説明

車両用ミラー装置

【課題】車両用ドアミラー装置において、収容体の開放孔を被覆部材が適切に被覆する。
【解決手段】車両用ドアミラー装置10では、バイザボデー20の周壁30の上凹部36及び下凹部40をそれぞれインナカバー54の上被覆板68及び下被覆板76が被覆しているため、バイザボデー20のミラー92外周側の見栄えが向上されている。ここで、上被覆板68及び下被覆板76が、それぞれ上凹部36及び下凹部40に当接されている。このため、上被覆板68及び下被覆板76をそれぞれ上凹部36及び下凹部40に位置決めでき、上凹部36及び下凹部40をそれぞれ上被覆板68及び下被覆板76が適切に被覆できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のミラーを収容体が収容する車両用ミラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の車両用ドアミラー装置では、ミラーハウジング内にミラーブラケットが固定されており、ミラーブラケットが反射鏡を支持して、反射鏡がミラーハウジング内の開口部分に収容されている。さらに、ミラーハウジング内の開口部分を形成する周壁(内壁フランジ及び下壁)に欠損部が形成されており、欠損部はミラーブラケットの延出部によって被覆されている。
【0003】
ここで、この車両用ドアミラー装置では、ミラーハウジングの欠損部部分にミラーブラケットの延出部が当接されていない。このため、ミラーハウジングの欠損部部分に延出部が位置決めされず、延出部が欠損部を適切には被覆しない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−96286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、収容体の開放孔を被覆部材が適切に被覆できる車両用ミラー装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の車両用ミラー装置は、開口する収容室が設けられ、前記収容室の開口部分に車両のミラーを収容すると共に、前記収容室の開口部分を形成する周壁に開放孔が設けられた収容体と、前記開放孔を被覆する被覆部材と、前記被覆部材に設けられ、前記収容体の前記開放孔部分に当接する当接部と、を備えている。
【0007】
請求項2に記載の車両用ミラー装置は、請求項1に記載の車両用ミラー装置において、前記被覆部材は、前記開放孔を被覆する被覆部と、前記収容体側に取付けられる取付部と、が設けられる。
【0008】
請求項3に記載の車両用ミラー装置は、請求項2に記載の車両用ミラー装置において、前記被覆部材に設けられ、前記被覆部と前記取付部とに連結されると共に、前記収容室側へ突出された突出部を備えている。
【0009】
請求項4に記載の車両用ミラー装置は、請求項2又は請求項3に記載の車両用ミラー装置において、前記取付部は、前記ミラーが傾動されて挿入される凹部が設けられる。
【0010】
請求項5に記載の車両用ミラー装置は、請求項2〜請求項4の何れか1項に記載の車両用ミラー装置において、前記取付部は、前記収容体側に係合されて前記被覆部材の回転が係止される係合部が設けられる。
【0011】
請求項6に記載の車両用ミラー装置は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の車両用ミラー装置において、前記収容体は、前記収容室が設けられる収容部と、前記収容部の前記収容室とは反対側に組付けられる組付部と、が設けられ、前記開放孔において前記収容部と前記組付部とが組付けられる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の車両用ミラー装置では、収容体の収容室が開口しており、収容体は収容室の開口部分にミラーを収容している。さらに、収容体の周壁が収容室の開口部分を形成すると共に、周壁に開放孔が設けられており、開放孔を被覆部材が被覆している。
【0013】
ここで、被覆部材に当接部が設けられており、当接部が収容体の開放孔部分に当接している。このため、収容体の開放孔部分に被覆部材を位置決めでき、収容体の開放孔を被覆部材が適切に被覆できる。
【0014】
請求項2に記載の車両用ミラー装置では、被覆部材の被覆部が収容体の開放孔を被覆している。
【0015】
ここで、被覆部材に取付部が設けられており、取付部が収容体側に取付けられている。このため、被覆部材を収容体側に強固に取付けることができる。
【0016】
請求項3に記載の車両用ミラー装置では、被覆部材に突出部が設けられており、突出部は被覆部材の被覆部と取付部とに連結されている。
【0017】
ここで、突出部が収容体の収容室側へ突出されている。このため、被覆部材の成形後の収縮時には、突出部によって被覆部が取付部に対し収容体の開放孔側への変位力を受ける。これにより、被覆部が開放孔を適切に被覆できる。
