説明

車両用シート装置

【課題】本発明は、従来の嵩高となる問題点を解消し、簡単な構造で製造コストを抑えると共に作動音が静かで各部のレールが一連に重合されて快適な乗降を行える車両用シート装置を提供する。
【解決手段】回転板アッシイ2と下段スライドアッシイ3と上段駆動スライドアッシイ部4a及び上段従動スライドアッシイ部4bからなる上段スライドアッシイ4の順に積層され、前記回転板アッシイ2は、車両の車室5内に支持されたベースフレーム6に車両前向きと車両外横向きとに回転自在に支袈されて設けられる車両用シート装置1において、前記回転板アッシイ2と下段スライドアッシイ3と上段駆動スライドアッシイ部4a及び上段従動スライドアッシイ部4bの結合がレールとガイドローラの組合せで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを車両外横向きに回転させた状態において車両の内外に昇降進退を作動させるスライド装置を備えた車両用シート装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シートを車両前向きと車両外横向きへ回転させる機能を備え、車両外横向きの時にシートを車室外へ移動する機能も備えた車両用シート装置において、車室外へ移動する際は下降方向にも移動し、着座し易い高さまで下降するのが一般的である。この車室外へ移動しながら下降するための構造として多様なものが提案されているが、昇降ストロークを確保するためや昇降時のシートの姿勢を制御するために構造が複雑化しコスト削減の妨げになっている。また、昇降時に大きな推力・保持力を必要とするため、電動モータでボールネジや台形ネジ等を回転し相手ナットを進退させる構造が多く見られるが、この構造はコスト高であり、また作動音が大きいという問題点があった。
【0003】
特許文献1には、車室内のベース部材上に固定されたレールと該レールに沿って水平移動する移動子を備えた移動体とを有するスライド機構と、基端が移動体、先端がシート本体に連結された2本のリンクアームで構成される四節リンク機構とを有し、移動体がレールに沿って前進・後退すると、ガイド機構に案内されてリンクアームが回動してシート本体を降下・上昇させる車両用シート昇降装置において、前記移動体は前側の移動子62と後側の移動子60から構成し、前側の移動子62はレール42に対して上方に移動不能に係合した状態でレール42に沿って水平移動し、後側の移動子60はレールの上面42bを転動しながら水平移動する構成が提案されている。
【0004】
特許文献2には、車両の開口からシートの少なくとも一部を車外側に移動可能な車両のシート移動装置であって、車体に設置されるベース部材と、このベース部材に車外方向に進退可能に保持された第1スライド部材と、この第1スライド部材を前記ベース部材に対して進退作動させる第1駆動アクチュエータと、前記第1スライド部材に後端部近傍を揺動可能に軸支される中間フレームと、前記ベース部材に設けられ、前記第1スライド部材による軸支位置より前方側でシートのほぼ前後方向に沿って延出するガイドカム面を有する第1ガイド部材と、前記中間フレームに設けられ、前記第1ガイド部材のガイドカム面に転動自在、若しくは、摺動自在に係合するガイド係合部材と、前記中間フレームに車外方向に進退可能に保持された第2スライド部材と、この第2スライド部材を前記中間フレームに対して進退作動させる第2駆動アクチュエータと、前記第2スライド部材に後端部近傍を揺動可能に軸支されるシートフレームと、このシートフレームの側部に一体に設けられ、前記第2スライド部材による軸支位置よりも前方側でシートのほぼ前後方向に沿って延出するガイド溝を有する第2ガイド部材と、前記中間フレームの車外側の前縁部に設けられ、前記第2ガイド部材のガイド溝に転動自在、若しくは、摺動自在に嵌合されるガイド突起部材を備えた車両用シート移動装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−90771号公報
