説明

車両用表示装置

【課題】所望のコンテンツ表示のために必要な操作及び時間をそれぞれ簡素化及び短縮化すると共に、信頼性を確保する。
【解決手段】メニュー表示モードにおいては、横方向に並ぶアクティブ表示領域441及び非アクティブ表示領域442を表示画面44に設定し、表示態様の変更要求入力毎に領域441,442の位置関係を入れ替える。また、メニュー表示モードにおいては、アクティブ表示領域441に表示して選択許可するアクティブボタン画像2b1と、非アクティブ表示領域442に表示して選択禁止をする非アクティブボタン画像2b2とを、コンテンツ表示のためのメニューボタン画像として領域入り替え毎に設定する。さらにメニュー表示モードにおいては、警告を発する警告条件成立時に表示する警告画像2dの表示位置を、アクティブ表示領域441のうちアクティブボタン画像2b1に重畳する箇所に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されて画像を表示する表示画面を備えた車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定のコンテンツを表示するために選択されるメニューボタン画像を表示画面の横方向に複数並べて表示するように、メニュー表示モードを実行する車両用表示装置が、知られている。例えば特許文献1の装置では、メニュー表示モードの表示態様が同文献の図10に開示されるように、目的地検索用に表示する複数の検索コンテンツにそれぞれ個別に対応する複数のメニューボタン画像を、表示画面の横方向に並べて表示している。
【0003】
また、従来、所定の警告を発するための警告画像を、他の画像と共に表示する車両用表示装置が、知られている。例えば特許文献2の装置では、警告を発する警告条件が成立した場合には、当該警告の内容を同文献の図2に開示されるような文字によって報知する警告画像が、表示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−229700号公報
【特許文献2】特開2009−40281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、近年、表示による情報提供量を高める等の目的により表示画面を大型化することが、広く行われるようになってきており、その一つとして、横長の表示画面を車両に搭載することが考えられている。そこで、特許文献1の装置の如く複数のメニューボタン画像を横長画面の横方向に並べてダイナミックに表示した場合、一つのメニュー表示から可及的に多数のコンテンツ表示へと切り替え可能になるので、ユーザが所望のコンテンツ表示に辿り着くまでの操作は、簡素化され得る。一方で、同時に表示されるボタン画像の数が増加することから、ユーザは、所望のコンテンツ画像に対応するメニューボタン画像の選択に時間を要してしまう。
【0006】
そこで、本発明者らは、横方向に並ぶアクティブ表示領域と非アクティブ表示領域とを表示画面に設定し、選択を許可するメニューボタン画像を前者の領域に表示する一方、選択を禁止するメニューボタン画像を後者の領域に表示する構成につき、検討を行ってきた。この検討構成によると、特定のアクティブ表示領域に表示されることで選択の許可状態となるメニューボタン画像については、素早く見つけて選択することが可能となるので、ユーザが所望のコンテンツ表示に辿り着くまでの時間は、短縮され得る。また、画面横方向におけるアクティブ表示領域及び非アクティブ表示領域の位置関係を入れ替え可能とすることで、非アクティブボタン画像として表示されたメニューボタン画像であっても、選択許可されるアクティブボタン画像へと変更し得る。これによれば、ユーザが所望のコンテンツ表示に辿り着くまでの操作の簡素化効果は、大きく妨げられないのである。
【0007】
しかしながら、特許文献2の装置の如き警告画像の表示を本発明者らの上記検討構成に採用する場合、警告画像が非アクティブ表示領域に表示されるようなことがあると、当該警告画像がユーザによって見落とされ易くなる。そうした警告画像の見落とし易さは、車両用表示装置としての信頼性の低下に繋がるため、望ましくない。
【0008】
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ユーザが所望のコンテンツを表示させるために必要な操作及び時間をそれぞれ簡素化及び短縮化すると共に、車両用表示装置としての信頼性を確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、車両に搭載される横長の表示画面を備え、所定のコンテンツを表示するために選択されるメニューボタン画像を表示画面の横方向に複数並べて表示するメニュー表示モードにおいて、所定の警告を発するための警告画像を、それらメニューボタン画像と共に表示する車両用表示装置であって、メニュー表示モードの表示態様を変更するための変更要求が、ユーザ操作により入力される入力手段と、メニュー表示モードにおいて、横方向に並ぶアクティブ表示領域及び非アクティブ表示領域を表示画面に設定し、表示態様の変更要求が入力手段へ入力される毎に、表示画面の横方向におけるアクティブ表示領域及び非アクティブ表示領域の位置関係を入れ替える領域設定手段と、メニュー表示モードにおいて、アクティブ表示領域に表示して選択を許可するメニューボタン画像としてのアクティブボタン画像と、非アクティブ表示領域に表示して選択を禁止するメニューボタン画像としての非アクティブボタン画像とを、領域設定手段による領域入り替え毎に設定するメニュー表示設定手段と、メニュー表示モードにおいて、所定の警告を発する警告条件が成立した場合に表示する警告画像の表示位置を、領域設定手段により設定されたアクティブ表示領域のうちアクティブボタン画像に重畳する箇所に、設定する警告表示設定手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
この発明によると、メニュー表示モードにおいて横長表示画面の横方向に並んで表示される複数のメニューボタン画像は、それぞれ所定のコンテンツを表示するために選択可能となる。これにより、一つのメニュー表示から可及的に多数のコンテンツ表示へと切り替え可能になるので、それらコンテンツ表示のうち所望のコンテンツ表示にユーザが辿り着くまでの操作は、簡素化され得る。しかし、所望のコンテンツに対応するメニューボタン画像を探して選択する際の容易性については、表示画面の横方向にてメニューボタン画像の表示数が増加するほど、低下する事態が懸念される。
