車両用表示装置
【課題】情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させることが可能な車両用表示装置を提供する。
【解決手段】車両用表示装置1は視覚情報制御部30を有している。視覚情報制御部30は、情報を完全消去した消滅状態と情報を完全表示した点灯状態との間に、完全表示と完全消去との間の半表示となる半表示状態を介在させて表示、消去及び点滅制御を行う構成となっている。このため、情報の表示や消去や点滅がゆっくりと行われ、視覚的変化が急激とならず、運転者の視線を惹きつける効果を低減させることができる。
【解決手段】車両用表示装置1は視覚情報制御部30を有している。視覚情報制御部30は、情報を完全消去した消滅状態と情報を完全表示した点灯状態との間に、完全表示と完全消去との間の半表示となる半表示状態を介在させて表示、消去及び点滅制御を行う構成となっている。このため、情報の表示や消去や点滅がゆっくりと行われ、視覚的変化が急激とならず、運転者の視線を惹きつける効果を低減させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者が指定した名称の道路を画面上でわかりやすく表示する車両用表示装置が知られている。この装置では、利用者によって指定された名称の道路を、通常時とは異なる色や幅で表示させたり、点滅表示させたりして利用者が指定した名称の道路を画面上でわかりやすく表示することとしている。また、この装置は、点滅速度を変化させる制御を行うようにもなっている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
さらに、アナログ指針タイプの水温ゲージに代えて、インジケータランプを用いた水温ゲージを採用した車両用表示装置が知られている。この装置では、低温用インジケータランプと高温用インジケータランプによって、冷却水の温度を表現するようにしている。また、この装置ではインジケータランプの点滅制御を行うようになっており、冷却水温度に応じて点滅速度を変化させるようになっている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−221878号公報
【特許文献2】特開2004−338446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の車両用表示装置では、点滅表示を行っているため、点滅表示によって視線が誘導されてしまい、表示が煩わしくなってしまう。なお、この問題は、単に情報を表示する際、または単に情報を消去する際にも同様に生じる問題である。
【0005】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させることが可能な車両用表示装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両用表示装置は、表示手段と、情報生成手段と、表示制御手段とを備えている。表示手段は運転者に対して情報表示するものであり、情報生成手段は表示手段に表示させる情報を生成するものである。表示制御手段は情報生成手段により生成された情報を表示手段に表示させるものである。さらに、表示制御手段は、情報を表示する場合、情報を消去する場合、及び情報を点滅表示する場合の少なくとも1つの場合に、情報を完全消去した消滅状態と情報を完全表示した点灯状態との間に、完全表示と完全消去との間の半表示となる半表示状態を介在させて制御を行う構成となっている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、情報を完全消去した消滅状態と情報を完全表示した点灯状態との間に、完全表示と完全消去との間の半表示となる半表示状態を介在させて制御を行う。このため、情報の表示や消去や点滅の際に完全消去と完全表示との間で表示切替が行われず、半表示状態の介在により表示切替がゆっくりと行われることとなる。これにより、視覚的変化が急激とならず、運転者の視線を惹きつける効果を低減させることができる。従って、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る車両用表示装置の構成図である。同図に示すように、車両用表示装置1は、表示部(表示手段)10、視覚情報生成部(情報生成手段)20、視覚情報制御部(表示制御手段)30、自車走行状態検出部(走行状態検出手段)40、及び車外情報検出部(周囲環境検出手段)50を備えている。
【0009】
表示部10は、運転者に対して情報表示するものであり、車室内に設置された液晶表示装置、並びにウインドウシールドに設けられたヘッドアップディスプレイ装置、プロジェクタ投影装置及び透明液晶装置などである。視覚情報生成部20は、表示部10に表示させる情報を生成するものである。この視覚情報生成部20は、例えば他車両の接近情報や右左折等のナビゲーション情報を生成する。
【0010】
視覚情報制御部30は、視覚情報生成部20により生成された情報を表示部10に表示させる制御を行うものである。さらに、視覚情報制御部30は、情報を表示する場合、表示中の情報を消去する場合、及び情報を点滅表示する場合に、半表示状態を介在させるようになっている。すなわち、情報を完全消去したときを消滅状態とし、情報を完全表示したときを点灯状態とした場合、視覚情報制御部30は、完全表示と完全消去との間となる半表示の状態を介在させて表示等の制御することとなる。
【0011】
より詳しく説明すると、一般的に情報を表示する場合、視覚情報制御部30は、消滅状態から点灯状態へと制御する。本実施形態における視覚情報制御部30は、上記制御とは異なり、消滅状態から半表示状態へと制御し、その後半表示状態から点灯状態へと制御する。
【0012】
同様に、本実施形態における視覚情報制御部30は、情報を消去する場合、点灯状態から半表示状態へと制御し、その後半表示状態から消滅状態へと制御する。さらに、本実施形態における視覚情報制御部30は、情報を点滅表示する場合、上記情報表示と情報消去との制御を組み合わせて点滅制御を実行する。
【0013】
ここで、半表示状態を介在させて制御を行うとは、以下の場合を含むものとする。すなわち、点灯状態と半表示状態と消滅状態との3つの状態を段階的に切り替えて制御する場合のみならず、半表示状態を複数設けさらに多段階に切り替えて制御する場合も含むものとする。さらには、情報の表示コントラストの増減率を低下させて連続的に点灯状態から消滅状態に、又は消滅状態から点灯状態に移行させる場合も含むものとする。
【0014】
自車走行状態検出部40は、自車両の走行状態を検出するものである。ここで走行状態とは、例えば車速、アクセル開度、操舵角、ブレーキ操作、エンジン回転数、ウインカー信号、オートマティック信号、進行方向(前後方向)などが該当する。自車走行状態検出部40は、これらのうち少なくとも1つを検出する構成となっている。
【0015】
車外情報検出部50は、自車両の周囲環境を推定して検出するものである。ここで、周囲環境とは、例えば他車両の接近情報、他車両までの距離や方位、自車位置と他車位置との相対位置、自車両の走行路の状態(例えば乾燥、湿潤、水膜、積雪、凍結)、自車両の走行レーン(例えば直進レーン、右折レーン)、自車両の走行路の曲率、自転車や歩行者などの位置情報、信号機の状態(例えば赤、青)、道路標識の情報、天候情報、昼間や夜間の有視界情報などが該当する。車外情報検出部50は、これらのうち少なくとも1つを検出する構成となっている。
【0016】
次に、本実施形態に係る車両用表示装置1による車両用表示方法の概略を説明する。まず、自車両の走行状態である車速に応じて表示制御を行う場合を例に説明する。まず、自車走行状態検出部40は、車速センサの信号を読み込んで、自車両の車速を検出する。そして、自車走行状態検出部40は、視覚情報制御部30に車速情報を送信する。
【0017】
一方、視覚情報生成部20は表示部10に表示させる情報を生成する。次いで、視覚情報制御部30は、自車両の車速(走行状態)が所定車速未満であるか(所定の走行条件を満たすか)を判断する。ここで、所定車速が40km/hであり自車両の車速が30kmであるとすると、所定の走行条件を満たすこととなる。この場合、視覚情報制御部30は、半表示状態を介在させて、表示、消去及び点滅制御を行うこととなる。一方、所定車速が40km/hであり自車両の車速が80kmであるとすると、所定の走行条件を満たさないこととなり、視覚情報制御部30は、半表示状態を介在させずに、表示、消去及び点滅制御を行うこととなる。
【0018】
ここで、点滅制御において半表示状態を介在させたときの誘目性(人の視線を惹き易さ)について説明する。図2は、誘目性について説明する図であり、(a)は半表示状態を介在させたときの表示コントラストを示し、(b)は半表示状態を介在させないときの表示コントラストを示している。
【0019】
図2(a)に示すように、半表示状態を介在させて表示コントラストの増減率を低下させた場合、消滅状態から点灯状態への切替及び点灯状態から消滅状態への切替はゆっくりと行われることとなる。一方、図2(b)に示すように、半表示状態を介在させずに点滅制御を行った場合、消滅状態から点灯状態への切替及び点灯状態から消滅状態への切替は急激に行われることとなる。
【0020】
このような切替の相違から図3のような誘目性に違いが生じる。図3は、誘目性について説明するグラフである。なお、図3において縦軸は誘目性を示し、横軸は半表示状態を介在させた場合と介在させていない場合とを示している。なお、図3のグラフを作成するにあたっては、運転者に右折マークを点滅表示して提供することとした。また、右折マークを100回運転者に対して表示し、100回のうちに運転者が気付いた回数を図3の縦軸に表現することとした。
【0021】
図3に示すように、半表示状態を介在させた場合、100回のうち5回程度しか運転者の視線を惹きつけることができなかった。これに対し、半表示状態を介在させなかった場合、100回のうち50回近くも運転者の視線を惹きつけることができた。以上のように、半表示状態を介在させた場合には運転者にとって表示が煩わしくなく、半表示状態を介在させない場合には運転者が表示に気付き易いようにすることができる。
【0022】
従って、上記のように車速が40km/h以上であるときに半表示状態を介在させないようにすることで、高速運転時の運転者に情報を気付かせることができる。すなわち、高速運転時において運転者は前方等にかなりの注意が向いている可能性が高く、表示部10において情報を表示しても気付きにくい可能性があるが、このような状態であっても運転者に表示を気付かせるようにすることができる。また、車速が40km/h未満である場合、運転者は運転に比較的余裕があり表示に気付きやすいと考えられるため、半表示状態を介在させて煩わしさを軽減することができる。
【0023】
なお、上記とは逆に、視覚情報制御部30は、自車両の車速が所定車速(例えば40km/h)以上であるという所定の走行条件を満たすか否かを判断するようにしてもよい。これにより、例えば自車両の車速が30kmであるとすると、所定の走行条件を満たさないこととなり、視覚情報制御部30は、半表示状態を介在させずに、表示、消去及び点滅制御を行うこととなる。一方、自車両の車速が80kmなどであるとすると、所定の走行条件を満たすこととなり、視覚情報制御部30は、半表示状態を介在させて、表示、消去及び点滅制御を行うこととなる。
【0024】
車両低速時において運転者は多くの対象物を視認することとなり、視線の移動量が大きくなる。このため、運転者は表示に気付きにくい場合もある。よって、低速運転時において半表示状態を介在させないことで、視線の移動が多くなり表示に気付きにくい場合であっても、表示を気付かせるようにすることができる。また、高速道路を運転するような高速運転時において運転者は一点を視認していることが多く視線の移動量は少ない。このため、運転者は表示に気付き易い場合もある。よって、高速運転時において半表示状態を介在させることで、煩わしさを軽減することができる。
【0025】
ここで、情報表示は図3に示した右折マークに限られるものではない。図4は、他車両が接近したときの情報表示例を示す図であり、(a)は半表示状態を介在させたときの表示例を示し、(b)は半表示状態を介在させないときの表示例を示している。
【0026】
図4に示す車両マークは他車両の接近を示すものである。図4に示す車両マークであっても、図3に示した右折マークと同様に誘目性に差異をつけることができる。すなわち、図4(a)に示すように完全表示と完全消去との間に半表示の状態を介在させることで、誘目性を低くすることができ、煩わしさを低減することができる。また、図4(b)に示すように、完全表示と完全消去との間に半表示の状態を介在させないことで、誘目性を高くすることができ、運転者の視線を惹きつけることができる。
【0027】
次に、自車両の周囲環境である交差点までの距離に応じて表示制御を行う場合を例に説明する。まず、車外情報検出部50(ナビゲーション装置)は、自車位置と地図情報として記憶される交差点位置とから、交差点までの距離の情報を検出する。そして、車外情報検出部50は、視覚情報制御部30に車速情報を送信する。
【0028】
また、視覚情報生成部20は表示部10に表示させる情報(例えば右左折マークなど)を生成する。そして、視覚情報制御部30は、交差点までの距離(周囲環境)が所定距離以上であるか(所定の環境条件を満たすか)を判断する。ここで、所定距離が30mであり自車両から交差点までの距離が20mであるとすると、所定の走行条件を満たさないこととなる。この場合、視覚情報制御部30は、半表示状態を介在させずに、右左折マークについて点滅制御を行う。一方、所定距離が30mであり自車両から交差点までの距離が80mであるとすると、所定の走行条件を満たすこととなり、視覚情報制御部30は、半表示状態を介在させて、点滅制御を行うこととなる。
