説明

車両用空調装置

【課題】降雪時に、デフロスタ吹出し口から吹き出される空調風によってフロントウインドガラスの着雪が溶融することに起因する視界の低下を防止する。
【解決手段】エアコンには、ヒータコアをバイパスして、外気をDEF吹出し口へ供給可能とするバイパスドアが設けられており、エアコンECUは、フロントウインドガラスの防曇を図りながら車室内の暖房を行っているときに、降雪が検出されると(ステップ102、ステップ110、112)、車速vと外気温Taに基づいてバイパスドアを開くと共に、DEF吹出し口から吹き出された外気を吸引するファンモータを駆動する(ステップ114〜ステップ130)。これにより、外気がDEF吹出し口からフロントウインドガラスへ吹き出されるようにして、フロントウインドガラスの着雪が溶融してしまうのを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられて車室内の空調及び、DEF吹出し口から吹出す温風によってフロントウインドガラスの防曇を行う車両用空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に設けられる空調装置(以下、エアコンとする)では、FACE吹出し口ないしFOOT吹出し口から吹出す空調風によって車室内を空調する。例えば、車室内を暖房したいときには、主に、乗員の足元へ向けて開口された足元吹出し口を選択し(FOOTモード)、この足元吹出し口から温風を吹き出すことにより、乗員に不快感を生じさせることなく、十分な暖房感が得られるようにしている。
【0003】
一方、車両では、冬季などで外気温度が低いためにウインドガラスの表面温度が低下したり、車室内の湿度が上昇するなどして、ウインドガラスの表面温度が露点温度となると曇りが生じてしまう。フロントウインドガラスの曇りは、乗員の前方視界を悪化させてしまう。
【0004】
ここから、エアコンには、フロントウインドガラスへ向けて開口されたデフロスタ吹出し口(以下、DEF吹出し口とする)が設けられ、エアコンでは、スイッチ操作によってDEFモードが選択されると、このDEF吹出し口からフロントウインドガラスへ向けて温風を吹き出して、フロントウインドガラスの曇り除去が行われるようにしている。
【0005】
また、車室内を暖房しているときには、ウインドガラスが閉じられていることが多く、フロントウインドガラスに曇りが生じ易く、エアコンでは、空調風の吹出しモードとして、FOOT吹出し口とDEF吹出し口から空調風を吹出すFOOT/DEFモードが設けられ、車室内を暖房しながら、フロントウインドガラスの防曇が図られるようにしている。
【0006】
さらに、エアコンでは、マニュアル操作によってFOOTモードが選択されていると、DEF吹出し口が閉じられているが、オートモードでFOOTモードが選択されたときには、DEF吹出し口を開いてフロントウインドガラスへ向けて温風が吹き出されるようにしている。
【0007】
ところで、降雪時に車室内を暖房していると、フロントウインドガラスの着雪が溶融する。特に、フロンとウインドガラスの防曇を図るためにデフロスタ吹出し口からフロントウインドガラスへ向けて温風を吹出していると、フロントウインドガラスが温められ、このフロントウインドガラスの熱によって、フロントウインドガラスに付着した雪が溶融する。
【0008】
このときに、外気温が極めて低いと、フロントウインドガラスに付着した水分が凍結して、フロントウインドガラスを白くして車両の前方視界を低下させてしまうことがある。
【0009】
ここから、特許文献1では、低温高湿時にDEF吹出し口への配風率、吹き出し風量、吹出し温度を増大するように制御することにより、フロントウインドガラスの外面に付着した水分の凍結を防止するように提案している。
【特許文献1】特開平10−6736号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、DEF吹出し口から吹き出す空調風の風量を増大させても、外気温が極めて低いと、着雪が溶融して生じた水滴が凍結してしまう。
【0011】
また、降雪時には、着雪を払拭するためにワイパ装置が作動されることが多く、このときに、着雪が溶融して生じた水滴がフロントウインドガラス上で拡散され、凍結が生じ易い薄膜が形成されてしまい、この水分の薄膜がフロントウインドガラスの表面で凍結すると、フロントウインドガラスの外面に広い範囲で白い幕が形成されてしまう。
【0012】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、降雪時に、ワイパ装置を作動させても、フロントウインドガラスの着雪が凍結してしまうことにより視界が低下してしまうのを抑えることができる車両用空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、車両に設けられて車室内を空調すると共に、デフロスタ吹出し口から吹出される温風によってフロントウインドガラスの防曇を図る車両用空調装置であって、車外から導入される空気を、加熱手段をバイパスして前記デフロスタ吹出し口へ案内するバイパス手段と、車外の天候が降雪か否かを検出する降雪検出手段と、外気温を検出する外気温検出手段と、前記車両の走行速度を検出する車速検出手段と、前記デフロスタ吹出し口を含む吹出し口から吹き出される空調風によって車室内の暖房運転が行われているときに、前記降雪検出手段によって降雪が検出されることにより、前記外気温検出手段及び前記車速検出手段の検出結果に基づいて前記バイパス手段を作動させるバイパス制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、デフロスタ吹出し口へ供給する空気を加熱する加熱手段をバイパスするバイパス手段を設け、バイパス手段を作動させることにより、外気がデフロスタ吹出し口へ供給されてフロントウインドガラスへ吹き出されるようにしている。
