説明

近接場光利用ヘッド

【課題】 空気浮上型近接場光利用ヘッドに光源からの光を安定的に導入することと、高速で回転する記録媒体表面に対してヘッドが所定の姿勢を維持することを両立させる。
【解決手段】 近接場光利用ヘッド106において、近接場光を発生あるいは検出する近接場光素子部を持つ近接場光基板112と、光源からの光を伝搬させる光導入部103が固定され光の伝搬方向を近接場光基板方向に変えるミラー基板111とから成り、近接場光基板はサスペンションアームに固定されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は光の回折限界を超える分解能を持つ近接場光を利用することで高密度な情報記録再生を行うストレージ用の近接場光利用ヘッドに関し、特に空気浮上することで記録媒体から微小な距離を維持する空気浮上型の近接場光利用ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
近年情報化社会における画像・動画情報の急激な増加に対応するため、情報記録再生装置は大容量化・小型化が進められている。光を用いた情報記録再生装置においては、記録密度が光波長に依存するため、短い波長の光を用いることで高密度化が図られてきた。波長に依存しない密度の実現の方法としては、近接場光を用いた記録再生原理が注目されている。磁気を用いた情報記録再生装置においては、記録媒体表面の微小領域を分離して磁化し、またそれを検出するために、微小領域のみに近接場光を照射することで加熱してから磁化させる近接場光アシスト磁気記録方式が、次世代の記録再生原理の有力候補と見られている。
【0003】
近接場光を利用した記録再生装置の構成は、磁気ディスク装置とほぼ同様であり、磁気ヘッドに代わり、近接場光利用ヘッドを用いる。近接場光利用ヘッドは、光学的微小開口やナノメートルサイズの突起などから近接場光を発生させる部分を持つ。近接場光利用ヘッドをサスペンションアームの先端に取り付けて空気浮上技術により一定の高さに浮上させ、記録媒体上に存在する任意のデータマークへアクセスする。高速度回転する記録媒体に近接場光利用ヘッドを追従させるため、近接場光利用ヘッドには記録媒体のうねりに対応して姿勢を安定させるフレクチャ機能をもたせている。このような構成の近接場光利用ヘッドにおいて、ヘッドに光を供給する光導入部の構成として、ヘッドの上方あるいは水平方向に設けたレーザーを直接ヘッドに照射する構成(例えば、特許文献1参照。)、あるいは光ファイバーや光導波路をヘッドに接続する構成(例えば、特許文献2参照。)をとっていた。
【0004】
ヘッドは、記録媒体に対向する底面側に近接場光を発生あるいは検出する近接場光素子部を持ち、それと反対の上面側に光導入部が接続され、光導入部がフレクチャに接着されている。
【特許文献1】特開2000−131501号公報(第5−6頁、第1図)
【特許文献2】国際公開WO00/28536号公報(第74−75頁、第30、34図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の近接場光利用ヘッドにおいては、近接場光素子部を持つ近接場光基板は光導入部と接着され、フレクチャは光導入部あるいは光導入部が固定された基板に接着されていた。記録媒体がうねりを持ちながら高速に回転するとき、フレクチャはサスペンションアームに対して姿勢を高速に変動させることでヘッドが媒体表面から所定の高さを維持して安定的に浮上することができる。すなわちフレクチャはサスペンションアームに対して姿勢を変動し続けている。一方、光導入部は光を近接場光基板の所定の位置に対して安定して照射させることが要求されており、光導入部と近接場光基板は固定されていなければならない。このような要求から、光導入部はフレクチャよりも下方に位置していなければならず、上方からサスペンションアーム、フレクチャ、光導入部、近接場光基板の順に構成されている必要があった。このため、サスペンションアームからフレクチャを通してかけられる荷重は光導入部自体あるいは光導入部が固定されている基板にかかり、近接場光基板の底面から離れているため安定した浮上をさせることが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、サスペンションアームに固定され、回転する記録媒体表面からの空気浮上力と前記サスペンションアームからの荷重力の均衡によって前記記録媒体表面から所定の距離を保って浮上し、前記記録媒体との間に近接場光による相互作用を持つ近接場光利用ヘッドにおいて、前記記録媒体表面に対向して配置され、前記記録媒体表面と対向する下部に前記近接場光を発生あるいは検出する近接場光素子部を有する近接場光基板と、光源からの光、または前記近接場光素子部を介して得られた光を伝