説明

車載用決済システム、車載用決済装置及び車載用決済通信インターフェースカード

【課題】車載用決済装置用決済カードを複数所持して専用車載器へ都度挿入し直すという、車載用決済装置用決済カードの管理と、挿入し直す煩わしさとを低減する。
【解決手段】車載用決済システムSは、車両1に搭載される車載用決済装置10と、車載用決済装置10と近距離無線通信にて通信可能で電子決済機能を有する携帯電話端末装置100と、車載用決済装置10と路車間通信を行う路側機200と、路側機200をネットワークNへ接続するための関門であるコアネットワーク300と、ネットワークNに接続された決済サーバ400とを含む。決済サーバ400は、車載用決済装置10との間で料金や代金の決済処理を行うサーバ装置である。この様に、携帯電話端末装置100と決済サーバ400が間接的に通信可能に接続されることとなるので、携帯電話端末装置100の決済機能と決済サーバ400との間で、例えば、電子マネー等による電子決済が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ETC(Electronic Toll Collection、登録商標、以下同様)等による決済を行う車載用決済システム、車載用決済装置及び車載用決済通信インターフェースカードに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有料道路の通行料金を決済する方法としてETCシステムが普及している。ETCシステムを利用するためには、利用者識別情報を記憶している集積回路を搭載するETCカードと、ETCカードの利用者識別情報に基づいてDSRC(Dedicated Short Range Communication、狭域通信)とを利用して路車間通信機(以下、路側機と呼ぶ)と通信を行うためのETC車載器とが必要となる。
【0003】
ETCシステムでは、ETCカードが挿入されたETC車載器と、有料道路の出入り口に設置された路車間通信機との通信を介して利用者の利用状況がセンターサーバに記録される。利用者毎一定期間毎に利用状況を取りまとめ、クレジットカードと同様に有料道路の通行料金を代金後払いによって収納することとなる。
【0004】
【特許文献1】特開2000−172891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来は、ETCシステムは、有料道路の通行料金を決済することのみを想定していた。しかし、近い将来、電子決済の一種として、有料道路の通行料金のみならず、ガソリンスタンドやファーストフード店のドライブスルーでの決済等、自動車に乗車したままあらゆる決済を行うことが可能とするスマートウェイ構想が現実化しつつある。
【0006】
スマートウェイ構想によれば、DSRCをRVC(Road to Vehicle Communication、路車間通信)やIVC(Inter-Vehicle Communication、車々間通信)に適用し、インターネットとも接続を行って、あらゆる局面で電子決済を可能にする。
【0007】
しかしながら、上記に代表される従来技術では、専用車載器決済システムは、専用車載器への決済用カードの挿入が必須であることから、決済用カードの挿入を忘れると決済エラーとなる場合があった。有料道路の出入り口において通行料金の決済エラーが発生すると、出入り口のゲートが開かず、スムースな交通の流れを阻害することとなり、追突事故の発生の危険性が有った。
【0008】
また、スマートウェイ構想が実現されると、決済シーン毎に異なるカード発行組織が発行した決済用カードを使い分けて使用する必要が生じる場合がある。すなわち、現状のクレジットカードの様に、商品やサービスを購入して決済用カードで決済を行う場合、店舗が特定のカード発行組織が発行した決済用カードのみでしか決済を行うことができないという場合が想定される。故に、決済用カードを複数所持して専用車載器へ都度挿入し直さなければならず、決済用カードの管理と、挿入し直す煩わしさとが発生するおそれがある。
【0009】
