説明

車載用アンテナ装置

【課題】 窓ガラスの車室側の表面に装着されて所望方向の利得が高く保守管理も容易な車載用アンテナ装置を提供すること。
【解決手段】 ガラス板(リアガラス)51には放射導体22および接地導体23が形成されている。電子回路ユニット21は、ガラス板51に固定されるベースプレート24と、回路基板26を収納してベースプレート24にねじ止め固定された枠体30と、枠体30に冠着されたカバー31とを備えており、回路基板26の部品実装面26aとは逆側の面が放射導体22と対向する電波反射面26bとなっている。枠体30のガラス板51側の端部には、ベースプレート24の開口部24aに挿入される嵌め込み部30fと、開口部24a近傍のベースプレート24上に載置されるストッパ部30gとが設けてあり、嵌め込み部30fの開口部24a内への挿入量がベースプレート24の板厚未満に設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両の窓ガラスに装着される車載用アンテナ装置に係り、特に、電子回路ユニットの回路基板の片面に設けた導体層を放射導体と対向させて利得向上を図った車載用アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車のリアガラスやフロントガラスの車室側の内表面に放射導体を形成すると共に、該内表面に前置増幅回路を含む電子回路ユニットを取り付けることによって、衛星や地上局から送信されてくる円偏波や直線偏波の受信等を可能にした車載用アンテナ装置が知られている。この種のアンテナ装置は、ルーフ等の車室外に設置されるアンテナ装置と比べた場合、長寿命化が図れて盗難の危険性も少ないという利点を有する。また、車室内の窓ガラス近傍に据え置かれるアンテナ装置と比べた場合にも、スペースファクタが良好で視野角が広いという利点を有する。
【0003】
この種の車載用アンテナ装置において、リアガラスやフロントガラス等のガラス板の車室側の内表面に取り付けられる電子回路ユニットは、前置増幅回路等を設けた回路基板をハウジング内に収納して概略構成されており、ガラス板に形成されている所定形状の放射導体を適宜手段を介して該回路基板と電気的に接続することによって、放射導体に対する給電や受信信号の取り込みが行えるようになっている。
【0004】
一例としては、従来、回路基板を収納する絶縁性のハウジングから導体片を突出させ、この導体片を放射導体の給電点に半田付けするという構成の車載用アンテナ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。導体片の一端はハウジングの内部において前置増幅回路の入力部に接続されているので、この導体片を介して放射導体と前置増幅回路との電気的接続が図れると共に、電子回路ユニットをガラス板に固定することができる。
【特許文献1】特開平6−53722号公報(第2〜3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した従来例に係る車載用アンテナ装置は、放射導体が形成されているガラス板の一面側だけでなく他面側にも放射パターンが発生してしまうため、そのままでは所望方向の利得が不十分なものになりやすい。そこで、車室側で放射導体と対向する位置に電波反射面として機能する導体層を設けることが考えられるが、その場合、放射導体と該導体層との間隔が高精度に規定されていないと十分な利得向上は図れない。
【0006】
また、前述した従来例のように、一体品である電子回路ユニットを半田付け等によってガラス板に固定しているアンテナ装置の場合、回路基板の点検時や交換時に、電子回路ユニットをガラス板から取り外したり再び取り付けるための煩雑な作業が必要となることから、保守管理が容易でないという問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、窓ガラスの車室側の内表面に装着されて所望方向の利得が高く保守管理も容易な車載用アンテナ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するため、本発明の車載用アンテナ装置では、窓ガラスとして車両に配設されたガラス板と、このガラス板の車室側の内表面に形成された放射導体と、開口部を有して前記ガラス板の内表面に固定された板金製のベースプレートと、前記放射導体と対向する一面に導体層が設けられ他面が該放射導体と電気的に接続された部品実装面となっている回路基板と、該回路基板を収納して前記ベースプレートに取り付けられた板金製のハウジングとを備え、前記ハウジングの前記ガラス板側の端部に、前記開口部に遊嵌状態で挿入される嵌め込み部と、前記開口部近傍の前記ベースプレート上に載置されるストッパ部とを設け、前記ストッパ部を前記ベースプレートに当接させることによって、前記嵌め込み部の前記開口部内への挿入量を該ベースプレートの板厚未満に設定した。
【0009】
