説明

農産物供給装置

【課題】第1のコンベアから仕分け排出された農産物が第2のコンベアに落下するときに、農産物に衝撃が加わるのを防止する。
【解決手段】第1のコンベア1と、この第1のコンベアの下方に設置された第2のコンベア2との間に配置され、前記第1のコンベア1から落下排出された農産物を一時的に貯留した後に前記第2のコンベア2に落下排出する農産物供給装置であって、前記第1のコンベア1から落下排出された農産物を貯留する貯留状態と該貯留した農産物を落下排出する排出状態とに切替可能な貯留部41と、前記貯留部から落下排出された農産物に当接した際に開拡するスリット部46cが形成された緩衝シート体46と、を有することを特徴とする農産物供給装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送コンベアによって搬送される農産物を別の搬送コンベアに供給する農産物供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
仕分けコンベアから仕分け排出された農産物を搬送コンベアに供給する農産物供給装置として、図9に図示する構成が開示されている。ここで、図9は特許文献1に開示された農産物供給装置の仕分けコンベアの搬送方向の断面図である。
【0003】
等階級判定装置による判定に基づいて、仕分け用コンベア102の各バケット102aを判定と対応する仕分け位置で後方回動させ、各バケット102aから放出される各胡瓜Kを濡斗形状の各胡瓜誘導口104に1本ずつ挿入する。各胡瓜誘導口104に挿入された各胡瓜Kは、各胡瓜誘導口104にガイドされながら、整列用コンベア105の突状105a間に落下する。
【0004】
また、別の従来例として、図10に図示する構成が開示されている。ここで、図10は特許文献2に開示された農産物供給装置の仕分けコンベアの搬送方向の断面図である。
【0005】
選別コンベア210から仕分け排出された農産物Kは、一対の弾性材料からなるリップ板213上に落下する。リップ板213の弾性力により、農産物Kに加わる落下時の衝撃が緩和される。不図示の圧縮コイルバネの弾性力を変えることにより、リップ板213の弾性力は調整される。リップ板213で衝撃力が緩和された農産物Kは、整列コンベア215に落下する。
【特許文献1】特開平8−267021号公報
【特許文献2】特開2001−240240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の構成では、各胡瓜誘導口104の内周面が例えば、ウレタンゴム、スポンジゴム、ポリカーボネート、シリコン等の合成樹脂により被膜又は形成されている。このため、各胡瓜Kによって、形状、太さが異なるため、胡瓜誘導口104の途中で胡瓜Kが内周面に接触して停止するおそれがある。
【0007】
また、特許文献2では、一対のリップ板213による挟持力が強すぎて、農産物Kをスムーズに落下させることができなかったり、反対に挟持力が弱すぎて、農産物Kの落下時の衝撃を十分に緩和できなかったりするおそれがある。ここで、圧縮コイルバネのバネ力を農産物の重量などに応じて調整する方法も考えられるが、農産物の重量などが変わるたびにバネ力の調整作業が必要となるため、農産物の仕分け排出の作業効率が低下するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本願発明の農産物供給装置は、第1のコンベアと、この第1のコンベアの下方に設置された第2のコンベアとの間に配置され、前記第1のコンベアから落下排出された農産物を一時的に貯留した後に前記第2のコンベアに落下排出する農産物供給装置であって、前記第1のコンベアから落下排出された農産物を貯留する貯留状態と該貯留した農産物を落下排出する排出状態とに切替可能な貯留部と、前記貯留部から落下排出された農産物に当接した際に開拡するスリット部が形成された緩衝シート体と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本願発明によれば、緩衝シート体のスリット部から受ける反力により農産物の落下速度を軽減し、第2のコンベアに落下するときの衝撃を結果的に緩和することができる。
【0010】
