車載用ディスクプレーヤ
【課題】 奥行き寸法を大型化することなく誤挿入時のディスクの損傷を防止できる「車載用ディスクプレーヤ」を提供すること。
【解決手段】 クランパ15を回転自在に支持するアームクランプ14にディスク挿入口34aの幅方向中央部でシャーシ1の前面板1c方向へ突出する保護板14cを設け、この保護板14cをディスクDの挿入/排出時はディスク搬送経路の上方へ退避させると共に、ディスクDのプレイ動作時にアームクランプ14の傾斜動作に伴って保護板14cを駆動することにより、該保護板14cがディスク搬送経路を横切ってプレイ中のディスクDの手前側上方に画成されるスペースS内に移動するようにした。
【解決手段】 クランパ15を回転自在に支持するアームクランプ14にディスク挿入口34aの幅方向中央部でシャーシ1の前面板1c方向へ突出する保護板14cを設け、この保護板14cをディスクDの挿入/排出時はディスク搬送経路の上方へ退避させると共に、ディスクDのプレイ動作時にアームクランプ14の傾斜動作に伴って保護板14cを駆動することにより、該保護板14cがディスク搬送経路を横切ってプレイ中のディスクDの手前側上方に画成されるスペースS内に移動するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD(コンパクトディスク)やDVD(デジタルバーサタイルディスク)等のディスクに情報を記録および/または再生する車載用ディスクプレーヤに係り、特に、ドライブユニットをシャーシに対してロック状態とアンロック状態とに切り換え可能な防震対策が講じられた車載用ディスクプレーヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
CDやDVD等のディスクを装填して使用される車載用ディスクプレーヤにあっては、光ピックアップやターンテーブル等を搭載したドライブユニットがシャーシの内部に固定的に支持されていると、プレイ動作時(情報の再生時や記録時)に外部からの振動が光ピックアップやディスクに直接作用して音飛び等の障害を発生させやすくなるため、通常、ドライブユニットをダンパ等の弾性部材を介してシャーシに弾性的に支持し、プレイ中の光ピックアップおよびディスクに外部からの振動や衝撃が直接作用しないように設計されている。すなわち、この種の車載用ディスクプレーヤには、ドライブユニットをシャーシに対してロックまたはアンロック状態に切り換えるロック切換機構が備えられており、ディスクのプレイ動作時にはドライブユニットをシャーシに弾性的に支持するアンロック状態にしておき、ディスクの搬送時(挿入/排出)にはドライブユニットを拘束することでシャーシに対してロック状態にするようにしている。ここで、シャーシの前面に配設されたノーズ部材(前面パネル)にはスリット状のディスク挿入口が形成されており、ユーザはこのディスク挿入口からディスクをシャーシに対して挿入/排出するようになっているため、所望のディスクがシャーシ内に既に挿入されてプレイ状態にあるときに、誤って別のディスクがディスク挿入口からシャーシ内に挿入される虞がある。
【0003】
そこで、このようなディスクの誤挿入(二重挿入)を防止するために、ディスクの挿入を検知する検知手段を利用して別のディスクの挿入を阻止するようにした誤挿入防止機構が従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。図32〜図35は上記特許文献1に開示された従来の誤挿入防止機構を説明するもので、図32は誤挿入防止機構の分解斜視図、図33はディスクの挿入動作を示す平面図、図34はディスクの挿入状態を示す平面図、図35は誤挿入防止機構に備えられる拘束部材の動作説明図である。
【0004】
これらの図に示す従来の誤挿入防止機構は車載用ディスクプレーヤに備えられるものであり、このディスクプレーヤは装置本体を形成するシャーシ100とトップシャーシ101とを備えている。シャーシ100の底面には左右の側板100aが折曲げ形成されており、シャーシ100の前方に取り付けられたノーズ部材(図示せず)にはディスクDを装置本体に対して挿入/排出するディスク挿入口がスリット状に開設されている。トップシャーシ101はシャーシ100の上面に固定されており、このトップシャーシ101の下側にディスク搬送機構を構成するガイドトップ102とローラ103およびローラブラケット104が配設されている。ガイドトップ102は摩擦係数の小さい合成樹脂材料からなり、その中心位置に一対の支持軸102aが設けられると共に、これら支持軸102aを結ぶ直線を介して対向する一対の弾性片102bが設けられている。一方、トップシャーシ101の中心位置には一対の支持穴101aが設けられており、これら支持穴101aに支持軸102aを挿入して弾性片102bの先端をトップシャーシ101の下面に当接することにより、ガイドトップ102はトップシャーシ101の下面に回動可能に支持されて水平姿勢を維持している。
【0005】
図35(A)に示すように、駆動ローラ103はガイドトップ102の下面に対向しており、ディスク挿入口から搬入されたディスクDはガイドトップ102の下面と駆動ローラ103とで挟持される。駆動ローラ103の支軸103aの両端はローラブラケット104の支持片104aに回転自在に支持され、支軸103aの一端には歯車105が固定されている。シャーシ100内に配設されたモータからの動力は図示しない歯車列から歯車105に伝達され、支軸103aと駆動ローラ103が正逆両方向へ一体的に回転駆動される。ローラブラケット104は板金によりコの字状に曲げ形成されており、両支持片104aを結ぶ連結片104cにはディスク挿入口の方向へ向く一対の拘束部材104dが所定間隔を存して突出形成されている。また、ローラブラケット104の両支持片104aに設けられた軸104bはシャーシ100の側板100aに回動自在に支持されており、ローラブラケット104をスプリング106で付勢することにより、常に駆動ローラ103はガイドトップ102の下面に圧接する方向へ付勢されている。
【0006】
図33と図34に示すように、シャーシ100の内部において前記ディスク搬送機構(ガイドトップ102と駆動ローラ103およびローラブラケット104)の奥側にはドライブユニットMが配設されており、このドライブユニットMには、ディスクDの中心部が設置されるターンテーブルTと、これを回転駆動するスピンドルモータ、ディスクDの中心をターンテーブルTにクランプするクランパ(いずれも図示せず)、および光ピックアップH等が設けられている。ドライブユニットMはダンパ等の弾性部材(図示せず)を介してシャーシ100に弾性的に支持されており、ロック切換機構によりシャーシ100に対してロックまたはアンロック状態に切り換えられるようになっている。また、前記ディスク搬送機構よりもディスク挿入口側の位置にはディスクDの挿入検知を行う一対の検知ピン107が配設されており、これら検知ピン107の基部107aはシャーシ100の底面に固定された軸108に回動自在に支持されている。さらに、両検知ピン107はスプリング109によって互いの距離が近づく方向へ復帰付勢されており、復帰付勢された両検知ピン107がシャーシ100の底面に設けられたストッパ110に当接した状態で、両検知ピン107の対向間隔が所定寸法Wになるように設定されている。この対向間隔Wは当該ディスクプレーヤに装填されるディスクD(コンパクトディスクCD)の直径(12cm)よりも十分に短く設定されており、ディスクDが挿入されると、必ず両検知ピン107がディスクDの挿入方向先端の外周縁部を摺動して共に(i)方向へ移動し、両検知ピン107が共に(i)方向へ所定距離移動(回動)したことが図示しないスイッチにより電気的に検知されると、所定のディスクDが挿入されたことが検知される。なお、このディスクプレーヤは直径102cmのディスクDのみの挿入を受け付けるものであり、これよりも小さな径のディスクや他の異物が挿入されたときには、一対の検知ピン107が同時に(i)方向へ所定距離移動することはない。また、駆動ローラ103を駆動するモータは、両検知ピン107が共に(i)方向へ所定距離移動したことが検知されたときにのみ始動されるようになっており、よって、小径のディスクや異物が挿入されたときには、駆動ローラ103が回転しないものとなっている。
【0007】
このように構成された車載用ディスクプレーヤでは、ディスクDが挿入されていない待機状態において、ドライブユニットMはシャーシ100に対してロック状態にあり、図35(A)に示すように、ローラブラケット104は軸104bを支点として反時計方向へ回動し、駆動ローラ103はスプリング106の付勢力によりガイドトップ102の下面方向へ弾圧付勢されている。また、図33と図35(A)中の符号(ii)で示すように、検知ピン107はスプリング109の付勢力によりストッパ110に当接する初期位置に復帰させられており、一対の拘束部材104dは検知ピン107の(i)方向への回動領域から離れている。したがって、かかる待機状態において、ディスクDがディスク挿入口からシャーシ100の内部に挿入されると、ディスクDの挿入方向における先端側の外周縁が両検知ピン107に当接し、ディスクDの挿入力によって両検知ピン107がディスクDの先端側の円弧周縁部を摺動してそれぞれ(i)方向へ移動する。そして、両検知ピン107が共に(i)方向へ所定距離移動したことが図示せぬスイッチによって電気的に検知されると、モータが始動してその動力が歯車列から歯車105に伝達され、支軸103aと駆動ローラ103が一体的に回転する。その結果、ディスクDの挿入方向の先端部がガイドトップ102の下面と駆動ローラ103とで挟持され、駆動ローラ103の回転力によってディスクDがドライブユニットM側へと搬送される。
【0008】
ディスクDがドライブユニットMの方向へ移動して図33の一点鎖線で示す位置に至ると、両検知ピン107はディスクDの周縁部を摺動して図33の(iii)で示す位置まで移動する。その後さらにディスクDがドライブユニットMの方向へ移動すると、両検知ピン107はディスクDの挿入方向後方側の円弧状外周縁を摺動し、スプリング109の付勢力によりストッパ110と当接する初期位置(ii)に復帰する。両検知ピン107が初期位置(ii)に復帰し、さらにディスクDが搬送されてその中心部がドライブユニットMのターンテーブルTにクランプされる直前に、図示しない退避機構によってローラブラケット104が回動させられ、図35(B)に示すように、駆動ローラ103がディスクDの搬送位置から下方へ退避する。かかる退避状態において、ドライブユニットMがロック状態からアンロック状態へ切り換えられると共に、ディスクDがターンテーブルT上にクランプされ、ローラブラケット104に突出形成された拘束部材104dが検知ピン107の(i)方向への回動領域内に入り込む。すなわち、図34に示すように、両拘束部材104dが一対の検知ピン107を外側から挟み込む状態に拘束しているため、ディスクDがドライブユニットM内に設置されたプレイ状態で、新たな別のディスクDをディスク挿入口から挿入して該ディスクDの挿入方向先端が両検知ピン107に当接しても、拘束部材104dで拘束されている検知ピン107は(i)方向へ移動できず、よって別のディスクDを検知ピン107に当接した位置からさらにシャーシ100内へ挿入することはできない。
【0009】
なお、再生等が完了したディスクDを排出するときには、ドライブユニットMがアンロック状態からロック状態へ切り換えられた後、まずターンテーブルTに対するディスクDのクランプが解除され、さらにローラブラケット104が図35(A)に示すように反時計方向へ回動し、クランプが解除されて自由状態となったディスクDがガイドトップ102の下面と駆動ローラ103とで挟持される。そして、モータにより駆動ローラ103が駆動され、ディスクDがディスク挿入口から装置本体の外部へ排出される。この時点では、図35(A)に示すように、拘束部材104dは検知ピン107の回動領域から外れているため、両検知ピン107は排出されるディスクDの外周縁を摺動して一度軌跡(i)に沿って外側に移動し、その後に図33に示す初期位置(ii)に復帰する。
【特許文献1】特開2003−331495号公報(第2−3頁、図5−図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述した従来の車載用ディスクプレーヤでは、所望のディスクDがシャーシ100の内部に挿入されてプレイ状態にあるとき、拘束部材104dが一対の検知ピン107を初期位置に拘束して別のディスクDの挿入を阻止するという誤挿入防止機構を備えているため、簡単な構成でディスクDの二重挿入を防止することができる。しかしながら、かかる誤挿入防止機構は別のディスクDの挿入を完全に阻止するものではなく、拘束部材104dによってディスクDを検知ピン107に当接した位置からさらにシャーシ100内へ挿入できないようにしたものであるため、所望のディスクDのプレイ動作中に別のディスクDをディスク挿入口からシャーシ100内に誤って挿入したときに、誤挿入されたディスクDの挿入方向先端が両検知ピン107の間を通ってシャーシ100の内部に入り込み、シャーシ100の内部でプレイ状態にあるディスクDに当接しやすくなる。特に、プレイ状態のディスクDが高速で回転している場合、誤挿入されたディスクDの先端部が回転中のディスクDに衝突して損傷するという問題があった。
【0011】
なお、従来より、ディスク挿入口が開設されたノーズ部材とシャーシの前面板との間に回動可能なシャッタを配設し、ディスクがシャーシ内に挿入されてプレイ状態にあるときにディスク挿入口をシャッタで閉塞することにより、シャーシ内に別のディスクが挿入されるのを避けるようにした誤挿入防止機構も知られている。かかる既知のディスクの誤挿入防止機構は、ディスクをシャーシ内に装填可能な待機状態にあるときにシャッタを水平方向へ回動してディスク挿入口を開放し、シャーシ内に挿入された所望のディスクがプレイ状態にあるときに、シャッタを起立方向へ回動してディスク挿入口を閉塞するようになっているため、2枚目のディスクの挿入を完全に阻止してディスクの損傷を確実に防止することができる。しかしながら、ノーズ部材とシャーシの前面板との間にシャッタの回動を許容する大きなスペースを確保する必要があるため、ディスクプレーヤの奥行き寸法が大型化したり、シャッタの駆動機構によって構成が複雑になるという別の問題があった。
【0012】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、奥行き寸法を大型化することなく誤挿入時のディスクの損傷を防止できる車載用ディスクプレーヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、ディスク搬送経路に対して出入可能な保護板を設け、この保護板をドライブユニットのロック時にディスク搬送経路から外れた位置へ退避させると共に、ドライブユニットのアンロック時にディスク搬送経路の幅方向中央部で該ディスク搬送経路を遮蔽する位置へ移動させることとした。車載用ディスクプレーヤにこのような保護板を設けると、所望のディスクがシャーシの内部に挿入されてプレイ状態にあるとき、誤って別のディスクをディスク挿入口からシャーシ内に挿入したとしても、該ディスクの先端部は保護板に当接するだけであるため、誤挿入されたディスクが回転中のディスクに衝突して損傷することを防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明による車載用ディスクプレーヤは、ディスク搬送経路に対して出入可能な保護板を設け、この保護板をドライブユニットのロック時にディスク搬送経路から外れた位置へ退避させると共に、ドライブユニットのアンロック時にディスク搬送経路の幅方向中央で該ディスク搬送経路を遮蔽する位置へ移動させるようにしたので、所望のディスクがプレイ状態にあるときに別のディスクを誤挿入したとしても、誤挿入されたディスクの先端部は保護板に当接するだけで回転中のディスクに衝突せず、したがって、メカニズムの奥行き寸法を大型化することなく誤挿入時のディスクの損傷を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、ディスク挿入口に対向する開口が前面に形成されたシャーシと、少なくともターンテーブルおよび光ピックアップを搭載して前記シャーシに弾性的に支持されたドライブユニットと、前記開口と前記ターンテーブルとの間のディスク搬送経路でディスクを搬送するディスク搬送機構と、クランパを回転自在に支持するクランパ支持部材と、前記ターンテーブルと前記クランパとの間にディスクを挟持または挟持解除状態にするように前記クランパ支持部材を前記ドライブユニットに対して接離方向へ相対的に動作させるクランプ機構と、前記ドライブユニットを前記シャーシに対してロックまたはアンロック状態に切り換えるロック切換機構とを備え、前記ターンテーブルと前記クランパとの間にディスクを挟持しているときに、前記ロック切換機構が前記ドライブユニットをアンロック状態にし、それ以外のときは前記ロック切換機構が前記ドライブユニットをロック状態にするようにした車載用ディスクプレーヤにおいて、前記ディスク搬送経路に対して出入可能な保護板を設け、前記ドライブユニットのロック時に前記保護板を前記ディスク搬送経路から外れた位置へ退避させ、前記ドライブユニットのアンロック時に前記保護板を前記ディスク搬送経路の幅方向中央部で該ディスク搬送経路を遮蔽する位置へ移動させるように構成した。
【0016】
このように構成された車載用ディスクプレーヤでは、所望のディスクがシャーシの内部に挿入されてプレイ状態にあるとき、保護板がディスク搬送経路の幅方向中央部を横切って該ディスク搬送経路を遮蔽する位置へ移動しているため、この状態で別のディスクをシャーシ内に誤挿入したとしても、誤挿入されたディスクの先端部が保護板に当接するだけで回転中のディスクに衝突せず、それゆえメカニズムの奥行き寸法を大型化することなく誤挿入時のディスクの損傷を防止できる。
【0017】
