説明

車両用灯具

【課題】従来の車両用灯具では、奥行き寸法のコンパクト化と十分な発光面積の確保とが両立できない。
【解決手段】この発明は、メイン反射面7およびサブ反射面8を備える。メイン反射面7は、半導体型光源6からの光Lをインナーレンズ5およびアウターレンズ3側に反射させて所定の配光性能が得られる反射面である。サブ反射面8は、半導体型光源6からの光Lをインナーレンズ5およびアウターレンズ3側に反射させてメイン反射面3と共に所定の発光面積22が得られる反射面であって、反射面部20と段部21とが交互に段々に連続してなる多段反射面から構成されていて、反射面部20のうち先端部のみを、半導体型光源6からの光Lをインナーレンズ5およびアウターレンズ3側に反射させる反射面として使用する。この結果、この発明は、奥行き寸法Bのコンパクト化と十分な発光面積22の確保とが両立できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば、テールランプ、ストップランプ、ハイマウントストップ、ターンシグナルランプ、リヤコンビネーションランプなどの車両用灯具であって、奥行き寸法がコンパクトであり、しかも、十分な発光面積が得られる車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえば、テールランプ、ストップランプ、ハイマウントストップランプ、ターンシグナルランプ、リヤコンビネーションランプなどの車両用灯具であって、車両の後部に装備される車両用灯具、特に、車両の後部トランク扉に装備される車両用灯具においては、奥行き寸法がコンパクトであることが重要である。
【0003】
単一の反射面を使用する車両用灯具は、十分な発光面積が確保できるが、奥行き寸法が大きくなり、好ましくない。そこで、特許文献1に示す車両用灯具のように、反射面部と段部とが交互に段々に連続してなる多段反射面を使用する車両用灯具が提案されている。
【0004】
ところが、特許文献1に示す車両用灯具は、反射面部と段部とが交互に段々に連続してなる多段反射面を使用するので、奥行き寸法をコンパクトにすることができるが、段部の影により十分な発光面積を確保できないという課題がある。
【0005】
【特許文献1】特開2004−139903号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明が解決しようとする問題点は、従来の車両用灯具では、奥行き寸法のコンパクト化と十分な発光面積の確保とが両立できないという点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明(請求項1にかかる発明)は、メイン反射面およびサブ反射面を備え、メイン反射面が光源からの光をランプレンズ側に反射させて所定の配光性能が得られる反射面であり、サブ反射面が、光源からの光をランプレンズ側に反射させてメイン反射面と共に所定の発光面積が得られる反射面であり、反射面部と段部とが交互に段々に連続してなる多段反射面から構成されていて、反射面部のうち先端部のみを、光源からの光をランプレンズ側に反射させる反射面として使用する、ことを特徴とする。
【0008】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、多段反射面が反射面部と段部との境界の稜線に対して直交もしくはほぼ直交する方向に複数個に分割されている、ことを特徴とする。
【0009】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、1個の前記光源と1個もしくは複数個のメイン反射面およびサブ反射面とを1個のユニットとし、複数個のユニットを有し、隣り合うユニットの反射面部と段部との境界の稜線が稜線に対して直交もしくはほぼ直交する方向にずれている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、メイン反射面と、サブ反射面としての多段反射面の反射面部の先端部とにより、光源からの光をランプレンズ側に反射させることができるので、多段反射面を使用しても、十分な発光面積を確保することができる。一方、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、メイン反射面と多段反射面のサブ反射面とを使用するので、多段反射面のサブ反射面により、メイン反射面を使用するのにも拘らず、奥行き寸法をコンパクトにすることができる。
【0011】
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、隣り合う分割された反射面部を分割方向にずらしたり、隣り合う分割された反射面部の向きを変えたりすることにより、反射面部の先端部からの反射光の反射方向を多様に変えることができるので、多段反射面の段部による影をぼかすことができ見栄えが向上する。
