説明

車両用マッサージシート

【課題】車両がどのような走行状態であっても着座者に対し常に快適となる強度でマッサージを受けさせるものである。
【解決手段】シート着座者からの設定に応じてマッサージの強度を切替え可能な車両用マッサージシートであって、車両の走行状態によりマッサージの強度を切替可能な制御手段20を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート着座者に対しマッサージを行うことが可能な車両用マッサージシートに関し、詳しくは、シート着座者からの設定に応じてマッサージの強度を切替え可能な車両用マッサージシートに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用マッサージシートは、例えば特許文献1に開示されている技術が既に知られている。この技術では、シートクッションおよびシートバックにおける表皮の内側に、マッサージのためのエア袋がそれぞれ設けられている。これらのエア袋に対し、エアポンプから供給されるエアの給排気を電磁弁によって制御している。これにより、エア袋の膨張・収縮を繰り返させ、シートクッション側のエア袋においては着座者の臀部付近を、また、シートバック側のエアバックにおいては着座者の腰部付近をマッサージしている。
【特許文献1】特開2000−279467号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した技術では、マッサージ強度は着座者の設定によってのみ決定されるため、例えばある走行状態で車両が走行している場合に着座者にとって快適と感じたマッサージ強度であっても、車両の走行状態が変化すると同じマッサージ強度であっても着座者にとって不快と感じることがあった。そのため、着座者は車両の走行状態が変化する度に、自身にとって快適と感じるマッサージ強度へと設定変更する必要が生じ手間となっていた。
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、車両がどのような走行状態であっても着座者に対し常に快適となる強度でマッサージを受けさせるものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の目的を達成するためのものであって、以下のように構成されている。
請求項1に記載の発明は、シート着座者からの設定に応じてマッサージの強度を切替え可能な車両用マッサージシートであって、車両の走行状態によりマッサージの強度を切替可能な制御手段を備えた構成である。
この構成によれば、制御手段は車両の走行状態を判断し、その判断した走行状態において、制御手段は着座者が設定したマッサージ強度では着座者にとって不快なマッサージになると判断すれば、マッサージ強度を切り替えて(弱めて)動作させることができる。
そのため、車両がどのような走行状態であっても着座者に対し常に快適なマッサージを提供することができる。
【0005】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用マッサージシートであって、前記走行状態を、予め決定の所定舵角と前記車両の検出舵角との比較によって判断する構成である。
この構成によれば、検出舵角によって車両の走行状態を判断するため、車両の走行状態を、例えば「ソフト走行」、「普通走行」、「ハード走行」のいずれかの走行であると判断可能である。
そのため、制御手段は、これら「ソフト走行」、「普通走行」、「ハード走行」に適したマッサージ強度へと切り替えることができる。
【0006】
また請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の車両用マッサージシートであって、前記走行状態を、予め決定の所定車速と前記車両の検出車速との比較によって、または予め決定の所定車速と前記車両の検出車速との比較および予め決定の所定舵角と前記車両の検出舵角との比較を組み合わせた比較によって判断する構成である。
この構成によれば、検出車速によって車両の走行状態を判断するため、または検出車速と検出舵角との組み合わせによって車両の走行状態を判断するため、車両の走行状態を、例えば「低速走行」、「高速走行」、「ハード走行」のいずれかの走行であると判断可能である。
そのため、制御手段は、これら「低速走行」、「高速走行」、「ハード走行」に適したマッサージ強度へと切り替えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を用いて説明する。
(実施例1)
まず、図1〜4によって実施例1を説明する。
図1は、車両用マッサージシートのシステム構成図である。図2は、車両用マッサージシートの外観を表した斜視図である。図3は、図1に記す操作器50について説明する図である。図4は、車両用マッサージシートの制御フローである(実施例1)。図2からも明らかなように、シート110はシートバック112とシートクッション114とによって構成されている。なお、シートの例として、車両の後部座席に設けられたシート110を例に説明する。また、特許請求の範囲に記載の「制御手段」は、各実施例に記載の「コントロールユニット20」に相当する。
【0008】
まず、図1を参照して、車両用マッサージシートのシステムについて説明する。
このシステムは、ガス給排気装置30(ポンプユニット10とコントロールユニット20)とエアユニット40と操作器50とに大別されている。以下に、それぞれ個別に説明していく。
【0009】
