説明

車両用の環境対策システム

【課題】運転者に適切な環境対策情報を提供することが可能な車両用の環境対策システムを提供する。
【解決手段】走行距離情報と給油量、給油単価、充電量および充電単価から走行コストを算出し、車両904とサービススタンド902の間で二酸化炭素排出権取引があれば取得金額または売却金額を走行コスト算出に加味する。取得した給油量と充電量をそれぞれ二酸化炭素排出量に換算するとともにその和と走行距離から単位走行距離あたりの二酸化炭素排出量を算出し、二酸化炭素排出権取引があれば取引量分を加減する。供給エネルギーを消費エネルギーと看做すことができるよう、累積走行距離が所定より大きい時に走行コストまたは単位走行距離あたりの二酸化炭素排出量を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の環境対策システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の運行に関しては環境対策から二酸化炭素の排出を低減するための種々の提案がなされている。そして、経済性の観点からも低燃費車への関心が高まっている。また環境への負荷軽減のために電気自動車やハイブリッド車への注目も高まっている。
【特許文献1】特開2001−78304号公報
【特許文献2】特開2007−185083号公報
【特許文献3】特開2007−207140号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、車両の環境対策システムを提供する上では、なお多くの問題点が残されている。
【0004】
本発明の課題は、上記に鑑み、運転者に適切な環境対策情報を提供することが可能な車両用の環境対策システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、給油を受ける燃料タンクと、電力線から電力供給を受ける電力蓄積部と、燃料タンクへの給油情報および電力蓄積部への充電情報を記憶する記憶部と、燃料タンクの燃料および電力蓄積部の電力を消費して走行動力を提供する動力部と、走行距離情報取得部と、記憶部の情報および走行距離情報より走行コストを算出する制御部とを有する車両用の環境対策システムを提供する。これによって異なるエネルギー源によって走行するハイブリッド車のエネルギー消費効率を走行コストの観点から総合的に把握することができる。
【0006】
本発明の具体的な特徴によれば、燃料タンクへの給油情報および電力蓄積部への充電情報をサービススタンドから受信する受信部が環境対策システムに設けられる。これによって走行コスト算出のための情報を自動的に取得することができる。また、本発明の他の具体的な特徴によれば、給油情報は給油量情報および給油単価情報を含むとともに、充電情報は充電量情報および充電単価情報を含む。これによって走行コスト算出のための情報を利用しやすい形で取得することができる。
【0007】
さらに、本発明の他の具体的な特徴によれば、制御部は、走行距離情報取得部により取得された累積走行距離が所定より大きい時、走行コストを算出する。厳密に言えば、走行コストとは走行距離と走行のために消費したエネルギーの関係である。上記特徴によれば、供給を受けたエネルギーを消費したエネルギーと看做すために、累積走行距離が所定より大きい時に走行コストを算出するようにし、妥当でない値が算出されるのを防止している。
【0008】
本発明の他の特徴によれば、給油を受ける燃料タンクと、電力線から電力供給を受ける電力蓄積部と、燃料タンクへの給油量情報および電力蓄積部への充電量情報を記憶する記憶部と、燃料タンクの燃料および電力蓄積部の電力を消費して走行動力を提供する動力部と、距離情報取得部と、記憶部の給油量情報および充電量情報をそれぞれ二酸化炭素排出量情報に換算する換算部と、換算部の二酸化炭素排出量情報および走行距離情報より単位走行距離あたりの二酸化炭素排出量を算出する制御部とを有する車両用の環境対策システムが提供される。これによって異なるエネルギー源によって走行するハイブリッド車の環境への負荷を、二酸化炭素排出量の観点から総合的に把握することができる。
【0009】
上記本発明の具体的な特徴によれば、燃料タンクへの給油量情報および電力蓄積部への充電量情報をサービススタンドから受信する受信部が設けられる。これによって二酸化炭素排出量算出のための情報を自動的に取得することができる。上記本発明の他の特徴によれば、制御部は、走行距離情報取得部により取得された累積走行距離が所定より大きい時、単位走行距離あたりの二酸化炭素排出量を算出する。これによって、供給を受けたエネルギーを二酸化炭素排出の原因となる消費エネルギーと看做すために、累積走行距離が所定より大きい時に二酸化炭素排出量を算出するようにし、妥当でない値が算出されるのを防止している。
【0010】
本発明の他の特徴によれば、エネルギー蓄積部と、エネルギー蓄積部へのエネルギー蓄積料金情報を記憶する記憶部と、エネルギー蓄積部のエネルギーを消費して走行動力を提供する動力部と、走行距離情報取得部と、二酸化炭素排出権取引情報を取得する取引情報取得部と、記憶部の情報、取引情報取得部の情報および走行距離情報より走行コストを算出する制御部とを有することを特徴とする車両用の環境対策システムが提供される。これによって、二酸化炭素排出権取引を考慮した走行コストの把握が可能となり、環境への付加軽減にかかるコストも含めた走行コストの把握が可能となる。なお、上記におけるエネルギー蓄積部は、具体的には、燃料タンクまたは電力蓄積部またはその両者を含む。上記において、制御部は、具体的には、取引情報取得部に二酸化炭素排出権売却情報があるときは記憶部のエネルギー蓄積料金から売却代金を減算するとともに取引情報取得部に二酸化炭素排出権購入情報があるときは記憶部のエネルギー蓄積料金に購入代金を加算する。つまり、二酸化炭素排出権を売却すれば、走行による環境への負荷についての責任は増すが、走行コストを下げることができる。逆に二酸化炭素排出権を購入すれば、環境への負荷についての責任は軽減されるが、走行コストは上がることになる。
【0011】
上記本発明の他の特徴によれば、エネルギー蓄積部にエネルギーを蓄積するサービススタンドからエネルギー蓄積料金情報を受信する受信部を有する。これによって走行コスト算出のための情報を自動的に取得することができる。また、他の具体的な特徴によれば、制御部は、走行距離情報取得部により取得された累積走行距離が所定より大きい時、走行コストを算出する。つまり、供給を受けたエネルギーを消費したエネルギーと看做すために累積走行距離が所定より大きい時に走行コストを算出するようにし、妥当でない値が算出されるのを防止している。
【0012】
本発明の他の特徴によれば、エネルギー蓄積部と、エネルギー蓄積部へのエネルギー蓄積量を記憶する記憶部と、エネルギー蓄積部のエネルギーを消費して走行動力を提供する動力部と、走行距離情報取得部と、二酸化炭素排出権取引情報を取得する取引情報取得部と、記憶部のエネルギー蓄積量情報を二酸化炭素排出量情報に換算する換算部と、換算部の二酸化炭素排出量情報、取引情報取得部の情報および走行距離情報より単位走行距離あたりの二酸化炭素排出量を算出する制御部を算出する制御部とを有する車両用の環境対策システムが提供される。これによって、二酸化炭素排出権取引も含めた形での走行による二酸化炭素排出量の把握が可能となり、走行距離あたりの現実の二酸化炭素排出量に係らず、二酸化炭素排出権取引によって環境への負荷軽減に貢献できる。なお、上記におけるエネルギー蓄積部は、具体的には、燃料タンクまたは電力蓄積部またはその両者を含む。上記において、制御部は、具体的には、取引情報取得部に二酸化炭素排出権売却情報があるときは記憶部のエネルギー蓄積量に売却相当量を加算するとともに取引情報取得部に二酸化炭素排出権購入情報があるときは記憶部のエネルギー蓄積量から購入相当量を減算する。このように二酸化炭素排出権取引によって見かけ上増減するエネルギー蓄積量を二酸化炭素排出量に換算することによって排出権取引も加味した環境への負荷を把握することができる。
【0013】
上記本発明の具体的な特徴によれば、エネルギー蓄積部にエネルギーを蓄積するサービススタンドからエネルギー蓄積量情報を受信する受信部が設けられる。これによって二酸化炭素排出量算出のための情報を自動的に取得することができる。上記本発明の他の具体的な特徴によれば、制御部は、走行距離情報取得部により取得された累積走行距離が所定より大きい時、単位走行距離あたりの二酸化炭素排出量を算出する。これによって、供給を受けたエネルギーを二酸化炭素排出の原因となる消費エネルギーと看做すために、累積走行距離が所定より大きい時に二酸化炭素排出量を算出するようにし、妥当でない値が算出されるのを防止している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る車両充電システムの第1実施例を示すブロック図である。車庫2はプラグインハイブリッドタイプの車両4を収容可能であるとともに、コンセントユニット6を備えている。コンセントユニット6の接続部8と車両4の充電用接続部10の間は、充電ケーブル12で接続可能となっている。充電ケーブル12は、通常車両4に収納されており、充電時に取り出されて図1のように接続される。
【0015】
上記のように、車両4はプラグインハイブリッドタイプであって、その走行メカ14は、燃料タンク16のガソリンを消費して回転するエンジン18および二次電池20の電力を消費して回転するモータ22のいずれによっても駆動可能である。二次電池20は、エンジン18の余剰パワーによって充電されるとともに、充電用接続部10を介して車両4の外部から供給される電力によっても充電可能となっている。
【0016】
充電ケーブル12は、後に詳述するようにPLC(Power Line Communications:電力線搬送通信)システムに組み込まれた電力線となっている。つまり、充電ケーブル12は電力線であるとともに、これに合成されたデジタル通信信号の通信路にもなっている。PLC分波合成部24は充電ケーブル12を介して充電用接続部10が受けた電力を二次電池20に供給するとともに、デジタル通信信号を分波し、車両制御部26に伝達する。一方で、PLC分波合成部24は 車両制御部26からの命令や、記憶部28に記憶されているデータなどを電力線に合成し、充電用接続部10から車両4の外部に出力する。記憶部28には例えば車両4を外部から認証するためのデータなどが記憶される。
車両制御部26はさらに表示部30を制御するとともに、操作部32での手動操作に応じて無線の通信部34から赤外線操作信号36を発生する。この赤外線操作信号は、例えば車庫扉を開閉するための信号である。また、車両制御部26は、二次電池20の充電状況をモニタしている。
【0017】
コンセントユニット6は、PLCシステムに組み込まれた電力線38からの給電をうけており、給電開閉部40を経由して接続部8に接続されている。給電開閉部40は、不要時および不都合時に接続部8への給電を断つ機能とともにメータ等を有するものであり、給電を断つための信号を分波するとともにメータの情報を電力線に合成するためのPLC分波合成部42を有する。その詳細は後述する。
コンセントユニット6はさらに手元表示部44および手元照明部46を有する。手元表示部44はPLC分波部48によって分波されたデジタル通信信号に基づいてコンセントユニット6の手元において充電状況などの表示を行うものである。手元照明部46はPLC分波部50によって分波されたデジタル通信信号に基づいてコンセントユニット6の手元が暗いとき接続部8や手元表示部44を照明するものである。
【0018】
