説明

近接場光探針、光学装置、プローブ顕微鏡、及びプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置

【課題】試料を汚染せずに、かつ、高い分解能で信頼性の高い測定結果を得ることができるようにする。
【解決手段】プローブ14は、円錐凹状に形成され、プローブ14の内面には、表面プラズモン共鳴が起きるように、金属蒸着によって金属膜コート30がプローブ14の先端まで形成されている。プローブ14において、情報検出レーザ光19を先端にフォーカスさせると、金属膜コート30の表面でプラズモン共鳴を起こし、先端から近接場光31が発生し、近接場光31が試料に照射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近接場光探針、光学装置、プローブ顕微鏡、及びプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置に係り、特に、片持ち張り(カンチレバー)を用いて試料の試料情報を検出する近接場光探針、光学装置、プローブ顕微鏡、及びプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、近接場光顕微鏡に使用される探針は、微小開口を探針先端に形成する必要がある。これは、近接場光を波長より小さい微小開口で形成する必要があるからである。従来の探針は、探針の骨格を、光を透過する材質で錘状に形成し、かつ、探針の外側に金属膜を形成し、この先端に微小開口を形成した構造となっている。
【0003】
例えば、先端及び側面が金属または半金属でコートされたプローブであり、上記コートは先端部分において、固相拡散によって形成した開口を有することを特徴とする近接場プローブを用いた近接場光顕微鏡及び近接場光記録装置が知られている(特許文献1)。
【0004】
また、近接場光顕微鏡を操作する場合に、探針試料間隙を一定に制御する必要があり、この場合、従来技術である原子間力顕微鏡の原理を使用する。例えば、コンタクトモード制御、タッピングモード制御、シャーフォースモード制御などの制御方法がある。
【特許文献1】特開2001−056279
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の近接場光顕微鏡では、従来の制御方法で探針試料間隙を制御し、探針先端が試料表面と接触すると、形成された微小開口が破壊され、あるいは、大きくなってしまうため、分解能が落ち、測定結果の信頼性が損なわれてしまう、という問題がある。
【0006】
また、探針が試料と接触すると、微小開口を形成している金属膜の一部が試料を汚染する危険性があるため、半導体プロセスでのインラインの測定には適さない、という問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、試料を汚染せずに、かつ、高い分解能で信頼性の高い測定結果を得ることができる近接場光探針、光学装置、プローブ顕微鏡、及びプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために第1の発明に係る近接場光探針は、先端に向かうに従って狭窄した凹部が光を透過する光透過材料で形成されると共に、凹部の内面が金属膜でコーティングされた探針を端部に設けたカンチレバーを含んで構成されている。
【0009】
第1の発明に係る近接場光探針によれば、カンチレバーの探針にレーザ光が照射されると、金属膜の表面でプラズモン共鳴を起こし、探針の先端から近接場光が発生する。そして、近接場光を試料に照射して、試料を測定する。
【0010】
従って、カンチレバーの探針の凹部の内面を、金属膜でコーティングすることにより、近接場光を発生させて高い分解能で試料を測定でき、また、探針の先端に微小開口が形成されておらず、探針の外部には金属膜がコーティングされていないため、試料を汚染せずに、かつ、信頼性の高い測定結果を得ることができる。
【0011】
また、第2の発明に係る光学装置は、上記の近接場光探針を用いて構成されている。第2の発明に係る光学装置によれば、カンチレバーの探針の凹部の内面を、金属膜でコーティングすることにより、近接場光を発生させて高い分解能で試料を測定でき、また、探針の先端に微小開口が形成されておらず、探針の外部には金属膜がコーティングされていないため、試料を汚染せずに、かつ、信頼性の高い測定結果を得ることができる。
【0012】
第3の発明に係るプローブ顕微鏡は、先端に向かうに従って狭窄した凹部が光を透過する光透過材料で形成されると共に、凹部の内面が金属膜でコーティングされた探針を端部に設け、かつ、前記探針と試料の表面との間に原子間力が作用するように配置されたカンチレバーと、前記カンチレバーの探針の先端へ情報検出レーザ光を照射して近接場光を発生させるレーザ光源を備え、前記近接場光の前記試料への照射による前記試料からの戻り光によって前記試料の試料情報を検出する情報検出光学系と、少なくとも前記情報検出レーザ光の波長以外の波長帯を有する照明光を前記カンチレバーに照射する照明光源を備え、該照明光源からの照明光の前記カンチレバーからの戻り光の光学像によって、前記情報検出レーザ光の照射状態を観察する観察照明光学系と、前記情報検出光学系及び前記観察照明光学系に対して共通に設けられた対物レンズとを含んで構成されている。
【0013】
第4の発明に係るプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置は、記録媒体に情報の記録及び再生の少なくとも一方を行うプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置であって、先端に向かうに従って狭窄した凹部が光を透過する光透過材料で形成されると共に、凹部の内面が金属膜でコーティングされた探針を端部に設け、かつ、前記探針と前記記録媒体の表面との間に原子間力が作用するように配置されたカンチレバーと、前記カンチレバーの探針の先端へ情報検出レーザ光を照射して近接場光を発生させるレーザ光源を備え、前記近接場光の前記記録媒体への照射による前記記録媒体からの戻り光によって前記記録媒体の記録情報を検出する情報検出光学系と、少なくとも前記情報検出レーザ光の波長以外の波長帯を有する照明光を前記カンチレバーに照射する照明光源を備え、該照明光源からの照明光の前記カンチレバーからの戻り光の光学像によって、前記情報検出レーザ光の照射状態を観察する観察照明光学系と、前記情報検出光学系及び前記観察照明光学系に対して共通に設けられた対物レンズとを含んで構成されている。
【0014】
第3の発明に係るプローブ顕微鏡及び第4の発明に係るにプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置よれば、情報検出光学系によって、レーザ光源から対物レンズを通じて、カンチレバーの探針の先端へ情報検出レーザ光が照射され、探針の凹部の内面の金属膜の表面でプラズモン共鳴が起こり、探針の先端から近接場光が発生する。そして、近接場光が試料又は記録媒体に照射され、試料又は記録媒体からの戻り光が、対物レンズを通じて検出されて、試料の試料情報又は記録媒体の記録情報が検出される。
【0015】
また、観察照明光学系によって、照明光源から対物レンズを通じて、カンチレバーに照明光が照射され、照明光のカンチレバーからの戻り光が、対物レンズを通じて検出されて、戻り光の光学像によって、情報検出レーザ光の照射状態が観察される。
【0016】
