車両用表示装置
【課題】 表示器の大きさ、製造コストを抑え、表示器による表示全体を容易かつ短時間かつ確実に視認できる車両用表示装置を提供する車両用表示装置を提供する。
【解決手段】
車両用表示装置は、フロント・ガラス1の車室内側下方位置のインストルメント・パネル2の上側部分に配置した表示器3と、インストルメント・パネル1の上側部分から立設され、表示器3より車両後方側に設置されて表示器3による表示をドライバに拡大して見せる拡大レンズ4と、表示器3の両外縁部から少なくとも、ドライバの左右両目と拡大レンズ4の同じ側の両外縁部とをそれぞれ結ぶ第1線LL1、LR1が表示器3から車幅方向へ延びる第2線L2と交差する左右の交差位置M、N近傍まで延びる不透明の遮光壁7と、を備えている。
【解決手段】
車両用表示装置は、フロント・ガラス1の車室内側下方位置のインストルメント・パネル2の上側部分に配置した表示器3と、インストルメント・パネル1の上側部分から立設され、表示器3より車両後方側に設置されて表示器3による表示をドライバに拡大して見せる拡大レンズ4と、表示器3の両外縁部から少なくとも、ドライバの左右両目と拡大レンズ4の同じ側の両外縁部とをそれぞれ結ぶ第1線LL1、LR1が表示器3から車幅方向へ延びる第2線L2と交差する左右の交差位置M、N近傍まで延びる不透明の遮光壁7と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバ等のユーザーに伝えたい車両情報等を視認性よく表示可能な車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用表示装置としては、車両のフロント・ガラスの周囲に形成されている遮光マスク部のうち下側の遮光マスク部分とインストルメント・パネルの前部とで挟まれた間の領域に車両前方からの光が透過せず日陰となる遮光領域を形成し、この遮光領域のドライバが視認できる位置の車両情報を表示する発光表示器を配設し、下側遮光マスク部分を遮光フードとして機能させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−280247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の車両用表示装置には以下に説明するような問題がある。
すなわち、上記従来の車両用表示装置にあっては、ドライバ等ユーザーの体格や座る姿勢によりアイ・ポイント(目の位置)が上下することから、この位置が低くなるとメータ・フードの盛上り部分により表示器の一部が見えなくなるといった問題がある。
【0005】
また、ユーザーのアイ・ポイントと表示器との距離は通常の車両(自動車)の場合、900mm〜1000mm前後と結構距離があるため、ユーザーが表示器に表示された文字や図形を容易かつ短時間で視認しようとすると、これらの文字や図形は一定以上の大きさでなければならず、このような大きさの表示をなそうとすると、表示器が大きくなり、製造コストが増大するだけでなく、車両前方の視界を遮ってしまい、採用することができなくなる。
【0006】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、表示器の大きさおよび製造コストを抑えながら、ユーザーが表示器による表示全体を容易かつ短時間かつ確実に視認できるようにした車両用表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のため、請求項1に記載の本発明による車両用表示装置は、
フロント・ガラスの車室内側下方位置のインストルメント・パネルの上側部分に配置した表示器と、
インストルメント・パネルの上側部分から立設され、表示器より車両後方側に設置されて表示器による表示をドライバに拡大して見せる拡大レンズと、
表示器の両外縁部から少なくとも、ドライバの左右両目と拡大レンズの同じ側の両外縁部とをそれぞれ結ぶ第1線が表示器から車幅方向へ延びる第2線と交差する左右の交差位置近傍まで延びる不透明の遮光壁と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の本発明による車両用表示装置は、
請求項1に記載の車両用表示装置において、
遮光壁の車室側面が無地で暗色である、
ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の本発明による車両用表示装置は、
請求項1又は請求項2に記載の車両用表示装置において、
拡大レンズが、この外縁側部分にて表示器による表示を拡大する、
ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の本発明による車両用表示装置は、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用表示装置において、
拡大レンズが車両前方側へ傾斜されて設置される、
ことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の本発明による車両用表示装置は、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用表示装置において、
表示器と拡大レンズとの間に、表示器の表示を上下方向へ移動させた虚像を作る光屈折部材を設けた、
ことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の本発明による車両用表示装置は、
請求項5に記載の車両用表示装置において、
光屈折部材が、プリズムであり、このプリズムが拡大レンズと一体になって表示器からの光軸を下方に向ける、
ことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の本発明による車両用表示装置は、
請求項5に記載の車両用表示装置において、
光屈折部材が、表示器の光軸を上方に向けてシフトさせる屈折部材である、
ことを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の本発明による車両用表示装置は、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の車両用表示装置において、
拡大レンズが前記インストルメント・パネル内に収納可能である、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の本発明の車両用表示装置にあっては、ユーザーは拡大レンズにより表示器による表示を拡大してみることができ、しかもその際、表示の車両幅方向両側には上記幅の遮光壁があるので車両前方から光が入ってくることがない。したがって、表示器の大きさおよび製造コストを抑えながら、ユーザーが表示器による表示全体を容易かつ短時間かつ確実に視認できるようにした車両用表示装置を得ることができる。
【0016】
請求項2に記載の本発明の車両用表示装置にあっては、表示器による表示の車両幅方向両側が無地で暗色であるため、表示の視認が邪魔されるのを防ぐことができる。
【0017】
請求項3に記載の本発明の車両用表示装置にあっては、インストルメント・パネルのメータ・フードにより拡大レンズによる像にケラレが発生することなく、表示器を低い位置に配置することができる。
【0018】
請求項4に記載の本発明の車両用表示装置にあっては、拡大レンズでの反射によるドライバ自身の顔やドライバが着ている服の映り込みを防止して、表示器での表示の視認性を高めることができる。
【0019】
請求項5に記載の本発明の車両用表示装置にあっては、光屈折部材により表示器の表示を上下移動させた像を作るので、より低い位置でのドライバのアイ・ポイントの位置およびメータ・フードによる表示のケラレを避けることが可能となる。
【0020】
請求項6に記載の本発明の車両用表示装置にあっては、ドライバのアイ・ポイントの位置が低くなる車両等の場合でも、表示器からの光軸を下方に屈折させることで、ドライバのアイ・ポイントの位置に合わせることが可能となる。
