説明

軸流水車

【課題】 設置スペースは従来技術と同程度でありながら、軸受への軸方向負荷が小さい軸流水車を提供する。
【解決手段】 軸10cの回りに回転する上流側羽根車10と、軸10cと同一直線上にある軸9cの回りに上流側羽根車10とは逆方向に回転する下流側羽根車9を同一流路内に配置し、前記2台の羽根車の回転を前記流路外に配置された回転軸に回転力伝達手段により伝達する軸流水車であって、上流側羽根車10は前縁が後縁よりも進行方向側に位置する羽根10dを備えるとともに、下流側羽根車9は後縁が前縁よりも進行方向側に位置する羽根9dを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水力発電などに利用される軸流水車に係り、特に、水車の中心軸と異なる位置に中心軸を有する発電機を駆動する軸流水車に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に水力発電において出力100kw以下のものをマイクロ水力と呼ぶ。特に10kw未満の発電設備については通産省への届出や資格者が不要であるため、農業用水や工業用水等の小規模な水資源を利用する補助的発電手段として広く利用されている。
【0003】
工業用水は配管等により輸送されることが多いため、配管設置型のマイクロ水車としてバルブ水車がよく用いられる。バルブ水車は流路内に発電機や水車軸が納まっているため、比較的容易に設置することができるからである。このような形式の装置としては、例えば、特許文献1に開示されている例がある。
【0004】
しかし、既設の配管を切断して設置する場合には、設置場所付近に発電機や水車軸の全てが納まるだけのスペースが必要であるため、設置場所に制限がある。このような問題を解決するため、特許文献2〜3に記載されているような、流路内に発電機および水車軸を持たない水車が考案されている。また、特許文献4には、駆動軸を流路外部に配置した水車が示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−221141号公報(第3頁、図1)
【特許文献2】特開平5−39771号公報(第2頁、図2、図3)
【特許文献3】特開平9−105395号公報(第4,5頁、図1)
【特許文献4】特開平7−167031号公報(第2、3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献2のような水車軸を持たない軸流水車では、羽根車外周支持部にかかる水車軸方向の負荷が大きいため、軸受部における摩擦抵抗が大きく、効率よく電力を得ることができない。また、軸受の摩耗が激しいため、長期に亘って継続的に運転することができない。
【0007】
本発明は上記現状を鑑みてなされたものであり、その課題は、設置スペースは従来技術と同程度でありながら、軸受への軸方向負荷が小さい軸流水車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、同一流路内に配置され、同一直線上に中心軸を持って互いに逆方向に回転する2台の羽根車と、前記2台の羽根車の回転を前記流路外に配置された回転軸に伝達する回転力伝達手段と、を有してなる軸流水車であって、上流側に位置する羽根車は前縁が後縁よりも進行方向側に位置する羽根を備えるとともに、下流側に位置する羽根車は後縁が前縁よりも進行方向側に位置する羽根を備えてなる軸流水車により解決される。
【0009】
前記下流側に位置する羽根車の羽根は、上流側に位置する羽根車(以下、上流側羽根車という)の回転に伴って該上流側羽根車の出側に生成される旋回流を受け、流路上流側に向かう成分を有する揚力を生ずる断面形状であることが望ましい。
【0010】
上記構成の軸流水車によれば、下流側に位置する羽根車(以下、下流側羽根車という)の羽根の後縁すなわち下流側の端縁は、羽根の前縁すなわち上流側の端縁よりも進行方向側すなわち回転方向側に位置する。このことは、下流側羽根車の羽根の流路上流側の面における流体圧が、流路下流側の面における流体圧よりも低いことを意味する。したがって、下流側羽根車の羽根は、流路下流側から上流側に向かう力を受け、その大きさは、羽根が流路軸線に対してなす角度が大きいほど大きい。また、下流側羽根車の羽根に対して流入する水流に対して揚力を生ずる翼形断面形状をなしている場合、羽根が受ける前記力は大きくなる。
【0011】
