説明

迅速分解性の顔料濃縮物

【課題】公知の濃縮物の利点を保持しつつ、これら濃縮物よりも迅速に分散できる顔料濃縮物を提供すること。
【解決手段】特に、コンクリートのようなセメントベースの建材の着色、及び、塗料、ペンキ等の着色のための顔料濃縮物は、少なくとも1つの顔料と、場合によっては、結合剤、分散剤、及び湿潤剤を有し、少なくとも1つの分解剤を含む。この分解剤は、充分量の水に濃縮物を接触させると、機械的操作なしでも、1分間以内で、顔料粒子を放出しつつ、濃縮物の主構造を略完全に分解する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、コンクリートのような建材を着色するための、水性塗料等と同様に、迅速分解性の顔料濃縮物に関する。更に、本発明は、このような顔料濃縮物でこれらの材料を着色する方法に関し、このような顔料濃縮物における特殊なセルロール生成物の使用方法に関する。
【0002】
本発明は、水性塗料等による着色と同様に、コンクリート等の建材の着色に使用可能な、迅速分解性の顔料濃縮物から構成される。特に、特定の分解剤の使用によって、色強度を損なうことなく、非常に短い混合時間内で、被着色材料における顔料を均質分散できる。本発明の更なる側面は、材料内顔料の均質分散に必要なエネルギー入力を可能な限り小さく保つことにより、新規使用及び改良使用を可能にすることである。
【0003】
本発明の目的物は、塗料、マルチ、及び紙への顔料への顔料濃縮物の使用、及び、ドライモルタル、レディミックスコンクリート、屋根瓦、敷石等のセメントベースの建材への迅速分解性の顔料濃縮物の使用である。これにより、顔料濃縮物が水の存在下で迅速に分解されるという利点が得られる。
【0004】
更に、本発明は、分散可能な充填材生成物等、これら充填材生成物等の使用、及び、これら充填材生成物における上述したセルロール生成物の使用に関する。
【背景技術】
【0005】
顔料の処理は、未加工の色素材の分散を必要とする。この分散は、最適な発色を達成するために、凝集体及び凝集粒子を、使用に適する粒子径を満たす顔料粒子へと粉砕することにより行われる。これが無機顔料についてあてはまるということは、コンクリート等の建材の着色に関してかなり以前から知られていた。しかしながら、本発明における顔料は、いかなる有機顔料又は無機顔料でもよい。
【0006】
顔料の一般的な粒子径は、0.01μm以上0.9μm以下の範囲である。市販の生成物においては、顔料は、約2μm以上約10μm以下の粒子径を有する凝集粒子である。45μmメッシュを有するふるい上での残留率は、通常0.1%以下である。
【0007】
典型的な造粒体は、200μm以上1000μm以下の粒子径を有する。最終的な着色生成物において、顔料粒子は、0.01μm以上0.9μm以下の粒子径を有する単一粒子として、再び存在しなければならない。
【0008】
着色を均一にすべきならば、顔料又は顔料濃縮物を被着色材料に添加し、顔料粒子の放出中、均一に分散しなければならない。これは、液体材料のみならず乾燥材料の着色にもあてはまる。凝固材料は、微細に分散された顔料粒子を含み、全体に亘り均一に着色される。
【0009】
達成すべき着色の重要な特徴は、色強度及び輝度である。
【0010】
顔料濃縮物の特性は、顔料生成物の調製から中間生成物を経て着色された固体材料までの、種々の処理手順に関連する要件によって決定される。しかしながら、これら総ての手順は、相互関係にあり、互いを左右する。
【0011】
一方では、顔料が添加剤によって希釈されないために、純粋な顔料が、着色時におけるその潜在的な色強度及び輝度の点で、好ましいであろう。他方で、これらの粉末は、多くの塵を放ち、粒子の微細さが原因となって、パッキング材料、機械部品等に付着しやすいため、処理に適さない。このため、これらの粉末は、閉塞及び架橋の点で、注入装置内の計測に適さない。更に、純粋な顔料粉末の流動性は不充分である。
【0012】
被着色材料に顔料を分散するとき、粉末では、考慮すべき問題が生じ得る。例えば、分散処理において砕壊されず、固化した被着色材料の表面に視認される、顔料塊(「ネスト」)の形成による問題が挙げられる。これは、光学的に好ましくない(色強度の低い現像、不均一な着色)のみならず、技術的にも不都合である。なぜなら、このような顔料塊は、必要な機械的安定度を満たさず、容易に侵食され又は色落ちするために、材料表面上に開孔が発生し、その結果、着色した材料の表面に傷が生じるからである。
【0013】
顔料濃縮物の均一分散のために高エネルギー入力を行う必要があることは、種々の形態の下で好都合ではない。一方で、高エネルギー消費を伴う混合装置の使用は経済的に好ましくなく、他方で、より小規模な現場や手作業者は、しばしば、自由に使用できる強力な混合装置を有しないために、現場での顔料濃縮物の練混が困難又は不可能となる。高い機械的エネルギーを使用しない材料の均一着色ができれば、例えばドライモルタルに使用される場合、処理を容易化でき迅速化できる。
【0014】
同様の考えは、充填材等のような建材中の他の固体粒子、コンクリート、モルタル、及びセメントにも当てはまる。一例として炭酸カルシウムが挙げられ、炭酸カルシウムはコンクリート用の充填材として使用される。このような固体成分(顔料等)は、混合中、可能な限り迅速且つ効率的に均一分散されなければならない。本発明は、顔料だけでなく、このような使用に適する。顔料に言及する以下の説明は、このような他の固体成分に適用できる。
【0015】
塵を回避し、計測性及び全体流動性を改良し、質的に均一なカラー効果を達成するために、顔料粒子及び適切な添加剤を顔料濃縮物へ加工することは、先行技術において公知であった。例えば、被覆粉生成物、圧縮生成物、及び付着造粒又はスプレー造粒は、公知である。
【0016】
本発明の顔料濃縮物は、粉末、拡大化凝集体、成形体(例えば、造粒体、ペレット、錠剤)のいずれかを形成する処理手順によって、少なくとも1つの添加剤(例えば、分散剤、湿潤剤、結合剤)が顔料粒子に添加された材料である。本発明において、顔料濃縮物の好ましい形は、造粒体である。
【0017】
本明細書中の用語「造粒体」は、処理手順によって、原材料に比べて平均粒子径が増加された材料を含む。従って、「造粒」は、スプレー造粒および圧縮造粒のみならず、例えば、以後の硬化および粉砕を伴う水処理で生じる生成物や、乾燥処理手順又は略乾燥処理手順によって得られる生成物(例えば、乾燥造粒、乾燥団鉱、以後の粉砕を伴う同様の処理等による生成物)をも含むものである。本発明の範囲における乾燥生成物は、約10重量%以下の残留水分を有する。
【0018】
原則として、顔料造粒体その他の成形体(例えば、錠剤)には、以下の相反する2つの特性が必要とされる。造粒体は、機械的に安定でなければならず、同時に、被着色媒体において良好な分散特性を示す必要がある。機械的安定性によって、塵の減少による現場の注入装置での良好な計測性及び流動性のみならず、ユーザーへの輸送に関し良好な輸送特性が得られる。この機械的安定性は、強い付着力によって与えられ、例えば、結合剤の性質及び量、濃縮物の作成中の成形で負荷される圧力に依存する。分散性は、造粒前の粉砕の質(乾燥粉砕及び湿式粉砕)、製造中の機械的エネルギー入力(例えば、線力)、及び、媒体への練混の間、乾燥造粒体の付着力を低下させる溶剤の分散、によって影響される。本明細書において、分散剤の使用量は、添加物/顔料のコスト比によって制限される。更に、添加剤含有量の増加によって、各顔料濃縮物の減少が生じる。これによっても、添加剤の使用が制限される。このような添加剤及び/又は補助剤は、被着色材料の特性を不都合に変更するものであってはならない。例えば、コンクリートであれば、固化したコンクリートの機械的特性(例えば、固さ、圧力抵抗)が影響を受けないように、特定の水溶性成分の添加を制御することを考慮しなければならない。従って、添加剤による利点が(考え得る)不都合を上回るか否かの予測は、困難であり、非常に慎重に評価しなければならない。