【0029】
さらに、上記の場合、自車両から交差点までの距離が100m以上か否かによって誘目性に差異を設けてもよい。すなわち、視覚情報制御部30は、交差点までの距離が100m以上である場合、半表示状態を長くし、よりゆっくりと完全消去と完全表示との移行を行って誘目性を低めるようにする。一方、視覚情報制御部30は、交差点までの距離が30m以上100m未満である場合、半表示状態を短くし、完全消去と完全表示との移行を比較的早く行って誘目性を高めるようにする。
【0030】
また、視覚情報制御部30は、交差点までの距離が300m以上である場合、点滅制御自体を行わず右左折マークを常時点灯(または常時消灯)させて、一層表示が煩わしくないようにしてもよい。
【0031】
さらには、上記の他に、右左折予定の交差点に差し掛かるときに自車両が右左折専用レーンを走行しているか否かによって、半表示状態を介在させずに点滅表示を行ったり、半表示状態を介在させて点滅表示を行ったりするようにしてもよい。また、自車走行状態検出部40と車外情報検出部50との双方の情報により所定条件を満たすか否かを判断して半表示状態を介在させるか否かを決定してもよい。
【0032】
図5は、本実施形態に係る車両用表示装置1による車両用表示方法の詳細を示すフローチャートである。同図に示すように、まず、自車走行状態検出部40は、自車両の走行状態を検出する(ST1)。次いで、車外情報検出部50は、自車両の周囲環境を検出する(ST2)。次に、視覚情報生成部20は表示情報を生成する。
【0033】
その後、視覚情報制御部30は、自車両の走行状態及び周囲環境が所定条件を満たすか否かを判断する(ST4)。ここで、所定条件とは、車速が所定車速以上であるか、及び交差点までの距離が所定距離未満であるかのみならず、他車両までの距離が所定距離未満であるかなどであってもよい。この場合、車外情報検出部50は、レーザーレーダーや車車間通信により他車両までの距離を検出する。また、車載カメラにより他車両を撮影して画像解析により距離を検出してもよい。
【0034】
ここで、所定条件を満たすと判断した場合(ST4:YES)、視覚情報制御部30は半表示状態を介在させて制御を行うと決定する(ST5)。そして、処理はステップST7に移行する。一方、所定条件を満たさないと判断した場合(ST4:NO)、視覚情報制御部30は半表示状態を介在させずに制御を行うと決定する(ST6)。そして、処理はステップST7に移行する。ステップST7において視覚情報制御部30は、ステップST5またはステップST6において決定した制御方法にて表示制御を行う(ST7)。その後、処理は終了する。
【0035】
図6は、自車両の車速(走行状態)と他車両までの距離(周囲環境)との双方を組み合わせたときの表示制御例を示す図である。なお、図6において斜線部は第1例を示し、斜線が無い部分は第2例を示している。
【0036】
同図に示すように、第1例において自車両に接近する他車両が存在しない場合、視覚情報制御部30は、他車両の接近を示す車両マークを表示させることなく消灯させておく。また、他車両が接近してきた場合、視覚情報制御部30は、車両マークについて点滅制御を行う。但し、他車両までの距離が遠く自車両の車速が低い場合、視覚情報制御部30は、半表示状態を長めに介在させて点滅制御を行い、誘目性を低くする。一方、他車両までの距離が遠く自車両の車速が高い場合、及び、他車両までの距離が近い場合、視覚情報制御部30は、半表示状態を短めに介在させて点滅制御を行い、誘目性を高くする。
【0037】
第2例では、自車両に接近する他車両が存在しない場合、視覚情報制御部30は、他車両の接近を示す車両マークを表示させることなく消灯させておく。また、他車両までの距離が遠い場合、視覚情報制御部30は、車両マークについて常時点灯制御を行う。この点灯時において、視覚情報制御部30は、車速が高い場合、半表示状態を長めに介在して車両マークを点灯させ、誘目性を低くする。一方、車速が低い場合、視覚情報制御部30は、半表示状態を短めに介在して車両マークを点灯させ、誘目性を高くする。さらに、視覚情報制御部30は、他車両までの距離が近い場合、視覚情報制御部30は、点滅制御を行うと共に半表示状態を短めに介在させて誘目性を高くする。
【0038】
なお、表示制御例は図6に示す第1例及び第2例に限らず、種々の変更が可能である。さらに、図6では車速と他車両までの距離に応じて表示制御を行っているが、これらに限らず他の要因に応じて表示制御を行うようにしてもよい。
【0039】
このようにして、第1実施形態に係る車両用表示装置1及び方法によれば、情報を完全消去した消滅状態と情報を完全表示した点灯状態との間に、完全表示と完全消去との間の半表示となる半表示状態を介在させて制御を行う。このため、情報の表示や消去や点滅の際に完全消去と完全表示との間で表示切替が行われず、半表示状態の介在により表示切替がゆっくりと行われることとなる。これにより、視覚的変化が急激とならず、運転者の視線を惹きつける効果を低減させることができる。従って、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させることができる。
【0040】
また、走行状態が所定の走行条件を満たす場合に半表示状態を介在させて制御を行い、該走行状態が所定の走行条件を満たさない場合に半表示状態を介在させずに制御を行う。このため、例えば車速を走行状態として検出した場合、車速が所定車速未満であれば運転に多少の余裕があり情報に気付き易いと考えられるため半表示状態を介在させ、車速が所定車速以上であれば運転に集中して情報に気付き難いと考えられるため半表示状態を介在させずに制御を行うなどが可能となる。以上より、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができる。
【0041】
また、周囲環境が所定の環境条件を満たす場合に半表示状態を介在させて制御を行い、該周囲環境が所定の環境条件を満たさない場合に半表示状態を介在させずに制御を行う。このため、例えば右折予定の交差点までの距離を周囲環境として検出した場合、距離が所定距離未満であれば交差点まで余裕がないため情報に気付いていなければならないと判断して半表示状態を介在させず、距離が所定距離以上であれば交差点まで余裕があるため情報に気付いていなくてもよいと考えられるため半表示状態を介在させて制御を行うなどが可能となる。以上より、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができる。
【0042】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る車両用表示装置2は、第1実施形態のものと同様であるが、構成及び処理内容が異なっている。以下、第1実施形態との相違点を説明する。
【0043】
図7は、本発明の第2実施形態に係る車両用表示装置の構成図である。同図に示すように、第2実施形態に係る車両用表示装置2は、新たにデータ保存部(記憶手段)60と、運転者視線推定部(視線方向推定手段)70とを備えている。
【0044】
データ保存部60は、自車走行状態検出部40により検出された走行状態及び車外情報検出部50により検出された周囲環境の少なくとも一方からなる検出情報と、運転者の視線方向とを対応付けて記憶したものである。例えばデータ保存部60は、右折予定交差点の直前においてウインカー(走行状態)が操作されていない場合、運転者は表示部10に表示される右折マークを視認しておらず視線が正面方向に向いているとのデータを記憶している。同様に、データ保存部60は、カーブを走行する場合(周囲環境)には、運転者の視線がカーブ内側に向いているとのデータを記憶している。これらのデータはデータ保存部60においてマップとして記憶されている。
【0045】
また、第2実施形態における視覚情報制御部30は、自車走行状態検出部40および車外情報検出部50の少なくとも一方からの検出情報を読み込み、検出情報に対応した視線方向をデータ保存部60から読み出すようになっている。そして、視覚情報制御部30は、読み出した視線方向が所定方向である場合に半表示状態を介在させて制御を行い、読み出した視線方向が所定方向でない場合に半表示状態を介在させずに制御を行う。ここで、所定方向とは表示部10の情報表示箇所への方向である。表示部10の情報表示箇所への方向は、推定又は検出された運転者の眼の位置と、表示部10の情報表示箇所の位置とから求めることができる。
【0046】
このように構成されるため、視覚情報制御部30は、例えば自車両がカーブを走行しているという検出情報(周囲環境)から視線方向がカーブ内側付近であるとデータ保存部60から読み出す。そして、視覚情報制御部30は、表示部10を視認していないと判断して半表示状態を介在させずに制御を行う。また、例えば視覚情報制御部30は、自車両が右折する場合において右ウインカーを点灯させたという検出情報(走行状態)から視線方向が表示部10の方向であるとデータ保存部60から読み出す。そして、視覚情報制御部30は、右折に関する情報表示について半表示状態を介在させて制御を行う。
【0047】
このように制御を行うため、第2実施形態に係る車両用表示装置2は、情報表示に当たり運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができることとなる。
【0048】
運転者視線推定部70は、運転者の現在の情報を取得して運転者の視線方向を推定するものである。詳しく説明すると、運転者視線推定部70は例えば運転者の顔を撮影する車載カメラと画像処理装置とからなり、現在の運転者の顔情報を画像処理装置において解析することで運転者の視線方向を推定する構成となっている。
【0049】
また、運転者視線推定部70を備えるため、視覚情報制御部30は、運転者視線推定部70により推定された視線方向が所定方向である場合に半表示状態を介在させて制御を行い、該視線方向が所定方向でない場合に半表示状態を介在させずに制御を行う。ここで、所定方向は上記と同様に表示部10の情報表示箇所への方向である。
【0050】
これにより、データ保存部60を用いたときと同様に第2実施形態に係る車両用表示装置2は、運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができることとなる。なお、データ保存部60と運転者視線推定部70との双方を用いて運転者の視線方向を決定するようにしてもよい。
【0051】
さらに、第2実施形態では、運転者の視認方向が表示部10への方向である場合において、車外情報検出部50(注視対象検出手段)が他に注視すべき視認対象(自車への接近車、交差点を交差中のバイク、自転車、歩行者等や、信号機情報、道路標識情報など)を検出したときに、表示情報の誘目性を低下させて他の注視対象の存在を知らせるようにしてもよい。すなわち、車外情報検出部50が他に注視すべき視認対象を検出した場合、視覚情報制御部30は、視線方向が表示部10の情報表示箇所への方向であるか否かに代えて、注視すべき視認対象への方向であるか否かに基づいて、半表示を介在させるか否かを判断するようにしてもよい。これにより、注視すべき注視対象に視線が向きやすいようにすることができる。
【0052】
また、第2実施形態では、表示部10の情報表示箇所への方向と、データ保存部60及び運転者視線推定部70の少なくとも一方による視線方向との差を求め、差が大きくなるに従って誘目性が大きくなるように制御してもよい。この場合、誘目性は段階的に変化させてもよいし、連続的に変化させてもよい。これにより、より適切に表示部10の情報表示箇所へ視線を向けることができる。
【0053】
このようにして、第2実施形態に係る車両用表示装置2及び方法によれば、第1実施形態と同様に、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させることができる。また、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができる。
【0054】
さらに、第2実施形態によれば、データ保存部60により記憶され、検出情報から運転者が向いていると考えられる視線方向が所定方向である場合に半表示状態を介在させて制御を行い、該視線方向が所定方向でない場合に半表示状態を介在させずに制御を行う。このため、例えば自車両がカーブを走行しているという検出情報(周囲環境)から視線方向がカーブ内側付近であるとデータ保存部60から読み出した場合、表示部10を視認していないと判断して半表示状態を介在させずに制御を行う。また、例えば自車両が右折する場合において右ウインカーを点灯させたという検出情報(走行状態)から視線方向が表示部10の方向であるとデータ保存部60から読み出したときには、右折に関する情報表示について半表示状態を介在させて制御を行うことが可能となる。以上より、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができる。
【0055】
また、推定された視線方向が所定方向である場合に半表示状態を介在させて制御を行い、該視線方向が所定方向でない場合に半表示状態を介在させずに制御を行う。このため、視線方向が表示部10の方向であれば半表示状態を介在させて制御を行い、該視線方向が表示部10の方向でなければ半表示状態を介在させずに制御を行うことが可能となる。以上より、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができる。
【0056】