上流側羽根車は水流により上流側から下流側に向かう力を受けるが、下流側羽根車は上記構成により下流側から上流側に向かう力を受けるから、2台の羽根車が互いに回転軸方向の力を相殺しあう。このため、羽根車支持部における軸方向負荷が軽減され、その結果として従来よりも効率よく動力を、発電機で動力を取り出す場合は効率よく電力を、得ることができる。また、流路中には羽根車2台分のスペースがあれば十分であり、発電機を流路中に設置する必要がないため、小型化が容易である。さらに発電機を流路外に設置するため、発電機の大きさや形状等への依存性が低く、保守管理が容易である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、設置スペースは従来技術と同程度でありながら、軸受への軸方向負荷が小さい軸流水車を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>
図1及び図2は本発明の第1の実施の形態に係る軸流水車(以下、マイクロ水車という)の構造説明図である。図1は図2のB−B’断面における断面図を示しており、図2は図1のA−A’断面における断面図を示している。図示のマイクロ水車は、水車入り側となる筒状の流路8aを備えた上流側ケーシング30と、水車出側となる筒状の流路8bを前記流路8aと同心に備え、上流側ケーシング30との間に板状の中間ケーシング31を挟んで結合される下流側ケーシング32と、上流側ケーシング30と中間ケーシング31の間に前記流路8aと同心に配置される上流側羽根車10と、中間ケーシング31と下流側ケーシング32の間に前記流路8aと同心に配置される下流側羽根車9と、一端を上流側ケーシング30に支持され、軸線を前記流路8a,8bの軸線に平行させ、中間ケーシング31と下流側ケーシング32を貫通して配置された一対の動力伝達軸12a,12bと、動力伝達軸12a,12bの各下流側端部に結合された発電機13a,13bと、動力伝達軸12aの上流側ケーシング30と中間ケーシング31の間に固着された被動歯車(以下、二次歯車という)11aと、動力伝達軸12bの下流側ケーシング32と中間ケーシング31の間に固着された二次歯車11bと、を含んで構成されている。
【0014】
上流側羽根車10は、前記流路8aと同心に配置される軸10c、軸10cと同心に配置された環状の外周被支持部10a、軸10c外周面と外周被支持部10a内周面の間に放射状に配置結合された複数枚の羽根10d、及び外周被支持部10a外周面に軸10cと同心に結合された歯車10bと、を含んで構成されている。下流側羽根車9も、同様に、前記流路8aと同心に配置される軸9c、軸9cと同心に配置された環状の外周被支持部9a、軸9c外周面と外周被支持部9a内周面の間に放射状に配置結合された複数枚の羽根9d、及び外周被支持部9a外周面に軸9cと同心に結合された歯車9bと、を含んで構成されている。
【0015】
上流側羽根車10は上流側ケーシング30と中間ケーシング31により、下流側羽根車9は中間ケーシング31と下流側ケーシング32により、それぞれ外周被支持部10a、外周被支持部9aにおいて軸受21を介して回転可能に支持されている。また、下流側羽根車9は、羽根9dが上流側羽根車10の羽根10dと反対方向に傾いており、したがって、下流側羽根車9は上流側羽根車10と反対方向に回転するようになっている。図1では、羽根9d,羽根10dは、断面図ではなく、側面図で示されている。そして、上流側羽根車10の羽根10dは前縁が後縁よりも進行方向側に位置し、下流側羽根車9の羽根9dは後縁が前縁よりも進行方向側に位置している。
【0016】
なお、外周被支持部10aの軸方向上流側端面と上流側ケーシング30の間、外周被支持部10aの軸方向下流側端面と中間ケーシング31の間、外周被支持部9aの軸方向上流側端面と中間ケーシング31の間、外周被支持部9aの軸方向下流側端面と下流側ケーシング32の間は、いずれも、封水装置20により、水密に、かつ相対的に移動可能にシールされている。
【0017】
動力伝達軸12a,12bは、いずれも上流側ケーシング30と下流側ケーシング32の外周部に配置され、上流側ケーシング30と下流側ケーシング32に軸受を介して支持されている。本実施の形態では、図2に示すように、動力伝達軸12a,12bは、上流側ケーシング30と下流側ケーシング32の中心に対して、周方向に互いに90度離れて配置されている。
【0018】
前記歯車10bは動力伝達軸12aの前記二次歯車11aと、歯車9bは前記動力伝達軸12bの二次歯車11bと、それぞれ噛み合うようになっている。なお、前記発電機13a,13bは、下流側ケーシング32に取り付けられたカバーで、それぞれ覆われている。前記歯車9b,10b、動力伝達軸12a,12b、二次歯車11a,11bが動力伝達手段を構成している。
【0019】
なお、上流側羽根車10と下流側羽根車9は、中央の軸10cの下流端と軸9cの上流端において羽根車軸受22を介して接触している。配管等に本発明のマイクロ水車を設置する際には、上流側ケーシング30の流路8a上流端および下流側ケーシング32の流路8b下流端において、フランジ型に加工した配管と突合わせ継手によって接続する。
【0020】
