説明

車輪回転検出装置、タイヤセンサユニット及びタイヤ状態監視装置

【課題】車輪の周方向における位置を適切に判定することができ、しかも製造コストや消費電力を抑制することができるようにする。
【解決手段】タイヤセンサユニット3は、タイヤの状態を検出するタイヤ状態検出部と、タイヤ状態データ信号を無線送信する送信部16と、重力加速度に応じた検出信号を発生する加速度センサ13と、加速度センサ13の検出信号に基づいて、車輪の周方向におけるタイヤセンサユニットの位置を判定するセンサユニットコントローラ14と、を備えている。センサユニットコントローラ14は、所定の読み取り時間間隔で加速度センサ13の検出信号を読み取るとともに、車輪1回転当たりにおける検出信号の読み取り回数が一定値となるよう、車輪の回転速度に応じて読み取り時間間隔を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車輪に設けられる車輪回転検出装置、同車輪回転検出装置が適用されたタイヤセンサユニット、及び同タイヤセンサユニットを備えたタイヤ状態監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、車両に設けられた複数のタイヤの状態を運転者が車室内で確認できるようにするために、無線方式のタイヤ状態監視装置が提案されている、同特許文献1に記載されたタイヤ状態監視装置は、車両の車輪にそれぞれ装着される複数のタイヤセンサユニットと、車両の車体に搭載される受信機ユニットとを備えている。各タイヤセンサユニットは、対応するタイヤの状態、即ちタイヤ内の圧力や温度を検出し、検出されたタイヤの状態を示すデータを含むデータ信号を無線送信する。一方、受信機ユニットは、各タイヤセンサユニットからのデータ信号を受信アンテナを通じて受信して、タイヤ状態に関する情報を、車室内に設けられた表示器に必要に応じて表示させる。
【0003】
上記タイヤセンサユニットは車輪と共に回転するので、車両走行時には、受信アンテナに対するタイヤセンサユニットの位置関係が常に変化する。しかし、受信アンテナでのデータ信号の受信レベルは、車輪の周方向におけるタイヤセンサユニットの位置、すなわち周方向位置に応じて異なる。そして、タイヤセンサユニットの周方向位置によっては、受信アンテナでのデータ信号の受信レベルが必要なレベルに満たない場合もある。
【0004】
そこで、上記特許文献1では、タイヤセンサユニットに加速度センサを設け、その加速度センサの検出信号に基づいてタイヤセンサユニットの周方向位置を判定するようにしている。車両の走行時(すなわち、車輪の回転時)、加速度センサの加速度の検出方向は、重力加速度の方向に対して変化する。そのため、車両の走行時、加速度センサの検出信号は、車輪が1回転する期間を1周期として正弦波状に変化する。この正弦波状に変化する検出信号に基づき、タイヤセンサユニットの周方向位置を判定することができる。そして特許文献1では、タイヤセンサユニットが受信アンテナの受信可能範囲内の周方向位置に位置しているときにデータ信号の送信を行うようにして、データ信号を受信アンテナで確実に受信できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−321958号公報
【特許文献2】特開2009−184405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1には記載されていないが、通常、加速度センサの検出信号は、タイヤセンサユニットに備えられたマイクロコンピュータによって一定の時間間隔で読み取られる。マイクロコンピュータは、この一定の時間間隔で読み取った検出信号に基づき、タイヤセンサユニットの周方向位置を判定する。一方、車輪が1回転する時間は、車両の走行速度(すなわち、車輪の回転速度)の変化に応じて大きく変化する。そのため、車輪が1回転する間における検出信号の読み取り回数は、車両の走行速度の変化に応じて大きく変化する。
【0007】
例えば、特許文献2には、加速度センサの検出信号に基づいてタイヤが回転しているか否かを判定するタイヤ回転検出装置が開示されている。同特許文献2の段落[0012]によれば、加速度センサの検出信号は一定の時間間隔、例えば0.1秒間隔で読み取られるようになっている。また、同段落[0012]によれば、車両が時速約4kmの低速で走行しているとき、車輪は約1.8秒で1回転する。従って、この特許文献2では、車両が時速約4kmで走行しているとき、車輪が1回転する間に加速度センサの検出信号が約18回読み取られることになる。しかしながら、車両が例えば時速約40kmで走行しているときには、車輪が1回転する間に加速度センサの検出信号を約1.8回しか読み取ることができない。そのため、上記特許文献1において、この特許文献2のように検出信号の読み取り時間間隔を0.1秒に設定したとすると、車両が低速域以外の速度域で走行している際にはタイヤセンサユニットの周方向位置を正確に把握することが困難になる。
【0008】