【0018】
請求項4に記載の車両用ミラー装置では、被覆部材の取付部に凹部が設けられており、ミラーが傾動されて凹部に挿入される。このため、取付部がミラーの傾動を制限することを抑制できる。
【0019】
請求項5に記載の車両用ミラー装置では、被覆部材の取付部に係合部が設けられており、係合部が収容体側に係合されて、被覆部材の回転が係止される。このため、被覆部材を収容体側に適切に位置決めできる。
【0020】
請求項6に記載の車両用ミラー装置では、収容体の収容部に収容室が設けられると共に、収容体の組付部が収容部の収容室とは反対側に組付けられている。
【0021】
ここで、収容体の開放孔において、収容部と組付部とが組付けられている。このため、収容部と組付部との組付部分を被覆部材によって被覆できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車両後斜め右方から見た斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置の主要部(ミラー及びインナカバーを取外した状態)を示す車両後斜め右方から見た斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置の主要部(ミラーを取外した状態)を示す車両後方から見た正面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置の主要部(バイザカバーを取外した状態)を示す車両前方から見た背面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置のインナカバーを示す車両後方から見た正面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置のインナカバーを示す車両右方から見た側面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置のインナカバーを示す車両左方から見た側面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置のインナカバーを示す車両前方から見た背面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置のインナカバーを示す車両後斜め右方から見た斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置のインナカバーを示す車両左斜め後方から見た斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置のインナカバーを示す車両前斜め右方から見た斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置のインナカバーを示す車両後斜め下方から見た斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置のインナカバーを示す車両前斜め上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1には、本発明の車両用ミラー装置が適用された実施の形態に係る車両用ドアミラー装置10が車両後斜め右方から見た斜視図にて示されており、図2には、車両用ドアミラー装置10の主要部が車両後斜め右方から見た斜視図にて示されている。さらに、図3には、車両用ドアミラー装置10の主要部が車両後方から見た正面図にて示されており、図4には、車両用ドアミラー装置10の主要部が車両前方から見た背面図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車幅方向外方(車両右方)を矢印WOで示し、上方を矢印UPで示す。
【0024】
本実施の形態に係る車両用ドアミラー装置10は、車両のドア(図示省略)の上下方向中間部の車両前側端部における外部に設けられている。
【0025】
図1〜図4に示す如く、車両用ドアミラー装置10は、車幅方向内側端部において、支持部材としてのステー12を備えており、ステー12が車両のドアに取付けられることで、車両用ドアミラー装置10がドア(車体側)に支持されている。ステー12には、ブロック状の支持部12Aが設けられており、支持部12Aは、車幅方向外側へ突出されると共に、車幅方向外側部(突出端部)が略半円柱状にされている。
【0026】
ステー12には、本体部14が支持されている。
【0027】
