説明

車両追突防護装置

【課題】駐車場に駐車している駐車車両に対する追突および当て逃げから防護することができること。
【解決手段】駐車中の駐車車両1を他車両2の追突から防護する車両追突防護装置20であって、レーダ装置12および撮像装置14は、駐車車両1の駐車領域を含む防護領域の監視をし、他車両対応部2081は、レーダ装置12および撮像装置14による監視結果、例えば、他車両が防護領域に侵入した、駐車車両1に追突すると推定される、または駐車車両1に追突したなどの監視結果に応じて警告、車両制御支援、防護領域情報提供または画像撮影などの対応をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両追突防護装置に関し、特に駐車場に駐車している駐車車両に対する追突および当て逃げから防護することができる車両追突防護装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車中の駐車車両を他車両の追突から防護する車両追突防護装置が知られている。例えば、特許文献1では、後続の他車両の衝突の可能性が高いと、自車両が他車両に警報する従来技術が開示されている。また、特許文献2では、ユーザが駐車車両から離れている場合に、他車両が駐車車両に追突すると携帯電話でユーザに通知する従来技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第2526816号
【特許文献2】特開2003−317177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の従来技術では、後続の他車両の衝突の可能性が高いと、自車両が他車両に警報することはできる。また、ユーザが駐車車両から離れている場合に、他車両が駐車車両に追突すると携帯電話でユーザに通知することはできるが、駐車場に駐車している駐車車両に対する他車両の追突から防護することができない、また他車両が駐車車両に追突した場合に当て逃げから防護することができないという課題があった。特に、駐車場に駐車している駐車車両は、ユーザが乗車している可能性が低いので、他車両の追突に対して無防備であり、駐車車両に対する他車両の追突から防護することができない、また他車両が駐車車両に追突した場合に当て逃げから防護することができないという課題は重要であった。
【0005】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、駐車場に駐車している駐車車両に対する追突および当て逃げから防護することができる車両追突防護装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る車両追突防護装置は、駐車中の駐車車両を他車両の追突から防護する車両追突防護装置であって、前記駐車車両の駐車領域を含む防護領域の監視をする防護領域監視手段と、前記防護領域監視手段による監視結果に応じて前記他車両に対し衝突を防護するための通知を行う他車両対応手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この請求項1の発明によれば、駐車車両の駐車領域を含む防護領域の監視をし、監視結果に応じて他車両に対し衝突を防護するための通知を行うこととしたので、車両追突防護装置は、駐車場に駐車している駐車車両に対する追突および当て逃げから防護することができる。
【0008】
また、請求項2の発明に係る車両追突防護装置は、請求項1の発明において、前記駐車領域は、前記駐車車両が駐車する駐車場の白線で区画された区画領域であることを特徴とする。
【0009】
この請求項2の発明によれば、駐車領域は、駐車車両が駐車する駐車場の白線で区画された区画領域であることとしたので、車両追突防護装置は、駐車場に駐車している駐車車両に対する追突から防護できる。
【0010】
また、請求項3の発明に係る車両追突防護装置は、請求項1の発明において、前記駐車領域は、前記駐車車両が駐車する駐車場の駐車領域と想定される想定領域であることを特徴とする。
【0011】
この請求項3の発明によれば、駐車領域は、駐車車両が駐車する駐車場の駐車領域と想定される想定領域であることとしたので、車両追突防護装置は、駐車場に駐車している駐車車両に対する追突から防護できる。
【0012】
また、請求項4の発明に係る車両追突防護装置は、請求項1、2または3の発明において、前記駐車領域は、前記駐車車両がドアを開閉できる、または進入することができる前記駐車場の領域であることを特徴とする。
【0013】
この請求項4の発明によれば、駐車領域は、駐車車両がドアを開閉できる、または進入することができる駐車場の領域であることとしたので、車両追突防護装置は、駐車場に駐車している駐車車両に対する追突から防護できる。
【0014】
