説明

軸受装置、ドラムユニットおよび画像形成装置

【課題】回転体をフレームに対して精度よく位置決めすることができる、軸受装置、ドラムユニットおよび画像形成装置を提供する。
【解決手段】右内側板24および左内側板25を貫通するドラム支持孔32の内周面には、互いに異なる方向に延びる第1平面部(後側の縦直線部63)および第2平面部(下側の横直線部64)が形成されている。感光ドラム5のフランジ部材81には、右軸受部材90および左軸受部材91が外嵌される。右軸受部材90および左軸受部材91がドラム支持孔32に対して内嵌されることにより、ドラム支持孔32に対して感光ドラム5が回転可能に支持される。ドラム支持孔32の内周面139と対向する位置に設けられる押圧部材96,108によって、左右のフランジ部材81が第1平面部と第2平面部との間に向けて押圧される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸受装置、ドラムユニットおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のカラープリンタにおいて、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色に対応した感光ドラムを並列に配置した、いわゆるタンデム型のものが知られている。
【0003】
このタンデム型のカラープリンタとして、本体ケーシングに対して、4つの感光ドラムを一体的に着脱可能な構成としたものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
この提案に係る構成は、各感光ドラムを保持するドラムサブユニットと、これらのドラムサブユニットを感光ドラムの軸線方向の両側から挟む1対の側板とを備えている。両側板間には、各ドラムサブユニットに対応して、現像ローラを保持する現像カートリッジが着脱可能に装着される。そして、ドラムサブユニット、現像カートリッジおよび1対の側板は、ドラムユニットとして、本体ケーシングに対して着脱可能に装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−72422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
1対の側板間に感光ドラムを保持させるための構成として、たとえば、感光ドラムの軸線方向の両端部にフランジ部材を固定し、そのフランジ部材を両側板に形成された貫通孔に固定された軸受部材に挿通して固定して、フランジ部材と軸受部材とを相対回転可能に設ける構成が考えられる。
【0007】
しかし、この構成では、1対の側板間に熱膨張量の差が生じる場合があることを想定して、その熱膨張量差に起因する感光ドラムの位置ずれが生じるのを防止するために、フランジ部材を貫通孔に遊びを有する状態で挿通する必要がある。そのため、感光ドラムをフレームに対して精度よく位置決めすることができない。
【0008】
本発明の目的は、感光ドラムなどの回転体をフレームに対して精度よく位置決めすることができる、軸受装置、ドラムユニットおよび画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するため、本発明に係る軸受装置は、フレームに形成された貫通穴に回転体を保持させるための軸受装置であって、前記貫通穴の内周面は、互いに異なる方向に延びる第1平面部および第2平面部を含み、前記回転体の軸線方向の端部に設けられるフランジ部材と、前記フランジ部材に対して外嵌され、前記貫通穴に対して内嵌される軸受部材と、前記フランジ部材を前記第1平面部と前記第2平面部との間に向けて押圧する押圧部材とを備え、前記押圧部材は、前記貫通穴の内周面と対向する位置に設けられることを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係るドラムユニットは、感光ドラムと、前記感光ドラムの軸線方向の端部に設けられるフランジ部材と、互いに異なる方向に延びる第1平面部および第2平面部を内周面に有する貫通穴が形成されたフレームと、前記フランジ部材に対して外嵌され、前記貫通穴に対して内嵌される軸受部材と、前記フランジ部材を前記第1平面部と前記第2平面部との間に向けて押圧する押圧部材とを備え、前記押圧部材は、前記貫通穴の内周面と対向する位置に設けられることを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係る画像形成装置は、感光ドラムと、前記感光ドラムの軸線方向の端部に設けられるフランジ部材と、互いに異なる方向に延びる第1平面部および第2平面部を内周面に有する貫通穴が形成されたフレームと、前記フランジ部材に対して外嵌され、前記貫通穴に対して内嵌される軸受部材と、前記フランジ部材を前記第1平面部と前記第2平面部との間に向けて押圧する押圧部材とを備え、前記押圧部材は、前記貫通穴の内周面と対向する位置に設けられることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、フレームを貫通する貫通穴の内周面には、互いに異なる方向に延びる第1平面部および第2平面部が形成されている。回転体(感光ドラム)の軸線方向の端部には、フランジ部材が設けられる。フランジ部材には、軸受部材が外嵌される。軸受部材は、貫通穴に内嵌される。そして、押圧部材は、貫通穴の内周面と対向する位置に設けられ、フランジ部材を第1平面部と第2平面部との間に向けて押圧する。これにより、フランジ部材が、軸受部材の内周面と接触した状態で、第1平面部および第2平面部の2面に対して位置決めされる。すなわち、フランジ部材は、回転体の軸線方向と直交する2方向に対して位置決めされる。その結果、回転体をフレームに対して精度よく位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態としてのカラープリンタの第1実施形態を示す中央断面図である。
【図2】図1に示すドラムユニットの右前側上方から見た斜視図であり、1つの現像カートリッジが装着され、その他の現像カートリッジが離脱された状態を示す。
【図3】図2に示すドラムユニットの平面図であり、ドラムユニットから1対の外側板を取り外した状態を示す。
【図4】図3に示す左内側板の右前側上方から見た斜視図である。
【図5】図3に示す左内側板におけるドラム支持孔の周辺部分の拡大図である。
【図6】図3に示す右内側板および左内側板間に1つの感光ドラムが装着された状態を示す斜視図である。
【図7】図6に示す右軸受部材を示す斜視図である。
【図8】図6に示す右軸受部材を示す斜視図である。
【図9】図6に示す左軸受部材を示す斜視図である。
【図10】図6に示す左軸受部材を示す斜視図である。
【図11】図7および図8に示す右軸受部材が、右内側板に取り付けられた状態を説明するための斜視図である。
【図12】図9および図10に示す左軸受部材が、左内側板に取り付けられた状態を説明するための斜視図である。
【図13】図7および図8に示す右軸受部材における押圧部材の押圧を説明するための押圧方向断面図である。
【図14】図9および図10に示す左軸受部材における押圧部材の押圧を説明するための押圧方向断面図である。
【図15】図2に示すドラムユニットに現像カートリッジが装着されたときの、現像ローラと感光ドラムとの位置関係を示す模式的な側面図である。
【図16】本発明の第2実施形態における左軸受部材を示す斜視図である。
【図17】本発明の第2実施形態における左軸受部材を示す斜視図である。
【図18】本発明の第2実施形態における左内側板のドラム支持孔の周辺部分の拡大図である。
【図19】図16および図17に示す左軸受部材が、左内側板に取り付けられた状態を説明するための斜視図である。
【図20】図16および図17に示す左軸受部材における押圧部材の押圧を説明するための押圧方向断面図である。
【図21】本発明の第3実施形態における左軸受部材を示す斜視図である。
【図22】本発明の第3実施形態における左軸受部材を示す斜視図である。
【図23】本発明の第3実施形態における左内側板のドラム支持孔の周辺部分の拡大図である。
【図24】図21および図22に示す左軸受部材が、左内側板に取り付けられた状態を説明するための斜視図である。