また、車外情報検出部50により注視すべき対象が検出された場合、視線方向が表示部10の情報表示箇所への方向であるか否かに代えて、注視すべき対象への方向であるか否かに応じて、半表示状態を介在させるか否かを判断する。これにより、自車両に障害物が接近しているような緊急時においては、注視すべき対象に視線が向きやすいようにすることができる。
【0057】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態に係る車両用表示装置3は、第1実施形態のものと同様であるが、処理内容が異なっている。以下、第1実施形態との相違点を説明する。
【0058】
まず、第3実施形態に係る車両用表示装置3を説明するに先立って、第1実施形態に係る視覚情報制御部30の点滅表示について再度説明する。図8は、第1実施形態に係る視覚情報制御部30による点滅表示を説明する図である。図8に示すように、情報を点滅表示させる場合、第1実施形態に係る視覚情報制御部30は、例えば消滅状態と点灯状態とを連続的に変化させる。すなわち、第1実施形態に係る視覚情報制御部30は、消滅状態と点灯状態とを変化させるときの変化時間に対するコントラストの変化量を示す第1のプロファイルに従って、情報を点滅表示させる。ここで、コントラストとは、明暗のみをいうのでなく、濃淡などを含むものであり、消滅状態と点灯状態との変化の視標をいう。
【0059】
これに対し、第3実施形態に係る視覚情報制御部30は、第1のプロファイルに第2のプロファイルを重ね合わせ、重ね合わせによりえられた合成プロファイルに従って、点滅を制御する。
【0060】
図9は、第2のプロファイルを説明する図である。図9に示すように、第2のプロファイルは、第1のプロファイルと同様に、変化時間に対するコントラストの変化量を示すものである。この第2のプロファイルは、第1のプロファイルの変化時間T1よりも短い変化時間の周期T2を有するものである。また、第2のプロファイルは、第1のプロファイルのコントラストの変化量C1よりも小さい変化量C2を有するものである。このように、第2のプロファイルは、第1のプロファイルよりも小刻みな変化を有するものとなる。
【0061】
図10は、合成プロファイルを説明する図である。図10に示すように、合成プロファイルは、第1のプロファイルに第2のプロファイルを重ね合わせたものである。第3実施形態に係る視覚情報制御部30は、この合成プロファイルに従って、点滅制御を行う。これにより、第3実施形態に係る車両用表示装置3は、第1のプロファイルと第2のプロファイルとの双方の特性を有する表示をすることができる。すなわち、第3実施形態に係る車両用表示装置3は、第1のプロファイルの特性である誘目性を低下させた点滅表示をすることができる。さらに、第2のプロファイルは第1のプロファイルに比べて小刻みなものであるため、運転者が点滅表示を周辺視野で視認する場合、点滅表示を煩わしく感じず、運転者が点滅表示を中心視野で視認する場合、小刻みな変化により運転者の注意を惹きつけることができる。
【0062】
図11は、第3実施形態に係る車両用表示装置3の表示例を示す図である。図11に示すように、視覚情報制御部30は、ナビゲーション装置により検索された経路100を、第1のプロファイルのみによって表示する。ここで、経路100上に渋滞箇所101が存在するとする。このとき、視覚情報制御部30は、渋滞箇所101について第2のプロファイルを重ね合わせて合成プロファイルを求め、合成プロファイルに従って表示部10に表示させる。これにより、運転者が表示部10を見ていない場合(すなわち周辺視野で視認する場合)、渋滞箇所101を含め経路100の表示を煩わしくさせることなく、且つ、運転者が表示部10を見ている場合(すなわち中心視野で視認する場合)、渋滞箇所101の表示について小刻みな変化をさせて注意を惹きつけることができる。
【0063】
ここで、一般のナビゲーション装置では経路上に着色し、さらに渋滞箇所101には道路と平行に渋滞情報を示す線が表示されることが多い。ところが、図11に示すように、渋滞箇所101を合成プロファイルに従って表示した場合、シンプル且つ見やすい表示とすることができる。
【0064】
なお、図8〜図10では合成プロファイルに従って点滅制御する例を説明したが、点滅制御に限ることなく、点灯及び消灯制御についても適用することができる。また、図9に示した第2のプロファイルは、第1のプロファイルの変化時間T1よりも短い変化時間の周期T2を有し、且つ、第1のプロファイルのコントラストの変化量C1よりも小さい変化量C2を有している。しかし、これに限らず、第2のプロファイルは、第1のプロファイルの変化時間T1よりも短い変化時間の周期T2、及び第1のプロファイルのコントラストの変化量C1よりも小さい変化量C2のいずれか一方のみを有するものであってもよい。
【0065】
さらに、第3実施形態に係る車両用表示装置3は、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量の少なくとも一方を変化できるようになっている。周期や変化量を変化させるにあたり、第3実施形態において視覚情報制御部30は、自車走行状態検出部40や車外情報検出部50からの検出結果を参照する。すなわち、視覚情報制御部30は、自車走行状態検出部40により検出された走行状態に応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。また、視覚情報制御部30は、車外情報検出部50により推定された周囲環境に応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。
【0066】
ここで、変化時間の周期を短くすると誘目性を高めることができ、変化時間の周期を長くすると誘目性を低めることができる。また、コントラストの変化量を大きくすると誘目性を高めることができ、コントラストの変化量を小さくすると誘目性を低めることができる。このため、例えば車速を走行状態として検出した場合、車速が所定車速未満であれば運転に多少の余裕があり情報に気付き易いと考えられるため、視覚情報制御部30は、変化時間の周期を短くし又はコントラストの変化量を大きくするなどして誘目性を高める。一方、車速が所定車速以上であれば運転に集中して情報に気付き難いと考えられるため、視覚情報制御部30は、変化時間の周期を長くし又はコントラストの変化量を小さくするなどして誘目性を低める。
【0067】
また、例えば右折予定の交差点までの距離を周囲環境として検出した場合、距離が所定距離未満であれば交差点まで余裕がないため情報に気付いていなければならないと判断し、視覚情報制御部30は、変化時間の周期を短くし又はコントラストの変化量を大きくするなどして誘目性を高める。一方、距離が所定距離以上であれば交差点まで余裕があるため情報に気付いていなくてもよいと考えられるため、視覚情報制御部30は、変化時間の周期を長くし又はコントラストの変化量を小さくするなどして誘目性を低める。
【0068】
図12は、第3実施形態に係る車両用表示装置3の第2の表示例を示す図である。例えば、渋滞箇所101の情報を周囲環境として検出したとする。さらに、検出した渋滞箇所101の混雑具合の情報についても周囲環境として検出したとする。この場合、視覚情報制御部30は、渋滞箇所101について第2のプロファイルを重ね合わせて合成プロファイルを求め、合成プロファイルに従って表示部10に表示させる。さらに、視覚情報制御部30は、重ね合わせる第2のプロファイルについて、より混雑している渋滞箇所101bの変化時間の周期を、比較的混雑していない渋滞箇所101aの変化時間の周期よりも短くする。これにより、混雑している方の渋滞箇所101bについて誘目性を高め、例えば運転者に渋滞箇所101bを回避すべきであるなどの情報を促すことができる。なお、図12に示す例の場合、混雑してる渋滞箇所101bの変化時間の周期のみを大きくしているが、これに限らず、コントラストの変化量のみを短くしてもよいし、双方を行うようにしてもよい。
【0069】
さらに、具体的な例を説明する。ここでは、右折する交差点までの距離を周囲環境の情報として検出し、右折マークを表示する場合を説明する。まず、交差点までの距離が300m以上の場合、交差点に達するまでに余裕があるため、視覚情報制御部30は、表示の煩わしさを軽減させることを優先させて、第1のプロファイルのみに従って、半表示を介在させて右折マークを表示を行う。また、交差点までの距離が100m以上300m未満である場合、視覚情報制御部30は、第1のプロファイルに第2のプロファイルを重ね合わせて、重ね合わせにより得られた合成プロファイルに従って右折マークを表示する。
【0070】
また、交差点までの距離が100未満である場合、視覚情報制御部30は、第1のプロファイルに第2のプロファイルを重ね合わせて、重ね合わせにより得られた合成プロファイルに従って右折マークを表示する。このとき、視覚情報制御部30は、重ね合わせる第2のプロファイルの変化時間の周期を、交差点までの距離が100m以上300未満である場合の変化時間の周期よりも短くする。これにより、交差点までの距離が100未満の場合に誘目性を高め、運転者に与える煩わしさを軽減しつつも、運転者に交差点において右折する旨の情報を提供することができる。なお、この例では、変化時間の周期のみを変化させているが、これに限らず、コントラストの変化量のみを変化させてもよいし、双方を変化させてもよい。
【0071】
このようにして、第3実施形態に係る車両用表示装置3及び方法によれば、第1実施形態と同様に、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させることができる。また、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができる。
【0072】
さらに、第3実施形態によれば、視覚情報制御部30は、第1のプロファイルに第2のプロファイルを重ね合わせ、重ね合わせにより得られた合成プロファイルに従って制御する。ここで、第2のプロファイルは、消滅状態と点灯状態との間の変化時間よりも短い変化時間の周期、及び、消滅状態と点灯状態との間のコントラストの変化量よりも小さい変化量の少なくとも一方を有する。このため、第2のプロファイルによる変化は、第1のプロファイルに比較して小刻みなものとなる。よって、表示を周辺視野で視認する際には小刻みな変化は煩わしくなく、中心視野で視認する際には小刻みな変化が運転者の注意を惹きつけることとなる。従って、運転者に与える煩わしさを低減させつつ、注意を惹きつけて視認性を向上させることができる。
【0073】
また、視覚情報制御部30は、検出された走行状態に応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。ここで、変化時間の周期を短くすると誘目性を高めることができ、変化時間の周期を長くすると誘目性を低めることができる。また、コントラストの変化量を大きくすると誘目性を高めることができ、コントラストの変化量を小さくすると誘目性を低めることができる。このため、例えば車速を走行状態として検出した場合、車速が所定車速未満であれば運転に多少の余裕があり情報に気付き易いと考えられるため、変化時間の周期を短くし又はコントラストの変化量を大きくするなどして誘目性を高めることが可能となる。一方、車速が所定車速以上であれば運転に集中して情報に気付き難いと考えられるため、変化時間の周期を長くし又はコントラストの変化量を小さくするなどして誘目性を低めることが可能となる。以上のように、誘目性の微調整を行うことが可能となり、多彩な表現を行うことができる。
【0074】
また、視覚情報制御部30は、検出された周囲環境に応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。このため、例えば右折予定の交差点までの距離を周囲環境として検出した場合、距離が所定距離未満であれば交差点まで余裕がないため情報に気付いていなければならないと判断して変化時間の周期を短くし又はコントラストの変化量を大きくするなどして誘目性を高めることが可能となる。一方、距離が所定距離以上であれば交差点まで余裕があるため情報に気付いていなくてもよいと考えられるため変化時間の周期を長くし又はコントラストの変化量を小さくするなどして誘目性を低めることが可能となる。以上のように、誘目性の微調整を行うことが可能となり、多彩な表現を行うことができる。
【0075】
次に、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態に係る車両用表示装置4は、第2実施形態のものと同様であるが、処理内容が異なっている。以下、第2実施形態との相違点を説明する。
【0076】
まず、第4実施形態に係る車両用表示装置4は、第3実施形態に係る車両用表示装置3と同様に、第1のプロファイルに第2のプロファイルを重ね合わせ、重ね合わせにより得られた合成プロファイルに従って、点灯、消灯及び点滅の少なくとも1つの制御を実行する。
【0077】
さらに、第4実施形態における視覚情報制御部30は、第2実施形態と同様に、自車走行状態検出部40および車外情報検出部50の少なくとも一方からの検出情報を読み込み、検出情報に対応した視線方向をデータ保存部60から読み出すようになっている。また、第4実施形態における視覚情報制御部30は、読み出した視線方向に応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。
【0078】
