説明

軌道測定具および軌道測定方法

【課題】 測定部位を変える際に器具をレールから離さなくても、他の測定部位を測定することができる手段を提供する。
【解決手段】 軌道測定具10は、筒状部12と伸長部14とからなる本体と、筒状部12の先端に取付けられた第1基準部16と、伸長部14の先端に取付けられた第2基準部24と、伸長部14に摺動可能に取付けられた測定子28とから構成されている。第1基準部16、第2基準部24および測定子28には、それぞれ測定爪18,20,26,30が設けられており、それぞれはレール側面に当接する測定位置と、レールに接触しない避退位置とに移動可能となっている。これにより、測定部位を変える際に器具をレールから離さなくても、他の測定部位を測定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道線路において分岐器等の軌道の寸法を測定する軌道測定具および軌道測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
軌道における寸法を測定することは、軌道の保守管理上において重要なファクターである。特に分岐器においては、基本レールと基本レールとの間の寸法や、基本レールとトングレールとの間の寸法を短時間で正確に測定することは、分岐器の機能を維持することや、分岐器の保守作業の効率化において重要である。
【0003】
このような分岐器の測定を通常のメジャーやスケールを用いて行った場合、作業者の勘に頼って測定を行うために、測定結果に人的誤差が生じる。また、分岐器の測定を行うためには、一方のレールにスケールを固定する人間と、もう一方のレールにスケールを固定する人間と、当該スケールの値を読み取る人間との合計3人が必要となり、人数と時間がかかってしまう。そのため、測定作業を容易にするために、特許文献1のような測定器具が提案されている。この測定器具は長尺状の本体を有し、その両端にはレール側面に当接可能な測定爪を有する。測定爪は、本体の長手方向に沿って摺動可能とされている。測定時には、この特許文献1の器具は、測定爪を摺動させて、本体両端の測定爪を両方のレール側面に当接させることによって軌間を測定する。
【特許文献1】特開2001−146702号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような従来の器具は、分岐器を測定する場合に、基本レールと基本レールとの間を測定した後に、トングレールと基本レールとの間を測定しようとすると、測定部位を変えるたびに器具をレールから離してから当接し直さなければならない。そのため、特許文献1のような従来の器具は、分岐器の測定に用いると、測定に時間と労力を要し、測定精度の低下を招く欠点がある。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑み、分岐器等の軌道の測定において、測定部位を変える際に器具をレールから離さなくても、他の測定部位を測定することが可能な軌道測定具および軌道測定方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、伸縮自在な本体と、本体の一端に設けられたレール頭部に当接可能な第1の基準手段と、本体の他端に設けられたレール頭部に当接可能な第2の基準手段と、本体の長手方向に沿って摺動可能な第3の基準手段と、を備え、第1〜第3の基準手段は、レール側面に当接可能な測定手段をそれぞれ有し、第3の基準手段の測定手段は、レール側面に当接可能な測定位置と、レールに接触しない避退位置とに移動可能となっている、軌道測定具である。
【0007】
この構成によれば、第1および第2の基準手段が2本のレールのレール頭部にそれぞれ当接し、第1および第2の基準手段の測定手段が当該レールのレール側面にそれぞれ当接し、第3の基準手段が本体の長手方向に沿って摺動して、第3の基準手段の測定手段が当該レールのレール側面に当接するため、第3の基準手段の位置から軌間を測定することができる。また、第3の基準手段の測定手段は、レール側面に当接可能な測定位置と、レールに接触しない避退位置とに移動可能であるので、第3の基準手段を摺動させるときは、測定手段を避退位置に移動させることにより、2本のレール間のトングレール等に第3の基準手段の測定手段が当たることを防止できる。そのため、第1および第2の基準手段をレールに当接させたまま、第3の基準手段を本体に沿って摺動させて、他の測定部位を測定することが可能となる。
【0008】
この場合、本体の長手方向における第3の基準手段の位置を表示する表示手段をさらに備え、表示手段は、第3の基準手段の位置をデジタル表示するものであることが好適である。この構成によれば、表示手段が第3の基準手段の位置をデジタル表示するので、アナログ表示のような人的誤差を防止することができる。