【図25】図21および図22に示す左軸受部材における押圧部材の押圧を説明するための押圧方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
1.プリンタ
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのプリンタ1は、タンデム型のカラープリンタである。プリンタ1の本体ケーシング2内には、軸受装置の一例としてのドラムユニット3が装着されている。このドラムユニット3は、本体ケーシング2の前面に設けられたカバー4を開けて、本体ケーシング2に対して着脱可能となっている。
【0015】
なお、以下の説明において、カバー4が設けられる側(図1における左側)を前側(正面側)とし、その反対側(図1における右側)を後側(背面側)とする。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。
【0016】
ドラムユニット3には、4つの回転体の一例としての感光ドラム5が備えられている。4つの感光ドラム5は、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色に対応して設けられ、前後方向に沿って、前側からブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの順に等間隔に並列に配置されている。
【0017】
また、ドラムユニット3には、各感光ドラム5に対応して、スコロトロン型帯電器6と、現像カートリッジ7とが備えられている。現像カートリッジ7は、感光ドラム5にトナー(現像剤)を供給するための現像ローラ8を備えている。各現像カートリッジ7は、ドラムユニット3に対して着脱可能に装着されている。
【0018】
ドラムユニット3の上方には、各色に対応した4本のレーザビームを出射する露光器9が配置されている。
【0019】
感光ドラム5の回転に伴って、感光ドラム5の表面は、スコロトロン型帯電器6からの放電によって一様に帯電された後、露光器9からのレーザビームにより選択的に露光される。この露光によって、感光ドラム5の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム5の表面に静電潜像が形成される。静電潜像が現像ローラ8に対向すると、現像ローラ8から静電潜像にトナーが供給される。これによって、感光ドラム5の表面にトナー像が形成される。
【0020】
なお、露光器9に代えて、4つのLEDアレイが各感光ドラム5に対応して設けられてもよい。
【0021】
本体ケーシング2の底部には、用紙Pを収容する給紙カセット10が配置されている。給紙カセット10に収容されている用紙Pは、各種ローラにより、搬送ベルト11上に搬送される。搬送ベルト11は、4つの感光ドラム5に下方から対向して配置されている。感光ドラム5に対して搬送ベルト11の上側部分を挟んで対向する各位置には、転写ローラ12が配置されている。搬送ベルト11上に搬送された用紙Pは、搬送ベルト11の走行により、搬送ベルト11と各感光ドラム5との間を順次に通過する。そして、感光ドラム5の表面上のトナー像は、用紙Pと対向したときに、転写ローラ12に印加された転写バイアスによって、用紙Pに転写される。
【0022】
搬送ベルト11に対して用紙Pの搬送方向における下流側には、定着器13が設けられている。トナー像が転写された用紙Pは、定着器13に搬送される。定着器13では、加熱および加圧により、トナー像が用紙Pに定着される。トナー像が定着した用紙Pは、各種ローラにより、本体ケーシング2の上面の排紙トレイ14に排出される。
2.ドラムユニット
図2に示すように、ドラムユニット3は、4つの感光ドラム5、4つの現像カートリッジ7、4つのドラムサブユニット20、フロントビーム21、リヤビーム22、フレームの一例としての右内側板24および左内側板25、ならびに1対の右外側板27および左外側板28が一体となって、本体ケーシング2(図1参照)内に対してスライド自在に着脱される。
(1)ドラムサブユニット
4つのドラムサブユニット20は、右内側板24および左内側板25間において、前後方向に間隔を空けて配置されている。各ドラムサブユニット20は、樹脂からなり、左右方向に細長く、前側下方に開放された略三角柱状に成形されている。各ドラムサブユニット20には、図1に示すスコロトロン型帯電器6と、感光ドラム5の表面のクリーニングのためのクリーニング部材15が保持されている。
(2)フロントビーム
フロントビーム21は、樹脂からなる。フロントビーム21は、1対の右内側板24および左内側板25の前端部間に架設されている。
【0023】
フロントビーム21は、支持軸29を保持している。支持軸29は、フロントビーム21を左右方向に貫通し、さらに右内側板24、左内側板25、右外側板27および左外側板28を貫通して、右外側板27および左外側板28から左右方向外方に突出している。
【0024】
フロントビーム21の前面における左右方向中央部には、手前側把持部30が一体的に形成されている。手前側把持部30は、平面視略コ字状をなし、その各遊端部がフロントビーム21に連結されている。
(3)リヤビーム
リヤビーム22は、樹脂からなる。リヤビーム22は、1対の右内側板24および左内側板25の後端部間に架設されている。
【0025】
リヤビーム22の上面における左右方向中央部には、奥側把持部31が一体的に形成されている。奥側把持部31は、背面視略U字状をなし、その各遊端部がリヤビーム22に連結され、後側下方から前側上方に傾斜して、リヤビーム22から斜め上方に突出するように設けられている。
(4)内側板
右内側板24および左内側板25は、同一のプレス型を用いた金属板のプレス加工により作製され、同一の形状を有している。なお、以下では、左内側板25を取り上げて、その構成について説明する。
【0026】
図3および図4に示すように、左内側板25は、前後方向に延びる略細長矩形板状に形成されている。左内側板25の前端部および後端部は、それぞれフロントビーム21およびリヤビーム22に対して左右方向において対向している。
【0027】
左内側板25の前端部は、前側上方に向けて延びている。この左内側板25の前端部には、支持軸29が挿通される支持軸挿通孔51が貫通形成されている。
【0028】
左内側板25の後端部は、側面視略L字状に形成されている。左内側板25の後端部には、その後端縁から略V字状に切り欠いた形状の位置決め部53が形成されている。位置決め部53は、図1に示すように、ドラムユニット3が本体ケーシング2に対して装着された状態で、本体ケーシング2内における後側に左右方向にわたって架設された本体基準軸34を受け入れて、その本体基準軸34に上方および前方から当接する。
【0029】
左内側板25には、4つのドラム支持孔32が前後方向に一定間隔を空けて形成されている。
(4−1)ドラム支持孔
図5に示すように、貫通穴の一例としてのドラム支持孔32の内面は、4つの直線部60と、4つの湾曲部61とを有している。
【0030】
4つの直線部60は、上下方向に延び、前後方向に互いに対向する2つの縦直線部63と、前後方向に延び、上下方向に互いに対向する2つの横直線部64とからなる。後側の縦直線部63は、後述する感光ドラム5のフランジ部材81を位置決めするための第1平面部をなしている。また、下側の横直線部64は、後述する感光ドラム5のフランジ部材81を位置決めするための第2平面部をなしている。
【0031】
4つの湾曲部61は、互いに直交する2つの直線部60を連結し、互いに連結される直線部60の角を湾曲状に面取りした形状に形成されている。これにより、ドラム支持孔32は、側面視において、各頂点が丸みを帯びた略四角形状に形成されている。
(4−2)係止溝
左内側板25の下端縁において、ドラム支持孔32の中心と上下方向に重なる位置には、その下端縁から上方へ略矩形状に窪む軸受係止溝70が形成されている。また、左内側板25の下端縁において、軸受係止溝70に対して前側および後側にそれぞれ間隔を空けた位置には、その下端縁から上方へ略矩形状に窪むクリップ係止溝71が形成されている。
【0032】