ポンプユニット10は、吸気口11と、吸気タンク12と、エアポンプ(駆動手段としてのモータを含む)13と、サージタンク14と、8つの電磁弁15(15a、・・・15h)と、サイレンサ16と、排気口17と、これら各構成部品を収納するケース18とを備えている。また、吸気口11から吸気タンク12、エアポンプ13、サージタンク14を介して電磁弁15へと連通する吸気配管19aが設けられている。同様に、電磁弁15からサイレンサ16、排気口17へと連通する排気配管19bが設けられている。この電磁弁15(15a、・・・15h)は、図1からも明らかなように、後述するエア袋41(41a、・・・41h)ごとに設けられている。また、これら電磁弁15(15a、・・・15h)は3方弁となっており、ホース71(71a、・・・71h)を共通側として吸気配管19aと排気配管19bとに接続してある。そして、電磁弁15(15a、・・・、15h)の開閉によって、例えば開状態でホース71(71a、・・・71h)と吸気配管19aが連通状態となり、閉状態でホース71(71a、・・・71h)と排気配管19bが連通状態となる。
【0010】
コントロールユニット20は、エアポンプ13を運転制御するための、また電磁弁15(15a、・・・、15h)を個別に開閉制御するための制御回路21と、バイブレータ43を運転制御するためのバイブレータ制御回路22と、これら各制御回路21、22を収納するケース23とを備えている。そして、コントロールユニット20には、センサ信号が取り込まれている。このセンサ信号とは、舵角センサ(図示しない)が検出した舵角量を示す信号である。そして、このセンサ信号は所定時間(例えば、数十ミリSEC)ごとに取り込まれている。また、コントロールユニット20には、図示しない電源装置(例えば、車両に搭載されているバッテリ)から所定の電源(例えば、DC12V)が供給されている。また、ポンプユニット10とコントロールユニット20とは、電気的に接続してある。なお、ポンプユニット10とコントロールユニット20とは、例えば車両のトランクルーム(図示しない)に配置されている。
【0011】
エアユニット40は、シート110の着座者の肩部に対応する位置に設けられた2つのエア袋41a、41bと、シート110の着座者の腰部に対応する位置に設けられた6つのエア袋41c、・・・、41hとの計8つのエア袋41と、シート110の着座者の腰部に対応する位置に設けられたバイブレータ43とを備えている。これらのエア袋41およびバイブレータ43は、それぞれプレート45、46、47を介してシートバック112の骨組フレーム(図示しない)に支持されるとともに、シートバック112の内部に設けられたウレタンパッド(図示しない)に形成されている孔の内部にそれぞれ設けられている。
【0012】
つぎに、電磁弁15(15a、・・・、15h)とエア袋41(41a、・・・41h)との接続について説明する。電磁弁15(15a、・・・15h)には、既に述べたようにそれぞれ個別にホース71(71a、・・・71h)が接続されている。これら各ホース71(71a、・・・71h)の先端には、雄コネクタ61が設けてある。この雄コネクタ61は、図2からも明らかなように、ホース71(71a、・・・、71h)8本分を一括して着脱可能に1組で形成されている。もちろん、雄コネクタ61の内部には、各ホース71(71a、・・・、71h)に対応するようにそれぞれ独立した連通孔(図示しない)が形成されている。また、同様に、エア袋41(41a、・・・41h)にも、それぞれ個別にホース72(72a、・・・72h)が接続されている。これら各ホース72(72a、・・・72h)の先端には、雌コネクタ62が設けてある。この雌コネクタ62は、雄コネクタ61に嵌めこみ可能となっており、雄コネクタ61と同様にホース72(72a、・・・、72h)8本分を一括して着脱可能に1組で形成されている。もちろん、雌コネクタ62の内部にも、各ホース72(72a、・・・、72h)に対応するように独立した連通孔(図示しない)がそれぞれ形成されている。したがって、この雄コネクタ61と雌コネクタ62とを嵌め合わせることにより、8本分のホース71(71a、・・・71h)とホース72(72a、・・・72h)とを容易に着脱できる。また、コントロールユニット20とバイブレータ43とは、上述したホース71、72と同様に雄コネクタ61と雌コネクタ62を介して電気的に接続されている。そのため、雄コネクタ61と雌コネクタ62との着脱によって、ホース71、72だけでなくバイブレータ43の電気配線も着脱できる。
【0013】
操作器50は、各エア袋41とバイブレータ43を作動させるためのスイッチボックスであり、例えば図3に示すように、車両の後部左側座席ドアアームレスト80に設けられている。そして、この操作器は「入」スイッチ51と、「オート」スイッチ52と、「強」スイッチ53と、「中」スイッチ54と、「弱」スイッチ55との各種スイッチによって構成されている。これら各スイッチ51〜55は、スイッチの動作状態(ON状態またはOFF状態)を目視可能な動作ランプ51a〜55aを有するオルタネイタ動作タイプのものである。例えば「入」スイッチ51を例に説明すると、「入」スイッチ51を1度押下すると、「入」スイッチ51はON状態となり動作ランプ51aが点灯する。そして、再度「入」スイッチ51を押下すると、「入」スイッチ51はOFF状態となり動作ランプ51aが消灯する。他のスイッチ52〜55についても同様な構成である。また「強」スイッチ53、「中」スイッチ54、「弱」スイッチ55においては、いずれか1つのスイッチしか動作しないように(ONしないように)回路構成されている。また、バイブレータ43は、電磁弁15(15a、・・・、15h)の開閉に連動させているため、専用のスイッチは不要としている。なお、操作器50とコントロールユニット20とは、電気的に接続してある。
【0014】
つぎに、上述した車両用マッサージシステムの動作について説明する。
