説明

軽量なバイポーラ式密閉形鉛蓄電池およびその方法

軽量のVRLA電池は、ウインドウアセンブリにおける圧力および歪みに対応する構造的安定性を提供する非導電性の、望ましくはプラスチックのフレームによって保持される薄い鉛基板を含む。特に好ましい電池において、プラスチックフレームは、一緒にレーザ溶接され、疑似グリッドおよび電極材料は、鉛基板の各側面と結合する。疑似グリッドが超薄の鉛グリッドである場合は、鉛グリッドは、望ましくは、10未満の充放電サイクルの腐食留保を提供するように構成され、バイポーラ式アセンブリは、タンク内形成工程において充電される。疑似グリッドが非導電性グリッドである場合は、鉛グリッドは、望ましくは、プラスチックグリッドであり、バイポーラ式アセンブリは、コンテナ内形成工程において充電される。その結果、重量、容積、および生産コストは、固有エネルギーが実質的に増加するので、大いに削減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年3月5日に出願された我々の米国仮特許出願第61/310,847号の優先権を主張する。
【0002】
本発明の分野は、鉛蓄電池およびその製造であり、特に、密閉形鉛蓄電池(VRLA)に関する。
【背景技術】
【0003】
電池技術の最近の進歩と同様に、電池性能および電池製造の経済の増加する要求は、バイポーラ式鉛蓄電池の開発および生産へ新たな契機を提供してきた。しかしながら、様々な改良された組成物および方法にもかかわらず、基板および電流コレクターの製造における様々な基本的な問題は、残っていた。さらに、バイポーラ式電池の設計における様々な進歩にもかかわらず、比較的大量の金属鉛は、まだ、製造中に構造上の安定性を保持するために必要とされ、充電/放電サイクルが繰り返される。
【0004】
例えば、米国特許第3,806,696号に記載されるような、比較的低い内部インピーダンスおよび少なくともいくらか増加した耐酸化性および耐腐食性を有する複合コレクター構造を形成するために純鉛グリッドおよび純鉛板を一緒に溶接することは、技術的に知られている。本明細書中に説明されるこのおよび他の全ての非本質的な材料は、それらの全てが参照により組み込まれる。組み込まれる参照の用語の定義または使用が本明細書中に提供される用語の定義に矛盾または正反対である場合は、本明細書中に提供される用語の定義を適用し、参照の用語の定義は、適用されない。
【0005】
しかしながら、このような電池が深いサイクリングの対象である場合は、PbSCM/PbOx層は、それが絶縁体として機能するように形成され、従って、電池の早期容量損失に至る。代わりに、様々な鉛合金(例えば、鉛‐カルシウム合金)は、米国特許第6,620,551号に示すように、絶縁層の形成を防ぐように純鉛基板で一緒に使用され得る。残念ながら、導電グリッドがほとんどの場合、鉛基板へ積層されるので、層間剥離は、最終的に、このような電池の寿命を短くする。また、鉛グリッド材料のタイプにかかわらず、導電グリッドを有することで、かなりの重量が、電池に加えられる。
【0006】
同様に、基板が鉛板または鉛被覆板である場合は、1セルからの電解質クリープは、不可避であり、電池の内部で短絡させるだろう。同じやり方で、バイポーラ式電池スタックへのバイポール要素の組み立ての問題が残っている。例えば、特定のシーリング材またはシール装置を使用してセルを積み重ねてシールすることは、知られている。このようなアプローチが製造における複雑さを増加させるので、まだ、特に電池が多数のサイクルに渡って実行される、望ましくない結果を提供することがある。既知のシール材またはシール装置と関連する問題の少なくともいくつかを克服するために、バイポールは、隙間のシールを向上させるために一緒に押し付けられてもよい。しかしながら、過圧縮は、電池性能に悪影響を与えるだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、鉛バイポーラ式電池の多くの装置および方法は、技術的に知られ、それらの全てまたはほとんど全ては、様々な欠点に苦しむ。このように、改良された鉛バイポーラ式電池および製造プロセスを提供することがまだ必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の主題は、鉛バイポーラ式電池、特に、大幅に重量が減少し、固有のエネルギーが増加し、大幅に製造が簡素化したVRLA電池の様々な方法および装置に向けられる。特に望ましい態様において、バイポールの構造における金属鉛の全体量は、減少によって低減され、場合によっては、電解質クリープが基板フレームの境界で強化接着剤を提供することによって、および引き続きレーザがバイポーラ式スタックへフレームを溶接することによって、回避される間、陽極側の電流コレクターの除去を完了する。
【0009】
本発明の主題の一態様において、バイポーラ式電極アセンブリは、第1ウインドウを画定する第1非導電性フレームを含み、第1フレームは、第2ウインドウを画定する第2非導電性フレームへ溶接または接着される。鉛箔は、その後、鉛箔の向かい合う第1および第2側面が第1および第2ウインドウを通って、それぞれ接触可能になるように、第1および第2フレームと結合する。特に望ましい態様において、第1および/または第2非導電性フレームは、強化接着剤が鉛箔と第1および/または第2非導電性フレームとの間に位置するように粘度調整剤(例えば、ヒュームド・シリカ粉末)および/または結合剤(例えば、シラン)を含む(望ましくはチャンネルに配置された)強化接着剤をさらに含む。意図したアセンブリにおいて、第1疑似グリッドは、陽極材料と結合し、第1グリッドおよび陽極材料は、第1ウインドウに位置し、鉛箔の第1側面と伝導的に結合する。同じように、第2疑似グリッドは、陰極材料と結合し、第2グリッドおよび陰極材料は、第2ウインドウに位置し、鉛箔の第2側面と伝導的に結合する。