また、請求項5の発明に係る車両追突防護装置は、請求項1〜4のいずれか一つの発明において、前記防護領域は、前記駐車領域の周囲に前記他車両が前記駐車車両に追突するのを回避するための余裕領域を有することを特徴とする。
【0015】
この請求項5の発明によれば、防護領域は、駐車領域の周囲に他車両が駐車車両に追突するのを回避するための余裕領域を有することとしたので、車両追突防護装置は、駐車場に駐車している駐車車両に対する追突から防護する余裕を持つことができる。
【0016】
また、請求項6の発明に係る車両追突防護装置は、請求項1または5の発明において、前記他車両が前記防護領域に侵入したか否かを判定する防護領域侵入判定手段をさらに備え、前記他車両対応手段は、前記防護領域侵入判定手段によって前記他車両が前記防護領域に侵入したと判定される場合は、警告することを特徴とする。
【0017】
この請求項6の発明によれば、他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、警告することとしたので、車両追突防護装置は、駐車場に駐車している駐車車両に対する追突から防護できる。
【0018】
また、請求項7の発明に係る車両追突防護装置は、請求項1または6の発明において、前記他車両の軌跡から前記駐車車両に追突するか否かを推定する車両軌跡推定手段をさらに備え、前記他車両対応手段は、前記防護領域侵入判定手段によって前記他車両が前記防護領域に侵入したと判定され、かつ前記車両軌跡推定手段によって前記他車両が前記駐車車両に追突することが推定される場合は、警告することを特徴とする。
【0019】
この請求項7の発明によれば、他車両が防護領域に侵入したと判定され、かつ他車両が駐車車両に追突することが推定される場合は、警告することとしたので、車両追突防護装置は、駐車場に駐車している駐車車両に対する追突から余裕を持って防護できる。
【0020】
また、請求項8の発明に係る車両追突防護装置は、請求項1、6または7の発明において、前記他車両と通信を行う車間通信手段をさらに備え、前記他車両対応手段は、前記防護領域侵入判定手段によって前記他車両が前記防護領域に侵入したと判定され、かつ前記車両軌跡推定手段によって前記他車両が前記駐車車両に追突することが推定される場合は、前記車間通信手段によって前記他車両の運転制御を支援することを特徴とする。
【0021】
この請求項8の発明によれば、他車両が防護領域に侵入したと判定され、かつ他車両が駐車車両に追突することが推定される場合は、他車両の運転制御を支援することとしたので、車両追突防護装置は、追突を回避するように制御し、もって駐車場に駐車している駐車車両に対する追突から防護できる。
【0022】
また、請求項9の発明に係る車両追突防護装置は、請求項1または6の発明において、前記他車両と通信を行う車間通信手段をさらに備え、前記他車両対応手段は、前記防護領域侵入判定手段によって前記他車両が前記防護領域に侵入したと判定される場合は、前記車間通信手段によって前記他車両に前記駐車車両の防護領域に関する情報を送信することを特徴とする。
【0023】
この請求項9の発明によれば、他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、他車両に駐車車両の防護領域に関する情報を送信することとしたので、車両追突防護装置は、追突を回避し、もって駐車場に駐車している駐車車両に対する追突から防護できる。
【0024】
また、請求項10の発明に係る車両追突防護装置は、請求項1、6〜9のいずれか一つの発明において、前記駐車車両の周囲を撮像する撮像手段をさらに備え、前記他車両対応手段は、前記防護領域侵入判定手段によって前記他車両が前記防護領域に侵入したと判定される場合は、前記撮像手段によって前記他車両を撮像することを特徴とする。
【0025】
この請求項10の発明によれば、他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、他車両を撮像することとしたので、車両追突防護装置は、駐車車両に対する当て逃げを防ぎ、もって駐車場に駐車している駐車車両に対する当て逃げから防護できる。
【0026】
また、請求項11の発明に係る車両追突防護装置は、請求項1、6〜10の発明において、前記駐車車両の周囲の周囲車両は、前記駐車車両の周囲を撮像する撮像手段をさらに備え、前記他車両対応手段は、前記防護領域侵入判定手段によって前記他車両が前記防護領域に侵入したと判定される場合は、前記周囲車両に前記他車両を撮像することを要求することを特徴とする。
【0027】
この請求項11の発明によれば、他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、周囲車両に他車両を撮像することを要求することとしたので、車両追突防護装置は、駐車車両が他車両を撮像することができない場合でも、他車両を撮像することができ、もって駐車場に駐車している駐車車両に対する当て逃げから防護できる。
【0028】