【0011】
そこで、メニュー表示モードでは、アクティブ表示領域及び非アクティブ表示領域が横方向に並ぶように表示画面に設定され、選択を許可するメニューボタン画像が前者の領域に表示される一方、選択を禁止するメニューボタン画像が後者の領域に表示される。これにより、特定のアクティブ表示領域に表示されて選択の許可状態となるメニューボタン画像としてのアクティブボタン画像については、素早く見つけて選択することが可能となるので、ユーザが所望のコンテンツ表示に辿り着くまでの時間は、短縮され得る。それと共にメニュー表示モードでは、表示画面の横方向においてアクティブ表示領域及び非アクティブ表示領域の位置関係は、表示態様の変更要求が入力される毎に、入れ替え可能となる。これにより、非アクティブボタン画像として表示されることで選択禁止状態となったメニューボタン画像であっても、選択許可されるアクティブボタン画像へと変更し得るので、ユーザが所望のコンテンツ表示に辿り着くまでの操作の簡素化効果は、大きく妨げられない。
【0012】
加えて、メニュー表示モードでは、所定の警告を発する警告条件が成立した場合に表示される警告画像の表示位置が、アクティブ表示領域のうちアクティブボタン画像に重畳する箇所に、設定される。これにより、表示態様の変更要求の度にアクティブ表示領域が入れ替えられても、当該入れ替え後のアクティブ表示領域では、ユーザが注視している選択対象のアクティブボタン画像に重畳表示された警告画像は、同ユーザによっては見落とされ難くなる。
【0013】
以上説明した請求項1に記載の発明によれば、ユーザが所望のコンテンツを表示するために必要な操作及び時間がそれぞれ簡素化及び短縮化され得るのみならず、警告画像の見落とし難さから車両用表示装置としての信頼性が確保され得るのである。
【0014】
請求項2に記載の発明によると、メニュー表示モードにおいてメニュー表示設定手段は、領域設定手段により設定されたアクティブ表示領域に、アクティブボタン画像を横方向に複数並べて表示し、メニュー表示モードにおいて警告表示設定手段は、領域設定手段により設定されたアクティブ表示領域にて並ぶ複数のアクティブボタン画像に跨って、警告画像を表示する。
【0015】
この発明のメニュー表示モードでは、アクティブ表示領域の横方向に並んで表示されて注視され易くなっている複数のアクティブボタン画像に跨って、警告画像が重畳表示されることになるので、当該警告画像も注視され易い。これによれば、ユーザによる警告画像の見落としを回避して、車両用表示装置に対する信頼性の確保効果を高めることが可能となるのである。
【0016】
請求項3に記載の発明によると、入力手段には、メニューボタン画像を選択するための選択要求が、ユーザ操作により入力され、警告条件は、メニュー表示モードにおいてアクティブボタン画像の選択要求に対する拒否の警告を発するための条件である。
【0017】
この発明のメニュー表示モードでは、メニューボタン画像のうち注視先となるアクティブボタン画像の選択要求に対して拒否の警告を発する警告条件が成立すると、当該アクティブボタン画像に警告画像が重畳表示されることで、警告をユーザに確実に与え得る。これによれば、例えば車両の走行時等に、メニュー表示モードにおけるメニューボタンの選択を拒否する状況となっても、当該拒否の警告がユーザによって見落とされ難くなるので、車両用表示装置に対する信頼性の確保効果を高めることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によると、メニュー表示モードにおいてメニュー表示設定手段は、アクティブボタン画像を、非アクティブボタン画像よりも大きなサイズに表示する。
【0019】
この発明のメニュー表示モードでは、表示態様の変更要求の度に表示領域が入れ替えられても、当該入れ替え後のアクティブ表示領域においてアクティブボタン画像は、当該入れ替え後の非アクティブ表示領域における非アクティブボタン画像よりも、大きく表示される。これにより視認性の高くなったアクティブボタン画像について、ユーザは目移りすることなく探して容易に選択可能となるので、ユーザが所望のコンテンツ表示に辿り着くまでの時間の短縮化を、促進することができる。それと共にメニュー表示モードでは、拡大表示により注視され易くなったアクティブボタン画像に警告画像が重畳表示されることになるので、ユーザによる当該警告画像の見落としを回避して、車両用表示装置に対する信頼性の確保効果を高めることが可能となる。尚、ボタン画像の表示サイズを大きくするには、例えばボタン画像の横方向の画素数を増大させてもよいし、ボタン画像の上下方向の画素数を増大させてもよいし、それら両方向の画素数を増大させてもよい。
【0020】
請求項5に記載の発明によると、メニュー表示モードにおいてメニュー表示設定手段は、アクティブボタン画像を、非アクティブボタン画像よりも高い明彩度にて表示する。
【0021】
この発明のメニュー表示モードでは、表示態様の変更要求の度に表示領域が入れ替えられても、当該入れ替え後のアクティブ表示領域においてアクティブボタン画像は、当該入れ替え後の非アクティブ表示領域における非アクティブボタン画像よりも、高明彩度にて表示される。これにより視認性の高くなったアクティブボタン画像について、ユーザは目移りすることなく探して容易に選択可能となるので、ユーザが所望のコンテンツ表示に辿り着くまでの時間の短縮化を、促進することができる。それと共にメニュー表示モードでは、明彩度の高い表示により注視され易くなったアクティブボタン画像に警告画像が重畳表示されることになるので、ユーザによる当該警告画像の見落としを回避して、車両用表示装置に対する信頼性の確保効果を高めることが可能となる。尚、「高い明彩度」とは、明度及び彩度の少なくとも一方が高い状態を意味している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態による車両用表示装置を概略的に示す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態による車両用表示装置での画像の表示例を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態による車両用表示装置での画像の表示例を示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態による車両用表示装置での画像の表示例を示す模式図である。