このように回路基板の片面に設けた導体層を放射導体と対向させたアンテナ装置は、該導体層を電波反射面として機能させることにより同調電波の到来方向において放射利得を高めることができるため、アンテナ性能の向上が図れる。その際、放射導体と該導体層との間隔が高精度に規定されている必要があるが、回路基板を収納しているハウジングは嵌め込み部によってベースプレートの面方向に沿う位置決めがなされ、かつ、ストッパ部によってベースプレートの板厚方向に沿う位置決めがなされるため、ハウジングをベースプレートに取り付ければ回路基板は自動的に所定位置に配置され、放射導体に対する回路基板の高さ位置は高精度に規定される。また、枠体とベースプレートとの間に不所望な隙間が生じる虞もない。つまり、この車載用アンテナ装置は電波反射面の高さ位置が高精度に規定できる組立構造になっているため、優れたアンテナ性能が期待できる。しかも、回路基板を収納したハウジングを、予めガラス板に固定したベースプレートにねじ止め等によって固定するという取付構造が採用できるため、回路基板の点検時や交換時に煩雑な取外し作業や取付作業を行う必要がなくなり、保守管理が容易となる。
【0010】
上述した車載用アンテナ装置は、さらに、前記ハウジングが、前記回路基板を包囲して保持すると共に前記ベースプレートに脱着可能に固定された方形枠状の枠体と、前記回路基板を覆うように前記枠体に冠着せしめたカバーとを備え、前記枠体の四隅に前記ストッパ部を設けることが好ましい。これにより、枠体の形状が単純化できて嵌め込み部やストッパ部が形成しやすくなると共に、カバーを冠着させる前の枠体に対して回路基板を簡単に組み込むことができる。この場合において、枠体の相対向する一対の側壁部の長手方向両端部にそれぞれ、隣接する側壁部に対して突出するストッパ部を設ければ、側壁部の一隅がストッパ部として利用できるため加工が容易で寸法精度も高めやすい。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、窓ガラスの車室側の内表面に装着される車載用アンテナ装置において、回路基板の片面に設けた導体層を放射導体と対向させて電波反射面として機能させていると共に、回路基板を収納しているハウジングに嵌め込み部やストッパ部を設けることによって、ガラス板と回路基板の相対位置関係を高精度に規定し、かつ、ハウジングとベースプレートとの間に不所望な隙間が生じないようにしている。また、回路基板を収納したハウジングを、予めガラス板に固定したベースプレートにねじ止め等によって固定するという取付構造が採用できるようになっている。それゆえ、所望方向の利得が高く保守管理も容易な車載用アンテナ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
発明の実施の形態を図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施形態例に係る車載用アンテナユニットの装着位置を示す説明図であって、同図(a)は自動車の側面図、同図(b)はリアガラスを車室側から見た正面図である。また、図2〜図8は該車載用アンテナユニットを構成する地上局用アンテナ装置を示すもので、図2は該地上局用アンテナ装置の電子回路ユニットを示す斜視図、図3は該電子回路ユニットのベースプレートと放射導体との位置関係を示す説明図、図4は該電子回路ユニットの分解斜視図、図5は該電子回路ユニットの平面図、図6は該電子回路ユニットの底面図、図7は該電子回路ユニットの側面図、図8は該電子回路ユニットを図7とは異なる方向から見た側面図であり、図8ではフィーダ線およびコネクタカバーが図示省略してある。また、図9〜図15は該車載用アンテナユニットを構成する衛星用アンテナ装置を示すもので、図9は該衛星用アンテナ装置の電子回路ユニットを示す斜視図、図10は該電子回路ユニットのベースプレートと放射導体との位置関係を示す説明図、図11は該電子回路ユニットの分解斜視図、図12は該電子回路ユニットの平面図、図13は該電子回路ユニットの底面図、図14は該電子回路ユニットの側面図、図15は該電子回路ユニットを図14とは異なる方向から見た側面図である。
【0013】
本実施形態例に係る車載用アンテナユニットは、図1(a)および(b)に示すように、自動車50のリアガラス51の車室側の内表面に地上局用アンテナ装置100と衛星用アンテナ装置200を並設して概略構成され、地上局から送信されてくる直線偏波(垂直偏波)が地上局用アンテナ装置100によって受信可能であると共に、衛星から送信されてくる円偏波が衛星用アンテナ装置200によって受信可能である。この車載用アンテナユニットは、地上局用アンテナ装置100と衛星用アンテナ装置200を相互補完的に動作させることによって、常に良好な受信感度が得られるようになっている。
【0014】
まず、地上局用アンテナ装置100について説明すると、このアンテナ装置100はスロットアンテナであって、リアガラス51の車室側の内表面に取り付けられる電子回路ユニット1と、リアガラス51の該内表面に形成された放射導体2とによって主に構成されている。電子回路ユニット1は、反射板3を突設してリアガラス51の内表面に固定された板金製のベースプレート4と、同軸線状のフィーダ線5を介して放射導体2と電気的に接続された回路基板6と、この回路基板6を収納してベースプレート4に取り付けられた板金製のハウジング7と、一端部が回路基板6に接続されて他端部が図示せぬ外部の受信機に接続される同軸ケーブル(出力ケーブル)8と、電源供給用のDCケーブル9とを備えている。
