農作業機
【課題】 従来、走行車体の後進時に農作業装置が上昇するようになっているため、農作業装置の接地作業状態でのひきづりが発生し安全上に問題があった。本発明は、後進操作前に農作業装置を上昇させることによって、農作業装置のひきづりを防止し安全性を確保することにある。
【解決手段】 走行車体の後部に農作業装置を昇降可能に設け、前後進切替可能な操作レバー40の操作経路を一方向に延びる前後進中立経路41Nと、前後進中立経路に交差して接続される前進経路41F及び後進経路41Rとを備え、前進経路41Fと後進経路41Rとが前後進中立経路41Nに交差する位置を異ならせてクランク状に構成し、前後進中立経路41Nの後進経路41R側端部は、後進経路41Rと交差する位置を越える位置にあり、該位置には前記操作レバー40が操作されたことを検出する検出手段42の検出結果に基づいて農作業装置を上昇させる制御手段44を備える。
【解決手段】 走行車体の後部に農作業装置を昇降可能に設け、前後進切替可能な操作レバー40の操作経路を一方向に延びる前後進中立経路41Nと、前後進中立経路に交差して接続される前進経路41F及び後進経路41Rとを備え、前進経路41Fと後進経路41Rとが前後進中立経路41Nに交差する位置を異ならせてクランク状に構成し、前後進中立経路41Nの後進経路41R側端部は、後進経路41Rと交差する位置を越える位置にあり、該位置には前記操作レバー40が操作されたことを検出する検出手段42の検出結果に基づいて農作業装置を上昇させる制御手段44を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、後進操作前に農作業装置を上昇させることのできる農作業機に関し、田植機やトラクタ等に利用される。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示されているように、変速レバ−の前後進操作を案内するガイド溝は、クランク状のパターンになっていて、中央部の左右方向の部分が中立ガイド部、それより前側の前後方向の部分が前進ガイド部、後側の前後方向の部分が後進ガイド部となっている。そして、変速レバーの後進への操作で、走行車体を後進させると、作業装置が自動的に非作業位置へ上昇するようになっている。
【特許文献1】特開平11−4609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
かかる従来技術によると、走行車体の後進時に農作業装置が上昇するようになっているため、農作業装置の接地作業状態でのひきづりが発生し安全上に問題があった。本発明は、後進操作前に農作業装置を上昇させることによって、農作業装置のひきづりを防止し安全性を確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の本発明は、走行車体(1)の後部に農作業装置(6)を上下に昇降可能に構成して設け、前後進切替可能な操作レバー(40)の操作経路(41)を一方向に延びる前後進中立経路(41N)と、前後進中立経路に交差して接続される前進経路(41F)及び後進経路(41R)とを備え、前進経路(41F)と後進経路(41R)とが前後進中立経路(41N)に交差する位置を異ならせてクランク状に構成し、前後進中立経路(41N)の後進経路(41R)側端部は、後進経路(41R)と交差する位置を越える位置にあり、該位置に前記操作レバー(40)が操作されたことを検出する検出手段(42)の検出結果に基づいて農作業装置(6)を上昇させる制御手段(44)を備えてあることを特徴とする。
【0005】
操作レバー(40)を前進経路(41F)に沿って操作すると機体は前進となり、後進経路(41R)に沿って操作すると機体は後進となる。操作レバー(40)を前後進中立経路(41N)に操作すると機体は停止し、更に、この操作レバー(40)を前後進中立経路(41N)から後進経路(41R)を越える位置まで操作すると、該位置に設けられた検出手段(42)の検出結果に基づき制御手段(44)を介して農作業装置(6)が接地作業状態から非作業位置まで上昇する。従って、後進経路への操作前に農作業装置を上昇させることによって、以後後進経路に操作しても農作業装置を接地作業状態のままでひきづることがなくなる。
【発明の効果】
【0006】
以上要するに、本発明によれば、操作レバーを前後進中立経路の後進経路を越える位置まで操作すると、農作業装置が自動的に下降状態から上方の非作業位置まで上昇するので、後進操作前に農作業装置を確実に上昇させることができ、農作業装置のひきづりを防止でき、安全性を確保することができる。