このように構成されるため、視覚情報制御部30は、例えば自車両がカーブを走行しているという検出情報(周囲環境)から視線方向がカーブ内側付近であるとデータ保存部60から読み出した場合、表示部10を視認していないと判断して変化時間の周期を短くし又はコントラストの変化量を大きくすることなどして誘目性を高める。また、例えば自車両が右折する場合において右ウインカーを点灯させたという検出情報(走行状態)から視線方向が表示部10の方向であるとデータ保存部60から読み出したときには、右折に関する情報表示について変化時間の周期を長くし又はコントラストの変化量を小さくすることなどして誘目性を低める。このように、第4実施形態に係る車両用表示装置4は、誘目性の微調整を行うことが可能となり、多彩な表現を行うことができる。
【0079】
さらに、第4実施形態において視覚情報制御部30は、運転者視線推定部70により推定された視線方向に応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。これにより、データ保存部60を用いたときと同様に第4実施形態に係る車両用表示装置4は、誘目性の微調整を行うことが可能となり、多彩な表現を行うことができる。
【0080】
さらに、第4実施形態では、車外情報検出部50が他に注視すべき視認対象を検出した場合、視覚情報制御部30は、視線方向が表示部10の情報表示箇所への方向に代えて、注視すべき視認対象への方向であるか否かに応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。これにより、注視すべき注視対象に視線が向きやすいようにすることができる。
【0081】
このようにして、第4実施形態に係る車両用表示装置4及び方法によれば、第2実施形態と同様に、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させることができる。また、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができる。また、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができる。また、注視すべき対象に視線が向きやすいようにすることができる。
【0082】
さらに、第3実施形態と同様に、運転者に与える煩わしさを低減させつつ、注意を惹きつけて視認性を向上させることができ、誘目性の微調整を行うことが可能となり、多彩な表現を行うことができる。
【0083】
さらに、第4実施形態によれば、データ保存部60により記憶され、検出情報から運転者が向いていると考えられる視線方向に応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。このため、例えば自車両がカーブを走行しているという検出情報(周囲環境)から視線方向がカーブ内側付近であるとデータ保存部60から読み出した場合、表示部10を視認していないと判断して変化時間の周期を短くし又はコントラストの変化量を大きくすることなどして誘目性を高めることが可能となる。また、例えば自車両が右折する場合において右ウインカーを点灯させたという検出情報(走行状態)から視線方向が表示部10の方向であるとデータ保存部60から読み出したときには、右折に関する情報表示について変化時間の周期を長くし又はコントラストの変化量を小さくすることなどして誘目性を低めることが可能となる。以上のように、誘目性の微調整を行うことが可能となり、多彩な表現を行うことができる。
【0084】
また、推定された視線方向に応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。このため、視線方向が表示部10の方向であれば変化時間の周期を長くし又はコントラストの変化量を小さくするなどして誘目性を低めることが可能となる。一方、該視線方向が表示部10の方向でなければ変化時間の周期を短くし又はコントラストの変化量を大きくするなどして誘目性を高めることが可能となる。以上のように、誘目性の微調整を行うことが可能となり、多彩な表現を行うことができる。
【0085】
また、車外情報検出部50により注視すべき対象が検出された場合、視線方向が表示部10の情報表示箇所への方向であるか否かに代えて、注視すべき対象への方向であるか否かに応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。これにより、自車両に障害物が接近しているような緊急時において誘目性を調整することが可能となる。従って、注視すべき対象に視線が向きやすいようにすることができる。
【0086】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、各実施形態を組み合わせるようにしてもよい。
【0087】
例えば、上記実施形態に係る車両用表示装置1〜4を複数の情報を表示する複数表示装置や大型表示装置に適用するようにしてもよい。この場合、情報の優先度に応じて誘目性を変化させることにより、複数の情報を運転者に適切に提供することができる。
【0088】
また、上記実施形態に係る車両用表示装置1〜4をウインドウシールドに情報表示を行う表示装置に適用するようにしてもよい。この場合も、運転者がウインドウシールドを通して外界を視認するのに邪魔とならないように誘目性を制御することで、運転者に適切に情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用表示装置の構成図である。
【図2】誘目性について説明する図であり、(a)は半表示状態を介在させたときの表示コントラストを示し、(b)は半表示状態を介在させないときの表示コントラストを示している。
【図3】誘目性について説明するグラフである。
【図4】他車両が接近したときの情報表示例を示す図であり、(a)は半表示状態を介在させたときの表示例を示し、(b)は半表示状態を介在させないときの表示例を示している。
【図5】本実施形態に係る車両用表示装置1による車両用表示方法の詳細を示すフローチャートである。
【図6】自車両の車速(走行状態)と他車両までの距離(周囲環境)との双方を組み合わせたときの表示制御例を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る車両用表示装置の構成図である。
【図8】第1実施形態に係る視覚情報制御部による点滅表示を説明する図である。
【図9】第2のプロファイルを説明する図である。
【図10】合成プロファイルを説明する図である。
【図11】第3実施形態に係る車両用表示装置の表示例を示す図である。
【図12】第3実施形態に係る車両用表示装置の第2の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0090】
1〜4…車両用表示装置
10…表示部(表示手段)
20…視覚情報生成部(情報生成手段)
30…視覚情報制御部(表示制御手段)
40…自車走行状態検出部(走行状態検出手段)
50…車外情報検出部(周囲環境検出手段、注視対象検出手段)
60…データ保存部(記憶手段)
70…運転者視線推定部(視線方向推定手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者が指定した名称の道路を画面上でわかりやすく表示する車両用表示装置が知られている。この装置では、利用者によって指定された名称の道路を、通常時とは異なる色や幅で表示させたり、点滅表示させたりして利用者が指定した名称の道路を画面上でわかりやすく表示することとしている。また、この装置は、点滅速度を変化させる制御を行うようにもなっている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
さらに、アナログ指針タイプの水温ゲージに代えて、インジケータランプを用いた水温ゲージを採用した車両用表示装置が知られている。この装置では、低温用インジケータランプと高温用インジケータランプによって、冷却水の温度を表現するようにしている。また、この装置ではインジケータランプの点滅制御を行うようになっており、冷却水温度に応じて点滅速度を変化させるようになっている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−221878号公報
【特許文献2】特開2004−338446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の車両用表示装置では、点滅表示を行っているため、点滅表示によって視線が誘導されてしまい、表示が煩わしくなってしまう。なお、この問題は、単に情報を表示する際、または単に情報を消去する際にも同様に生じる問題である。
【0005】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させることが可能な車両用表示装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両用表示装置は、表示手段と、情報生成手段と、表示制御手段とを備えている。表示手段は運転者に対して情報表示するものであり、情報生成手段は表示手段に表示させる情報を生成するものである。表示制御手段は情報生成手段により生成された情報を表示手段に表示させるものである。さらに、表示制御手段は、情報を表示する場合、情報を消去する場合、及び情報を点滅表示する場合の少なくとも1つの場合に、情報を完全消去した消滅状態と情報を完全表示した点灯状態との間に、完全表示と完全消去との間の半表示となる半表示状態を介在させて制御を行う構成となっている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、情報を完全消去した消滅状態と情報を完全表示した点灯状態との間に、完全表示と完全消去との間の半表示となる半表示状態を介在させて制御を行う。このため、情報の表示や消去や点滅の際に完全消去と完全表示との間で表示切替が行われず、半表示状態の介在により表示切替がゆっくりと行われることとなる。これにより、視覚的変化が急激とならず、運転者の視線を惹きつける効果を低減させることができる。従って、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る車両用表示装置の構成図である。同図に示すように、車両用表示装置1は、表示部(表示手段)10、視覚情報生成部(情報生成手段)20、視覚情報制御部(表示制御手段)30、自車走行状態検出部(走行状態検出手段)40、及び車外情報検出部(周囲環境検出手段)50を備えている。
【0009】
表示部10は、運転者に対して情報表示するものであり、車室内に設置された液晶表示装置、並びにウインドウシールドに設けられたヘッドアップディスプレイ装置、プロジェクタ投影装置及び透明液晶装置などである。視覚情報生成部20は、表示部10に表示させる情報を生成するものである。この視覚情報生成部20は、例えば他車両の接近情報や右左折等のナビゲーション情報を生成する。
【0010】
視覚情報制御部30は、視覚情報生成部20により生成された情報を表示部10に表示させる制御を行うものである。さらに、視覚情報制御部30は、情報を表示する場合、表示中の情報を消去する場合、及び情報を点滅表示する場合に、半表示状態を介在させるようになっている。すなわち、情報を完全消去したときを消滅状態とし、情報を完全表示したときを点灯状態とした場合、視覚情報制御部30は、完全表示と完全消去との間となる半表示の状態を介在させて表示等の制御することとなる。
【0011】
より詳しく説明すると、一般的に情報を表示する場合、視覚情報制御部30は、消滅状態から点灯状態へと制御する。本実施形態における視覚情報制御部30は、上記制御とは異なり、消滅状態から半表示状態へと制御し、その後半表示状態から点灯状態へと制御する。
【0012】
同様に、本実施形態における視覚情報制御部30は、情報を消去する場合、点灯状態から半表示状態へと制御し、その後半表示状態から消滅状態へと制御する。さらに、本実施形態における視覚情報制御部30は、情報を点滅表示する場合、上記情報表示と情報消去との制御を組み合わせて点滅制御を実行する。
【0013】
ここで、半表示状態を介在させて制御を行うとは、以下の場合を含むものとする。すなわち、点灯状態と半表示状態と消滅状態との3つの状態を段階的に切り替えて制御する場合のみならず、半表示状態を複数設けさらに多段階に切り替えて制御する場合も含むものとする。さらには、情報の表示コントラストの増減率を低下させて連続的に点灯状態から消滅状態に、又は消滅状態から点灯状態に移行させる場合も含むものとする。
【0014】
自車走行状態検出部40は、自車両の走行状態を検出するものである。ここで走行状態とは、例えば車速、アクセル開度、操舵角、ブレーキ操作、エンジン回転数、ウインカー信号、オートマティック信号、進行方向(前後方向)などが該当する。自車走行状態検出部40は、これらのうち少なくとも1つを検出する構成となっている。
【0015】
車外情報検出部50は、自車両の周囲環境を推定して検出するものである。ここで、周囲環境とは、例えば他車両の接近情報、他車両までの距離や方位、自車位置と他車位置との相対位置、自車両の走行路の状態(例えば乾燥、湿潤、水膜、積雪、凍結)、自車両の走行レーン(例えば直進レーン、右折レーン)、自車両の走行路の曲率、自転車や歩行者などの位置情報、信号機の状態(例えば赤、青)、道路標識の情報、天候情報、昼間や夜間の有視界情報などが該当する。車外情報検出部50は、これらのうち少なくとも1つを検出する構成となっている。
【0016】
次に、本実施形態に係る車両用表示装置1による車両用表示方法の概略を説明する。まず、自車両の走行状態である車速に応じて表示制御を行う場合を例に説明する。まず、自車走行状態検出部40は、車速センサの信号を読み込んで、自車両の車速を検出する。そして、自車走行状態検出部40は、視覚情報制御部30に車速情報を送信する。
【0017】