【0015】
また、バイパス制御手段は、デフロスタ吹出し口から空調風を吹出して防曇を図りながら車室内の暖房が行われているときに、降雪が検出されると、外気温と車速に応じて、バイパス手段を作動させる。
【0016】
このときに、バイパス手段が作動されることにより、外気がデフロスタ吹出し口から吹き出され、降雪によってフロントウインドガラスに付着した雪がデフロスタ吹出し口から吹き出される空調風の熱によって溶融してしまうのを防止する。
【0017】
これにより、通常状態では、デフロスタ吹出し口から吹き出す空調風によってフロントウインドガラスの防曇を図りながら、降雪時には、フロントウインドガラスの着雪が溶融して、凍結してしまうことにより視界が低下してしまうのを防止することができる。
【0018】
請求項2に係る発明は、車両が走行状態で、前記外気温が予め設定された温度以下である時に、前記バイパス制御手段が、前記バイパス手段を作動することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、降雪状態で車両が走行しているときに、外気温が設定温度より低い環境下で、バイパス手段を作動させる。これにより、不必要にデフロスタ吹出し口から外気が吹き出されることによる暖房効率の低下を防止することができる。
【0020】
このような本発明では、所定温度以下の範囲で、車両の走行速度が高くなるほど、前記設定温度が高くなるように設定されるものであっても良い。
【0021】
また、請求項4に係る発明は、前記フロントウインドガラスの車室上方側に設けられて前記デフロスタ吹出し口から前記フロントウインドガラスの内面に沿って吹き出される空調風を吸引する吸引手段と、前記吸引手段によって吸引される空調風を車室後方側へ案内して車外に排出可能とするダクトと、を含み、前記バイパス制御手段が、前記バイパス手段と共に前記吸引手段を作動することを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、デフロスタ吹出し口からフロントウインドガラスへ吹き出される外気を、フロントウインドガラスの上部から吸引手段によって吸引して、車外へ排出可能としている。
【0023】
これにより、デフロスタ吹出し口から吹き出される外気によって車室内の暖房性が低下したり、デフロスタ吹出し口から吹き出される外気が乗員に当たって、乗員に不快感を生じさせてしまうのを防止することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明によれば、デフロスタ吹出し口から吹き出す空調風によってフロントウインドガラスの防曇を図りながら、降雪時で、水分が凍結してしまう環境下では、デフロスタ吹出し口から外気を吹き出すので、フロントウインドガラスの着雪が溶融してしまうことがなく、溶融した着雪が凍結してしまうことによる視界の悪化を確実に防止することができるという優れた効果が得られる。
【0025】
また、本発明では、デフロスタ吹出し口からフロントウインドガラスに吹き出された外気を、吸引手段によって吸引して車外に排出されるようにするので、車室内の快適性が損なわれてしまうのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図1乃至図3には、本実施の形態に係る車両用空調装置(以下、エアコン10とする)の概略構成を示している。
【0027】
なお、本実施では、走行用の駆動源としてエンジンを備えた車両又は、エンジンと電気モータを備えたハイブリッド車(以下、車両12とする。図4参照)に適用されるエアコン10を例に説明するが、本発明は、これに限らず、電気モータを駆動源とする電気自動車などの各種の構成の車両に適用することができる。
【0028】
図2に示されるように、エアコン10は、コンプレッサ14、コンデンサ16、エキスパンションバルブ18及びエバポレータ20等によって冷凍サイクルが形成されている。エアコン10では、コンプレッサ14によって圧縮されて高温、高圧となった冷媒がコンデンサ16へ送られ、コンデンサ16でこの冷媒が冷却されることにより液化される。
【0029】
コンデンサ16で液化された冷媒は、エキスパンションバルブ18を介してエバポレータ20へ送られ、エアコン10では、エバポレータ20で液化された冷媒が気化されることにより、エバポレータ20を通過する空気の冷却及び除湿を行なう。エキスパンションバルブ18は、液化されている冷媒を急激に減圧することにより霧状としてエバポレータ20へ送りこみ、エバポレータ20での冷媒の気化効率、すなわち、エバポレータ20での冷却効率の向上が図られるようにしている。
【0030】
一方、エアコン10は、エアコンユニット22及びブロワユニット24を備えている。エアコンユニット22は、ケーシング22A内に前記したエバポレータ20が設けられ、このエバポレータ20を通過する空気の流路が形成されている。
【0031】
