説明

車両用液体循環システム

【課題】冷暖房運転開始時の快適性を向上し、かつ冷暖房に要するエネルギーを低く抑えて省エネルギー性向上を図ることができる車両用液体循環システムを提供する。
【解決手段】車両用液体循環システム50は、冷媒回路10と、ポンプ21、冷媒水熱交換器2、複数の熱交換器22a、22b、22cからなる水回路と、制御装置30を備える。第1熱交換器22aは送風空気に熱伝達するとともに、第2熱交換器22bは輻射により、第3熱交換器22cは熱伝導により在席者へ伝熱する構成とし、暖房運転起動時、冷媒水熱交換器2から流出する水の温度が人体温度付近未満の場合、第1熱交換器22aへ送風せずに第1流量調整弁23aのみ開として温水を循環させ、かつ第2熱交換器22b、および第3熱交換器22cは使用しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン冷却水を有しない電気自動車や空冷式内燃機関搭載車等の車室内の冷暖房に利用される車両用液体循環システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、電気自動車のようなエンジン冷却水からの排熱を利用して車室内の暖房ができない車両用の空気調和装置として、空気から熱を汲み上げるヒートポンプ技術を用いたものがある。
【0003】
この技術は、圧縮機、冷媒水熱交換器、蒸発器を有する冷凍サイクルと、温水を循環させるポンプ、ダクト内に設置され、流入した温水によりダクト内を流れる空気を加熱する温水式加熱器を有する温水サイクルとを備えることにより、エンジン排熱を用いずに、ヒートポンプ技術により車室内の暖房を行うものである。例えば、特許文献1には、図5に示すような車両用空気調和装置100が開示されている。
【0004】
この車両用空気調和装置100は、冷媒を循環させる冷媒回路110と、温水を循環させる水回路120とを備えている。冷媒回路110は、圧縮機101、冷媒水熱交換器102、減圧手段103、および蒸発器104が配管により環状に接続されており、一方、水回路120は、ポンプ111、冷媒水熱交換器102、ダクト115内に設置された温水ヒータコア112が配管により環状に接続されている。
【0005】
冷媒回路110における冷媒水熱交換器102にて高温高圧冷媒の凝縮熱によって加熱された温水が、ポンプ111によりダクト115内の温水ヒータコア112に搬送され、温水ヒータコア112では、送風機113の作用によりダクト115内を流れる空気と熱交換して空気を加熱する。その加熱された空気は、送風機113の作用により車室内へ吹き出され、車室内が暖房される。
【0006】
このように空気熱源のヒートポンプ技術を用いることにより、エンジン排熱を使用せずに、車室内の暖房が可能になる車両用空気調和装置を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3477868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の構成では、車室内での快適性の観点で以下のような問題が生じる。つまり、前記従来の構成による暖房方式は、温水ヒータコア112内の温水と、ダクト115内を流れる空気とが熱交換することにより空気を加熱し、その空気を車室内に吹き出して車室内空間の暖房運転を行うという、いわゆる強制対流を利用した暖房方式である。
【0009】
このようなヒートポンプ熱源による強制対流式暖房では、例えば、冬季の低外気温条件での暖房運転開始時、冷媒回路110側の凝縮圧力が上昇して、水回路120側にて温水ヒータコア112へ流入する水温が最低約40℃以上となり、車室内に在席する人体の体温より、最低でも数度以上は高い温度の空気をダクト115から吹き出さない限り、在席者が快適と感じるまでには至らない。
【0010】
つまり、暖房運転開始後、車室内の在席者が快適と感じるまでに長い時間を必要とし、暖房起動時の快適性が低いという問題があった。
【0011】
また、前記従来の構成では、車室内の空間全体を暖房する方式であるため、在席人数が少ない場合には不必要なエネルギーを使用することになり、省エネルギー性面でも問題があった。
【0012】
さらに、前記従来の構成の冷媒回路110において、冷媒を逆方向に流動させることにより、冷房運転が可能になるが、この場合も暖房運転と同様、運転開始時後に車室内の在席者が快適と感じるまでに長い時間を必要とし、冷房起動時の快適性が低いという問題があった。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑み、冷暖房運転開始時の快適性を向上し、かつ冷暖房に要するエネルギーを低く抑える、いわゆる省エネルギー性の向上を図ることができる車両用液体循環システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本発明の車両用液体循環システムは、水回路において、冷媒水熱交換器と直列に第1熱交換手段を接続し、前記第1熱交換手段と並列に第2熱交換手段を接続し、第1熱交換手段は送風手段が発する空気により熱伝達するとともに、第2熱交換手段は車室内を構成する部品の表面または内部に設置し、熱伝導、または、輻射により伝熱するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の車両用液体循環システムは、冷暖房運転開始時の快適性を向上し、かつ冷暖房に要するエネルギーを低く抑える、いわゆる省エネルギー性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1に係る車両用液体循環システムの概略構成図