従って、カンチレバーの探針の凹部の内面を、金属膜でコーティングすることにより、近接場光を発生させて高い分解能で試料又は記録媒体を測定して、試料情報又は記録情報を検出でき、また、探針の先端に微小開口が形成されておらず、探針の外部には金属膜がコーティングされていないため、試料又は記録媒体を汚染せずに、かつ、信頼性の高い測定結果を得ることができる。また、観察照明光学系と情報検出光学系とに対する対物レンズを共通の対物レンズとすることにより、構成の簡潔化、占有空間の小型化を図ることができる。
【0017】
また、第5の発明に係るプローブ顕微鏡は、先端に向かうに従って狭窄した凹部が光を透過する光透過材料で形成されると共に、凹部の内面が金属膜でコーティングされた探針を端部に設け、かつ、前記探針と試料の表面との間に原子間力が作用するように配置されたカンチレバーと、前記カンチレバーの探針の先端へ情報検出レーザ光を照射して近接場光を発生させるレーザ光源を備え、前記近接場光の前記試料への照射による前記試料からの戻り光によって前記試料の試料情報を検出する情報検出光学系と、少なくとも前記情報検出レーザ光の波長以外の波長帯を有する照明光を前記カンチレバーに照射する照明光源を備え、該照明光源からの照明光の前記カンチレバーからの戻り光の光学像によって、前記情報検出レーザ光の照射状態を観察する観察照明光学系と、前記情報検出レーザ光とは異なる波長の変位検出レーザ光を前記カンチレバーへ照射するレーザ光源を備え、前記変位検出レーザ光の前記カンチレバーからの戻り光から前記カンチレバーの変位を検出するカンチレバーの変位検出光学系と、前記情報検出光学系、前記観察照明光学系、及び前記カンチレバーの変位検出光学系に対して共通に設けられた対物レンズとを含んで構成されている。
【0018】
第6の発明に係るプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置は、記録媒体に情報の記録及び再生の少なくとも一方を行うプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置であって、先端に向かうに従って狭窄した凹部が光を透過する光透過材料で形成されると共に、凹部の内面が金属膜でコーティングされた探針を端部に設け、かつ、前記探針と前記記録媒体の表面との間に原子間力が作用するように配置されたカンチレバーと、前記カンチレバーの探針の先端へ情報検出レーザ光を照射して近接場光を発生させるレーザ光源を備え、前記近接場光の前記記録媒体への照射による前記記録媒体からの戻り光によって前記記録媒体の記録情報を検出する情報検出光学系と、少なくとも前記情報検出レーザ光の波長以外の波長帯を有する照明光を前記カンチレバーに照射する照明光源を備え、該照明光源からの照明光の前記カンチレバーからの戻り光の光学像によって、前記情報検出レーザ光の照射状態を観察する観察照明光学系と、前記情報検出レーザ光とは異なる波長の変位検出レーザ光を前記カンチレバーへ照射するレーザ光源を備え、前記変位検出レーザ光の前記カンチレバーからの戻り光から前記カンチレバーの変位を検出するカンチレバーの変位検出光学系と、前記情報検出光学系、前記観察照明光学系、及び前記カンチレバーの変位検出光学系に対して共通に設けられた対物レンズとを含んで構成されている。
【0019】
第5の発明に係るプローブ顕微鏡及び第6の発明に係るプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置によれば、情報検出光学系によって、レーザ光源から対物レンズを通じて、カンチレバーの探針の先端へ情報検出レーザ光が照射され、探針の凹部の内面の金属膜の表面でプラズモン共鳴が起こり、探針の先端から近接場光が発生する。そして、近接場光が試料又は記録媒体に照射され、試料又は記録媒体からの戻り光が、対物レンズを通じて検出されて、試料の試料情報又は記録媒体の記録情報が検出される。
【0020】
また、カンチレバーの変位検出光学系によって、レーザ光源から対物レンズを通じて、カンチレバーへ変位検出レーザ光が照射され、カンチレバーからの戻り光が、対物レンズを通じて検出されて、カンチレバーの変位が検出される。
【0021】
また、観察照明光学系によって、照明光源から対物レンズを通じて、カンチレバーに照明光が照射され、照明光のカンチレバーからの戻り光が、対物レンズを通じて検出されて、戻り光の光学像によって、情報検出レーザ光の照射状態が観察される。
【0022】
従って、カンチレバーの探針の凹部の内面を、金属膜でコーティングすることにより、近接場光を発生させて高い分解能で試料又は記録媒体を測定して、試料情報又は記録情報を検出でき、また、探針の先端に微小開口が形成されておらず、探針の外部には金属膜がコーティングされていないため、試料又は記録媒体を汚染せずに、かつ、信頼性の高い測定結果を得ることができる。また、観察照明光学系と情報検出光学系とカンチレバーの変位検出光学系とに対する対物レンズを共通の対物レンズとすることにより、構成の簡潔化、占有空間の小型化を図ることができる。
【0023】
また、第7の発明に係るプローブ顕微鏡は、先端に向かうに従って狭窄した凹部が光を透過する光透過材料で形成されると共に、凹部の内面が金属膜でコーティングされた探針を端部に設け、かつ、前記探針と試料の表面との間に原子間力が作用するように設置されたカンチレバーと、前記カンチレバーの探針の先端へ情報検出レーザ光を照射して、近接場光を発生させるレーザ光源を備え、前記近接場光の前記試料への照射による前記試料からの戻り光によって前記試料の試料情報を検出する情報検出光学系と、少なくとも前記情報検出レーザ光の波長以外の波長帯を有する照明光を前記カンチレバーに照射する照明光源を備え、該照明光源からの照明光の前記カンチレバーからの戻り光の光学像によって、前記情報検出レーザ光の照射状態を観察する観察照明光学系と、前記情報検出光学系及び前記観察照明光学系に対して共通に設けられた対物レンズと、前記対物レンズとは異なる外部レンズ系、及び前記情報検出レーザ光とは異なる波長の変位検出レーザ光を、前記外部レンズ系を通じて前記カンチレバーへ照射するレーザ光源を備え、前記変位検出レーザ光の前記カンチレバーからの戻り光から前記カンチレバーの変位を検出するカンチレバーの変位検出光学系とを含んで構成されている。
【0024】
第8の発明に係るプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置は、記録媒体に情報の記録及び再生の少なくとも一方を行うプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置であって、先端に向かうに従って狭窄した凹部が光を透過する光透過材料で形成されると共に、凹部の内面が金属膜でコーティングされた探針を端部に設け、かつ、前記探針と前記記録媒体の表面との間に原子間力が作用するように設置されたカンチレバーと、前記カンチレバーの探針の先端へ情報検出レーザ光を照射して、近接場光を発生させるレーザ光源を備え、前記近接場光の前記記録媒体への照射による前記記録媒体からの戻り光によって前記記録媒体の記録情報を検出する情報検出光学系と、少なくとも前記情報検出レーザ光の波長以外の波長帯を有する照明光を前記カンチレバーに照射する照明光源を備え、該照明光源からの照明光の前記カンチレバーからの戻り光の光学像によって、前記情報検出レーザ光の照射状態を観察する観察照明光学系と、前記情報検出光学系及び前記観察照明光学系に対して共通に設けられた対物レンズと、前記対物レンズとは異なる外部レンズ系、及び前記情報検出レーザ光とは異なる波長の変位検出レーザ光を、前記外部レンズ系を通じて前記カンチレバーへ照射するレーザ光源を備え、前記変位検出レーザ光の前記カンチレバーからの戻り光から前記カンチレバーの変位を検出するカンチレバーの変位検出光学系とを含んで構成されている。
