説明

車両走行状態解析システム、方法、プログラムを記録した記憶媒体及びプログラム

【課題】 GPSを利用して、走行中車両の走行データを取得し、解析し、表示する走行状態解析システム、方法、プログラムを記録した記憶媒体及びプログラムを提供する。
【解決手段】 車両に搭載した情報処理装置は、処理部と記憶部と表示部を備えるとともに、GPS受信機と接続し、前記処理部は、車両の走行中、走行計測区間を特定する地点が指定されると、この位置をGPS受信機から取得し、記憶部にこの地点を登録する一方、前記車両が前記走行計測区間を再度走行するときは、記憶部から前記の登録された地点の位置情報を参照し、車両が前記の登録地点を通過したか否かの判定に基づき、前記走行計測区間を走行中であると認められるとき、車両の現在位置をGPS受信機から所定の間隔で受信し、走行データを前記記憶部に書き込むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
GPSを利用して、走行中車両の走行データを取得し、走行状態を解析し表示する走行状態解析システム、方法、プログラムを記録した記憶媒体及びプログラムの提供に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS受信機から有効に受信したデータに基づいて、GPS受信機の位置を検出することは広く行われている。
特開平11−125584号公報には、車両にGPS受信機を搭載し、走行経路のデータを記録しておき、故障が発生した場合に当該記録を参照して故障箇所や故障原因を突き止めようとする発明が記載されている。この発明では、データを2次元または3次元の画像で表示し、視覚に訴える工夫もなされている。
【特許文献1】特開平11−125584
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、趣味で峠道などを車やオート二輪で走行する人々がいる。このような人は自分の運転技術の向上に強い関心を持っている。そのため、同じコースを何度も走行し、自分の納得のいく走行を目指している。プロのレーサーであれば、他人に自分の走行をビデオ等に撮影してもらい、後から反省や検討の材料とすることも可能である。しかし、余暇に趣味で走行をするような人は、資金が潤沢でも無い限り、自分の走りを客観的に分析するようなデータを得ることは困難である。そこで、安価かつ容易に入手できる機器を用いて自分の走行データを記録したり分析したりできれば願ってもない。
【0004】
特開平11−125584号公報に開示の発明のように、GPSを利用して走行中の車両の位置と時間データが入手できれば、かかる人々のニーズに応じるべく転用も可能である。
しかし、特開平11−125584号公報に開示の発明は、同じ経路を繰り返し走行することは念頭においていない。そのため、一度走行したコースを再度走行し、同じ区間についてデータを収集することは困難である。なぜなら、車両の走行中、毎回同じ地点から計測を開始し、同じ地点で終了するように機器に動作指示を与えることは、車両の速度等を考えると容易なことではないからである。そこで、本発明は、既に走行したことのある区間を、再度走行したときにユーザの指示によらずに自動的に同じ区間の走行データを取得できるようにすることを解決すべき課題とした。
【0005】
また、運転技術の向上という観点から、走行中の速度の変化、特にコーナリングのときの減速・加速状態を適切かつ容易に把握できることが望ましい。そこで、本発明は、コースの形状と速度情報とを重ね合わせて、一目で自分の走りの特徴がわかるようにすることも解決すべき課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、車両走行状態解析システムであって、車両に搭載した情報処理装置は、処理部と記憶部と操作部とインタフェース部を備え、前記情報処理装置は、GPS受信機と接続し、前記処理部は、走行データ記録処理手段を備え、前記記憶部は、登録ポイント記憶手段と走行データ記憶手段を備え、前記走行データ記録処理手段は、前記車両の走行中、前記操作部を介して指定された2つの地点の位置を前記インタフェース部を介して前記GPS受信機から取得し、前記2つの地点の位置を走行計測区間の計測開始地点と計測終了地点として前記登録ポイント記憶手段に書き込む一方、前記車両が前記走行計測区間を再度走行するときは、前記走行データ記録処理手段は、前記登録ポイント記憶手段から前記計測開始地点および計測終了地点の位置情報を参照し、前記車両が前記計測開始地点を通過したと判定したときから、前記計測終了地点を通過したと判定したときまで、前記GPS受信機から所定の間隔で受信した位置情報と時間情報を前記走行データ記憶手段に書き込むことを特徴とする。
【0007】
車両には、自動車とオート二輪を含む。
走行計測区間とは、GPSを利用して走行データである位置情報および時間情報を収集するための対象となる区間のことである。同じ区間を2回以上、走行することを前提に、最初に走行するときのみ、区間の両端を指定し、この位置を記憶させておく。2回目以降の走行のときは、この記憶させておいた区間の両端を走行前に参照すれば、この発明にかかるシステムが自動的に当該区間の走行データを収集する。