そこで、検出信号の読み取り時間間隔を0.01秒という短い時間間隔に設定したとすると、車両が時速約40kmで走行しているときには、車輪が1回転する間に加速度センサの検出信号が約18回読み取られることになる。一方、このようにすると、車両が時速約4kmで走行しているときには、車輪が1回転する間に加速度センサの検出信号が約180回という非常に多くの回数読み取られることになる。しかし、このように多くの回数の読み取りを行ったとしても、読み取られた検出信号から得られる加速度値全ての精度を保証できるようにするためには、加速度センサの分解能や精度を高くする必要がある。
【0009】
図8(a)には車輪50が1回転する間に加速度センサの検出信号を12回読み取る例が示されており、図8(b)には車輪50が1回転する間に加速度センサの検出信号を18回読み取る例が示されている。この図8(a)及び図8(b)においては、車輪50上にそれぞれ12個、18個の点で示される各周方向位置にタイヤセンサユニットが位置するときに、加速度センサの検出信号が読み取られるとともにその検出信号から加速度値が得られるものとする。なお、タイヤセンサユニットが周方向位置P1に位置するときに加速度センサが1Gの重力加速度を検出するように、タイヤセンサユニットが車輪50に取り付けられているものとする。また、図8(c)には、各周方向位置にてそれぞれ得られる加速度値が示されている。ただし、この図8(c)には、車輪50が1回転する間に検出信号を12回読み取った場合と18回読み取った場合とに得られる加速度値だけでなく、車輪50が1回転する間に検出信号を180回読み取った場合に得られる加速度値も示されている。
【0010】
ここで、これらの周方向位置にてそれぞれ得られる加速度値を互いに区別できるようにするためには、少なくとも、隣り合う2つの周方向位置(例えば、図8(a)及び図8(b)におけるP1,P2)にてそれぞれ得られる加速度値を互いに区別可能な程度の分解能や精度を有する加速度センサを用いる必要がある。例えば、加速度センサに要求される精度は、以下の式で表される。
【0011】
(位置P1での加速度値−位置P2での加速度値)/2
よって、車輪1回転当たりの読み取り回数が12回の場合には(1−0.866)/2=0.067Gの精度が要求され、車輪1回転当たりの読み取り回数が18回の場合には(1−0.94)/2=0.03Gの精度が要求され、車輪1回転当たりの読み取り回数が180回の場合には(1−0.999)/2=0.0005Gの精度が要求される。すなわち、隣り合う2つの周方向位置にてそれぞれ得られる加速度値の差は、車輪が1回転する間における検出信号の読み取り回数が多いほど小さくなる。従って、車輪が1回転する間における検出信号の読み取り回数が多いほど、加速度センサとして分解能や精度のより高いものを使用する必要があるのである。しかしこれは、タイヤセンサユニットの製造コストを上昇させる原因となる。加えて、タイヤセンサユニットは一般的に、内蔵電池から供給される電力によって駆動される。そのため、検出信号の読み取り時間間隔を短くすると、タイヤセンサユニットが頻繁に動作することとなり、電池の消費電力が増大して電池寿命が短くなってしまう。
【0012】
本発明の目的は、車輪の周方向における位置を適切に判定することができ、しかも製造コストや消費電力を抑制することのできる車輪回転検出装置、タイヤセンサユニット及びタイヤ状態監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明は、車輪に設けられる車輪回転検出装置において、前記車輪と共に回転して、重力加速度に応じた検出信号を発生する加速度センサと、前記加速度センサの検出信号に基づいて、前記車輪の周方向における車輪回転検出装置の位置を判定する判定部と、を備える車輪回転検出装置を提供する。前記判定部は、所定の読み取り時間間隔で前記加速度センサの検出信号を読み取るように構成されるとともに、車輪1回転当たりにおける前記検出信号の読み取り回数が一定値となるよう、前記車輪の回転速度に応じて前記読み取り時間間隔を変更するように構成される。
【0014】
本発明によれば、車輪1回転当たりにおける検出信号の読み取り回数が一定値となるよう、車輪の回転速度に応じて検出信号の読み取り時間間隔が変更される。すなわち、検出信号の読み取り時間間隔は、車輪の回転速度が速くなれば短くなり、車輪の回転速度が遅くなれば長くなる。そのため、車輪1回転当たりにおける検出信号の読み取り回数を、車輪の回転速度に拘わらず常に適切な回数に維持することが可能となる。よって、読み取った検出信号に基づき車輪の周方向における車輪回転検出装置の位置を適切に判定することができる。しかも、車輪1回転当たりにおける検出信号の読み取り回数が過剰に多くなることもないので、加速度センサとして分解能や精度の高い高価なものを使用する必要もない。よって、製造コストを抑制することができる。加えて、検出信号の読み取り時間間隔は車輪の回転速度が遅くなれば長くなるので、消費電力を極力抑制することができる。
【0015】
本発明において、前記加速度センサの検出信号は前記車輪が1回転する間の期間を1周期として変化するようになっている。そして、前記判定部は、前記1周期の間における前記検出信号の読み取り回数を計数して、同読み取り回数が前記一定値より少ない場合には前記読み取り時間間隔を短くし、同読み取り回数が前記一定値より多い場合には前記読み取り時間間隔を長くする。
【0016】
上記構成によれば、車輪が1回転する度に、検出信号の読み取り時間間隔を適正な値に調整することができる。