また、請求項12の発明に係る車両追突防護装置は、請求項1、6〜11のいずれか一つの発明において、前記駐車場は、前記駐車車両の周囲を撮像する撮像手段をさらに備え、前記他車両対応手段は、前記防護領域侵入判定手段によって前記他車両が前記防護領域に侵入したと判定される場合は、前記駐車場に前記他車両を撮像することを要求することを特徴とする。
【0029】
この請求項12の発明によれば、他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、駐車場に他車両を撮像することを要求することとしたので、車両追突防護装置は、駐車車両や周囲車両が他車両を撮像することができない場合でも、他車両を撮像することができ、もって駐車場に駐車している駐車車両に対する当て逃げから防護できる。
【発明の効果】
【0030】
請求項1の発明によれば、駐車車両の駐車領域を含む防護領域の監視をし、監視結果に応じて他車両に対し衝突を防護するための通知を行うよう構成したので、車両追突防護装置は、駐車場に駐車している駐車車両に対する追突および当て逃げから防護することができるという効果を奏する。
【0031】
また、請求項2の発明によれば、駐車領域は、駐車車両が駐車する駐車場の白線で区画された区画領域であるよう構成したので、車両追突防護装置は、駐車場に駐車している駐車車両に対する追突から防護できるという効果を奏する。
【0032】
また、請求項3の発明によれば、駐車領域は、駐車車両が駐車する駐車場の駐車領域と想定される想定領域であるよう構成したので、車両追突防護装置は、駐車場に駐車している駐車車両に対する追突から防護できるという効果を奏する。
【0033】
また、請求項4の発明によれば、駐車領域は、駐車車両がドアを開閉できる、または進入することができる駐車場の領域であるよう構成したので、車両追突防護装置は、駐車場に駐車している駐車車両に対する追突から防護できるという効果を奏する。
【0034】
また、請求項5の発明によれば、防護領域は、駐車領域の周囲に他車両が駐車車両に追突するのを回避するための余裕領域を有するよう構成したので、車両追突防護装置は、駐車場に駐車している駐車車両に対する追突から防護する余裕を持つことができるという効果を奏する。
【0035】
また、請求項6の発明によれば、他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、警告するよう構成したので、車両追突防護装置は、駐車場に駐車している駐車車両に対する追突から防護できるという効果を奏する。
【0036】
また、請求項7の発明によれば、他車両が防護領域に侵入したと判定され、かつ他車両が駐車車両に追突することが推定される場合は、警告するよう構成したので、車両追突防護装置は、駐車場に駐車している駐車車両に対する追突から余裕を持って防護できるという効果を奏する。
【0037】
また、請求項8の発明によれば、他車両が防護領域に侵入したと判定され、かつ他車両が駐車車両に追突することが推定される場合は、他車両の運転制御を支援するよう構成したので、車両追突防護装置は、追突を回避するように制御し、もって駐車場に駐車している駐車車両に対する追突から防護できるという効果を奏する。
【0038】
また、請求項9の発明によれば、他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、他車両に駐車車両の防護領域に関する情報を送信するよう構成したので、車両追突防護装置は、追突を回避し、もって駐車場に駐車している駐車車両に対する追突から防護できるという効果を奏する。
【0039】
また、請求項10の発明によれば、他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、他車両を撮像するよう構成したので、車両追突防護装置は、駐車車両に対する当て逃げを防ぎ、もって駐車場に駐車している駐車車両に対する当て逃げから防護できるという効果を奏する。
【0040】
また、請求項11の発明によれば、他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、周囲車両に他車両を撮像することを要求するよう構成したので、車両追突防護装置は、駐車車両が他車両を撮像することができない場合でも、他車両を撮像することができ、もって駐車場に駐車している駐車車両に対する当て逃げから防護できるという効果を奏する。
【0041】
また、請求項12の発明によれば、他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、駐車場に他車両を撮像することを要求するよう構成したので、車両追突防護装置は、駐車車両や周囲車両が他車両を撮像することができない場合でも、他車両を撮像することができ、もって駐車場に駐車している駐車車両に対する当て逃げから防護できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る車両追突防護装置の好適な実施例を詳細に説明する。実施例では、車両追突防護システムに適用する場合について説明する。ここでは、(1)車両追突防護システムの概要と主要な特徴、(2)車両追突防護システムの構成、(3)追突警告手順、(4)追突推定警告手順、(5)車両制御支援手順、(6)防護領域情報提供手順の順番で説明する。
