説明

送信装置及び送信プログラム

【課題】放送ネットワーク及び通信ネットワークを用いて、映像信号及び音声信号を伝送する伝送システムにおいて、映像信号を受信してから再生するまでの遅延時間を増加させない。
【解決手段】映像信号及び音声信号Aを符号化し、放送波を放送ネットワーク3を介して送信すると共に、音声信号B,Cを符号化してIPパケットを生成し、順序制御/FEC処理の後に通信ネットワーク4を介して送信する送信装置1において、符号化処理部10は、映像信号を符号化し、符号化完了のときにトリガを出力する。順序制御/FEC処理部15−B,15−Cは、トリガを入力する毎に音声信号B,CのIPパケットに対し順序制御/FEC処理を行う。これにより、映像信号の符号化単位の時間内で、音声信号B,Cが順序制御/FEC処理される。したがって、映像信号のフレーム#1と音声信号B,Cのサンプル#1とがほぼ同じタイミングで送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送ネットワーク、及びIP(Internet Protocol)パケットの欠損が発生する可能性のある一方向の通信ネットワークを用いて映像・音声信号を伝送する送信装置及び送信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット等の通信ネットワークを介して、送信装置から受信装置へIPパケットを一方向に伝送する場合、伝送路の途中に設けられたルーター等のネットワーク機器において、バッファオーバーフローにより一時的な輻輳が発生し、パケットが連続して廃棄されることがある。
【0003】
このようなIPパケットの欠損の問題を解決するための手法として、FEC(Forward Error Correction)処理が行われる。IPパケットを一方向に伝送する送信装置は、FEC処理を行うことにより複数のデータパケットから冗長パケットを生成し、冗長パケットをデータパケットと共に送信する。受信装置は、データパケットの欠損を検出した場合、冗長パケットを用いたFECの復号処理を行う。これにより、受信装置は欠損パケットを復元することができる。
【0004】
また、前記問題を解決するための他の手法として、IPパケットの連送処理が行われる。送信装置は、データパケットの欠損に備え、データパケットを複製し連続して送信する。このデータパケットを連続して送信する処理を連送という。受信装置は、送信装置により連送された複数の同じデータパケットのうち、少なくとも1つを受信することにより、データパケットの欠損に対応することができる。
【0005】
また、特許文献1には、送信装置がRTP(Real time Transport Protocol)パケットを繰り返し送信することにより、信頼性を高めたデータ伝送を実現する手法が提案されている。さらに、特許文献2には、FEC処理を用いた映像伝送において、送信装置が映像データをインタリーブし、その上で冗長パケットを生成する手法が提案されている。これにより、受信装置において、並び替え処理が不要になり高速処理を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−159101号公報
【特許文献2】特開2008−11142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
〔映像・音声信号を伝送するシステム〕
ところで、放送ネットワーク及び通信ネットワークを用いて映像及び音声を再生するためのアプリケーションの開発が進められている。このアプリケーションを実現する伝送システムでは、映像信号を格納したIPパケット及び音声信号を格納したIPパケットが放送波として放送ネットワークを介して伝送され、映像信号に付随する他の音声信号を格納したIPパケットが通信ネットワークを介して伝送される。受信装置は、放送ネットワークを介して、映像信号が格納されたIPパケット及び音声信号が格納されたIPパケットを受信すると共に、通信ネットワークを介して、他の音声信号が格納されたIPパケットを受信し、映像及び音声を再生する。このような伝送システムに、前述したFEC処理または/及び連送処理を適用することにより、通信ネットワークにおけるIPパケットの欠損の問題を解決することができる。
【0008】
しかしながら、FEC処理及び連送処理には、以下に示す2つの課題が存在する。第1の課題(課題1)は、冗長パケットを生成する際のブロック化に伴う遅延(ブロック化遅延)が発生すること、また、連送に伴う遅延(連送遅延)が発生することにある。第2の課題(課題2)は、IPパケットの連送処理が行われ、輻輳によってIPパケットが所定数以上連続して廃棄された場合、受信装置がIPパケットを受信できないことにある。
【0009】
〔課題1〕
前述のとおり、IPパケットの欠損の問題を解決するためにFEC処理を用いる場合、送信装置は、複数のデータパケットに基づいて1つのまたは複数の冗長パケットを生成する。ここで、冗長パケットを生成する単位をブロックという。つまり、送信装置は、複数のデータパケットを集めてブロックを構成し(ブロック化し)、冗長パケットを生成する。しかし、このようなブロック化処理は、複数のデータパケットから冗長パケットを生成するための時間を要するから、ブロック化遅延が発生してしまう。
【0010】
また、IPパケットの欠損の問題を解決するために連送処理を用いる場合、送信装置は、IPパケットを複製することにより、予め設定された繰り返し数分のIPパケットを生成し、連送する。しかし、受信装置は、複製された複数のIPパケットを受信することになるから、1つのIPパケットを受信する場合に比べ、連送に伴う遅延(連送遅延)が発生してしまう。
【0011】
〔課題2〕
さらに、連送処理を用いる場合、通信ネットワーク内に設けられたルーター等のネットワーク機器が輻輳を検出したときには、前記繰り返し数以上のIPパケットを連続して廃棄することがあり得る。この場合、受信装置は、IPパケットを正しく受信することができなくなってしまう。
【0012】
前述したFEC処理及び連送処理に伴う課題1,2が、映像及び音声を再生するための伝送システムに与える影響について説明する。まず、ブロック化遅延及び連送遅延の課題1は、受信装置において、放送ネットワークを介して伝送される映像信号と、通信ネットワークを介して伝送される音声信号との間の受信タイミングの差を生じさせてしまう。例えば、受信装置が、映像信号に対応する音声信号を、映像信号よりも後に受信する場合、映像信号と音声信号とを同時に再生するためには、映像信号をバッファに一旦格納し、音声信号を受信するまで待つ必要がある。つまり、受信装置は、受信した映像信号を、それに対応する音声信号を受信するまで待たせる必要があり、映像信号を再生するのに遅延が生じてしまう。
【0013】
また、連続廃棄の課題2は、受信装置において、通信ネットワークを介して伝送される音声信号の受信、すなわち映像信号に対応する音声信号の受信を不可能にしてしまう。
【0014】
さらに、特許文献1には、RTPパケットを繰り返し送信することにより、信頼性を確保する手法が提案されており、繰り返しの単位は送信するデータの単位である。この手法も、前述の伝送システムに適用することができる。しかしながら、課題1の場合と同様に、ストリーミング配信への適用は適切でないか、または、送信装置において映像信号及び音声信号が発生した時点から、受信装置へ伝送され、映像及び音声が再生されるまでの間の遅延時間が大きくなってしまう。
