車両用ブラケット
【課題】振動等で外れることを防止すすることを可能にするとともに、小型化及び軽量化をすることを可能にする。
【解決手段】車体フロア13上に配置される内装部材(第1部材)31を係止する車両用ブラケット34であって、内装部材31に形成された係止部(フック)38と係合して内装部材31の上下それぞれの方向への移動を規制する第1支持部101と、第1支持部101との間に内装部材31の端部(フック側端部)39を挟み込むように、上方から支持する第2支持部102とを備えた。
【解決手段】車体フロア13上に配置される内装部材(第1部材)31を係止する車両用ブラケット34であって、内装部材31に形成された係止部(フック)38と係合して内装部材31の上下それぞれの方向への移動を規制する第1支持部101と、第1支持部101との間に内装部材31の端部(フック側端部)39を挟み込むように、上方から支持する第2支持部102とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納された座席の足元空間を覆う内装部材を床側に留め置く車両用ブラケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用ブラケットとして、蓋体、棒状部材若しくは工具等を車体側へ係止するものが知られている。
この種の車両用ブラケットは、蓋体、棒状部材若しくは工具等を取付けた状態では振動等では外れないようにするとともに、又、取り外すときには容易に取り外すことができるように考慮して設計されるものであった。
【0003】
このような車両用ブラケットとして、車体後部に設けられる荷室の蓋体を保持するものや、車両用フードのフードサポートロッドを所定位置に保持するものが知られている(例えば、特許文献1−2参照。)。
【特許文献1】実開平5−41975号公報
【特許文献2】特開平11−192975号公報
【0004】
特許文献1の車両用ブラケットは、荷室フロアの凹部を覆う蓋体の裏面に設けられるものであって、金属板にて形成され、凹部内の支軸に弾性的に嵌合させる略U字部を有するブラケットである。
【0005】
特許文献2の車両用ブラケットは、車両用フードのフードサポートロッドを所定位置に保持するものであり、樹脂にて形成され、フードサポートロッドを所定位置に且つ弾性的に保持する略U字部が形成されたものである。
【0006】
しかし、特許文献1の車両用ブラケットでは、蓋体を上方に引き上げて凹部から蓋体を外す構造であるので、略U字部の保持力に依存するものである。従って、略U字部の保持力を大きくすれば、振動等で蓋体が凹部から外れることを防止できるものの、着脱性の悪化を招くという課題があった。
また、特許文献1の車両用ブラケットでは、略U字部の保持力を大きくすれば、車両用ブラケットが大型になり、重量の増加を招くという欠点を有している。
【0007】
特許文献2の車両用ブラケットでも、フードサポートロッドを所定位置に且つ弾性的に保持する略U字部が形成されているので、特許文献1の車両用ブラケットと同様の課題が残る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、振動等で外れることを防止することができるとともに、小型化及び軽量化を図ることができる車両用ブラケットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、車室内上に配置される内装部材を係止する車両用ブラケットであって、内装部材に形成された係止部と係合して内装部材の上下それぞれの方向への移動を規制する第1支持部と、第1支持部との間に内装部材の端部を挟み込むように、上方から支持する第2支持部とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、第1支持部及び第2支持部間の間口寸法を、内装部材の下面に取付けられる係止部の回転中心から内装部材の端部の上コーナまでの距離よりも短くなるよう設定してなることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、車幅方向に並列配置される複数の着座部間で且つ座席下部に車両前方に向けて取付けられ、座席前方の床面上に載置される内装部材を係止することにより、座席前方の床面の上部に載置面部を形成可能に構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、車両用ブラケットで、車室内上に配置される内装部材を係止する。
車両用ブラケットに、内装部材に形成された係止部と係合して内装部材の上下それぞれの方向への移動を規制する第1支持部と、第1支持部との間に内装部材の端部を挟み込むように、上方から支持する第2支持部とを備えたので、振動により発生する逆方向への荷重を第1支持部と第2支持部とに分散して受けることができる。これにより、第1支持部及び第2支持部を小型に形成することができ、車両用ブラケットの軽量化及び小型化を図ることができる。
【0013】
請求項2に係る発明では、第1支持部及び第2支持部間の間口寸法を、内装部材の下面に取付けられる係止部の回転中心から内装部材の端部の上コーナまでの距離よりも短くなるよう設定したので、例えば、第1支持部に内装部材の係止部を係合させ、内装部材を所定の方向に回転させ、内装部材の端部を第1支持部及び第2支持部間に挟み込むときに、内装部材の端部を第1支持部及び第2支持部間に押圧しつつ嵌合させることができる。この結果、内装部材の端部が第1支持部及び第2支持部から脱落し難くすることができる。
【0014】
請求項3に係る発明では、車両用ブラケットが、車幅方向に並列配置される複数の着座部間で且つ座席下部に車両前方に向けて取付けられたので、車両用ブラケットが乗員の足と干渉することがない。従って、乗員の居住性に影響を及ぼすことを回避することができる。
また、車両用ブラケットが、座席前方の床面上に載置される内装部材を係止することにより、座席前方の床面の上部に載置面部を形成可能に構成されたので、座席の前方の空間上に載置面として利用することができる。これにより、例えば、荷物を汚すことなく、荷物を載置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車両用ブラケットを採用した車両の断面図であり、図2は図1に示された車両の斜視図であり、図3は図1に示された車両のシート収納状態を示す斜視図である。
【0016】
車両10は、車体11の前部にエンジンルーム(不図示)が設けられ、車体11の後部に車室12が設けられる2ボックスの車両であり、車室12の下部が構成される車体フロア13に、車室12の前方からこの順で、運転席及び助手席からなる1列目シート(不図示)、2列目シート14(図2参照)、3列目シート15及び荷室16が配置されている。
【0017】
3列目シート15は、上側フロア21の床面下に収納可能な座席であり、その収納状態において、上側フロア21の一部を形成可能に折り畳み状態で配置される平板状部28を備える。また、3列目シート15は、収納状態で後述するボード部材27の配置部29を被覆可能とした。さらに、3列目シート15(以下「座席15」と記載する)は、乗員が着座する複数の着座部17,17を備える。
ボード部材27の配置部29は、凹部上壁であり、実施例では収納凹部26に被せられる。
【0018】
