車両用サスペンション
【課題】アクスルをトレーリングアームに弾性支持する構成を採用しても、車輪トー方向の最終調節が容易になる車両用サスペンションを提供する。
【解決手段】アクスル1を、上記各トレーリングアーム2に、3カ所の連結点を介して弾性支持させる。第3連結点P3では、アーム側ブラケット12の当接面とアクスル側ブラケット11の当接面とを当接し、両当接面を貫通する締結ボルトによって締結する。両当接面の少なくとも一方に形成されたボルト穴は長穴で形成され、かつ上記アーム側ブラケット12の当接面は、斜め外方に傾いている。
【解決手段】アクスル1を、上記各トレーリングアーム2に、3カ所の連結点を介して弾性支持させる。第3連結点P3では、アーム側ブラケット12の当接面とアクスル側ブラケット11の当接面とを当接し、両当接面を貫通する締結ボルトによって締結する。両当接面の少なくとも一方に形成されたボルト穴は長穴で形成され、かつ上記アーム側ブラケット12の当接面は、斜め外方に傾いている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーリングアーム式の車両用サスペンションに関する。
【背景技術】
【0002】
トレーリングアーム式のサスペンションは、例えば車両前後方向に延び、前端部が車体に対しゴムブッシュを介して揺動可能に連結する左右一対のトレーリングアームと、この左右のトレーリングアームを連結するトーションビームとを備えると共に、上記各トレーリングアーム後部に、車輪を支持するアクスルが連結されて構成される。
そして、特許文献1には、上記アクスルとトレーリングアームとを弾性体を介して連結する構造とすることで、車輪のトー方向の変位を制御する技術が開示されている。
【特許文献1】実開平4−112103号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的に、車両用サスペンションにあっては、車輪のアライメントは操縦安定性に大きく寄与するため、生産時に設計値となるように考慮される。具体的には、部品単品の寸法精度、複数の部品を組み合わせたときの組付け公差等を管理し、車輪のアライメントが設計値に入るように、各部品に寸法、公差が割り付けられる。さらに上記管理だけでは車輪のアライメントを設計値とすることができない場合、図10(a)に示すように、車両組立て終了後に車輪が地面に設置した状態でアライメントを最終調節できる構造をサスペンションの締結部60に付与する。アライメントの最終調節は、通常、図10(b)のような車両用サスペンションと車体側部材との締結部に設けられたカム機構を利用して調節する。
【0004】
また通常のトレーリングアーム式サスペンションは、図11に示すように、車軸を支持するアクスル50が、トレーリングアーム51に直接に溶接されたブラケット52へ締結によって剛に連結する構造であるため、車輪のアライメントに影響を及ぼす部品寸法の管理項目が少なく、部品単品の公差、組付公差等の管理のみでアライメント設計値とすることが可能であった。
これに対して、特許文献1のように、トレーリングアーム51に対してアクスル50を複数の弾性体を介して弾性支持させる構成を採用すると、部品点数が増加して、さらに寸法精度を確保しにくい弾性体を介してトレーリングアーム51に連結する構造となるため、車輪のトー方向の角度を設計値におさめることが一般の場合に比べて困難であるにも拘らず、特許文献1のサスペンションでは、アライメント調節構造が設けられていない。
【0005】
また、アライメント調節構造を別途、締結部に設けようとしても、図12に示すように、ホイールの内側にアライメントの調整に適当な締結部53が存在することから、調整作業に必要なスペースが少なく車輪接地状態での調整が困難となる可能性がある。なお、図12の場合には、下側の締結部53を左右方向(車幅方向)に動かすことでトー調整が可能となるが、ホイールとのクリアランスが小さいため作業がやりにくい。
【0006】
さらに、特許文献1の図6のように、アクスル50をトレーリングアーム51に連結する各連結点のゴムブッシュの軸方向を平面視で異なる角度をつけた場合、つまり、各連結点のブッシュの向きが平面視で異なる場合(図13(a)参照)、アクスル50をトレーリングアーム51に組み付けにくくなり、図13(b)のように、上記角度が大きくなるほど場合によっては組付かなくなるおそれがある。この角度はコンプライアンスステアを設計する際に重要な要素であるが、組付け性を考慮した場合、その自由度が制約されてしまうという課題も存在している。
本発明は、上記のような点に着目したもので、アクスルをトレーリングアームに弾性支持する構成を採用しても、車輪トー方向の最終調節が容易になる車両用サスペンションを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、車両前後方向に延び、前端部が車体に弾性支持される左右一対のトレーリングアームと、その左右のトレーリングアーム間に横架されるトーションビームと、を備え、車輪を支持するアクスルを、上記各トレーリングアームの後部にそれぞれ、3カ所以上の連結点を介して弾性支持させて取り付けるトレーリングアーム式サスペンションにおいて、