本発明の一態様において、前記加速度センサは、加速度の検出方向が前記車輪の周方向と一致するように同車輪に対して配置される。
【0017】
仮に、加速度の検出方向が車輪の径方向と一致するように加速度センサを車輪に対して配置した場合には、加速度センサの検出信号には、重力加速度成分と、車輪の回転に伴い生じる遠心加速度成分との両方が含まれるようになる。遠心加速度は車輪の回転速度に応じて変化するので、このような配置を採用した場合には、加速度センサとして、加速度の検出範囲の大きなものを使用する必要がある。
【0018】
これに対し、本発明のように、加速度の検出方向が車輪の周方向と一致するように加速度センサを車輪に対して配置すれば、加速度センサの検出信号には、重力加速度成分のみが含まれ、遠心加速度成分は含まれないようになる。そのため、加速度センサとしては、加速度の検出範囲の大きなものを使用する必要はなく、よって、比較的狭い検出範囲で加速度を高精度に検出することが可能となる。
【0019】
上述した車輪回転検出装置は、車両の車輪に設けられるタイヤセンサユニットに好適に適用することができる。すなわち、同タイヤセンサユニットは、車輪におけるタイヤの状態を検出するタイヤ状態検出部と、前記タイヤ状態検出部によって検出されたタイヤの状態を示すデータを含むデータ信号を無線送信する送信部と、前記車輪と共に回転して、重力加速度に応じた検出信号を発生する加速度センサと、前記加速度センサの検出信号に基づいて、前記車輪の周方向におけるタイヤセンサユニットの位置を判定する判定部と、を備える。前記送信部は、前記タイヤセンサユニットが特定の位置に配置されたときにデータ信号の無線送信を行うように構成される。前記判定部は、所定の読み取り時間間隔で前記加速度センサの検出信号を読み取るように構成されるとともに、車輪1回転当たりにおける前記検出信号の読み取り回数が一定値となるよう、前記車輪の回転速度に応じて前記読み取り時間間隔を変更するように構成される。
【0020】
本発明によれば、車輪の周方向におけるタイヤセンサユニットの位置を適切に判定することができるので、適切なタイミングでデータ信号の無線送信を行うことができる。しかも、製造コストを抑制することができるだけでなく、消費電力を極力抑制することができる。
【0021】
上記したタイヤセンサユニットは、車両の車体に設置されるとともにタイヤセンサユニットから送信されるデータ信号を受信する受信機ユニットと共に、タイヤ状態監視装置として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係るタイヤ状態監視装置が搭載された車両を示す概略構成図。
【図2】図1のタイヤセンサユニットの回路構成を示すブロック図。
【図3】(a)〜(d)は、タイヤセンサユニットの周方向位置のそれぞれにおいて加速度センサが検出する加速度成分を説明するための車輪の概略図。
【図4】図2のタイヤセンサユニットが実行する読み取り時間間隔調整手順を示すフローチャート。
【図5】(a),(b)は、図4の読み取り時間間隔調整手順を説明するためのタイミングチャート。
【図6】車輪に対する加速度センサの配置にそれぞれ対応する、加速度センサの検出信号の変化態様を示すグラフ。
【図7】(a)〜(d)は、本発明の別例に係るタイヤセンサユニットの配置を説明するための車輪の概略図。
【図8】(a)は車輪が1回転する間に加速度センサの検出信号を12回読み取る例を示す車輪の概略図、(b)は車輪が1回転する間に加速度センサの検出信号を18回読み取る例を示す車輪の概略図、(c)は車輪が1回転する間に検出信号を12回、18回及び180回読み取った場合のそれぞれについて、各周方向位置にてそれぞれ得られる加速度値を示す表。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明をタイヤ状態監視装置に具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、タイヤ状態監視装置を搭載した車両1が示されている。タイヤ状態監視装置は、車両1の4つの車輪2にそれぞれ取り付けられる4つのタイヤセンサユニット3と、車両1の車体に設置される受信機ユニット4とを備えている。前記各車輪2は、ホイール部5と同ホイール部5に装着されるタイヤ6とを含む。
【0024】
車輪回転検出装置としての前記各タイヤセンサユニット3は、タイヤ6の内部空間に配置されるように、そのタイヤ6が装着されたホイール部5に対して取り付けられている。各タイヤセンサユニット3は、対応するタイヤ6の状態(タイヤ内圧力、タイヤ内温度)を検出して、検出されたタイヤ状態を示すデータを含む信号、即ちタイヤ状態データ信号(以下、データ信号と称する)を無線送信する。
【0025】
図2に示すように、前記各タイヤセンサユニット3は、圧力センサ11、温度センサ12、加速度センサ13、制御部及び判定部としてのセンサユニットコントローラ14、及び、送信部としてのRF送信回路16を備えている。圧力センサ11及び温度センサ12は、タイヤ6の状態を検出するタイヤ状態検出部を構成する。センサ11,12,13、センサユニットコントローラ14、及びRF送信回路16は、タイヤセンサユニット3に内蔵された電池18から供給される電力によって駆動される。