【0025】
第7の発明に係るプローブ顕微鏡及び第8の発明に係るプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置によれば、情報検出光学系によって、レーザ光源から対物レンズを通じて、カンチレバーの探針の先端へ情報検出レーザ光が照射され、探針の凹部の内面の金属膜の表面でプラズモン共鳴が起こり、探針の先端から近接場光が発生する。そして、近接場光が試料又は記録媒体に照射され、試料又は記録媒体からの戻り光が、対物レンズを通じて検出されて、試料の試料情報又は記録媒体の記録情報が検出される。
【0026】
また、カンチレバーの変位検出光学系によって、レーザ光源から外部レンズ系を通じて、カンチレバーへ変位検出レーザ光が照射され、カンチレバーからの戻り光によって、カンチレバーの変位が検出される。
【0027】
また、観察照明光学系によって、照明光源から対物レンズを通じて、カンチレバーに照明光が照射され、照明光のカンチレバーからの戻り光が、対物レンズを通じて検出されて、戻り光の光学像によって、情報検出レーザ光の照射状態が観察される。
【0028】
従って、カンチレバーの探針の凹部の内面を、金属膜でコーティングすることにより、近接場光を発生させて高い分解能で試料又は記録媒体を測定して、試料情報又は記録情報を検出でき、また、探針の先端に微小開口が形成されておらず、探針の外部には金属膜がコーティングされていないため、試料又は記録媒体を汚染せずに、かつ、信頼性の高い測定結果を得ることができる。また、観察照明光学系と情報検出光学系とに対する対物レンズを共通の対物レンズとすることにより、構成の簡潔化、占有空間の小型化を図ることができる。
【0029】
第3の発明、第5の発明、及び第7の発明に係るプローブ顕微鏡と、第4の発明、第6の発明、及び第8の発明に係るプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置とは、情報検出レーザ光を対物レンズに向かわせる波長選択性を有する波長選択素子を更に含むことができる。これにより、情報検出レーザは、波長選択素子を通じて、カンチレバーの探針の先端へ照射され、試料又は記録媒体からの戻り光が、波長選択素子を通じて検出される。
【0030】
上記の波長選択素子は、照明光源からの照明光から情報検出レーザ光の波長の光成分を排除し、該光成分が排除された照明光を情報検出レーザ光とともに対物レンズに向かわせる波長選択性を有することができる。
【0031】
第5の発明に係るプローブ顕微鏡及び第6の発明に係るプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置は、変位検出レーザ光を前記対物レンズに向かわせる波長選択性を有する第1の波長選択素子と、情報検出レーザ光を対物レンズに向かわせる波長選択性を有する第2の波長選択素子とを更に含むことができる。これにより、変位検出レーザは、第1の波長選択素子を通じて、カンチレバーへ照射され、カンチレバーからの戻り光が、第1の波長選択素子を通じて検出される。また、情報検出レーザは、第2の波長選択素子を通じて、カンチレバーの探針の先端へ照射され、試料又は記録媒体からの戻り光が、第2の波長選択素子を通じて検出される。
【0032】
また、上記第1の波長選択素子は、照明光源からの照明光から変位検出レーザ光の波長の光成分を排除し、該光成分が排除された照明光を変位検出レーザ光とともに対物レンズに向かわせる波長選択性を有し、第2の波長選択素子は、照明光源からの照明光から情報検出レーザ光の波長の光成分を排除し、該光成分が排除された照明光を情報検出レーザ光とともに対物レンズに向かわせる波長選択性を有することができる。
【0033】
上記の波長選択素子を、ダイクロイックミラーとすることができる。
【0034】
また、上記の波長選択素子を、所定の波長をカットするカットフィルタとすることができる。
【0035】
また、上記の情報検出光学系は、近接場光の試料からの戻り光の光路に配置された共焦点光学系を更に備えることができる。これにより、戻り光のうち不要な光を排除することができる。
【0036】
また、上記の情報検出光学系は、近接場光の試料からの戻り光の光路に配置された円偏光検出光学系を更に備えることができる。これにより、戻り光のうち不要な光を排除することができる。
【0037】
また、上記の情報検出光学系は、情報検出レーザ光の光路に配置された直線偏光検出光学系を更に備えることができる。
【0038】
また、上記の探針を、円錐状又は多角錐状の形状とすることができる。
【0039】
上記の探針は、凹部の外面を、探針の先端部分を除いて、金属膜でコーティングすることができる。
【0040】
また、探針の内面の金属膜の厚さを、30nm〜60nmとすることができる。
【0041】
上記のカンチレバーの探針は、プラズモン共鳴が起きるように凹部の内面が金属膜でコーティングされている。このように、カンチレバーの探針の凹部の内面を、プラズモン共鳴が起きるように金属膜でコーティングすることにより、近接場光を発生させることができる。
【0042】
また、上記の情報検出光学系は、分光器を更に備え、分光器を用いて、試料からの戻り光によって試料の試料情報を検出することができる。
【発明の効果】
【0043】
以上説明したように、本発明の近接場光探針、光学装置、及びプローブ顕微鏡によれば、カンチレバーの探針の凹部の内面を、金属膜でコーティングすることにより、近接場光を発生させて高い分解能で試料を測定でき、また、探針の先端に微小開口が形成されておらず、探針の外部には金属膜がコーティングされていないため、試料を汚染せずに、かつ、信頼性の高い測定結果を得ることができる、という効果が得られる。
【0044】
また、本発明のプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置によれば、カンチレバーの探針の凹部の内面を、金属膜でコーティングすることにより、近接場光を発生させて高い分解能で記録媒体を測定して、記録情報を検出でき、また、探針の先端に微小開口が形成されておらず、探針の外部には金属膜がコーティングされていないため、記録媒体を汚染せずに、かつ、信頼性の高い測定結果を得ることができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本実施の形態では、試料の試料情報、例えば表面形状を得るプローブ顕微鏡に本発明を適用した場合について説明する。
【0046】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るプローブ顕微鏡10は、観察対象となる試料12の表面との間で原子間力が作用されるプローブ14が先端に設けられたカンチレバー16と、試料12の試料情報を得るために情報検出レーザ光19を照射する情報検出光学系18と、情報検出レーザ光19の照射状態を観察する観察照明光学系20と、カンチレバーの変位を検出するカンチレバー変位検出光学系22と、第1の波長選択素子24と、第2の波長選択素子26と、情報検出光学系18、観察照明光学系20、及びカンチレバー変位検出光学系22に関して共通の対物レンズ28とを備えている。
【0047】
カンチレバー16は、例えば一端支持型構成を有し、その遊端(カンチレバー16の支持側とは反対側の先端)に、プローブ14を有する。また、試料12の表面に対してプローブ14の先端が近接ないしは軽く接触するようにカンチレバー16が配置されている。