【特許文献2】特開2008−126692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1に開示される発明の基本構成はシート本体10前後方向にスライドさせる前後スライド機構20と、シート本体10を90度の範囲で水平回転させる回転機構30と、シート本体10をドア開口部Kを経て車室外側に移動させつつ路面に近い高さまで下降させる四節リンク機構の昇降機構80と、昇降機構80とは独立してシート本体10を水平移動させる第2スライド機構50を下方から上方へ積層してなるものであるから高さ方向に嵩張るものであった。また、前後スライド機構20及び第2スライド機構50がレール上をスライドする作動中の乗り心地と四節リンク機構の昇降機構80がリンクの中間点を支点として昇降する作動中の乗り心地は全く相違し断続的に変わるものであった。
【0007】
前記特許文献2は、ベース部材上に中間フレームとシートフレームがスライド自在にかつ揺動自在に積層されて進退可能に構成されるものであるから、前記特許文献1と同様に高さ方向に嵩張るものであった。また、ベース部材に対して中間フレームはガイドカム面を有する第1ガイド部材により揺動自在に、中間フレームに対してシートフレームは、ガイド溝を有する第2ガイド部材により揺動自在に夫々支承されるものであるから、昇降中にシートが揺動し易いものであった。
【0008】
本発明の車両用シート装置は、かかる従来の問題点を解消し、簡単な構造で製造コストを抑えると共に作動音が静かで快適な車両用シート装置を提供しようと案出されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
回転板アッシイと下段スライドアッシイと上段駆動スライドアッシイ部及び上段従動スライドアッシイ部からなる上段スライドアッシイの順に積層され、前記回転板アッシイは、車両の車室内に支持されたベースフレームに車両前向きと車両外横向きとに回転自在に支袈されて設けられる車両用シート装置において、前端部に下段前ガイドローラが内向きに配備される下段ガイドレールアウターが両側部に設けられる回転板アッシイと、両側部には互いに外向きの下段ガイドレールインナーと互いに内向きの下段ガイドレールアウターが背合せに一体に設けられ、前記外側の下段ガイドレールインナーの後端部の側面に下段後ガイドローラが外向きに、前端部の側面に上段前ガイドローラが、下段ガイドレールインナー外側に突出して外向きに夫々配備される下段スライドアッシイと、前記上段駆動スライドアッシイ部の両側部に、前端に上段前側ガイドローラが、後端に上段後側ガイドローラが夫々配備され、前記上段従動スライドアッシイ部の後端部と前記上段駆動スライドアッシイ部とが回動自在に連結され、かつ両側面に前記下段スライドアッシイの下段ガイドレールインナーよりも前下がり傾斜に設定された内向き上段カイドレールアウターが配備されてなる上段スライドアッシイと、前記下段スライドアッシイと回転板アッシイに上段往復作動機構が配備され、前記上段スライドアッシイの上段駆動スライドアッシイ部と下段スライドアッシイに上段往復作動機構が配備されてなる車両用シート装置にある。
【0010】
前記回転板アッシイの下段ガイドレールアウターの中を前記下段スライドアッシイの下段後ガイドローラが、前記下段スライドアッシイの下段ガイドレールインナーの中を前記回転板アッシイの下段前ガイドローラが夫々転動自在に配備され、前記下段スライドアッシイが回転板アッシイの下段ガイドレールアウターに支持されてスライド作動を行うように設けられるように構成してもよいものである。
【0011】
上段駆動スライドアッシイ部の上段前側ガイドローラと上段後側ガイドローラは下段スライドアッシイの前記下段ガイドレールアウターの中を転動自在に配備され、この上段駆動スライドアッシイ部が下段ガイドレールアウターに支持されてスライド作動を行うように設けられるように構成してもよいものである。
【0012】
前記上段駆動スライドアッシイ部の上段後側ガイドローラ支軸に回転自在となるアングルが配備され、このアングルが前記上段従動スライドアッシイ部の後端部に一体に結合されるように構成してもよいものである。
【0013】
前記上段従動スライドアッシイ部の両側面に配備された上段カイドレールアウター内に前記下段スライドアッシイの上段前ガイドローラが転動自在に配備され、上段従動スライドアッシイ部が上段駆動スライドアッシイ部の上段後側ガイドローラ支軸を中心に回動して下段ガイドレールインナーよりも前下がり傾斜にスライド可能に配備されるように構成してもよいものである。