【図5】本発明の一実施形態による車両用表示装置での画像の表示例を示す模式図である。
【図6】本発明の一実施形態による車両用表示装置での画像の表示例を示す模式図である。
【図7】本発明の一実施形態による車両用表示装置での画像の表示例を示す模式図である。
【図8】本発明の一実施形態による車両用表示装置での画像の表示例を示す模式図である。
【図9】本発明の一実施形態による車両用表示装置を車両に搭載した状態を示す透視図である。
【図10】本発明の一実施形態による車両用表示装置にて実施される制御フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態による車両用表示装置100の構成を概略的に示している。車両用表示装置100は、例えば図2〜7に示す如き画像2を表示画面44に表示することで、「ユーザ」としての車両乗員へ種々の車両情報を提供する。尚、以下では、図9に示すように車室10a内の進行方向左側に運転席10b、進行方向右側に助手席10cがそれぞれ配置される左ハンドル車両10に、車両用表示装置100を適用した例について説明する。
【0024】
図1に示すように、車両10においてグローバルController Area Network(CAN)80及びローカルCAN81に接続される車両用表示装置100は、操作装置20、ナビゲーション制御装置30及び液晶ディスプレイ装置40を備えている。
【0025】
グローバルCAN80及びローカルCAN81は、車両10に搭載された各種装置間での車両情報の伝送を所定のプロトコルに従って実現する車載ネットワークシステムである。グローバルCAN80及びローカルCAN81は、二本の通信線からなるバスに種々の装置が接続されることによって、構築されている。グローバルCAN80には、ナビゲーション制御装置30に加えて、車両10を統合的に制御する車両制御装置82、車両10に搭載された内燃機関を制御する機関制御装置84、車室10a内の空調を制御するエアコン制御装置86、並びに車室10a内に音声や音楽を出力する音響装置88等が接続されている。一方、ローカルCAN81には、操作装置20及びナビゲーション制御装置30が接続されている。
【0026】
入力インターフェースである操作装置20は、図9に示す車室10a内において運転席10b及び助手席10cの間に位置するセンターコンソール10dに、乗員により操作可能に設置されている。図1に示すように操作装置20は、ポインティングデバイス21及び複数の操作ボタン22,23を有している。
【0027】
ポインティングデバイス21は、センターコンソール10d(図9参照)から突出する操作ノブであり、車室10a内において前後左右に可動するように設けられている。このポインティングデバイス21が乗員により操作されると、表示画面44に表示されるポインタ画像2a(図2〜7参照)について表示位置を移動させるための移動要求が入力され、当該要求がローカルCAN81を通してナビゲーション制御装置30に取得される。これにより本実施形態では、ポインティングデバイス21の位置が乗員操作によって前後左右に動かされることにより、表示画面44におけるポインタ画像2aの表示位置が上下左右に移動することになる。
【0028】
操作ボタン22,23は、センターコンソール10d(図9参照)においてポインティングデバイス21の近傍に配置されるプッシュ式のボタンであり、車室10a内において下方に押圧可能に設けられている。ここで、メニュー操作ボタン22が乗員により操作されると、表示画面44の表示モードをメインメニューの表示モード(図3参照)へ強制変更するための割り込み要求が入力され、当該要求がローカルCAN81を通してナビゲーション制御装置30に取得される。一方、ポインタ画像2aがボタン画像2bに重なり合った状態(図2〜図7参照)で、選択操作ボタン23が乗員により操作されると、ボタン画像2bを選択するための選択要求が入力され、当該要求がローカルCAN81を通してナビゲーション制御装置30に取得される。これにより本実施形態では、選択操作ボタン23の乗員操作により選択されたボタン画像2bと対応する所定の処理が、実行されることになる。
【0029】
ナビゲーション制御装置30は、図9に示す車室10a内において運転席10b及び助手席10cの前方に位置するインスツルメントパネル10eに、設置されている。図1に示すようにナビゲーション制御装置30は、受信部31、方位測定部32、地図情報記憶部33、オーディオ部34、制御部35及び描画部36を有している。
【0030】
受信部31は、例えばグローバル・ポジショニング・システム(GPS)用の受信アンテナ等からなり、GPS衛星からのGPS信号を受信して車両10の位置情報を制御部35へ出力する。方位測定部32は、例えばジャイロスコープ等からなり、車両10の進行方向となる方位情報を測定して制御部35へ出力する。地図情報記憶部33は、例えばハードディスクドライブ、光学式ディスクドライブ、フラッシュメモリ等からなり、予め記憶している地図情報を制御部35へ出力する。オーディオ部34は、例えば光学式ディスク等に予め記憶されている音楽情報を読み込み可能な再生機器からなり、当該音楽情報の再生を制御部35及びグローバルCAN80を通じて音響装置88に指令する。
【0031】
制御部35は、例えばマイクロコンピュータ等からなり、所定の通信インターフェース(図示しない)を介して各CAN80,81に接続されている。制御部35は、制御装置82,84,86等からグローバルCAN80を通じて各種車両情報を取得すると共に、操作装置20からローカルCAN81を通じて各種要求を取得する。制御部35は、グローバルCAN80を通じた取得情報と、ローカルCAN81を通じた取得要求と、他部31〜33からの取得情報とに基づき、車両10の運転を支援するために出力する画像2及び音声を逐次決定する。そして、制御部35は、決定した画像2の生成を描画部36に指令すると共に、決定した音声の出力をグローバルCAN80を通じて音響装置88に指令する。
【0032】