【0010】
もっとも好ましくは、第1および第2非導電性フレームは、一緒にレーザ溶接され、および/または鉛箔は、0.2mm未満の厚さを有する鉛スズ合金である。アセンブリの重量をさらに減らすために、疑似グリッドの一方または両方が非導電性材料からまたは鉛もしくは鉛合金から製造されることが一般的に推奨される(この場合、疑似グリッドが充放電サイクルの10未満、さらにより一般的には、5未満の腐食予備を一般に提供する)。陽極材料が(乾燥および硬化した)陽極活物質であり、陰極材料が(乾燥および硬化した)陽極活物質であり、または陽極および陰極材料が酸化鉛ペーストであることがさらに好まれるべきである。
【0011】
複数のアセンブリが、一緒に積み重ねられ、陰極および陽極の端極アセンブリと結合する場合は、バイポーラ式電池アセンブリは、形成され、適切な筐体部品を使用してその中に入れられ、または(通常、熱可塑性)ポリマーに封入される。
【0012】
本発明の主題の別の態様において、密閉形鉛蓄電池における使用のための鉛蓄電池バイポールは、陽極活物質、陰極活物質、または酸化鉛ペーストと結合する疑似グリッドを含み、疑似グリッドに対する陽極活物質の重量比は、0.50以下であり、より一般的には、0.40以下であり、もっとも一般的には、0.25以下である。望まれる場合には、陽極活物質または陰極活物質は、洗浄および乾燥された活物質でよい。
【0013】
本発明の主題のさらなる別の態様において、密閉形鉛蓄電池を調整するバルブは、完全に放電した状態で10g/Ahの容量で少なくとも45Wh/kgの固有エネルギー量の金属鉛および/または鉛合金、より望ましくは、6.0g/Ah以下の容量、または少なくとも54Wh/kgの固有エネルギー量の金属鉛および/または鉛合金を有するだろう。
【0014】
その結果、バイポーラ式電極アセンブリの製造方法は、第1ウインドウを画定する第1非導電性フレームと第2ウインドウを画定する第2非導電性フレームとの間の向かい合う第1および第2側面を有する鉛箔を配置するステップを含むことを意図する。別のステップにおいて、強化接着剤は、鉛箔と第1および第2非導電性フレームの少なくとも一つとの間に配置され、強化接着剤は、粘度調整剤(例えば、ヒュームド・シリカ粉末)および結合剤(例えば、シラン)の少なくとも一つを含み、さらなる別のステップにおいて、第1フレームは、鉛箔の第1および第2側面が第1および第2ウインドウを通ってそれぞれ接触可能になるように第2フレームへレーザ溶接される。さらに別の態様において、第1疑似グリッドは、陽極材料と結合し、第1グリッドおよび第1陽極材料は、鉛箔の第1側面へ陽極材料を伝導的に結合するために第1ウインドウに配置され、さらなるステップにおいて、第2疑似グリッドは、鉛箔の第2側面へ陰極材料を伝導的に結合するために第2ウインドウに配置される。
【0015】
もっとも好ましくは、第1および/または第2疑似グリッドは、非導電性であり、陽極および/または陰極活物質は、コンテナ内形成工程において陽極および陰極材料から形成される。あるいは、第1および/または第2疑似グリッドは、導電性であり、陽極および陰極活物質は、タンク内形成工程において陽極および陰極材料から形成される。
【0016】
本発明の主題の様々な目的、特徴、態様および利点は、同じ番号が同じ要素を示す添付の図面に沿って、以下の望ましい実施形態の詳細な説明からより明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】本発明の主題に係る例示的なバイポーラ式電極アセンブリの分解図である。
【図1B】図1Aの組み立て、溶接されたバイポーラ式電極アセンブリの側面図である。
【図2】例示的なVRLAの分解図である。
【図3】本発明の主題の一態様に係るPAMおよびNAMスラブの写真である。
【図4】本発明の主題の一態様に係るレーザ溶接装置の例示的な模式図である。
【図5】本発明の主題の別の態様に係る形成タンクの例示的な模式図である。
【図6】本発明の主題に係るバイポーラ式電極アセンブリを使用するVRLAアセンブリの例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発明者は、バイポーラ式電池、特に高出力密度のVRLAが金属重量の使用を大いに減らして電解質クリープおよび/または損失を実質的に除去する、簡素で費用対効果の良い工程で生産され得ることを発見した。特に望ましい態様において、グリッド/電流コレクターが疑似グリッド(例えば、非導電性ポリマー材料から作られるグリッド、または望ましくは、充放電サイクル中の使用のための腐食留保を提供することなしにコンテナ内の形成を可能にするだけの厚さを有する超薄のグリッド)に置き換えられるので、バイポーラ式電極アセンブリの基板は、非常に薄い鉛(合金)箔から作られる。従って、金属鉛の使用は、既知のVRLAバイポーラ式電極アセンブリと比較して、一般に最大65%まで大いに削減される。
【0019】
また、電解質クリープおよび/または損失は、好ましくは、フレーム要素の間の密封および耐久性シールを提供するためのフレームのレーザ溶接によって避けられる。さらに、発明者は、基板への粘着性および接着性を増加するための添加によって修正された強化接着剤組成を使用して鉛基板とフレームの間の接触面が確実に密封されることを発見した。密封されたフレームは、VRLA電池の寿命に渡ってクリープのない動作を提供することが証明されてきた。
【0020】