【0015】
ここで、ハウジング7は、回路基板6を包囲して保持する板金製の枠体10と、回路基板6を覆うように枠体10に冠着せしめた板金製のカバー11と、カバー11の切欠き部11aを蓋閉する板金製のコネクタカバー12とによって構成されており、枠体10の2箇所(外方突出片10a)が固定ねじ13を用いてベースプレート4にねじ止め固定されている。すなわち、このアンテナ装置100の電子回路ユニット1は、ハウジング7を脱着可能に固定するベースプレート4を具備しており、湿度硬化性樹脂14(図3参照)を用いてベースプレート4がリアガラス51に強固に固定されている。
【0016】
地上局用アンテナ装置100の各部の構成について詳しく説明すると、放射導体2はAg等の良導電性金属からなる導体層である。放射導体2には、図3に示すように所定の大きさのスロット2aが形成されており、このスロット2aを挟んで対向する放射導体2の2箇所が、フィーダ線5の一端部が接続される給電点となっている。また、放射導体2の3箇所がベースプレート4の半田付け部4a(図6参照)に半田付けされているので、ベースプレート4は電気的にグラウンドとして機能する。
【0017】
反射板3はベースプレート4から斜めに延設されて放射導体2と対向する長方形状の金属平板であり、この反射板3で電波を反射させることによって低仰角方向の利得向上が図れる。反射板3の背面側には、反射板3とその近傍のベースプレート4にかしめ固定された角度保持部材15が付設されている。この角度保持部材15は所定形状に打ち抜かれた金属平板を折り曲げて形成されており、反射板3の背面とベースプレート4の平坦面を所望の相対位置関係に設定するための当接辺縁15aを一対有する。すなわち、当接辺縁15aはベースプレート4の平坦面から反射板3の背面に沿って沿って延びる辺縁であるが、この当接辺縁15aは打ち抜き加工時の切断ラインであって寸法精度が高いため、一対の当接辺縁15aをベースプレート4の平坦面および反射板3の背面に当接させることによって、ベースプレート4に対する反射板3の傾斜角度を高精度に規定することができる。また、これら一対の当接辺縁15aを両側縁とする金属平板の該両側縁部を同方向へ略直角に折り曲げることによって、角度保持部材15には各当接辺縁15aに沿って延びて相対向する一対の起立部15bが形成されている。このような角度保持部材15を取り付けることにより、反射板3の機械的強度が高まって不所望な変形が生じにくくなっている。
【0018】
ベースプレート4には、3箇所に半田付け部4aが設けられていると共に、2箇所に雌ねじ部4bが立設されている。図6に示すように、各半田付け部4aの中央部には、放射導体2に向かって突出する半球状の膨出部4cが形成されており、これらの膨出部4cを放射導体2と当接させることによって、各膨出部4cの周囲に半田溜りのスペースが画成されるようになっている。また、各半田付け部4aの近傍にL字形やI字形、円形等の切欠き4dを形成することによって、各半田付け部4aとベースプレート4の他部との連結部分を狭隘部4eとなしている。これにより、半田付け部4aを放射導体2に半田接続する加熱作業時に、供給される熱が不所望領域へ伝導しにくくなるため、短時間で効率よく半田接続を行うことができる。
【0019】
また、ベースプレート4には半田付け部4aから離れた複数箇所にリアガラス51に向かって突出する高さ調整部4fが設けてあり、これらの高さ調整部4fは膨出部4cとほぼ同じ大きさの半球状に形成されている。これにより、リアガラス51に対してベースプレート4を点接触状態で対向させることができるため、ベースプレート4の取付時に半田付け部4aの膨出部4cを確実に放射導体2に当接させることができて不所望な浮きが発生しなくなる。なお、図3に示すように、ベースプレート4は湿度硬化性樹脂14を介してリアガラス51に固定されるが、ベースプレート4は取付時に半田付け部4aが放射導体2に半田付けされるので、湿度硬化性樹脂14が硬化するまでの仮固定を両面接着テープ等によって行う必要はない。
【0020】
また、図3および図6に示すように、ベースプレート4には枠体10の内方へ向かって起立させた一対の保持片4gが設けてある。これらの保持片4gはベースプレート4を固定したリアガラス51と所定の間隔を存して対向するため、リアガラス51と保持片4gとの間にフィーダ線5を挟み込んで位置決めすることができる。さらに、ベースプレート4には、枠体10の外方へ突出する鉤状の掛止片4hが設けてある。ベースプレート4を固定したリアガラス51との間隔は、掛止片4hのほうが保持片4gよりも僅かに大きく、枠体10の外方へ引き廻したフィーダ線5を掛止片4hに掛止させて位置決めすることができる。
【0021】
フィーダ線5は、放射導体2の給電点に半田付けされた一端部からリアガラス51の内表面に沿って延伸して、枠体10の外方へ取り出される。フィーダ線5の該延伸部分は一対の保持片4gとリアガラス51との間に挟み込んで位置規制することができるため、リアガラス51上のフィーダ線5は所望の経路に沿って効率よく引き廻すことができる。また、枠体10の外方へ取り出したフィーダ線5は掛止片4hに掛止させることによって簡単に位置決めできるため、枠体10の外方においてもフィーダ線5を効率よく引き廻すことができる。図4に示すように、フィーダ線5の他端部にはコネクタ16が取着されている。このコネクタ16をカバー11の切欠き部11aに臨出する回路基板6側のコネクタ17に接続することによって、フィーダ線5の該他端部は前置増幅回路の入力部に接続される。
