説明

車両用熱交換器の取付構造

【課題】 熱交換器と車体側との必要クリアランスを少なくしてスペースの効率化を実現できる車両用熱交換器の取付構造の提供。
【解決手段】 ラジエータコアサポートアッパ1aのアッパブラケット4に設けられた一対のアーム部4fと、該アーム部4fに係合可能なスリット6aを有するキャップ6によりラジエータ2の上部に突設された車両搭載ピンP1をインシュレータ7を介して支持する車両用熱交換器の取付構造において、アーム部4fとキャップ6は、ラジエータ2の上下方向の揺動を許容しつつ、ラジエータ2の前後左右方向の揺動を抑止するようにインシュレータ7を介して車両搭載ピンP1を支持することとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のラジエータやコンデンサ等の車両用熱交換器の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用熱交換器の取付構造は、熱交換器の下部に突設した車両搭載ピンをインシュレータを介してラジエータコアサポートロアのロアブラケットの係止孔に挿入支持させ、熱交換器の上部に突設した車両搭載ピンをインシュレータを介してラジエータコアサポートアッパのアッパブラケットとキャップにより支持させることにより、熱交換器をラジエータコアサポートに取付ける技術が公知となっている(特許文献1参照)。
このような車両用熱交換器の取付構造では、熱交換器の下部の車両搭載ピンに設けられたインシュレータをバネとして熱交換器を上下方向に揺動させることにより、自動車のアイドリング時の振動低減を図るダイナミックダンパーとして機能している。
【特許文献1】特開2003−279285号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1記載の発明にあっては、熱交換器の上部を上下方向に加えて前後左右方向に揺動させると、熱交換器と周辺部材との必要クリアランスを大きく確保する必要がある上、ダイナミックダンパーとして安定したバネ定数を得られないという問題点があった。
【0004】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、熱交換器の前後左右方向の揺動を抑止することより、熱交換器と車体側との必要クリアランスを少なくしてスペースの効率化を実現できる他、ダイナミックダンパーとして安定したバネ定数を得ることができる車両用熱交換器の取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1記載の発明では、熱交換器の上部に突設された車両搭載ピンを、ラジエータコアサポートアッパに設けられたアッパブラケットと、該アッパブラケットに対して着脱自在に固定されるキャップでインシュレータを介して固定する車両用熱交換器の取付構造において、前記インシュレータは、車両搭載ピンを貫通させた状態で支持する円筒状の第1環状部と、該第1環状部の径方向外側に配置される環状の第2環状部と、これら両環状部を連結する連結部によって上方に開口した環状溝を備え、前記キャップは、キャップ本体から下方に突出する円筒状の環状係止部を備え、前記インシュレータの環状溝に上方からキャップの環状係止部を嵌合させることにより、連結部で熱交換器の上下方向の揺動を許容しつつ、環状係止部で熱交換器の前後左右方向の揺動を抑止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明にあっては、インシュレータは、車両搭載ピンを貫通させた状態で支持する円筒状の第1環状部と、該第1環状部の径方向外側に配置される環状の第2環状部と、これら両環状部を連結する連結部によって上方に開口した環状溝を備え、前記キャップは、キャップ本体から下方に突出する円筒状の環状係止部を備え、前記インシュレータの環状溝に上方からキャップの環状係止部を嵌合させることにより、連結部で熱交換器の上下方向の揺動を許容しつつ、環状係止部で熱交換器の前後左右方向の揺動を抑止するため、熱交換器と車体側との必要クリアランスを少なくしてスペースの効率化を実現できる他、ダイナミックダンパーとして安定したバネ定数を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
以下、実施例1を説明する。
図1は本発明の実施例1の車両用熱交換器の取付構造を示す分解斜視図、図2はアッパブラケットの拡大斜視図、図3は図2のS3−S3線におけるブラケットの装着状態を説明する断面図、図4はキャップの上面図、図5は同正面図、図6は同背面図、図7は同右側面図、図8は同左側面図、図9は同上面斜視図である。