上記の構成において、前記保護板を駆動する機構は特に限定されないが、この保護板を前記クランパ支持部材または前記ディスク搬送機構が有するガイド部材に設けると、既存の部材を利用して保護板を駆動できるため好ましい。すなわち、クランパ支持部材にシャーシの前面方向へ突出するように保護板を設け、クランパ支持部材がディスククランプ状態にあるときに保護板がディスク搬送経路を遮蔽する位置となるように構成すると、プレイ状態で保護板がディスク搬送経路を横切って回転中のディスクの上方に移動するため、プレイ中に別のディスクをディスク挿入口からシャーシ内に誤挿入したとしても、このディスクが回転中のディスクに衝突して損傷することをクランパ支持部材の保護板によって確実に防止できる。この場合において、前記ディスク搬送機構が、シャーシの上部側に配設されたガイド部材と、このガイド部材の下面との間でディスクを挟持可能な駆動ローラと、この駆動ローラを回転可能に支持し該駆動ローラがガイド部材の下面に近接する方向へ付勢されたローラブラケットとを備えていれば、このガイド部材の下面に溝部を形成すると共に、ドライブユニットのロック時に保護板が溝部内に収容されるように構成すると、ディスクの搬送動作時に保護板が邪魔にならないため、ディスクをスムーズに挿入/排出することができて好ましい。
【0018】
あるいは、前記ディスク搬送機構が、シャーシの上部側に揺動可能に配設されたガイド部材と、このガイド部材の下面との間でディスクを挟持可能な駆動ローラと、この駆動ローラを回転可能に支持し該駆動ローラがガイド部材の下面に近接する方向へ付勢されたローラブラケットとを備えている場合、ガイド部材にシャーシの前面方向へ突出するように保護板を設け、ドライブユニットのアンロック時にガイド部材の揺動動作に伴って保護板がディスク搬送経路を遮蔽する位置となるように構成すると、プレイ状態で保護板がディスク搬送経路を横切って回転中のディスクの上方に移動するため、このディスクが回転中のディスクに衝突して損傷することをガイド部材の保護板によって確実に防止できる。
【0019】
また、上記の各構成において、前記シャーシの開口から内部に挿入されたディスクの外周縁に当接して互いに反対方向へ移動可能な一対の検知ピンと、これら両検知ピンを初期位置へ復帰させる付勢部材と、両検知ピンの移動を拘束する拘束部材とを備え、ターンテーブルとクランパとの間にディスクが挟持された時に付勢部材によって両検知ピンを初期位置へ復帰させ、ドライブユニットのアンロック時に初期位置に復帰した両検知ピンの移動を拘束部材で拘束して別のディスクの挿入を阻止するように構成することが好ましく、このような誤挿入防止機構と前記保護板とを併用すると、所望のディスクのプレイ中に別のディスクがシャーシ内に引き込まれることを誤挿入防止機構によって防止できると共に、誤挿入されたディスクとプレイ中のディスクとの衝突を保護板によって防止できる。
【0020】
この場合において、前記両検知ピンに、前記ターンテーブルと前記クランパとの間に挟持されたディスクから離れる方向に先窄まりな円錐状のテーパ面を形成し、このテーパ面をシャーシの開口に対向させると、誤挿入されたディスクの挿入方向における先端側の外周縁が検知ピンのテーパ面によってプレイ中のディスクから離れる方向へ案内されるため、誤挿入されたディスクとプレイ中のディスクとの衝突をより確実に防止できる。
【実施例】
【0021】
実施例について図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施例に係る車載用ディスクプレーヤの待機状態を示す斜視図、図2は該ディスクプレーヤのプレイ状態を示す斜視図、図3はディスクの挿入状態を示す該ディスクプレーヤの断面図、図4はプレイ中に別のディスクが誤挿入された状態を示す該ディスクプレーヤの断面図、図5は該ディスクプレーヤからトップシャーシとガイド部材を取り除いて示す斜視図、図6は該ディスクプレーヤからトップシャーシとガイド部材およびローラブラケットを取り除いて示す斜視図、図7は該ディスクプレーヤに備えられるリンク機構の斜視図、図8はイジェクト時における該リンク機構の平面図、図9はプレイ時における該リンク機構の平面図、図10はプレイ時における該ディスクプレーヤの内部構造を示す断面図、図11は該ディスクプレーヤに備えられるアームクランプの斜視図、図12は該ディスクプレーヤに備えられるガイド部材の斜視図、図13は該ディスクプレーヤに備えられるスライド部材のイジェクト位置における説明図、図14は該スライド部材のハーフロック位置における説明図、図15は該スライド部材のプレイ位置における説明図、図16はイジェクト時における該スライド部材の斜視図、図17はハーフロック位置における該スライド部材の斜視図、図18はプレイ時における該スライド部材の斜視図、図19は該ディスクプレーヤに備えられるドライブユニットの平面図、図20は該ドライブユニットの正面図、図21は該ドライブユニットの右側面図、図22は小径ディスクの装着状態を示すディスク位置決め機構の平面図、図23は小径ディスクの装着状態を示す該ディスク位置決め機構の正面図、図24は大径ディスクの装着状態を示す該ディスク位置決め機構の平面図、図25は大径ディスクの装着状態を示す該ディスク位置決め機構の正面図、図26は該ディスクプレーヤに備えられる姿勢変更機構の動作説明図である。
【0022】
本実施例に係る車載用ディスクプレーヤは、直径8cmと直径12cmの大小2種類のディスクDを共に使用できるようになっており、以下、必要に応じて直径8cmの小径ディスクに符号SDを付し、直径12cmの大径ディスクに符号LDを付すことがある。
【0023】
図1〜図6に示すように、この車載用ディスクプレーヤは装置本体を形成するシャーシ1とトップシャーシ2を備えており、これらシャーシ1とトップシャーシ2は金属板を折り曲げ加工したものからなる。シャーシ1の底面から起立する前面板1cにはその上部が切り欠かれた開口1dが形成されており、前面板1cは車内のインストルメントパネル等に露出するノーズ部材(前面パネル)34で覆われるようになっている。このノーズ部材34にはスリット状のディスク挿入口34aが開設されており、ディスクD(SD,LD)はこのディスク挿入口34aからシャーシ1の開口1dを介して装置本体に挿入/排出される。トップシャーシ2はその中央部分が大きく切り欠かれて枠状に形成され、シャーシ1の上面にネジ止め固定されており、このトップシャーシ2の下側にディスク搬送機構を構成するガイド部材3と駆動ローラ4およびローラブラケット5が配設されている。
【0024】
図12に示すように、ガイド部材3は平板部3aと該平板部3aの左右両側に折曲形成された一対の側板部3bとを有し、これら側板部3bには片側で2つ、合計で4つの駆動ピン3cが植設されている。平板部3aの左右両側部分には下面から上面に向かって突出する一対の細長形状の逃げ部3dが形成されており、また、平板部3aの中央部には両逃げ部3dと直交する方向に延びる溝部3eが形成されている。なお、各駆動ピン3cは後述する左右一対のスライド部材に形成されたカム溝にそれぞれ係合しており、これら両スライド部材が前後方向へ同期して移動すると、ガイド部材3がシャーシ1に対して平行な状態を保って昇降動作するようになっている。
【0025】
駆動ローラ4はその直径が中央部から両端に向かって次第に大きくなるテーパ形状に形成されており、図示せぬモータからの動力によって正逆両方向へ回転駆動される。駆動ローラ4はローラブラケット5の後端部に回転可能に支持されており、このローラブラケット5の前端部はシャーシ1の底面に折り曲げ形成した左右の係止板1b(図6参照)に回動自在に支持されている。ローラブラケット5には一対の拘束部材5aが所定間隔を存して一体形成されており、これら拘束部材5aはシャーシ1の前面板1cに向かって突出している。なお、この駆動ローラ4の両端部も後述する両スライド部材のカム溝にそれぞれ係合しており、これら両スライド部材が前後方向へ同期して移動すると、ローラブラケット5が係止板1bとの係合部を支点に回動して駆動ローラ4を昇降動作させるようになっている。これによって開口1dから挿入されたディスクDをガイド部材3の下面と駆動ローラ4とで挟持することができ、その際、駆動ローラ4の大径部分をガイド部材3の両逃げ部3dに対向させることにより、ガイド部材3と駆動ローラ4とでディスクDの中央部分を確実に挟持できるようになっている。
【0026】
図5と図6に示すように、シャーシ1の底面には一対の検知レバー6が回転可能に支持されると共に、これら検知レバー6の下方に回路基板7(図16〜図18参照)が固定されている。各検知レバー6の先端には検知ピン6aが立設されており、これら検知ピン6aの上端はトップシャーシ2に穿設された円弧状のガイド孔2aにそれぞれ挿入されている。各検知レバー6は図示せぬスプリングによって両検知ピン6aが互いに近づく方向へ付勢されており、図示左側の検知レバー6の後端には駆動部6bが形成されている(図6参照)。また、回路基板7上には図示せぬスイッチが実装されており、シャーシ1の開口1d内に挿入されたディスクDの外周縁部が少なくとも一方の検知ピン6aに当接して検知レバー6が外側へ所定角度だけ回転すると、この検知レバー6の回転に伴ってスイッチが動作して前述した駆動ローラ4の駆動用モータを始動させるようになっている。
【0027】
装置本体の内部にはドライブユニット8が配設されており、このドライブユニット8は金属板を折り曲げ加工したドライブシャーシ9を有している。図8と図9に示すように、このドライブシャーシ9は複数個(本実施例では3個)のダンパー10によってシャーシ1の底面上に弾性支持されており、ドライブユニット8が後述するロック状態にあるとき、ドライブシャーシ9はシャーシ1の底面に対して水平な姿勢で固定的に支持されるが、ドライブユニット8がアンロック状態にあるとき、ドライブシャーシ9はその後端部よりも前端部が下がるように傾斜した状態でシャーシ1の底面に弾性支持されるようになっている。すなわち、ドライブシャーシ9と各ダンパー10はそれぞれ連結ピン35を介して連結されているが、各連結ピン35の長さや各ダンパー10の取付高さを適宜調整することにより、ドライブシャーシ9は連結ピン35ごとシャーシ1の底面に対して傾斜状態で弾性支持されている。本実施例の場合、ドライブシャーシ9と3個のダンパー10とがそれぞれ長さを異にする連結ピン35によって連結されており、図10に示すように、前面板1cに最も近い位置に配置されるダンパ(便宜上、符号10Aを付す)の連結ピン35を最も短くすることにより、ドライブシャーシ9を含むドライブユニット8全体は前面板1c側が下方に傾斜した状態でシャーシ1の底面上に弾性支持されている。
【0028】
なお、ドライブシャーシ9と各ダンパー10を全て同じ長さの連結ピン35で連結することも可能であり、この場合は、前面板1cに最も近い位置に配置されるダンパ10Aの取付高さを前面板1cから最も遠い位置に配置されるダンパ(便宜上、符号10Bを付す)の取付高さよりも低く設定すれば、上記と同様に、ドライブシャーシ9を含むドライブユニット8全体を前面板1c側が下方に傾斜した状態でシャーシ1の底面上に弾性支持することができる。あるいは、前面板1c側のダンパ10A自体の高さ寸法をダンパ10B自体の高さ寸法よりも小さくする(異種のダンパを使用する)ことで、ドライブユニット8を傾斜させても良い。上記ダンパ10はゴム製の袋体内にオイルや空気を封入して形成されており、その袋体上面の凹部に連結ピン35下端の膨出部を嵌入することで、ダンパ10と連結ピン35とが連結されている。
【0029】
図19〜図21に示すように、ドライブシャーシ9にはその左右両側にそれぞれロックピン9a,9bが突設され、また右側面にはガイドピン9cが突設され、さらに下面にも図示せぬロックピンが突設されている。ドライブシャーシ9には光ピックアップ11やスピンドルモータ12等が搭載されており、スピンドルモータ12の回転軸にはターンテーブル13が固着されている。また、ドライブシャーシ9上にアームクランプ(クランパ支持部材)14が配設されており、このアームクランプ14はその左右両側面に形成されたガイド溝14a,14aがドライブシャーシ9のロックピン9aとガイドピン9cに係合して上下方向へ平行移動可能に支持されている。また、アームクランプ14の左側面には図示しない突片が一体に折曲形成されていると共に、右側面には前後に一対の駆動ピン14b,14bが突設されている。さらに、アームクランプ14の前端中央部には長方形状の保護板14cが形成されており、この保護板14cはガイド部材3の平板部3aの下面中央に形成された溝部3eの下方を通ってシャーシ1の前面板1cの方向へ突出し、その先端(自由端)は斜め上方へ折り曲げられて屈曲部14dとなっている。このアームクランプ14にはクランパ15が回転自在に支持されており、また、アームクランプ14の駆動ピン14b,14bは駆動アーム16のカム孔16b,16b(図21参照)に係合している。この駆動アーム16はドライブシャーシ9の右端部に前後方向へスライド可能に支持され、スプリング17(図6参照)によってシャーシ1の前面板1cの方向へ弾性付勢されている。なお、駆動アーム16に設けられた係合突起16aは後述する右側のスライド部材の突部に係脱可能に対向している。
【0030】
また、ドライブシャーシ9上には一対の位置決め部材18,19が回転可能に支持されており、これら位置決め部材18,19は直径の異なるディスクSDまたはディスクLDの中心孔をそれぞれターンテーブル13に対して位置合わせする機能を有する。左側の位置決め部材18は、後端に歯部18aを有する合成樹脂製のアームレバー18bと、アームレバー18bの先端に片持ち状に固定された板ばねからなる規制アーム18cとで構成されており、この規制アーム18cの自由端(先端)はアームクランプ14の下面に弾接している。右側の位置決め部材19は、後端に歯部19aを有する金属板製のアームレバー19bと、アームレバー19bの先端に片持ち状に固定された板ばねからなる規制アーム19cとで構成されており、この規制アーム19cの自由端(先端)もアームクランプ14の下面に弾接している。両位置決め部材18,19は互いの歯部18a,19aが噛合することで同期回転するようになっており、図示せぬスプリングによって互いの先端側の距離が近づく方向へ付勢されている。
【0031】
また、ドライブシャーシ9には第1エンド検知レバー36が回転可能に支持されると共に、ロックレバー20が左右方向へ移動可能に支持されている。第1エンド検知レバー36は直径8cmのディスクSDの外周縁に当接可能な当接部36aを有しており、この当接部36aは両アームレバー18b,19bの中央に位置している。位置決め部材18のアームレバー18bと第1エンド検知レバー36は図示せぬピンと長孔を介して連結されており、左側の位置決め部材18が外側へ回転すると、それに連動して第1エンド検知レバー36がドライブシャーシ9の奥側へ回転するようになっている。さらに、当接部36aと反対側の第1エンド検知レバー36の端部に図示せぬ中継部材が連結されており、第1エンド検知レバー36の回転がこの中継部材を介して後述する第2エンド検知レバーに選択的に伝達されるようになっている。ロックレバー20の後端部に形成されたロック部20aは左側の位置決め部材18のアームレバー18bと係脱可能となっており、このロックレバー20は図示せぬスプリングによってドライブシャーシ9の左側方へ付勢されている。ロックレバー20の前端側には前述した左側の検知レバー6の駆動部6bと対向する押圧部20bが設けられており、直径12cmのディスクLDが挿入された時に、駆動部6bが押圧部20bを押圧してロックレバー20を右方へ移動させ、上記ロック部20aによる位置決め部材18の拘束を解除するようになっている。
【0032】
前述した両スライド部材はシャーシ1の左右両側板1aの内側に配設されており、以下、必要に応じて左側のスライド部材を第1スライド部材と称して符号21を付し、右側のスライド部材を第2スライド部材と称して符号22を付すことがある。両スライド部材21,22はいずれも合成樹脂で成形されており、シャーシ1に前後方向へ移動可能に支持されている。
【0033】
図8と図9に示すように、シャーシ1の底面の左奥部には第2エンド検知レバー37が回転可能に支持されると共に、第1スライド部材21の駆動源であるモータ23が設置されている。第2エンド検知レバー37は直径12cmのディスクLDの外周縁に当接可能な当接部37aを有しており、図示せぬスプリングによって時計回り方向へ付勢されている。また、モータ23の動力は歯車列を介して最終段の歯車38に伝達されるようになっており、この歯車38に対向するラック24が左側の第1スライド部材21の底板部上に前後方向へ所定距離だけ移動可能に支持されている。ラック24は図示せぬスプリングによって歯車38から離れる後方へ付勢されているが、第2エンド検知レバー37が反時計方向へ回転し、この第2エンド検知レバー37の当接部37aと反対側の端部によって前方へ押圧されると歯車38に噛合するようになっている。その後モータ23の動力によりラック24が所定距離前方へ移動すると、ラック24の移動力が第1スライド部材21に伝達され、第1スライド部材21の底板部に形成されているラック部21hが歯車38に噛合する。これによってモータ23の動力が歯車38を介して左側の第1スライド部材21に伝達され、この第1スライド部材21の動きがリンク機構25を介して右側の第2スライド部材22に伝達されるようになっている。
【0034】
図7に示すように、このリンク機構25は第1リンクレバー26と第2リンクレバー27とで構成されており、これら第1および第2リンクレバー26,27はそれぞれシャーシ1の底面に回転可能に支持されている。第1リンクレバー26の左端部は第1スライド部材21の後端部に回転可能に連結され、第2リンクレバー27の右端部は第2スライド部材22の後端部に回転可能に連結されており、第1リンクレバー26の右端部に植設されたピン26aは第2リンクレバー27の左端部に穿設されたカム孔27aに挿入されている。したがって、第1スライド部材21の前後進移動に伴って第1リンクレバー26が回転すると、ピン26aがカム孔27a内を移動することにより第2リンクレバー27が回転し、第2スライド部材22を第1スライド部材21と同方向へ前後進させることができる。すなわち、第1スライド部材21はモータ23を駆動源として動作される駆動側であり、第2スライド部材22は第1スライド部材21に同期して動作される従動側である。