【0048】
カンチレバー16は、プローブ14の先端と、試料12の観察がなされる表面との原子間力の作用によって支持端側を支点として撓曲変位する構成であり、カンチレバー16は、その長さが例えば100μm、厚さ400nm〜800nmを有し、所定のばね定数を有する。カンチレバー16及びプローブ14は、光透過性の材料、例えばSiNより形成されている。
【0049】
図2に示すように、プローブ14は、試料12の先端に向かうに従って狭窄した凹状、例えば円錐凹状に形成され、プローブ14の内面には、表面プラズモン共鳴が起きるように、金属蒸着によって、金、銀、アルミ等の金属膜コート30がプローブ14の先端まで形成されている。なお、金属膜コート30の厚さを30nm〜60nmとすることが好ましい。
【0050】
また、プローブ14の周辺の対物レンズ28と対向する面にも、金属膜コート30が被着形成されている。
【0051】
このプローブ14において、情報検出光学系18から照射される情報検出レーザ光19のファーフィールド光を、プローブ14の先端にフォーカスさせると、図3に示すように、金属膜コート30の表面でプラズモン共鳴を起こし、金属膜コート30の表面を先端側に伝播し、先端から近接場光(ニアフィールド光)31が発生し、近接場光31が試料12に照射される。この近接場光31によるスポット径は回折限界に規制されず、対物レンズ28の開口数および情報検出レーザ光19の波長に依存しないことから微小な照射スポット径とすることができる。
【0052】
情報検出光学系18は、カンチレバー16のプローブ14の先端に照射するための例えば500nmの緑の波長である情報検出レーザ光19を発生する情報検出レーザ光源32と、集光レンズ等の光学レンズ36と、ハーフミラー38と、近接場光31の試料12への照射による試料12からの戻り光によって、試料情報を検出する情報検出装置34とを備えている。
【0053】
情報検出装置34は、この情報検出装置34に導入される試料12からの戻り光の態様、目的とする検出信号態様等に応じて例えばフォトダイオード、光電子増倍管(フォトマルチプライヤ)、分光器等によって構成される。
【0054】
また、情報検出光学系18には、情報検出装置34への例えば凹状プローブ14の凹状内周面からの不要反射光を排除する不要反射光排除手段40と、光路を形成するミラー42とが設けられている。
【0055】
不要反射光排除手段40は、例えば共焦点光学系44によって構成することができる。この共焦点光学系44は、プローブ14の先端との共焦点を形成する共焦点レンズ46と、その共焦点位置に配置されたアパーチャ48とから構成されている。
【0056】
カンチレバー変位検出光学系22は、例えば650nmの赤の波長である変位検出レーザ光50を発するレーザ光源52と、カンチレバー16からの変位検出レーザ光50の戻り光によってカンチレバー16の変位を検出するカンチレバー変位検出装置54と、集光レンズ等による光学レンズ56とを備えている。カンチレバー変位検出装置54は、例えば2分割フォトダイオード、4分割フォトダイオード、PSD等によって構成することができる。
【0057】
観察照明光学系20は、カンチレバー16に対する情報検出レーザ光19の照射状態や、プローブ14と試料12との位置関係等を観察する光学系であり、例えば白色の照明光62を発生する白色光源による照明光源60と、照明光62を対物レンズ28の光軸もしくは近軸上に導入するハーフミラー66と、試料12からの戻り光の光学像を観察する観察装置64と、この観察装置64に戻り光を向かわせるミラー68と、集光レンズ等の光学レンズ70とを備えている。
【0058】
観察装置64は、例えばCCDカメラなどの固体撮像素子による例えば撮像素子72と、例えばその撮像光学像を映出するモニター74とを備えている。
【0059】
情報検出レーザ光19と上記変位検出レーザ光50とは、上述したように、例えば緑のレーザ光と赤のレーザ光による互いに異なる波長のレーザ光を用いており、一方、照明光源60としては、情報検出レーザ光19の波長及び変位検出レーザ光50の波長以外の波長に渡る波長帯、この例では緑および赤の波長以外の波長に渡る波長帯であって、照明光として好適な白色光の照明光62を発光する白色光源を用いている。
【0060】
また、照明光62と変位検出レーザ光50とを共に対物レンズ28に導入する光路上に、例えばダイクロイックミラーで構成された第1の波長選択素子24が配置されている。第1の波長選択素子24は、白色光の照明光62から、変位検出レーザ光50の波長の光成分、すなわちこの例では650nmの赤の光成分を反射させて排除すると共に、この変位検出レーザ光50の波長以外の波長光を透過して、照明光62を変位検出レーザ光50とともに対物レンズ28に向かわせる波長選択性を有する光学素子である。
【0061】
また、照明光62と変位検出レーザ光50とさらに情報検出レーザ光源32からの情報検出レーザ光19を共に対物レンズ28に導入する光路上に、例えばダイクロイックミラーで構成された第2の波長選択素子26が配置されている。第2の波長選択素子26は、白色光の照明光62から情報検出レーザ光19の波長光すなわちこの例では500nmの緑の光を反射させて排除すると共に、この情報検出レーザ光19の波長以外の波長光を透過して、照明光62を情報検出レーザ光19とともに対物レンズ28に向かわせる波長選択性を有する光学素子である。
【0062】
また、プローブ顕微鏡10は、表面の観察がなされる試料12に対して、プローブ顕微鏡10の光軸、すなわちその対物レンズ28の光軸と直交する面に沿って相対的に移動する走査型プローブ顕微鏡であり、プローブ顕微鏡10には、試料12を上面に載置するための載置台である移動ステージ86が設けられ、移動ステージ86は、プローブ顕微鏡10の上述した光軸方向に沿うz軸方向と、これとほぼ直交する面上で、互いに直交するx軸およびy軸方向に移動可能に構成されている。また、移動ステージ86は、制御装置88によって移動制御がなされる。
【0063】
次に、第1の実施の形態に係るプローブ顕微鏡10の作用について説明する。
【0064】
まず、照明光62をカンチレバー16および試料12に照射すると共に、変位検出レーザ光50をカンチレバー16に照射して、照明光62の戻り光によりこれら照射状態等を観察照明光学系20の観察装置64によって観察する。そして、この観察結果によって試料12の基準位置の調整を移動ステージ86のx、y、z方向の調整によって行い、また、必要に応じてカンチレバー16の設定位置の調整を行なう。
【0065】
そして、移動ステージ86をxおよびy方向に移動させて、情報検出光学系18からの情報検出レーザ光19によるプローブ14の先端からの近接場光31のスポットを、試料12の表面上に走査する。
【0066】
このようにして、情報検出光学系18による情報検出レーザ光19が、光学レンズ36、ハーフミラー38を通じて、第2の波長選択素子26によって反射され、対物レンズ28によってカンチレバー16のプローブ14の先端にフォーカスされるように集光される。このとき、情報検出レーザ光19の波長λより半分以下の内径dには、通常の光(空気中を伝播する光)は透過せずに、反射されてしまう。この部分よりプローブ14先端側には、近接場光しか伝播しない。プローブ14内面の金属膜コート30の表面でプラズモン共鳴を起こし、金属膜コート30の表面をプローブ14の先端側に伝播し、先端から近接場光が滲み出る。このとき、プローブ14の先端が試料12の表面に充分近接されていることによって、この微小スポットの近接場光31が試料12の表面に照射される。このように、近接場光によって、分解能10nm以下が得られ、近接場光探針径が実現できる。