【図2】実施の形態1における制御装置が行う暖房運転起動制御のフローチャート
【図3】本発明の実施の形態2に係る車両用液体循環システムの概略構成図
【図4】実施の形態2における制御装置が行う冷房運転起動制御のフローチャート
【図5】従来の冷凍サイクル装置の概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0017】
第1の発明は、圧縮機、冷媒水熱交換器、膨張手段、冷媒空気熱交換器が接続された冷媒回路と、冷媒水熱交換器で熱交換された水を循環させる循環手段、冷媒水熱交換器と直列に接続された第1熱交換手段、前記第1熱交換手段と並列に接続された第2熱交換手段を有する水回路と、制御手段とを備え、第1熱交換手段は送風手段が発する空気により熱伝達するとともに、第2熱交換手段は車室内を構成する部品の表面または内部に設置され、熱伝導、または輻射により伝熱するものである。これにより、対流熱伝達を利用する第1熱交換手段と、熱伝導、または、輻射を利用する第2熱交換手段とを運転時間帯、在席者の位置、在席者の体感等により使い分けることができる。
【0018】
さらに、対流熱伝達を利用する第1熱交換手段による冷暖房運転では、人間の体温との温度差を大きく設定する必要があるのに対して、熱伝導、または、輻射を利用する第2熱交換手段による車室内での冷暖房運転では、人間の体温との温度差を比較的小さく設定しても同等の快適性を得ることができ、エネルギー消費量の低減が可能になる。
【0019】
第2の発明は、特に、第1の発明における第1熱交換手段、第2熱交換手段のそれぞれを流れる水流量を調整する流量調整手段を配設することにより、第1熱交換手段、第2熱交換手段への水流量を個別に調整することができる。
【0020】
その結果、車両用液体循環システムの冷房・暖房の運転モードの違い、起動時・安定時等の運転状態の違い、第1熱交換手段および第2熱交換手段における冷暖房負荷の違い、車室内在席者数の違い、車室内在席者の快適感覚の違い等に応じた水流量可変運転が可能になる。
【0021】
第3の発明は、特に、第2の発明による暖房運転において、冷媒水熱交換器から流出する水の温度が人体温度付近である第1所定温度未満の場合、第1熱交換手段へ送風すると、吹出し空気温度が低いため、在席者に冷風感を与えると判断して、第1熱交換手段へ送風せずに第1熱交換手段に水を流入させる。
【0022】
同時に、熱伝導、または、輻射により伝熱する第2熱交換手段に、人体温度に満たない水が流れ込むことにより、在席者より熱を奪って寒冷感を与えることを避けるために、第2熱交換手段の流量調整手段により第2熱交換手段に水が流れることを防止する。
【0023】
以上の結果、水温が上昇するまで第1熱交換手段から冷風が吹き出すこと、および水温が上昇するまで第2熱交換手段が在席者より熱を奪って寒冷感を与えることを防止することができる。
【0024】
第4の発明は、特に、第2の発明による暖房運転において、冷媒水熱交換器から流出する水の温度が第1所定温度以上で、かつ、人体温度より数度以上高い温度である第2所定温度未満の場合、第1熱交換手段へ送風すると、吹出し空気温度が低いため、在席者に冷風感を与えると判断して、第1熱交換手段へ送風せずに第1熱交換手段に水を流入させる。
【0025】
同時に、熱伝導、または、輻射により伝熱する第2熱交換手段に、人体温度より高い温水が流れ込むことにより、在席者に温熱を与えることができると判断して、第2熱交換手段の流量調整手段により第2熱交換手段に水を流入させる。
【0026】
以上の結果、水温が上昇するまで第1熱交換手段から冷風が吹き出すことを防止しながら、第2熱交換手段の熱伝導、または、輻射伝熱の作用により、在席者の温熱感を向上させることができる。
【0027】
第5の発明は、特に、第2の発明による暖房運転において、冷媒水熱交換器から流出する水の温度が、人体温度より数度以上高い温度である第2所定温度以上の場合、第1熱交換手段へ送風すると、吹出し空気温度が高いため、在席者の温熱感を向上させることができると判断して、第1熱交換手段の流量調整手段により第1熱交換手段に水を流入させ、かつ第1熱交換手段へ送風を行う。
【0028】