この請求項1に係る発明では、スタートとゴールとが異なるいわゆるオープンコースを対象とする。しかし、ゴールに着いてから、直ちにスタートに向かって走行する往復コースも対象に含めることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、車両走行状態解析システムであって、車両に搭載した情報処理装置は、処理部と記憶部と操作部とインタフェース部を備え、前記情報処理装置はGPS受信機と接続し、前記処理部は、走行データ記録処理手段を備え、前記記憶部は、登録ポイント記憶手段と走行データ記憶手段を備え、前記走行データ記録処理手段は、前記車両の走行中、前記操作部を介して指定された1つの地点の位置を前記インタフェース部を介して前記GPS受信機から取得し、この地点の位置を周回走行計測区間の一地点として前記登録ポイント記憶手段に書き込む一方、前記車両が前記周回走行計測区間を再度走行するときは、前記走行データ記録処理手段は、前記登録ポイント記憶手段から前記一地点の位置情報を参照し、前記車両が前記一地点を通過したと判定したときから、再度前記一地点を通過したと判定したときまで、前記GPS受信機から所定の間隔で受信した位置情報と時間情報を、1周回分の走行データとして前記走行データ記憶手段に書き込むことを特徴とする。
【0009】
この請求項2に係る発明では、サーキットなどのように、繰り返し同じコースを周回するループコースを対象とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記走行データ記録処理手段は、前記登録ポイント記憶手段に書き込まれた登録地点と、走行中の車両の現在位置との距離が所定のしきい値以下の場合に、当該車両は前記登録地点を通過したと判定し、前記しきい値を超えるときは、車両の現在位置と直前の位置を端点とする線分と前記登録地点との距離が所定のしきい値以下の場合に、当該車両は前記登録地点を通過したと判定する一方、現在位置において登録地点を通過したと判定したときは、前記走行データ記憶手段に、前記登録地点の通過を意味する登録地点通過マークを、現在位置とともに記録することを特徴とする。
【0011】
1回目の走行時に登録しておいた地点と全く同一の地点を、2回目以降の走行時に通過することは至難の業である。そこで、登録地点から許容しうる範囲の距離にある地点を通過したときは、登録地点を通過したものとみなすこととした。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記処理部は、走行状態解析処理手段を備え、この走行状態解析処理手段は、前記走行データ記憶手段に格納された走行データを参照し、走行計測区間の走行距離、走行時間、平均・最高・最低速度を算出し、コーナー走行中の時間と速度を算出する一方、前記操作部を介して前記車両の重量が入力された場合は、走行中の出力馬力を算出することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記処理部は、走行状態表示処理手段を備え、この走行状態表示処理手段は、前記走行データ記憶手段に格納された走行データの位置情報に基づき、走行経路の形状の3次元画像データを生成し、前記表示部に対し、生成した画像データを出力するとともに、前記登録地点通過マークが付された地点を視認できるように表示することを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記走行状態表示処理手段は、前記表示部に対し、走行経路の形状表示に速度変化の状態を重ね合わせて表示することを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記走行状態表示処理手段は、前記操作部を介して入力された動作指示信号に従い、前記表示部に表示された3次元画像を、任意の角度から眺めた画像に変更表示することを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記処理部は、走行状態表示処理手段を備え、この走行状態表示処理手段は、前記走行データ記憶手段に格納された走行データの位置情報に基づき、走行経路の形状の2次元画像データを生成し、前記表示部に対し、生成した画像データを出力するとともに、前記登録地点通過マークが付された地点を視認できるように表示することを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項5または請求項8に記載の発明において、前記走行状態表示処理手段は、前記表示部に対し、GPS受信機から有効なデータが取得できた地点を視認できるように表示し、有効なデータが得られなかった区間は線分で表示することを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、車両走行状態解析方法であって、GPS受信機と接続する情報処理装置を搭載した車両の走行中に、この情報処理装置が、指定された1地点または2地点の位置情報を前記GPS受信機から取得し、登録地点として記憶するステップと、前記の1登録地点で特定される周回走行計測区間、または前記の2登録地点で特定される走行計測区間を、前記車両が再度走行するとき、走行中の位置情報と時間情報とを前記GPS受信機から所定の間隔で取得し、走行データとして記憶するステップと、前記走行データに基づいて走行距離、走行時間、走行速度を含む走行状態を解析するステップと、走行経路の形状と走行状態を関連づけて前記情報処理装置の画面に表示するステップを備えることを特徴とする。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項10の方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であることを特徴とする。
