説明

車両検出装置、車両検出方法、および車両検出プログラム

【課題】 道路上や道路側面に複数のセンサを設置して高精度に車両の検出を行う車両検出装置を提供する。
【解決手段】
本発明は、複数のセンサを融合して車両を検出する車両検出装置に関し、物体の形状を測定するのに適した第1のセンサと、物体との距離を測定するのに適した第2のセンサを用い、第2のセンサで検出された車両位置を基準として、その前後に車両の検出結果を無効とする棄却範囲が設けられた棄却範囲テーブルを参照し、第1のセンサによる検出結果の採用の可否を判定し、第1のセンサ及び第2のセンサの各検出結果を融合して出力することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路上や道路側面に設置して車両等の物体の検出を行う物体検出技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のセンサの活用によって物体の検出確度を向上させるフュージョンセンサの取り組みが行われてきた。特許文献1では、それぞれのセンサの車両の存在予測領域とセンサの検出情報から存在確率密度を算出して、車両の位置を決定する方法が提案されている。
【0003】
しかしながら、上記方法では、複数の検出情報の相関処理に関し、分解能や測定範囲の特徴を考慮した方式については開示されているものの、個々のセンサの誤検出のパターン等への考慮はなされていなかった。現実のセンサで発生する未検出や誤検出は、分解能等の単純な空間的な特性だけでなく、未検出は少ないが誤検出は多い、未検出は多いが誤検出は少ない等のように、センサの検出特性の違いにも起因している。
【0004】
このように、未検出や誤検出の特性が大きく異なるセンサを用いて、その検出結果を融合(フュージョン)させた場合には、その融合効果を得ることが難しいという問題を抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−99875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述してきた問題を解決するため、本発明では、未検出が少ないが誤検出の多い第1の検出部と誤検出は少ないが未検出の多い第2の検出部の2つの検出部を組合せ、第2の検出部による検出位置の周囲に、第1の検出部による検出結果を否定するエリアを設定することによって、高精度な車両検出を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の一つの態様は、複数のセンサを用いて車両の検出を行う車両検出装置であって、物体の形状を測定するのに適した第1のセンサによって取得したデータから車両の有無を検出する第1の検出部と、物体との距離を測定するのに適した第2のセンサによって取得したデータから車両の有無を検出する第2の検出部と、前記第2の検出部で検出された車両位置を基準として、その前後における車両の検出結果を無効とする棄却範囲が予め設定された棄却範囲テーブルを参照し、前記第1の検出部による検出結果の採用の可否を判定する棄却判定部と、前記判定部の判定結果に基づいて前記第1の検出部の検出結果と前記第2の検出部の検出結果とを融合して出力する融合処理部と、を有することを特徴とする車両検出装置に関する。
【0008】
すなわち、本発明になる車両検出装置は、物体の形状を測定するのに適した、例えば、可視カメラのようなセンサを利用して車両を検出する(未検出が少ないが誤検出の多い)第1の検出部と、物体との距離を測定するのに適した、例えば、ミリ波レーダのようなセンサを使って車両を検出する(誤検出は少ないが未検出の多い)第2の検出部とを備え、第2の検出部で検出した車両位置を基準として、その前後に設定した棄却範囲にしたがって、第1の検出部による検出結果の誤検出を除去した後に、第1の検出部による検出結果と第2の検出部による検索結果とを融合させる構成とすることによって、精度の高い車両検出が可能となる。
【発明の効果】
【0009】
以上、物体の形状を測定するのに適する可視カメラなどのセンサを使った第1の検出部と、物体との距離を測定するのに適したミリ波レーダなどのセンサを使った第2の検出部を組合せて車両を検出する本発明の車両検出装置は、第2の検出部による車両の検出位置を基準としてその前方及び後方に車両が存在しないエリアを設定し、当該エリアに存在する第1の検出部の検出結果をフィルタリングする構成とすることによって、従来の複数のセンサを用いる融合センサに比べて、検出精度を大きく向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態になる複数の検出部からなる車両検出装置の基本構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態になる車両の検出結果の棄却を判定する棄却判定部の構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態になる車両検出位置と前方車両との関係を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態になる車両検出位置と車両の死角範囲との関係を