【0034】
同様に、リア側アーム44の筒部48が取付ブラケット62内に配置され、例えば車体前方側からボルト72が貫通孔68、48A、68に挿通され、その先端がナット74に螺合されることにより、サスペンションメンバ30に、取付ブラケット62を介してリア側アーム44の筒部48が連結される。つまり、これにより、サスペンションメンバ30にサスペンションアーム40の車幅方向内側端部が連結される構成である。
【0035】
なお、取付ブラケット52の前壁部54と筒部46との間及び後壁部56と筒部46との間には、図示しないゴムブッシュが設けられるようになっている。同様に、取付ブラケット62の前壁部64と筒部48との間及び後壁部66と筒部48との間には、図示しないゴムブッシュが設けられるようになっている。
【0036】
また、図3、図4で示すように、フロント側アーム42をサスペンションメンバ30に連結する取付ブラケット52の後壁部56の車幅方向外側への突出長さは、前壁部54の車幅方向外側への突出長さよりも長く形成されている。詳細には、この後壁部56は、前壁部54を投影した仮想領域Kよりも車幅方向外側(突出方向側)へ長く形成され(図4参照)、その長さは、通常走行時にフロント側アーム42が揺動しても、そのフロント側アーム42に干渉しない程度の長さとされている(図3参照)。
【0037】
そして、その取付ブラケット52の後壁部56の突出方向側(車幅方向外側)先端部には、車両の前突時等、車体前方から入力された荷重(過剰な負荷)により車体後方側へ向かって移動するフロント側アーム42によって破壊され、そのフロント側アーム42をサスペンションメンバ30から離脱させるようにする脆弱部60が形成されている。
【0038】
詳細には、この脆弱部60は、図4、図5で示すように、取付ブラケット52の後壁部56の突出方向(車幅方向)と平行な方向に延在する、断面略円弧状に切り欠かれた薄肉部とされている。そして、この脆弱部60の延在長さは、前壁部54を投影した後壁部56の仮想領域Kよりも突出方向側(車幅方向外側)の領域に形成されるような(仮想領域Kに達しない)長さとされている(図4参照)。
【0039】
このように、脆弱部60が形成される領域が仮想領域K外とされていると、通常走行時における取付ブラケット52の強度(剛性)を確保(維持)することができる。つまり、これにより、取付ブラケット52の後壁部56に脆弱部60が形成されていても、通常走行時において、支障が生じないようにできる構成である。
【0040】
また、図3、図6で詳細に示すように、脆弱部60に対向するフロント側アーム42の壁面42Aには、脆弱部60を破壊し易くするための易破壊手段としての突起部70が一体に形成されている。この突起部70は断面三角形状に形成されており、車体前方から入力された荷重により、フロント側アーム42が車体後方側へ移動されると、その突起部70の先端が脆弱部60を押圧して後壁部56を破壊(脆弱部60をきっかけとして後壁部56を切断)するようになっている。
【0041】
また、図2で示す平面視で、サスペンションメンバ30の車体前方側端部、詳細にはフランジ部32における車体前方側端部32Aよりも、前輪50の車体前方側端部50Aが車体前方側に配置されている(図2において、一点鎖線で示す)。これにより、車両の前突時等、車体前方から荷重が入力されたときには、サスペンションメンバ30よりも先に、その荷重が前輪50に入力される構成である。
【0042】
以上のような構成の車両前部構造10において、次にその作用について説明する。車両の前突時等、車体前方から荷重が入力されると、まず、フロントEA部材16で、その荷重を受けてエネルギー吸収を行う。そして更に、その荷重が前輪50に入力されると、その前輪50が取り付けられているサスペンションアーム40のフロント側アーム42が車体後方側へ移動する。
【0043】
フロント側アーム42が車体後方側へ移動すると、突起部70が脆弱部60を押圧し、その脆弱部60を破壊する。これにより、後壁部56は、その脆弱部60により、突出方向側(車幅方向外側)先端部から貫通孔58に達するまで切断され、ボルト72が後壁部56の貫通孔58内から離脱される。
【0044】
ここで、フロント側アーム42が車体後方側へ移動した際、後壁部56には、ボルト72によって車幅方向内側に向かって押圧力が加えられる。そのため、ボルト72によって後壁部56の突出方向側先端部が切断されることはない。したがって、後壁部56の突出方向側先端部に脆弱部60を形成し、その脆弱部60をきっかけとして、後壁部56の突出方向側先端部を切断することにより、ボルト72が貫通孔58から離脱されるようにしている。
【0045】
一方、このとき、取付ブラケット52の前壁部54には、ボルト72によって車幅方向外側に向かって押圧力が加えられる。これにより、前壁部54の貫通孔58よりも突出方向側(車幅方向外側)先端部が、そのボルト72によって切断される。つまり、これにより、ボルト72が前壁部54の貫通孔58内から離脱される。
【0046】