【0020】
請求項12に記載の発明は、請求項10の方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
1又は2地点の位置情報を初回の走行時に一度登録しておくだけで、2回目の走行時からは、システムが自動的に同一走行区間の走行データを収集することができる。この収集したデータを解析し、検討することで、ユーザは自分の運転技術の特徴や問題点、さらに走行日時等の順に走行データを比較することで運転技術の進歩の度合いなどを判断できる。その結果、ユーザは、当該走行区間の効率的な走行をイメージすることができる。
【0022】
また、2次元あるいは3次元画像によって、走行区間の形状と走行速度とを重ね合わせて表示するので、自分の走りを簡単に解析できる。この表示画像を参照することで、例えば、何らかのパーツを装備したときの走りの変化、ブレーキングの開始ポイントとリリースポイントなどを一目で確認できる。そのうえ、3次元画像は、マウス操作により、走行区間全体の回転が可能なので、あらゆる角度からの走行軌跡を見ることができ、当該走行区間についての詳細な情報を確認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1に従い、本発明の実施形態のシステムの構成を説明する。以下の説明において、本システムの利用者、すなわち車両で走行する者のことを「ユーザ」と記述する。
この実施形態のシステムは、車両に搭載したGPS受信機1と情報処理装置2から構成される。情報処理装置2は、車載可能なパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)が好ましい。したがって、以下、情報処理装置2をPC2と記載する。
【0024】
GPS受信機1は、アンテナと、PC2とのインタフェース部を含む。
GPS受信機1は、GPS(Global Positioning System,全地球的測位システム)を用いて車両の位置(すなわちGPS受信機1の位置)を求める装置であり、複数のGPS衛星(図示せず)から送信されるGPS信号を受信してそれらの相対的な時間差に基づいて現在位置を算出する。そして、この現在位置の緯度・経度・高度情報および時間情報をPC2に一定間隔で送り続ける。
あわせて、GPS受信機1は、データが有効か無効かを識別する情報も送信する。
なお、データの送信間隔はGPSシステムの能力に依存するが、1PPSの能力をもつGPSシステムでは1秒である。
【0025】
PC2は、GPS受信機1とのインタフェース部3、処理部4、記憶部5、操作部6及び表示部7を備える。
PC2のインタフェース部3は、GPS受信機1から送信されてくるデータを受信し、処理部4に対し出力する。
【0026】
処理部4は、走行データ記録処理手段4a、走行状態解析処理手段4b、走行状態表示処理手段4cなどから構成される。
なお、図1では、各部が有する機能に着目してブロック図に表現したものであるが、処理部4の各手段、操作部6と表示部7の制御手段(図示せず)などは図示しないCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)によって実現することができる。
【0027】
記憶部5は、登録ポイント記憶手段5a、走行データ記憶手段5b、プログラム記憶手段5c、内部メモリ5dなどから構成される。
記憶部5は、CD−ROMやフロッピー(登録商標)ディスクなどの外部記憶媒体や、PC2に内蔵されているハードディスク、RAMなどを用いることができる。
【0028】
記憶部5を構成する登録ポイント記憶手段5aは、走行中にユーザによって指定される区間の計測開始・終了地点の位置情報を保存する。
走行データ記憶手段5bは、GPS受信機1からの緯度・経度・高度情報および時間情報を計測データとして保存する。
その他、この実施形態のシステムの実行時に参照するユーザ指定のパラメータ類、走行状態解析処理手段4bによる中間処理結果などは記憶部5に記憶されるが、詳細は省略する。
【0029】
処理部4を構成する走行データ記録処理手段4a、走行状態解析処理手段4b、走行状態表示処理手段4cは、CPUに実行させる処理手順を記述したプログラムにより生じる機能として実現する。このプログラムは、プログラム記憶手段5cに格納しておき、PC2の起動時または、この実施形態のシステムの使用時に内部メモリ5d上に読み込み、CPUによって実行される。
【0030】
操作部6は、キーボードやマウスなどから構成される。後述するユーザによる計測開始・終了地点の設定指示、コースタイプの選択、車両の重量の入力、走行結果表示タイプの選択などは、この操作部6を介して行われる。なお、走行結果表示タイプとしては、リスト表示、グラフ表示、2次元画像表示および3次元画像表示があるが、これらについては後で詳しく説明する。
【0031】
表示部7は、処理部4により作成された画像データ、解析結果の一覧やグラフを出力表示する。速度変化の様子を見やすくするために、カラー表示可能であることが望ましい。また、ユーザの各種動作指示はもっぱらGUIを利用するが、このGUIの操作画面は表示部7に表示される。
【0032】
以下、この実施形態のシステムの動作を説明する。