車庫2は、さらに、電力線38に接続された車庫照明部52および車庫扉メカ54を有しており、これらは、やはり電力線38に接続されている車庫制御部56によって制御される。車庫制御部56はPLC分波合成部58を有し、車庫照明部52や車庫扉メカ54などへの制御信号を電力線38に合成して出力する。これらの制御信号はPLC分波部60またはPLC分波部62で分波され、車庫照明部52または車庫扉メカ54を制御する。
例えば、操作部32の車庫扉開放操作に基づいて発生させられた赤外線操作信号36が無線の通信部64で受信されると、車両制御部56に制御されるPLC分波合成部58によって車庫扉開放制御信号が電力線38に合成され、これがPLC分波部62で分波されることによって車庫扉メカ54が駆動されて車庫扉が開く。なお、赤外線信号36は車両4が車庫2に接近することにより自動的に発生させられるよう構成しても良い。
同様に、操作部32の車庫照明点灯操作または接近自動検知により発生させられた赤外線操作信号36が通信部64で受信されると、車両制御部56に制御されるPLC分波合成部58によって車庫扉開放制御信号が電力線38に合成され、これがPLC分波部60で分波されることによって車庫全体を照明するための車庫照明部52が点灯する。
【0019】
なお、上記の第1実施例においては、無線の通信部34および通信部64が赤外線通信機能を有するものとして構成されているが、両者をともに無線LAN通信部として構成することも可能である。この場合、無線通信は赤外線操作信号36に代わる電波によって双方向かつ高速で行うことができ、車両制御部26と後述する住居システム66内の制御コンピュータとの間で種々の情報交換を行うことができる。
また、通信部34を無線LAN通信部として構成する場合、住居システム66内の制御コンピュータが無線LAN通信に対応できるようにしておけば、通信部34と住居システム66との間の直接無線通信により、種々の情報交換を行うこともできる。この場合、記憶部28に記憶される車両4の認証データを、充電ケーブル12経由の他に無線LAN経由でも直接住居システム66に伝達することができる。
【0020】
なお、充電ケーブル12により車庫2と車両4が接続されているときは、操作部32などの操作信号をPLC分波合成部24で電力線に合成することにより、充電ケーブル12から電力線38経由で車庫照明部52または車庫扉メカ54を制御することができる。
また、上記のような車両制御部26からの直接制御に換えて、電力線38の種々のデジタル信号をまずPLC分波合成部58で分波し、これを車両制御部56で処理した後、その結果に基づく専用の制御信号をPLC分波合成部58で電力線38に合成することにより車庫照明部52や車庫扉メカ54などを制御するようにしてもよい。この場合、PLC分波合成部58で分波されるデジタル信号は、車両4からのものだけでなく、車庫2が付属する住居システム66からの情報であってもよい。
【0021】
なお、電力は、引込み線68から売電/買電メータ70を介して分電盤72に引き込まれ、PLC分波合成部74を介して住居内の電力線38に供給される。PLC分波合成部74には光ケーブル76が接続されており、この光ケーブル76から伝えられたデジタル通信信号が電力線38に合成されるとともに、住居内の電力線38を流れるデジタル通信信号が分波されて光ケーブル76から外部に送信される。
ソーラーシステム78は、太陽電池80を有し、発生した電力がインバータ82を介して分電盤72に供給される。ソーラーシステム78から供給される電力が住居内で消費される電力より少ないとき、売電/買電メータ70は買電状態となり、逆にソーラーシステム78から供給される電力が住居内で消費される電力より過剰であるときは、売電/買電メータ70は売電状態となる。
【0022】
住居システム66は、後述する制御コンピュータを有し、住居内を制御しているとともにこの制御に必要なPLC分波合成部84を有している。売電/買電メータ70からの電力売買情報はLANケーブル86によって住居システム66に伝えられ、制御コンピュータで処理される。
【0023】
図2は、図1における車両充電システムの第1実施例において、特に配線関係の詳細を図示したブロック図である。構成自体は図1と全く同一のものなので、対応する部分には同一の番号を付し、必要のない限り説明は省略する。なお、図2では、図1で図示されている構成を一部省略している。例えば、図2では、給電開閉部40などの詳細構成が図示されていないとともに、車両4は全く図示されていない。しかし、これらは、あくまで簡単のために図示を省略しているだけであり、両者は同一の構成なので、第1実施例は図1と図2を総合して理解すべきものとする。
【0024】
図2から明らかなように、第1実施例における電力線は、単相三線電力線となっている。具体的には、図1に図示した引き込み線68は、図2のように第一外線102、第二外線104および中性線106から構成される。中性線106は、家庭内に引きこまれる前に電柱等で接地されている。
これに対応して、図1において分電盤72から家庭内に配線される電力線38も、図2のように第一外線108、第二外線110および中性線112から構成される。第一外線102と第二外線104には、中性線106に対し逆相でそれぞれ100ボルトの交流電圧が供給される。この結果、第一外線108と中性線112の間または第二外線110と中性線112の間から取られたコンセントからはそれぞれ100ボルトの交流電圧が得られるとともに、第一外線108と第二外線110から取られたコンセントからは200ボルトの交流電流が得られる。
【0025】
PLC分波合成部74は光ケーブル76から受信される通信信号を第一外線108と中性線112の間および第二外線110と中性線112の間にそれぞれ合成するととともに、第一外線108と中性線112の間から分波された通信信号および第二外線110と中性線112の間から分波された通信信号のいずれであってもこれを光ケーブル76から送信できるよう構成される。さらに、第一外線108と第二外線110との間には、電力の50Hzまたは60Hz程度の交流帯域はカットするとともに高周波の通信信号は通過させる中継カプラーを有しており、住居内において第一外線108と中性線112の間の通信信号と第二外線110と中性線112の間の通信信号を中継している。このような第一外線108と第二外線110の間のPLC通信信号の中継の詳細は、同一出願人による特願2007−298696に記載されている。
この結果、第一外線108と中性線112の間から取られたコンセントを利用するPLC対応機器、第二外線110と中性線112の間から取られたコンセントを利用するPLC対応機器、および第一外線108と第二外線110から取られたコンセントを利用するPLC対応機器のいずれも相互のPLC通信が可能であるとともに光ケーブル76を通じた外部との通信が可能となる。
【0026】
住居システム66のPLC分波合成部84は、第二外線110と中性線112から取られたコンセントに接続され、100ボルトの交流電流を制御コンピュータ114の電源に供給する。また、PLC分波合成部84は、制御コンピュータ114から出力される通信信号を第二外線110と中性線112の間に合成するととともに、第二外線110と中性線112の間から分波された通信信号を制御コンピュータ114に入力する。
なお、PLC分波合成部84は、図2のように第二外線110と中性線112から取られたコンセントに接続するのに代えて、第一外線108と中性線112から取られたコンセントに接続しても全く同様に機能する。
【0027】
車庫2には、第一外線108、第二外線110および中性線112の三線が配線され、これがコンセントユニット6にもそのまま配線される。コンセントユニット6の内部において、給電開閉部40は第一外線108と第二外線110に接続され、接続部8に200ボルトの交流電流を供給する。これによって、車両4への急速充電を可能とする。
また、手元表示部44は第一外線108と中性線112の間から取られたコンセントに接続されるとともに、手元照明部46は第二外線110と中性線112の間から取られたコンセントに接続されている。
【0028】
さらに、車庫2における車庫照明部52および車庫扉メカ54は第一外線108と中性線112の間から取られたコンセントに接続されるとともに、車庫制御部26は第二外線110と中性線112の間から取られたコンセントに接続されている。
コンセントユニット6の第一外線108と第二外線110の間には、さらに電力の交流帯域はカットするとともに高周波の通信信号は通過させる中継カプラー116が設けられており、車庫2内において第一外線108と中性線112の間の通信信号と第二外線110と中性線112の間の通信信号を中継している。
このような中継は、前述のように分電盤72近傍のPLC分波合成部74でも行われているが、中継部からの電力線長が長くなっている部分における通信信号の減衰に対応するため、車庫2においても第一外線108と第二外線110の間の通信信号を中継し、第一外線108と中性線112を利用するPLC通信と第二外線110と中性線112を利用するPLC通信を中継する。なお、接続部8を介した車両4とのPLC通信は、第一外線108と第二外線110の両方を利用して行われており、これら両線と接地との間で通信信号の分波合成が行われる。
【0029】
図3は、図2と同様にして、図1における車両充電システムの第1実施例を示すブロック図であるが、制御コンピュータ114による制御の詳細を説明するために、特に車庫2のコンセントユニット6における給電開閉部40、および住居システム66の詳細を図示したものである。
図2と同様にして図3の構成自体は図1と全く同一なので、対応する部分には同一の番号を付し、必要のない限り説明は省略する。なお、図3でも、図1または図2で図示されている構成を一部省略しているが、これらは、あくまで簡単のために図示を省略しているだけであり、実施例は同一なので、その構成は図1から図3を総合して理解すべきものとする。
【0030】
給電開閉部40においては、PLC分波合成部42と接続部8の間に充電メータ202および給電スイッチ204が設けられている。この充電メータ202は電力線38から接続部8に流れる電流を検出することによって車両4を充電するために消費された電力をモニタするものである。電力のモニタ結果は制御部206に送られ、これがPLC分波合成部42で電力線38に合成されることにより、制御コンピュータ114に伝えられる。
また、充電メータ202は通常の充電モニタだけでなく、電流検出によって接続部8の出力インピーダンスの検出も行っている。そして、接続部8に車両4以外の予定外の機器が接続された場合における出力インピーダンスの異常を検出すると、これを制御部206およびPLC分波合成部42を介して制御コンピュータ114に通報する。
【0031】
給電スイッチ204は、接続部8に電力を供給すべきでないとの指示を制御部206から受けたとき、給電を遮断するためのものである。制御部206からの指示は制御コンピュータ114が決定しており、例えば上記のように出力インピーダンスが異常の場合や、後述するように車両4の認証が不可であった場合に給電を遮断する。これによって、接続部に来ている200ボルトの電圧が不用意に外部に出力されないよう危険防止を行うとともに、盗電などの防止も行う。
【0032】
制御コンピュータ114は、表示部208およびスピーカ210に接続されており、住居システム66に関する種々の情報を表示またはアナウンスによって住居内に通知する。また、これら表示部208およびスピーカ210は、制御コンピュータ114の制御により、制御部206からの通報により、充電状況、ならびにインピーダンス異常や車両認証不可などの車庫2内の遠隔情報を住居内にいても知ることができるようにする。
【0033】