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態になる車両検出位置と大きさの異なる車両の死角範囲との関係を説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態になる棄却範囲テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態になる車両検出装置における車両検出の動作フローを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態になる車両検出装置における車両検出のデータ例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態になる図8の車両検出データを同一座標系に変換させた場合の検出結果位置例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態になる複数の検出部の出力結果から融合処理によって得られた車両検出例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
【0012】
以下の実施例では、例えば、交差点の数メートルの高さに設置され、車両が走行する道路を撮影範囲に含める可視カメラと該可視カメラと同一の領域を検出範囲に含めるミリ波レーダを用い、可視カメラで取得した画像による車両の検出結果とミリ波を照射した物体からの反射波による車両の検出結果とを融合して最終的な検出結果を得る車両検出装置を想定している。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態になる複数の検出部からなる車両検出装置の基本構成を示す。本例は、車両検出装置の機能ブロック図を示している。
【0014】
車両検出装置は、可視カメラにより取得されたデータの入力を受け付ける入力部11と可視カメラで取得した画像を処理して車両の有無を検出する車両判定部12とからなる第1の検出部1、ミリ波レーダにより取得されたデータの入力を受け付ける入力部21と測定対象物からの反射信号を受信し車両の有無を検出する車両判定部22とからなる第2の検出部2、検出部1及び検出部2の検出結果1及び検出結果2の検出位置を比較する検出結果位置比較部3、検出部1の検出結果を検出部2の検出結果を使って誤検出を削除する棄却判定部4、および誤検出が除去された検出部1の検出結果と検出部2の検出結果を合わせて融合する融合処理部5から構成されている。
【0015】
さらに、車両判定部12では、入力部11からの可視カメラの画像データを受け、該画像データに対し、フレーム間差分、または背景差分の処理を行うことによって車両画像を抽出し、検出結果を出力する。また、車両判定部22では、入力部21からの測定対象物の反射信号を受け、該反射信号の強度及び反射点数から車両の有無を判定し、検出結果を出力する。
【0016】
また、検出結果位置比較部3では、車両判定部12で得られた検出結果による車両の検出位置と、車両判定部22で得られた検出結果による車両の検出位置とを同一の座標系に変換し、変換後の位置を比較し、2つの検出位置が近傍であれば融合させて1つの結果とする。この処理により、検出結果に含まれる検出位置に関するデータは、検出部1のみで検出されたもの、検出部2のみで検出されたもの、およびその両方で検出されたものに分類される。
【0017】
棄却判定部4では、このうち、検出部1でのみ検出されたものを、検出部2で検出した結果を含む残りの2つの検出結果を用いて、棄却判定部4で予め定義された棄却範囲(後述)を参照して誤検出か否かを判定し、誤検出と判定されたものを削除する。
【0018】
以上、物体の形状を測定するのに適した可視カメラなどのセンサを用いた第1の検出部と、物体との距離を測定するのに適したミリ波レーダなどのセンサを用いた第2の検出部を有する本発明の車両検出装置では、第2の検出部で検出された車両の検出位置を基準に、その前方及び後方に車両が存在しないエリアを設定することによって、第1の検出部の誤検出を抑制することを可能としている。
【0019】
なお、車両検出装置は、図には示していないが、CPU(Central Processing Unit )、メモリを備えたコンピュータであり、車両検出装置を動作させる車両検出プログラムは、図示していない補助記憶装置に格納され、起動時にメモリに展開されてCPUによって実行処理されるものとなっている。
【0020】
図2は、本発明の実施の形態になる車両の検出結果の棄却を判定する棄却判定部の構成例を示す。図2は、図1の棄却判定部4の詳細構成を示したものである。
【0021】
棄却判定部4は、検出部2のみの検出結果及び検出部1、2の両方で検出された検出結果から車種を判別する車種判別部41、該車種判別部41から得られた車両位置、速度、車種等の車両情報と予め棄却範囲が設定されている棄却範囲テーブル100から取得した前方棄却範囲に基づいて検出部2による車両検出位置の前方の棄却を判定する前方棄却判定部42、および車種判別部41の車両情報と棄却範囲テーブル100の後方棄却範囲に基づいて後方の棄却を判定する後方棄却判定部43から構成されている。
【0022】