【0012】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、前記の課題を解決するための手段により、隣り合うユニットの多段反射面の段部が稜線に対して直交もしくはほぼ直交する方向にずれているので、多段反射面の段部による影をぼかすことができ、全ユニットの多段反射面の反射面部の先端部からの反射光が全ユニットにおいて恰も均一に見え、見栄えが向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、この発明にかかる車両用灯具の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。なお、この明細書中「前、後、上、下、左、右」は、車両用灯具を車両(自動車)に装備した際の車両の「前、後、上、下、左、右」である。
【実施例】
【0014】
以下、この実施例にかかる車両用灯具の構成について説明する。この例は、たとえば、車両の後部トランク扉に装備されるテールランプについて説明する。図6において、符号Cは、車両(自動車)である。前記車両Cの後部の中央には、後部トランク扉(バックドア)Dが開閉可能に取り付けられている。前記車両Cの後部の左右両側から前記後部トランク扉Dの左右両側にかけて左側のリヤコンビネーションランプLLと右側のリヤコンビネーションランプRLがそれぞれ装備されている。
【0015】
前記左側のリヤコンビネーションランプLLおよび前記右側のリヤコンビネーションランプRLは、この実施例にかかる車両用灯具であるテールランプ1Lおよび1Rを備える。以下、右側のテールランプ1Rについて説明する。なお、左側のテールランプ1Lは、右側のテールランプ1Rの構造とほぼ左右逆である。このために、左側のテールランプ1Lの構成の説明は、省略する。
【0016】
前記テールランプ1Rは、図1〜図5に示すように、ランプハウジング2と、アウターレンズ(ランプレンズ)3と、インナーハウジング4と、インナーレンズ5と、半導体型光源(光源)6と、メイン反射面(第1反射面)7と、サブ反射面(第2反射面)8と、を備えるものである。
【0017】
前記ランプハウジング2は、たとえば、光不透過性の合成樹脂からなる。前記ランプハウジング2は、図1に示すように、後面側が開口し、その他の5面(前面、上面、下面、左面、右面)側が閉塞した底が浅い凹形状をなす。
【0018】
前記アウターレンズ3は、たとえば、光透過性の合成樹脂からなる。前記アウターレンズ3は、図1に示すように、前面側が開口し、その他の5面(後面、上面、下面、左面、右面)側が閉塞した凹形状をなす。前記アウターレンズ3は、素通しのカバーからなる。
【0019】
前記ランプハウジング2の後面開口部の縁と前記アウターレンズ3の前面開口部の縁とがたとえば超音波溶着や接着や機械的固着などにより固定されている。前記ランプハウジング2と前記アウターレンズ3とにより灯室9が区画されている。前記灯室9内には、前記インナーハウジング4および前記インナーレンズ5および前記半導体型光源6および前記メイン反射面7および前記サブ反射面8がそれぞれ配置されている。
【0020】
前記インナーハウジング4は、たとえば、光不透過性の合成樹脂からなる。前記インナーハウジング4は、前記ランプハウジング2に適宜の取付手段(ボルトナット、スクリュー、加締め、嵌合、接着など)により取り付けられている。前記インナーハウジング4は、図1に示すように、上部の目隠し部10と、中央部及び下部の反射部11と、からなる。前記インナーハウジング4の前記目隠し部10と前記反射部11との間には、開口部12が設けられている。
【0021】
前記インナーハウジング4の前記目隠し部10は、前記アウターレンズ3を通して前記テールランプ1Rの内部構造たとえば前記半導体型光源6が見えないように、前記内部構造を隠して見栄えを向上させるものである。一方、前記インナーハウジング4の前記反射部11のうち少なくとも後面には、アルミ蒸着や銀塗装などが施されていて、前記メイン反射面7および前記サブ反射面8およびダミー反射面13がそれぞれ設けられている。なお、前記インナーハウジング4の前記目隠し部10のうち少なくとも後面にも、アルミ蒸着や銀塗装などを施して、ダミー反射面としても良い。
【0022】
前記インナーレンズ5は、前記アウターレンズ3と同様に、たとえば、光透過性の合成樹脂からなる。前記インナーレンズ5は、図1に示すように、前記アウターレンズ3と前記インナーハウジング4の前記反射部11との間であって、前記アウターレンズ3に沿って配置されている。前記インナーレンズ5は、前記インナーハウジング4に適宜の取付手段(ボルトナット、スクリュー、加締め、嵌合、接着など)により取り付けられている。
【0023】
前記インナーレンズ5には、前記インナーハウジング4側に凹んだ凹部(もしくは、前記インナーレンズ4側に突出した凸部)14と、前記アウターレンズ3側に突出した凸部(もしくは、前記アウターレンズ3側に凹んだ凹部)15とが交互に一体に設けられている。前記凹部14および前記凸部15は、前記灯室9内の奥行き感を出す意匠的効果がある。