【0014】
前記下段スライドアッシイは回転板アッシイに対して下段スライドアッシイに支持されたモータにより回転するピニオンギヤと回転板アッシイに支持されたラックギヤによる下段往復作動機構によりスライド作動されるように構成してもよいものである。
【0015】
前記上段スライドアッシイの上段駆動スライドアッシイ部は、下段スライドアッシイに対して上段駆動スライドアッシイ部に支持されたモータにより回転するピニオンギヤと下段スライドアッシイに支持されたラックギヤによる上段往復作動機構によりスライド作動されるように構成してもよいものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の車両用シート装置は、スライド機構は前述のように構成されるから、下段スライドアッシイのスライドにおいても、上段スライドアッシイのスライドにおいても格納スライドにつれて支持しているガイドローラのピッチが拡大するため、不用なモーメントが掛かることがなく、安定したシートの昇降が行えるものである。
【0017】
レールに対してガイドロールの乗り継ぎがないので作動ショックがなく乗り心地が良いものである。また、上段スライドアッシイの従動スライドアッシイ部がスライドにおいては前下がりにスライドしながら後端部を支点としてシート前端部が下がるように傾動するので乗降性が向上するものである。
【0018】
下段スライドアッシイのスライドと上段スライドアッシイは積み重ねではなく横方向にラップする構成なので薄型に構成できる。そして、回転昇降スライドシートの座面高を低くでき、乗降口の出入りに有利である。
【0019】
各部の結合がレールとガイドローラの組合せで構造が簡単であるため、製造コストを低減できる。
【0020】
大きな推力が必要な傾斜スライドの駆動にラック・ピニオンを採用し且つモータ外部に減速ギヤを設定することで大量生産される小型モータを使用できコストの低減を図ることができる。
【0021】
小型モータを使用するので作動音の静粛化と製造コストの低減化を合わせて図ることができる。
【0022】
二段のスライドを単独作動→重複作動→単独作動となるようにすることにより減速するとトルクも落ちてしまうPWM(パルスワイドモジュール)制御等とは違い、安定したトルクを保ちつつ低速作動(回転板アッシイに対する下段スライドアッシイの単独スライド)→高速作動(回転板アッシイに対する下段スライドアッシイのスライドと下段スライドアッシイに対する上段スライドアッシイの二重スライド作動)→低速作動(下段スライドアッシイに対する上段スライドアッシイの単独スライド)をさせてスライド開始時とスライド完了時のショックが低減できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の車両用シート装置の車両に格納状態の全体斜視図である。
【図2】同じく、本発明の車両用シート装置のシートを車両外にスライドしたスライド完了時における全体斜視図である。
【図3】同じく、本発明の車両用シート装置の回転板アッシイ単体の斜視図である。
【図4】同じく、本発明の車両用シート装置の下段スライドアッシイ単体の斜視図である。
【図5】同じく、本発明の車両用シート装置の上段スライドアッシイの上段駆動スライドアッシイ部単体の斜視図である。
【図6】同じく、本発明の車両用シート装置の上段スライドアッシイの上段従動スライドアッシイ部単体の斜視図である。
【図7】同じく、本発明の車両用シート装置の回転板アッシイと下段スライドアッシイと上段スライドアッシイの結合構造を示す断面説明図である。
【図8】同じく、本発明の車両用シート装置のスライド完了時における回転板アッシイと下段スライドアッシイと上段スライドアッシイの各レール部とカイドローラの結合構造を示す断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