【0019】
スプレー造粒(ディスク式又はジェット式の乾燥スプレー)、付着造粒(ミキサー、流動床造粒機、ディッシュ、及び/又は、ドラム)、又は、押出加工処理や圧縮処理、といった顔料造粒体の種々の処理方法が、以下の先行技術で記述されている。
【0020】
セメント産業における着色用のパール造粒体における、水性の炭素試料(30%以上80%以下の水分含量を有する)の使用は、独国特許出願公開第2908202号公報から公知である。これらの技術は他の顔料について使用できず、このような水分を有している造粒体は、一般的に、また、建材における使用に対しても不都合である。
【0021】
スプレー造粒によって結合剤と共に顔料を造粒することは、独国特許出願公開第2940156号公報から公知である。このような方法で作成される顔料造粒体は、着色インクの製造、プラスチック、ペンキ等の着色に使用される。建材等の着色についての言及はない。
【0022】
5重量%を超え且つ50重量%以下の水分を含む着色造粒体は、欧州特許出願公開第0191278号公報から公知である。本文献によると、これ以下の水分含有量の造粒体は、建材には適さない。
【0023】
独国特許出願公開第3619363号公報において、適切な顔料造粒体は、炭素よりむしろ他の顔料を含む建材の着色に関して、初めて記述された。本先行技術によれば、このような顔料から作られる微小造粒体は、結合剤と混合し、次いで噴霧乾燥することによって作成される。この結合剤は、基本的に有機結合剤(例えば、スルホン酸リグニン)である。これらの造粒体は、商業的に成功している。
【0024】
独国特許出願公開第3918694号公報において、有機結合剤を伴わない微小造粒体が提案された。本明細書では、無機組成物、特に、酸化物及び/又は水酸化物、及び類似の水和物が、結合剤として使用される。このような生成物は、コンクリート等への練混の間、完全には分散しない傾向があるため、実用においてしばしば問題を生じる。
【0025】
欧州特許出願公開第0567882号公報において、アスファルトの着色を目的とした、結合剤(詳細には、鉱油、ワックス、パラフィン等)を有する付着造粒体、圧縮造粒体、及びスプレー造粒体が、記述される。結合剤に加えて、スルホン酸リグニン、モラセス、デンプン等のような材料を使用すべきである。本開示によれば、スルホン酸リグニン単独の材料は、結合剤として使用できない。
【0026】
結合剤としてのラクトースを有する顔料造粒体を、2.5重量%より少ない残留水分となるよう噴霧乾燥することによって作成することは、欧州特許出願公開第0657511号公報から公知である。
【0027】
顔料造粒体の製造の押出工程は、米国特許第6562120号公報及び米国特許出願公開第20040040469号公報から公知である。
【0028】
被覆粉末の使用に関して、国際公開第97/29892号パンフレットが、技術水準の例として挙げられる。
【0029】
ペースト状の顔料濃縮物は、国際公開第01/55050号パンフレットに例示される。このような濃縮物において、顔料粒子は前もって分散されており、一般的に好都合である。しかしながら、これらの生成物は、液体(水)含有量が比較的高い点で不都合である。液体(水)含有量が比較的高いと、輸送コストの増加、貯蔵中の安定性の問題(遠心沈降)が生じ、貯蔵に関する法律的複雑さだけでなく、分解工程に対する感受性(生物学的影響、モールドの形成)をしばしば引き起こす。
【0030】
従って、本発明の濃縮物は、乾燥していることが好ましい。
【0031】
一方では補助剤と組み合わされ、他方では顔料濃縮物の作成に用いられる、顔料粒子の組み合わせは、一般的に、湿潤混合及び/又は湿式混合工程によって遂行され、乾燥混合処理、必要に応じて、次いで異なる生成物形状へと加工することによっても遂行される。生成物(本明細書では「濃縮物」とも呼ばれる)は、その後、混合粉末の形を(もはや)呈しない。このように作製される粒子は、顔料粒子及び少なくとも1つの補助剤を含み、必ずしも特定の粒子径を示す訳ではない。例えば、これら粒子は拡大粒子として存在する場合があり、これは造粒体に典型的なものである。しかし、これら粒子は、粉砕方法によって加工されることで、微細粒子濃縮物ともなる。これら粒子としては、例えば、被覆粉末、成形粒子(例えば、造粒体)、圧力によって多少成形され、必要に応じて圧縮された被覆粉末、成形粒子[例えば、薄片等(例えば、団鉱、その他の相当大きい圧縮体)]が挙げられる。現在、技術的に最も成功した濃縮物において、粒子は、均一造粒体、特に特定のスプレー造粒体である。
【0032】
湿性混合加工又は湿式混合加工を顔料濃縮物の製造に用いることで、生成物の有用性が影響され得る。
【0033】
一方では、濃縮物製造のための成分系は、充分に混合可能でなければならない。これによって、補助剤の活用が抑制される場合があるものの、そうでなければ、例えば、被着色材料と組み合わさって、後の処理手順において有用となり得る。例えば、スプレー造粒体の液体混合液を製造する場合、濃縮物に添加すべき所望の補助剤の添加によって、混合液の粘性が極端に上昇してはならない。混合液の粘性が上昇しなければ、混合処理及びスプレー処理が妨げられ、必要な特性を有する濃縮物が作製できないからである。
【0034】
更に、濃縮物中の粒子(細粒)を浸透する際における、水又は他の液体に対する相対的な容易性及び濃縮物の特定の密度は、分散性に対して決定的に影響する。
【0035】
これまでのところ、スプレー造粒体が、総ての要件を満たすために最良の特性の組合せを提供する。商品、例えば、本出願人の「GRANUFIN」(登録商標)製品は、無機顔料(例えば、黄色、黒色、又は赤色の酸化鉄顔料)に加えて、分散剤と、被着色液状材料(例えば、液体コンクリート)の細粒の完全分解を促進する他の補助剤と、を含む。これらの造粒体は、塵の発生が少なく、破壊に対する抵抗性がある。また、これらの造粒体は、噴霧乾燥によって容易に作製でき、例えば自動計量装置を使用して、塵の発生を伴わずに重量測定又は容積測定を行うことができる。これらの造粒体は、被着色材料に容易に練混され、迅速に分解する。このような生成物によれば、全体に亘る均一な着色が形成され、高い色強度及び高い輝度が提供される。
【0036】
これら公知のスプレー造粒体は、コンクリート及び類似の建材のみならず、水性塗料、ペンキ、及び全体に亘り均一な着色を施すべき他の材料に適している。
【0037】
顔料濃縮物の重要な特性は、顔料濃縮物の粒子が、水に接触する(特に、材料を着色するとき)ことによって分解する速度であり、これにより、顔料粒子が分散できる。ペンキ同様に建材(例えばコンクリート)の着色において、経費削減のため、均一着色に必要な混合時間を更に短縮することが、強く要請されている。配合処理の間の機械的エネルギー入力が減少し、均一着色に達するまでの混合時間が短縮することにより、濃縮物の利用を改善でき得る。例えば、例えば、ドライモルタル又はレディミックスコンクリートにおける利用を改善でき、シャベル、手動ミキサー、単純なタンブルミキサーによる手作業によって均一着色を行わなければならない、例えば作業者及び小規模の現場における利用を改善でき得る。