図4は、図2、図3と同様にして、図1における車両充電システムの第1実施例を示すブロック図であるが、給電制御の詳細を説明するために、特に給電開閉部40における給電スイッチ204等の詳細を図示したものである。
図2、図3と同様にして図4の構成自体は図1と全く同一なので、対応する部分には同一の番号を付し、必要のない限り説明は省略する。なお、図4ではコンセントユニット6以外の構成について簡単のため図示を省略しているが、実施例は同一なので、その構成は図1から図4を総合して理解すべきものとする。
【0034】
図4から明らかなように、本発明の第1実施例における給電スイッチ204は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)302を有し、制御部206からの制御信号に基づいて充電メータ202と接続部8の間を導通させるか非導通とするかのスイッチングを行う。IGBT302には並列にハイパスフィルタ304が接続されており、IGBT302の導通・非導通に係らず、PLC通信における高周波のデジタル信号を通過させる。ハイパスフィルタ304は、電力の50Hzまたは60Hz程度の交流帯域はカットしているので電力を供給するか否かは専らIGBT302が決定する。
中性線112はコンセントユニット6においてに示すように接地306がとられている。中性線の接地は、中性線106が家庭内に引きこまれる前に電柱等で行われているが、安全のため、コンセントユニット6でも行われる。また、PLC分波合成部42は接地306に接続されており、第一外線108と第二外線110の両方を利用して、これら両線と接地との間で通信信号の分波合成が行われるようにしている。
【0035】
図4から明らかなように、接続部8にはさらに接続部8への接続が予定されている充電ケーブル12の接続プラグの形状をメカ的に検出し、これを制御部に伝達するための接続部メカセンサ308が設けられており、従って、接続部8への電気的接続が行われたとしても、接続プラグの形状が所定のものであることが接続部メカセンサ308で検出できなかったときは、その旨が制御部206からPLC分波合成部42を介して制御コンピュータ114に通報する。そしてこれを受けた制御コンピュータ114は、IGBT302を非導通にする信号を制御部206に送り、接続部に来ている200ボルトの電圧が定格外の機器に出力されないよう危険防止を行うとともに、盗電などの防止も行う。
【0036】
図5は、制御コンピュータ114の基本動作を示すフローチャートである。このフローは、接続部8への充電ケーブル12の接続、または、充電ケーブル12が接続されている状態において深夜料金となる充電開始時間が到来したときスタートする。
フローがスタートすると、ステップS2で車両に認証のためのIDの送付を車両4に要求する。そしてステップS4でIDの受領があったかどうかチェックし、受領を検出すればステップS6に進んでIDが登録済みのものと一致するかどうかチェックする。ステップS6でIDの一致が検出されるとステップS8に進み、パスワードの要求が行われる。そしてステップS10でパスワードの一致が検出されるとステップS12に進む。
以上のステップにおけるIDおよびパスワードの要求および送信はPLCシステムを通じて有線で行われるが、通信部34および64を通じて無線で行ってもよい。
【0037】
ステップS12では、充電ケーブル12が接続されている状態において充電開始時間が到来することによる割り込みによってフローがスタートしたのかどうかチェックする。
ステップS12で時間到来割り込みであることが検出されなかったときは、充電ケーブル12の接続によってフローがスタートしたことを意味するからステップS14に進み、深夜割引料金の適用などを含む時間帯別電灯契約がなされているかどうかをチェックする。
【0038】
ステップS14で時間帯別伝統契約が行われていることが検出されるとステップS16に進み、深夜時間帯か否かにかかわらず直ちに充電を開始するための緊急充電操作が行われているかどうかチェックする。
そして、ステップS16で緊急充電操作が検出されなければステップS18に進んで深夜料金等の割引時間帯かどうかチェックし、該当すればステップS20に進んで給電処理を実行する。そして給電処理の完了によりフローを終了する。給電処理の詳細については後述する。
【0039】
一方、ステップS12で時間到来割込みによりフローがスタートしたことが検出されたとき、またはステップS14で時間帯別伝統契約が行われていることが検出されなかったとき、またはステップS16で緊急充電操作が検出されたときは、それぞれ、直ちにステップS20の給電処理に入る。
また、ステップS18で割引時間帯であることが検出されなかったときはステップS22に進み、割引時間帯の到来を検出するための時間モニタを開始する。さらに、ステップS24で、時間到来検出によって図5のフローをスタートするための割込みを可能とする処置を行ってフローを終了する。これによって制御コンピュータ114は、時間到来への待機状態となる。
なお、ステップS4でID受領が検出できなかったとき、又はステップS6でID一致が検出できなかったとき、またはステップS10でパスワードの一致が検出できなかったときは、ステップS26に進んで異常の記録と通報を行い、直ちにフローを終了する。この通報は、図3の表示部208またはスピーカ210にて行われる。
【0040】
図6は、図5のステップS20における給電処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS32で充電ケーブル12が接続されている状態において充電開始時間が到来することによる割り込みによってフローがスタートしたのかどうか改めてチェックする。
そして時間到来割込みによるスタートであった場合はステップS34で時間モニタをキャンセルするとともにステップS36で時間到来割込みを不可としてステップS38に進む。一方時間到来割込みでなかったときは、直接ステップS36に移行する。
【0041】
ステップS38では、図4の接続部メカセンサ308によって充電ケーブル12の専用プラグの接続が検出されたかどうかチェックし、専用プラグであればステップS40に進んで給電スイッチ204をオンする。これによって接続部8に200ボルトの電源電圧が印加される。
次いでステップS42で、充電メータ202からの信号に基づいて充電ケーブル12以降の結線がOKで電流が流れるかどうかのチェックが行われる。そして結線がOKであれば、ステップS44に進み、やはり充電メータ202からの信号に基づいて出力インピーダンスが予定通りでOKかどうかのチェックが行われる。
【0042】
ステップS44で出力インピーダンスがOKである旨の検出ができるとステップS46に進み、エコ表示処理に入る。その詳細は後述する。
エコ表示処理が終了するとステップS48に進み、充電メータ202または車両の二次電池20からの情報により、充電が完了したかどうかチェックする。そして充電完了が検出できなければステップS42に戻り、以下、結線やインピーダンスの異常がない限り、充電完了までステップS42からステップS48を繰り返す。
ステップS48で充電完了が検出されるとステップS50に進み、給電スイッチをオフとともにステップS52のエコ表示処理に進む。そしてエコ表示処理が完了するとフローを終了する。
【0043】
一方、結線がOKであることがステップS42で検出できないとき、またはステップS44で出力インピーダンスがOKであることが検出できないときはステップS54で異常の記録と通報のための処置をして直ちにステップS50に移行し、給電スイッチをオフする。なお、ステップS40で給電スイッチをオンしてからこのような異常によりステップS50で給電スイッチをオフするまでの時間は極短いので、実質的に接続部8から電力が取り出されることはなく、危険もない。
また、ステップS38において専用プラグであることが検出できないときはステップS56に進んで異常の記録と通報のための処置を行い、直ちにフローを終了する。
【0044】
図7は、図6のステップS46およびステップS52におけるエコ表示処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS62で充電中かどうかのチェックが行われ、充電中であればステップS64に進んで現時点での充電割合を表示するため処置を行うとともにステップS66で充電完了予定時間を表示するための処置を行ってステップS68に移行する。
さらにステップS70に進んでコンセントユニット6の手元表示を行わせるための指示を行ってステップS70に移行する。以上は、図5のステップS46の時点での動作に該当する。
【0045】
一方、ステップS62で充電中であることが検出されない場合は、ステップS72に進み、充電完了状態かどうかのチェックを行う。そして、充電完了であれば、ステップS74に進んで充電完了を表示するため処置を行うとともにステップS76で充電完了をアナウンスする音声通報を行うための処置を行う。さらに、ステップS78でコンセントユニット6の手元照明46を点滅させるための処置を行ってステップS68に移行する。これは、手元表示44における充電完了表示を目立たせるためであるとともに、手元照明46だけでも充電完了を通知できるようにするためである。
また、ステップS72において充電完了が検出されない場合は、充電中でも充電完了でもないので直接ステップS70に移行する。
以上のステップS72からステップS78を経由してステップS68に至る動作、又はステップS72から直接ステップS70に至る動作は、図5のステップS52の時点での動作に該当する。
【0046】
ステップS70では、車両4への月間の累積充電量を表示する。そしてステップS80に進んで、ソーラーシステム78や風力発電など、売電が生じる可能性もあるエコ発電システムが住居内に導入されているかどうかがチェックされる。
エコ発電システムが導入されていればステップS82に進み、月間の累積エコ発電量を表示する。さらにステップS84で、月間の累積エコ発電量と月間の車両4への累積充電量とのバランスを表示する。これによって、車両4の充電が自然エネルギーによる割合等を知ることができる。さらにステップS86によってステップS84のバランスを二酸化炭素(以下「CO2」)排出量に換算して表示しステップS88に至る。これらが、車両4とその充電システムの採用による地球環境保護への貢献度合いを表示するエコ表示の内容である。
なお、ステップS80でエコ発電システムの採用が検出できないときは、以上のようなエコ表示を省略し、直接ステップS88に至る。
【0047】
ステップ88では、充電中であるかどうかが再度チェックされ、充電中であることが検出されなければステップS90に進んで表示終了操作をしたかどうかがチェックされる。操作がなければ、ステップS92に進み、表示を開始してから所定時間が経過したかどうかがチェックされる。そして、所定時間の経過がない場合はステップS62に戻り、以下、充電中でなく、かつ所定時間が経過しない限り、ステップS62からステップS62からステップS92を繰り返す。これは充電完了後の表示を所定時間継続するためである。
なお、ステップS92で所定時間が経過するとエコ表示処理フローは終了される。また、ステップS90で表示終了操作が行われたことが検出された場合もエコ表示処理フローは終了となる。以上は、図6のステップS52の場合の動作に該当する。
【0048】
一方、ステップS88で充電中であることが検出された場合も図7のエコ表示フローは終了されるが、これは、図6のステップS46の動作に該当しており、ステップS42を経由して再びステップS46のエコ表示処理に入ることになる。
【0049】