前方棄却判定部42は、検出部1による検出結果1(車両と判定された画像データ)に対し、予め定義された棄却範囲テーブル100(詳細は後述)を参照し、車種判定部41の車両情報による前方棄却範囲から判定し、該棄却範囲に該当した場合に検出結果1を削除し、棄却範囲外であれば後方棄却判定部43にデータを出力する処理を行う。 そして、後方棄却判定部43は、前方棄却判定部42で範囲外と判定された検出結果1について、棄却範囲テーブル100を参照し、車種判定部41の車両情報に基づく後方棄却範囲を判定し、該棄却範囲に該当した場合に検出結果1を削除し、棄却範囲外であれば棄却後の検出結果として出力処理する。
【0023】
つまり、前方棄却判定部42及び後方棄却判定部43において、検出部1による検出結果は、棄却範囲内にあれば削除され、削除された後の検出結果だけが出力されることとなる。
【0024】
以上、本発明は、検出部2による検出結果2を含んだ検出結果の情報(車両位置/速度/車種)を用いて、検出結果1に対する棄却判定部4が棄却範囲テーブル100に定義したルールにしたがって検出部1のみの検出結果1の棄却を行う構成としている。
【0025】
図3は、本発明の実施の形態になる車両検出位置と前方車両との関係を説明する図である。図では、検出部1の入力部11にデータを入力する可視カメラ、および検出部2の入力部21にデータを入力するミリ波レーダの2つのセンサが道路上に設置されている例を示している。このミリ波レーダのデータから車両を検出する検出部2による検出結果位置を基準とした場合、その前方における検出部1による車両の検出結果の棄却範囲を表している。
【0026】
なお、これまでにも説明してきたように、第1の検出部1は、道路に設置された可視カメラから取得したデータを受け付ける入力部11と、該入力部11が受け付けたデータから車両の検出処理を行う車両判定部12を含み、また、第2の検出部2は、同様に、道路の同一位置に設置されたミリ波レーダから取得したデータを受け付ける入力部21と、該入力部21が受け付けたデータから車両の検出処理を行う車両判定部22を含んでいる。
【0027】
検出部2による検出結果の車両位置が道路上のある位置に存在し、かつその場所での車両の速度に対する安全な車間距離を考慮すると、その前方では、車両一台分と車間距離の範囲に別の車両は存在しないはずである。そこで、検出部2による検出結果の車両位置を基準にして、前方は、「車長+車間距離」を棄却範囲とする。
【0028】
前方車長+車間距離範囲に関し、車長は、一般的な車両(車両CO)の全長とし、車間距離は、検出部2で検出した検出結果(車両C1、その検出位置はC1前面の○印)の速度から求めた値で、ともに、事前に定義した値が格納された棄却範囲テーブル(後述)から取得する。
【0029】
図4は、本発明の実施の形態になる車両検出位置と車両の死角範囲との関係を説明する図である。図中、検出部2で検出された車両C2、C3の検出位置(ミリ波の反射面)は、各車両の先端部(バンパー等)に相当し、○印で表されている。
【0030】
可視カメラの車両後部に対する路面への投影位置からミリ波レーダによって検出される車両検出位置(○印)までの範囲が後方死角範囲として表わされる。後方死角範囲に関しても、同様に、後述する棄却範囲テーブルから取得する。
【0031】
図5は、本発明の実施の形態になる車両検出位置と大きさの異なる車両の死角範囲との関係を説明する図である。図5では、普通車C4と大型車C5等大きさの違う車両についての車両の後方死角範囲を示したものである。大型車C5による後方死角範囲は、普通車C4による死角範囲より広くなることを示している。
【0032】
以上、図4,5に述べてきたように、可視カメラには、車両の大きさ、高さに対する死角が存在し、車両の先頭位置(正解の検出位置)よりも後方の死角範囲内に、可視カメラを用いた検出部1の検出結果があった場合には、正解位置からずれていることを示し、誤検出であると言える。また、この死角範囲は、車両の位置が遠方になるほど広く、車両の大きさ、高さが、大きいほど広くなる。
【0033】
図6は、本発明の実施の形態になる棄却範囲テーブルのデータ構成例を示す。予め定義された棄却範囲が格納される棄却範囲テーブル100として、(a)は前方棄却範囲テーブルのデータ構成を示し、(b)は後方棄却範囲テーブルのデータ構成を示している。なお、棄却範囲テーブル100は、車両検出装置の記憶領域に保持されている。
【0034】
前方棄却範囲テーブル(a)は、車両の速度に対する前方棄却範囲(車長+車間距離)の項目からなる複数のレコードから構成されている。車長は、一般的な車両の全長とし、また、車間距離は、ミリ波レーダの検出結果である車両の速度から求めたものである。例えば、車両速度40km/hに対する前方棄却範囲「車長+車間距離」は、45mと設定されている。
【0035】
また、後方棄却範囲テーブル(b)は、可視カメラの取付位置から車両の検出位置までの距離に対する普通、大型、特殊等の後方棄却範囲(車種別死角範囲)の項目で構成されている。例えば、可視カメラからの距離が40mの場合、普通車は5.0m、大型車は10.0m、特殊車は15.0mと後方棄却範囲が設定されている。
【0036】