同時に、熱伝導、または、輻射により伝熱する第2熱交換手段に、人体温度より十分高い温水が流れ込むことにより、在席者に温熱を与えることができると判断して、第2熱交換手段の流量調整手段により第2熱交換手段に水を流入させる。
【0029】
以上の結果、第1熱交換手段の対流伝熱の作用により、車室内の対流による全体暖房運転と、第2熱交換手段の熱伝導、または、輻射伝熱の作用により、比較的温度の低い温水を有効に利用しながら、局所暖房運転を併用でき、在席者の温熱感を向上させることができる。
【0030】
第6の発明は、特に、第2の発明による冷房運転において、冷媒水熱交換器から流出する水の温度が、人体温度付近である第3所定温度以上の場合、第1熱交換手段へ送風し、第1熱交換手段の流量調整手段により第1熱交換手段に水を流入させる。
【0031】
同時に、熱伝導、または、輻射により伝熱する第2熱交換手段に、人体温度より高い水が流れ込むことにより、在席者に熱を伝えて不快感を与えることを避けるために、第2熱交換手段の流量調整手段により第2熱交換手段に水が流れることを防止する。
【0032】
以上の結果、水温が低下するまで第2熱交換手段が在席者に熱を伝えて不快感を与えることを防止することができる。
【0033】
第7の発明は、特に、第2の発明による冷房運転において、冷媒水熱交換器から流出する水の温度が第3所定温度未満で、かつ、人体温度より数度以上低い温度である第4所定温度以上の場合、熱伝導、または、輻射により伝熱する第2熱交換手段に、人体温度より低い温水が流れ込むことにより、在席者から熱を奪うことができると判断して、第2熱交換手段の流量調整手段により第2熱交換手段に水を流入させる。
【0034】
以上の結果、第2熱交換手段の熱伝導、または、輻射伝熱の作用により、比較的温度の高い冷水を有効に利用しながら、在席者の清涼感を向上させることができる。
【0035】
第8の発明は、特に、第2の発明による冷房運転において、冷媒水熱交換器から流出する水の温度が、人体温度より数度以上低い温度である第4所定温度未満の場合、第1熱交換手段へ送風すると、吹出し空気温度が人体温度より十分低いため、在席者の清涼感を向上させることができると判断して、第1熱交換手段の流量調整手段により第1熱交換手段に水を流入させ、かつ第1熱交換手段へ送風を行う。
【0036】
同時に、熱伝導、または、輻射により伝熱する第2熱交換手段に、人体温度より十分低い温水が流れ込むことにより、在席者から熱を奪うことができると判断して、第2熱交換手段の流量調整手段により第2熱交換手段に水を流入させる。
【0037】
以上の結果、第1熱交換手段の対流伝熱の作用により、車室内の対流による全体冷房運転と、第2熱交換手段の熱伝導、または、輻射伝熱の作用により、比較的温度の高い冷水を有効に利用しながら、局所冷房運転を併用でき、在席者の清涼感を向上させることができる。
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0039】
(実施の形態1)
図1に、本発明の第1実施形態に係る車両用液体循環システム50を示す。この車両用液体循環システム50は、冷媒を循環させる冷媒回路10と、冷媒回路10を熱源として生成される温水、または冷水を循環させる水回路20と、制御手段である制御装置30とを備えている。
【0040】
冷媒回路10は、冷媒を圧縮する圧縮機1、冷媒の流動方向を切り換える四方弁5、冷媒と水とを熱交換させる冷媒水熱交換器2、高圧冷媒を膨張させる膨張手段である膨張弁3、および冷媒と空気とを熱交換させる冷媒空気熱交換器4が配管により接続されて構成されている。
【0041】
冷媒回路10には、暖房運転から冷房運転、あるいは暖房運転から除霜運転へ切り換えるための四方弁5が設けられている。
【0042】
なお、冷媒としては、例えば、R410A等の擬似共沸混合冷媒、R407C等の非共沸混合冷媒、またはフロン冷媒系または自然冷媒系の単一冷媒等を用いることができる。
【0043】
一方、水回路20は、水を搬送する循環手段であるポンプ21、冷媒水熱交換器2、そして、冷媒水熱交換器2にて熱交換された水の熱を放熱するための第1熱交換器22a、第2熱交換器22b、第3熱交換器22c、および各熱交換器22a〜22cへの水流量を調整するための第1流量調整弁23a、第2流量調整弁23b、第3流量調整弁23cから構成されている。
【0044】
水回路20において、第1熱交換器22aは冷媒水熱交換器2に対して直列に設置されている。また、第2熱交換器22b、および第3熱交換器22cは、第1熱交換器22aに対して並列に設置されている。第1流量調整弁23a、第2流量調整弁23b、第3流量調整弁23cは、第1熱交換器22a、第2熱交換器22b、第3熱交換器22cの入口側で、かつ車室外に設置されている。
【0045】
第1熱交換器22aは本発明における第1熱交換手段であり、第2熱交換器22b、第3熱交換器22cは、本発明における第2熱交換手段である。
【0046】