【0009】
この場合、第1〜第3の基準手段における測定手段のいずれかは、当該レール側面における当接位置を変更自在となっていることが好適である。この構成によれば、測定手段が進退動可能にされており当該レール側面における当接位置を変更自在であるため、例えば測定の規格により、測定部位を変動しなくてはならない際に対応することが可能となる。
【0010】
この場合、第1および第2の基準手段のいずれかは、当該レール頭部との当接面に磁石を有することが好適である。この構成によれば、第1および第2の基準手段の当接面に設けられた磁石がレールに磁力により引かれ、第1および第2の基準手段をレールにより確実に固定することが可能となる。
【0011】
この場合、本体の長手方向に沿って摺動可能であって、レール頭部に当接可能なレール台をさらに備えることが好適である。この構成によれば、測定の状況によって、レール台をレール頭部に当接させて、軌道測定具をレール上に設置することが可能となる。また、レール台は本体の長手方向に沿って摺動可能であるため、レール台が測定の障害になる場合には、レール台を邪魔にならない場所に摺動させることが可能となる。
【0012】
また本発明の別の態様によれば、一対の基本レールとトングレールとからなる分岐器の寸法を測定する軌道測定方法であって、上記本発明の軌道測定具を用意するステップと、第1および第2の基準手段を一対の基本レールにそれぞれ当接させ、第1および第2の基準手段の測定手段を当該基本レールのレール側面にそれぞれ当接させるステップと、第3の基準手段の測定手段を測定位置に移動させるステップと、第3の基準手段の測定手段を基本レールのレール側面に当接させるステップと、第3の基準手段の測定手段を避退位置に移動させるステップと、第3の基準手段を前記本体の長手方向に沿って摺動させるステップと、第3の基準手段の測定手段を測定位置に移動させるステップと、第3の基準手段の測定手段を基本レールおよびトングレールのいずれかのレール側面に当接させるステップと、を含む軌道測定方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明による軌道測定具および軌道測定方法によれば、分岐器等の軌道の測定において、測定部位を変える際に器具をレールから離さなくても、他の測定部位を測定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】
図1は本発明の実施形態に係る軌道測定具を上方から見た様子を示す斜視図であり、図2は本発明の実施形態に係る軌道測定具を下方から見た様子を示す斜視図である。図1および2に示すように、本実施形態の軌道測定具10は、筒状部12と伸長部14とからなる本体と、筒状部12の先端に取付けられた第1基準部16(第1基準手段)と、伸長部14の先端に取付けられた第2基準部24(第2基準手段)と、伸長部14に摺動可能に取付けられた測定子28(第3基準手段)とから構成されている。以下、各部の詳細について説明する。
【0016】
図3は、本実施形態に係る軌道測定具の筒状部と伸長部との境界を示す斜視図である。図3に示すように、筒状部12の筒内に棒状あるいは板状の伸長部14が伸長可能に収められている。伸長部14が伸長しすぎて筒状部12から外れないように、伸長部14の端部には不図示の止め具が設けられている。本実施形態においては、筒状部12の長さは900〜1100mmであり、伸長部14は筒状部12から0〜500mmだけ伸長させることができるようにされている。なお、本実施形態においては、一の筒状部12に1つの伸長部14が収められているが、多段の筒状部を設けて軌道測定具の本体をより大きい範囲にわたって伸長させることができる。また、軌道測定具の本体を蛇腹構造とすることもできる。
【0017】
図4は、本発明の実施形態に係る軌道測定具の第1基準部付近を示す底面図である。図4に示すように、筒状部12の端部に取付けられた第1基準部16には、測定爪18,20(測定手段)が設けられている。測定爪18,20はそれぞれ図中矢印に示すように90度だけ回転動することが可能となっている。これにより測定爪18,20は、レール側面に接触する測定位置と、レールに接触しない避退位置とに移動することができる。測定爪18,20は、必ずしも回転動により測定位置と避退位置とに移動する必要はなく、進退道等の他の動作によって測定位置と避退位置とに移動するようになっていても良い。第1基準部16の底面には磁石34が設けられ、第1基準部16は当該磁石34によりレール頭部に引き寄せられて固定されるようになっている。また、筒状部12には、レール台22が筒状部12の長手方向に沿って摺動可能に取付けられている。