前記緩衝シート体を袋状とし、その底部に前記スリット部を形成することにより、緩衝シート体の内周面がガイド壁となって、落下する農産物をスリット部まで確実にガイドすることができる。また、農産物をガイドする際に、緩衝シート体の内周面が、接触した農産物の形状に倣って変形するため、農産物の詰まりを防止することができる。
【0011】
該農産物供給装置を第1のコンベアの平面視外側に退避可能とすることにより、農産物供給装置のメンテナンス作業(例えば、農産物のオーバーフロー状態を解消する)を簡単に行うことができる。
【0012】
貯留部に、互いに下方に向かって漸近する一対の斜設板を設け、一対の斜設板の傾斜角度を変更することにより、貯留状態と排出状態とに切替可能とすることにより、簡易な構造で農産物の貯留及び排出を行うことができる。
【0013】
一対の斜設板にそれぞれ、貯留状態において農産物に当接し、排出状態において落下排出される農産物から回転力が付与される一対のローラを設けることにより、排出状態における農産物の落下動作をスムーズとすることができる。
【0014】
緩衝シート体を、一対の斜設板に吊持させることにより、緩衝シート体を支持する別部材が不要となるため、農産物供給装置の構造を簡素化することができる。
【0015】
貯留部の異常貯留状態を検出する検出手段と、前記貯留部の切替動作を制御する制御手段とを設け、制御手段に、検出手段が異常貯留状態を検出した場合には、貯留部の切替動作を停止すると共に、切替動作を停止したことを報知する報知信号を出力するように制御させることにより、貯留部の異常を作業者に確実に報知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施例であるホッパー装置(農産物の供給装置)を備えた仕分け搬送箱詰め設備について、図1及び図2を参照しながら説明する。ここで、図1は、仕分け搬送箱詰め設備の平面図であり、図2は仕分け搬送箱詰め設備の上下方向の断面図である。
【0017】
仕分けコンベア部1(第1のコンベア)上を搬送される複数の長物の農産物(例えば、茄子、胡瓜)Kは、所定の仕分け排出部から等級別階級別に仕分けられて、落下排出される。
【0018】
なお、図1及び図2では不図示としているが、この仕分け排出部は、仕分けコンベア部1の搬送方向に複数設けられている。
【0019】
各仕分け排出部に対応する位置には、仕分けコンベア部1から落下排出された農産物Kを所定個数貯留し、これらの貯留した農産物Kを一組の農産物として引き出しコンベア部2(第2のコンベア)に落下排出するホッパー装置が設けられている。
【0020】
このホッパー装置の詳細については、後述する。
【0021】
引き出しコンベア部2の終端部には、位置揃えコンベア部3が連結されており、この位置揃えコンベア部3の終端部には、農産物Kをコンベアの中央に整列させるための整列コンベア部4が連結されており、この整列コンベア部4の終端部には、作業者が枕詰めなどを行うための枕詰め待機コンベア部5が連結されている。
【0022】
引き出しコンベア部2に進入した一組の農産物は、搬送方向の位置が異なっており、位置揃えコンベア部3の各搬送路に複数のストッパ31を進入させて先頭を進行する農産物Kの搬送動作を一旦停止させることにより、位置揃え作業が行われる。これにより、一組の農産物は、搬送方向における位置が揃った状態で、整列コンベア部4に進入する。
【0023】
整列コンベア部4に進入した一組の農産物は、コンベアの中央側に移動しながら下流に搬送され、隣接する各農産物Kが搬送直交方向において接触した状態で、枕詰め待機コンベア部5に進入する。
【0024】
枕詰め待機コンベア部5では、二組の農産物の搬送動作を一旦停止した状態で作業者Wによる枕詰め用の農産物Kの載置作業が行われ、枕詰め作業が行われた後、これらの農産物Kは、箱詰め用コンベア部6に進入する。
【0025】
箱詰め用コンベア部6は、傾斜角度が調整できるように構成されており、枕詰め待機コンベア部5からの農産物Kを進入させるときには、下流に向かって下向き傾斜に配置され、進入した農産物Kを箱詰待機位置に上昇させるときには、水平に配置される。
【0026】
箱詰め用コンベア部6の近傍には、箱詰装置7が配置されており、この箱詰装置7は、第1及び第2の吸着ユニット8、9を有しており、これらの吸着ユニット8.9は、保持板回転軸74aを回転軸として、水平方向(矢印X方向)に旋回し、箱詰め用コンベア部6から農産物Kの供給を受ける箱詰待機位置と箱詰め作業を行う箱詰位置との間を間欠移動する。