【0035】
また、シャーシ1の左側板1aの内側にロックレバー28が回転可能に支持されおり、このロックレバー28は第1スライド部材21の前後進によって回転動作され、それに伴ってドライブシャーシ9の左側に設けられたロックピン9aの係脱動作が行われる。一方、シャーシ1の右側板1aの内側にロックスライド部材29が前後方向に移動可能に支持されると共に、リンクアーム30が回転可能に支持されている。このリンクアーム30は第2スライド部材22の前後進によって回転動作され、それに伴ってロックスライド部材29が第2スライド部材22と逆方向へ移動するようになっている。このロックスライド部材29にはロック孔29aが穿設されており、このロック孔29aによってドライブシャーシ9の右側に設けられたロックピン9bの係脱動作が行われる。さらに、シャーシ1の底面にはロックアーム31aを有するセンターロックレバー31が回転可能に支持されており、このセンターロックレバー31は第1リンクレバー26に連動して回転し、それに伴ってドライブシャーシ9の下面中央部に設けられた図示せぬロックピンの係脱動作が行われる。
【0036】
図13〜図18に示すように、左側の第1スライド部材21の内面には複数のカム溝21a〜21eが形成されると共に、その内底部には第1駆動部21fと第2駆動部21gが一体に形成されている。また、第1スライド部材21の内面にはカム形状の押圧片21jが形成されている。この押圧片21jはアームクランプ14に形成された上記突片に対してその下方へ潜り込ますことができる位置にあり、これによってアームクランプ14を昇降する力を発揮する。一方、前述した回路基板7には第1検出スイッチ32と第2検出スイッチ33が実装されており、第1検出スイッチ32のアクチュエータ部32aは回路基板7の左側面から突出し、第2検出スイッチ33のアクチュエータ部33aは回路基板7の上方へ突出している。第1検出スイッチ32は第1スライド部材21の前進時に第1駆動部21fがアクチュエータ部32aを押圧することによって動作され、第2検出スイッチ33は第1スライド部材21の前進時に第2駆動部21gがアクチュエータ部33aを押圧することによって動作される。右側の第2スライド部材22にも複数のカム溝22a〜22cが形成されており、その上面には突部22dが形成されている。
【0037】
このような第1および第2スライド部材21,22に対して、駆動ローラ4の両端部が両スライド部材21,22のカム溝21a,22aに係合し、ガイド部材3の左右2つずつの駆動ピン3cが両スライド部材21,22のカム溝21b,22bと21c,22cにそれぞれ係合している。また、ドライブシャーシ9の左側のロックピン9aが第1スライド部材21のカム溝21dに係合し、ロックレバー28に植設されたピン28aが第1スライド部材21のカム溝21eに係合している。さらに、駆動アーム16の係合突起16aが第2スライド部材22の突部22dに係脱可能に対向し、カム孔16b,16bにはアームクランプ14の駆動ピン14b,14bが挿入されている。また、リンクアーム30を介して第2スライド部材22と逆方向に移動するロックスライド部材29のロック孔29aにドライブシャーシ9の右側のロックピン9bが係合している。したがって、第1および第2スライド部材21,22が同方向へ前後進すると、それに伴って駆動ローラ4とガイド部材3が昇降動作されると共に、ドライブシャーシ9のロック/アンロックの切り換え動作や、アームクランプ14の昇降動作が行われる。なお、ドライブシャーシ9が複数のダンパー10によってシャーシ1に弾性的に支持されたアンロック状態にあるとき、前述したようにドライブシャーシ9はその手前側(ディスク挿入口34a側)を奥側よりも低くした傾斜姿勢でシャーシ1の底面に弾性支持されているが、ドライブシャーシ9が拘束されてシャーシ1に固定的に支持されたロック状態にあるとき、ドライブシャーシ9はシャーシ1の底面と平行な水平姿勢でシャーシ1に固定される。
【0038】
このように本実施例では、アームクランプ14の駆動ピン14b,14bおよび突片と、第1スライド部材21の押圧片21jと、駆動アーム16とにより、アームクランプ14をドライブシャーシ9に対して接離する昇降方向へ動作させて、クランパ15とターンテーブル13との間でディスクDを挟持/挟持解除するクランプ機構が構成されている。また、ドライブシャーシ9のロックピン9a,9bおよび下面のロックピンと、第1スライド部材21のカム溝21d、ロックレバー28、ロックスライド部材29、リンクアーム30およびセンターロックレバー31により、ドライブユニット8をシャーシ1に対してロック/アンロックするロック切換機構が構成されている。さらに、ドライブシャーシ9と各ダンパ10および連結ピン35により、ドライブシャーシ9をシャーシ1の底面に対して斜めに弾性支持可能な、つまり、ドライブユニット8の姿勢をロック/アンロック時に変更可能な姿勢変更機構が構成されている。
【0039】
次に、上述のごとく構成された車載用ディスクプレーヤの動作を説明する。
【0040】
図1はディスクD(SD,LD)が装置本体内に挿入されていないイジェクト時の状態(待機状態)を示しており、この場合、第1および第2スライド部材21,22はシャーシ1の最も奥側の後退位置にある。図13に示すように、かかる待機状態において、ローラ4の両端部はカム溝21a,22aの手前側の上段位置にあり、ガイド部材3の各駆動ピン3cはカム溝21b,22bとカム溝21c,22cの手前側の中段位置にある。したがって、ガイド部材3はシャーシ1の開口1dに対応する下降位置に保持され、駆動ローラ4はガイド部材3の下面に圧接された上昇位置に保持されている。また、一対の検知レバー6は互いに近接する初期位置に復帰されており、ローラ4を支持するローラブラケット5が上方向へ回動しているため、ローラブラケット5に形成された一対の拘束部材5aは両検知レバー6の回動領域から離れている。また、ドライブシャーシ9の左側のロックピン9aが第1スライド部材21のカム溝21dとロックレバー28によって前後方向から拘束されると共に、右側のロックピン9bがロックスライド部材29のロック孔29aの内縁に係止され、かつ、ドライブシャーシ9の下面の図示せぬロックピンがセンターロックレバー31のロックアーム31aに係止されることにより、ドライブユニット8はシャーシ1の底面および後述するディスクDの搬送経路に対して略平行な水平姿勢で、シャーシ1に対して前後左右および上下方向に固定的に支持されたロック状態となっている。なお、このようにドライブユニット8が水平姿勢にあるときに、手前側のダンパ10Aはその袋体が連結ピン35により若干上方に引き延ばされた状態となっており、逆に奥側のダンパ10Bはその袋体が連結ピン35により下方に押し潰された状態となっている。
【0041】
さらに、駆動アーム16の係合突起16aが第2スライド部材22の突部22dに押圧され、この駆動アーム16も後退位置にあるため、図21に示すように、アームクランプ14の駆動ピン14b,14bが駆動アーム16のカム孔16b,16bに沿って上昇し、かつ、第1スライド部材21の押圧片21jがアームクランプ14の突片の下側に潜り込んでこの突片を上方へ持ち上げているため、アームクランプ14はドライブシャーシ9から離れる上昇位置に保持されており、アームクランプ14の保護板14cはガイド部材3の溝部3e内に収納されている。よって、図20に示すように、クランパ15はターンテーブル13の真上に待機してディスクDの挿入空間を確保している。このとき、両位置決め部材18,19の規制アーム18c,19cはアームレバー18b,19bからクランパ15に接近する方向に延びてアームクランプ14の下面に弾接しており、また、ロックレバー20のロック部20aはアームレバー18bに係止して位置決め部材18の回転を拘束している。
【0042】
このような待機状態において、図3に示すように、ユーザがディスクD(小径のディスクSDまたは大径のディスクLD)をノーズ部材34のディスク挿入口34aからシャーシ1の開口1dを通って装置本体内に挿入し始めると、ディスクDの挿入方向における先端側の外周縁が両検知レバー6の検知ピン6aに当接し、ディスクDの挿入力によって両検知レバー6が外側へ拡がるように回転する。そして、少なくとも一方の検知レバー6が所定角度だけ回転したことを図示せぬスイッチが検知すると、同じく図示せぬモータを始動して駆動ローラ4が回転する。そしてディスクDをさらに押し込むと、ディスクDの挿入方向の先端部がガイド部材3の下面と駆動ローラ4とで挟持され、駆動ローラ4の回転力によってディスクDはディスク挿入口34aの高さ位置で水平に装置本体内へと搬送される。この間、ドライブシャーシ9は水平姿勢を保ってロック状態に維持されており、アームクランプ14はこのドライブシャーシ9の上方の待機位置に保持されているため、ドライブシャーシ9とアームクランプ14との間(ターンテーブル13とクランパ15との間)にディスクDの搬送経路が確保され、アームクランプ14から突出する保護板14cはこの搬送経路から外れた上方に位置している。なお、ディスクDの挿入が上記スイッチで検知された時点で、シャーシ1内の左奥部に設置されたモータ23も回転を始動している。
【0043】
ここで、挿入されたディスクDが直径8cmの小径なディスクSDである場合、両検知レバー6の外側への拡がり角度が小さいため、ディスクSDの搬送中にロックレバー20の押圧部20bは検知レバー6の駆動部6bと当接せず、両位置決め部材18,19は所定の開き角度に拘束されたロック状態となっている。あるいはディスクSDが開口1dの左側から挿入された場合には、一旦、検知レバー6の駆動部6bによりロックレバー20が右方向へスライドするが、ディスクSDが奥方へ移動する途中で検知レバー6が初期状態に復帰するので、ディスクSDの中心孔がターンテーブル13の真上となる位置までディスクSDが搬送された時点では、両位置決め部材18,19はロック状態に戻っている。したがって、ディスクSDがドライブシャーシ9とアームクランプ14の間を通って奥側へ搬送されると、図22と図23に示すように、ディスクSDの搬送方向における先端側の外周縁2箇所が両アームレバー18b,19bの先端に当接し、ディスクSDの中心孔がターンテーブル13に対して正しく位置合わせされる。その際、両位置決め部材18,19の規制アーム18c,19cがそれぞれアームレバー18b,19bの先端から延びてアームクランプ14の下面に弾接しているため、外部から振動や衝撃が加わったとしても、搬送中のディスクSDが両アームレバー18b,19bの上方を通過してしまうことはなく、規制アーム18c,19cにガイドされて両位置決め部材18,19によってディスクSDを確実に位置決めすることができる。
【0044】
また、このようにしてディスクSDがターンテーブル13に対して位置合わせされた時点で、搬送中のディスクSDの先端が当接部36aに接触して第1エンド検知レバー36が反時計方向へ回転するため、図示せぬ中継部材を介して第2エンド検知レバー37も反時計方向へ回転してラック24を歯車38に噛合させる。そしてラック24が第1スライド部材21の底板部上を移動限界位置まで移動すると、ラック24と第1スライド部材21が実質的に一体化されるので、第1スライド部材21が前方へ移動し始め、ラック部21hが歯車38と噛み合う。その結果、モータ23の回転動力が歯車38を介して左側の第1スライド部材21に伝達されると共に、この第1スライド部材21の動きがリンク機構25を介して右側の第2スライド部材22に伝達され、第1および第2スライド部材21,22がシャーシ1の最も奥側の後退位置から前進位置へと移動を開始する。さらに、ディスクSDがターンテーブル13に対して位置合わせされた時点で、両検知レバー6はディスクSDから離れて初期位置に復帰するため、これを前記スイッチで検出して駆動ローラ4の回転を停止させる。あるいは、第2エンド検知レバー37の回転を図示しないスイッチで検出することにより、駆動ローラ4の回転を停止させるようにしても良い。
【0045】
一方、挿入されたディスクDが直径12cmの大径のディスクLDである場合、両検知レバー6の外側への拡がり角度がディスクSDの時に比べて大きくなるため、ディスクLDの搬送中にロックレバー20の押圧部20bが検知レバー6の駆動部6bに押圧されてロックレバー20が右方へ移動し、両位置決め部材18,19はロックレバー20のロック部20aによる拘束が解除された状態となる。したがって、ディスクLDがドライブシャーシ9とアームクランプ14の間を通って奥側へ搬送されると、ディスクLDの搬送方向における先端側の外周縁2箇所が両アームレバー18b,19bの先端に当接した後、両位置決め部材18,19はディスクLDの搬送力によって互いの開き角度が拡がる方向へ回転し、それに伴って両規制アーム18c,19cはアームクランプ14の下面を摺動する。そして、両位置決め部材18,19が図示せぬストッパによって所定の開き角度で停止すると、図24と図25に示すように、ディスクLDの中心孔がターンテーブル13に対して正しく位置合わせされる。この場合も両位置決め部材18,19の規制アーム18c,19cがそれぞれアームレバー18b,19bの先端から延びてアームクランプ14の下面に弾接しているため、外部から振動や衝撃が加わったとしても、ディスクLDの搬送方向先端側が規制アーム18c,19cにガイドされるので、搬送中のディスクLDが両アームレバー18b,19bの上方を通過してしまうことはなく、両位置決め部材18,19によってディスクLDを確実に位置決めすることができる。
【0046】
なお、前述したように第1エンド検知レバー36と位置決め部材18のアームレバー18bとは図示せぬピンと長孔を介して連結されているため、第1エンド検知レバー36は位置決め部材18と連動してその当接部36aがディスクLDから逃げるように回転するが、第1エンド検知レバー36の回転力は中継部材によって遮断されて第2エンド検知レバー37には伝達されない。ただし、ディスクLDがターンテーブル13に対して位置合わせされた時点で、搬送中のディスクLDの外周縁が当接部37aに接触して第2エンド検知レバー37を回転するため、ラック24が第2エンド検知レバー37に押圧されて歯車38と噛合する。その後は前述した小径ディスクSDと同様に、モータ23の回転動力が歯車38を介して左側の第1スライド部材21に伝達され、第1および第2スライド部材21,22がシャーシ1の最も奥側の後退位置から前進位置へと移動を開始する。また、ディスクLDがターンテーブル13に対して位置合わせされた時点で駆動ローラ4の回転を停止させる。
【0047】
このようにしてディスクD(ディスクSDまたはディスクLD)がターンテーブル13に対して位置合わせされた後、モータ23の回転動力が左側の第1スライド部材21に伝達されると、前述したように第1スライド部材21の動きがリンク機構25(第1リンクレバー26と第2リンクレバー27)を介して第2スライド部材22に伝達されるため、左右の両スライド部材21,22は後退位置から前進位置までほとんど位相ずれを生じることなく図8の矢印E方向へ同期して移動する。
【0048】
第1および第2スライド部材21,22が図13の後退位置から図14に示す位置に移動する間に、駆動ローラ4の両端部はカム溝21a,22aの上段位置から下段位置へ移動し、ガイド部材3の各駆動ピン3cはカム溝21b,22bとカム溝21c,22cの中段位置から下段位置を通って傾斜部の中段位置へと移動する。その結果、ガイド部材3は上記下降位置から一旦最下降位置へさらに下降した後に再び上昇して下降位置に戻り、駆動ローラ4は下降位置へ移動してディスクDの下面から離反する。また、ロックピン9aはカム溝21d内を移動するが、ロックレバー28のピン28aがカム溝21eの平行部を移動するため、ロックピン9aはロックレバー28に係止されたままとなる。同様に、第2スライド部材22がリンクアーム30の姿勢を変化させない範囲で移動しているため、ロックスライド部材29は停止したままであり、よって、ロックピン9bもロックスライド部材29のロック孔29aに係止され、また、ドライブシャーシ9の下面の図示せぬロックピンもセンターロックレバー31のロックアーム31aに係止されたままとなるため、ドライブユニット8はシャーシ1に固定的に支持されたロック状態を維持する。
【0049】
一方、第2スライド部材22の突部22dが前進することにより、駆動アーム16の係合突起16aが突部22dに当接したまま、スプリング17の付勢力によって駆動アーム16が所定距離前進する。このため、アームクランプ14の駆動ピン14b,14bが駆動アーム16のカム孔16b,16bに沿って下降する。同時に、第1スライド部材21の前進により、押圧片21jがアームクランプ14の突片から離れる。よって、アームクランプ14がドライブシャーシ9と近接する方向へ下降する。その結果、アームクランプ14に支持されたクランパ15がターンテーブル13に近接し、ディスクDの中心孔の周囲がターンテーブル13とクランパ15との間にチャッキングされる。ディスクDが搬送高さ(ディスク挿入口34aの高さ)からターンテーブル13に載置されるまでの間、ガイド部材3もカム溝21b,21cとカム溝22b,22cのカム形状によりディスクDの上面に接触したままクランパ15と一緒に前記最下降位置まで一旦下降するため、両位置決め部材18,19によって位置合わせされたディスクDをターンテーブル13とクランパ15との間に確実にチャッキングすることができる。また、両位置決め部材18,19の規制アーム18c,19cは、下降するアームクランプ14の下面に弾接したまま自身の弾性によって変形する。
【0050】
以上の説明から明らかなように、第1および第2スライド部材21,22が図14に示す位置まで移動すると、ディスクDをターンテーブル13とクランパ15との間でチャッキング(挟持)しながらドライブユニット8がシャーシ1に固定的にロックされた状態となり、この位置を以下の説明ではハーフロック位置と称することとする。
【0051】