車体フロア13は、車室12の前方に形成される下側フロア22と、この下側フロア22から一段高く立ち上げたキックアップ部23と、このキックアップ部23の後方に形成される上側フロア21とから構成される。すなわち、下側フロア22には、1列目シート(不図示)及び2列目シート14が配置され、上側フロア21に座席15が上側フロア21の床面下に収納可能に配置され、座席15の後方は荷室16が形成される。
【0019】
荷室16には、工具やスペヤタイヤ(不図示)などを収納する収納凹部26が形成され、この収納凹部26にボード部材(車両用ボード若しくは荷室ボード)27が被される。
【0020】
ボード部材27は、第1部材(第1ボード部)31と、第2部材(第2ボード部)32と、これらの第1・第2部材31,32を切り離し自在に連結するヒンジ体33とから構成され、切り離された第1部材31は座席15の収納時にキックアップ部23前方の下側フロア22に移設され、上側フロア21と平坦に連続するフロアボードとして使用される。
すなわち、第1部材31は、車体フロア13上に配置される内装部材でもある。
【0021】
キックアップ部(前壁)23には、フロアボードとして使用される第1部材31を保持する車両用ブラケット34,34が設けられている。
以下、ボード部材27の詳細を説明する。
【0022】
図4は図1に示された車両に採用されたボード部材の斜視図であり、図5は図1に示されたボード部材を裏返した状態を示す斜視図であり、図6は図1に示されたボード部材を切り離した状態を示す斜視図である。
【0023】
ボード部材27は、車体前方に位置する第1部材(フロント側ボード)31と、車体後方に位置する第2部材(リヤ側ボード)32と、これらの第1・第2部材31,32を折畳み可能に且つ切り離し可能に連結する2個のヒンジ体33,33とからなる。
第1部材31は、複数のボードピースの1枚であるとともに移設可能部である。第2部材32は、複数のボードピースの1枚である。
【0024】
第1部材31は、板状の本体部35と、この本体部35の裏面に折畳み可能に設けられた左右の脚部36,36と、ヒンジ体33側に設けられ、ヒンジ体33に係止する複数の係止部(ヒンジ係止ピン)37と、ヒンジ体33と対向する側に設けられ、キックアップ部23に設けられた車両用ブラケット34,34に係止する左右のフック38,38とからなる。
【0025】
第1部材31は、1個のヒンジ体33に対して2個のヒンジ係止ピン37,37が設けられ、ヒンジ体33に切り離し自在に接続される。
第2部材32は、ヒンジ体33に固定ねじ(固定具)57,57で固定され、ヒンジ体33を介して第1部材31に接続されている。
【0026】
板状の本体部35は、荷室16の収納凹部26を覆う荷室ボード機能と、下側フロア22に立脚し、上側フロア21と連続面を形成するフロアボード機能とを有する。
左右の脚部36,36は、開脚して下側フロア22に接地させ、板状の本体部35を自立支持する。
【0027】
左右のフック38,38は、車両用ブラケット34,34に係止することで、車体前後方向、車幅方向及び高さ方向の本体部35の移動を規制する。
【0028】
図7は図5の7部拡大図であり、図8は図7の8−8線断面図であり、図9は図1に示された車両に採用されたボード部材に使用するヒンジ体を展開した状態で示す斜視図である。
【0029】
図9に示されたように、ヒンジ体33は、樹脂で一体形成された部材であり、第2部材32に固定される第1ベース部51と、第1部材31にスライド可能に係合される第2ベース部52と、これらの第1ベース部51と第2ベース部52とを折り畳み自在に連結するヒンジ部54と、このヒンジ部54の対向側で前記第2ベース部52にサブヒンジ部55を介して折り畳み自在に連結した第3ベース部53とからなる。
【0030】
第1ベース部51、第2ベース部52及び第3ベース部53は、それぞれ略同面積の長方形状に形成される。
ヒンジ部54は、第1ベース部51及び第2ベース部52に一体成形された樹脂ヒンジであり、サブヒンジ部55は、第2ベース部52及び第3ベース部53に一体成形された樹脂ヒンジである。
【0031】
第1ベース部51は、図8に示された固定ねじ57,57(一方不図示)で固定する固定部(貫通孔)58,58と、これらの固定部58,58にそれぞれ形成され、固定ねじ57,57のねじ頭57a,57a(一方不図示)を落とし込むざくり部59,59と第2ベース部52を第1ベース部51側に折り畳んだときに、第2ベース部52を所定位置で止める第1ベース側凸部61,61と、この第1ベース側凸部61,61の内側に形成され、第2ベース部52を第1ベース部51側に係合させる内側突起62,62(一方不図示)と、第1部材(フロント側ボード)31の切り離し時に人手を掛ける第1ベース部側手掛かり部63とが形成される。
【0032】
第2ベース部52は、図8に示されたヒンジ係止ピン37,37に係止されるとともに、第3ベース部53の係合補助部(突部)81,81が収納される係合部(異形孔)65,65と、第3ベース部53を第2ベース部52側に折り畳んだときに、第3ベース部53を所定位置で止める第2ベース部側凸部66,66と、第1ベース部51の第1ベース部側凸部61,61に当接させる第2ベース部側当接部67,67と、第1ベース部51の内側突起62,62に係合させる突出部68,68と、第3ベース部53が係合する係合孔69,69とが形成される。
【0033】
異形孔65は、鍵穴形状を呈し、ヒンジ係止ピン37の頭部89の挿入を許容するとともに、係合補助部(突部)81を第3ベース部53の折り畳み状態で収容可能とする収容部73と、図8に示されたヒンジ係止ピン37のピン部88をスライドさせて係合するU字孔部74と、これらの収容部73の上縁及びU字孔部74の上縁に形成され、ヒンジ係止ピン37の係止を容易にする面取部75とが形成される。
【0034】
第3ベース部53は、第2ベース部52の蓋体としての機能を担い、第2ベース部側凸部66,66に当接する第3ベース部側当接部78,78と、第2ベース部52の係合孔69,69に係合する第3ベース部側係合部79,79と、収容部73,73に収納される係合補助部(突部)81,81と、ヒンジ係止ピン37の頭部89を逃がす逃がし部82,82と、第2部材(リヤ側ボード)32の着脱時に人手を掛ける第3ベース部側手掛かり部83とが形成される。
係合補助部81は、ヒンジ係止ピン37側に形成され、弾性変形によりヒンジ係止ピン37をU字孔部74のU字の底に向けて押圧する押圧部84が形成される。
【0035】
第1ベース部51の内側突起62及び第2ベース部52の突出部68で、第1ベース部51及び第2ベース部52が折り畳まれた状態で両者を結合する保持部85,85(一方不図示)が形成される。
第2ベースの係合孔69及び第3ベース部側係合部79で、第3ベース部53を第2ベースに係合する中間係合部86,86(一方不図示)が形成される。
【0036】
ヒンジ係止ピン37は、図8に示されたように、第1部材31にねじ込まれるねじ部87と、このねじ部87の上部に形成されU字孔部74に係止する段部88と、この段部88の上部に形成された頭部89とからなる。
【0037】
図10(a)〜(c)は図1に示された車両に採用されたボード部材のヒンジ体の脱着手順前半の説明図である。
(a)において、図7に示されるヒンジ体33の使用状態から、第3ベース部53を、第2ベース部52から矢印a1の如く離脱する。
【0038】
(b)において、第1部材(フロント側ボード)31を、第2部材(リヤ側ボード)32及びヒンジ体33に対して矢印a2の如くスライドさせる。
【0039】