【0007】
また、検出手段が検出する位置まで操作レバーを操作しなければ、農作業装置を上昇させずに後進することもでき、畦際や倉庫内で有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1、図2及び図3は、農作業機の一例として6条植田植機を示すものであり、車体1の前後には走行車輪としての左右一対の前輪2,2及び後輪3,3が架設されている。車体上前部には上面に操作パネル4aを有する操作ボックス4及びステアリングハンドル5等を有する操縦装置が設置され、また、車体後方部には農作業装置の一例である苗植付部6が昇降可能に装備されている。操縦装置の後側に運転席9が設置され、運転席の下側に田植機の各部に動力を伝達するエンジンEが搭載されている。
【0009】
前記ステアリングハンドル5は、これの回動操作によりステアリング軸から減速回転される出力軸、ピットマンア−ム17及び操向ロッド18等を介して左右の前輪2,2を操向させ操舵するようになっている。
【0010】
苗植付部6は、車体の後部に昇降リンク機構7を介して昇降可能に装着され、昇降用油圧シリンダ8の伸縮作動により昇降する構成としている。昇降用油圧シリンダ8は昇降用電磁油圧バルブ10によって伸縮制御される。
【0011】
また、この苗植付部6には、左右に往復動する苗載タンク11、1株分の苗を切取って土中に植込む植込杆12を有する2条分植付装置13,13…、苗植付面を滑走しながら整地するフロート(サイドフロ−ト)14,14、センタフロート14S等を備えている。
【0012】
エンジンEの回転動力は、ベルト伝動装置31を介して油圧式無段変速装置(HST)23の入力軸35に伝えられ、HST23の出力軸36からベルト32を介してミッションケ−ス24のミッション入力軸34に伝えられるようになっている。また、HST23からベルト33を介して油圧ポンプ22を駆動するようになっている。
【0013】
なお、前記前輪2,2は、ミッションケ−ス24の側方に変向可能に設けた前輪支持ケース25,25に軸支され、後輪3,3は、ローリング支持杆26の左右両端部に取り付けた後輪支持ケース27,27に軸支され、前記ミッションケース24内のミッション装置から後輪伝動軸38を介して動力伝達されるようになっている。ローリング支持杆26は、左右のメインフレーム28,28の後端を繋ぐ横フレーム28aに軸受保持されたローリング軸29に左右傾動自在に軸支されている。
【0014】
操作ボックス4の横側部には変速操作可能な操作レバー(変速レバー)40が配置され、この操作レバー40の前後方向の操作で変速装置(HST)23を駆動し機体の前進及び後進制御を司るように構成されている。変速レバ−の前後進操作を案内するガイド溝は、クランク状のパターンになっていて、中央部の左右方向の部分が中立ガイド部、それより前側の前後方向の部分が前進ガイド部、後側の前後方向の部分が後進ガイド部となっている。前後進切替可能な操作レバーの操作経路41は、左右横方向に延びる前後進中立経路41Nと、前後進中立経路41Nに交差して接続される前進経路41F及び後進経路41Rとを備え、前進経路41Fと後進経路41Rとが前後進中立経路41Nに交差する位置を異ならせてクランク状に形成されてあり、そして、この前後進中立経路41Nの後進経路41R側端部は、後進経路41Rと交差する位置を越える位置ににまで延出されてあり、そして、この延出端位置NE部には前記操作レバー40が操作されたことを検出する検出スイッチ42が設けられ、この検出スイッチ42の検出結果に基づき、制御部43の農作業装置上昇手段44により昇降用電磁油圧バルブ10を制御して昇降用油圧シリンダ8にて苗植付部6(農作業装置)を非作業位置まで上昇させるように構成されている。
【0015】
図5に示す実施例は、植付部ローリング軸46に対し、植付部下げ時はローリング自在とし、植付部最上げ時のみロックプレート47にてローリングをロックする構成としている。つまり、昇降リンク機構7のアッパーリンク7aとロワリンク7bの基部を枢着連結する連結フレーム48に対し、ロックプレート47のアッパー側は、アッパーリンク7a側に設けた前後方向の前後長孔49を介してアッパーピン50にて連結し、ロックプレート47のアンダー側は、該ロックプレート47側に設けた上下方向の長孔51を介してロワリンク7bにアンダーピン52にて連結している。従って、上記構成によれば、苗植付部を最上げ状態に上昇させると、苗植付部のローリング状態がロックされ、苗載タンクがオペレータ側に傾いて苗補給口が近づくため、苗補給が容易となる。しかも、ローリングがロックされているため、苗載タンク両サイドのオペレータから遠い側にあっても苗補給がしやすくなる。