搬させる光導入部が固定され、且つ前記近接場光基板の前記下部とは反対側の上部に接着して設けられ、前記光の伝搬方向を変えるミラー基板とから成り、前記サスペンションアームの先端部に形成されたフレクチャ部を前記近接場基板の前記上部に前記ミラー基板と並設して固定することにより、前記近接場光基板が前記サスペンションアームに固定されていることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、この相互作用が情報の記録あるいは再生を行うものであることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、この相互作用が、磁場による情報の記録あるいは再生を補助するものであることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、光導入部が光ファイバーであることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、光導入部がプラスチックから成る光導波路であることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、ミラー基板がSi基板の結晶異方性エッチングによって形成されたV溝によって光導入部を固定するものであることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、ミラー基板がSi基板の結晶異方性エッチングによって形成されたミラー面を持つことを特徴とする。
【0013】
また本発明は、近接場光素子部が、光の波長より小さなサイズの光学的開口を持つことを特徴とする。
【0014】
また本発明は、近接場光素子部が、先鋭化した角を持つ金属片を持つことを特徴とする。
【0015】
また本発明は、金属片が光によってプラズモンを励起される材料を含むことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、光導入部が、光の偏光状態を維持する偏光保存機能を持つことを特徴とする。
【0017】
また本発明は、近接場光基板が、近接場光素子部の反対側にレンズを持つことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、サスペンションアームからの荷重が直接近接場光基板にかかるため、記録媒体からの空気浮上力を受ける近接場光基板底面からの距離が短く、ヘッドが安定して浮上することができる。
【0019】
また本発明によれば、近接場光のみによって情報の記録再生が可能となり、簡単な構成で高密度記録に対応するヘッドを実現することができる。
【0020】
また本発明によれば、近接場光によって光の回折限界を超えた微小領域を加熱することが可能となり、このような近接場光による加熱をアシストとして磁気記録を行うヘッドは、磁気のみによる記録に比べより高密度な記録再生ができる。
【0021】
また本発明によれば、光源から高い効率で光を伝搬しヘッドに導入することが可能となり、強い近接場光を発生させることで信号強度を上げ、高いS/Nを実現することができる。
【0022】
また本発明によれば、光導入部が極めて薄型で細く機械的強度も大きくなるため、ナノレベルの微小な空気浮上時であってもヘッドが安定した姿勢を維持できる。
【0023】
また本発明によれば、高い形状精度のV溝を持つミラー基板を容易に製造することができる。
【0024】
また本発明によれば、高い形状精度のミラー面を持つミラー基板を容易に製造することが可能となり、ミラー面における光の損失を低減することで高S/Nの信号を得ることができる。
【0025】
また本発明によれば、近接場光素子部から発生する光のうち近接場光成分を高くすることで、バックグラウンド光が弱い状態で記録媒体と相互作用が可能となり、高S/Nの信号を得ることができる。
【0026】
また本発明によれば、金属片の先鋭部に高いエネルギーを局在させることによって高密度な情報の記録再生ができる。
【0027】
また本発明によれば、金属片の先鋭部に微細にエネルギーを増強することによって高密度記録に対応した高S/Nの信号を得ることができる。
【0028】
また本発明によれば、近接場光発生素子部のうちの一部分にエネルギーを局在化させることで高密度な情報の記録再生ができる。
【0029】
また本発明によれば、光導入部からの光を近接場光発生素子部に集中させることで強い近接場光を発生させ、高S/Nの信号を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(実施の形態1)