第1および第2スライド部材21,22が図14に示すハーフロック位置から図15に示すようにシャーシ1の最も手前側の前進位置まで移動する間に、駆動ローラ4の両端部はカム溝21a,22aの奥側の下段位置へ移動し、ガイド部材3の各駆動ピン3cはカム溝21b,22bとカム溝21c,22cの傾斜部の中段位置から上段位置へと移動する。その結果、ガイド部材3が下降位置から上昇位置へ移動してディスクDの上面からさらに離反し、駆動ローラ4もディスクDの下面から離反した下降位置に保持されるため、これらガイド部材3と駆動ローラ4との間にディスクDの回転を妨げない広い空間が確保される。また、ロックピン9aがカム溝21dから外れる位置まで相対的に移動し、ピン28aがカム溝21eの平行部から傾斜部へ移動してロックレバー28が回転するため、ロックレバー28によるロックピン9aの係止が解除される。さらに、第2スライド部材22の図14の位置から図15の位置への移動に伴って、リンクアーム30が回転してロックスライド部材29がシャーシ1の奥側へと移動するため、ロックスライド部材29によるロックピン9bの係止が解除され、同時に第1リンクレバー26に連動してセンターロックレバー31が大きく回転する(図9参照)ため、センターロックレバー31によるドライブシャーシ9下面のロックピンの係止も解除される。その結果、ドライブシャーシ9が各ダンパー10によってシャーシ1に弾性的に支持されることになり、ドライブユニット8がロック状態からアンロック状態へと切り換わるため、図10に示すように、ドライブシャーシ9を含むドライブユニット8はその手前側(ディスク挿入口34a側)が下降した傾斜姿勢となる。すなわち、図14に示すハーフロック位置では、図26の2点鎖線で示すように、ディスクDはターンテーブル13とクランパ15との間に水平な姿勢でチャッキングされているが、ドライブユニット8がロック状態からアンロック状態へと切り換わると、同図の実線で示すように、ドライブユニット8と共にディスクDも水平姿勢から傾斜姿勢となる。
【0052】
図2はかかるプレイ状態を示しており、このプレイ状態でスピンドルモータ12が回転駆動されると、ターンテーブル13とディスクDおよびクランパ15が一体的に回転し、光ピックアップ11によってディスクDに対する情報の記録および/または再生動作が行われる。ここで、前述したようにディスクDはドライブユニット8と共に傾斜姿勢となっているため、プレイ中のディスクDは傾斜状態で回転し、図26に示すように、ディスクDの手前側上方に大きなスペースSが画成されることになる。したがって、この状態で別のディスク(便宜上、符号Daを付す)をノーズ部材34のディスク挿入口34aからシャーシ1の開口1dを通って装置本体内に誤挿入したとしても、該ディスクDaの先端部下方にプレイ中のディスクDとの当接を回避する大きなスペースSが確保されているため、誤挿入されたディスクDaが回転中のディスクDに衝突して損傷することを防止できる。
【0053】
また、かかるプレイ状態でアームクランプ14もディスクDやドライブユニット8と共に傾斜姿勢となっているため、図4に示すように、アームクランプ14の前端中央部から前面板1cの方向へ突出する保護板14cは上記スペースS内に移動することになる。このとき、保護板14cの先端はディスク挿入口34aの開口縁下面よりも下方に位置している。したがって、プレイ中にユーザが別のディスクDaをディスク挿入口34aの斜め上方から装置本体内に誤挿入し、このディスクDaの先端部が上記スペースSに入り込んだとしても、該ディスクDaの先端部は保護板14cに当接するだけで回転中のディスクDに衝突せず、誤挿入されたディスクDaが回転中のディスクDに衝突して損傷することを確実に防止できる。しかも、保護板14cの先端(自由端)に斜め上方へ折り曲げられた屈曲部14dが形成されているため、保護板14cが誤挿入されたディスクDaに強く押圧されて下方へ撓んだとしても、屈曲部14dの滑らかな部分が回転中のディスクDの上面(レーベル面)に接触し、回転中のディスクDの損傷も低減することができる。
【0054】
なお、プレイ状態で駆動ローラ4を支持しているローラブラケット5が下方向へ回動しているため、一対の拘束部材5aが両検知レバー6の回動領域内に入り込み、両検知レバー6の回動は拘束部材5aによって阻止されている。すなわち、プレイ中に別のディスクDaを装置本体内に誤挿入したとき、該ディスクDaの挿入方向先端が両検知ピン6aに当接しても、これら検知ピン6aは拘束部材5aに拘束されて外側へ移動できなくなっている。したがって、プレイ中に別のディスクDaを装置本体内に誤挿入したとしても、該ディスクDaはその先端部のみが両検知ピン6aの間を通って装置本体内に入り込むだけで、該ディスクDaを両検知ピン6aに当接した位置からさらに装置本体内に挿入できず、ディスクの二重挿入が防止されている。
【0055】
また、再生等が完了したディスクDを装置本体の外部へ排出する場合は、図示せぬイジェクト釦を操作すると、モータ23が逆方向へ回転を開始して上記と逆の動作が行われ、第1および第2スライド部材21,22は前進位置から後方へ移動して図13に示す後退位置に戻る。
【0056】
以上説明したように、本実施例に係る車載用ディスクプレーヤでは、光ピックアップ11やターンテーブル13等を搭載したドライブユニット8の姿勢をディスクDの搬送経路に対して変更可能な姿勢変更機構を設け、この姿勢変更機構によって、ドライブユニット8のロック時に該ドライブユニット8をディスクDの搬送経路に対して略平行な水平姿勢に保持すると共に、ドライブユニット8のアンロック時に該ドライブユニット8をその手前側が下がるように傾斜する傾斜姿勢とするようにしたので、所望のディスクDがドライブユニット8に設置されてプレイ状態にあるときに別のディスクDaを誤挿入したとしても、このディスクDaの先端部下方にプレイ中のディスクDとの衝突を回避する大きなスペースSを確保することができ、メカニズムの奥行き寸法を大型化することなく誤挿入時のディスクの損傷を防止できる。
【0057】
また、シャーシ1の底面に取り付けられた複数のダンパー10をそれぞれ連結ピン35を介してドライブシャーシ9に連結し、各連結ピン35の長さや各ダンパー10の取付高さを調整することにより、ドライブシャーシ9をシャーシ1の底面に対して、且つディスクDの搬送経路に対して斜めに弾性支持するようにしたので、ドライブユニット8の姿勢をロック/アンロック時に変更可能な姿勢変更機構が部品点数を増加することなく簡単に構成でき、この点からもメカニズムの大型化を防止できる。
【0058】
また、クランパ15を回転自在に支持するアームクランプ(クランパ支持部材)14にディスク挿入口34aの幅方向中央部でシャーシ1の前面板1c方向へ突出する保護板14cを設け、ディスクDのプレイ動作時にこの保護板14cがドライブユニット8の手前側上方に画成されるスペースS内でディスク搬送経路を遮蔽する位置に移動するようにしたので、プレイ中に別のディスクDaを斜めに誤挿入してその先端部がスペースS内に入り込んだとしても、該ディスクDaが回転中のディスクDに衝突して損傷することを保護板14cによって確実に防止できる。しかも、ガイド部材3の平板部3aの中央部に溝部3eを形成し、ドライブユニット8のロック時に前記保護板14cがこの溝部3e内に収容されるようにしたので、保護板14cがディスクDの搬送動作の妨げにならず、ディスクDをスムーズに挿入/排出することができる。
【0059】
また、ドライブユニット8のアンロック時に一対の検知ピン6aの移動を拘束部材5aで拘束して別のディスクDaの挿入を阻止する誤挿入防止機構を備え、このような誤挿入防止機構と前記姿勢変更機構とを併用したので、所望のディスクDのプレイ動作中に別のディスクDaが誤挿入されたとき、該ディスクDaがプレイ中のディスクDに衝突して損傷することを姿勢変更機構によって防止できると共に、該ディスクDaがシャーシ1内に引き込まれて排出不能になるという事故を誤挿入防止機構によって防止できる。
【0060】
図27は本発明の他の実施例に係る車載用ディスクプレーヤの待機状態を示す斜視図、図28は該ディスクプレーヤの待機状態を示す断面図、図29はプレイ中に別のディスクが誤挿入された状態を示す該ディスクプレーヤの断面図、図30は該ディスクプレーヤに備えられるガイド部材の斜視図、図31は該ディスクプレーヤに備えられる検知ピンの斜視図であり、図1〜図25に対応する部分には同一符号を付してある。
【0061】
本実施例に係る車載用ディスクプレーヤが前述した実施例と相違する点は、アームクランプ14の代わりにガイド部材3側に保護板3fを設けたここと、両検知ピン6aをストレート形状にする代わりにテーパ面6cを付けたことにあり、それ以外の構成は基本的に同じである。すなわち、図30に示すように、ガイド部材3の平板部3aの前端中央部には長方形状の保護板3fが一体形成されており、この保護板3fはトップシャーシ2の下方を通ってシャーシ1の前面板1cの方向へ突出している。なお、ガイド部材3の各駆動ピン3cが両スライド部材21,22に形成されたカム溝21b,21cに係合している点は前述した実施例と同じであるが、カム溝21b,21cの形状を工夫することにより、両スライド部材21,22の前後方向への移動に伴ってガイド部材3がシャーシ1に対して昇降動作だけでなく揺動動作するようになっている。また、図31に示すように、両検知ピン6aの途中には上窄まりな円錐状のテーパ面6cを形成してあり、このテーパ面6cをシャーシ1の開口1dと対向させている。
【0062】
このように構成された車載用ディスクプレーヤにおいても、前述した実施例と同様のディスクDの挿入/排出動作やプレイ動作等が行われるが、ドライブユニット8のアンロック時に保護板3fがディスクDの手前側上方に画成されるスペースS(図26参照)内に移動し、別のディスクDaの搬送経路を遮蔽するため、図29に示すように、プレイ中に別のディスクDaをディスク挿入口34aの斜め上方から装置本体内に誤挿入したとき、該ディスクDaの先端部が回転中のディスクDに衝突して損傷することをガイド部材3の保護板3fによって確実に防止できる。この場合、ガイド部材3の各駆動ピン3cは両スライド部材21,22のカム溝21b,21cに係合し、これら両スライド部材21,22はシャーシ1の左右両側板1aの内側に配設されているため、ガイド部材3に設けられた保護板3fはシャーシ1に対して固定的に支持された部材となり、誤挿入されたディスクDaの先端部が回転中のディスクDに衝突することをより確実に防止できる。また、両検知ピン6aの途中に上窄まりなテーパ面6cが形成されているため、プレイ中に別のディスクDaが装置本体内に誤挿入されたとき、該ディスクDaの挿入方向先端側の外周縁が検知ピン6aのテーパ面6cに当接してプレイ中のディスクDから離れる方向(トップシャーシ2の方向)へ案内されるため、誤挿入されたディスクDaの先端部がプレイ中のディスクDに衝突することをより確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施例に係る車載用ディスクプレーヤの待機状態を示す斜視図である。
【図2】該ディスクプレーヤのプレイ状態を示す斜視図である。
【図3】ディスクの挿入状態を示す該ディスクプレーヤの断面図である。
【図4】プレイ中に別のディスクが誤挿入された状態を示す該ディスクプレーヤの断面図である。
【図5】該ディスクプレーヤからトップシャーシとガイド部材を取り除いて示す斜視図である。
【図6】該ディスクプレーヤからトップシャーシとガイド部材およびローラブラケットを取り除いて示す斜視図である。
【図7】該ディスクプレーヤに備えられるリンク機構の斜視図である。
【図8】イジェクト時における該リンク機構の平面図である。
【図9】プレイ時における該リンク機構の平面図である。
【図10】プレイ時における該ディスクプレーヤの内部構造を示す断面図である。
【図11】該ディスクプレーヤに備えられるアームクランプの斜視図である。
【図12】該ディスクプレーヤに備えられるガイド部材の斜視図である。
【図13】該ディスクプレーヤに備えられるスライド部材のイジェクト位置における説明図である。
【図14】該スライド部材のハーフロック位置における説明図である。
【図15】該スライド部材のプレイ位置における説明図である。
【図16】イジェクト時における該スライド部材の斜視図である。
【図17】ハーフロック位置における該スライド部材の斜視図である。
【図18】プレイ時における該スライド部材の斜視図である。
【図19】ディスクプレーヤに備えられるドライブユニットの平面図である。
【図20】該ドライブユニットの正面図である。
【図21】該ドライブユニットの右側面図である。
【図22】小径ディスクの装着状態を示すディスク位置決め機構の平面図である。
【図23】小径ディスクの装着状態を示す該ディスク位置決め機構の正面図である。
【図24】大径ディスクの装着状態を示す該ディスク位置決め機構の平面図である。
【図25】大径ディスクの装着状態を示す該ディスク位置決め機構の正面図である。
【図26】該ディスクプレーヤに備えられる姿勢変更機構の動作説明図である。
【図27】本発明の他の実施例に係る車載用ディスクプレーヤの待機状態を示す斜視図である。
【図28】ディスクプレーヤの待機状態を示す断面図である。
【図29】プレイ中に別のディスクが誤挿入された状態を示す該ディスクプレーヤの断面図である。
【図30】該ディスクプレーヤに備えられるガイド部材の斜視図である。
【図31】該ディスクプレーヤに備えられる検知ピンの斜視図である。
【図32】従来より知られている誤挿入防止機構の分解斜視図である。
【図33】ディスクの挿入動作を示す該誤挿入防止機構の平面図である。
【図34】ディスクの挿入状態を示す該誤挿入防止機構の平面図である。
【図35】誤挿入防止機構に備えられる拘束部材の動作説明図である。
【符号の説明】
【0064】
1 シャーシ1
1c 前面板
1d 開口
2 トップシャーシ
2a ガイド孔
3 ガイド部材
3a 平板部
3b 側板部
3c 駆動ピン
3e 溝部
3f 保護板
4 駆動ローラ
5 ローラブラケット
5a 拘束部材
6 検知レバー
6a 検知ピン
6c テーパ面
8 ドライブユニット
9 ドライブシャーシ
10 ダンパー
11 光ピックアップ
13 ターンテーブル
14 アームクランプ(クランパ支持部材)
14c 保護板
15 クランパ
16 駆動アーム
21,22 スライド部材
21a〜21e カム溝
22a〜22c カム溝
34 ノーズ部材
34a ディスク挿入口
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD(コンパクトディスク)やDVD(デジタルバーサタイルディスク)等のディスクに情報を記録および/または再生する車載用ディスクプレーヤに係り、特に、ドライブユニットをシャーシに対してロック状態とアンロック状態とに切り換え可能な防震対策が講じられた車載用ディスクプレーヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
CDやDVD等のディスクを装填して使用される車載用ディスクプレーヤにあっては、光ピックアップやターンテーブル等を搭載したドライブユニットがシャーシの内部に固定的に支持されていると、プレイ動作時(情報の再生時や記録時)に外部からの振動が光ピックアップやディスクに直接作用して音飛び等の障害を発生させやすくなるため、通常、ドライブユニットをダンパ等の弾性部材を介してシャーシに弾性的に支持し、プレイ中の光ピックアップおよびディスクに外部からの振動や衝撃が直接作用しないように設計されている。すなわち、この種の車載用ディスクプレーヤには、ドライブユニットをシャーシに対してロックまたはアンロック状態に切り換えるロック切換機構が備えられており、ディスクのプレイ動作時にはドライブユニットをシャーシに弾性的に支持するアンロック状態にしておき、ディスクの搬送時(挿入/排出)にはドライブユニットを拘束することでシャーシに対してロック状態にするようにしている。ここで、シャーシの前面に配設されたノーズ部材(前面パネル)にはスリット状のディスク挿入口が形成されており、ユーザはこのディスク挿入口からディスクをシャーシに対して挿入/排出するようになっているため、所望のディスクがシャーシ内に既に挿入されてプレイ状態にあるときに、誤って別のディスクがディスク挿入口からシャーシ内に挿入される虞がある。
【0003】
そこで、このようなディスクの誤挿入(二重挿入)を防止するために、ディスクの挿入を検知する検知手段を利用して別のディスクの挿入を阻止するようにした誤挿入防止機構が従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。図32〜図35は上記特許文献1に開示された従来の誤挿入防止機構を説明するもので、図32は誤挿入防止機構の分解斜視図、図33はディスクの挿入動作を示す平面図、図34はディスクの挿入状態を示す平面図、図35は誤挿入防止機構に備えられる拘束部材の動作説明図である。
【0004】
これらの図に示す従来の誤挿入防止機構は車載用ディスクプレーヤに備えられるものであり、このディスクプレーヤは装置本体を形成するシャーシ100とトップシャーシ101とを備えている。シャーシ100の底面には左右の側板100aが折曲げ形成されており、シャーシ100の前方に取り付けられたノーズ部材(図示せず)にはディスクDを装置本体に対して挿入/排出するディスク挿入口がスリット状に開設されている。トップシャーシ101はシャーシ100の上面に固定されており、このトップシャーシ101の下側にディスク搬送機構を構成するガイドトップ102とローラ103およびローラブラケット104が配設されている。ガイドトップ102は摩擦係数の小さい合成樹脂材料からなり、その中心位置に一対の支持軸102aが設けられると共に、これら支持軸102aを結ぶ直線を介して対向する一対の弾性片102bが設けられている。一方、トップシャーシ101の中心位置には一対の支持穴101aが設けられており、これら支持穴101aに支持軸102aを挿入して弾性片102bの先端をトップシャーシ101の下面に当接することにより、ガイドトップ102はトップシャーシ101の下面に回動可能に支持されて水平姿勢を維持している。
【0005】