さらに、意図した装置および方法が、通常、設備の一新および専用の設備を必要とせず、現存する生産設備および工程全てでないにしてもほとんどを使用して生産/実施されうることは、特に留意すべきである。従って、著しく改善された性能および信頼性のあるVRLA電池は、簡素で、経済的な手法で作られうる。
【0021】
一例示的なバイポーラ式電極アセンブリは、図1Aに示され、アセンブリ100Aが、第1および第2ポリマーフレーム110Aおよび110A’をそれぞれ含み、また、それぞれウインドウ111Aおよび111A’を画定する。各フレームが、その後鉛箔120Aを望ましくは、箔のいずれかの側面で、密封状態に結合させる、強化接着剤112Aを少なくとも部分的に収容するための小さいチャンネル(またはその他、図示しない凹状構造)を含むことは、さらに望ましい。フレームは、その後、一緒に適合され、一般的に一体構造を形成するためにレーザ溶接される。フレームが、ウインドウが陽極および陰極材料132Aおよび134A(図の軽減のため、図1Aには一つのグリッド領域のみ満たすように示される)と予め適合されてもされなくてもよい、それぞれの疑似グリッド130Aおよび130A’収容するように構成されることは、さらに望ましい。さらに後述するように、陽極および陰極材料132Aおよび134Aは、すでに、乾燥、形成、および/または形成後の乾燥ステップにさらされてきて、または酸化/硫化鉛ペーストであってもよい。
【0022】
図1Bは、二つの透明なポリマーフレーム110Bおよび110B’が一緒にレーザ溶接される例示的な組み立てられたバイポーラ式電極アセンブリ100Bを示す。レーザ溶接部114Bは、一般に、連続であり、二つのフレームの間の完全な密封を生成するように形成される。また、鉛合金箔120Bは、二つのフレームの間に配置され保持される。ここで、従来の既知の装置の全てではないが、ほとんどはが電解質クリープに対して弱いことは、特に留意されるべきである。本実施例において、クリープは、フレームへ鉛箔を円周方向に密閉する強化接着剤112Bの使用によって全体的に回避される。他の装置に対して、強化接着剤は、鉛箔とフレームとの間の接着力を強化させるために粘度および/またはクリープ物質を増加させるために粘度調整剤で変更される。そのような強化接着剤は、非常に長い期間に渡って電解質の移動に影響されないことを証明してきて、一般に電池の設計寿命を長持ちさせてきた。また、図1Bに示すように、フレームは、グリッドおよび/または電極材料が鉛(合金)箔を伝導的に結合し、セパレータの少なくとも一部分を収容するような方法で、疑似グリッドを収容する適切な切り出しの大きさを有する。そのような装置において、複数のバイポーラ式アセンブリがバイポーラ式電池の製品のためのバイポーラ式電極スタックを形成するように一緒に溶接されうることは、容易に明らかだろう。フレームは、通気および/または電解質充填を可能にする一つ以上のさらなる開口(図示せず)を有するだろう。
【0023】
図2は、図1Aおよび1Bに示すようなバイポーラ式電極アセンブリを使用する例示的なVRLA電池を模式的に示す。ここで、電池200は、複数のバイポーラ式電極アセンブリ210と陽極および陰極エンドプレート220および230をそれぞれ含む。バイポーラ式電極アセンブリ210は、隣接アセンブリ/エンドプレートを有するセルを完成させるためにセパレータ240の間に挟まれる(電解質は、セパレータを含む空間に充填される)。ほとんどの場合、セパレータスペーサ242は、含まれるだろうが、また、フレームに組み込まれてもよい。プレート232は、エンドプレートと結合し、電池筐体は、側面プレート260、底面プレート270、および上面プレート250の追加によって完成する。上面プレートは、端子シール252および253と同様に、バルブ254、充填ポート256およびキャップ255をさらに含む。
【0024】
結果として、特に望ましいバイポーラ式電極アセンブリがそれぞれ第1および第2ウインドウを画定する第1および第2非導電フレームを含み、該フレームが望ましくは一緒にレーザ溶接されることは、理解されるべきである。電極基板(最も一般的には純鉛(例えば、少なくとも99.9重量%)または鉛合金(例えば、鉛スズ合金))は、基板の向かい合う側面が第1および第2ウインドウを通って接触可能になるようにフレームの間に配置される。電解質漏出に関するいくつかの問題を避けるために、基板とフレームとの間に位置する強化接着剤を有することは、一般的に望ましい。一般にすでに陽極材料と結合した、第1疑似グリッドは、その後、基板の第1側面とで伝導的な結合を可能にするために第1ウインドウに位置し、また、一般にすでに陰極材料と結合した、第2疑似グリッドは、基板の第2側面と伝導的な結合を可能にするために第2ウインドウに位置する。従って、耐久バイポーラ式電極アセンブリが、厳しい作業環境(例えば、放電の少なくとも80%の深度)で数百を超える充/放電サイクルでさえも、望ましくない電解質の移動に影響されない非常に分かりやすく製造されうることは、認識されるべきである。また、より詳細に以下に記載されるように、バイポーラ式アセンブリの重量は、非常に薄い基板の使用、および疑似グリッドを有する伝導的構造の鉛グリッドの置き換えにより大いに削減される。別の視点からみて、実質的に低減された腐食留保および重量の鉛合金グリッドが、電極の貼り付け、気流乾燥および積み重ねの間の高容積の生産設備によって与えられる圧力および歪みに耐えられるほど十分強く生産されることは、理解されるべきである。従って、既にある従来の生産工程および設備は、本明細書にある教示と併せて使用されうる。
【0025】