(c)において、ヒンジ体33に対して第1部材31を矢印a3の如く下方に移動し、ヒンジ係合ピン37,37をヒンジ体33の収容部73,73から抜き、第1部材31を、第2部材32及びヒンジ体33から切り離す。
【0040】
図11(a)〜(c)は図1に示された車両に採用されたボード部材のヒンジ体の脱着手順後半の説明図である。
(a)において、第3ベース部53を、第2ベース部52に矢印a4の如く折り畳み、第2ベース部側凸部66,66に第3ベース部側当接部78,78を当接させるとともに、第2ベース部52の係合孔69,69に第3ベース部側係合部79,79を係合する。
【0041】
(b)において、第2ベース部52を、第1ベース部51に矢印a5の如く折り畳み、第1ベース部側凸部61,61に第2ベース部側当接部67,67を当接させるとともに、第1ベース部51の内側突起62,62(一方不図示)に第2ベース部52の突出部68,68を係合する。
【0042】
(c)において、第2部材32側に第2・第3ベース部52,53を折り畳んだ状態が示され、第1部材31が外されたヒンジ体33は、第2部材32からヒンジ体33が飛び出した状態から第2部材32の内部に収納されるので、ヒンジ体33が邪魔になることはない。
【0043】
図12(a),(b)は図1に示された車両に採用されたボード部材の第2部材の説明図である。
(a)に示されたように、第2部材32及びヒンジ体33から第1部材31(図5参照)が外された直後の第2部材32では、ヒンジ体33が第2部材32から突出している状態なので、ヒンジ体33が他部品に引っ掛かることがあり、第2部材32の扱い性がよくない。
そこで、(b)に示されたように、第2部材32にヒンジ体33を収納することで、第2部材32の扱い性が向上する。
【0044】
図13(a)〜(c)は図1に示された車両に採用された第1部材のセット手順前半の説明図である。
(a)に示されたように、キックアップ部(前壁)23に第1部材31を係止する2個の車両用ブラケット34,34が取付けられている。
(b)において、キックアップ部23に切り離した第1部材31を臨ます。
(c)において、車両用ブラケット34,34の第1支持部101,101に、第1部材31のフック38,38を矢印b1,b1の如く掛ける。
【0045】
図14(a)〜(c)は図1に示された車両に採用された第1部材のセット手順後半の説明図である。
(a)において、第1部材31を、車両用ブラケット34,34の第1支持部101,101(図13(b)参照)を支点として矢印b2の如く回転する。
【0046】
(b)において、第1部材31のフック側端部39を、車両用ブラケット34,34の第2支持部102,102に嵌合させ、第1部材31のフック側端部39を、車両用ブラケット34,34の第1支持部101,101及び第2支持部102,102間に挟み込む。
【0047】
(c)において、第1部材31の左右の脚部36,36を矢印b3,b3の如く開き、第1部材31の本体部35を自立させる。
【0048】
次に、車両用ブラケット34の詳細構造を説明する。
図15は本発明に係る車両用ブラケットの下方から見た斜視図であり、図16は図15に示される車両用ブラケットの斜視図であり、図17は図15に示される車両用ブラケットの側面断面図であり、図18は図15に示される車両用ブラケットの寸法関係を示す説明図である。
【0049】
図15〜図17に示されたように、車両用ブラケット34は、弾性変形可能な樹脂にて形成されたものであり、キックアップ部23に係止する基部103と、この基部103から平面視で略U字状に延出され、第1部材31に形成されたフック38(図6参照)と係合して第1部材31の上下それぞれの方向への移動を規制する第1支持部101と、この第1支持部101の根本から平面視で略U字状に延出され、第1支持部101との間に第1部材(フロント側ボード)31のフック側端部39を挟み込むように、上方から支持する第2支持部102とからなる。
車両用ブラケット34は、車幅方向に並列配置される複数の着座部17,17(図2参照)間で且つ座席15の下部に車両前方に向けて取付けられる。
【0050】
基部103は、キックアップ部(前壁)23に取付ける上・下係止片105,106が形成される。
第1支持部101は、基部103から前方に延ばされた水平延出部107,107と、これらの水平延出部107,107を繋ぐ先端部108とからなる。
【0051】
第2支持部102は、第1支持部101から立ち上げられた立ち上げ部111,111と、これらの立ち上げ部111,111から水平に延ばした水平部112とからなる。また、水平部112は、第1支持部101と平行に形成される。
【0052】
図18に示されたように、側面視で第1支持部101の先端部108(図16参照)に、第1部材31のフック38の回転中心P1を設定するときに、回転中心P1から第1部材31のフック側端部39の上面39aまでの距離をA1、回転中心P1から第1部材31のフック側端部39の上コーナ39bまでの距離をA2、回転中心P1から第2支持部102(図16参照)の水平部112の下部113までの寸法をH1、回転中心P1から第2支持部102(図16参照)の水平部112の先端下部114までの寸法をH2とするときに、これらの距離A1、A2及び寸法H1,H2の関係を、H1=A1、H2<A2に設定した。
【0053】
さらに、回転中心P1は、水平方向に関して第1部材31のフック側端部39から距離B1だけ前方に設定され、第2支持部102の水平部112の先端下部114は、水平方向に関して第1部材31のフック側端部39から距離B2だけ前方に設定され、且つ距離B1,B2の関係がB1>B2に設定されている。
【0054】
すなわち、距離A1を第1部材31の厚さ方向距離、距離A2を第1部材31の端部上コーナ距離、寸法H1を第1・第2支持部101,102間の狭持寸法、寸法H2を第1・第2支持部101,102の間口寸法、B1を第1部材水平距離、B2を第2部材32水平距離と呼ぶときに、車両用ブラケット34は、狭挟寸法H1を第1部材31の厚さ方向距離A1に設定され、間口寸法H2を第1部材31の端部コーナ距離A2よりも小さく設定したものといえる。
【0055】
言い換えれば、第1支持部101及び第2支持部102間の間口寸法H2を、第1部材31の下面に取付けられる係止部の回転中心から第1部材31のフック側端部39の上コーナ39bまでの距離A2よりも短くなるよう設定したので、例えば、第1支持部101に第1部材31の係止部を係合させ、第1部材31を所定の方向に回転させ、第1部材31のフック側端部39を第1支持部101及び第2支持部102間に挟み込むときに、第1部材31のフック側端部39を第1支持部101及び第2支持部102間に押圧しつつ嵌合させることができる。この結果、フック側端部39の端部を第1支持部101及び第2支持部102から脱落し難くすることができる。
【0056】
図19(a),(d)は図15に示される車両用ブラケットの第1比較検討図である。
(a),(b)において、比較例の第1部材201及び比較例の車両用ブラケット200が示され、比較例の第1部材201は、実施例の第1部材31と略同一構成の部材であり、本体部202の下面に車両用ブラケット200に係止されるフック203が形成されている。
【0057】
比較例の車両用ブラケット200は、キックアップ部205に係止する基部106が形成され、この基部206から平面視で略U字状に延出され、フック203と係合する支持部207が形成されている。