図7は、本発明の実施の形態になる車両検出装置における車両検出の動作フローを示す。まず、ステップS11において、可視カメラをセンサとする検出部1及びミリ波レーダをセンサとする検出部2から車両検出データを取得する。つぎに、ステップS12において、各センサによって得られた検出結果1及び2の検出位置を同一座標系に変換する。
【0037】
そして、ステップS13において、ミリ波データと異なる画像データがあるか否かを判定する。判定の結果、異なる画像データが存在すれば、ステップS14において、検出部2による検出結果位置と異なる位置の画像データを抽出する。
【0038】
つぎに、ステップS15において、棄却範囲テーブル100を参照し、前方は、「車長+車間距離」から、また、後方は、死角範囲から画像データの真偽を判定する。
【0039】
まず、ステップS16において、前方棄却範テーブル(a)の定義にしたがって棄却範囲にあるか否かを判定する。判定の結果、範囲内にあれば、ステップS20において、当該検出結果は削除される。一方、範囲外であれば、ステップS17において、後方棄却範囲テーブル(b)を参照して、当該画像データが棄却範囲にあるか否かを判定する。範囲内にあれば、ステップS20において、当該検出結果は削除され、範囲外であれば、ステップS18において、車両有りと判定し処理結果を融合する。
【0040】
そして、ステップS19において、融合させた車両位置の情報を出力する。
【0041】
図8は、本発明の実施の形態になる車両検出装置における車両検出のデータ例を示す。(a)は、可視カメラを用いた検出部1による車両の画像データを示し、また、(b)は、ミリ波レーダを用いた検出部2による車両からの反射信号を示している。これら(a)、(b)のデータは、図7のステップS11で得られるデータに相当する。
【0042】
(a)では、I1、I2、I3、I4の4つポイントが車両として捕えられている。また、(b)では、M1、M2、M3の3つのポイントにおいて車両からのミリ波反射信号が得られている。
【0043】
図9は、本発明の実施の形態になる図8の車両検出データを同一座標系に変換させた場合の検出結果位置例を示す。(a)、(b)は、図8の各センサによる車両検出データが、図7のステップS12において、同一座標系に変換処理された場合の検出結果位置の例を示している。
【0044】
そして、車両判定部12及び車両判定部22によって、それぞれの車両検出データは、以下のように判定される(図7のステップS15〜S17に相当)。
【0045】
(a)の各画像データに関し、I1は、車両の影を誤認したものと判断、I2及び13は、車両と判断、I4は、車両の天井部と判断される。
【0046】
また、(b)のミリ波レーダ反射信号による検出結果では、M1とM2は、車両と判断されるが、M3は、信号強度が弱く、ノイズと判断される。
【0047】
図10は、本発明の実施の形態になる複数の検出部の出力結果から融合処理によって得られた車両検出例を示す。図10は、図9(a)、(b)の各センサによる車両検出結果が融合処理された出力結果を示している(図7のステップS19に相当)。ミリ波レーダで検出された車両位置を基準に、可視カメラによる検出結果を、予め設定された前方棄却範囲(前方車長+車間距離)と後方棄却範囲(後方死角範囲)でフィルタリングすることによって、図10のように誤検出が除去された融合出力が得られる。
【0048】
以上述べてきた本発明の実施の態様は、以下の付記に示す通りである。
(付記1) 複数のセンサを用いて車両を検出する車両検出装置であって、
物体の形状を測定するのに適した第1のセンサによって取得したデータから車両の有無を検出する第1の検出部と、
物体との距離を測定するのに適した第2のセンサによって取得したデータから車両の有無を検出する第2の検出部と、
前記第2の検出部で検出された車両位置を基準として、その前後における車両の検出結果を無効とする棄却範囲が予め設定された棄却範囲テーブルを参照し、前記第1の検出部による検出結果の採用の可否を判定する棄却判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて前記第1の検出部の検出結果と前記第2の検出部の検出結果とを融合して出力する融合処理部と、
を有することを特徴とする車両検出装置。
(付記2) 前記第2の検出部による車両検出位置より前方における前記棄却範囲は、車両の長さと物体距離との合計長とすることを特徴とする付記1に記載の車両検出装置。
(付記3) 前記第2の検出部による車両検出位置より後方における前記棄却範囲は、前記第1の検出部における車両の死角範囲とすることを特徴とする付記1または2に記載の車両検出装置。
(付記4) 前記第2の検出部による車両検出位置より後方の棄却範囲は、前記第2の検出部が検出した車両の大きさにより、前記第1の検出部の検出結果の棄却範囲を可変とすることを特徴とする付記1及至3のいずれかに記載の車両検出装置。
(付記5) 前記第2の検出部による車両検出位置より後方の棄却範囲は、遠方になるほど前記第1の検出部の検出結果の棄却範囲を広くすることを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の車両検出装置。
(付記6) 複数のセンサを用いて車両を検出する車両検出装置における車両検出方法であって、
物体の形状を測定するのに適した第1のセンサによって取得したデータから車両の有無を検出する第1の検出ステップと、