なお、図7のエコ表示のためのフローチャートは、以上のようにして、図6のステップS46およびステップS52の詳細フローとして給電処理の一部として機能する他、給電とは無関係に、制御コンピュータ114に表示開始操作信号が伝えられることによる割込みによっても動作する。この場合は、ステップS62からステップS72を経由し、直接ステップS70に飛ぶ動作となる。
【0050】
以上、本発明の第1実施例では、プラグインハイブリッドタイプの車両4を収容可能な車庫2を含む車両充電システムが開示されている。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、ガソリンエンジンを用いない純粋の電気自動車およびこれを収容可能な車庫を含む車両充電システムにも採用可能である。
また、第1実施例におけるような住居に付属する車庫だけでなく、業務用の駐車場においても本発明の種々の特徴は適用可能である。
【0051】
図8は、本発明の実施の形態に係る車両充電システムの第2実施例を示すブロック図である。第1実施例は一般家庭用の車庫における実施に好適な用構成されていたが、第2実施例は、業務用の月極駐車場または都市や店舗の訪問者用駐車場などにおける実施に好適なよう構成されている。なお、図8は図3と同様の構成が多いので、同一の構成には同一番号を付すとともに、対応する構成については、図8において500番台の番号を付すとともに下二桁の数字を図3と共通にして図示している。これらの構成については、必要のない限り、説明は省略する。
駐車場602は、上記のように業務用の月極駐車場または都市や店舗の訪問者用駐車場であり、車両4を駐車させることができる。コンセントユニット506は図3のコンセントユニット6と同様にして車両4に充電を行うものであるが、給電制御コンピュータ604によって制御されている。給電制御コンピュータ604は、図3の制御部206に準じた機能を持つが、その詳細は後述する。
【0052】
駐車場602は、決済コンピュータ606によって制御されている。この決済コンピュータ606は図3の制御コンピュータ114に対応するものであるが、図8の第2実施例では主に、インターネットで結ばれる銀行システム608と連携して充電電力の決済を担当する。具体的には、買電メータ570を通じて購入する電力をコンセントユニット506から車両4に供給するとともに、最終的に車両4が買う電力の料金が銀行システム608における車両4の所有者口座から引き落とされるよう決済する。給電制御コンピュータ604は、後述のように、このような決済コンピュータ606と連携してコンセントユニット506から車両4への給電を制御する。
なお、図8の第2実施例においても、光ケーブル576を通じた通信信号はPLC分波合成部576によって駐車場602内の電力線538に分波合成され、駐車場602内の通信はPLCによって行われる。また、図8では、コンセントユニットが一つしか図示されていないが、駐車場602は複数の車両が駐車可能なよう構成されており、後述するように同様のコンセントユニットが複数設けられている。
【0053】
図9は、図8の第2実施例におけるコンセントユニット506の構造の詳細を示すブロック図である。図8と共通する構成には同一の番号を付し、必要のない限り、説明は省略する。なお、図9では、図8で図示されている構成を一部省略している。しかし、これらは、あくまで簡単のために図示を省略しているだけであり、両者は同一の構成なので、第2実施例は図8と図9を総合して理解すべきものとする。
図9から明らかなように、第2実施例ではコンセントユニット506が駐車スペースに設けられる右側車輪止め702に設けられている。そして接続部508は、右側車輪止め702の右側面の凹部704に風雨を避けるため下向きに配置されていて、車両4がバックで駐車したときにその右側後輪近傍に位置するようになる。
【0054】
接続部508には、不使用時に接続部508を防塵するし保護するためのキャップ706が装着可能となっている。接続部/キャップメカセンサ708は図4の接続部メカセンサ308と同様にして接続部508に接続される接続プラグの形状が所定のものであるか否かを検出するとともに、キャップ706の着脱も検出し、その結果を給電制御コンピュータ604に入力する。
上記のように右側車輪止め702に設けられた接続部508は、車両4の右側に充電用接続部10がある場合に適するが、充電用接続部10が左側にある車両4が駐車される場合のために、同様の構成の補助接続部710が左側車輪止め712の左側面の凹部714にも設けられている。補助接続部710には、右側の接続部と同様にキャップ716が着脱可能であるとともに接続/キャップメカセンサ718が設けられている。
【0055】
補助接続部710に車両4の接続プラグが接続される場合の給電制御のために、右側の給電スイッチ504と同様の補助給電スイッチ720が設けられており、接続部/キャップメカセンサ718による検出結果に基づき、給電制御コンピュータ604によってそのオンオフが制御されるようになっている。補助接続部710と補助給電スイッチ720は左側車輪止め712への設置を容易にするため、コンセントユニット内にまとめられている。但し、コンセントユニット506とは異なり、給電制御コンピュータ604、充電メータ502PLC分波合成部542は有しておらず、補助給電スイッチ720への電力線入力部と給電制御コンピュータとの通信ライン接続部を有する簡単な構成となっている。
このように、右側の接続部508および左側の補助接続部710からの給電を別々に制御し、接続部毎に独立に給電スイッチを設けたことにより、接続プラグが接続されていない接続部に電圧が印加されるような不測の事態を防止することができる。
【0056】
なお、給電制御コンピュータ604は、同一の車止め702に設けられた右側の接続部508および左側の補助接続部710の一方から給電を開始したときは、この給電が継続する限り、その後他方の接続部に車両4の接続プラグが接続されたことを検出しても、この他方の接続部から給電が行われることがないよう給電スイッチ504または補助給電スイッチ716を制御する。
これは左右に接続部を設けた結果、二つの接続部から同時に充電が行われて、定格以上の電流が一つのコンセントユニットに流れるのを防止するためである。なお、図9から明らかなように右側の接続部508および左側の補助接続部710のいずれを利用して充電を行った場合でも、充電メータ502は共通なので決済に影響はない。
【0057】
図10は、図8および図9の第2実施例における駐車場602に複数設けられているコンセントユニットの配置を示すブロック図である。図8または図9と共通する構成には同一の番号を付し、必要のない限り、説明は省略する。なお、図10では、図8または図9で図示されている構成を一部省略している。しかし、これらは、あくまで簡単のために図示を省略しているだけであり、両者は同一の構成なので、第2実施例は図8から図10を総合して理解すべきものとする。
図10から明らかなように、コンセントユニット506が設けられた右側車輪止め702は、第1駐車スペース802に配置されている。なお、図10では、既に述べた図示の簡単のため、第1駐車スペース802に配される左側車輪止め712の図示を省略している。これは他の駐車スペースでも同様である。
【0058】
同様にして、第2駐車スペース804には、第2車輪止め806が配置されており、コンセントユニット506と同様の第2コンセントユニット808が設けられている。他の駐車スペースにも同様のコンセントユニットつき車輪止めが設けられているが、簡単のため、図示は省略する。これらのコンセントユニットの通信はPLCによるため、駐車スペース増設の際には各車輪止めに充電用電力線を配線するだけでよい。
【0059】
一方、第3駐車スペース810の第3車輪止め812には、PLCによる通信に対応していない第3コンセントユニット814が設けられている。第3コンセントユニット814の給電開閉部816は、図8または図9と同様の充電メータ818、給電スイッチ820および接続部822を有するが、給電制御コンピュータ824の通信方式が異なる。
第3コンセントユニットでは、PLCに代わって、無線LAN通信部826が司り、決済コンピュータ606に接続された無線LANルータ828と通信している。このように、駐車場602が無線LANの環境下にあれば、コンセントユニットに無線LAN通信部826を搭載すれば、電力線の配線だけで駐車スペースの増設に対応できる。なお、LANケーブルの配線も可能であれば、有線のLANにより給電制御コンピュータ824と決済コンピュータ606の間の通信を行ってもよい。
【0060】
図11は、第2実施例における図8から図10のコンセントユニット506が備える給電制御コンピュータ604または図10における第3コンセントユニット814が備える給電制御コンピュータ824の基本動作を示すフローチャートである。このフローは、図9における接続部508のキャップ706または補助接続部710のキャップ712が取り外されたことを接続部/キャップメカセンサ708または714が検出することによってきスタートする。
フローがスタートすると、ステップS102でキャップの取り外しから所定時間内にプラグの装着が行われたかどうかチェックし、所定時間経過まではステップS102を繰り返す。
【0061】
ステップS102で所定時間内にプラグの装着が行われたことが検出されるとステップS104に進み、接続部/キャップメカセンサ708または714によって充電ケーブル12の専用プラグの接続が検出されたかどうかチェックし、専用プラグであればステップS106に進んで決済コンピュータ606との通信を開始する。
次いでステップS108に進み、決済コンピュータ606からの指示に基づき、車両認証のためのID送付を車両4に要求する。そしてステップS110でIDの受領があったかどうかチェックし、受領を検出すればステップS112に進んでIDが登録済みのものと一致するかどうかチェックする。
【0062】
ステップS112におけるチェックは具体的には次のようにして行われる。まず、受領したIDは決済コンピュータ606の中継で銀行システム608に送られ、銀行システム608において口座に登録されたIDとの一致が確認されるとこれが決済コンピュータ606経由で給電制御コンピュータに通知される。
この通知によりステップS112でIDが登録済みのものと一致することが確認されるとステップS114に進み、パスワードの要求が行われる。そしてステップS116でパスワードの一致が検出されるとステップS118に進む。ステップS118では、IDおよびパスワードで認証された顧客の口座に引き落とし可能な預金があって決済可能かどうかのチェックが行われ、決済がOKであればステップS120に進む。
【0063】
ステップS116およびステップS118のチェックはともに、ステップS112と同様にして決済コンピュータ606の中継による銀行システム608との交信により行われる。なお、決済コンピュータ606は単に情報の中継を行うだけでなく、自らチェック結果の判断を行い結果の指示だけを給電制御コンピュータ604または824に伝達するだけでもよい。
【0064】
ステップS120では給電スイッチ504または716または820がオンされ、これによって対応する接続部に200ボルトの電源電圧が印加される。
次いでステップS122で、充電メータ502または818からの信号に基づいて充電ケーブル12以降の結線がOKで電流が流れるかどうかのチェックが行われる。そして結線がOKであれば、ステップS124に進み、やはり充電メータ502または818からの信号に基づいて出力インピーダンスが予定通りでOKかどうかのチェックが行われる。
【0065】