以下に開示する車載用決済システム、車載用決済装置及び車載用決済通信インターフェースカードは、上記問題点(課題)を解消するためになされたものであって、専用車載器への決済用カードの挿入を行わなくても車載用決済システムによる電子決済を可能にするとともに、複数の決済用カードを所持しなくても車載用決済システムによる電子決済を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した問題を解決し、目的を達成するため、開示の車載用決済システム、車載用決済装置及び車載用決済通信インターフェースカードは、認証通信を確立して近距離無線通信可能な、電子決済機能を有する携帯端末装置と、電子決済に係る情報を車両から受信する決済情報受信部と、決済情報受信部によって受信された前記電子決済に係る情報に基づき決済処理を行うサーバ側決済処理部とを有する決済サーバと、自車が路車間通信を介して決済サーバと電子決済が可能な領域に位置するか否かを判定する電子決済可能判定部と、電子決済可能判定部によって決済サーバと電子決済が可能な領域に位置すると判定され、かつ、自車内の携帯端末装置と認証通信が確立された場合に電子決済を行うとき利用者情報を決済サーバへ送信する利用者情報送信部と、決済サーバ及び携帯端末装置からの情報に基づき電子決済を処理する決済処理部と有する車載用決済装置とを含み、決済処理部は、携帯端末装置の電子決済機能と、決済サーバとの間で行われる電子決済を中継処理することを一要件とする。
【発明の効果】
【0011】
開示の車載用決済システム、車載用決済装置及び車載用決済通信インターフェースカードによれば、車載用決済装置は、携帯端末装置の電子決済機能と、決済サーバとの間で行われる電子決済を中継処理するので、決済用カードが挿入されていなくても、車載用決済装置は、携帯端末装置の電子決済機能を利用して決済を行うことができ、決済用カード挿入忘れによるトラブルを防止することが出来るという効果を奏する。
【0012】
また、汎用性が高い携帯端末装置の電子決済機能を利用することによって、複数の決済用カードを所持せずとも、携帯端末装置の電子決済機能で一元的に決済を行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に添付図面を参照し、車載用決済システム、車載用決済装置及び車載用決済通信インターフェースカードに係る実施形態の一例を詳細に説明する。なお、以下に車載用決済システム、車載用決済装置及び車載用決済通信インターフェースカードに係る第1実施形態の一例〜第3実施形態の一例を示す前に、実施形態の一例に係る車載用決済システム、車載用決済装置及び車載用決済通信インターフェースカードが含まれる車載用決済システムの概要について説明する。
【0014】
図1に示す様に、実施形態の一例に係る車載用決済システムSは、車両1に搭載されるETC車載機等の車載用決済装置10と、車載用決済装置10と近距離無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信、UMB(Ultra Mobile Broadband))にて通信可能で電子決済機能(例えば、おサイフケータイ(登録商標、以下同様)等)を有する携帯電話端末装置100と、車載用決済装置10とアンテナ13aを介した路車間通信を行う路側機200と、路側機200をネットワークNへ接続するための関門であるコアネットワーク300と、ネットワークNに接続された決済サーバ400とを含む。決済サーバ400は、車載用決済装置10との間で料金や代金の決済のために決済処理を行うサーバ装置である。
【0015】
車載用決済システムSにおいて、路側機200は、有料道路のゲート装置やファーストフード店のドライブスルー販売窓口等の周辺に設置される。路側機200は、有料道路のETC料金システムサーバやファーストフード店の販売管理システムサーバと連携する。この様に、携帯電話端末装置100と決済サーバ400が間接的に通信可能に接続されることとなるので、携帯電話端末装置100の決済機能と決済サーバ400との間で、例えば、電子マネー等による電子決済が可能となる。
【0016】
[第1実施形態の一例]
図2〜図6を参照して、第1実施形態の一例に係る車載用決済システムSに含まれる車載用決済装置10aと、決済サーバ400と、路側機200と、これらの装置の間で行われる電子決済処理について説明する。
【0017】
先ず、図2を参照して、車載用決済装置10aの構成について説明する。図2は、車載用決済装置10a及び車載用決済装置10aに接続される各種装置の構成を示す機能ブロック図である。
【0018】
図2に示す様に、車載用決済装置10aは、車両1aにおいて、車載ネットワークインターフェース部14をインターフェースとして車載ネットワーク50を介して走行制御装置20と通信可能となっている。走行制御装置20は、車両1aの走行を制御する各種制御装置(駆動原動機制御装置、制動装置制御装置、各種センサ等)を制御する。第1実施形態の一例に係る走行制御装置20には、特に、車両1aの車速を検知する車速センサ21が接続されているが、その他の接続される構成要素は省略している。
【0019】