ブロワユニット24は、エアコンユニット22に連結され、ケーシング24A内にブロワファン26が設けられている。また、ブロワユニット24には、導入箱28が連結されている。
【0032】
エアコン10では、ブロワモータ30の駆動によってブロワファン26が回転駆動されることにより、導入箱28からブロワユニット24内に空気が吸引され、吸引された空気がエアコンユニット22へ送られる。このときに、コンプレッサ14が回転駆動されていることにより、この空気がエバポレータ20を通過するときに冷媒との間で熱交換が行われる。
【0033】
エアコン10では、空調風を生成するときの空気の導入モードとして、外気を導入する外気導入モードと、温調された車室32(図4参照)内の空気を導入する内気循環モードが設定されている。導入箱28には、車室32に開口された内気導入口34Aと、車外に向けて開口された外気導入口34Bが形成されると共に、内気導入口34A及び外気導入口34Bを選択的に開閉する切換ドア36が設けられている。
【0034】
エアコン10では、導入モードに応じて切換ドア36が作動されて、内気導入口34Aないし外気導入口34Bが開閉される。なお、エアコン10は、導入モードとして、内気と外気を混合して導入する内外気導入モードを含んでも良く、このときには、切換ドア36が内気導入口34A及び外気導入口34Bのそれぞれを開くように作動される。
【0035】
エアコンユニット22には、エバポレータ20の下流側に加熱手段としてヒータコア38が設けられ、エバポレータ20とヒータコア38との間に、ヒータコア38を通過する空気量を制御するエアミックスドア40が設けられている。ヒータコア38には、図示しないエンジンのエンジン冷却液が循環されるようになっており、これにより、ヒータコア38を通過する空気が加熱される。
【0036】
エアコン10では、ヒータコア38によって加熱された空気と、ヒータコア38をバイパスすることによりエバポレータ20を通過したときのままの温度の空気を混合する。このときに、エアミックスドア40によってヒータコア38を通過する空気量(加熱される空気量)とヒータコア38をバイパスする空気量(加熱されない空気量)を制御することにより、所望の温度の空気(以下、空調風とする)が生成される。なお、本実施の形態では、加熱手段としてヒータコア38を設けているが電気自動車等においては、電気ヒータなどの公知の加熱手段を適用することができる。
【0037】
一方、エアコン10では、空調風の吹出し口として、車両12のフロントウインドガラス42(図4参照)に向けて開口されたデフロスタ吹出し口(以下、DEF吹出し口44とする)、乗員へ向けて開口されたレジスタ吹出し口(以下、FACE吹出し口46とする)及び、乗員の足元へ向けて開口された足元吹出し口(以下、FOOT吹出し口48とする)が設けられている。
【0038】
DEF吹出し口44は、例えば、車幅方向の中央部に開口されたセンタDEF吹出し口44A及び、センタDEF吹出し口44Aを挟んで形成されたサイドDEF吹出し口44Bを含み、FACE吹出し口46が、車幅方向の中央部のセンタFACE吹出し口46Aと、車幅方向の両側のサイドFACE吹出し口46Bとを含む。また、FOOT吹出し口48は、前席側の前席FOOT吹出し口48Aと、後席側の後席FOOT吹出し口48Bを含む。
【0039】
エアコンユニット22には、DEF吹出し口44が形成されたダクト50A、FACE吹出し口46が形成されたダクト50B及びFOOT吹出し口48が形成されたダクト50Cが連結され、ダクト50Cに後席FOOT吹出し口48Bが形成されたリヤヒータダクト50Dが連結されている。なお、リヤヒータダクト50Dは、ダクト50Cを介さずにエアコンユニット22に連結されたものであっても良い。
【0040】
また、エアコンユニット22には、DEF吹出し口44(ダクト50A)、FACE吹出し口46(ダクト50B)及びFOOT吹出し口48(ダクト50C及びリアヒータダクト50D)を選択的に開閉するモード切換ドア52が設けられている。
【0041】
エアコン10では、車室32内を空調するときの空調風の吹出しモードとして、DEF吹出し口44からフロントウインドガラス42へ向けて空調風を吹き出すDEFモード、FACE吹出し口46から前席の乗員へ向けて空調風を吹き出すFACEモード、FOOT吹出し口48から乗員の足元へ向けて空調風を吹き出すFOOTモード、FACE吹出し口46とFOOT吹出し口48から空調風を吹き出すBI−LEVELモード及び、DEF吹出し口44とFOOT吹出し口48から空調風を吹き出すFOOT/DEFモードが設定されている。
【0042】
エアコン10では、空調風の吹出しモードが設定されると、設定された吹出しモードに基づいてモード切換ドア52が作動される。
【0043】
図1には、本実施の形態に適用されるエアコンユニット22の一例とする具体的構成を示している。このエアコンユニット22は、DEF吹出し口44、FACE吹出し口46、FOOT吹出し口48(ここでは、一例として前席FOOT吹出し口48A、後席FOOT吹出し口48B)のそれぞれと連通される開口及び、ブロワユニット24に連通される開口が設けられた略箱体形状とされている。
【0044】