回転板アッシイ2と下段スライドアッシイ3と上段駆動スライドアッシイ部4a及び上段従動スライドアッシイ部4bからなる上段スライドアッシイ4の順に積層され、前記回転板アッシイ2は、車両の車室5内に支持されたベースフレーム6に車両前向きと車両外横向きとに回転自在に支袈されて設けられる車両用シート装置1において、前端部3a1、3a1に下段前ガイドローラ8、8が内向きに配備される下段ガイドレールアウター3b、3bが両側部に設けられる回転板アッシイ2と、両側部には互いに外向きの下段ガイドレールインナー3a、3aと互いに内向きの下段ガイドレールアウター3b、3bが背合せに一体に設けられ、前記外側の下段ガイドレールインナー3a、3aの後端部3a2、3a2の側面に下段後ガイドローラ9、9が外向きに、前端部3a1、3a1の側面に上段前ガイドローラ10、10が、下段ガイドレールインナー3a、3aの外側より外方に突出して外向きに夫々配備される下段スライドアッシイ3と、前記上段駆動スライドアッシイ部4aの両側部に、前端に上段前側ガイドローラ11、11が、後端に上段後側ガイドローラ12、12が夫々配備され、前記上段従動スライドアッシイ部4bの後端部に設けたアングル14、14と前記上段駆動スライドアッシイ部4aの上段後側ガイドローラ支軸13、13に回動自在に連結され、かつ両側面に前記下段スライドアッシイ3の下段ガイドレールインナー3a、3aよりも前下がり傾斜に設定された内向き上段カイドレールアウター4b1、4b1が配備されてなる上段スライドアッシイ4と、前記下段スライドアッシイ3と回転板アッシイ2に下段往復作動機構18が配備され、前記上段スライドアッシイ4の上段駆動スライドアッシイ部4aと下段スライドアッシイ3に上段往復作動機構22が配備されてなる車両用シート装置。
【実施例】
【0025】
以下、本発明の車両用シート装置を実施例として示す図面により説明すると、実施例のシート装置1は、下段側から回転板アッシイ2と下段スライドアッシイ3と上段スライドアッシイ4の順に積層されて設けられる。
【0026】
回転板アッシイ2は、車両の車室5内に支持されたベースフレーム6上に車両前向きと車両外横向きとに枢軸7を中心に回転自在に支袈される。
【0027】
前記回転板アッシイ2の両側部には互い内向きコ字形枠杆部材が前下がり傾斜に配備される下段ガイドレールアウター2a、2aが設けられ、前記下段ガイドレールアウター2a、2aの前端部2a1、2a1には下段前ガイドローラ8、8が内向きに配備される。
【0028】
前記下段スライドアッシイ3の両側部には互いに外向きコ字形枠杆部材の下段ガイドレールインナー3a、3aと互いに内向きコ字形枠杆部材の下段ガイドレールアウター3b、3bが背合せに一体に設けられ、前記外側の下段ガイドレールインナー3a、3aの後端部3a2、3a2には下段後ガイドローラ9、9が外向きに配備される。
【0029】
前記回転板アッシイ2の下段ガイドレールアウター2a、2aの中を前記下段スライドアッシイ3の下段後ガイドローラ9、9が、前記下段スライドアッシイ3の下段ガイドレールインナー3a、3aの中を前記回転板アッシイ2の下段前ガイドローラ8、8が夫々転動自在に配備され、前記下段スライドアッシイ3が回転板アッシイ2の下段ガイドレールアウター2a、2aに支持されてスライド作動を行うように設けられる。
【0030】
前記下段スライドアッシイ3において外側の下段ガイドレールインナー3a、3aの側面前端部3a1、3a1に上段前ガイドローラ10、10が、下段ガイドレールインナー3a、3aより外側に突出した外向きに配備される。
【0031】
前記上段スライドアッシイ4は、上段駆動スライドアッシイ部4aと上段従動スライドアッシイ部4bから設けられる。
【0032】
上段駆動スライドアッシイ部4aの両側部においては両側部の前端に上段前側ガイドローラ11、11が、後端に上段後側ガイドローラ12、12が配備され、それらの上段前側ガイドローラ11、11と上段後側ガイドローラ12、12は下段スライドアッシイ3の前記下段ガイドレールアウター3b、3bの中を転動自在に配備され、この上段駆動スライドアッシイ部4aが下段ガイドレールアウター3b、3bに支持されてスライド作動を行うように設けられる。
【0033】
前記上段駆動スライドアッシイ部4aの上段後側ガイドローラ支軸13、13に回転自在となるアングル14、14が配備され、このアングル14、14と前記上段従動スライドアッシイ部4bの後端部が結合される。
【0034】