【0021】
請求項7に記載の本発明の車両用表示装置にあっては、表示器の表示の虚像を上方へシフトさせることで、表示器の表示が一部、メータ・フード部でケラレてドライバから見えなくなるのを防ぐことができる。
【0022】
請求項8に記載の本発明の車両用表示装置にあっては、表示器を使用しないときは、この手前にある拡大レンズをインストルメント・パネル内に収納することで、その存在によるわずらわしさを避け、また誤って拡大レンズする破損することを防ぐができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例1の車両用表示装置の構成を示す側面図である。
【図2】実施例1の車両用表示装置で用いる表示器、遮光壁、拡大レンズ、ドライバの左右の目の関係を示す平面図である。
【図3】実施例1の車両用表示装置で用いる表示器と遮光壁のドライバ側からみた正面図である。
【図4】遮光壁がない場合の表示器、拡大レンズ、左右の目の関係における不具合を説明する平面図である。
【図5】実施例1の車両用表示装置で用いる遮光壁がある場合の表示器、拡大レンズ、左右の目の関係を説明する平面図である。
【図6】実施例の車両用表示器において拡大レンズの効果を調べるための実験を説明する図である。
【図7】本発明に係る実施例2の車両用表示装置の要部を示す図である。
【図8】実施例2の車両用表示装置で用いる拡大レンズの外縁側部分の説明図である。
【図9】車両用表示装置の拡大レンズをドライバに正対させて設置した場合の拡大レンズによる反射光に起因した不具合を説明する図である。
【図10】本発明に係る実施例3の車両用表示装置の要部を示す図である。
【図11】本発明に係る実施例4の車両用表示装置図の要部を示す図である。
【図12】本発明に係る実施例5の車両用表示装置図の要部を示す図である。
【図13】本発明に係る実施例6の車両用表示装置図の要部を示す図である。
【図14】実施例6の車両用表示装置図の要部の変形例を示す図である。
【図15】実施例6の車両用表示装置図の要部の別の変形例を示す図である。
【図16】本発明に係る実施例7の車両用表示装置図の要部を示す図である。
【図17】実施例7の車両用表示装置図の要部の変形例を示す図である。
【図18】本発明に係る実施例8の車両用表示装置図の要部である表示器と遮光壁と屈折部材とを示す図で、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。なお、各実施例にあっては同じ構成のものには同じ番号を付し、それらの説明を省略する。また、各図において説明の便宜上、レンズ4を透過する光の光路は、実際とは異なり屈折していないように描いてある。
【0025】
[実施例1]
まず、実施例1の車両用表示装置の構成を図1〜3に基づいて説明する。
この実施例1の車両用表示装置は、フロント・ガラス1の下方部分の下位置で、インストルメント・パネル2の車両前方側に配置した表示器3と、インストルメント・パネル2の車両後方側に立設した拡大レンズ4と、を備えている。
【0026】
さらに詳細に説明すると、表示器3はたとえば液晶ディスプレイで構成され、インストルメント・パネル2内にそれぞれ配置した車両情報演算部5から出力される車両情報信号に応じて表示駆動部6の駆動信号によりその画面に車両情報を表示する。
車両情報演算部5は、車載の種々の機器や装置(オーディオやエア・コンディショナなど)に接続され、これらから得た車両情報をドライバのニーズに応じて表示駆動部5へ送る。表示駆動部6では、車両情報演算部5から入力された車両情報信号に基づき、表示器3に車両情報を表示させる駆動信号を作り出し、表示器5へ出力する。
【0027】
一方、インストルメント・パネル2は、図示しないドライバ・シートの前位置で車両幅方向へ車室内の端から端まで延ばされており、デフロスタ吹き出し口2cの車両前方にある前方側部分2aと、デフロスタ吹き出し口2cの車両後方にある後方側部分2bと、この後方側部分2bのドライバ・シート前の一部分が上方へ膨らまされて形成されたメータ・フード部2dと、を有している。
メータ・フード部2d内には、ドライバ側に向けてスピード・メータなどの種々のメータ類が収納されている。
【0028】
フロント・ガラス1は、インストルメント・パネル2の前方側部分2aより前の位置でその下方部分が図示しない車体の窓枠に接着されている。なお、この接着剤の紫外線による劣化を防ぐため、また見栄え向上のため、フロント・ガラス1の周縁部分にはマスキング塗装がなされ、ゴム製のウインド・モールが取り付けられて車体に固定される。
【0029】
表示器3は、この表示面を車両後方側、すなわちドライバ側へ向けられた状態で、上記インストルメント・パネル2の前方側部分2a上に配置されてフロント・ガラス1の下方部分に向けて立ち上げられる。
【0030】
一方、拡大レンズ4は、この幅W4が表示器3の幅W3より大きく設定される。これにより、拡大レンズ4のサイズに起因してこの表示像がケラレることを防ぎ、またドライバの目(左右の目EL、ER)の位置がある程度動いても表示像がレンズによりケラレることを防ぐことができるようになる。拡大レンズ4は、表示器3とドライバを結ぶ線上にある、インストルメント・パネル2のメータ・フード部2dの上面に立設する。なお、ここでケラレとは、光が届かず表示像の一部が見えなくなることを意味する。
【0031】
表示器3の左右外縁部には、図1、3に示すように、その高さが表示器3より若干高くされてそれぞれ車両幅方向の左右方向へ延びる額縁状の遮光壁7がインストルメント・パネル2の前方側部分2a上に設けられる。もちろん、遮光壁7の高さは、ドライバが車室外前方を見る際、邪魔にならない高さに設定されている。
また、この遮光壁7の左右方向の長さは、この左右端が、図2に示すように、左右の目EL、ERの位置と拡大レンズ4の左右縁端部とをそれぞれ結ぶ第1線(左目側がLL1、右目側がLR1)が、遮光壁7の幅方向に延びる第2線L2と交差する交差点M、Nの位置より内側にならないように十分長く延ばしてある。
なお、車両を運転する際、ドライバの頭の位置は一定の範囲内で動いている。したがって、上述の左右の目の位置EL、ERを定めるときには、ドライバの頭が左端に位置したときの左目の位置、および右端に位置したときの右目の位置とすることが望ましい。
【0032】
遮光壁7のドライバ側の面は、無地で濃い灰色や黒色といった暗色系統の色付けが行われている。
【0033】
上記のように構成された実施例1の車両用表示装置の作用につき、いかに説明する。
ドライバは車両情報を見たいときは車両用表示装置を動作状態にしておく。すると、車両情報演算部5が他の車載機器・装置から得た車両情報のうち必要なものを車両信号として表示駆動装置6に入力する。表示駆動装置6は、駆動信号を表示器3に出力して、この画面に車両情報を表示させる。この表示器3による表示は、その後方に位置する拡大レンズ4で拡大されてドライバの目EL、ERに届き、ドライバは狭いエリアでしか表示できなかった表示器3の表示をより大きく拡大された表示像としてみることで、短時間で確実に視認することができるようになる。
【0034】
この場合、実施例1のように表示器3の左右に遮光壁7がないと、図4に示すように、ドライバは、片方の目(図では右目)で拡大レンズ4を通して表示器3上の表示を見ているが、他方の目(図では左目)で拡大レンズ4およびフロント・ガラス1を通して車両前方の外景を見ているといった状態(それぞれの視線を同図中に一点鎖線で示す)が生じる。
この場合、右目は約1m先の表示器3上の表示をみているにもかかわらず、左目は数m〜数十m先の遠方の外景をみていることとなる。すなわち、左右の目が視距離が異なる違う像をみていることとなって、ドライバに不快感を与え好ましくない。
【0035】