また、各ドラム支持孔32の上方において、左内側板25の上端縁は、前側上方へ傾斜し、各ドラム支持孔32の中心と上下方向に対向する位置で下方へ延び、さらに横直線部64と平行をなして前方へと延びる形状に形成されている。これにより、左内側板25の上端縁は、段差を有しており、この段差の一段低い部分が所定部の一例としての被係止部72となっている。被係止部72には、後述する右軸受部材90(左軸受部材91)の係止部の一例としての第1係止部101(第2係止部110)が係止される。
(5)外側板
図2に示すように、1対の右外側板27および左外側板28は、たとえば、繊維強化樹脂からなる。右外側板27および左外側板28は、右内側板24および左内側板25と比較して、上下方向に幅広かつ前後方向にほぼ同じ長さを有する側面視略細長矩形板状に形成されている。右外側板27および左外側板28の前端部および後端部は、それぞれフロントビーム21およびリヤビーム22に対して左右方向において対向している。
【0033】
右外側板27および左外側板28の前端部は、右外側板27および左外側板28の途中部よりも上下方向に幅狭に形成されており、それらの下端縁が前側上方に向けて傾斜している。また、右外側板27および左外側板28の後端部は、右外側板27および左外側板28の途中部よりも上下方向に幅狭に形成されており、それらの下端縁が後側上方に向けて傾斜している。
【0034】
右外側板27および左外側板28の後端部には、右内側板24および左内側板25の位置決め部53(図4参照)と左右方向に対向する位置に、位置決め部53とほぼ同じ形状の凹部33が形成されている。凹部33は、ドラムユニット3が本体ケーシング2に対して装着された状態で、本体基準軸34に干渉しない。
(6)感光ドラム
感光ドラム5は、図6に示すように、円筒状のドラム本体80と、ドラム本体80の両端部にそれぞれ相対回転不能に嵌合される2つのフランジ部材81とを備えている。
【0035】
ドラム本体80は、その最表層が正帯電性の感光層により形成される。
【0036】
フランジ部材81は、樹脂材料からなり、ドラム本体80の両端部に、その一部が挿入されている。左側のフランジ部材81の左側端面には、本体ケーシング2内に設けられた後述する駆動伝達部112(図2参照)が結合される結合溝(図示せず)が設けられている。これにより、図1に示すように、ドラムユニット3が本体ケーシング2内に装着された状態で、感光ドラム5に駆動伝達部112からの駆動力が伝達され、感光ドラム5を回転駆動させることができる。また、フランジ部材81は、右内側板24および左内側板25に形成されたドラム支持孔32の径よりも小さい外径を有している。
【0037】
右側のフランジ部材81は、軸受部材の一例としての右軸受部材90を介して、右内側板24に回転可能に支持されている。また、左側のフランジ部材81は、軸受部材の一例としての左軸受部材91を介して、左内側板25に回転可能に支持されている。
(7)軸受部材
(7−1)右軸受部材
右軸受部材90は、樹脂材料から形成され、図7および図8に示すように、円筒状に形成された筒状部92と、筒状部92の一方側端面を封止する封止部98と、封止部98の中央部分に設けられ、筒状部92の内部空間内に、筒状部92と同心円筒状をなすように形成されるシャフト保持部93と、筒状部92の外周面において、筒状部92の軸線方向途中部から径方向外方へ広がる円環板状の鍔部の一例としての鍔部94とを一体的に備えている。
【0038】
筒状部92は、右内側板24に形成されたドラム支持孔32(図4参照)の内周面とほぼ同じ外径を有し、右側のフランジ部材81の外周面よりもわずかに大きな内径を有している。
【0039】
筒状部92には、その一方側(封止部98側)において周方向に延び、その周方向両端部から他方側に向けて延びるように切り欠かれる切欠部95が形成されている。
【0040】
詳しくは、筒状部92は、中心角が約30°の円弧幅を隔てて、一方側(封止部98側)から他方側に延びる1対のスリットと、封止部98側においてそれら1対のスリットを周方向に連通するスリットとが形成されるようにされるように切り欠かれている。また、封止部98は、筒状部92の周方向に切り欠かれたスリットと連通するように、中心角が約30°の円弧幅をもって径方向内方へ切り欠かれている。
【0041】
これによって、筒状部92および鍔部94において、側面視略コ字状の切欠部95が形成されている。
【0042】
そして、側面視略コ字状の切欠部95に囲まれた側面視矩形状部分は、押圧部材96をなしている。
【0043】
押圧部材96は、周方向に長い湾曲形状をなし、鍔部94から封止部98側に向けて延びるように形成されている。
【0044】
また、押圧部材96は、右軸受部材90が右内側板24のドラム支持孔32に保持されたときに、前側の縦直線部63と上側の横直線部64との間に配置される。言い換えると、押圧部材96は、右軸受部材90が右内側板24のドラム支持孔32に保持されたときに、第1平面部をなす後側の縦直線部63と第2平面部をなす下側の横直線部64に対向する。
【0045】
また、押圧部材96の封止部98側端部の内周面には、突出部97が形成されている。
【0046】
突出部97は、断面鉤状をなし(図13参照)、押圧部材96の内周面から、筒状部92の内部空間に突出するように形成されている。
【0047】
また、突出部97は、右軸受部材90がフランジ部材81に対して外嵌したときに、フランジ部材81に接触して押圧するように形成されている(図13参照)。
【0048】
封止部98には、シャフト貫通孔99がその厚さ方向に貫通して形成されている。
【0049】
シャフト貫通孔99は、シャフト保持部93の内部空間と連通するように、封止部98の中央部分に設けられている。
【0050】
右軸受部材90には、筒状部92(シャフト保持部93)の中心軸線に沿って、棒状のシャフト83が設けられている。シャフト83の一端部は、シャフト保持部93に挿通され、シャフト貫通孔99を貫通し、封止部98から突出している。また、シャフト83の他端部は、その先端が先細り形状に形成されている。
【0051】
鍔部94の外周縁には、2つの第1係止部101がシャフト83の軸線に対して互いに対向する位置に形成されている。第1係止部101は、延長部115、支持部116および係止突起117を一体的に備えている。
【0052】
延長部115は、鍔部94の外周縁から筒状部92の径方向外側に向けて開放される側面視コ字状に形成されている。
【0053】
支持部116は、延長部115において、封止部98側と反対側に設けられ、延長部115の先端を超えて封止部98側に延び、延長部115と同様に側面視コ字状に形成されている。
【0054】
係止突起117は、封止部98側に設けられ、延長部115および支持部116の側面視コ字状の内部空間を挿通するように封止部98側に延びている。
【0055】
係止突起117は、その先端が断面鉤状に形成され、その先端から基端に向けて、筒状部92の中心軸線に向かうように傾斜する傾斜面118が形成されている。傾斜面118の基端部側の端縁と鍔部94における封止部98側の面との間には、右内側板24の左右方向の厚さとほぼ同じ間隔が設けられている。
(7−2)左軸受部材
左軸受部材91は、樹脂材料から形成され、図9および図10に示すように、円筒状に形成された筒状部105と、筒状部105の一方側の周端縁から径方向外方に広がる円環板状の鍔部の一例としての鍔部106とを一体的に備えている。
【0056】
筒状部105は、左内側板25に形成されたドラム支持孔32(図4参照)の内周面とほぼ同じ外径を有し、左側のフランジ部材81の外周面よりもわずかに大きな内径を有している。
【0057】
筒状部105には、一方側(鍔部106側)において周方向に延び、その周方向両端部から他方側に延びるように切り欠かれる切欠部107が形成されている。
【0058】
詳しくは、筒状部105は、中心角が約30°の円弧幅を隔てて、一方側(鍔部106側)から他方側に延びる1対のスリットと、鍔部106側においてそれら1対のスリットを周方向に連通するスリットが形成されるように切り欠かれている。また、鍔部106は、筒状部105の周方向に切欠かれたスリットと連通するように、中心角が約30°の円弧幅をもって径方向外方へ切り欠かれている。
【0059】
これによって、筒状部105および鍔部106において、側面視略コ字状の切欠部107が形成されている。