【0015】
また、特許文献2には、冗長パケットを生成する単位であるブロック化のサイズについて明確に記載されていない。したがって、課題1の場合と同様に、ブロック化遅延が大きくなる可能性があり、映像信号の再生に遅延が生じてしまう。
【0016】
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、放送ネットワーク及び通信ネットワークを用いて、映像信号及び音声信号を伝送する伝送システムにおいて、映像信号及び音声信号を受信して再生する際に、映像信号を受信してから再生するまでの遅延時間を増加させることのない送信装置及び送信プログラムを提示することにある。また、他の目的は、前記伝送システムにおいて、通信ネットワークでのIPパケットの欠損に対する耐性を確保可能な送信装置及び送信プログラムを提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記目的を達成するために、本発明による送信装置は、映像信号、前記映像信号と共に再生される第1の音声信号及び第2の音声信号をそれぞれ符号化し、前記映像信号の符号を格納したIPパケット及び前記第1の音声信号の符号を格納したIPパケットを生成し、これらのIPパケットを放送波として放送ネットワークへ送信すると共に、前記第2の音声信号の符号を格納したIPパケットを生成し、前記IPパケットを通信ネットワークへ送信する送信装置において、前記映像信号における所定数のフレームを符号化し、映像信号の符号を生成する映像信号符号化処理部と、前記第1の音声信号における所定数のサンプルを符号化し、第1の音声信号の符号を生成する第1の音声信号符号化処理部と、前記第2の音声信号における所定数のサンプルを符号化し、第2の音声信号の符号を生成する第2の音声信号符号化処理部と、前記映像信号符号化処理部により生成された符号を格納し、映像信号のIPパケットを生成する映像信号パケタイズ部と、前記第1の音声信号符号化処理部により生成された符号を格納し、第1の音声信号のIPパケットを生成する第1の音声信号パケタイズ部と、前記第2の音声信号符号化処理部により生成された符号を格納し、第2の音声信号のIPパケットを生成する第2の音声信号パケタイズ部と、前記第1の音声信号パケタイズ部により生成された第1の音声信号のIPパケットを格納するバッファと、前記映像信号パケタイズ部により生成された映像信号のIPパケットを入力すると共に、前記バッファから第1の音声信号のIPパケットを所定時間後に読み出し、前記映像信号における所定数のフレームのうちの先頭フレームと、前記第1の音声信号における所定数のサンプルのうちの先頭サンプルとのタイミングを合わせて、前記入力した映像信号のIPパケット及び前記読み出した第1の音声信号のIPパケットに対し符号化及び変調処理を行い、放送波として送信する伝送路符号化/変調処理部と、前記第2の音声信号パケタイズ部により生成された第2の音声信号のIPパケットを入力し、前記映像信号における所定数のフレームに対する符号化の処理毎に、前記入力した第2の音声信号における所定数のサンプルについてのIPパケットを複製し、前記複製したIPパケットを繰り返し送信する順序制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明による送信装置は、前記順序制御部の代わりにFEC(Forward Error Correction)処理部を備え、前記FEC処理部が、前記第2の音声信号パケタイズ部により生成された第2の音声信号のIPパケットを入力し、前記映像信号における所定数のフレームに対する符号化の処理毎に、前記入力した第2の音声信号における所定数のサンプルについてのIPパケットを用いて冗長パケットを生成し、前記IPパケット及び冗長パケットを送信する、ことを特徴とする。
【0019】
また、本発明による送信装置は、前記順序制御部の代わりに順序制御/FEC処理部を備え、前記順序制御/FEC処理部が、前記第2の音声信号パケタイズ部により生成された第2の音声信号のIPパケットを入力し、前記映像信号における所定数のフレームに対する符号化の処理毎に、前記入力した第2の音声信号における所定数のサンプルについてのIPパケットを用いて冗長パケットを生成し、前記IPパケット及び冗長パケットを複製し、前記複製したIPパケット及び冗長パケットを繰り返し送信する、ことを特徴とする。
【0020】
また、本発明による送信装置は、前記映像信号符号化処理部が、映像信号における所定数のフレームを符号化し、映像信号の符号を生成し、前記所定数のフレームの符号化が完了したときにトリガを出力し、前記順序制御部が、前記映像信号符号化処理部からトリガを入力し、前記トリガを入力する毎に、前記入力した第2の音声信号における所定数のサンプルについてのIPパケットを複製し、前記複製したIPパケットを繰り返し送信し、前記FEC処理部が、前記映像信号符号化処理部からトリガを入力し、前記トリガを入力する毎に、前記入力した第2の音声信号における所定数のサンプルについてのIPパケットを用いて冗長パケットを生成し、前記IPパケット及び冗長パケットを送信し、前記順序制御/FEC処理部が、前記映像信号符号化処理部からトリガを入力し、前記トリガを入力する毎に、前記入力した第2の音声信号における所定数のサンプルについてのIPパケットを用いて冗長パケットを生成し、前記IPパケット及び冗長パケットを複製し、前記複製したIPパケット及び冗長パケットを繰り返し送信する、ことを特徴とする。
【0021】
また、本発明による送信装置は、前記映像信号パケタイズ部が、映像信号の符号を格納してTS(Transport Stream)パケットを生成し、前記第1の音声信号パケタイズ部が、第1の音声信号の符号を格納してTSパケットを生成し、前記映像信号の符号を格納したTSパケット及び第1の音声信号を格納したTSパケットを放送波として放送ネットワークへ送信する、ことを特徴とする。
【0022】
さらに、本発明による送信プログラムは、コンピュータを、前記送信装置として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、映像信号の符号化単位の時間内で、第2の音声信号を含むパケットをブロック化して冗長パケットを生成し、第2の音声信号を含むパケット及び冗長パケットを送信し、または/及び、第2の音声信号を含むパケットを複製して連送するようにした。これにより、ブロック化遅延または/及び連送に伴い発生する第2の音声信号の遅延が原因となって、映像信号及びこれと同時刻に再生する第1の音声信号の再生開始時刻を遅らせることがない。つまり、受信装置において、映像信号と第1の音声信号を再生する際の再生出力までの遅延は、ブロック化を伴う冗長パケットの生成または/及び連送に起因して増加することがない。したがって、映像信号及び第1の音声信号を受信して再生する際に、映像信号及び第1の音声信号を受信してから再生するまでの遅延時間を増加させることがなく、前述した課題1を解決することができる。
【0024】