図35(A)に示すように、駆動ローラ103はガイドトップ102の下面に対向しており、ディスク挿入口から搬入されたディスクDはガイドトップ102の下面と駆動ローラ103とで挟持される。駆動ローラ103の支軸103aの両端はローラブラケット104の支持片104aに回転自在に支持され、支軸103aの一端には歯車105が固定されている。シャーシ100内に配設されたモータからの動力は図示しない歯車列から歯車105に伝達され、支軸103aと駆動ローラ103が正逆両方向へ一体的に回転駆動される。ローラブラケット104は板金によりコの字状に曲げ形成されており、両支持片104aを結ぶ連結片104cにはディスク挿入口の方向へ向く一対の拘束部材104dが所定間隔を存して突出形成されている。また、ローラブラケット104の両支持片104aに設けられた軸104bはシャーシ100の側板100aに回動自在に支持されており、ローラブラケット104をスプリング106で付勢することにより、常に駆動ローラ103はガイドトップ102の下面に圧接する方向へ付勢されている。
【0006】
図33と図34に示すように、シャーシ100の内部において前記ディスク搬送機構(ガイドトップ102と駆動ローラ103およびローラブラケット104)の奥側にはドライブユニットMが配設されており、このドライブユニットMには、ディスクDの中心部が設置されるターンテーブルTと、これを回転駆動するスピンドルモータ、ディスクDの中心をターンテーブルTにクランプするクランパ(いずれも図示せず)、および光ピックアップH等が設けられている。ドライブユニットMはダンパ等の弾性部材(図示せず)を介してシャーシ100に弾性的に支持されており、ロック切換機構によりシャーシ100に対してロックまたはアンロック状態に切り換えられるようになっている。また、前記ディスク搬送機構よりもディスク挿入口側の位置にはディスクDの挿入検知を行う一対の検知ピン107が配設されており、これら検知ピン107の基部107aはシャーシ100の底面に固定された軸108に回動自在に支持されている。さらに、両検知ピン107はスプリング109によって互いの距離が近づく方向へ復帰付勢されており、復帰付勢された両検知ピン107がシャーシ100の底面に設けられたストッパ110に当接した状態で、両検知ピン107の対向間隔が所定寸法Wになるように設定されている。この対向間隔Wは当該ディスクプレーヤに装填されるディスクD(コンパクトディスクCD)の直径(12cm)よりも十分に短く設定されており、ディスクDが挿入されると、必ず両検知ピン107がディスクDの挿入方向先端の外周縁部を摺動して共に(i)方向へ移動し、両検知ピン107が共に(i)方向へ所定距離移動(回動)したことが図示しないスイッチにより電気的に検知されると、所定のディスクDが挿入されたことが検知される。なお、このディスクプレーヤは直径102cmのディスクDのみの挿入を受け付けるものであり、これよりも小さな径のディスクや他の異物が挿入されたときには、一対の検知ピン107が同時に(i)方向へ所定距離移動することはない。また、駆動ローラ103を駆動するモータは、両検知ピン107が共に(i)方向へ所定距離移動したことが検知されたときにのみ始動されるようになっており、よって、小径のディスクや異物が挿入されたときには、駆動ローラ103が回転しないものとなっている。
【0007】
このように構成された車載用ディスクプレーヤでは、ディスクDが挿入されていない待機状態において、ドライブユニットMはシャーシ100に対してロック状態にあり、図35(A)に示すように、ローラブラケット104は軸104bを支点として反時計方向へ回動し、駆動ローラ103はスプリング106の付勢力によりガイドトップ102の下面方向へ弾圧付勢されている。また、図33と図35(A)中の符号(ii)で示すように、検知ピン107はスプリング109の付勢力によりストッパ110に当接する初期位置に復帰させられており、一対の拘束部材104dは検知ピン107の(i)方向への回動領域から離れている。したがって、かかる待機状態において、ディスクDがディスク挿入口からシャーシ100の内部に挿入されると、ディスクDの挿入方向における先端側の外周縁が両検知ピン107に当接し、ディスクDの挿入力によって両検知ピン107がディスクDの先端側の円弧周縁部を摺動してそれぞれ(i)方向へ移動する。そして、両検知ピン107が共に(i)方向へ所定距離移動したことが図示せぬスイッチによって電気的に検知されると、モータが始動してその動力が歯車列から歯車105に伝達され、支軸103aと駆動ローラ103が一体的に回転する。その結果、ディスクDの挿入方向の先端部がガイドトップ102の下面と駆動ローラ103とで挟持され、駆動ローラ103の回転力によってディスクDがドライブユニットM側へと搬送される。
【0008】
ディスクDがドライブユニットMの方向へ移動して図33の一点鎖線で示す位置に至ると、両検知ピン107はディスクDの周縁部を摺動して図33の(iii)で示す位置まで移動する。その後さらにディスクDがドライブユニットMの方向へ移動すると、両検知ピン107はディスクDの挿入方向後方側の円弧状外周縁を摺動し、スプリング109の付勢力によりストッパ110と当接する初期位置(ii)に復帰する。両検知ピン107が初期位置(ii)に復帰し、さらにディスクDが搬送されてその中心部がドライブユニットMのターンテーブルTにクランプされる直前に、図示しない退避機構によってローラブラケット104が回動させられ、図35(B)に示すように、駆動ローラ103がディスクDの搬送位置から下方へ退避する。かかる退避状態において、ドライブユニットMがロック状態からアンロック状態へ切り換えられると共に、ディスクDがターンテーブルT上にクランプされ、ローラブラケット104に突出形成された拘束部材104dが検知ピン107の(i)方向への回動領域内に入り込む。すなわち、図34に示すように、両拘束部材104dが一対の検知ピン107を外側から挟み込む状態に拘束しているため、ディスクDがドライブユニットM内に設置されたプレイ状態で、新たな別のディスクDをディスク挿入口から挿入して該ディスクDの挿入方向先端が両検知ピン107に当接しても、拘束部材104dで拘束されている検知ピン107は(i)方向へ移動できず、よって別のディスクDを検知ピン107に当接した位置からさらにシャーシ100内へ挿入することはできない。
【0009】
なお、再生等が完了したディスクDを排出するときには、ドライブユニットMがアンロック状態からロック状態へ切り換えられた後、まずターンテーブルTに対するディスクDのクランプが解除され、さらにローラブラケット104が図35(A)に示すように反時計方向へ回動し、クランプが解除されて自由状態となったディスクDがガイドトップ102の下面と駆動ローラ103とで挟持される。そして、モータにより駆動ローラ103が駆動され、ディスクDがディスク挿入口から装置本体の外部へ排出される。この時点では、図35(A)に示すように、拘束部材104dは検知ピン107の回動領域から外れているため、両検知ピン107は排出されるディスクDの外周縁を摺動して一度軌跡(i)に沿って外側に移動し、その後に図33に示す初期位置(ii)に復帰する。
【特許文献1】特開2003−331495号公報(第2−3頁、図5−図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述した従来の車載用ディスクプレーヤでは、所望のディスクDがシャーシ100の内部に挿入されてプレイ状態にあるとき、拘束部材104dが一対の検知ピン107を初期位置に拘束して別のディスクDの挿入を阻止するという誤挿入防止機構を備えているため、簡単な構成でディスクDの二重挿入を防止することができる。しかしながら、かかる誤挿入防止機構は別のディスクDの挿入を完全に阻止するものではなく、拘束部材104dによってディスクDを検知ピン107に当接した位置からさらにシャーシ100内へ挿入できないようにしたものであるため、所望のディスクDのプレイ動作中に別のディスクDをディスク挿入口からシャーシ100内に誤って挿入したときに、誤挿入されたディスクDの挿入方向先端が両検知ピン107の間を通ってシャーシ100の内部に入り込み、シャーシ100の内部でプレイ状態にあるディスクDに当接しやすくなる。特に、プレイ状態のディスクDが高速で回転している場合、誤挿入されたディスクDの先端部が回転中のディスクDに衝突して損傷するという問題があった。
【0011】
なお、従来より、ディスク挿入口が開設されたノーズ部材とシャーシの前面板との間に回動可能なシャッタを配設し、ディスクがシャーシ内に挿入されてプレイ状態にあるときにディスク挿入口をシャッタで閉塞することにより、シャーシ内に別のディスクが挿入されるのを避けるようにした誤挿入防止機構も知られている。かかる既知のディスクの誤挿入防止機構は、ディスクをシャーシ内に装填可能な待機状態にあるときにシャッタを水平方向へ回動してディスク挿入口を開放し、シャーシ内に挿入された所望のディスクがプレイ状態にあるときに、シャッタを起立方向へ回動してディスク挿入口を閉塞するようになっているため、2枚目のディスクの挿入を完全に阻止してディスクの損傷を確実に防止することができる。しかしながら、ノーズ部材とシャーシの前面板との間にシャッタの回動を許容する大きなスペースを確保する必要があるため、ディスクプレーヤの奥行き寸法が大型化したり、シャッタの駆動機構によって構成が複雑になるという別の問題があった。
【0012】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、奥行き寸法を大型化することなく誤挿入時のディスクの損傷を防止できる車載用ディスクプレーヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、ディスク搬送経路に対して出入可能な保護板を設け、この保護板をドライブユニットのロック時にディスク搬送経路から外れた位置へ退避させると共に、ドライブユニットのアンロック時にディスク搬送経路の幅方向中央部で該ディスク搬送経路を遮蔽する位置へ移動させることとした。車載用ディスクプレーヤにこのような保護板を設けると、所望のディスクがシャーシの内部に挿入されてプレイ状態にあるとき、誤って別のディスクをディスク挿入口からシャーシ内に挿入したとしても、該ディスクの先端部は保護板に当接するだけであるため、誤挿入されたディスクが回転中のディスクに衝突して損傷することを防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明による車載用ディスクプレーヤは、ディスク搬送経路に対して出入可能な保護板を設け、この保護板をドライブユニットのロック時にディスク搬送経路から外れた位置へ退避させると共に、ドライブユニットのアンロック時にディスク搬送経路の幅方向中央で該ディスク搬送経路を遮蔽する位置へ移動させるようにしたので、所望のディスクがプレイ状態にあるときに別のディスクを誤挿入したとしても、誤挿入されたディスクの先端部は保護板に当接するだけで回転中のディスクに衝突せず、したがって、メカニズムの奥行き寸法を大型化することなく誤挿入時のディスクの損傷を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、ディスク挿入口に対向する開口が前面に形成されたシャーシと、少なくともターンテーブルおよび光ピックアップを搭載して前記シャーシに弾性的に支持されたドライブユニットと、前記開口と前記ターンテーブルとの間のディスク搬送経路でディスクを搬送するディスク搬送機構と、クランパを回転自在に支持するクランパ支持部材と、前記ターンテーブルと前記クランパとの間にディスクを挟持または挟持解除状態にするように前記クランパ支持部材を前記ドライブユニットに対して接離方向へ相対的に動作させるクランプ機構と、前記ドライブユニットを前記シャーシに対してロックまたはアンロック状態に切り換えるロック切換機構とを備え、前記ターンテーブルと前記クランパとの間にディスクを挟持しているときに、前記ロック切換機構が前記ドライブユニットをアンロック状態にし、それ以外のときは前記ロック切換機構が前記ドライブユニットをロック状態にするようにした車載用ディスクプレーヤにおいて、前記ディスク搬送経路に対して出入可能な保護板を設け、前記ドライブユニットのロック時に前記保護板を前記ディスク搬送経路から外れた位置へ退避させ、前記ドライブユニットのアンロック時に前記保護板を前記ディスク搬送経路の幅方向中央部で該ディスク搬送経路を遮蔽する位置へ移動させるように構成した。
【0016】
このように構成された車載用ディスクプレーヤでは、所望のディスクがシャーシの内部に挿入されてプレイ状態にあるとき、保護板がディスク搬送経路の幅方向中央部を横切って該ディスク搬送経路を遮蔽する位置へ移動しているため、この状態で別のディスクをシャーシ内に誤挿入したとしても、誤挿入されたディスクの先端部が保護板に当接するだけで回転中のディスクに衝突せず、それゆえメカニズムの奥行き寸法を大型化することなく誤挿入時のディスクの損傷を防止できる。
【0017】
上記の構成において、前記保護板を駆動する機構は特に限定されないが、この保護板を前記クランパ支持部材または前記ディスク搬送機構が有するガイド部材に設けると、既存の部材を利用して保護板を駆動できるため好ましい。すなわち、クランパ支持部材にシャーシの前面方向へ突出するように保護板を設け、クランパ支持部材がディスククランプ状態にあるときに保護板がディスク搬送経路を遮蔽する位置となるように構成すると、プレイ状態で保護板がディスク搬送経路を横切って回転中のディスクの上方に移動するため、プレイ中に別のディスクをディスク挿入口からシャーシ内に誤挿入したとしても、このディスクが回転中のディスクに衝突して損傷することをクランパ支持部材の保護板によって確実に防止できる。この場合において、前記ディスク搬送機構が、シャーシの上部側に配設されたガイド部材と、このガイド部材の下面との間でディスクを挟持可能な駆動ローラと、この駆動ローラを回転可能に支持し該駆動ローラがガイド部材の下面に近接する方向へ付勢されたローラブラケットとを備えていれば、このガイド部材の下面に溝部を形成すると共に、ドライブユニットのロック時に保護板が溝部内に収容されるように構成すると、ディスクの搬送動作時に保護板が邪魔にならないため、ディスクをスムーズに挿入/排出することができて好ましい。
【0018】
あるいは、前記ディスク搬送機構が、シャーシの上部側に揺動可能に配設されたガイド部材と、このガイド部材の下面との間でディスクを挟持可能な駆動ローラと、この駆動ローラを回転可能に支持し該駆動ローラがガイド部材の下面に近接する方向へ付勢されたローラブラケットとを備えている場合、ガイド部材にシャーシの前面方向へ突出するように保護板を設け、ドライブユニットのアンロック時にガイド部材の揺動動作に伴って保護板がディスク搬送経路を遮蔽する位置となるように構成すると、プレイ状態で保護板がディスク搬送経路を横切って回転中のディスクの上方に移動するため、このディスクが回転中のディスクに衝突して損傷することをガイド部材の保護板によって確実に防止できる。
【0019】
また、上記の各構成において、前記シャーシの開口から内部に挿入されたディスクの外周縁に当接して互いに反対方向へ移動可能な一対の検知ピンと、これら両検知ピンを初期位置へ復帰させる付勢部材と、両検知ピンの移動を拘束する拘束部材とを備え、ターンテーブルとクランパとの間にディスクが挟持された時に付勢部材によって両検知ピンを初期位置へ復帰させ、ドライブユニットのアンロック時に初期位置に復帰した両検知ピンの移動を拘束部材で拘束して別のディスクの挿入を阻止するように構成することが好ましく、このような誤挿入防止機構と前記保護板とを併用すると、所望のディスクのプレイ中に別のディスクがシャーシ内に引き込まれることを誤挿入防止機構によって防止できると共に、誤挿入されたディスクとプレイ中のディスクとの衝突を保護板によって防止できる。
【0020】
この場合において、前記両検知ピンに、前記ターンテーブルと前記クランパとの間に挟持されたディスクから離れる方向に先窄まりな円錐状のテーパ面を形成し、このテーパ面をシャーシの開口に対向させると、誤挿入されたディスクの挿入方向における先端側の外周縁が検知ピンのテーパ面によってプレイ中のディスクから離れる方向へ案内されるため、誤挿入されたディスクとプレイ中のディスクとの衝突をより確実に防止できる。
【実施例】
【0021】
実施例について図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施例に係る車載用ディスクプレーヤの待機状態を示す斜視図、図2は該ディスクプレーヤのプレイ状態を示す斜視図、図3はディスクの挿入状態を示す該ディスクプレーヤの断面図、図4はプレイ中に別のディスクが誤挿入された状態を示す該ディスクプレーヤの断面図、図5は該ディスクプレーヤからトップシャーシとガイド部材を取り除いて示す斜視図、図6は該ディスクプレーヤからトップシャーシとガイド部材およびローラブラケットを取り除いて示す斜視図、図7は該ディスクプレーヤに備えられるリンク機構の斜視図、図8はイジェクト時における該リンク機構の平面図、図9はプレイ時における該リンク機構の平面図、図10はプレイ時における該ディスクプレーヤの内部構造を示す断面図、図11は該ディスクプレーヤに備えられるアームクランプの斜視図、図12は該ディスクプレーヤに備えられるガイド部材の斜視図、図13は該ディスクプレーヤに備えられるスライド部材のイジェクト位置における説明図、図14は該スライド部材のハーフロック位置における説明図、図15は該スライド部材のプレイ位置における説明図、図16はイジェクト時における該スライド部材の斜視図、図17はハーフロック位置における該スライド部材の斜視図、図18はプレイ時における該スライド部材の斜視図、図19は該ディスクプレーヤに備えられるドライブユニットの平面図、図20は該ドライブユニットの正面図、図21は該ドライブユニットの右側面図、図22は小径ディスクの装着状態を示すディスク位置決め機構の平面図、図23は小径ディスクの装着状態を示す該ディスク位置決め機構の正面図、図24は大径ディスクの装着状態を示す該ディスク位置決め機構の平面図、図25は大径ディスクの装着状態を示す該ディスク位置決め機構の正面図、図26は該ディスクプレーヤに備えられる姿勢変更機構の動作説明図である。
【0022】