【実施例】
【0043】
(1)車両追突防護システムの概要と主要な特徴
まず、図1および図2を参照して、実施例に係る車両追突防護システム10の概要と主要な特徴について説明する。図1は、実施例に係る車両追突防護システム10が搭載される駐車車両1と防護領域を示す図である。また、図2は、実施例に係る車両追突防護システム10の構成を示す機能ブロック図である。本発明の車両追突防護システム10は、駐車中の駐車車両1を他車両の追突から防護するシステムであって、図1に示すように駐車場に駐車している駐車車両1に対する追突および当て逃げから防護することができることを特徴とする。
【0044】
また、図2に示すように、車両追突防護システム10は、レーダ装置12および撮像装置14が駐車車両1の駐車領域を含む防護領域の監視をし、他車両対応部2081は、レーダ装置12および撮像装置14による監視結果に応じて他車両に対し衝突を防護するための通知を行うこととしたので、図1に示すように駐車場に駐車している駐車車両1に対する追突および当て逃げから防護することができる。
【0045】
(2)車両追突防護システムの構成
次に、図2を参照して、実施例に係る車両追突防護システム10の構成について説明する。同図に示すように、車両追突防護システム10は、レーダ装置12、撮像装置14、通信装置16、警告装置18、車両追突防護装置20を有する。
【0046】
レーダ装置12は、駐車車両1の駐車領域を含む防護領域の監視をする監視装置であり、具体的には、駐車車両1と他車両との車間距離を計測するレーダなどの監視装置である。また、撮像装置14は、防護領域の監視をする監視装置であり、具体的には、駐車車両1の周囲を撮像するCCD(Charge Coupled Device)などの撮像装置である。なお、駐車領域は、図1に示すように、駐車車両1が駐車する駐車場の白線で区画された区画領域である。また、駐車車両1が駐車する駐車場の駐車領域と想定される想定領域である。また、駐車車両1がドアを開閉できる、または進入することができる駐車場の領域である。また、防護領域は、駐車領域の周囲に他車両が駐車車両に追突するのを回避するための余裕領域を有する。
【0047】
通信装置16は、通信をする通信装置であり、他車両、駐車車両1の周囲の周囲車両または駐車場の通信装置と通信をする。また、警告装置18は、駐車車両1の防護領域に侵入した、または侵入する可能性がある他車両に対して警告する警告装置であり、具体的には、クラクションまたは照明ランプなどである。
【0048】
車両追突防護装置20は、IF部201〜204、入力部205、表示部206、記憶部207、制御部208を有する。IF部201は、レーダ装置12のレーダデータをデジタル量に変換し、デジタル量に変換したレーダデータを制御部208に出力する入出力インタフェース部である。また、IF部202は、撮像装置14の画像データをデジタル量に変換し、デジタル量に変換した画像データを制御部208に出力する入出力インタフェース部である。
【0049】
IF部203は、制御部208と通信装置16との間で通信データを入出力する入出力インタフェース部である。また、IF部204は、警告装置18に対する制御部208の制御信号を出力する入出力インタフェース部である。
【0050】
入力部205は、ユーザの要求、指示または防護領域に関する情報を入力する入力装置であり、具体的には、タッチパネル、ボタンなどである。また、表示部206は、防護領域の画像などを表示する画像表示装置であり、具体的には、LCD(Liquid Crystal Display)などである。
【0051】
記憶部207は、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置であり、防護領域情報記憶部2071、他車両画像記憶部2072を有する。防護領域情報記憶部2071は、駐車車両1の周囲の防護領域に関する情報を記憶する記憶部であり、ユーザが入力部205から入力する情報、または撮像装置14が撮像した画像情報である。また、他車両画像記憶部2072は、駐車車両1の防護領域に侵入した他車両に関して撮像装置14が撮像した画像を記憶する記憶部である。
【0052】