上記複数の連結点のうちの少なくとも1つを、車軸よりも下方かつ車軸に対し車両前後方向にオフセットして配置される下側連結点とし、その下側連結点での取付けは、トレーリングアームに固定されるアーム側ブラケットと、アクスルに固定されるアクスル側ブラケットとを備え、そのアーム側ブラケットに形成した当接面とアクスル側ブラケットに形成した当接面とを当接し、両当接面を貫通する締結ボルトによって締結して取付けられ、
上記両当接面は、相対的に一方の当接面に沿ってスライド可能な面になっていると共に、その両当接面の少なくとも一方に形成されたボルト穴は長穴で形成され、かつ上記アーム側ブラケットに形成された当接面は、車両前方からみて、鉛直上向き方向から傾いて配置されていることを特徴とする車両用サスペンションを提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アクスルをトレーリングアームに弾性支持させても、車輪接地状態での、車輪のトー方向の最終調節が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態のトレーリングアーム式の車両用サスペンションの構成を説明すると、左右一対のトレーリングアームが、それぞれ車両前後方向に延び、その前端部がブッシュを介して車体に弾性支持されている。その左右のトレーリングアームは、車幅方向に延在するトーションビームで連結されている。そして、上記各トレーリングアームの後部にそれぞれアクスルが弾性支持されている。
【0010】
そのアクスル1の支持構造について説明すると、図1〜図3のように、アクスル1は、トレーリングアーム2に対しブラケットを介して3点で弾性支持されている。
その3の連結点P1〜P3は、車軸に対し上方に位置する第1連結点P1、その第1連結点P1と車軸を挟んで上下に配置される第2連結点P2、及び車軸よりも下方位置で車軸に対し車両前後方向後方に位置する第3連結点P3である。第3連結点P3における車軸に対する車両前後方向へのオフセット量は、第1及び第2連結点P1、P2における車軸に対する車両前後方向へのオフセット量より大きな値に設定されている。本実施形態では、第1及び第2連結点P1,P2における車軸に対する車両前後方向へのオフセット量をゼロ若しくは小さな値に設定している。
【0011】
アクスル1は、車軸を回転自在に支持するアクスル本体1aとアクスル本体1aと一体になっている共に上記各連結点P1〜P3に向けて延びる腕部を有するアクスルハウジング1bとからなる。
各腕分の先端部には外筒3〜5が設けられ、その外筒3〜5内に内筒が配置されていると共に外筒3〜5及び内筒の間にゴムブッシュが介装されている。そして内筒を取付けボルト6〜8が貫通し、その取付けボルト6〜8の両端部が、ブラケットに設けられた対向する一対の取付け板間に支持されている。
【0012】
第1及び第2連結点P2においては、上記ブラケット9,10は、直接トレーリングアーム2に溶接等によって固定された1つの部品からなる。また、取付けボルトの軸は車両前後方向に設定されている。
また、第3連結点P3においては、上記ブラケットは、アクスル側ブラケット11とアーム側ブラケット12とから構成されている。
アクスル側ブラケット11は、図4のように、上記取付けボルトを支持する上記一対の取付け板11aを備えると共に、その取付け板11aに連続する左右の板状の当接部11bを備える。その当接部にはボルト穴が開口している。また、その当接部の下面が平面状の当接面を構成する。
【0013】
また、アーム側ブラケット12は、上記トレーリングアーム2の下面に固定されると共に、上記アクスル側ブラケット11の当接面に相対的に下側から当接する板状の当接部を備え、その当接部の上面が平面状の当接面となっている。その当接部にもボルト穴が開口し、上記アクスル側ブラケット11の当接面をアーム側ブラケット12の当接面に当接した状態で両ボルト穴を貫通する締付けボルトで締結することで固定される。
上記アーム側ブラケット12のボルト穴は長穴となっていて、その長穴に沿って締付けボルトの位置を変えることで、両当接面の当接位置を変更可能となっている。
また、上記アーム側ブラケット12の当接面の向きは、鉛直上方から車幅方向外方且つ上方を向くように傾斜している。
【0014】
次に、上記構成の作用・効果について説明する。
3カ所の連結点P1〜P3でアクスル1を弾性支持しているが、車軸に対する車両前後方向のへのオフセット量について、第1及び第2連結点P1、P2よりも第3連結点P3が後方に大きくオフセットして配置している。したがって、横力に対し、車両旋回時における旋回横力は、主として第1及び第2連結点P1、P2で支持されることとなるため、第3連結点P3のゴムブッシュよりも第1及び第2連結点P1、P2のゴムブッシュの方が車幅方向の変形量が大きくなる。この変形量の差は、アクスル1をトー方向に微小回動するように作用する。このとき、上記旋回横力は旋回中心に向かって作用することから、旋回外輪側ではトーアウト方向に微小回動し、旋回内輪ではトーイン方向に微小回動するように作用することとなる。
