説明

車両用シート

【課題】シートバックを所定の前傾位置まで倒し込んで係止させられるようにする操作と、この前傾位置での係止状態を解除してシートバックを大倒し位置まで倒し込めるようにする操作と、を片手で簡便かつ連続的に行えるようにする。
【解決手段】シートバック2を通常使用位置から所定の前傾位置まで傾倒させて係止させられるようにするW/Iレバー7と、シートバック2の上記所定の前傾位置での係止状態を解除してシートバック2を大倒し位置まで倒し込めるようにするF/Dボタン9と、を有する車両用シート1である。F/Dボタン9は、W/Iレバー7と共にシートバック2に設けられており、W/Iレバー7に対し、W/Iレバー7が操作される操作後の位置に隣接して配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに関する。詳しくは、シートバックを通常使用位置から所定の前傾位置まで傾倒させて係止させられるようにする前傾操作部材と、シートバックの上記所定の前傾位置での係止状態を解除してシートバックを大倒し位置まで倒し込めるようにする大倒し操作部材と、を有する車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用シートにおいて、シート本体に設けられた第1のレバーを操作することにより、シートバックが所定の前傾位置まで傾倒され、続いて第2のレバーを操作することによりシートバックが大倒し位置まで倒し込まれるように構成されたものがある(特許文献1参照)。具体的には、第1のレバーは、車両用シートの車両外側(乗降ドアに近い側)の側部に設定され、第2のレバーは、シートバックの車両外側の肩口部に設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−255811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術では、第1のレバーと第2のレバーとが高さ方向に遠く離間して配置されているため、シートバックの前傾位置までの倒し込み操作と、その後の大倒し位置までの倒し込み操作と、を片手で行うには、一度、第1のレバーから手を離して第2のレバーへと手を持ち替えて操作を行わなければならず、操作性が悪かった。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、シートバックを所定の前傾位置まで倒し込んで係止させられるようにする前傾操作部材の操作と、この前傾位置での係止状態を解除してシートバックを大倒し位置まで倒し込めるようにする大倒し操作部材の操作と、を片手で簡便かつ連続的に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の車両用シートは次の手段をとる。
第1の発明は、シートバックを通常使用位置から所定の前傾位置まで傾倒させて係止させられるようにする前傾操作部材と、シートバックの上記所定の前傾位置での係止状態を解除してシートバックを大倒し位置まで倒し込めるようにする大倒し操作部材と、を有する車両用シートである。大倒し操作部材は、前傾操作部材と共にシートバックに設けられており、前傾操作部材に対し、前傾操作部材が操作される操作後の位置に隣接して配置されている。
【0006】
この第1の発明によれば、大倒し操作部材が前傾操作部材の操作後の位置に隣接して配置されていることにより、前傾操作部材を操作した手をそのまま大倒し操作部材にもかけて操作することが可能となる。したがって、前傾操作部材の操作と大倒し操作部材の操作とを、片手で簡便かつ連続的に行えるようにすることができる。
【0007】
第2の発明は、上述した第1の発明において、両操作部材がシートバックの車両外側の肩口部に配置設定されているものである。
【0008】
この第2の発明によれば、両操作部材がシートバックの車両外側の肩口部に配置設定されていることにより、使用者が車両用シートの後列側のシートに着座した位置からや、車両用シートの車両外側の乗降ドアの外側に立った位置から、それぞれ、両操作部材に手をかけて各操作を片手で簡便かつ連続的に行えるようにすることができる。
【0009】
第3の発明は、上述した第2の発明において、前傾操作部材が、シートバックの肩口部においてシート前方側に起こし上げられて操作されるレバー構造とされ、大倒し操作部材が、前傾操作部材の前側箇所に隣接して配設された押込み式のボタン構造とされているものである。
【0010】
この第3の発明によれば、前傾操作部材を操作する時に、例えば人差し指から小指の4本のいずれかの指を使って引き上げるように操作した場合には、その操作後に隣接する大倒し操作部材を、その操作した手の親指で押込むように操作することで、両操作部材を片手で簡便かつ連続的に操作することができる。また、前傾操作部材を操作する時に、親指で押し上げるように操作した場合には、その操作後に隣接する大倒し操作部材を、その操作した手の人差し指から小指の4本のいずれかの指を使って押込むように操作することで、両操作部材を片手で簡便かつ連続的に操作することができる。また、いずれの場合にも、シートバックを前に傾倒させる際には、前傾操作部材を持つ操作の手でシートバックを持ちながらシートバックを前へ傾倒させることができ、大倒し操作部材の操作後にも、そのまま同じようにシートバックを持ちながらシートバックを大倒し位置まで倒し込むことができ、シートバックを倒し込む操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】車両用シートの外観構造を示した斜視図である。
