説明

車両用構造体

【課題】車両側面からの大きな荷重に対して適正に変形することができる車両用構造体を提供する。
【解決手段】車体を構成する構造部材10にはワイヤーハーネスを外部に導出するための導出開口13が設けられ、導出開口13の縁部に車両の内側から外側に向けて窪む突出部14が設けられる。突出部14は構造部材10の長手方向に対する開口13の縁部に設けられる。この車両用構造体4は、センターピラーなどの車体側部の車両用構造体の中間部に車体上下方向に沿って設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用構造体として、例えば、特許文献1に開示されたワイヤーハーネスの取付け構造には、所定の位置に開口が設けられた車両用構造体としてのBピラー(センターピラー)が記載されている。このBピラーは、内部にコネクタ部が収容され、このコネクタ部に連結されるワイヤーハーネスが上記開口から外部に導出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−112187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような特許文献1に記載されているワイヤーハーネスの取付け構造のBピラーは、更なる改善のため、例えば、開口近傍の部分などが大きな荷重に対して適正に変形できることが望まれていた。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、大きな荷重に対して適正に変形することができる車両用構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る車両用構造体は、車両の車体を構成する構造部材の開口の縁部に前記車両の内側から外側に向けて窪むことで突出した突出部が設けられることを特徴とする。
【0007】
また、上記車両用構造体では、前記突出部は、前記構造部材の長手方向に対する前記開口の縁部に設けられるものとすることができる。
【0008】
また、上記車両用構造体では、前記突出部の前記長手方向に沿った長さと前記開口の前記長手方向に沿った長さとの合計の長さは、前記長手方向と交差する方向から前記構造部材に荷重が作用した際の当該構造部材の座屈の半波長と同等の長さであるものとすることができる。
【0009】
また、上記車両用構造体では、前記突出部の前記長手方向と交差する方向の長さは、前記構造部材において前記開口が設けられる壁面の前記交差する方向の実際の長さから当該壁面の前記交差する方向の荷重受け有効長さを差し引いた長さより短いものとすることができる。
【0010】
また、上記車両用構造体では、前記車両の車体側部の中間部に車体上下方向に沿って設けられるものとすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る車両用構造体は、変形箇所となりやすい開口の縁部に突出部が設けられるので、大きな荷重に対して適正に変形することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施形態に係るセンターピラーの概略構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、実施形態に係る導出開口近傍の部分的な側面図である。
【図3】図3は、実施形態に係るセンターピラーの側面図である。
【図4】図4は、図2に示すB−B概略断面図である。
【図5】図5は、実施形態に係るセンターピラーの正面図である。
【図6】図6は、図2に示すB−B概略断面図である。
【図7】図7は、実施形態に係るセンターピラーの正面図である。
【図8】図8は、実施形態に係る車両の側面図である。
【図9】図9は、変形例に係るセンターピラーの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る車両用構造体の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0014】
[実施形態]