【0015】
一方、トレーリングアーム2の先端部に設けたゴムブッシュによるコンプライアンスステアによっては、旋回外輪がトーアウト方向にトー変化し、旋回内輪ではトーイン方向にトー変化することとなるが、このトー変化方向は、上記アクスル1の弾性支持構造によるトー変化とは反対方向であることから、上記アクスル1の弾性支持構造によって、上記コンプライアンスステアによる影響を低減あるいは相殺することが可能となって、旋回走行時の操向安定性が向上する。
【0016】
また、アクスル1が、トレーリングアーム2に対し弾性支持されることで、車輪からトレーリングアーム2に伝達される振動を低減される。
また、弾性支持しても、第1及び第2連結点P1、P2の上下方向の距離を大きく設定すれば、アクスル1の車両前後方向軸周りの回動を抑制できることから、キャンバー角の変化を小さくできる。
【0017】
さらに、本実施形態では、車軸に対し車両前後方向後方にオフセットした第3連結点P3について、車両前後方向から見て斜めに傾斜したアーム側当接面に沿ってアクスル1側当接面をスライド可能となっているので、アーム側ブラケットの当接面とアクスル側ブラケットの当接面の当接位置を調整することで、車輪のトー調整が可能となる。すなわち、アーム側ブラケットの当接面にアクスル側ブラケットの当接面をボルトで仮締めした後に、アーム側ブラケットの当接面に沿ってアクスル側ブラケットの当接面をスライド(ボルトの軸部が長穴に沿って移動)させてトー調整(アライメント調整)をした後に、ボルトを本締めする。なお、このようにすることで、タイヤ接地状態でトー調整が可能となる。
【0018】
上記スライドは、カム機構を使用すればよい。カム機構としては、例えば図5のように、ワッシャ15の穴を中心から偏心させて偏心カムとし、また、長穴の長径方向で対向し且つワッシャ15の径とほぼ等しい間隔の一対の突起16を当接部に設けておき、該一対の突起16間にワッシャ15を嵌め込んでおく。そして、仮締め後に、ワッシャ15を左右回転変位させることで、ワッシャ15の穴を貫通するボルトの軸部が回転変位量及び回転方向に応じた分だけ長穴に沿って移動する。ボルトの移動に伴い、アクスル側ブラケットの当接面がスライドしてトー調整が行われる。なお、上記説明では、二つの突起16でワッシャ15の外周を拘束する場合を例示しているが、環状の突起によってワッシャ15を回動のみ可能に拘束しても良い。
【0019】
また、通常、アライメント調整作業は、図6(a)のように、車体下方のピット内に作業者が入って行うか、図6(b)のように、車体をリフトアップして、車体下方に作業者が入り込んで行う。いずれにしても、アクスル1に対して、下側かつ車幅方向内側からアライメント調整の作業を行うのが一般的である。
これに対して、本実施形態では、図2のように、アーム側当接面の向きを、車幅方向外方且つ上方となるように傾斜(アクスル側ブラケットの当接面の向きは、車幅方向内側且つ下方を向くように傾斜)していることから、ボルトの軸は、車幅方向外側から内側に向かうにつれて上方から下方に向かうように傾斜することで、締結ボルトの頭部若しくはナットが作業者に相対することとなるため、アライメント調整が容易となる。
【0020】
また、上記のように当接面が車両横方向の力に対して傾斜していることから(図2参照)、車輪接地点に横力が入力されたときに、横カの車体への伝達経路が、締結ボルトに加えて、当接面全体で伝達することができるため、横力に対する支持剛性が大きくなる。
また、上記カムとなるナットに対して、図5のように、周方向に沿った目盛り17を設けておくと良い。符号18は、マーキングである。目盛り17を設けておくと、回動量が確認でき、トー方向の調節が容易になる。すなわち、1目盛りあたりのトー変化量を予め規定しておくことで、作業者は調整している量について、実際にアライメントを測定しなくてもその場で検討がつくので、調整作業が容易になる。
【0021】
また、図7のように、上下で対向する第1及び第2連結点P2を結ぶ直線が軸心を通る若しくは軸心に近接するように配置した場合に、図8のように、車両前後方向から見て、アクスル1軸心の向きを表すキャンバー角は、主として第1及び第2の連結点P1、P2によって定まる。これに対し、第3連結点P3はアクスル1の軸心から後方に離れているので、キャンバー角について第3連結点P3の位置のばらつきは鈍感(ロバスト)となる。したがって、上述のように、トー調整のために第3連結点P3を車幅方向に移動させても、キャンバー角変化を最小にすることができ、トー方向調節によるキャンバー角悪化を抑えることができる。すなわちトー調整を行っても、キャンバー角の変化は小さいので、トー調整後に改めてキャンバー調整をする必要が少なくなる。このように、上下で対向する第1及び第2連結点P1、P2を結ぶ直線が軸心を通る若しくは軸心に近接するように配置することが好ましい。
【0022】
また、組付け時に、少なくとも第3連結点P3について、アクスル側ブラケット11を先に組み付けておくことで、第1及び第2連結点P1,P2についてブラケットに組み付けた後に、アクスル側ブラケット11とアーム側ブラケット12とを組み付ければよいので、組付け性が良い。