図1に本発明の実施の形態1に係る近接場光利用ヘッドを用いた情報再生装置の概略を示す。本実施の形態に係る情報再生装置は、従来の磁気ディスク装置と基本構成は類似であり、近接場光を発生する微小開口(図示略)を有するヘッド106を記録媒体107の表面に数〜数十ナノメートルまで近接した状態で記録媒体107を高速に回転させ、ヘッド106が記録媒体107に対して常に一定の姿勢で浮上するために、フレクチャ105をサスペンションアーム104の先端部に形成している。サスペンションアーム104は、ボイスコイルモータ(図示略)によって記録媒体107の半径方向に移動可能である。ここで、ヘッド106は、記録媒体107に微小開口が対面するように配置されている。
【0031】
レーザー101からの光束はレンズ102を介して光ファイバー103に導かれ、光ファイバー103からヘッド106に導入される。ここでヘッド106への光導入部として光ファイバー103を用いたが、所定の屈折率を持つ酸化シリコンをパターニングして作製した光導波路、あるいは樹脂から成る光導波路であってもよい。必要に応じて、レーザー101は回路系108により強度変調などをかけることもできる。概略をわかりやすくするために、サスペンションアーム104とフレクチャ105とヘッド106はそれぞれ分解した形で示してあるが、実際には、それぞれは接続され必要に応じて固定されている。
【0032】
光ファイバー103からの光は、記録媒体107の表面に対して略水平方向からヘッド106に導入される。ヘッド106はこの光の伝搬方向を変え記録媒体107の表面方向に向かわせた後、微小開口によって近接場光に変換する。近接場光はレーザー101からの出射光波長よりもはるかに微細な空間に局在しており、記録媒体107表面の微細な領域のみと相互作用し、その結果散乱光を発生させる。記録媒体107表面には数〜数十ナノメートルサイズの記録ドット(図示略)が光学的に記録されており、このドットと近接場光との相互作用によって散乱された光は光検出器(図示略)によって検出されて出力信号となる。本実施の形態においては、光検出器は記録媒体107の裏面側に配置することによって、記録媒体107を透過した光を検出したが、ヘッド106側に配置することで記録媒体107からの反射光を検出することも可能である。また記録ドットは、記録媒体107の表面に凹凸形状を形成することで形成されているが、屈折率の異なる微細領域を配置することで形成することも可能である。
【0033】
図2はヘッド106の斜視図を示す。近接場光利用ヘッド106はミラー基板111と近接場光基板112が接着された2枚基板構成になっており、ミラー基板111には光ファイバー103が固定されている。近接場光基板112はフレクチャ板114に接着固定されている。近接場光基板112は、その底面113に光学的微小開口(図示略)を持つ。フレクチャ板114は図1で説明したフレクチャ105の先端部であり、図1に示したサスペンションアームに対して微小に方向を変化させ得る。光源(図示略)からの光は光ファイバー103内を伝搬した後、ミラー基板111内で方向を変えて近接場光基板112に入射し、微小開口(図示略)において近接場光となる。
【0034】
図3はヘッド106の上面図を示す。フレクチャ板114は近接場光基板112のうち図中下部のみを覆っている。ミラー基板111はV溝121を持っており、光ファイバー103がV溝121内に接着固定されている。V溝121の終端部はミラー面122となっている。ミラー基板111はSiから成り、V溝121はSiの結晶異方性エッチングによって形成した。
【0035】
図4はヘッド106のファイバー103を含み、ミラー基板111及び近接場光基板112に垂直な面における断面図を示す。ヘッド106はミラー基板111と近接場光基板112が接着固定された構成になっている。ミラー基板111はV溝121を持ち、V溝121の終端部はミラー面122となっている。光ファイバー103はV溝121に固定されており、その先端部131は斜めに研磨されている。近接場光基板112はガラスから成り、上面にマイクロレンズ132、底面にABS(エアベアリングサーフェス)133と近接場光素子部としての錐状ティップ134を持つ。錐状ティップ134は高さ約10ミクロンの三角錐であり、遮光膜としてAl膜(図示略)が約200ナノメートル蒸着されている。錐状ティップ134の先端はAl膜が除去されていることによって光学的開口(図示略)となっている。光源(図示略)からの光141は光ファイバー103に入射し、光ファイバー103の先端部131から出射した後、ミラー面122で反射し、マイクロレンズ132によって集光されつつ、錐状ティップ134内を伝搬する。
【0036】