【0016】
苗取量を従来の8〜18mmに追加して21mmまで取ろうとするとレバーガイド長が長くなり過ぎ、可成のスペースを必要とする。そこで、マット苗と紙ポット苗との苗取り調節を同一構成で行うためには、図6に示すように、苗取調節レバー54を基部アーム55に対しA1,A2〜B1,B2の2つの位置に取付けできるようにしておけば、同一のレバーガイド56で、ガイド長を長くすることなく取量21mmまでと18mmまでの2つに対応することができる。
【0017】
図1及び図2に示すように、レインバイザー60において、中央のバイザー(センターバイザー)60aは白色(有色)で、両サイドのバイザー(サイドバイザー)60bは半透明に構成しておくとよい。、日よけのためには中央は有色が良く、運転席が暗くならないよう、両サイドは半透明とすることで明りが入り易く良好である。
【0018】
また、バイザー60は、図7に示すように、支柱61とバイザー60とを4点で結んだ平行リンク62,62によって任意に高さ調整ができるようになっている。平行リンク62,62はラチエット機構63によって角度調節を行い、ノブボルト64によって締付固定する構成としている。
【0019】
図8及び図9に示す実施例では、走行・植付を停止すると、バイザー60が自動的に上昇して所定位置で停止するようにしている。例えば、図9に示すように、植付スイッチ66がOFFで、変速レバーセンサ67の中立位置検出結果に基づき、制御部68のバイザー上昇手段によりバイザー昇降モータ69を制御して螺旋軸70を駆動しバイザーを自動上昇させる。バイザーが所定位置まで上昇するとストロークセンサ71の検出によって停止するようになっている。この手段を採用すれば、苗補給をする時に便利である。なお、植付走行時には、バイザーは所定の高さにまで戻るように構成することもできる。
【0020】
図10及び図11に示す実施例は、C鋼を利用したガイドレール72,72を左右に配置すると共に、これを側面視で湾曲状に形成し、バイザー60をガイドレール72,72に沿ってスライド自在に構成している。バイザーの案内突子73はガイドレールのC鋼溝内に沿ってガイドされる。雨天の移動時、前からの風の影響を受けるときなどには、前からあたる雨を避けるためにバイザーを図10の実線位置から仮想線の状態位置にずらして傾斜させることができ、雨よけ効果が大きいものとなる。
【0021】
また、図12に示す実施例のサンバイザー60は、後側を左右の支柱74,74で支持し、前側の支柱をセンターマスコットランプ支柱75を利用しこれを上方に延出して共用させた構成としている。センターマスコットランプ支柱75にはマスコットランプ75aが設けられている。なお、センターマスコットランプ支柱75に代えて畦越えアーム76を延出させて共用する構成であってもよい。
【0022】
要するに、前側の支柱をセンターマスコットランプ支柱で共用することにより、コストダウン、軽量化を図ることができる。また、ステップ上に余計な支柱がなくなるため、ステップの乗り降りが楽になり、ステップ上が広く開放できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】田植機の側面図
【図2】田植機の平面図
【図3】同上要部の平面図
【図4】制御ブロック回路図
【図5】(イ)上げ時のローリングロック状態側面図及び(ロ)下げ時のロ ーリングロック解除状態側面図
【図6】苗取調節レバーの取付位置変更状態を示す側面図
【図7】バイザーの高さ調節手段を備えた側面図
【図8】バイザーの自動上昇手段を備えた側面図
【図9】制御ブロック回路図
【図10】バイザー付トラクタ要部の側面図
【図11】バイザー要部の正断面図
【図12】バイザー付トラクタの斜視図
【符号の説明】
【0024】
1 車体 6 農作業装置(苗植付部)
40 操作レバー(変速レバー) 41 操作経路
41F 前進経路 41R 後進経路
41N 前後進中立経路 42 検出手段
43 制御部 44 農作業装置上昇手段
【技術分野】
【0001】