【0023】
このとき、図9のように、平面視で、アクスル側ブラケット11とアーム側ブラケット12を締結する向き、つまりアーム側当接面の向きを、第1若しくは第2連結点P2の外筒をブラケットに組みつける方向と略同一方向にすることにより、さらに、アクスル側ブラケット11をアクスルハウジング1bに組み付けた後に、トレーリングアーム2に固定したアーム側ブラケット12に取り付ける事が容易に出来るようになるので、さらにアクスルハウジング1bとトレーリングアーム2ヘの組付け性が向上する。またこれまで本組付け性によって制限を受けてきた各連結点P1〜P3の相対角度の自由度が広がり、コンプライアンスステアをこれまで以上に設計する事が出来るようになり、操安性能を向上させる事が出来る。
ここで、上記実施形態では、アクスル1を3つの連結点P1〜P3を介して弾性支持する場合を例示しているが、4つ以上の連結点を介して弾性支持させても良い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に基づく実施形態に係る取付け構造を示す平面図である。
【図2】本発明に基づく実施形態に係る取付け構造を示す車両前後方向から見た図である。
【図3】本発明に基づく実施形態に係る取付け構造を示す側面図である。
【図4】アクスル側ブラケットを示す図である。
【図5】カム機構を説明刷る図である。
【図6】最終のアライメント調整作業を示す図である。
【図7】各連結点の関係を示す図である。
【図8】各連結点の関係を示す図である。
【図9】組付けを考慮した構成を示す平面図である。
【図10】従来の組付けを示す図である。
【図11】従来のトレーリングアーム式サスペンションの例を示す図である。
【図12】アライメント調整について説明する図である。
【図13】従来の組付けを説明する図である。
【符号の説明】
【0025】
1 アクスル
2 トレーリングアーム
9,10 ブラケット
11 アクスル側ブラケット
12 アーム側ブラケット
P1 第1連結点
P2 第2連結点
P3 第3連結点
15 ワッシャ
16 突起
17 目盛り
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーリングアーム式の車両用サスペンションに関する。
【背景技術】
【0002】
トレーリングアーム式のサスペンションは、例えば車両前後方向に延び、前端部が車体に対しゴムブッシュを介して揺動可能に連結する左右一対のトレーリングアームと、この左右のトレーリングアームを連結するトーションビームとを備えると共に、上記各トレーリングアーム後部に、車輪を支持するアクスルが連結されて構成される。
そして、特許文献1には、上記アクスルとトレーリングアームとを弾性体を介して連結する構造とすることで、車輪のトー方向の変位を制御する技術が開示されている。
【特許文献1】実開平4−112103号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的に、車両用サスペンションにあっては、車輪のアライメントは操縦安定性に大きく寄与するため、生産時に設計値となるように考慮される。具体的には、部品単品の寸法精度、複数の部品を組み合わせたときの組付け公差等を管理し、車輪のアライメントが設計値に入るように、各部品に寸法、公差が割り付けられる。さらに上記管理だけでは車輪のアライメントを設計値とすることができない場合、図10(a)に示すように、車両組立て終了後に車輪が地面に設置した状態でアライメントを最終調節できる構造をサスペンションの締結部60に付与する。アライメントの最終調節は、通常、図10(b)のような車両用サスペンションと車体側部材との締結部に設けられたカム機構を利用して調節する。
【0004】
また通常のトレーリングアーム式サスペンションは、図11に示すように、車軸を支持するアクスル50が、トレーリングアーム51に直接に溶接されたブラケット52へ締結によって剛に連結する構造であるため、車輪のアライメントに影響を及ぼす部品寸法の管理項目が少なく、部品単品の公差、組付公差等の管理のみでアライメント設計値とすることが可能であった。
これに対して、特許文献1のように、トレーリングアーム51に対してアクスル50を複数の弾性体を介して弾性支持させる構成を採用すると、部品点数が増加して、さらに寸法精度を確保しにくい弾性体を介してトレーリングアーム51に連結する構造となるため、車輪のトー方向の角度を設計値におさめることが一般の場合に比べて困難であるにも拘らず、特許文献1のサスペンションでは、アライメント調節構造が設けられていない。
【0005】
また、アライメント調節構造を別途、締結部に設けようとしても、図12に示すように、ホイールの内側にアライメントの調整に適当な締結部53が存在することから、調整作業に必要なスペースが少なく車輪接地状態での調整が困難となる可能性がある。なお、図12の場合には、下側の締結部53を左右方向(車幅方向)に動かすことでトー調整が可能となるが、ホイールとのクリアランスが小さいため作業がやりにくい。