着座者は操作器50からマッサージシステムを動作(運転)させると、エアポンプ13が運転され各電磁弁15(15a、・・・、15h)は開状態となり、吸気口11から取り込まれたエアが対応するエア袋41(41a、・・・、41h)へ送り込まれ、そのエア袋41(41a、・・・、41h)は膨張していく。この対応するエア袋41とは、電磁弁15aにはエア袋41aが対応しており、以下同様に、電磁弁15hにはエア袋41hが対応している。エア袋41(41a、・・・、41h)が膨張していくことにより、着座者の肩部および腰部は押圧されていく。そして、所定の時間経過後、各電磁弁15(15a、・・・、15h)は閉状態に移行し、対応するエア袋41(41a、・・・、41h)に送り込まれたエアは排気口17から排気され、そのエア袋41(41a、・・・、41h)は収縮していく。エア袋41(41a、・・・、41h)が収縮していくことにより、着座者の肩部および腰部への押圧が解除されていく。このようにして、各電磁弁15(15a、・・・、15h)を開閉させて、エア袋41(41a、・・・、41h)の膨張・収縮を繰り返させることによって、着座者にとってマッサージ効果を与えることができる。もちろん、各電磁弁15(15a、・・・、15h)の開閉動作のパターンは、各種構成(組み合わせ)が考えられるため、上述したように各電磁弁15(15a、・・・、15h)が同時に開閉する構成に限定されない。
【0015】
また、この車両用マッサージシステムは、マッサージの強度を「強」または「中」または「弱」のいずれかの強度で動作させることができる。そして、この強度は電磁弁15の開時間の長さによって決定される構成である。例えば、マッサージ強度を「強」で動作させる場合、電磁弁15の開時間を「7秒」に設定しておく。すると、「多量」のエアがエア袋41へ送られエア袋41の膨らみが「大」となるため、着座者に対して与えるマッサージ強度が「強」となる。また、同様に、マッサージ強度を「中」で動作させる場合、電磁弁15の開時間を「5秒」に設定しておく。すると、「中量」のエアがエア袋41へ送られエア袋41の膨らみが「中」となるため、着座者に対して与えるマッサージ強度が「中」となる。また、同様に、マッサージ強度を「弱」で動作させる場合、電磁弁15の開時間を「3秒」に設定しておく。すると、「少量」のエアがエア袋41へ送られエア袋41の膨らみが「小」となるため、着座者に対して与えるマッサージ強度が「弱」となる。このようにして、マッサージの強度を切替え可能となっている。
【0016】
そして、この車両用マッサージシステムは、着座者が設定したマッサージ強度でマッサージ動作させる「マニュアルモード」と、着座者が設定したマッサージ強度を車両の走行状態に適したマッサージ強度に切り替えてマッサージ動作させる「オートモード」の2つのモードを備えている。以下に、それぞれのモード毎に、この車両用マッサージシステムの動作について説明する。はじめに、「マニュアルモード」から説明する。
【0017】
「マニュアルモード」で動作させる場合、着座者は、「入」スイッチ51を押下したのち、所望するマッサージ強度のスイッチを押下する。例えば、着座者は「強」モードでマッサージを望む場合、「入」スイッチ51を押下したのち、「強」スイッチ53を押下する。すると、既に説明したように電磁弁15の開時間が「7秒」となって、着座者はマッサージ強度が「強」であるマッサージを受けることができる。また、着座者がマッサージの停止を望む場合、着座者は再度「入」スイッチ51を押下すればよい。なお、「中」モードでマッサージを望む場合、「弱」モードでマッサージを望む場合も、この「強」モードでマッサージを望む場合と同様に操作する。このようにして、着座者は自身が設定したマッサージの強度で常にマッサージを受けることができる。
【0018】
次に、「オートモード」について説明する。「オートモード」で動作させる場合、着座者は、「オート」スイッチ52を押下したのち、所望するマッサージ強度のスイッチを押下する。この「オート」スイッチ52を押下すると、既に説明したように、着座者が設定したマッサージ強度であっても、車両の走行状態に適したマッサージ強度へと切り替わる制御が実施される。この制御は、例えば着座者がマッサージの強度を「強」で設定していても、車両の走行状態によっては、マッサージの強度が「強」で動作されることなく「中」または「弱」にも切り替わる制御である。なお、この実施例1では、予め決定の所定舵角(第1所定舵角(例えば、30°)および第2所定舵角(例えば、45°))と車両の検出舵角(舵角センサからの舵角量)との比較によって車両の走行状態を判断している。以下に、図4を参照して、この制御を説明する。なお、第1所定舵角を、例えば「30°」、また、第2所定舵角を、例えば「45°」として説明する。
【0019】
まず、「オート」スイッチ52が動作している(ON状態)か否かを判断する(ステップS100)。「オート」スイッチ52が動作している場合(Yesの場合)、続いて、「強」スイッチ53が動作している(ON状態)か否かを判断する(ステップS102)。「強」スイッチ53が動作している場合(Yesの場合)、ステップS104へ進む。なお、ステップS100において「オート」スイッチ52が動作していない場合(Noの場合)、制御は終了する。ステップS104において、「検出舵角」≧「第1所定舵角(30°)」であるか否かを判断する(ステップS104)。「検出舵角」≧「第1所定舵角(例えば、30°)」である場合(Yesの場合)、「第2所定舵角(45°)」≧「検出舵角」であるか否かを判断する(ステップS106)。
【0020】
一方、ステップS104において、「検出舵角」≧「第1所定舵角(30°)」でない場合(Noの場合)、すなわち、例えば「検出舵角」が「25°」の場合、コントロールユニット20は、車両の走行状態を「ソフト走行」と判断し、マッサージ強度を「強」で動作させる(ステップS110)。
【0021】
また、ステップS106において、「第2所定舵角(45°)」≧「検出舵角」である場合(Yesの場合)、すなわち、例えば「検出舵角」が「35°」の場合、コントロールユニット20は、車両の走行状態を「普通走行」と判断し、マッサージ強度を「中」で動作させる(ステップS108)。
【0022】
一方、ステップS106において、「第2所定舵角(45°)」≧「検出舵角」でない場合(Noの場合)、すなわち、例えば「検出舵角」が「50°」の場合、コントロールユニット20は、車両の走行状態を「ハード走行」と判断し、マッサージ強度を「弱」で動作させる(ステップS116)。
【0023】