【0024】
前記インナーレンズ5の上段および中段の前記凹部14には、若干の光を透過させる塗装が施されていて、いわゆるスモーク部16が形成されている。前記スモーク部16は、前記半導体型光源6が点灯されていない非点灯時において、塗装により発光しない箇所のように見え、一方、前記半導体型光源6が点灯されている点灯時において、発光して見える。このように、前記スモーク部16は、前記半導体型光源6の非点灯時の見え方と点灯時の見え方とが異なる意匠的効果がある。
【0025】
前記インナーレンズ5の前記凸部15の前面には、縦かまぼこ(シリンドリカル)型の拡散プリズム17が設けられている。また、前記インナーレンズ5の前記凸部15の後面には、横かまぼこ(シリンドリカル)型の拡散プリズム18が設けられている。
【0026】
前記半導体型光源6は、図1に示すように、前記灯室9内の一側(上側)に配置されている。すなわち、前記半導体型光源6は、前記ランプハウジング2と前記インナーハウジング4の目隠し部10との間に配置されており、かつ、前記インナーハウジング4の前記開口部12に位置する。前記半導体型光源6は、基板19を介して、前記インナーハウジング4に適宜の取付手段(ボルトナット、スクリュー、加締め、嵌合、接着など)により取り付けられている。前記半導体型光源6は、たとえば、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施例ではLED)を使用する。なお、光源として前記半導体型光源6以外にの光源、たとえば、放電灯やハロゲンバルブや白熱バルブを使用しても良い。
【0027】
前記メイン反射面7および前記サブ反射面8およびダミー反射面13は、図1に示すように、前記灯室9内に配置されている。前記メイン反射面7および前記サブ反射面8は、図1および図2に示すように、前記半導体型光源6からの光Lを前記インナーレンズ5および前記アウターレンズ3側に反射させる。
【0028】
前記1個の半導体型光源6に対して、上段の前記メイン反射面7および中段の前記サブ反射面8および下段の前記メイン反射面7および最下段の前記ダミー反射面13がそれぞれ配置されている。
【0029】
上段の前記メイン反射面7は、前記インナーレンズ5の上段の前記凹部14すなわち前記スモーク部16、および、前記インナーレンズ5の上段の前記凸部15の上半分に対向する。上段の前記メイン反射面7は、単一の反射面と、反射面部および高さが低い段部および反射面部からなる反射面と、から構成されている。
【0030】
下段の前記メイン反射面7は、前記インナーレンズ5の下段の前記凸部15に対向する。下段の前記メイン反射面7は、4段の反射面部と高さが低い3段の段部とが交互に段々に連続してなる反射面から構成されている。
【0031】
上段の前記メイン反射面7および下段の前記メイン反射面7の奥行き寸法は、小さい。また、上段の前記メイン反射面7および下段の前記メイン反射面7は、前記半導体型光源6からの光Lを前記インナーレンズ5および前記アウターレンズ3側に反射させて、所定の配光が得られるものである。
【0032】
前記サブ反射面8は、前記インナーレンズ5の上段の前記凸部15の下半分、および、前記インナーレンズ5の中段の前記凹部14すなわち前記スモーク部16に対向する。前記サブ反射面8は、図1および図2に示すように、反射面部20と段部21とが交互に段々に連続してなる多段反射面から構成されている。前記サブ反射面8は、前記反射面部20のうち先端部のみを、前記半導体型光源6からの光Lを前記インナーレンズ5および前記アウターレンズ3側に反射させる反射面として使用する。
【0033】
前記サブ反射面8の奥行き寸法は、小さい。また、前記サブ反射面8は、前記半導体型光源6からの光Lを前記インナーレンズ5および前記アウターレンズ3側に反射させて、上段および下段の前記メイン反射面7と共に所定の発光面積(図4中の太い実線で囲まれた範囲(発光面22)の面積)が得られるものである。
【0034】
前記ダミー反射面13は、前記インナーレンズ5の下段の前記凹部14に対向する。前記ダミー反射面13は、図1に示すように、ダミー反射面部とダミー段部とが交互に段々に連続してなるダミー多段反射面から構成されている。前記ダミー反射面13は、前記半導体型光源6からの光Lを前記インナーレンズ5および前記アウターレンズ3側に反射させる反射面として機能を持たない。前記ダミー反射面13の奥行き寸法は、小さい。この結果、前記メイン反射面7の奥行き寸法および前記サブ反射面8の奥行き寸法および前記ダミー反射面13の奥行き寸法は、小さいので、前記テールランプ1Rの奥行き寸法Bを小さくすることができる。
【0035】