図1は、実施形態に係るセンターピラーの概略構成を示す部分斜視図、図2は、実施形態に係るセンターピラーの導出開口近傍を車室内側から見た部分的な側面図、図3は、実施形態に係るセンターピラーを車室内側から見た側面図、図4は、図2に示すB−B概略断面図(変形前)、図5は、実施形態に係るセンターピラーを車体前後方向の前方側から見た正面図(変形前)、図6は、図2に示すB−B概略断面図(変形後)、図7は、実施形態に係るセンターピラーを車体前後方向の前方側から見た正面図(変形後)、図8は、実施形態に係るセンターピラーが適用された車両の車体側部を車室外側から見た側面図、図9は、変形例に係るセンターピラーを車室内側から見た側面図である。
【0015】
なお、以下の説明では、特に断りのない限り、車両1の走行方向に沿った方向を車体前後方向、車両1の高さ方向を車体上下方向、車体前後方向及び車体上下方向に直交する方向を車体幅方向という。典型的には、車両1の車輪が平坦な路面に設置した状態で車体上下方向は、鉛直方向に沿った方向であり、車体前後方向、車体幅方向は、水平方向に沿った方向である。また、車両1の客室が区画される車両1の内側の空間側を車室内側、車両1の外側の外気側の空間を車室外側という。また、各図において示される矢印FRは車体前後方向の前方側を示しており、矢印UPは車体上下方向の上方側を示しており、矢印INは車体幅方向の車室内側を示している。
【0016】
本実施形態の車両用構造体としてのセンターピラー4は、図8に示すように、車両1の車体2に適用される。車両1は、車体2の骨格を構成する高強度、高剛性の車体骨格部品として、フロントピラー(Aピラー)3、センターピラー(Bピラー)4、リアピラー(Cピラー)5、ルーフサイドレール6、ロッカ7などを含んで構成される。
【0017】
フロントピラー3、センターピラー4及びリアピラー5は、支柱状の部材であり、車両1の車体側部8に車体上下方向すなわち鉛直方向に延在して設けられる。フロントピラー3は、車体側部8の前後方向の前部に、センターピラー4は、車体側部8の前後方向の中間部に、リアピラー5は、車体側部8の前後方向の後部に、それぞれ配置される。ルーフサイドレール6及びロッカ7は、梁状の部材であり、車体側部8に車体前後方向すなわち水平方向に延在して設けられる。ルーフサイドレール6は、車体側部8の上下方向の上部に、ロッカ7は、車体側部8の上下方向の下部に配置される。フロントピラー3、センターピラー4、リアピラー5、ルーフサイドレール6及びロッカ7は、連結されることで車体2の骨格をなしている。なお、以下の説明では、車両用構造体は、センターピラー4に適用するものとして説明するが、これに限らない。車両用構造体は、車両1の車体2を構成する構造体であればよく、例えば、フロントピラー3やリアピラー5に適用してもよい。
【0018】
本実施形態のセンターピラー4は、図1から図5に示すように、車両1の内外を隔てる部材であり、ほぼ車体上下方向に沿って、すなわちほぼ鉛直方向に沿って形成される。センターピラー4は、車体上下方向の上端部がルーフサイドレール6に結合され、下端部がロッカ7に結合される。
【0019】
さらに具体的には、センターピラー4は、構造部材としてのピラーアウタ9及びピラーインナ10を含んで構成される。ピラーアウタ9、ピラーインナ10は、ともに略車体上下方向が長手方向となる線状(レール状)の柱部材である。ピラーアウタ9は、車室外側に面して配置されセンターピラー4の車体幅方向外側部を構成し、ピラーインナ10は、車室内側に面して配置されセンターピラー4の車体幅方向内側部を構成する。
【0020】
ここで、ピラーインナ10は、例えば図3に示すように、複数の部材に分かれて構成されている。すなわち、このピラーインナ10は、車体上下方向に対して上側のインナアッパ11と下側のインナーロア12とに分割されている。つまり、センターピラー4は、ピラーアウタ9と、ピラーインナ10をなすインナアッパ11とインナーロア12とを含んで構成される。ピラーインナ10は、インナアッパ11の下端部とインナーロア12の上端部とが重なって一体化される。
【0021】
ピラーアウタ9、ピラーインナ10は、例えば図4に示すように、ともに複数の稜線部(角部)を含んで構成される。そして、ピラーアウタ9は、水平方向に沿った断面形状が略コの字型に形成され、コの字型の開口側が車室内側を向くように配置される。ピラーインナ10は、水平方向に沿った断面形状が略平板状に形成され、ピラーアウタ9のコの字型の開口部分と対向するようにして配置される。センターピラー4は、ピラーアウタ9とピラーインナ10とが上記のように車体幅方向に対向して配置された状態で一体化されることで、略車体上下方向が長手方向となる矩形中空状の支柱部材として構成される。ピラーアウタ9とピラーインナ10とは、例えば、幅方向(短辺方向)の端部に設けられるフランジ部9a、10aが相対変位しないように相互に固定されることで一体化される。