また、ステップS102において、「強」スイッチ53が動作していない場合(Noの場合)、「中」スイッチ54が動作している(ON状態)か否かを判断する(ステップS112)。「中」スイッチ54が動作している場合(Yesの場合)、ステップS106へ進む。一方、「中」スイッチ54が動作していない場合(Noの場合)、「弱」スイッチ55が動作している(ON状態)か否かを判断する(ステップS114)。「弱」スイッチ55が動作している場合(Yesの場合)、ステップS116へ進む。一方、「弱」スイッチ55が動作していない場合(Noの場合)、ステップS108へ進む。以降、コントロールユニット20は、この制御を所定時間毎に繰り返す。
【0024】
上述した制御において、着座者が設定したマッサージの強度が「強」である場合について説明する。まずステップS100およびステップS102において共にYesと判断される(この制御は、「オートモード」の制御である。そのため、既に述べたように、この「オートモード」を動作させるために着座者は始めに「オート」スイッチ52を押下している。したがって、ステップS100において既にYesと判断される。以下、着座者が設定したマッサージの強度が「中」である場合、また「弱」である場合も同様である。)。そして、例えば「検出舵角」が「25°」の場合には、コントロールユニット20はステップS104においてNoと判断する。この判断からコントロールユニット20は、車両の走行状態を「ソフト走行」と判断する。このように走行状態が「ソフト走行」のときには、コントロールユニット20はマッサージ強度を「強」で動作させても着座者にとって「快適な」マッサージになると判断する。そのため、着座者が設定したマッサージの強度で(この場合は、強度「強」で)マッサージを動作させ、着座者に対し「快適な」マッサージを提供している。
【0025】
また、例えば「検出舵角」が「35°」の場合には、コントロールユニット20はステップS104およびステップS106において共にYesと判断する。この判断からコントロールユニット20は、車両の走行状態を「普通走行」と判断する。このように走行状態が「普通走行」のときには、コントロールユニット20はマッサージ強度を「強」で動作させると着座者にとって「不快な」マッサージになると判断し、マッサージ強度を「中」で動作させると着座者にとって「快適な」マッサージになると判断する。そのため、着座者が設定したマッサージの強度が「強」であっても、コントロールユニット20はマッサージ強度を「強」から「中」に切り替えて、着座者に対し「快適な」マッサージを提供している。
【0026】
また、例えば「検出舵角」が「50°」の場合には、コントロールユニット20はステップS104においてYesと判断しステップS106においてにNoと判断する。この判断からコントロールユニット20は、車両の走行状態を「ハード走行」と判断する。このように走行状態が「ハード走行」のときには、コントロールユニット20はマッサージ強度を「強」で動作させると着座者にとって「大変不快な」マッサージになると判断し、マッサージ強度を「弱」で動作させると着座者にとって「快適な」マッサージになると判断する。そのため、着座者が設定したマッサージの強度が「強」であっても、コントロールユニット20はマッサージ強度を「強」から「弱」に切り替えて、着座者に対し「快適な」マッサージを提供している。
【0027】
このように、着座者が設定したマッサージの強度が「強」であっても、常にマッサージ動作が「強」で動作されることはなく、車両の走行状態によってマッサージ強度が「強」から「中」または「強」から「弱」へ切り替わることになる。したがって、着座者は車両の走行状態に適したマッサージ強度で常にマッサージを受けることができる。
【0028】
同様に、上述した制御において、着座者が設定したマッサージの強度が「中」である場合について説明する。まずステップS102においてNoと判断されステップS112においてYesと判断される。そして、例えば「検出舵角」が「35°」の場合には、コントロールユニット20はステップS106においてYesと判断する。この判断からコントロールユニット20は、車両の走行状態を「普通走行」と判断する。このように走行状態が「普通走行」のときには、コントロールユニット20はマッサージ強度を「中」で動作させても着座者にとって「快適な」マッサージになると判断する。そのため、着座者が設定したマッサージの強度で(この場合は、強度「中」で)マッサージを動作させ、着座者に対し「快適な」マッサージを提供している。
【0029】
また、例えば「検出舵角」が「50°」の場合には、コントロールユニット20はステップS106においてにNoと判断する。この判断からコントロールユニット20は、車両の走行状態を「ハード走行」と判断する。このように走行状態が「ハード走行」のときには、コントロールユニット20はマッサージ強度を「中」で動作させると着座者にとって「不快な」マッサージになると判断し、マッサージ強度を「弱」で動作させると着座者にとって「快適な」マッサージになると判断する。そのため、着座者が設定したマッサージの強度が「中」であっても、コントロールユニット20はマッサージ強度を「中」から「弱」に切り替えて、着座者に対し「快適な」マッサージを提供している。
【0030】
このように、着座者が設定したマッサージの強度が「中」であっても、常にマッサージ動作が「中」で動作されることはなく、車両の走行状態によってマッサージ強度が「中」から「弱」へ切り替わることになる。したがって、着座者は車両の走行状態に適したマッサージ強度で常にマッサージを受けることができる。
【0031】
同様に、上述した制御において、着座者が設定したマッサージの強度が「弱」である場合について説明する。ステップS102においてNoと判断されステップS112においてNoと判断されステップS114においてYesと判断される。
【0032】