一方、視覚情報生成部20は表示部10に表示させる情報を生成する。次いで、視覚情報制御部30は、自車両の車速(走行状態)が所定車速未満であるか(所定の走行条件を満たすか)を判断する。ここで、所定車速が40km/hであり自車両の車速が30kmであるとすると、所定の走行条件を満たすこととなる。この場合、視覚情報制御部30は、半表示状態を介在させて、表示、消去及び点滅制御を行うこととなる。一方、所定車速が40km/hであり自車両の車速が80kmであるとすると、所定の走行条件を満たさないこととなり、視覚情報制御部30は、半表示状態を介在させずに、表示、消去及び点滅制御を行うこととなる。
【0018】
ここで、点滅制御において半表示状態を介在させたときの誘目性(人の視線を惹き易さ)について説明する。図2は、誘目性について説明する図であり、(a)は半表示状態を介在させたときの表示コントラストを示し、(b)は半表示状態を介在させないときの表示コントラストを示している。
【0019】
図2(a)に示すように、半表示状態を介在させて表示コントラストの増減率を低下させた場合、消滅状態から点灯状態への切替及び点灯状態から消滅状態への切替はゆっくりと行われることとなる。一方、図2(b)に示すように、半表示状態を介在させずに点滅制御を行った場合、消滅状態から点灯状態への切替及び点灯状態から消滅状態への切替は急激に行われることとなる。
【0020】
このような切替の相違から図3のような誘目性に違いが生じる。図3は、誘目性について説明するグラフである。なお、図3において縦軸は誘目性を示し、横軸は半表示状態を介在させた場合と介在させていない場合とを示している。なお、図3のグラフを作成するにあたっては、運転者に右折マークを点滅表示して提供することとした。また、右折マークを100回運転者に対して表示し、100回のうちに運転者が気付いた回数を図3の縦軸に表現することとした。
【0021】
図3に示すように、半表示状態を介在させた場合、100回のうち5回程度しか運転者の視線を惹きつけることができなかった。これに対し、半表示状態を介在させなかった場合、100回のうち50回近くも運転者の視線を惹きつけることができた。以上のように、半表示状態を介在させた場合には運転者にとって表示が煩わしくなく、半表示状態を介在させない場合には運転者が表示に気付き易いようにすることができる。
【0022】
従って、上記のように車速が40km/h以上であるときに半表示状態を介在させないようにすることで、高速運転時の運転者に情報を気付かせることができる。すなわち、高速運転時において運転者は前方等にかなりの注意が向いている可能性が高く、表示部10において情報を表示しても気付きにくい可能性があるが、このような状態であっても運転者に表示を気付かせるようにすることができる。また、車速が40km/h未満である場合、運転者は運転に比較的余裕があり表示に気付きやすいと考えられるため、半表示状態を介在させて煩わしさを軽減することができる。
【0023】
なお、上記とは逆に、視覚情報制御部30は、自車両の車速が所定車速(例えば40km/h)以上であるという所定の走行条件を満たすか否かを判断するようにしてもよい。これにより、例えば自車両の車速が30kmであるとすると、所定の走行条件を満たさないこととなり、視覚情報制御部30は、半表示状態を介在させずに、表示、消去及び点滅制御を行うこととなる。一方、自車両の車速が80kmなどであるとすると、所定の走行条件を満たすこととなり、視覚情報制御部30は、半表示状態を介在させて、表示、消去及び点滅制御を行うこととなる。
【0024】
車両低速時において運転者は多くの対象物を視認することとなり、視線の移動量が大きくなる。このため、運転者は表示に気付きにくい場合もある。よって、低速運転時において半表示状態を介在させないことで、視線の移動が多くなり表示に気付きにくい場合であっても、表示を気付かせるようにすることができる。また、高速道路を運転するような高速運転時において運転者は一点を視認していることが多く視線の移動量は少ない。このため、運転者は表示に気付き易い場合もある。よって、高速運転時において半表示状態を介在させることで、煩わしさを軽減することができる。
【0025】
ここで、情報表示は図3に示した右折マークに限られるものではない。図4は、他車両が接近したときの情報表示例を示す図であり、(a)は半表示状態を介在させたときの表示例を示し、(b)は半表示状態を介在させないときの表示例を示している。
【0026】
図4に示す車両マークは他車両の接近を示すものである。図4に示す車両マークであっても、図3に示した右折マークと同様に誘目性に差異をつけることができる。すなわち、図4(a)に示すように完全表示と完全消去との間に半表示の状態を介在させることで、誘目性を低くすることができ、煩わしさを低減することができる。また、図4(b)に示すように、完全表示と完全消去との間に半表示の状態を介在させないことで、誘目性を高くすることができ、運転者の視線を惹きつけることができる。
【0027】
次に、自車両の周囲環境である交差点までの距離に応じて表示制御を行う場合を例に説明する。まず、車外情報検出部50(ナビゲーション装置)は、自車位置と地図情報として記憶される交差点位置とから、交差点までの距離の情報を検出する。そして、車外情報検出部50は、視覚情報制御部30に車速情報を送信する。
【0028】
また、視覚情報生成部20は表示部10に表示させる情報(例えば右左折マークなど)を生成する。そして、視覚情報制御部30は、交差点までの距離(周囲環境)が所定距離以上であるか(所定の環境条件を満たすか)を判断する。ここで、所定距離が30mであり自車両から交差点までの距離が20mであるとすると、所定の走行条件を満たさないこととなる。この場合、視覚情報制御部30は、半表示状態を介在させずに、右左折マークについて点滅制御を行う。一方、所定距離が30mであり自車両から交差点までの距離が80mであるとすると、所定の走行条件を満たすこととなり、視覚情報制御部30は、半表示状態を介在させて、点滅制御を行うこととなる。
【0029】
さらに、上記の場合、自車両から交差点までの距離が100m以上か否かによって誘目性に差異を設けてもよい。すなわち、視覚情報制御部30は、交差点までの距離が100m以上である場合、半表示状態を長くし、よりゆっくりと完全消去と完全表示との移行を行って誘目性を低めるようにする。一方、視覚情報制御部30は、交差点までの距離が30m以上100m未満である場合、半表示状態を短くし、完全消去と完全表示との移行を比較的早く行って誘目性を高めるようにする。
【0030】
また、視覚情報制御部30は、交差点までの距離が300m以上である場合、点滅制御自体を行わず右左折マークを常時点灯(または常時消灯)させて、一層表示が煩わしくないようにしてもよい。
【0031】
さらには、上記の他に、右左折予定の交差点に差し掛かるときに自車両が右左折専用レーンを走行しているか否かによって、半表示状態を介在させずに点滅表示を行ったり、半表示状態を介在させて点滅表示を行ったりするようにしてもよい。また、自車走行状態検出部40と車外情報検出部50との双方の情報により所定条件を満たすか否かを判断して半表示状態を介在させるか否かを決定してもよい。
【0032】
図5は、本実施形態に係る車両用表示装置1による車両用表示方法の詳細を示すフローチャートである。同図に示すように、まず、自車走行状態検出部40は、自車両の走行状態を検出する(ST1)。次いで、車外情報検出部50は、自車両の周囲環境を検出する(ST2)。次に、視覚情報生成部20は表示情報を生成する。
【0033】
その後、視覚情報制御部30は、自車両の走行状態及び周囲環境が所定条件を満たすか否かを判断する(ST4)。ここで、所定条件とは、車速が所定車速以上であるか、及び交差点までの距離が所定距離未満であるかのみならず、他車両までの距離が所定距離未満であるかなどであってもよい。この場合、車外情報検出部50は、レーザーレーダーや車車間通信により他車両までの距離を検出する。また、車載カメラにより他車両を撮影して画像解析により距離を検出してもよい。
【0034】
ここで、所定条件を満たすと判断した場合(ST4:YES)、視覚情報制御部30は半表示状態を介在させて制御を行うと決定する(ST5)。そして、処理はステップST7に移行する。一方、所定条件を満たさないと判断した場合(ST4:NO)、視覚情報制御部30は半表示状態を介在させずに制御を行うと決定する(ST6)。そして、処理はステップST7に移行する。ステップST7において視覚情報制御部30は、ステップST5またはステップST6において決定した制御方法にて表示制御を行う(ST7)。その後、処理は終了する。
【0035】
図6は、自車両の車速(走行状態)と他車両までの距離(周囲環境)との双方を組み合わせたときの表示制御例を示す図である。なお、図6において斜線部は第1例を示し、斜線が無い部分は第2例を示している。
【0036】
同図に示すように、第1例において自車両に接近する他車両が存在しない場合、視覚情報制御部30は、他車両の接近を示す車両マークを表示させることなく消灯させておく。また、他車両が接近してきた場合、視覚情報制御部30は、車両マークについて点滅制御を行う。但し、他車両までの距離が遠く自車両の車速が低い場合、視覚情報制御部30は、半表示状態を長めに介在させて点滅制御を行い、誘目性を低くする。一方、他車両までの距離が遠く自車両の車速が高い場合、及び、他車両までの距離が近い場合、視覚情報制御部30は、半表示状態を短めに介在させて点滅制御を行い、誘目性を高くする。
【0037】
第2例では、自車両に接近する他車両が存在しない場合、視覚情報制御部30は、他車両の接近を示す車両マークを表示させることなく消灯させておく。また、他車両までの距離が遠い場合、視覚情報制御部30は、車両マークについて常時点灯制御を行う。この点灯時において、視覚情報制御部30は、車速が高い場合、半表示状態を長めに介在して車両マークを点灯させ、誘目性を低くする。一方、車速が低い場合、視覚情報制御部30は、半表示状態を短めに介在して車両マークを点灯させ、誘目性を高くする。さらに、視覚情報制御部30は、他車両までの距離が近い場合、視覚情報制御部30は、点滅制御を行うと共に半表示状態を短めに介在させて誘目性を高くする。
【0038】
なお、表示制御例は図6に示す第1例及び第2例に限らず、種々の変更が可能である。さらに、図6では車速と他車両までの距離に応じて表示制御を行っているが、これらに限らず他の要因に応じて表示制御を行うようにしてもよい。
【0039】
このようにして、第1実施形態に係る車両用表示装置1及び方法によれば、情報を完全消去した消滅状態と情報を完全表示した点灯状態との間に、完全表示と完全消去との間の半表示となる半表示状態を介在させて制御を行う。このため、情報の表示や消去や点滅の際に完全消去と完全表示との間で表示切替が行われず、半表示状態の介在により表示切替がゆっくりと行われることとなる。これにより、視覚的変化が急激とならず、運転者の視線を惹きつける効果を低減させることができる。従って、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させることができる。
【0040】
また、走行状態が所定の走行条件を満たす場合に半表示状態を介在させて制御を行い、該走行状態が所定の走行条件を満たさない場合に半表示状態を介在させずに制御を行う。このため、例えば車速を走行状態として検出した場合、車速が所定車速未満であれば運転に多少の余裕があり情報に気付き易いと考えられるため半表示状態を介在させ、車速が所定車速以上であれば運転に集中して情報に気付き難いと考えられるため半表示状態を介在させずに制御を行うなどが可能となる。以上より、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができる。
【0041】
また、周囲環境が所定の環境条件を満たす場合に半表示状態を介在させて制御を行い、該周囲環境が所定の環境条件を満たさない場合に半表示状態を介在させずに制御を行う。このため、例えば右折予定の交差点までの距離を周囲環境として検出した場合、距離が所定距離未満であれば交差点まで余裕がないため情報に気付いていなければならないと判断して半表示状態を介在させず、距離が所定距離以上であれば交差点まで余裕があるため情報に気付いていなくてもよいと考えられるため半表示状態を介在させて制御を行うなどが可能となる。以上より、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができる。
【0042】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る車両用表示装置2は、第1実施形態のものと同様であるが、構成及び処理内容が異なっている。以下、第1実施形態との相違点を説明する。
【0043】
図7は、本発明の第2実施形態に係る車両用表示装置の構成図である。同図に示すように、第2実施形態に係る車両用表示装置2は、新たにデータ保存部(記憶手段)60と、運転者視線推定部(視線方向推定手段)70とを備えている。
【0044】
データ保存部60は、自車走行状態検出部40により検出された走行状態及び車外情報検出部50により検出された周囲環境の少なくとも一方からなる検出情報と、運転者の視線方向とを対応付けて記憶したものである。例えばデータ保存部60は、右折予定交差点の直前においてウインカー(走行状態)が操作されていない場合、運転者は表示部10に表示される右折マークを視認しておらず視線が正面方向に向いているとのデータを記憶している。同様に、データ保存部60は、カーブを走行する場合(周囲環境)には、運転者の視線がカーブ内側に向いているとのデータを記憶している。これらのデータはデータ保存部60においてマップとして記憶されている。
【0045】