制御部208は、車両追突防護装置20の全体を制御する制御部であり、他車両対応部2081を有する。他車両対応部2081は、レーダ装置12および撮像装置14による監視結果に応じて他車両に対し衝突を防護するための通知を行う処理部であり、防護領域侵入判定部2081a、車両軌跡推定部2081bを有する。防護領域侵入判定部2081aは、監視結果に基づいて他車両が防護領域に侵入したか否かを判定する判定部である。また、車両軌跡推定部2081bは、他車両の軌跡から駐車車両に追突するか否かを推定する推定部である。ここで、図3を参照して、図2に示す防護領域侵入判定部2081aおよび車両軌跡推定部2081bが他車両の侵入を判定し、追突を推定する場合について説明する。図3は、図2に示す防護領域侵入判定部2081aおよび車両軌跡推定部2081bが他車両の侵入を判定し、追突を推定する場合を説明する図である。
【0053】
同図に示すように、他車両2は、後退しながら駐車場の駐車領域に駐車しようとしている。駐車車両1の車両追突防護装置20は、防護領域侵入判定部2081aが予め防護領域情報記憶部2071から駐車車両1の防護領域情報を読み取り、レーダ装置12および撮像装置14によって他車両2が駐車車両1に接近してくることを識別すると、他車両2が駐車車両1の防護領域に侵入したか否かを判定する。同図に示すように他車両2が駐車車両1の防護領域に侵入すると、車両軌跡推定部2081bは、他車両2の軌跡から他車両2が駐車車両1に追突するか否かを推定する。このように防護領域侵入判定部2081aおよび車両軌跡推定部2081bが他車両2の侵入を判定し、追突を推定した結果に基づいて、他車両対応部2081が他車両2に対し対応することとしたので、駐車場に駐車している駐車車両1に対する追突から防護することができる。
【0054】
図2の説明に戻ると、他車両対応部2081は、防護領域侵入判定部2081aによって他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、警告する。また、防護領域侵入判定部2081aによって他車両が防護領域に侵入したと判定され、かつ車両軌跡推定部2081bによって他車両が駐車車両に追突することが推定される場合は、警告する。
【0055】
他車両対応部2081は、防護領域侵入判定部2081aによって他車両が防護領域に侵入したと判定され、かつ車両軌跡推定部2081bによって他車両が駐車車両に追突することが推定される場合は、通信装置16によって他車両の運転制御を支援する。また、他車両対応部2081は、防護領域侵入判定部2081aによって他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、通信装置16によって他車両に駐車車両1の防護領域に関する情報を送信する。
【0056】
他車両対応部2081は、防護領域侵入判定部2081aによって他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、撮像装置14によって他車両を撮像する。また、他車両対応部2081は、防護領域侵入判定部2081aによって他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、駐車車両1の周囲の車両である周囲車両に他車両を撮像することを要求する。また、他車両対応部2081は、防護領域侵入判定部2081aによって他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、駐車場に他車両を撮像することを要求する。
【0057】
(3)追突警告手順
次に、図4を参照して、図2示す車両追突防護装置20が防護領域に侵入した他車両に対して警告する追突警告手順について説明する。図4は、図2示す車両追突防護装置20が防護領域に侵入した他車両に対して警告する追突警告手順を示すフローチャートである。
【0058】
同図に示すように、まず、車両追突防護装置20が起動する(ステップS401)。そして、他車両対応部2081は、防護領域情報記憶部2071に記憶された駐車車両1の防護領域を識別し、レーダ装置12および撮像装置14によって防護領域を監視する(ステップS402)。さらに、他車両対応部2081は、レーダ装置12および撮像装置14によって他車両が駐車車両1に接近してくることを識別すると(ステップS403)、防護領域侵入判定部2081aは、他車両が駐車車両の防護領域に侵入したか否かを判定する(ステップS404)。その結果、他車両が駐車車両の防護領域に侵入していない場合は(ステップS404否定)、他車両対応部2081は、本手順を終了する。
【0059】
一方、他車両が駐車車両1の防護領域に侵入した場合は(ステップS404肯定)、他車両対応部2081は、警告装置18によって他車両に警告をする(ステップS405)。そして、他車両対応部2081は、撮像装置14によって他車両の画像を取得し、記憶する(ステップS406)。同時に、他車両対応部2081は、通信装置16を介して駐車車両の周囲の周囲車両に他車両の画像を取得するよう要求する(ステップS407)。
【0060】