【0022】
ところで、センターピラー4は、図1、図2、図3に示すように、例えば、内部の中空状の空間部に配設されたワイヤーハーネスを外部に導出するための導出開口13等の開口が所定の位置に設けられている。ここでは、導出開口13は、ピラーインナ10のインナーロア12に形成されている。導出開口13は、インナーロア12を貫通して形成されており、センターピラー4の長手方向に沿った長孔として形成される。インナーロア12と導出開口13とは、長手方向に沿った中心線Aがほぼ一致しており、導出開口13は、この中心線Aに対してほぼ対称形に形成される。ここで、このようなセンターピラー4は、車両1の車体側部8側への衝突時、すなわち、車両側突時などに、ピラーインナ10の長手方向と交差する車体2の横方向から大きな荷重(衝撃力)が作用した際に、この導出開口13のような開口部分の近傍が相対的に変形し易い傾向にある。
【0023】
そこで、本実施形態のセンターピラー4は、例えば、図1、図2に示すように、導出開口13の縁部に突出部としてのビード14が設けられることで、上記のような大きな荷重に対して適正に変形できるようにしている。
【0024】
ビード14は、ピラーインナ10のインナーロア12の導出開口13の縁部において、例えば、図4に示すように、インナーロア12の一部が車両1の内側である車室内側から車両1の外側である車室外側に向けて窪むことで突出した部分である。ビード14は、基本的にはインナーロア12において、他の部分と同等の板厚で車室内側から車室外側に向けて突出する部分である。つまり、ビード14は、インナーロア12において、車室内側の表面が窪み車室内側の表面がこれに応じて突出した形状となる。また、ここでのビード14は、長手方向の上側頂点部が曲面状になっている。
【0025】
ビード14は、導出開口13の縁部に設けられるのであればどこに設けられていてもよいが、導出開口13の周辺で最も変形しやすい箇所に設けられることが好ましい。ビード14は、車体2の横方向からセンターピラー4に大きな荷重が作用することを想定して、このときに最も最も変形しやすい箇所として、例えば、図1、図2、図3に示すように、ピラーインナ10の長手方向に対する導出開口13の縁部、ここでは、導出開口13の車体上下方向上側の縁部に設けられる。ビード14は、導出開口13の車体上下方向上側で凹部状の空間部がこの導出開口13と連続するように形成される。ここでのビード14は、中心線Aに対してほぼ対称形に形成される。
【0026】
そして、図2に示すように、このビード14の長手方向に沿った長さh1は、ピラーインナ10の座屈波長λ(図2中点線参照)に応じて設定される。ここでは、ビード14の長手方向に沿った長さh1と導出開口13の長手方向に沿った長さh2との合計の長さHは、ピラーインナ10の座屈波長λの2分の1と同等の長さに設定される。ここで、ピラーインナ10の座屈波長λとは、ピラーインナ10の長手方向と交差する車体2の横方向からこのピラーインナ10に荷重が作用しこのピラーインナ10(ここではインナーロア12)が座屈変形したときの座屈の波長である。さらに言えば、ピラーインナ10の座屈波長λとは、車体2の横方向からピラーインナ10に荷重が作用しこのピラーインナ10が座屈変形したときに、長手方向に間隔をあけて発生するn回目の座屈発生箇所とn+1回目の座屈発生箇所との間隔に応じた長さに相当する。ピラーインナ10の座屈波長λは、典型的には、ピラーインナ10の長手方向と交差する断面の断面形状に応じて定まる。
【0027】
つまり、ビード14及び導出開口13の長手方向に沿った合計長さHは、車体2の横方向からピラーインナ10に荷重が作用した際のこのピラーインナ10の座屈の半波長[λ/2]分と同等の長さに相当する。本実施形態のビード14は、長手方向の長さh1が下記の数式(1)を満たすように形成される。

h1=H−h2=(λ/2)−h2 ・・・ (1)

【0028】