前記上段従動スライドアッシイ部4bの両側面には前記下段スライドアッシイ3の下段ガイドレールインナー3a、3aよりも前下がり傾斜となるように設定された内向きコ字形枠杆部材の上段カイドレールアウター4b1、4b1が配備され、この上段カイドレールアウター4b1、4b1内に前記下段スライドアッシイ3の上段前ガイドローラ10、10が転動自在に配備され、上段従動スライドアッシイ部4bの後側が前記上段後側ガイドローラ12、12の上段後側ガイドローラ支軸13、13に結合されて下段ガイドレールインナー3a、3aよりも前下がり傾斜にスライド可能に配備される。
【0035】
前記下段スライドアッシイ3は、下段スライドアッシイ3に支持されたモータ15により回転するピニオンギヤ16と回転板アッシイ2に支持されたラックギヤ17による下段往復作動機構18でスライド作動が行われる。
【0036】
前記上段スライドアッシイ4の上段駆動スライドアッシイ部4aは、上段駆動スライドアッシイ部4aに支持されたモータ19により回転するピニオンギヤ20と下段スライドアッシイ3に支持されたラックギヤ21による上段往復作動機構22でスライド作動が行われる
【0037】
本発明の実施例の車両用シート装置1は、前記のように構成されるから、回転板アッシイ2のラックギヤ17と下段スライドアッシイ3のモータ15のピニオンギヤ16による往復作動機構18により下段スライドアッシイ3が前進・後退する。この時、下段ガイドレールアウター2a、2aの中を下段後ガイドローラ9、9が、下段カイドレールインナー3a、3aの中を下段前ガイドローラ8、8が夫々転がり直動のガイドをする。
【0038】
下段スライドアッシイ3のラックギヤ21と上段駆動スライドアッシイ部4aのモータ19により回転するピニオンギヤ20からなる上段往復作動機構22により下段スライドアッシイ3に対して上段駆動スライドアッシイ部4aが前進・後退する。この時、上段従動スライドアッシイ部4bは、前記上段駆動スライドアッシイ部4aとアングル14、14により傾動自在に連結され、また、その上段カイドレールアウター4b1、4b1が前記下段スライドアッシイ3の下段ガイドレールインナー3a、3aよりも前下がり傾斜となるように設定されており、その上段カイドレールアウター4b1、4b1の中を下段スライドアッシイ3の上段前ガイドローラ10、10が転がり直動のガイドをする。
【0039】
前記上段駆動スライドアッシイ部4aと上段従動スライドアッシイ部4bは一体に設けられるアングル14が前記上段後側ガイドローラ12、12の上段後側ガイドローラ支軸13、13に結合されているため、上段駆動スライドアッシイ部4aの前進・後退と共に上段従動スライドアッシイ部4bも前進・後退を行う。
【0040】
前記上段駆動スライドアッシイ部4aが前進・後退する時は、前記上段ガイドレールアウター4b1、4b1の中を前記下段スライドアッシイ3の上段前ガイドローラ10、10が転がり、上段ガイドレールアウター4b1、4b1の取付角度と上段後側ガイドローラ支軸13、13を中心として前側が下がる傾動を行うものである。
【0041】
前記上段従動スライドアッシイ部4bにはシート23が装備される。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の車両用シート装置は、コストの低減に寄与し、車両シート装置に幅広く汎用が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 車両用シート装置
2 回転板アッシイ
2a 下段ガイドレールアウター
2a1 前端部
3 下段スライドアッシイ
3a 下段ガイドレールインナー
3a1 前端部
3a2 後端部
3b 下段ガイドレールアウター
4 上段スライドアッシイ
4a 上段駆動スライドアッシイ部
4b 上段従動スライドアッシイ部
4b1 上段カイドレールアウター
5 車室
6 ベースフレーム
7 枢軸
8 下段前ガイドローラ
9 下段後ガイドローラ
10 上段前ガイドローラ
11 上段前側ガイドローラ
12 上段後側ガイドローラ
13 上端後側ローラ支軸
14 アングル
15 モータ
16 ピニオンギヤ
17 ラックギヤ
18 下段往復作動機構
19 モータ
20 ピニオンギヤ
21 ラックギヤ
22 上段往復作動機構