【0018】
図5〜9は、本実施形態に係る軌道測定具の第1基準部付近を示す側面図である。図5に示すように、第1基準部16は、例えば基本レール100のレール頭部102に、両方の測定爪18,20を避退位置に畳んだ状態で当接させることができる。図6に示すように、第1基準部16は、一方の測定爪18を測定位置に移動させることによって、基本レール100のレール側面104に測定爪18を当接させることができる。この測定爪18は、分岐器を測定する際の測定規格とされているレール頭部102の面から14mm下の点でレール側面104と当接するようになっている。なお、第1基準部16の測定爪18,20は、後述する測定子28の測定爪30のように進退道可能し、レール側面104と当接する位置を変更可能とすることもできる。図7に示すように、第1基準部16は、測定時の状況に応じて、両方の測定爪18,20を測定位置に移動させ、レール側面104,106と当接させることもできる。
【0019】
後述するように、開口寸法等の測定部位によっては筒状部12が測定箇所に比べて長すぎて伸長部14を十分な長さに伸ばせないため、測定子28を摺動させて測定を行うことができない場合がある。そのような場合には、図8に示すように、レール台22をレール頭部102に当接させることにより、伸長部14を伸ばすことができ、測定子28による測定が可能になる。また、バックゲージの測定時のように、レール台22が高いガードレールに当たってしまう場合には、図9に示すように、レール台22をガードレール900に当たらない位置に移動させることによって、容易に測定を行うことができる。
【0020】
図10は、本実施形態に係る軌道測定具の第2基準部と測定子を示す底面図である。図10に示すように、伸長部14に取付けられた第2基準部24には、第1基準部16と同様の測定爪26(測定手段)が設けられている。測定爪26はそれぞれ図中矢印に示すように90度だけ回転動することが可能となっている。これにより測定爪26は、レール側面に接触する測定位置と、レールに接触しない避退位置とに移動することができる。第1基準部16の測定爪18,20と同様に、第2基準部24の測定爪26も、必ずしも回転動により測定位置と避退位置とに移動する必要はなく、進退道等の他の動作によって測定位置と避退位置とに移動するようになっていても良い。また、第2基準部24の底面には磁石36が設けられ、当該磁石36により、レール頭部に引き寄せられて固定されるようになっている。
【0021】
図11および12は、本実施形態に係る軌道測定具の第2基準部付近を示す側面図である。図11に示すように、第2基準部24は、例えば基本レール300のレール頭部302に、測定爪26を避退位置に畳んだ状態で当接させることができる。図12に示すように、第2基準部24は、一方の測定爪26を測定位置に移動させることによって、基本レール300のレール側面306に測定爪26を当接させることができる。この測定爪26も、分岐器を測定する際の測定規格とされているレール頭部302の面から14mm下の点でレール側面306と当接するようになっており、第1基準部16の測定爪18,20と同様に進退道可能とすることにより、レール側面306と当接する位置を変更可能とすることもできる。
【0022】
図1、2および図10に示すように、測定子28は伸長部14を長手方向に沿って摺動可能とされている。測定子28には、測定爪30(測定手段)が設けられている。測定爪30はそれぞれ図中矢印に示すように90度だけ回転動することが可能となっている。これにより測定爪30は、レール側面に接触する測定位置と、レールに接触しない避退位置とに移動することができる。第1基準部16の測定爪18,20および第2基準部24の測定爪26と同様に、測定子28の測定爪30も、必ずしも回転動により測定位置と避退位置とに移動する必要はなく、進退道等の他の動作によって測定位置と避退位置とに移動するようになっていても良い。また、測定子28の測定爪30には、測定爪進退機構38が設けられており、測定爪30を進退動させることによって測定爪30がレール側面と当接する位置を変更できるようになっている。
【0023】
図13は、本発明の実施形態に係る軌道測定具の測定子における表示部付近を示す平面図である。図13に示すように、測定子28の表示部32(表示手段)は、測定子28の伸長部14の長手方向における位置(摺動距離)をデジタル表示する。測定子28の上面には、測定の原点を設定する原点ボタン40と、絶対値測定モードと比較測定モードとに測定モードを切り替える測定モード切替ボタン42とが設けられている。なお、測定子28は、測定したデータを記憶する記憶メモリを備えていても良い。また、測定結果を外部の端末等に出力するインターフェースを備えていても良い。