また、本発明によれば、映像信号の符号化単位の時間内で、第2の音声信号を含むパケットを連送するようにした。これにより、従来技術に比べ、通信ネットワークにおけるパケット欠損に対する耐性を確保することができ、前述した課題2を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】放送ネットワーク及び通信ネットワークを用いた映像・音声信号の伝送システムにおいて、その概要を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態による送信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】送信装置の処理を示すタイミングチャートである。
【図4】映像信号及び音声信号Aに対する処理を示すフローチャートである。
【図5】音声信号B,Cに対する処理を示すフローチャートである。
【図6】(1)は、順序制御により連送を行う場合の、IPパケットの順序を説明する図である。(2)は、FEC処理により冗長パケットを生成する場合の、IPパケットの順序を説明する図である。(3)は、順序制御及びFEC処理により冗長パケットを生成し連送を行う場合の、IPパケットの順序を説明する図である。
【図7】(1)は、従来技術において繰り返し数3の場合の、IPパケットの順序を説明する図である。(2)は、本発明の実施形態において繰り返し数3の場合の、IPパケットの順序を説明する図である。
【図8】受信装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。
〔伝送システム、本発明の特徴〕
まず、本発明の実施形態による送信装置及び受信装置を含む伝送システムについて説明する。図1は、放送ネットワーク及び通信ネットワークを用いた映像・音声信号の伝送システムにおいて、その概要を説明する図である。この伝送システムは、サービス提供事業者により設けられた送信装置1と、サービスの提供を受けるユーザーにより設けられた受信装置2−1〜2−3とを備えて構成される。送信装置1と受信装置2−1〜2−3とは、放送ネットワーク3を介して接続されると共に、インターネット等の通信ネットワーク4を介して接続される。送信装置1から通信ネットワーク4を介して受信装置2−2,2−3へ送信されるIPパケットの伝送プロトコルは、例えばUDP/IPが用いられ、一方向の伝送が実現される。
【0027】
送信装置1は、映像信号、及びこの映像信号に付随しかつ基本になる音声信号A(第1の音声信号)を、放送波として放送ネットワーク3を介して受信装置2−1〜2−3へ送信し、同時に、映像信号に付随するマルチチャンネルの、音声信号Aとは別の音声信号B及び音声信号C(第2の音声信号)を、IPパケットとして通信ネットワーク4へ送信する。音声信号Bは、音声信号Aを下層としたときの中層のチャンネルの信号であり、音声信号Cは、さらに上層のチャンネルの信号である。
【0028】
受信装置2−1〜2−3は、放送ネットワーク3を介して放送波を受信し、映像信号及び音声信号Aを再生する。これにより、ユーザーは、映像及び音声を視聴することができる。受信装置2−2は、さらに、通信ネットワーク4を介してIPパケットを受信し、IPパケットに格納された音声信号Bを、映像信号及び音声信号Aに同期させて再生する。受信装置2−3は、さらに、通信ネットワーク4を介してIPパケットを受信し、IPパケットに格納された音声信号B,Cを、映像信号及び音声信号Aに同期させて再生する。これにより、ユーザーは、映像及び音声を視聴することに加え、再生された音声信号Bにより、マルチチャンネルの臨場感のある音声を視聴することができる。また、ユーザーは、再生された音声信号Cにより、さらに臨場感を向上させることができる。
【0029】
尚、音声信号B,Cは、必ずしもマルチチャネルの信号である必要はなく、例えば、音声信号Aとは異なる言語の音声信号であってもよく、映像を解説する音声信号であってもよい。また、受信装置2−1〜2−3は、音声信号A、音声信号B及び音声信号Cのうちのいずれか1つの信号に切り替えて受信するようにしてもよい。本発明において、音声信号B,Cは、その内容を限定するものではなく、映像信号に付随する信号であればよい。
【0030】
ここで、通信ネットワーク4にはIPパケットが伝送されるから、輻輳が発生するとIPパケットは廃棄され、IPパケットの欠損(パケットロス)が生じる。つまり、通信ネットワーク4では、音声信号B,Cの一部の情報が廃棄される可能性がある。一方、放送ネットワーク3には放送波が伝送されるから、通信ネットワーク4とは異なり、映像信号及び音声信号Aは廃棄されることがない。このようなパケットロスの問題を解決するため、送信装置1は、前述したように、FEC処理により冗長パケットを生成してデータパケットと共に送信し、連送処理によりデータパケットを複製して繰り返し送信する。しかしながら、このような手法では、音声信号B,Cにブロック化遅延及び連送遅延が生じてしまい、映像信号及び音声信号Aの再生が遅くなってしまう。
【0031】
そこで、本発明では、図1に示したように、伝送品質の異なる放送ネットワーク3及び通信ネットワーク4を想定した伝送システムにおいて、放送ネットワーク3を介して映像信号及び音声信号Aを受信した後に、通信ネットワーク4を介して音声信号B,Cを受信することがないように、映像信号及び音声信号Aとほぼ同様のタイミングにて、音声信号B,Cを受信するようにする。すなわち、受信装置2(以下、受信装置2−1〜2−3を総称して受信装置2という。)において、受信した映像信号及び音声信号Aを、音声信号B,Cの受信を待ってから再生しなくても済むように、映像信号の第1番目のフレーム#1と音声信号B,Cの第1番目のサンプル#1とを同様のタイミングにて受信するようにする。つまり、送信装置1は、映像信号の第1番目のフレーム#1と音声信号B,Cの第1番目のサンプル#1とをほぼ同じタイミングで送信するために、音声信号B,Cに対するブロック化遅延及び連送遅延を、映像信号の符号化単位の時間、すなわちGOP(Group of Picture)に含まれる、1回の符号化処理の対象となる複数のフレームが発生する時間、例えば500ミリ秒に吸収させる。具体的には、映像信号の符号化単位の時間内で、音声信号B,Cのブロック化処理及び連送処理を行うようにする。これにより、映像信号のフレーム#1と音声信号B,Cのサンプル#1とを、ほぼ同じタイミングにて送信することができ、受信装置2において、音声信号B,Cの到着を待つことなく映像信号及び音声信号Aを再生することができるから、映像信号を受信してから再生するまでの遅延時間が増加することがない。
【0032】
〔送信装置〕
次に、図1に示した送信装置1について説明する。図2は、送信装置1の構成を示すブロック図であり、図3は、送信装置1の処理を示すタイミングチャートである。図4は、映像信号及び音声信号Aに対する処理を示すフローチャートであり、図5は、音声信号B,Cに対する処理を説明するフローチャートである。図2を参照して、この送信装置1は、符号化処理部10,11−A〜11−C、パケタイズ部12,13−A〜13−C、バッファ14、順序制御/FEC処理部15−B,15−C及び伝送路符号化/変調処理部16を備えている。
【0033】