これに対し、実施例1の車両用表示装置にあっては、表示器3の左右には、上記交差点M、Nの近傍まで車両方向幅方向に延ばされた遮光壁7が設けられているので、遮光壁7が表示器3の表示の横に車両外部前方から光が入ってくるのを防止して表示を見やすくするのみならず、図5に示すように、ドライバは、右目が約1m先の表示器3上の表示を、また左目が同じく約1m先の遮光壁7を見ることになる(それぞれの視線を同図中に一点鎖線LL2、LR2で示す)。
【0036】
したがって、ドライバは左右の目ともほぼ同じ距離のものを見ていることとなり、しかも遮光壁7のドライバ側面が無地で暗色系にされているので、その表面に意匠が施されていたりその表面が明るい色で塗装されていたりする場合とは異なって表示器3上の表示をみる邪魔にはならず、ドライバはほとんど不快に感じることなく表示を短時間、かつ確実に視認できるようになる。
【0037】
ここで、実施例1の車両用表示装置における表示拡大の性能を見るため、図6に示すように表示器3、拡大レンズ4を配置して実験を行った。この実験では、表示器3から拡大レンズ4までの距離LAを140mm、拡大レンズ4からドライバの目の位置(アイ・ポイント)までの距離LBを785mm、表示器3のサイズを90×40mm、拡大レンズ4を両面非球面レンズとして、実験を行ったところ、目の位置からLC=998.5mmの前方位置に、約1.5倍に拡大された表示像Sを得ることができた。
【0038】
以上、説明したように、実施例1の車両用表示装置にあっては、ドライバは拡大レンズにより表示器による表示を拡大表示像としてみることができ、しかもその際、表示器3の車両幅方向両側には上記幅の遮光壁があるので、車両前方から光が入ってくることがない。したがって、表示器3の大きさおよび製造コストを抑えながら、ドライバなどのユーザーが表示器3による表示全体を容易かつ短時間かつ確実に視認できるようにした車両用表示装置を得ることができる。
【0039】
[実施例2]
次に、本発明に係る実施例2の車両用表示装置につき、以下に説明する。
実施例2の車両用表示装置にあっては、実施例1と同様の構成を用いるものの、表示器3による表示の拡大を拡大レンズ4の外縁側部分4aにて主に行うようにした点が、実施例1と異なる。その他の構成は実施例1と同様である。
【0040】
ここで、拡大レンズ4は、図8に示す円形の凸レンズ4'において、この点線の円で示す中心部の外縁側部分4aの一部分(実施例では実線で示す長方形の部分)で形成する。
【0041】
表示器3を配置するときの高さを十分に高くしないと、拡大レンズ4を通して見えないため、表示器3が目立ってしまう。
しかしながら、実施例2にあっては、表示器3上の表示は、主に拡大レンズ4の外縁側部分4aにて行われる結果、このとき、図7に示すように拡大レンズ4の外縁側部分4aはプリズムと同様に光路を屈折させるため、より下方の位置に表示器3を配置しても、この表示を視認できるようになる(視線を同図中に一点鎖線で示す)。これにより、表示器3を目立たない低い位置に設置することが可能となる。
なお、拡大レンズ4のインストルメント・パネル2に対する傾斜角度を調整することで、上下方向における目の位置に合わせて調整することができる。
【0042】
以上の説明から分かるように、実施例2の車両用表示装置にあっては、表示器3による表示の拡大を拡大レンズ4の外縁側部分4aにて主に行うようにしたので、実施例1の効果に加え、より下方位置に表示器3を配置しても、インストルメント・パネル2のメータ・フード部2dにより拡大レンズ4の表示像がケラレることを防ぐことができるようになる。
【0043】
[実施例3]
次に、本発明に係る実施例3の車両用表示装置につき、以下に説明する。
実施例3の車両用表示装置にあっては、実施例2と同様の構成を用いるものの、拡大レンズ4をこの上端側がインストルメント・パネル2に対し車両前方側へ傾斜させられた点が、実施例2と異なる。その他の構成は実施例2と同様である。
【0044】
図9(反射による視線を同図中に点鎖線で示す)は、ドラバの目に対し拡大レンズ4が正対するように拡大レンズ4をインストルメント・パネル2に対して傾斜させた場合を示す。この場合、拡大レンズ4は、表示器3上の表示を透過するだけでなく、そのドライバ側面での反射により、ドライバ自身の顔、ドライバが着ている服が拡大レンズ4に映り込み、表示像と重なってみにくくなることがある。
【0045】
しかしながら、実施例3の車両用表示装置にあっては、図10(反射による
視線を同図中に点鎖線で示す)に示すように、拡大レンズ4がインストルメント・パネル2に対し車両前方側へ傾斜されているので、拡大レンズ4のドライバ側面での反射は、車両の天井となる。車両の天井は一般的に無地で暗色か薄い灰色などが多く、この結果、拡大レンズ4での反射による天井の映り込みがあったとしても、表示像の視認には大きく問題になるようなことはない。
【0046】
以上の説明から分かるように、実施例3の車両用表示装置にあっては、拡大レンズ4をインストルメント・パネル2に対し車両前方側へ傾斜させたので、拡大レンズ4での反射によるドライバ自身の顔やドライバが着ている服の映り込みを防止して、表示器3上の表示の視認性を高めることができる。
【0047】
[実施例4]
次に、本発明に係る実施例4の車両用表示装置につき、以下に説明する。
実施例4の車両用表示装置にあっては、実施例1〜3の構成のいずれかと同じように構成するが、図11に示すように、拡大レンズ4を非使用時には、インストルメント・パネル2のメータ・フード部分2d内に収納可能とする。このためには、たとえば拡大レンズ4の下方部分を中心に手動でもスイッチで電気的に回転させる周知の機構を用いる。拡大レンズ4の前方側面は、インストルメント・パネル2のメータ・フード部分2dと同じ色とし、かつその収納時に一体的に連続する形状とするのが望ましい。
一方、表示器3の画面も周囲の遮光壁7とほぼ同一に見えるように暗色の外観となるようにすることが望ましい。
【0048】
[実施例5]
次に、本発明に係る実施例5の車両用表示装置につき、以下に説明する。
実施例5にあっては、図12に示すように、実施例4の構成に加えて、表示器3および遮光壁7もインストルメント・パネル2の前方側部分2a内に収納可能としている。
表示が不要な場合には、拡大レンズ4、表示器3、遮光壁7をインストルメント・パネル2の後方側部分2b、前方側部分2aにそれぞれ収納することで、ドライバからみた目の前がよりすっきりなるようにすることができる。
【0049】
以上の説明から分かるように、実施例4の車両用表示装置にあっては、表示の必要がない場合には、拡大レンズ4をインストルメント・パネル2のメータ・フード部分2dに収納し、表示器3の画面も周囲の遮光壁7とほぼ同一に見えるように暗色の外観となるようにするので、ドライバにこれらの存在を意識させず、煩わしさを感じなくさせることが可能となる。また、拡大レンズ4を誤って破損することもなくなる。
【0050】
[実施例6]
次に、本発明に係る実施例6の車両用表示装置につき、以下に説明する。
実施例6の車両用表示装置にあっては、図13に示すように、実施例1〜5における拡大レンズ4に代えて、プリズム8と拡大レンズ4'との組合せを用いる。
すなわち、プリズム8は車両前方側(表示器3側)を下方に行くにしたがって前方側へ突出する斜行面に形成し、車両後方側(ドライバー席側)の面を垂直にする。
拡大レンズ4'は、車両後方側を半球面状に、また車両前方側の面を垂直面として、この垂直面をプリズム6の垂直面と一体的に合わせる。
その他の構成は、実施例1〜5のいずれかと同じ構成にする。
【0051】
実施例1等の拡大レンズ4を用いて表示器3の表示を拡大する場合には、主に拡大レンズ4の外縁部を用いて、プリズムと同様に光路を屈折させる。
ところで、メータ・フード部に対しドライバのアイ・ポイントが比較的低くなるスポーツ・カーやセダン等の一部の車両にあっては、その屈折率が小さく、アイ・ポイントの位置まで到達しないことがある。この場合、光路をより下方に屈折させるため拡大レンズ4での屈折率を大きくするようにするには、拡大レンズ4の曲率をより大きくするか、拡大レンズ4を車両前方に傾ける必要がある。しかしながら、前者の場合には像がぼけてしまい、後者の場合には像が傾いてしまうといった不具合が生じる。