【0022】
図4に示すように、枠体10は、相対向する一対の側壁部10b,10cと、相対向する一対の側壁部10d,10eとによって主に構成され、側壁部10d,10eにそれぞれ切り起こし片からなる外方突出片10aが突設されていると共に、側壁部10dの長手方向一端部にアーム部10fが延設されている。図7に示すように、枠体10はカバー11を臨む図示上側の部分が大径部10Aとなっていて、この大径部10Aはベースプレート4を臨む図示下側の部分よりも大径に形成されている。すなわち、側壁部10d,10eの長手方向一端部にせり出し部分を設けると共に、側壁部10cを階段状に折り曲げることによって、枠体10をカバー11側の開口端を広げた形状となしており、大径部10Aの一側部は反射板3に向かってせり出している。そして、この大径部10A内に回路基板6が収納されるため、枠体10を大型化することなく、かつ、反射板3の正常な動作を阻害する領域に枠体10の一部を配置させることなく、回路基板6用の広い設置スペースを枠体10内に確保することができる。なお、大径部10Aにおいて、側壁部10b〜10eには多数の小孔10h(図4参照)が穿設されている。
【0023】
この枠体10は、外方突出片10aに挿通した固定ねじ13を雌ねじ部4bに締結させることによって、予めリアガラス51に固定されたベースプレート4にねじ止め固定される。図1(a)に示すように、リアガラス51は地表面に対して傾斜した窓ガラスとして自動車50に組み込まれるので、枠体10がベースプレート4を介してリアガラス51に固定されると、側壁部10bが地表面側に配置される下部領域となる。そのため、この側壁部10bには図8に示すように、内部空間を外部空間と連通させる円形の水抜き孔10iが2箇所に設けてある。これらの水抜き孔10iは、ベースプレート4およびリアガラス51と枠体10と回路基板6の裏面とによって規定される内部空間に侵入した水滴を速やかに外部へ排出して、該内部空間に水が溜らないようにするためのものである。また、枠体10の側壁部10bには、ベースプレート4の掛止片4hと隣接する位置に、フィーダ線5を外方へ取り出すための逃げ溝10jが設けられている。
【0024】
枠体10の側壁部10dから延出するアーム部10fは、同軸ケーブル8を係止するためのものである。このアーム部10fには開口端側が相対的に幅狭な切欠き溝10gが形成してあり、同軸ケーブル8に外装させた熱収縮チューブ18を切欠き溝10gに圧入させることによって、同軸ケーブル8をワンタッチでアーム部10fに係止させることができると共に、同軸ケーブル8の内部導体および外部導体の保護も確実となる。こうすることで、組立作業時に同軸ケーブル8の姿勢が安定し、同軸ケーブル8に引っ張り力が作用した際に懸念される接続箇所の損傷も回避できる。また、金属片からなるアーム部10fを適宜変形させることによって、同軸ケーブル8の姿勢を簡単に修正することもできる。
【0025】
図4に示すように、回路基板6の片面は、図示せぬ各種電子部品が実装された部品実装面6aとなっている。この部品実装面6aには、一端部が放射導体2に接続されたフィーダ線5の他端部が対をなすコネクタ16,17を介して接続されている。つまり、フィーダ線5の該他端部が前置増幅回路の入力部に接続されている。また、部品実装面6aには同軸ケーブル8とDCケーブル9の各一端部が半田付けされており、同軸ケーブル8の他端部にはコネクタ19が取着されている。部品実装面6aの周縁部の複数箇所は枠体10に半田付けされている。これにより、枠体10が電気的にグラウンドとして機能すると共に、回路基板6と枠体10とが機械的に接合される。
【0026】
カバー11にはコネクタカバー12に蓋閉される切欠き部11aが設けられており、この切欠き部11aに前記コネクタ17を臨出させているので、回路基板6を収納保持した枠体10にカバー11を冠着させた状態で、フィーダ線5のコネクタ16を回路基板6側のコネクタ17に接続させることができる。カバー11の周縁部にはほぼ全周に亘って、枠体10の側壁部10b〜10eに外嵌させるための折曲片11bが設けられており、この折曲片11bには内方へ突出する多数の係合小突起11cが設けられている。これらの係合小突起11cは枠体10の前記小孔10hと対応する位置に配設されており、折曲片11bの弾性によって各係合小突起11cを対応する小孔10h内へ圧入させることができる。したがって、カバー11は枠体10に対してスナップフィットにより簡単に冠着させることができる。なお、カバー11を冠着させる前の枠体10に対して回路基板6を組み込むことによって、回路基板6の組み込み作業を容易に行うことができる。
【0027】