また、エアコンユニット22のケーシング22Aには、ブロワユニット24に連通される開口にエバポレータ20が配設され、DEF吹出し口44、FACE吹出し口46及びFOOT吹出し口48に連通される開口に、モード切換ドア52が配設されている。また、ケーシング22A内には、ヒータコア38及びエアミックスドア40が配設され、エアミックスドア40の全閉(図1に実線で示す)状態で、エバポレータ20からヒータコア38をバイパスする空調風の流路が形成され、エアミックスドア40の全開(図1で破線で示す)状態で、エバポレータ20からヒータコア38を通過する空調風の流路が形成されるようになっている。
【0045】
図3に示されるように、エアコン10は、制御手段としてエアコンECU54を備えている。このエアコンECU54は、CPU、ROM、RAM等がバスによって接続された一般的構成のマイクロコンピュータ、各種の入出力回路、駆動回路等を備えた公知の構成を適用されている(何れも図示省略)。
【0046】
このエアコンECU54は、図示しないエンジンによって駆動されるコンプレッサ14による冷媒の圧縮圧力を制御することにより冷房能力を制御する。なお、コンプレッサ14は、電気モータによって回転駆動されるものであっても良い。
【0047】
エアコンECU54には、ブロワファン26を回転駆動するブロワモータ30が接続されていると共に、切換ドア36、エアミックスドア40、モード切換ドア52を作動するアクチュエータ56A、56B、56Cが接続されている。これにより、エアコンECU54では、空調風の風量(ブロワ風量)と共に、内気循環モードと外気導入モードの切換、風量制御、温調及び吹出しモードの切換が可能となっている。
【0048】
エアコンECU54には、運転/停止操作及び運転条件等の入力操作及び入力された運転条件、エアコン10の運転状態等の表示が行われる操作パネル58が接続されている。また、エアコンECU54には、車室32内の温度(室温)を検出する室温センサ60、車外の温度(外気温)を検出する外気温センサ62、日射量を検出する日射センサ64、エバポレータ20を通過した空気の温度を検出するエバポレータ後温度センサ66、ヒータコア38を循環されるエンジン冷却液の液温を検出する液温センサ68などの環境条件、運転状態等を検出する各種のセンサが接続されている。
【0049】
エアコンECU54は、操作パネル58のスイッチ操作によって運転モード、設定温度などの運転条件が設定されて空調運転の開始が指示されると、運転条件と、各種のセンサによって検出される環境条件などに基づいて、車室32内を設定温度とするように空調運転を行う。
【0050】
このとき、エアコンECU54は、空調風の目標吹出し温度を、設定温度、室温、外気温、日射量などに基づいて設定し、目標吹出し温度及びエンジン冷却液の液温等に基づいて、目標噴出し温度が得られるようにエアミックスドア40の開度を設定する。
【0051】
エアコンECU64では、マニュアルモードでの空調運転に設定されているときには、操作パネル58のスイッチ操作に基づいた空調風の吹出しモード、ブロワ風量(吹出し風量)に基づいてブロワモータ30、アクチュエータ56C(モード切換ドア52)を制御する。
【0052】
また、エアコンECU54では、オートモードでの空調運転に設定されていると、目標吹出し温度に基づいて空調風の吹出しモード、ブロワ風量等を設定し、設定に基づいてブロワモータ30及びアクチュエータ56C等の作動を制御する。
【0053】
これにより、エアコン10では、操作パネル58の設定に基づいた空調運転を行いながら、車室32内が設定された空調状態となるようにしている。
【0054】
一方、エアコンECU54は、操作パネル58のスイッチ操作によってDEFモードが選択されると、DEF吹出し口44から空調風が吹き出されるようにアクチュエータ56Cを作動する。また、エアコンECU54では、エアミックスドア40が最大開度となるようにアクチュエータ56Bを作動させることにより、ヒータコア38を通過する空気量が最大となるようにする。これと共に、エアコンECU54では、導入モードを外気導入モードに設定する。
【0055】
これにより、湿度の低い外気がヒータコア38で加熱されて生成された温風がDEF吹出し口44からフロンとウインドガラス42へ向けて吹出されて、フロントウインドガラス42の内面の曇り除去及び、曇り防止(防曇)がなされるようにしている。すなわち、エアコン10では、乗員がフロントウインドガラス42の曇り除去ないし曇り防止のためにDEFスイッチを操作すると、外気から生成した温風をDEF吹出し口44から吹出す。
【0056】
また、エアコンECU54は、マニュアルモードでFOOTモードに設定されると、DEF吹出し口44が閉じられて、FOOT吹出し口48から空調風が吹き出されるようにするが、FOOT/DEFモードが選択されたとき及び、オートモードで空調運転が行われるときにエアコンECU54がFOOTモードに設定すると、DEF吹出し口44が所定量だけ開かれるようにモード切換ドア52(アクチュエータ56C)が作動される。
【0057】
これにより、エアコン10では、フロントウインドガラス42に曇りが生じる可能性の高い車室26内の暖房状態であるときに、DEF吹出し口44から温風を吹出すことにより、フロントウインドガラス42に曇りが生じてしまうのを防止して、最適な視界確保が可能となるようにしている。なお、このようなエアコン10の基本的構成は、公知の一般的構成を適用できる。
【0058】
ところで、図3に示されるように、エアコン10には、降雪検出手段として着雪センサ70が設けられており、この着雪センサ70がエアコンECU54に接続されている。
【0059】