【図2】車両用シートの内部構造を車両外側から見た斜視図である。
【図3】車両用シートの内部構造を車両内側から見た斜視図である。
【図4】車両用シートの車両外側の骨格構造を示した側面図である。
【図5】図4のV-V線断面図である。
【図6】図4の状態から解除レバーが操作された状態を示した側面図である。
【図7】図4の状態からW/Iレバーが操作された状態を示した側面図である。
【図8】図7の状態からシートバックが前傾位置まで傾倒された状態を示した側面図である。
【図9】図8の状態からF/Dボタンが操作された状態を示した側面図である。
【図10】図9の状態からシートバックが大倒し位置まで倒し込まれた状態を示した側面図である。
【図11】図4の状態に対応する車両用シートの車両内側の骨格構造を示した側面図である。
【図12】シートバックが前傾位置まで傾倒される途中の状態を示した側面図である。
【図13】シートバックが前傾位置まで傾倒された状態を示した側面図である。
【図14】シートバックが大倒し位置まで倒し込まれた状態を示した側面図である。
【図15】W/Iレバーを第1の持ち方で操作した時の手の状態を示した拡大図である。
【図16】W/Iレバーを第2の持ち方で操作した時の手の状態を示した拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
始めに、実施例1の車両用シート1の構成について、図1〜図16を用いて説明する。本実施例の車両用シート1は、図1に示すように、図示しない3列シートを備えた車両の助手席シート後側の2列目のシートとして構成されている。この車両用シート1は、着座乗員の背凭れとなるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、頭部を支えるヘッドレスト4と、を備える。シートバック2は、図2〜図3に示すように、その骨格を成す逆U字形状に組まれたシートバックフレーム2Aの左右両サイドの下端部が、それぞれ、シートクッション3の骨格を成す平面視U字形状に組まれたシートクッションフレーム3Aの左右両サイドの後端部に対して、回転止め可能な回転軸装置として機能するリクライニング装置5,5を間に介して連結されている。
【0014】
上述した各リクライニング装置5,5は、常時は、シートバック2のシートクッション3に対する背凭れ角度を固定したロック状態とされて保持されている。これらリクライニング装置5,5のロック状態は、シートクッション3の車両外側(乗降ドアに近い側)の側部に設けられた解除レバー6を引き上げる操作(図6参照)や、シートバック2の車両外側の肩口部に設けられたW/I(ウォークイン)レバー7を前に起こし上げる操作(図1及び図7参照)によって解除されるようになっている。これらリクライニング装置5,5のロック状態が解除されることにより、シートバック2は、各リクライニング装置5,5の軸心まわりに前後に傾動することができる状態となる。そして、シートバック2が任意の傾動位置に調節されたところで、上述した各操作を解くことにより、各リクライニング装置5,5が再びロック状態に戻されて、シートバック2がその調節された背凭れ角度の位置にて固定される。ここで、W/Iレバー7が、本発明の「前傾操作部材」に相当する。
【0015】
ここで、図2に示すように、上記シートバックフレーム2Aの車両外側の側部とシートクッションフレーム3Aの車両外側の側部との間には、渦巻きばね2A3が掛着されている。この渦巻きばね2A3は、その内側の端部がシートクッションフレーム3Aの車両外側の側部に掛着されており、外側の端部が、シートバックフレーム2Aの車両外側の側部に結合されたL字板2A2の車両外側に突出した片部に後側から掛着されている。この渦巻きばね2A3により、シートバック2は、常時、前倒れ回転する方向に附勢力をかけられた状態とされている。したがって、シートバック2は、車両用シート1に人が着座していない状態で、使用者がその車両外側の乗降ドアの外側に立った位置から上記解除レバー6(図6参照)やW/Iレバー7(図7参照)を操作することにより、上述した渦巻きばね2A3の附勢力によって通常使用位置から前へと倒し込まれるようになっている。
【0016】
ここで、上記シートバック2の前倒れ回転は、図3〜図4に示すように、シートクッションフレーム3Aの車両外側の側部の内側面に設けられた係止機構10のストッパピン12Bによって、図8に示す前傾位置(本発明の「所定の前傾位置」に相当する。)にて係止されるようになっている。そして、このシートバック2の前傾位置までの傾倒に伴って、図2及び図11に示すように、シートクッションフレーム3Aの車両内側(乗降ドアから遠い側)の側部の内側面に設けられたスライド解除機構8が押し蹴られる形で操作されて(図12〜図13参照)、ケーブル8Cを介して車両用シート1とフロアとの間に設けられた各スライダ装置30,30のスライドロック状態が解除されるようになっている。この解除操作によって、車両用シート1は、フロアに対して車両前後方向にスライドすることができる状態となる。したがって、この状態(シートバック2が前傾位置まで傾倒した状態)で車両用シート1を車両前方側へスライドさせることにより、その後列側の座席シートに対して乗り降りする乗員の乗降スペースを広く確保して、その乗降性を向上させることができる。