カバー11にはまた、切欠き部11aに隣接する折曲片11bに、図8に示すように保持溝11eが設けられている。この保持溝11eはフィーダ線5のコネクタ16側の端部近傍を挿入して位置決めするためのものであり、こうすることで、掛止片4hを経由して引き廻したフィーダ線5を簡単かつ確実に切欠き部11a内へ配置させることができる。また、カバー11にコネクタカバー12を取り付けると保持溝11eの開口端が閉じられるため、フィーダ線5が保持溝11eから外れる虞もない。
【0028】
カバー11を冠着させた枠体10がベースプレート4を介してリアガラス51に固定されると、カバー11は枠体10の側壁部10bの近傍領域が地表面側に配置される下部領域となるため、カバー11には該領域の2箇所に方形の水抜き孔11dが設けてある。これらの水抜き孔11dは、回路基板6の部品実装面6aと枠体10とカバー11およびコネクタカバー12とによって規定される内部空間に侵入した水滴を速やかに外部へ排出して、該内部空間に水が溜らないようにするためのものである。
【0029】
上述の如くに構成された地上局用アンテナ装置100の組立工程について説明すると、まず、リアガラス51となるガラス板の内表面に放射導体2を形成しておき、フィーダ線5の一端部を放射導体2の給電点に半田付けすると共に、ベースプレート4の半田付け部4aを放射導体2の所定位置に半田付けする。このとき、フィーダ線5の該一端部近傍はベースプレート4の保持片4gとガラス板との間に挟み込んで位置決めしておく。また、予めベースプレート4の底面には湿度硬化性樹脂14を貼着させておく。次に、枠体10を固定ねじ13を用いてベースプレート4の雌ねじ部4bに固定する。ただし、この枠体10には予め、回路基板6を組み込んで同軸ケーブル8とDCケーブル9の各一端部を半田付けしておくと共に、カバー11を冠着させておく。また、枠体10をベースプレート4にねじ止め固定するときには、側壁部10bの逃げ溝10jを利用してフィーダ線5を枠体10の外部へ取り出しておく。そして、枠体10をベースプレート4に固定した後、掛止片4hに掛止させたフィーダ線5を保持溝11eを経由させてカバー11の切欠き部11a内へと引き廻す。そして、フィーダ線5の他端部に取着されているコネクタ16を切欠き部11aに臨出している回路基板6側のコネクタ17に接続した後、カバー11にコネクタカバー12を取り付けて切欠き部11aを蓋閉することによって、リアガラス51となるガラス板に対する電子回路ユニット1の取付作業が完了する。
【0030】
次に、衛星用アンテナ装置200について説明する。このアンテナ装置200はパッチアンテナであって、リアガラス51の車室側の内表面に取り付けられる電子回路ユニット21と、リアガラス51の内表面に形成された放射導体22および接地導体23とによって主に構成されている。電子回路ユニット21は、リアガラス51の内表面に固定された板金製のベースプレート24と、同軸線状のフィーダ線25を介して放射導体22および接地導体23と電気的に接続された回路基板26と、この回路基板26を収納してベースプレート24に取り付けられた板金製のハウジング27と、一端部が回路基板26に接続されて他端部が図示せぬ外部の受信機に接続される同軸ケーブル(入出力ケーブル)28と、地上局用アンテナ装置100に対して電源供給するための前記DCケーブル9とを備えている。
【0031】
ここで、ハウジング27は、方形枠状に形成されて回路基板26を包囲して保持する板金製の枠体30と、回路基板26を覆うように枠体30に冠着せしめた板金製のカバー31と、カバー31の切欠き部31aを蓋閉する板金製のコネクタカバー32とによって構成されており、枠体30の複数箇所が固定ねじ33を用いてベースプレート24にねじ止め固定されている。すなわち、このアンテナ装置200の電子回路ユニット21には、ハウジング27を脱着可能に固定するベースプレート24が具備されており、湿度硬化性樹脂34(図10参照)を用いてベースプレート24がリアガラス51に強固に固定されている。
【0032】
衛星用アンテナ装置200の各部の構成について詳しく説明すると、図10に示すように、放射導体22は略方形に形成されたパッチ電極であって、一方の対角線の両端部に切欠き状の縮退分離素子22aが装荷されている。接地導体23は枠状に形成されたグラウンド電極であって、所定の間隔を存して放射導体22を包囲している。これらの放射導体22および接地導体23はAg等の良導電性金属からなる導体層である。図10に示すように、放射導体22の給電点にはフィーダ線25の内部導体が接続されている。また、接地導体23にはフィーダ線25の外部導体が接続されている。
【0033】
ベースプレート24は、開口部24aを包囲する四角形状に形成されており、複数箇所に雌ねじ部24bが立設されている。そして、これらの雌ねじ部24bにそれぞれ枠体30の外方突出片30aに挿通した固定ねじ33を締結させることによって、枠体30がベースプレート24にねじ止め固定されるようになっている。図10に示すように、このベースプレート24は湿度硬化性樹脂34と両面接着テープ35とを用いてリアガラス51に固定される。ここで、両面接着テープ35は、湿度硬化性樹脂34が硬化するまでの仮固定手段である。
【0034】