送信装置1は、映像信号に対し、15枚のフレーム#1〜#15を符号化単位、すなわちGOPとして、連続して符号化処理を行ってIPパケットを生成し、符号化処理が完了したことを示すトリガを生成し、音声信号Aに対し、1024個のサンプル#1〜#1024を符号化単位、すなわちアクセスユニットとして、連続して符号化処理を行ってIPパケットを生成し、バッファ14に格納して遅延させた後に、フレーム#1及びサンプル#1の符号を含むIPパケットを変調信号としてほぼ同じタイミングにて送信し、フレーム#2〜#15及びサンプル#2〜#1024の符号を含むIPパケットも順次送信する。また、送信装置1は、音声信号B,Cに対し、1024個のサンプル#1〜#1024を符号化単位、すなわちアクセスユニットとして、連続して符号化処理を行ってIPパケットを生成し、映像信号の符号化処理が完了したことを示すトリガが生成されたときに、順序制御/FEC処理を行う。つまり、送信装置1は、音声信号B,Cのサンプル#1〜#1024の符号を含むIPパケットに対する順序制御/FEC処理を、映像信号のフレーム#1〜#15の符号化処理が完了する毎に行い、音声信号B,Cのサンプル#1の符号を含むIPパケットを、映像信号のフレーム#1及び音声信号Aのサンプル#1の符号を含むIPパケットとほぼ同じタイミングにて送信し、サンプル#2〜#1024の符号を含むIPパケットも順次送信する。尚、映像信号のフレーム#1〜#15及び音声信号A〜Cのサンプル#1〜#1024は、この符号化単位にて信号が対応しており、受信装置2において同期したタイミングにて再生される。
【0034】
(映像信号及び音声信号Aに対する処理)
まず、映像信号及び音声信号Aに対する処理について説明する。図3及び図4を参照して、符号化処理部(映像信号符号化処理部)10は、映像信号における15枚のフレーム#1〜#15の発生に伴い、フレーム#1〜#15を入力し(ステップS401)、フレーム#1〜#15を符号化単位とするGOPに対し符号化処理を行って映像信号の符号を生成し(ステップS402)、パケタイズ部12(映像信号パケタイズ部)に出力する。図3に示すように、フレーム#1は、符号化処理部10に入力された後、フレーム#15を入力するまで、符号化処理の一部として留め置かれる。映像信号のレートを毎秒30フレームとすると、符号化処理部10がフレーム#1〜#15を入力する時間は500ミリ秒である。つまり、符号化処理部10は、フレーム#15を入力した時点で、フレーム#1〜#15に対し符号化処理を行い、映像信号の符号を生成する。この符号化処理として、例えば、ITU-T Rec. H.264|ISO/IEC 14496-10(MPEG-4 AVC)に規定する符号化方式を用いるが、他の符号化方式を用いるようにしても良い。
【0035】
また、符号化処理部10は、フレーム#1〜#15の符号化処理が完了したか否かを判定し(ステップS403)、符号化処理が完了していないことを判定した場合(ステップS403:N)、ステップS402の符号化処理を行う。一方、符号化処理部10は、符号化処理が完了したことを判定した場合(ステップS403:Y)、符号化処理が完了したことを示すトリガを順序制御/FEC処理部15−B,15−Cに出力する(ステップS404)。ここで、トリガは、映像信号の符号化単位の時間である符号化単位のフレーム#1〜#15の発生時間、すなわち1回の符号化処理の対象となるフレーム#1〜#15が発生する時間(図3の例では500ミリ秒)毎に出力される。映像信号は、15枚のフレーム#1〜#15毎に順次発生し、符号化処理部10、パケタイズ部12及び伝送路符号化/変調処理部16による一連の処理が連続して行われるからである。
【0036】
パケタイズ部12は、符号化処理部10から映像信号のフレーム#1〜#15の符号を入力し、RTPヘッダにシーケンス番号及びタイムスタンプを記述し、RTPヘッダ及びUDPヘッダを持つIPパケットにカプセル化してIPパケットを生成し(ステップS405)、伝送路符号化/変調処理部16に出力する。カプセル化は、例えば、IETF RFC3894「RTP Payload Format for H.264」の規格に従って行う。ここで、シーケンス番号は、生成されるIPパケット毎に付与される番号であり、タイムスタンプは、受信装置2において映像信号が提示される提示時刻である。ここで、映像信号を提示するとは、受信装置2において、符号の復号処理が完了した後に映像信号を出力することを意味し、例えば、映像信号を再生する、記憶媒体に格納することをいう。映像信号と同じ時刻に提示される音声信号A〜Cについては、後述するパケタイズ部13−A〜13−Cにおいて、パケタイズ部12により記述される映像信号のタイムスタンプと同じタイムスタンプが記述される。尚、宛先IPアドレスは、映像信号、音声信号A〜C毎に異なるアドレスが付与される。この宛先IPアドレスは、受信装置2において、映像信号、音声信号A〜Cを識別するために用いられる。
【0037】
符号化処理部(第1の音声信号符号化処理部)11−Aは、音声信号Aにおける1024個のサンプル#1〜#1024の発生に伴い、サンプル#1〜#1024を入力し(ステップS406)、サンプル#1〜#1024を符号化単位とするアクセスユニットに対し符号化処理を行って音声信号Aの符号を生成し(ステップS407)、パケタイズ部13−A(第1の音声信号パケタイズ部)に出力する。図3に示すように、サンプル#1は、符号化処理部11−Aに入力された後、サンプル#1024を入力するまで、符号化処理の一部として留め置かれる。音声信号を48KHzでサンプルしたとすると、符号化処理部11−Aがサンプル#1〜#1024を入力する時間は21.3ミリ秒である。つまり、符号化処理部11−Aは、サンプル#1024を入力した時点で、サンプル#1〜#1024に対し符号化処理を行い、音声信号Aの符号を生成する。この符号化処理として、例えば、ISO/IEC 14496-3 MPEG-4 AACを用いるが、他の符号化方式を用いるようにしても良い。
【0038】
パケタイズ部13−Aは、符号化処理部11−Aから音声信号Aのサンプル#1〜#1024の符号を入力し、RTPヘッダにシーケンス番号及びタイムスタンプを記述し、RTPヘッダ及びUDPヘッダを持つIPパケットにカプセル化してIPパケットを生成する(ステップS408)。カプセル化は、例えば、IETF RFC3640「RTP Payload Format for Transport of MPEG-4 Elementary Stream」の規格に従って行う。映像信号に対応した音声信号Aのタイムスタンプについては、映像信号と同様に、音声信号Aを出力する時刻がタイムスタンプとして記述される。
【0039】
パケタイズ部13−Aは、生成したIPパケットをバッファ14に格納し(ステップS409)、伝送路符号化/変調処理部16は、パケタイズ部13−AがIPパケットをバッファ14に格納してから所定時間経過したか否かを判定し(ステップS410)、所定時間経過していないと判定した場合(ステップS410:N)、所定時間経過するまで待つ。一方、伝送路符号化/変調処理部16は、所定時間経過したと判定した場合(ステップS410:Y)、バッファ14からIPパケットを読み出す(ステップS411)。
【0040】