上記構成のマイクロ水車に対し、水流は、図上、上方から流路8aに流入し、上流側羽根車10の羽根10d及び下流側羽根車9の羽根9dを通過して流路8bを経て流出する。水流のエネルギは、羽根10d及び羽根9dを通過する際に、上流側羽根車10及び下流側羽根車9の回転エネルギに変換され、上流側羽根車10の外周部に設けられた歯車10bが二次歯車11aに、下流側羽根車9の外周部に設けられた歯車9bが二次歯車11bに、それぞれ羽根車の回転力を伝え、発電機13a、13bにより発電を行う。
【0021】
単一の羽根車を運転する場合、羽根には周りを流れる流体の作用により、回転方向への力の他に軸方向の力が作用する。この軸方向の力は、通常上流側から下流側へ向かう。しかし、本実施の形態では、上流側羽根車10を通過した水流には上流側羽根車10を回転させることによる反作用で旋回が与えられ、この旋回が与えられた流れを受けて逆向きに回転する下流側羽根車9が取付けられている。この下流側羽根車9の羽根9dの翼形状を適切に調整することにより、下流側羽根車9に対して下流側から上流側へ向かう力を発生させるようにしてある。
【0022】
このように構成することで、上流側羽根車10にかかる下流方向への力と下流側羽根車9にかかる上流方向への力が互いに相殺し合うため、両者の羽根車は軸方向に対して羽根車軸受22及び中間ケーシング31のみで支持すればよい。その結果、軸方向の支持点における摩擦損失が軽減され効率よく発電を行うことができる。しかも、羽根車が2台存在するため、2台の羽根車にそれぞれ発電機を取り付けることにより、より高効率に電力を得ることができる。
【0023】
図3に、前述した、軸方向の負荷を互いに相殺し合う羽根の取付け方の一例を示す。図は水車の回転中心線と同心の円筒面で羽根10d、羽根9dを切った断面を平面に展開して示してある。図3において、水流は図の上方から下方に向かう方向に流れ、上流側羽根車10及び下流側羽根車9の回転中心線は、図上、上下方向の線(図示せず)である。したがって、図上横方向は、水車周方向である。図では、上流側羽根車10が矢印49の方向へ、下流側羽根車9が矢印59の方向へそれぞれ回転している。上流側羽根車10の羽根10dは、羽根断面形状(以下、翼断面形状という)40が、図上、右下に凸な形状となるように構成・配置され、下流側羽根車9の羽根9dは、逆に、羽根断面形状(以下、翼断面形状という)50が左上に向かって凸な形状となるように構成・配置されている。
【0024】
まず上流側羽根車10の翼断面形状40に対する流入流速の方向は、図の上から下へ向かうため、翼断面形状40に働く流体力44は、回転方向成分45と下流方向へ向かう平均流方向成分46とに分けることができる。このとき、上流側羽根車10の羽根10dの上流側の面が正圧面47、羽根10dの下流側の面が負圧面48となる。
【0025】
他方、下流側羽根車9の翼断面形状50に流入する流速は、上流側羽根車の回転速度41と上流側羽根車の流出相対速度42のベクトル和として、上流側羽根車10の羽根10dの翼断面形状40から流出する旋回流の出口絶対速度43で表される。一方、下流側羽根車9の翼断面形状50に流入する流入相対速度は、上流側羽根車の出口絶対速度43と下流側羽根車9の回転速度51とから、下流側羽根車9への流入相対速度52となる。
【0026】
そのため、後縁が前縁よりも回転方向側に位置するように羽根9dを傾けた場合、下流側に向いた面57が高圧、上流側に向いた面58が低圧となり、翼断面形状50に働く流体力54は回転方向成分55と上流側へ向かう軸方向成分56とに分けることができる。羽根9dの翼断面形状50を、板を曲げて形成するだけでなく、効果的に揚力を発生する、いわゆる翼形とし、流入する旋回流に対して適切な迎え角を与えることにより、上流側へ向かう軸方向成分56を大きくすることができる。
【0027】
図からわかるように、上流側羽根車10の羽根10dに働く力の平均流方向成分46および下流側羽根車9の羽根9dに働く力の軸方向成分56が互いに向かい合っているため、図1に示す羽根車軸受22を介して互いに相殺し合う。
【0028】
なお、互いに相殺し合う力を生じるような下流側羽根車9の羽根角度は、上流側羽根車10の後流に含まれる旋回流に依存する。適切な角度を求める方法の例としては、計算機を用いた非圧縮性乱流解析によって各半径位置での上流側羽根車10後流での平均流速を算出し、これを基に決定する方法などが挙げられる。
【0029】
上流側羽根車10あるいは下流側羽根車9が振動する場合には、中間ケーシング31における支持に磁気軸受を用いることにより、上流側ケーシング30もしくは下流側ケーシング32に衝突するのを防ぐこともできる。また、上流側ケーシング30の下流面と外周被支持部10aの上流面の間、および下流側ケーシング32の上流面と外周被支持部9aの下流面の間に軸受を設置することによっても、羽根車の振動を抑えることができる。