図11に示すように、方形枠状の枠体30は、相対向する一対の側壁部30b,30cと、相対向する一対の側壁部30d,30eとによって主に構成され、側壁部30b,30cの長手方向両端部にそれぞれ外方突出片30aが延設されている。枠体30のうちリアガラス51と対向する側の端部は、ベースプレート24の開口部24aに遊嵌状態で挿入される嵌め込み部30fとなっており、この嵌め込み部30fの四隅に隣接して形成されているストッパ部30gが開口部24a近傍のベースプレート24上に載置される。こうして四隅のストッパ部30gをベースプレート24に当接させることにより、嵌め込み部30fの開口部24a内への挿入量をベースプレート24の板厚未満に設定している。これらのストッパ部30gは、側壁部30b,30cの長手方向両端部に形成されて、隣接する側壁部30d,30eに対して僅かに突出している。また、枠体30には嵌め込み部30f側と逆側の端部近傍に多数の小孔30hが穿設されている。
【0035】
図1(a)に示すように、リアガラス51は地表面に対して傾斜した窓ガラスとして自動車50に組み込まれるので、枠体30がベースプレート24を介してリアガラス51に固定されると、側壁部30bが地表面側に配置される下部領域となる。そのため、この側壁部30bには図14に示すように、内部空間を外部空間と連通させる円形の水抜き孔30iが2箇所に設けてある。また、枠体30の各側壁部30b〜30eには、内部空間へ向けて切り起こされた舌片30j(ただし図11以外は折曲前の舌片30jを示している)と、舌片30jを形成するために必要な透孔30kとが設けられており、内方へ折り曲げた各舌片30jによって回路基板26が支持される。そして、側壁部30bに設けられた透孔30kが水抜き用の孔としても機能するようになっている。これらの水抜き孔30iや水抜き兼用の透孔30kは、リアガラス51と枠体30と回路基板26の裏面(電波反射面26b)とによって規定される内部空間に侵入した水滴を速やかに外部へ排出して、該内部空間に水が溜らないようにするためのものである。
【0036】
図11に示すように、回路基板26の片面は図示せぬ各種電子部品が実装された部品実装面26aとなっている。この部品実装面26aには、一端部が放射導体22および接地導体23に接続されたフィーダ線25の他端部が対をなすコネクタ36,37を介して接続されている。つまり、フィーダ線25の該他端部が前置増幅回路の入力部に接続されている。また、部品実装面26aには同軸ケ−ブル28とDCケーブル9の各一端部が半田付けされており、同軸ケ−ブル28の他端部にはコネクタ38が取着されている。部品実装面26aの周縁部の複数箇所は枠体30に半田付けされている。これにより、枠体30が電気的にグラウンドとして機能すると共に、回路基板26と枠体30とが機械的に接合される。回路基板26の他面(裏面)、つまり放射導体22および接地導体23との対向面は、Au等の良導電性金属からなる導体層が形成された電波反射面26b(図13参照)となっている。この電波反射面26bの周縁部は、枠体30の前記舌片30jによって複数箇所が支持される。
【0037】
カバー31にはコネクタカバー32に蓋閉される切欠き部31aが設けられており、この切欠き部31aに前記コネクタ37を臨出させているので、回路基板26を収納保持した枠体30にカバー31を冠着させた状態で、フィーダ線25のコネクタ36を回路基板26側のコネクタ37に接続させることができる。カバー31の周縁部にはほぼ全周に亘って、枠体30の側壁部30b〜30eに外嵌させるための折曲片31bが設けられており、この折曲片13bには内方へ突出する多数の係合小突起31cが設けられている。これらの係合小突起31cは枠体30の前記小孔30hと対応する位置に配設されており、折曲片31bの弾性によって各係合小突起31cを対応する小孔30h内へ圧入させることができる。したがって、カバー31は枠体30に対してスナップフィットにより簡単に冠着させることができる。なお、カバー31を冠着させる前の枠体30に対して回路基板26を組み込むことによって、回路基板26の組み込み作業を容易に行うことができる。
【0038】
カバー31を冠着させた枠体30がベースプレート24を介してリアガラス51に固定されると、カバー31は枠体30の側壁部30bの近傍領域が地表面側に配置される下部領域となるため、カバー31には該領域の4箇所に方形の水抜き孔31dが設けてある。これらの水抜き孔31dは、回路基板26の部品実装面26aと枠体30とカバー31およびコネクタカバー32とによって規定される内部空間に侵入した水滴を速やかに外部へ排出して、該内部空間に水が溜らないようにするためのものである。
【0039】
上述の如くに構成された衛星用アンテナ装置200の組立工程について説明すると、まず、リアガラス51となるガラス板の内表面に放射導体22および接地導体23を形成しておき、フィーダ線25の一端部を放射導体22と接地導体23の所定位置に半田付けする。そして、このガラス板の内表面に湿度硬化性樹脂34等を用いてベースプレート24を強固に固定した後、嵌め込み部30fを開口部24a内に挿入して位置合わせした枠体30を固定ねじ33を用いてベースプレート24の雌ねじ部24bに固定する。ただし、この枠体30には予め、回路基板26を組み込んで同軸ケ−ブル28とDCケーブル9の各一端部を半田付けしておくと共に、カバー31を冠着させておく。また、枠体30をベースプレート24にねじ止め固定するときには、側壁部30dに形成されている逃げ溝30m(図11参照)を利用してフィーダ線25を枠体30の外部へ取り出しておく。そして、枠体30をベースプレート24に固定してから、フィーダ線25の他端部に取着されているコネクタ36をカバー31の切欠き部31aに臨出している回路基板26側のコネクタ37に接続する。しかる後、カバー31にコネクタカバー32を取り付けて切欠き部31aを蓋閉することによって、リアガラス51となるガラス板に対する電子回路ユニット21の取付作業が完了する。