【0006】
さらに、特許文献1の図6のように、アクスル50をトレーリングアーム51に連結する各連結点のゴムブッシュの軸方向を平面視で異なる角度をつけた場合、つまり、各連結点のブッシュの向きが平面視で異なる場合(図13(a)参照)、アクスル50をトレーリングアーム51に組み付けにくくなり、図13(b)のように、上記角度が大きくなるほど場合によっては組付かなくなるおそれがある。この角度はコンプライアンスステアを設計する際に重要な要素であるが、組付け性を考慮した場合、その自由度が制約されてしまうという課題も存在している。
本発明は、上記のような点に着目したもので、アクスルをトレーリングアームに弾性支持する構成を採用しても、車輪トー方向の最終調節が容易になる車両用サスペンションを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、車両前後方向に延び、前端部が車体に弾性支持される左右一対のトレーリングアームと、その左右のトレーリングアーム間に横架されるトーションビームと、を備え、車輪を支持するアクスルを、上記各トレーリングアームの後部にそれぞれ、3カ所以上の連結点を介して弾性支持させて取り付けるトレーリングアーム式サスペンションにおいて、
上記複数の連結点のうちの少なくとも1つを、車軸よりも下方かつ車軸に対し車両前後方向にオフセットして配置される下側連結点とし、その下側連結点での取付けは、トレーリングアームに固定されるアーム側ブラケットと、アクスルに固定されるアクスル側ブラケットとを備え、そのアーム側ブラケットに形成した当接面とアクスル側ブラケットに形成した当接面とを当接し、両当接面を貫通する締結ボルトによって締結して取付けられ、
上記両当接面は、相対的に一方の当接面に沿ってスライド可能な面になっていると共に、その両当接面の少なくとも一方に形成されたボルト穴は長穴で形成され、かつ上記アーム側ブラケットに形成された当接面は、車両前方からみて、鉛直上向き方向から傾いて配置されていることを特徴とする車両用サスペンションを提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アクスルをトレーリングアームに弾性支持させても、車輪接地状態での、車輪のトー方向の最終調節が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態のトレーリングアーム式の車両用サスペンションの構成を説明すると、左右一対のトレーリングアームが、それぞれ車両前後方向に延び、その前端部がブッシュを介して車体に弾性支持されている。その左右のトレーリングアームは、車幅方向に延在するトーションビームで連結されている。そして、上記各トレーリングアームの後部にそれぞれアクスルが弾性支持されている。
【0010】
そのアクスル1の支持構造について説明すると、図1〜図3のように、アクスル1は、トレーリングアーム2に対しブラケットを介して3点で弾性支持されている。
その3の連結点P1〜P3は、車軸に対し上方に位置する第1連結点P1、その第1連結点P1と車軸を挟んで上下に配置される第2連結点P2、及び車軸よりも下方位置で車軸に対し車両前後方向後方に位置する第3連結点P3である。第3連結点P3における車軸に対する車両前後方向へのオフセット量は、第1及び第2連結点P1、P2における車軸に対する車両前後方向へのオフセット量より大きな値に設定されている。本実施形態では、第1及び第2連結点P1,P2における車軸に対する車両前後方向へのオフセット量をゼロ若しくは小さな値に設定している。
【0011】
アクスル1は、車軸を回転自在に支持するアクスル本体1aとアクスル本体1aと一体になっている共に上記各連結点P1〜P3に向けて延びる腕部を有するアクスルハウジング1bとからなる。
各腕分の先端部には外筒3〜5が設けられ、その外筒3〜5内に内筒が配置されていると共に外筒3〜5及び内筒の間にゴムブッシュが介装されている。そして内筒を取付けボルト6〜8が貫通し、その取付けボルト6〜8の両端部が、ブラケットに設けられた対向する一対の取付け板間に支持されている。
【0012】
第1及び第2連結点P2においては、上記ブラケット9,10は、直接トレーリングアーム2に溶接等によって固定された1つの部品からなる。また、取付けボルトの軸は車両前後方向に設定されている。
また、第3連結点P3においては、上記ブラケットは、アクスル側ブラケット11とアーム側ブラケット12とから構成されている。
アクスル側ブラケット11は、図4のように、上記取付けボルトを支持する上記一対の取付け板11aを備えると共に、その取付け板11aに連続する左右の板状の当接部11bを備える。その当接部にはボルト穴が開口している。また、その当接部の下面が平面状の当接面を構成する。
【0013】
また、アーム側ブラケット12は、上記トレーリングアーム2の下面に固定されると共に、上記アクスル側ブラケット11の当接面に相対的に下側から当接する板状の当接部を備え、その当接部の上面が平面状の当接面となっている。その当接部にもボルト穴が開口し、上記アクスル側ブラケット11の当接面をアーム側ブラケット12の当接面に当接した状態で両ボルト穴を貫通する締付けボルトで締結することで固定される。