本体部14には、図4に示す回動手段としての格納装置16(リトラクタ)が設けられており、格納装置16は、ステー12の支持部12A上に支持されている。格納装置16は、ステー12に対し回動可能にされており、格納装置16は、手動又は電動により本体部14(下記ミラー92を含む)をステー12に対し回動可能にしている。これにより、本体部14がステー12に対し通常位置(展開位置、起立位置)から車両後側かつ車幅方向内側に回動されることで、本体部14が格納(後格納)されると共に、本体部14がステー12に対し通常位置から車両前側かつ車幅方向内側に回動されることで、本体部14が前倒(前格納)される。
【0028】
格納装置16には、収容体としてのバイザ18が支持されている。
【0029】
バイザ18には、収容部としての不透明樹脂製のバイザボデー20が設けられており、バイザボデー20の車幅方向内側部が車両前側において格納装置16に取付けられることで、格納装置16にバイザ18が支持されている。バイザボデー20には、略直方体状の収容室22が形成されており、収容室22の車両後側面は、開口22Aにされている。
【0030】
収容室22の車両前側壁は、板状の底壁24にされており、底壁24は、車両前後方向に略垂直に配置されている。底壁24の車幅方向内側部は、収容室22側(車両後側)から、取付手段としてのスクリュー26(図3参照)によって格納装置16に取付けられている。
【0031】
底壁24の下端には、略平板状の連結壁28が連結されており、連結壁28は、上下方向に略垂直に配置されている。連結壁28は、底壁24から車両前側及び車幅方向内側へ延出されており、連結壁28の車幅方向内側部には、格納装置16が挿通されている。
【0032】
収容室22の開口22A部分は、筒状の周壁30によって形成されており、周壁30の上側部分、下側部分、車幅方向内側部分及び車幅方向外側部分は、それぞれ、上周壁30A、下周壁30B、内周壁30C及び外周壁30Dにされている。上周壁30A、内周壁30C及び外周壁30Dは、底壁24に連結されており、下周壁30Bは、車両前側へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されて、連結壁28の車両前側端に連結されている。下周壁30Bの車幅方向内側端と連結壁28との間には、湾曲板状の円周壁32が連結されており、円周壁32は、ステー12の支持部12Aの車幅方向外側部に沿って配置されている。
【0033】
バイザボデー20には、上周壁30A、内周壁30C及び外周壁30Dの外周において、断面略L字状の外壁34が設けられており、外壁34の一側端は、上周壁30A、内周壁30C及び外周壁30Dの車両後側端に連結されると共に、外壁34の他側部は、車両前側へ延出されている。また、外壁34の車幅方向内側部分の他側部は、連結壁28及び円周壁32に連結されている。
【0034】
内周壁30Cの上部には、開放孔としての略矩形状の上凹部36が形成されており、上凹部36は、収容室22に開放されている。上凹部36の車両前側壁、車両後側及び車幅方向内側の壁は、それぞれ、底壁24、外壁34が構成している。上凹部36の上壁と下壁との間には、被当接部としての略矩形平板状の当接壁38が掛け渡されており、当接壁38は、上凹部36を車両前側部分と車両後側部分とに仕切っている。また、上凹部36の開放部分の上面(上周壁30Aとの接続部分)及び下面(内周壁30Cとの接続部分)は、上凹部36側に凸状に湾曲されている。
【0035】
内周壁30Cの下部には、開放孔としての略矩形状の下凹部40が形成されており、下凹部40は、収容室22に開放されている。下凹部40の上壁、下壁、車両前側壁、車両後側及び車幅方向内側の壁は、それぞれ、連結壁28、下周壁30B、円周壁32、外壁34が構成している。下周壁30Bには、下凹部40内において、被当接部としての円状の当接孔42が貫通形成されており、当接孔42は、収容室22の最下位置に配置されて、収容室22の水をバイザボデー20外へ排出可能にされている。
【0036】
バイザボデー20には、車幅方向中間の上部、車幅方向外側の上下方向中間部、車幅方向内側の上部及び下部において、矩形状の組付孔44が形成されている。車幅方向中間部、車幅方向外側部及び車幅方向内側上部の組付孔44は、底壁24を貫通されており、車幅方向内側上部の組付孔44は、上凹部36に連通されている。車幅方向内側下部の組付孔44は、連結壁28の上側近傍に配置されており、連結壁28には、当該組付孔44の下側において、作業孔46(図4参照)が形成されている。作業孔46は、ステー12の支持部12Aの直上に配置されており、本体部14が格納又は前倒された際には、作業孔46が支持部12Aの車両前側又は車両後側へ移動される。
【0037】
バイザボデー20の車両前側には、連結壁28の車幅方向外側部分の直上において、付加機構としての長尺ブロック状のランプ48が取付けられており、ランプ48は、例えば、ターンランプにされて、点灯により車両の進行方向等を表示可能にされている。
【0038】