車載用決済装置10aは、入力インターフェース部18を介してカーナビゲーション装置17と接続されている。カーナビゲーション装置17は、GPS(Global Positioning System)等を利用して自車位置を取得する自車位置取得部17aと、車両1aの走行に必要な道路情報を含む地図情報を記憶している地図情報記憶部17bとを有する。
【0020】
また、車載用決済装置10aは、近距離無線通信制御部12による近距離無線通信インターフェース部15を介した通信制御によって携帯電話端末装置100と無線通信可能に接続される。なお、携帯電話端末装置100に限られるものではなく、無線通信機能及び電子決済機能を有する装置であれば、いずれの装置であってもよい。
【0021】
また、車載用決済装置10aは、通信制御部13によるアンテナ13aを介した通信制御によって路側機200と無線通信可能に接続される。さらに、車載用決済装置10aは、クレジットカードサイズで集積回路が搭載された車載用決済装置用決済カード16a1を挿入可能なカード情報読み取り部16aを有する。カード情報読み取り部16aは、車載用決済装置用決済カード16a1に搭載されている集積回路との間で情報を読み書き可能な集積回路を含む。
【0022】
車載用決済装置10aは、決済サーバ400との決済処理に係る機能として、決済制御部11を有する。決済制御部11は、マイクロ・コンピュータ等の制御装置である。決済制御部11は、DSRC決済可能エリア検出部11aと、利用者情報送信部11bと、決済処理部11cとを有する。
【0023】
DSRC決済可能エリア検出部11aは、カーナビゲーション装置17から入力される自車位置情報及び地図情報に基づき、車両1aがDSRC決済可能なエリアに存在するか否かを判定する。若しくは、DSRC決済可能エリア検出部11aは、DSRC決済を中継する路側機200の出力電波を検知することによって車両1aがDSRC決済可能なエリアに存在すると判定することとしてもよい。
【0024】
なお、車両1aがDSRC決済可能なエリアに存在すると判定する際に、車速センサ21によって検知される車両1aの車速が一定値(例えば、20km/h)以下であることを条件とする。これは、いくら車両1aがDSRC決済可能なエリアに存在したとしても、車速が一定値以上であれば、スムースな決済処理が行えないためである。車両1aが有料道路の出入り口に存在する場合であれば、例えば車速が20km/hであることが望ましい。また、車両1aがファーストフード店の販売窓口に存在する場合であれば、例えば車速が0km/hであることが望ましい。
【0025】
利用者情報送信部11bは、車載用決済装置用決済カード16a1の集積回路又は携帯電話端末装置に記憶される利用者情報を、通信制御部13を介して路側機200へと送信する。路側機200は、利用者情報を、ネットワークNを介して決済サーバ400へと送信する。この様にして、車両1aの車室内に持ち込まれた携帯電話端末装置と決済サーバ400との間で認証通信が確立される。
【0026】
決済処理部11cは、決済サーバ400が利用者情報に基づいて要求してきた決済処理に応じて車載用決済装置用決済カード16a1又は携帯電話端末装置100の電子決済機能による決済金額の決済処理を行う。すなわち、車載用決済装置用決済カード16a1による決済を行う場合、車載用決済装置用決済カードによる決済を行う旨を決済サーバ400へ送信する。または、携帯電話端末装置100の電子決済機能による決済を行う場合には、携帯電話端末装置100の電子決済機能による決済を行う旨を決済サーバ400へ送信する。ユーザは、いずれの方法で決済するかを任意選択可能である。カード情報読み取り部16aに車載用決済装置用決済カード16a1が挿入されていない場合、携帯電話端末装置100の電子決済機能による決済を行う旨を決済サーバ400へ送信する。あるいは、優先的に携帯電話端末装置100の電子決済機能で決済を行う様に設定可能としてもよい。
【0027】
なお、携帯電話端末装置100の電子決済機能がプリペイド型電子マネーを取り扱うものである場合、同時に電子マネーの残額情報を決済サーバ400へ送信する。決済サーバ400は、決済処理部11cから送信されてきた情報に基づき車載用決済装置用決済カード決済処理又は携帯電話端末装置100の電子決済機能で決済処理を行い、決済処理部11cに対して処理結果を通知する。
【0028】
次に、図3を参照して、決済サーバ400の構成について説明する。同図に示す様に、決済サーバ400は、マイクロ・コンピュータ等の制御装置である制御部401と、決済可能施設識別情報記憶部402と、決済システム利用者情報管理部403と、通信制御部404とを有する。
【0029】