上段の前記メイン反射面7および中段の前記サブ反射面(多段反射面)8および下段の前記メイン反射面7および最下段の前記ダミー反射面13は、図5に示すように、前記サブ反射面8(前記多段反射面)の前記反射面部20と前記段部21との境界の稜線に対して直交もしくはほぼ直交する方向(垂直方向もしくはほぼ垂直方向、いわゆる縦方向)に複数個この例では3個ずつに分割されている。
【0036】
1個の前記半導体型光源6と、複数個この例では2個の前記メイン反射面7および1個の前記サブ反射面8および1個のダミー反射面13とを、1個のユニットとする。前記テールランプ1Rは、図3〜図5に示すように、複数個この例では6個のユニットと複数個この例では2個のダミーのユニット(図5中の左の2ユニット)とを有する。前記ダミーのユニットは、前記ユニットの2個の前記メイン反射面7および1個の前記サブ反射面8および1個のダミー反射面13と同様のダミーのメイン反射面およびダミーのサブ反射面およびダミーのダミー反射面を有する。隣り合う前記ユニットの前記反射面部20と前記段部21との境界の稜線は、前記稜線に対して直交もしくはほぼ直交する方向にずれている。
【0037】
図5において、太い縦線は、前記ユニットの境界線を示す。また、太い横線は、前記インナーレンズ5の凹部14(ダミー部16)および凸部15の境界線を示す。さらに、細い縦線は、前記メイン反射面7および前記サブ反射面8および前記ダミー反射面13および前記ダミーのメイン反射面および前記ダミーのサブ反射面および前記ダミーのダミー反射面における3個ずつに分割して分割線を示す。さらにまた、細い横線は、前記メイン反射面7および前記ダミーのメイン反射面における前記反射面部と前記段部との境界の稜線、および、前記サブ反射面8および前記ダミーのサブ反射面における前記反射面部20と前記段部21との境界の稜線、および、前記ダミー反射面13および前記ダミーのダミー反射面における前記反射面部と前記段部との境界の稜線を示す。
【0038】
前記半導体型光源6と前記メイン反射面7および前記サブ反射面8との間であって、前記インナーハウジング4の前記開口部12中には、フレネルプリズム23が配置されている。前記フレネルプリズム23は、前記メイン反射面7および前記サブ反射面8からの反射光の方向に対して平行な断面(図1および図2に示す断面)において、前記半導体型光源6からの光Lをそのまま透過させ、かつ、前記メイン反射面7および前記サブ反射面8からの反射光の方向に対して直交する断面(図3〜図5に示す正面図と平行な断面)において、前記半導体型光源6からの光Lを平行光として屈折透過させるものである。
【0039】
この実施例にかかるテールランプ1Rは、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0040】
まず、テールランプ1Rの半導体型光源6が点灯されていない非点灯時においては、図3に示すように、インナーレンズ5のスモーク部16の上下2段の塗装色(図5中の破線格子が施された箇所)と、インナーハウジング4のメイン反射面7およびサブ反射面8および目隠し部10およびダミー反射面13のアルミ蒸着や銀塗装の上下3段の金属色と、が交互に配置された意匠が得られる。
【0041】
テールランプ1Rの半導体型光源6を点灯発光させる。すると、半導体型光源6から放射された光Lは、フレネルプリズム23を透過してメイン反射面7の反射面部およびサブ反射面8の反射面部20の先端部において、インナーレンズ5およびアウターレンズ3側に反射される。この反射光Lは、インナーレンズ5の凹部14のスモーク部16、および、凸部15の縦かまぼこ型の拡散プリズム17と横かまぼこ型の拡散プリズム18を透過し、かつ、アウターレンズ3を透過して外部に照射される。このとき、図4に示すように、メイン反射面7およびサブ反射面8に対応する発光面22(図4中の太い実線で囲まれた実線格子が施された箇所)が発光して、テールランプ機能を果たす。
【0042】
この実施例にかかるテールランプ1Rは、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0043】
この実施例にかかるテールランプ1Rは、メイン反射面7(メイン反射面7の反射面部)と、サブ反射面8としての多段反射面の反射面部20の先端部とにより、半導体型光源6からの光Lをインナーレンズ5およびアウターレンズ3側に反射させることができるので、サブ反射面8として多段反射面を使用しても、発光面22の十分な発光面積を確保することができる。
【0044】
しかも、この実施例にかかるテールランプ1Rは、メイン反射面7と多段反射面のサブ反射面8とを使用するので、多段反射面のサブ反射面8により、単一の反射面と、反射面部および高さが低い段部および反射面部からなる反射面と、から構成されている上段の面反射面7、および、4段の反射面部と高さが低い3段の段部とが交互に段々に連続してなる反射面から構成されている下段のメイン反射面7を使用するのにも拘らず、テールランプ1Rの奥行き寸法Bをコンパクトにすることができる。
【0045】