本明細書中に使用される「疑似グリッド」という用語は、非導電性または導電性であるグリッドのいずれかのグリッドを指すが、腐食留保の10以上の、より一般的には5以上、最も一般的には3以上の充放電サイクルを提供しない。従って、疑似グリッドが導電性である場合は、グリッドが、単一タンク内またはコンテナ内形成を可能にするのに十分な厚さを有するが、充/放電サイクルの低数(一般に1〜10)以上の導電機能を提供しない、鉛または鉛合金から作られること一般的に望ましい。あるいは、疑似グリッドは、電極材料に不規則に配置される導電性または非導電性充填剤として構成されてもよい。本明細書中に使用される「電極材料」という用語は、疑似グリッドと接触する鉛ベースの材料であることを指し、従って、鉛ペースト(すなわち、形成前の材料)および活物質(すなわち、形成後の材料)を含む。例示的な活電極物質、タンク内形成から取得されるガラス繊維充填剤は、図3の写真に示される。ここで、さらに以下に詳しく示すように、左側面パネルは、金属の陽極活物質(PAM)を示し、右側面パネルは、褐色の陰極活物質(NAM)を示す。
【0026】
VRLAバイポーラ式電池のために、疑似グリッドに対する電極材料の重量比が比較的低いことは、さらに一般的に望ましい。例えば、電極材料(例えば、PAM、NAM、酸化鉛ペースト)に対する疑似グリッドの望ましい比率は、0.50以下、より一般的には0.40以下、およびもっとも一般的には0.25以下である。そのようなグリッドが洗浄または乾燥PAMまたはNAMを含んでもよいことがさらに意図される。一方、従来のVRLA電池は、おおよそ0.68と等しい陽極活物質の重量に対する鉛グリッドの重量の比率を有する。結果として、著しく改良された固有エネルギーを有する電池は、生産されうる。例えば、意図した装置および方法の使用で、10g/Ah以下、より一般的には8g/Ah、および最も一般的には6g/Ah以下の容量および少なくとも45Wh/kg、より一般的には少なくとも50Wh/kg、および最も一般的には少なくとも54Wh/kgの固有エネルギー量の金属鉛および/または金属鉛合金を有する鉛蓄電池を調整するバルブは、生産されうる。例えば、そのような利点は、従来の汎用VRLA電池よりも、削減された生産コスト、最大60%(場合によってはさらに高くなる)の金属鉛の使用の削減、容積(一般的に少なくとも10%小さい容積)および重量(一般に25%低い全重量)の削減へ変換される。電池の他のタイプの間で、特に望ましいVRLA電池は、汎用電池、SLI(スターティング、ライティング、イグニション)電池、UPS(連続電力供給)電池、および輸送用電池(ハイブリッドまたは電気自動車の電池など)を含む。初期容量の80%に対する100%放電深度、C/3で220サイクルを越える実施からも明らかなように、バイポーラ式VRLA 5Ah−12V電池の25の試作品の独自の試験で密封されたバイポールの安定性が確認された。
【0027】
適切なフレーム材料に関して、様々な材料が適切であるとみなされ、特に望ましい材料が導電性または導電性でない軽量材料を含むことが、理解されるべきである。例えば、望ましい軽量材料は、様々なポリマー材料、炭素繊維複合材料、軽量セラミックなどを含む。しかしながら、特に望まれる材料は、熱可塑性レーザ溶接に適したものを含む。例えば、意図した熱可塑性材料は、様々な材料、特にガラス繊維で補強されてもよい、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、様々なポリアクリレート(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、およびポリブチレンテレフタレート(PBT)を含む。実際、この事例における材料の選択は、溶接/組み立て工程における少なくともいくつかの点で貫通可能なレーザであるプラスチックによって制限されるのみである。さらに、ポリマーが完全に透明であり、色素(内側または外側)がレーザエネルギーを吸収することにより溶接を容易にすることに留意されたい。
【0028】
その結果、フレームの融合の方法は、材料の選択に応じて変化し、スポットおよびシーム溶接、超音波溶接、活性表面(例えば、プラズマエッチングされた表面)を使用する化学的溶接、および一つ以上の接着剤の使用を含む。しかしながら、最も望ましい実施形態において、レーザ溶接は、フレームアセンブリと同様にフレーム結合のための半自動または全自動化された方法で用いられる。そのような方法において、レーザビームは、上部光透過性熱可塑性フレームまたは他の部品を貫通し、溶接接触面で下部吸収性熱可塑性またはレーザ吸収染料のいずれかによって熱に変換される。外力が両方の熱可塑性部分を一緒に押し付けるために溶接工程の間に適用され、レーザ吸収熱可塑性からレーザ貫通熱可塑性までの熱の状態を可能にし、従って、両方の部品を部分的に溶解し、接合剤を生成することは、さらに一般的に望ましい。溶接領域における熱膨張は、内圧を引き起こし、部品間の強い溶接へつながる。
【0029】
レーザ透過溶接が、溶接工具、柔軟な接合技術、溶接部分の最小熱応力、簡素な接合シーム形状、微粒子開発の欠如、無振動工程、光学的に完全な溶接シーム、高精度、高強度、気密性、気密シール、および消耗品の欠如(例えば、接着剤、留め具など)との接触の欠如を含む、従来の溶接技術上のプラスチックの溶接において重要な利点を提示することは、特に理解されるべきである。従って、現在直面するような、振動または超音波溶接に関連する問題(米国特許第5,512,065号または米国特許第5,068,160号参照)は、完全に避けられうる。例示的なレーザ溶接装置は、図4に示される。ここで、装置400は、一般に透明なベース410およびCNC2軸制御レーザヘッド420を含む。