第1熱交換器22aは送風ダクト25の中に設置され、送風手段としての送風機24の送風により対流熱伝達を利用して水から空気へ熱交換が行われる。第1熱交換器22aで熱交換された空気は送風ダクト25の吹出口に設置された風量調整ダンパ26を介して車室内へ吹き出される。
【0047】
また、第2熱交換器22bは車室内のドア内面パネルに設置され、輻射により座席シートへの在席者に温冷熱を伝え、第3熱交換器22cは車室内の座席シートの内部に設置され、熱伝導により座席シート、および座席シートへの在席者に温冷熱を伝える。
【0048】
さらに、冷媒水熱交換器2の水側流路の出口側には、各熱交換器22a〜22cへ流入する水温度を検出するための入口温度センサ27が設置されている。第1熱交換器22a、第2熱交換器22b、第3熱交換器22cの出口側には、各々から流出する水温度を検出するための第1出口温度センサ28a、第2出口温度センサ28b、第3出口温度センサ28cが設置されている。
【0049】
なお、水回路20に使用する水としては、例えば、市水等のほか、不凍液、ブライン等を用いることができる。
【0050】
制御装置30は、入口温度センサ27、各出口温度センサ28a〜28c、送風機24、各流量調整弁23a〜23cと信号線で接続されている。
【0051】
以上のように構成された車両用液体循環システムは、四方弁5を切り換えることで、各熱交換器22a〜22cへ温水を搬送する暖房運転と、各熱交換器22a〜22cへ冷水を搬送する冷房運転を行うことができる。以下、暖房運転における冷媒、および水の状態変化を説明する。
【0052】
本実施形態の車両用液体循環システム50では、冷媒回路10の加熱運転により生成された温水を、水回路20において放熱器へ搬送して車室内の暖房に利用する暖房運転を行う。図1では暖房運転時の冷媒の流れ方向を実線矢印で示し、水の流れ方向を破線矢印で示している。
【0053】
まず、冷媒回路10において、圧縮機1から吐出された高圧ガス冷媒は、四方弁5により冷媒水熱交換器2に流入する方向に切り換えられ、凝縮器として作用する冷媒水熱交換器2において冷媒水熱交換器2の水側流路を通過する水と熱交換して水を加熱し、冷媒自身は放熱して液化凝縮し、高圧液冷媒となる。
【0054】
冷媒水熱交換器2から流出した高圧液冷媒は、膨張弁3によって減圧されて膨張し、低圧二相冷媒となり、蒸発器として作用する冷媒空気熱交換器4に流入する。
【0055】
冷媒空気熱交換器4に流入した低圧二相冷媒は、ここで蒸発して空気から気化熱を吸熱して、過熱冷媒となって冷媒空気熱交換器4を流出し、圧縮機1へ戻る。
【0056】
一方、水回路20において、ポンプ21から吐出された水は、冷媒水熱交換器2の水側流路において、冷媒水熱交換器2の冷媒側流路で凝縮する冷媒と熱交換して加熱され温水となる。
【0057】
制御装置30は、入口温度センサ27、第1出口温度センサ28a、第2出口温度センサ28b、第3出口温度センサ28cによる検出温度によって、送風機24の運転有無、第1流量調整弁23a、第2流量調整弁23b、および第3流量調整弁23cを通過する水流量を制御する。
【0058】
第1熱交換器22aに温水が流入した場合、温水から空気へ対流熱伝達で加熱されることにより、温風が生成され、車室内の暖房を行い、水自身は空気との熱交換によって水温が低下して第1熱交換器22aから流出する。
【0059】
また、車室内のドア内面パネルに設置された第2熱交換器22bに流入した場合、在席者の体温より高い温水により加熱されたドア内面パネルから、輻射により座席シート在席者に温熱を伝え、在席者の暖房快適性を高め、水自身は輻射により座席シート在席者に温熱を伝えることよって水温が低下して第2熱交換器22bから流出する。
【0060】
さらに、車室内の座席シートの内部に設置された第3熱交換器22cに流入した場合、在席者の体温より高い温水が、熱伝導により座席シート、および座席シート在席者に温熱を伝え、在席者の暖房快適性を高め、水自身は座席シートや在席者との熱交換によって水温が低下して第3熱交換器22cから流出する。
【0061】
以上、各熱交換器22a〜22cから流出した水は集合後、ポンプ21へ戻る。
【0062】
次に、制御装置30は、送風機24の運転/停止、第1流量調整弁23a、第2流量調整弁23b、および第3流量調整弁23cの開度制御を繰り返して行うものであり、図2に示すフローチャートを参照して、暖房運転起動時の制御動作内容について詳細に説明する。
【0063】
まず、冷媒回路10による加熱運転を開始し(ステップS1)、水回路20における入口温度センサ27により入口水温Tiを検出し、第1出口温度センサ28a、第2出口温度センサ28b、第3出口温度センサ28c各々により出口水温T1、出口水温T2、出口水温T3を検出する(ステップS2)。
【0064】
そして、入口水温Tiと、第2熱交換器22bの使用開始温度として予め設定された第1所定温度Ts1との大小関係を判定する(ステップS3)。
【0065】