描画部36は、例えば画像処理用のICチップ等からなり、所定の映像出力インターフェース(図示しない)を介して液晶ディスプレイ装置40に接続されている。描画部36は、地図情報記憶部33から取得の地図情報や画像メモリ(図示しない)に記憶の画像データ等を利用して、制御部35からの指令に従う画像2を生成する。そして、描画部36は、生成した画像2を映像信号として、例えばLow Voltage Differential Signaling(LVDS)等の出力方式により液晶ディスプレイ装置40へ逐次出力する。
【0033】
表示器である液晶ディスプレイ装置40は、図9に示す車室10a内のインスツルメントパネル10eにおいて運転席10b及び助手席10c間の中央線C上となる中央部に、乗員により視認可能に設置されている。図1に示すように液晶ディスプレイ装置40は、液晶パネル41及びバックライト42を有している。
【0034】
液晶パネル41は、例えば複数の液晶画素を二次元配列したカラーTFT等からなり、表面側が席10b,10c側を向く表示画面44(図9参照)を形成している。ここで特に本実施形態の表示画面44は、水平面上の車両10の水平方向と略一致する横方向の画素数Xsを、当該車両10の垂直方向と略一致する縦方向の画素数Ysよりも多く設定した横長画面(図4〜7参照)となっている。バックライト42は、例えばLED及びリフレクタ等からなり、発光することにより液晶パネル41の表示画面44を背面側から透過照明する。こうした構成により液晶ディスプレイ装置40は、描画部36から出力される映像信号に基づいて表示画面44の構成画素を駆動しつつ、バックライト42を点灯して液晶パネル41の当該画面44を発光させることにより、車室10a内にて画像2を表示する。
【0035】
以上の構成により表示画面44に表示される画像2の例を、以下では、図2〜7を参照しつつ説明する。
【0036】
図2は、表示画面44の表示モードとして、車両10の運転を支援するナビゲーション表示モードが設定されているときの画像2の表示例を、示している。このナビゲーション表示モードでは、車両の現在位置、進行方向、目的地までの所要時間等の情報を示す地図画像2cに、ポインタ画像2a及び複数のボタン画像2bを重畳させてなる画像2が、表示される。ここで、ナビゲーション表示モードでのボタン画像2bについては、図2の如くポインタ画像2aが重なり合った状態で選択操作ボタン23の操作による選択要求が入力されると、当該選択画像2bに関連付けられている表示態様への変更乃至は切り替え(例えば、詳細地図や広域地図への表示変更、目的地再探索への表示切り替え等)が、実行される。
【0037】
図3は、表示画面44の表示モードとして、メニュー操作ボタン22の操作に応じた割り込み要求によりメインメニュー表示モードが設定されているときの画像2の表示例を、示している。このメインメニュー表示モードでは、複数のボタン画像2bを表示画面44の横方向に等間隔に並べてポインタ画像2aを重畳させてなる画像2が、表示される。ここで、メイン表示モードでのボタン画像2bについては、図3の如くポインタ画像2aが重なり合った状態で選択操作ボタン23の操作による選択要求が入力されると、当該選択画像2bに関連付けられているサブメニューへの表示切り替え(例えば、目的地設定やエアコン設定、オーディオ設定への表示切り替え等)が、実行される。即ち、本実施形態においてメインメニュー表示モードでのボタン画像2bの選択要求は、当該メインメニュー表示モードをサブメニュー表示モードへ切り替える切り替え要求として、入力されるようになっている。
【0038】
図4〜7は、表示画面44の表示モードとして、目的地設定を目的としたサブメニュー表示モードが設定されているときの画像2の表示例を、示している。このサブメニュー表示モードでは、表示画面44の横方向に並ぶ二つの表示領域441,442が、当該画面44に設定される。具体的にアクティブ表示領域441は、所定のコンテンツと予め関連付けられて選択が許可されるボタン画像2bをアクティブボタン画像2b1として、その複数を横方向に並べて表示する領域である。一方、非アクティブ表示領域442は、所定のコンテンツと予め関連付けられて選択が禁止されるボタン画像2bを非アクティブボタン画像2b2として、その複数を横方向に並べて表示する領域である。尚、図4〜7においては、各領域441,442の外周縁を二点鎖線にて仮想的に示している。
【0039】
ここで特に、車室10a内にて運転席10b及び助手席10c間の中央線C上に配置される本実施形態の表示画面44(図9参照)においては、メインメニュー表示モードからサブメニュー表示モードへ切り替えられた直後は、表示領域441,442が図4の如く初期設定される。即ち、かかる表示画面44において、横方向の運転席10bに近い側(左ハンドル車両10では左側)にはアクティブ表示領域441が、また横方向の運転席10bから遠い側(左ハンドル車両10では右側)には非アクティブ表示領域442が、それぞれ初期設定されるようになっている。尚、こうした表示領域441,442の初期設定と共に本実施形態では、画像2において重畳されるポインタ画像2aの表示位置が、アクティブ表示領域441内の所定位置に初期設定されるようにもなっている。
【0040】
また特に本実施形態では、ポインティングデバイス21の操作によりポインタ画像2aの表示位置がアクティブ表示領域441から非アクティブ表示領域442へ移動する毎に、表示領域441,442の位置関係が表示画面44の横方向にて入れ替えられる。即ち、図4の初期設定状態からポインタ画像2aが一点鎖線の如く非アクティブ表示領域442へ移動すると、図5の如く表示画面44の横方向にて運転席10bに近い側(左ハンドル車両10では左側)は非アクティブ表示領域442に、また運転席10bから遠い側(左ハンドル車両10では右側)はアクティブ表示領域441に変更される。また逆に、図5の領域入れ替え状態からポインタ画像2aが一点鎖線の如く非アクティブ表示領域442へ移動すると、図4の如く表示領域441,442の位置関係が初期設定状態へと戻される。以上より本実施形態では、アクティブ表示領域441から非アクティブ表示領域442へポインタ画像2aの表示位置を移動させる移動要求が、サブメニュー表示モードの表示態様を表示領域441,442の入れ替えによって変更する変更要求として、入力されるようになっている。
【0041】