(b)に示されるように、比較例の車両用ブラケット200では、第1部材201のフック203を係止するときに、車両用ブラケット200が第1部材201の下に隠れてしまい、車両用ブラケット200にフック203を係止し難い。
【0058】
(c),(d)において、実施例の第1部材31及び実施例の車両用ブラケット34が示され、実施例の車両用ブラケット34では、基部に第1・第2の支持部が形成されている。
【0059】
(d)に示されるように、実施例の車両用ブラケット34では、第1部材31のフック38,38を係止するときに、車両用ブラケット34の第2の支持部が第1部材31の上に見えているので、第1支持部31にフック38(図17参照)を係止しやすい。
【0060】
図20(a),(b)は図15に示される車両用ブラケットの第2比較検討図である。
(a)において、比較例の車両用ブラケット200では、1個の支持部207で車体側からの振動を受けるものなので、支持部207の剛性の強化をする必要があり、車両用ブラケット200の軽量化及び小型化を図ることが困難となる。また、1個の支持部207にフックが係止する構造なので、振動等の影響を受けやすい。
【0061】
(b)において、実施例の車両用ブラケット34では、第1部材31に形成された係止部と係合して第1部材31の上下それぞれの方向への移動を規制する第1支持部101と、第1支持部101との間に第1部材31のフック側端部39を挟み込むように、上方から支持する第2支持部102とを備えたので、振動により発生する逆方向への荷重を第1支持部101と第2支持部102とに分散して受けることができる。これにより、第1支持部101及び第2支持部102を小型に形成することができ、車両用ブラケット34の軽量化及び小型化を図ることができる。
【0062】
また、実施例の車両用ブラケット34では、第1支持部101と第2支持部102で第1部材31を挟み込んでいるので、振動等の影響を受けにくい。
【0063】
図15〜図17に示されたように、車両用ブラケット34は、車体フロア13上に(車室12内に)配置される内装部材(第1部材)31を係止するものである。以下、第1部材31を「内装部材31」と記載する。
車両用ブラケット34に、内装部材31に形成された係止部(フック)38と係合して内装部材31の上下それぞれの方向への移動を規制する第1支持部101と、第1支持部101との間に内装部材31の端部(フック側端部)39を挟み込むように、上方から支持する第2支持部102とを備えたので、振動により発生する逆方向への荷重を第1支持部101と第2支持部102とに分散して受けることができる。これにより、第1支持部101及び第2支持部102を小型に形成することができ、車両用ブラケット34の軽量化及び小型化を図ることができる。
【0064】
車両用ブラケット34では、第1支持部101及び第2支持部102間の間口寸法H2を、内装部材(第1部材)31の下面に取付けられる係止部(フック)38の回転中心P1から内装部材31の端部(フック側端部)39の上コーナ39bまでの距離(端部コーナ距離)A2よりも短くなるよう設定したので、例えば、第1支持部101に内装部材31の係止部(フック)38を係合させ、内装部材31を所定の方向に回転させ、内装部材31の端部39を第1支持部101及び第2支持部102間に挟み込むときに、内装部材31の端部39を第1支持部101及び第2支持部102間に押圧しつつ嵌合させることができる。この結果、内装部材31の端部39が第1支持部101及び第2支持部102から脱落し難くすることができる。
【0065】
車両用ブラケット34は、車幅方向に並列配置される複数の着座部17,17(図2参照)間で且つ座席15下部に車両前方に向けて取付けられたので、車両用ブラケット34が乗員の足と干渉することがない。従って、乗員の居住性に影響を及ぼすことを回避することができる。
また、車両用ブラケット34が、座席15(図2参照)前方の床面(下側フロア)22上に載置される内装部材(第1部材)31を係止することにより、座席15前方の床面(下側フロア)22の上部に載置面部(本体部)35を形成可能に構成されたので、座席15の前方の空間上に載置面として利用することができる。これにより、例えば、荷物を汚すことなく、荷物を載置することができる。
【0066】
尚、本発明に係る車両用ブラケットは、図16に示すように、第2支持部102が第1支持部101が根本から平面視で略U字状に延出されたが、これに限るものではなく、基部から直接延出されたものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明に係る車両用ブラケットは、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明に係る車両用ブラケットを採用した車両の断面図である。
【図2】図1に示された車両の斜視図である。
【図3】図1に示された車両のシート収納状態を示す斜視図である。
【図4】図1に示された車両に採用されたボード部材の斜視図である。
【図5】図1に示されたボード部材を裏返した状態を示す斜視図である。
【図6】図1に示されたボード部材を切り離した状態を示す斜視図である。
【図7】図5の7部拡大図である。
【図8】図7の8−8線断面図である。
【図9】図1に示された車両に採用されたボード部材に使用するヒンジ体を展開した状態で示す斜視図である。
【図10】図1に示された車両に採用されたボード部材のヒンジ体の脱着手順前半の説明図である。
【図11】図1に示された車両に採用されたボード部材のヒンジ体の脱着手順後半の説明図である。
【図12】図1に示された車両に採用されたボード部材の第2部材の説明図である。
【図13】図1に示された車両に採用された第1部材のセット手順前半の説明図である。
【図14】図1に示された車両に採用された第1部材のセット手順後半の説明図である。
【図15】本発明に係る車両用ブラケットの下方から見た斜視図である。
【図16】図15に示される車両用ブラケットの斜視図である。
【図17】図15に示される車両用ブラケットの側面断面図である。
【図18】図15に示される車両用ブラケットの寸法関係を示す説明図である。
【図19】図15に示される車両用ブラケットの第1比較検討図である。
【図20】図15に示される車両用ブラケットの第2比較検討図である。
【符号の説明】
【0069】
10…車両、12…車室、13…車体フロア、15…座席(3列目シート)、17…着座部、22…床面(下側フロア)、34…車両用ブラケット、35…載置面部(本体部)、38…係止部(フック)、39…端部(フック側端部)、39b…上コーナ、101,102…第1・第2支持部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納された座席の足元空間を覆う内装部材を床側に留め置く車両用ブラケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用ブラケットとして、蓋体、棒状部材若しくは工具等を車体側へ係止するものが知られている。
この種の車両用ブラケットは、蓋体、棒状部材若しくは工具等を取付けた状態では振動等では外れないようにするとともに、又、取り外すときには容易に取り外すことができるように考慮して設計されるものであった。
【0003】
このような車両用ブラケットとして、車体後部に設けられる荷室の蓋体を保持するものや、車両用フードのフードサポートロッドを所定位置に保持するものが知られている(例えば、特許文献1−2参照。)。