このように、着座者が設定したマッサージの強度が「弱」であれば、車両がどのような走行状態であっても着座者にとって「快適な」マッサージになると判断する。そのため、着座者が設定したマッサージの強度で(この場合は、強度「弱」で)マッサージを動作させ、着座者に対し「快適な」マッサージを提供している。なお、ステップS114においてNoと判断された場合、着座者のスイッチ押し忘れ(「オート」スイッチ52のみ押下して、「強」スイッチ53および「中」スイッチ54および「弱」スイッチ55のいずれのスイッチも押していない状態で単なる押し忘れ)と考えられるため、ステップS108へ進み、マッサージの強度を「中」で動作させる。
【0033】
(実施例2)
続いて、図5によって実施例2を説明する。
この実施例2では、予め決定の所定車速(例えば、60km/時)と前記車両の検出車速(車速センサからの車速)との比較によって、または予め決定の所定車速(例えば、60km/時)と前記車両の検出車速(車速センサからの車速)との比較および予め決定の所定舵角(第3所定舵角(例えば、40°))と前記車両の検出舵角(舵角センサからの舵角量)との比較を組み合わせた比較によって車両の走行状態を判断している。そのため、実施例2におけるセンサ信号とは、舵角センサ(図示しない)が検出した舵角量を示す信号と車速センサ(図示しない)が検出した車速を示す信号である。そして、これらのセンサ信号は、実施例1と同様に所定時間(例えば、数十ミリSEC)ごとにコントロールユニット20へ取り込まれている。なお、実施例2において、その他の機器構成は実施例1と同じであるため、同一符号を付すことで説明を省略する。
【0034】
この実施例2でも、実施例1と同様に車両用マッサージシステムは、「マニュアルモード」と「オートモード」との2つのモードを備えている。なお、「マニュアルモード」は実施例1と同じであるため説明を省略し、図5を参照して「オートモード」で実施される制御を説明する。なお、所定車速を、例えば「60km/時」、また、第3所定舵角を、例えば「40°」として説明する。
【0035】
まず、「オート」スイッチ52が動作している(ON状態)か否かを判断する(ステップS200)。「オート」スイッチ52が動作している場合(Yesの場合)、「検出車速」≧「所定車速(60km/時)」であるか否かを判断する(ステップS202)。「検出車速」≧「所定車速(60km/時)」である場合(Yesの場合)、「検出舵角」≧「第3所定舵角(40°)」であるか否かを判断する(ステップS204)。なお、ステップS200において「オート」スイッチ52が動作していない場合(Noの場合)、制御は終了する。
【0036】
ステップS202において、「検出車速」≧「所定車速(60km/時)」でない場合(Noの場合)、すなわち、例えば「検出車速」が「50km/時」の場合、コントロールユニット20は「DC←0」処理を実行する(ステップS210)。この「DC←0」処理とは、「DC」に数値「0」を書き込む処理である。その後、ステップS212へ進む。
【0037】
また、ステップS204において、「検出舵角」≧「第3所定舵角(40°)」でない場合(Noの場合)、すなわち、例えば「検出車速」が「35°」の場合、コントロールユニット20は「DC←1」処理を実行する(ステップS208)。この「DC←1」処理とは、「DC」に数値「1」を書き込む処理である。その後、ステップS212へ進む。
【0038】
また、ステップS204において、「検出舵角」≧「第3所定舵角(40°)」である場合(Yesの場合)、すなわち、例えば「検出車速」が「45°」の場合、コントロールユニット20は「DC←2」処理を実行する(ステップS206)。この「DC←2」処理とは、「DC」に数値「2」を書き込む処理である。その後、ステップS212へ進む。
【0039】
ステップS212において、「強」スイッチ53が動作している(ON状態)か否かを判断する(ステップS212)。「強」スイッチ53が動作している場合(Yesの場合)、コントロールユニット20は「C←(3−DC)」処理を実行する(ステップS214)。この「C←(3−DC)」処理とは、数値「3」から先ほどの「DC」に書き込んだ数値を減算し、その減算した数値を「C」に書き込む処理である。その後、ステップS224へ進む。
【0040】
また、ステップS212において「強」スイッチ53が動作していない場合(Noの場合)、「中」スイッチ54が動作している(ON状態)か否かを判断する(ステップS216)。「中」スイッチ54が動作している場合(Yesの場合)、コントロールユニット20は「C←(2−DC)」処理を実行する(ステップS218)。この「C←(2−DC)」処理とは、数値「2」から先ほどの「DC」に書き込んだ数値を減算し、その減算した数値を「C」に書き込む処理である。その後、ステップS224へ進む。
【0041】
また、「中」スイッチ54が動作していない場合(Noの場合)、「弱」スイッチ55が動作している(ON状態)か否かを判断する(ステップS220)。「弱」スイッチ55が動作している場合(Yesの場合)、コントロールユニット20は「C←(1−DC)」処理を実行する(ステップS222)。この「C←(1−DC)」処理とは、数値「1」から先ほどの「DC」に書き込んだ数値を減算し、その減算した数値を「C」に書き込む処理である。その後、ステップS224へ進む。なお、「弱」スイッチ55が動作していない場合(Noの場合)、ステップS230へ進む。
【0042】
ステップS224において、「C=3」であるか否かを判断する(ステップS224)。このステップは、先ほど「C」に書き込んだ数値が「3」であるか否かを判断するステップである。「C=3」である場合(Yesの場合)、コントロールユニット20は、マッサージの強度を「強」で動作させる(ステップS226)。一方、「C=3」でない場合(Noの場合)、「C=2」であるか否かを判断する(ステップS228)。このステップは、先ほど「C」に書き込んだ数値が「2」であるか否かを判断するステップである。「C=2」である場合(Yesの場合)、コントロールユニット20は、マッサージの強度を「中」で動作させる(ステップS230)。一方、「C=2」でない場合(Noの場合)、「C=1」であるか否かを判断する(ステップS232)。このステップは、先ほど「C」に書き込んだ数値が「1」であるか否かを判断するステップである。「C=1」である場合(Yesの場合)、コントロールユニット20は、マッサージの強度を「弱」で動作させる(ステップS234)。一方、「C=1」でない場合(Noの場合)、コントロールユニット20は、マッサージシステムを停止させる(ステップS236)。以降、コントロールユニット20は、この制御を所定時間毎に繰り返す。