このように、他車両が駐車車両1の防護領域に侵入してきた場合は、車両追突防護装置20は、警告をし、他車両の画像を撮影し、また周囲車両に他車両の画像を撮影するように要求することとしたので、駐車場に駐車している駐車車両1に対する追突および当て逃げから防護することができる。
【0061】
(4)追突推定警告手順
次に、図5を参照して、図2示す車両追突防護装置20が駐車車両に追突すると推定される他車両に対して警告する追突推定警告手順について説明する。図5は、図2示す車両追突防護装置20が駐車車両に追突すると推定される他車両に対して警告する追突推定警告手順を示すフローチャートである。なお、本手順のステップS501〜ステップS504は、図4に示す手順のステップS401〜ステップS404と同じなのでステップS505以降の手順について説明する。
【0062】
他車両対応部2081は、車両軌跡推定部2081bによって他車両の軌跡から他車両が駐車車両1に追突するか否かを推定する(ステップS505)。その結果、他車両が駐車車両1に追突すると推定されない場合は(ステップS505否定)、他車両対応部2081は、本手順を終了する。
【0063】
一方、他車両が駐車車両に追突すると推定される場合は(ステップS505肯定)、他車両対応部2081は、警告装置18によって他車両に警告をする(ステップS506)。そして、他車両対応部2081は、撮像装置14によって他車両の画像を取得し、記憶する(ステップS507)。同時に、他車両対応部2081は、通信装置16を介して駐車車両の周囲の周囲車両に他車両の画像を取得するよう要求する(ステップS508)。
【0064】
このように、他車両が駐車車両1の防護領域に侵入し、かつ他車両が駐車車両に追突すると推定される場合は、車両追突防護装置20は、警告をし、他車両の画像を撮影し、また周囲車両に他車両の画像を撮影するように要求することとしたので、駐車場に駐車している駐車車両1に対する追突および当て逃げから防護することができる。
【0065】
(5)車両制御支援手順
次に、図6を参照して、図2示す車両追突防護装置20が駐車車両に追突すると推定される他車両に対して車両制御を支援する車両制御支援手順について説明する。図6は、図2示す車両追突防護装置20が駐車車両に追突すると推定される他車両に対して車両制御を支援する車両制御支援手順を示すフローチャートである。なお、本手順は、図4に示す手順とステップS605およびステップS606を除いて同じなのでステップS605およびステップS606を中心に説明する。
【0066】
他車両対応部2081は、車両軌跡推定部2081bによって他車両の軌跡から他車両が駐車車両1に追突するか否かを推定する(ステップS605)。その結果、他車両が駐車車両1に追突しない場合は(ステップS605否定)、他車両対応部2081は、本手順を終了する。
【0067】
一方、他車両が駐車車両に追突する場合は(ステップS605肯定)、他車両対応部2081は、他車両の車両制御を支援する(ステップS606)。すなわち、他車両対応部2081は、通信装置16を介して他車両に対して追突を回避するために車両制御を支援する。例えば、他車両に対しブレーキを自動で作動させるための信号を通知する。
【0068】
このように、他車両が駐車車両1の防護領域に侵入し、かつ他車両が駐車車両1に追突すると推定される場合は、車両追突防護装置20は、車両制御を支援し、他車両の画像を撮影し、また周囲車両に他車両の画像を撮影するように要求することとしたので、駐車場に駐車している駐車車両1に対する追突および当て逃げから防護することができる。
【0069】
(6)防護領域情報提供手順
次に、図7を参照して、図2示す車両追突防護装置20が防護領域に侵入した他車両に対して防護領域に関する情報を送信する防護領域情報提供手順について説明する。図7は、図2示す車両追突防護装置20が防護領域に侵入した他車両に対して防護領域に関する情報を送信する防護領域情報提供手順を示すフローチャートである。なお、本手順は、図4に示す手順とステップS705を除いて同じなのでステップS705を中心に説明する。
【0070】
防護領域侵入判定部2081aは、他車両が駐車車両の防護領域に侵入したか否かを判定する(ステップS704)。その結果、他車両が駐車車両の防護領域に侵入していない場合は(ステップS704否定)、他車両対応部2081は、本手順を終了する。
【0071】
一方、他車両が駐車車両1の防護領域に侵入した場合は(ステップS704肯定)、他車両対応部2081は、通信装置16を介して防護領域に関する情報を送信する(ステップS705)。すなわち、他車両対応部2081は、通信装置16を介して防護領域に関する情報を送信して他車両自身で追突を回避するように車両制御をさせる。
【0072】
このように、他車両が駐車車両1の防護領域に侵入した場合は、車両追突防護装置20は、防護領域に関する情報を送信して他車両自身で追突を回避するように車両制御をさせ、他車両の画像を撮影し、また周囲車両に他車両の画像を撮影するように要求することとしたので、駐車場に駐車している駐車車両1に対する追突および当て逃げから防護することができる。