【0026】
前記圧力センサ11は、対応するタイヤ6内の圧力(内部空気圧)を検出して、その検出によって得られたタイヤ内圧力データをセンサユニットコントローラ14に出力する。温度センサ12は、対応するタイヤ6内の温度(内部空気温度)を検出して、その検出によって得られたタイヤ内温度データをセンサユニットコントローラ14に出力する。センサユニットコントローラ14は、CPU、RAM14a(記憶部)及びROMを含むマイクロコンピュータ等よりなり、RAM14aには固有の識別情報であるIDコードが登録されている。このIDコードは、各タイヤセンサユニット3を受信機ユニット4において識別するために使用される情報であり、センサユニットコントローラ14からの送信信号に含められる。センサユニットコントローラ14は、タイヤ内圧力データ、タイヤ内温度データ及びIDコードを含むデータを、RF送信回路16に出力する。RF送信回路16は、センサユニットコントローラ14からのデータを変調して変調信号を生成し、変調信号を送信アンテナ19から無線送信する。
【0027】
各タイヤセンサユニット3は、例えば、タイヤ状態の計測動作を第1の所定時間間隔(例えば、1〜15秒間隔)で定期的に行う一方、前記データ信号の送信動作を前記第1の所定時間間隔よりも長い第2の所定時間間隔(例えば、1分間隔)で定期的に行う。但し、計測されたタイヤ状態が異常を示す場合(例えば、タイヤ内圧力の異常低下、タイヤ内圧力の急変、タイヤ内温度の急変等)、タイヤセンサユニット3は定期的な送信動作とは関係無く、直ちに送信動作を行う。
【0028】
図1に示すように、前記受信機ユニット4は、車体の所定箇所に設置され、例えば車両1のバッテリ(図示せず)からの電力によって動作する。受信機ユニット4は、車体の任意の箇所に配置された少なくとも1つの受信アンテナ32を備えており、各タイヤセンサユニット3から受信アンテナ32を通じて前記データ信号を受信して、その受信した信号を処理する。
【0029】
受信機ユニット4は、受信機ユニットコントローラ33、RF受信回路35、警報器37、及び表示器38を備えている。受信機ユニットコントローラ33はCPU、ROM及びRAMを含むマイクロコンピュータ等よりなり、受信機ユニット4の動作を統括的に制御する。RF受信回路35は、各タイヤセンサユニット3から受信アンテナ32を通じて受信された変調信号を復調して、受信機ユニットコントローラ33に送る。受信機ユニットコントローラ33は、RF受信回路35からのデータ信号に基づき、発信元のタイヤセンサユニット3に対応するタイヤ6の内部空気圧及び内部温度を把握する。
【0030】
受信機ユニットコントローラ33はまた、前記内部空気圧及び内部温度に関する情報等を前記表示器38に表示させる。表示器38は、車室内等、車両1の搭乗者の視認範囲に配置される。受信機ユニットコントローラ33はさらに、内部空気圧や内部温度の異常を前記警報器(報知器)37にて報知させる。警報器37としては、例えば、異常を音によって報知する装置や、異常を光によって報知する装置が適用される。なお、このような異常を報知器としての表示器38によって報知させるようにしてもよい。この場合、異常の具体的内容を表示器38上に文字で表示することが好ましい。
【0031】
次に、本発明の要部に係る構成について説明する。
前記タイヤセンサユニット3に備えられた加速度センサ13は、例えば、ピエゾ抵抗型や静電容量型の加速度センサとして周知のものであり、加速度に応じた検出信号を発生して出力する。なお本実施形態では、加速度センサ13として1軸の加速度センサ、すなわち一つの検出軸に沿った方向の加速度成分を検出可能な加速度センサが用いられる。図3(a)〜図3(d)に示すように、加速度センサ13は、加速度の検出方向(すなわち、検出軸)10が車輪2の周方向と一致するように、同車輪2に対して配置される。言い換えれば、加速度センサ13は、車輪2の周方向の加速度成分を検出するが、車輪2の径方向の加速度成分は検出しないように、同車輪2に対して配置される。
【0032】
図3(a)〜図3(d)は、タイヤセンサユニット3が車輪2の周方向における4つの位置、すなわち4つの周方向位置にそれぞれ位置する状態を示している。図3(a)及び図3(c)は、タイヤセンサユニット3が図3(d)の最上位置と図3(b)の最下位置との間の中間位置に位置している状態を示している。車輪2の回転に伴い、タイヤセンサユニット3の周方向位置は、図3(a)、図3(b)、図3(c)、図3(d)の順に変化する。
【0033】
車輪2の回転時において、タイヤセンサユニット3が図3(a)に示す中間位置に位置するときには、加速度センサ13の検出軸10は重力加速度AGの方向と平行で且つ遠心加速度ACの方向と直交する。そのため、加速度センサ13は重力加速度AGのみを反映する検出信号、ここでは1Gの重力加速度AGの値を示す検出信号を出力する。
【0034】
その後、タイヤセンサユニット3が図3(b)に示す最下位置に移動すると、加速度センサ13の検出軸10は重力加速度AGの方向及び遠心加速度ACの方向の双方と直交する。そのため、加速度センサ13は0Gの加速度の値を示す検出信号を出力する。
【0035】