【0060】
そして、側面視略コ字状の切欠部107に囲まれた側面視矩形状部分は、押圧部材108をなしている。
【0061】
押圧部材108は、周方向に長い湾曲形状をなし、筒状部105の軸線方向途中部から鍔部106側に向けて延びるように形成されている。
【0062】
また、押圧部材108は、左軸受部材91が左内側板25のドラム支持孔32に保持されたときに、前側の縦直線部63と上側の横直線部64との間に配置される。言い換えると、押圧部材108は、左軸受部材91が左内側板25のドラム支持孔32に保持されたときに、第1平面部をなす後側の縦直線部63と第2平面部をなす下側の横直線部64に対向する。また、押圧部材108の鍔部106側端部の内周面には、突出部109が形成されている。
【0063】
突出部109は、断面鉤状をなし(図14参照)、押圧部材108の内周面から、筒状部105の内部空間に突出するように形成されている。
【0064】
また、突出部109は、左軸受部材91がフランジ部材81に対して外嵌したときに、フランジ部材81に接触して押圧するように形成されている(図14参照)。
【0065】
鍔部106の外周縁には、2つの第2係止部110が筒状部105の軸線に対して互いに対向する位置に形成されている。第2係止部110は、延長部119および係止突起120を一体的に備えている。
【0066】
延長部119は、鍔部106の外周縁から筒状部105の径方向外側に向けて延びる側面視略矩形状に形成されている。
【0067】
係止突起120は、延長部119の先端部(筒状部105の径方向外側端部)から他方(鍔部106に対して、筒状部105側)に延びる板状に形成されている。
【0068】
これにより、延長部119および係止突起120は、全体として断面L字状をなしている。
(8)ドラムユニットに対する感光ドラムの取り付け
ドラムユニット3に対する感光ドラム5の取り付けは、図3に示すように、4つのドラムサブユニット20、フロントビーム21、リヤビーム22および1対の内側板(右内側板24および左内側板25)が組み立てられた状態で行われる。
【0069】
具体的には、まず、4つのドラムサブユニット20が前後方向に一定間隔を空けて配置される。そして、最前方のドラムサブユニット20に対して前方に間隔を空けて、フロントビーム21が配置される。また、最後方のドラムサブユニット20に対して後方にわずかな間隔を空けて、リヤビーム22が配置される。
【0070】
その後、フロントビーム21、4つのドラムサブユニット20およびリヤビーム22の右側に右内側板24が配置されるとともに、それらの左側に左内側板25が配置される。そして、図示しない複数のねじを介して、フロントビーム21、4つのドラムサブユニット20およびリヤビーム22に対し、各内側板23が組み付けられる。
【0071】
フロントビーム21、4つのドラムサブユニット20およびリヤビーム22に対して、各内側板23が組み付けられた後、感光ドラム5の取り付けが行われる。
【0072】
まず、感光ドラム5の右側端部に右軸受部材90が装着される。具体的には、右側のフランジ部材81が筒状部92の内側に挿入される。このとき、筒状部92に形成された押圧部材96の突出部97がフランジ部材81の外周面に対して弾性的に接触する。これにより、フランジ部材81が全体的に押圧部材96から離間する方向に押圧される。また、フランジ部材81に右軸受部材90が外嵌された状態で、感光ドラム5の内側には、シャフト保持部93に保持されたシャフト83が挿入される。
【0073】
その後、図11に示すように、右内側板24のドラム支持孔32に対して、感光ドラム5の右端部に装着された右軸受部材90が装着される。具体的には、まず、右軸受部材90の封止部98がドラム支持孔32に左側から対向するように感光ドラム5が配置される。その後、感光ドラム5が全体的に右方へ進出することにより、右軸受部材90は、筒状部92の外周面をドラム支持孔32の4つの直線部60に接触させつつ、ドラム支持孔32に挿入される。このとき、第1係止部101における係止突起117の傾斜面118が右内側板24の上端縁(被係止部72)および下端縁(軸受係止溝70)に左側から当接する。そして、右軸受部材90がさらに右方へ移動されることにより、右内側板24の上端縁および下端縁が傾斜面118上を移動するとともに、係止突起117がその当接方向外側に弾性的に変形する。鍔部94が右内側板24の左側面に当接すると、それ以上の右軸受部材90の右方への移動が規制される。また、右内側板24の上端縁および下端縁が傾斜面118を乗り越えるとともに、係止突起117の変形が復元することにより、傾斜面118と鍔部94との間に右内側板24が挟み込まれる。これにより、2つの第1係止部101が右内側板24の被係止部72および軸受係止溝70に係止される。
【0074】
また、この状態で、筒状部92の外周面と湾曲部61との間には、隙間が形成されている。
【0075】
右軸受部材90がドラム支持孔32に嵌合された状態で、押圧部材96が前側の縦直線部63と上側の横直線部64との間に配置されていることにより、フランジ部材81は、第1平面部をなす後側の縦直線部63と、第2平面部をなす下側の横直線部64との間に向けて押圧される。右軸受部材90の外周面が4つの直線部60に接して固定され、フランジ部材81が第1平面部および第2平面部の間に向けて押圧されることにより、フランジ部材81は、その外周面が右軸受部材90の筒状部92の内周面に接触した状態で、第1平面部および第2平面部の2面に対して位置決めされる。これにより、感光ドラム5の右端部の位置決めが達成される。
【0076】
このとき、図13に示すように、押圧部材96の突出部97は、押圧部材96の押圧方向に投影したときに、右内側板24のドラム支持孔32の内周面139と重なるように対向配置している。
【0077】
その後、図12に示すように、左内側板25および感光ドラム5の左端部(左側のフランジ部材81)に対して、左軸受部材91が装着される。具体的には、左内側板25のドラム支持孔32から左側のフランジ部材81が露出した状態で、左側のフランジ部材81の外周面とドラム支持孔32との間に、左軸受部材91の筒状部105が挿入される。
【0078】
このとき、筒状部105に形成された押圧部材108の突出部109がフランジ部材81の外周面に対して弾性的に接触する。これにより、フランジ部材81が全体的に押圧部材108から離間する方向に押圧される。
【0079】
また、右軸受部材90と同様に、左軸受部材91の筒状部105の外周面がドラム支持孔32の4つの直線部60に接触した状態で、ドラム支持孔32に挿入される。この状態で、筒状部105の外周面と湾曲部61との間には、隙間が形成されている。
【0080】
左軸受部材91がドラム支持孔32に嵌合された状態で、押圧部材108が前側の縦直線部63と上側の横直線部64との間に配置されていることにより、フランジ部材81は、第1平面部をなす後側の縦直線部63と、第2平面部をなす下側の横直線部64との間に向けて押圧される。左軸受部材91の外周面が4つの直線部60に接して固定され、フランジ部材81が第1平面部および第2平面部の間に向けて押圧されることにより、フランジ部材81は、その外周面が左軸受部材91の筒状部105の内周面に接触した状態で、第1平面部および第2平面部の2面に対して位置決めされる。これにより、感光ドラム5の左端部の位置決めが達成される。
【0081】
このとき、図14に示すように、押圧部材108の突出部109は、押圧部材108の押圧方向に投影したときに、左内側板25のドラム支持孔32の内周面139と重なるように対向配置している。
【0082】
一方、左軸受部材91のドラム支持孔32への装着が完了した時点で、鍔部106は、左内側板25の外側面(左側面)に当接している。これにより、それ以上の左軸受部材91の右方への移動が規制され、左軸受部材91が左右方向(感光ドラム5の軸方向)に位置決めされる。また、図12に示すように、上側の係止突起120が左内側板25の上端縁(被係止部72)に上方から接触するとともに、下側の係止突起120が左内側板の下端縁(軸受係止溝70)に下方から接触する。これにより、2つの第2係止部110が、左内側板25の軸受係止溝70および被係止部72に係止され、左軸受部材91の左右方向の位置決め状態が保持される。