制御部401は、利用者情報管理部401aと、決済処理部401bとを有する。利用者情報管理部401aは、車載用決済装置10aから送信されてきた利用者識別情報と、利用者識別情報を送信してきた路側機200の識別情報を管理する。利用者情報管理部401aは、車載用決済装置10aから送信されてきた路側機200の識別情報に基づき、図4−1に例示する決済可能施設識別情報テーブルを参照して決済可能施設(決済システム利用可能施設)を特定する(対応する決済システム利用可能施設識別情報を取得する)。
【0030】
そして、利用者情報管理部401aは、車載用決済装置10aから送信されてきた利用者識別情報、利用者識別情報に基づく利用者名及び決済システム利用可能施設識別情報を、図4−2に例示する決済システム利用者情報管理テーブルに記憶する。
【0031】
決済処理部401bは、決済システム利用者情報管理部403にて管理される利用者の利用状況に応じて請求代金を算出し、ネットワークNに接続されるクレジットカード会社や電子マネー管理会社の決済承認サーバに対して決済承認を要求する。管理サーバから決済承認が通知されると、決済処理部401bは、車載用決済装置に対して決済完了を送信する。
【0032】
次に、図5を参照して、路側機200の構成について説明する。同図に示す様に、路側機200は、マイクロ・コンピュータ等の制御装置である制御部201を有する。制御部201は、車載用決済装置10aとの近距離無線通信を制御する近距離無線通信制御部201aと、決済に係る情報(利用者識別情報、車載用決済装置用決済カード16a1識別情報、電子マネー情報等)を中継する決済情報中継部201bと、決済情報中継部201bによって中継される情報を、ネットワーク通信制御部201cを介してしてコアネットワーク300との間で送受信するネットワーク通信制御部201cとを有する。
【0033】
次に、図6を参照して、車載用決済システムSで行われる決済処理について説明する。なお、ここでは、携帯電話端末装置100の電子決済機能にて決済を行うことを例として説明する。同図に示す様に、車両1aへ電子決済機能を有する携帯電話端末装置100を所持する人が乗車すると、車載用決済装置10aとの間で、近距離無線通信による認証通信が確立される(ステップS101)。
【0034】
続いて、車載用決済装置10aは、電子決済を行う必要が生じた際に、路側機200との間で認証通信を確立させる(ステップS102)。続いて、車載用決済装置10aは、決済方法を、路側機200を介して決済サーバ400に対して送信する(ステップS103、ステップS104)。
【0035】
続いて、車載用決済装置10aは、車両情報(利用者識別情報、車載用決済装置用決済カード識別情報、電子決済機能を有する携帯電話端末装置の識別情報等を含む)を、路側機200を介して決済サーバ400に対して送信する(ステップS105、ステップS106)。
【0036】
続いて、車載用決済装置10aは、支払条件(支払い履歴、電子マネーの残高情報等を含む)を、路側機200を介して決済サーバ400に対して送信する(ステップS107、ステップS108)。
【0037】
続いて、決済サーバ400は、車載用決済装置10aに対して料金請求を送信する(ステップS109、ステップS110)。続いて、車載用決済装置10aは、携帯電話端末装置100に対して支払要求を行う(ステップS111)。続いて、携帯電話端末装置100は車載用決済装置10aに対して支払要求があったことを確認し(ステップS112)、確認が取れた段階で支払情報(電子マネー情報やポストペイ型電子マネーの識別情報等を含む)を決済サーバ400へ送信する(ステップS113、ステップS114、ステップS115)。
【0038】
支払情報を受信した決済サーバ400は、クレジットカード会社や電子マネー管理会社の決済承認サーバに決済承認を要求し、決済承認が取れた段階で支払承認を携帯電話端末装置100に対して送信する(ステップS116、ステップS117、ステップS118)。携帯電話端末装置100が受信した支払承認を画面表示することによって、車載用決済システムSで行われる決済処理は終了する。
【0039】
以上の第1実施形態の一例に示した車載用決済システムS及び車載用決済装置10aによれば、従来のETC決済システムのインフラストラクチャを生かしつつスマートウェイ構想においておサイフケータイ等の電子マネー機能を利用可能にし、決済方法のチャネルを多様化させ、利用者の利便性を向上させることができる。また、ETC車載機に車載用決済装置用決済カードを挿入し忘れて有料道路の出入り口のETCレーンに至った場合でも、車載用決済装置用決済カードに代わっておサイフケータイ等の電子マネー機能で決済を行うことが可能なため、ETCレーンでゲートが開かないといった事故の発生を防止することができる。