可塑性フレーム(またはアセンブリ)430および430’の少なくとも一つは、可塑性染料432を有し、フレームまたは他の部品は、適した圧力をレーザ溶接へ与える、油圧または空気圧器具450によって保持ガラス板440に押し付けられる。例えば、適切な溶接装置は、市販されており(Leister Technologies www.ieisterlaser.com)、お互いの所望の関係において溶接された部品を固定するために使用される器具を含む。適切に動力を与えられたレーザは、所望の溶接パターンに沿ってレーザビームを向けるために、ロボットアームまたは他のプログラマブル・システム(例えば、CNCアーム)によって保持され、移動される。
【0030】
もちろん、追加の接着剤および/または封止剤が電解質不浸透性アセンブリを生成するために使用されうることは、留意されるべきである。例えば、接着剤のビードは、電流コレクターのフランジへ適用されうる。約0.8〜1.0mm幅の溶接シームは、電流コレクターのフランジを包括し熱可塑性における電流コレクターを封入するだろう(ただし、文脈が反対を指示しない限り、本明細書に記述の全ての範囲は、それらの終点の包括するものとして解釈されるべきであり、制限のない範囲は、市販の実用的価値のみを含むように解釈されるべきである。同様に、文脈が反対を指示しない限り、値の全てのリストは、中間値を含めるものとして考慮されるべきである)。少なくともいくつかの実施形態において、アセンブリの外観は、プラスチックの積層写真を連想させる。もちろん、接着剤の正確な位置決めは、フレームおよび基板の特定の構成によって決められるだろう。従って、接着剤は、フレームの少なくとも一つにおけるチャンネルまたは他の凹部に設けられる、またはレーザ溶接に依存しないフレームの対向する部分へ自由に適用される。
【0031】
多くの接着剤が本明細書での使用に適しているとみなされるが、特に適切なポリマー接着剤は、二液型エポキシを含み、具体的には、それらは、電池の電極を密封するために鉛蓄電池のOEMによって慣習的に使用されている。平面上のエポキシ形成の可動性を削減させるための試みにおいて、発明者は、粘着性がいくらか増加した場合、優れた操作特性に達することを発見した。粘着性を増加させる他の適切な化合物のうち、特に望ましい化合物は、Si02ヒュームド・シリカ粉末を含む(例えば、Cabot社から市販されている商品名Cabosil M5(登録商標))。約2重量%〜8重量%、およびより一般的には4重量%〜5重量%でエポキシ化合物(例えば、韓国ソウルのMould. Chemicalから市販されている、アトラスタイプAエポキシ)へそのようなシリカ粉末を追加することによって、発明者は、初期容量の70%に対する80%放電深度、C/2で390サイクルを通して電解質および電解分路に影響されないと証明された封止剤化合物を生成した。基板と疑似フレームとの間の結合および密封能力は、接着剤へ結合剤を追加することによって、さらにより改良されうる。他の物質のうち、発明者は、非常によく実施されるシラン(米国ニュージャージー州のAdvanced Polymar社(API)から市販のシラン)および結合剤の望ましい量が0.1〜5重量%、最も好ましくは1〜3重量%の間であることを発見した。
【0032】
基板に関して、全ての既知のバイポーラ式鉛蓄電池基板が本明細書中の教示と併せて使用に適切であるとみなされることは、認識されるべきである。本発明の主題の望ましい一態様において、基板は、5mm以下、より一般的には2mm以下、最も一般的には0.5mm以下(例えば、0.2mmまたは0.1mm)の厚さを有する純鉛(すなわち、少なくとも99重量%、より一般的には少なくとも9.9重量%)箔または鉛合金(例えば、鉛スズ、鉛ビスマス、鉛カルシウムなど)である。あるいは、鉛被覆の導電または非導電基板が、用いられる。この場合、基板が国際出願公開第WO2010/019291号に記載されるように準バイポールであることは、特に望ましい。最も望ましくは、そのようなバイポール基板の非導電部がレーザ溶接可能であり、溶接工程が不浸透性密封を生成するために使用されうる。あるいは、適切な基板は、また、グリッドが国際出願公開第WO2010/135313号に記載されるように鉛箔に電鋳されまたは溶接される一体構造の基板を含む。
【0033】
既に上述の通り、レーザ溶接は、陰極エンドプレートからで開始する、順次処理を一緒に使用するバイポールの全体のスタックを接合するためにさらに使用されうる。陽極バイポールは、その後、装置のガイドレール内のエンドプレートの上部に配置される。エアシリンダーまたは他の空気圧式、油圧式、または機械式装置は、その後、部品をお互いに押し付けるために固定したガラス頭部に向かって上向きに保持固定具を作動させ、その後、レーザビームは、プラスチックフランジの全体の縁をお互いに溶接するためにプログラムされたパターンをトレースする。従って、一度に一バイポール、スタックが溶接装置において徐々に組み立てられる。例えば、実験的なバイポーラ式電池は、図2において模式的に示されるような12V電池アセンブリを生産するためにバイポーラ式電池部品からお互いに溶接された。アセンブリは、電池アセンブリを補強するため、および内部組み換えガス圧力から生じる輪状圧力を取り除くためにカバージャケット部品を適用することによって完成する。もう一度、レーザ溶接は、従来の熱板が平面部品の溶接に対して一般に適切ではないので、この工程ステップ(カバージャケットがバイポールおよびエンドプレートを接合させること)に特に有利である。アセンブリは、スタックの上部の位置に蓋部品を接合した後に完成する。鉛蓄電池メーカーによって一般に実施されているので、蓋は、熱板によって、または接着剤によって接合されうる。しかしながら、他の二つの既知の方法と比較して、この工程が非常に速く、品質関連の問題になりづらいので、レーザ溶接を使用することは、さらに有利である。
【0034】