【0017】
また、車両用シート1は、上記図8に示したシートバック2が前傾位置まで傾倒された状態から、図1にて前述したW/Iレバー7の前部に設けられたF/D(フォールドダウン)ボタン9を下方側へ押し込む操作を行うことにより、係止機構10による係止状態が解除されて、シートバック2が上記前傾位置を越えてシートクッション3の上面部に重なる大倒し位置まで倒し込まれるようになっている。ここで、F/Dボタン9が、本発明の「大倒し操作部材」に相当する。詳しくは、上記シートバック2の大倒れ回転は、図2〜図3に示すようにシートバックフレーム2Aの左右両サイド下部の外側部に結合された各L字板2A2,2A2の外側に突出した各片部が、それぞれ、シートクッションフレーム3Aの左右両サイドの後ろ側上縁部に前方側に角状に突出して形成された各ストッパ面3A1,3A1に当接して係止する位置にて止められるようになっている(図10及び図14参照)。そして、このシートバック2の大倒れに伴って、上述したスライド解除機構8がシートバック2によって押し蹴られていた状態が解除されて、各スライダ装置30,30が再びスライドロックした状態に戻されるようになっている(図14参照)。これにより、車両用シート1は、シートバック2が大きく倒し込まれてコンパクトに畳み込まれた状態となり、車室内空間を広く拡張させることができると共に、その大倒しされたシートバック2の背面を各種荷物置きやテーブル等の載置面として使用できる状態となり、車室内の利便性を向上させることができる。
【0018】
このように、車両用シート1は、上記W/Iレバー7の操作によってシートバック2を前傾位置まで傾倒させられるようになっていると共に、傾倒後のF/Dボタン9の操作によって、シートバック2を更に前に傾倒させて大倒し位置まで倒し込めるようになっている。次に、上記W/Iレバー7及びF/Dボタン9の構成について、図1を用いて説明する。W/Iレバー7は、シートバック2の車両外側の肩口部に連結軸7B(図15〜図16参照)により起倒回転可能に軸連結されて設けられており、上記連結軸7Bを支点にシート前方側に起こし上げられて操作される構造とされている。上記W/Iレバー7は、常時は図示しないばねの附勢力によって、上記連結軸7Bとの連結部位から延出する板状の把持部7C(図15〜図16参照)が、シートバック2の上面部と面一状となる位置までシート後方側に倒し込まれた状態に保持されている。上記W/Iレバー7は、使用者が上記把持部7Cに手を掛けてシート前方側へ起こし上げるように操作することにより、このW/Iレバー7に繋がれたケーブル7Aを牽引操作して、図7で後述する操作リンク6Dを回転操作して、シートバック2を前傾位置まで倒し込むようになっている。
【0019】
図1に示すように、F/Dボタン9は、上記W/Iレバー7が配設された箇所の前側に隣接して配設されており、シートバック2の下方側に押し込まれて操作される構造とされている。上記F/Dボタン9は、常時は図示しないばねの附勢力によって、上記W/Iレバー7の操作前の初期位置状態よりも高さ方向に突出した状態とされて設けられており、使用者が上記F/Dボタン9を下方側へ押し込むように操作することで、このF/Dボタン9に繋がれたケーブル9Aを牽引操作して、図9で後述する係止機構10の操作アーム13を回転操作して、同係止機構10によるシートバック2の前傾位置での係止状態を解除してシートバック2を大倒し位置まで倒し込めるようにするようになっている。
【0020】
ところで、前述したF/Dボタン9は、W/Iレバー7の配設箇所の前側に隣接して配設されていることから、W/Iレバー7を操作した後に、その操作した手をそのままF/Dボタン9にも届かせて、F/Dボタン9の押込み操作も連続的に行えるようになっている。具体的には、例えば図15に示すように、第1の持ち方として、W/Iレバー7を操作する時に、操作する手の人差し指から小指の4本のいずれかの指を使って引き上げるように操作した場合、その操作後には、空いている親指が、W/Iレバー7の前側に隣接するF/Dボタン9の上部位置に近づけられた状態となる。したがって、その親指をそのままW/Iレバー7の操作の延長でF/Dボタン9の上に持っていくことで、W/Iレバー7の操作を行いながらF/Dボタン9の操作も連続的に行うことができる。
【0021】
または、図16に示すように、第2の持ち方として、W/Iレバー7を親指で前に押し上げるように操作した場合には、その操作後には、空いている人差し指から小指の4本の指が、W/Iレバー7に隣接するF/Dボタン9の上部位置に近づけられた状態となる。したがって、それらのいずれかの指をそのままW/Iレバー7の操作の延長でF/Dボタン9の上に持っていくことで、W/Iレバー7の操作を行いながらF/Dボタン9の操作も連続的に行うことができる。
【0022】
