説明

車載用電子機器

【課題】本発明は車載用電子機器に関するもので、異音の発生を抑制することを目的とするものである。
【解決手段】本発明は、本体ケース7と、この本体ケース7の前面に設けた操作パネル8と、この操作パネル8に設けた操作部9とを備え、前記操作パネル8の一部に接続端子10を設けるとともに、この接続端子10の表面側を開閉蓋5で覆い、前記開閉蓋5は、前記接続端子10の表面側を覆う蓋本体11と、この蓋本体11の一端側から前記本体ケース7の係止孔12内に挿入された帯状の係止片13とを有し、前記蓋本体11は、前記係止片13側に比べてこの係止片13側とは反対側の上下寸法を大きくし、前記係止片13は、上下方向の間に、帯状方向に伸びた貫通溝14を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される車載用電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される車載用電子機器は、本体ケースと、この本体ケースの前面に設けた操作パネルと、この操作パネルに設けた操作部とを備えた構成となっている。
【0003】
近年、前記操作パネルの一部に接続端子を設けるとともに、この接続端子の表面側を開閉蓋で覆ったものが提案されている。
【0004】
すなわち、運転者などが持ち込んだ携帯機器と前記車載用電子機器とを、接続線を介して接続することで、携帯機器が保有する音楽を車載用電子機器でも聞けるようにしたものである。
【0005】
前記開閉蓋は、前記接続端子の表面側を覆う蓋本体と、この蓋本体の一端側から前記本体ケースの係止孔内に挿入された帯状の係止片とを有する構成となっており、この開閉蓋を開放するときには、前記蓋本体を、本体ケースの前方側に引き出すようにしている(車載用電子機器ではないが、前記開閉蓋に類似する構成は、例えば下記特許文献1に記載されている)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−166140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来例における課題は、これを車載用に適用した場合に、異音が発生してしまうと言うことであった。
【0008】
すなわち、従来例の開閉蓋は、蓋本体の一端側から帯状の係止片を本体ケースの係止孔内に挿入させているので、この開閉蓋を開放するときには、係止片を引き出しながら蓋本体を本体ケースの接続端子前方側に引き出すこととなる。
【0009】
そして、この引き出された位置で蓋本体は、係止片に保持された状態で空中に位置した状態となるので、接続端子が表出することになる。したがって、この表出した接続端子に例えばUSBコネクタを接続端子に挿入することで、運転者などが持ち込んだ携帯機器と前記車載用電子機器とを、接続線を介して接続し、これにより、携帯機器が保有する音楽を車載用電子機器でも聞けるようにする。
【0010】
しかしながら、開放した蓋本体は、接続端子の前方において中空状態となっているので、車両運転時に発生する振動が前記蓋本体に伝達されると、この蓋本体が前記接続端子に接続されたUSBコネクタに不定期的に何度も衝突し、これが異音の発生となるのである。
【0011】
そこで、本発明は、異音を抑制することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そしてこの目的を達成するために本発明は、本体ケースと、この本体ケースの前面に設けた操作パネルと、この操作パネルに設けた操作部とを備え、前記操作パネルの一部に接続端子を設けるとともに、この接続端子の表面側を開閉蓋で覆い、前記開閉蓋は、前記接続端子の表面側を覆う蓋本体と、この蓋本体の一端側から前記本体ケースの係止孔内に挿入された帯状の係止片とを有し、前記蓋本体は、前記係止片側に比べてこの係止片側とは反対側の上下寸法を大きくし、前記係止片は、上下方向の間に、帯状方向に伸びた貫通溝を形成した構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明は、本体ケースと、この本体ケースの前面に設けた操作パネルと、この操作パネルに設けた操作部とを備え、前記操作パネルの一部に接続端子を設けるとともに、この接続端子の表面側を開閉蓋で覆い、前記開閉蓋は、前記接続端子の表面側を覆う蓋本体と、この蓋本体の一端側から前記本体ケースの係止孔内に挿入された帯状の係止片とを有し、前記蓋本体は、前記係止片側に比べてこの係止片側とは反対側の上下寸法を大きくし、前記係止片は、上下方向の間に、帯状方向に伸びた貫通溝を形成したので、異音の発生を抑制することができる。