ここで、音声信号Aのサンプル#1〜#1024の符号を含むIPパケットが、所定時間経過した後にバッファ14から読み出されるのは、伝送路符号化/変調処理部16が、パケタイズ部12から映像信号のフレーム#1〜#15の符号を含むIPパケットを入力するタイミングと、バッファ14から音声信号Aのサンプル#1〜#1024の符号を含むIPパケットを読み出すタイミングとをほぼ同じにするためである。映像信号の符号化単位であるGOPの時間(500ミリ秒)と、音声信号Aの符号化単位であるアクセスユニットの時間(21.3ミリ秒)とを比較すると、映像信号の時間の方が長いから、音声信号Aのサンプル#1〜#1024の符号を含むIPパケットは、同時刻に発生した映像信号よりも早く送信されることが可能である。しかし、送信装置1のバッファ14に、音声信号Aのサンプル#1〜#1024の符号を含むIPパケットを所定時間留め置いた後、伝送路符号化/変調処理部16が、映像信号のフレーム#1〜#15の符号を含むIPパケットを入力するタイミングに合わせてバッファ14から読み出すことにより、映像信号のフレーム#1と音声信号Aのサンプル#1とをほぼ同じタイミングで、変調信号の放送波として送信することができる。受信装置2は、音声信号Aのサンプル#1と映像信号のフレーム#1とのタイミングが合った放送波を受信することができるから、映像及び音声の同期再生を容易に行うことができる。
【0041】
伝送路符号化/変調処理部16は、パケタイズ部12から映像信号のフレーム#1〜#15の符号を含むIPパケットを入力すると共に、これとほぼ同じタイミングで、バッファ14から音声信号Aのサンプル#1〜#1024の符号を含むIPパケットを入力し、伝送路符号化及び変調処理を行い(ステップS412)、変調信号の放送波として放送ネットワーク3を介して受信装置2へ送信する(ステップS413)。これにより、伝送路符号化/変調処理部16は、符号化処理部10がフレーム#1〜#15を入力するのに要した時間(500ミリ秒)と同じ時間を費やして、映像信号のフレーム#1〜#15の符号を含むIPパケットを放送波として送信することができる。IPパケットを放送波へ多重するために、例えば、ARIB STD−B32「デジタル放送における映像符号化、音声符号化及び多重化方式」に規定するTLV多重化方式を用いる場合、この伝送路符号化/変調処理として、ARIB STD−B44「高度広帯域衛星デジタル放送の伝送方式」に規定する方式を用いるが、他の方式を用いるようにしてもよい。本発明は、放送波におけるIPパケットの伝送方式を限定するものではない。
【0042】
(音声信号B,Cに対する処理)
次に、音声信号B,Cに対する処理について説明する。図3及び図5を参照して、符号化処理部(第2の音声信号符号化処理部)11−B,11−C及びパケタイズ部(第2の音声信号パケタイズ部)13−B,13−Cは、放送波として送信される音声信号Aに対する符号化処理部11−A及びパケタイズ部13−Aと同様の処理を行う。すなわち、符号化処理部11−B,11−Cは、音声信号B,Cにおける1024個のサンプル#1〜#1024の発生に伴い、サンプル#1〜#1024を入力し(ステップS501)、サンプル#1〜#1024を符号化単位としたアクセスユニットに対し符号化処理を行って音声信号B,Cの符号を生成し(ステップS502)、パケタイズ部13−B,13−Cに出力する。
【0043】
パケタイズ部13−B,13−Cは、符号化処理部11−B,11−Cから音声信号B,Cのサンプル#1〜#1024の符号を入力し、RTPヘッダにシーケンス番号及びタイムスタンプを記述し、RTPヘッダ及びUDPヘッダを持つIPパケットにカプセル化してIPパケットを生成し(ステップS503)、順序制御/FEC処理部15−B,15−Cに出力する。映像信号に対応した音声信号B,Cのタイムスタンプについては、映像信号と同様に、音声信号B,Cを出力する時刻がタイムスタンプとして記述される。
【0044】
順序制御/FEC処理部15−B,15−Cは、パケタイズ部13−B,13−Cから音声信号B,Cのサンプル#1〜#1024の符号を含むIPパケットを入力し、符号化処理部10からトリガを入力したか否かを判定する(ステップS504)。順序制御/FEC処理部15−B,15−Cは、トリガを入力していないと判定した場合(ステップS504:N)、トリガの入力を待つ。一方、順序制御/FEC処理部15−B,15−Cは、トリガを入力したと判定した場合(ステップS504:Y)、順序制御または/及びFEC処理を行い(ステップS505)、IPパケット(及び冗長パケット)を、通信ネットワーク4を介して受信装置2へ送信する(ステップS506)。
【0045】
図3に示すように、サンプル#1〜#1024の符号化処理が完了し、その符号を格納したIPパケットの送信を開始するまでの時間は、約478ミリ秒(500−21.3ミリ秒)となり、この間に7個のIPパケットが生成される。また、放送系出力を行う伝送路符号化/変調処理部16では、音声信号Aにおける7個のIPパケットがシーケンス番号1〜7の順番で送信されるのに対し、通信系出力を行う順序制御/FEC処理部15−B,15−Cでは、音声信号B,Cにおける7個のIPパケットに対し順序制御/FEC処理が行われ、順序制御/FEC処理後のIPパケット(及び冗長パケット)が送信される。また、図3のαに示すように、映像信号の第1番目のフレーム#1及び音声信号Aの第1番目のサンプル#1と、音声信号B,Cの第1番目のサンプル#1とが、ほぼ同じタイミングで送信されることになる。
【0046】
〔順序制御/FEC処理部〕
次に、順序制御/FEC処理部15−B,15−Cによる処理について詳細に説明する。前述のとおり、順序制御/FEC処理部15−B,15−Cは、パケタイズ部13−B,13−Cにより生成された、音声信号B,Cのサンプル#1〜#1024の符号が格納された7個のIPパケットを入力し、符号化処理部10からトリガを入力するタイミングで順序制御/FEC処理を行う。具体的には、順序制御/FEC処理部15−B,15−Cは、以下に示す3つの処理のうち、通信ネットワーク4の品質及び音声信号B,Cの伝送に用いるビットレート等に応じて、予め設定された処理を行う。第1の処理は、順序制御により、入力した7個のIPパケットを、予め設定された繰り返し数分複製し、連送するものである。第2の処理は、FEC処理により、入力した7個のIPパケットから所定数の冗長パケットを生成し、IPパケット及び冗長パケットを送信するものである。第3の処理は、第1の処理及び第2の処理を同時に行うものである。
【0047】
図6は、順序制御/FEC処理部15−B,15−Cの処理を説明する図である。(1)は、第1の処理において、順序制御により連送を行う場合のIPパケットの順序を説明する図であり、(2)は、第2の処理において、FEC処理により冗長パケットを生成する場合のIPパケットの順序を説明する図であり、(3)は、第3の処理において、順序制御及びFEC処理により冗長パケットを生成し連送を行う場合のIPパケットの順序を説明する図である。
【0048】
図6(1)を参照して、第1の処理において、順序制御/FEC処理部15−B,15−Cは、シーケンス番号1〜7の順番でIPパケットを入力し、符号化処理部10からトリガを入力したタイミングにて、シーケンス番号1〜7のIPパケットを予め設定された繰り返し数分複製し、複製後のIPパケットを出力する。例えば、繰り返し数が3の場合、シーケンス番号1〜7のIPパケットを3回分複製し、シーケンス番号1〜7のIPパケットを、以下のように3回連続して出力する。1〜7は、それぞれシーケンス番号1〜7のIPパケットを示す。
7,6,5,4,3,2,1,7,6,5,4,3,2,1,7,6,5,4,3,2,1→(送信順)
【0049】