この発明は、後進操作前に農作業装置を上昇させることのできる農作業機に関し、田植機やトラクタ等に利用される。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示されているように、変速レバ−の前後進操作を案内するガイド溝は、クランク状のパターンになっていて、中央部の左右方向の部分が中立ガイド部、それより前側の前後方向の部分が前進ガイド部、後側の前後方向の部分が後進ガイド部となっている。そして、変速レバーの後進への操作で、走行車体を後進させると、作業装置が自動的に非作業位置へ上昇するようになっている。
【特許文献1】特開平11−4609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
かかる従来技術によると、走行車体の後進時に農作業装置が上昇するようになっているため、農作業装置の接地作業状態でのひきづりが発生し安全上に問題があった。本発明は、後進操作前に農作業装置を上昇させることによって、農作業装置のひきづりを防止し安全性を確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の本発明は、走行車体(1)の後部に農作業装置(6)を上下に昇降可能に構成して設け、前後進切替可能な操作レバー(40)の操作経路(41)を一方向に延びる前後進中立経路(41N)と、前後進中立経路に交差して接続される前進経路(41F)及び後進経路(41R)とを備え、前進経路(41F)と後進経路(41R)とが前後進中立経路(41N)に交差する位置を異ならせてクランク状に構成し、前後進中立経路(41N)の後進経路(41R)側端部は、後進経路(41R)と交差する位置を越える位置にあり、該位置に前記操作レバー(40)が操作されたことを検出する検出手段(42)の検出結果に基づいて農作業装置(6)を上昇させる制御手段(44)を備えてあることを特徴とする。
【0005】
操作レバー(40)を前進経路(41F)に沿って操作すると機体は前進となり、後進経路(41R)に沿って操作すると機体は後進となる。操作レバー(40)を前後進中立経路(41N)に操作すると機体は停止し、更に、この操作レバー(40)を前後進中立経路(41N)から後進経路(41R)を越える位置まで操作すると、該位置に設けられた検出手段(42)の検出結果に基づき制御手段(44)を介して農作業装置(6)が接地作業状態から非作業位置まで上昇する。従って、後進経路への操作前に農作業装置を上昇させることによって、以後後進経路に操作しても農作業装置を接地作業状態のままでひきづることがなくなる。
【発明の効果】
【0006】
以上要するに、本発明によれば、操作レバーを前後進中立経路の後進経路を越える位置まで操作すると、農作業装置が自動的に下降状態から上方の非作業位置まで上昇するので、後進操作前に農作業装置を確実に上昇させることができ、農作業装置のひきづりを防止でき、安全性を確保することができる。
【0007】
また、検出手段が検出する位置まで操作レバーを操作しなければ、農作業装置を上昇させずに後進することもでき、畦際や倉庫内で有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1、図2及び図3は、農作業機の一例として6条植田植機を示すものであり、車体1の前後には走行車輪としての左右一対の前輪2,2及び後輪3,3が架設されている。車体上前部には上面に操作パネル4aを有する操作ボックス4及びステアリングハンドル5等を有する操縦装置が設置され、また、車体後方部には農作業装置の一例である苗植付部6が昇降可能に装備されている。操縦装置の後側に運転席9が設置され、運転席の下側に田植機の各部に動力を伝達するエンジンEが搭載されている。
【0009】
前記ステアリングハンドル5は、これの回動操作によりステアリング軸から減速回転される出力軸、ピットマンア−ム17及び操向ロッド18等を介して左右の前輪2,2を操向させ操舵するようになっている。
【0010】
苗植付部6は、車体の後部に昇降リンク機構7を介して昇降可能に装着され、昇降用油圧シリンダ8の伸縮作動により昇降する構成としている。昇降用油圧シリンダ8は昇降用電磁油圧バルブ10によって伸縮制御される。
【0011】
また、この苗植付部6には、左右に往復動する苗載タンク11、1株分の苗を切取って土中に植込む植込杆12を有する2条分植付装置13,13…、苗植付面を滑走しながら整地するフロート(サイドフロ−ト)14,14、センタフロート14S等を備えている。
【0012】
エンジンEの回転動力は、ベルト伝動装置31を介して油圧式無段変速装置(HST)23の入力軸35に伝えられ、HST23の出力軸36からベルト32を介してミッションケ−ス24のミッション入力軸34に伝えられるようになっている。また、HST23からベルト33を介して油圧ポンプ22を駆動するようになっている。