【0052】
これに対し、実施例6の車両用表示器にあっては、拡大レンズ4'にプリズム8の屈折形状を追加したことで、拡大レンズ4'の拡大面の曲率および設置角度を変更することなく、それら全体で屈折率を増大する。したがって、表示器3からの光路はプリズム8および拡大レンズ4'でより大きく下方に屈折され、低い位置にあるドライバのアイ・ポイントER、ELに到達する。
【0053】
以上の説明から分かるように、実施例6の車両用表示器にあっては、実施例1の効果に加え、メータ・フード部に対しドライバのアイ・ポイントが比較的低い位置となる車両にあっても、表示をこれがぼやけたり傾いたりすることなく、拡大表示することができる。
また、プリズム8を用いることで屈折率を大きく設定することが可能となる。しかも、この場合、成形が容易な形状となる。
【0054】
なお、実施例6のプリズム8および拡大レンズ4'は、図13のものから以下のように変形させることも可能である。
すなわち、図14に示すように、拡大レンズ4'はそのままとし、1個のプリズム8の代わりに、より細かいプリズムを上下方向に積み重ねたプリズム9を用い、この車両前方側にフレネル面を形成し、車両後方側を垂直面として拡大レンズ4'の車両前方側の垂直面と一体的に合わせる。
このようにプリズムを構成すれば、車両前後方向の長さを抑えながら、表示器3からの光路を実施例1等の場合より下方に屈折させることが可能となる。
【0055】
また、図15に示すように、図13のプリズム8の代わりに図14のフレネル面を有するプリズム9を、また半球面の拡大レンズ4'の代わりに車両前方側が垂直面で車両後方面がプリズム全球面を有する拡大レンズ4"を用いる。
このようにすれば、儒沖同様に、表示器3からの光路を実施例1等の場合より下方に屈折させることが可能となる。
なお、この変形例の場合、屈折率は上記拡大レンズ4'より若干小さくなるが、拡大レンズ4'の拡大面の中心を利用するので、像のゆがみを小さく抑えることができる。
【0056】
なお、プリズム8、9は、本発明の光屈折部材に相当する。
【0057】
[実施例7]
次に、本発明に係る実施例7の車両用表示装置につき、以下に説明する。
実施例7の車両用表示装置にあっては、図16に示すように、表示器3と拡大レンズ4'との間で、表示器3やこれからの光線がケラレるメータ・フード部2dとの間に屈折部材10を配置する。
屈折部材10は、透明なガラス、アクリル、ポリカーボネートなどで形成される車両前後両側にそれぞれ平行な平面を有する板状部材で、車両前方側へ傾斜した姿勢でインストメント・パネル2の上面に設置される。
この結果、表示器3からの光線が屈折部材10で上方へシフト(移動)され、メータ・フード部2dを乗り越えて拡大レンズ4'まで到達するようになる。
【0058】
以上の説明から分かるように、実施例7の車両用表示装置にあっては、屈折部材10で表示器3からの光軸を上方へシフトするようにしたので、実施例1の効果に加えて、表示器3の像の一部がメータ・フード部2dによりケラレることを避けることができるようになる。
また、屈折部材10は透明の板状部材で済むので安価かつ簡単に構成することができる。
【0059】
なお、実施例7にあっては、図16の平板状の屈折部材10は、図17に示すように、上に行くにしたがって車両前方に突出する半球面を有する板状の屈折部材11に代えてもよい。
この場合、曲率に応じて光線を屈折させて光軸を上方へシフトする。このシフト量は形状(曲率)によるため、光透過性の材料であれば材質は問わない。
したがって、この変形例では、曲りを変えることで容易に光軸の上方へのシフト量を設定することができる。
なお、屈折部材10、11は、本発明の光屈折部材に相当する。
【0060】
[実施例8]
次に、本発明に係る実施例8の車両用表示装置につき、以下に説明する。
実施例8の車両用表示装置にあっては、図18に示すように、図16の屈折部材10を図16の場合と同様に前掲させた状態で、表示器3のすぐ後方位置に設置するとともに、実施例1で遮光壁7を表示器3に一体的に配置していた構造(図1〜図3を参照)に代えて、屈折部材10の車両側後方側に一体的に設けている。
これにより、実施例7と同様の効果を得ながら、表示器3と拡大レンズ4'の間に屈折部材10を設置した場合でも、途中に屈折部材10が存在することの違和感を軽減させることができる。
【0061】
以上、本発明を上記各実施例に基づき説明してきたが、本発明はこれらの実施例に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更等があった場合でも、本発明に含まれる。
【0062】
たとえば、本発明の車両用表示装置は、自動車に限られず、その他の車両にも適用できる。
なお、目の位置ER,ELは、いろんなドライバの目の位置のうち少ない頻度の範囲を除いた範囲にある位置を使うが、平均的位置からある程度の幅を持たせた範囲などのように、他の範囲に設定してもよい。
さらに、実施例4、5にあっては、拡大レンズ4、表示器3、遮光壁7等をインストルメント・パネル2の内部に収納できるようにしたが、これらをインストルメント・パネル2から取り外し可能としてもよい。また、表示器3は、いわゆるスマート・フォーンなどを用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 フロント・ガラス
2 インストルメント・パネル
2a 前方側部分
2b 後方側部分
2c デフロスタ吹き出し部分
2d メータ・フード部
3 表示器(表示器)
4、4'、4" 拡大レンズ
4a 外縁側部分
5 車両情報演算部
6 表示駆動部
7、12 遮光壁
8、9 プリズム(光屈折部材)
10、11 屈折部材(光屈折部材)
EL 左目の位置
ER 右目の位置
LL1、LR1 第1線
L2 第2線
M、N 交差点
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバ等のユーザーに伝えたい車両情報等を視認性よく表示可能な車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用表示装置としては、車両のフロント・ガラスの周囲に形成されている遮光マスク部のうち下側の遮光マスク部分とインストルメント・パネルの前部とで挟まれた間の領域に車両前方からの光が透過せず日陰となる遮光領域を形成し、この遮光領域のドライバが視認できる位置の車両情報を表示する発光表示器を配設し、下側遮光マスク部分を遮光フードとして機能させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−280247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の車両用表示装置には以下に説明するような問題がある。
すなわち、上記従来の車両用表示装置にあっては、ドライバ等ユーザーの体格や座る姿勢によりアイ・ポイント(目の位置)が上下することから、この位置が低くなるとメータ・フードの盛上り部分により表示器の一部が見えなくなるといった問題がある。
【0005】
また、ユーザーのアイ・ポイントと表示器との距離は通常の車両(自動車)の場合、900mm〜1000mm前後と結構距離があるため、ユーザーが表示器に表示された文字や図形を容易かつ短時間で視認しようとすると、これらの文字や図形は一定以上の大きさでなければならず、このような大きさの表示をなそうとすると、表示器が大きくなり、製造コストが増大するだけでなく、車両前方の視界を遮ってしまい、採用することができなくなる。