【0073】
上述してきたように、本実施例では、レーダ装置12および撮像装置14は、駐車車両1の駐車領域を含む防護領域の監視をし、他車両対応部2081は、監視結果に応じて他車両に対し衝突を防護するための通知を行うこととしたので、車両追突防護装置20は、駐車場に駐車している駐車車両1に対する追突および当て逃げから防護することができる。
【0074】
また、駐車領域は、駐車車両1が駐車する駐車場の白線で区画された区画領域であることとしたので、車両追突防護装置20は、駐車場に駐車している駐車車両1に対する追突から防護できる。
【0075】
また、防護領域は、駐車領域の周囲に他車両が駐車車両1に追突するのを回避するための余裕領域を有することとしたので、車両追突防護装置20は、駐車場に駐車している駐車車両1に対する追突から防護する余裕を持つことができる。
【0076】
また、他車両対応部2081は、防護領域侵入判定部2081aによって他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、警告装置18によって警告することとしたので、車両追突防護装置20は、駐車場に駐車している駐車車両1に対する追突から防護できる。
【0077】
また、他車両対応部2081は、防護領域侵入判定部2081aによって他車両が防護領域に侵入したと判定され、かつ車両軌跡推定部2081bによって他車両が駐車車両に追突することが推定される場合は、警告装置18によって警告することとしたので、車両追突防護装置20は、駐車場に駐車している駐車車両1に対する追突から余裕を持って防護できる。
【0078】
また、他車両対応部2081は、防護領域侵入判定部2081aによって他車両が防護領域に侵入したと判定され、かつ車両軌跡推定部2081bによって他車両が駐車車両に追突することが推定される場合は、通信装置16を介して他車両の運転制御を支援することとしたので、車両追突防護装置20は、追突を回避するように制御し、もって駐車場に駐車している駐車車両1に対する追突から防護できる。
【0079】
また、他車両対応部2081は、防護領域侵入判定部2081aによって他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、通信装置16によって他車両に駐車車両1の防護領域に関する情報を送信することとしたので、車両追突防護装置20は、追突を回避し、もって駐車場に駐車している駐車車両1に対する追突から防護できる。
【0080】
また、他車両対応部2081は、防護領域侵入判定部2081aによって他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、他車両を撮像することとしたので、車両追突防護装置20は、駐車車両に対する当て逃げを防ぎ、もって駐車場に駐車している駐車車両に対する当て逃げから防護できる。
【0081】
また、他車両対応部2081は、防護領域侵入判定部2081aによって他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、周囲車両に他車両を撮像することを要求することとしたので、車両追突防護装置20は、駐車車両1が他車両を撮像することができない場合でも、他車両を撮像することができ、もって駐車場に駐車している駐車車両1に対する当て逃げから防護できる。
【0082】
また、他車両対応部2081は、防護領域侵入判定部2081aによって他車両が防護領域に侵入したと判定される場合は、駐車場に他車両を撮像することを要求することとしたので、車両追突防護装置20は、駐車車両1や周囲車両が他車両を撮像することができない場合でも、他車両を撮像することができ、もって駐車場に駐車している駐車車両に対する当て逃げから防護できる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上のように、本発明にかかる車両追突防護装置は、駐車場に駐車した駐車車両に適している。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】実施例に係る車両追突防護システムが搭載される駐車車両と防護領域を示す図である。
【図2】実施例に係る車両追突防護システムの構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図2に示す防護領域侵入判定部および車両軌跡推定部が他車両の侵入を判定し、追突を推定する場合を説明する図である。
【図4】図2示す車両追突防護装置が防護領域に侵入した他車両に対して警告する追突警告手順を示すフローチャートである。
【図5】図2示す車両追突防護装置が駐車車両に追突すると推定される他車両に対して警告する追突推定警告手順を示すフローチャートである。
【図6】図2示す車両追突防護装置が駐車車両に追突すると推定される他車両に対して車両制御を支援する車両制御支援手順を示すフローチャートである。