本実施例に係る車載用ディスクプレーヤは、直径8cmと直径12cmの大小2種類のディスクDを共に使用できるようになっており、以下、必要に応じて直径8cmの小径ディスクに符号SDを付し、直径12cmの大径ディスクに符号LDを付すことがある。
【0023】
図1〜図6に示すように、この車載用ディスクプレーヤは装置本体を形成するシャーシ1とトップシャーシ2を備えており、これらシャーシ1とトップシャーシ2は金属板を折り曲げ加工したものからなる。シャーシ1の底面から起立する前面板1cにはその上部が切り欠かれた開口1dが形成されており、前面板1cは車内のインストルメントパネル等に露出するノーズ部材(前面パネル)34で覆われるようになっている。このノーズ部材34にはスリット状のディスク挿入口34aが開設されており、ディスクD(SD,LD)はこのディスク挿入口34aからシャーシ1の開口1dを介して装置本体に挿入/排出される。トップシャーシ2はその中央部分が大きく切り欠かれて枠状に形成され、シャーシ1の上面にネジ止め固定されており、このトップシャーシ2の下側にディスク搬送機構を構成するガイド部材3と駆動ローラ4およびローラブラケット5が配設されている。
【0024】
図12に示すように、ガイド部材3は平板部3aと該平板部3aの左右両側に折曲形成された一対の側板部3bとを有し、これら側板部3bには片側で2つ、合計で4つの駆動ピン3cが植設されている。平板部3aの左右両側部分には下面から上面に向かって突出する一対の細長形状の逃げ部3dが形成されており、また、平板部3aの中央部には両逃げ部3dと直交する方向に延びる溝部3eが形成されている。なお、各駆動ピン3cは後述する左右一対のスライド部材に形成されたカム溝にそれぞれ係合しており、これら両スライド部材が前後方向へ同期して移動すると、ガイド部材3がシャーシ1に対して平行な状態を保って昇降動作するようになっている。
【0025】
駆動ローラ4はその直径が中央部から両端に向かって次第に大きくなるテーパ形状に形成されており、図示せぬモータからの動力によって正逆両方向へ回転駆動される。駆動ローラ4はローラブラケット5の後端部に回転可能に支持されており、このローラブラケット5の前端部はシャーシ1の底面に折り曲げ形成した左右の係止板1b(図6参照)に回動自在に支持されている。ローラブラケット5には一対の拘束部材5aが所定間隔を存して一体形成されており、これら拘束部材5aはシャーシ1の前面板1cに向かって突出している。なお、この駆動ローラ4の両端部も後述する両スライド部材のカム溝にそれぞれ係合しており、これら両スライド部材が前後方向へ同期して移動すると、ローラブラケット5が係止板1bとの係合部を支点に回動して駆動ローラ4を昇降動作させるようになっている。これによって開口1dから挿入されたディスクDをガイド部材3の下面と駆動ローラ4とで挟持することができ、その際、駆動ローラ4の大径部分をガイド部材3の両逃げ部3dに対向させることにより、ガイド部材3と駆動ローラ4とでディスクDの中央部分を確実に挟持できるようになっている。
【0026】
図5と図6に示すように、シャーシ1の底面には一対の検知レバー6が回転可能に支持されると共に、これら検知レバー6の下方に回路基板7(図16〜図18参照)が固定されている。各検知レバー6の先端には検知ピン6aが立設されており、これら検知ピン6aの上端はトップシャーシ2に穿設された円弧状のガイド孔2aにそれぞれ挿入されている。各検知レバー6は図示せぬスプリングによって両検知ピン6aが互いに近づく方向へ付勢されており、図示左側の検知レバー6の後端には駆動部6bが形成されている(図6参照)。また、回路基板7上には図示せぬスイッチが実装されており、シャーシ1の開口1d内に挿入されたディスクDの外周縁部が少なくとも一方の検知ピン6aに当接して検知レバー6が外側へ所定角度だけ回転すると、この検知レバー6の回転に伴ってスイッチが動作して前述した駆動ローラ4の駆動用モータを始動させるようになっている。
【0027】
装置本体の内部にはドライブユニット8が配設されており、このドライブユニット8は金属板を折り曲げ加工したドライブシャーシ9を有している。図8と図9に示すように、このドライブシャーシ9は複数個(本実施例では3個)のダンパー10によってシャーシ1の底面上に弾性支持されており、ドライブユニット8が後述するロック状態にあるとき、ドライブシャーシ9はシャーシ1の底面に対して水平な姿勢で固定的に支持されるが、ドライブユニット8がアンロック状態にあるとき、ドライブシャーシ9はその後端部よりも前端部が下がるように傾斜した状態でシャーシ1の底面に弾性支持されるようになっている。すなわち、ドライブシャーシ9と各ダンパー10はそれぞれ連結ピン35を介して連結されているが、各連結ピン35の長さや各ダンパー10の取付高さを適宜調整することにより、ドライブシャーシ9は連結ピン35ごとシャーシ1の底面に対して傾斜状態で弾性支持されている。本実施例の場合、ドライブシャーシ9と3個のダンパー10とがそれぞれ長さを異にする連結ピン35によって連結されており、図10に示すように、前面板1cに最も近い位置に配置されるダンパ(便宜上、符号10Aを付す)の連結ピン35を最も短くすることにより、ドライブシャーシ9を含むドライブユニット8全体は前面板1c側が下方に傾斜した状態でシャーシ1の底面上に弾性支持されている。
【0028】
なお、ドライブシャーシ9と各ダンパー10を全て同じ長さの連結ピン35で連結することも可能であり、この場合は、前面板1cに最も近い位置に配置されるダンパ10Aの取付高さを前面板1cから最も遠い位置に配置されるダンパ(便宜上、符号10Bを付す)の取付高さよりも低く設定すれば、上記と同様に、ドライブシャーシ9を含むドライブユニット8全体を前面板1c側が下方に傾斜した状態でシャーシ1の底面上に弾性支持することができる。あるいは、前面板1c側のダンパ10A自体の高さ寸法をダンパ10B自体の高さ寸法よりも小さくする(異種のダンパを使用する)ことで、ドライブユニット8を傾斜させても良い。上記ダンパ10はゴム製の袋体内にオイルや空気を封入して形成されており、その袋体上面の凹部に連結ピン35下端の膨出部を嵌入することで、ダンパ10と連結ピン35とが連結されている。
【0029】
図19〜図21に示すように、ドライブシャーシ9にはその左右両側にそれぞれロックピン9a,9bが突設され、また右側面にはガイドピン9cが突設され、さらに下面にも図示せぬロックピンが突設されている。ドライブシャーシ9には光ピックアップ11やスピンドルモータ12等が搭載されており、スピンドルモータ12の回転軸にはターンテーブル13が固着されている。また、ドライブシャーシ9上にアームクランプ(クランパ支持部材)14が配設されており、このアームクランプ14はその左右両側面に形成されたガイド溝14a,14aがドライブシャーシ9のロックピン9aとガイドピン9cに係合して上下方向へ平行移動可能に支持されている。また、アームクランプ14の左側面には図示しない突片が一体に折曲形成されていると共に、右側面には前後に一対の駆動ピン14b,14bが突設されている。さらに、アームクランプ14の前端中央部には長方形状の保護板14cが形成されており、この保護板14cはガイド部材3の平板部3aの下面中央に形成された溝部3eの下方を通ってシャーシ1の前面板1cの方向へ突出し、その先端(自由端)は斜め上方へ折り曲げられて屈曲部14dとなっている。このアームクランプ14にはクランパ15が回転自在に支持されており、また、アームクランプ14の駆動ピン14b,14bは駆動アーム16のカム孔16b,16b(図21参照)に係合している。この駆動アーム16はドライブシャーシ9の右端部に前後方向へスライド可能に支持され、スプリング17(図6参照)によってシャーシ1の前面板1cの方向へ弾性付勢されている。なお、駆動アーム16に設けられた係合突起16aは後述する右側のスライド部材の突部に係脱可能に対向している。
【0030】
また、ドライブシャーシ9上には一対の位置決め部材18,19が回転可能に支持されており、これら位置決め部材18,19は直径の異なるディスクSDまたはディスクLDの中心孔をそれぞれターンテーブル13に対して位置合わせする機能を有する。左側の位置決め部材18は、後端に歯部18aを有する合成樹脂製のアームレバー18bと、アームレバー18bの先端に片持ち状に固定された板ばねからなる規制アーム18cとで構成されており、この規制アーム18cの自由端(先端)はアームクランプ14の下面に弾接している。右側の位置決め部材19は、後端に歯部19aを有する金属板製のアームレバー19bと、アームレバー19bの先端に片持ち状に固定された板ばねからなる規制アーム19cとで構成されており、この規制アーム19cの自由端(先端)もアームクランプ14の下面に弾接している。両位置決め部材18,19は互いの歯部18a,19aが噛合することで同期回転するようになっており、図示せぬスプリングによって互いの先端側の距離が近づく方向へ付勢されている。
【0031】
また、ドライブシャーシ9には第1エンド検知レバー36が回転可能に支持されると共に、ロックレバー20が左右方向へ移動可能に支持されている。第1エンド検知レバー36は直径8cmのディスクSDの外周縁に当接可能な当接部36aを有しており、この当接部36aは両アームレバー18b,19bの中央に位置している。位置決め部材18のアームレバー18bと第1エンド検知レバー36は図示せぬピンと長孔を介して連結されており、左側の位置決め部材18が外側へ回転すると、それに連動して第1エンド検知レバー36がドライブシャーシ9の奥側へ回転するようになっている。さらに、当接部36aと反対側の第1エンド検知レバー36の端部に図示せぬ中継部材が連結されており、第1エンド検知レバー36の回転がこの中継部材を介して後述する第2エンド検知レバーに選択的に伝達されるようになっている。ロックレバー20の後端部に形成されたロック部20aは左側の位置決め部材18のアームレバー18bと係脱可能となっており、このロックレバー20は図示せぬスプリングによってドライブシャーシ9の左側方へ付勢されている。ロックレバー20の前端側には前述した左側の検知レバー6の駆動部6bと対向する押圧部20bが設けられており、直径12cmのディスクLDが挿入された時に、駆動部6bが押圧部20bを押圧してロックレバー20を右方へ移動させ、上記ロック部20aによる位置決め部材18の拘束を解除するようになっている。
【0032】
前述した両スライド部材はシャーシ1の左右両側板1aの内側に配設されており、以下、必要に応じて左側のスライド部材を第1スライド部材と称して符号21を付し、右側のスライド部材を第2スライド部材と称して符号22を付すことがある。両スライド部材21,22はいずれも合成樹脂で成形されており、シャーシ1に前後方向へ移動可能に支持されている。
【0033】
図8と図9に示すように、シャーシ1の底面の左奥部には第2エンド検知レバー37が回転可能に支持されると共に、第1スライド部材21の駆動源であるモータ23が設置されている。第2エンド検知レバー37は直径12cmのディスクLDの外周縁に当接可能な当接部37aを有しており、図示せぬスプリングによって時計回り方向へ付勢されている。また、モータ23の動力は歯車列を介して最終段の歯車38に伝達されるようになっており、この歯車38に対向するラック24が左側の第1スライド部材21の底板部上に前後方向へ所定距離だけ移動可能に支持されている。ラック24は図示せぬスプリングによって歯車38から離れる後方へ付勢されているが、第2エンド検知レバー37が反時計方向へ回転し、この第2エンド検知レバー37の当接部37aと反対側の端部によって前方へ押圧されると歯車38に噛合するようになっている。その後モータ23の動力によりラック24が所定距離前方へ移動すると、ラック24の移動力が第1スライド部材21に伝達され、第1スライド部材21の底板部に形成されているラック部21hが歯車38に噛合する。これによってモータ23の動力が歯車38を介して左側の第1スライド部材21に伝達され、この第1スライド部材21の動きがリンク機構25を介して右側の第2スライド部材22に伝達されるようになっている。
【0034】
図7に示すように、このリンク機構25は第1リンクレバー26と第2リンクレバー27とで構成されており、これら第1および第2リンクレバー26,27はそれぞれシャーシ1の底面に回転可能に支持されている。第1リンクレバー26の左端部は第1スライド部材21の後端部に回転可能に連結され、第2リンクレバー27の右端部は第2スライド部材22の後端部に回転可能に連結されており、第1リンクレバー26の右端部に植設されたピン26aは第2リンクレバー27の左端部に穿設されたカム孔27aに挿入されている。したがって、第1スライド部材21の前後進移動に伴って第1リンクレバー26が回転すると、ピン26aがカム孔27a内を移動することにより第2リンクレバー27が回転し、第2スライド部材22を第1スライド部材21と同方向へ前後進させることができる。すなわち、第1スライド部材21はモータ23を駆動源として動作される駆動側であり、第2スライド部材22は第1スライド部材21に同期して動作される従動側である。
【0035】
また、シャーシ1の左側板1aの内側にロックレバー28が回転可能に支持されおり、このロックレバー28は第1スライド部材21の前後進によって回転動作され、それに伴ってドライブシャーシ9の左側に設けられたロックピン9aの係脱動作が行われる。一方、シャーシ1の右側板1aの内側にロックスライド部材29が前後方向に移動可能に支持されると共に、リンクアーム30が回転可能に支持されている。このリンクアーム30は第2スライド部材22の前後進によって回転動作され、それに伴ってロックスライド部材29が第2スライド部材22と逆方向へ移動するようになっている。このロックスライド部材29にはロック孔29aが穿設されており、このロック孔29aによってドライブシャーシ9の右側に設けられたロックピン9bの係脱動作が行われる。さらに、シャーシ1の底面にはロックアーム31aを有するセンターロックレバー31が回転可能に支持されており、このセンターロックレバー31は第1リンクレバー26に連動して回転し、それに伴ってドライブシャーシ9の下面中央部に設けられた図示せぬロックピンの係脱動作が行われる。
【0036】
図13〜図18に示すように、左側の第1スライド部材21の内面には複数のカム溝21a〜21eが形成されると共に、その内底部には第1駆動部21fと第2駆動部21gが一体に形成されている。また、第1スライド部材21の内面にはカム形状の押圧片21jが形成されている。この押圧片21jはアームクランプ14に形成された上記突片に対してその下方へ潜り込ますことができる位置にあり、これによってアームクランプ14を昇降する力を発揮する。一方、前述した回路基板7には第1検出スイッチ32と第2検出スイッチ33が実装されており、第1検出スイッチ32のアクチュエータ部32aは回路基板7の左側面から突出し、第2検出スイッチ33のアクチュエータ部33aは回路基板7の上方へ突出している。第1検出スイッチ32は第1スライド部材21の前進時に第1駆動部21fがアクチュエータ部32aを押圧することによって動作され、第2検出スイッチ33は第1スライド部材21の前進時に第2駆動部21gがアクチュエータ部33aを押圧することによって動作される。右側の第2スライド部材22にも複数のカム溝22a〜22cが形成されており、その上面には突部22dが形成されている。
【0037】
このような第1および第2スライド部材21,22に対して、駆動ローラ4の両端部が両スライド部材21,22のカム溝21a,22aに係合し、ガイド部材3の左右2つずつの駆動ピン3cが両スライド部材21,22のカム溝21b,22bと21c,22cにそれぞれ係合している。また、ドライブシャーシ9の左側のロックピン9aが第1スライド部材21のカム溝21dに係合し、ロックレバー28に植設されたピン28aが第1スライド部材21のカム溝21eに係合している。さらに、駆動アーム16の係合突起16aが第2スライド部材22の突部22dに係脱可能に対向し、カム孔16b,16bにはアームクランプ14の駆動ピン14b,14bが挿入されている。また、リンクアーム30を介して第2スライド部材22と逆方向に移動するロックスライド部材29のロック孔29aにドライブシャーシ9の右側のロックピン9bが係合している。したがって、第1および第2スライド部材21,22が同方向へ前後進すると、それに伴って駆動ローラ4とガイド部材3が昇降動作されると共に、ドライブシャーシ9のロック/アンロックの切り換え動作や、アームクランプ14の昇降動作が行われる。なお、ドライブシャーシ9が複数のダンパー10によってシャーシ1に弾性的に支持されたアンロック状態にあるとき、前述したようにドライブシャーシ9はその手前側(ディスク挿入口34a側)を奥側よりも低くした傾斜姿勢でシャーシ1の底面に弾性支持されているが、ドライブシャーシ9が拘束されてシャーシ1に固定的に支持されたロック状態にあるとき、ドライブシャーシ9はシャーシ1の底面と平行な水平姿勢でシャーシ1に固定される。
【0038】
このように本実施例では、アームクランプ14の駆動ピン14b,14bおよび突片と、第1スライド部材21の押圧片21jと、駆動アーム16とにより、アームクランプ14をドライブシャーシ9に対して接離する昇降方向へ動作させて、クランパ15とターンテーブル13との間でディスクDを挟持/挟持解除するクランプ機構が構成されている。また、ドライブシャーシ9のロックピン9a,9bおよび下面のロックピンと、第1スライド部材21のカム溝21d、ロックレバー28、ロックスライド部材29、リンクアーム30およびセンターロックレバー31により、ドライブユニット8をシャーシ1に対してロック/アンロックするロック切換機構が構成されている。さらに、ドライブシャーシ9と各ダンパ10および連結ピン35により、ドライブシャーシ9をシャーシ1の底面に対して斜めに弾性支持可能な、つまり、ドライブユニット8の姿勢をロック/アンロック時に変更可能な姿勢変更機構が構成されている。
【0039】
次に、上述のごとく構成された車載用ディスクプレーヤの動作を説明する。
【0040】