物体との距離を測定するのに適した第2のセンサによって取得したデータから車両の有無を検出する第2の検出ステップと、
前記第2の検出部で検出された車両位置を基準として、その前後における車両の検出結果を無効とする棄却範囲が予め設定された棄却範囲テーブルを参照し、前記第1の検出部による検出結果の採用の可否を判定する棄却判定ステップと、
前記判定部の判定結果に基づいて前記第1の検出部の検出結果と前記第2の検出部の検出結果とを融合して出力する融合処理ステップと、
を有することを特徴とする車両検出方法。
(付記7) 複数のセンサを用いて車両を検出する車両検出装置における車両検出プログラムであって、
コンピュータに、
物体の形状を測定するのに適した第1のセンサによって取得したデータから車両の有無を検出する第1の検出ステップと、
物体との距離を測定するのに適した第2のセンサによって取得したデータから車両の有無を検出する第2の検出ステップと、
前記第2の検出部で検出された車両位置を基準として、その前後における車両の検出結果を無効とする棄却範囲が予め設定された棄却範囲テーブルを参照し、前記第1の検出部による検出結果の採用の可否を判定する棄却判定ステップと、
前記判定部の判定結果に基づいて前記第1の検出部の検出結果と前記第2の検出部の検出結果とを融合して出力する融合処理ステップと、
を実行させる車両検出プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0049】
道路上の車両検出などを始めとする高精度な移動物体の検出装置。
【符号の説明】
【0050】
1 第1の検出部
2 第2の検出部
3 検出結果位置比較部
4 棄却判定部
5 融合処理部
11 第1の入力部
12 車両判定部
21 第2の入力部
22 車両判定部
41 車種判別部
42 前方棄却判定部
43 後方棄却判定部
100 棄却範囲テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサを用いて車両を検出する車両検出装置であって、
物体の形状を測定するのに適した第1のセンサによって取得したデータから車両の有無を検出する第1の検出部と、
物体との距離を測定するのに適した第2のセンサによって取得したデータから車両の有無を検出する第2の検出部と、
前記第2の検出部で検出された車両位置を基準として、その前後における車両の検出結果を無効とする棄却範囲が予め設定された棄却範囲テーブルを参照し、前記第1の検出部による検出結果の採用の可否を判定する棄却判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて前記第1の検出部の検出結果と前記第2の検出部の検出結果とを融合して出力する融合処理部と、
を有することを特徴とする車両検出装置。
【請求項2】
前記第2の検出部による車両検出位置より前方における前記棄却範囲は、車両の長さと物体距離との合計長とすることを特徴とする請求項1に記載の車両検出装置。
【請求項3】
前記第2の検出部による車両検出位置より後方における前記棄却範囲は、前記第1の検出部における車両の死角範囲とすることを特徴とする請求項1または2に記載の車両検出装置。
【請求項4】
複数のセンサを用いて車両を検出する車両検出装置における車両検出方法であって、
物体の形状を測定するのに適した第1のセンサによって取得したデータから車両の有無を検出する第1の検出ステップと、
物体との距離を測定するのに適した第2のセンサによって取得したデータから車両の有無を検出する第2の検出ステップと、
前記第2の検出部で検出された車両位置を基準として、その前後における車両の検出結果を無効とする棄却範囲が予め設定された棄却範囲テーブルを参照し、前記第1の検出部による検出結果の採用の可否を判定する棄却判定ステップと、
前記判定部の判定結果に基づいて前記第1の検出部の検出結果と前記第2の検出部の検出結果とを融合して出力する融合処理ステップと、
を有することを特徴とする車両検出方法。
【請求項5】
複数のセンサを用いて車両を検出する車両検出装置における車両検出プログラムであって、
コンピュータに、
物体の形状を測定するのに適した第1のセンサによって取得したデータから車両の有無を検出する第1の検出ステップと、
物体との距離を測定するのに適した第2のセンサによって取得したデータから車両の有無を検出する第2の検出ステップと、
前記第2の検出部で検出された車両位置を基準として、その前後における車両の検出結果を無効とする棄却範囲が予め設定された棄却範囲テーブルを参照し、前記第1の検出部による検出結果の採用の可否を判定する棄却判定ステップと、
前記判定部の判定結果に基づいて前記第1の検出部の検出結果と前記第2の検出部の検出結果とを融合して出力する融合処理ステップと、
を実行させる車両検出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−185824(P2010−185824A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31124(P2009−31124)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】