その後、タイヤセンサユニット3が図3(c)に示す中間位置に移動すると、図3(a)の場合と同様、加速度センサ13の検出軸10は重力加速度AGの方向と平行で且つ遠心加速度ACの方向と直交する。そのため、加速度センサ13は重力加速度AGのみを反映する検出信号、ここでは−1Gの重力加速度AGの値を示す検出信号を出力する。
【0036】
その後、タイヤセンサユニット3が図3(d)に示す最上位置に移動すると、図3(b)の場合と同様、加速度センサ13の検出軸10は重力加速度AGの方向及び遠心加速度ACの方向の双方と直交する。そのため、加速度センサ13は0Gの加速度の値を示す検出信号を出力する。
【0037】
以上のように、車輪2の回転時、加速度センサ13の検出軸の方向は、遠心加速度の方向に対して直交した状態を維持しつつ、重力加速度の方向に対して変化する。そのため、図5(a)及び図5(b)に示すように、車輪2の回転時、加速度センサ13の検出信号は、車輪2が1回転する期間を1周期として、−1Gの加速度値と1Gの加速度値との間で正弦波状に変化する。この正弦波状に変化する検出信号に基づき、センサユニットコントローラ14は、タイヤセンサユニット3の周方向位置を判定することができる。より具体的には、センサユニットコントローラ14は、この検出信号が示す加速度値の大きさ、及びその加速度値の変化の方向に基づき、タイヤセンサユニット3の周方向位置を判定することができる。
【0038】
そして、本実施形態では、センサユニットコントローラ14は、タイヤセンサユニット3が図3(d)に“θ”で示す適正受信範囲内の周方向位置に位置しているときに、RF送信回路16にデータ信号の送信を行わせるようにしている。例えば、前述した第2の所定時間間隔に従う送信タイミングが到来した場合、タイヤセンサユニット3が適正受信範囲θ内の周方向位置に移動してからデータ信号の送信が行われる。これにより、データ信号を受信アンテナ32で確実に受信することができる。
【0039】
なお、前記加速度センサ13の検出信号に基づき、車両1の走行の有無を判定したり、車輪2の回転速度(言い換えれば、車速)を判定したりすることもできる。例えば、加速度センサ13の検出信号から得られる加速度値の大きさ(或いは加速度値の変化量)が所定値を越えたか否かに基づいて、車両1の走行の有無を判定することができる。また、例えば、加速度センサ13の検出信号の1周期の時間に基づき、車輪2の回転速度(車速)を判定することができる。
【0040】
そして、車両1が走行しているか否かに応じて、或いは車速に応じて、前記圧力センサ11の動作態様や前記温度センサ12の動作態様を制御することができる。例えば、車両1が走行停止しているときには、少なくともデータ信号の定期的な送信動作を行わないようにしてもよいし、或いは前記第1の所定時間間隔や前記第2の所定時間間隔を車両走行時よりも長くしてもよい。さらには、車両1の走行時において、車速に応じて前記第1の所定時間間隔や前記第2の所定時間間隔を変更してもよい。この場合、車速が上昇するほど、第1の所定時間間隔や第2の所定時間間隔を短くするのが好ましい。
【0041】
また、本実施形態では、センサユニットコントローラ14は、所定の読み取り時間間隔ΔTで加速度センサ13の検出信号を読み取るように構成されている。さらに、センサユニットコントローラ14は、車輪1回転当たりにおける前記検出信号の読み取り回数が所定の一定値である基準値CRとなるよう、車輪2の回転速度に応じて前記読み取り時間間隔ΔTを変更するように構成されている。なお、基準値CRは例えば“8”〜“16”の範囲の値に設定され、本実施形態では“12”に設定されているが、この値に限定されるものではない。
【0042】
以下、センサユニットコントローラ14が実行する読み取り時間間隔調整手順について、図5を参照しつつ、図4のフローチャートに従って説明する。なお、図4に示すルーチンは、車両1の走行停止時には実行されず、車両1の走行時において、その時点で設定されている読み取り時間間隔ΔTが経過する度に繰り返し実行される。なお、車両1の走行停止時には、車両1の走行開始を検出可能な程度の所定の読み取り時間間隔ΔTで加速度センサ13の検出信号が読み取られるものとする。そして、車両1の走行開始が検出された後には先ず、加速度センサ13の検出信号の周期的な変化を把握可能な程度の所定の読み取り時間間隔ΔTが初期値として設定されるものとする。
【0043】
まずステップS1において、センサユニットコントローラ14は、加速度センサ13の検出信号の読み取り回数を示す現在のカウント値Cに“1”を加算し、その加算結果を新たなカウント値Cとして設定する。このカウント値Cはセンサユニットコントローラ14のRAM14aに記憶される。続くステップS2において、センサユニットコントローラ14は、加速度センサ13の検出信号を読み取って、同検出信号から加速度値Gを得る。
【0044】
そしてステップS3では、センサユニットコントローラ14は、今回得た加速度値Gが前回得た加速度値Gi―1以下であるか否かを判定する。今回の加速度値Gが前回の加速度値Gi―1より大きい場合には、センサユニットコントローラ14は処理を一旦終了し、現在設定されている読み取り時間間隔ΔTが経過した後に本ルーチンを開始する。一方、今回の加速度値Gが前回の加速度値Gi―1以下である場合には、センサユニットコントローラ14は処理をステップS4に移行する。