つまり、順序制御/FEC処理部15−B,15−Cは、トリガを入力する時間間隔である500ミリ秒の間に生成されたIPパケットをひとまとめとし、その順序で繰り返し送信する。この場合、繰り返すIPパケットのRTPヘッダに記述されたシーケンス番号及びタイムスタンプは、最初に送信されるIPパケットのそれらと同一の値となり、同一のIPパケットは、時間をあけて重複して送信されることになる。このような動作が500ミリ秒毎に繰り返される。
【0050】
図6(2)を参照して、第2の処理において、順序制御/FEC処理部15−B,15−Cは、シーケンス番号1〜7の順番でIPパケットを入力し、符号化処理部10からトリガを入力したタイミングにて、シーケンス番号1〜7のIPパケットから、所定数の冗長パケットを生成し、シーケンス番号1〜7のIPパケット及び所定数の冗長パケットを出力する。例えば、リードソロモン符号(n=9,k=7)を用いた場合、7個のIPパケットから2個の冗長パケットP1,P2を生成し、以下のように出力する。1〜7は、それぞれシーケンス番号1〜7のIPパケットを示し、P1,P2は、それぞれ冗長パケットを示す。
P2,P1,7,6,5,4,3,2,1→(送信順)
【0051】
つまり、順序制御/FEC処理部15−B,15−Cは、500ミリ秒の間に生成されたIPパケットをひとまとめとしてブロック化を行い、リードソロモン符号により冗長パケットを生成し送信する。このような動作が500ミリ秒毎に繰り返される。
【0052】
尚、リードソロモン符号による冗長パケットの生成方法は既知であるから説明を省略する。詳細については、「Efficient Reliable Multicast Using FEC and Limited Retransmission for HDTV IP Broadcasting」(S.Aoki, et al., IEEE Consumer Communications & Network Conference (CCNC) 2008,FP1-S5-1,2008年1月)、及び「IPマルチキャスト放送における信頼性を確保した伝送方式の一検討」(青木秀一他、電子情報通信学会 技術報告CQ2006-35、2006年9月)を参照されたい。また、リードソロモン符号を用いることなく、「Unidirectional Transport of Constant Bit Rate MPEG-2 Transport Streams on IP Networks」(SMPTE 2022-2-2007)に従い、Exclusive ORにより冗長パケットを生成するようにしてもよい。
【0053】
図6(3)を参照して、第3の処理において、順序制御/FEC処理部15−B,15−Cは、シーケンス番号1〜7の順番でIPパケットを入力し、符号化処理部10からトリガを入力したタイミングにて、シーケンス番号1〜7のIPパケットから、所定数の冗長パケットを生成し、シーケンス番号1〜7のIPパケット及び所定数の冗長パケットを予め設定された繰り返し数分複製し、複製後のIPパケット及び冗長パケットを出力する。例えば、リードソロモン符号(n=9,k=7)を用いた場合、7個のIPパケットから2個の冗長パケットP1,P2を生成する。また、繰り返し数が3の場合、7個のIPパケット及び2個の冗長パケットを3回分複製し、7個のIPパケット及び2個の冗長パケットを、以下のように3回連続して出力する。
P2,P1,7,6,5,4,3,2,1,P2,P1,7,6,5,4,3,2,1,P2,P1,7,6,5,4,3,2,1→(送信順)
【0054】
つまり、順序制御/FEC処理部15−B,15−Cは、500ミリ秒の間に生成されたIPパケットをひとまとめとしてブロック化を行い、リードソロモン符号により冗長パケットを生成し、この単位で繰り返し送信する。このような動作が500ミリ秒毎に繰り返される。
【0055】
以上のように、本発明の実施形態による送信装置1によれば、順序制御/FEC処理部15−B,15−Cは、符号化処理部10からトリガを入力する毎に、すなわち映像信号の符号化単位の時間である符号化単位のフレーム#1〜#15の発生時間、すなわち1回の符号化処理の対象となるフレーム#1〜#15が発生する時間(図3の例では500ミリ秒)内で順序制御/FEC処理を行うようにした。したがって、映像信号の第1番目のフレーム#1と音声信号B,Cの第1番目のサンプル#1とが、ほぼ同じタイミングで送信されるようになり(図3のαを参照)、受信装置2において、音声信号B,Cの到着を待つことなく映像信号及び音声信号Aを再生することができるから、映像信号を受信してから再生するまでの遅延時間が増加することがない。つまり、音声信号B,Cのブロック化または/及び連送による遅延が原因となって、受信装置2において映像信号を再生するのに遅延が生じてしまうという課題1を解決することができる。
【0056】
また、順序制御/FEC処理部15−B,15−Cは、順序制御を行う場合、符号化処理部10からトリガを入力する毎に、図3の例では500ミリ秒内で順序制御を行い、複製したIPパケットを繰り返し送信するようにした。例えば、繰り返し数が3の場合、500ミリ秒内において、シーケンス番号1〜7のIPパケットを3回分複製し、シーケンス番号1〜7のIPパケットを3回連続して出力するようにした。これにより、従来技術に比べ、通信ネットワーク4におけるパケット欠損に対する耐性を確保することができ、輻輳に伴うIPパケットの連続廃棄により音声信号B,Cを受信できないという課題2を解決することができる。以下、詳細に説明する。
【0057】
図7は、繰り返し数として3が設定されている場合の、従来技術及び本発明の実施形態におけるIPパケットの順序を説明する図であり、図7(1)は従来技術の場合を示し、図7(2)は本発明の実施形態の場合を示している。図7(1)の従来技術の場合、順序制御によって、シーケンス番号1〜7のIPパケットは、以下に示すように、同じシーケンス番号のIPパケット毎に繰り返し送信される。
7,7,7,・・・,3,3,3,2,2,2,1,1,1→(送信順)
これに対し、図7(2)の本発明の実施形態による送信装置1の場合、順序制御/FEC処理部15−B,15−Cでの順序制御によって、シーケンス番号1〜7のIPパケットは、以下に示すように、シーケンス番号1〜7のIPパケットをひとまとめにして繰り返し送信される。これは、前述の図6(1)に示した第1の処理の場合と同様である。
7,6,5,4,3,2,1,7,6,5,4,3,2,1,7,6,5,4,3,2,1→(送信順)
【0058】
従来技術の場合、通信ネットワーク4にて輻輳が発生し、同じシーケンス番号のIPパケットに対してパケット損失が3回連続したときには、IPパケットを復元できない場合がある。これに対し、本発明の実施形態による送信装置1の場合、パケット損失が14回以上連続したときには、IPパケットを復元できない場合がある。つまり、従来技術の場合、パケット損失が連続して2回までに限り、IPパケットを復元することができるが、本発明の実施形態による送信装置1の場合、パケット損失が連続して13回以下であれば、IPパケットを復元することができる。したがって、本発明の実施形態による送信装置1によれば、従来技術に比べ、通信ネットワーク4におけるパケット欠損に対する耐性を確保することができ、映像信号に対応する音声信号B,Cの伝送の信頼性を確保することができる。
【0059】
〔受信装置〕