【0038】
低エネルギー入力及び短混合時間を備える混合装置は、敷石、屋根瓦等の製造にも用いられる。これにより、これら顔料濃縮物を利用するためにも、良好な分散性に関する厳しい要件が存在する。
【0039】
粒子が、適切に使用される場合、被着色材料に接触すると可能な限り迅速に分解する顔料濃縮物が、長い間、強く要請されてきた。また、顔料濃縮物は、迅速に、且つ、分散されるべき顔料粒子がほとんど放出されるような方式で、分解することが好ましい。
【0040】
技術水準を改良し得ることが示されてきた。本発明の顔料濃縮物の使用によって、分散を達成するための混合が非常に短い時間で、高エネルギー入力を加えることなく、建材へ均一着色できる。有機の分解剤の使用は、特に好都合である。
【0041】
以前に、例えば、独国特許第19731698号公報において、他ならぬ分解剤を被圧縮細粒に添加する提案がされていた事実にもかかわらず、この提案は、現在、これら分解剤を含む生成物が入手できないため、成功していなかった。
【0042】
これは、おそらく、公知の分解剤が、薬剤応用での使用、特に錠剤を迅速に分解するために、開発された事実によるものである。生理的条件下で問題なく使用できる補助剤が、完全に異なる条件、例えばスプレー造粒体の製造及び利用に、適しているとは必ずしも限らない。
【0043】
例えば、独国特許19731698号公報では、分解剤としての水に対する相当に大きい吸収能力を有し、特に強い親水性のポリマー、例えば、セルロース誘導体、デキストラン、架橋化ポリビニルピロリドン(cPVP)が開示されている。
【0044】
強い親水性のセルロース誘導体の大部分は、例えば、接着剤や糊料等として知られる、付加的な親水置換基を有する水溶性誘導体である。このようなセルロース誘導体の分解効果は大きいものの、他の問題がセルロース誘導体の使用において発生する。この問題は、噴霧乾燥前の液体顔料混合液の粘性が、セルロース誘導体によって、噴霧乾燥が妨げられる程まで増加することによる。水溶性セルロースをコンクリートと併用すると、ブルーミングの増加が誘発され、当然に、極めて望ましくない。更に、水溶性セルロースは、(非常に限定的にしか許容されない)水溶性成分の量を増加し、対応する着色生成物の設定特性にも影響を及ぼす。
【0045】
デキストランは、非常に固い造粒体を形成する。添加物によって、あまりに強い付着力が原因となり、分解効果の反対、即ち造粒体の分解の顕著な減速、が生じる。更に、デキストランによって製造される造粒体は、不充分な分解による目立つ色ずれ(青方偏移)を多かれ少なかれ示す。
【0046】
スプレー造粒体及び圧縮造粒体の分解剤としての架橋化PVPの利用も、あまり好ましくない。
【0047】
同様の問題は、先行技術から公知の他の分解剤の大半において生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0048】
これに基づき、本発明の目的は、公知の濃縮物の利点を保持しつつ、このような濃縮物より迅速に分散できる顔料濃縮物を開示することである。本発明の別の目的は、意図された使用の間、機械的エネルギー入力をほとんど必要とすることなく、充分に分解するような顔料濃縮物を開示することである。
【0049】
本発明の別の目的は、従来は先行技術に従って着色していた材料を、本明細書で言及する顔料濃縮物タイプを用いて着色処理する手順を提案することである。
【0050】
本発明の更なる目的は、高エネルギー入力を使用しない均質混合が好都合である、マルチ等の紙及び有機材料、及び、例えばドライモルタル、レディミックスコンクリート、敷石等の建材を着色するための、改良された顔料濃縮物を提供することである。
【0051】
また、本発明の目的は、特定のセルロールを、本発明の濃縮物における分解剤として使用することである。
【課題を解決するための手段】
【0052】
独立項で定められる特徴の組合せによれば、これらの目的を達成できる。
【0053】
本発明の好適な実施形態は、従属項において定められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
本発明の主な側面は、顔料濃縮物(特に、粒状の顔料濃縮物)の分解によって放出される顔料粒子の分散を促進し容易化する、特別なセルロール生成物を使用することである。これら分解剤の重要な機能は、被着色材料を着色する間、水と接触すると、顔料濃縮物の粒子の分解を促進することである。
【0055】
本明細書でのセルロール生成物の使用は、濃縮物へと加工される混合液の粘性に与える影響が比較的小さくても、相当な問題が誘発され得る(スプレー造粒体のような)場合であっても、何の問題も引き起こさない。
【0056】
本発明の分解剤は、(例えば、デキストランとは対照的に)付着力の減少を示し、迅速に分散できるので、何の問題もなく使用できる。
【0057】
驚くべきことに、本発明の分解剤を添加しても、着色された生成物の色強度の減少や輝度の減少にはつながらない。
【0058】
本発明の顔料濃縮物の色強度を、本発明の分解剤を有しない顔料濃縮物及び公知の顔料濃縮物と比較する試験によって、本発明の顔料濃縮物の、先行技術に比べて好都合な特性が明白となる。ここで、例えばレディミックスコンクリート又は敷石の用途に適した水/セメント比を有するコンクリート混合物において、顔料濃縮物を試験する。顔料濃縮物の添加後、混合液試料を15秒ごとに採取し、この試料の色強度を硬化後に測定する。試験方法の詳細は、実施例において説明する。
【0059】
試験によって示されるように、本発明の分解剤を有しない顔料濃縮物及び先行技術の顔料濃縮物と比較して、本発明の顔料濃縮物は、水との非常に短い接触後、既に、高い色強度を呈する。
【0060】
更に、最長混合時間の試験における本発明の顔料濃縮物の色強度は、本発明の分解剤を有しない顔料濃縮物又は先行技術の顔料濃縮物の色強度より高い。レディミックスコンクリート用途で典型的な水/セメント比では、先行技術との差異が特に大きくなる。
【0061】
特に驚くべきことに、本発明の特定のセルロースを使用し、このセルロースを水に接触させると、他の分解剤に比べ、はるかに迅速に濃縮物を分解する。本発明によれば、(機械的撹拌なしでも)濃縮物の粒子の分解を強く促進できる。公知の加工方法で作製される本発明の造粒体は、1分未満、多くの場合は30秒未満で分解する。機械的撹拌なしでさえ、造粒体の元の粒子構造は、もはや顕著でなく、少なくとも大部分が破壊される。
【0062】
一方で本発明の造粒体、他方で先行技術の比較可能な造粒体(但し、これら造粒体は本発明のセルロース成分を有しない)の各々を、充分量(過剰量)の水と混合したときに、先行技術との差異が、本発明のこの態様に関して特に明らかとなる。これは、顕微鏡下の乾燥試料に、プローブがこれ以上の水を吸収できない量の水を滴下したときに、顕微鏡下で特によく観察できる。他方、これは、例えば、過剰量の水をビーカー内の乾燥濃縮物に注ぐか、乾燥濃縮物を過剰量の水に注いだときに、肉眼で観察できる。
【0063】