また、上記いずれの持ち方で操作した場合であっても、W/Iレバー7を操作する指と、F/Dボタン9を操作する指とで、シートバック2の肩口部を掴むように把持した持ち方となるため、W/Iレバー7の操作を行った時も、F/Dボタン9の操作を行った時も、その操作した手でシートバック2を掴むように持ちながら、シートバック2を上述した前傾位置や大倒し位置まで倒し込むことができる。したがって、シートバック2の倒れ込み速度が急激的となり過ぎないように、上記シートバック2を掴んだ手でその倒れ込み速度の抑制を行うことができる。また、上述したW/Iレバー7の操作方向は、シートバック2の倒し込み方向と同じ前方向に設定されており、F/Dボタン9の操作方向は、シートバック2の倒し込み方向と同じ下方向に設定されている。したがって、これらの操作を行う操作感覚が、シートバック2を前に倒し込む操作感覚と近くなるため、使用者にW/Iレバー7やF/Dボタン9の操作方法を認識させやすくすることができると共に、それらの操作性も良好にすることができる。
【0023】
また、上述したように、W/Iレバー7とF/Dボタン9は、使用者が、W/Iレバー7を掴んだ手の指と、その残りのF/Dボタン9を押下する指とで、シートバック2の肩口部を掴むようにしてそれぞれ力をかけられるように操作方向が設定されていることにより、W/Iレバー7を操作した状態の手でF/Dボタン9を操作する際に力をかけやすく、また、両操作をした後に、シートバック2の倒し込み操作が完了するまで、一切、手を持ち替えることなく、両操作の操作状態を維持したまま、シートバック2の肩口部を掴んだ状態でシートバック2を倒し込んでいくことができ、操作性も良い。
【0024】
以下、上述した車両用シート1に搭載された各機構の構成について詳しく説明する。なお、上述したシートバック2は、図1に示すように、前述した図2や図3に示したシートバックフレーム2Aの表面部にウレタン樹脂の発泡成形体より成るクッションパッド2Bが被せ付けられており、更にその表面全体を覆うように布製のカバー2Cが被せ付けられた構成とされている。また、シートクッション3も同様に、前述した図2や図3に示したシートクッションフレーム3Aの表面部にウレタン樹脂の発泡成形体より成るクッションパッド3Bが被せ付けられており、更にその表面全体を覆うように布製のカバー3Cが被せ付けられた構成とされている。
【0025】
先ず、各リクライニング装置5,5の構成について説明する。なお、各リクライニング装置5,5は、互いに左右対称の向きに配置されているが、双方の基本的な構成は同じものとなっている。したがって、以下では、これらを代表して、図4に示されている車両外側に配されたリクライニング装置5の構成についてのみ説明することとする。このリクライニング装置5は、図5に示すように、シートバックフレーム2Aのサイドフレームの外側の面部に面当接されて一体的に溶着される円盤形状のラチェット5Aと、シートクッションフレーム3Aのサイドフレームの内側の面部に面当接されて一体的に溶着される円盤形状のガイド5Bと、を有し、これらラチェット5Aとガイド5Bとが、互いに軸方向に嵌合されて同軸まわりに相対回転可能となる状態に組まれて、外周リング5Cにより互いに軸方向に外れ止めされた状態に組まれた構成となっている。
【0026】
上記ラチェット5Aとガイド5Bとは、これらの間に組み込まれた外歯を有する2個のポール5D,5Dが、ガイド5Bの中心部に軸支されたヒンジカム5Fの軸回転に伴って、同ヒンジカム5Fによりスライド操作されるスライドカム5Eを介してラチェット5Aと噛合するよう押圧されたり、ラチェット5Aとの噛合状態から外されるように操作されることで、互いの相対回転がロックされたり解除されたりするように切り替えられる構成となっている。
【0027】
上記ヒンジカム5Fは、常時は、ガイド5Bとの間に掛着された渦巻きばね5Gの附勢力により回転附勢されて、各ポール5D,5Dをラチェット5Aと噛合させた状態に保持した状態となっている。これにより、リクライニング装置5は、常時は、ラチェット5Aとガイド5Bとの相対回転がロックされた状態(回転止め状態)として、シートバック2の背凭れ角度を固定した状態となっている。しかし、上記ヒンジカム5Fは、その軸心部に挿通されて回転方向に一体的とされた操作軸5Hが、上述した解除レバー6やW/Iレバー7(図1参照)の操作によって回転操作されることにより、上記渦巻きばね5Gの附勢力に抗して回転操作されて、各ポール5D,5Dをラチェット5Aとの噛合状態から外すように引き戻す操作をする。これにより、ラチェット5Aとガイド5Bとの回転止めされた状態(ロック状態)が解除されて、シートバック2の背凭れ角度の固定状態が解かれる。
【0028】
また、ヒンジカム5Fは、上記解除レバー6やW/Iレバー7の操作状態が解かれることにより、再び上記渦巻きばね5Gの附勢力によって、各ポール5D,5Dをラチェット5Aと噛合させた状態に戻して保持するようになっている。以上が、各リクライニング装置5,5の基本構造となっている。なお、車両内側に配されたリクライニング装置5の操作軸5Hは、車両外側に配されたリクライニング装置5の操作軸5Hと連結ロッド5Rを介して互いに一体的に連結されており、車両外側の操作軸5Hが後述する解除アーム5Lにより回転操作される動きに連動して、一斉にロック・解除の切替え操作が行われるようになっている。