さて、こうした表示領域441,442の入れ替えの前後においては、表示画面44の横方向におけるボタン画像2bの並び順が保持されることで、アクティブボタン画像2b1及び非アクティブボタン画像2b2の相互の関係も入れ替えられることになる。即ち、図4の初期設定状態において非アクティブボタン画像2b2となっているボタン画像2bは、図5の領域入れ替え状態になると、アクティブボタン画像2b1に変更されて選択可能となる。また逆に、図5の領域入れ替え状態においてアクティブボタン画像2b1となっているボタン画像2bは、図4の初期設定状態になると、非アクティブボタン画像2b2に戻されて選択不能となるのである。
【0042】
このようにボタン画像2b1,2b2が表示領域441,442に割り振り設定されるサブメニュー表示モードでは、図4,5の如く各アクティブボタン画像2b1が各非アクティブボタン画像2b2よりも大きなサイズに、且つ各非アクティブボタン画像2b2よりも高い明彩度に表示される。ここで本実施形態では、各アクティブボタン画像2b1の画素数を横方向及び上下方向の双方にて各非アクティブボタン画像2b2よりも増大させることで、各アクティブボタン画像2b1の表示サイズを各非アクティブボタン画像2b2より大きくしている。また、本実施形態では、表示対象として各ボタン画像2bにそれぞれ個別に関連付けられているコンテンツの内容を、大きい側のアクティブボタン画像2b1においては文字により表示し、小さい側の非アクティブボタン画像2b2においては非表示としている。
【0043】
これと共にサブメニュー表示モードでは、図4,5の如くアクティブ表示領域441が非アクティブ表示領域442よりも大きな面積に設定され、それら各表示領域441,442の横方向全域に、それぞれ対応するボタン画像2b1,2b2が同数ずつ等間隔に配列表示される。ここで具体的には、横方向にXsドット及び上下方向にYsドットの表示画面44において、アクティブ表示領域441が横方向にX1(但し、X1<Xs)ドット及び上下方向にYsドットの画素領域に設定され、非アクティブ表示領域442が横方向にX2(但し、X2<Xs−X1)ドット及び上下方向にYsドットの画素領域に設定される。故に、図4の初期設定状態では、X1ドット×Ysドットのアクティブ表示領域441が運転席10bに近い側に確保される一方、図5の領域入れ替え状態では、X1ドット×Ysドットのアクティブ表示領域441が運転席10bから遠い側に確保されるのである。
【0044】
そして、サブメニュー表示モードでのアクティブボタン画像2b1については、図4の如くポインタ画像2aが重なり合った状態で選択操作ボタン23の操作による選択要求が入力されると、当該選択画像2b1に対応するコンテンツへの表示切り替え(例えば、氏名又は名称の50音による目的地検索、住所による目的地検索、電話番号による目的地検索等への表示切り替え)が、実行される。ここで図4の初期設定状態において、各アクティブボタン画像2b1に関連付けられて選択により表示可能となっているコンテンツには、各非アクティブボタン画像2b2に関連付けられているコンテンツ(即ち、図5の領域入れ替え状態の各アクティブボタン画像2b1に関連付けられて、選択により表示可能となるコンテンツ)よりも、表示優先度の高いものが採用されている。
【0045】
さらにサブメニュー表示モードでは、所定の警告を発する警告条件の成立時に、表示領域441,442の初期設定により又は入れ替え毎に設定されたアクティブ表示領域441に割り当てられて、当該警告を例えば図6,7の如く発するための警告画像2dが、表示される。即ち、表示画面44において警告画像2dは、図6の初期設定状態では、運転席10bの近くに設定のアクティブ表示領域441に表示される一方、図7の領域入れ替え状態では、運転席10bから遠くに設定のアクティブ表示領域441に表示されることとなる。
【0046】
ここで具体的には、警告画像2dの表示位置は、アクティブ表示領域441のうちアクティブボタン画像2b1に重畳する箇所に、特に本実施形態では当該領域441の横方向に並ぶ全てのアクティブボタン画像2b1に跨るようにして、設定される。また、警告画像2dの表示のトリガとなる警告条件並びに当該表示の内容は、車室10a内の乗員に対して発する必要性がある一つ乃至は複数の警告内容に応じて、適宜設定される。例えば本実施形態では、車両10の走行中は、選択操作ボタン23の操作によるアクティブボタン画像2b1の選択要求に対して拒否の警告を発するために、車両10が走行状態にあることを警告条件として、図6,7の如き内容の警告画像2dが表示されることとなる。即ち、車両10の走行中は安全性の確保を目的としてコンテンツ表示への切り替えが禁止されるようになっており、故に、かかる警告条件の成立時には、「本メニューは現在操作できません」という内容を文字によって報知する警告画像2dが、表示されるのである。尚、このような選択要求に対する拒否警告を発するための警告条件以外にも、例えばエアコン制御装置86や音響装置88、オーディオ部34、ETC機器等の各種システム異常に対する警告、車室10a内に乗員により持ち込まれる携帯電話や携帯オーディオ機器等の電池残量異常に対する警告、そうした各種システムの操作に対する警告(報知)、緊急情報や電子メール、通行料金等の情報取得に対する警告(報知)を発するための警告条件を採用してもよく、その場合、採用条件に適した内容の警告画像2dを表示することができる。
【0047】
こうして図6,7の如く表示された警告画像2dについては、本実施形態では、警告条件の成立から所定時間が経過すると、若しくは操作装置20のポインティングデバイス21又は選択操作ボタン23が操作されると、消去されるようになっている。そして、警告画像2dが消去されると、サブメニュー表示モードの表示状態は、警告条件が成立する直前の図4又は図5の状態へと戻ることになるのである。
【0048】
図8は、表示画面44の表示モードとして、50音による目的地検索を目的としたコンテンツ表示モードが設定されているときの画像2の表示例を、示している。このコンテンツメニュー表示モードでは、ボタン画像2bを表示画面44の縦横に多数並べると共に当該画面44の上部に入力ウィンドウ2eを配置して、ポインタ画像2aを重畳させてなる画像2が、表示される。ここで、コンテンツ表示モードでのボタン画像2bについては、図8の如くポインタ画像2aが重なり合った状態で選択操作ボタン23の操作による選択要求が入力されると、当該選択画像2bに関連付けられている処理(例えば、入力ウィンドウ2eへの文字の入力処理、検索キーワードの決定処理等)が、実行される。
【0049】