あるいは、組み立てられた部品(具体的にはレーザ溶接の後)がまた、技術的によく知られる適切な方法を用いて熱可塑性材料に封入されうることは、理解されるべきである。熱可塑性封入が電気コイルおよび電気モータ部品を絶縁樹脂に埋め込むためにデュポン社によって最初に開発され、大量生産に適していることに留意されたい。前述の応用で広く使用されるが、封入は、鉛蓄電池の製造において事実上は、知られていない。封入の目的は、バイポールフレームおよびBLABエンドプレート上に熱可塑性カバーの均一層を生成することであり、従って、お互いにこれらの部品を接続し密封する。BLABアセンブリの全自動工程は、その結果、適切な金型にセパレータを有する予め組み立てられたバイポールを積み重ねるステップを用いる。部品が所定の位置にあると、金型は、閉じられ、熱可塑性射出サイクルが開始される。その後、金型は、完成した電池を取り出すために開かれる。封入方法は、従来のハウジング製造よりも大いに速くなり、場合によっては、レーザ溶接よりもさらに速くなり、従って、最終的なアセンブリのために必要な多くの部品をさらに削減する。そのような方法は、より小さい大きさの電池に特に適している。
【0035】
組み立てられた電池は、その後、電解質で満たされ、その後、形成の工程を経る。従って、本発明の主題の一態様において、形成は、比較的小さいVRLA電池のために行われる、「コンテナ内」で実行されうる。ここで、完全に組み立てられた電池は、バイポールがハウジングに設置される間、形成を受ける。より大きい電池は、通常、グリッドおよび活物質が電解槽で形成を受ける「タンク内」形成を受ける。しかしながら、本明細書に記載の電池が両方の工程に適していることは、理解されるべきである。
【0036】
発明者は、貼り付け、硬化、および整形プレートがグリッドと陽極活物質(RAM)との間でよく連結でき、鉛箔基板上に配置された帯電した陽極活物質が、また、いくつかの充/放電サイクルにおいてよく連結できるという通説に反して、予想外に発見した。とりわけ、帯電した陰極プレートは、戸外で急速に放電するので、より多くの問題を提示する。帯電した陰極活物質への損傷を避けるため、発明者は、空気酸化の問題を完全に取り除いた、保護雰囲気(例えば、窒素ガス)下での組み立て方法を開発した。あるいは、発明者は、また、充電下でおよび/または電解質と接触して分解/溶解する酸素不浸透性材料を有する陰極活物質を覆うことを意図する。
【0037】
さらに、乾燥帯電したプレートを使用することの利点を認識することで、発明者は、また、乾燥帯電したプレートの生産およびタンク内形成の方法を開発した。乾燥帯電したプレートは、その後、電池組み立て工程へ簡単に組み込まれる。バイポールセルに適した電極で形成されるタンクを生産するために、発明者は、導電性のある疑似グリッドおよび従来のプレートよりも軽いグリッドにおいて使用した。バイポーラ式電池において、グリッドが電極材料の重量によって機械的に押し付けられておらず、高電流およびグリッド腐食のための適切な厚さのワイヤを有する必要がないので、軽量グリッドが完全に受け入れ可能に作られることは、特に留意されたい。実際、発明者は、疑似グリッドがその活物質をただ適切に保持し、形成要件を満たすために電流がちょうど通過しなければならないことに気づいた。試作品の実験は、これらの軽量グリッドが実行可能であることが確認されてきた。軽量グリッドは、従来のグリッドよりも少なくとも10%、より一般的に少なくとも25%、最も一般的には少なくとも33%少ないワイヤ強度および従来のグリッドより少なくとも10%、より一般的には少なくとも25%、最も一般的には33%少ない全重量を一般的に有するだろう。別の視点からみると、従来のVRLA電池が鉛グリッドの重量と陽極活物質の重量が約0.68(+/−5〜10%)の割合なので、削減した腐食予備を有する鉛合金疑似グリッドが実質的により小さい重量を有し、適切な重量の割合は、0.60〜0.45、より好ましくは0.45〜0.30、最も好ましくは0.3〜0.20で可能な限り抑えられることは、認識されるべきである。
【0038】
乾燥充電されたバイポーラ式電池の電極の生産の方法が、従来の電池の既存の製造工程へのバイポーラ式電池のプレートの製造の統合を可能にするものとして非常に有利であることは、特に理解されるべきである。本明細書に記載の本発明の主題により生産されたバイポーラ式電池は、従来のものよりも最大52%少ない金属鉛を使用する。また、鉛カルシウム合金が追加の経済的利点を提供する、両陽極および陰極疑似グリッドの一方または両方のために使用されることは、留意されるべきである。
【0039】
本発明の主題のさらに別の態様において、発明者は、乾燥充電された電池プレート(活物質)がまた、グリッドがなかったとしても生産されうることをさらに発見した。より具体的には、陽極および陰極材料は、所望の特性を保持するために一つ以上の構造的充填剤と混合されうる。例えば、電極材料は、2%のガラス繊維(例えば、ハイブリッドで生産されたポリアミド10〜6)、および必要に応じて追加の結合剤と混合された。注目すべきは、そのように形成された鉛ペーストは、従来の鉛ペーストとの違いは無かった。しかしながら、鉛貼付グリッドを有する従来の電極材料とは異なり、構造的充填剤を含む多くは、所望の割合のスラブを形成するためにプラスチック金型に押し込まれた。
【0040】
硬化および乾燥工程は、その後、望ましくは、従来の材料と同じ方法で実行される。しかしながら、スラブを補強し、それらの離型を容易にするために適切なバッキングを使用することは、望ましい。次のステップは、図5に例示的に示されるように、改良されたタンクのタンク内形成である。ここで、電流をスラブへ伝達するために、十分な厚さの鋳造鉛合金から作られるトレイ上にそれらを配置することは、必要である。形成電流は、その後、トレイを介してプレートへ移動する。電解質の効率的な循環を容易にするために、トレイは、適切な穿孔を考慮して設計される。便宜上、トレイは、お互いに対向して向かい合う極性トレイを有するタンク内へ水平に配置されるが、しかしながら、他の配置は、また、本明細書中に適切にみなされる。形成後、PAMおよびNAMスラブは、バイポーラ式電池の乾燥充電された活物質部品を取得するために洗浄および乾燥される。そうすることで、高固有エネルギーおよび電力要件を有するバイポーラ式鉛蓄電池は、陽極グリッド成長の有害作用に影響を受けずに生産される。