また、第2実施形態における視覚情報制御部30は、自車走行状態検出部40および車外情報検出部50の少なくとも一方からの検出情報を読み込み、検出情報に対応した視線方向をデータ保存部60から読み出すようになっている。そして、視覚情報制御部30は、読み出した視線方向が所定方向である場合に半表示状態を介在させて制御を行い、読み出した視線方向が所定方向でない場合に半表示状態を介在させずに制御を行う。ここで、所定方向とは表示部10の情報表示箇所への方向である。表示部10の情報表示箇所への方向は、推定又は検出された運転者の眼の位置と、表示部10の情報表示箇所の位置とから求めることができる。
【0046】
このように構成されるため、視覚情報制御部30は、例えば自車両がカーブを走行しているという検出情報(周囲環境)から視線方向がカーブ内側付近であるとデータ保存部60から読み出す。そして、視覚情報制御部30は、表示部10を視認していないと判断して半表示状態を介在させずに制御を行う。また、例えば視覚情報制御部30は、自車両が右折する場合において右ウインカーを点灯させたという検出情報(走行状態)から視線方向が表示部10の方向であるとデータ保存部60から読み出す。そして、視覚情報制御部30は、右折に関する情報表示について半表示状態を介在させて制御を行う。
【0047】
このように制御を行うため、第2実施形態に係る車両用表示装置2は、情報表示に当たり運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができることとなる。
【0048】
運転者視線推定部70は、運転者の現在の情報を取得して運転者の視線方向を推定するものである。詳しく説明すると、運転者視線推定部70は例えば運転者の顔を撮影する車載カメラと画像処理装置とからなり、現在の運転者の顔情報を画像処理装置において解析することで運転者の視線方向を推定する構成となっている。
【0049】
また、運転者視線推定部70を備えるため、視覚情報制御部30は、運転者視線推定部70により推定された視線方向が所定方向である場合に半表示状態を介在させて制御を行い、該視線方向が所定方向でない場合に半表示状態を介在させずに制御を行う。ここで、所定方向は上記と同様に表示部10の情報表示箇所への方向である。
【0050】
これにより、データ保存部60を用いたときと同様に第2実施形態に係る車両用表示装置2は、運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができることとなる。なお、データ保存部60と運転者視線推定部70との双方を用いて運転者の視線方向を決定するようにしてもよい。
【0051】
さらに、第2実施形態では、運転者の視認方向が表示部10への方向である場合において、車外情報検出部50(注視対象検出手段)が他に注視すべき視認対象(自車への接近車、交差点を交差中のバイク、自転車、歩行者等や、信号機情報、道路標識情報など)を検出したときに、表示情報の誘目性を低下させて他の注視対象の存在を知らせるようにしてもよい。すなわち、車外情報検出部50が他に注視すべき視認対象を検出した場合、視覚情報制御部30は、視線方向が表示部10の情報表示箇所への方向であるか否かに代えて、注視すべき視認対象への方向であるか否かに基づいて、半表示を介在させるか否かを判断するようにしてもよい。これにより、注視すべき注視対象に視線が向きやすいようにすることができる。
【0052】
また、第2実施形態では、表示部10の情報表示箇所への方向と、データ保存部60及び運転者視線推定部70の少なくとも一方による視線方向との差を求め、差が大きくなるに従って誘目性が大きくなるように制御してもよい。この場合、誘目性は段階的に変化させてもよいし、連続的に変化させてもよい。これにより、より適切に表示部10の情報表示箇所へ視線を向けることができる。
【0053】
このようにして、第2実施形態に係る車両用表示装置2及び方法によれば、第1実施形態と同様に、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させることができる。また、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができる。
【0054】
さらに、第2実施形態によれば、データ保存部60により記憶され、検出情報から運転者が向いていると考えられる視線方向が所定方向である場合に半表示状態を介在させて制御を行い、該視線方向が所定方向でない場合に半表示状態を介在させずに制御を行う。このため、例えば自車両がカーブを走行しているという検出情報(周囲環境)から視線方向がカーブ内側付近であるとデータ保存部60から読み出した場合、表示部10を視認していないと判断して半表示状態を介在させずに制御を行う。また、例えば自車両が右折する場合において右ウインカーを点灯させたという検出情報(走行状態)から視線方向が表示部10の方向であるとデータ保存部60から読み出したときには、右折に関する情報表示について半表示状態を介在させて制御を行うことが可能となる。以上より、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができる。
【0055】
また、推定された視線方向が所定方向である場合に半表示状態を介在させて制御を行い、該視線方向が所定方向でない場合に半表示状態を介在させずに制御を行う。このため、視線方向が表示部10の方向であれば半表示状態を介在させて制御を行い、該視線方向が表示部10の方向でなければ半表示状態を介在させずに制御を行うことが可能となる。以上より、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができる。
【0056】
また、車外情報検出部50により注視すべき対象が検出された場合、視線方向が表示部10の情報表示箇所への方向であるか否かに代えて、注視すべき対象への方向であるか否かに応じて、半表示状態を介在させるか否かを判断する。これにより、自車両に障害物が接近しているような緊急時においては、注視すべき対象に視線が向きやすいようにすることができる。
【0057】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態に係る車両用表示装置3は、第1実施形態のものと同様であるが、処理内容が異なっている。以下、第1実施形態との相違点を説明する。
【0058】
まず、第3実施形態に係る車両用表示装置3を説明するに先立って、第1実施形態に係る視覚情報制御部30の点滅表示について再度説明する。図8は、第1実施形態に係る視覚情報制御部30による点滅表示を説明する図である。図8に示すように、情報を点滅表示させる場合、第1実施形態に係る視覚情報制御部30は、例えば消滅状態と点灯状態とを連続的に変化させる。すなわち、第1実施形態に係る視覚情報制御部30は、消滅状態と点灯状態とを変化させるときの変化時間に対するコントラストの変化量を示す第1のプロファイルに従って、情報を点滅表示させる。ここで、コントラストとは、明暗のみをいうのでなく、濃淡などを含むものであり、消滅状態と点灯状態との変化の視標をいう。
【0059】
これに対し、第3実施形態に係る視覚情報制御部30は、第1のプロファイルに第2のプロファイルを重ね合わせ、重ね合わせによりえられた合成プロファイルに従って、点滅を制御する。
【0060】
図9は、第2のプロファイルを説明する図である。図9に示すように、第2のプロファイルは、第1のプロファイルと同様に、変化時間に対するコントラストの変化量を示すものである。この第2のプロファイルは、第1のプロファイルの変化時間T1よりも短い変化時間の周期T2を有するものである。また、第2のプロファイルは、第1のプロファイルのコントラストの変化量C1よりも小さい変化量C2を有するものである。このように、第2のプロファイルは、第1のプロファイルよりも小刻みな変化を有するものとなる。
【0061】
図10は、合成プロファイルを説明する図である。図10に示すように、合成プロファイルは、第1のプロファイルに第2のプロファイルを重ね合わせたものである。第3実施形態に係る視覚情報制御部30は、この合成プロファイルに従って、点滅制御を行う。これにより、第3実施形態に係る車両用表示装置3は、第1のプロファイルと第2のプロファイルとの双方の特性を有する表示をすることができる。すなわち、第3実施形態に係る車両用表示装置3は、第1のプロファイルの特性である誘目性を低下させた点滅表示をすることができる。さらに、第2のプロファイルは第1のプロファイルに比べて小刻みなものであるため、運転者が点滅表示を周辺視野で視認する場合、点滅表示を煩わしく感じず、運転者が点滅表示を中心視野で視認する場合、小刻みな変化により運転者の注意を惹きつけることができる。
【0062】
図11は、第3実施形態に係る車両用表示装置3の表示例を示す図である。図11に示すように、視覚情報制御部30は、ナビゲーション装置により検索された経路100を、第1のプロファイルのみによって表示する。ここで、経路100上に渋滞箇所101が存在するとする。このとき、視覚情報制御部30は、渋滞箇所101について第2のプロファイルを重ね合わせて合成プロファイルを求め、合成プロファイルに従って表示部10に表示させる。これにより、運転者が表示部10を見ていない場合(すなわち周辺視野で視認する場合)、渋滞箇所101を含め経路100の表示を煩わしくさせることなく、且つ、運転者が表示部10を見ている場合(すなわち中心視野で視認する場合)、渋滞箇所101の表示について小刻みな変化をさせて注意を惹きつけることができる。
【0063】
ここで、一般のナビゲーション装置では経路上に着色し、さらに渋滞箇所101には道路と平行に渋滞情報を示す線が表示されることが多い。ところが、図11に示すように、渋滞箇所101を合成プロファイルに従って表示した場合、シンプル且つ見やすい表示とすることができる。
【0064】
なお、図8〜図10では合成プロファイルに従って点滅制御する例を説明したが、点滅制御に限ることなく、点灯及び消灯制御についても適用することができる。また、図9に示した第2のプロファイルは、第1のプロファイルの変化時間T1よりも短い変化時間の周期T2を有し、且つ、第1のプロファイルのコントラストの変化量C1よりも小さい変化量C2を有している。しかし、これに限らず、第2のプロファイルは、第1のプロファイルの変化時間T1よりも短い変化時間の周期T2、及び第1のプロファイルのコントラストの変化量C1よりも小さい変化量C2のいずれか一方のみを有するものであってもよい。
【0065】
さらに、第3実施形態に係る車両用表示装置3は、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量の少なくとも一方を変化できるようになっている。周期や変化量を変化させるにあたり、第3実施形態において視覚情報制御部30は、自車走行状態検出部40や車外情報検出部50からの検出結果を参照する。すなわち、視覚情報制御部30は、自車走行状態検出部40により検出された走行状態に応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。また、視覚情報制御部30は、車外情報検出部50により推定された周囲環境に応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。
【0066】
ここで、変化時間の周期を短くすると誘目性を高めることができ、変化時間の周期を長くすると誘目性を低めることができる。また、コントラストの変化量を大きくすると誘目性を高めることができ、コントラストの変化量を小さくすると誘目性を低めることができる。このため、例えば車速を走行状態として検出した場合、車速が所定車速未満であれば運転に多少の余裕があり情報に気付き易いと考えられるため、視覚情報制御部30は、変化時間の周期を短くし又はコントラストの変化量を大きくするなどして誘目性を高める。一方、車速が所定車速以上であれば運転に集中して情報に気付き難いと考えられるため、視覚情報制御部30は、変化時間の周期を長くし又はコントラストの変化量を小さくするなどして誘目性を低める。
【0067】
また、例えば右折予定の交差点までの距離を周囲環境として検出した場合、距離が所定距離未満であれば交差点まで余裕がないため情報に気付いていなければならないと判断し、視覚情報制御部30は、変化時間の周期を短くし又はコントラストの変化量を大きくするなどして誘目性を高める。一方、距離が所定距離以上であれば交差点まで余裕があるため情報に気付いていなくてもよいと考えられるため、視覚情報制御部30は、変化時間の周期を長くし又はコントラストの変化量を小さくするなどして誘目性を低める。
【0068】
図12は、第3実施形態に係る車両用表示装置3の第2の表示例を示す図である。例えば、渋滞箇所101の情報を周囲環境として検出したとする。さらに、検出した渋滞箇所101の混雑具合の情報についても周囲環境として検出したとする。この場合、視覚情報制御部30は、渋滞箇所101について第2のプロファイルを重ね合わせて合成プロファイルを求め、合成プロファイルに従って表示部10に表示させる。さらに、視覚情報制御部30は、重ね合わせる第2のプロファイルについて、より混雑している渋滞箇所101bの変化時間の周期を、比較的混雑していない渋滞箇所101aの変化時間の周期よりも短くする。これにより、混雑している方の渋滞箇所101bについて誘目性を高め、例えば運転者に渋滞箇所101bを回避すべきであるなどの情報を促すことができる。なお、図12に示す例の場合、混雑してる渋滞箇所101bの変化時間の周期のみを大きくしているが、これに限らず、コントラストの変化量のみを短くしてもよいし、双方を行うようにしてもよい。
【0069】