【0006】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、表示器の大きさおよび製造コストを抑えながら、ユーザーが表示器による表示全体を容易かつ短時間かつ確実に視認できるようにした車両用表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のため、請求項1に記載の本発明による車両用表示装置は、
フロント・ガラスの車室内側下方位置のインストルメント・パネルの上側部分に配置した表示器と、
インストルメント・パネルの上側部分から立設され、表示器より車両後方側に設置されて表示器による表示をドライバに拡大して見せる拡大レンズと、
表示器の両外縁部から少なくとも、ドライバの左右両目と拡大レンズの同じ側の両外縁部とをそれぞれ結ぶ第1線が表示器から車幅方向へ延びる第2線と交差する左右の交差位置近傍まで延びる不透明の遮光壁と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の本発明による車両用表示装置は、
請求項1に記載の車両用表示装置において、
遮光壁の車室側面が無地で暗色である、
ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の本発明による車両用表示装置は、
請求項1又は請求項2に記載の車両用表示装置において、
拡大レンズが、この外縁側部分にて表示器による表示を拡大する、
ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の本発明による車両用表示装置は、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用表示装置において、
拡大レンズが車両前方側へ傾斜されて設置される、
ことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の本発明による車両用表示装置は、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用表示装置において、
表示器と拡大レンズとの間に、表示器の表示を上下方向へ移動させた虚像を作る光屈折部材を設けた、
ことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の本発明による車両用表示装置は、
請求項5に記載の車両用表示装置において、
光屈折部材が、プリズムであり、このプリズムが拡大レンズと一体になって表示器からの光軸を下方に向ける、
ことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の本発明による車両用表示装置は、
請求項5に記載の車両用表示装置において、
光屈折部材が、表示器の光軸を上方に向けてシフトさせる屈折部材である、
ことを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の本発明による車両用表示装置は、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の車両用表示装置において、
拡大レンズが前記インストルメント・パネル内に収納可能である、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の本発明の車両用表示装置にあっては、ユーザーは拡大レンズにより表示器による表示を拡大してみることができ、しかもその際、表示の車両幅方向両側には上記幅の遮光壁があるので車両前方から光が入ってくることがない。したがって、表示器の大きさおよび製造コストを抑えながら、ユーザーが表示器による表示全体を容易かつ短時間かつ確実に視認できるようにした車両用表示装置を得ることができる。
【0016】
請求項2に記載の本発明の車両用表示装置にあっては、表示器による表示の車両幅方向両側が無地で暗色であるため、表示の視認が邪魔されるのを防ぐことができる。
【0017】
請求項3に記載の本発明の車両用表示装置にあっては、インストルメント・パネルのメータ・フードにより拡大レンズによる像にケラレが発生することなく、表示器を低い位置に配置することができる。
【0018】
請求項4に記載の本発明の車両用表示装置にあっては、拡大レンズでの反射によるドライバ自身の顔やドライバが着ている服の映り込みを防止して、表示器での表示の視認性を高めることができる。
【0019】
請求項5に記載の本発明の車両用表示装置にあっては、光屈折部材により表示器の表示を上下移動させた像を作るので、より低い位置でのドライバのアイ・ポイントの位置およびメータ・フードによる表示のケラレを避けることが可能となる。
【0020】
請求項6に記載の本発明の車両用表示装置にあっては、ドライバのアイ・ポイントの位置が低くなる車両等の場合でも、表示器からの光軸を下方に屈折させることで、ドライバのアイ・ポイントの位置に合わせることが可能となる。
【0021】
請求項7に記載の本発明の車両用表示装置にあっては、表示器の表示の虚像を上方へシフトさせることで、表示器の表示が一部、メータ・フード部でケラレてドライバから見えなくなるのを防ぐことができる。
【0022】
請求項8に記載の本発明の車両用表示装置にあっては、表示器を使用しないときは、この手前にある拡大レンズをインストルメント・パネル内に収納することで、その存在によるわずらわしさを避け、また誤って拡大レンズする破損することを防ぐができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例1の車両用表示装置の構成を示す側面図である。
【図2】実施例1の車両用表示装置で用いる表示器、遮光壁、拡大レンズ、ドライバの左右の目の関係を示す平面図である。
【図3】実施例1の車両用表示装置で用いる表示器と遮光壁のドライバ側からみた正面図である。
【図4】遮光壁がない場合の表示器、拡大レンズ、左右の目の関係における不具合を説明する平面図である。
【図5】実施例1の車両用表示装置で用いる遮光壁がある場合の表示器、拡大レンズ、左右の目の関係を説明する平面図である。
【図6】実施例の車両用表示器において拡大レンズの効果を調べるための実験を説明する図である。
【図7】本発明に係る実施例2の車両用表示装置の要部を示す図である。
【図8】実施例2の車両用表示装置で用いる拡大レンズの外縁側部分の説明図である。
【図9】車両用表示装置の拡大レンズをドライバに正対させて設置した場合の拡大レンズによる反射光に起因した不具合を説明する図である。
【図10】本発明に係る実施例3の車両用表示装置の要部を示す図である。
【図11】本発明に係る実施例4の車両用表示装置図の要部を示す図である。
【図12】本発明に係る実施例5の車両用表示装置図の要部を示す図である。
【図13】本発明に係る実施例6の車両用表示装置図の要部を示す図である。
【図14】実施例6の車両用表示装置図の要部の変形例を示す図である。
【図15】実施例6の車両用表示装置図の要部の別の変形例を示す図である。
【図16】本発明に係る実施例7の車両用表示装置図の要部を示す図である。
【図17】実施例7の車両用表示装置図の要部の変形例を示す図である。
【図18】本発明に係る実施例8の車両用表示装置図の要部である表示器と遮光壁と屈折部材とを示す図で、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。なお、各実施例にあっては同じ構成のものには同じ番号を付し、それらの説明を省略する。また、各図において説明の便宜上、レンズ4を透過する光の光路は、実際とは異なり屈折していないように描いてある。
【0025】
[実施例1]
まず、実施例1の車両用表示装置の構成を図1〜3に基づいて説明する。
この実施例1の車両用表示装置は、フロント・ガラス1の下方部分の下位置で、インストルメント・パネル2の車両前方側に配置した表示器3と、インストルメント・パネル2の車両後方側に立設した拡大レンズ4と、を備えている。
【0026】
さらに詳細に説明すると、表示器3はたとえば液晶ディスプレイで構成され、インストルメント・パネル2内にそれぞれ配置した車両情報演算部5から出力される車両情報信号に応じて表示駆動部6の駆動信号によりその画面に車両情報を表示する。