【0029】
次に、図4及び図6を参照して、解除レバー6の構成について説明する。解除レバー6は、図4に示すように、シートクッションフレーム3Aの車両外側のサイドフレームの外側の面部に連結軸6Bによって回転可能に軸連結されて設けられている。詳しくは、上記連結軸6Bは、シートクッションフレーム3Aに一体的に結合されて設けられており、解除レバー6は、上記連結軸6Bに対して回転可能に軸連結されて設けられている。上記解除レバー6は、シートバック2の直下位置となる後方部位置で上記連結軸6Bにより軸支されており、この軸支部位からシート前方側に向かって把持部となるアーム片を延ばす形に形成されている。この解除レバー6は、常時は、上記連結軸6Bとの間に掛着された捩りばね6Cの附勢力によって、その前方側に延出するアーム片を下方側へ回す方向に附勢されており、その下面部に形成された係止片6A2が、シートクッションフレーム3Aに切り起こし形成された係止板3A2の上面に当接する位置にて係止された状態とされている。
【0030】
また、上記連結軸6Bには、上記解除レバー6とは別に、操作リンク6Dが回転可能に軸連結されている。この操作リンク6Dは、径方向の二方向にアーム片を延出させる形状とされており、図4の初期状態においてシート後方側に延出するアーム片には、従動リンク6Eを介して上述したリクライニング装置5の操作軸5Hに連結された解除アーム5Lがリンク連結されている。詳しくは、上記従動リンク6Eは、シート高さ方向に長尺な形に形成されており、その上端部が連結軸6E1によって解除アーム5Lの後端部に回転可能に軸連結され、下端部が連結軸6E2によって上述した操作リンク6Dの後方側へ延出するアーム片の後端部に回転可能に軸連結されている。ここで、解除アーム5Lは、車両外側に配されたリクライニング装置5の操作軸5Hとの連結部からシート後方側へ延出して設けられている。また、上記操作リンク6Dのシート下方側に延出するアーム片には、操作リンク6Dの回転方向に延びる円弧状の長孔6D2が形成されており、この長孔6D2に対して、W/Iレバー7に繋がれたケーブル7Aの端部が繋がれている。
【0031】
上記操作リンク6Dは、図6に示すように、解除レバー6が引き上げ操作されることにより、そのシート後方側に延出するアーム片の上面部に形成された脚片6D1が、解除レバー6に形成された角部6A1により押されて、解除レバー6と一緒に図示時計回り方向に回転する。これにより、従動リンク6Eが下方側へ押し下げられるように操作され、リクライニング装置5の操作軸5Hに連結された解除アーム5Lが同方向に回されて、各リクライニング装置5,5のロック状態が解除される。また、操作リンク6Dは、解除レバー6の引き上げ操作状態が解除されて、解除レバー6が捩りばね6Cの附勢力によって図4に示す初期位置に戻されるのに伴って、前述した各リクライニング装置5,5がロック状態に戻される附勢力の作用によって、従動リンク6Eにより引き上げられる格好で元の初期位置状態に戻されるようになっている。また、操作リンク6Dは、図7に示すように、W/Iレバー7が操作された場合にも、同W/Iレバー7に繋がれたケーブル7Aにより牽引操作されて、図6で前述した解除レバー6によって押し回される時と同じように回転操作されて、各リクライニング装置5,5のロック状態を解除するようになっている。
【0032】
次に、図11〜図14を参照して、スライド解除機構8の構成について説明する。スライド解除機構8は、図11に示すように、操作リンク8Aと、蹴リンク8Bと、ケーブル8Cと、によって構成されている。操作リンク8Aは、連結軸8A1によりシートクッションフレーム3Aの車両内側のサイドフレームの内側の面部に回転可能に軸連結されている。蹴リンク8Bは、操作リンク8Aに連結軸8A2により回転可能に軸連結されている。上記操作リンク8Aは、径方向の二方向にアーム片を延出させる形状とされており、図11に示す初期状態においてシート後下方向に延出するアーム片上に、上記連結軸8A2により蹴リンク8Bの下端部が回転可能に軸連結されている。また、操作リンク8Aのシート前方向に延出するアーム片には、各スライダ装置30,30のスライドロック状態の解除操作を行う後述するロック解除アーム33を操作するためのケーブル8Cが繋がれている。ここで、上記操作リンク8Aは、連結軸8A1に対して回転可能に軸連結されており、連結軸8A1が、シートクッションフレーム3Aに対して一体的に結合されている。そして、上記操作リンク8Aとシートクッションフレーム3Aに形成された係止板3A3との間には、操作リンク8Aを図示反時計回り方向に回転附勢する捩りばね8A3が掛着されている。これにより、操作リンク8Aは、常時は、上記捩りばね8A3の附勢力によって、上記シート後下方向に延出するアーム片が上記係止板3A3の下面に当接する位置にて係止された状態とされている。
【0033】