さらに、具体的な例を説明する。ここでは、右折する交差点までの距離を周囲環境の情報として検出し、右折マークを表示する場合を説明する。まず、交差点までの距離が300m以上の場合、交差点に達するまでに余裕があるため、視覚情報制御部30は、表示の煩わしさを軽減させることを優先させて、第1のプロファイルのみに従って、半表示を介在させて右折マークを表示を行う。また、交差点までの距離が100m以上300m未満である場合、視覚情報制御部30は、第1のプロファイルに第2のプロファイルを重ね合わせて、重ね合わせにより得られた合成プロファイルに従って右折マークを表示する。
【0070】
また、交差点までの距離が100未満である場合、視覚情報制御部30は、第1のプロファイルに第2のプロファイルを重ね合わせて、重ね合わせにより得られた合成プロファイルに従って右折マークを表示する。このとき、視覚情報制御部30は、重ね合わせる第2のプロファイルの変化時間の周期を、交差点までの距離が100m以上300未満である場合の変化時間の周期よりも短くする。これにより、交差点までの距離が100未満の場合に誘目性を高め、運転者に与える煩わしさを軽減しつつも、運転者に交差点において右折する旨の情報を提供することができる。なお、この例では、変化時間の周期のみを変化させているが、これに限らず、コントラストの変化量のみを変化させてもよいし、双方を変化させてもよい。
【0071】
このようにして、第3実施形態に係る車両用表示装置3及び方法によれば、第1実施形態と同様に、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させることができる。また、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができる。
【0072】
さらに、第3実施形態によれば、視覚情報制御部30は、第1のプロファイルに第2のプロファイルを重ね合わせ、重ね合わせにより得られた合成プロファイルに従って制御する。ここで、第2のプロファイルは、消滅状態と点灯状態との間の変化時間よりも短い変化時間の周期、及び、消滅状態と点灯状態との間のコントラストの変化量よりも小さい変化量の少なくとも一方を有する。このため、第2のプロファイルによる変化は、第1のプロファイルに比較して小刻みなものとなる。よって、表示を周辺視野で視認する際には小刻みな変化は煩わしくなく、中心視野で視認する際には小刻みな変化が運転者の注意を惹きつけることとなる。従って、運転者に与える煩わしさを低減させつつ、注意を惹きつけて視認性を向上させることができる。
【0073】
また、視覚情報制御部30は、検出された走行状態に応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。ここで、変化時間の周期を短くすると誘目性を高めることができ、変化時間の周期を長くすると誘目性を低めることができる。また、コントラストの変化量を大きくすると誘目性を高めることができ、コントラストの変化量を小さくすると誘目性を低めることができる。このため、例えば車速を走行状態として検出した場合、車速が所定車速未満であれば運転に多少の余裕があり情報に気付き易いと考えられるため、変化時間の周期を短くし又はコントラストの変化量を大きくするなどして誘目性を高めることが可能となる。一方、車速が所定車速以上であれば運転に集中して情報に気付き難いと考えられるため、変化時間の周期を長くし又はコントラストの変化量を小さくするなどして誘目性を低めることが可能となる。以上のように、誘目性の微調整を行うことが可能となり、多彩な表現を行うことができる。
【0074】
また、視覚情報制御部30は、検出された周囲環境に応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。このため、例えば右折予定の交差点までの距離を周囲環境として検出した場合、距離が所定距離未満であれば交差点まで余裕がないため情報に気付いていなければならないと判断して変化時間の周期を短くし又はコントラストの変化量を大きくするなどして誘目性を高めることが可能となる。一方、距離が所定距離以上であれば交差点まで余裕があるため情報に気付いていなくてもよいと考えられるため変化時間の周期を長くし又はコントラストの変化量を小さくするなどして誘目性を低めることが可能となる。以上のように、誘目性の微調整を行うことが可能となり、多彩な表現を行うことができる。
【0075】
次に、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態に係る車両用表示装置4は、第2実施形態のものと同様であるが、処理内容が異なっている。以下、第2実施形態との相違点を説明する。
【0076】
まず、第4実施形態に係る車両用表示装置4は、第3実施形態に係る車両用表示装置3と同様に、第1のプロファイルに第2のプロファイルを重ね合わせ、重ね合わせにより得られた合成プロファイルに従って、点灯、消灯及び点滅の少なくとも1つの制御を実行する。
【0077】
さらに、第4実施形態における視覚情報制御部30は、第2実施形態と同様に、自車走行状態検出部40および車外情報検出部50の少なくとも一方からの検出情報を読み込み、検出情報に対応した視線方向をデータ保存部60から読み出すようになっている。また、第4実施形態における視覚情報制御部30は、読み出した視線方向に応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。
【0078】
このように構成されるため、視覚情報制御部30は、例えば自車両がカーブを走行しているという検出情報(周囲環境)から視線方向がカーブ内側付近であるとデータ保存部60から読み出した場合、表示部10を視認していないと判断して変化時間の周期を短くし又はコントラストの変化量を大きくすることなどして誘目性を高める。また、例えば自車両が右折する場合において右ウインカーを点灯させたという検出情報(走行状態)から視線方向が表示部10の方向であるとデータ保存部60から読み出したときには、右折に関する情報表示について変化時間の周期を長くし又はコントラストの変化量を小さくすることなどして誘目性を低める。このように、第4実施形態に係る車両用表示装置4は、誘目性の微調整を行うことが可能となり、多彩な表現を行うことができる。
【0079】
さらに、第4実施形態において視覚情報制御部30は、運転者視線推定部70により推定された視線方向に応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。これにより、データ保存部60を用いたときと同様に第4実施形態に係る車両用表示装置4は、誘目性の微調整を行うことが可能となり、多彩な表現を行うことができる。
【0080】
さらに、第4実施形態では、車外情報検出部50が他に注視すべき視認対象を検出した場合、視覚情報制御部30は、視線方向が表示部10の情報表示箇所への方向に代えて、注視すべき視認対象への方向であるか否かに応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。これにより、注視すべき注視対象に視線が向きやすいようにすることができる。
【0081】
このようにして、第4実施形態に係る車両用表示装置4及び方法によれば、第2実施形態と同様に、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させることができる。また、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができる。また、情報表示制御において運転者に与える煩わしさを低減させつつも、必要時には運転者に情報を気付かせることができる。また、注視すべき対象に視線が向きやすいようにすることができる。
【0082】
さらに、第3実施形態と同様に、運転者に与える煩わしさを低減させつつ、注意を惹きつけて視認性を向上させることができ、誘目性の微調整を行うことが可能となり、多彩な表現を行うことができる。
【0083】
さらに、第4実施形態によれば、データ保存部60により記憶され、検出情報から運転者が向いていると考えられる視線方向に応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。このため、例えば自車両がカーブを走行しているという検出情報(周囲環境)から視線方向がカーブ内側付近であるとデータ保存部60から読み出した場合、表示部10を視認していないと判断して変化時間の周期を短くし又はコントラストの変化量を大きくすることなどして誘目性を高めることが可能となる。また、例えば自車両が右折する場合において右ウインカーを点灯させたという検出情報(走行状態)から視線方向が表示部10の方向であるとデータ保存部60から読み出したときには、右折に関する情報表示について変化時間の周期を長くし又はコントラストの変化量を小さくすることなどして誘目性を低めることが可能となる。以上のように、誘目性の微調整を行うことが可能となり、多彩な表現を行うことができる。
【0084】
また、推定された視線方向に応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。このため、視線方向が表示部10の方向であれば変化時間の周期を長くし又はコントラストの変化量を小さくするなどして誘目性を低めることが可能となる。一方、該視線方向が表示部10の方向でなければ変化時間の周期を短くし又はコントラストの変化量を大きくするなどして誘目性を高めることが可能となる。以上のように、誘目性の微調整を行うことが可能となり、多彩な表現を行うことができる。
【0085】
また、車外情報検出部50により注視すべき対象が検出された場合、視線方向が表示部10の情報表示箇所への方向であるか否かに代えて、注視すべき対象への方向であるか否かに応じて、第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる。これにより、自車両に障害物が接近しているような緊急時において誘目性を調整することが可能となる。従って、注視すべき対象に視線が向きやすいようにすることができる。
【0086】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、各実施形態を組み合わせるようにしてもよい。
【0087】
例えば、上記実施形態に係る車両用表示装置1〜4を複数の情報を表示する複数表示装置や大型表示装置に適用するようにしてもよい。この場合、情報の優先度に応じて誘目性を変化させることにより、複数の情報を運転者に適切に提供することができる。
【0088】
また、上記実施形態に係る車両用表示装置1〜4をウインドウシールドに情報表示を行う表示装置に適用するようにしてもよい。この場合も、運転者がウインドウシールドを通して外界を視認するのに邪魔とならないように誘目性を制御することで、運転者に適切に情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用表示装置の構成図である。
【図2】誘目性について説明する図であり、(a)は半表示状態を介在させたときの表示コントラストを示し、(b)は半表示状態を介在させないときの表示コントラストを示している。
【図3】誘目性について説明するグラフである。
【図4】他車両が接近したときの情報表示例を示す図であり、(a)は半表示状態を介在させたときの表示例を示し、(b)は半表示状態を介在させないときの表示例を示している。
【図5】本実施形態に係る車両用表示装置1による車両用表示方法の詳細を示すフローチャートである。
【図6】自車両の車速(走行状態)と他車両までの距離(周囲環境)との双方を組み合わせたときの表示制御例を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る車両用表示装置の構成図である。
【図8】第1実施形態に係る視覚情報制御部による点滅表示を説明する図である。
【図9】第2のプロファイルを説明する図である。
【図10】合成プロファイルを説明する図である。
【図11】第3実施形態に係る車両用表示装置の表示例を示す図である。
【図12】第3実施形態に係る車両用表示装置の第2の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0090】
1〜4…車両用表示装置
10…表示部(表示手段)
20…視覚情報生成部(情報生成手段)
30…視覚情報制御部(表示制御手段)
40…自車走行状態検出部(走行状態検出手段)
50…車外情報検出部(周囲環境検出手段、注視対象検出手段)
60…データ保存部(記憶手段)
70…運転者視線推定部(視線方向推定手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者に対して情報表示する表示手段と、
前記表示手段に表示させる情報を生成する情報生成手段と、
前記情報生成手段により生成された情報を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、情報を表示する場合、情報を消去する場合、及び情報を点滅表示する場合の少なくとも1つの場合に、情報を完全消去した消滅状態と情報を完全表示した点灯状態との間に、完全表示と完全消去との間の半表示となる半表示状態を介在させて制御を行う
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記消滅状態と前記点灯状態とを連続的に変化させる場合、前記消滅状態と前記点灯状態とを変化させるときの変化時間に対するコントラストの変化量を示す第1のプロファイルに、前記消滅状態と前記点灯状態との間の変化時間よりも短い変化時間の周期、及び、前記消滅状態と前記点灯状態との間のコントラストの変化量よりも小さい変化量の少なくとも一方を有する第2のプロファイルを重ね合わせ、重ね合わせにより得られた合成プロファイルに従って制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記走行状態検出手段により検出された走行状態が所定の走行条件を満たす場合に前記半表示状態を介在させて制御を行い、該走行状態が所定の走行条件を満たさない場合に前記半表示状態を介在させずに制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記走行状態検出手段により検出された走行状態に応じて、前記第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