【0083】
その後、図6に示すように、シャフト83における右軸受部材90の封止部98(図8参照)よりも右側に突出した部分にクリップ部材111が取り付けられる。クリップ部材111は、略コ字状に形成され、その途中部が封止部98よりも右側に突出したシャフト83と接触するとともに、その各遊端部が屈曲されて、右内側板24のクリップ係止溝71にそれぞれ係止される。これにより、ドラムユニット3に対する感光ドラム5の取り付けが完了する。
【0084】
4つの感光ドラム5の取り付けが完了した後は、右内側板24および左内側板25の左右方向外側に、外側板26が配置される。そして、図示しないねじを介して、右内側板24および左内側板25、フロントビーム21、4つのドラムサブユニット20、ならびにリヤビーム22に対して、右外側板27および左外側板28が組み付けられる。これにより、ドラムユニット3の組み立てが完了する。
(9)ドラムユニットに対する現像カートリッジの装着
ドラムユニット3の組み立てが完了した後、ドラムユニット3には、各色に対応した現像カートリッジ7が装着される。具体的には、図2に示すように、各外側板26の内側面には、案内溝113が形成されている。案内溝113は、前後方向に沿って等間隔に4つ設けられ、外側板26の内側面において、その上端縁から感光ドラム5に向けて延びる1対の突条によりそれぞれ構成されている。この1対の突条の間に沿って、現像カートリッジ7が下方へと案内されることにより、現像カートリッジ7のドラムユニット3に対する装着が完了する。
【0085】
図15に示すように、ドラムユニット3に対する現像カートリッジ7の装着が完了する直前の状態で、現像カートリッジ7の移動方向は、押圧部材96,108によるフランジ部材81の押圧方向Bと同一方向になる。したがって、現像カートリッジ7に設けられた現像ローラ8の周面が感光ドラム5の周面に対して当接する当接方向Aは、押圧方向Bと同一方向となる。
3.感光ドラムの接地
感光ドラム5のドラム本体80(図6参照)内における右側端部には、図13に示すように、アース部材82が設けられている。アース部材82は、ドラム本体80の内周面に接触し、その軸線と直交する平面に延びる円板状に形成されている。
【0086】
右側のフランジ部材81に対する右軸受部材90の取り付けが完了した状態で、右軸受部材90に設けられたシャフト83は、感光ドラム5の内側に挿入され、アース部材82と接触する。これにより、感光ドラム5とシャフト83とは、電気的に接続されている。また、図6に示すように、シャフト83の右端部には、クリップ部材111が取り付けられている。クリップ部材111の各遊端部が右内側板24のクリップ係止溝71にそれぞれ係止されているため、シャフト83と右内側板24とは、電気的に接続されている。すなわち、感光ドラム5のドラム本体80は、アース部材82、シャフト83およびクリップ部材111を介して、右内側板24に対して電気的に導通可能に接続されている。
【0087】
図1に示すように、本体ケーシング2内にドラムユニット3が装着された状態では、右内側板24および左内側板25の位置決め部53(図4参照)に本体基準軸34が入り込み、本体基準軸34を介して、右内側板24および左内側板25を接地することができる。また、右内側板24と感光ドラム5とがアース部材82、シャフト83およびクリップ部材111を介して電気的に接続されているため、アース部材82、シャフト83、クリップ部材111、右内側板24および本体基準軸34を介して、感光ドラム5を接地することができる。
4.本体ケーシング
(1)ドラムユニットの本体ケーシング内に対する着脱
図1を参照して、ドラムユニット3の本体ケーシング2内に対する装着の際には、まず、本体ケーシング2のカバー4が開かれる。そして、ドラムユニット3が後方へ移動されることにより、ドラムユニット3が本体ケーシング2内へ案内される。そして、右内側板24および左内側板25の位置決め部53(図4参照)が本体基準軸34に当接すると、それ以上のドラムユニット3の押し込みが規制される。これにより、ドラムユニット3の本体ケーシング2内に対する装着が完了する。
【0088】
なお、ドラムユニット3の本体ケーシング2からの離脱は、上記の手順と逆の手順で行うことができる。
(2)感光ドラムに対する駆動力の入力
図2に示すように、本体ケーシング2内にドラムユニット3が装着された状態で、各感光ドラム5の左端部と左右方向に対向する位置には、感光ドラムに駆動力を伝達するためのギアの一例としての駆動伝達部112がそれぞれ配置されている。各駆動伝達部112は、ドラムユニット3が本体ケーシング2内に装着された後、右方へと進出し、各左側のフランジ部材81の左端面に設けられた結合溝(図示せず)に結合される。これにより、各感光ドラム5に対して駆動伝達部112から駆動力を伝達させることができ、各感光ドラム5を回転駆動させることができる。
【0089】
また、各駆動伝達部112が各フランジ部材81の結合溝に接続された後、各駆動伝達部112は、さらに右方へと進出する。これにより、各フランジ部材81を介してドラムユニット3が全体的に右方へと移動される。これにより、ドラムユニット3の左右方向の位置決めが達成される。
5.作用効果
(1)以上のように、右内側板24および左内側板25を貫通するドラム支持孔32の内周面には、互いに異なる方向に延びる第1平面部(後側の縦直線部63)および第2平面部(下側の横直線部64)が形成されている。感光ドラム5のドラム本体80の軸線方向の両端部には、フランジ部材81が相対回転不能に設けられる。フランジ部材81には、右軸受部材90および左軸受部材91が相対回転可能に外嵌される。右軸受部材90および左軸受部材91は、ドラム支持孔32に内嵌される。そして、押圧部材96、108により、左右のフランジ部材81が第1平面部と第2平面部との間に向けて押圧される。これにより、右側のフランジ部材81が、右軸受部材90の内周面と接触した状態で、第1平面部および第2平面部の2面に対して位置決めされる。また、左側のフランジ部材81が、左軸受部材91の内周面と接触した状態で、第1平面部および第2平面部の2面に対して位置決めされる。すなわち、フランジ部材81は、上下方向および前後方向の2方向に対して位置決めされる。
【0090】
さらに、押圧部材96、108の突出部97、109は、それぞれ押圧方向に投影したときに、右内側板24および左内側板25のドラム支持孔32の内周面139と重なるように対向配置している。
【0091】
そのため、図13および図14に示すように、押圧部材96、108の押圧する力と、右内側板24および左内側板25による押圧に対する抗力とが、押圧部材96、108の押圧方向において一致するので、右軸受部材90および左軸受部材91の撓みを防止することができる。
【0092】
その結果、感光ドラム5を右内側板24および左内側板25に対して精度よく位置決めすることができる。
【0093】
そして、プリンタ1では、左右のフランジ部材81が右軸受部材90および左軸受部材91に対して遊びを有した状態で内嵌され、押圧部材96,108の押圧により位置決めされている。よって、右内側板24と左内側板25との熱膨張量に差が生じても、フランジ部材81と右軸受部材90および左軸受部材91との間の遊び(マージン)により、その熱膨張量の差を吸収することができる。したがって、環境温度にかかわらず、4つの感光ドラム5の平行度を維持することができ、色ずれなどの画像形成不良が生じるのを防止することができる。
(2)また、右軸受部材90は、右内側板24から感光ドラム5側に突出する筒状部92を備えている。筒状部92には、右内側板24側において周方向に延び、その周方向両端部から感光ドラム5側に向けて延びるように切り欠かれる切欠部95が形成されている。
【0094】
切欠部95に囲まれた部分の右内側板24側端部には、右軸受部材90の筒状部92の内部空間に突出する突出部97が形成されている。突出部97は、筒状部92の内部空間にフランジ部材81が挿入されたとき、フランジ部材81に対して弾性的に接触し、フランジ部材81を突出部97の突出方向に向けて押圧する。すなわち、切欠部95に囲まれた部分がフランジ部材81を押圧する押圧部材96をなす。これにより、簡素な構成で押圧部材96を設けることができるので、プリンタ1の製造コストを低減することができる。さらに、押圧部材96が右軸受部材90と一体的に形成されているため、押圧部材96と右軸受部材90とが個別に形成されている構成と比較して、部品点数を削減することができる。