このシステムの動作は、走行データの収集、走行データの解析、走行状態の表示に大別される。
【0033】
まず、図2〜図9に従い、走行データの収集について説明する。
この実施形態のシステムでは、走行区間を決定するポイントの登録が不可欠である。同一区間については、1回目の走行時に登録ポイント記憶手段5aに登録しておけば、2回目以降は、登録ポイント記憶手段5aを参照するだけで区間が特定できる。
【0034】
ここで、このシステムが対象とする走行区間のタイプについて説明する。
区間のタイプは、ループコースとオープンコースと往復コースの3種類がある。
ループコースは、図2に示すように1つの点PntCを指定すればよい。そして、この点PntCを通過したときから、次にこの点PntCを通過したときまでを1周として計測する。なお、GPS衛星からの受信状況の良好な箇所を点PntCとして選択することが望ましい。
【0035】
オープンコースは、図3に示すように、計測開始地点PntSと計測終了地点PntEとを指定する。この計測開始地点PntSを通過したときから計測終了地点PntEを通過したときまでを計測区間とする。
往復コースは、オープンコースの変形である。図3において、地点PntSから地点PntEを走行した後、直ちに地点PntEから地点PntSへ向けて走行するコースである。
なお、ループコースもオープンコースの変形と捉えることができる。計測開始地点PntSと計測終了地点PntEとが同一地点である特殊な場合がループコースであるからである。
そこで、以下、オープンコースを走行する場合について説明する。他の2つのコースについては、オープンコースに関する説明から容易に類推できるので、説明を省略する。
なお、ユーザは、操作部6を介して、いずれか1つのコースタイプを指定できる。
【0036】
図4の流れ図に従い、まだ計測開始・終了地点が登録されていない場合の走行データ記録処理手段4aによる処理を説明する。
処理部4は、GPS受信機1からの受信開始準備などの前処理を行う(ステップS1)。例えば、PC2のインタフェース部3を経由してGPS受信機1との通信速度の設定などもステップS1にて行う。処理部4は、表示部7にユーザによるパラメータ設定のためのGUIの操作画面を表示させ、ユーザに操作部6を介しての必要な入力をさせる(ステップS2)。ユーザの指定パラメータには走行コースのタイプも含まれる。ここでは、ユーザはオープンコースを選択したものとする。
【0037】
GPSの初期化が完了し、PC2がGPS受信機1からの受信が可能となった状態でユーザはPC2を搭載した車両の走行を開始する。受信が可能か否かは、表示部7にGPSの動作状況の確認メッセージなどを表示させることによりユーザが判断できるようにする。
車両の走行中、所定間隔ごとにGPSのデータを受信する(ステップS3)。この受信データの中には、当該GPSデータが有効であるか無効であるかの情報も含まれている。そこで、この情報を参照し(ステップS4)、無効の場合は、ステップS3に戻り、次のデータの送信を待つ。有効の場合は、受信した位置情報データを座標変換する(ステップS5)。
【0038】
ここでの座標変換とは、緯度・経度・高度情報は、GPSの測地系で表されているので、これを地上面及び高さから成る3次元空間上の座標に変換することである。例えば、GPSの代表的な測地系であるWGS−84(World Geodetic System 1984)は、地球の重心を原点とするので、このままでは走行データのビジュアル表示等において不都合である。そこで、慣れ親しんでいる3次元空間での座標で表現する必要があるわけである。なお、この変換に使用する計算式は周知であるので、説明は省略する。
ところで、以下の説明において、有効なGPSデータを受信できた地点を「GPSポイント」と呼ぶことにする。
【0039】
次に、操作部6を介してユーザが現在位置を登録ポイントとして指定したか否かを判定し(ステップS6)、指定無しならば、GPSデータおよび座標変換後の3次元座標を走行データ記憶手段5bに記録し(ステップS7)、ステップS10へ移る。
ステップS6において、指定有りと判定されたならば、登録ポイント記憶手段5aにGPSデータと座標変換後の3次元座標を書き込む(ステップS8)。次に、この位置情報を走行データ記憶手段5bに記録する(ステップS9)。このとき、当該位置情報は、登録ポイントであることが認められるようなマークを付記しておく。このマークが、請求項3の「登録地点通過マーク」にあたる。
続いて、ステップS10へ移る。
【0040】
この説明では、ユーザがオープンコースを選択しているので、ユーザは登録ポイントを2つ指定しなければならない。そこで、ステップS10において、登録ポイント記憶手段5aには2点が書き込み済みか否かを判定し、書き込まれていなければステップS3へ戻り、GPSデータの受信を待つ。2点が書き込まれたならば、初回の走行データの記録処理は終了する。
【0041】
登録ポイント記憶手段5aに格納するデータ構造の例を図5に示す。先頭のレコードには、コースタイプを記述する。いずれのタイプであるか識別できればよく、コードで表しても、コースタイプ名で表してもよい。続くレコードには登録ポイントの位置情報、すなわち、GPS測地系に拠る緯度・経度・高度情報、並びに座標変換後の3次元座標を記述する。オープンコースの場合は、計測開始地点の位置情報レコードの次に計測終了地点の位置情報レコードが続く。
【0042】