図10はインシュレータの上面斜視図、図11は同底面斜視図、図12はアッパブラケット、キャップ、インシュレータ、ラジエータの固定を説明する図、図13はキャップ、アッパブラケット、ラジエータの装着を説明する図である。
なお、本実施例1では、車両用熱交換器をラジエータに適用した場合について説明する。また、図中左右対称の部材については同一の符号を付す。
【0009】
先ず、全体構成を説明する。
本実施例1の車両用熱交換器の取付構造は、ラジエータコアサポート1と、ラジエータ2と、コンデンサ3を主な構成としている。
前記ラジエータコアサポート1は、車幅方向に延設されたラジエータコアサポートアッパ1aと、該ラジエータコアサポートアッパ1aに並行するラジエータコアサポートロア1bと、これら両者の中央部同士を結合するフードロックステイ1cと、前記両者の両端部同士を結合するラジエータコアサポートサイド1d、1dを備えている。
【0010】
前記ラジエータコアサポートアッパ1aは、閉断面の金属製角パイプで構成されるアッパセンタ部1eと、下方に開口したコ字状断面の金属製板材で構成されるアッパサイド部1fで構成され、前記ラジエータコアサポートロア1bは閉断面の金属製角パイプで一体に構成されている。
また、前記アッパセンタ部1eとアッパサイド部1fとの結合を補強する補強部材1g、1g、フードロック取付け部1h、サイドメンバ取付けプレート1i、1iがそれぞれ金属製で構成されている。
また、フードロックステイ1cおよびラジエータコアサポートサイド1d、1dは樹脂製で構成され、その上部と下部は、前記アッパセンタ部1eとラジエータコアサポートロア1bに対し、射出成形によりその外周面を包み込む状態で樹脂をオーバーモールドすることにより結合一体化されている。
【0011】
前記ラジエータ2は、コア部2aの左右両側にタンク2b、2bを備え、その上部には左右一対の車両搭載ピンP1、P1が上向きに突設され、その下部には左右一対の車両搭載ピンP2、P2が下向きに突設されている。
【0012】
前記コンデンサ3は、コア部3aの左右両側にヘッダ3b、3bを備え、その上部には左右一対の車両搭載ピンP3、P3が上向きに突設され、その下部には左右一対の車両搭載ピンP4、P4が下向きに突設されている。
【0013】
前記アッパブラケット4は、コンデンサ3およびラジエータ2の上部を支持する役目をなすもので、ラジエータコアサポートアッパ1aに固定される。
具体的には、図2、3に示すように、前記アッパブラケット4は、樹脂で全体が形成され、左右のボルト孔T1、T1が形成された取付基板部4aと、該取付基板部4aの下方に断面略U字状に延設されたコンデンサ支持部4bと、取付基板部4aの後方へ向けて突設されたラジエータ支持部4cを備えている。
前記取付基板部4aのボルト孔T1、T1の車幅方向の口径は、アッパブラケット4を締結するボルトB1、B1のねじ部直径より大きくなるように形成されている。
前記コンデンサ支持部4bの水平な底辺部4dには、円筒形状のインシュレータ9を介して車両搭載ピンP3を弾性的に装着支持可能な係止孔T3が形成されている。
また、前記コンデンサ支持部における底辺部4dの前面側には、仮止め用のクリップピン4eが一体に突出形成される一方、ラジエータコアサポートアッパ1aの下面側にはクリップピン4eを挿入係止可能な係合孔T4が形成された支持板1jが設けられている。
前記クリップピン4eは矢印状に形成されていて、係合孔T4に差し込むことにより弾性的に係合してその抜けを阻止されると共に、この状態で支持板1jに対しクリップピン4eが車幅方向に移動できるように、前記係合孔T4の大きさが設定されている。
前記左右一対のボルト孔T1、T1と対向するラジエータコアサポートアッパ1aの後面には、ウエルドナットU1、U1が設けられている。
前記ラジエータ支持部4cは、左右一対のアーム部4f、4fを備えて後方に開いた平面略コ字状に形成され、該アーム部4f、4fの各先端部外側には後述するキャップ6を係着させるためのフック部4g、4gが形成されている。
【0014】
図4〜9に示すように、前記キャップ6は、樹脂で全体が形成され、左右両側に前記アーム部4f、4fが進入係合するスリット6a、6aが形成されている。