【図7】図2示す車両追突防護装置が防護領域に侵入した他車両に対して防護領域に関する情報を送信する防護領域情報提供手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0085】
1 駐車車両
2 他車両
10 車両追突防護システム
12 レーダ装置
14 撮像装置
16 通信装置
18 警告装置
20 車両追突防護装置
201、202、203、204 IF部
205 入力部
206 表示部
207 記憶部
208 制御部
2071 防護領域情報記憶部
2072 他車両画像記憶部
2081 他車両対応部
2081a 防護領域侵入判定部
2081b 車両軌跡推定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車中の駐車車両を他車両の追突から防護する車両追突防護装置であって、
前記駐車車両の駐車領域を含む防護領域の監視をする防護領域監視手段と、
前記防護領域監視手段による監視結果に応じて前記他車両に対し衝突を防護するための通知を行う他車両対応手段と、
を備えたことを特徴とする車両追突防護装置。
【請求項2】
前記駐車領域は、前記駐車車両が駐車する駐車場の白線で区画された区画領域であることを特徴とする請求項1に記載の車両追突防護装置。
【請求項3】
前記駐車領域は、前記駐車車両が駐車する駐車場の駐車領域と想定される想定領域であることを特徴とする請求項1に記載の車両追突防護装置。
【請求項4】
前記駐車領域は、前記駐車車両がドアを開閉できる、または進入することができる前記駐車場の領域であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の車両追突防護装置。
【請求項5】
前記防護領域は、前記駐車領域の周囲に前記他車両が前記駐車車両に追突するのを回避するための余裕領域を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の車両追突防護装置。
【請求項6】
前記監視結果に基づいて前記他車両が前記防護領域に侵入したか否かを判定する防護領域侵入判定手段をさらに備え、
前記他車両対応手段は、前記防護領域侵入判定手段によって前記他車両が前記防護領域に侵入したと判定される場合は、警告することを特徴とする請求項1または5に記載の車両追突防護装置。
【請求項7】
前記他車両の軌跡から前記駐車車両に追突するか否かを推定する車両軌跡推定手段をさらに備え、
前記他車両対応手段は、前記防護領域侵入判定手段によって前記他車両が前記防護領域に侵入したと判定され、かつ前記車両軌跡推定手段によって前記他車両が前記駐車車両に追突することが推定される場合は、警告することを特徴とする請求項1または6に記載の車両追突防護装置。
【請求項8】
前記他車両と通信を行う車間通信手段をさらに備え、
前記他車両対応手段は、前記防護領域侵入判定手段によって前記他車両が前記防護領域に侵入したと判定され、かつ前記車両軌跡推定手段によって前記他車両が前記駐車車両に追突することが推定される場合は、前記車間通信手段によって前記他車両の運転制御を支援することを特徴とする請求項1、6または7に記載の車両追突防護装置。
【請求項9】
前記他車両と通信を行う車間通信手段をさらに備え、
前記他車両対応手段は、前記防護領域侵入判定手段によって前記他車両が前記防護領域に侵入したと判定される場合は、前記車間通信手段によって前記他車両に前記駐車車両の防護領域に関する情報を送信することを特徴とする請求項1または6に記載の車両追突防護装置。
【請求項10】
前記駐車車両の周囲を撮像する撮像手段をさらに備え、
前記他車両対応手段は、前記防護領域侵入判定手段によって前記他車両が前記防護領域に侵入したと判定される場合は、前記撮像手段によって前記他車両を撮像することを特徴とする請求項1、6〜9のいずれか一つに記載の車両追突防護装置。
【請求項11】
前記駐車車両の周囲の周囲車両は、前記駐車車両の周囲を撮像する撮像手段をさらに備え、
前記他車両対応手段は、前記防護領域侵入判定手段によって前記他車両が前記防護領域に侵入したと判定される場合は、前記周囲車両に前記他車両を撮像することを要求することを特徴とする請求項1、6〜10のいずれか一つに記載の車両追突防護装置。
【請求項12】
前記駐車場は、前記駐車車両の周囲を撮像する撮像手段をさらに備え、
前記他車両対応手段は、前記防護領域侵入判定手段によって前記他車両が前記防護領域に侵入したと判定される場合は、前記駐車場に前記他車両を撮像することを要求することを特徴とする請求項1、6〜11のいずれか一つに記載の車両追突防護装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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