【0045】
ステップS4において、センサユニットコントローラ14は、前回の加速度値Gi−1が前々回の加速度値Gi―2より大きいか否かを判定する。前回の加速度値Gi−1が前々回の加速度値Gi―2以下である場合には、センサユニットコントローラ14は処理を一旦終了し、現在設定されている読み取り時間間隔ΔTが経過した後に本ルーチンを開始する。一方、前回の加速度値Gi−1が前々回の加速度値Gi―2より大きい場合には、センサユニットコントローラ14は、検出信号の読み取りを同検出信号の1周期分完了したものとして、処理をステップS5に移行する。
【0046】
ステップS5では、センサユニットコントローラ14は、以下の式(1)に従い、新たな読み取り時間間隔ΔTを設定する。
ΔT←ΔT×(C/CR) ・・・(1)
すなわち、センサユニットコントローラ14は、ステップS1で設定されたカウント値Cを基準値CR(本実施形態では“12”)で割ることによって得られた値を、現在設定されている読み取り時間間隔ΔTに乗じて、その乗算結果を新たな読み取り時間間隔ΔTとして設定する。
【0047】
次に、ステップS6において、センサユニットコントローラ14は、カウント値Cをゼロにリセットして、処理を一旦終了する。その後は、ステップS5で新たに設定された読み取り時間間隔ΔTが経過した後に、本ルーチンが開始される。
【0048】
以下に、上述した読み取り時間間隔調整手順を、図5(a)及び図5(b)を用いて説明する。
先ず、図5(a)に例示するように、例えば時刻t2で得られた今回の加速度値Gが前回の加速度値Gi―1以下であり(ステップS3:YES)、且つ前回の加速度値Gi−1が前々回の加速度値Gi―2より大きい(ステップS4:YES)場合には、今回の加速度値Gは1Gの加速度値(ピーク値)を経た直後に得られた値であると判定できる。そこで、本実施形態では、この時刻t2を加速度センサ13の検出信号の1周期の起点(或いは終点)としている。なお、図5(a)において、時刻t1,t3,t4,t5も同様に、検出信号の1周期の起点(或いは終点)である。この起点の各時刻t1〜t5は、タイヤセンサユニット3が図3(a)に示す中間位置付近に位置するタイミングに相当する。そして、この起点の各時刻t1〜t5において、1周期の間における検出信号の読み取り回数に基づき、読み取り時間間隔ΔTの調整が行われる(すなわち、ステップS5の処理が行われる)。
【0049】
例えば図5(a)において、時刻t1から時刻t2までの1周期の間は、検出信号の読み取りが読み取り時間間隔ΔT1で12回行われている。すなわち、時刻t2の時点でのカウント値Cは“12”となる。この“12”というカウント値Cは基準値CRの“12”と等しいので、時刻t2において上記式(1)に従って求められる新たな読み取り時間間隔ΔT2は、読み取り時間間隔ΔT1と同じになる。よって、時刻t2から次回の起点の時刻t3までは、検出信号の読み取りが、以前の周期での読み取り時間間隔ΔT1と同じ読み取り時間間隔ΔT2で行われる。
【0050】
しかし、時刻t2から時刻t3までの1周期の間では、検出信号の読み取り回数が15回になっている。すなわち、時刻t3の時点でのカウント値Cは“15”となる。この“15”というカウント値Cは基準値CRの“12”よりも大きい。これは、時刻t2から時刻t3までの1周期の時間が時刻t1から時刻t2までの1周期の時間よりも長くなった、つまり車輪2の回転速度が遅くなったことを示している。そのため、時刻t3において上記式(1)に従って求められる新たな読み取り時間間隔ΔT3は、読み取り時間間隔ΔT2よりも長くなる。従って、時刻t3から次回の起点の時刻t4までは、検出信号の読み取りが、以前の周期での読み取り時間間隔ΔT2よりも長い読み取り時間間隔ΔT3で行われる。
【0051】
時刻t3から時刻t4までの1周期の間では、検出信号の読み取り回数が12回になっている。そのため、時刻t4において上記式(1)に従って求められる新たな読み取り時間間隔ΔT4は、読み取り時間間隔ΔT3と同じになる。よって、時刻t4から次回の起点の時刻t5までは、検出信号の読み取りが、以前の周期での読み取り時間間隔ΔT3と同じ読み取り時間間隔ΔT4で行われる。
【0052】
また、図5(b)の例では、時刻t11から時刻t12までの1周期の間は、検出信号の読み取りが読み取り時間間隔ΔT11で12回行われている。そのため、時刻t12において上記式(1)に従って求められる新たな読み取り時間間隔ΔT12は、読み取り時間間隔ΔT11と同じになる。よって、時刻t12から次回の起点の時刻t13までは、検出信号の読み取りが、以前の周期での読み取り時間間隔ΔT11と同じ読み取り時間間隔ΔT12で行われる。
【0053】
しかし、時刻t12から時刻t13までの1周期の間では、検出信号の読み取り回数が10回になっている。すなわち、時刻t13の時点でのカウント値Cは“10”となる。この“10”というカウント値Cは基準値CRの“12”よりも小さい。これは、時刻t12から時刻t13までの1周期の時間が時刻t11から時刻t12までの1周期の時間よりも短くなった、つまり車輪2の回転速度が速くなったことを示している。そのため、時刻t13において上記式(1)に従って求められる新たな読み取り時間間隔ΔT13は、読み取り時間間隔ΔT12よりも短くなる。従って、時刻t13から次回の起点の時刻t14までは、検出信号の読み取りが、以前の周期での読み取り時間間隔ΔT12よりも短い読み取り時間間隔ΔT13で行われる。