【0095】
また、左軸受部材91は、左内側板25から感光ドラム5側に突出する筒状部105を備えている。筒状部105には、左内側板25側において周方向に延び、その周方向両端部から感光ドラム5側に向けて延びるように切り欠かれる切欠部107が形成されている。
【0096】
切欠部107に囲まれた部分の左内側板25側端部には、左軸受部材91の筒状部105の内部空間に突出する突出部109が形成されている。突出部109は、筒状部105の内部空間にフランジ部材81が挿入されたとき、フランジ部材81に対して弾性的に接触し、フランジ部材81を突出部109の突出方向に向けて押圧する。すなわち、切欠部95に囲まれた部分がフランジ部材81を押圧する押圧部材108をなす。これにより、簡素な構成で押圧部材108を設けることができるので、プリンタ1の製造コストを低減することができる。さらに、押圧部材108が左軸受部材91と一体的に形成されているため、押圧部材108と左軸受部材91とが個別に形成されている構成と比較して、部品点数を削減することができる。
(3)また、右軸受部材90は、右内側板24に沿って設けられる環状の鍔部94を備えている。これにより、右軸受部材90がドラム支持孔32に内嵌された状態で、鍔部94が右内側板24の内側面(左側面)に当接する。よって、右軸受部材90を左右方向に位置決めすることができる。また、鍔部94には、第1係止部101が一体的に形成されている。第1係止部101は、右内側板24の軸受係止溝70および被係止部72に係止される。これにより、右軸受部材90が左右方向に位置決めされた状態を保持することができる。
【0097】
また、左軸受部材91は、左内側板25に沿って設けられる環状の鍔部106を備えている。これにより、左軸受部材91がドラム支持孔32に内嵌された状態で、鍔部106が左内側板25の外側面(左側面)に当接する。よって、左軸受部材91を左右方向に位置決めすることができる。また、鍔部106には、第2係止部110が一体的に形成されている。第2係止部110は、左内側板25の軸受係止溝70および被係止部72に係止される。これにより、左軸受部材91が左右方向に位置決めされた状態を保持することができる。
(4)また、各感光ドラム5の左側のフランジ部81の左端部と左右方向に対向する位置には、駆動伝達部112がそれぞれ配置されている。各左側のフランジ部材81の左端面には、駆動伝達部112と接続する結合溝(図示せず)が設けられている。そして、駆動伝達部112と結合溝(図示せず)とが結合することにより、駆動伝達部112を介して感光ドラム5に駆動力が伝達し、感光ドラム5を回転駆動させることができる。
(5)また、ドラムユニット3は、その周面が感光ドラム5に押圧される現像ローラ8を備えている。押圧部材96,108がフランジ部材81を押圧する方向Bは、現像ローラ8の周面が感光ドラム5を押圧する方向Aと同一方向である。これにより、フランジ部材81には、押圧部材96,108および現像ローラ8の両方から力が入力される。よって、フランジ部材81を右内側板24および左内側板25に対してより精度よく位置決めすることができる。
6.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0098】
図16および図17は、本発明の第2実施形態における左軸受部材を示す斜視図である。図18は、本発明の第2実施形態における左内側板のドラム支持孔の周辺部分の拡大図である。図19は、図16および図17に示す左軸受部材が、左内側板に取り付けられた状態を説明するための斜視図である。図20は、図16および図17に示す左軸受部材における押圧部材の押圧を説明するための押圧方向断面図である。
【0099】
図16〜図20において、図1〜図15に示す各部に対応する部分には、それらの各部と同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
(1)左軸受部材
第1実施形態では、図9および図10に示すように、左軸受部材91が切欠部107に囲まれた部分からなる押圧部材108を備えている。
【0100】
これに対し本発明の第2実施形態では、図16および図17に示すように、左軸受部材91が、筒状部105における1対のスリット126に挟まれた第1部分127と、第1部分127と重なるように折り返される第2部分128とを備える押圧部材125を備えている。
【0101】
詳しくは、図16および図17に示されるように、筒状部105には、鍔部106が設けられた側とは反対側端面から鍔部106に向けて切り欠かれた形状の1対のスリット126が、筒状部105の周方向に間隔を空けて設けられている。
【0102】
押圧部材125は、断面略U字形状であって(図20参照)、1対のスリット126に挟まれた部分のうち、鍔部106から筒状部105の軸線方向途中部までの第1部分127と、筒状部105の軸線方向途中部から筒状部105の遊端部までが、第1部分127と厚み方向に重なるように屈曲されて形成される第2部分128とからなる。そして、第2部分128は、その屈曲部分の撓みによって弾性変形する。
【0103】
また、第2部分128の鍔部106側端部には、突出部129が形成されている。
【0104】
突出部129は、断面鉤状をなし(図20参照)、第2部分128の鍔部106側端部から、筒状部105の内部空間に突出するように形成されている。
【0105】
また、突出部109は、左軸受部材91がフランジ部材81に対して外嵌したときに、フランジ部材81に接触して押圧するように形成されている(図20参照)。
(2)ドラム支持孔
左軸受部材91を内嵌するドラム支持孔32は、図18に示すように、前側の縦直線部63の上側部分および前上側の湾曲部61が、ドラム支持孔32の内周面から外側に向けて切り欠かれている。これにより、ドラム支持孔32の前側上側には、ドラム支持孔32の内面から外側に向けて凸状に窪む押圧部材収容部130が形成されている。
(3)左内側板および感光ドラムに対する左軸受部材の装着
左内側板25および感光ドラム5の左端部(左側のフランジ部材81)に対して、左軸受部材91が装着される。具体的には、左内側板25のドラム支持孔32から左側のフランジ部材81が露出した状態で、左側のフランジ部材81の外周面とドラム支持孔32との間に、左軸受部材91の筒状部105が挿入される。
【0106】
このとき、図19に示すように、押圧部材125は、左内側板25に設けられた押圧部材収容部130に収容され、押圧部材125の第1部分127の外周面と、押圧部材収容部130の内周面とが対向配置される。
【0107】
そして、図20に示すように、第2部分128の突出部129がフランジ部材81の外周面に対して弾性的に接触する。これにより、フランジ部材81が全体的に押圧部材125から離間する方向に押圧される。このとき、第2部分128の突出部129は、押圧部材125の押圧方向に投影したときに、左内側板25のドラム支持孔32の内周面139と重なるように対向配置している。
(4)作用効果
押圧部材125は、その屈曲部分の撓みによって弾性変形するため、上記した第1実施形態に係る押圧部材108よりも、強く左側のフランジ部材81を第1平面部(後側の縦直線部63)と第2平面部(下側の横直線部64)との間に向けて押圧することができる。そのため、左側のフランジ部材81が、左軸受部材91の内周面と接触した状態で、第1平面部および第2平面部の2面に対して精度よく位置決めされる。よって、フランジ部材81は、上下方向および前後方向の2方向に対して精度よく位置決めされる。
【0108】
また、押圧部材125の第2部分128の突出部129は、押圧方向に投影したときに、左内側板25のドラム支持孔32の内周面139と重なるように対向配置している。
【0109】
そのため、図20に示すように、押圧部材125の押圧する力と、左内側板25による押圧に対する抗力とが、押圧部材125の押圧方向において一致するので、左軸受部材91の撓みを防止することができる。