ステップS44で出力インピーダンスがOKである旨の検出ができるとステップS128に進み、充電メータ502や818または車両の二次電池20からの情報により、充電が完了したかどうかチェックする。そして充電完了が検出できなければステップS122に戻り、以下、結線やインピーダンスの異常がない限り、充電完了までステップS122からステップS128を繰り返す。
ステップS128で充電完了が検出されるとステップS130に進み、給電スイッチをオフとともにステップS132の決済処理に進む。そして決済処理が完了するとフローを終了する。なおステップS132における決済処理は充電電力料金を銀行口座からの引き落とす通常の決済処理である。
【0066】
一方、結線がOKであることがステップS122で検出できないとき、またはステップS124で出力インピーダンスがOKであることが検出できないときはステップS134で異常の記録と通報のための処置をして直ちにステップS130に移行し、給電スイッチをオフする。
なお、図6でも説明したようにステップS120で給電スイッチをオンしてからこのような異常によりステップS130で給電スイッチをオフするまでの時間は極短いので、実質的に接続部508、710または822等から電力が取り出されることはなく、危険もない。
【0067】
また、ステップS102でステップキャップの取り外しから所定時間内に接続プラグの装着が検出できなかったとき、または、S104において専用プラグであることが検出できないときはステップS136に進んで異常の記録と通報のための処置を行い、直ちにフローを終了する。
同様に、ステップS110でID受領が検出できなかったとき、又はステップS112でID一致が検出できなかったとき、又はステップS116でパスワードの一致が検出できなかったとき、又はステップS118で決済がOKであることが検出できなかったときも、ステップS136に進んで異常の記録と通報を行い、直ちにフローを終了する。この通報は、決済コンピュータ606に対して行われ、必要に応じ、決済コンピュータ606経由で銀行システム608に対しても通報される。
【0068】
なお、本発明の実施は以上の実施例に限られるものではなく、本発明の利点は他の種々の実施例によって達成できる。例えば、図4における給電スイッチ204にはIGBT302を用いているがこれに代えて、シリコンカーバイド(SiC)のパワー半導体素子を用いてもよい。
【0069】
図12は、本発明の実施の形態に係る第3実施例を示すブロック図である。第3実施例も上記の第1実施例および第2実施例と同様にして車両の充電システムを構成するものであるが、特にハイブリッドタイプの車両の燃費管理に関する特徴を有し、その特徴の一部は充電を伴わない通常のガソリンエンジンタイプの車両にも適用可能である。図12はこのような特徴を説明するため給電および給油が可能なサービススタンド904およびハイブリッドタイプの車両904をブロック図にて図示している。図12の車両904の構成は、図1の車両4と同一であるが、図1では省略していた構成を付加している。以下これらの付加構成を中心に説明するが、図1で既に言及した構成については、同一番号を付すとともに、必要のない限り、説明は省略する。
【0070】
図1では触れていなかったが、車両904は、サービススタンド902における給油または充電またはその両者(以下これらを総じて「パワー注入」と称する)のための総合パワー注入口906を有し、充電用接続部10は給油口908とともにこの総合パワー注入口906にまとめられている。なお、総合パワー注入口906は充電用接続部10近辺でのスパークによる引火を避けるため、両者を電気的および空間的に隔てる配置および構成とする。さらに、同様の目的のため、充電ケーブル12が確実に充電用接続部10に接続されたことが確認されない限り、給電は開始されず、また給電中は充電ケーブル12を充電用接続部10から取り外すことはできない。
【0071】
サービススタンド902側には、総合パワー注入口906に接続するための総合パワーケーブル910が設けられており、充電ケーブル12は給油パイプ912とともにこの総合パワーケーブル910にまとめられている。なお、図12では総合パワーケーブル910が巾の広いブロック状に図示されているが、これは概念上のことで、実際の総合パワーケーブル910は、充電ケーブル12および給油パイプ912を一本の可撓性のあるケーブルとしてまとめたものである。なお、総合パワーケーブル910は、破損による充電ケーブル12から給油パイプ912への引火を防止するため、外周に破損センサ913が設けられており、総合パワーケーブル910が破損したときは、その破損が内部に達する前に破損センサで検知され、これがサービススタンド制御部922に伝えられて充電ケーブル12への給電を断つよう構成される。この目的のための破損センサ913は、例えば総合パワーケーブル910の外周を覆うようその表面から浅い部分にケーブルに沿って網目状に這わされた微弱電流の信号線であり、この信号線の断線をサービススタンド制御部922で検知することで総合パワーケーブル910の破損が外部から始まったものと判断する。
【0072】
総合パワー注入口906には、家庭または駐車場のコンセントユニット6からの充電ケーブルを単独で接続することも可能である。この場合、充電ケーブル12が単独で充電用接続部10に接続され、給油口908は開かれない。図1や図8はこのような状態を図示したものである。図12の車両904には、燃料タンク16の油量を検出する油量計914、エンジン18へのガソリン噴射の状況および走行メカ14からの速度をモニタして瞬間燃費を算出する瞬間燃費計916、走行メカ14に基づくトリップメータ917および二次電池20から車両904全体への電源供給を行う電源部918が図示されているが、これらは図1の車両9にも備えられているものである。これら油量計914、瞬間燃費計916およびトリップメータ917の情報は車両制御部26に伝達される。
【0073】
サービススタンド902における燃料貯蔵庫918に蓄えられたガソリンは、サービススタンド制御部922の制御により給油計920を介して給油パイプ912から車両904の給油口908に供給される。給油計920で計測される給油量のデータはサービススタンド制御部922に送られて後述の課金処理に供される。一方、給電源924からの電力は、サービススタンド制御部922の制御により給電計926を介して接続部928から充電ケーブル12経由で車両904の充電用接続部10に供給される。給電計926で計測される給電量のデータはサービススタンド制御部922に送られて後述の課金処理に供される。なお、給電計926と接続部928の間には既に説明したのと同様のPLC分波合成部928が設けられており、充電ケーブル12を介したサービススタンド制御部922と車両制御部26の間のPLC通信を可能としている。
【0074】
サービススタンド制御部922は、給油計920または給電計926またはその両者から、給油データまたは給電データまたはその両者を受信すると、これを課金部930に送る。課金部930では、受信したデータに応じ、給油量、ガソリン単価、請求ガソリン代、給電量、電気代単価、請求電気代を集計して計算する等の処理を行う。このとき車両904とサービススタンド902の間でCO2排出権取引があればその収支も合算処理する。この取引情報は、車両制御部26が通信部34または充電用接続部10経由でサービススタンド902から取得し、記憶部28に記憶する。なお、CO2排出権取引に関する情報は、は家庭における充電時において、図2の住居システム66の制御コンピュータ114から充電ケーブル12または通信部34を介して受信することもできる。
【0075】
サービススタンド制御部922は、課金部930による処理結果のデータを入出力部932から出力し、インターネット経由で銀行システム934に送ってガソリン代や電気代の電子決済を任せる。またサービススタンド制御部922は、課金部930による処理結果のデータを入出力部932から出力し、インターネット経由で燃費管理外部サーバ936に送る。燃費管理外部サーバ936には、さらに車両904のトリップメータ917の情報が車両制御部26からサービススタンド制御部922を中継してインターネット経由で伝えられる。これらの情報により燃費管理外部サーバ936は燃費の計算が可能となる。計算される燃費としては、給油量が満タン方による燃費算出条件に合致していれば給油の都度の燃費計算が可能となるし、累積給油回数が所定以上であれば満タン給油でなくても累積平均燃費の計算が可能となる。燃費管理外部サーバ936の処理結果は、サービススタンド制御部922を経由して車両制御部26にフィードバックすることもできる。また、燃費管理外部サーバ936は多数の車両からのデータを集約した統計処理も行っており車両制御部はこのような統計データのフィードバックも受けることができる。
【0076】
一方、サービススタンド制御部922は、課金部930による処理結果のデータをPLC分波合成部928により電力線に合成する。これによって、給油量、ガソリン単価、請求ガソリン代、給電量、電気代単価、請求電気代等の実績データがサービススタンド制御部922から車両制御部26に伝えられる。車両制御部26は、このようにして伝えられた給油量が満タン法による燃費算出条件に合致していれば、このデータでトリップメータ917の情報に基づく走行量のデータを割り算して燃費を自動算出する。サービススタンド902から車両904へのデータ転送は、上記のような充電ケーブル12を介したPLC通信による他、データは通信部938から通信部34への無線LAN通信によって行うこともできる。このような無線LAN通信はサービススタンドに充電機能がなく充電ケーブル12によるPLC通信が行えないときに特に有用である。
【0077】
図13は、図12の第3実施例における車両制御部26の基本動作を示すフローチャートである。このフローは、車両制御部26が二次電池20からの給電を受けて立ち上がり、以後、二次電池20からの給電が断たれるまで動作状態を維持するが、後述のように、イグニションのONまたは外部からの総合パワー注入口への接続がない限り、これらを待つ状態となり、実質的な動作の実行はない。
【0078】
フローがスタートすると、ステップS202で、イグニションがオンとなったかどうかチェックされる。そしてイグニションのオンが検出されるとステップS204に進み、車両904の初期機能チェック処理が行われる。次いでステップS206で車両904の走行開始操作が行われたかどうかチェックが行われる。走行開始操作が検出されるとステップS208に進み、総合パワー注入口906にケーブルが接続中であるかどうかチェックする。そして接続中でなければステップS210に進み、今回の走行前の最新の燃費記憶を記憶部28から読み出し、ステップS212でこれを表示する。
【0079】
以上の後、ステップS214の走行処理に移行する。上記のように、ステップS206で走行開始操作が行われても、ステップS208で総合パワー注入口にケーブルが接続中でないことが確認されないとステップS214の走行処理に移行して走行を実行することはない。これは、例えば家庭の車庫において電力料金の安い深夜に充電を行わせておいたまま翌朝ケーブルをはずすのを忘れて走行を開始してしまうような事故を防止する意味がある。なお、ステップS208で総合パワー注入口が接続中であることが検出されるとステップS216に移行し、ケーブルを除去する旨の警告を行ってステップS206に戻る。このようにしてケーブルが除去されない限りステップS206、ステップS208およびステップS216が繰り返され、ステップS214の走行処理に至ることがない。
【0080】