ステップS3において、入口水温Ti<第1所定温度Ts1の場合、水温が十分上昇していないため、在席者の冷風感、冷温感を防止すべく、第1熱交換器22a、第2熱交換器22b、第3熱交換器22cでの暖房運転は行わず、第1流量調整弁23aをバイパス弁として作用させて、水回路20における水温が上昇するまで水循環を継続する。
【0066】
すなわち、ステップS4に移行して、送風機:停止、第1流量調整弁23a:全閉から所定開度P1だけ開とし、第2流量調整弁23b、第3流量調整弁23c:全閉として、ステップS2へ戻る。
【0067】
このとき、第1流量調整弁23aの所定開度P1は、入口水温Tiと、第1出口温度センサ28aによる出口水温T1との差(Ti−T1)が所定温度差になるように設定されるものとする。
【0068】
一方、ステップS3において、入口水温Ti≧第1所定温度Ts1の場合、輻射パネルである第2熱交換器22bの使用を開始すべく、ステップS5に移行して、入口水温Tiと、熱伝導パネルである第3熱交換器22cの使用開始温度として予め設定された第2所定温度Ts2との大小関係を判定する。
【0069】
ステップS5において、入口水温Ti<第2所定温度Ts2の場合、輻射パネルを使用開始し、熱伝導パネルは未使用とすべく、ステップS6に移行して、輻射パネルである第2熱交換器22b用の第2流量調整弁23b:所定開度P2だけ開として、ステップS2へ戻る。
【0070】
このとき、第2流量調整弁23bの所定開度P2は、入口水温Tiと、第2出口温度センサ28bによる出口水温T2との差(Ti−T2)が所定温度差になるように設定されるものとする。
【0071】
一方、ステップS5において、入口水温Ti≧第2所定温度Ts2の場合、熱伝導パネルである第3熱交換器22cの使用を開始すべく、ステップS7に移行して、入口水温Tiと、送風機24の運転を伴う第1熱交換器22aの使用開始温度として予め設定された第3所定温度Ts3との大小関係を判定する。
【0072】
ステップS7において、入口水温Ti<第3所定温度Ts3の場合、熱伝導パネルを使用開始し、第1熱交換器22aでの暖房運転は未使用とすべく、ステップS8に移行して、輻射パネルである第3熱交換器22c用の第3流量調整弁23c:所定開度P3だけ開として、ステップS2へ戻る。
【0073】
このとき、第3流量調整弁23cの所定開度P3は、入口水温Tiと、第3出口温度センサ28cによる出口水温T3との差(Ti−T3)が所定温度差になるように設定されるものとする。
【0074】
一方、ステップS7において、入口水温Ti≧第3所定温度Ts3の場合、第1熱交換器22aでの暖房運転を開始すべく、ステップS9に移行して、送風機:運転、第1流量調整弁23a:所定開度P4だけ開として、暖房起動制御を終了する。
【0075】
このとき、第1流量調整弁23aの所定開度P4は、入口水温Tiと、第1出口温度センサ28aによる出口水温T1との差(Ti−T1)が所定温度差になるように設定されるものとする。
【0076】
ここでは、各熱交換器22a〜22c用に予め設定された第1所定温度Ts1、第2所定温度Ts2、第3所定温度Ts3の大小関係は、第1所定温度Ts1<第2所定温度Ts2<第3所定温度Ts3として、輻射、熱伝導、対流の順で高くなるように設定している。
【0077】
以上説明したように、本実施形態において暖房運転を行う場合、冷媒水熱交換器2から流出する水の温度が、人体温度付近である第1所定温度Ts1未満の場合は、第1熱交換器22aの第1流量調整弁23aを所定開度P1だけ開とし、送風機24による送風は行わず、かつ、第2流量調整弁23b、第3流量調整弁23cを閉とすることにより、水温が上昇するまで第1熱交換器22aからの冷風吹出しを防止しながら、温水の循環を継続できる。
【0078】
つぎに、冷媒水熱交換器2から流出する水の温度が、第1所定温度Ts1以上で、かつ、第3熱交換器22cの使用開始温度である第2所定温度Ts2未満の場合、第2流量調整弁23bを所定開度P2だけ開とすることにより、在席者の体温より高い温水により加熱されたドア内面パネルから、輻射により座席シート在席者に温熱を伝え、在席者を局所的に暖めることができ、比較的温度の低い温水を有効に利用しながら、暖房運転起動時の在席者の快適性向上を図ることができる。
【0079】
また、冷媒水熱交換器2から流出する水の温度が、第2所定温度Ts2以上で、かつ、第1熱交換器22aの使用開始温度である第3所定温度Ts3未満の場合、第3流量調整弁23cを所定開度P3だけ開とすることにより、熱伝導により座席シート等を介して在席者を局所的に暖めることができ、比較的温度の低い温水を有効に利用しながら、暖房運転起動時の在席者の快適性向上を図ることができる。
【0080】
さらに、冷媒水熱交換器から流出する水の温度が、第3所定温度Ts3以上の場合、第1流量調整弁23aを所定開度P4だけ開とし、送風機24を運転して第1熱交換器22aへ送風することにより、水温が十分上昇し、人体温度より十分高い温度の空気を吹き出せるため、暖房運転起動時の在席者の快適性向上を図ることができる。