また、図2に示すビード14の幅l1は、ピラーインナ10の有効幅be(不図示)に応じて設定される。ビード14の幅l1は、ピラーインナ10の壁面10bの幅Lからピラーインナ10の有効幅be(不図示)を差し引いた長さより短く設定される。ここで、ビード14の幅l1は、ピラーインナ10の長手方向とほぼ直交に交差するビード幅方向に沿ったビード14の長さである。ピラーインナ10の壁面10bの幅Lは、ピラーインナ10(ここではインナーロア12)において導出開口13が設けられる壁面10bのビード幅方向に沿った実際の長さである。ピラーインナ10の壁面10bの幅Lは、典型的には、壁面10bの一方の稜線部10cと他方の稜線部10cとのビード幅方向に沿った間隔に相当する。ピラーインナ10の有効幅beは、壁面10bのビード幅方向に沿った荷重受け有効長さに相当する。ピラーインナ10の有効幅beは、典型的には、ピラーインナ10の壁面10bの実際の幅に対して実際に荷重を受けることができる有効の幅であり、ピラーインナ10、ここではインナーロア12の材質、降伏応力、板厚などに応じて定まる。
【0029】
ビード14は、このビード14の一方の端部と一方の稜線部10cとのビード幅方向に沿った間隔S1が有効幅beに応じた所定の長さより長くなるように形成される。本実施形態のビード14は、中心線Aに対してほぼ対称形であることから、この間隔S1が下記の数式(2)を満たすような寸法及び位置で形成される。これにより、ビード14は、ビード14の幅l1がピラーインナ10の壁面10bの幅Lからピラーインナ10の有効幅beを差し引いた長さより短い幅に設定される。

S1>be/2 ・・・ (2)

【0030】
上記のように構成されるセンターピラー4は、例えば、図5の矢印Cに示すように、車両側突時などにピラーインナ10の長手方向と交差する車体2の横方向から大きな荷重(衝撃力)が作用した際、すなわち、車体幅方向の車室外側から車室内側に向かって大きな荷重が作用した際に、センターピラー4のピラー断面が曲げ入力を受けて座屈する。このセンターピラー4は、車両側突時などに座屈する場合、図6に例示するように、通常、車室外側のピラーアウタ9が圧縮側、車室内側のピラーインナ10側が引張側となる傾向にある。そして、センターピラー4は、例えば、ピラーアウタ9の稜線部が圧縮により座屈する際、ピラーアウタ9とピラーインナ10とを一体化させるフランジ部9a、10aが断面線長のつじつまを合わせるように双方ともビード幅方向の内側によってくる挙動を示す。このとき、例えば、センターピラー4がビード14を有しない場合、図6、図7に点線で示すように、引張側となるピラーインナ10側の稜線部10c以外の部分(一般部)が肉余りの状態となり車室内側に向かって変形するおそれがある。
【0031】
これに対して、本実施形態のセンターピラー4は、車両側突時などに変形箇所となりやすい導出開口13の縁部にビード14が設けられていることで、このビード14の作用によりセンターピラー4の変形モードを適正に調節することができ、センターピラー4の座屈変形時における面の変形向きを適正に制御することができる。すなわち、センターピラー4は、車体2の横方向から大きな荷重が作用した際に、変形箇所となりやすい導出開口13の縁部のビード14に応力が集中し、図6、図7の囲み線D内に示すように、ピラーインナ10がこのビード14にて車室外側に向けて変形する。したがって、センターピラー4は、車両側突時などに座屈変形する際には、ビード14の作用により、ピラーインナ10の車室外側に向けた壁面座屈が誘発され、引張側となるこのピラーインナ10側の稜線部10c以外の部分(一般部)を車室外側に向けて変形させることができ、この結果、ピラー断面が座屈する際の面方向を制御して変形断面を車室外側に逃がすことができる。よって、センターピラー4は、例えば、車両側突時などに車室内側の壁面が車室内側に向けて侵入する方向に変形することを抑制し外側に向かって変形させるように促すことができることから、車室内側の空間が減少するような変形を抑制することができる。また、センターピラー4は、例えば、構造部材の板厚を厚くし強度を増すなどの重量増加につながるような変更を施すことなく、車両側突時などに車室内側の空間が減少することを抑制する構成を実現することができる。
【0032】