言及する総ての場合において、本発明の濃縮物を使用すると、(機械的操作なしで)粒状濃縮物の主構造が、どのようにして迅速に分解するかを観察できる。即ち、30秒後、又は15秒の短い接触時間後、しばしば5秒未満の(充分量の)水との接触後、には、未変化の細粒は、もはや観察されない。先行技術の製品では、この分解処理が非常に長くかかる。非常に優れた製品でさえ、分解されなかった細粒を、数分後にまだ観察できる。本出願人の「Granufin」(登録商標)(分解添加剤を有しない)は、参照用基準として使用できる。
【0064】
本発明の顔料粒子の分解度のより正確な判断を行なうため、2つのふるい分け試験を行った。
【0065】
選択される顔料粒子の分解安定性は、水との接触の前及び後における、ふるい上の造粒体の重量を決定することで、測定される。水にふるいを浸す間、機械的エネルギー入力は、最小限にまで減少される。分解度に関する試験については、実施例において包括的に説明する。
【0066】
以下の2つの異なる方法が、試験に使用される。
【0067】
<方法A> ふるいを水ばちに10秒間一回浸す。
選択された粒子径の顔料粒子の規定量を、単一層の分配となるまで、ふるい上で均一に分ける。機械的エネルギー入力を最小限に保ったまま、ふるいの底部を3cm、単一層の分配を壊すことのないよう、水ばちの中へ非常に慎重に入れる。10秒間水に接触させた後、ふるいを水から慎重に取り出し、ふるい上に残っている材料を乾燥させる。ふるいに残った材料の重量を測定する。
【0068】
方法Aに従ってふるい試験をすると、本発明の顔料粒子では、顔料粒子の元の重量の75%以下、好ましくは60%以下、より好ましくは50%、更に好ましくは40%以下、特に好ましくは21%以下、最も好ましくはわずか16%以下が、ふるい上に残る。本発明の分解剤を有しない顔料粒子及び/又は先行技術の顔料粒子を使用すると、元の造粒体の80%より多く、通常は90%以上100%以下がふるい上に残る。
【0069】
<方法B> ふるいを水ばちに10回浸し、再び水から取り出す。水との接触時間は合計30秒間である。
選択された粒子径の顔料粒の規定量を、単一層の分配となるまで、ふるい上で均一に分ける。機械的エネルギー入力を最小限に保ったまま、ふるいの底部を3cm、単一層の分配を壊すことのないよう、水ばちの中へ非常に慎重に入れ、再び、水から取り出す。この手順を10回行う。水との接触時間は、合計30秒以内とする。ふるい及びふるい上に残っている材料を乾燥させ、ふるい上に残った材料の重量を決定する。
【0070】
方法Bによるふるい試験の結果に示されるように、本発明の種々の顔料粒子を使用すると、元の重量の65%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは40%、更により好ましくは30%以下、特に好ましくは20%以下、最も好ましいくはわずか2%以下が、ふるい上に残る。本発明の分解剤を有しない顔料粒子及び先行技術の顔料粒子を使用すると、元の造粒体の74%以上99%以下、特殊な場合に限りたった65%が、ふるい上に残る。
【0071】
方法Bだけでなく方法Aによるふるい分け試験に示されるように、本発明の顔料粒子は、水と接触した後、本発明の分解剤を有しない顔料粒子又は先行技術の顔料粒子と比較して、元の造粒体材料に対してより少量がふるい上に残り、より高い分解度が達成される。
【0072】
これらの高い分解度が、ミキサー又は撹拌器による機械的エネルギー入力なしの状態で、既に達成されるのは、特に驚くべきことである。
【0073】
デキストランを分解剤として使用すると、先行技術で示唆されるように、記述された実験条件下において、主造粒体の分解が全く起こらない。
【0074】
分解剤として、公知のセルロース増粘剤(例えば、クラリアント社から購入できる)を使用すると、分解が比較的迅速に行われるが、一般に、被着色材料における、不充分な強さの色強度及び分散の顕著な減少が、観察される。更に、このような濃縮物は、スプレー混合液の高粘性のため、充分に又は全く噴霧乾燥できない。
【0075】
本発明の好ましい態様では、色強度に影響されず又は被着色材料の特性の劣化を誘発しない、所望の分解効果をもたらす分解剤を使用する。
【0076】
本発明の好ましい実施形態では、誘導化されない「技術的な」セルロースを使用する。
【0077】
このようなセルロースは、例えば、J.Rettenmaier&Sohne社から「アーボセル」(登録商標)として市販されている。
【0078】
一般的に、このようなセルロースは、木から製造される天然セルロース繊維から構成される。
【0079】
好ましい実施形態において、これらのセルロース生成物は、典型的特性、例えば、最大10%の水分顔料において、220g/l以上270g/l以下の重量を有する。セルロース生成物の粒子径(繊維長)は、約10μm以上2000μm以下であることが一般的に適しているが、粒子径が10μm以上500μm以下、特に好ましくは10μm以上200μm以下であることが、非常に好都合であることが分かった。平均粒子径が、この分布のうちの低い範囲、例えば20μm以上50μm以下、特に20μm以上35μm以下にある場合、特に好都合である。
【0080】
特に適したセルロース生成物は、20℃の水にほとんど溶けない。
【0081】
セルロース生成物の構造は、できる限り非結晶質であることが好ましい。このようなセルロースの一例は上記アーボセル製品であり、結晶粒子の含有量が約50%である。
【0082】
30秒間以内又はこれ以下、特に例えば5秒間以内、水に浸すことによってほぼ完全に膨張することで、対応する体積増加が達成されるセルロースが、特に好ましい。特に、部分的に非結晶性の上記セルロースは、このような短い膨張時間を呈する。
【0083】
結晶性の部分は、50%以上とすることができる。しかしながら、多くの用途で、結晶性の部分が50%未満のセルロースが、より適している。
【0084】
好ましい実施形態は、球状セルロースを含むことができる。純粋な球状セルロース(他の分解剤が混合されていない)も適している。
【0085】
先行技術(例えば、独国特許第19731698号公報又は独国特許第10002559号公報)から公知のように、分解剤は、無機顔料粒子に適した量で、驚くべきことに色強度に影響を及ぼすことなく使用できる。最終生成物におけるセルロースの典型的濃度は、固体材料に対して、0.1重量%以上5重量%以下であり、3重量%未満が好ましく、0.5重量%以上2重量%以下が特に好ましい。
【0086】
多くの例示的実施形態において、本発明の分解剤は、他の成分と組み合わせて使用される。分解剤を他の成分と組み合わせないと、スラリーの固形物質量が少なすぎて噴霧乾燥できない場合があるためである。そこで、ポリアクリル酸又はスルホン酸リグニンのように、併せて分散促進特性を示す結合剤を使用することが好ましいであろう。
【0087】
スプレー造粒体及び圧縮造粒体に特に適しているのは、分解剤としてのセルロースを含む顔料濃縮物である。上記ふるい試験において、対応する顔料濃縮物は、水の存在下で高い分解度を示す。セルロース以外の分解剤を含む、スプレー造粒体又は圧縮造粒体の形で今までに試験されてきた顔料濃縮物は、セルロース生成物を含む顔料濃縮物のように高い分解度を示さなかった。しかしながら、例えば、ペレット又は錠剤等の種々の形をとる生成物の中に、ふるい試験を満たす分解剤又は分解剤の組合せがあり得る。
【0088】