【0110】
その結果、本発明の第2実施形態では、上記した第1実施形態よりも、感光ドラム5を左内側板25に対して精度よく位置決めすることができる。
【0111】
以上、本発明の第2実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
【0112】
たとえば、上記の第2実施形態では、左軸受部材91が、第1部分127および第2部分128からなる押圧部材125を備えたが、同様の構成を有する押圧部材を右軸受部材90に設けることもできる。
7.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0113】
図21および図22は、本発明の第3実施形態における左軸受部材を示す斜視図である。図23は、本発明の第3実施形態における左内側板のドラム支持孔の周辺部分の拡大図である。図24は、図21および図22に示す左軸受部材が、左内側板に取り付けられた状態を説明するための斜視図である。図25は、図21および図22に示す左軸受部材における押圧部材の押圧を説明するための押圧方向断面図である。
【0114】
図21〜図25において、図1〜図15に示す各部に対応する部分には、それらの各部と同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
(1)左軸受部材
第1実施形態では、図9および図10に示すように、左軸受部材91が切欠部107に囲まれた部分からなる押圧部材108を備えている。
【0115】
これに対し本発明の第3実施形態では、図21および図22に示すように、左軸受部材91の一部が周方向に沿って所定幅で切り欠かれる切欠部134が形成されており、切欠部134には、付勢部材の一例としてのばね部材136を備える押圧部材135が配置されている。
【0116】
詳しくは、切欠部134は、筒状部105の鍔部106側において中心角が約30°の円弧幅をもって切り欠かれる第1切欠部132と、鍔部106において第1切欠部132と連通するように、中心角が約30°の円弧幅をもって径方向外方に向けて切り欠かれる第2切欠部133とから連続して形成される。
【0117】
押圧部材135は、押圧部138と、支持部137とから一体的に形成されている。
【0118】
押圧部138は、筒状部105の内周面と同じ曲率で形成される湾曲形状をなし、径方向から見て略矩形状に形成されている。
【0119】
支持部137は、鍔部106を挟むように、押圧部138の両端部(筒状部105の軸線方向における両端)に互いに間隔を空けて1対として設けられている。
【0120】
各支持部137は、押圧部138の周方向両端部から、径方向外方に延びた後、鍔部106の接線方向に沿って互いに離間するように屈曲形成されている。
【0121】
押圧部材135は、押圧部138が筒状部105の内部空間に臨むように切欠部134に嵌合される。このとき、押圧部138の周方向両端面および支持部137とは、切欠部134とわずかな間隔を隔てて対向配置される。
【0122】
ばね部材136は、1対の支持部137に挟まれるように、押圧部138の径方向外側面に配置されている。
(2)ドラム支持孔
左軸受部材91を内嵌するドラム支持孔32は、図23に示すように、前上側の湾曲部61が、ドラム支持孔32の内周面から外側に向けて、側面視略コ字状に膨出している。これにより、ドラム支持孔32の前側上側には、ドラム支持孔32の内面から外側に向けて凸状に窪むばね収容部140が形成されている。
【0123】
ばね収容部140の中央部分には、ドラム支持孔32の内側空間に向けて突出するばねガイド141が形成されている。
(3)左内側板および感光ドラムに対する左軸受部材の装着
左内側板25および感光ドラム5の左端部(左側のフランジ部材81)に対して、左軸受部材91が装着される。具体的には、まず、ばね部材136にばねガイド141を挿入する。そして、1対の支持部137が、厚み方向にばね収容部140を挟みこみ、かつ、押圧部138がばねガイド141と対向するように、ばね部材136を押圧して押圧部材135を配置する。次いで、左内側板25のドラム支持孔32から左側のフランジ部材81が露出した状態で、左側のフランジ部材81の外周面とドラム支持孔32との間に、左軸受部材91の筒状部105が挿入される。
【0124】
このとき、図25に示すように、押圧部材135の押圧部138が、切欠部134を経て、フランジ部材81の外周面に対して接触し、ばね部材136の付勢力により押圧する。これにより、フランジ部材81が全体的に押圧部材135から離間する方向に押圧される。
【0125】
また、押圧部材135の押圧部138は、押圧部材135の押圧方向に投影したときに、左内側板25のドラム支持孔32の内周面139と重なるように対向配置している。
(4)作用効果
押圧部材135は、ばね部材136の付勢力により、左側のフランジ部材81を第1平面部(後側の縦直線部63)と第2平面部(下側の横直線部64)との間に向けて押圧する。そのため、ばね部材136のばね定数に基づいて、押圧する力を正確に調整することができる。
【0126】
そして、左側のフランジ部材81が、左軸受部材91の内周面と接触した状態で、第1平面部および第2平面部の2面に対して位置決めされる。すなわち、フランジ部材81は、上下方向および前後方向の2方向に対して位置決めされる。
【0127】
また、押圧部材135の押圧部138は、押圧方向に投影したときに、左内側板25のドラム支持孔32の内周面139と重なるように対向配置している。
【0128】
そのため、図25に示すように、押圧部材135の押圧する力と、左内側板25による押圧に対する抗力とが、押圧部材125の押圧方向において一致するので、左軸受部材91の撓みを防止することができる。
【0129】
その結果、本発明の第3実施形態では、押圧部材135の押圧する力を適宜調整することができ、感光ドラム5を左内側板25に対して精度よく位置決めすることができる。
【0130】
以上、本発明の第3実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
【0131】
たとえば、上記の第3実施形態では、左軸受部材91が、ばね部材136を備える押圧部材135を備えたが、同様の構成を有する押圧部材を右軸受部材90に設けることもできる。
【符号の説明】
【0132】
1 プリンタ
3 ドラムユニット
5 感光ドラム
8 現像ローラ
24 右内側板
25 左内側板
32 ドラム支持孔
63 縦直線部
64 横直線部
70 軸受係止溝
72 被係止部
81 フランジ部材
90 右軸受部材
91 左軸受部材
92 筒状部
94 鍔部
95 切欠部
96 押圧部材
97 突出部
101 第1係止部
105 筒状部
106 鍔部
107 切欠部
108 押圧部材
109 突出部
110 第2係止部
112 駆動伝達部
125 押圧部材
126 スリット
129 突出部
134 切欠部
135 押圧部材
136 ばね部材
139 内周面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームに形成された貫通穴に回転体を保持させるための軸受装置であって、
前記貫通穴の内周面は、互いに異なる方向に延びる第1平面部および第2平面部を含み、
前記回転体の軸線方向の端部に設けられるフランジ部材と、
前記フランジ部材に対して外嵌され、前記貫通穴に対して内嵌される軸受部材と、
前記フランジ部材を前記第1平面部と前記第2平面部との間に向けて押圧する押圧部材とを備え、
前記押圧部材は、前記貫通穴の内周面と対向する位置に設けられることを特徴とする、軸受装置。
【請求項2】
前記軸受部材は、前記フレームから前記回転体側に突出する筒状部を備え、
前記筒状部には、前記フレーム側において周方向に延び、その周方向両端部から前記回転体側に延びるように切り欠かれる切欠部が形成されており、
前記押圧部材は、前記切欠部に囲まれた部分であり、前記フレーム側端部において前記フランジ部に向けて突出する突出部を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の軸受装置。
【請求項3】