この結果、この実施例にかかるテールランプ1Rは、奥行き寸法Bをコンパクトにすることができるので、厚さ寸法に余裕が無い車両Cの後部トランク扉Dに装備するのに最適である。
【0046】
また、この実施例にかかるテールランプ1Rは、多段反射面のサブ反射面8において、隣り合う分割された反射面部20を分割方向にずらしたり、隣り合う分割された反射面部20の向きを変えたりすることにより、反射面部20の先端部からの反射光Lの反射方向を多様に変えることができるので、多段反射面の段部による影をぼかすことができて、サブ反射面8において均一に光らせることができ、見栄えが向上する。
【0047】
さらに、この実施例にかかるテールランプ1Rは、隣り合うユニットのサブ反射面8の多段反射面の段部21が稜線に対して直交もしくはほぼ直交する方向にずれているので、サブ反射面8の多段反射面の段部21による影をぼかすことができ、全ユニットのサブ反射面8の多段反射面の反射面部20の先端部からの反射光Lが全ユニットにおいて恰も均一に見え、見栄えが向上する。
【0048】
なお、前記の実施例においては、車両用灯具として、車両Cの後部トランク扉Dに装備するテールランプ1Rについて説明するものである。ところが、この発明においては、車両用灯具として、車両Cの後部トランク扉Dに装備するテールランプ1R以外の車両用灯具、たとえば、車両Cの後部トランク扉Dおよびその他に装備するストップランプ、ハイマウントストップ、ターンシグナルランプ、リヤコンビネーションランプなどの車両用灯具であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明にかかる車両用灯具の実施例を示す縦断面図(図3におけるI−I線断面)である。
【図2】同じく、要部を示す一部拡大縦断面図である。
【図3】同じく、半導体型光源の非点灯時の状態を示す正面図である。
【図4】同じく、半導体型光源の点灯時の状態を示す正面図である。
【図5】同じく、アウターレンズおよびインナーレンズを除いた半導体型光源およびメイン反射面およびサブ反射面を示す正面図である。
【図6】同じく、車両の後部トランク扉に装備するテールランプに使用した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0050】
1R 右側のテールランプ(車両用灯具)
1L 左側のテールランプ(車両用灯具)
2 ランプハウジング
3 アウターレンズ(ランプレンズ)
4 インナーハウジング
5 インナーレンズ
6 半導体型光源(光源)
7 メイン反射面
8 サブ反射面
9 灯室
10 目隠し部
11 反射部
12 開口部
13 ダミー反射面
14 凹部
15 凸部
16 スモーク部
17 縦かまぼこ型の拡散プリズム
18 横かまぼこ型の拡散プリズム
19 基板
20 反射面部
21 段部
22 発光範囲(発光面)
23 フレネルプリズム
L 半導体型光源からの光およびメイン反射面およびサブ反射面からの反射光
C 車両(自動車)
D 後部トランク扉(バックドア)
LL 左側のリヤコンビネーションランプ
RL 右側のリヤコンビネーションランプ
B 奥行き寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記灯室内の一側に配置されている光源と、
前記灯室内に配置されていて、前記光源からの光を前記ランプレンズ側に反射させるメイン反射面およびサブ反射面と、
を備え、
前記メイン反射面は、前記光源からの光を前記ランプレンズ側に反射させて所定の配光性能が得られる反射面であり、
前記サブ反射面は、前記光源からの光を前記ランプレンズ側に反射させて前記メイン反射面と共に所定の発光面積が得られる反射面であり、反射面部と段部とが交互に段々に連続してなる前記多段反射面から構成されていて、前記反射面部のうち先端部のみを、前記光源からの光を前記ランプレンズ側に反射させる反射面として使用する、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記多段反射面は、前記反射面部と前記段部との境界の稜線に対して直交もしくはほぼ直交する方向に複数個に分割されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
1個の前記光源と、1個もしくは複数個の前記メイン反射面および前記サブ反射面とを、1個のユニットとし、複数個のユニットを有し、
隣り合う前記ユニットの前記反射面部と前記段部との境界の稜線は、前記稜線に対して直交もしくはほぼ直交する方向にずれている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−146879(P2008−146879A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−329833(P2006−329833)
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】