蹴リンク8Bは、シート後方向に向かってU字状に湾曲した形に形成されており、その図示下端部が、連結軸8A2により上記操作リンク8Aのシート後下方向に延出するアーム片に回転可能に軸連結されている。詳しくは、上記連結軸8A2は、蹴リンク8Bに対して一体的に結合されており、操作リンク8Aに対して回転可能に軸連結されている。そして、上記連結軸8A2と操作リンク8Aとの間には、連結軸8A2と一体的とされた蹴リンク8Bを常時図示時計回り方向に回転附勢する捩りばね8A4が掛着されている。これにより、蹴リンク8Bは、常時は、上記捩りばね8A4の附勢力によって、そのU字の湾曲した凹面を操作リンク8Aの回転軸たる連結軸8A1に押し当てて係止された状態として保持されている。
【0034】
上記蹴リンク8Bの図示上端部には、軸方向に突出する丸棒状の脚ピン8B1が設けられている。この脚ピン8B1は、図11に示すように、その初期状態では、シートバックフレーム2Aの前下側の周縁部に突出して設けられた内側蹴部2A1bがシートバック2の前倒れ回転によって移動してくる軌跡上の位置に露呈した状態とされている。これにより、上記脚ピン8B1を備えた蹴リンク8Bは、図12〜図13に示すように、シートバック2が前傾位置まで倒し込まれる動作によって、脚ピン8B1が内側蹴部2A1bによって押し蹴られる格好で連結軸8A1を支点に連結軸8A2を介して操作リンク8Aと一体的となって図示時計回り方向に押し回されるようになっている。そして、この操作リンク8Aの回転により、ケーブル8Cが牽引操作されて、前述した各スライダ装置30,30に連結されて設けられたロック解除アーム33が操作されて、各スライダ装置30,30のスライドロック状態が解除される。上記蹴リンク8Bが内側蹴部2A1bによって押し回された状態は、図13に示すように、シートバック2が前傾位置に係止された状態では、脚ピン8B1が内側蹴部2A1bの周面上に乗り上がった状態に保たれることで、押し回された状態に保持されるようになっている。
【0035】
しかし、蹴リンク8Bは、図14に示すように、シートバック2が上記前傾位置を越えた大倒し位置まで倒し込まれることにより、内側蹴部2A1bが脚ピン8B1との干渉を抜ける位置まで通り過ぎて、捩りばね8A3,8A4の両作用によって、操作リンク8Aと共に、回転操作される前の初期位置に戻されるようになっている。これにより、操作リンク8Aに繋がれたケーブル8Cの牽引操作状態が解かれて、各スライダ装置30,30が再びスライドロックされた状態に戻されるようになっている。上記初期位置に戻された蹴リンク8Bは、シートバック2が大倒し位置から元の使用位置に戻される動きによって、再び、脚ピン8B1が内側蹴部2A1bによって押し蹴られる関係となるが、この時には、蹴リンク8Bは、捩りばね8A4の附勢力に抗して連結軸8A2を中心に図示反時計回り方向に単独で回転操作されるようになっており、連結軸8A1まわりの同方向への回転が係止されている操作リンク8Aとは一緒には回らないようになっている。この蹴リンク8Bの単独回転により、操作リンク8Aに繋がれたケーブル8Cに無理な引張り力や曲げ力をかけないように、シートバック2が起こし上げられる動きを逃がせるようになっている。
【0036】
ここで、図2〜図3に示すように、各スライダ装置30,30は、シートクッションフレーム3Aの両サイドフレームの下部とフロアとの間に左右一対で配置されて設けられている。これらスライダ装置30,30は、それぞれ、フロア上に固定されてシート前後方向に延設されたロアレール31と、シートクッションフレーム3Aに固定されてロアレール31に対して前後スライド可能な状態に組み付けられたアッパレール32と、アッパレール32に設けられてロアレール31との係合によりアッパレール32のスライドをロックする図示しないロック爪と、を有する。上記図示しない各ロック爪は、常時はアッパレール32との間に掛着されたばね(図示省略)の附勢力によりロアレール31と係合してアッパレール32のスライドをロックした状態に保持されており、この附勢力に抗して回転操作されることによりロアレール31との係合から外されて上記したスライドロック状態を解除する構成となっている。
【0037】
上記図示しない各ロック爪は、互いの間に連結ロッド34が架け渡されて一体的に連結されており、互いのロック解除の作動が同期して行われるようになっている。この連結ロッド34の車両内側の端部には、ロック解除アーム33が一体的に結合されており、前述したシートバック2の前倒れ回転に伴うスライド解除機構8の作動に伴って、ケーブル8Cを介してロック解除アーム33が回転操作されて、連結ロッド34を介して各ロック爪が回転操作され、各スライダ装置30,30のスライドロック状態が解除されるようになっている。
【0038】
次に、図1〜図4及び図6〜図10を参照して、F/Dボタン9及び係止機構10の構成について説明する。F/Dボタン9は、図1〜図3に示すように、前述したシートバック2の車両外側の肩口部に配されたW/Iレバー7の前側箇所に隣接して設けられている。このF/Dボタン9は、その下方側への押込み操作によって、同F/Dボタン9に繋がれたケーブル9Aを牽引操作し、同ケーブル9Aに繋がれた後述する係止機構10の操作アーム13を牽引操作して、係止機構10によるシートバック2の前傾位置での係止状態を解除する構成となっている。次に、係止機構10の構成について説明する。係止機構10は、図4に示すように、支えアーム11と、ストッパアーム12と、操作アーム13と、を有する。支えアーム11とストッパアーム12は、図3に示すように、シートクッションフレーム3Aの車両外側のサイドフレームの内側の面部に配されており、操作アーム13は、図2に示すように、上記シートクッションフレーム3Aの車両外側のサイドフレームの外側の面部に配されている。