バイザボデー20の車両前側には、連結壁28及びランプ48の上側において、組付部としての不透明樹脂製で湾曲板状のバイザカバー50が設けられている。バイザカバー50には、車幅方向中間の上部、車幅方向外側の上下方向中間部、車幅方向内側の上部及び下部において、組付手段としての略長尺板状の組付爪52が一体に設けられており、組付爪52は、バイザカバー50から車両後側に延出されている。組付爪52の延出先端は、組付爪52の肉厚方向に突出されており、組付爪52が弾性変形されて延出先端においてバイザボデー20の組付孔44に係合されることで、バイザカバー50がバイザボデー20に組付けられている。バイザカバー50の外周は、連結壁28及び外壁34の車両前側端部とランプ48の上部とに嵌合されており、バイザカバー50は、バイザボデー20の連結壁28より上側(格納装置16を含む)及びランプ48の上端部を車両前側から被覆している。
【0039】
バイザボデー20の収容室22の車幅方向内側部分には、図5〜図13に詳細に示す不透明樹脂製のインナカバー54(バイザインナカバー)が取付けられている。インナカバー54には、取付部としての長尺板状の取付板56が設けられており、取付板56の下側部分は、上下方向に延伸されると共に、取付板56の上側部分は、上側へ向かうに従い車幅方向内側へ向かう方向に延伸されている。取付板56の下側部分は、上下方向中間部において、バイザボデー20の底壁24と共に収容室22側(車両後側)から上記スクリュー26によって格納装置16に取付けられており、これにより、インナカバー54がバイザボデー20に取付けられている。
【0040】
取付板56の上側部分の下部には、三角柱状の係合部58が一体に設けられており、係合部58は、取付板56から車幅方向外側へ突出されている。バイザボデー20の底壁24には、係合部58の車幅方向外側において、矩形柱状の被係合部60が一体に設けられており、被係合部60は、底壁24から車両後側に突出されている。係合部58は、被係合部60に係合(当接)されて、車幅方向外側への回動を係止されており、これにより、インナカバー54のスクリュー26を中心としたスクリュー26の回転取付方向(回転締結方向)への回転が係止されている。
【0041】
取付板56の幅方向両端には、長尺矩形柱状の突出部62が一体に設けられており、突出部62は、取付板56の長手方向全体に沿って配置されて、取付板56を補強している。
【0042】
取付板56(突出部62を含む)の上側部分は、上側へ向かうに従い車両前側へ向かう方向に傾斜されており、取付板56(突出部62を含む)の上側部分には、凹部としての傾斜凹部64が形成されている。取付板56(突出部62を含む)の下側部分の下部は、車両前側に凹状に湾曲されており、取付板56(突出部62を含む)の下側部分の下部には、凹部としての湾曲凹部66が形成されている。
【0043】
取付板56の上端には、被覆部としての略矩形板状の上被覆板68が連結されており、上被覆板68に突出部62の上端が連結されることで、取付板56と上被覆板68との連結部分が補強されている。上被覆板68は、取付板56の上端から車両後側に延出されており、上被覆板68は、延出幅方向(幅方向)において、凹状に湾曲されている。上被覆板68は、バイザボデー20の上凹部36を被覆しており、上被覆板68の表面(収容室22側の面)は、バイザボデー20の上周壁30A及び内周壁30Cの表面(収容室22側の面)に連続して湾曲された形状にされている。
【0044】
上被覆板68の上面、下面及び車両後側面は、上被覆板68の裏面(上凹部36側の面)が表面に比し面積を小さくされる方向に傾斜されており、上被覆板68の上面、下面及び車両後側面は、それぞれ、当接部として機能して、上凹部36の開放部分の上面、下面及び車両後側面(外壁34)に嵌合(当接)されている。
【0045】
上被覆板68の裏面には、車両後側端において、当接部としての台形板状の第1上当接板70が一対突出形成されており、第1上当接板70の車両後側端面は、上被覆板68の車両後側面と面一にされて、上凹部36の開放部分の車両後側面(外壁34)に嵌合(当接)されている。上被覆板68の裏面には、第1上当接板70の車両前側において、当接部としての長尺板状の第2上当接板72が一対突出形成されており、第2上当接板72は、車両前後方向に沿って配置されている。第2上当接板72の車両前側部には、台形板状の当接凹部74が形成されており、当接凹部74は、第2上当接板72を上下方向に貫通して、上凹部36内の当接壁38が嵌入(当接)されている。
【0046】