前記スリット6a、6aには、アーム部4f、4fのフック部4g、4gが突出する開窓部6b、6bが形成されると共に、該開窓部6b、6bに臨んでアーム部4f、4fの進入過程でフック部4g、4gが乗り越えると、該各フック部4g、4gに落ち込み係合するバネフック部6c、6cが形成されている。
なお、前記バネフック部6c、6cは開窓部6b、6bの手前側を基部として所要の長さで一体に形成して、該基部を支点に車幅方向に撓み変形して前記バネ作用を発揮できるようにしてある。
【0015】
また、前記キャップ6のキャップ本体6dの中央には車両搭載ピンP1の貫通を許容する大きさの貫通孔6eを備える段部11が形成されている。
さらに、前記キャップ本体6dには、環状の環状係止部6fが下方に向けて突設されている。
その他、前記キャップ6の後方側には3つのリブ6gを有し、且つ、前記環状係止部6fの外周との間に所定の隙間を有する半円筒形状に下方に突設した補強部6hが形成されている。
【0016】
図10、11に示すように、前記インシュレータ7は、ゴム等の弾性素材で全体が形成され、貫通孔7fを備える円筒状の第1環状部7aと、該第1環状部の外周に配置される環状の第2環状部7bと、これら両環状部を連結する連結部7cで構成され、これら三者によって上方に開口された環状溝7dが形成されている。
また、前記両環状部7a、7bは、連結部7cと比較し、板厚、形状により部分的に剛性を変えている。
【0017】
さらに、前記第2環状部7bには径方向外側に拡径したフランジ部7eが形成される他、このフランジ部7eと連結部7cとの間には、環状の溝12が形成され、これにより、連結部7cが上下方向に弾性変形し易い構造になっている。
【0018】
前記ロアブラケット5は、ラジエータ2及びコンデンサ3の下部側を支持する役目をなすもので、ラジエータコアサポートロア1bに対し予め位置決めした状態で固定され、その上面にラジエータ2の車両搭載ピンP2を円筒形状のインシュレータ8を介して弾性的に装着支持するための装着穴5aと、コンデンサ3の車両搭載ピンP4を円筒形状のインシュレータ10を介して弾性的に装着支持するための装着穴5bがそれぞれ形成されている。
【0019】
次に、コンデンサ3及びラジエータ2のラジエータコアサポートに対する取り付けを説明する。
コンデンサ3及びラジエータ2をラジエータコアサポートの取り付ける際には、先ず、コンデンサ3の左右下部において車両搭載ピンP4を、インシュレータ10を介してロアブラケット5の装着穴5bにそれぞれ挿入支持させる。
【0020】
次に、コンデンサ3の左右上部において車両搭載ピンP3を、インシュレータ9を介してアッパブラケット4のコンデンサ支持部4bの係止孔T3にそれぞれ挿入支持させる。
【0021】
次に、前記コンデンサ3の左右上部においてアッパブラケット4のクリップピン4eを支持板1jの係合孔T3に差し込んで係合することにより、コンデンサ3をラジエータコアサポート1に仮止めする。
【0022】
次に、ラジエータ2の左右下部において車両搭載ピンP2をインシュレータ8を介してロアブラケット5の装着穴5aに挿入支持させる。
【0023】
次に、ラジエータ2の左右上部において車両搭載ピンP1に上方からインシュレータ7を装着した後、該インシュレータ7に上方からキャップ6を装着してラジエータ2をラジエータコアサポート1に仮止めする。
具体的には、図12、13に示すように、前記インシュレータ7の貫通孔7fに車両搭載ピンP1を貫通させた状態とし、第1環状部7aの底部が車両搭載ピンP1のピンプレート13に当接するまで圧入することにより、インシュレータ7を車両搭載ピンP1に装着する。
次に、前記キャップ6の貫通孔6eに車両搭載ピンP1を貫通させた状態とし、インシュレータ7の第2環状部7bの上部7hがキャップ本体6dの底部6kに当接するまで圧入して環状係止部6fを環状溝7dに嵌合させることにより、キャップ6をインシュレータ7に装着する。
【0024】
この際、環状係止部6fは、第1環状部7aの外周を全周に亘って外嵌した状態となる。
さらに、環状係止部6fの底部6iと連結部7cとの間に第1空間部W1が形成される他、第1環状部7aの上部7hと段部11の底部6jとの間に第2空間部W2が形成される。
【0025】
従って、車両用搭載ピンP1及び第1環状部7aは、連結部7cにより上下方向に揺動可能で、環状係止部6iで前後左右方向の揺動を抑止された状態となる。
なお、第2環状部7bは、環状係止部6fの外周を全周に亘って外嵌して該環状係止部6fを位置決めすると共に、車両用搭載ピンP1及び第1環状部7aの前後左右方向の応力に対する抵抗体となっている。
【0026】