【0043】
上述した制御において、着座者が設定したマッサージの強度が「強」である場合について説明する。まずステップS200においてYesと判断される(この制御は、「オートモード」の制御である。そのため、既に述べたように、この「オートモード」を動作させるために着座者は始めに「オート」スイッチ52を押下している。したがって、ステップS200において既にYesと判断される。以下、着座者が設定したマッサージの強度が「中」である場合、また「弱」である場合も同様である。)。
【0044】
そして、例えば「検出車速」が「50km/時」の場合には、コントロールユニット20はステップS202においてNoと判断する。この判断からコントロールユニット20は、車両の走行状態を「低速走行」と判断し「DC←0」処理を実行してステップS212へ進む。ステップS212において、コントロールユニット20はYesと判断するため、ステップS214において、「C←3」処理を実行(DC←0であるため)してステップS224へ進む。コントロールユニット20は、ステップS224においてYesと判断してマッサージ強度を「強」で動作させる。このように走行状態が「低速走行」のときには、コントロールユニット20はマッサージ強度を「強」で動作させても着座者にとって「快適な」マッサージになると判断する。そのため、着座者が設定したマッサージの強度で(この場合は、強度「強」で)マッサージを動作させ、着座者に対し「快適な」マッサージを提供している。
【0045】
また、例えば「検出車速」が「70km/時」で且つ「検出舵角」が「35°」の場合には、コントロールユニット20はステップS202においてYesと判断しステップS204においてNoと判断する。この判断からコントロールユニット20は、車両の走行状態を「高速走行」と判断し「DC←1」処理を実行してステップS212へ進む。ステップS212において、コントロールユニット20はYesと判断するため、ステップS214において、「C←2」処理を実行(DC←1であるため)してステップS224へ進む。コントロールユニット20は、ステップS224においてNoと判断しステップS228においてYesと判断してマッサージ強度を「中」で動作させる。このように走行状態が「高速走行」のときには、コントロールユニット20はマッサージ強度を「強」で動作させると着座者にとって「不快な」マッサージになると判断し、マッサージ強度を「中」で動作させると着座者にとって「快適な」マッサージになると判断する。そのため、着座者が設定したマッサージの強度が「強」であっても、コントロールユニット20はマッサージ強度を「強」から「中」に切り替えて、着座者に対し「快適な」マッサージを提供している。
【0046】
また、例えば「検出車速」が「70km/時」で且つ「検出舵角」が「45°」の場合には、コントロールユニット20はステップS202においてYesと判断しステップS204においてYesと判断する。この判断からコントロールユニット20は、車両の走行状態を「ハード走行」と判断し「DC←2」処理を実行してステップS212へ進む。ステップS212において、コントロールユニット20はYesと判断するため、ステップS214において、「C←1」処理を実行(DC←2であるため)してステップS224へ進む。コントロールユニット20は、ステップS224においてNoと判断しステップS228においてNoと判断しステップS232においてYesと判断してマッサージ強度を「弱」で動作させる。このように走行状態が「ハード走行」のときには、コントロールユニット20はマッサージ強度を「強」で動作させると着座者にとって「大変不快な」マッサージになると判断し、マッサージ強度を「弱」で動作させると着座者にとって「快適な」マッサージになると判断する。そのため、着座者が設定したマッサージの強度が「強」であっても、コントロールユニット20はマッサージ強度を「強」から「弱」に切り替えて、着座者に対し「快適な」マッサージを提供している。
【0047】
このように、着座者が設定したマッサージの強度が「強」であっても、常にマッサージ動作が「強」で動作されることはなく、車両の走行状態によってマッサージ強度が「強」から「中」または「強」から「弱」へ切り替わることになる。したがって、着座者は車両の走行状態に適したマッサージ強度で常にマッサージを受けることができる。
【0048】
同様に、上述した制御において、着座者が設定したマッサージの強度が「中」である場合について説明する。まずステップS200においてYesと判断される。
そして、例えば「検出車速」が「50km/時」の場合には、コントロールユニット20はステップS202においてNoと判断する。この判断からコントロールユニット20は、車両の走行状態を「低速走行」と判断し「DC←0」処理を実行してステップS212へ進む。ステップS212において、コントロールユニット20はNoと判断するため、ステップS216へと進む。ステップS216において、コントロールユニット20はYesと判断するため、ステップS218において、「C←2」処理を実行(DC←0であるため)してステップS224へ進む。ステップS224において、コントロールユニット20はNoと判断するため、ステップS228へと進む。コントロールユニット20は、ステップS228においてYesと判断してマッサージ強度を「中」で動作させる。このように走行状態が「低速走行」のときには、コントロールユニット20はマッサージ強度を「中」で動作させても着座者にとって「快適な」マッサージになると判断する。そのため、着座者が設定したマッサージの強度で(この場合は、強度「中」で)マッサージを動作させ、着座者に対し「快適な」マッサージを提供している。