23 シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転板アッシイと下段スライドアッシイと上段駆動スライドアッシイ部及び上段従動スライドアッシイ部からなる上段スライドアッシイの順に積層され、前記回転板アッシイは、車両の車室内に支持されたベースフレームに車両前向きと車両外横向きとに回転自在に支袈されて設けられる車両用シート装置において、前端部に下段前ガイドローラが内向きに配備される下段ガイドレールアウターが両側部に設けられる回転板アッシイと、両側部には互いに外向きの下段ガイドレールインナーと互いに内向きの下段ガイドレールアウターが背合せに一体に設けられ、前記外側の下段ガイドレールインナーの後端部の側面に下段後ガイドローラが外向きに、前端部の側面に上段前ガイドローラが、下段ガイドレールインナー外側に突出して外向きに夫々配備される下段スライドアッシイと、前記上段駆動スライドアッシイ部の両側部に、前端に上段前側ガイドローラが、後端に上段後側ガイドローラが夫々配備され、前記上段従動スライドアッシイ部の後端部と前記上段駆動スライドアッシイ部とが回動自在に連結され、かつ両側面に前記下段スライドアッシイの下段ガイドレールインナーよりも前下がり傾斜に設定された内向き上段カイドレールアウターが配備されてなる上段スライドアッシイと、前記下段スライドアッシイと回転板アッシイに上段往復作動機構が配備され、前記上段スライドアッシイの上段駆動スライドアッシイ部と下段スライドアッシイに上段往復作動機構が配備されてなる車両用シート装置。
【請求項2】
前記回転板アッシイの下段ガイドレールアウターの中を前記下段スライドアッシイの下段後ガイドローラが、前記下段スライドアッシイの下段ガイドレールインナーの中を前記回転板アッシイの下段前ガイドローラが夫々転動自在に配備され、前記下段スライドアッシイが回転板アッシイの下段ガイドレールアウターに支持されてスライド作動を行うように設けられてなる請求項1の車両用シート装置。
【請求項3】
上段駆動スライドアッシイ部の上段前側ガイドローラと上段後側ガイドローラは下段スライドアッシイの前記下段ガイドレールアウターの中を転動自在に配備され、この上段駆動スライドアッシイ部が下段ガイドレールアウターに支持されてスライド作動を行うように設けられてなる請求項1又は請求項2の車両用シート装置。
【請求項4】
前記上段駆動スライドアッシイ部の上段後側ガイドローラ支軸に回転自在となるアングルが配備され、このアングルが前記上段従動スライドアッシイ部の後端部に一体に結合されてなる請求項1、請求項2、請求項3の何れか1の車両用シート装置。
【請求項5】
前記上段従動スライドアッシイ部の両側面に配備された上段カイドレールアウター内に前記下段スライドアッシイの上段前ガイドローラが転動自在に配備され、上段従動スライドアッシイ部が上段駆動スライドアッシイ部の上段後側ガイドローラ支軸を中心に回動して下段ガイドレールインナーよりも前下がり傾斜にスライド可能に配備されてなる請求項1、請求項2、請求項3、請求項4の何れか1の車両用シート装置。
【請求項6】
前記下段スライドアッシイは回転板アッシイに対して下段スライドアッシイに支持されたモータにより回転するピニオンギヤと回転板アッシイに支持されたラックギヤによる下段往復作動機構によりスライド作動してなる請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5の何れか1の車両用シート装置。
【請求項7】
前記上段スライドアッシイの上段駆動スライドアッシイ部は、下段スライドアッシイに対して上段駆動スライドアッシイ部に支持されたモータにより回転するピニオンギヤと下段スライドアッシイに支持されたラックギヤによる上段往復作動機構によりスライド作動してなる請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6の何れか1の車両用シート装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−52695(P2013−52695A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190174(P2011−190174)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(393011692)和光工業株式会社 (23)
【Fターム(参考)】