次に、ラジエータ2をアッパブラケット4、4側に押し付けると、その左右上部においてアーム部4fのフック部4gがキャップ6のバネフック部6cを乗り越えて該バネフック部6cに係合し、これにより車両搭載ピンP1を固定してラジエータ2をアッパブラケット4、4を介してアッパセンタ4、4に仮止めする。
なお、車両搭載ピンP1、P1、インシュレータ7、7、キャップ6、6の装着手順は、インシュレータ7、7とキャップ6、6との装着を先に行なった後、これらをそれぞれ車両搭載ピンP1、P1に装着するようにしても良い。
【0027】
次に、ラジエータコアサポート1にコンデンサ3およびラジエータ2を仮止めした状態で、その左右上部において取付基板部4aのボルト孔T1に挿通したボルトB1をアッパセンタ1dのウエルドナットU1にそれぞれ緩やかに螺合させ、この状態でアッパブラケット4を車幅方向に移動させて各部材間の位置調整を行う。
【0028】
なお、ラジエータ2とアッパブラケットとの位置調整は、車幅方向に長孔に形成された各取付基板部4aのボルト孔T1、T1の範囲内で行うことができ、また、コンデンサ3とアッパブラケット4、4との位置調整は、同じく車幅方向に長孔に形成された各コンデンサ支持部4cの係止孔T3、T3の範囲内で行うことができる。
【0029】
そして、前記位置調整を行った後にボルトB1、B1を完全に締結してアッパブラケット4、4をアッパセンタ4dに対して固定することにより、コンデンサ3およびラジエータ2の取り付けを完了する。
【0030】
次に、作用を説明する。
このように構成された車両用熱交換器の取付構造では、ラジエータ2の車両搭載ピンP2、P2をインシュレータ8、8を介して支持されるため、該インシュレータ8、8をバネとしてラジエータ2を上下動させることにより、自動車のアイドリング時における振動低減を図るダイナミックダンパーとして機能する。
【0031】
ここで、ラジエータ2の上部が前述した上下動に加えて前後左右方向に揺動してしまうと、ラジエータ2に近接した周辺部材、例えばラジエータコアサポート1、コンデンサ3、各種の配線ハーネス等に接触する虞があるため、ラジエータ2と周辺部材とのクリアランスを大きく確保する必要が生じる。
しかしながら、本実施例1の車両用熱交換器の取付構造では、連結部7cで車両搭載ピンP1と第1環状部7aの上下方向の揺動を許容しつつ、環状係止部6fで車両搭載ピンP1と第1環状部7aの前後左右方向の揺動を抑止でき、換言すると、ラジエータ2の上下方向の揺動を許容しつつ、ラジエータ2の前後左右方向の揺動を抑止できるため、ラジエータ2と周辺部材とのクリアランスを従来よりも少なくしてエンジンルーム内のスペースの効率化を図れる。
また、前記ラジエータ2が上下方向に揺動した際のインシュレータ7の変位を第1空間部W1と第2空間部W2で許容できる。
【0032】
次に、効果を説明する。
以上、説明したように、本実施例1の車両用熱交換器の取付構造にあっては、ラジエータコアサポートアッパ1aのアッパブラケット4に設けられた一対のアーム部4fと、該アーム部4fに係合可能なスリット6aを有するキャップ6によりラジエータ2の上部に突設された車両搭載ピンP1をインシュレータ7を介して支持する車両用熱交換器の取付構造において、インシュレータ7は、車両搭載ピンP1を貫通させた状態で支持する円筒状の第1環状部7aと、該第1環状部7aの径方向外側に配置される環状の第2環状部7bと、これら両環状部7a、7bを連結する連結部7cによって上方に開口した環状溝7dを備え、キャップ6は、車両搭載ピンP1の貫通を許容する貫通孔6eを有するキャップ本体6dと、該キャップ本体6dから下方に突出する円筒状の環状係止部6fを備え、インシュレータ7の環状溝7dに上方からキャップ6の環状係止部6fを嵌合させることにより、ラジエータ2の上下方向の揺動を許容しつつ、ラジエータ2の前後左右方向の揺動を抑止するため、環状係止部6fで第1環状部7aを介して車両搭載ピンP1の前後左右方向の揺動、換言するとラジエータ2の前後左右方向の揺動を抑止することができ、これにより、ラジエータ2と車体側との必要クリアランスを少なくしてスペースの効率化を実現できる他、ダイナミックダンパーとして安定したバネ定数を得ることができる。
【0033】
また、環状係止部6fの底部6iと連結部7cとの間に第1空間部W1を形成し、第1環状部7aの上部7gと段部11の底部6jとの間に第2空間部W2を形成する一方、第2環状部7bの上部7hとキャップ本体6dの底部6kを当接した状態にしたため、インシュレータ7の環状溝7dに上方からキャップ6の環状係止部6fを嵌合させる際に、第2環状部7bの上部7hとキャップ本体6dの底部6kが当接して両者を位置決めして適正に固定できる。