この着雪センサ70としては、例えば、降雪により雪が付着(着雪)することにより静電容量が変化する静電容量センサを用いることができ、エアコンECU54は、着雪センサ70の静電容量の変化から、降雪状態か否か(車外の天候が降雪か否か)を判定するようにしている。
【0060】
この着雪センサ70は、降雪時に着雪する部位であれば、車体外面の任意の部位に設けることができるが、例えば、フロントウインドガラス42の上端側又は下端側で乗員の視界を妨げない位置や、フロントウインドガラス42の上端近傍又は下端近傍の車体(例えばルーフパネルなど)の表面などに設けることがより好ましく、これにより、フロントウインドガラス42の表面に着雪があるか否かを的確に判定可能となる。
【0061】
また、エアコンECU54には、車両の走行速度(車速)を検出する車速センサ72が接続されている。エアコンECU54は、車速センサ72の出力から、車両12が停止状態か否かを判定及び、車両12が走行状態である時には、その車速の判定(検出)が可能となっている。
【0062】
一方、図1及び図2に示されるように、本実施の形態に適用したエアコン10では、エアコンユニット22にバイパス手段としてバイパスドア74が設けられている。図2に示されるように、バイパスドア74は、エバポレータ20とヒータコア38との間に設けられている。エアコンユニット22では、このバイパスドア74が開かれる(図2に実線で示す状態)ことにより、エバポレータ20を通過した空気が、DEF吹出し口44(ダクト50A)へ案内される。
【0063】
すなわち、エアコンユニット22では、バイパスドア74が開かれると、ヒータコア38をバイパスされた空気が、DEF吹出し口44から吹き出されるようになっている。
【0064】
図1に示されるように、本実施の形態に適用されるエアコンユニット22では、エバポレータ20に隣接する位置に、DEF吹出し口44と連通される開口(以下、DEF吹出し口44とする)が形成されており、バイパスドア74は、エバポレータ20とDEF吹出し口44との間に配設されている。
【0065】
ここで、エアコン10では、外気温が低く暖房負荷が大きいときには、エアミックスドア40が全閉状態となり、このときに、バイパスドア74が開かれる(図1に破線で示す)ことにより、エバポレータ20を通過した空気の一部が、ヒータコア20を通過せずにDEF吹出し口44へ至るようになっている。このように、バイパスドア74は、エアコンユニット22内に、比較的容易に設けることができる。なお、図1では、通常状態での空調風の流れを二点鎖線の矢印で示し、バイパスドア74を開いたときを破線で示している。
【0066】
図3に示されるように、エアコンECU54には、バイパスドア74を作動するアクチュエータ76が接続されており、エアコンECU54は、アクチュエータ76を駆動することにより、バイパスドア74の開閉を制御する。
【0067】
前記した如く、エアコンECU54では、オートモードで空調運転が行われるときに、運転条件及び環境条件等から空調風の吹出しモードがFOOTモードに設定されたとき(以下、FOOTモードが選択されたときとする)及びFOOT/DEFモードが選択されたときに、DEF吹出し口44から空調風(主として温風)が吹き出されるようにして、フロントウインドガラス42の防曇が図られるようにしている。
【0068】
ここで、エアコンECU54では、降雪状態でフロントウインドガラス42等への着雪が着雪センサ70によって検出されていると、車速センサ72によって車両12が走行中であるか否かを確認し、車両12が走行中であれば、車速センサ72によって検出される車速と外気温センサ62によって検出される外気温とに基づいて、アクチュエータ76を作動して、バイパスドア74を開閉する。
【0069】
また、エアコンECU54では、バイパスドア74を開いたときに、外気導入モードとなるようにしている。すなわち、バイパスドア74を開いたときに、内気循環モードに設定されていると、エアコンECU54は、アクチュエータ56Aを駆動して、切換ドア36によって内気導入口34Aを閉塞すると共に、外気導入口34Bを開くようにしている。
【0070】
これにより、エアコン10では、バイパスドア74が開かれることより、FOOT吹出し口48からは温調された空調風が吹き出されるが、DEF吹出し口44からは、ヒータコア38をバイパスされた外気が吹き出されるようにしている。
【0071】
一方、図4に示されるように、車両12では、フロントウインドガラス42の下端部近傍のインストルメントパネル42AにDEF吹出し口44が形成されており、DEF吹出し口44からフロントウインドガラス42の内面に沿って下方から上方へ空調風が吹き出される。
【0072】
この車両12には、ヒータコア38をバイパスした空気がDEF吹出し口44から吹出されたときに、DEF吹出し口44から吹出された空気を排出する排気装置78が設けられている。
【0073】
排気装置78は、ループパネル80と車室32側の内装材82との間に形成されたダクト84を備えている。このダクト84は、車両前後方向に沿って形成されており、車両前方側の端部が、吸引口86として、フロントウインドガラス42の上端部近傍で開口されている。この吸引口86は、長手方向が車幅方向(図4の紙面表裏方向に沿うスリット状に形成され、フロントウインドガラス42の車幅方向の略全域に対向されている。
【0074】
また、ダクト84内には、軸流ファンを用いた吸引ファン88が配設されており、これにより、吸引ファン88が回転駆動されると、フロントウインドガラス42の内面近傍の空気が、吸引口86からダクト84内に吸引される。