【0024】
図14〜16は、本実施形態に係る軌道測定具の測定子を示す側面図である。図14に示すように、測定爪30を避退位置に移動させた状態では、測定爪30はトングレール400等に接触せず、測定子28は伸長部14をその長手方向に沿って自由に摺動可能である。図15に示すように、測定爪30を測定位置に移動させることによって、トングレール400のレール側面404に当接させることができる。この測定爪30は、測定爪進退機構38を伸ばさない状態では、分岐器を測定する際の測定規格とされているレール頭部402の面から14mm下の点でレール側面404と当接するようになっている。しかし、図16に示すように、測定爪進退機構38によって測定爪30を伸長させることにより、測定爪30は、例えば、レール頭部402の面から22mm下の点でレール側面404と当接するようにできる。開口寸法を測定する際のように、低いトングレールを測定するような場合には、このような位置に測定爪30の位置を変更することができる。
【0025】
以下、上記本実施形態の軌道測定具を用いた軌道測定方法について説明する。図17および18に示すような分岐器を測定する際には、分岐器の入口における基本レール100とトングレール500との軌間である開口寸法800、転轍棒600の部位における基本レール100とトングレール500との軌間である行程寸法802、転轍棒600よりも後段における基本レール100とトングレール500との軌間であるFW幅804(Flange way 幅)、軌間線寸法I(806)、および軌間線寸法II(808)を短時間で正確に測定することが必要になる。また、図19に示すように、分岐器におけるガードレール900とノーズレール1000との軌間であるバックゲージを測定する必要もある。
【0026】
以下、軌間線寸法I(806)、および軌間線寸法II(808)を測定する方法について説明する。図20〜図24は、本発明の実施形態に係る軌道測定具による軌道測定方法を示す側面図である。図20に示すように、まず、第1基準部16を基本レール100のレール頭部102に当接させ、伸長部14を筒状部12から適宜伸長させることにより、第2基準部24を基本レール300のレール頭部302に当接させる。そして、第1基準部16の測定爪18を測定位置に回転動させ、基本レール100のレール側面104に当接させる。また、第2基準部24の測定爪26を測定位置に回転動させ、基本レール300のレール側面306に当接させる。このとき、第1基準部16と第2基準部24とは、磁石34,36と、測定爪18,26とによって、基本レール100,300にそれぞれ固定される。そして、図20に示すような測定子28を伸長部14と筒状部12との境界まで摺動させた状態で、測定子28の原点ボタン40を押すと、この測定子28の位置が測定原点となる。例えば、図20に示す状態で、基本レール100のレール側面104から測定子28の測定爪30までの距離が1000mmであったとすると、当該測定原点で、表示部32には、「1000mm」とデジタル表示される。そして、測定子28が伸長部14の長手方向に向かって摺動する距離が、当該1000mmに加算され、表示部32にデジタル表示される。
【0027】
次に図21に示すように、第1基準部16、測定爪18、第2基準部24および測定爪26を基本レール100,300に当接させたまま、測定子28を基本レール300に向かって摺動させる。このとき、測定爪30を避退位置に回転動させて畳んでおくことにより、トングレール400と測定爪30との接触をさけることができ、測定子28の摺動が妨げられることがない。
【0028】
次に図22に示すように、測定子28の測定爪30を測定位置に回転動させ、測定爪30を基本レール300のレール側面304に当接させる。このとき、測定子28の表示部32には、測定原点における1000mmに測定子28が摺動した距離を加算した長さ、すなわち、軌間線寸法II(808)が表示される。
【0029】
軌間線寸法II(808)の測定が終わると、測定子28の測定モード切替ボタン42を押して、表示部32の表示を比較測定モードに切り替える。このとき、図22に示す位置が測定原点となり、当該測定原点で、表示部32には、「0mm」とデジタル表示される。そして、測定子28が伸長部14の長手方向に向かって摺動する距離が、当該0mmに加算され、表示部32にデジタル表示される。
【0030】
さらに図23に示すように、第1基準部16、測定爪18、第2基準部24および測定爪26を基本レール100,300に当接させたまま、測定子28を基本レール100に向かって摺動させる。この場合も、測定爪30を避退位置に回転動させて畳んでおくことにより、トングレール400と測定爪30との接触をさけることができ、測定子28の摺動が妨げられることがない。