【特許文献1】実開平5−41975号公報
【特許文献2】特開平11−192975号公報
【0004】
特許文献1の車両用ブラケットは、荷室フロアの凹部を覆う蓋体の裏面に設けられるものであって、金属板にて形成され、凹部内の支軸に弾性的に嵌合させる略U字部を有するブラケットである。
【0005】
特許文献2の車両用ブラケットは、車両用フードのフードサポートロッドを所定位置に保持するものであり、樹脂にて形成され、フードサポートロッドを所定位置に且つ弾性的に保持する略U字部が形成されたものである。
【0006】
しかし、特許文献1の車両用ブラケットでは、蓋体を上方に引き上げて凹部から蓋体を外す構造であるので、略U字部の保持力に依存するものである。従って、略U字部の保持力を大きくすれば、振動等で蓋体が凹部から外れることを防止できるものの、着脱性の悪化を招くという課題があった。
また、特許文献1の車両用ブラケットでは、略U字部の保持力を大きくすれば、車両用ブラケットが大型になり、重量の増加を招くという欠点を有している。
【0007】
特許文献2の車両用ブラケットでも、フードサポートロッドを所定位置に且つ弾性的に保持する略U字部が形成されているので、特許文献1の車両用ブラケットと同様の課題が残る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、振動等で外れることを防止することができるとともに、小型化及び軽量化を図ることができる車両用ブラケットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、車室内上に配置される内装部材を係止する車両用ブラケットであって、内装部材に形成された係止部と係合して内装部材の上下それぞれの方向への移動を規制する第1支持部と、第1支持部との間に内装部材の端部を挟み込むように、上方から支持する第2支持部とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、第1支持部及び第2支持部間の間口寸法を、内装部材の下面に取付けられる係止部の回転中心から内装部材の端部の上コーナまでの距離よりも短くなるよう設定してなることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、車幅方向に並列配置される複数の着座部間で且つ座席下部に車両前方に向けて取付けられ、座席前方の床面上に載置される内装部材を係止することにより、座席前方の床面の上部に載置面部を形成可能に構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、車両用ブラケットで、車室内上に配置される内装部材を係止する。
車両用ブラケットに、内装部材に形成された係止部と係合して内装部材の上下それぞれの方向への移動を規制する第1支持部と、第1支持部との間に内装部材の端部を挟み込むように、上方から支持する第2支持部とを備えたので、振動により発生する逆方向への荷重を第1支持部と第2支持部とに分散して受けることができる。これにより、第1支持部及び第2支持部を小型に形成することができ、車両用ブラケットの軽量化及び小型化を図ることができる。
【0013】
請求項2に係る発明では、第1支持部及び第2支持部間の間口寸法を、内装部材の下面に取付けられる係止部の回転中心から内装部材の端部の上コーナまでの距離よりも短くなるよう設定したので、例えば、第1支持部に内装部材の係止部を係合させ、内装部材を所定の方向に回転させ、内装部材の端部を第1支持部及び第2支持部間に挟み込むときに、内装部材の端部を第1支持部及び第2支持部間に押圧しつつ嵌合させることができる。この結果、内装部材の端部が第1支持部及び第2支持部から脱落し難くすることができる。
【0014】
請求項3に係る発明では、車両用ブラケットが、車幅方向に並列配置される複数の着座部間で且つ座席下部に車両前方に向けて取付けられたので、車両用ブラケットが乗員の足と干渉することがない。従って、乗員の居住性に影響を及ぼすことを回避することができる。
また、車両用ブラケットが、座席前方の床面上に載置される内装部材を係止することにより、座席前方の床面の上部に載置面部を形成可能に構成されたので、座席の前方の空間上に載置面として利用することができる。これにより、例えば、荷物を汚すことなく、荷物を載置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車両用ブラケットを採用した車両の断面図であり、図2は図1に示された車両の斜視図であり、図3は図1に示された車両のシート収納状態を示す斜視図である。
【0016】
車両10は、車体11の前部にエンジンルーム(不図示)が設けられ、車体11の後部に車室12が設けられる2ボックスの車両であり、車室12の下部が構成される車体フロア13に、車室12の前方からこの順で、運転席及び助手席からなる1列目シート(不図示)、2列目シート14(図2参照)、3列目シート15及び荷室16が配置されている。
【0017】
3列目シート15は、上側フロア21の床面下に収納可能な座席であり、その収納状態において、上側フロア21の一部を形成可能に折り畳み状態で配置される平板状部28を備える。また、3列目シート15は、収納状態で後述するボード部材27の配置部29を被覆可能とした。さらに、3列目シート15(以下「座席15」と記載する)は、乗員が着座する複数の着座部17,17を備える。
ボード部材27の配置部29は、凹部上壁であり、実施例では収納凹部26に被せられる。
【0018】
車体フロア13は、車室12の前方に形成される下側フロア22と、この下側フロア22から一段高く立ち上げたキックアップ部23と、このキックアップ部23の後方に形成される上側フロア21とから構成される。すなわち、下側フロア22には、1列目シート(不図示)及び2列目シート14が配置され、上側フロア21に座席15が上側フロア21の床面下に収納可能に配置され、座席15の後方は荷室16が形成される。
【0019】
荷室16には、工具やスペヤタイヤ(不図示)などを収納する収納凹部26が形成され、この収納凹部26にボード部材(車両用ボード若しくは荷室ボード)27が被される。
【0020】
ボード部材27は、第1部材(第1ボード部)31と、第2部材(第2ボード部)32と、これらの第1・第2部材31,32を切り離し自在に連結するヒンジ体33とから構成され、切り離された第1部材31は座席15の収納時にキックアップ部23前方の下側フロア22に移設され、上側フロア21と平坦に連続するフロアボードとして使用される。
すなわち、第1部材31は、車体フロア13上に配置される内装部材でもある。
【0021】
キックアップ部(前壁)23には、フロアボードとして使用される第1部材31を保持する車両用ブラケット34,34が設けられている。
以下、ボード部材27の詳細を説明する。
【0022】
図4は図1に示された車両に採用されたボード部材の斜視図であり、図5は図1に示されたボード部材を裏返した状態を示す斜視図であり、図6は図1に示されたボード部材を切り離した状態を示す斜視図である。
【0023】
ボード部材27は、車体前方に位置する第1部材(フロント側ボード)31と、車体後方に位置する第2部材(リヤ側ボード)32と、これらの第1・第2部材31,32を折畳み可能に且つ切り離し可能に連結する2個のヒンジ体33,33とからなる。
第1部材31は、複数のボードピースの1枚であるとともに移設可能部である。第2部材32は、複数のボードピースの1枚である。