【0041】
さらに別の処理工程において、形成が、貼付および乾燥された未形のバイポーラ式アセンブリが電池コンテナへ組み込まれる、「コンテナ内」形成工程で実行されてもよいことが意図される。コンテナは、その後、希釈電解質で満たされ、セルは、プレートの最適または他の所望の形成を達成するために所定のアルゴリズムにより充電される。そのような「コンテナ内」形成が比較的小さい容量のVRLA電池に対して特に有利であってもよいことは、理解されるべきである。本明細書に記載のVRLAのための電極の大量生産を容易にするために、疑似グリッドは、非導電グリッドであり、望ましくは、導電熱可塑性材料から作られた。そのようなグリッドは、簡単に形成(例えば、プラスチック射出成形)され、上述のように同じ生産設備および方法を活用する従来の鉛グリッドと同じ方法で貼り付けられる。貼付および硬化されたプレートは、その後、バイポーラ式電池内へ組み込まれ、従来の形成手順により形成される。従って、AGM、ゲルまたはAGM/ゲルなどのVRLA電池の任意のタイプが活物質部品の生産方法に関係なく、本明細書に記載のアセンブリの上記の方法を用いて生産されうることは、認識されるべきである。
【0042】
従来のVRLA電池の典型的な生産に基づく、バイポーラ式電池生産のフローチャートは、本明細書中の既存の方法を意図する生産方法の適用性を実証する図6に示される。フローチャートの工程が複雑な操作を必要とせず、従来の鉛蓄電池のための最も多い生産工程の典型であることは、当業者に容易に明らかだろう。従って、本明細書中に開示される本発明の主題によるバイポーラ式電池は、同等の従来のVRLA電池よりも生産コストが安価になる。
【0043】
従って、発明者は、一ステップにおいて、向かい合う第1および第2側面を有する鉛箔が第1ウインドウを画定する第1非導電フレームと第2ウインドウを画定する第2非導電性フレームとの間に位置するバイポーラ式電極アセンブリの製造方法を意図する。別のステップにおいて、強化接着剤が鉛箔と第1および第2非導電性フレームの少なくとも一つとの間に位置することは、望ましい。最も望ましくは、強化接着剤は、粘度調整剤および/または結合剤を含む。第1フレームは、その後、望ましくは、鉛箔の第1および第2側面が第1および第2ウインドウを通してそれぞれ接触可能になるようにレーザ溶接され、第1疑似グリッドは、陽極材料へ結合され、第1グリッドおよび陽極材料は、鉛箔の第1側面へ陽極材料を伝導的に接続するために第1ウインドウに位置する。さらに別のステップにおいて、第2疑似グリッドは、陰極材料へ結合され、第2グリッドおよび陰極材料は、鉛箔の第2側面へ陰極材料を伝導的に接続するために第2ウインドウに位置する。
【0044】
すでに上記に述べたように、および特定の所望の形成方法に応じて、第1および第2疑似グリッドの少なくとも一つは、非導電性であり、陽極および陰極活物質は、コンテナ内形成工程において陽極および陰極材料から形成される。あるいは、第1および第2疑似グリッドの少なくとも一つは、導電性であり、陽極および陰極活物質は、タンク内形成工程において陽極および陰極材料から形成される。
【0045】
既に記載のものに加えてより多くの改良は、本明細書中の本発明の概念から逸脱することなく可能であることは、当業者に明らかだろう。本発明の主題は、従って、添付の請求の範囲の精神を除いて制限されない。また、明細書および請求の範囲の両方の解釈において、全ての用語は、文脈と一致する、できる限り広い意味で解釈されるべきである。具体的には、「含む(comprises)」および「含んでいる(comprising)」という用語は、参照した要素、部品またはステップが例示的に参照されていない他の要素、部品またはステップを提示、または活用、または組み合わせてもよいことを示す、要素、部品、または包括的な手法を参考に解釈されるべきである。本明細書の主張がA、B、C・・・およびNから成る群から選択されるものの少なくとも一つに関する場合は、テキストは、AプラスN、またはBプラスNなどではない、群からのただ一つの要素を必要とするものとして解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイポーラ式電極アセンブリであって、
第1ウインドウを画定し、前記第1フレームは、第2ウインドウを画定する第2非導電性フレームと結合する、第1非導電性フレームと、
鉛箔の向かい合う第1および第2側面が前記第1および第2ウインドウを通ってそれぞれ接触可能になるように前記第1および第2フレームと結合しその間に配置される、鉛箔と、
前記第1および第2非導電性フレームの少なくとも一つは、粘度調整剤および結合剤を含む強化接着剤をさらに含み、前記強化接着剤は、前記鉛箔と前記第1および第2非導電性フレームの少なくとも一つとの間に配置され、
陽極材料と結合し、前記第1グリッドはおよび前記陽極材料は、前記第1ウインドウに配置され、前記鉛箔の前記第1側面と伝導的に結合する、第1疑似グリッドと、
陰極材料と結合し、前記第2グリッドおよび前記陰極材料は、前記第2ウインドウに配置され、前記鉛箔の前記第2側面と伝導的に結合する、第2疑似グリッドと、
を含む、バイポーラ式電極アセンブリ。
【請求項2】