取付板56の下端には、被覆部としての略矩形板状の下被覆板76が連結されており、下被覆板76に突出部62の下端が連結されることで、取付板56と下被覆板76との連結部分が補強されている。下被覆板76は、取付板56に対し車両後側に突出されると共に、取付板56の下端から上側へ向かうに従う車幅方向内側へ向かう方向に延出されており、下被覆板76は、延出方向(長手方向)において、凹状に湾曲されている。下被覆板76は、バイザボデー20の下凹部40を被覆しており、下被覆板76の表面(収容室22側の面)は、バイザボデー20の下周壁30B及び内周壁30Cの表面(収容室22側の面)に連続して湾曲された形状にされている。
【0047】
下被覆板76の上面、車両前側面及び車両後側面は、下被覆板76の裏面(下凹部40側の面)が表面に比し面積を小さくされる方向に傾斜されており、上被覆板68の上面、車両前側面及び車両後側面は、それぞれ、当接部として機能して、下凹部40の開放部分の上面(連結壁28)、車両前側面(円周壁32)及び車両後側面(外壁34)に嵌合(当接)されている。
【0048】
下被覆板76の裏面には、車両後側端において、当接部としての長尺板状の第1下当接板78が一対突出形成されており、第1下当接板78の車両後側面は、下被覆板76の車両後側面と面一にされて、下凹部40の開放部分の車両後側面(外壁34)に嵌合(当接)されている。下被覆板76の裏面には、第1下当接板78の車両前側において、当接部としての台形板状の第2下当接板80が一対突出形成されており、第2下当接板80の車両前側端面は、下被覆板76の車両前側面と面一にされて、下凹部40の開放部分の車両前側面(円周壁32)に嵌合(当接)されている。下被覆板76の裏面の下端には、当接部としての長尺板状の第3下当接板82が突出形成されており、第3下当接板82の下面は、下凹部40の開放部分の下面(下周壁30B)に嵌合(当接)されている。
【0049】
下被覆板76の裏面の下部(下端近傍)には、当接部としての断面十字状の当接突起84が突出形成されており、当接突起84の下側部分は、上側部分に比し径を小さくされて、バイザボデー20の下周壁30Bの当接孔42に嵌入(当接)されている。当接突起84の上側部分は、下周壁30Bの当接孔42周囲に当接されており、これにより、当接突起84の下側部分が当接孔42の下端に配置されることが抑制又は防止されて、車両の走行時に当接孔42及び当接突起84によって風切音が発生することが抑制されている。
【0050】
図2及び図3に示す如く、バイザボデー20の収容室22内には、傾動手段としての鏡面調整装置86(ドライブユニット)が設けられており、鏡面調整装置86の車両前側部分には、固定部88が設けられている。固定部88は、バイザボデー20の底壁24の車幅方向中間部に固定されており、これにより、鏡面調整装置86がバイザボデー20に支持されている。
【0051】
固定部88の車両後側には、傾動体90が支持されており、傾動体90は、電動又は手動により固定部88に対し傾動可能にされている。
【0052】
傾動体90の車両後側には、略矩形板状のミラー92(図1参照)が着脱可能に装着されている。ミラー92は、鏡面92Aを車両後側へ向けられた状態で、バイザボデー20の収容室22(周壁30内)に収容されており、ミラー92は、バイザボデー20の車幅方向中間の上部と車幅方向外側の上下方向中間部とにおける組付孔44を車両後側から被覆している。また、上述の如く、鏡面調整装置86において、傾動体90が固定部88に対し傾動されることで、傾動体90と一体にミラー92が傾動されて、ミラー92の傾動位置(鏡面92A角度)が調整される。また、ミラー92の傾動位置によっては、ミラー92がインナカバー54の傾斜凹部64や湾曲凹部66に挿入される。
【0053】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0054】
以上の構成の車両用ドアミラー装置10では、格納装置16がステー12に対し回動可能にされて、本体部14(ミラー92を含む)がステー12に対し回動可能にされており、本体部14がステー12に対し通常位置から車両後側かつ車幅方向内側に回動されることで、本体部14が格納されると共に、本体部14がステー12に対し通常位置から車両前側かつ車幅方向内側に回動されることで、本体部14が前倒される。
【0055】
さらに、鏡面調整装置86において、傾動体90が固定部88に対し傾動されることで、傾動体90と一体にミラー92が傾動されて、ミラー92の傾動位置が調整される。
【0056】
ここで、バイザボデー20の周壁30の上凹部36及び下凹部40をそれぞれインナカバー54の上被覆板68及び下被覆板76が被覆しており、上被覆板68の表面が周壁30の上周壁30A及び内周壁30Cの表面に連続して湾曲されると共に、下被覆板76の表面が周壁30の下周壁30B及び内周壁30Cの表面に連続して湾曲されている。このため、バイザボデー20のミラー92外周側における見栄えが上凹部36及び下凹部40によって低下することを抑制できて、バイザボデー20のミラー92外周側の見栄えを向上でき、車両用ドアミラー装置10の外観品質を向上できる。