走行データ記憶手段5bに格納するデータ構造の例を図6に示す。1つのGPSポイントに関する計測データを1レコードに記述する。レコードは、次の項目から構成される。すなわち、GPSポイントの出現順を表す連番(1から始める)、登録ポイント通過点を表すマーク情報、GPS測地系に拠る緯度・経度・高度情報、座標変換後の3次元座標、ならびにGPSからの時間情報である。このレコードは計測されたGPSポイントの個数分だけある。
なお、マーク情報は、区間の計測開始地点と計測終了地点とを途中通過地点と区別するために用いられるものなので、区別しうるものならば何でもよい。例えば、計測開始地点のマーク情報欄にはコードとして“S”を、計測終了地点には“E”を記述し、途中通過地点のマーク情報欄は空白にする、といった表し方がある。
【0043】
次に、既にポイントを登録済みのオープンコースを再度走行する場合の処理について図7に基づいて説明する。
処理部4は、走行データ記録のための前処理を行う(ステップS21)。この前処理において、GPS受信機1からの受信の準備、ユーザによる操作部6を介しての必要な入力の待機、登録ポイント記憶手段5aから2つの登録ポイントの座標の読み込みなどがなされる。ユーザによる入力項目の一つとして、登録ポイント通過を判定するために用いるしきい値がある。このしきい値については後で説明する。
【0044】
ステップS21の前処理が終了すると、ユーザはPC2を搭載した車両の走行を開始し、
所定間隔ごとにデータを受信する(ステップS22)。この受信データの中には、当該GPSデータが有効であるか無効であるかの情報も含まれている。そこで、この情報を参照する(ステップS23)。無効ならば、ステップS22に戻り、次のデータが送信されてくるのを待つ。有効ならば、受信した測位データを座標変換する(ステップS24)。
次のステップS25において計測開始地点PntSを通過したか否かを判断し(ステップS25)、まだ通過していなければ、現在位置で計測開始地点PntSを通過したか否かの判定処理をする(ステップS26)。この判定処理については、後に図8〜図9を参照しながら説明する。
【0045】
ステップS27において、まだ計測開始地点PntSを通過していないと判断されれば、ステップS22に戻り、GPSデータの受信を待つ。現在位置において計測開始地点PntSを通過したならば、走行データ記憶手段5bへ現在位置のGPSデータと変換後座標とを記録する(ステップS28)。次に、再びステップS22に戻り、GPSデータの受信を待つ。
【0046】
ステップS25において、計測開始地点PntSを通過済みと判断されたなら、現在位置で計測終了地点PntEを通過したと判定してよいか否かの判定処理をする(ステップS29)。この処理は、ステップS26の判定処理と全く同様である。ステップS30において、まだ計測終了地点PntEを通過していないと判断されれば、ステップS28に移り、走行データ記憶手段5bへ現在位置のGPSデータと変換後座標を記録する。次に、再びステップS22に戻り、GPSデータの受信を待つ。現在位置において計測終了地点PntEを通過したならば、走行データ記憶手段5bへ現在位置のGPSデータと変換後座標を記録し(ステップS31)、今回の走行データの記録処理は終了する。
【0047】
前記の図4および図7にフローを示した処理が終了すると、車両の走行経路が、経度・緯度および高度の組み合わせで表現されたGPSポイントの座標集合として記録される。つまり、通過経路は、2つのGPSポイントを接続する線分を複数連結して構成されたものである。
以上説明したように、1度コースを走行することで、2度目からは自動的に同じコース区間の再計測が行われる。
【0048】
次に、図8に従い、ステップS26の登録ポイント通過判定処理について詳しく説明する。
GPSから受信した現在位置と登録ポイントPntSとの距離を算出する(ステップS41)。この距離が予め設定してあるしきい値(以下、「しきい値A」という)以下か否かを判断し(ステップS42)、しきい値A以下であるならば、現在位置において登録ポイントを通過したものとし、次の処理ステップS27へ移る。しきい値Aを超えているならば、現在地点の直前のGPSポイントが存在するか否かを判断し(ステップS43)、存在しなければ、現在位置において登録ポイントは通過していないものとし、次の処理ステップS27へ移る。
【0049】
直前のGPSポイントが存在すれば、直前のGPSポイントと現在位置とを端点とする線分と登録ポイントとの距離を算出し(ステップS44)、この距離がしきい値(以下、「しきい値B」という)以下か否かを判断し(ステップS45)、しきい値B以下であるならば、現在位置において登録ポイントを通過したものとし、次の処理ステップS27へ移る。しきい値Bを超えているならば、現在位置において登録ポイントは通過していないものとし、次の処理ステップS27へ移る。
【0050】
なお、ステップS44で算出する線分と登録ポイントとの距離は次のようにして求める。
すなわち、図9において、登録ポイントが点P1の位置にある場合、点P1から線分ABにおろした垂線の足H1が線分AB上にあるので、点P1と点Hを端点とする線分の長さが距離に相当する。
もし、登録ポイントが点P2の位置にある場合は、点P2から線分ABにおろした垂線の足H2が線分AB上にないので、点P2と点Aまたは点Bとを端点とする線分の長さのうち小さい方が距離に相当する。図9の場合は、点P2と点Bとを結んだ線分の長さである。なお、点P2のように垂線の足が線分AB上に無い場合は、登録ポイントを通過していないものと判定してもよい。