以上の作用により、車体前方から荷重が入力されたときには、図7で示すように、ボルト72が、取付ブラケット52の前壁部54及び後壁部56の各貫通孔58内から完全に離脱される。よって、サスペンションアーム40のフロント側アーム42が、取付ブラケット52から完全に離脱される。
【0047】
したがって、図8で示す比較例のように、サスペンションアーム40のフロント側アーム42が、取付ブラケット52から離脱されない構造に比べて、エネルギー吸収ストロークを増加させることができる(充分なエネルギー吸収ストロークを得ることができる)。
【0048】
すなわち、この比較例に係る構造では、ボルト72によって取付ブラケット52の後壁部56が切断されることがないため、サスペンションアーム40のフロント側アーム42が、取付ブラケット52から離脱されない。
【0049】
そのため、取付ブラケット52が固着されているサスペンションメンバ30のフランジ部32の変形によってエネルギー吸収ストロークを稼ぐしかないが、フランジ部32の変形量だけでは、前輪50が車体後方側へ移動し難いので、充分なエネルギー吸収ストロークが得られない(前輪50が入力荷重に対するエネルギー吸収ストロークの妨げになっている)。
【0050】
しかしながら、本実施形態に係る車両前部構造10の場合には、車体前方から入力された荷重によって、比較例に係る構造よりも前輪50が車体後方側へ大きく移動することができるため、その前輪50が入力荷重に対するエネルギー吸収ストロークの妨げになることがない。よって、その入力荷重に対して、充分なエネルギー吸収ストロークが得られることになる。
【0051】
以上、本実施形態に係る車両前部構造10について、図面を基に説明したが、本実施形態に係る車両前部構造10は、図示のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能なものである。
【0052】
例えば、サスペンションアーム40のフロント側アーム42は、車体前方から荷重が入力されたときに、取付ブラケット52から完全に離脱される構成になっているため(サスペンションメンバ30のフランジ部32の変形によってエネルギー吸収ストロークを稼ぐ構成ではないため)、その取付ブラケット52の固着部55が固着されるサスペンションメンバ30の被固着部は、フランジ部32でなくてもよい。
【符号の説明】
【0053】
10 車両前部構造
30 サスペンションメンバ
40 サスペンションアーム
42 フロント側アーム
42A 壁面
44 リア側アーム
50 前輪
52 取付ブラケット(連結部材)
54 前壁部(車体前方側部分)
56 後壁部(車体後方側部分)
60 脆弱部
70 突起部(易破壊手段)
K 仮想領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前輪が取り付けられるサスペンションアームと、
前記サスペンションアームをサスペンションメンバに連結するための連結部材と、
前記連結部材に形成され、車体前方から入力された荷重により移動する前記サスペンションアームによって破壊されることで該サスペンションアームを前記サスペンションメンバから離脱させる脆弱部と、
を有することを特徴とする車両前部構造。
【請求項2】
前記サスペンションアームは、
前記サスペンションメンバの車体前方側に連結されるフロント側アームと、
前記サスペンションメンバの車体後方側に連結されるリア側アームと、
を有し、
前記連結部材は、車幅方向外側が開放された平面視略「U」字状に形成されるとともに、
前記脆弱部は、少なくとも前記フロント側アームを連結する前記連結部材の車体後方側部分に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両前部構造。
【請求項3】
前記フロント側アームを連結する前記連結部材は、車体後方側部分の車幅方向外側へ突出する突出長さが、車体前方側部分の車幅方向外側へ突出する突出長さよりも長く形成され、
前記脆弱部は、前記車体前方側部分を投影した前記車体後方側部分の仮想領域よりも車幅方向外側に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両前部構造。
【請求項4】
前記フロント側アームの前記脆弱部に対向する壁面に、該脆弱部を破壊し易くするための易破壊手段が設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両前部構造。
【請求項5】
前記サスペンションメンバの車体前方側端部よりも前記前輪の車体前方側端部が車体前方側に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両前部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−236481(P2012−236481A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106013(P2011−106013)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】