車両情報演算部5は、車載の種々の機器や装置(オーディオやエア・コンディショナなど)に接続され、これらから得た車両情報をドライバのニーズに応じて表示駆動部5へ送る。表示駆動部6では、車両情報演算部5から入力された車両情報信号に基づき、表示器3に車両情報を表示させる駆動信号を作り出し、表示器5へ出力する。
【0027】
一方、インストルメント・パネル2は、図示しないドライバ・シートの前位置で車両幅方向へ車室内の端から端まで延ばされており、デフロスタ吹き出し口2cの車両前方にある前方側部分2aと、デフロスタ吹き出し口2cの車両後方にある後方側部分2bと、この後方側部分2bのドライバ・シート前の一部分が上方へ膨らまされて形成されたメータ・フード部2dと、を有している。
メータ・フード部2d内には、ドライバ側に向けてスピード・メータなどの種々のメータ類が収納されている。
【0028】
フロント・ガラス1は、インストルメント・パネル2の前方側部分2aより前の位置でその下方部分が図示しない車体の窓枠に接着されている。なお、この接着剤の紫外線による劣化を防ぐため、また見栄え向上のため、フロント・ガラス1の周縁部分にはマスキング塗装がなされ、ゴム製のウインド・モールが取り付けられて車体に固定される。
【0029】
表示器3は、この表示面を車両後方側、すなわちドライバ側へ向けられた状態で、上記インストルメント・パネル2の前方側部分2a上に配置されてフロント・ガラス1の下方部分に向けて立ち上げられる。
【0030】
一方、拡大レンズ4は、この幅W4が表示器3の幅W3より大きく設定される。これにより、拡大レンズ4のサイズに起因してこの表示像がケラレることを防ぎ、またドライバの目(左右の目EL、ER)の位置がある程度動いても表示像がレンズによりケラレることを防ぐことができるようになる。拡大レンズ4は、表示器3とドライバを結ぶ線上にある、インストルメント・パネル2のメータ・フード部2dの上面に立設する。なお、ここでケラレとは、光が届かず表示像の一部が見えなくなることを意味する。
【0031】
表示器3の左右外縁部には、図1、3に示すように、その高さが表示器3より若干高くされてそれぞれ車両幅方向の左右方向へ延びる額縁状の遮光壁7がインストルメント・パネル2の前方側部分2a上に設けられる。もちろん、遮光壁7の高さは、ドライバが車室外前方を見る際、邪魔にならない高さに設定されている。
また、この遮光壁7の左右方向の長さは、この左右端が、図2に示すように、左右の目EL、ERの位置と拡大レンズ4の左右縁端部とをそれぞれ結ぶ第1線(左目側がLL1、右目側がLR1)が、遮光壁7の幅方向に延びる第2線L2と交差する交差点M、Nの位置より内側にならないように十分長く延ばしてある。
なお、車両を運転する際、ドライバの頭の位置は一定の範囲内で動いている。したがって、上述の左右の目の位置EL、ERを定めるときには、ドライバの頭が左端に位置したときの左目の位置、および右端に位置したときの右目の位置とすることが望ましい。
【0032】
遮光壁7のドライバ側の面は、無地で濃い灰色や黒色といった暗色系統の色付けが行われている。
【0033】
上記のように構成された実施例1の車両用表示装置の作用につき、いかに説明する。
ドライバは車両情報を見たいときは車両用表示装置を動作状態にしておく。すると、車両情報演算部5が他の車載機器・装置から得た車両情報のうち必要なものを車両信号として表示駆動装置6に入力する。表示駆動装置6は、駆動信号を表示器3に出力して、この画面に車両情報を表示させる。この表示器3による表示は、その後方に位置する拡大レンズ4で拡大されてドライバの目EL、ERに届き、ドライバは狭いエリアでしか表示できなかった表示器3の表示をより大きく拡大された表示像としてみることで、短時間で確実に視認することができるようになる。
【0034】
この場合、実施例1のように表示器3の左右に遮光壁7がないと、図4に示すように、ドライバは、片方の目(図では右目)で拡大レンズ4を通して表示器3上の表示を見ているが、他方の目(図では左目)で拡大レンズ4およびフロント・ガラス1を通して車両前方の外景を見ているといった状態(それぞれの視線を同図中に一点鎖線で示す)が生じる。
この場合、右目は約1m先の表示器3上の表示をみているにもかかわらず、左目は数m〜数十m先の遠方の外景をみていることとなる。すなわち、左右の目が視距離が異なる違う像をみていることとなって、ドライバに不快感を与え好ましくない。
【0035】
これに対し、実施例1の車両用表示装置にあっては、表示器3の左右には、上記交差点M、Nの近傍まで車両方向幅方向に延ばされた遮光壁7が設けられているので、遮光壁7が表示器3の表示の横に車両外部前方から光が入ってくるのを防止して表示を見やすくするのみならず、図5に示すように、ドライバは、右目が約1m先の表示器3上の表示を、また左目が同じく約1m先の遮光壁7を見ることになる(それぞれの視線を同図中に一点鎖線LL2、LR2で示す)。
【0036】
したがって、ドライバは左右の目ともほぼ同じ距離のものを見ていることとなり、しかも遮光壁7のドライバ側面が無地で暗色系にされているので、その表面に意匠が施されていたりその表面が明るい色で塗装されていたりする場合とは異なって表示器3上の表示をみる邪魔にはならず、ドライバはほとんど不快に感じることなく表示を短時間、かつ確実に視認できるようになる。
【0037】
ここで、実施例1の車両用表示装置における表示拡大の性能を見るため、図6に示すように表示器3、拡大レンズ4を配置して実験を行った。この実験では、表示器3から拡大レンズ4までの距離LAを140mm、拡大レンズ4からドライバの目の位置(アイ・ポイント)までの距離LBを785mm、表示器3のサイズを90×40mm、拡大レンズ4を両面非球面レンズとして、実験を行ったところ、目の位置からLC=998.5mmの前方位置に、約1.5倍に拡大された表示像Sを得ることができた。
【0038】
以上、説明したように、実施例1の車両用表示装置にあっては、ドライバは拡大レンズにより表示器による表示を拡大表示像としてみることができ、しかもその際、表示器3の車両幅方向両側には上記幅の遮光壁があるので、車両前方から光が入ってくることがない。したがって、表示器3の大きさおよび製造コストを抑えながら、ドライバなどのユーザーが表示器3による表示全体を容易かつ短時間かつ確実に視認できるようにした車両用表示装置を得ることができる。
【0039】
[実施例2]
次に、本発明に係る実施例2の車両用表示装置につき、以下に説明する。
実施例2の車両用表示装置にあっては、実施例1と同様の構成を用いるものの、表示器3による表示の拡大を拡大レンズ4の外縁側部分4aにて主に行うようにした点が、実施例1と異なる。その他の構成は実施例1と同様である。
【0040】
ここで、拡大レンズ4は、図8に示す円形の凸レンズ4'において、この点線の円で示す中心部の外縁側部分4aの一部分(実施例では実線で示す長方形の部分)で形成する。
【0041】
表示器3を配置するときの高さを十分に高くしないと、拡大レンズ4を通して見えないため、表示器3が目立ってしまう。
しかしながら、実施例2にあっては、表示器3上の表示は、主に拡大レンズ4の外縁側部分4aにて行われる結果、このとき、図7に示すように拡大レンズ4の外縁側部分4aはプリズムと同様に光路を屈折させるため、より下方の位置に表示器3を配置しても、この表示を視認できるようになる(視線を同図中に一点鎖線で示す)。これにより、表示器3を目立たない低い位置に設置することが可能となる。
なお、拡大レンズ4のインストルメント・パネル2に対する傾斜角度を調整することで、上下方向における目の位置に合わせて調整することができる。
【0042】
以上の説明から分かるように、実施例2の車両用表示装置にあっては、表示器3による表示の拡大を拡大レンズ4の外縁側部分4aにて主に行うようにしたので、実施例1の効果に加え、より下方位置に表示器3を配置しても、インストルメント・パネル2のメータ・フード部2dにより拡大レンズ4の表示像がケラレることを防ぐことができるようになる。