【0039】
上記支えアーム11と操作アーム13は、連結軸13Aにより互いに一体的に結合された状態として、シートクッションフレーム3Aのサイドフレームに対して回転可能に軸連結された状態とされている。上記操作アーム13には、前述したように、F/Dボタン9との間にケーブル9Aが繋がれており、F/Dボタン9が操作されることによってケーブル9Aを介して図示反時計回り方向に回転操作されるようになっている(図9参照)。支えアーム11は、図4に示すように、径方向の二方向にアーム片を延出させる形状とされており、そのシート上前方向に延出するアーム片は、後述するストッパアーム12のストッパピン12Bを受け止める機能をするものとなっており、シート下前方向に延出するアーム片には、シートクッションフレーム3Aとの間に、引張ばね11Aが掛着されている。この引張ばね11Aの附勢力により、支えアーム11及びこれと一体的とされた操作アーム13は、常時は連結軸13Aを中心に図示時計回り方向に回転附勢された状態として、支えアーム11のシート下前方向に延出するアーム片がシートクッションフレーム3Aに一体的に形成された係止板3A4の後面に当接する位置にて係止された状態とされている。
【0040】
また、ストッパアーム12は、上記シートクッションフレーム3Aのサイドフレームに対し、連結軸12Aにより回転可能に軸連結されて設けられている。このストッパアーム12は、シートクッションフレーム3Aとの間に引張ばね12Cが掛着されており、常時はこの引張ばね12Cの附勢力によって図示時計回り方向に回転附勢された状態として、そのアームの先端部に軸方向に突出して設けられた丸棒状のストッパピン12Bを、上述した支えアーム11のシート上前方向に延出するアーム片の外周面に押し当てた状態に係止された状態とされている。このストッパピン12Bが上記支えアーム11のアーム片の外周面に押し当てられる力は、支えアーム11の外周面が連結軸13Aを中心に描かれる円弧の形に湾曲して形成されていることにより、連結軸13Aに向かって径方向に真っ直ぐに作用するようになっており、連結軸13Aにより強い支持力で支えられるようになっている。
【0041】
上記ストッパピン12Bは、図4に示すように、その初期状態では、シートバックフレーム2Aの前下側の周縁部に突出して設けられた外側蹴部2A1aがシートバック2の前倒れ回転によって移動してくる軌跡上の位置に露呈した状態とされている。これにより、上記ストッパピン12Bは、図8に示すように、シートバック2が前傾位置まで倒し込まれることによって、上述した外側蹴部2A1aと当接し、上述した支えアーム11による支えを介して、シートバック2の前倒れ回転を前傾位置にて係止させるようになっている。このストッパピン12Bによるシートバック2の前倒れ回転の係止状態は、使用者がF/Dボタン9を押し下げる操作を行うことによって解除される。
【0042】
具体的には、図9に示すように、F/Dボタン9が下方側へ押し下げられることにより、操作アーム13が連結軸13Aを中心に図示反時計回り方向に回されて、支えアーム11がこれと一体的となって回転し、ストッパピン12Bとの当接状態から外される。この時、支えアーム11は、ストッパピン12Bとの当接面が上記円弧面とされていることにより、比較的軽い力でストッパピン12Bとの当接から外すことができるようになっている。上記操作により、ストッパピン12Bを備えたストッパアーム12は、引張ばね12Cの附勢力によって図示時計回り方向に回転し、外側蹴部2A1aとは当たらなくなる位置まで退避して、シートバック2を前傾位置にて回転止めする機能が働かない状態となる。そしてこれにより、図10に示すように、シートバック2が、その前倒れ回転力によって上記前傾位置を越えて前に倒し込まれ、シートバックフレーム2Aの左右両サイドの外側下部に設けられた各L字板2A2,2A2がシートクッションフレーム3Aの左右両サイド部に形成された各ストッパ面3A1,3A1に当接する大倒し位置まで倒し込まれて係止されるようになっている。なお、上記F/Dボタン9の操作によって退避操作されたストッパアーム12は、F/Dボタン9の操作状態が解除されることによって、引張ばね12Cに打ち勝つ引張ばね11Aの強いばね力により初期位置に戻される支えアーム11の外周面形状(傾斜面形状)により案内されながら、図4に示した係止機能可能な元の初期位置状態に戻されるようになっている。
【0043】
このように、本実施例の車両用シート1の構成によれば、車両用シート1は、F/Dボタン9がW/Iレバー7の操作後の位置に隣接して配置されていることにより、W/Iレバー7を操作した手をそのままF/Dボタン9にもかけて操作することが可能となる。したがって、W/Iレバー7の操作とF/Dボタン9の操作とを、片手で簡便かつ連続的に行えるようにすることができる。また、上記W/Iレバー7とF/Dボタン9とが共に、シートバック2の車両外側の肩口部に配置設定されていることにより、使用者が車両用シート1の後列側のシートに着座した位置からや、車両用シート1の車両外側の乗降ドアの外側に立った位置から、それぞれ、W/Iレバー7やF/Dボタン9に手をかけて各操作を片手で簡便かつ連続的に行えるようにすることができる。