ステップS214の走行処理の詳細は後述するが、この処理は走行停止で終了し、ステップS218に移行する。ステップS218は、総合パワー注入口にケーブルが接続されたかどうかをチェックするためのものである。なお、ステップS202においてイグニションがオンとなったことが検出されない場合は、直接ステップS218に移行する。また、ステップS206で走行開始操作が検出されない場合も、直接ステップS218に移行する。このように、イグニションのオンオフ状態に係らずステップS218における総合パワー注入口接続チェックが行われる。
【0081】
ステップS218で総合パワー注入口へのケーブル接続が検出されるとステップS220に進み、給油/給電処理に移行する。その詳細は後述する。給油/給電処理が終了するとステップS222に進み、イグニションがオフになったかどうかチェックする。そしてオフでなければフローはステップS206に戻り、次の走行開始操作または総合パワー注入口接続を待つ。一方ステップS222でイグニションのオフが検出されるとフローはステップS202に戻り、次のイグニションオンまたは総合パワー注入口接続を待つ。
【0082】
図14は、図13のステップS214における走行処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートするとステップS232で瞬間燃費計からのデータの表示を開始する指示を行うとともにステップS234で瞬間燃費計からのデータの蓄積を指示する。そしてステップS236に進み、モータ22による走行を指示する。車両904はハイブリッド車なので、このようにエンジン18の効率の悪い走行開始時点ではモータ22による走行を指示する。
【0083】
次いでステップS238で、走行モードが電動モードに設定されているかどうかチェックする。電動モードとは二次電池20の電力を消費してモータ22のみを動力として走行する電気自動車モードである。ステップS238で電動モードの設定が検出されない場合はハイブリッドモードであるのでステップS240に進み、走行モードが最適効率ハイブリッドモードに設定されているかどうかチェックする。そしてこのモード設定が検出されるとステップS242に進み、最適効率ハイブリッド走行処理が行われる。この処理は、その時点での走行をモータ22によって行うかエンジン18によって行うかを燃費最優先で決定する処理である。つまり、二次電池20の電力が潤沢であることを前提とし、エンジン走行の燃費効率が悪いとどんどんモータ走行を選択するので二次電池20が消耗していくことになる。なお、ハイブリッド走行では制動時等のモータ逆起電力により二次電池20を充電するので、走行状態によっては、最適効率ハイブリッド走行においても二次電池20の充電状況が走行により復活することもある。
【0084】
ステップS242においてその時点の走行選択が行われる度にフローはステップS244に進み走行が停止したかどうかチェックする。そして停止でなければステップS246に進み、二次電池20の充電が最低限度に達しているかどうかチェックする。最低限度を割っていなければフローはステップS242に戻り、以下走行停止または充電最低限が検出されない限りステップS242からステップS246を繰り返して最適効率ハイブリッド走行を継続する。ステップS244で走行停止が検出されるとその時点で図14の走行処理は終了する。
【0085】
一方、ステップS246において二次電池20が消耗して充電最低限を割ったことが検出されるとステップS248に移行し、通常ハイブリッド走行処理に移行する。この処理では、エンジン走行とするかモータ走行とするかを燃費効率によって決定するとともに、二次電池20が充電最低限を割ると強制的にエンジン走行を選択し、二次電池20が充電最低限に復活するまでエンジン走行を継続して充電を行うものである。この処理による走行選択が行われる度にフローはステップS2250に進み、走行が停止したかどうかチェックする。そして停止でなければステップS248に戻り、以下走行停止が検出されない限りステップS248とステップS250を繰り返して通常ハイブリッド走行を継続する。このように通常ハイブリッド走行処理は外部からの充電を前提としないハイブリッド走行処理である。ステップS250で走行停止が検出されるとその時点で図14の走行処理は終了する。
【0086】
ステップS240で最適効率モードの設定が検出されないときはステップS252の循環ハイブリッド走行処理に移行する。この処理は、外部からの充電を前提としないハイブリッド走行を行う点では通常ハイブリッド走行処理と共通するが、プラグインハイブリッド車において外部から充電した電力を電動モードへの切換え時等のためにほぼフル充電状態に温存しつつハイブリッド走行を行う点が異なる。つまり、エンジン走行とするかモータ走行とするかを通常ハイブリッド走行処理におけると同様の燃費効率によって決定するが、エンジン走行への強制切換えは二次電池20が充電最低限になるはるか以前の段階で後述するステップによって行う。
【0087】
ステップS252においてその時点の走行選択が行われる度にフローはステップS254に進み走行が停止したかどうかチェックする。そして停止でなければステップS256に進み、二次電池20の充電がフル充電維持限界に達しているかどうかチェックする。フル充電維持限界でなければフローはステップS252に戻り、以下、走行停止またはフル充電維持限界が検出されない限りステップS252からステップS256を繰り返して循環ハイブリッド走行を継続する。ステップS254で走行停止が検出されるとその時点で図14の走行処理は終了する。
【0088】
ステップS256でフル充電維持限界を割ったことが検出されるとフローはステップS258のエンジン走行処理に進み、強制的にエンジン走行を選択する。そしてステップS260に進み、走行が停止したかどうかチェックする。停止でなければステップS262に進み、二次電池20の充電がフル充電に復帰したかどうかチェックする。フル充電に復帰していなければフローはステップS258に戻り、以下走行停止またはフル充電復帰が検出されない限りステップS258からステップS262を繰り返してエンジン走行処理を継続し、二次電池20への充電を行う。ステップS254で走行停止が検出されるとその時点で図14の走行処理は終了する。
【0089】
ステップS262でフル充電復帰が検出されるとフローはステップS238に戻る。これは、フル充電状態から電動モードまたは最適効率モードへの切換えを可能とするためである。これらの切換えが行われない限り、フローはステップS238からステップS240を経由してステップS252に進むので、以下、ステップS260で走行停止が検出されない限り、ステップS238、ステップS240およびステップS252からステップS262が繰り返されて二次電池をほぼフル充電状態に温存しながらハイブリッド走行を継続する。ステップS260で走行停止が検出されるとその時点で図14の走行処理は終了する。
【0090】
ステップS238電動モードが検出された時はステップS264に進み、強制的にモータ走行を選択する。そしてステップS266に進み、走行が停止したかどうかチェックする。停止でなければステップS268に進み、二次電池20の充電が充電最低限に達したチェックする。充電最低限を割っていなければフローはステップS264に戻り、以下走行停止または充電最低限が検出されない限りステップS264からステップS268を繰り返してモータ走行処理を継続する。二次電池20への充電を行う。ステップS254で走行停止が検出されるとその時点で図14の走行処理は終了する。一方、ステップS246において二次電池20が消耗して充電最低限を割ったことが検出されるとステップS248に移行し、通常ハイブリッド走行処理に移行する。
【0091】
図15は、図13のステップS220における給油/給電処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS272で給油口908への接続があるかどうかをチェックする。接続が検出されれば、充電ケーブル12および給油パイプ912を備えた総合パワーケーブル910または給油パイプのみのいずれかが接続されたことを意味するのでステップS274に進み、給油開始を指示してステップS276に進む。一方給油口908への接続が検出されない場合は、充電ケーブル12のみが接続されたことを意味するので直接ステップS276に移行する。
【0092】
ステップS276では充電用接続部10への接続があるかどうかをチェックする。接続が検出されれば、充電ケーブル12および給油パイプ912を備えた総合パワーケーブル910または充電ケーブル12のみのいずれかが接続されたことを意味するのでステップS278に進む。ステップS278では緊急充電操作が行われたかどうかがチェックされ、この操作が検出されなければステップS280に進んで時間帯別伝統契約を行っているかどうかチェックする。契約があることが検出された車両の場合、充電は家庭の電灯線から深夜に行うことが意図されていると考えられるので、ステップS282に進み、給油口908への接続があるかどうかチェックする。そして給油口908への接続がなければ家庭の電灯線からの給電ケーブルが接続されていると考えられるのでステップS284に進む。
【0093】
ステップS284では、現在時刻が割引時間帯に該当するかどうかチェックされ、該当しなければ286に進んで割引時間帯に入ったことを検出するための時間モニタ中であるかどうかチェックする。そして時間モニタ中でなければステップS288でこの時間モニタを開始してステップS290に進む。なお、ステップS286で既に時間モニタ中であることが検出された時は直接ステップS290に進む。このように、緊急充電操作なしに時間帯別電灯契約の下で割引時間帯外に充電用接続部10への接続があった場合は、家庭において車庫入れをした後、深夜における充電を意図して充電ケーブル12を接続したものとして時間モニタ行い、充電の実行は時間到来まで保留する。
【0094】
一方、ステップS278で緊急充電操作があった場合は、時間帯別電灯契約の有無にかかわらずサービススタンド904または家庭において即座に充電を開始することが求められたことを意味するのでステップS292に進み充電開始を指示してステップS290に進む。また、ステップS280で時間帯別電灯契約が検出されなかった場合も、ステップS292に進み、サービススタンド904または家庭において即座に充電を開始する指示を行ってステップS290に進む。さらにステップS284で現在時刻が割引時間帯に該当することが検出された場合も、ステップS292に進み、充電開始を指示してステップS290に進む。
【0095】
ステップS290では、充電中かどうかをチェックし、充電中であればステップS290を繰り返して充電完了を待つ。そして、ステップS286経由のように充電実行なしにステップS290に至った場合、またはステップS292を経由してステップS290に至り充電が完了した場合はステップS294に進む。また、ステップS276で充電用接続部10への接続が検出されなかった時は直接ステップS294に移行する。さらに、ステップS282における時間帯別電灯契約の検出を経てステップS282で給油口の接続が検出されたときは、サービススタンド902での充電は意図していないと考えられるので直ちにステップS294に移行する。
【0096】
ステップS294では、給油中かどうかをチェックし、給油中であればステップS294を繰り返して給油完了を待つ。そして、S274における給油指示なしにステップS294に至った場合、またはステップS274における給油指示を経由してステップS294に至り給油が完了した場合はステップS296に進む。ステップS296では燃費計算処理が行われるがその詳細は後述する。
【0097】