【0075】
このダクト84は、車両後方側の端部が、例えば、図示しないリヤウインドガラスの上端部近傍に開口されており、ダクト84内に吸引された空気は、リヤウインドガラスの内面に沿って吹出されて、車両後部側から車室32内の空気として車外へ排出される。
【0076】
図3に示されるように、エアコンECU54には、吸引ファン88を回転駆動するファンモータ90が接続されている。エアコンECU54は、アクチュエータ76を駆動してバイパスドア74を開いたときに、ファンモータ90を回転駆動する。
【0077】
これにより、DEF吹出し口44から吹出された空調風が、吸引ファン88によって吸引口86からダクト84内に吸引されて、車両後方側から車外に排出される。
【0078】
このように構成されているエアコン10では、操作パネル58のスイッチ操作によって運転条件が設定されて空調運転の開始が指示されると、エアコンECU54が、運転条件を読み込むと共に、室温センサ60、外気温センサ62、日射センサ64などによって検出される環境条件を読み込む。
【0079】
この後、エアコンECU54では、運転条件と環境条件等に基づいて空調風の目標吹出し温度を演算し、この目標吹出し温度と運転条件の設定等に基づいて、コンプレッサ14、ブロワモータ30、アクチュエータ56A〜56Cの駆動を制御する。これにより、エアコン10では、外気温が低いと、空調風の吹出しモードがFOOTモード又はFOOT/DEFモードに設定されて暖房運転が行われる。
【0080】
また、エアコン10では、操作パネル58のスイッチ操作によってDEFモードが選択されると、DEF吹出し口44を開き、FACE吹出し口46及びFOOT吹出し口48を閉じて、ブロワ風量を所定風量(例えば最大風量)とするようにブロワモータ30を駆動すると共に、エアミックスドア40が最大開度(全開)となるようにアクチュエータ50Bを駆動する。
【0081】
これにより、ヒータコア38によって加熱されることにより生成された温風が、DEF吹出し口44からフロントウインドガラス32の表面へ向けて吹出され、フロントウインドガラス32の曇り除去及び、曇り防止が図られる。
【0082】
ところで、車室32内を暖房しているときに、DEF吹出し口44から温風を噴出して、フロントウインドガラス42の防曇を行うと、フロントウインドガラス42の温度が上昇する。このときに、車外の天候が雪であると、フロントウインドガラス42の着雪が溶融する。
【0083】
このときに、外気温が極めて低いとフロントウインドガラス42の水滴が凍結してしまう。特に、フロントウインドガラス42の着雪を払拭するためにワイパ装置を作動させると、拡散された水分が凍結してフロントウインドガラス42に白い幕を形成してしまう。
【0084】
本実施の形態に適用したエアコン10では、降雪時にフロントウインドガラス42の温度上昇を抑えることにより、確実な視界確保が可能となるようにしている。
【0085】
ここで、図5を参照しながら、エアコン10に設けているエアコンECU54によるバイパスドア74を用いた着雪の溶融防止制御を説明する。
【0086】
このフローチャートは、車両12の図示しないイグニッションスイッチがオンされるか、操作パネル58のスイッチ操作によってエアコン10による空調運転の開始が指示されることにより、操作パネル58で設定された運転条件に基づいた空調運転と並行して実行される。
【0087】
このフローチャートでは、最初のステップ100で初期設定を行う。エアコン10では、通常、バイパスドア74が閉止されると共に、排気装置78の吸引ファン88がオフされており、初期設定では、バイパスドア74を閉じると共にファンモータ90をオフする。
【0088】
この後、ステップ102では、空調風の吹出しモードがFOOT/DEFモードか、オートモードのFOOTモードか否かを確認する。すなわち、車室32内を暖房するときにDEF吹出し口44から空調風(温風)が吹き出されているか否かを確認する。
【0089】
ここで、FOOT/DEFモード又はオートモードでのFOOTモードでなければ、ステップ102で否定判定してステップ104へ移行し、バイパスドア74を兵状態に保持すると共に、ファンモータ88をオフする(ステップ106)。これと共に、空気の導入モードを運転条件又は運転条件に基づいたエアコンECU54での設定状態とする。すなわち、ステップ104からステップ108では、通常の空調運転状態とする。
【0090】
一方、FOOT/DEFモード又はオートモードでのFOOTモードが選択されているときには、ステップ102で肯定判定してステップ110へ移行する。このステップ110では、着雪センサ70の検出値を読込み、次のステップ112では、車外の天候が雪か否かを判定する。すなわち、降雪状態でフロントウインドガラス42に着雪があるか否かを確認する。このときに、着雪が検出されずにステップ112で否定判定されると、ステップ104へ移行し、通常の空調運転状態を継続する。
【0091】
ここで、着雪センサ70によって着雪が検出されると、ステップ112で肯定判定してステップ114へ移行し、車速センサ72によって検出される車両12の車速vを読み込み、ステップ116では、車両12が停止状態(車速v=0km/h)であるか否かを確認する。
【0092】