【0014】
すなわち、本発明の開閉蓋は、前記接続端子の表面側を覆う蓋本体と、この蓋本体の一端側から前記本体ケースの係止孔内に挿入された帯状の係止片とを有し、前記蓋本体は、前記係止片側に比べてこの係止片側とは反対側の上下寸法を大きくし、前記係止片は、上下方向の間に、帯状方向に伸びた貫通溝を形成したので、蓋本体を開放した時には、この蓋本体は、その係止片とは反対側の重量が重いことで、接続端子から離れる方向に変移した位置で中空保持される。このため、車両の振動が加わったとしても、接続端子に接続された例えばUSBコネクタに衝突することは少なく、その結果として、異音の発生を抑制することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる車載用電子機器を車両に搭載した状態を示す図
【図2】同車載用電子機器の要部の拡大正面図
【図3】同車載用電子機器の要部の拡大正面図
【図4】同車載用電子機器の要部の拡大斜視図
【図5】同車載用電子機器の要部の拡大斜視図
【図6】同車載用電子機器の要部の拡大正面図
【図7】同車載用電子機器の要部の拡大正面図
【図8】同車載用電子機器の要部の拡大平面図
【図9】同車載用電子機器の要部の拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1において、1は車両本体を示し、この車両本体1の車内2前方にはハンドル3が配置され、また車内2のハンドル3左方には車載用電子機器4が配置されている。
【0017】
この車載用電子機器4は、CDやDVDなどを再生するものであり、また携帯機器の一例として用いた携帯電話からの例えば音楽データを取り込むためには、開閉蓋5を開放し、そこに例えば、USBコネクタ(図5の6)を接続するようになっている。
【0018】
具体的には、前記車載用電子機器4は、本体ケース7と、この本体ケース7の前面に設けた操作パネル8と、この操作パネル8に設けた複数の操作部9とを備え、前記操作パネ
ル8の一部には、図3、図4のごとく接続端子10を設けている。また、この接続端子10の表面側は上述した開閉蓋5で図2のごとく覆われている。
【0019】
前記開閉蓋5は、図7、図8に示すごとく前記接続端子10の表面側を覆う蓋本体11と、この蓋本体11の一端側から図3、図4、図5、図9に示すごとく、前記本体ケース7の係止孔(図6の12)内に挿入された帯状の係止片13とを有する。また、前記蓋本体11は、図2、図7に示すごとく前記係止片13側に比べてこの係止片13側とは反対側の上下寸法を大きくしている。さらに、前記係止片13は、上下方向の間に、帯状方向に伸びた貫通溝14を形成している。
【0020】
そして、図6に示すごとく、前記本体ケース7の係止孔12内には、開閉蓋5の貫通溝14内に突入する抜止め片15を設けている。
【0021】
なお、蓋本体11と係止片13は、弾性体によって一体形成したものである。
【0022】
以上の構成において、開閉蓋5の係止片13は、図8に示すごとく、一旦後方に伸び、その後、前記蓋本体11の上下寸法を大きくした部分(図7の左側部分)とは、反対方向に曲げて伸ばした状態となっている。
【0023】
そして、この係止片13を図6に示す係止孔12に図9に示すごとく挿入することで、蓋本体11を操作パネル8に押し込むことが可能となっている。このとき、蓋本体11も係止片13も弾性体で形成しているので、これらの挿入や押し込みは、容易に行うことができる。
【0024】
さて、例えば、携帯電話が保有する音楽を聴く場合には、図3、図4に示すごとく、蓋本体11を操作パネル8から引き出すとともに、係止片13も抜止め片15に当接するまで引き出すことになる。これにより、接続端子10前方は、大きく開放された状態となるので、この接続端子10にUSBコネクタ6を図5に示すごとく、簡単に挿入することができる。
【0025】