【0024】
第1部材31は、板状の本体部35と、この本体部35の裏面に折畳み可能に設けられた左右の脚部36,36と、ヒンジ体33側に設けられ、ヒンジ体33に係止する複数の係止部(ヒンジ係止ピン)37と、ヒンジ体33と対向する側に設けられ、キックアップ部23に設けられた車両用ブラケット34,34に係止する左右のフック38,38とからなる。
【0025】
第1部材31は、1個のヒンジ体33に対して2個のヒンジ係止ピン37,37が設けられ、ヒンジ体33に切り離し自在に接続される。
第2部材32は、ヒンジ体33に固定ねじ(固定具)57,57で固定され、ヒンジ体33を介して第1部材31に接続されている。
【0026】
板状の本体部35は、荷室16の収納凹部26を覆う荷室ボード機能と、下側フロア22に立脚し、上側フロア21と連続面を形成するフロアボード機能とを有する。
左右の脚部36,36は、開脚して下側フロア22に接地させ、板状の本体部35を自立支持する。
【0027】
左右のフック38,38は、車両用ブラケット34,34に係止することで、車体前後方向、車幅方向及び高さ方向の本体部35の移動を規制する。
【0028】
図7は図5の7部拡大図であり、図8は図7の8−8線断面図であり、図9は図1に示された車両に採用されたボード部材に使用するヒンジ体を展開した状態で示す斜視図である。
【0029】
図9に示されたように、ヒンジ体33は、樹脂で一体形成された部材であり、第2部材32に固定される第1ベース部51と、第1部材31にスライド可能に係合される第2ベース部52と、これらの第1ベース部51と第2ベース部52とを折り畳み自在に連結するヒンジ部54と、このヒンジ部54の対向側で前記第2ベース部52にサブヒンジ部55を介して折り畳み自在に連結した第3ベース部53とからなる。
【0030】
第1ベース部51、第2ベース部52及び第3ベース部53は、それぞれ略同面積の長方形状に形成される。
ヒンジ部54は、第1ベース部51及び第2ベース部52に一体成形された樹脂ヒンジであり、サブヒンジ部55は、第2ベース部52及び第3ベース部53に一体成形された樹脂ヒンジである。
【0031】
第1ベース部51は、図8に示された固定ねじ57,57(一方不図示)で固定する固定部(貫通孔)58,58と、これらの固定部58,58にそれぞれ形成され、固定ねじ57,57のねじ頭57a,57a(一方不図示)を落とし込むざくり部59,59と第2ベース部52を第1ベース部51側に折り畳んだときに、第2ベース部52を所定位置で止める第1ベース側凸部61,61と、この第1ベース側凸部61,61の内側に形成され、第2ベース部52を第1ベース部51側に係合させる内側突起62,62(一方不図示)と、第1部材(フロント側ボード)31の切り離し時に人手を掛ける第1ベース部側手掛かり部63とが形成される。
【0032】
第2ベース部52は、図8に示されたヒンジ係止ピン37,37に係止されるとともに、第3ベース部53の係合補助部(突部)81,81が収納される係合部(異形孔)65,65と、第3ベース部53を第2ベース部52側に折り畳んだときに、第3ベース部53を所定位置で止める第2ベース部側凸部66,66と、第1ベース部51の第1ベース部側凸部61,61に当接させる第2ベース部側当接部67,67と、第1ベース部51の内側突起62,62に係合させる突出部68,68と、第3ベース部53が係合する係合孔69,69とが形成される。
【0033】
異形孔65は、鍵穴形状を呈し、ヒンジ係止ピン37の頭部89の挿入を許容するとともに、係合補助部(突部)81を第3ベース部53の折り畳み状態で収容可能とする収容部73と、図8に示されたヒンジ係止ピン37のピン部88をスライドさせて係合するU字孔部74と、これらの収容部73の上縁及びU字孔部74の上縁に形成され、ヒンジ係止ピン37の係止を容易にする面取部75とが形成される。
【0034】
第3ベース部53は、第2ベース部52の蓋体としての機能を担い、第2ベース部側凸部66,66に当接する第3ベース部側当接部78,78と、第2ベース部52の係合孔69,69に係合する第3ベース部側係合部79,79と、収容部73,73に収納される係合補助部(突部)81,81と、ヒンジ係止ピン37の頭部89を逃がす逃がし部82,82と、第2部材(リヤ側ボード)32の着脱時に人手を掛ける第3ベース部側手掛かり部83とが形成される。
係合補助部81は、ヒンジ係止ピン37側に形成され、弾性変形によりヒンジ係止ピン37をU字孔部74のU字の底に向けて押圧する押圧部84が形成される。
【0035】
第1ベース部51の内側突起62及び第2ベース部52の突出部68で、第1ベース部51及び第2ベース部52が折り畳まれた状態で両者を結合する保持部85,85(一方不図示)が形成される。
第2ベースの係合孔69及び第3ベース部側係合部79で、第3ベース部53を第2ベースに係合する中間係合部86,86(一方不図示)が形成される。
【0036】
ヒンジ係止ピン37は、図8に示されたように、第1部材31にねじ込まれるねじ部87と、このねじ部87の上部に形成されU字孔部74に係止する段部88と、この段部88の上部に形成された頭部89とからなる。
【0037】
図10(a)〜(c)は図1に示された車両に採用されたボード部材のヒンジ体の脱着手順前半の説明図である。
(a)において、図7に示されるヒンジ体33の使用状態から、第3ベース部53を、第2ベース部52から矢印a1の如く離脱する。
【0038】
(b)において、第1部材(フロント側ボード)31を、第2部材(リヤ側ボード)32及びヒンジ体33に対して矢印a2の如くスライドさせる。
【0039】
(c)において、ヒンジ体33に対して第1部材31を矢印a3の如く下方に移動し、ヒンジ係合ピン37,37をヒンジ体33の収容部73,73から抜き、第1部材31を、第2部材32及びヒンジ体33から切り離す。
【0040】
図11(a)〜(c)は図1に示された車両に採用されたボード部材のヒンジ体の脱着手順後半の説明図である。
(a)において、第3ベース部53を、第2ベース部52に矢印a4の如く折り畳み、第2ベース部側凸部66,66に第3ベース部側当接部78,78を当接させるとともに、第2ベース部52の係合孔69,69に第3ベース部側係合部79,79を係合する。
【0041】
(b)において、第2ベース部52を、第1ベース部51に矢印a5の如く折り畳み、第1ベース部側凸部61,61に第2ベース部側当接部67,67を当接させるとともに、第1ベース部51の内側突起62,62(一方不図示)に第2ベース部52の突出部68,68を係合する。
【0042】
(c)において、第2部材32側に第2・第3ベース部52,53を折り畳んだ状態が示され、第1部材31が外されたヒンジ体33は、第2部材32からヒンジ体33が飛び出した状態から第2部材32の内部に収納されるので、ヒンジ体33が邪魔になることはない。
【0043】
図12(a),(b)は図1に示された車両に採用されたボード部材の第2部材の説明図である。
(a)に示されたように、第2部材32及びヒンジ体33から第1部材31(図5参照)が外された直後の第2部材32では、ヒンジ体33が第2部材32から突出している状態なので、ヒンジ体33が他部品に引っ掛かることがあり、第2部材32の扱い性がよくない。
そこで、(b)に示されたように、第2部材32にヒンジ体33を収納することで、第2部材32の扱い性が向上する。
【0044】
図13(a)〜(c)は図1に示された車両に採用された第1部材のセット手順前半の説明図である。