【0051】
計測開始・終了地点通過を適切に認識するためには、しきい値Aおよびしきい値Bに設定する値が重要である。
しきい値Aとしきい値Bは、いずれも、少なくとも道幅分の値は設定するべきである。
【0052】
次に、走行データの解析処理について説明する。
走行状態解析処理手段4bは、走行データ記憶手段5bを参照し、区間内の走行距離、区間を走り終えるのに要した所要時間、区間内における平均・最高・最低速度などを算出する。
【0053】
前述したように、走行データ記憶手段5bにおいて、車両の走行経路は、経度・緯度および高度の組み合わせで表現されたGPSポイントの座標集合として記録されている。
走行距離は、隣接する2つのGPSポイント間の距離をすべて求め、これらの合計として算出された値である。つまり、走行に伴う位置座標の変化から車両の走行距離を求めるわけである。
走行時間は、走行データ記憶手段5bにおいて、計測終了地点のマークが付された測位情報を受信した時間と、計測開始地点のマークが付された測位情報を受信した時間との差として算出された値である。
走行距離を走行時間で割ったものが平均速度である。
【0054】
隣接する2つのGPSポイント間の距離を、当該2ポイント間の時間で割れば当該隣接ポイント間の速度が求まる。すべての隣接2ポイント間について速度を計算し、最大の値を当該走行区間中の最高速度、最小の値を最低速度とする。
なお、隣接2ポイント間を走行中、突発的な急制動をかけたようなときは、速度が激しく変化する。しかし、通常の走行においては、前記のように隣接ポイント間の平均速度の比較により、コース全体における最高・最低速度とみなしても差し支えない。
急制動をかけるような事態が発生したときは、後刻再度走行して、計測データを採り直すものと考えられるからである。
【0055】
車両の重量をパラメータとしてあらかじめ設定しておけば、走行速度から走行中の車両の出力馬力を算出することもできる。なお、車両の重量には、ユーザの体重も加算するものとする。
【0056】
さらに、走行軌跡からコーナーの判別ができ、コーナーの始点と終点の位置がわかる。したがって、コーナーを走行するときの進入速度と脱出速度も容易にわかる。また、コーナーの始点から終点までの区間に存在する各GPSポイントにつき、隣接するGPSポイント間の平均速度を計算し、これらの平均速度を比較するとコーナー通過中の最低速度もわかる。この最低速度に対応した隣接GPSポイント間の場所により当該コーナーにおける最低速度位置の見当がつくことになる。
なお、軌跡の形状からコーナーを判別する手法は公知なものを用いる。
【0057】
次に、走行データおよび走行状態解析結果に基づく走行状態の表示について説明する。
走行状態表示処理手段4cは、走行データ記憶手段5bを参照し、走行区間(マーク情報をもとにした特定区間)の軌跡のデータに基づき画像データを生成し、表示部7に対し出力する。走行軌跡の表示は2次元画像と3次元画像の2種類がある。
【0058】
なお、画像表示にあたり、形状状態の補正をしたうえで描画する。補正が必要な理由は次のとおりである。
GPSの送信する緯度・経度・高度データはGPS測地系で表現されているので、地上面及び高さから成る3次元空間上の座標に変換した。しかし、この変換後のデータをそのまま描画すると、経路全体が地軸分だけ傾いた状態となる。そのため、各GPSポイントの緯度・経度データの平均を求め経路全体の傾きを補正することが必要になる。この補正により、3次元形状の描画は地軸の傾きによる影響を受けずにすむ。
【0059】
3次元画像は、経路を構成する各GPSポイントの座標(X,Y,Z)を読み出し、立体的に表示する。走行データ記憶手段5bには、計測開始地点と計測終了地点を通過したと判定されたGPSポイントにはマークが付記されているので、走行状態表示処理手段4cは、このマークから計測区間の始点と終点を判断し、この区間の経路の3次元形状を描画する。
図10に示すように表示された経路上には、計測の開始位置(START)および終了位置(GOAL)、走行区間内の最高速度位置を表示する。
【0060】
GPSの受信ができなかった場所は、形状が特定できないので、直線で表示する。例えば、トンネル内では受信できないので、トンネルに入る前に最後に計測されたGPSポイントとトンネルを脱けた後に最初に計測されたGPSポイントとを直線で結ぶ。図11では、直線で表示した箇所を破線で示している。また、図11の黒丸はGPSポイントを表している。
【0061】
3次元画像で表示すると、経路の上り下りも含む詳細な形状が把握できる。
走行前に、この3次元画像を見ることでイメージトレーニングもできる。
そして、この画像の上に隣接GPSポイント間ごとに算出した速度データを重畳して表示する。特に、速度に関し、減速は赤色、加速は青色等に色分けするカラーマップ表示をすると、より効果的である。図12は、コーナーを走行するときの速度変化を表している。黒丸はGPSポイントであり、便宜上、減速しているポイント区間は斜線で表し、加速しているポイント区間は水平な線で表している。
【0062】