上記アーム側ブラケット12のボルト穴は長穴となっていて、その長穴に沿って締付けボルトの位置を変えることで、両当接面の当接位置を変更可能となっている。
また、上記アーム側ブラケット12の当接面の向きは、鉛直上方から車幅方向外方且つ上方を向くように傾斜している。
【0014】
次に、上記構成の作用・効果について説明する。
3カ所の連結点P1〜P3でアクスル1を弾性支持しているが、車軸に対する車両前後方向のへのオフセット量について、第1及び第2連結点P1、P2よりも第3連結点P3が後方に大きくオフセットして配置している。したがって、横力に対し、車両旋回時における旋回横力は、主として第1及び第2連結点P1、P2で支持されることとなるため、第3連結点P3のゴムブッシュよりも第1及び第2連結点P1、P2のゴムブッシュの方が車幅方向の変形量が大きくなる。この変形量の差は、アクスル1をトー方向に微小回動するように作用する。このとき、上記旋回横力は旋回中心に向かって作用することから、旋回外輪側ではトーアウト方向に微小回動し、旋回内輪ではトーイン方向に微小回動するように作用することとなる。
【0015】
一方、トレーリングアーム2の先端部に設けたゴムブッシュによるコンプライアンスステアによっては、旋回外輪がトーアウト方向にトー変化し、旋回内輪ではトーイン方向にトー変化することとなるが、このトー変化方向は、上記アクスル1の弾性支持構造によるトー変化とは反対方向であることから、上記アクスル1の弾性支持構造によって、上記コンプライアンスステアによる影響を低減あるいは相殺することが可能となって、旋回走行時の操向安定性が向上する。
【0016】
また、アクスル1が、トレーリングアーム2に対し弾性支持されることで、車輪からトレーリングアーム2に伝達される振動を低減される。
また、弾性支持しても、第1及び第2連結点P1、P2の上下方向の距離を大きく設定すれば、アクスル1の車両前後方向軸周りの回動を抑制できることから、キャンバー角の変化を小さくできる。
【0017】
さらに、本実施形態では、車軸に対し車両前後方向後方にオフセットした第3連結点P3について、車両前後方向から見て斜めに傾斜したアーム側当接面に沿ってアクスル1側当接面をスライド可能となっているので、アーム側ブラケットの当接面とアクスル側ブラケットの当接面の当接位置を調整することで、車輪のトー調整が可能となる。すなわち、アーム側ブラケットの当接面にアクスル側ブラケットの当接面をボルトで仮締めした後に、アーム側ブラケットの当接面に沿ってアクスル側ブラケットの当接面をスライド(ボルトの軸部が長穴に沿って移動)させてトー調整(アライメント調整)をした後に、ボルトを本締めする。なお、このようにすることで、タイヤ接地状態でトー調整が可能となる。
【0018】
上記スライドは、カム機構を使用すればよい。カム機構としては、例えば図5のように、ワッシャ15の穴を中心から偏心させて偏心カムとし、また、長穴の長径方向で対向し且つワッシャ15の径とほぼ等しい間隔の一対の突起16を当接部に設けておき、該一対の突起16間にワッシャ15を嵌め込んでおく。そして、仮締め後に、ワッシャ15を左右回転変位させることで、ワッシャ15の穴を貫通するボルトの軸部が回転変位量及び回転方向に応じた分だけ長穴に沿って移動する。ボルトの移動に伴い、アクスル側ブラケットの当接面がスライドしてトー調整が行われる。なお、上記説明では、二つの突起16でワッシャ15の外周を拘束する場合を例示しているが、環状の突起によってワッシャ15を回動のみ可能に拘束しても良い。
【0019】
また、通常、アライメント調整作業は、図6(a)のように、車体下方のピット内に作業者が入って行うか、図6(b)のように、車体をリフトアップして、車体下方に作業者が入り込んで行う。いずれにしても、アクスル1に対して、下側かつ車幅方向内側からアライメント調整の作業を行うのが一般的である。
これに対して、本実施形態では、図2のように、アーム側当接面の向きを、車幅方向外方且つ上方となるように傾斜(アクスル側ブラケットの当接面の向きは、車幅方向内側且つ下方を向くように傾斜)していることから、ボルトの軸は、車幅方向外側から内側に向かうにつれて上方から下方に向かうように傾斜することで、締結ボルトの頭部若しくはナットが作業者に相対することとなるため、アライメント調整が容易となる。
【0020】
また、上記のように当接面が車両横方向の力に対して傾斜していることから(図2参照)、車輪接地点に横力が入力されたときに、横カの車体への伝達経路が、締結ボルトに加えて、当接面全体で伝達することができるため、横力に対する支持剛性が大きくなる。
また、上記カムとなるナットに対して、図5のように、周方向に沿った目盛り17を設けておくと良い。符号18は、マーキングである。目盛り17を設けておくと、回動量が確認でき、トー方向の調節が容易になる。すなわち、1目盛りあたりのトー変化量を予め規定しておくことで、作業者は調整している量について、実際にアライメントを測定しなくてもその場で検討がつくので、調整作業が容易になる。