【0030】
マイクロ水車としてよく用いられるバルブ水車においては、流路内に発電機を納めた形状となっている。そのため、発電機の保守管理を行う際には一旦流れをせき止め、ケーシングの一部を開くことによって流路内の発電機の保守を行う必要がある。しかし、本実施の形態では、図1に示すように流路の外部に発電機を取り付けることにより、流れをせき止めることなく発電機の保守管理を行うことができる。
【0031】
また、特許文献2にあるように羽根車外周部とケーシングに直接発電装置を組み込む場合、専用の発電装置を製作する必要がある。しかし、本実施の形態では、既製の発電機を取り付けることが可能である。
【0032】
本実施の形態によれば、2台の羽根車が互いに回転軸方向の力を相殺しあうため、羽根車支持部における負荷を軽減し、その結果として従来よりも効率よく電力を得ることができる。また、流路中には羽根車2台分のスペースがあれば十分であり、発電機を流路中に設置する必要がないため、小型化が容易である。さらに発電機を流路外に設置するため、発電機の大きさや形状等への依存性が低く、保守管理が容易である。
【0033】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図4および図5を参照して説明する。図4は本実施の形態に係るマイクロ水車を、回転軸を含む平面での断面で見た断面図であり、図5は図4のC−C’線矢視断面図である。本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なるのは、中間ケーシング31が円筒状に構成され、動力伝達手段が異なる構成になっている点である。
【0034】
本実施の形態における動力伝達手段を構成する上流側羽根車10の歯車10bは上流側羽根車10の下流面に軸10cと同心に形成されたかさば歯車であり、同じく歯車9bは下流側羽根車9の上流面に軸10cと同心に形成されたかさば歯車であり、動力伝達軸12は中間ケーシング31の周壁を貫通して軸10c中心線に直交する方向に配置され、動力伝達軸12に結合された二次歯車11は、歯車9b、10bと噛み合うかさば歯車である。ここで、図1もしくは図2で既出の部品と共通の機能を有する部品については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0035】
本実施の形態では、羽根車の回転方向を直交方向に変換して伝達している。この場合、二次歯車11の外周部は上流側と下流側でそれぞれ逆向きに移動する。そのため、互いに逆向きに回転している2台の羽根車の回転を、方向を変えることなく直接伝えることができる。なお、2台の羽根車の回転数が異なる場合には、軸に動力を伝達する前に変速機を取付けることもできる。
【0036】
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の効果が得られ、さらに、発電機が1台で済むという利点がある。
【0037】
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態を、図6を参照して説明する。図6は、本実施の形態を示す断面図である。本実施の形態が前記第2の実施の形態と異なるのは、それぞれかさば歯車の二次歯車11を結合した動力伝達軸12を周方向に分散して3本配置し、各動力伝達軸に発電機を結合した点である。ここで、図1もしくは図2で既出の部品と共通の機能を有する部品については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0038】
本実施の形態のように3個所以上に二次歯車を設置した場合、羽根車同士はかさば歯車によって支持されるため、羽根車軸受22や外周部の軸受21の全て、或いは一部を省くことができる。
【0039】
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の効果が得られ、さらに、羽根車軸受22や外周部の軸受21の全て、或いは一部を省くこともできるという効果がある。
【0040】
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態を、図7を参照して説明する。図7は、本実施の形態を示す断面図である。本実施の形態が前記第2の実施の形態と異なるのは、上流側ケーシング30と下流側ケーシング32とは直接当接せず、周方向に分散配置されて軸方向に延在する複数の締結材34により相互に結合されている点と、動力伝達手段が異なる構成になっている点である。
【0041】