【0049】
また、例えば「検出車速」が「70km/時」で且つ「検出舵角」が「35°」の場合には、コントロールユニット20はステップS202においてYesと判断しステップS204においてNoと判断する。この判断からコントロールユニット20は、車両の走行状態を「高速走行」と判断し「DC←1」処理を実行してステップS212へ進む。ステップS212において、コントロールユニット20はNoと判断するため、ステップS216へと進む。ステップS216において、コントロールユニット20はYesと判断するため、ステップS218において、「C←1」処理を実行(DC←1であるため)してステップS224へ進む。コントロールユニット20は、ステップS224においてNoと判断しステップS228においてNoと判断しステップS232においてYesと判断してマッサージ強度を「弱」で動作させる。このように走行状態が「高速走行」のときには、コントロールユニット20はマッサージ強度を「中」で動作させると着座者にとって「不快な」マッサージになると判断し、マッサージ強度を「弱」で動作させると着座者にとって「快適な」マッサージになると判断する。そのため、着座者が設定したマッサージの強度が「中」であっても、コントロールユニット20はマッサージ強度を「中」から「弱」に切り替えて、着座者に対し「快適な」マッサージを提供している。
【0050】
また、例えば「検出車速」が「70km/時」で且つ「検出舵角」が「45°」の場合には、コントロールユニット20はステップS202においてYesと判断しステップS204においてYesと判断する。この判断からコントロールユニット20は、車両の走行状態を「ハード走行」と判断し「DC←2」処理を実行してステップS212へ進む。ステップS212において、コントロールユニット20はNoと判断するため、ステップS216へと進む。ステップS216において、コントロールユニット20はYesと判断するため、ステップS214において、「C←0」処理を実行(DC←2であるため)してステップS224へ進む。コントロールユニット20は、ステップS224においてNoと判断しステップS228においてNoと判断しステップS232においてNoと判断してマッサージを停止させる。このように走行状態が「ハード走行」のときには、コントロールユニット20はマッサージ強度を「中」で動作させると着座者にとって「大変不快な」マッサージになると判断しマッサージ動作を停止させる。
【0051】
このように、着座者が設定したマッサージの強度が「中」であっても、常にマッサージ動作が「中」で動作されることはなく、車両の走行状態によってマッサージ強度が「中」から「弱」へ切り替わるまたは「停止」する。したがって、着座者は車両の走行状態に適したマッサージ強度で常にマッサージを受けることができる。
【0052】
同様に、上述した制御において、着座者が設定したマッサージの強度が「弱」である場合について説明する。まずステップS200においてYesと判断される。
そして、例えば「検出車速」が「50km/時」の場合には、コントロールユニット20はステップS202においてNoと判断する。この判断からコントロールユニット20は、車両の走行状態を「低速走行」と判断し「DC←0」処理を実行してステップS212へ進む。ステップS212において、コントロールユニット20はNoと判断するため、ステップS216へと進む。ステップS216において、コントロールユニット20はNoと判断するため、ステップS220へと進む。ステップS220において、コントロールユニット20はYesと判断するため、ステップS222において、「C←1」処理を実行(DC←0であるため)してステップS224へ進む。ステップS224において、コントロールユニット20はNoと判断するため、ステップS228へと進む。ステップS228において、コントロールユニット20はNoと判断するため、ステップS232へと進む。コントロールユニット20は、ステップS232においてYesと判断してマッサージ強度を「弱」で動作させる。このように走行状態が「低速走行」のときには、コントロールユニット20はマッサージ強度を「弱」で動作させても着座者にとって「快適な」マッサージになると判断する。そのため、着座者が設定したマッサージの強度で(この場合は、強度「弱」で)マッサージを動作させ、着座者に対し「快適な」マッサージを提供している。
【0053】
また、例えば「検出車速」が「70km/時」で且つ「検出舵角」が「35°」の場合には、コントロールユニット20はステップS202においてYesと判断しステップS204においてNoと判断する。この判断からコントロールユニット20は、車両の走行状態を「高速走行」と判断し「DC←1」処理を実行してステップS212へ進む。ステップS212において、コントロールユニット20はNoと判断するため、ステップS216へと進む。ステップS216において、コントロールユニット20はNoと判断するため、ステップS220へと進む。ステップS220において、コントロールユニット20はYesと判断するため、ステップS222において、「C←0」処理を実行(DC←1であるため)してステップS224へ進む。コントロールユニット20は、ステップS224においてNoと判断しステップS228においてNoと判断しステップS232においてNoと判断してマッサージを「停止」させる。このように走行状態が「高速走行」のときには、コントロールユニット20はマッサージ強度を「中」で動作させると着座者にとって「大変不快な」マッサージになると判断しマッサージ動作をさせる。
【0054】