【0057】
さらに、バイザカバー50の車幅方向内側上部の組付爪52が、バイザボデー20の上凹部36内において、バイザボデー20の車幅方向内側上部の組付孔44に係合されており、当該組付爪52と当該組付孔44との係合部分(組付部分)をインナカバー54の上被覆板68が隠蔽している。このため、バイザボデー20とミラー92との間から当該係合部分が視認されることを抑制又は防止でき、バイザボデー20のミラー92外周側の見栄えを一層向上できて、車両用ドアミラー装置10の外観品質を一層向上できる。
【0058】
また、インナカバー54の上被覆板68の上面、下面及び車両後側面が、それぞれバイザボデー20における上凹部36の開放部分の上面、下面及び車両後側面(外壁34)に嵌合されている。さらに、上被覆板68の第1上当接板70の車両後側端面が、上凹部36の開放部分の車両後側面(外壁34)に嵌合されると共に、上被覆板68の第2上当接板72の当接凹部74に、上凹部36内の当接壁38が嵌入されている。このため、上被覆板68を上凹部36に位置決めでき、上凹部36の開放部分を上被覆板68が適切に被覆できる。
【0059】
さらに、インナカバー54の下被覆板76の上面、車両前側面及び車両後側面が、それぞれバイザボデー20における下凹部40の開放部分の上面(連結壁28)、車両前側面(円周壁32)及び車両後側面(外壁34)に嵌合されている。さらに、下被覆板76のの第1下当接板78の車両後側面が、下凹部40の開放部分の車両後側面(外壁34)に嵌合されると共に、下被覆板76の第2下当接板80の車両前側端面が、下凹部40の開放部分の車両前側面(円周壁32)に嵌合され、かつ、下被覆板76の第3下当接板82の下面が、下凹部40の開放部分の下面(下周壁30B)に嵌合されている。しかも、下被覆板76の当接突起84が、下側部分においてバイザボデー20の下周壁30Bの当接孔42に嵌入されると共に、上側部分において下周壁30Bの当接孔42周囲に当接されている。このため、下被覆板76を下凹部40に位置決めでき、下凹部40の開放部分を下被覆板76が適切に被覆できる。
【0060】
しかも、インナカバー54において、取付板56と上被覆板68及び下被覆板76とに連結される突出部62が、収容室22側(バイザボデー20とは反対側)へ突出されている。このため、インナカバー54の成形後の収縮時には、突出部62によって上被覆板68及び下被覆板76がそれぞれ取付板56に対し上凹部36側及び下凹部40側(収容室22とは反対側)への変位力(回動力)を受ける。これにより、インナカバー54の成形後の収縮により上被覆板68及び下被覆板76がそれぞれ取付板56に対し上凹部36とは反対側及び下凹部40とは反対側(収容室22側)に変位(回動)されることを抑制でき、上被覆板68及び下被覆板76がそれぞれ上凹部36及び下凹部40を一層適切に被覆できる。
【0061】
また、インナカバー54が、上被覆板68及び下被覆板76とは異なる取付板56において、バイザボデー20の底壁24と共にスクリュー26によって格納装置16に取付けられることで、インナカバー54がバイザボデー20に取付けられている。このため、インナカバー54が上被覆板68及び下被覆板76においてバイザボデー20に取付けられる場合と異なり、インナカバー54をバイザボデー20に容易に強固に取付けることができる。
【0062】
さらに、インナカバー54(取付板56)の係合部58が、バイザボデー20(底壁24)の被係合部60に係合されて、車幅方向外側(スクリュー26の回転取付方向)への回動を係止されている。このため、インナカバー54がバイザボデー20と共にスクリュー26の回転取付けによって格納装置16に取付けられる際には、スクリュー26の回転によるインナカバー54のバイザボデー20に対する回転を係止でき、インナカバー54をバイザボデー20に適切に位置決めできて、上被覆板68及び下被覆板76がそれぞれ上凹部36及び下凹部40を一層適切に被覆できる。
【0063】
しかも、ミラー92の傾動位置によっては、ミラー92がインナカバー54の取付板56の傾斜凹部64や湾曲凹部66に挿入される。このため、取付板56がミラー92の傾動を制限することを抑制でき、ミラー92の傾動可能範囲が狭くなることを抑制できる。
【0064】
また、鏡面調整装置86の傾動体90からミラー92が離脱されることで、バイザボデー20の車幅方向中間の上部と車幅方向外側の上下方向中間部とにおける組付孔44とバイザカバー50の車幅方向中間の上部と車幅方向外側の上下方向中間部とにおける組付爪52との係合部分が、バイザボデー20の収容室22の車両後側から視認可能になる。このため、当該各組付孔44と当該各組付爪52との係合を容易に解除できる。
【0065】