また、センターピラー4は、一般に座屈に際しては座屈に応じて凹凸があらわれるが、ビード14の長手方向に沿った長さh1が上記のようにピラーインナ10の座屈波長λに応じて設定されることで、ピラーインナ10における壁面座屈方向を適正に維持することができる。また、センターピラー4は、ビード14のビード幅方向に沿った幅l1が上記のようにピラーインナ10の有効幅be(不図示)に応じて設定されることで、稜線部10c近傍の剛性を適正に確保することができる。この結果は、センターピラー4は、稜線部10c近傍のピラー断面耐力を十分に確保することができ、例えば、ピラーインナ10が圧縮側となりうるルーフクラッシュに対しても十分な強度を確保することができる。
【0033】
以上で説明した実施形態に係るセンターピラー4によれば、車両1の車体2を構成するピラーインナ10の導出開口13の縁部に車両1の内側から外側に向けて窪むことで突出したビード14が設けられる。したがって、センターピラー4は、変形箇所となりやすい導出開口13の縁部にビード14が設けられることで、大きな荷重に対して適正に変形することができる。
【0034】
なお、上述した本発明の実施形態に係る車両用構造体は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【0035】
以上の説明では、センターピラー4は、導出開口13に突出部としてのビード14が設けられるものとして説明したがこれに限らない。センターピラー4は、例えば、図9に例示するように、シートベルトリトラクタなどの部品を取り付けるための取付開口15に突出部としてのビード16が設けられてもよいし、その他の開口に突出部が設けられていてもよい。また、車両用構造体は、センターピラー4に適用するものとして説明するが、これに限らない。車両用構造体は、車両1の車体2を構成する構造体であればよく、例えば、フロントピラー3やリアピラー5に適用してもよい。
【0036】
以上の説明では、導出開口13は、センターピラー4の長手方向に沿った長孔として形成され、中心線Aに対してほぼ対称形に形成されるものとして説明したがこれに限らず、例えば、中心線Aに対して非対称な形状であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上のように本発明に係る車両用構造体は、種々の車両に用いられる車両用構造体に適用して好適である。
【符号の説明】
【0038】
1 車両
2 車体
3 フロントピラー
4 センターピラー(車両用構造体)
5 リアピラー
6 ルーフサイドレール
7 ロッカ
8 車体側部
9 ピラーアウタ
9a、10a フランジ部
10 ピラーインナ(構造部材)
10b 壁面
10c 稜線部
11 インナアッパ
12 インナーロア
13 導出開口
14、16 ビード(突出部)
15 取付開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車体を構成する構造部材の開口の縁部に前記車両の内側から外側に向けて窪むことで突出した突出部が設けられることを特徴とする、
車両用構造体。
【請求項2】
前記突出部は、前記構造部材の長手方向に対する前記開口の縁部に設けられる、
請求項1に記載の車両用構造体。
【請求項3】
前記突出部の前記長手方向に沿った長さと前記開口の前記長手方向に沿った長さとの合計の長さは、前記長手方向と交差する方向から前記構造部材に荷重が作用した際の当該構造部材の座屈の半波長と同等の長さである、
請求項2に記載の車両用構造体。
【請求項4】
前記突出部の前記長手方向と交差する方向の長さは、前記構造部材において前記開口が設けられる壁面の前記交差する方向の実際の長さから当該壁面の前記交差する方向の荷重受け有効長さを差し引いた長さより短い、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両用構造体。
【請求項5】
前記車両の車体側部の中間部に車体上下方向に沿って設けられる、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両用構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−218897(P2011−218897A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88095(P2010−88095)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】