生成物前駆体における固形物質量がさほど重要とならない場合には、必要に応じて、本発明のセルロースを、顔料粒子に加えて付加的成分として使用できる。セルロースは、結合剤としてと同時に分解剤として、機能する。これによっても、顔料含有量は、多くの使用目的にとって充分高いものとなる。
【0089】
本発明の分解剤は、石膏及びモルタル、特にドライモルタルにおける使用に適している。この分解剤は、マルチのような紙及び有機材料の着色のみならず、例えば、敷石、屋根瓦、ドライモルタル、レディミックスコンクリートの着色、及び表面被覆に使用できる。本発明の分解剤は、使用前に湿らされる乾燥生成物、例えばドライモルタル(特に、水との単純な混合によって湿らすことができる場合)に特に適している。用途としては、例えば、機械的混合装置を利用できず、手動ミキサー又は単純なタンブルミキサーを使用して手動(バケツやシャベル)で混合処理を行わなければならない作業者、労働者及び職人のために、ドライモルタルを用いることが挙げられる。このような乾燥生成物は、DIYマーケット、建材店等を通しての販売に適している。
【0090】
別の重要な応用分野は、水性塗料等(例えば、乳濁液、エマルション塗料、他の水性塗料)の製造である。
【0091】
コンクリートその他類似の建材の着色方法に関連する例示的実施形態Aに関して、以下に本発明を説明する。本例示的実施形態Aは、他の顔料、顔料濃縮物の他の製造方法、及び生成物の他の用途(即ち、他の材料の着色)にもあてはまる。
【0092】
[例示的実施形態A]
例示的実施形態Aにおいて、酸化鉄顔料を使用する。例えば、酸化チタン、酸化クロム、酸化コバルト、カーボンブラック、透明な酸化鉄その他の顔料を、同様の態様で使用できる。
【0093】
例示的実施形態Aでは、特に、赤色酸化鉄顔料を製造する。赤色酸化鉄顔料は、公知の生成物において、黒色酸化鉄顔料又は黄色酸化鉄顔料と比較して、頻繁に問題が生じるので、最も「要請されている」顔料である。更に、赤色酸化鉄顔料のスプレー造粒体では、最高温度が用いられる。
【0094】
まず、総ての材料(これから顔料濃縮物が形成される)を、液体前駆生成物と共に、処理する。この目的のため、(必要に応じて)アニオン、非イオン性、及び/又はカチオンの、湿潤剤及び分散剤、結合剤、本発明の分解剤、及び顔料粉末に水を添加して処理し、生成物前駆体(「スラリー」)とする。これは、湿式磨砕手順を含んでよい。
【0095】
例示的実施形態Aでは、スラリーを噴霧することで造粒体を形成し、噴霧タワー内で乾燥する。
【0096】
添加剤の全量は、固体物質に対して5重量%未満である。噴霧タワーへ向かうスラリーの密度は、2g/cmを超える。
【0097】
このように製造される造粒体は、1%未満の残留水分を有する。
【0098】
容積密度量は、1.2g/cm以上1.3g/cm以下である。
【0099】
造粒体は、均質且つ均一な円形であり、光沢をわずかに帯びる。水を(過剰に)添加すると、造粒体は、1分間以内で完全に、30秒間未満で実質的に、自発的に溶解する。
【0100】
湿ったコンクリートにおける再分散は、迅速且つ完全に起こる。
【0101】
ビカー試験において、コンクリートは、標準に従った値を示す。デキストラン及び非架橋化PVPを分解剤として使用する参考試験で観察されるような、好ましくない青方偏移は、発生しなかった。
【0102】
本発明の顔料粒子の色強度の発達を、本発明の分解剤を有しない顔料粒子及び先行技術で公知の顔料粒子の色強度の発達と比較した。試験については、例示的実施形態Bで記述する。
【0103】
[例示的実施形態B]
まず、分解剤を有する顔料粒子及び分解剤を有しない顔料粒子の生成について記述する。
【0104】
<例1>
3000kgの酸化鉄Bayferrox 130を、1320kgの水、35kgのポリアクリル酸溶液、45kgのアーボセルFT600/30H(Rettenmaier社)と共に、高速混合機内で10分間混合し、70%の固形分を有するスラリーを得る。
【0105】
このスラリーを噴霧タワー内で乾燥し、0.5%の水分を有する造粒体にする。吸込温度は約480℃で、排気温度は130℃である。
【0106】
<例2>
3000kgの赤色酸化鉄Bayferrox 130を、1320kgの水、80kgのポリアクリル酸溶液と共に、高速混合機内で10分間混合し、70%の固形分を有するスラリーを得る。
【0107】
このスラリーを噴霧タワー内で乾燥し、0.6%の水分を有する造粒体にする。吸込温度は約490℃で、排気温度は130℃である。
【0108】
<例3>
6000kgの赤色酸化鉄Ferroxide 212を、2600kgの水、75kgのポリアクリル酸溶液、110kgのアーボセルFT600/30H(Rettenmaier社)と共に、高速混合機内で10分間混合し、70%の固形分を有するスラリーを得る。
【0109】
このスラリーを噴霧タワー内で乾燥し、0.35%の水分を有する造粒体にする。吸込温度は約445℃で、排気温度は126℃である。
【0110】
<例4>
3000kgの赤色酸化鉄Ferroxide 212を、1540kgの水、80kgのポリアクリル酸溶液と共に、高速混合機内で10分間混合し、66%の固形分を有するスラリーを得る。
【0111】
このスラリーを噴霧タワーにおいて乾燥し、0.6%の水分を有する造粒体にする。吸込温度は約450℃で、廃棄温度130℃である。
【0112】
<例5>
6000kgの黒色酸化鉄Ferroxide 77を、2100kgの水、60kgのポリアクリル酸溶液、80kgのアーボセルFT600/30H(Rettenmaier社)と共に、高速混合機内で10分間混合し、58%の固形分を有するスラリーを得る。
【0113】
このスラリーを噴霧タワー内で乾燥し、0.66%の水分を有する造粒体にする。吸込温度は約400℃で、排気温度は130℃である。
【0114】
<例6>
2000kgの黒色酸化鉄系顔料のFerroxide 77を、1370kgの水、80kgのポリアクリル酸溶液と共に、高速混合機内で10分間混合し、59%の固形分を有するスラリーを得る。
このスラリーを噴霧タワー内で乾燥し、0.7%の水分を有する造粒体にする。吸込温度は、約400℃で、排気温度は130℃である。
【0115】
顔料粒子についての発色試験は、二用途に適した水/セメント比において、行う。実験Iでは、水/セメント比0.39が使用され、この比率は敷石用途で一般的である。実験IIでは、水/セメント比0.66が使用され、この比率はレディミックス用途で一般的である。
【0116】
例1から例6の色強度決定のいくつかの(一つの)データ点については、硬化又は測定のアーテファクトによって影響されると考えられるため、図示しない。しかしながら、測定の完全なデータは、対応する表に記載する。
【0117】
<実験I> 水/セメント比0.39
例において、本発明の顔料粒子の色強度を、分解剤を有しない顔料粒子及び先行技術で公知の顔料粒子と比べて、測定する。
【0118】
1350gの砂を、50gの水と、スピードレベル1のHobardミキサーN50/3−1内で2分間混合し、均質な混合物を形成する。350gの白色セメント(42、5、CEMI)を混合物に添加し、1分間撹拌する。次いで、セメント量に対して3%の赤色顔料又は黒色顔料、及び86.5gの水を添加する。
【0119】
以下の顔料を使用した。
例1 赤色顔料Bayferrox(登録商標) 130(バイエル社製、合成酸化鉄α−Fe