この状態において重要なことは、開閉蓋5を、前記接続端子10の表面側を覆う蓋本体11と、この蓋本体11の一端側から前記本体ケース7の係止孔12内に挿入された帯状の係止片13とを有する構成とし、さらに、前記蓋本体11は、前記係止片13側に比べてこの係止片13側とは反対側の上下寸法を大きくし、さらにまた係止片13は、上下方向の間に、帯状方向に伸びた貫通溝14を形成したことである。
【0026】
このため、図3、図4、図5に示すごとく、蓋本体11を開放した時には、この蓋本体11は、その係止片13とは反対側の重量が重いことで、接続端子10から離れる方向に変移した位置で中空保持される。
【0027】
つまり、前記蓋本体11は、前記係止片13側に比べてこの係止片13側とは反対側の上下寸法を大きくし、さらにまた係止片13は、上下方向の間に、帯状方向に伸びた貫通溝14を形成したことにより、例えば、図4において、貫通溝14の上下に位置する係止片13のうち下方に位置するものは、上方に位置するものよりも後方側(図4の右手斜め後方側)に変移した状態となる。このため、蓋本体11は、図5の右側に付勢された状態となるので、車両の振動が加わった場合でも、接続端子10に接続された例えばUSBコネクタ6に衝突することは少なくなり、その結果として、異音の発生を抑制することができるのである。
【産業上の利用可能性】
【0028】
以上のように本発明においては、本体ケースと、この本体ケースの前面に設けた操作パネルと、この操作パネルに設けた操作部とを備え、前記操作パネルの一部に接続端子を設けるとともに、この接続端子の表面側を開閉蓋で覆い、前記開閉蓋は、前記接続端子の表面側を覆う蓋本体と、この蓋本体の一端側から前記本体ケースの係止孔内に挿入された帯状の係止片とを有し、前記蓋本体は、前記係止片側に比べてこの係止片側とは反対側の上下寸法を大きくし、前記係止片は、上下方向の間に、帯状方向に伸びた貫通溝を形成したので、異音の発生を抑制することができる。
【0029】
すなわち、本発明の開閉蓋は、前記接続端子の表面側を覆う蓋本体と、この蓋本体の一端側から前記本体ケースの係止孔内に挿入された帯状の係止片とを有し、前記蓋本体は、前記係止片側に比べてこの係止片側とは反対側の上下寸法を大きくし、前記係止片は、上下方向の間に、帯状方向に伸びた貫通溝を形成したので、蓋本体を開放した時には、この蓋本体は、その係止片とは反対側の重量が重いことで、接続端子から離れる方向に変移した位置で中空保持される。このため、車両の振動が加わったとしても、接続端子に接続された例えばUSBコネクタに衝突することは少なく、その結果として、異音の発生を抑制することができるのである。
【0030】
したがって、車載用電子機器としての活用が期待されるものとなる。
【符号の説明】
【0031】
1 車両本体
2 車内
3 ハンドル
4 車載用電子機器
5 開閉蓋
6 USBコネクタ
7 本体ケース
8 操作パネル
9 操作部
10 接続端子
11 蓋本体
12 係止孔
13 係止片
14 貫通溝
15 抜止め片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースと、この本体ケースの前面に設けた操作パネルと、この操作パネルに設けた操作部とを備え、前記操作パネルの一部に接続端子を設けるとともに、この接続端子の表面側を開閉蓋で覆い、前記開閉蓋は、前記接続端子の表面側を覆う蓋本体と、この蓋本体の一端側から前記本体ケースの係止孔内に挿入された帯状の係止片とを有し、前記蓋本体は、前記係止片側に比べてこの係止片側とは反対側の上下寸法を大きくし、前記係止片は、上下方向の間に、帯状方向に伸びた貫通溝を形成した車載用電子機器。
【請求項2】
前記本体ケースの係止孔内には、開閉蓋の貫通溝内に突入する抜止め片を設けた請求項1に記載の車載用電子機器。
【請求項3】
蓋本体と係止片を一体形成した請求項1または2に記載の車載用電子機器。
【請求項4】
開閉蓋を弾性体によって形成した請求項3に記載の車載用電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−103594(P2013−103594A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248339(P2011−248339)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】