【0043】
[実施例3]
次に、本発明に係る実施例3の車両用表示装置につき、以下に説明する。
実施例3の車両用表示装置にあっては、実施例2と同様の構成を用いるものの、拡大レンズ4をこの上端側がインストルメント・パネル2に対し車両前方側へ傾斜させられた点が、実施例2と異なる。その他の構成は実施例2と同様である。
【0044】
図9(反射による視線を同図中に点鎖線で示す)は、ドラバの目に対し拡大レンズ4が正対するように拡大レンズ4をインストルメント・パネル2に対して傾斜させた場合を示す。この場合、拡大レンズ4は、表示器3上の表示を透過するだけでなく、そのドライバ側面での反射により、ドライバ自身の顔、ドライバが着ている服が拡大レンズ4に映り込み、表示像と重なってみにくくなることがある。
【0045】
しかしながら、実施例3の車両用表示装置にあっては、図10(反射による
視線を同図中に点鎖線で示す)に示すように、拡大レンズ4がインストルメント・パネル2に対し車両前方側へ傾斜されているので、拡大レンズ4のドライバ側面での反射は、車両の天井となる。車両の天井は一般的に無地で暗色か薄い灰色などが多く、この結果、拡大レンズ4での反射による天井の映り込みがあったとしても、表示像の視認には大きく問題になるようなことはない。
【0046】
以上の説明から分かるように、実施例3の車両用表示装置にあっては、拡大レンズ4をインストルメント・パネル2に対し車両前方側へ傾斜させたので、拡大レンズ4での反射によるドライバ自身の顔やドライバが着ている服の映り込みを防止して、表示器3上の表示の視認性を高めることができる。
【0047】
[実施例4]
次に、本発明に係る実施例4の車両用表示装置につき、以下に説明する。
実施例4の車両用表示装置にあっては、実施例1〜3の構成のいずれかと同じように構成するが、図11に示すように、拡大レンズ4を非使用時には、インストルメント・パネル2のメータ・フード部分2d内に収納可能とする。このためには、たとえば拡大レンズ4の下方部分を中心に手動でもスイッチで電気的に回転させる周知の機構を用いる。拡大レンズ4の前方側面は、インストルメント・パネル2のメータ・フード部分2dと同じ色とし、かつその収納時に一体的に連続する形状とするのが望ましい。
一方、表示器3の画面も周囲の遮光壁7とほぼ同一に見えるように暗色の外観となるようにすることが望ましい。
【0048】
[実施例5]
次に、本発明に係る実施例5の車両用表示装置につき、以下に説明する。
実施例5にあっては、図12に示すように、実施例4の構成に加えて、表示器3および遮光壁7もインストルメント・パネル2の前方側部分2a内に収納可能としている。
表示が不要な場合には、拡大レンズ4、表示器3、遮光壁7をインストルメント・パネル2の後方側部分2b、前方側部分2aにそれぞれ収納することで、ドライバからみた目の前がよりすっきりなるようにすることができる。
【0049】
以上の説明から分かるように、実施例4の車両用表示装置にあっては、表示の必要がない場合には、拡大レンズ4をインストルメント・パネル2のメータ・フード部分2dに収納し、表示器3の画面も周囲の遮光壁7とほぼ同一に見えるように暗色の外観となるようにするので、ドライバにこれらの存在を意識させず、煩わしさを感じなくさせることが可能となる。また、拡大レンズ4を誤って破損することもなくなる。
【0050】
[実施例6]
次に、本発明に係る実施例6の車両用表示装置につき、以下に説明する。
実施例6の車両用表示装置にあっては、図13に示すように、実施例1〜5における拡大レンズ4に代えて、プリズム8と拡大レンズ4'との組合せを用いる。
すなわち、プリズム8は車両前方側(表示器3側)を下方に行くにしたがって前方側へ突出する斜行面に形成し、車両後方側(ドライバー席側)の面を垂直にする。
拡大レンズ4'は、車両後方側を半球面状に、また車両前方側の面を垂直面として、この垂直面をプリズム6の垂直面と一体的に合わせる。
その他の構成は、実施例1〜5のいずれかと同じ構成にする。
【0051】
実施例1等の拡大レンズ4を用いて表示器3の表示を拡大する場合には、主に拡大レンズ4の外縁部を用いて、プリズムと同様に光路を屈折させる。
ところで、メータ・フード部に対しドライバのアイ・ポイントが比較的低くなるスポーツ・カーやセダン等の一部の車両にあっては、その屈折率が小さく、アイ・ポイントの位置まで到達しないことがある。この場合、光路をより下方に屈折させるため拡大レンズ4での屈折率を大きくするようにするには、拡大レンズ4の曲率をより大きくするか、拡大レンズ4を車両前方に傾ける必要がある。しかしながら、前者の場合には像がぼけてしまい、後者の場合には像が傾いてしまうといった不具合が生じる。
【0052】
これに対し、実施例6の車両用表示器にあっては、拡大レンズ4'にプリズム8の屈折形状を追加したことで、拡大レンズ4'の拡大面の曲率および設置角度を変更することなく、それら全体で屈折率を増大する。したがって、表示器3からの光路はプリズム8および拡大レンズ4'でより大きく下方に屈折され、低い位置にあるドライバのアイ・ポイントER、ELに到達する。
【0053】
以上の説明から分かるように、実施例6の車両用表示器にあっては、実施例1の効果に加え、メータ・フード部に対しドライバのアイ・ポイントが比較的低い位置となる車両にあっても、表示をこれがぼやけたり傾いたりすることなく、拡大表示することができる。
また、プリズム8を用いることで屈折率を大きく設定することが可能となる。しかも、この場合、成形が容易な形状となる。
【0054】
なお、実施例6のプリズム8および拡大レンズ4'は、図13のものから以下のように変形させることも可能である。
すなわち、図14に示すように、拡大レンズ4'はそのままとし、1個のプリズム8の代わりに、より細かいプリズムを上下方向に積み重ねたプリズム9を用い、この車両前方側にフレネル面を形成し、車両後方側を垂直面として拡大レンズ4'の車両前方側の垂直面と一体的に合わせる。
このようにプリズムを構成すれば、車両前後方向の長さを抑えながら、表示器3からの光路を実施例1等の場合より下方に屈折させることが可能となる。
【0055】
また、図15に示すように、図13のプリズム8の代わりに図14のフレネル面を有するプリズム9を、また半球面の拡大レンズ4'の代わりに車両前方側が垂直面で車両後方面がプリズム全球面を有する拡大レンズ4"を用いる。
このようにすれば、儒沖同様に、表示器3からの光路を実施例1等の場合より下方に屈折させることが可能となる。
なお、この変形例の場合、屈折率は上記拡大レンズ4'より若干小さくなるが、拡大レンズ4'の拡大面の中心を利用するので、像のゆがみを小さく抑えることができる。
【0056】
なお、プリズム8、9は、本発明の光屈折部材に相当する。
【0057】
[実施例7]
次に、本発明に係る実施例7の車両用表示装置につき、以下に説明する。
実施例7の車両用表示装置にあっては、図16に示すように、表示器3と拡大レンズ4'との間で、表示器3やこれからの光線がケラレるメータ・フード部2dとの間に屈折部材10を配置する。
屈折部材10は、透明なガラス、アクリル、ポリカーボネートなどで形成される車両前後両側にそれぞれ平行な平面を有する板状部材で、車両前方側へ傾斜した姿勢でインストメント・パネル2の上面に設置される。
この結果、表示器3からの光線が屈折部材10で上方へシフト(移動)され、メータ・フード部2dを乗り越えて拡大レンズ4'まで到達するようになる。
【0058】
以上の説明から分かるように、実施例7の車両用表示装置にあっては、屈折部材10で表示器3からの光軸を上方へシフトするようにしたので、実施例1の効果に加えて、表示器3の像の一部がメータ・フード部2dによりケラレることを避けることができるようになる。
また、屈折部材10は透明の板状部材で済むので安価かつ簡単に構成することができる。