【0040】
[第2実施形態の一例]
第1実施形態の一例で示した車載用決済装置10aの構成は、従来の車載用決済装置と比べ、携帯電話端末装置100との近距離無線通信機能(近距離無線通信制御部12及び近距離無線通信インターフェース部15)が追加されている。これに対し、第2実施形態の一例で示す車両1bにおける車載用決済装置10b及び車載用決済装置10cは、従来の車載用決済装置と同一構成であり、近距離無線通信制御部12及び近距離無線通信インターフェース部15を有さない。
【0041】
図7及び図8に示す様に、車載用決済装置10bは、カード情報読み取り部16bが、近距離無線通信制御部16b11、近距離無線通信インターフェース部16b12及びカード情報読み取り部16bと情報の授受が可能な集積回路であるカードリーダインターフェース部16b13を有するカード型インターフェース16b1を挿入可能である。
【0042】
カード型インターフェース16b1の基板は、通常の車載用決済装置用決済カード又はクレジットカードと同一の形状及びサイズである。もしくは、通常の車載用決済装置用決済カード又はクレジットカードを基板としてもよい。
【0043】
カードリーダインターフェース部16b13は、通常の車載用決済装置用決済カード又はクレジットカードと同一の部分に搭載される集積回路である。カード情報読み取り部16bと、カードリーダインターフェース部16b13との間で情報の授受を行うことによって、車載用決済装置10bと、携帯電話端末装置100との近距離無線通信が可能となり、第1実施形態の一例で示した車載用決済装置10aと同一の処理を行うことが可能になる。
【0044】
また、図9及び図10に示す様に、車載用決済装置10cは、カード情報読み取り部16bが、近距離無線通信制御部100a1と近距離無線通信インターフェース部100a2とを有する携帯電話端末装置100aと近距離無線通信するための携帯電話端末装置通信インターフェース部16c11及びカードリーダインターフェース部16c12を有するカード型インターフェース16c1を挿入可能である。
【0045】
カード型インターフェース16c1の基板は、通常の車載用決済装置用決済カード又はクレジットカードと同一の形状及びサイズである。もしくは、通常の車載用決済装置用決済カード又はクレジットカードを基板としてもよい。
【0046】
カードリーダインターフェース部16c12は、通常の車載用決済装置用決済カード又はクレジットカードと同一の部分に搭載される集積回路である。カード情報読み取り部16cと、カードリーダインターフェース部16c12との間で情報の授受を行うことによって、車載用決済装置10cと、携帯電話端末装置100との近距離無線通信が可能となり、第1実施形態の一例で示した車載用決済装置10aと同一の処理を行うことが可能になる。
【0047】
携帯電話端末装置100aは、近距離無線通信制御部100a1と近距離無線通信インターフェース部100a2とを介して、電子決済機能を有する携帯電話端末装置100と近距離無線通信可能である。すなわち、電子決済機能を有する携帯電話端末装置100は、携帯電話端末装置100a及びカード型インターフェース16c1を介して車載用決済装置10bと通信可能になる。
【0048】
以上の第2実施形態の一例に示した車載用決済装置10c、カード型インターフェース16b1及びカード型インターフェース16c1によれば、第1実施形態の一例に示した車載用決済装置10aの効果に加え、既存のETC車載機等の車載用決済装置を利用しておサイフケータイ等との通信を行って決済が可能となることから、利用者のコスト負担を少なくしておサイフケータイ等と車載用決済装置10bとの連携を可能とする。
【0049】
以上、本発明の実施形態の一例を説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で、更に種々の異なる実施形態で実施されてもよいものである。また、実施形態の一例に記載した効果は、これに限定されるものではない。
【0050】