経路形状と速度とが同時に表示されるので、特に自分のコーナリングの特徴が明瞭になる。コーナーの始点に進入する手前のどの位置から減速を開始したのか、進入速度はどれだけか、コーナーのどの箇所で速度が最低になったのか、コーナーの終点のどの程度手前の位置から加速を開始したのか、コーナーの脱出速度はどの程度なのか等が一目瞭然となる。そこで、減速・加速の開始位置は適当であったか、コーナーを通過中の速度をもっと上げることができなかったか等の反省や検討ができる。
また、高価なチューニングパーツを装備した場合など、装備前後の3次元画像を比較することで、走りの変化を客観的に確認できる。
【0063】
この3次元画像は、操作部6の操作により、視点を変えて表示することもできる。あらゆる角度から自由自在に走行軌跡を見ることが可能なので、コースの形状によっては見づらい箇所も、見やすい位置に調整できる。
【0064】
3次元表示のときは、地形データに対するグリッドの表示や、コースの高度状態を把握する高度情報の表示などをすることもできる。これにより、コースの状態をより的確に把握できる。図10では、地形データに対しグリッド表示を行っている。また、図10〜図12では、走行区間の上り下りが一目でわかるように、走行区間のいずれのGPSポイントよりも標高の低い平面を基準として表示している。
【0065】
2次元画像は、走行区間を真上から眺めた形状を表示するものである。複雑な形状で、GPSが正常に受信できていない場所がある場合は、どこで受信できないのかが容易にわかる等の効果がある。2次元表示の例を図13に示す。黒丸はGPSポイントを表している。
3次元画像と同様に、計測の開始位置および終了位置、走行区間内の最高速度位置を経路にオーバーラップ表示するとともに、GPSの受信ができなかった場所は、直線で表示する。
【0066】
コース区間中の速度変化の推移を折れ線グラフ等のグラフ表示をすることもできる。横軸を走行時間軸とし、縦軸に速度変移を表す。特に、2次元あるいは3次元画像と組み合わせて見ることにより、走行中の速度変移の判別が容易になる。図14にグラフ表示の例を示す。グラフの下方にはコースの2次元画像を示すが、コース中に○印を付したコーナー箇所と折れ線グラフの該当箇所との対応づけは困難ではない。
【0067】
走行データをリスト表示することもできる。同一コースの走行を頻繁に行うユーザは、走行ごとの走行状態を比較することができる。
リスト表示する項目としては、各ラップの走行時間、走行距離、平均・最高・最低速度、コーナー平均・最高・最低速度のほか、走行中の平均・最大出力馬力等がある。
【0068】
なお、前記のように開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではなく、種々の変形が可能である。しかし、その変形が特許請求の範囲に記載された技術思想に基づくものである限り、その変形は本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】この実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】この実施形態のループコースの登録地点を示す図である。
【図3】この実施形態のオープンコースの開始地点と終了地点を示す図である。
【図4】この実施形態の初回の走行データ計測処理を示す流れ図である。
【図5】この実施形態の登録ポイント記憶手段に格納するデータ構造を示す図である。
【図6】この実施形態の走行データ記憶手段に格納するデータ構造を示す図である。
【図7】この実施形態の2回目以降の走行データ計測処理を示す流れ図である。
【図8】この実施形態の登録ポイント通過を判定する処理の流れ図である。
【図9】この実施形態の登録ポイントと線分との距離の意味を示す図である。
【図10】この実施形態の3次元表示を例示する図である。
【図11】この実施形態の3次元表示を例示する図である。
【図12】この実施形態の3次元表示を例示する図である。
【図13】この実施形態の2次元表示を例示する図である。
【図14】この実施形態の速度変化のグラフ表示を例示する図である。
【符号の説明】
【0070】
1 GPS受信機
2 PC
3 インタフェース部
4 処理部
4a 走行データ記録処理手段
4b 走行状態解析処理手段
4c 走行状態表示処理手段
5 記憶部
5a 登録ポイント記憶手段
5b 走行データ記憶手段
6 操作部
7 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理部と記憶部と操作部とインタフェース部を備え、車両に搭載された情報処理装置から構成されるシステムであって、
前記情報処理装置は、GPS受信機と接続する機能を備え、
前記処理部は、走行データ記録処理手段を備え、前記記憶部は、登録ポイント記憶手段と走行データ記憶手段を備え、前記走行データ記録処理手段は、前記車両の走行中、前記操作部を介して指定された2つの地点の位置を前記インタフェース部を介して前記GPS受信機から取得し、前記2つの地点の位置を走行計測区間の計測開始地点と計測終了地点として前記登録ポイント記憶手段に書き込む一方、前記車両が前記走行計測区間を再度走行するときは、前記走行データ記録処理手段は、前記登録ポイント記憶手段から前記計測開始地点および計測終了地点の位置情報を参照し、前記車両が前記計測開始地点を通過したと判定したときから、前記計測終了地点を通過したと判定したときまで、前記GPS受信機から所定の間隔で受信した位置情報と時間情報を前記走行データ記憶手段に書き込むことを特徴とする車両走行状態解析システム。
【請求項2】