【0027】
箱詰位置に農産物Kを吸着した第1の吸着ユニット8(第2の吸着ユニット9)が進入すると、装置外装部材75に固定された間隔調整シリンダ76が作動し、農産物Kを吸着している吸着体の一部が図2の右側方向に移動して、農産物の箱詰め間隔が短縮される。
【0028】
間隔調整シリンダ76による箱詰め間隔が短縮されると、箱詰装置7の下方から箱体が上昇し、箱体の内側に第1の吸着ユニット8(第2の吸着ユニット9)が進入する。そして、第1の吸着ユニット8に吸着された農産物Kが箱体の底面に到達すると、箱体が停止して、第1の吸着ユニット8による吸着が解除される。
【0029】
箱体が停止すると、第1の吸着ユニット8(第2の吸着ユニット9)による農産物Kの吸着が解除され、農産物Kが箱詰めされる。
【0030】
一段目の農産物の箱詰め動作が終了すると、箱体は一旦下降して、180°水平方向に回転した後、再び箱詰め位置に上昇する。そして、箱詰位置に進入した第2の吸着ユニット9(第1の吸着ユニット8)により、二段目の農産物の箱詰め動作が行われる。
【0031】
次に、図3、図4、図5及び図6を参照しながら、ホッパー装置の構成を詳細に説明する。ここで、図3はホッパー装置の仕分けコンベア部1の搬送方向における断面図であり、図4はホッパー装置の平面図であり、図5は図4の一部を拡大した拡大平面図であり、図6は、緩衝シート体の斜視図である。
【0032】
選別コンベア1の上流側には、農産物の等級階級を計測する不図示の計測装置を配置する。該計測装置は、例えば図示しないCCDカメラを有しており、選別コンベア1上の農産物Kに光を照射し、その反射光を光電変換素子としてのCCDセンサで受光することにより画像データを取得し、この取得した画像データを図示しない処理装置で解析処理して、農産物Kの仕分け区分を判定する。
【0033】
そして、この判定結果に基づき仕分け排出信号が仕分け排出装置33に出力される。
【0034】
仕分け排出装置33は、ホッパー装置の各貯留部に対応して、選別コンベア1の搬送方向に沿って複数設けられており、仕分け排出信号に基づき対応するバケット32を下方に回動する。
【0035】
選別コンベア1の各バケット32は、各バケット支持軸31を中心として矢印X方向に回転可能であり、各バケット32を矢印X方向に回転させることにより各バケット32上の各農産物Kを落下させる。
【0036】
選別コンベア1のコンベア下側領域には、選別コンベア1から落下供給される農産物Kを所定個数貯留して、引き出しコンベア部2に向かって落下排出するホッパー装置12が設けられている。
【0037】
ホッパー装置12の外装を構成する外装フレーム45には、一対のスライド部材51が引き出しコンベア部2の搬送方向に延びて設けられており、これらの一対のスライド部材51に形成されたガイド溝部51aに対して、選別コンベア1に設けられたガイド突起部材1aが係合している。
【0038】
上述の構成によれば、ホッパー装置12をガイド突起部材1aに沿ってスライド移動させることにより、引き出しコンベア部2の平面視外側に移動させることができる。これにより、作業者は、装置上側からホッパー装置12の内側に手を差し込み、ホッパー装置12の不具合(例えば、農産物の詰まり現象)を容易に解消することができる。
【0039】
ホッパー装置12の農産物受け部41は、選別コンベア1の搬送方向に複数並設されており、各農産物受け部41及び各バケット32のピッチは略同じに設定されている。
【0040】
各農産物受け部41は、互いに下側に向かって漸近するホッパープレート41aを有しており、各ホッパープレート41aは、引き出しコンベア部2の搬送方向に延びる各支軸41b周りに回転可能となっている。
【0041】
各ホッパープレート41aは、一対のリンク板41cによって連結されており、一体的に動作する。これらのホッパープレート41aのうち左右両側の各ホッパープレート41aにはそれぞれ、駆動シリンダ44のピストンロッド44aが固定されている。
【0042】
各スライド部材51におけるホッパー装置12内側の面には、シリンダ支持台53が固定されており、各シリンダ支持台53の下面には、一対のシリンダ支持フランジ54が設けられている。各一対のシリンダ支持フランジ54には、シリンダ支持軸54aが設けられており、このシリンダ支持軸54aに対して各駆動シリンダ44は揺動自在に吊持されている。