このときに、車両12が停止していると、ステップ116で肯定判定して、通常の空調状態を継続する。また、車両12が走行中(例えば、車速v=3〜5km/h以上)であれば、ステップ116で否定判定してステップ118へ移行して、外気温センサ62によって検出される外気温Taを読み込む。
【0093】
この後、ステップ120では、外気温Taが予め設定した設定温度Ts以下か否かを確認する。ここで、本実施の形態では、設定温度Tsの下限の一例として、水滴が確実に凍結してしまう温度である−20°C(設定温度Ts=−20°C)に設定している。
【0094】
ここで、降雪状態で車両12が走行しているときに、外気温Taが、設定温度Ts以下(Ta≦Ts)であると、ステップ120で肯定判定してステップ122へ移行する。
【0095】
このステップ122では、アクチュエータ76を作動してバイパスドア74を開く。また、ステップ124では、ファンモータ90を駆動して、排気装置78の吸引ファン88を作動させる。これと共に、ステップ126では、外気導入モードに設定する。なお、外気導入モードの設定は、内気循環モードとなっているか否かを確認し、内気循環モードとなっているときに、外気導入モードに切換えるものであっても良い。
【0096】
エアコン10では、バイパスドア74が開かれることにより、ヒータコア38をバイパスした空気がDEF吹出し口44へ供給される。また、外気温Taが低く暖房負荷が大きいときには、コンプレッサ14が停止されており、バイパスドア74が開かれることにより、温度の低い外気がDEF吹出し口44からフロントウインドガラス42に吹き出される。
【0097】
これにより、フロントインドガラス42の内面には、温風ではなく、冷たい外気が吹き付けられ、フロントウインドガラス42が冷却される。したがって、フロントウインドガラス42の着雪が溶融してしまうことがなく、ワイパ装置によって払拭することができる。また、フロントウインドガラス42の着雪が溶融してしまうことがないので、ワイパ装置を作動させても、フロントウインドガラスに水滴が生じることもなく、また、この水滴が再凍結して、視界を低下させてしまうこともない。
【0098】
また、エアコンECU54では、バイパスドア74を開いたときに、ファンモータ90を作動させる。ファンモータ90が作動されると、DEF吹出し口44からフロントウインドガラス42の表面に吹き出された空気(外気)は、上部に設けている吸引口86からダクト84内に吸引され、このダクト84から車室後部側(例えば、リヤウインドガラス側)へ送られて、車室後部側から車外に排出される。
【0099】
これにより、DEF吹出し口44からフロントウインドガラス42へ冷たい外気が吹き出されても、この外気によって車室32内の暖房感が損ねられてしまうのを防止される。すなわち、DEF吹出し口44から吹き出された外気が、車室42内に拡散して、乗員に冷風感が生じたり、暖房不足感が生じてしまうのを防止することができる。
【0100】
一方、エアコンECU54では、外気温Taが設定温度Tsを超えていると、ステップ120で否定判定してステップ128へ移行する。このステップ128では、車速vと外気温Taから、フロントウインドガラス42に水分が付着しているときに、付着した水分が凍結するか否かを判断する。
【0101】
すなわち、外気温Taが比較的高くても、車速vが高いと、フロントウインドガラス42に付着している水分が凍結してしまう。ここから、エアコンECU54では、高速時(例えば、車速v=100km/h)で設定温度Tsが例えば0°Cとなるように、車速vの増加に応じて高くなるように、車速vに対する設定温度Tsが設定されている。これにより、外気温Taが車速vに応じた設定温度Ts以下であるときに、フロントウインドガラス42に付着した水滴が凍結すると判断する。なお、このような設定温度Tsは、車速vが3km/h〜30km/h程度の低速走行と判断しうる範囲では、同じ温度(例えば、設定温度Ts=−20°C)として、車速vが30km/h以上で、段階的に高くなるようにし、車速vが100km/h以上で、設定温度Ts=0°Cとなるように設定したものであっても良いが、これに限るものではない。
【0102】
ここで、フロントウインドガラス42に付着している水分が凍結すると判断されるときには、ステップ130で肯定判定してステップ122へ移行し、バイパスドア74を開くことにより、フロントウインドガラス42の着雪が溶融するのを防止する。なお、空調風の吹出しモードが切り換えられたとき(ステップ102で否定判定)、着雪が検出されなくなったとき(ステップ112で否定判定)、車両12が停止したとき(ステップ116で肯定判定)、車速vに対する設定温度Tsよりも外気温Taが高くなる(ステップ130で否定判定)と、ステップ104へ移行する。これにより、バイパスドア74が閉じられると共に、ファンモータ90が停止されて、通常の空調制御状態に戻される。このときに、内気循環モードが選択されていれば、外気導入モードから内気循環モードへ切り換えられる。
【0103】
このように、エアコン10では、エアコンユニット22内にバイパスドア74を設けて、ヒータコア38をバイパスされた空気がDEF吹出し口44へ案内されるようにしている。
【0104】
また、エアコン10では、降雪が検出されたときに、フロントウインドガラス42に付着した水分が凍結する環境状態であり、かつ、車室32内が暖房されているときにDEF吹出し口44から温風が吹き出されているために、フロントウインドガラス42の着雪が溶融するときに、バイパスドア74が開かれるようにしている。