【0040】
次に、上述した実施形態例に特有の効果について説明する。まず、地上局用アンテナ装置100に特有の効果について述べると、ベースプレート4の各半田付け部4aと他部との連結部分を狭隘部4eとなし、ベースプレート4を放射導体2に半田付けする際に供給される熱が他部へ伝導しにくくなっているので、短時間で半田付け作業を完了させることができる。しかも、各半田付け部4aに膨出部4cを設け、この膨出部4cの周囲に半田溜りのスペースを画成しているので、半田付着量の不足に起因する強度低下が回避されて、信頼性の高い半田接続が行えるようになっている。
【0041】
また、このアンテナ装置100は、反射板3の背面側に角度保持部材15を付設し、寸法精度の高い当接辺縁15aを反射板3の背面およびベースプレート4の平坦面に当接させることにより、ガラス板(リアガラス)51に対する反射板3の傾斜角度を高精度に規定しているので、所望のアンテナ性能が得やすくなっている。しかも、角度保持部材15を取り付ることによって反射板3の機械的強度が著しく高まるため、組立て時などに外力が加わっても反射板3が不所望に変形する危険性は少なく、この点でも信頼性の向上が図られている。
【0042】
また、このアンテナ装置100は、放射導体2の給電点に一端部が接続されたフィーダ線5を保持片4gとガラス板(リアガラス)51との間に挟み込んで位置規制することができ、かつ、ハウジング7の外方においても掛止片4hや保持溝11eによってフィーダ線5を位置規制することができるため、フィーダ線5を所定の経路に沿って効率よく引き廻すことができる。
【0043】
また、このアンテナ装置100は、枠体10に突設したアーム部10fに同軸ケ−ブル8を係止させることができるので、組立作業時に同軸ケ−ブル8の姿勢を安定させることができると共に、同軸ケ−ブル8に引っ張り力が作用した際に懸念される接続箇所の損傷が回避できる。また、金属片からなるアーム部10fを適宜変形させることによって、同軸ケ−ブル8の姿勢を簡単に修正することができる。それゆえ、バインダや粘着テープ等を用いることなく、同軸ケ−ブル8の固定作業を極めて簡単に行うことができる。
【0044】
また、このアンテナ装置100は、回路基板6を収納保持した枠体10を、予めガラス板(リアガラス)51に固定したベースプレート4にねじ止め固定するという取付構造を採用しているので、回路基板6の点検時や交換時に煩雑な取外し作業や取付作業を行う必要がなくなり、保守管理が容易に行えるようになっている。
【0045】
また、このアンテナ装置100は、ハウジング7を構成する枠体10とカバー11にそれぞれ水抜き孔10i,11dが形成されている。これらの水抜き孔10i,11dは、地表面に対して傾斜しているリアガラス51に取り付けられた電子回路ユニット1の最下部付近に配設されているので、ハウジング7の内部に水滴が侵入しても回路基板6の部品実装面6aが水に浸されてしまう虞がない。それゆえ、このアンテナ装置100は、水滴の侵入に起因する誤動作や故障が起こりにくく、長期に亘って高い信頼性が期待できる。
【0046】
次に、衛星用アンテナ装置200に特有の効果について述べると、回路基板26の裏面が放射導体22および接地導体23と対向する電波反射面26bとなっているため、同調電波の到来方向において放射利得を高めることができる。この場合、放射導体22および接地導体23に対する電波反射面26bの高さ位置が高精度に規定されている必要があるが、本実施形態例において回路基板26を収納保持している枠体30は、嵌め込み部30fによってベースプレート24の面方向に沿う位置決めがなされ、かつストッパ部30gによってベースプレート24の板厚方向に沿う位置決めがなされるため、枠体30をベースプレート24に取り付ければ回路基板26は自動的に所定位置に配置され、放射導体22に対する回路基板26の高さ位置は高精度に規定される。また、枠体30とベースプレート24との間に不所望な隙間が生じる虞もない。つまり、このアンテナ装置200の電子回路ユニット21は、電波反射面26bの高さ位置が高精度に規定できる組立構造になっているため、優れたアンテナ性能が期待できる。なお、枠体30の形状は単純で加工が容易なため、嵌め込み部30fやストッパ部30gの寸法精度も高めやすい。
【0047】
また、このアンテナ装置200においても前記アンテナ装置100と同様に、ハウジング27を構成する枠体30とカバー31にそれぞれ、水抜き孔30iおよび水抜き兼用の透孔30kと水抜き孔31dが形成されている。これらの水抜き孔30i,31dや透孔30kは、地表面に対して傾斜しているリアガラス51に取り付けられた電子回路ユニット21の最下部付近に配設されているので、ハウジング27の内部に水滴が侵入しても回路基板26の部品実装面26aや電波反射面26bが水に浸されてしまう虞がない。それゆえ、このアンテナ装置200は、水滴の侵入に起因する誤動作や故障が起こりにくく、長期に亘って高い信頼性が期待できる。