【0031】
そして図24に示すように、測定子28の測定爪30を測定位置に回転動させ、測定爪30をトングレール400のレール側面404に当接させる。このとき、測定子28の表示部32には、測定原点における0mmに測定子28が摺動した距離を加算した長さ、すなわち、軌間線寸法I(806)が表示される。
【0032】
開口寸法800、行程寸法802、FW幅804およびバックゲージ810の測定においても、基本的には上記軌間線寸法I(806)および軌間線寸法II(808)の測定と同様に行うことができる。ただし、開口寸法800を測定する際には、基本レールと基本レールとの間隔が狭いため、筒状部12がレールの間隔に比べて長すぎ、伸長部14が伸長する距離がなく、測定子28が摺動できない場合があり得る。そのような場合には、図25に示すように、レール台22を基本レール300のレール頭部302に当接させることにより、伸長部14が伸長する距離をとることができ、測定子28を摺動させることができる。また、図25に示すように、開口寸法800を測定する際は、トングレール500のレールの高さが低いため、測定子28の測定爪進退機構38により、測定爪30を下方に伸ばして測定する。
【0033】
さらに、バックゲージ810を測定する際には、レール高の高いガードレール900にレール台が接触し、測定が妨げられる場合がある。そのような場合には、図26に示すように、レール台22を適宜、ガードレール900に接触しない位置に摺動させることにより、ガードレール900にレール台22を接触させないで、バックゲージを測定することができる。
【0034】
以上、説明したように、本実施形態の軌道測定具によれば、分岐器等の軌道の測定において、測定部位を変える際に器具をレールから離さなくても、他の測定部位を測定することが可能となる。そのため、一つの軌道測定器によって、開口寸法、行程寸法、FW幅、軌線間寸法およびバックゲージを短時間で正確に測定することができる。また、測定結果はデジタル表示されるため、人的誤差を少なくすることができる。
【0035】
尚、本発明の軌道測定具および軌道測定方法は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態に係る軌道測定具を上方から見た様子を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る軌道測定具を下方から見た様子を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る軌道測定具の筒状部と伸長部との境界を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る軌道測定具の第1基準部付近を示す底面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る軌道測定具の第1基準部付近を示す側面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る軌道測定具の第1基準部付近を示す側面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る軌道測定具の第1基準部付近を示す側面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る軌道測定具の第1基準部付近を示す側面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る軌道測定具の第1基準部付近を示す側面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る軌道測定具の第2基準部と測定子を示す底面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る軌道測定具の第2基準部付近を示す側面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る軌道測定具の第2基準部付近を示す側面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る軌道測定具の測定子における表示部付近を示す平面図である。
【図14】本発明の実施形態に係る軌道測定具の測定子を示す側面図である。
【図15】本発明の実施形態に係る軌道測定具の測定子を示す側面図である。
【図16】本発明の実施形態に係る軌道測定具の測定子を示す側面図である。