【0044】
また、W/Iレバー7が、シートバック2の肩口部においてシート前方側に起こし上げられて操作されるレバー構造とされ、F/Dボタン9が、W/Iレバー7の前側箇所に隣接して配設された押込み式のボタン構造とされていることから、上述したように、W/Iレバー7やF/Dボタン9の操作方向がシートバック2の倒し込み方向となるためこれらの操作が行いやすくなると共に、W/Iレバー7やF/Dボタン9を操作した手でシートバック2を掴みながらシートバック2の倒し込みを行うことができ、シートバック2を倒し込む操作性を向上させることができる。
【0045】
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、上記実施例では、本発明の「前傾操作部材」としてシート前方側に起こし上げられる回転操作式の「W/Iレバー7」を、また、本発明の「大倒し操作部材」として押し下げ操作式の「F/Dボタン9」をそれぞれ示したが、これら操作部材の操作タイプや操作方向は、スライド式、回転式、押引式などの種々の操作タイプを適用することができ、また、その操作方向も、シート前後方向、シート幅方向や高さ方向など、種々の操作方向に適宜自由に設定することができるものである。また、両操作部材は、双方に同じ操作タイプや操作方向のものであってもよい。また、各操作部材の配置箇所は、上記実施例で示したシートバックの車両外側の肩口部に限定されることなく、シートバックの側部やシートクッションの側部等、車両用シート内の種々の位置に設定することができる。
【0046】
また、大倒し操作部材の前傾操作部材に対する配置は、前傾操作部材が操作される操作後の位置に隣接して配置されていれば良く、前傾操作部材の操作方向に隣接していなくても、前傾操作部材の操作後の位置におけるいずれかの周縁位置に隣接して配置されていればよい。
【符号の説明】
【0047】
1 車両用シート
2 シートバック
2A シートバックフレーム
2A1a 外側蹴部
2A1b 内側蹴部
2A2 L字板
2A3 渦巻きばね
2B クッションパッド
2C カバー
3 シートクッション
3A シートクッションフレーム
3A1 ストッパ面
3A2 係止板
3A3 係止板
3A4 係止板
3B クッションパッド
3C カバー
4 ヘッドレスト
5 リクライニング装置
5A ラチェット
5B ガイド
5C 外周リング
5D ポール
5E スライドカム
5F ヒンジカム
5G 渦巻きばね
5H 操作軸
5L 解除アーム
5R 連結ロッド
6 解除レバー
6A1 角部
6A2 係止片
6B 連結軸
6C 捩りばね
6D 操作リンク
6D1 脚片
6D2 長孔
6E 従動リンク
6E1 連結軸
6E2 連結軸
7 W/Iレバー(前傾操作部材)
7A ケーブル
7B 連結軸
7C 把持部
8 スライド解除機構
8A 操作リンク
8A1 連結軸
8A2 連結軸
8A3 捩りばね
8A4 捩りばね
8B 蹴リンク
8B1 脚ピン
8C ケーブル
9 F/Dボタン(大倒し操作部材)
9A ケーブル
10 係止機構
11 支えアーム
11A 引張ばね
12 ストッパアーム
12A 連結軸
12B ストッパピン
12C 引張ばね
13 操作アーム
13A 連結軸
30 スライダ装置
31 ロアレール
32 アッパレール
33 ロック解除アーム
34 連結ロッド


【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートバックを通常使用位置から所定の前傾位置まで傾倒させて係止させられるようにする前傾操作部材と、前記シートバックの前記所定の前傾位置での係止状態を解除して前記シートバックを大倒し位置まで倒し込めるようにする大倒し操作部材と、を有する車両用シートであって、
前記大倒し操作部材は、前記前傾操作部材と共に前記シートバックに設けられており、前記前傾操作部材に対し該前傾操作部材が操作される操作後の位置に隣接して配置されていることを特徴とする車両用シート。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用シートであって、
前記両操作部材が前記シートバックの車両外側の肩口部に配置設定されていることを特徴とする車両用シート。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用シートであって、
前記前傾操作部材は前記シートバックの前記肩口部においてシート前方側に起こし上げられて操作されるレバー構造とされ、前記大倒し操作部材は前記前傾操作部材の前側箇所に隣接して配設された押込み式のボタン構造とされていることを特徴とする車両用シート。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−1176(P2013−1176A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131882(P2011−131882)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】