前記第1および第2非導電性フレームは、レーザ溶接によって、一緒に保持される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記粘度調整剤は、ヒュームド・シリカ粉末であり、前記結合剤は、シランである、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記鉛箔は、鉛スズ合金であり、0.2mm未満の厚さを有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記第1および第2疑似グリッドの少なくとも一つは、非導電性材料から製造される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記第1および第2疑似グリッドは、鉛または鉛合金から製造され、10未満の充放電サイクルの腐食留保を提供するように構成される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記陽極材料は、陽極活物質であり、前記陰極材料は、陰極活物質である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記陽極および陰極材料は、酸化鉛ペーストである、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
陰極の端極アセンブリ、陽極の端極アセンブリ、セパレータ、および少なくとも一つの請求項1に記載の追加のアセンブリと伝導的に結合することにより、バイポーラ式電池アセンブリを形成する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記バイポーラ式電池アセンブリは、熱可塑性ポリマーに封入される、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
バイポーラ式密閉形鉛蓄電池における使用のための鉛蓄電池バイポールであって、
陽極活物質、陰極活物質、および酸化鉛ペーストから成る群から選択される材料と結合する非導電性疑似グリッドを含み、
前記疑似グリッドに対する前記陽極活物質の重量比は、0.50以下である、
鉛蓄電池バイポール。
【請求項12】
前記陽極活物質または前記陰極活物質は、洗浄および乾燥された活物質である、請求項11に記載の鉛蓄電池バイポール。
【請求項13】
前記疑似グリッドに対する前記陽極活物質の重量比は、0.40以下である、請求項11に記載の鉛蓄電池バイポール。
【請求項14】
前記疑似グリッドに対する前記陽極活物質の重量比は、0.25以下である、請求項11に記載の鉛蓄電池バイポール。
【請求項15】
複数の非導電性疑似グリッドを含み、完全に放電した状態で10g/Ah以下の容量で少なくとも45Wh/kgの固有エネルギー量の金属鉛および/または金属鉛合金を有する、バイポーラ式密閉形鉛蓄電池。
【請求項16】
(a)前記金属鉛および/または前記鉛合金の容量は、6.0g/Ahであり、または(b)前記固有エネルギー量は、少なくとも54Wh/kgである、請求項15に記載のバイポーラ式密閉形鉛蓄電池。
【請求項17】
バイポーラ式電極アセンブリの製造方法であって、
第1ウインドウを画定する第1非導電性フレームと第2ウインドウを画定する第2非導電性フレームとの間の向かい合う第1および第2側面を有する鉛箔を配置することと、
前記鉛箔と前記第1および第2非導電性フレームの少なくとも一つの間の強化接着剤を配置することであって、前記改良接着材は、粘度調整剤および結合剤の少なくとも一つを含む、強化接着剤を配置することと、
前記鉛箔の前記第1および第2側面が前記第1および第2ウインドウを通ってそれぞれ接触可能になるように前記第1フレームを前記第2フレームへレーザ溶接または超音波溶接することと、
第1疑似グリッドを陽極材料へ結合すること、および前記鉛箔の前記第1側面へ前記陽極材料を伝導的に結合するために前記第1ウインドウにおいて前記第1グリッドおよび前記陽極材料を配置することと、
第2疑似グリッドを陽極材料へ結合すること、および前記鉛箔の前記第2側面へ前記陽極材料を伝導的に結合するために前記第2ウインドウにおいて前記第2グリッドと前記陽極材料を配置することと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記第1および第2疑似グリッドの少なくとも一つは、非導電性であり、陽極および陰極活物質は、コンテナ内形成工程において前記陽極および陰極材料から形成される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1疑似グリッドを前記陽極材料へ結合するステップは、前記陽極材料を前記第1疑似グリッド上に貼り付けることによって実行される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記粘度調整剤は、ヒュームド・シリカ粉末であり、前記結合剤は、シランである、請求項17に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−521622(P2013−521622A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556255(P2012−556255)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2011/027139
【国際公開番号】WO2011/109683
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(512223618)エーアイシー ビーエルエービー カンパニー (1)
【Fターム(参考)】