また、例えば「検出車速」が「70km/時」で且つ「検出舵角」が「45°」の場合には、コントロールユニット20はステップS202においてYesと判断しステップS204においてYesと判断する。この判断からコントロールユニット20は、車両の走行状態を「ハード走行」と判断し「DC←2」処理を実行してステップS212へ進む。ステップS212において、コントロールユニット20はNoと判断するため、ステップS216へと進む。ステップS216において、コントロールユニット20はNoと判断するため、ステップS220へと進む。ステップS220において、コントロールユニット20はYesと判断するため、ステップS222において、「C←−1」処理を実行(DC←2であるため)してステップS224へ進む。コントロールユニット20は、ステップS224においてNoと判断しステップS228においてNoと判断しステップS232においてNoと判断してマッサージを停止させる。このように走行状態が「ハード走行」のときには、コントロールユニット20はマッサージ強度を「中」で動作させると着座者にとって「大変不快な」マッサージになると判断しマッサージ動作を停止させる。
【0055】
このように、着座者が設定したマッサージの強度が「弱」であっても、常にマッサージ動作が「弱」で動作されることはなく、車両の走行状態によってマッサージを「停止」させる。したがって、着座者は車両の走行状態に適したマッサージ強度で常にマッサージを受けることができる。なお、ステップS220においてNoと判断された場合、着座者のスイッチ押し忘れ(「オート」スイッチ52のみ押下して、「強」スイッチ53および「中」スイッチ54および「弱」スイッチ55のいずれのスイッチも押していない状態で単なる押し忘れ)と考えられるため、ステップS230へ進み、マッサージの強度を「中」で動作させる。
【0056】
(実施例3)
続いて、実施例3を説明する。
この実施例3は、実施例2で説明した車両の走行状態のみによってマッサージの強度を決定するものである。そのため、実施例3では操作器50には「オート」スイッチ52のみ存在する。
【0057】
まず、「オート」スイッチ52が動作している(ON状態)か否かを判断する(ステップS300)。「オート」スイッチ52が動作している場合(Yesの場合)、「検出車速」≧「所定車速(60km/時)」であるか否かを判断する(ステップS302)。「検出車速」≧「所定車速(60km/時)」である場合(Yesの場合)、「検出舵角」≧「第3所定舵角(40°)」であるか否かを判断する(ステップS304)。なお、ステップS300において「オート」スイッチ52が動作していない場合(Noの場合)、制御は終了する。
【0058】
ステップS302において、「検出車速」≧「所定車速(60km/時)」でない場合(Noの場合)、すなわち、例えば「検出車速」が「50km/時」の場合、コントロールユニット20は低速走行と判断し、マッサージの強度を「強」で動作させる(ステップS326)。また、ステップS304において、「検出舵角」≧「第3所定舵角(40°)」でない場合(Noの場合)、すなわち、例えば「検出車速」が「35°」の場合、コントロールユニット20は高速走行と判断し、マッサージの強度を「中」で動作させる(ステップS330)。また、ステップS304において、「検出舵角」≧「第3所定舵角(40°)」である場合(Yesの場合)、すなわち、例えば「検出車速」が「45°」の場合、コントロールユニット20はハード走行と判断し、マッサージの強度を「強」で動作させる(ステップS334)。以降、コントロールユニット20は、この制御を所定時間毎に繰り返す。
【0059】
上述した内容は、あくまでも本発明の一実施の形態に関するものであって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではない。
また各実施例では、検出舵角および検出車速を無処理で所定舵角および所定車速とそれぞれ比較させる構成を例に説明した。しかし、これに限定されるものでなく、検出舵角および検出車速をそれぞれ「なまし処理」して、その「なまし処理」した数値で所定舵角および所定車速と比較させる構成でも構わない。なお、「なまし処理」とは、例えば積分処理などである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、車両用マッサージシートのシステム構成図である。
【図2】図2は、車両用マッサージシートの外観を表した斜視図である。
【図3】図3は、図1に記す操作器50について説明する図である。
【図4】図4は、車両用マッサージシートの制御フローである(実施例1)。
【図5】図5は、車両用マッサージシートの制御フローである(実施例2)。
【符号の説明】
【0061】
20 制御手段(コントロールユニット)
110 シート






【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート着座者からの設定に応じてマッサージの強度を切替え可能な車両用マッサージシートであって、
車両の走行状態によりマッサージの強度を切替可能な制御手段を備えたことを特徴とする、車両用マッサージシート。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用マッサージシートであって、
前記走行状態を、予め決定の所定舵角と前記車両の検出舵角との比較によって判断する、車両用マッサージシート。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用マッサージシートであって、
前記走行状態を、予め決定の所定車速と前記車両の検出車速との比較によって、または予め決定の所定車速と前記車両の検出車速との比較および予め決定の所定舵角と前記車両の検出舵角との比較を組み合わせた比較によって判断する、車両用マッサージシート。







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−198307(P2006−198307A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−15482(P2005−15482)
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】