自車両の周囲環境を推定する周囲環境検出手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記周囲環境検出手段により推定された周囲環境が所定の環境条件を満たす場合に前記半表示状態を介在させて制御を行い、該周囲環境が所定の環境条件を満たさない場合に前記半表示状態を介在させずに制御を行う
ことを特徴とする請求項1または請求項3のいずれかに記載の車両用表示装置。
【請求項6】
自車両の周囲環境を推定する周囲環境検出手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記周囲環境検出手段により推定された周囲環境に応じて、前記第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる
ことを特徴とする請求項2または請求項4のいずれかに記載の車両用表示装置。
【請求項7】
自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
自車両の周囲環境を検出する周囲環境検出手段と、
前記走行状態検出手段により検出された走行状態及び前記周囲環境検出手段により推定された周囲環境の少なくとも一方からなる検出情報と運転者の視線方向とを対応付けて記憶した記憶手段と、をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記検出情報に対応した視線方向を前記記憶手段から読み出し、この視線方向が所定方向である場合に前記半表示状態を介在させて制御を行い、該視線方向が所定方向でない場合に前記半表示状態を介在させずに制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項8】
自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
自車両の周囲環境を検出する周囲環境検出手段と、
前記走行状態検出手段により検出された走行状態及び前記周囲環境検出手段により推定された周囲環境の少なくとも一方からなる検出情報と運転者の視線方向とを対応付けて記憶した記憶手段と、をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記検出情報に対応した視線方向を前記記憶手段から読み出し、読み出した視線方向に応じて、前記第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項9】
運転者の現在の情報を取得して運転者の視線方向を推定する視線方向推定手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記視線方向推定手段により推定された視線方向が所定方向である場合に前記半表示状態を介在させて制御を行い、該視線方向が所定方向でない場合に前記半表示状態を介在させずに制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項10】
運転者の現在の情報を取得して運転者の視線方向を推定する視線方向推定手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記視線方向推定手段により推定された視線方向に応じて、前記第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項11】
前記所定方向は、前記表示手段の情報表示箇所への方向である
ことを特徴とする請求項7または請求項9のいずれかに記載の車両用表示装置。
【請求項12】
前記表示制御手段は、前記視線方向が前記表示手段の情報表示箇所への方向であるか否かに応じて、前記第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる
ことを特徴とする請求項8または請求項10のいずれかに記載の車両用表示装置。
【請求項13】
自車両の運転者が注視すべき対象を検出する注視対象検出手段をさらに備え、
前記所定方向は、前記注視対象検出手段により注視すべき対象が検出された場合、前記表示手段の情報表示箇所への方向に代えて、注視すべき対象への方向とされる
ことを特徴とする請求項11に記載の車両用表示装置。
【請求項14】
自車両の運転者が注視すべき対象を検出する注視対象検出手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記注視対象検出手段により注視すべき対象が検出された場合、前記視線方向が前記表示手段の情報表示箇所への方向であるか否かに代えて、前記視線方向が注視すべき対象への方向であるか否かに応じて、前記第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる
ことを特徴とする請求項12に記載の車両用表示装置。
【請求項15】
運転者に対して表示させる情報を生成する情報生成ステップと、
前記情報生成ステップにおいて生成された情報を表示させる表示制御ステップと、を有し、
前記表示制御ステップでは、情報を表示する場合、情報を消去する場合、及び情報を点滅表示する場合の少なくとも1つの場合に、情報を完全消去した消滅状態と情報を完全表示した点灯状態との間に、完全表示と完全消去との間の半表示となる半表示状態を介在させて制御を行う
ことを特徴とする車両用表示方法。
【請求項1】
運転者に対して情報表示する表示手段と、
前記表示手段に表示させる情報を生成する情報生成手段と、
前記情報生成手段により生成された情報を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、情報を表示する場合、情報を消去する場合、及び情報を点滅表示する場合の少なくとも1つの場合に、情報を完全消去した消滅状態と情報を完全表示した点灯状態との間に、完全表示と完全消去との間の半表示となる半表示状態を介在させて制御を行う
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記消滅状態と前記点灯状態とを連続的に変化させる場合、前記消滅状態と前記点灯状態とを変化させるときの変化時間に対するコントラストの変化量を示す第1のプロファイルに、前記消滅状態と前記点灯状態との間の変化時間よりも短い変化時間の周期、及び、前記消滅状態と前記点灯状態との間のコントラストの変化量よりも小さい変化量の少なくとも一方を有する第2のプロファイルを重ね合わせ、重ね合わせにより得られた合成プロファイルに従って制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記走行状態検出手段により検出された走行状態が所定の走行条件を満たす場合に前記半表示状態を介在させて制御を行い、該走行状態が所定の走行条件を満たさない場合に前記半表示状態を介在させずに制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記走行状態検出手段により検出された走行状態に応じて、前記第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
自車両の周囲環境を推定する周囲環境検出手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記周囲環境検出手段により推定された周囲環境が所定の環境条件を満たす場合に前記半表示状態を介在させて制御を行い、該周囲環境が所定の環境条件を満たさない場合に前記半表示状態を介在させずに制御を行う
ことを特徴とする請求項1または請求項3のいずれかに記載の車両用表示装置。
【請求項6】
自車両の周囲環境を推定する周囲環境検出手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記周囲環境検出手段により推定された周囲環境に応じて、前記第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる
ことを特徴とする請求項2または請求項4のいずれかに記載の車両用表示装置。
【請求項7】
自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
自車両の周囲環境を検出する周囲環境検出手段と、
前記走行状態検出手段により検出された走行状態及び前記周囲環境検出手段により推定された周囲環境の少なくとも一方からなる検出情報と運転者の視線方向とを対応付けて記憶した記憶手段と、をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記検出情報に対応した視線方向を前記記憶手段から読み出し、この視線方向が所定方向である場合に前記半表示状態を介在させて制御を行い、該視線方向が所定方向でない場合に前記半表示状態を介在させずに制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項8】
自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
自車両の周囲環境を検出する周囲環境検出手段と、
前記走行状態検出手段により検出された走行状態及び前記周囲環境検出手段により推定された周囲環境の少なくとも一方からなる検出情報と運転者の視線方向とを対応付けて記憶した記憶手段と、をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記検出情報に対応した視線方向を前記記憶手段から読み出し、読み出した視線方向に応じて、前記第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項9】
運転者の現在の情報を取得して運転者の視線方向を推定する視線方向推定手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記視線方向推定手段により推定された視線方向が所定方向である場合に前記半表示状態を介在させて制御を行い、該視線方向が所定方向でない場合に前記半表示状態を介在させずに制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項10】
運転者の現在の情報を取得して運転者の視線方向を推定する視線方向推定手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記視線方向推定手段により推定された視線方向に応じて、前記第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項11】
前記所定方向は、前記表示手段の情報表示箇所への方向である
ことを特徴とする請求項7または請求項9のいずれかに記載の車両用表示装置。
【請求項12】
前記表示制御手段は、前記視線方向が前記表示手段の情報表示箇所への方向であるか否かに応じて、前記第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる
ことを特徴とする請求項8または請求項10のいずれかに記載の車両用表示装置。
【請求項13】
自車両の運転者が注視すべき対象を検出する注視対象検出手段をさらに備え、
前記所定方向は、前記注視対象検出手段により注視すべき対象が検出された場合、前記表示手段の情報表示箇所への方向に代えて、注視すべき対象への方向とされる
ことを特徴とする請求項11に記載の車両用表示装置。
【請求項14】
自車両の運転者が注視すべき対象を検出する注視対象検出手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記注視対象検出手段により注視すべき対象が検出された場合、前記視線方向が前記表示手段の情報表示箇所への方向であるか否かに代えて、前記視線方向が注視すべき対象への方向であるか否かに応じて、前記第2のプロファイルの変化時間の周期及びコントラストの変化量のうち少なくとも一方を変化させる
ことを特徴とする請求項12に記載の車両用表示装置。
【請求項15】
運転者に対して表示させる情報を生成する情報生成ステップと、
前記情報生成ステップにおいて生成された情報を表示させる表示制御ステップと、を有し、
前記表示制御ステップでは、情報を表示する場合、情報を消去する場合、及び情報を点滅表示する場合の少なくとも1つの場合に、情報を完全消去した消滅状態と情報を完全表示した点灯状態との間に、完全表示と完全消去との間の半表示となる半表示状態を介在させて制御を行う
ことを特徴とする車両用表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図4】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図4】
【公開番号】特開2008−30729(P2008−30729A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−279776(P2006−279776)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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