【0067】
そして、この試料12に照射された近接場光31が、試料12の表面の例えば光学的特性、すなわち反射率、透過率によって変調される。この変調されたレーザ光は、戻り光として、対物レンズ28に導入され、第2の波長選択素子26、ハーフミラー38、ミラー42によって情報検出装置34に導入され、情報検出装置34によって試料情報が検出される。
【0068】
このとき、プローブ14において、λ≫dの領域からの不要反射光もまた、上述した経路を辿って情報検出装置34に向かうが、これは、共焦点レンズ46による共焦点関係にないことから、その共焦点位置にあるアパーチャ48によって遮断され、この不要反射光がカットされる。つまり、ノイズが改善される。
【0069】
一方、このとき、カンチレバー変位検出光学系22のレーザ光源52からの変位検出レーザ光50が第1の波長選択素子24によって反射され、第2の波長選択素子26を透過し、対物レンズ28によってカンチレバー16の金属膜コート30で反射される。そして、この反射による戻り光が、カンチレバー変位検出装置54に導入される。この戻り光は、カンチレバー16の撓曲、すなわち変位に応じて、カンチレバー変位検出装置54への入射角の変化(すなわちスポット形状の変化、)あるいは位置が変化することから、カンチレバー変位検出装置54における光電変換の各部の入射光量の変化が生じる。したがって、これらによる出力の演算によって、カンチレバー16における撓みの検出ひいては原子間力を検出することができる。つまり、プローブ14と、試料12の表面との間隔を検出することができる。
【0070】
この間隔を検出した信号が移動ステージ86の制御装置88に入力され、移動ステージ86のz軸方向の調整がなされ、常時、プローブ14と試料12の表面とを微小間隙をもって一定に保持させる。すなわち、近接場光31を、常時試料12の表面に一定条件で照射させる。
【0071】
以上説明したように、第1の実施の形態に係るプローブ顕微鏡によれば、カンチレバーのプローブの凹部の内面を、プラズモン共鳴が起きるように金属膜コートを蒸着することにより、強い近接場光を発生させて高い分解能で試料の試料情報を検出することができる。
【0072】
また、プローブの先端に微小開口が形成されておらず、プローブの外部には金属膜がコーティングされていないため、プローブと試料との間を一定に制御しても、微小開口が直接試料表面につくことがなく、試料を汚染せずに、かつ、信頼性の高い測定結果を得ることができる。
【0073】
また、観察照明光学系と情報検出光学系とカンチレバー変位検出光学系とに対する対物レンズを共通の対物レンズとすることにより、構成の簡潔化、占有空間の小型化を図ることができる。また、カンチレバーに対する対物レンズの間隔を充分小とすることができる。
【0074】
カンチレバー変位検出光学系及び情報検出光学系から照射されるレーザ光の光路上に、ダイクロックミラーを設けているため、100%に近い反射率で、650nmあるいは500nmの波長の光をカンチレバー検出装置及び情報検出装置の各々に取り込むことができる。一方、観察照明光学系では、650nmおよび500nm以外の波長の光を効率よく取り込むことができるので、最低の観察機能は確保することができると共に、各検出系の感度や精度を保つことが出来る。
【0075】
プローブの外側の先端は、安定な光透過材料となっているため、試料への汚染を防ぐことができる。
【0076】
また、プローブからの不要の戻り光は、共焦点レンズ等による不要反射光排除手段によって排除して、近接場光のみを検出することができるため、この不要反射光によるノイズの混入を効果的に排除してS/N比を向上することができ、高解像度、高精度の向上を図ることができる。
【0077】
また、試料からの情報検出を、近接場光の微小スポットで行うため、解像度の向上を図ることができ、試料上の微細情報の検出が可能となる。
【0078】
また、照明光として、照明による観察に適した白色光を用い、カンチレバーの変位検出のための照明光としては、その変位検出に適したレーザ光を用いて、これら照明光およびレーザ光を共通の対物レンズに導入するものであるが、第1の波長選択素子及び第2の波長選択素子によって、試料情報を検出するためのレーザ光とカンチレバーの変位を検出するためのレーザ光との分離を行うため、それぞれの戻り光による情報検出を正確に行うことができる。
【0079】
なお、本実施の形態では、プローブが円錐形状となっている場合を例に説明したが、図4にしめすように、多角錐状のプローブがカンチレバーの先端に設けられていてもよい。この場合には、多角錐状のプローブが凹状となっており、内面に金属膜コートが蒸着されていればよい。
【0080】
また、波長選択素子がダイクロイックミラーで構成されている場合を例に説明したが、波長選択素子として、所定の波長をカットするカットフィルタを用いてもよい。
【0081】
また、近接場光探針を用いた近接場光顕微鏡を例に説明したが、近接場光探針を用いた近接場ラマン光顕微鏡に本発明を適用してもよい。
【0082】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0083】
第2の実施の形態は、共焦点光学系の代わりに円偏光光学系を利用して、不要な反射光を除去している点が第1の実施の形態と異なっている。
【0084】
図5に示すように、第2の実施の形態に係るプローブ顕微鏡210は、試料12の試料情報を得るために情報検出レーザ光19を照射する情報検出光学系18と、観察照明光学系20と、カンチレバー変位検出光学系22と、第1の波長選択素子24と、第2の波長選択素子26と、対物レンズ28とを備えている。
【0085】
また、プローブ顕微鏡210では、情報検出光学系18から照射される情報検出レーザ光19のファーフィールド光を、カンチレバー16のプローブ14先端にフォーカスさせ、この先端から発生させる近接場光31を試料12に照射することによって、試料12の試料情報を検出する。
【0086】
プローブ顕微鏡210には、不要反射光等の戻り光を排除するための偏光面回転検出手段240が設けられており、偏光面回転検出手段240は、λ/4板246と、G−T(Glan−Thompson)アナライザ248とから構成され、不要な反射光の排除を行う。
【0087】
また、情報検出光学系218には、情報検出レーザ光源32とハーフミラー38との間に、λ/4板236と、必要に応じてλ/2板238とが設けられている。なお、情報検出装置34には、例えば光電子増倍管を用いればよい。
【0088】
情報検出光学系218では、情報検出レーザ光源32から発射した直線偏光もしくはλ/2板238によって直線偏光とされた情報検出レーザ光19が、λ/4板236を通過することによって円偏光とされる。
【0089】
円偏光のファーフィールド光は、カンチレバー16のプローブ14の先端にフォーカシングされ、この先端から、近接場光31が得られ、近接場光31が試料12に照射される。
【0090】
この場合、情報検出レーザ光源32から出た情報検出レーザ光19を円偏光に変更して、カンチレバー16のプローブ14に入射すると、近接場光31は試料12から反射され、対物レンズ28、第2の波長選択素子26、ハーフミラー38、及びミラー42を通じて、λ/4板246に導入されて、直線偏光とされ、偏光角が調整されたG−T偏光板によるG−Tアナライザ248に導入される。
【0091】