例2 赤色顔料Bayferrox(登録商標) 130(バイエル社製、合成酸化鉄α−Fe
例3 赤色顔料Ferroxide 212(Silo社製、酸化鉄Fe
例4 赤色顔料Ferroxide 212(Silo社製、酸化鉄Fe
例5 黒色顔料Ferroxide 77(Silo社製、酸化物Fe
例6 黒色顔料Ferroxide 77(Silo社製、酸化物Fe
【0120】
先行技術との比較のために、以下の顔料を使用した。
赤色顔料Bayferrox(登録商標) 130 C(圧縮顔料)(バイエル社製、合成酸化鉄α−Fe
赤色顔料Bayferrox(登録商標) 130 G(微小粒子)(バイエル社製、合成酸化鉄α−Fe
赤色顔料Bayferrox(登録商標) 110 C(圧縮顔料)(バイエル社製、合成酸化鉄α−Fe
赤色顔料Bayferrox(登録商標) 110 G(微小粒子)(バイエル社製、合成酸化鉄α−Fe
黒色顔料Bayferrox(登録商標) 330 G(微小粒子)(バイエル社製、合成酸化鉄Fe
黒色顔料Bayferrox(登録商標) 330 C(微小粒子)(バイエル社製、合成酸化鉄Fe
赤色顔料FerrispecTM GC QR 4097(エレメンティス社製、合成酸化鉄Fe
赤色顔料FerrispecTM GC QR 2199(エレメンティス社製、合成酸化鉄Fe
黒色顔料FerrispecTM GC QR 5799(エレメンティス社製、合成酸化鉄Fe
【0121】
各15秒間の混合期間の後、混合物175gをモールド内で圧縮し、チップを形成する。このチップを40℃の温度で一晩硬化させ、色データを測定する。
【0122】
<実験I>
以下、実験Iの結果を図1から図3に示す。最長混合時間での試験により、各石の色強度を、本発明の顔料を有する石の色強度と比較した。
【0123】
図1から図3に示されるように、例1、例3及び例5に代表される本発明の顔料粒子が、特に混合初期段階において、先行技術で公知の顔料粒子よりも迅速な色強度の発達を示すことが明らかに顕著である。
【0124】
例1、例3及び例5(本発明の分解剤を有する)と、例2、例4及び例6(発明の分解剤を有しない)と、の比較を、図4から図6に示す。
【0125】
図4から図6で明示されるように、本発明の顔料濃縮物(例1、例3及び例5)は、最長混合時間で試験した場合に、分解剤を有しない顔料濃縮物よりも迅速な色強度の発達、及び一般的に高い色強度を呈する。
【0126】
実験Iにより示されるように、本発明の顔料粒子は、最長混合時間で試験した場合における、色強度の発達及び色強度の達成値において、先行技術で公知の顔料粒子とは異なる。
【0127】
例1、例2、及び、関連する先行技術の顔料に関する実験Iの完全なデータを、表1にまとめる。
【0128】
【表1】

【0129】
対応する先行技術及び、例3、例4に関する実験Iの完全なデータを、表2にまとめる。
【0130】
【表2】

【0131】
対応する先行技術及び、例5、例6に関する実験Iの完全データを、表3にまとめる。
【0132】
【表3】

【0133】
<実験II>
この実験では、レディミックスで一般的である水/セメント比0.66において、本発明の顔料粒子の色強度を、本発明の分解剤を有しない顔料粒子及び先行技術で公知の顔料粒子の色強度と、比較して試験を行なった。
【0134】
350gのコンクリート砂(500μm以上2000μm以下)、150gの白色珪砂(500μm未満)、75gの白色ポルトランドセメント、及び、セメント量に対して3%(2.25g)の顔料を、ミキシングボウル(HobardミキサーN 50/3−1)内に置き、50gの水とスピードレベル1で30秒間混合する。
【0135】
以下の顔料を使用した。
例1 赤色顔料Bayferrox(登録商標) 130(バイエル社製、合成酸化鉄α−Fe
例2 赤色顔料Bayferrox(登録商標) 130(バイエル社製、合成酸化鉄α−Fe
例3 赤色顔料Ferroxide 212(Silo社製、酸化鉄Fe
例4 赤色顔料Ferroxide 212(Silo社製、酸化鉄Fe
例5 黒色顔料Ferroxide 77(Silo社製、酸化物Fe
例6 黒色顔料Ferroxide 77(Silo社製、酸化物Fe
【0136】
先行技術との比較のために、以下の顔料を使用した。
赤色顔料Bayferrox(登録商標) 130 C(圧縮顔料)(バイエル社製、合成酸化鉄α−Fe
赤色顔料Bayferrox(登録商標) 130 G(微小粒子)(バイエル社製、合成酸化鉄α−Fe
赤色顔料Bayferrox(登録商標) 110 C(圧縮顔料)(バイエル社製、合成酸化鉄α−Fe
赤色顔料Bayferrox(登録商標) 110 G(微小粒子)(バイエル社製、合成酸化鉄α−Fe
黒色顔料Bayferrox(登録商標) 330 G(微小粒子)(バイエル社製、合成酸化鉄Fe
黒色顔料Bayferrox(登録商標) 330 C(微小粒子)(バイエル社製、合成酸化鉄Fe
赤色顔料FerrispecTM GC QR 4097(エレメンティス社製、合成酸化鉄Fe
赤色顔料FerrispecTM GC QR 2199(エレメンティス社製、合成酸化鉄Fe
黒色顔料FerrispecTM GC QR 5799(エレメンティス社製、合成酸化鉄Fe
【0137】
各15秒間の混合期間後、25gの混合物をモールド内で圧縮して、チップを形成する。このチップを室温で一晩硬化させ、色データを測定する。
【0138】
以下、実験IIの結果を図7から図9に示す。最長混合時間での試験により、各石の色強度を、本発明の顔料を有する石の色強度と比較した。
【0139】
実験IIにより示されるように、本発明の顔料粒子は、先行技術で公知の顔料粒子よりも迅速な色強度の発達を呈する。更に、例1、例3及び例5は、最長混合時間で試験した場合に、従来技術で公知の顔料濃縮物よりも高い色強度を呈する。
【0140】
実験II(例1、例3及び例5)を、例2、例4及び例6(本発明の分解剤を有しない)と比較した結果を、図10から図12に示す。
【0141】
本発明の分解剤を有する顔料粒子は、本発明の分解剤を有しない顔料粒子よりも、最長混合時間で試験した場合に高い色強度を示すのみならず、混合期間の初期において既に高い色強度を示す。
【0142】
実験I及び実験IIに示されるように、本発明の顔料粒子は、最長混合時間で試験した場合に、本発明の分解剤を有しない顔料粒子又は先行技術で公知の顔料粒子に比べて、迅速な色強度の発達及び高い色強度を呈する。本発明の顔料粒子の持つこれらの利点は、いずれの水/セメント比で試験した場合においても、確認される。
【0143】
これらの利点は、特に、レディミックスで一般的である、水/セメント比0.66において顕在化する。
【0144】
対応する先行技術及び、例1、例2に関する実験IIの完全なデータを、表4にまとめる。
【0145】
【表4】

【0146】
対応する先行技術及び、例3、例4に関する実験IIの完全なデータを、表5にまとめる。
【0147】
【表5】

【0148】
対応する先行技術及び、例5、例6に関する実験IIの完全なデータを、表6にまとめる。
【0149】
【表6】

【0150】
<実験IIa> 圧縮試験
酸化鉄顔料Bayferrox 130を穏やかに圧縮し、0mm以上1mm以下の粒子径を有する造粒体へと加工した。酸化鉄顔料及び分解剤の種々の混合物を、試験した。