【0021】
また、図7のように、上下で対向する第1及び第2連結点P2を結ぶ直線が軸心を通る若しくは軸心に近接するように配置した場合に、図8のように、車両前後方向から見て、アクスル1軸心の向きを表すキャンバー角は、主として第1及び第2の連結点P1、P2によって定まる。これに対し、第3連結点P3はアクスル1の軸心から後方に離れているので、キャンバー角について第3連結点P3の位置のばらつきは鈍感(ロバスト)となる。したがって、上述のように、トー調整のために第3連結点P3を車幅方向に移動させても、キャンバー角変化を最小にすることができ、トー方向調節によるキャンバー角悪化を抑えることができる。すなわちトー調整を行っても、キャンバー角の変化は小さいので、トー調整後に改めてキャンバー調整をする必要が少なくなる。このように、上下で対向する第1及び第2連結点P1、P2を結ぶ直線が軸心を通る若しくは軸心に近接するように配置することが好ましい。
【0022】
また、組付け時に、少なくとも第3連結点P3について、アクスル側ブラケット11を先に組み付けておくことで、第1及び第2連結点P1,P2についてブラケットに組み付けた後に、アクスル側ブラケット11とアーム側ブラケット12とを組み付ければよいので、組付け性が良い。
【0023】
このとき、図9のように、平面視で、アクスル側ブラケット11とアーム側ブラケット12を締結する向き、つまりアーム側当接面の向きを、第1若しくは第2連結点P2の外筒をブラケットに組みつける方向と略同一方向にすることにより、さらに、アクスル側ブラケット11をアクスルハウジング1bに組み付けた後に、トレーリングアーム2に固定したアーム側ブラケット12に取り付ける事が容易に出来るようになるので、さらにアクスルハウジング1bとトレーリングアーム2ヘの組付け性が向上する。またこれまで本組付け性によって制限を受けてきた各連結点P1〜P3の相対角度の自由度が広がり、コンプライアンスステアをこれまで以上に設計する事が出来るようになり、操安性能を向上させる事が出来る。
ここで、上記実施形態では、アクスル1を3つの連結点P1〜P3を介して弾性支持する場合を例示しているが、4つ以上の連結点を介して弾性支持させても良い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に基づく実施形態に係る取付け構造を示す平面図である。
【図2】本発明に基づく実施形態に係る取付け構造を示す車両前後方向から見た図である。
【図3】本発明に基づく実施形態に係る取付け構造を示す側面図である。
【図4】アクスル側ブラケットを示す図である。
【図5】カム機構を説明刷る図である。
【図6】最終のアライメント調整作業を示す図である。
【図7】各連結点の関係を示す図である。
【図8】各連結点の関係を示す図である。
【図9】組付けを考慮した構成を示す平面図である。
【図10】従来の組付けを示す図である。
【図11】従来のトレーリングアーム式サスペンションの例を示す図である。
【図12】アライメント調整について説明する図である。
【図13】従来の組付けを説明する図である。
【符号の説明】
【0025】
1 アクスル
2 トレーリングアーム
9,10 ブラケット
11 アクスル側ブラケット
12 アーム側ブラケット
P1 第1連結点
P2 第2連結点
P3 第3連結点
15 ワッシャ
16 突起
17 目盛り
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前後方向に延び、前端部が車体に弾性支持される左右一対のトレーリングアームと、その左右のトレーリングアーム間に横架されるトーションビームと、を備え、
車輪を支持するアクスルを、上記各トレーリングアームの後部にそれぞれ、3カ所以上の連結点を介して弾性支持させて取り付けるトレーリングアーム式サスペンションにおいて、
上記複数の連結点のうちの少なくとも1つを、車軸よりも下方かつ車軸に対し車両前後方向にオフセットして配置される下側連結点とし、
その下側連結点での取付けは、トレーリングアームに固定されるアーム側ブラケットと、アクスルに固定されるアクスル側ブラケットとを備え、そのアーム側ブラケットに形成した当接面とアクスル側ブラケットに形成した当接面とを当接し、両当接面を貫通する締結ボルトによって締結して取り付けられ、
上記両当接面は、相対的に一方の当接面に沿ってスライド可能な面になっていると共に、その両当接面の少なくとも一方に形成されたボルト穴は長穴で形成され、かつ上記アーム側ブラケットに形成された当接面は、車両前方からみて、鉛直上向き方向から傾いて配置されていることを特徴とする車両用サスペンション。
【請求項2】
上記締結ボルトを上記長穴に沿って変位させるカム機構を備えることを特徴とする請求項1に記載した車両用サスペンション。
【請求項3】
上記アーム側ブラケットに形成された当接面は、車幅方向外方かつ上方を向くように傾斜していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した車両用サスペンション。
【請求項4】