次いでステップS298では、充電用接続部10にケーブルが接続中かどうかチェックし、接続中であればステップS300で時間モニタ中であるかどうかチェックする。そして時間モニタ中であればステップS278に戻る。以下、ステップS278で緊急充電操作が検出されるか、又はステップS284で現在時刻が割引時間帯に該当することが検出されるか、又はステップS298でケーブルの除去が検出されるまで、ステップS278からステップS290およびステップS294からステップS300を繰り返す。なお、ステップS300で時間モニタ中であることが検出されない場合、またはステップS298でケーブルの除去が検出されたときは図15の給油/給電処理のフローを終了する。
【0098】
図16は、図15のステップS296における給油/給電処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS312で充電があったかどうかチェックする。そして、充電があればステップS314に進んでPLC通信または無線LAN通信により充電量、電力料金単価および請求料金などの充電データをサービススタンド制御部922から取得し、ステップS316に進む。なお、ステップS312で充電があったことが検出されなければ直接ステップS316に移行する。
【0099】
ステップS316では、給油があったかどうかチェックし、給油があればステップ318に進んで瞬間燃費計による前回給油から今回給油までの燃費累積データを読み出す。さらにS320ではPLC通信または無線LAN通信により給油量、満タンまでの給油の有無、ガソリン単価、および請求料金などの今回の給油に関するサービススタンドデータを取得する。次いでステップS322では前回までに取得している給油に関する累積のサービススタンドデータを記憶部28から読み出し、ステップS324に移行する。
【0100】
ステップS324では、ステップS320およびステップS322により得られたデータに基づき、前回給油および今回給油がともに満タンまで行われたかどうかチェックする。該当すれば満タン法による燃費計算が可能なのでステップS326に進み、ステップS320で得た今回給油量のデータを採用してステップS328に移行する。ステップS328ではトリップメータ917から前回給油から今回給油までの走行データを取得する。さらにステップS330では、今回給油量と今回走行距離から今回給油時の燃費を計算し、ステップS332に進む。一方ステップS324において今回および前回の給油がともに満タンであることが検出できなかった時はステップS334に進みステップS318から得た瞬間燃費計の燃費データより前回給油から今回給油までの累積燃費データを採用してステップS332に進む。
【0101】
ステップ332では、今回までの累積給油回数が所定(例えば10回)以上であるかどうかチェックし、該当すればステップS336に進んで今回までの累積走行距離および今回までの累積給油量から平均推定燃費を算出してステップS338に移行する。これは、累積給油量が燃料タンク16の容量よりも充分大きくなると給油量を油消費量と看做しても甚だしい誤差はないからである。一方ステップS332で累積給油回数が所定回数に達していない場合はステップS340に進み、瞬間燃費計のデータから今回までの平均燃費を算出してステップS338に移行する。これは、給油回数が少ない場合は給油量実績から平均燃費を推定するよりも瞬間燃費計のデータに基づいて平均燃費を推定する方が妥当性が大きいからである。なお、ステップS316で給油があったことが検出できなかったときは直ちにステップS338に移行する。
【0102】
ステップS338では、所定距離(例えば10キロ)走行するのに要する累積走行コストを算出する処理を行う。その詳細は後述する。次いでステップS342では消費エネルギーをCO2に換算する処理を行う。その詳細も後述する。さらにステップS344では給油実績と走行実績に基づいて瞬間燃費計を補正する処理を行ってフローを終了する。ステップS344の瞬間燃費計補正処理についても後述する。
【0103】
なお、上記ステップS332では累積給油量が燃料タンク16の容量よりも充分大きいことの判定を給油回数で行っているが、これに代えて、累積給油量が所定以上に達したかどうかを直接的に判定するようにしてもよい。また、給油量の累積による判断に代え、ステップS332において累積走行距離が所定以上に達したかどうかをチェックするようにしてもよい。これらいずれによっても、給油量累積平均推定燃費を採用するか瞬間燃費計平均燃費を採用するかの決定が可能である。
【0104】
図17は、図16のステップS338における累積走行コスト算出処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS352で今回の充電に関する支払電力料金があったかどうかチェックし、あればステップS354で今回支払い電力料金データを加算してステップS356に移行する。一方、ステップS352で今回支払電力料金がなければ直接ステップS356に移行する。ステップS356では、今回の充電に自家発電データがあったかどうかチェックし、あればステップS358で充電量相当分の充電設備償却費を加算してステップS360に移行する。一方、ステップS356で今回自家発電データがなければ直接ステップS360に移行する。
【0105】
ステップS360では、今回CO2排出権取引に関する電力を充電したかどうかチェックし、該当すればステップS362に進む。ステップS362ではCO2排出権を売却したのなら売却代金を減算し、CO2排出権を購入したのなら購入代金を加算してステップS364に移行する。一方、ステップS360で今回の充電にCO2排出権取引が関係しなければ直接ステップS364に移行する。ステップS364では、今回の給油に関する支払給油料金があったかどうかチェックし、あればステップS366で今回支払給油料金データを加算してステップS368に移行する。一方、ステップS364で今回支払電力料金がなければ直接ステップS368に移行する。
【0106】
ステップS368では、今回までの累積走行データをトリップメータ917から読み出すとともにこれに今回の走行データを加算する。次いでステップS370では上記の結果の最新累積走行データが所定距離以上かどうかチェックする。そして所定距離以上であればステップS372で今回までの累積電力料金データがあるかどうかチェックし、あればステップS374に進んで累積電力料金データを記憶部28から読み出してステップS376に移行する。一方、ステップS372で累積電力料金データがなければ直接ステップS376に移行する。ステップS376では、今回までの累積給油料金データがあるかどうかチェックし、あればステップS378に進んで累積給油料金データを記憶部28から読み出し、ステップS380に移行する。一方、ステップS376で累積給油料金データがなければ直接ステップS380に移行する。
【0107】
ステップS380では、ステップS374で読み出した今回までの累積電力料金データとステップS378で読み出した今回までの累積給油料金データを合算し、総合累積料金を算出する。そして、ステップS382に進み、ステップS380で得られた今回までの合算総累積料金をステップS368で得られた今回までの累積走行データで除算するとともに10kmを乗算し、10kmあたりの累積平均走行コスト金額を算出してフローを終了する。なお、ステップS370で最新累積走行データが所定距離以上であることが検出できない場合は、直ちにフローを終了する。累積走行距離が一回のエネルギー注入で走行可能な距離よりも充分大きくない限りは、給油量や充電量などの注入エネルギー量を消費エネルギー量と看做すには誤差が大きく、これら注入エネルギーに関する支払料金から走行コストを算出するのは不適当だからである。
【0108】
なお、上記ステップS370では累積走行距離が所定以上に達したかどうかをチェックしているが、その趣旨は、給油を伴う限り、図16のステップS332と同様に累積給油量が燃料タンク16の容量よりも充分大きいことの判定である。従って、車両904が電力のみで走行するのでない限り、ステップS370を、給油回数が所定回数に達したかどうかを判定するステップ、または累積給油量自体が所定量以上に達したかどうか判定するステップとしてもよい。これらいずれによっても、走行コストの算出が妥当かどうかの判断が可能である。
【0109】
図18は、図16のステップS342におけるCO2換算処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS392で記憶部28に充電データがあるかどうかチェックし、あればステップS394で過去の累積電力量を記憶部28から読み出してステップS396に移行する。一方、ステップS392で充電データがなければ直接ステップS396に移行する。ステップS396では今回の充電データがあったかどうかチェックし、あればステップS398で今回充電量を加算してステップS400に移行する。一方、ステップS396で今回充電データがなければ直接ステップS400に移行する。
【0110】
ステップS400では、今回CO2排出権取引に関する電力を充電したかどうかチェックし、該当すればステップS402に進む。ステップS402ではCO2排出権を売却したのなら売却相当分の電力量を加算し、CO2排出権を購入したのなら購入相当分の電力量を減算してステップS404に移行する。一方、ステップS400で今回の充電にCO2排出権取引が関係しなければ直接ステップS404に移行する。ステップ404では電力消費量をCO2排出量に換算する所定の換算式に基づき、ステップS392からステップS402の処理に基づく所定期間内の充電電力量をCO2排出量に換算する。
【0111】
次いで、ステップS406で、記憶部28に累積給油データがあるかどうかチェックし、あればステップS408で過去の累積給油量を記憶部28から読み出してステップS410に移行する。一方、ステップS406で累積給油データがなければ直接ステップS410に移行する。ステップS410では今回の給油データがあったかどうかチェックし、あればステップS412で今回給油量を加算してステップS412に移行する。一方、ステップS410で今回給油データがなければ直接ステップS414に移行する。ステップ414では石油消費量をCO2排出量に換算する所定の換算式に基づき、ステップS406からステップS412の処理に基づく今回までの累積給油量をCO2排出量に換算する。
【0112】
次いでステップS416で、今回までの累積走行データをトリップメータから読み出すとともにこれに今回の走行データを加算する。そしてステップS418で、上記の結果の最新累積走行データが所定距離以上かどうかチェックする。最新累積走行データが所定距離以上であればステップS420で、ステップS404で充電量から換算したCO2量とステップS414で給油量から換算したCO2量とを合算し、今回までの累積総CO2量を算出する。
【0113】
次いでステップS422に進み、ステップS420で得られた今回までの累積総CO2量合算値をステップS416で得られた今回までの累積走行データで除算するとともに10kmを乗算し、10kmあたりの推定平均CO2排出量を算出してフローを終了する。なお、ステップS416で最新累積走行データが所定距離以上であることが検出できない場合は、直ちにフローを終了する。累積走行距離が一回のエネルギー注入で走行可能な距離よりも充分大きくない限りは、給油量や充電量などの注入エネルギー量を消費エネルギー量と看做すには誤差が大きく、これら注入エネルギーのCO2換算値から平均CO2排出量を算出するのは不適当だからである。
【0114】