【0054】
時刻t13から時刻t14までの1周期の間では、検出信号の読み取り回数が12回になっている。そのため、時刻t14において上記式(1)に従って求められる新たな読み取り時間間隔ΔT14は、読み取り時間間隔ΔT13と同じになる。よって、時刻t14から次回の起点の時刻t15までは、検出信号の読み取りが、以前の周期での読み取り時間間隔ΔT13と同じ読み取り時間間隔ΔT14で行われる。
【0055】
以上詳述した本実施形態は、下記の利点を有する。
(1)本実施形態では、所定の読み取り時間間隔ΔTで加速度センサ13の検出信号が読み取られる。そして、車輪1回転当たりにおける検出信号の読み取り回数が所定の一定値である基準値CRとなるよう、車輪2の回転速度に応じて検出信号の読み取り時間間隔ΔTが変更される。すなわち、検出信号の読み取り時間間隔は、車輪2の回転速度が速くなれば短くなり、車輪2の回転速度が遅くなれば長くなる。そのため、車輪1回転当たりにおける検出信号の読み取り回数を、車輪2の回転速度に拘わらず常に適切な回数に維持することが可能となる。よって、読み取った検出信号に基づき、車輪2の周方向におけるタイヤセンサユニット3の位置を適切に判定することができ、結果として、適切なタイミングでデータ信号の無線送信を行うことができる。
【0056】
しかも、車輪1回転当たりにおける検出信号の読み取り回数が過剰に多くなることもないので、加速度センサ13として分解能や精度の高い高価なものを使用する必要もない。よって、製造コストを抑制することができる。加えて、検出信号の読み取り時間間隔ΔTは車輪2の回転速度が遅くなれば長くなるので、消費電力を極力抑制することができる。よって、電池18の長寿命化を図ることができる。
【0057】
(2)本実施形態において、加速度センサ13の検出信号は車輪2が1回転する間の期間を1周期として変化するようになっている。そして、センサユニットコントローラ14は、その1周期の間における検出信号の読み取り回数を計数して、同読み取り回数が基準値CRより少ない場合には読み取り時間間隔ΔTを短くし、同読み取り回数が基準値CRより多い場合には読み取り時間間隔ΔTを長くする。従って、車輪2が1回転する度に、読み取り時間間隔ΔTを適正な値に調整することができる。
【0058】
(3)本実施形態では、加速度センサ13は、加速度の検出方向(検出軸)が車輪2の周方向と一致するように同車輪2に対して配置される。仮に、図7(a)〜図7(d)に示すように、加速度の検出方向10が車輪2の径方向と一致するように加速度センサ13を車輪2に対して配置した場合には、加速度センサ13の検出信号には、重力加速度成分と、車輪2の回転に伴い生じる遠心加速度成分との両方が含まれるようになる。遠心加速度は車輪2の回転速度に応じて変化するので、このような配置を採用した場合には、加速度センサ13として、加速度の検出範囲の大きなものを使用する必要がある。
【0059】
具体的には、加速度の検出方向10が車輪2の径方向と一致するように加速度センサ13を車輪2に対して配置した場合には、加速度センサ13の検出信号は図6に一点鎖線で示すように推移する。なお、図6では、車輪2の回転速度が徐々に上昇している、すなわち遠心加速度が徐々に大きくなっている。そのため、遠心加速度の増大に伴い、正弦波状に変化する加速度センサ13の検出信号のレベルが、全体として徐々に大きくなっている。よって、加速度センサ13として、加速度の検出範囲の大きなものを使用して、比較的大きな加速度をも検出できるようにする必要があるのである。
【0060】
これに対し、本実施形態のように、加速度の検出方向10が車輪2の周方向と一致するように加速度センサ13を車輪2に対して配置すれば、加速度センサ13の検出信号には、重力加速度成分のみが含まれ、遠心加速度成分は含まれないようになる。すなわち、加速度センサ13の検出信号は図6に実線で示すように、車輪2の回転速度の変化に関係なく、すなわち遠心加速度の変化に関係なく、−1Gの加速度値と1Gの加速度値との間の範囲でのみ正弦波状に変化する。そのため、加速度センサ13としては、加速度の検出範囲の大きなものを使用する必要はなく、よって、比較的狭い検出範囲で加速度を高精度に検出することが可能となる。また、検出信号の波形形状が安定するので、これも加速度を正確に検出する上で有効である。
【0061】
なお、上記実施形態は以下のように変更することも可能である。
・図7(a)〜図7(d)に示すように、加速度センサ13は、加速度の検出方向(検出軸)10が車輪2の径方向と一致するように同車輪2に対して配置されてもよい。言い換えれば、加速度センサ13は、車輪2の径方向の加速度成分を検出するが、車輪2の周方向の加速度成分は検出しないように、同車輪2に対して配置されてもよい。このようにした場合には、前述したように、加速度センサ13の検出信号には、重力加速度成分と遠心加速度成分との両方が含まれるようにはなる。しかし、その検出信号は図6に一点鎖線で示すように、基本的には正弦波状に変化する信号となるので、上記実施形態と同様の読み取り時間間隔調整手順を適用することができる。