【図17】分岐器における各部の寸法を示す平面図である。
【図18】分岐器における寸法を示す断面図である。
【図19】分岐器における各部を示す平面図である。
【図20】本発明の実施形態に係る軌道測定具による軌道測定方法を示す側面図である。
【図21】本発明の実施形態に係る軌道測定具による軌道測定方法を示す側面図である。
【図22】本発明の実施形態に係る軌道測定具による軌道測定方法を示す側面図である。
【図23】本発明の実施形態に係る軌道測定具による軌道測定方法を示す側面図である。
【図24】本発明の実施形態に係る軌道測定具による軌道測定方法を示す側面図である。
【図25】本発明の実施形態に係る軌道測定具による軌道測定方法を示す側面図である。
【図26】本発明の実施形態に係る軌道測定具による軌道測定方法を示す側面図である。
【符号の説明】
【0037】
10…軌道測定具、12…筒状部、14…伸長部、16…第1基準部、18,20…測定爪、22…レール台、24…第2基準部、26…測定爪、28…測定子、30…測定爪、32…表示部、34,36…磁石、38…測定爪進退機構、40…原点ボタン、42…測定モード切替ボタン、100…基本レール、102…レール頭部、104,106…レール側面、300…基本レール、302…レール頭部、304,306…レール側面、400…トングレール、402…レール頭部、404,406…レール側面、500…トングレール、600…転轍棒、800…開口寸法、802…行程寸法、804…FW幅、806…軌線間寸法I、808…軌線間寸法II、810…バックゲージ、900…ガードレール、1000…ノーズレール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮自在な本体と、
前記本体の一端に設けられたレール頭部に当接可能な第1の基準手段と、
前記本体の他端に設けられたレール頭部に当接可能な第2の基準手段と、
前記本体の長手方向に沿って摺動可能な第3の基準手段と、
前記第1〜第3の基準手段は、レール側面に当接可能な測定手段をそれぞれ有し、
前記第3の基準手段の測定手段は、レール側面に当接可能な測定位置と、レールに接触しない避退位置とに移動可能となっている、
軌道測定具。
【請求項2】
前記本体の長手方向における前記第3の基準手段の位置を表示する表示手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記第3の基準手段の位置をデジタル表示するものである、
請求項1に記載の軌道測定具。
【請求項3】
前記第1〜第3の基準手段における前記測定手段のいずれかは、当該レール側面における当接位置を変更自在となっている、
請求項1または2に記載の軌道測定具。
【請求項4】
前記第1および第2の基準手段のいずれかは、当該レール頭部との当接面に磁石を有する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の軌道測定具。
【請求項5】
前記本体の長手方向に沿って摺動可能であって、レール頭部に当接可能なレール台をさらに備えた、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の軌道測定具。
【請求項6】
一対の基本レールとトングレールとからなる分岐器の寸法を測定する軌道測定方法であって、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の軌道測定具を用意するステップと、
前記第1および第2の基準手段を前記一対の基本レールにそれぞれ当接させ、前記第1および第2の基準手段の測定手段を当該基本レールのレール側面にそれぞれ当接させるステップと、
前記第3の基準手段の測定手段を前記測定位置に移動させるステップと、
前記第3の基準手段の測定手段を基本レールのレール側面に当接させるステップと、
前記第3の基準手段の測定手段を前記避退位置に移動させるステップと、
前記第3の基準手段を前記本体の長手方向に沿って摺動させるステップと、
前記第3の基準手段の測定手段を前記測定位置に移動させるステップと、
前記第3の基準手段の測定手段を基本レールおよびトングレールのいずれかのレール側面に当接させるステップと、
を含む軌道測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2007−17201(P2007−17201A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−196675(P2005−196675)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【Fターム(参考)】