このとき、例えばプローブ14の内周面等で反射して到来する不要のファーフィールド光の戻り光も、同様の光路をとってλ/4板246に導入されるが、これら試料12の表面からの戻り光の近接場光31と、プローブ14の内面で反射された不要のファーフィールド光の戻り光とは、λ/4板246までの光学的距離が異なる。
【0092】
これをλ/4板246で直線偏光に直し、これをG−Tアナライザ248で不要な反射光のみカットして、近接場光31を取り出し、これを情報検出装置34における例えば光増倍管によって検出することができる。
【0093】
このようにして、λ/4板246とG−Tアナライザ248とによって、例えばプローブ14内面からの不要な戻り光の排除を行ない、近接場光のみを情報検出装置34に導入し、電気信号に変換した出力を試料情報として検出する。
【0094】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第3の実施の形態に係るプローブ顕微鏡の構成は、第2の実施の形態と同様であるため、同一符号を付してその説明を省略する。
【0095】
第3の実施の形態は、磁性体としての試料の表面から磁区を検出する点が第2の実施の形態と異なっている。
【0096】
磁性体の表面から磁区を検出する場合には、カー効果を検出する必要があり、第3の実施の形態に係るプローブ顕微鏡では、対象となる試料12は、少なくとも表面が磁性体で形成されており、例えば光磁気記録による磁化パターンすなわち磁区が形成されていて、この磁化の向きに応じてカー効果によって、偏光面が回転される。このように偏光面の回転として変調されたレーザ光は、戻り光として、対物レンズ28、第2の波長選択素子26、ハーフミラー38、ミラー42、λ/4板246に導入され、直線偏光とされ、偏光角が調整されたG−Tアナライザ248に導入される。
【0097】
このとき、例えばプローブ14の内周面等で反射して到来する不要のファーフィールド光の戻り光も、同様の光路をとってλ/4板246に導入されるが、これら試料12の表面からの戻り光の近接場光31と、プローブ14の内面で反射された不要のファーフィールド光の戻り光とは、λ/4板246までの光路長が異なることから、λ/4板246によって直線偏光とされた双方の戻り光は、偏光面の角度が相違した状態でG−Tアナライザ248に導入される。
【0098】
したがって、G−Tアナライザ248の偏光角を調整しておくことにより、試料12面からの近接場光31の戻り光のみを取り出すことができ、情報検出装置34によって検出することができる。
【0099】
このようにして、λ/4板246とG−Tアナライザ248とによって、例えばプローブ14の内面からの不要な戻り光を排除することができ、磁区検出がなされた光のみを情報検出装置34に導入し、電気信号に変換した出力を取り出すことができる。すなわち、不要な戻り光によるノイズが効果的に排除された試料12の磁気的情報の検出を行うことができる。
【0100】
なお、回折光をカットするために、第1の実施の形態と同様に、共焦点光学系を情報検出装置の前段に設けてもよい。
【0101】
次に、本発明の第4の実施の形態に係るプローブ顕微鏡について説明する。第4の実施の形態に係るプローブ顕微鏡では、反射光ではなく、透過光を測定しており、照明光学系を試料の反対側(対物レンズの反対側)に設け、これに各検出系で使うレーザ波長をカットするカットフィルタを通して照射する。そして、試料から対物レンズに抜けるように照明すると、近接場光が計測され、試料やカンチレバーの透過光像が観察される。
【0102】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0103】
図6に示すように、第5の実施の形態に係るプローブ顕微鏡510では、情報検出光学系518にλ/2板238を設け、情報検出レーザ光19として直線偏光レーザ光を用いている。
【0104】
また、情報検出装置34の前段には、情報検出を行うための不要ファーフィールド反射光の排除を行なう不要反射光排除手段40と偏光面回転検出手段540とを設け、不要反射光排除手段40には、上記の第1の実施の形態と同様に共焦点光学系44を用い、偏光面回転検出手段540では、第2の実施の形態で設けられているλ/4板を省略し、G−Tアナライザ248のみを配置している。
【0105】
また、プローブ顕微鏡510は、照射する変位検出レーザ光を、プローブ顕微鏡510の光軸とは異なる位置から照射するように配置したカンチレバー変位検出光学系522を設けており、レーザ光源552から照射された変位検出レーザ光が、対物レンズ28とは異なる外部レンズ系としての対物レンズ556を通じて、カンチレバー16に照射され、カンチレバー16の金属膜コート30で反射された反射光がカンチレバー変位検出装置554に導入される。
【0106】
次に、本発明の第6の実施の形態に係るプローブ顕微鏡について説明する。図7に示すように、第6の実施の形態に係るプローブ顕微鏡では、プローブ14の外側にも、プローブ14の先端部分を除いて、金属膜コート630が蒸着されている。
【0107】
なお、他の構成は、第1の実施の形態に係るプローブ顕微鏡の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0108】
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。本実施の形態では、光記録媒体からの記録信号の読み出しを行なう光ピックアップとしてプローブ顕微鏡を用いたプローブ顕微鏡型光記録再生ヘッド装置に本発明を適用した場合を例に説明する。
【0109】
図8に示すように、第7の実施の形態に係るプローブ顕微鏡型光記録再生ヘッド装置710は、光記録再生ヘッド装置本体712と、回転支持されたディスク型の例えばCD(Compact Disc)等の光記録媒体714とを備えている。光記録再生ヘッド装置本体712は、第1の実施の形態で説明した近接場光を用いるプローブ顕微鏡を備えており、光記録媒体714上の例えば凹凸ピットによる記録や、相変化記録、光磁気記録を読み出す。
【0110】
このように、第7の実施の形態に係るプローブ顕微鏡型光記録再生ヘッド装置によれば、カンチレバーのプローブの凹部の内面を、プラズモン共鳴が起きるように金属膜でコーティングすることにより、近接場光を発生させて高い分解能で光記録媒体を測定して、記録情報を検出できる。
【0111】
また、プローブの先端に微小開口が形成されておらず、プローブの外部には金属膜がコーティングされていないため、光記録媒体を汚染せずに、かつ、信頼性の高い測定結果を得ることができる。
【0112】
また、観察照明光学系と情報検出光学系とカンチレバー変位検出光学系に対する対物レンズを共通の対物レンズとすることにより、構成の簡潔化、占有空間の小型化を図ることができる。
【0113】
なお、上記の実施の形態では、光記録再生ヘッド装置本体に搭載するプローブ顕微鏡として、第1の実施の形態で説明したプローブ顕微鏡を用いた場合を例に説明したが、光記録再生ヘッド装置本体に、上記の第2の実施の形態〜第6の実施の形態に係るプローブ顕微鏡の何れを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るプローブ顕微鏡の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るカンチレバー、プローブ、及び金属膜コートを示す斜視図である。
【図3】プローブの内面でプラズモン共鳴が起こり、プローブの先端から近接場光が発生する様子を示すイメージ図である。