次に、メインメニュー表示からサブメニュー表示を経てコンテンツ表示に至るまでの制御フローについて、図10を参照しつつ説明する。尚、この制御フローは、車両10のACC電源がオンとなった状態下、ナビゲーション表示モード等にてメニュー操作ボタン22の操作に応じた割り込み要求が入力されることに応じて、制御部35により開始される。
【0050】
制御フローのステップS101では、表示画面44の表示モードをメインメニュー表示モードへ切り替えて、図3の如き画像2を当該画面44に表示する。続くステップS102では、いずれかのボタン画像2bにポインタ画像2aが重なり合った状態下、選択操作ボタン23の操作に応じた選択要求が入力されたか否かにつき、判定する。このステップS102は、選択要求が確認されない間は繰り返し実行され、選択要求が確認されると、サブメニュー表示モードへ切り替える切り替え要求が入力されたものとして、ステップS103へと進む。
【0051】
ステップS103では、表示画面44の表示モードをメインメニュー表示モードから、ステップS102での選択画像2bに対応するサブメニュー表示モードへと切り替えて、例えば図4の如き初期設定状態の画像2を当該画面44に表示する。その結果、運転席10bと近いアクティブ表示領域441に大きなアクティブボタン画像2b1が表示されると共に、運転席10bから遠い非アクティブ表示領域442に小さな非アクティブボタン画像2b2が表示されて、次のステップS104へ進むことになる。
【0052】
ステップS104では、いずれかのアクティブボタン画像2b1にポインタ画像2aが重なり合った状態下、選択操作ボタン23の操作に応じた選択要求が入力されたか否かにつき、判定する。その結果、選択要求が確認されない場合は、ステップS105へと進み、警告条件の一つが成立したか否かにつき、判定する。
【0053】
ステップS105により警告条件の成立が確認されると、例えば図6又は図7の如く現在のアクティブ表示領域441にてアクティブボタン画像2b1に警告画像2dを重畳表示するステップS106を実行した後、ステップS107へと進む。一方、ステップS105により警告条件の成立が確認されない場合には、ステップS106をスキップしてステップS107へと進む。
【0054】
ステップS107では、ポインタ画像2aの表示位置がポインティングデバイス21の操作に応じてアクティブ表示領域441から非アクティブ表示領域442へ移動したか否かにつき、判定する。このステップS107により移動が確認されると、表示態様の変更要求が入力されたものとして、表示領域441,442の位置関係とボタン画像2b1,2b2の相互関係とを例えば図4,5の如く入れ替えるステップS108を実行した後、ステップS104へと戻る。一方、ステップS107により移動が確認されない場合には、ステップS108をスキップしてステップS104へと戻る。
【0055】
こうしてサブメニュー表示モードが継続される中、ステップS104によりアクティブボタン画像2b1の選択要求が確認されると、ステップS109へ移行する。このS109では、選択画像2b1に対応するコンテンツ表示モードへと表示画面44の表示モードを切り替えて、例えば図8の如き画像2を当該画面44に表示する。そして、この後においては、図示はしないが、コンテンツ表示モードでのボタン画像2bの選択に応じた処理が実行されることになるのである。
【0056】
以上説明したように表示装置100では、サブメニュー表示モードにおいて横長表示画面44の横方向に並んで表示される複数のボタン画像2bが、それぞれ所定のコンテンツを表示させるために、選択可能となる。これにより、一つのサブメニュー表示から可及的に多数のコンテンツ表示へ切り替え可能となるので、それらコンテンツ表示のうち所望のコンテンツ表示に乗員が辿り着くまでの操作は、簡素化され得る。しかし、所望のコンテンツに対応するボタン画像2bを乗員が探して選択する際の容易性については、表示画面44の横方向におけるボタン画像2bの表示数が増加するほど、低下する事態が懸念される。
【0057】
そこで、切り替え要求に応じて表示装置100では、横方向の運転席10bに近い側と遠い側とに、アクティブ表示領域441と非アクティブ表示領域442とが相異面積に初期設定され、各領域441,442でのボタン画像2bの表示サイズが調整される。その結果、ボタン画像2bのうち、運転席10bに近い大面積領域441にて選択許可されるアクティブボタン画像2b1は、運転席10bから遠い小面積領域442にて選択禁止となる非アクティブボタン画像2b2よりも、大きく且つ高明彩度に表示されるのである。ここで、特にサブメニュー表示モードの初期設定状態では、アクティブボタン画像2b1となるボタン画像2bに対応のコンテンツは、非アクティブボタン画像2b2となるボタン画像2bに対応のコンテンツよりも、表示優先度の高いものとなっている。したがって、乗員は、表示優先度の高い所望のコンテンツとの関連付けにより運転席10b近くの大面積領域441に拡大表示されることになった高明彩度のアクティブボタン画像2b1を、目移りすることなく素早く探して容易に選択し得るのである。
【0058】
さらに、表示装置100のサブメニュー表示モードでは、初期設定後において表示態様の変更要求が入力されると、アクティブ表示領域441と非アクティブ表示領域442との位置関係が表示画面44の横方向にて入れ替えられる。このとき、アクティブボタン画像2b1と非アクティブボタン画像2b2とは、横方向における並び順の保持状態にて相互の関係を入れ替えられることになるので、非アクティブ表示領域442に表示のボタン画像2b2を、アクティブ表示領域441に表示のボタン画像2b1として変更し得る。即ち、初期設定によって一旦は非アクティブボタン画像2b2として選択不能に表示されたボタン画像2bであっても、選択可能なアクティブボタン画像2b1へと変更し得るので、乗員が所望のコンテンツ表示に辿り着くまでの操作回数の低減効果は、大きく妨げられない。しかも、こうした入れ替え後にあっても、さらなる変更要求の度に、表示領域441,442の位置関係及びボタン画像2b1,2b2の相互関係は入れ替えられるので、乗員嗜好や車両10の運転状況に合わせた対応が可能となる。加えて、各入れ替え時に乗員は、ポインティングデバイス21の操作によりポインタ画像2aの移動要求を表示態様の変更要求として入力することで、その移動先となる非アクティブ表示領域442のボタン画像2b2を、アクティブボタン画像2b1へと切り替えて容易に選択できる。