【0043】
上述の構成において、駆動シリンダ44を伸長方向に作動すると、各一対のホッパープレート41aは、支軸41b周り上方にリンク板41cを介して一体的に回転し、仕分けコンベア部1から落下供給される農産物Kの落下を禁止する間隔、すなわち貯留状態に設定される。
【0044】
反対に、駆動シリンダ44を短縮方向に作動すると、各一対のホッパープレート41aは、支軸41b周り下方に回転して、仕分けコンベア部1から落下供給される農産物Kの落下を許容する間隔、すなわち農産物排出状態に設定される。
【0045】
農産物受け部41に供給される農産物Kの貯留状態を検出する一対の異常検出センサ48は、発光素子48a及び受光素子48bからなる。例えば、一対のホッパープレート41aにおいて1個の農産物Kが貯留した状態で、この農産物Kの上から誤って別の農産物Kが落下供給された場合や、農産物特有の性状(農産物毎に形状や重心位置が微妙に異なること)により一対のホッパープレート41aの間に農産物Kが斜めに落下供給される場合があると、農産物Kが二点鎖線で図示する光路内に停滞して、発光素子48aからの光を遮断する。
【0046】
農産物Kが一定時間以上光を遮断すると、駆動シリンダ44の作動が停止するとともに、仕分け排出装置33による排出動作が停止し、さらに、ホッパー装置12の近傍に配置された図示しない異常報知ランプが点灯する。
【0047】
また、各ホッパープレート41aの下方を通過する農産物Kを検出する図示しないセンサを設けて、各ホッパープレート41aの動作状態を検出することもできる。この場合、各ホッパープレート41aを農産物排出状態に切り替えたときに、上記図示しないセンサが農産物Kの通過を検出しない際には図示しない異常報知ランプが点灯する。
【0048】
すなわち、農産物受け部41が正常な貯留状態であるかを検出し、異常な貯留状態である場合には異常報知ランプが点灯するようになっている。ここで、正常な貯留状態とは、各一対のホッパープレート41aを貯留状態から農産物排出状態に切り替えたときに、農産物を所定個数(本例では1個)だけ落下排出可能な状態を意味しており、上述したように、農産物Kが複数落下排出される場合や、ホッパープレート41aに引っかかり落下排出されない場合には、異常貯留状態とされる。
【0049】
上述の構成を換言すると以下の通りである。貯留部は、貯留状態を検出する検出手段と、前記貯留部の切替え動作を制御する制御手段とを有し、制御手段は、検出手段による検出結果に基づき、正常な貯留状態のときには貯留部を貯留状態から排出状態に切り替え、異常貯留状態のときには、貯留部の切り替え動作を停止すると共に、切り替え動作を停止したことを報知する報知信号を出力する。
【0050】
この異常報知ランプが点灯することにより、ホッパー装置12に異常が発生したことを作業者に報知することができる。異常報知ランプが点灯したとこを目視により確認すると、作業者は、上述のようにホッパー装置12を仕分けコンベア部1の平面視外側にスライド移動して、上側の農産物Kを取り出す。これにより、ホッパー装置12に生じた不具合を解消することができる。なお、報知手段は、作業者が目視により確認できる位置にあればよく、例えば箱詰装置7に設けてもよい。
【0051】
ホッパー装置12から取り出された農産物Kは仕分けコンベア部1の始端部に戻したり、他の仕分け排出部に搬送される。
【0052】
各一対のホッパープレート41aの下方には、一対の布製の緩衝シート46が設けられている。各一対の緩衝シート46は、左側緩衝シート46a及び右側緩衝シート46bからなり、各緩衝シート46a、46bの上端部は、シート支持軸47によって支持されており、袋状に構成されている。左側緩衝シート46a及び右側緩衝シート46bの各下端部は、引き出しコンベア部2の搬送方向両端が互いに接合されており、その結果、袋状の一対の緩衝シート46の底部には、排出スリット部46cが形成された状態となっている。なお、緩衝シート46の資材である布は、織布、不織布のいずれであってもよい。
【0053】
各シート支持軸47は、シート搬送コンベア3の搬送方向に所定の間隔を空けて設置した一対のシート固定フレーム43間に設けられている。
【0054】
次に、各一対のホッパープレート41aから各一対の緩衝シート46に農産物Kが落下供給されたときの緩衝シート46の動作について説明する。