【図4】プローブの他の形状を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るプローブ顕微鏡の構成を示す概略図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態に係るプローブ顕微鏡の構成を示す概略図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態に係るカンチレバー、プローブ、及び金属膜コートを示す概略図である。
【図8】本発明の第7の実施の形態に係るプローブ顕微鏡型光記録再生ヘッド装置の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0115】
10、210、510 プローブ顕微鏡
12 試料
14 プローブ
16 カンチレバー
18、218、518 情報検出光学系
19 情報検出レーザ光
20 観察照明光学系
22、522 カンチレバー変位検出光学系
24 第1の波長選択素子
26 第2の波長選択素子
28 対物レンズ
30、630 金属膜コート
31 近接場光
32 情報検出レーザ光源
34 情報検出装置
40 不要反射光排除手段
44 共焦点光学系
50 変位検出レーザ光
52、552 レーザ光源
54、554 カンチレバー変位検出装置
60 照明光源
62 照明光
64 観察装置
86 移動ステージ
236 λ/4板
238 λ/2板
240 偏光面回転検出手段
246 λ/4板
248 G−Tアナライザ
540 偏光面回転検出手段
710 プローブ顕微鏡型光記録再生ヘッド装置
712 光記録再生ヘッド装置本体
714 光記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に向かうに従って狭窄した凹部が光を透過する光透過材料で形成されると共に、凹部の内面が金属膜でコーティングされた探針を端部に設けたカンチレバーを含む近接場光探針。
【請求項2】
前記カンチレバーの探針は、プラズモン共鳴が起きるように凹部の内面が金属膜でコーティングされた請求項1記載の近接場光探針。
【請求項3】
請求項1又は2記載の近接場光探針を用いた光学装置。
【請求項4】
先端に向かうに従って狭窄した凹部が光を透過する光透過材料で形成されると共に、凹部の内面が金属膜でコーティングされた探針を端部に設け、かつ、前記探針と試料の表面との間に原子間力が作用するように配置されたカンチレバーと、
前記カンチレバーの探針の先端へ情報検出レーザ光を照射して近接場光を発生させるレーザ光源を備え、前記近接場光の前記試料への照射による前記試料からの戻り光によって前記試料の試料情報を検出する情報検出光学系と、
少なくとも前記情報検出レーザ光の波長以外の波長帯を有する照明光を前記カンチレバーに照射する照明光源を備え、該照明光源からの照明光の前記カンチレバーからの戻り光の光学像によって、前記情報検出レーザ光の照射状態を観察する観察照明光学系と、
前記情報検出光学系及び前記観察照明光学系に対して共通に設けられた対物レンズと、
を含むプローブ顕微鏡。
【請求項5】
先端に向かうに従って狭窄した凹部が光を透過する光透過材料で形成されると共に、凹部の内面が金属膜でコーティングされた探針を端部に設け、かつ、前記探針と試料の表面との間に原子間力が作用するように配置されたカンチレバーと、
前記カンチレバーの探針の先端へ情報検出レーザ光を照射して近接場光を発生させるレーザ光源を備え、前記近接場光の前記試料への照射による前記試料からの戻り光によって前記試料の試料情報を検出する情報検出光学系と、
少なくとも前記情報検出レーザ光の波長以外の波長帯を有する照明光を前記カンチレバーに照射する照明光源を備え、該照明光源からの照明光の前記カンチレバーからの戻り光の光学像によって、前記情報検出レーザ光の照射状態を観察する観察照明光学系と、
前記情報検出レーザ光とは異なる波長の変位検出レーザ光を前記カンチレバーへ照射するレーザ光源を備え、前記変位検出レーザ光の前記カンチレバーからの戻り光から前記カンチレバーの変位を検出するカンチレバーの変位検出光学系と、
前記情報検出光学系、前記観察照明光学系、及び前記カンチレバーの変位検出光学系に対して共通に設けられた対物レンズと、
を含むプローブ顕微鏡。
【請求項6】
先端に向かうに従って狭窄した凹部が光を透過する光透過材料で形成されると共に、凹部の内面が金属膜でコーティングされた探針を端部に設け、かつ、前記探針と試料の表面との間に原子間力が作用するように設置されたカンチレバーと、
前記カンチレバーの探針の先端へ情報検出レーザ光を照射して、近接場光を発生させるレーザ光源を備え、前記近接場光の前記試料への照射による前記試料からの戻り光によって前記試料の試料情報を検出する情報検出光学系と、
少なくとも前記情報検出レーザ光の波長以外の波長帯を有する照明光を前記カンチレバーに照射する照明光源を備え、該照明光源からの照明光の前記カンチレバーからの戻り光の光学像によって、前記情報検出レーザ光の照射状態を観察する観察照明光学系と、
前記情報検出光学系及び前記観察照明光学系に対して共通に設けられた対物レンズと、
前記対物レンズとは異なる外部レンズ系、及び前記情報検出レーザ光とは異なる波長の変位検出レーザ光を、前記外部レンズ系を通じて前記カンチレバーへ照射するレーザ光源を備え、前記変位検出レーザ光の前記カンチレバーからの戻り光から前記カンチレバーの変位を検出するカンチレバーの変位検出光学系と、
を含むプローブ顕微鏡。
【請求項7】
前記情報検出レーザ光を前記対物レンズに向かわせる波長選択性を有する波長選択素子を更に含む請求項4〜請求項6の何れか1項記載のプローブ顕微鏡。
【請求項8】
前記波長選択素子は、前記照明光源からの照明光から前記情報検出レーザ光の波長の光成分を排除し、該光成分が排除された照明光を前記情報検出レーザ光とともに前記対物レンズに向かわせる波長選択性を有している請求項7記載のプローブ顕微鏡。
【請求項9】
前記変位検出レーザ光を前記対物レンズに向かわせる波長選択性を有する第1の波長選択素子と、
前記情報検出レーザ光を前記対物レンズに向かわせる波長選択性を有する第2の波長選択素子とを更に含む請求項5記載のプローブ顕微鏡。
【請求項10】
前記第1の波長選択素子は、前記照明光源からの照明光から前記変位検出レーザ光の波長の光成分を排除し、該光成分が排除された照明光を前記変位検出レーザ光とともに前記対物レンズに向かわせる波長選択性を有し、
前記第2の波長選択素子は、前記照明光源からの照明光から前記情報検出レーザ光の波長の光成分を排除し、該光成分が排除された照明光を前記情報検出レーザ光とともに前記対物レンズに向かわせる波長選択性を有している請求項9記載のプローブ顕微鏡。
【請求項11】
前記波長選択素子は、ダイクロイックミラーである請求項4〜請求項10の何れか1項記載のプローブ顕微鏡。
【請求項12】
前記波長選択素子は、所定の波長をカットするカットフィルタである請求項4〜請求項11の何れか1項記載のプローブ顕微鏡。
【請求項13】
前記情報検出光学系は、前記近接場光の前記試料からの戻り光の光路に配置された共焦点光学系を更に備えた請求項4〜請求項6の何れか1項記載のプローブ顕微鏡。
【請求項14】
前記情報検出光学系は、前記近接場光の前記試料からの戻り光の光路に配置された円偏光検出光学系を更に備えた請求項4〜請求項6の何れか1項記載のプローブ顕微鏡。
【請求項15】
前記情報検出光学系は、前記情報検出レーザ光の光路に配置された直線偏光検出光学系を更に備えた請求項4〜請求項6の何れか1項記載のプローブ顕微鏡。