なお、上記ステップS416でも図17のステップS370のように累積走行距離が所定以上に達したかどうかをチェックしているが、その趣旨は、給油を伴う限り、図16のステップS332と同様に累積給油量が燃料タンク16の容量よりも充分大きいことの判定である。従って、車両904が電力のみで走行するのでない限り、ステップS416を、給油回数が所定回数に達したかどうかを判定するステップ、または累積給油量自体が所定量以上に達したかどうか判定するステップとしてもよい。これらいずれによっても、走行コストの算出が妥当かどうかの判断が可能である。
【0115】
図19は、図16のステップS344における瞬間燃費計補正処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS432で給油データがあるかどうかチェックする。そして給油データがあればステップS434に進み、今回までの累積走行データをトリップメータから読み出すとともにこれに今回の走行データを加算する。そしてステップS436で、上記の結果の最新累積走行データが所定距離以上かどうかチェックする。最新累積走行データが所定距離以上であればステップS438で今回までの累積給油データを記憶部28から読み出すとともにこれに今回の走行データを加算して最新データに更新する。そして、ステップS440で最新累積給油量データと最新累積給油量データから給油量累積平均指定燃費を算出する。
【0116】
次にステップS442で該当する期間について瞬間燃費計よりのデータに基づき平均燃費を算出する。そしてステップS444において瞬間燃費計平均燃費と給油量累積平均推定燃費を比較し、ステップS446で両者の乖離が所定以上あるかどうかチェックする。その差が所定以上あればステップS448に進み、瞬間燃費計補正処理を行ってフローを終了する。ステップS448の瞬間燃費計補正処理は、給油量累積平均推定燃費をベースに瞬間燃費計平均燃費がこれと同じになるよう瞬間燃費計による瞬間燃費データに補正を加えるものである。つまり、瞬間燃費計平均燃費が高すぎれば、以後瞬間燃費計のデータが低め出るよう瞬間燃費計の出力を補正し、瞬間燃費計平均燃費が低すぎれば、以後瞬間燃費計のデータが高めに出るよう瞬間燃費計をの出力を補正するものである。
【0117】
一方、ステップ446において乖離が所定以上であることが検出されないときは、瞬間燃費計補正処理は行わずに直ちにフローを終了する。また、ステップS432で給油データがあることが検出されなかった時、または、ステップS436で最新累積走行データが所定以上であることが検出されなかった時は、いずれも瞬間燃費計補正処理を行うことが適当でないので、直ちにフローを終了する。
【0118】
なお、上記ステップS436でも図17のステップS370のように累積走行距離が所定以上に達したかどうかをチェックしているが、その趣旨は、図16のステップS332と同様に累積給油量が燃料タンク16の容量よりも充分大きいことの判定である。従って、ステップS436を、給油回数が所定回数に達したかどうかを判定するステップ、または累積給油量自体が所定量以上に達したかどうか判定するステップとしてもよい。これらいずれによっても、瞬間燃費計補正処理に入るのが妥当かどうかの判断が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両充電システムの第1実施例を示すブロック図である。
【図2】図1の第1実施例において、特に配線関係の詳細を示すブロック図である。
【図3】図1の第1実施例において車庫のコンセントユニットにおける給電開閉部および住居システムの詳細を示すブロック図である。
【図4】図1の第1実施例において給電開閉部における給電スイッチ等の詳細を示すブロック図である。
【図5】住居システムの制御コンピュータの基本動作を示すフローチャートである。
【図6】図5のステップS20の詳細を示すフローチャートである。
【図7】図6のステップS46およびステップS52の詳細を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係る車両充電システムの第2実施例を示すブロック図である。
【図9】第2実施例におけるコンセントユニットの構造の詳細を示すブロック図である。
【図10】第2実施例における複数のコンセントユニットの配置を示すブロック図である。
【図11】第2実施例における給電制御コンピュータの基本動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態に係る第3実施例を示すブロック図である。
【図13】第3実施例における車両制御部の基本動作を示すフローチャートである。
【図14】図13のステップS214の詳細を示すフローチャートである。
【図15】図13のステップS220の詳細を示すフローチャートである。
【図16】図15のステップS296の詳細を示すフローチャートである。
【図17】図16のステップS338の詳細を示すフローチャートである。
【図18】図16のステップS342の詳細を示すフローチャートである。
【図19】図16のステップS344の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0120】
16 燃料タンク
20 電力蓄積部
28 記憶部
18、22 動力部
917 走行距離情報取得部
26 制御部
24、34 受信部
26 換算部
902 サービススタンド
16、20 エネルギー蓄積部
10、26、28、34 取引情報取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給油を受ける燃料タンクと、電力線から電力供給を受ける電力蓄積部と、前記燃料タンクへの給油情報および前記電力蓄積部への充電情報を記憶する記憶部と、前記燃料タンクの燃料および前記電力蓄積部の電力を消費して走行動力を提供する動力部と、走行距離情報取得部と、前記記憶部の情報および前記走行距離情報より走行コストを算出する制御部とを有することを特徴とする車両用の環境対策システム。
【請求項2】
前記燃料タンクへの給油情報および前記電力蓄積部への充電情報をサービススタンドから受信する受信部を有することを特徴とする請求項1記載の車両用の環境対策システム。
【請求項3】
前記給油情報は給油量情報および給油単価情報を含むとともに、前記充電情報は充電量情報および充電単価情報を含むことを特徴とする請求項1または2記載の車両用の環境対策システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記走行距離情報取得部により取得された累積走行距離が所定より大きい時、前記走行コストを算出することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両用の環境対策システム。
【請求項5】
給油を受ける燃料タンクと、電力線から電力供給を受ける電力蓄積部と、前記燃料タンクへの給油量情報および前記電力蓄積部への充電量情報を記憶する記憶部と、前記燃料タンクの燃料および前記電力蓄積部の電力を消費して走行動力を提供する動力部と、走行距離情報取得部と、前記記憶部の給油量情報および充電量情報をそれぞれ二酸化炭素排出量情報に換算する換算部と、前記換算部の二酸化炭素排出量情報および前記走行距離情報より単位走行距離あたりの二酸化炭素排出量を算出する制御部とを有することを特徴とする車両用の環境対策システム。
【請求項6】
前記燃料タンクへの給油量情報および前記電力蓄積部への充電量情報をサービススタンドから受信する受信部を有することを特徴とする請求項5記載の車両用の環境対策システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記走行距離情報取得部により取得された累積走行距離が所定より大きい時、前記単位走行距離あたりの二酸化炭素排出量を算出することを特徴とする請求項5または6記載の車両用の環境対策システム。
【請求項8】
エネルギー蓄積部と、前記エネルギー蓄積部へのエネルギー蓄積料金情報を記憶する記憶部と、前記エネルギー蓄積部のエネルギーを消費して走行動力を提供する動力部と、走行距離情報取得部と、二酸化炭素排出権取引情報を取得する取引情報取得部と、前記記憶部の情報、前記取引情報取得部の情報および前記走行距離情報より走行コストを算出する制御部とを有することを特徴とする車両用の環境対策システム。
【請求項9】
前記エネルギー蓄積部は、燃料タンクを含むことを特徴とする請求項8記載の車両用の環境対策システム。
【請求項10】
前記エネルギー蓄積部は、電力蓄積部を含むことを特徴とする請求項8または9記載の車両用の環境対策システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記取引情報取得部に二酸化炭素排出権売却情報があるときは前記記憶部のエネルギー蓄積料金から売却代金を減算するとともに前記取引情報取得部に二酸化炭素排出権購入情報があるときは前記記憶部のエネルギー蓄積料金に購入代金を加算することを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の車両用の環境対策システム。
【請求項12】
前記エネルギー蓄積部にエネルギーを蓄積するサービススタンドからエネルギー蓄積料金情報を受信する受信部を有することを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の車両用の環境対策システム。
【請求項13】
前記制御部は、前記走行距離情報取得部により取得された累積走行距離が所定より大きい時、前記走行コストを算出することを特徴とする請求項8から12のいずれかに記載の車両用の環境対策システム。
【請求項14】
エネルギー蓄積部と、前記エネルギー蓄積部へのエネルギー蓄積量を記憶する記憶部と、前記エネルギー蓄積部のエネルギーを消費して走行動力を提供する動力部と、走行距離情報取得部と、二酸化炭素排出権取引情報を取得する取引情報取得部と、前記記憶部のエネルギー蓄積量情報を二酸化炭素排出量情報に換算する換算部と、前記換算部の二酸化炭素排出量情報、前記取引情報取得部の情報および前記走行距離情報より単位走行距離あたりの二酸化炭素排出量を算出する制御部を算出する制御部とを有することを特徴とする車両用の環境対策システム。
【請求項15】
前記エネルギー蓄積部は、燃料タンクを含むことを特徴とする請求項14記載の車両用の環境対策システム。
【請求項16】
前記エネルギー蓄積部は、電力蓄積部を含むことを特徴とする請求項14または15記載の車両用の環境対策システム。
【請求項17】
前記制御部は、前記取引情報取得部に二酸化炭素排出権売却情報があるときは前記記憶部のエネルギー蓄積量に売却相当量を加算するとともに前記取引情報取得部に二酸化炭素排出権購入情報があるときは前記記憶部のエネルギー蓄積量から購入相当量を減算することを特徴とする請求項14から16のいずれかに記載の車両用の環境対策システム。
【請求項18】
前記エネルギー蓄積部にエネルギーを蓄積するサービススタンドからエネルギー蓄積量情報を受信する受信部を有することを特徴とする請求項14から17のいずれかに記載の車両用の環境対策システム。
【請求項19】
前記制御部は、前記走行距離情報取得部により取得された累積走行距離が所定より大きい時、前記単位走行距離あたりの二酸化炭素排出量を算出することを特徴とする請求項14から18のいずれかに記載の車両用の環境対策システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−149586(P2010−149586A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327791(P2008−327791)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】