これにより、錐状ティップ134の先端の光学的微小開口から近接場光142が発生する。記録媒体(図示略)が回転することによって発生する空気浮上力をABS133が受け、サスペンションアームからフレクチャ板を介してかけられる荷重との均衡によって、ヘッド106は記録媒体に対して常に一定の姿勢を保持した状態で浮上する。近接場光142が記録媒体表面の微小領域と相互作用することで情報の記録再生を行う。相互作用は、微小領域の屈折率を変化させる方式や、微小領域の形状を検出する方式などとすることができる。また、磁気コイルなど磁場を発生させる部分をヘッド106内に持たせておき、近接場光142によって記録媒体表面の微小領域を予熱してから磁場をかけることで微小領域の磁化状態を変化させる、いわゆる近接場光アシスト磁気記録を行うこともできる。
【0037】
従来のヘッドではミラー基板の上にフレクチャ板が固定されていたが、本実施の形態のような構造のヘッドにすることによって、近接場光基板にフレクチャ板が直接固定されているために、サスペンションアームからの荷重を受ける面と、記録媒体からの空気浮上力を受ける面を近接させることができる。これにより、記録媒体の面ぶれやうねりに対してヘッドが一定の姿勢を安定して保持することができる。
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2に係る近接場光利用ヘッド150の底面図である。近接場光利用ヘッド150は近接場光基板112とミラー基板111が接着固定された構造である。近接場光基板112はフレクチャ板114に接着固定されている。ミラー基板111はSiから成り、V溝121を持つ。V溝121はその終端部がミラー面122となる。光ファイバー103はV溝121内に固定される。近接場光基板112はガラスから成り、その底面にABS133と錐状ティップ134を持つ。錐状ティップ134はガラスの等方性サイドエッチングを利用して作製した円錐状であり、高さが約10ミクロンである。錐状ティップ134の表面は遮光膜(図示略)としてAl膜が蒸着されている。錐状ティップ134の先端部は微小領域のみAl膜が除去されていることで光学的開口(図示略)となっている。
【0038】
サスペンションアームからの荷重はフレクチャ板114を介して直接近接場光基板112の上面にかけられ、記録媒体からの空気浮上力はABS133にかけられる。この両者の力の均衡によって、近接場光利用ヘッド150は回転する記録媒体からナノオーダーの微小距離を保ちながら浮上する。サスペンションアームからの荷重と、記録媒体からの浮上力がかけられる面が近接しているため、近接場光利用ヘッド150は、浮上中に横方向からの力を受けた場合でも安定して姿勢を維持することができる。
(実施の形態3)
図6は本発明の実施の形態3に係る近接場光利用ヘッド160の底面図である。実施の形態2と基本的な構成は同一であるので同一符号を付けた。実施の形態2との相違は、光ファイバー103が、ABS133と直交する向きに接続され、フレクチャ板114の上面サイズが近接場光基板112よりも小さい点である。このような構造にすることでも、近接場光利用ヘッド160が安定的に浮上するという効果を実現できる。
【0039】
以上の実施の形態においては光ファイバー103を光導入部の例として説明したが、プラスチックから成る光導波路を用いても良い。また、これらの光導入部はレーザーからの光の偏光状態を保持する偏光保存型のものを用いることができる。その場合は、近接場光発生素子部が発生する近接場光が、素子部への入射光の偏光状態に依存することを利用することで、光のより高い局在化を実現でき、より高密度な情報の記録再生に用いることができる。近接場光発生素子部は、遮光膜で囲まれた光学的微小開口を用いることもできるが、先鋭化した金属片を対向させてそのすきま(ギャップ)に光を照射することで近接場光を発生させる構造を用いることもできる。
【0040】
図7は近接場光発生素子部の形状の例を示す。図7(a)は三角錐状ティップ201の先端に光学的開口202を持つ構造を示す。図7(b)は平板211に円形の光学的開口212を持つ構造を示す。図7(c)は四角錐状ティップ221の頂面222にボウタイ状Au膜223を持つ構造を示す。ボウタイ状Au膜223はその中心部に微細なギャップ224を持つ。これらの近接場光発生部に光を入射させることで微小な空間に強い近接場光を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態1に係る近接場光利用ヘッドを用いた情報再生装置の概略図。
【図2】本発明の実施の形態1に係る近接場光利用ヘッドの斜視図。
【図3】本発明の実施の形態1に係る近接場光利用ヘッドの上面図。
【図4】本発明の実施の形態1に係る近接場光利用ヘッドの断面図。
【図5】本発明の実施の形態2に係る近接場光利用ヘッドの底面図。
【図6】本発明の実施の形態3に係る近接場光利用ヘッドの底面図。
【図7】本発明に係る近接場光発生素子部の形状の例。
【符号の説明】
【0042】
101 レーザー