次に、図1に示した受信装置2(2−1〜2−3)について説明する。図8は、受信装置2の構成を示すブロック図である。この受信装置2は、復調/伝送路復号処理部20、受信バッファ21−B,21−C、FEC処理部22−B,22−C、デパケタイズ部23,24−A〜24−C、トランスポートバッファ25,26−A〜26−C及び復号処理部27,28−A〜28−Cを備えている。
【0060】
受信装置2は、放送ネットワーク3を介して映像信号及び音声信号Aの変調信号を放送波として受信し、通信ネットワーク4を介して音声信号B,CのIPパケットを受信する。この場合、映像信号のフレーム#1及び音声信号Aのサンプル#1と音声信号B,Cのサンプル#1とをほぼ同じタイミングにて受信する。そして、受信装置2は、映像信号及び音声信号AのIPパケットを識別し、復号して再生する。また、受信装置2は、音声信号B,CのIPパケットに対し、送信装置1の順序制御/FEC処理部15−B,15−Cに対応した順序制御による並び替えまたは/及びFECによる回復処理を行い、復号して再生する。
【0061】
(映像信号及び音声信号Aに対する処理)
まず、映像信号及び音声信号Aに対する処理について説明する。復調/伝送路復号処理部20は、放送ネットワーク3を介して受信した映像信号及び音声信号Aの変調信号を入力し、復調処理、伝送路復号処理を行い、多重されたIPパケットを取り出す。そして、復調/伝送路復号処理部20は、IPパケットの宛先アドレスに基づいて、映像信号のIPパケットと音声信号AのIPパケットとを識別し、映像信号のIPパケットをデパケタイズ部23に出力し、音声信号AのIPパケットをデパケタイズ部24−Aに出力する。
【0062】
デパケタイズ部23は、復調/伝送路復号処理部20から映像信号のIPパケットを入力し、IPパケットからIPヘッダ、UDPヘッダ及びRTPヘッダを取り除き、IPパケットに格納された映像信号の符号を取得する。また、デパケタイズ部23は、RTPヘッダからタイムスタンプを取得し、タイムスタンプ及びこのタイムスタンプに対応した映像信号の符号をトランスポートバッファ25に格納する。前述のとおり、タイムスタンプは、映像信号を提示する時刻を示している。
【0063】
デパケタイズ部24−Aは、復調/伝送路復号処理部20から音声信号AのIPパケットを入力し、デパケタイズ部23と同様の処理を行い、タイムスタンプ及びこのタイムスタンプに対応した音声信号Aの符号をトランスポートバッファ26−Aに格納する。前述のとおり、タイムスタンプは、音声信号Aを提示する時刻を示している。
【0064】
復号処理部27は、トランスポートバッファ25からタイムスタンプを読み出し、タイムスタンプの示す時刻と図示しないタイマの時刻とを比較し、タイマの時刻がタイムスタンプの示す時刻よりも所定時間前の時刻であるときに、トランスポートバッファ25からそのタイムスタンプに対応した映像信号の符号を読み出す。そして、復号処理部27は、読み出した映像信号の符号に対して復号処理を行い、タイマの時刻がタイムスタンプの示す時刻になったときに、映像信号を出力する。このような復調/伝送路復号処理部20、デパケタイズ部23、トランスポートバッファ25及び復号処理部27による処理は、映像信号のフレーム#1〜#15毎に行われ、映像信号が再生される。
【0065】
復号処理部28−Aは、復号処理部27と同様の処理を行い、タイマの時刻がトランスポートバッファ26−Aに格納されたタイムスタンプの示す時刻よりも所定時間前の時刻であるときに、トランスポートバッファ26−Aからそのタイムスタンプに対応した音声信号Aの符号を読み出す。そして、復号処理部28−Aは、読み出した音声信号Aの符号に対して復号処理を行い、タイマの時刻がタイムスタンプの示す時刻になったときに、音声信号Aを出力する。このような復調/伝送路復号処理部20、デパケタイズ部24−A、トランスポートバッファ26−A及び復号処理部28−Aによる処理は、映像信号のフレーム#1〜#15に対応した音声信号Aのサンプル#1〜#1024毎に行われ、音声信号Aが再生される。
【0066】
(音声信号B,Cに対する処理)
次に、音声信号B,Cに対する処理について説明する。受信装置2は、通信ネットワーク4を介して音声信号AのIPパケットを受信すると、受信バッファ21−Bに格納する。受信バッファ21−Bは、IPパケットのRTPヘッダからシーケンス番号を取り出し、同一のシーケンス番号を持つIPパケットを削除し、シーケンス番号の順番にIPパケットを並び替える。
【0067】
FEC処理部22−Bは、受信バッファ21−Bからシーケンス番号の順番に並び替えられたIPパケットを読み出し、シーケンス番号が不連続であるか否かを判定し、不連続であると判定した場合、欠損したIPパケットを検出したとして、冗長パケットを用いてFECの復号処理を行い、IPパケットの回復処理を行う。FEC処理部22−Bは、シーケンス番号の順番に並び替えられかつFECの復号処理後の、音声信号BのIPパケットをデパケタイズ部24−Bに出力する。尚、冗長パケットが存在しない場合(送信されていない場合、または欠損した場合)は、FECの復号処理を行わない。
【0068】
受信バッファ21−C及びFEC処理部22−Cは、通信ネットワーク4を介して受信した音声信号CのIPパケットに対し、受信バッファ21−B及びFEC処理部22−Bと同様の処理を行う。
【0069】
デパケタイズ部24−B,24−Cは、デパケタイズ部23,24−Aと同様の処理を行い、タイムスタンプ及びこのタイムスタンプに対応した音声信号B,Cの符号をトランスポートバッファ26−B,26−Cに格納する。前述のとおり、タイムスタンプは、音声信号B,Cを提示する時刻を示している。
【0070】
復号処理部28−B,28−Cは、復号処理部27,28−Aと同様の処理を行い、
タイマの時刻がトランスポートバッファ26−B,26−Cに格納されたタイムスタンプの示す時刻よりも所定時間前の時刻であるときに、トランスポートバッファ26−B,26−Cからそのタイムスタンプに対応した音声信号B,Cの符号を読み出し、復号処理を行い、タイマの時刻がタイムスタンプの示す時刻になったときに、音声信号B,Cを出力する。このような受信バッファ21−B,21−C、FEC処理部22−B,22−C、デパケタイズ部24−B,24−C、トランスポートバッファ26−B,26−C及び復号処理部28−B,28−Cによる処理は、映像信号のフレーム#1〜#15に対応した音声信号B,Cのサンプル#1〜#1024毎に行われ、音声信号B,Cが再生される。
【0071】
以上のように、本発明の実施形態による受信装置2によれば、送信装置1から送信された映像信号、音声信号A〜Cについて、映像信号の第1番目のフレーム#1及び音声信号Aの第1番目のサンプル#1と音声信号B,Cの第1番目のサンプル#1とを、ほぼ同じタイミングで受信するから、音声信号B,Cの到着を待つことなく映像信号及び音声信号Aを再生することができる。したがって、映像信号を受信してから再生するまでの遅延時間が増加することがない。つまり、音声信号B,Cのブロック化または/及び連送による遅延が原因となって、受信装置2において映像信号を再生するのに遅延が生じてしまうという課題1を解決することができる。
【0072】