前記軸受部材は、前記フレームから前記回転体側に突出する筒状部を備え、
前記筒状部には、周方向に間隔を空けて、前記回転体側端部から前記フレームに向けて延びる1対のスリットが形成されており、
前記押圧部材は、前記筒状部における前記スリットに挟まれた第1部分と、前記第1部分の前記回転体側端部から前記第1部分と重なるように折り返され、弾性により前記フランジ部を前記第1平面部と前記第2平面部との間に向けて押圧する第2部分とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の軸受装置。
【請求項4】
前記軸受部材には、前記貫通穴の内周面と対向する対向部分の一部が切り欠かれる切欠部が形成されており、
前記押圧部材は、前記切欠部に配置され、前記フランジ部材を前記第1平面部と前記第2平面部との間に向けて付勢する付勢部材を備えることを特徴とする、請求項1に記載の軸受装置。
【請求項5】
前記軸受部材は、
前記フレームに沿って設けられる環状の鍔部と、
前記鍔部と一体的に形成され、前記フレームの所定部に係止される係止部とを備えていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の軸受装置。
【請求項6】
前記回転体の軸線方向の一端部には、前記回転体に駆動力を伝達するギアが設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の軸受装置。
【請求項7】
前記回転体は、感光ドラムであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の軸受装置。
【請求項8】
感光ドラムと、
前記感光ドラムの軸線方向の端部に設けられるフランジ部材と、
互いに異なる方向に延びる第1平面部および第2平面部を内周面に有する貫通穴が形成されたフレームと、
前記フランジ部材に対して外嵌され、前記貫通穴に対して内嵌される軸受部材と、
前記フランジ部材を前記第1平面部と前記第2平面部との間に向けて押圧する押圧部材とを備え、
前記押圧部材は、前記貫通穴の内周面と対向する位置に設けられることを特徴とする、ドラムユニット。
【請求項9】
前記軸受部材は、前記フレームから前記回転体側に突出する筒状部を備え、
前記筒状部には、前記フレーム側において周方向に延び、その周方向両端部から前記回転体側に延びるように切り欠かれる切欠部が形成されており、
前記押圧部材は、前記切欠部に囲まれた部分であり、前記フレーム側端部において前記フランジ部に向けて突出する突出部を備えていることを特徴とする、請求項8に記載のドラムユニット。
【請求項10】
前記軸受部材は、前記フレームから前記回転体側に突出する筒状部を備え、
前記筒状部には、周方向に間隔を空けて、前記感光ドラム側端部から前記フレームに向けて延びる1対のスリットが形成されており、
前記押圧部材は、前記筒状部における前記スリットに挟まれた第1部分と、前記第1部分の前記感光ドラム側端部から前記第1部分と重なるように折り返され、弾性により前記フランジ部を前記第1平面部と前記第2平面部との間に向けて押圧する第2部分とを備えることを特徴とする、請求項8に記載のドラムユニット。
【請求項11】
前記軸受部材には、前記貫通穴の内周面と対向する対向部分の一部が切り欠かれる切欠部が形成されており、
前記押圧部材は、前記切欠部に配置され、前記フランジ部材を前記第1平面部と前記第2平面部との間に向けて付勢する付勢部材を備えることを特徴とする、請求項8に記載のドラムユニット。
【請求項12】
周面が前記感光ドラムに押圧される現像ローラを備え、
前記押圧部が前記フランジ部材を押圧する方向は、前記現像ローラの周面が前記感光ドラムを押圧する方向と同一方向であることを特徴とする、請求項8〜11のいずれか一項に記載のドラムユニット。
【請求項13】
前記軸受部材は、
前記フレームに沿って設けられる環状の鍔部と、
前記鍔部と一体的に形成され、前記フレームの所定部に係止される係止部とを備えていることを特徴とする、請求項8〜12のいずれか一項に記載のドラムユニット。
【請求項14】
前記感光ドラムの軸線方向の一端部には、前記感光ドラムに駆動力を伝達するギアが設けられていることを特徴とする、請求項8〜13のいずれか一項に記載のドラムユニット。
【請求項15】
前記感光ドラムは、複数備えられ、
前記貫通穴は、前記感光ドラムに対応して、前記感光ドラムの数と同数形成されていることを特徴とする、請求項8〜14のいずれか一項に記載のドラムユニット。
【請求項16】
感光ドラムと、
前記感光ドラムの軸線方向の端部に設けられるフランジ部材と、
互いに異なる方向に延びる第1平面部および第2平面部を内周面に有する貫通穴が形成されたフレームと、
前記フランジ部材に対して外嵌され、前記貫通穴に対して内嵌される軸受部材と、
前記フランジ部材を前記第1平面部と前記第2平面部との間に向けて押圧する押圧部材とを備え、
前記押圧部材は、前記貫通穴の内周面と対向する位置に設けられることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項17】
前記軸受部材は、前記フレームから前記感光ドラム側に突出する筒状部を備え、
前記筒状部には、前記フレーム側において周方向に延び、その周方向両端部から前記回転体側に延びるように切り欠かれる切欠部が形成されており、
前記押圧部材は、前記切欠部に囲まれた部分であり、前記フレーム側端部において前記フランジ部に向けて突出する突出部を備えていることを特徴とする、請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記軸受部材は、前記フレームから前記回転体側に突出する筒状部を備え、
前記筒状部には、周方向に間隔を空けて、前記感光ドラム側端部から前記フレームに向けて延びる1対のスリットが形成されており、
前記押圧部材は、前記筒状部における前記スリットに挟まれた第1部分と、前記第1部分の前記感光ドラム側端部から前記第1部分と重なるように折り返され、弾性により前記フランジ部を前記第1平面部と前記第2平面部との間に向けて押圧する第2部分とを備えることを特徴とする、請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記軸受部材には、前記貫通穴の内周面と対向する対向部分の一部が切り欠かれる切欠部が形成されており、
前記押圧部材は、前記切欠部に配置され、前記フランジ部材を前記第1平面部と前記第2平面部との間に向けて付勢する付勢部材を備えることを特徴とする、請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項20】
周面が前記感光ドラムに押圧される現像ローラを備え、
前記押圧部が前記フランジ部材を押圧する方向は、前記現像ローラの周面が前記感光ドラムを押圧する方向と同一方向であることを特徴とする、請求項16〜19のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記軸受部材は、
前記フレームに沿って設けられる環状の鍔部と、
前記鍔部と一体的に形成され、前記フレームの所定部に係止される係止部とを備えていることを特徴とする、請求項16〜20のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項22】
前記感光ドラムの軸線方向の一端部には、前記感光ドラムに駆動力を伝達するギアが設けられていることを特徴とする、請求項16〜21のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項23】
前記感光ドラムは、複数備えられ、
前記貫通穴は、前記感光ドラムに対応して、前記感光ドラムの数と同数形成されていることを特徴とする、請求項16〜22のいずれか一項に記載の画像形成装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−189619(P2012−189619A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50406(P2011−50406)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】