さらに、スクリュー26の格納装置16からの離脱によってインナカバー54をバイザボデー20から取外すことで、バイザボデー20の車幅方向内側上部における組付孔44とバイザカバー50の車幅方向内側上部における組付爪52との係合部分が、バイザボデー20の収容室22の車両後側から上凹部36内を介して視認可能になる。このため、当該組付孔44と当該組付爪52との係合を容易に解除できる。
【0066】
しかも、本体部14が格納又は前倒されることで、バイザボデー20の作業孔46がステー12の支持部12Aの車両前側又は車両後側へ移動されて、バイザボデー20の車幅方向内側下部における組付孔44とバイザカバー50の車幅方向内側下部における組付爪52との係合部分が、バイザボデー20の下側から作業孔46を介して視認可能になる。このため、当該組付孔44と当該組付爪52との係合を容易に解除できる。
【0067】
このように、バイザボデー20の全組付孔44とバイザカバー50の全組付爪52との係合を解除することで、バイザボデー20からバイザカバー50を容易に取外すことができる。しかも、バイザボデー20からバイザカバー50を取外す際には、全組付孔44及び全組付爪52の破損ひいてはバイザボデー20及びバイザカバー50の破損を抑制でき、バイザボデー20及びバイザカバー50を交換することなく再度バイザボデー20にバイザカバー50を組付けることができると共に、バイザボデー20に対しバイザカバー50を容易に交換できる。
【0068】
また、バイザボデー20からバイザカバー50を取外すことで、バイザカバー50によるランプ48の上端部の被覆が解除されて、バイザボデー20からランプ48を取外し可能になる。このため、上述の如くバイザボデー20からバイザカバー50を容易に取外すことができることで、バイザボデー20からランプ48を容易に取外すことができ、ランプ48を容易に修理できると共に、バイザボデー20に対しランプ48を容易に交換できる。
【0069】
なお、本実施の形態では、バイザボデー20に組付孔44を設けると共に、バイザカバー50に組付爪52を設けた。しかしながら、バイザボデー20に組付爪52を設けると共に、バイザカバー50に組付孔44を設けてもよい。
【0070】
また、本実施の形態では、本発明の車両用ミラー装置を車両用ドアミラー装置10に適用した。しかしながら、本発明の車両用ミラー装置を車両外部の他の車両用アウタミラー装置(例えば車両用フェンダミラー装置)又は車両内部の車両用インナミラー装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0071】
10 車両用ドアミラー装置(車両用ミラー装置)
18 バイザ(収容体)
20 バイザボデー(収容部)
22 収容室
22A 開口
30 周壁
36 上凹部(開放孔)
40 下凹部(開放孔)
50 バイザカバー(組付部)
54 インナカバー(被覆部材)
56 取付板(取付部)
58 係合部
62 突出部
64 傾斜凹部(凹部)
66 湾曲凹部(凹部)
68 上被覆板(被覆部、当接部)
70 第1上当接板(当接部)
72 第2上当接板(当接部)
76 下被覆板(被覆部、当接部)
78 第1下当接板(当接部)
80 第2下当接板(当接部)
82 第3下当接板(当接部)
84 当接突起(当接部)
92 ミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口する収容室が設けられ、前記収容室の開口部分に車両のミラーを収容すると共に、前記収容室の開口部分を形成する周壁に開放孔が設けられた収容体と、
前記開放孔を被覆する被覆部材と、
前記被覆部材に設けられ、前記収容体の前記開放孔部分に当接する当接部と、
を備えた車両用ミラー装置。
【請求項2】
前記被覆部材は、前記開放孔を被覆する被覆部と、前記収容体側に取付けられる取付部と、が設けられる請求項1記載の車両用ミラー装置。
【請求項3】
前記被覆部材に設けられ、前記被覆部と前記取付部とに連結されると共に、前記収容室側へ突出された突出部を備えた請求項2記載の車両用ミラー装置。
【請求項4】
前記取付部は、前記ミラーが傾動されて挿入される凹部が設けられる請求項2又は請求項3記載の車両用ミラー装置。
【請求項5】
前記取付部は、前記収容体側に係合されて前記被覆部材の回転が係止される係合部が設けられる請求項2〜請求項4の何れか1項記載の車両用ミラー装置。
【請求項6】
前記収容体は、前記収容室が設けられる収容部と、前記収容部の前記収容室とは反対側に組付けられる組付部と、が設けられ、前記開放孔において前記収容部と前記組付部とが組付けられる請求項1〜請求項5の何れか1項記載の車両用ミラー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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