【0013】
なお、前記前輪2,2は、ミッションケ−ス24の側方に変向可能に設けた前輪支持ケース25,25に軸支され、後輪3,3は、ローリング支持杆26の左右両端部に取り付けた後輪支持ケース27,27に軸支され、前記ミッションケース24内のミッション装置から後輪伝動軸38を介して動力伝達されるようになっている。ローリング支持杆26は、左右のメインフレーム28,28の後端を繋ぐ横フレーム28aに軸受保持されたローリング軸29に左右傾動自在に軸支されている。
【0014】
操作ボックス4の横側部には変速操作可能な操作レバー(変速レバー)40が配置され、この操作レバー40の前後方向の操作で変速装置(HST)23を駆動し機体の前進及び後進制御を司るように構成されている。変速レバ−の前後進操作を案内するガイド溝は、クランク状のパターンになっていて、中央部の左右方向の部分が中立ガイド部、それより前側の前後方向の部分が前進ガイド部、後側の前後方向の部分が後進ガイド部となっている。前後進切替可能な操作レバーの操作経路41は、左右横方向に延びる前後進中立経路41Nと、前後進中立経路41Nに交差して接続される前進経路41F及び後進経路41Rとを備え、前進経路41Fと後進経路41Rとが前後進中立経路41Nに交差する位置を異ならせてクランク状に形成されてあり、そして、この前後進中立経路41Nの後進経路41R側端部は、後進経路41Rと交差する位置を越える位置ににまで延出されてあり、そして、この延出端位置NE部には前記操作レバー40が操作されたことを検出する検出スイッチ42が設けられ、この検出スイッチ42の検出結果に基づき、制御部43の農作業装置上昇手段44により昇降用電磁油圧バルブ10を制御して昇降用油圧シリンダ8にて苗植付部6(農作業装置)を非作業位置まで上昇させるように構成されている。
【0015】
図5に示す実施例は、植付部ローリング軸46に対し、植付部下げ時はローリング自在とし、植付部最上げ時のみロックプレート47にてローリングをロックする構成としている。つまり、昇降リンク機構7のアッパーリンク7aとロワリンク7bの基部を枢着連結する連結フレーム48に対し、ロックプレート47のアッパー側は、アッパーリンク7a側に設けた前後方向の前後長孔49を介してアッパーピン50にて連結し、ロックプレート47のアンダー側は、該ロックプレート47側に設けた上下方向の長孔51を介してロワリンク7bにアンダーピン52にて連結している。従って、上記構成によれば、苗植付部を最上げ状態に上昇させると、苗植付部のローリング状態がロックされ、苗載タンクがオペレータ側に傾いて苗補給口が近づくため、苗補給が容易となる。しかも、ローリングがロックされているため、苗載タンク両サイドのオペレータから遠い側にあっても苗補給がしやすくなる。
【0016】
苗取量を従来の8〜18mmに追加して21mmまで取ろうとするとレバーガイド長が長くなり過ぎ、可成のスペースを必要とする。そこで、マット苗と紙ポット苗との苗取り調節を同一構成で行うためには、図6に示すように、苗取調節レバー54を基部アーム55に対しA1,A2〜B1,B2の2つの位置に取付けできるようにしておけば、同一のレバーガイド56で、ガイド長を長くすることなく取量21mmまでと18mmまでの2つに対応することができる。
【0017】
図1及び図2に示すように、レインバイザー60において、中央のバイザー(センターバイザー)60aは白色(有色)で、両サイドのバイザー(サイドバイザー)60bは半透明に構成しておくとよい。、日よけのためには中央は有色が良く、運転席が暗くならないよう、両サイドは半透明とすることで明りが入り易く良好である。
【0018】
また、バイザー60は、図7に示すように、支柱61とバイザー60とを4点で結んだ平行リンク62,62によって任意に高さ調整ができるようになっている。平行リンク62,62はラチエット機構63によって角度調節を行い、ノブボルト64によって締付固定する構成としている。
【0019】
図8及び図9に示す実施例では、走行・植付を停止すると、バイザー60が自動的に上昇して所定位置で停止するようにしている。例えば、図9に示すように、植付スイッチ66がOFFで、変速レバーセンサ67の中立位置検出結果に基づき、制御部68のバイザー上昇手段によりバイザー昇降モータ69を制御して螺旋軸70を駆動しバイザーを自動上昇させる。バイザーが所定位置まで上昇するとストロークセンサ71の検出によって停止するようになっている。この手段を採用すれば、苗補給をする時に便利である。なお、植付走行時には、バイザーは所定の高さにまで戻るように構成することもできる。