処理部と記憶部と操作部とインタフェース部を備え、車両に搭載された情報処理装置から構成されるシステムであって、
前記情報処理装置は、GPS受信機と接続する機能を備え、
前記処理部は、走行データ記録処理手段を備え、前記記憶部は、登録ポイント記憶手段と走行データ記憶手段を備え、前記走行データ記録処理手段は、前記車両の走行中、前記操作部を介して指定された1つの地点の位置を前記インタフェース部を介して前記GPS受信機から取得し、この地点の位置を周回走行計測区間の一地点として前記登録ポイント記憶手段に書き込む一方、前記車両が前記周回走行計測区間を再度走行するときは、前記走行データ記録処理手段は、前記登録ポイント記憶手段から前記一地点の位置情報を参照し、前記車両が前記一地点を通過したと判定したときから、再度前記一地点を通過したと判定したときまで、前記GPS受信機から所定の間隔で受信した位置情報と時間情報を、1周回分の走行データとして前記走行データ記憶手段に書き込むことを特徴とする車両走行状態解析システム。
【請求項3】
前記走行データ記録処理手段は、前記登録ポイント記憶手段に書き込まれた登録地点と、走行中の車両の現在位置との距離が所定のしきい値以下の場合に、当該車両は前記登録地点を通過したと判定し、前記しきい値を超えるときは、車両の現在位置と直前の位置を端点とする線分と前記登録地点との距離が所定のしきい値以下の場合に、当該車両は前記登録地点を通過したと判定する一方、現在位置において登録地点を通過したと判定したときは、前記走行データ記憶手段に、前記登録地点の通過を意味する登録地点通過マークを、現在位置とともに記録することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の車両走行状態解析システム。
【請求項4】
前記処理部は、走行状態解析処理手段を備え、この走行状態解析処理手段は、前記走行データ記憶手段に格納された走行データを参照し、走行計測区間の走行距離、走行時間、平均・最高・最低速度を算出し、コーナー走行中の時間と速度を算出する一方、前記操作部を介して前記車両の重量が入力された場合は、走行中の出力馬力を算出することを特徴とする請求項3に記載の車両走行状態解析システム。
【請求項5】
前記処理部は、走行状態表示処理手段を備え、この走行状態表示処理手段は、前記走行データ記憶手段に格納された走行データの位置情報に基づき、走行経路の形状の3次元画像データを生成し、前記表示部に対し、生成した画像データを出力するとともに、前記登録地点通過マークが付された地点を視認できるように表示することを特徴とする請求項4に記載の車両走行状態解析システム。
【請求項6】
前記走行状態表示処理手段は、前記表示部に対し、走行経路の形状表示に速度変化の状態を重ね合わせて表示することを特徴とする請求項5に記載の車両走行状態解析システム。
【請求項7】
前記走行状態表示処理手段は、前記操作部を介して入力された動作指示信号に従い、前記表示部に表示された3次元画像を、任意の角度から眺めた画像に変更表示することを特徴とする請求項5に記載の車両走行状態解析システム。
【請求項8】
前記処理部は、走行状態表示処理手段を備え、この走行状態表示処理手段は、前記走行データ記憶手段に格納された走行データの位置情報に基づき、走行経路の形状の2次元画像データを生成し、前記表示部に対し、生成した画像データを出力するとともに、前記登録地点通過マークが付された地点を視認できるように表示することを特徴とする請求項4に記載の車両走行状態解析システム。
【請求項9】
前記走行状態表示処理手段は、前記表示部に対し、GPS受信機から有効なデータが取得できた地点を視認できるように表示し、有効なデータが得られなかった区間は線分で表示することを特徴とする請求項5または請求項8のいずれかに記載の車両走行状態解析システム。
【請求項10】
走行する車両に搭載され、GPS受信機と接続する情報処理装置を用いて車両の走行状態を解析する方法であって、
前記情報処理装置が、指定された1地点または2地点の位置情報を前記GPS受信機から取得し、登録地点として記憶するステップと、前記の1登録地点で特定される周回走行計測区間、または前記の2登録地点で特定される走行計測区間を、前記車両が再度走行するとき、走行中の位置情報と時間情報とを前記GPS受信機から所定の間隔で取得し、走行データとして記憶するステップと、前記走行データに基づいて走行距離、走行時間、走行速度を含む走行状態を解析するステップと、走行経路の形状と走行状態を関連づけて前記情報処理装置の画面に表示するステップを備えることを特徴とする車両走行状態解析方法。
【請求項11】
請求項10の方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体。
【請求項12】
請求項10の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図6】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2006−125906(P2006−125906A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−311849(P2004−311849)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【出願人】(399098668)株式会社ループドピクチャー (2)
【Fターム(参考)】