図1はディスクD(SD,LD)が装置本体内に挿入されていないイジェクト時の状態(待機状態)を示しており、この場合、第1および第2スライド部材21,22はシャーシ1の最も奥側の後退位置にある。図13に示すように、かかる待機状態において、ローラ4の両端部はカム溝21a,22aの手前側の上段位置にあり、ガイド部材3の各駆動ピン3cはカム溝21b,22bとカム溝21c,22cの手前側の中段位置にある。したがって、ガイド部材3はシャーシ1の開口1dに対応する下降位置に保持され、駆動ローラ4はガイド部材3の下面に圧接された上昇位置に保持されている。また、一対の検知レバー6は互いに近接する初期位置に復帰されており、ローラ4を支持するローラブラケット5が上方向へ回動しているため、ローラブラケット5に形成された一対の拘束部材5aは両検知レバー6の回動領域から離れている。また、ドライブシャーシ9の左側のロックピン9aが第1スライド部材21のカム溝21dとロックレバー28によって前後方向から拘束されると共に、右側のロックピン9bがロックスライド部材29のロック孔29aの内縁に係止され、かつ、ドライブシャーシ9の下面の図示せぬロックピンがセンターロックレバー31のロックアーム31aに係止されることにより、ドライブユニット8はシャーシ1の底面および後述するディスクDの搬送経路に対して略平行な水平姿勢で、シャーシ1に対して前後左右および上下方向に固定的に支持されたロック状態となっている。なお、このようにドライブユニット8が水平姿勢にあるときに、手前側のダンパ10Aはその袋体が連結ピン35により若干上方に引き延ばされた状態となっており、逆に奥側のダンパ10Bはその袋体が連結ピン35により下方に押し潰された状態となっている。
【0041】
さらに、駆動アーム16の係合突起16aが第2スライド部材22の突部22dに押圧され、この駆動アーム16も後退位置にあるため、図21に示すように、アームクランプ14の駆動ピン14b,14bが駆動アーム16のカム孔16b,16bに沿って上昇し、かつ、第1スライド部材21の押圧片21jがアームクランプ14の突片の下側に潜り込んでこの突片を上方へ持ち上げているため、アームクランプ14はドライブシャーシ9から離れる上昇位置に保持されており、アームクランプ14の保護板14cはガイド部材3の溝部3e内に収納されている。よって、図20に示すように、クランパ15はターンテーブル13の真上に待機してディスクDの挿入空間を確保している。このとき、両位置決め部材18,19の規制アーム18c,19cはアームレバー18b,19bからクランパ15に接近する方向に延びてアームクランプ14の下面に弾接しており、また、ロックレバー20のロック部20aはアームレバー18bに係止して位置決め部材18の回転を拘束している。
【0042】
このような待機状態において、図3に示すように、ユーザがディスクD(小径のディスクSDまたは大径のディスクLD)をノーズ部材34のディスク挿入口34aからシャーシ1の開口1dを通って装置本体内に挿入し始めると、ディスクDの挿入方向における先端側の外周縁が両検知レバー6の検知ピン6aに当接し、ディスクDの挿入力によって両検知レバー6が外側へ拡がるように回転する。そして、少なくとも一方の検知レバー6が所定角度だけ回転したことを図示せぬスイッチが検知すると、同じく図示せぬモータを始動して駆動ローラ4が回転する。そしてディスクDをさらに押し込むと、ディスクDの挿入方向の先端部がガイド部材3の下面と駆動ローラ4とで挟持され、駆動ローラ4の回転力によってディスクDはディスク挿入口34aの高さ位置で水平に装置本体内へと搬送される。この間、ドライブシャーシ9は水平姿勢を保ってロック状態に維持されており、アームクランプ14はこのドライブシャーシ9の上方の待機位置に保持されているため、ドライブシャーシ9とアームクランプ14との間(ターンテーブル13とクランパ15との間)にディスクDの搬送経路が確保され、アームクランプ14から突出する保護板14cはこの搬送経路から外れた上方に位置している。なお、ディスクDの挿入が上記スイッチで検知された時点で、シャーシ1内の左奥部に設置されたモータ23も回転を始動している。
【0043】
ここで、挿入されたディスクDが直径8cmの小径なディスクSDである場合、両検知レバー6の外側への拡がり角度が小さいため、ディスクSDの搬送中にロックレバー20の押圧部20bは検知レバー6の駆動部6bと当接せず、両位置決め部材18,19は所定の開き角度に拘束されたロック状態となっている。あるいはディスクSDが開口1dの左側から挿入された場合には、一旦、検知レバー6の駆動部6bによりロックレバー20が右方向へスライドするが、ディスクSDが奥方へ移動する途中で検知レバー6が初期状態に復帰するので、ディスクSDの中心孔がターンテーブル13の真上となる位置までディスクSDが搬送された時点では、両位置決め部材18,19はロック状態に戻っている。したがって、ディスクSDがドライブシャーシ9とアームクランプ14の間を通って奥側へ搬送されると、図22と図23に示すように、ディスクSDの搬送方向における先端側の外周縁2箇所が両アームレバー18b,19bの先端に当接し、ディスクSDの中心孔がターンテーブル13に対して正しく位置合わせされる。その際、両位置決め部材18,19の規制アーム18c,19cがそれぞれアームレバー18b,19bの先端から延びてアームクランプ14の下面に弾接しているため、外部から振動や衝撃が加わったとしても、搬送中のディスクSDが両アームレバー18b,19bの上方を通過してしまうことはなく、規制アーム18c,19cにガイドされて両位置決め部材18,19によってディスクSDを確実に位置決めすることができる。
【0044】
また、このようにしてディスクSDがターンテーブル13に対して位置合わせされた時点で、搬送中のディスクSDの先端が当接部36aに接触して第1エンド検知レバー36が反時計方向へ回転するため、図示せぬ中継部材を介して第2エンド検知レバー37も反時計方向へ回転してラック24を歯車38に噛合させる。そしてラック24が第1スライド部材21の底板部上を移動限界位置まで移動すると、ラック24と第1スライド部材21が実質的に一体化されるので、第1スライド部材21が前方へ移動し始め、ラック部21hが歯車38と噛み合う。その結果、モータ23の回転動力が歯車38を介して左側の第1スライド部材21に伝達されると共に、この第1スライド部材21の動きがリンク機構25を介して右側の第2スライド部材22に伝達され、第1および第2スライド部材21,22がシャーシ1の最も奥側の後退位置から前進位置へと移動を開始する。さらに、ディスクSDがターンテーブル13に対して位置合わせされた時点で、両検知レバー6はディスクSDから離れて初期位置に復帰するため、これを前記スイッチで検出して駆動ローラ4の回転を停止させる。あるいは、第2エンド検知レバー37の回転を図示しないスイッチで検出することにより、駆動ローラ4の回転を停止させるようにしても良い。
【0045】
一方、挿入されたディスクDが直径12cmの大径のディスクLDである場合、両検知レバー6の外側への拡がり角度がディスクSDの時に比べて大きくなるため、ディスクLDの搬送中にロックレバー20の押圧部20bが検知レバー6の駆動部6bに押圧されてロックレバー20が右方へ移動し、両位置決め部材18,19はロックレバー20のロック部20aによる拘束が解除された状態となる。したがって、ディスクLDがドライブシャーシ9とアームクランプ14の間を通って奥側へ搬送されると、ディスクLDの搬送方向における先端側の外周縁2箇所が両アームレバー18b,19bの先端に当接した後、両位置決め部材18,19はディスクLDの搬送力によって互いの開き角度が拡がる方向へ回転し、それに伴って両規制アーム18c,19cはアームクランプ14の下面を摺動する。そして、両位置決め部材18,19が図示せぬストッパによって所定の開き角度で停止すると、図24と図25に示すように、ディスクLDの中心孔がターンテーブル13に対して正しく位置合わせされる。この場合も両位置決め部材18,19の規制アーム18c,19cがそれぞれアームレバー18b,19bの先端から延びてアームクランプ14の下面に弾接しているため、外部から振動や衝撃が加わったとしても、ディスクLDの搬送方向先端側が規制アーム18c,19cにガイドされるので、搬送中のディスクLDが両アームレバー18b,19bの上方を通過してしまうことはなく、両位置決め部材18,19によってディスクLDを確実に位置決めすることができる。
【0046】
なお、前述したように第1エンド検知レバー36と位置決め部材18のアームレバー18bとは図示せぬピンと長孔を介して連結されているため、第1エンド検知レバー36は位置決め部材18と連動してその当接部36aがディスクLDから逃げるように回転するが、第1エンド検知レバー36の回転力は中継部材によって遮断されて第2エンド検知レバー37には伝達されない。ただし、ディスクLDがターンテーブル13に対して位置合わせされた時点で、搬送中のディスクLDの外周縁が当接部37aに接触して第2エンド検知レバー37を回転するため、ラック24が第2エンド検知レバー37に押圧されて歯車38と噛合する。その後は前述した小径ディスクSDと同様に、モータ23の回転動力が歯車38を介して左側の第1スライド部材21に伝達され、第1および第2スライド部材21,22がシャーシ1の最も奥側の後退位置から前進位置へと移動を開始する。また、ディスクLDがターンテーブル13に対して位置合わせされた時点で駆動ローラ4の回転を停止させる。
【0047】
このようにしてディスクD(ディスクSDまたはディスクLD)がターンテーブル13に対して位置合わせされた後、モータ23の回転動力が左側の第1スライド部材21に伝達されると、前述したように第1スライド部材21の動きがリンク機構25(第1リンクレバー26と第2リンクレバー27)を介して第2スライド部材22に伝達されるため、左右の両スライド部材21,22は後退位置から前進位置までほとんど位相ずれを生じることなく図8の矢印E方向へ同期して移動する。
【0048】
第1および第2スライド部材21,22が図13の後退位置から図14に示す位置に移動する間に、駆動ローラ4の両端部はカム溝21a,22aの上段位置から下段位置へ移動し、ガイド部材3の各駆動ピン3cはカム溝21b,22bとカム溝21c,22cの中段位置から下段位置を通って傾斜部の中段位置へと移動する。その結果、ガイド部材3は上記下降位置から一旦最下降位置へさらに下降した後に再び上昇して下降位置に戻り、駆動ローラ4は下降位置へ移動してディスクDの下面から離反する。また、ロックピン9aはカム溝21d内を移動するが、ロックレバー28のピン28aがカム溝21eの平行部を移動するため、ロックピン9aはロックレバー28に係止されたままとなる。同様に、第2スライド部材22がリンクアーム30の姿勢を変化させない範囲で移動しているため、ロックスライド部材29は停止したままであり、よって、ロックピン9bもロックスライド部材29のロック孔29aに係止され、また、ドライブシャーシ9の下面の図示せぬロックピンもセンターロックレバー31のロックアーム31aに係止されたままとなるため、ドライブユニット8はシャーシ1に固定的に支持されたロック状態を維持する。
【0049】
一方、第2スライド部材22の突部22dが前進することにより、駆動アーム16の係合突起16aが突部22dに当接したまま、スプリング17の付勢力によって駆動アーム16が所定距離前進する。このため、アームクランプ14の駆動ピン14b,14bが駆動アーム16のカム孔16b,16bに沿って下降する。同時に、第1スライド部材21の前進により、押圧片21jがアームクランプ14の突片から離れる。よって、アームクランプ14がドライブシャーシ9と近接する方向へ下降する。その結果、アームクランプ14に支持されたクランパ15がターンテーブル13に近接し、ディスクDの中心孔の周囲がターンテーブル13とクランパ15との間にチャッキングされる。ディスクDが搬送高さ(ディスク挿入口34aの高さ)からターンテーブル13に載置されるまでの間、ガイド部材3もカム溝21b,21cとカム溝22b,22cのカム形状によりディスクDの上面に接触したままクランパ15と一緒に前記最下降位置まで一旦下降するため、両位置決め部材18,19によって位置合わせされたディスクDをターンテーブル13とクランパ15との間に確実にチャッキングすることができる。また、両位置決め部材18,19の規制アーム18c,19cは、下降するアームクランプ14の下面に弾接したまま自身の弾性によって変形する。
【0050】
以上の説明から明らかなように、第1および第2スライド部材21,22が図14に示す位置まで移動すると、ディスクDをターンテーブル13とクランパ15との間でチャッキング(挟持)しながらドライブユニット8がシャーシ1に固定的にロックされた状態となり、この位置を以下の説明ではハーフロック位置と称することとする。
【0051】
第1および第2スライド部材21,22が図14に示すハーフロック位置から図15に示すようにシャーシ1の最も手前側の前進位置まで移動する間に、駆動ローラ4の両端部はカム溝21a,22aの奥側の下段位置へ移動し、ガイド部材3の各駆動ピン3cはカム溝21b,22bとカム溝21c,22cの傾斜部の中段位置から上段位置へと移動する。その結果、ガイド部材3が下降位置から上昇位置へ移動してディスクDの上面からさらに離反し、駆動ローラ4もディスクDの下面から離反した下降位置に保持されるため、これらガイド部材3と駆動ローラ4との間にディスクDの回転を妨げない広い空間が確保される。また、ロックピン9aがカム溝21dから外れる位置まで相対的に移動し、ピン28aがカム溝21eの平行部から傾斜部へ移動してロックレバー28が回転するため、ロックレバー28によるロックピン9aの係止が解除される。さらに、第2スライド部材22の図14の位置から図15の位置への移動に伴って、リンクアーム30が回転してロックスライド部材29がシャーシ1の奥側へと移動するため、ロックスライド部材29によるロックピン9bの係止が解除され、同時に第1リンクレバー26に連動してセンターロックレバー31が大きく回転する(図9参照)ため、センターロックレバー31によるドライブシャーシ9下面のロックピンの係止も解除される。その結果、ドライブシャーシ9が各ダンパー10によってシャーシ1に弾性的に支持されることになり、ドライブユニット8がロック状態からアンロック状態へと切り換わるため、図10に示すように、ドライブシャーシ9を含むドライブユニット8はその手前側(ディスク挿入口34a側)が下降した傾斜姿勢となる。すなわち、図14に示すハーフロック位置では、図26の2点鎖線で示すように、ディスクDはターンテーブル13とクランパ15との間に水平な姿勢でチャッキングされているが、ドライブユニット8がロック状態からアンロック状態へと切り換わると、同図の実線で示すように、ドライブユニット8と共にディスクDも水平姿勢から傾斜姿勢となる。
【0052】
図2はかかるプレイ状態を示しており、このプレイ状態でスピンドルモータ12が回転駆動されると、ターンテーブル13とディスクDおよびクランパ15が一体的に回転し、光ピックアップ11によってディスクDに対する情報の記録および/または再生動作が行われる。ここで、前述したようにディスクDはドライブユニット8と共に傾斜姿勢となっているため、プレイ中のディスクDは傾斜状態で回転し、図26に示すように、ディスクDの手前側上方に大きなスペースSが画成されることになる。したがって、この状態で別のディスク(便宜上、符号Daを付す)をノーズ部材34のディスク挿入口34aからシャーシ1の開口1dを通って装置本体内に誤挿入したとしても、該ディスクDaの先端部下方にプレイ中のディスクDとの当接を回避する大きなスペースSが確保されているため、誤挿入されたディスクDaが回転中のディスクDに衝突して損傷することを防止できる。
【0053】
また、かかるプレイ状態でアームクランプ14もディスクDやドライブユニット8と共に傾斜姿勢となっているため、図4に示すように、アームクランプ14の前端中央部から前面板1cの方向へ突出する保護板14cは上記スペースS内に移動することになる。このとき、保護板14cの先端はディスク挿入口34aの開口縁下面よりも下方に位置している。したがって、プレイ中にユーザが別のディスクDaをディスク挿入口34aの斜め上方から装置本体内に誤挿入し、このディスクDaの先端部が上記スペースSに入り込んだとしても、該ディスクDaの先端部は保護板14cに当接するだけで回転中のディスクDに衝突せず、誤挿入されたディスクDaが回転中のディスクDに衝突して損傷することを確実に防止できる。しかも、保護板14cの先端(自由端)に斜め上方へ折り曲げられた屈曲部14dが形成されているため、保護板14cが誤挿入されたディスクDaに強く押圧されて下方へ撓んだとしても、屈曲部14dの滑らかな部分が回転中のディスクDの上面(レーベル面)に接触し、回転中のディスクDの損傷も低減することができる。
【0054】
なお、プレイ状態で駆動ローラ4を支持しているローラブラケット5が下方向へ回動しているため、一対の拘束部材5aが両検知レバー6の回動領域内に入り込み、両検知レバー6の回動は拘束部材5aによって阻止されている。すなわち、プレイ中に別のディスクDaを装置本体内に誤挿入したとき、該ディスクDaの挿入方向先端が両検知ピン6aに当接しても、これら検知ピン6aは拘束部材5aに拘束されて外側へ移動できなくなっている。したがって、プレイ中に別のディスクDaを装置本体内に誤挿入したとしても、該ディスクDaはその先端部のみが両検知ピン6aの間を通って装置本体内に入り込むだけで、該ディスクDaを両検知ピン6aに当接した位置からさらに装置本体内に挿入できず、ディスクの二重挿入が防止されている。
【0055】
また、再生等が完了したディスクDを装置本体の外部へ排出する場合は、図示せぬイジェクト釦を操作すると、モータ23が逆方向へ回転を開始して上記と逆の動作が行われ、第1および第2スライド部材21,22は前進位置から後方へ移動して図13に示す後退位置に戻る。
【0056】