【0020】
図10及び図11に示す実施例は、C鋼を利用したガイドレール72,72を左右に配置すると共に、これを側面視で湾曲状に形成し、バイザー60をガイドレール72,72に沿ってスライド自在に構成している。バイザーの案内突子73はガイドレールのC鋼溝内に沿ってガイドされる。雨天の移動時、前からの風の影響を受けるときなどには、前からあたる雨を避けるためにバイザーを図10の実線位置から仮想線の状態位置にずらして傾斜させることができ、雨よけ効果が大きいものとなる。
【0021】
また、図12に示す実施例のサンバイザー60は、後側を左右の支柱74,74で支持し、前側の支柱をセンターマスコットランプ支柱75を利用しこれを上方に延出して共用させた構成としている。センターマスコットランプ支柱75にはマスコットランプ75aが設けられている。なお、センターマスコットランプ支柱75に代えて畦越えアーム76を延出させて共用する構成であってもよい。
【0022】
要するに、前側の支柱をセンターマスコットランプ支柱で共用することにより、コストダウン、軽量化を図ることができる。また、ステップ上に余計な支柱がなくなるため、ステップの乗り降りが楽になり、ステップ上が広く開放できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】田植機の側面図
【図2】田植機の平面図
【図3】同上要部の平面図
【図4】制御ブロック回路図
【図5】(イ)上げ時のローリングロック状態側面図及び(ロ)下げ時のロ ーリングロック解除状態側面図
【図6】苗取調節レバーの取付位置変更状態を示す側面図
【図7】バイザーの高さ調節手段を備えた側面図
【図8】バイザーの自動上昇手段を備えた側面図
【図9】制御ブロック回路図
【図10】バイザー付トラクタ要部の側面図
【図11】バイザー要部の正断面図
【図12】バイザー付トラクタの斜視図
【符号の説明】
【0024】
1 車体 6 農作業装置(苗植付部)
40 操作レバー(変速レバー) 41 操作経路
41F 前進経路 41R 後進経路
41N 前後進中立経路 42 検出手段
43 制御部 44 農作業装置上昇手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体(1)の後部に農作業装置(6)を上下に昇降可能に構成して設け、前後進切替可能な操作レバー(40)の操作経路(41)を一方向に延びる前後進中立経路(41N)と、前後進中立経路に交差して接続される前進経路(41F)及び後進経路(41R)とを備え、前進経路(41F)と後進経路(41R)とが前後進中立経路(41N)に交差する位置を異ならせてクランク状に構成し、前後進中立経路(41N)の後進経路(41R)側端部は、後進経路(41R)と交差する位置を越える位置にあり、該位置に前記操作レバー(40)が操作されたことを検出する検出手段(42)の検出結果に基づいて農作業装置(6)を上昇させる制御手段(44)を備えてあることを特徴とする農作業機。
【請求項1】
走行車体(1)の後部に農作業装置(6)を上下に昇降可能に構成して設け、前後進切替可能な操作レバー(40)の操作経路(41)を一方向に延びる前後進中立経路(41N)と、前後進中立経路に交差して接続される前進経路(41F)及び後進経路(41R)とを備え、前進経路(41F)と後進経路(41R)とが前後進中立経路(41N)に交差する位置を異ならせてクランク状に構成し、前後進中立経路(41N)の後進経路(41R)側端部は、後進経路(41R)と交差する位置を越える位置にあり、該位置に前記操作レバー(40)が操作されたことを検出する検出手段(42)の検出結果に基づいて農作業装置(6)を上昇させる制御手段(44)を備えてあることを特徴とする農作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−29212(P2008−29212A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−203258(P2006−203258)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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