【0059】
なお、実施例7にあっては、図16の平板状の屈折部材10は、図17に示すように、上に行くにしたがって車両前方に突出する半球面を有する板状の屈折部材11に代えてもよい。
この場合、曲率に応じて光線を屈折させて光軸を上方へシフトする。このシフト量は形状(曲率)によるため、光透過性の材料であれば材質は問わない。
したがって、この変形例では、曲りを変えることで容易に光軸の上方へのシフト量を設定することができる。
なお、屈折部材10、11は、本発明の光屈折部材に相当する。
【0060】
[実施例8]
次に、本発明に係る実施例8の車両用表示装置につき、以下に説明する。
実施例8の車両用表示装置にあっては、図18に示すように、図16の屈折部材10を図16の場合と同様に前掲させた状態で、表示器3のすぐ後方位置に設置するとともに、実施例1で遮光壁7を表示器3に一体的に配置していた構造(図1〜図3を参照)に代えて、屈折部材10の車両側後方側に一体的に設けている。
これにより、実施例7と同様の効果を得ながら、表示器3と拡大レンズ4'の間に屈折部材10を設置した場合でも、途中に屈折部材10が存在することの違和感を軽減させることができる。
【0061】
以上、本発明を上記各実施例に基づき説明してきたが、本発明はこれらの実施例に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更等があった場合でも、本発明に含まれる。
【0062】
たとえば、本発明の車両用表示装置は、自動車に限られず、その他の車両にも適用できる。
なお、目の位置ER,ELは、いろんなドライバの目の位置のうち少ない頻度の範囲を除いた範囲にある位置を使うが、平均的位置からある程度の幅を持たせた範囲などのように、他の範囲に設定してもよい。
さらに、実施例4、5にあっては、拡大レンズ4、表示器3、遮光壁7等をインストルメント・パネル2の内部に収納できるようにしたが、これらをインストルメント・パネル2から取り外し可能としてもよい。また、表示器3は、いわゆるスマート・フォーンなどを用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 フロント・ガラス
2 インストルメント・パネル
2a 前方側部分
2b 後方側部分
2c デフロスタ吹き出し部分
2d メータ・フード部
3 表示器(表示器)
4、4'、4" 拡大レンズ
4a 外縁側部分
5 車両情報演算部
6 表示駆動部
7、12 遮光壁
8、9 プリズム(光屈折部材)
10、11 屈折部材(光屈折部材)
EL 左目の位置
ER 右目の位置
LL1、LR1 第1線
L2 第2線
M、N 交差点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロント・ガラスの車室内側下方位置のインストルメント・パネルの上側部分に配置した表示器と、
前記インストルメント・パネルの上側部分から立設され、前記表示器より車両後方側に設置されて該表示器による表示をドライバに拡大して見せる拡大レンズと、
前記表示器の両外縁部から少なくとも、前記ドライバの左右両目と前記拡大レンズの同じ側の両外縁部とをそれぞれ結ぶ第1線が前記表示器から車幅方向へ延びる第2線と交差する左右の交差位置近傍まで延びる不透明の遮光壁と、
を備えたことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用表示装置において、
前記遮光壁は、この車室側面が無地で暗色である、
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の車両用表示装置において、
前記拡大レンズは、この外縁側部分にて前記表示器による表示を拡大する、
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用表示装置において、
前記拡大レンズは車両前方側へ傾斜されて設置される、
ことを特徴とする車両表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用表示装置において、
前記表示器と前記拡大レンズとの間に、前記表示器の表示を上下方向へ移動させた虚像を作る光屈折部材を設けた、
ことを特徴とする車両表示装置。
【請求項6】
請求項5に記載の車両用表示装置において、
前記光屈折部材は、プリズムであり、該プリズムが前記拡大レンズと一体になって前記表示器からの光軸を下方に向けて屈折させる、
ことを特徴とする車両表示装置。
【請求項7】
請求項5に記載の車両用表示装置において、
前記光屈折部材は、前記表示器からの光軸を上方に向けてシフトさせる屈折部材である、
ことを特徴とする車両表示装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の車両用表示装置において、
前記拡大レンズは前記インストルメント・パネル内に収納可能である、
ことを特徴とする車両表示装置。
【請求項1】
フロント・ガラスの車室内側下方位置のインストルメント・パネルの上側部分に配置した表示器と、
前記インストルメント・パネルの上側部分から立設され、前記表示器より車両後方側に設置されて該表示器による表示をドライバに拡大して見せる拡大レンズと、
前記表示器の両外縁部から少なくとも、前記ドライバの左右両目と前記拡大レンズの同じ側の両外縁部とをそれぞれ結ぶ第1線が前記表示器から車幅方向へ延びる第2線と交差する左右の交差位置近傍まで延びる不透明の遮光壁と、
を備えたことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用表示装置において、
前記遮光壁は、この車室側面が無地で暗色である、
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の車両用表示装置において、
前記拡大レンズは、この外縁側部分にて前記表示器による表示を拡大する、
ことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用表示装置において、
前記拡大レンズは車両前方側へ傾斜されて設置される、
ことを特徴とする車両表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用表示装置において、
前記表示器と前記拡大レンズとの間に、前記表示器の表示を上下方向へ移動させた虚像を作る光屈折部材を設けた、
ことを特徴とする車両表示装置。
【請求項6】
請求項5に記載の車両用表示装置において、
前記光屈折部材は、プリズムであり、該プリズムが前記拡大レンズと一体になって前記表示器からの光軸を下方に向けて屈折させる、
ことを特徴とする車両表示装置。
【請求項7】
請求項5に記載の車両用表示装置において、
前記光屈折部材は、前記表示器からの光軸を上方に向けてシフトさせる屈折部材である、
ことを特徴とする車両表示装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の車両用表示装置において、
前記拡大レンズは前記インストルメント・パネル内に収納可能である、
ことを特徴とする車両表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−28330(P2013−28330A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−284957(P2011−284957)
【出願日】平成23年12月27日(2011.12.27)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月27日(2011.12.27)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
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