【0048】
また、このアンテナ装置200においても前記アンテナ装置100と同様に、回路基板26を収納保持した枠体30を、予めガラス板(リアガラス)51に固定したベースプレート24にねじ止め固定するという取付構造を採用しているので、回路基板26の点検時や交換時に煩雑な取外し作業や取付作業を行う必要がなくなり、保守管理が容易に行えるようになっている。
【0049】
なお、上記実施形態例では、相互補完的に動作する地上局用アンテナ装置100と衛星用アンテナ装置200とを並設して構成される車載用アンテナユニットについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、いずれか一方のアンテナ装置だけで構成される車載用アンテナ装置であってもよい。また、自動車のリアガラスではなくフロントガラス等に装着して使用される車載用アンテナ装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態例に係る車載用アンテナユニットの装着位置を示す説明図である。
【図2】該車載用アンテナユニットを構成する地上局用アンテナ装置の電子回路ユニットを示す斜視図である。
【図3】図2に示す電子回路ユニットのベースプレートと放射導体との位置関係を示す説明図である。
【図4】図2に示す電子回路ユニットの分解斜視図である。
【図5】図2に示す電子回路ユニットの平面図である。
【図6】図2に示す電子回路ユニットの底面図である。
【図7】図2に示す電子回路ユニットの側面図である。
【図8】図2に示す電子回路ユニットを図7とは異なる方向から見た側面図である。
【図9】該車載用アンテナユニットを構成する衛星用アンテナ装置を示す斜視図である。
【図10】図9に示す電子回路ユニットのベースプレートと放射導体との位置関係を示す説明図である。
【図11】図9に示す電子回路ユニットの分解斜視図である。
【図12】図9に示す電子回路ユニットの平面図である。
【図13】図9に示す電子回路ユニットの底面図である。
【図14】図9に示す電子回路ユニットの側面図である。
【図15】図9に示す電子回路ユニットを図14とは異なる方向から見た側面図である。
【符号の説明】
【0051】
9 DCケ−ブル
21 電子回路ユニット
22 放射導体
23 接地導体
24 ベースプレート
24a 開口部
24b 雌ねじ部
25 フィーダ線
26 回路基板
26a 部品実装面
26b 電波反射面
27 ハウジング
28 同軸ケーブル
30 枠体
30a 外方突出片
30b〜30e 側壁部
30f 嵌め込み部
30g ストッパ部
31 カバー
31a 切欠き部
32 コネクタカバー
33 固定ねじ
34 湿度硬化性樹脂
36,37 コネクタ
51 リアガラス(ガラス板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓ガラスとして車両に配設されたガラス板と、このガラス板の車室側の内表面に形成された放射導体と、開口部を有して前記ガラス板の内表面に固定された板金製のベースプレートと、前記放射導体と対向する一面に導体層が設けられ他面が該放射導体と電気的に接続された部品実装面となっている回路基板と、該回路基板を収納して前記ベースプレートに取り付けられた板金製のハウジングとを備え、
前記ハウジングの前記ガラス板側の端部に、前記開口部に遊嵌状態で挿入される嵌め込み部と、前記開口部近傍の前記ベースプレート上に載置されるストッパ部とを設け、前記ストッパ部を前記ベースプレートに当接させることによって、前記嵌め込み部の前記開口部内への挿入量を該ベースプレートの板厚未満に設定したことを特徴とする車載用アンテナ装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記ハウジングが、前記回路基板を包囲して保持すると共に前記ベースプレートに脱着可能に固定された方形枠状の枠体と、前記回路基板を覆うように前記枠体に冠着せしめたカバーとを備え、前記枠体の四隅に前記ストッパ部を設けたことを特徴とする車載用アンテナ装置。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記枠体の相対向する一対の側壁部の長手方向両端部にそれぞれ、隣接する側壁部に対して突出する前記ストッパ部を設けたことを特徴とする車載用アンテナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−13957(P2006−13957A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−188722(P2004−188722)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【出願人】(000004008)日本板硝子株式会社 (853)
【Fターム(参考)】