上記カム機構は、ワッシャを偏心カムとし、その偏心カムを回転することで、ボルトの軸を長穴に沿って変位させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した車両用サスペンション。
【請求項5】
上記偏心カムには、周方向に沿って並ぶ目盛りが設けられていることを特徴とする請求項4に記載した車両用サスペンション。
【請求項6】
上記アクスルの連結点は、車軸の上方に位置する第1連結点、その第1連結点に対し車軸を挟んで下方に位置する第2連結点、及びその第1及び第2連結点よりも車軸から車両前後方向後方にオフセットして位置される第3連結点からなり、その第3連結点を上記下側連結点とすることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した車両用サスペンション。
【請求項7】
上記複数の連結点での各取付けはそれぞれ、個別のブラケットを介してアクスルとトレーリングアームとを連結し、上記下側連結点の以外の連結点の少なくとも一つは、トレーリングアームに固定されたブラケットにアクスルの取付部が組み付けられて取り付けられ、その取付部の組付け方向と、上記アクスル側ブラケットの当接面の向きを平面視で同方向を向くように設定したことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した車両用サスペンション。
【請求項1】
車両前後方向に延び、前端部が車体に弾性支持される左右一対のトレーリングアームと、その左右のトレーリングアーム間に横架されるトーションビームと、を備え、
車輪を支持するアクスルを、上記各トレーリングアームの後部にそれぞれ、3カ所以上の連結点を介して弾性支持させて取り付けるトレーリングアーム式サスペンションにおいて、
上記複数の連結点のうちの少なくとも1つを、車軸よりも下方かつ車軸に対し車両前後方向にオフセットして配置される下側連結点とし、
その下側連結点での取付けは、トレーリングアームに固定されるアーム側ブラケットと、アクスルに固定されるアクスル側ブラケットとを備え、そのアーム側ブラケットに形成した当接面とアクスル側ブラケットに形成した当接面とを当接し、両当接面を貫通する締結ボルトによって締結して取り付けられ、
上記両当接面は、相対的に一方の当接面に沿ってスライド可能な面になっていると共に、その両当接面の少なくとも一方に形成されたボルト穴は長穴で形成され、かつ上記アーム側ブラケットに形成された当接面は、車両前方からみて、鉛直上向き方向から傾いて配置されていることを特徴とする車両用サスペンション。
【請求項2】
上記締結ボルトを上記長穴に沿って変位させるカム機構を備えることを特徴とする請求項1に記載した車両用サスペンション。
【請求項3】
上記アーム側ブラケットに形成された当接面は、車幅方向外方かつ上方を向くように傾斜していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した車両用サスペンション。
【請求項4】
上記カム機構は、ワッシャを偏心カムとし、その偏心カムを回転することで、ボルトの軸を長穴に沿って変位させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した車両用サスペンション。
【請求項5】
上記偏心カムには、周方向に沿って並ぶ目盛りが設けられていることを特徴とする請求項4に記載した車両用サスペンション。
【請求項6】
上記アクスルの連結点は、車軸の上方に位置する第1連結点、その第1連結点に対し車軸を挟んで下方に位置する第2連結点、及びその第1及び第2連結点よりも車軸から車両前後方向後方にオフセットして位置される第3連結点からなり、その第3連結点を上記下側連結点とすることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した車両用サスペンション。
【請求項7】
上記複数の連結点での各取付けはそれぞれ、個別のブラケットを介してアクスルとトレーリングアームとを連結し、上記下側連結点の以外の連結点の少なくとも一つは、トレーリングアームに固定されたブラケットにアクスルの取付部が組み付けられて取り付けられ、その取付部の組付け方向と、上記アクスル側ブラケットの当接面の向きを平面視で同方向を向くように設定したことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した車両用サスペンション。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−38875(P2007−38875A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−225903(P2005−225903)
【出願日】平成17年8月3日(2005.8.3)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月3日(2005.8.3)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]