【0151】
<例A>
Bayferrox 130を酸化鉄顔料として選択し、(酸化鉄顔料に対して)2.5重量%の未変性セルロース(未変性セルロース、Rettenmaier社製)を分解剤として使用した。
【0152】
<例B>
Bayferrox 130を酸化鉄顔料として使用し、(酸化鉄顔料に対して)2.5重量%の球状セルロース(球状セルロース、Microcell 102、Blanver Framoquimicia LTDA)を分解剤として使用した。
【0153】
<例C>
Bayferrox 130を酸化鉄顔料として使用し、(酸化鉄顔料に対して)2.5重量%の未変性セルロース(cellulose Lattice NT 013、FMC)を分解剤として使用した。
【0154】
<例F>
分解剤を更に添加せず、Bayferrox 130のみを使用した。この試料は、参考例として扱うことができる。
【0155】
<例G>
Bayferrox 130を酸化鉄顔料として使用し、(酸化鉄顔料に対して)2.5重量%の未変性セルロース(未変性セルロース、Rettenmaier社製)を分解剤として使用し、更に、2.5重量%のポリプロピレングリコールエーテルを添加した。
【0156】
油圧で支持されたローラーを備える「KompaktorCS 25」を用いて、実験を行った。12mmの波形断面が巻きついたローラー(「Wellprofil」)を設けた。最大プレス能力を、油圧から決定した。得られたリボンを、粉砕機「FC 100」によって、1mm未満の破片へと粉々に粉砕した。
【0157】
<例A>
特定の圧縮力は12kN/cmであり、得られる容積重量は1204g/lである。
【0158】
<例B>
特定の圧縮力は12kN/cmであり、得られる容積重量は1102g/1である。
【0159】
<例C>
特定の圧縮力は12kN/cmであり、得られる容積重量は1136g/1である。
【0160】
<例F>
特定の圧縮力は12kN/cmであり、得られる容積重量は1232g/1である。
【0161】
<例G>
特定の圧縮力は12kN/cmであり、得られる容積重量は1198g/1である。
【0162】
250μmのふるいでふるい分けすることによって、250のμm未満の全粒子を分離し、回収した。
【0163】
例A、例B、例C、例F、例G、及び、先行技術の一例(Bayferrox(登録商標) 130C)に関する色強度の発達についての結果を、図13に示す。
【0164】
図13に示されるように、例A(未変性セルロース)、例B(球状セルロース)、例G(未変性セルロース及びポリプロピレングリコールエーテル)が、例F(本発明の分解剤を有しない)、比較例Bayferrox(登録商標) 130Cよりも迅速な色強度の発達を呈する。例A、例B、例C、例G(最長混合時間で試験した)の色強度は、例F(本発明の分解剤を有しない)、比較例Bayferrox(登録商標) 130Cの色強度よりも高い。
【0165】
例A、例B、例C、例F、例G、及び、比較例Bayferrox登録商標) 130Cに関する実験IIaの完全なデータを、表7にまとめる。
【0166】
【表7】

【0167】
<実験III>
顔料粒子の必須パラメータは、水に接したときの分解安定性である。この分解安定性を測定するために、ふるい試験を行った。
【0168】
水との接触時間及び浸水手順が異なる、2つのふるい試験を行なった。
【0169】
[方法A] 顔料粒子を有するふるいを、10秒間水ばちに1回浸す。
約10gの選択された粒子径(200μmより大きい)の顔料粒子を、200umメッシュを有するふるい(Analysette 3 proタイプ、直径21cm、フリッチェ社製)上に配置し、単一層分配を得る。顔料粒子の均等分布を壊さないよう、ふるいの底部3cmを水ばちの中に慎重に浸し、機械的エネルギー入力を最小限に低下させる。ふるいを(造粒体が水で覆われるように)水ばちに10秒間保持し、次いで、水から慎重に取り出す。ふるい上に残留した材料を、100℃の乾燥器内で乾燥し、残留物の重量を測定する。
【0170】
[方法B] ふるいを水ばちに浸し、取り出す操作を10回、同様の手順で行う。水との接触時間は、合計30秒である。
約10gの選択された粒子径(200μmより大きい)の顔料粒子を、200μmメッシュを有するふるい(Analysette 3 proタイプ、直径21cm、フリッチェ社製)上に配置し、単一層分配を得る。顔料粒子の均等分布を壊さないよう、(造粒体を水で覆われるように)ふるいの底部3cmを水ばちの中に慎重に浸し、機械的エネルギー入力を最小限に低下させ、ふるいを取り出すことを同様の手順で行う。水との接触時間は、合計30秒である。残留した材料を100℃の乾燥器内で乾燥し、残留物の重量を測定する。
【0171】
方法A、方法Bによる例1、例2、先行技術のふるい試験の結果を、図14に示す。
【0172】
ふるい試験によって示されるように、本発明の分解剤を有する例1は、本発明の分解剤を有しない例2及び先行技術と、明らかに異なる。方法Aによれば、例1では元の顔料濃縮物の21%がふるい上に残る一方、各比較例及び本発明の分解剤を有しない例では元の造粒体の81%以上100%以下がふるい上に残ることが分かる。
【0173】
方法Bによる分解実験では、例1で、元の顔料濃縮物の7%が、残留物としてふるい上に残る。一方で、(本発明の分解剤を有しない)例2では90%、先行技術で公知の顔料濃縮物では65%以上99%以下の造粒体が、ふるい上に残る。
【0174】
方法A及び方法Bに従った、例1、例2、例5及び例6のふるい分け試験の結果を、図15に示す。
【0175】
例2及び例6(発明の分解剤を有しない)と、例1及び例5(発明の分解剤を有する)と、を比較することにより、分解剤が顔料濃縮物の分解度に対して明白な影響力を有することが分かる。元の顔料濃縮物のうち、例1では方法Aによる場合で21%、方法Bによる場合で7%が、ふるい上に残る一方、例2の残留物は方法Aによる場合で95%、方法Bによる場合で90%である。同様の結果が、例5及び例6においても得られる。例5に関し、方法Aに従ったふるい試験では16%の残留物、方法Bでは4%の残留物となる。その一方で、例6(本発明の分解剤を有しない)に関し、方法Aでは90%、方法Bでは80%の顔料濃縮物がふるい上に残る。
【0176】
圧縮試験IIaの造粒体に関する、方法A及び方法Bに従ったふるい試験、即ち、例A、例B、例C、例G、例F、及び、Bayferrox(登録商標)130顔料を含む先行技術の二比較例の結果を、図16に示す。
【0177】
本発明の分解剤を有する例A、例B、例C、例Gに関して、元の造粒体のうち、方法Aでは各々26%、75%、67%、57%であり、方法Bでは各々2%、35%、28%、18%が、水との接触後、ふるい上に残る。分解剤を有しない造粒体に関して、造粒体のうち、方法Aでは93%以上96%以下、方法Bでは82%以上87%以下が、水との接触後、ふるい上に確認される。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】実験Iにおける色強度を示す図である。
【図2】実験Iにおける色強度を示す図である。
【図3】実験Iにおける色強度を示す図である。
【図4】実験Iにおける色強度を示す図である。
【図5】実験Iにおける色強度を示す図である。
【図6】実験Iにおける色強度を示す図である。