【0059】
このような表示装置100によれば、乗員が所望のコンテンツを表示するために必要な操作が簡素化され得るのみならず、当該コンテンツ表示のために必要な時間がアクティブボタン画像2b1の選択容易性により短縮化され得る。したがって、ユーザフレンドリー性の高い表示装置100を提供することが、可能となるのである。
【0060】
加えて、表示装置100のサブメニュー表示モードにて所定の警告条件が成立した場合には、領域441に拡大且つ高明彩度表示されることで注視され易くなっている複数のアクティブボタン画像2b1の全てに跨って、警告画像2dが重畳表示される。これにより、表示態様の変更要求の度に領域441が入れ替えられても、当該入れ替え後の領域441において警告画像2dは、乗員によっては見落とされ難くなる。特に本実施形態では、注視先となるアクティブボタン画像2b1の選択要求に対して拒否の警告を発する車両10の走行中に、警告画像2dが当該画像2b1に重畳表示されることとなるので、当該拒否の旨を乗員へと確実に伝えることができる。このように表示装置100によれば、車両10の安全性確保等を目的として車室10a内の乗員へ警告を発するための警告画像2dにつき、当該乗員による見落としを回避して、表示装置100としての高い信頼性を確保することが可能となるのである。
【0061】
尚、ここまで説明の実施形態では、サブメニュー表示モードが特許請求の範囲に記載の「メニュー表示モード」に相当し、ボタン画像2bのうちアクティブボタン画像2b1及び非アクティブボタン画像2b2が特許請求の範囲に記載の「メニューボタン画像」に相当している。また、操作装置20が特許請求の範囲に記載の「入力手段」に相当し、制御フローのステップS103,S107,S108を実行する制御部35が特許請求の範囲に記載の「領域設定手段」に相当し、制御フローのステップS103,S108を実行する制御部35が特許請求の範囲に記載の「メニュー表示設定手段」に相当し、制御フローのステップS105,S106を実行する制御部35が特許請求の範囲に記載の「警告表示設定手段」に相当している。
【0062】
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、当該実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
【0063】
具体的には、ポインティングデバイス21としては、レバーを倒す操作によりポインタ画像2aの移動要求を入力するジョイスティック、平面状のセンサをなぞる操作によりポインタ画像2aの移動要求を入力するタッチパッド(例えば液晶パネル41の前面側に圧力センサ又は静電容量センサを配置して実現するものも含む)、円柱状のダイヤルを回す操作によりポインタ画像2aの移動要求を入力するダイヤル機構等を用いてもよい。また、表示画面44による画像2の表示を制御可能な装置であれば、ナビゲーション制御装置30に代えて、例えば車両のメータ制御装置等を用いてもよい。さらに、表示画面44を有する装置であれば、液晶ディスプレイ装置40に代えて、例えばプラズマディスプレイ装置や有機ELディスプレイ装置等を用いてもよい。
【0064】
上記実施形態のサブメニュー表示モードにおいては、アクティブボタン画像2b1の画素数を横方向及び上下方向のうちいずれか一方にて非アクティブボタン画像2b2よりも増大させることで、アクティブボタン画像2b1の表示サイズを非アクティブボタン画像2b2より大きくしてもよい。また、サブメニュー表示モードにおいては、アクティブボタン画像2b1を非アクティブボタン画像2b2と同一サイズに表示してもよいし、アクティブボタン画像2b1を非アクティブボタン画像2b2よりも小サイズに表示してもよい。さらに、サブメニュー表示モードにおいては、アクティブボタン画像2b1を非アクティブボタン画像2b2と同一明彩度に表示してもよいし、アクティブボタン画像2b1を非アクティブボタン画像2b2よりも低明彩度に表示してもよい。またさらに、サブメニュー表示モードにおいては、表示対象として各ボタン画像2bにそれぞれ個別に関連付けられているコンテンツの内容を、大きい側のアクティブボタン画像2b1においてのみならず、小さい側の非アクティブボタン画像2b2においても、文字により表示してもよい。加えて、サブメニュー表示モードにおいて、各ボタン画像2b(2b1,2b2)に関連付けるコンテンツについては、その表示優先度とは無関係に設定してもよいし、図4,5に図示した内容以外のものであっても勿論よい。
【0065】
上記実施形態のサブメニュー表示モードにおいては、表示画面44を横方向に二分して各表示領域441,442を形成することで、アクティブ表示領域441の横方向の画素数(ドット数)X1と非アクティブ表示領域442の横方向の画素数X2との和を、当該画面44の横方向の画素数Xsに一致させてもよい。また、サブメニュー表示モードにおいては、アクティブ表示領域441の画素数を横方向及び上下方向の双方にて、又は上下方向のみにて非アクティブ表示領域442よりも増大させることで、アクティブ表示領域441の面積を非アクティブ表示領域442より大きくしてもよい。さらに、サブメニュー表示モードにおいては、アクティブ表示領域441を非アクティブ表示領域442と同一面積に設定してもよいし、アクティブ表示領域441を非アクティブ表示領域442よりも小さな面積に設定してもよい。またさらに、サブメニュー表示モードにおいては、表示領域441,442のうち少なくとも一方にて、その横方向の一部にボタン画像2b(2b1,2b2)を配列表示させてもよい。
【0066】
上記実施形態のサブメニュー表示モードにおいて、その初期設定状態では図5に準じて、表示画面44の横方向にて運転席10bに近い側(左ハンドル車両10では左側)に非アクティブ表示領域442を、また運転席10bから遠い側(左ハンドル車両10では右側)にアクティブ表示領域441を設定してもよい。また、表示領域441,442の位置関係及びボタン画像2b1,2b2の相互関係を入れ替えるための表示態様の変更要求は、ポインティングデバイス21の操作によるポインタ画像2aの移動要求以外によって、実現してもよい。さらに、メニュー操作ボタン22の操作に応じた割り込み要求が入力された場合には、上記実施形態のメインメニュー表示モードを実行しないで、サブメニュー表示モードを直接的に実行してもよい。即ち、制御フローにおいて、ステップS101をスキップしてもよい。またさらに、サブメニュー表示モードに準じて、メインメニュー表示モードにおいても、特許請求の範囲に記載の「メニュー表示モード」として、アクティブ表示領域441と非アクティブ表示領域442とを設定し、それら各表示領域441,442にボタン画像2bを割り振ってもよい。