102 レンズ
103 光ファイバー
104 サスペンションアーム
105 フレクチャ
106 ヘッド
107 記録媒体
108 回路系
111 ミラー基板
112 近接場光基板
113 近接場光基板112の底面
114 フレクチャ板
121 V溝
122 ミラー面
131 光ファイバー103の先端部
132 マイクロレンズ
133 ABS(エアベアリングサーフェス)
134 錐状ティップ
141 光源(図示略)からの光
142 近接場光
150 近接場光利用ヘッド
160 近接場光利用ヘッド
201 三角錐状ティップ
202 光学的開口
211 平板
212 光学的開口
221 四角錐状ティップ
222 四角錐状ティップ221の頂面
223 ボウタイ状Au膜
224 ギャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サスペンションアームに固定され、回転する記録媒体表面からの空気浮上力と前記サスペンションアームからの荷重力の均衡によって前記記録媒体表面から所定の距離を保って浮上し、前記記録媒体との間に近接場光による相互作用を持つ近接場光利用ヘッドにおいて、
前記記録媒体表面に対向して配置され、前記記録媒体表面と対向する下部に前記近接場光を発生あるいは検出する近接場光素子部を有する近接場光基板と、
光源からの光、または前記近接場光素子部を介して得られた光を伝搬させる光導入部が固定され、且つ前記近接場光基板の前記下部とは反対側の上部に接着して設けられ、前記光の伝搬方向を変えるミラー基板とから成り、
前記サスペンションアームの先端部に形成されたフレクチャ部を前記近接場基板の前記上部に前記ミラー基板と並設して固定することにより、前記近接場光基板が前記サスペンションアームに固定されていることを特徴とする近接場光利用ヘッド。
【請求項2】
前記近接場光による前記相互作用によって情報の記録あるいは再生を行うことを特徴とする近接場光利用ヘッド。
【請求項3】
前記近接場光による前記相互作用によって磁場による情報の記録あるいは再生を補助することを特徴とする近接場光利用ヘッド。
【請求項4】
前記光導入部が光ファイバーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の近接場光利用ヘッド。
【請求項5】
前記光導入部がプラスチックから成る光導波路であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の近接場光利用ヘッド。
【請求項6】
前記ミラー基板はSi基板の結晶異方性エッチングによって形成されたV字形状の溝を有し、前記光導入部が前記V字形状の溝に固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の近接場光利用ヘッド。
【請求項7】
前記ミラー基板がSi基板の結晶異方性エッチングによって形成されたミラー面を持つことを特徴とする請求項1〜4、及び6のいずれかに記載の近接場光利用ヘッド。
【請求項8】
前記近接場光素子部が、前記光の波長より小さなサイズの光学的開口を持つことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の近接場光利用ヘッド。
【請求項9】
前記近接場光素子部が、先鋭化した角を持つ金属片を持つことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の近接場光利用ヘッド。
【請求項10】
前記金属片が前記光によってプラズモンを励起される材料を含むことを特徴とする請求項9に記載の近接場光利用ヘッド。
【請求項11】
前記光導入部が、前記光の偏光状態を維持する偏光保存機能を持つことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の近接場光利用ヘッド。
【請求項12】
前記近接場光基板が、前記近接場光素子部の反対側にレンズを持つことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の近接場光利用ヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−109269(P2007−109269A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−295864(P2005−295864)
【出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成15年度経済産業省新規プロジェクト「大容量ストレージ技術の開発事業」)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】