【0081】
すなわち、第1熱交換器22aによる車室内の対流による全体暖房運転と、同時に熱伝導を利用した第2熱交換器22b、および輻射を利用した第3熱交換器22cによる局所暖房運転を併用でき、快適性をさらに向上させることが可能となる。
【0082】
(実施の形態2)
図3に、本発明の第2実施形態に係る冷房運転を行う車両用液体循環システム50を示す。冷媒回路10と、水回路20の構成は第1実施形態と同一であるが、冷媒回路10において冷却運転を行うこと、および水回路20における第1流量調整弁23a、第2流量調整弁23b、第3流量調整弁23c、送風機24の運転制御については第1実施形態とは異なる。
【0083】
以下、冷房運転における冷媒、および水の状態変化を説明する。
【0084】
本実施形態の車両用液体循環システム50では、冷媒回路10の冷却運転により生成された冷水を、水回路20において放熱器へ搬送して車室内の冷房に利用する冷房運転を行う。図3では冷房運転時の冷媒の流れ方向を実線矢印で示し、および水の流れ方向を破線矢印で示している。
【0085】
まず、冷媒回路10において、圧縮機1から吐出された高圧ガス冷媒は、四方弁5により冷媒空気熱交換器4に流入する方向に切り換えられ、凝縮器として作用する冷媒空気熱交換器4において空気側を流動する空気と熱交換して空気を加熱し、冷媒自身は放熱して液化凝縮する。
【0086】
冷媒空気熱交換器4から流出した高圧液冷媒は、膨張弁3によって減圧されて膨張した後に、蒸発器である冷媒水熱交換器2の冷媒側流路に流入する。
【0087】
冷媒水熱交換器2に流入した低圧二相冷媒は、ここで蒸発して冷媒水熱交換器2の水側流路を流動する水から気化熱を吸熱して水を冷却し、冷媒自身は過熱されて冷媒水熱交換器2を流出し、圧縮機1へ戻る。
【0088】
一方、水回路20において、ポンプ21から吐出された水は、冷媒水熱交換器2において冷媒水熱交換器2の冷媒側流路で蒸発する冷媒と熱交換して冷却され冷水となる。
【0089】
制御装置30は、入口温度センサ27、第1出口温度センサ28a、第2出口温度センサ28b、第3出口温度センサ28cによる検出温度によって、送風機24の運転有無、第1流量調整弁23a、第2流量調整弁23b、および第3流量調整弁23cを通過する水流量を制御する。
【0090】
第1熱交換器22aに冷水が流入した場合、冷水から空気へ対流熱伝達で冷却されることにより、冷風が生成され、車室内の冷房を行い、水自身は空気との熱交換によって水温が低下して第1熱交換器22aから流出する。
【0091】
また、車室内の座席シートの内部に設置された第2熱交換器22bに流入した場合、在席者の体温より低い冷水が、熱伝導により座席シート、および座席シート在席者に冷熱を伝え、在席者の暖房快適性を高め、水自身は座席シートや在席者との熱交換によって水温が上昇して第2熱交換器22bから流出する。
【0092】
さらに、車室内のドア内面パネルに設置された第2熱交換器22bに流入した場合、在席者の体温より低い冷水により冷却されたドア内面パネルから、輻射により座席シート在席者に冷熱を伝え、在席者の冷房快適性を高め、水自身は輻射により座席シート在席者に冷熱を伝えることよって水温が上昇して第3熱交換器22cから流出する。
【0093】
以上、各熱交換器22a〜22cから流出した水は集合後、ポンプ21へ戻る。
【0094】
次に、制御装置30は、送風機24の運転/停止、第1流量調整弁23a、第2流量調整弁23b、および第3流量調整弁23cの開度制御を繰り返して行うものであり、図4に示すフローチャートを参照して、冷房運転起動時の制御動作内容について詳細に説明する。
【0095】
まず、冷媒回路10による冷却運転を開始し(ステップS1)、水回路20における入口温度センサ27により入口水温Ti、および第1出口温度センサ28a、第2出口温度センサ28b、第3出口温度センサ28c各々により出口水温T1、出口水温T2、出口水温T3を検出する(ステップS2)。
【0096】
そして、入口水温Tiと、第2熱交換器22bの使用開始温度として予め設定された第1所定温度Ts1との大小関係を判定する(ステップS3)。
【0097】
ステップS3において、入口水温Ti>第1所定温度Ts11の場合、水温が十分低下していないため、在席者の不快感を防止すべく、第2熱交換器22b、第3熱交換器22cでの冷房運転は行わず、送風機24を運転し、第1流量調整弁23aを微小開度に設定して、水回路20における水温が低下するまで水循環を継続する。
【0098】
すなわち、ステップS4に移行して、送風機:運転、第1流量調整弁23a:全閉から所定開度P1だけ開とし、第2流量調整弁23b、第3流量調整弁23c:全閉として、ステップS2へ戻る。
【0099】
このとき、第1流量調整弁23aの所定開度P1は、入口水温Tiと、第1出口温度センサ28aによる出口水温T1との差(Ti−T1)が所定温度差(負値)になるように設定されるものとする。
【0100】