【0067】
上記実施形態のサブメニュー表示モードにおいては、アクティブ表示領域441に複数表示されるアクティブボタン画像2b1のうち少なくとも一つの画像2b1に、警告画像2dが重畳表示されるようになっていればよい。また、サブメニュー表示モードにおいては、複数の警告画像2dを同時にアクティブ表示領域441のアクティブボタン画像2b1に重畳表示させてもよい。さらに、サブメニュー表示モードにおいて表示する警告画像2dは、図6,7の如く警告の内容を文字によって報知するもの以外にも、例えば先述した特許文献2の図2の如く警告の内容を図柄によって報知するものであってもよい。
【0068】
そして、本発明は、右ハンドル車両に適用してもよいし、車室10a内において運転席10b及び助手席10c間の中央線C上から外れて表示画面44が配置される車両に適用してもよい。尚、前者のように右ハンドル車両への適用の場合には、「左右」の関係を上記実施形態のものとは逆にして実施する。また、後者のように車室10a内の中央線C上から表示画面44が外れた車両への適用の場合には、運転席10bに近い側と遠い側とが生じる限りにおいて、当該画面44は任意の位置に配置されていてもよいのである。
【符号の説明】
【0069】
2 画像、2a ポインタ画像、2b ボタン画像、2b1 アクティブボタン画像(メニューボタン画像)、2b2 非アクティブボタン画像(メニューボタン画像)、2c 地図画像、2d 警告画像、2e 入力ウィンドウ、10 車両、10a 車室、10b 運転席、10c 助手席、10d センターコンソール、10e インスツルメントパネル、20 操作装置(入力手段)、21 ポインティングデバイス、22 メニュー操作ボタン、23 選択操作ボタン、30 ナビゲーション制御装置、31 受信部、32 方位測定部、33 地図情報記憶部、34 オーディオ部、35 制御部(領域設定手段・メニュー表示設定手段・警告表示設定手段)、36 描画部、40 液晶ディスプレイ装置、41 液晶パネル、42 バックライト、44 表示画面、80 グローバルCAN、81 ローカルCAN、82 車両制御装置、84 機関制御装置、86 エアコン制御装置、88 音響装置、100 車両用表示装置、441 アクティブ表示領域、441a 配列領域、442 非アクティブ表示領域、C 中央線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される横長の表示画面を備え、所定のコンテンツを表示するために選択されるメニューボタン画像を前記表示画面の横方向に複数並べて表示するメニュー表示モードにおいて、所定の警告を発するための警告画像を、それらメニューボタン画像と共に表示する車両用表示装置であって、
前記メニュー表示モードの表示態様を変更するための変更要求が、ユーザ操作により入力される入力手段と、
前記メニュー表示モードにおいて、横方向に並ぶアクティブ表示領域及び非アクティブ表示領域を前記表示画面に設定し、前記表示態様の変更要求が前記入力手段へ入力される毎に、前記表示画面の横方向における前記アクティブ表示領域及び前記非アクティブ表示領域の位置関係を入れ替える領域設定手段と、
前記メニュー表示モードにおいて、前記アクティブ表示領域に表示して選択を許可する前記メニューボタン画像としてのアクティブボタン画像と、前記非アクティブ表示領域に表示して選択を禁止する前記メニューボタン画像としての非アクティブボタン画像とを、前記領域設定手段による領域入り替え毎に設定するメニュー表示設定手段と、
前記メニュー表示モードにおいて、前記所定の警告を発する警告条件が成立した場合に表示する前記警告画像の表示位置を、前記領域設定手段により設定された前記アクティブ表示領域のうち前記アクティブボタン画像に重畳する箇所に、設定する警告表示設定手段と、
を備えることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記メニュー表示モードにおいて前記メニュー表示設定手段は、前記領域設定手段により設定された前記アクティブ表示領域に、前記アクティブボタン画像を横方向に複数並べて表示し、
前記メニュー表示モードにおいて前記警告表示設定手段は、前記領域設定手段により設定された前記アクティブ表示領域にて並ぶ複数の前記アクティブボタン画像に跨って、前記警告画像を表示することを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記入力手段には、前記メニューボタン画像を選択するための選択要求が、ユーザ操作により入力され、
前記警告条件は、前記メニュー表示モードにおいて前記アクティブボタン画像の選択要求に対する拒否の警告を発するための条件であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記メニュー表示モードにおいて前記メニュー表示設定手段は、前記アクティブボタン画像を、前記非アクティブボタン画像よりも大きなサイズに表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記メニュー表示モードにおいて前記メニュー表示設定手段は、前記アクティブボタン画像を、前記非アクティブボタン画像よりも高い明彩度にて表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用表示装置。

【図1】
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【図9】
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【図10】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−25346(P2012−25346A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−168476(P2010−168476)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】