また、車両搭載ピンP1の上下方向の揺動によるインシュレータ7の変位を第1空間部W1と第2空間部W2で許容でき、これにより、ラジエータ2の上下方向の揺動を許容しつつ、ラジエータ2の前後左右方向の揺動を抑止できる。
【0034】
以上、本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、本実施例1では、車両用熱交換器の取付構造をラジエータに適用した場合について説明したが、コンデンサに適用しても良く、さらにラジエータとコンデンサが一体的に形成された一体型熱交換器に適用しても良い。
また、本実施例1では、ラジエータ2及びコンデンサ3をアッパブラケット4に固定したが、両者を個別のブラケットで固定しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施例1の車両用熱交換器の取付構造を示す分解斜視図である。
【図2】アッパブラケットの拡大斜視図である。
【図3】図2のS3−S3線におけるブラケットの装着状態を説明する断面図である。
【図4】キャップの上面図である。
【図5】キャップの正面図である。
【図6】キャップの背面図である。
【図7】キャップの右側面図である。
【図8】キャップの左側面図である。
【図9】キャップの上面斜視図である。
【図10】インシュレータの上面斜視図である。
【図11】インシュレータの底面斜視図である。
【図12】アッパブラケット、キャップ、インシュレータ、ラジエータの固定を説明する図である。
【図13】キャップ、アッパブラケット、ラジエータの固定を説明する図である。
【符号の説明】
【0036】
B1 ボルト
P1、P3 車両搭載ピン
P2、P4 車両搭載ピン
T1 ボルト孔
T3 係止孔
T4 係合孔
U1 ウエルドナット
1 ラジエータコアサポート
1a ラジエータコアサポートアッパ
1b ラジエータコアサポートロア
1c フードロックステイ
1d ラジエータコアサポートサイド
1e アッパセンタ部
1f アッパサイド部
1g 補強部材
1h フードロック取付け部
1i サイドメンバ取付けプレート
1j 支持板
2 ラジエータ
2a、3a コア部
2b タンク
3 コンデンサ
3b ヘッダ
4 アッパブラケット
4a 取付基盤部
4b コンデンサ支持部
4c ラジエータ支持部
4d 底辺部
4e クリップピン
4f アーム部
5 ロアブラケット
5a、5b 装着穴
6 キャップ
6a スリット
6b 開窓部
6c バネフック部
6d キャップ本体
6e 貫通孔
6f 環状係止部
6g リブ
6h 補強部
6i (環状係止部の)底部
6j (段部の)底部
6k (キャップ本体の)底部
7、8、9、10 インシュレータ
7a 第1環状部
7b 第2環状部
7c 連結部
7d 環状溝
7e フランジ部
7f 貫通孔
7g (第1環状部の)上部
7h (第2環状部の)上部
11 段部
12 溝
13 ピンプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラジエータコアサポートアッパのアッパブラケットに設けられた一対のアーム部と、該アーム部に係合可能なスリットを有するキャップにより熱交換器の上部に突設された車両搭載ピンをインシュレータを介して支持する車両用熱交換器の取付構造において、
前記インシュレータは、車両搭載ピンを貫通させた状態で支持する円筒状の第1環状部と、該第1環状部の径方向外側に配置される環状の第2環状部と、これら両環状部を連結する連結部によって上方に開口した環状溝を備え、
前記キャップは、キャップ本体から下方に突出する円筒状の環状係止部を備え、
前記インシュレータの環状溝に上方からキャップの環状係止部を嵌合させることにより、連結部で熱交換器の上下方向の揺動を許容しつつ、環状係止部で熱交換器の前後左右方向の揺動を抑止することを特徴とする車両用熱交換器の取付構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2006−160086(P2006−160086A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−354448(P2004−354448)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】