以上説明したように、本実施例に係る車載用ディスクプレーヤでは、光ピックアップ11やターンテーブル13等を搭載したドライブユニット8の姿勢をディスクDの搬送経路に対して変更可能な姿勢変更機構を設け、この姿勢変更機構によって、ドライブユニット8のロック時に該ドライブユニット8をディスクDの搬送経路に対して略平行な水平姿勢に保持すると共に、ドライブユニット8のアンロック時に該ドライブユニット8をその手前側が下がるように傾斜する傾斜姿勢とするようにしたので、所望のディスクDがドライブユニット8に設置されてプレイ状態にあるときに別のディスクDaを誤挿入したとしても、このディスクDaの先端部下方にプレイ中のディスクDとの衝突を回避する大きなスペースSを確保することができ、メカニズムの奥行き寸法を大型化することなく誤挿入時のディスクの損傷を防止できる。
【0057】
また、シャーシ1の底面に取り付けられた複数のダンパー10をそれぞれ連結ピン35を介してドライブシャーシ9に連結し、各連結ピン35の長さや各ダンパー10の取付高さを調整することにより、ドライブシャーシ9をシャーシ1の底面に対して、且つディスクDの搬送経路に対して斜めに弾性支持するようにしたので、ドライブユニット8の姿勢をロック/アンロック時に変更可能な姿勢変更機構が部品点数を増加することなく簡単に構成でき、この点からもメカニズムの大型化を防止できる。
【0058】
また、クランパ15を回転自在に支持するアームクランプ(クランパ支持部材)14にディスク挿入口34aの幅方向中央部でシャーシ1の前面板1c方向へ突出する保護板14cを設け、ディスクDのプレイ動作時にこの保護板14cがドライブユニット8の手前側上方に画成されるスペースS内でディスク搬送経路を遮蔽する位置に移動するようにしたので、プレイ中に別のディスクDaを斜めに誤挿入してその先端部がスペースS内に入り込んだとしても、該ディスクDaが回転中のディスクDに衝突して損傷することを保護板14cによって確実に防止できる。しかも、ガイド部材3の平板部3aの中央部に溝部3eを形成し、ドライブユニット8のロック時に前記保護板14cがこの溝部3e内に収容されるようにしたので、保護板14cがディスクDの搬送動作の妨げにならず、ディスクDをスムーズに挿入/排出することができる。
【0059】
また、ドライブユニット8のアンロック時に一対の検知ピン6aの移動を拘束部材5aで拘束して別のディスクDaの挿入を阻止する誤挿入防止機構を備え、このような誤挿入防止機構と前記姿勢変更機構とを併用したので、所望のディスクDのプレイ動作中に別のディスクDaが誤挿入されたとき、該ディスクDaがプレイ中のディスクDに衝突して損傷することを姿勢変更機構によって防止できると共に、該ディスクDaがシャーシ1内に引き込まれて排出不能になるという事故を誤挿入防止機構によって防止できる。
【0060】
図27は本発明の他の実施例に係る車載用ディスクプレーヤの待機状態を示す斜視図、図28は該ディスクプレーヤの待機状態を示す断面図、図29はプレイ中に別のディスクが誤挿入された状態を示す該ディスクプレーヤの断面図、図30は該ディスクプレーヤに備えられるガイド部材の斜視図、図31は該ディスクプレーヤに備えられる検知ピンの斜視図であり、図1〜図25に対応する部分には同一符号を付してある。
【0061】
本実施例に係る車載用ディスクプレーヤが前述した実施例と相違する点は、アームクランプ14の代わりにガイド部材3側に保護板3fを設けたここと、両検知ピン6aをストレート形状にする代わりにテーパ面6cを付けたことにあり、それ以外の構成は基本的に同じである。すなわち、図30に示すように、ガイド部材3の平板部3aの前端中央部には長方形状の保護板3fが一体形成されており、この保護板3fはトップシャーシ2の下方を通ってシャーシ1の前面板1cの方向へ突出している。なお、ガイド部材3の各駆動ピン3cが両スライド部材21,22に形成されたカム溝21b,21cに係合している点は前述した実施例と同じであるが、カム溝21b,21cの形状を工夫することにより、両スライド部材21,22の前後方向への移動に伴ってガイド部材3がシャーシ1に対して昇降動作だけでなく揺動動作するようになっている。また、図31に示すように、両検知ピン6aの途中には上窄まりな円錐状のテーパ面6cを形成してあり、このテーパ面6cをシャーシ1の開口1dと対向させている。
【0062】
このように構成された車載用ディスクプレーヤにおいても、前述した実施例と同様のディスクDの挿入/排出動作やプレイ動作等が行われるが、ドライブユニット8のアンロック時に保護板3fがディスクDの手前側上方に画成されるスペースS(図26参照)内に移動し、別のディスクDaの搬送経路を遮蔽するため、図29に示すように、プレイ中に別のディスクDaをディスク挿入口34aの斜め上方から装置本体内に誤挿入したとき、該ディスクDaの先端部が回転中のディスクDに衝突して損傷することをガイド部材3の保護板3fによって確実に防止できる。この場合、ガイド部材3の各駆動ピン3cは両スライド部材21,22のカム溝21b,21cに係合し、これら両スライド部材21,22はシャーシ1の左右両側板1aの内側に配設されているため、ガイド部材3に設けられた保護板3fはシャーシ1に対して固定的に支持された部材となり、誤挿入されたディスクDaの先端部が回転中のディスクDに衝突することをより確実に防止できる。また、両検知ピン6aの途中に上窄まりなテーパ面6cが形成されているため、プレイ中に別のディスクDaが装置本体内に誤挿入されたとき、該ディスクDaの挿入方向先端側の外周縁が検知ピン6aのテーパ面6cに当接してプレイ中のディスクDから離れる方向(トップシャーシ2の方向)へ案内されるため、誤挿入されたディスクDaの先端部がプレイ中のディスクDに衝突することをより確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施例に係る車載用ディスクプレーヤの待機状態を示す斜視図である。
【図2】該ディスクプレーヤのプレイ状態を示す斜視図である。
【図3】ディスクの挿入状態を示す該ディスクプレーヤの断面図である。
【図4】プレイ中に別のディスクが誤挿入された状態を示す該ディスクプレーヤの断面図である。
【図5】該ディスクプレーヤからトップシャーシとガイド部材を取り除いて示す斜視図である。
【図6】該ディスクプレーヤからトップシャーシとガイド部材およびローラブラケットを取り除いて示す斜視図である。
【図7】該ディスクプレーヤに備えられるリンク機構の斜視図である。
【図8】イジェクト時における該リンク機構の平面図である。
【図9】プレイ時における該リンク機構の平面図である。
【図10】プレイ時における該ディスクプレーヤの内部構造を示す断面図である。
【図11】該ディスクプレーヤに備えられるアームクランプの斜視図である。
【図12】該ディスクプレーヤに備えられるガイド部材の斜視図である。
【図13】該ディスクプレーヤに備えられるスライド部材のイジェクト位置における説明図である。
【図14】該スライド部材のハーフロック位置における説明図である。
【図15】該スライド部材のプレイ位置における説明図である。
【図16】イジェクト時における該スライド部材の斜視図である。
【図17】ハーフロック位置における該スライド部材の斜視図である。
【図18】プレイ時における該スライド部材の斜視図である。
【図19】ディスクプレーヤに備えられるドライブユニットの平面図である。
【図20】該ドライブユニットの正面図である。
【図21】該ドライブユニットの右側面図である。
【図22】小径ディスクの装着状態を示すディスク位置決め機構の平面図である。
【図23】小径ディスクの装着状態を示す該ディスク位置決め機構の正面図である。
【図24】大径ディスクの装着状態を示す該ディスク位置決め機構の平面図である。
【図25】大径ディスクの装着状態を示す該ディスク位置決め機構の正面図である。
【図26】該ディスクプレーヤに備えられる姿勢変更機構の動作説明図である。
【図27】本発明の他の実施例に係る車載用ディスクプレーヤの待機状態を示す斜視図である。
【図28】ディスクプレーヤの待機状態を示す断面図である。
【図29】プレイ中に別のディスクが誤挿入された状態を示す該ディスクプレーヤの断面図である。
【図30】該ディスクプレーヤに備えられるガイド部材の斜視図である。
【図31】該ディスクプレーヤに備えられる検知ピンの斜視図である。
【図32】従来より知られている誤挿入防止機構の分解斜視図である。
【図33】ディスクの挿入動作を示す該誤挿入防止機構の平面図である。
【図34】ディスクの挿入状態を示す該誤挿入防止機構の平面図である。
【図35】誤挿入防止機構に備えられる拘束部材の動作説明図である。
【符号の説明】
【0064】
1 シャーシ1
1c 前面板
1d 開口
2 トップシャーシ
2a ガイド孔
3 ガイド部材
3a 平板部
3b 側板部
3c 駆動ピン
3e 溝部
3f 保護板
4 駆動ローラ
5 ローラブラケット
5a 拘束部材
6 検知レバー
6a 検知ピン
6c テーパ面
8 ドライブユニット
9 ドライブシャーシ
10 ダンパー
11 光ピックアップ
13 ターンテーブル
14 アームクランプ(クランパ支持部材)
14c 保護板
15 クランパ
16 駆動アーム
21,22 スライド部材
21a〜21e カム溝
22a〜22c カム溝
34 ノーズ部材
34a ディスク挿入口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク挿入口に対向する開口が前面に形成されたシャーシと、少なくともターンテーブルおよび光ピックアップを搭載して前記シャーシに弾性的に支持されたドライブユニットと、前記開口と前記ターンテーブルとの間のディスク搬送経路でディスクを搬送するディスク搬送機構と、クランパを回転自在に支持するクランパ支持部材と、前記ターンテーブルと前記クランパとの間にディスクを挟持または挟持解除状態にするように前記クランパ支持部材を前記ドライブユニットに対して接離方向へ相対的に動作させるクランプ機構と、前記ドライブユニットを前記シャーシに対してロックまたはアンロック状態に切り換えるロック切換機構とを備え、前記ターンテーブルと前記クランパとの間にディスクを挟持しているときに、前記ロック切換機構が前記ドライブユニットをアンロック状態にし、それ以外のときは前記ロック切換機構が前記ドライブユニットをロック状態にするようにした車載用ディスクプレーヤにおいて、
前記ディスク搬送経路に対して出入可能な保護板を設け、前記ドライブユニットのロック時に前記保護板を前記ディスク搬送経路から外れた位置へ退避させ、前記ドライブユニットのアンロック時に前記保護板を前記ディスク搬送経路の幅方向中央部で該ディスク搬送経路を遮蔽する位置へ移動させるように構成したことを特徴とする車載用ディスクプレーヤ。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記クランパ支持部材に前記シャーシの前面方向へ突出するように前記保護板を設け、前記クランパ支持部材がディスククランプ状態にあるときに、前記保護板が前記ディスク搬送経路を遮蔽する位置となるようにしたことを特徴とする車載用ディスクプレーヤ。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記ディスク搬送機構が、前記シャーシの上部側に配設されたガイド部材と、このガイド部材の下面との間でディスクを挟持可能な駆動ローラと、この駆動ローラを回転可能に支持し該駆動ローラがガイド部材の下面に近接する方向へ付勢されたローラブラケットとを備えると共に、前記ガイド部材の下面に溝部を形成し、前記ドライブユニットのロック時に前記保護板が前記溝部内に収容されるようにしたことを特徴とする車載用ディスクプレーヤ。
【請求項4】
請求項1の記載において、前記ディスク搬送機構が、前記シャーシの上部側に揺動可能に配設されたガイド部材と、このガイド部材の下面との間でディスクを挟持可能な駆動ローラと、この駆動ローラを回転可能に支持し該駆動ローラがガイド部材の下面に近接する方向へ付勢されたローラブラケットとを備えると共に、前記ガイド部材に前記シャーシの前面方向へ突出するように前記保護板を設け、前記ドライブユニットのアンロック時に前記ガイド部材の揺動動作に伴って前記保護板が前記ディスク搬送経路を遮蔽する位置となるようにしたことを特徴とする車載用ディスクプレーヤ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項の記載において、前記開口から挿入されたディスクの外周縁に当接して互いに反対方向へ移動可能な一対の検知ピンと、前記両検知ピンを初期位置へ復帰させる付勢部材と、前記両検知ピンの移動を拘束する拘束部材とを備え、前記ターンテーブルと前記クランパとの間にディスクが挟持された時に前記付勢部材によって前記両検知ピンを初期位置へ復帰させ、前記ドライブユニットのアンロック時に初期位置に復帰した前記両検知ピンの移動を前記拘束部材で拘束して別のディスクの挿入を阻止するようにしたことを特徴とする車載用ディスクプレーヤ。
【請求項6】
請求項5の記載において、前記両検知ピンの前記開口と対向する部位に、前記ターンテーブルと前記クランパとの間に挟持されたディスクから離れる方向に先窄まりな円錐状のテーパ面を形成したことを特徴とする車載用ディスクプレーヤ。
【請求項1】
ディスク挿入口に対向する開口が前面に形成されたシャーシと、少なくともターンテーブルおよび光ピックアップを搭載して前記シャーシに弾性的に支持されたドライブユニットと、前記開口と前記ターンテーブルとの間のディスク搬送経路でディスクを搬送するディスク搬送機構と、クランパを回転自在に支持するクランパ支持部材と、前記ターンテーブルと前記クランパとの間にディスクを挟持または挟持解除状態にするように前記クランパ支持部材を前記ドライブユニットに対して接離方向へ相対的に動作させるクランプ機構と、前記ドライブユニットを前記シャーシに対してロックまたはアンロック状態に切り換えるロック切換機構とを備え、前記ターンテーブルと前記クランパとの間にディスクを挟持しているときに、前記ロック切換機構が前記ドライブユニットをアンロック状態にし、それ以外のときは前記ロック切換機構が前記ドライブユニットをロック状態にするようにした車載用ディスクプレーヤにおいて、
前記ディスク搬送経路に対して出入可能な保護板を設け、前記ドライブユニットのロック時に前記保護板を前記ディスク搬送経路から外れた位置へ退避させ、前記ドライブユニットのアンロック時に前記保護板を前記ディスク搬送経路の幅方向中央部で該ディスク搬送経路を遮蔽する位置へ移動させるように構成したことを特徴とする車載用ディスクプレーヤ。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記クランパ支持部材に前記シャーシの前面方向へ突出するように前記保護板を設け、前記クランパ支持部材がディスククランプ状態にあるときに、前記保護板が前記ディスク搬送経路を遮蔽する位置となるようにしたことを特徴とする車載用ディスクプレーヤ。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記ディスク搬送機構が、前記シャーシの上部側に配設されたガイド部材と、このガイド部材の下面との間でディスクを挟持可能な駆動ローラと、この駆動ローラを回転可能に支持し該駆動ローラがガイド部材の下面に近接する方向へ付勢されたローラブラケットとを備えると共に、前記ガイド部材の下面に溝部を形成し、前記ドライブユニットのロック時に前記保護板が前記溝部内に収容されるようにしたことを特徴とする車載用ディスクプレーヤ。
【請求項4】
請求項1の記載において、前記ディスク搬送機構が、前記シャーシの上部側に揺動可能に配設されたガイド部材と、このガイド部材の下面との間でディスクを挟持可能な駆動ローラと、この駆動ローラを回転可能に支持し該駆動ローラがガイド部材の下面に近接する方向へ付勢されたローラブラケットとを備えると共に、前記ガイド部材に前記シャーシの前面方向へ突出するように前記保護板を設け、前記ドライブユニットのアンロック時に前記ガイド部材の揺動動作に伴って前記保護板が前記ディスク搬送経路を遮蔽する位置となるようにしたことを特徴とする車載用ディスクプレーヤ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項の記載において、前記開口から挿入されたディスクの外周縁に当接して互いに反対方向へ移動可能な一対の検知ピンと、前記両検知ピンを初期位置へ復帰させる付勢部材と、前記両検知ピンの移動を拘束する拘束部材とを備え、前記ターンテーブルと前記クランパとの間にディスクが挟持された時に前記付勢部材によって前記両検知ピンを初期位置へ復帰させ、前記ドライブユニットのアンロック時に初期位置に復帰した前記両検知ピンの移動を前記拘束部材で拘束して別のディスクの挿入を阻止するようにしたことを特徴とする車載用ディスクプレーヤ。
【請求項6】
請求項5の記載において、前記両検知ピンの前記開口と対向する部位に、前記ターンテーブルと前記クランパとの間に挟持されたディスクから離れる方向に先窄まりな円錐状のテーパ面を形成したことを特徴とする車載用ディスクプレーヤ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
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【図16】
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【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
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【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【公開番号】特開2006−12243(P2006−12243A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185257(P2004−185257)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
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