【0062】
なお、タイヤセンサユニット3が図7(a)及び図7(c)に示す中間位置に位置するときには、加速度センサ13の検出軸10は重力加速度AGの方向と直交し且つ遠心加速度ACの方向と平行になる。そのため、加速度センサ13は遠心加速度ACのみを反映する検出信号を出力する。タイヤセンサユニット3が図7(b)に示す最下位置に位置するときには、加速度センサ13の検出軸10は重力加速度AGの方向及び遠心加速度ACの方向の双方と平行になる。この場合、加速度センサ13は1Gの重力加速度AGに遠心加速度ACを加えた加速度値を示す検出信号を出力する。タイヤセンサユニット3が図7(d)に示す最上位置に位置するときには、加速度センサ13の検出軸10は重力加速度AGの方向及び遠心加速度ACの方向の双方と平行になる。この場合、加速度センサ13は−1Gの重力加速度AGに遠心加速度ACを加えた加速度値(言い換えれば、遠心加速度ACから1Gの重力加速度AGを差し引いた加速度値)を示す検出信号を出力する。
【0063】
・上記実施形態では、検出信号の1周期の起点(或いは終点)を、タイヤセンサユニット3が図3(a)に示す中間位置付近に位置するときのタイミングとしている。しかし、検出信号の1周期の起点(或いは終点)を、タイヤセンサユニット3が図3(b)〜図3(d)のうちの何れかに示す位置付近に位置するときのタイミングとしてもよい。
【0064】
・本発明は、タイヤ状態監視装置におけるタイヤセンサユニット3への適用に限定されるものではなく、周方向位置を把握する目的で車輪2に設けられる各種の装置に適用することができる。
【0065】
以下に、上記実施形態から把握できる技術的思想について記載する。
[A]前記加速度センサは、加速度の検出方向が前記車輪の径方向と一致するように同車輪に対して配置される、請求項1又は2に記載の車輪回転検出装置。
【符号の説明】
【0066】
C…カウント値(読み取り回数)、CR…基準値(一定値)、ΔT…読み取り時間間隔、1…車両、2…車輪、3…タイヤセンサユニット(車輪回転検出装置)、4…受信機ユニット、6…タイヤ、11…圧力センサ(タイヤ状態検出部)、12…温度センサ(タイヤ状態検出部)、13…加速度センサ、14…センサユニットコントローラ(判定部)、16…RF送信回路(送信部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪に設けられる車輪回転検出装置において、
前記車輪と共に回転して、重力加速度に応じた検出信号を発生する加速度センサと、
前記加速度センサの検出信号に基づいて、前記車輪の周方向における車輪回転検出装置の位置を判定する判定部と、を備え、
前記判定部は、所定の読み取り時間間隔で前記加速度センサの検出信号を読み取るように構成されるとともに、車輪1回転当たりにおける前記検出信号の読み取り回数が一定値となるよう、前記車輪の回転速度に応じて前記読み取り時間間隔を変更するように構成される、車輪回転検出装置。
【請求項2】
前記加速度センサの検出信号は前記車輪が1回転する間の期間を1周期として変化するようになっており、
前記判定部は、前記1周期の間における前記検出信号の読み取り回数を計数して、同読み取り回数が前記一定値より少ない場合には前記読み取り時間間隔を短くし、同読み取り回数が前記一定値より多い場合には前記読み取り時間間隔を長くする、請求項1に記載の車輪回転検出装置。
【請求項3】
前記加速度センサは、加速度の検出方向が前記車輪の周方向と一致するように同車輪に対して配置される、請求項1又は2に記載の車輪回転検出装置。
【請求項4】
車両の車輪に設けられるタイヤセンサユニットにおいて、
前記車輪におけるタイヤの状態を検出するタイヤ状態検出部と、
前記タイヤ状態検出部によって検出されたタイヤの状態を示すデータを含むデータ信号を無線送信する送信部と、
前記車輪と共に回転して、重力加速度に応じた検出信号を発生する加速度センサと、
前記加速度センサの検出信号に基づいて、前記車輪の周方向におけるタイヤセンサユニットの位置を判定する判定部と、を備え、
前記送信部は、前記タイヤセンサユニットが特定の位置に配置されたときにデータ信号の無線送信を行うように構成され、
前記判定部は、所定の読み取り時間間隔で前記加速度センサの検出信号を読み取るように構成されるとともに、車輪1回転当たりにおける前記検出信号の読み取り回数が一定値となるよう、前記車輪の回転速度に応じて前記読み取り時間間隔を変更するように構成される、タイヤセンサユニット。
【請求項5】
請求項4に記載のタイヤセンサユニットと、前記車両の車体に設置されるとともに前記タイヤセンサユニットから送信される前記データ信号を受信する受信機ユニットとを備えるタイヤ状態監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−179928(P2012−179928A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42106(P2011−42106)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000204033)太平洋工業株式会社 (143)
【Fターム(参考)】