一方、ステップS3において、入口水温Ti≦第1所定温度Ts11の場合、輻射パネルである第2熱交換器22bの使用を開始すべく、ステップS5に移行して、入口水温Tiと、熱伝導パネルである第3熱交換器22cの使用開始温度として予め設定された第2所定温度Ts22との大小関係を判定する。
【0101】
ステップS5において、入口水温Ti>第2所定温度Ts22の場合、輻射パネルを使用開始し、熱伝導パネルは未使用とすべく、ステップS6に移行して、輻射パネルである第2熱交換器22b用の第2流量調整弁23b:所定開度P2だけ開として、ステップS2へ戻る。
【0102】
このとき、第2流量調整弁23bの所定開度P2は、入口水温Tiと、第2出口温度センサ28bによる出口水温T2との差(Ti−T2)が所定温度差(負値)になるように設定されるものとする。
【0103】
一方、ステップS5において、入口水温Ti≦第2所定温度Ts22の場合、熱伝導パネルである第3熱交換器22cの使用を開始すべく、ステップS7に移行して、入口水温Tiと、送風機24の運転を伴う第1熱交換器22aの使用開始温度として予め設定された第3所定温度Ts3との大小関係を判定する。
【0104】
ステップS7において、入口水温Ti>第3所定温度Ts33の場合、熱伝導パネルを使用開始し、第1熱交換器22aでの冷房運転は未使用とすべく、ステップS8に移行して、輻射パネルである第3熱交換器22c用の第3流量調整弁23c:所定開度P3だけ開として、ステップS2へ戻る。
【0105】
このとき、第3流量調整弁23cの所定開度P3は、入口水温Tiと、第3出口温度センサ28cによる出口水温T3との差(Ti−T3)が所定温度差(負値)になるように設定されるものとする。
【0106】
一方、ステップS7において、入口水温Ti≦第3所定温度Ts33の場合、第1熱交換器22aでの冷房運転を開始すべく、ステップS9に移行して、送風機:運転、第1流量調整弁23a:所定開度P4だけ開として、冷房起動制御を終了する。
【0107】
このとき、第1流量調整弁23aの所定開度P4は、入口水温Tiと、第1出口温度センサ28aによる出口水温T1との差(Ti−T1)が所定温度差(負値)になるように設定されるものとする。
【0108】
ここでは、各熱交換器22a〜22c用に予め設定された第1所定温度Ts11、第2所定温度Ts22、第3所定温度Ts33の大小関係は、第1所定温度Ts11>第2所定温度Ts22>第3所定温度Ts33として、輻射、熱伝導、対流の順で低くなるように設定している。
【0109】
以上説明したように、本実施形態において冷房運転を行う場合、冷媒水熱交換器2から流出する水の温度が、人体温度付近である第1所定温度Ts11超の場合は、第1熱交換器22aの第1流量調整弁23aを所定開度P1だけ開とし、送風機24による送風を行い、かつ、第2流量調整弁23b、第3流量調整弁23cを閉とすることにより、水温が低下するまで温水の循環を継続できる。
【0110】
つぎに、冷媒水熱交換器2から流出する水の温度が、第1所定温度Ts11以下で、かつ、第3熱交換器22cの使用開始温度である第2所定温度Ts22超の場合、第2流量調整弁23bを所定開度P2だけ開とすることにより、在席者の体温より低い冷水により冷却されたドア内面パネルから、冷輻射により座席シート在席者から温熱を奪い、在席者を局所的に涼しくすることができ、比較的温度の高い冷水を有効に利用しながら、冷房運転起動時の在席者の快適性向上を図ることができる。
【0111】
また、冷媒水熱交換器2から流出する水の温度が、第2所定温度Ts2未満で、かつ、第1熱交換器22aの使用開始温度である第3所定温度Ts3超の場合、第3流量調整弁23cを所定開度P3だけ開とすることにより、熱伝導により座席シート等を介して在席者を局所的に冷やすことができ、比較的温度の低い冷水を有効に利用しながら、冷房運転起動時の在席者の快適性向上を図ることができる。
【0112】
さらに、冷媒水熱交換器から流出する水の温度が、第3所定温度Ts3未満の場合、第1流量調整弁23aを所定開度P4だけ開とし、送風機24を運転して第1熱交換器22aへ送風することにより、水温が十分上昇し、人体温度より十分低い温度の空気を吹き出せるため、冷房運転起動時の在席者の快適性向上を図ることができる。
【0113】
すなわち、第1熱交換器22aによる車室内の対流による全体冷房運転と、同時に熱伝導を利用した第2熱交換器22b、および冷輻射を利用した第3熱交換器22cによる局所冷房運転を併用でき、快適性をさらに向上させることが可能となる。
【0114】
なお、実施の形態2の図4のステップS4において、送風機:停止、第1流量調整弁23a:全閉から所定開度P1だけ開とし、第2流量調整弁23b、第3流量調整弁23c:全閉としてもよい。この場合には、吹出し空気温度が高く、なまぬるい空気が吹き出すため、在席者に不快感を与えることを防止できる。この結果、水温が低下するまで第1熱交換手段から温風が吹き出すことを防止しながら、第2熱交換手段の熱伝導、または、輻射伝熱の作用により、比較的温度の高い冷水を有効に利用しながら、在席者の清涼感を向上させることができる。