本実施の形態における動力伝達手段は、歯車9b,10bに代えてプーリ9e,10eが外周被支持部9a、10aに取り付けられ、二次歯車11a、11bに代えてベルト9f、10fがプーリ9e,10eに巻きかけられて回転力を取り出すように構成されている。ここで、図1もしくは図2で既出の部品と共通の機能を有する部品については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0042】
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、歯車の代わりにプーリとベルトを用いて回転力を取り出すので、管路が狭隘な場所にある場合でも発電機を管路から離して設置することができる。
【0043】
なお、上記各実施の形態では、羽根9d、羽根10dはいずれも、断面形状が、厚みが前縁から後縁にかけて次第に変化する翼形をなしているが、板材で形成された羽根であってもよい。羽根を板材で形成する場合は、羽根の断面形状が翼形の場合と同様の流体力を生ずる形状になるように加工すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るマイクロ水車を示す断面図である。
【図2】図1に示すマイクロ水車のA−A’線矢視断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るマイクロ水車の羽根に加わる流体力を説明する概念図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るマイクロ水車を示す断面図である。
【図5】図4に示すマイクロ水車のC−C’線矢視断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るマイクロ水車を示す断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係るマイクロ水車を示す断面図である。
【符号の説明】
【0045】
9 下流側羽根車
9a 外周被支持部
9b 歯車
9c 軸
9d 羽根
9e プーリ
9f ベルト
10 上流側羽根車
10a 外周被支持部
10b 歯車
10c 軸
10d 羽根
10e プーリ
10f ベルト
11、11a、11b 二次歯車
12、12a、12b 動力伝達軸
13a、13b 発電機
20 封水装置
21 軸受
22 羽根車軸受
30 上流側ケーシング
31 中間ケーシング
32 下流側ケーシング
34 締結材
40 上流側羽根車の翼断面形状
50 下流側羽根車の翼断面形状

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一流路内に配置され、同一直線上に中心軸を持って互いに逆方向に回転する2台の羽根車と、前記2台の羽根車の回転を前記流路外に配置された回転軸に伝達する回転力伝達手段と、を有してなる軸流水車であって、上流側に位置する羽根車は前縁が後縁よりも進行方向側に位置する羽根を備えるとともに、下流側に位置する羽根車は後縁が前縁よりも進行方向側に位置する羽根を備えてなる軸流水車。
【請求項2】
請求項1に記載の軸流水車において、前記下流側に位置する羽根車の羽根は、上流側に位置する羽根車の回転に伴って該上流側に位置する羽根車の出側に生成される旋回流を受け、流路上流側に向かう成分を有する揚力を生ずる断面形状であることを特徴とする軸流水車。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の軸流水車において、前記回転力伝達手段は、前記2台の羽根車それぞれの外周部に、羽根車中心と同心に設けられた歯車と、前記歯車にそれぞれ噛み合う2個の被動歯車と、前記2個の被動歯車にそれぞれ結合された2本の動力伝達軸とを含んで構成されていることを特徴とする軸流水車。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の軸流水車において、前記回転力伝達手段は、前記2台の羽根車それぞれの互いに対向する軸方向端面に、羽根車中心と同心に設けられたかさ歯歯車と、前記2つのかさ歯歯車の双方に噛み合う被動かさ歯歯車と、軸線を羽根車中心線に直交する方向にして配置され、前記被動かさ歯歯車が結合された動力伝達軸とを含んで構成されていることを特徴とする軸流水車。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の軸流水車において、前記回転力伝達手段は、前記2台の羽根車それぞれの外周部に、羽根車中心と同心に設けられたプーリと、前記プーリに巻き回された動力伝達用ベルトとを含んで構成されていることを特徴とする軸流水車。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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