【請求項16】
前記探針を、円錐状又は多角錐状の形状とした請求項4〜請求項15の何れか1項記載のプローブ顕微鏡。
【請求項17】
前記探針は、凹部の外面が、前記探針の先端部分を除いて、金属膜でコーティングされた請求項4〜請求項16の何れか1項記載のプローブ顕微鏡。
【請求項18】
前記金属膜の厚さを、30nm〜60nmとする請求項4〜請求項17の何れか1項記載のプローブ顕微鏡。
【請求項19】
前記カンチレバーの探針は、プラズモン共鳴が起きるように凹部の内面が金属膜でコーティングされた請求項4〜請求項18の何れか1項記載のプローブ顕微鏡。
【請求項20】
前記情報検出光学系は、分光器を更に備え、前記分光器を用いて、前記試料からの戻り光によって前記試料の試料情報を検出する請求項4〜請求項19の何れか1項記載のプローブ顕微鏡。
【請求項21】
記録媒体に情報の記録及び再生の少なくとも一方を行うプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置であって、
先端に向かうに従って狭窄した凹部が光を透過する光透過材料で形成されると共に、凹部の内面が金属膜でコーティングされた探針を端部に設け、かつ、前記探針と前記記録媒体の表面との間に原子間力が作用するように配置されたカンチレバーと、
前記カンチレバーの探針の先端へ情報検出レーザ光を照射して近接場光を発生させるレーザ光源を備え、前記近接場光の前記記録媒体への照射による前記記録媒体からの戻り光によって前記記録媒体の記録情報を検出する情報検出光学系と、
少なくとも前記情報検出レーザ光の波長以外の波長帯を有する照明光を前記カンチレバーに照射する照明光源を備え、該照明光源からの照明光の前記カンチレバーからの戻り光の光学像によって、前記情報検出レーザ光の照射状態を観察する観察照明光学系と、
前記情報検出光学系及び前記観察照明光学系に対して共通に設けられた対物レンズと、
を含むプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置。
【請求項22】
記録媒体に情報の記録及び再生の少なくとも一方を行うプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置であって、
先端に向かうに従って狭窄した凹部が光を透過する光透過材料で形成されると共に、凹部の内面が金属膜でコーティングされた探針を端部に設け、かつ、前記探針と前記記録媒体の表面との間に原子間力が作用するように配置されたカンチレバーと、
前記カンチレバーの探針の先端へ情報検出レーザ光を照射して近接場光を発生させるレーザ光源を備え、前記近接場光の前記記録媒体への照射による前記記録媒体からの戻り光によって前記記録媒体の記録情報を検出する情報検出光学系と、
少なくとも前記情報検出レーザ光の波長以外の波長帯を有する照明光を前記カンチレバーに照射する照明光源を備え、該照明光源からの照明光の前記カンチレバーからの戻り光の光学像によって、前記情報検出レーザ光の照射状態を観察する観察照明光学系と、
前記情報検出レーザ光とは異なる波長の変位検出レーザ光を前記カンチレバーへ照射するレーザ光源を備え、前記変位検出レーザ光の前記カンチレバーからの戻り光から前記カンチレバーの変位を検出するカンチレバーの変位検出光学系と、
前記情報検出光学系、前記観察照明光学系、及び前記カンチレバーの変位検出光学系に対して共通に設けられた対物レンズと、
を含むプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置。
【請求項23】
記録媒体に情報の記録及び再生の少なくとも一方を行うプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置であって、
先端に向かうに従って狭窄した凹部が光を透過する光透過材料で形成されると共に、凹部の内面が金属膜でコーティングされた探針を端部に設け、かつ、前記探針と前記記録媒体の表面との間に原子間力が作用するように設置されたカンチレバーと、
前記カンチレバーの探針の先端へ情報検出レーザ光を照射して、近接場光を発生させるレーザ光源を備え、前記近接場光の前記記録媒体への照射による前記記録媒体からの戻り光によって前記記録媒体の記録情報を検出する情報検出光学系と、
少なくとも前記情報検出レーザ光の波長以外の波長帯を有する照明光を前記カンチレバーに照射する照明光源を備え、該照明光源からの照明光の前記カンチレバーからの戻り光の光学像によって、前記情報検出レーザ光の照射状態を観察する観察照明光学系と、
前記情報検出光学系及び前記観察照明光学系に対して共通に設けられた対物レンズと、
前記対物レンズとは異なる外部レンズ系、及び前記情報検出レーザ光とは異なる波長の変位検出レーザ光を、前記外部レンズ系を通じて前記カンチレバーへ照射するレーザ光源を備え、前記変位検出レーザ光の前記カンチレバーからの戻り光から前記カンチレバーの変位を検出するカンチレバーの変位検出光学系と、
を含むプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置。
【請求項24】
前記情報検出レーザ光を前記対物レンズに向かわせる波長選択性を有する波長選択素子を更に含む請求項21〜請求項23の何れか1項記載のプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置。
【請求項25】
前記波長選択素子は、前記照明光源からの照明光から前記情報検出レーザ光の波長の光成分を排除し、該光成分が排除された照明光を前記情報検出レーザ光とともに前記対物レンズに向かわせる波長選択性を有している請求項24記載のプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置。
【請求項26】
前記変位検出レーザ光を前記対物レンズに向かわせる波長選択性を有する第1の波長選択素子と、
前記情報検出レーザ光を前記対物レンズに向かわせる波長選択性を有する第2の波長選択素子とを更に含む請求項22記載のプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置。
【請求項27】
前記第1の波長選択素子は、前記照明光源からの照明光から前記変位検出レーザ光の波長の光成分を排除し、該光成分が排除された照明光を前記変位検出レーザ光とともに前記対物レンズに向かわせる波長選択性を有し、
前記第2の波長選択素子は、前記照明光源からの照明光から前記情報検出レーザ光の波長の光成分を排除し、該光成分が排除された照明光を前記情報検出レーザ光とともに前記対物レンズに向かわせる波長選択性を有している請求項26記載のプローブ顕微鏡型記録再生ヘッド装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−175651(P2008−175651A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−8491(P2007−8491)
【出願日】平成19年1月17日(2007.1.17)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 「International Conference on Nanoscience and Technology NANO9 meets STM’06 アブストラクトブック 162頁 No.593 」に発表
【出願人】(504145364)国立大学法人群馬大学 (352)
【Fターム(参考)】