【0115】
また、実施の形態1の図1、および、実施の形態2の図3では、各熱交換器22a〜22cへの水流量を調整するための流量調整手段として、第1流量調整弁23a、第2流量調整弁23b、第3流量調整弁23cのように、開度調整可能な弁としているが、流量調整弁の代わりに開閉弁として、開閉時間を制御するようにしてもよい。
【0116】
また、各熱交換器22a〜22c用に予め設定された第1所定温度Ts1、第2所定温度Ts2、第3所定温度Ts3の大小関係は、暖房時に、輻射、熱伝導、対流の順で高くなるように、冷房時に、輻射、熱伝導、対流の順で低くなるように設定しているが、輻射と熱伝導の大小関係については温度レベルによっては逆の関係にしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0117】
以上のように、本発明にかかる車両用液体循環システムは、冷暖房に要するエネルギーを低く抑える、いわゆる省エネルギー性の向上を図ることができるので、水を冷却・加熱し、その水を冷房・暖房に利用する車両用冷暖房装置に特に有用である。
【符号の説明】
【0118】
1 圧縮機
2 冷媒水熱交換器
3 膨張弁
4 冷媒空気熱交換器
10 冷媒回路
20 水回路
21 ポンプ
22a 第1熱交換器
22b 第2熱交換器
22c 第3熱交換器
23a 第1流量調整弁
23b 第2流量調整弁
23c 第3流量調整弁
24 送風機
30 制御装置
50 車両用液体循環システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、冷媒水熱交換器、膨張手段、冷媒空気熱交換器が接続された冷媒回路と、前記冷媒水熱交換器で熱交換された水を循環させる循環手段、前記冷媒水熱交換器と直列に接続された第1熱交換手段、前記第1熱交換手段と並列に接続された第2熱交換手段を有する水回路と、制御手段とを備え、前記第1熱交換手段は送風手段が発する空気により熱伝達するとともに、前記第2熱交換手段は車室内を構成する部品の表面または内部に設置され、熱伝導、または輻射により伝熱することを特徴とする車両用液体循環システム。
【請求項2】
前記第1熱交換手段、前記第2熱交換手段のそれぞれを流れる水流量を調整する流量調整手段を配設したことを特徴とする請求項1に記載の車両用液体循環システム。
【請求項3】
暖房運転時において、前記冷媒水熱交換器から流出する水の温度が第1所定温度未満の場合、前記第1熱交換手段へ送風せず、前記第1熱交換手段の流量調整手段により前記第1熱交換手段に水を流入させ、かつ、前記第2熱交換手段の流量調整手段により前記第2熱交換手段に水が流れることを防止することを特徴とする請求項2に記載の車両用液体循環システム。
【請求項4】
暖房運転時において、前記冷媒水熱交換器から流出する水の温度が第1所定温度以上で、かつ、第2所定温度未満の場合、前記第2熱交換手段の流量調整手段により前記第2熱交換手段に水を流入させることを特徴とする請求項2に記載の車両用液体循環システム。
【請求項5】
暖房運転時において、前記冷媒水熱交換器から流出する水の温度が第2所定温度以上の場合、前記第1熱交換手段および前記第2熱交換手段の流量調整手段により前記第1熱交換手段および前記第2熱交換手段に水を流入させ、前記第1熱交換手段へ送風することを特徴とする請求項2に記載の車両用液体循環システム。
【請求項6】
冷房運転時において、前記冷媒水熱交換器から流出する水の温度が第3所定温度以上の場合、前記第1熱交換手段の流量調整手段により前記第1熱交換手段に水を流入させ、かつ、前記第2熱交換手段の流量調整手段により前記第2熱交換手段に水が流れることを防止することを特徴とする請求項2に記載の車両用液体循環システム。
【請求項7】
冷房運転時において、前記冷媒水熱交換器から流出する水の温度が第3所定温度未満で、かつ、第4所定温度以上の場合、前記第2熱交換手段の流量調整手段により前記第2熱交換手段に水を流入させることを特徴とする請求項2に記載の車両用液体循環システム。
【請求項8】
冷房運転時において、前記冷媒水熱交換器から流出する水の温度が第4所定温度未満の場合、前記第1熱交換手段および前記第2熱交換手段の流量調整手段により前記第1熱交換手段および前記第2熱交換手段に水を流入させ、前記第1熱交換手段へ送風することを特徴とする請求項2に記載の車両用液体循環システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−11927(P2012−11927A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151761(P2010−151761)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】