(a)に示されたように、キックアップ部(前壁)23に第1部材31を係止する2個の車両用ブラケット34,34が取付けられている。
(b)において、キックアップ部23に切り離した第1部材31を臨ます。
(c)において、車両用ブラケット34,34の第1支持部101,101に、第1部材31のフック38,38を矢印b1,b1の如く掛ける。
【0045】
図14(a)〜(c)は図1に示された車両に採用された第1部材のセット手順後半の説明図である。
(a)において、第1部材31を、車両用ブラケット34,34の第1支持部101,101(図13(b)参照)を支点として矢印b2の如く回転する。
【0046】
(b)において、第1部材31のフック側端部39を、車両用ブラケット34,34の第2支持部102,102に嵌合させ、第1部材31のフック側端部39を、車両用ブラケット34,34の第1支持部101,101及び第2支持部102,102間に挟み込む。
【0047】
(c)において、第1部材31の左右の脚部36,36を矢印b3,b3の如く開き、第1部材31の本体部35を自立させる。
【0048】
次に、車両用ブラケット34の詳細構造を説明する。
図15は本発明に係る車両用ブラケットの下方から見た斜視図であり、図16は図15に示される車両用ブラケットの斜視図であり、図17は図15に示される車両用ブラケットの側面断面図であり、図18は図15に示される車両用ブラケットの寸法関係を示す説明図である。
【0049】
図15〜図17に示されたように、車両用ブラケット34は、弾性変形可能な樹脂にて形成されたものであり、キックアップ部23に係止する基部103と、この基部103から平面視で略U字状に延出され、第1部材31に形成されたフック38(図6参照)と係合して第1部材31の上下それぞれの方向への移動を規制する第1支持部101と、この第1支持部101の根本から平面視で略U字状に延出され、第1支持部101との間に第1部材(フロント側ボード)31のフック側端部39を挟み込むように、上方から支持する第2支持部102とからなる。
車両用ブラケット34は、車幅方向に並列配置される複数の着座部17,17(図2参照)間で且つ座席15の下部に車両前方に向けて取付けられる。
【0050】
基部103は、キックアップ部(前壁)23に取付ける上・下係止片105,106が形成される。
第1支持部101は、基部103から前方に延ばされた水平延出部107,107と、これらの水平延出部107,107を繋ぐ先端部108とからなる。
【0051】
第2支持部102は、第1支持部101から立ち上げられた立ち上げ部111,111と、これらの立ち上げ部111,111から水平に延ばした水平部112とからなる。また、水平部112は、第1支持部101と平行に形成される。
【0052】
図18に示されたように、側面視で第1支持部101の先端部108(図16参照)に、第1部材31のフック38の回転中心P1を設定するときに、回転中心P1から第1部材31のフック側端部39の上面39aまでの距離をA1、回転中心P1から第1部材31のフック側端部39の上コーナ39bまでの距離をA2、回転中心P1から第2支持部102(図16参照)の水平部112の下部113までの寸法をH1、回転中心P1から第2支持部102(図16参照)の水平部112の先端下部114までの寸法をH2とするときに、これらの距離A1、A2及び寸法H1,H2の関係を、H1=A1、H2<A2に設定した。
【0053】
さらに、回転中心P1は、水平方向に関して第1部材31のフック側端部39から距離B1だけ前方に設定され、第2支持部102の水平部112の先端下部114は、水平方向に関して第1部材31のフック側端部39から距離B2だけ前方に設定され、且つ距離B1,B2の関係がB1>B2に設定されている。
【0054】
すなわち、距離A1を第1部材31の厚さ方向距離、距離A2を第1部材31の端部上コーナ距離、寸法H1を第1・第2支持部101,102間の狭持寸法、寸法H2を第1・第2支持部101,102の間口寸法、B1を第1部材水平距離、B2を第2部材32水平距離と呼ぶときに、車両用ブラケット34は、狭挟寸法H1を第1部材31の厚さ方向距離A1に設定され、間口寸法H2を第1部材31の端部コーナ距離A2よりも小さく設定したものといえる。
【0055】
言い換えれば、第1支持部101及び第2支持部102間の間口寸法H2を、第1部材31の下面に取付けられる係止部の回転中心から第1部材31のフック側端部39の上コーナ39bまでの距離A2よりも短くなるよう設定したので、例えば、第1支持部101に第1部材31の係止部を係合させ、第1部材31を所定の方向に回転させ、第1部材31のフック側端部39を第1支持部101及び第2支持部102間に挟み込むときに、第1部材31のフック側端部39を第1支持部101及び第2支持部102間に押圧しつつ嵌合させることができる。この結果、フック側端部39の端部を第1支持部101及び第2支持部102から脱落し難くすることができる。
【0056】
図19(a),(d)は図15に示される車両用ブラケットの第1比較検討図である。
(a),(b)において、比較例の第1部材201及び比較例の車両用ブラケット200が示され、比較例の第1部材201は、実施例の第1部材31と略同一構成の部材であり、本体部202の下面に車両用ブラケット200に係止されるフック203が形成されている。
【0057】
比較例の車両用ブラケット200は、キックアップ部205に係止する基部106が形成され、この基部206から平面視で略U字状に延出され、フック203と係合する支持部207が形成されている。
(b)に示されるように、比較例の車両用ブラケット200では、第1部材201のフック203を係止するときに、車両用ブラケット200が第1部材201の下に隠れてしまい、車両用ブラケット200にフック203を係止し難い。
【0058】
(c),(d)において、実施例の第1部材31及び実施例の車両用ブラケット34が示され、実施例の車両用ブラケット34では、基部に第1・第2の支持部が形成されている。
【0059】
(d)に示されるように、実施例の車両用ブラケット34では、第1部材31のフック38,38を係止するときに、車両用ブラケット34の第2の支持部が第1部材31の上に見えているので、第1支持部31にフック38(図17参照)を係止しやすい。
【0060】
図20(a),(b)は図15に示される車両用ブラケットの第2比較検討図である。
(a)において、比較例の車両用ブラケット200では、1個の支持部207で車体側からの振動を受けるものなので、支持部207の剛性の強化をする必要があり、車両用ブラケット200の軽量化及び小型化を図ることが困難となる。また、1個の支持部207にフックが係止する構造なので、振動等の影響を受けやすい。
【0061】
(b)において、実施例の車両用ブラケット34では、第1部材31に形成された係止部と係合して第1部材31の上下それぞれの方向への移動を規制する第1支持部101と、第1支持部101との間に第1部材31のフック側端部39を挟み込むように、上方から支持する第2支持部102とを備えたので、振動により発生する逆方向への荷重を第1支持部101と第2支持部102とに分散して受けることができる。これにより、第1支持部101及び第2支持部102を小型に形成することができ、車両用ブラケット34の軽量化及び小型化を図ることができる。
【0062】