また、上記実施形態の一例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記実施形態の一例で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0051】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の様に構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0052】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)(またはMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)などのマイクロ・コンピュータ)および当該CPU(またはMPU、MCUなどのマイクロ・コンピュータ)にて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施形態の一例に係る車載用決済システムの構成を示す図である。
【図2】第1実施形態の一例に係る車載用決済装置及び接続される装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】決済サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図4−1】決済可能施設識別情報テーブルの一例を示す図である。
【図4−2】決済システム利用者情報管理テーブルの一例を示す図である。
【図5】路側機の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】車載用決済システムで行われる決済処理を示すシーケンス図である。
【図7】第2実施形態の一例に係る車載用決済装置及び接続される装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図8】第2実施形態の一例に係るカード型インターフェースの構成を示す機能ブロック図である。
【図9】第2実施形態の一例に係る車載用決済装置及び接続される装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図10】第2実施形態の一例に係るカード型インターフェースの構成を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0054】
N ネットワーク
S 車載用決済システム
1、1a、1b 車両
10、10a、10b、10c 車載用決済装置
11 決済制御部
11a 決済可能エリア検出部
11b 利用者情報送信部
11c 決済処理部
12 近距離無線通信制御部
13 通信制御部
13a アンテナ
14 車載ネットワークインターフェース部
15 近距離無線通信インターフェース部
16a、16b、16c カード情報読み取り部
16a1 車載用決済装置用決済カード
16b1、16c1 カード型インターフェース
16b11 近距離無線通信制御部
16b12 近距離無線通信インターフェース部
16b13 カードリーダインターフェース部
16c11 携帯電話端末装置通信インターフェース部
16c12 カードリーダインターフェース部
17 カーナビゲーション装置
17a 自車位置取得部
17b 地図情報記憶部
18 入力インターフェース部
20 走行制御装置
21 車速センサ
50 車載ネットワーク
100、100a 携帯電話端末装置
100a1 近距離無線通信制御部
100a2 近距離無線通信インターフェース部
100a 携帯電話端末装置
200 路側機
201a 近距離無線通信制御部
201b 決済情報中継部
201c ネットワーク通信制御部
201 制御部
300 コアネットワーク
400 決済サーバ
401 制御部
401a 利用者情報管理部
401b 決済処理部
402 決済可能施設識別情報記憶部
403 決済システム利用者情報管理部
404 通信制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証通信を確立して近距離無線通信可能な、電子決済機能を有する携帯端末装置と、
電子決済に係る情報を車両から受信する決済情報受信部と、前記決済情報受信部によって受信された前記電子決済に係る情報に基づき決済処理を行うサーバ側決済処理部とを有する決済サーバと、
自車が路車間通信を介して前記決済サーバと電子決済が可能な領域に位置するか否かを判定する電子決済可能判定部と、前記電子決済可能判定部によって前記決済サーバと電子決済が可能な領域に位置すると判定され、かつ、前記自車内の前記携帯端末装置と認証通信が確立された場合に電子決済を行うとき利用者情報を前記決済サーバへ送信する利用者情報送信部と、前記決済サーバ及び前記携帯端末装置からの情報に基づき電子決済を処理する決済処理部と有する車載用決済装置と
を含み、
前記決済処理部は、前記携帯端末装置の電子決済機能と、前記決済サーバとの間で行われる電子決済を中継処理する
ことを特徴とする車載用決済システム。
【請求項2】