【図7】実験IIにおける色強度を示す図である。
【図8】実験IIにおける色強度を示す図である。
【図9】実験IIにおける色強度を示す図である。
【図10】実験IIにおける色強度を示す図である。
【図11】実験IIにおける色強度を示す図である。
【図12】実験IIにおける色強度を示す図である。
【図13】実験IIaにおける色強度を示す図である。
【図14】方法A及び方法Bによるふるい試験の結果を示す図である。
【図15】方法A及び方法Bによるふるい試験の結果を示す図である。
【図16】方法A及び方法Bによるふるい試験の結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に、コンクリート等のセメントベース建材の着色、及び塗布、ペンキ等のための顔料濃縮物であって、少なくとも1つの顔料と、場合によっては、結合剤、分散剤、及び湿潤剤を有し、
少なくとも1つの分解剤を含み、
この分解剤は、充分量の水に前記濃縮物を接触させると、いかなる機械的撹拌なしでも、1分間以内で、前記顔料を放出しつつ、濃縮物の主構造を略完全に分解することを特徴とする顔料濃縮物。
【請求項2】
実験IIIで説明される方法Aによって水に1回浸した後、元の重量の75%以下、好ましくは60%以下、より好ましくは50%、更により好ましくは40%以下、特に好ましくは21%以下、最も好ましくは16%以下、の顔料粒子がふるい上に残る請求項1記載の顔料濃縮物。
【請求項3】
実験IIIで説明される方法Bによって水に10回浸した後、元の重量の65%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは40%、更に好ましくは30%以下、特に好ましくは20%以下、最も好ましくは2%以下、の顔料粒子がふるい上に残る請求項1又は2記載の顔料濃縮物。
【請求項4】
前記分解剤は、有機化合物である請求項1から3いずれか記載の顔料濃縮物。
【請求項5】
セルロースを有する分解剤を含む請求項1から4いずれか記載の顔料濃縮物。
【請求項6】
前記セルロースは、未変性セルロース及び/又は球状セルロースを含む請求項1から5いずれか記載の顔料濃縮物。
【請求項7】
前記分解剤は、10μm以上2000μm以下、より好ましくは10μm以上500μm以下、特に好ましくは10μm以上200μm以下、最も好ましくは20μm以上35μm、の粒子径(繊維長)を有するセルロース繊維を含む請求項1から6いずれか記載の顔料濃縮物。
【請求項8】
前記分解剤、特に前記セルロースは、20℃の水で実質的に不溶である請求項4から8いずれか記載の顔料濃縮物。
【請求項9】
前記セルロースは、部分的に非結晶性であり、好ましくは70重量%以下の結晶物質を含む請求項5から8いずれか記載の顔料濃縮物。
【請求項10】
乾燥濃縮物を主成分として、10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以上2重量%以下、の分解剤を有する請求項1から9いずれか記載の顔料濃縮物。
【請求項11】
スプレー造粒体、付着造粒体、押圧造粒体、押出成形造粒体、又は圧縮造粒体の形である請求項1から10いずれか記載の顔料濃縮物。
【請求項12】
例えば、リグニンスルホン酸、ポリアルキレングリコール、プロピレン酸ブロックポリマー、エチレン酸ブロックポリマー、及び/又はポリアクリル酸等の、結合剤、分散剤、及び/又は湿潤剤を有する請求項1から11いずれか記載の顔料濃縮物。
【請求項13】
前記顔料は、少なくとも1つの無機顔料、好ましくは、酸化鉄、コバルト酸化物、酸化チタン、酸化クロムのような酸化物、及び/又はカーボンブラック、及び/又は有機顔料を含む請求項1から12いずれか記載の顔料濃縮物。
【請求項14】
10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より好ましくは3重量%未満、の水分を有する請求項1から13いずれか記載の顔料濃縮物。
【請求項15】
コンクリート、モルタル、及びセメント等の建材用の充填剤、又は水性塗料、ペンキ等の充填材等を含む分散可能な固体の生成物であって、
請求項1から14いずれか記載の分解剤を含むことを特徴とする生成物。
【請求項16】
請求項1から14いずれか記載の顔料濃縮物を有するドライモルタル。
【請求項17】
コンクリート、セメント、モルタル、石膏、その他このような建材の着色方法であって、
前記建材を、請求項1から14いずれか記載の顔料濃縮物と混合し、前記顔料を、建材に混合することで分散する着色方法。
【請求項18】
水性塗料、ペンキ等の着色方法であって、
請求項1から14いずれか記載の顔料濃縮物を、液体塗料又はペンキベースに混合することで分散する方法。
【請求項19】
レディミックスコンクリート、このレディミックスコンクリートのモールド、敷石、モルタル、石、及び、屋根瓦用の乾燥混合物への請求項1から14いずれか記載の顔料濃縮物の使用方法。
【請求項20】
マルチ、紙、表面塗料、その他の有機物質を着色するための請求項1から14いずれか記載の顔料濃縮物の使用方法。
【請求項21】
膨張中に機械撹拌なしで、基本的に過剰の水に浸した後、30秒未満、好ましくは5秒未満の膨張時間を呈することができるセルロース生成物の、コンクリート、モルタル、及びセメント、又は、水性塗料、ペンキ等の充填材等を含む顔料濃縮物又は分散可能な固体の生成物における分解剤としての使用方法。
【請求項22】
前記セルロース生成物は、20℃で水に実質的に不溶のセルロースを含む請求項21記載の使用方法。
【請求項23】
前記セルロース生成物は、繊維性セルロースであり、少なくとも部分的に非結晶セルロースである請求項21又は22記載の使用方法。
【請求項24】
前記セルロース生成物は、70%以下の結晶性セルロースを有する水不溶性セルロースを含む請求項23記載の使用方法。
【請求項25】
前記セルロース生成物は、10μm以上2000μm以下、好ましくは10μm以上500μm以下、より好ましくは10μm以上200μm以下、特に好ましくは20μm以上35μm以下の粒径(繊維長)を有する請求項22から24いずれか記載の使用方法。
【請求項26】
前記セルロース生成物は、(乾燥濃縮物に対して、)10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以上2重量%以下である請求項21から25いずれか記載の使用方法。
【請求項27】
スプレー造粒体、付着造粒体、押圧造粒体、押出成形造粒体、又は圧縮造粒体における請求項21から26いずれか記載の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2006−524726(P2006−524726A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505326(P2006−505326)
【出願日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004561
【国際公開番号】WO2004/096922
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(505381471)ブロックヒューズ ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー (1)
【Fターム(参考)】