【0055】
各一対のホッパープレート41aに農産物Kが1個づつ貯留すると、駆動シリンダ44を伸長方向に作動して、各一対のホッパープレート41aを貯留状態から農産物排出状態に切り替える。
【0056】
そして、各一対のホッパープレート41aから落下した各農産物Kが、各一対の緩衝シート46の排出スリット部46cに衝突する。
【0057】
排出スリット部46cに衝突した農産物Kは、排出スリット部46cから反力を受けるとともに排出スリット部46cの縁を押下げながら開拡し、引き出しコンベア部2に落下する。これにより、農産物Kの落下速度を遅くできるため、引き出しコンベア部2に落下する農産物Kの落下時の衝撃力を結果的に緩和することができる。
【0058】
また、一対の緩衝シート46は、袋状に構成されており、落下供給された農産物Kがその内周面に接触したときに、農産物Kの形に倣って変形する。これにより、特許文献1のように、農産物Kが緩衝シート46の内周面に当接して停止するのを防止できる。
【0059】
(実施例2)
図7を参照しながら、本実施例のホッパー装置の構成を説明する。ここで、図7は、実施例2のホッパー装置の仕分けコンベア部1の搬送方向における断面図である。
【0060】
各ホッパープレート41aの下端部には、支軸41bに平行な回転軸部49a周りに回転する落下促進ローラ49が設けられている。そして、貯留状態において、各一対のホッパープレート41aに貯留された農産物Kは、各落下促進ローラ49に接触している。ホッパー装置12のその他の構成は実施例1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0061】
仕分けコンベア部1から農産物Kが落下して、各一対のホッパープレート41aにそれぞれ1個の農産物Kが貯留された状態で、駆動シリンダ44を短縮方向に作動すると、各一対のホッパープレート41aが、貯留状態から農産物排出状態に切り替る。
【0062】
農産物排出状態に切り替ると、それまで各一対のホッパープレート41aに貯留されていた各農産物Kは、各落下促進ローラ49に対して回転力を付与しながら落下動作を開始する。これにより、各一対のホッパープレート41aからの農産物Kの落下動作を促進することができる。
【0063】
なお、本例では、農産物Kの落下動作を促進する方法として、落下促進ローラ49を使用したが、各ホッパープレート41aにおける農産物Kとの当接部にホッパープレート41aの材質よりも摩擦抵抗の低い低摩擦部材(例えば、フッ素樹脂)を形成して、落下動作を促進させてもよい。
【0064】
また、農産物Kから受ける圧力に応じて各落下促進ローラ49がホッパープレート41aの板厚方向に全体として移動するように、回転軸部49aに弾性手段を設けてもよい。これにより、農産物の落下動作をさらに促進することができる。
【0065】
さらに、各ホッパープレート41aに落下促進ローラ49を複数設けても良い。これにより、農産物Kに当接する落下促進ローラ49の面積が増えるため、農産物Kの落下動作をさらに促進することができる。
【0066】
(実施例3)
図8を参照しながら、本実施例のホッパー装置の構成を説明する。ここで、図8はホッパー装置の仕分けコンベア部1の搬送方向における断面図である。
【0067】
実施例1及び2では、シート支持軸47に対して各一対の緩衝シート46を支持させているが、本例では、各一対のホッパープレート41aの下端部に吊持させている。また、実施例2と同様に、各一対のホッパープレート41aに落下促進ローラ49を設けている。
【0068】
このように、各一対のホッパープレート41aの下端部に各一対の緩衝シート46を吊持させることにより、シート支持軸47及びシート固定フレーム43を不要とすることができる。これにより、ホッパー装置12の構造を簡素化することができる。
(変形例)
緩衝シートの資材として、スポンジ、ゴム、ビニールを使用してもよい。また、緩衝シート46を袋状に構成せずに、水平配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】仕分け搬送箱詰め設備の平面図
【図2】仕分け搬送箱詰め設備の上下方向の断面図
【図3】ホッパー装置の仕分けコンベア部1の搬送方向における断面図
【図4】ホッパー装置の平面図
【図5】図4の一部を拡大した拡大平面図