また、実施例の車両用ブラケット34では、第1支持部101と第2支持部102で第1部材31を挟み込んでいるので、振動等の影響を受けにくい。
【0063】
図15〜図17に示されたように、車両用ブラケット34は、車体フロア13上に(車室12内に)配置される内装部材(第1部材)31を係止するものである。以下、第1部材31を「内装部材31」と記載する。
車両用ブラケット34に、内装部材31に形成された係止部(フック)38と係合して内装部材31の上下それぞれの方向への移動を規制する第1支持部101と、第1支持部101との間に内装部材31の端部(フック側端部)39を挟み込むように、上方から支持する第2支持部102とを備えたので、振動により発生する逆方向への荷重を第1支持部101と第2支持部102とに分散して受けることができる。これにより、第1支持部101及び第2支持部102を小型に形成することができ、車両用ブラケット34の軽量化及び小型化を図ることができる。
【0064】
車両用ブラケット34では、第1支持部101及び第2支持部102間の間口寸法H2を、内装部材(第1部材)31の下面に取付けられる係止部(フック)38の回転中心P1から内装部材31の端部(フック側端部)39の上コーナ39bまでの距離(端部コーナ距離)A2よりも短くなるよう設定したので、例えば、第1支持部101に内装部材31の係止部(フック)38を係合させ、内装部材31を所定の方向に回転させ、内装部材31の端部39を第1支持部101及び第2支持部102間に挟み込むときに、内装部材31の端部39を第1支持部101及び第2支持部102間に押圧しつつ嵌合させることができる。この結果、内装部材31の端部39が第1支持部101及び第2支持部102から脱落し難くすることができる。
【0065】
車両用ブラケット34は、車幅方向に並列配置される複数の着座部17,17(図2参照)間で且つ座席15下部に車両前方に向けて取付けられたので、車両用ブラケット34が乗員の足と干渉することがない。従って、乗員の居住性に影響を及ぼすことを回避することができる。
また、車両用ブラケット34が、座席15(図2参照)前方の床面(下側フロア)22上に載置される内装部材(第1部材)31を係止することにより、座席15前方の床面(下側フロア)22の上部に載置面部(本体部)35を形成可能に構成されたので、座席15の前方の空間上に載置面として利用することができる。これにより、例えば、荷物を汚すことなく、荷物を載置することができる。
【0066】
尚、本発明に係る車両用ブラケットは、図16に示すように、第2支持部102が第1支持部101が根本から平面視で略U字状に延出されたが、これに限るものではなく、基部から直接延出されたものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明に係る車両用ブラケットは、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明に係る車両用ブラケットを採用した車両の断面図である。
【図2】図1に示された車両の斜視図である。
【図3】図1に示された車両のシート収納状態を示す斜視図である。
【図4】図1に示された車両に採用されたボード部材の斜視図である。
【図5】図1に示されたボード部材を裏返した状態を示す斜視図である。
【図6】図1に示されたボード部材を切り離した状態を示す斜視図である。
【図7】図5の7部拡大図である。
【図8】図7の8−8線断面図である。
【図9】図1に示された車両に採用されたボード部材に使用するヒンジ体を展開した状態で示す斜視図である。
【図10】図1に示された車両に採用されたボード部材のヒンジ体の脱着手順前半の説明図である。
【図11】図1に示された車両に採用されたボード部材のヒンジ体の脱着手順後半の説明図である。
【図12】図1に示された車両に採用されたボード部材の第2部材の説明図である。
【図13】図1に示された車両に採用された第1部材のセット手順前半の説明図である。
【図14】図1に示された車両に採用された第1部材のセット手順後半の説明図である。
【図15】本発明に係る車両用ブラケットの下方から見た斜視図である。
【図16】図15に示される車両用ブラケットの斜視図である。
【図17】図15に示される車両用ブラケットの側面断面図である。
【図18】図15に示される車両用ブラケットの寸法関係を示す説明図である。
【図19】図15に示される車両用ブラケットの第1比較検討図である。
【図20】図15に示される車両用ブラケットの第2比較検討図である。
【符号の説明】
【0069】
10…車両、12…車室、13…車体フロア、15…座席(3列目シート)、17…着座部、22…床面(下側フロア)、34…車両用ブラケット、35…載置面部(本体部)、38…係止部(フック)、39…端部(フック側端部)、39b…上コーナ、101,102…第1・第2支持部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内上に配置される内装部材を係止する車両用ブラケットであって、
前記内装部材に形成された係止部と係合して前記内装部材の上下それぞれの方向への移動を規制する第1支持部と、
前記第1支持部との間に前記内装部材の端部を挟み込むように、上方から支持する第2支持部とを備えることを特徴とする車両用ブラケット。
【請求項2】
前記第1支持部及び第2支持部の間口寸法を、前記内装部材の下面に取付けられる前記係止部の回転中心から前記内装部材の前記端部の上コーナまでの距離よりも短くなるよう設定してなることを特徴とする請求項1記載の車両用ブラケット。
【請求項3】
車幅方向に並列配置される複数の着座部間で且つ座席下部に車両前方に向けて取付けられ、前記座席前方の床面上に載置される内装部材を係止することにより、前記座席前方の床面の上部に載置面部を形成可能に構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用ブラケット。
【請求項1】
車室内上に配置される内装部材を係止する車両用ブラケットであって、
前記内装部材に形成された係止部と係合して前記内装部材の上下それぞれの方向への移動を規制する第1支持部と、
前記第1支持部との間に前記内装部材の端部を挟み込むように、上方から支持する第2支持部とを備えることを特徴とする車両用ブラケット。
【請求項2】
前記第1支持部及び第2支持部の間口寸法を、前記内装部材の下面に取付けられる前記係止部の回転中心から前記内装部材の前記端部の上コーナまでの距離よりも短くなるよう設定してなることを特徴とする請求項1記載の車両用ブラケット。
【請求項3】
車幅方向に並列配置される複数の着座部間で且つ座席下部に車両前方に向けて取付けられ、前記座席前方の床面上に載置される内装部材を係止することにより、前記座席前方の床面の上部に載置面部を形成可能に構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用ブラケット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−95079(P2010−95079A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−266476(P2008−266476)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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