自車が路車間通信を介して決済サーバと電子決済が可能な領域に位置するか否かを判定する電子決済可能判定部と、
前記電子決済可能判定部によって前記決済サーバと電子決済が可能な領域に位置すると判定され、かつ、前記自車内の携帯端末装置と認証通信が確立された場合に電子決済を行うとき利用者情報を前記決済サーバへ送信する利用者情報送信部と、
前記決済サーバ及び前記携帯端末装置からの情報に基づき電子決済を処理する決済処理部と
を有し、
前記決済処理部は、前記携帯端末装置の電子決済機能と、前記決済サーバとの間で行われる電子決済を中継処理する
ことを特徴とする車載用決済装置。
【請求項3】
電子決済機能を有する携帯端末装置との近距離無線通信を制御する近距離無線通信制御部を有し、
前記決済処理部は、近距離無線通信を介して接続されている前記携帯端末装置の電子決済機能と、前記決済サーバとの間で行われる電子決済を中継処理する
ことを特徴とする請求項2記載の車載用決済装置。
【請求項4】
前記決済サーバとの電子決済に必要な集積回路を搭載するカードを挿入するためのカード挿入部と、
前記カード挿入部に挿入されたカードの集積回路との間で情報の読み書きを行う集積回路読み書き部と
を有し、
前記カード挿入部は、電子決済機能部を有する携帯端末装置との近距離無線通信を制御する近距離無線通信制御部と、前記近距離無線通信制御部と接続されている集積回路とを有する通信インターフェースカードを挿入可能であり、
前記集積回路読み書き部は、前記通信インターフェースカードの集積回路との間で情報の読み書きを行い、
前記決済処理部は、前記集積回路読み書き部と、前記通信インターフェースカードの集積回路との間の情報の読み書きによって、近距離無線通信を介して接続されている前記携帯端末装置の電子決済機能と、前記サーバとの間で行われる電子決済を中継処理する
ことを特徴とする請求項2記載の車載用決済装置。
【請求項5】
前記決済サーバとの電子決済に必要な集積回路を搭載するカードを挿入するためのカード挿入部と、
前記カード挿入部に挿入されたカードの集積回路との間で情報の読み書きを行う集積回路読み書き部と
を有し、
前記カード挿入部は、他の携帯通信端末と近距離無線通信を行うための近距離無線通信部を有する携帯端末装置と近距離無線通信を行うための通信インターフェース部と、前記通信インターフェース部と接続されている集積回路とを有する通信インターフェースカードを挿入可能であり、
前記集積回路読み書き部は、前記通信インターフェースカードの集積回路との間で情報の読み書きを行い、
前記決済処理部は、前記集積回路読み書き部と、前記通信インターフェースカードの集積回路との間の情報の読み書きによって、近距離無線通信を介して前記携帯端末装置と接続されている他の携帯端末装置の電子決済機能と、前記決済サーバとの間で行われる電子決済を中継処理する
ことを特徴とする請求項2記載の車載用決済装置。
【請求項6】
決済サーバとの間で電子決済を行う車載用決済装置のカード挿入部に挿入可能な車載用決済通信インターフェースカードであって、
電子決済機能部を有する携帯端末装置との近距離無線通信を制御する近距離無線通信制御部と、
前記近距離無線通信制御部と接続されている集積回路と
を有し、
前記集積回路と、前記車載用決済装置が有する集積回路読み書き部との間での情報の読み書きによって、前記携帯端末装置の電子決済機能部と、前記決済サーバとの間で行われる電子決済を前記車載用決済装置に中継処理させる
ことを特徴とする車載用決済通信インターフェースカード。
【請求項7】
決済サーバとの間で電子決済を行う車載用決済装置のカード挿入部に挿入可能な車載用決済通信インターフェースカードであって、
他の携帯通信端末と近距離無線通信を行うための近距離無線通信部を有する携帯端末装置と通信を行うための通信インターフェース部と、
前記通信インターフェース部と接続されている集積回路と
を有し、
前記集積回路と、前記車載用決済装置が有する集積回路読み書き部との間での情報の読み書きによって、前記携帯端末装置と近距離無線通信を行う他の携帯端末装置の電子決済機能部と、前記決済サーバとの間で行われる電子決済を前記車載用決済装置に中継処理させる
ことを特徴とする車載用決済通信インターフェースカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−61237(P2010−61237A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−224042(P2008−224042)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】