【図6】緩衝シート体の斜視図
【図7】実施例2のホッパー装置の仕分けコンベア部1の搬送方向における断面図
【図8】実施例3のホッパー装置の仕分けコンベア部1の搬送方向における断面図
【図9】特許文献1に開示された農産物供給装置の仕分けコンベア搬送方向の断面図
【図10】特許文献2に開示された農産物供給装置の仕分けコンベア搬送方向の断面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 仕分けコンベア部
2 引き出しコンベア部
3 位置揃えコンベア部
4 整列コンベア部
5 枕詰め待機コンベア部
6 箱詰め用コンベア部
7 箱詰め装置
8 第1の吸着ユニット
9 第2の吸着ユニット
12 ホッパー装置
31 バケット支持軸
32 バケット
33 仕分け排出装置
41 農産物受け部
43 シート固定フレーム
44 駆動シリンダ
45 外装フレーム
46 緩衝シート
47 シート支持軸
48 異常検出センサ
49 落下促進ローラ
51 スライド部材
53 シリンダ支持台
54 シリンダ支持フランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコンベアと、この第1のコンベアの下方に設置された第2のコンベアとの間に配置され、前記第1のコンベアから落下排出された農産物を一時的に貯留した後に前記第2のコンベアに落下排出する農産物供給装置であって、
前記第1のコンベアから落下排出された農産物を貯留する貯留状態と該貯留した農産物を落下排出する排出状態とに切替可能な貯留部と、
前記貯留部から落下排出された農産物に当接した際に開拡するスリット部が形成された緩衝シート体と、を有することを特徴とする農産物供給装置。
【請求項2】
前記緩衝シート体は袋状であり、その底部に前記スリット部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の農産物供給装置。
【請求項3】
該農産物供給装置が前記第1のコンベアの平面視外側に退避可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の農産物供給装置。
【請求項4】
前記貯留部は、互いに下方に向かって漸近する一対の斜設板を有しており、前記一対の斜設板の傾斜角度を変更することにより、前記貯留状態と前記排出状態とに切替可能であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の農産物供給装置。
【請求項5】
前記一対の斜設板にはそれぞれ、前記貯留状態において農産物に当接し、前記排出状態において落下排出される農産物から回転力が付与される一対のローラが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の農産物供給装置。
【請求項6】
前記緩衝シート体は、前記一対の斜設板に吊持されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の農産物供給装置。
【請求項7】
前記貯留部は、前記第1のコンベアの搬送方向に複数並設されており、全ての貯留部に農産物が1個ずつ貯留された後に、前記貯留状態から前記排出状態に切り替わることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一つに記載の農産物供給装置。
【請求項8】
前記貯留部の異常貯留状態を検出する検出手段と、
前記貯留部の切替動作を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記検出手段が異常貯留状態を検出した場合には、前記貯留部の切替動作を停止すると共に、切替動作を停止したことを報知する報知信号を出力することを特徴とする請求項1乃至7に記載の農産物供給装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−308148(P2007−308148A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−137238(P2006−137238)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(000137328)株式会社マキ製作所 (48)
【Fターム(参考)】