【0105】
これにより、エアコン10では、フロントウインドガラス42の着雪が溶融してしまうのを防止することにより、溶融した着雪が凍結して視界を低下させてしまうのを確実に防止している。
【0106】
なお、本実施の形態では、降雪検出手段として、静電容量センサを用いたが、例えば、雨滴センサと外気温センサを用いて、降雪状態か否かを判断するようにしても良い。このときには、例えば、雨滴センサによって水滴の付着が検出されている状態で外気温が極めて低いとき(例えば、0°C以下)に、降雪状態であると判定するようにしても良い。
【0107】
また、これらに限らず、降雪検出手段としては、降雪状態であることを適切に検出又は判定可能であれば任意の構成を適用することができる。
【0108】
また、本実施の形態では、エバポレータ20の下流側に、バイパス手段としてバイパスドア74を設けたが、バイパス手段の設ける位置は、これに限らず、エバポレータ20の上流側など、DEF吹出し口44へ外気を供給可能とする位置及び構成であれば、任意の位置及び構成を適用することができる。
【0109】
さらに、本実施の形態では、DEF吹出し口44へ外気を案内するのみとしているが、これに限らず、例えば、DEF吹出し口44から吹き出される空調風の温度を検出する温度検出手段を設け、温度検出手段によって検出される空調風の温度が0°C以下となるように制御するものであっても良い。
【0110】
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではなく、本発明は、任意の構成の車両用空調装置に適用することができ、また、エバポレータ20、ヒータコア38及びDEF吹出し口44が設けられるエアコンユニット(ヒータユニット)の構成に応じて、バイパス手段を形成されるものであれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本実施の形態に係るエアコンユニットの一例を示す概略図である。
【図2】エアコンの一例を示す概略構成図である。
【図3】エアコンの制御部の一例を示す概略ブロック図である。
【図4】車両の要部を示す概略図である。
【図5】エアコンECUでのバイパスドア制御(溶融防止制御)の一例を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0112】
10 エアコン(車両用空調装置)
12 車両
22 エアコンユニット
22A ケーシング
36 切換ドア
38 ヒータコア(加熱手段)
40 エアミックスドア
42 フロントウインドガラス
44 DEF吹出し口(デフロスタ吹出し口)
54 エアコンECU(バイパス制御手段)
62 外気温センサ(外気温検出手段)
70 着雪センサ(降雪検出手段)
72 車速センサ(車速検出手段)
74 バイパスドア(バイパス手段)
76 アクチュエータ(バイパス手段)
78 排気装置
84 ダクト
86 吸引口(吸引手段)
88 吸引ファン(吸引手段)
90 ファンモータ(吸引手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられて車室内を空調すると共に、デフロスタ吹出し口から吹出される温風によってフロントウインドガラスの防曇を図る車両用空調装置であって、
車外から導入される空気を、加熱手段をバイパスして前記デフロスタ吹出し口へ案内するバイパス手段と、
車外の天候が降雪か否かを検出する降雪検出手段と、
外気温を検出する外気温検出手段と、
前記車両の走行速度を検出する車速検出手段と、
前記デフロスタ吹出し口を含む吹出し口から吹き出される空調風によって車室内の暖房運転が行われているときに、前記降雪検出手段によって降雪が検出されることにより、前記外気温検出手段及び前記車速検出手段の検出結果に基づいて前記バイパス手段を作動させるバイパス制御手段と、
を含むことを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】
車両が走行状態で、前記外気温が予め設定された温度以下である時に、前記バイパス制御手段が、前記バイパス手段を作動することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
【請求項3】
所定温度以下の範囲で、車両の走行速度が高くなるほど、前記設定温度が高くなるように設定されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
【請求項4】
前記フロントウインドガラスの車室上方側に設けられて前記デフロスタ吹出し口から前記フロントウインドガラスの内面に沿って吹き出される空調風を吸引する吸引手段と、
前記吸引手段によって吸引される空調風を車室後方側へ案内して車外に排出可能とするダクトと、
を含み、前記バイパス制御手段が、前記バイパス手段と共に前記吸引手段を作動することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の車両用空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−56847(P2009−56847A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223778(P2007−223778)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】