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。前記実施形態では、送信装置1の符号化処理部10は、映像信号の符号化単位を15フレームに設定することにより、符号化単位のフレーム#1〜#15の発生時間が500ミリ秒となることから、500ミリ秒毎にトリガを順序制御/FEC処理部15−B,15−Cに出力するようにした。また、符号化処理部11−A〜11−Cは、音声信号A〜Cのサンプル#1〜#1024を入力する時間を21.3ミリ秒とし、順序制御/FEC処理部15−B,15−Cは、500ミリ秒毎に入力するトリガのタイミングにて、順序制御/FEC処理を行うようにした。一般に、映像信号の符号化単位の時間は、音声信号A〜Cの符号化単位の時間よりも長い。したがって、本発明は、前述した具体的な値及び方式に限定されるものではない。
【0073】
また、前記実施形態では、放送系の信号として、映像信号及び音声信号Aの符号を格納したIPパケットを多重する例を説明したが、MPEG−2 Systemsに規定するTS(Transport Stream)パケットにこれらの符号を格納し多重するようにしてもよい。具体的には、送信装置1のパケタイズ部12,13−Aは、例えば2009年10月16日付けの情報通信審議会による答申「携帯端末向けマルチメディア放送方式の技術的条件」に規定する方式を用いることにより、生成したIPパケットをTSパケットにカプセル化し、TSパケットを出力する。
【0074】
尚、本発明の実施形態による送信装置1及び受信装置2のハード構成としては、通常のコンピュータを使用することができる。送信装置1及び受信装置2は、CPU、RAM等の揮発性の記憶媒体、ROM等の不揮発性の記憶媒体、及びインターフェース等を備えたコンピュータによって構成される。送信装置1に備えた符号化処理部10,符号化処理部11−A〜11−C、パケタイズ部12,13−A〜13−C、バッファ14、順序制御/FEC処理部15−B,15−C及び伝送路符号化/変調処理部16の各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。また、受信装置2に備えた復調/伝送路復号処理部20、受信バッファ21−B,21−C、FEC処理部22−B,22−C、デパケタイズ部23,24−A〜24−C、トランスポートバッファ25,26−A〜26−C及び復号処理部27,28−A〜28−Cの各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。これらのプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもできる。
【符号の説明】
【0075】
1 送信装置
2 受信装置
3 放送ネットワーク
4 通信ネットワーク
10,11 符号化処理部
12,13 パケタイズ部
14 バッファ
15 順序制御/FEC処理部
16 伝送路符号化/変調処理部
20 復調/伝送路復号処理部
21 受信バッファ
22 FEC処理部
23,24 デパケタイズ部
25,26 トランスポートバッファ
27,28 復号処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号、前記映像信号と共に再生される第1の音声信号及び第2の音声信号をそれぞれ符号化し、前記映像信号の符号を格納したIPパケット及び前記第1の音声信号の符号を格納したIPパケットを生成し、これらのIPパケットを放送波として放送ネットワークへ送信すると共に、前記第2の音声信号の符号を格納したIPパケットを生成し、前記IPパケットを通信ネットワークへ送信する送信装置において、
前記映像信号における所定数のフレームを符号化し、映像信号の符号を生成する映像信号符号化処理部と、
前記第1の音声信号における所定数のサンプルを符号化し、第1の音声信号の符号を生成する第1の音声信号符号化処理部と、
前記第2の音声信号における所定数のサンプルを符号化し、第2の音声信号の符号を生成する第2の音声信号符号化処理部と、
前記映像信号符号化処理部により生成された符号を格納し、映像信号のIPパケットを生成する映像信号パケタイズ部と、
前記第1の音声信号符号化処理部により生成された符号を格納し、第1の音声信号のIPパケットを生成する第1の音声信号パケタイズ部と、
前記第2の音声信号符号化処理部により生成された符号を格納し、第2の音声信号のIPパケットを生成する第2の音声信号パケタイズ部と、
前記第1の音声信号パケタイズ部により生成された第1の音声信号のIPパケットを格納するバッファと、
前記映像信号パケタイズ部により生成された映像信号のIPパケットを入力すると共に、前記バッファから第1の音声信号のIPパケットを所定時間後に読み出し、前記映像信号における所定数のフレームのうちの先頭フレームと、前記第1の音声信号における所定数のサンプルのうちの先頭サンプルとのタイミングを合わせて、前記入力した映像信号のIPパケット及び前記読み出した第1の音声信号のIPパケットに対し符号化及び変調処理を行い、放送波として送信する伝送路符号化/変調処理部と、
前記第2の音声信号パケタイズ部により生成された第2の音声信号のIPパケットを入力し、前記映像信号における所定数のフレームに対する符号化の処理毎に、前記入力した第2の音声信号における所定数のサンプルについてのIPパケットを複製し、前記複製したIPパケットを繰り返し送信する順序制御部と、を備えたことを特徴とする送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の送信装置において、
前記順序制御部の代わりにFEC(Forward Error Correction)処理部を備え、
前記FEC処理部は、前記第2の音声信号パケタイズ部により生成された第2の音声信号のIPパケットを入力し、前記映像信号における所定数のフレームに対する符号化の処理毎に、前記入力した第2の音声信号における所定数のサンプルについてのIPパケットを用いて冗長パケットを生成し、前記IPパケット及び冗長パケットを送信する、ことを特徴とする送信装置。
【請求項3】
請求項1に記載の送信装置において、
前記順序制御部の代わりに順序制御/FEC処理部を備え、
前記順序制御/FEC処理部は、前記第2の音声信号パケタイズ部により生成された第2の音声信号のIPパケットを入力し、前記映像信号における所定数のフレームに対する符号化の処理毎に、前記入力した第2の音声信号における所定数のサンプルについてのIPパケットを用いて冗長パケットを生成し、前記IPパケット及び冗長パケットを複製し、前記複製したIPパケット及び冗長パケットを繰り返し送信する、ことを特徴とする送信装置。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか一項に記載の送信装置において、
前記映像信号符号化処理部は、映像信号における所定数のフレームを符号化し、映像信号の符号を生成し、前記所定数のフレームの符号化が完了したときにトリガを出力し、
請求項1の順序制御部は、前記映像信号符号化処理部からトリガを入力し、前記トリガを入力する毎に、前記入力した第2の音声信号における所定数のサンプルについてのIPパケットを複製し、前記複製したIPパケットを繰り返し送信し、
請求項2のFEC処理部は、前記映像信号符号化処理部からトリガを入力し、前記トリガを入力する毎に、前記入力した第2の音声信号における所定数のサンプルについてのIPパケットを用いて冗長パケットを生成し、前記IPパケット及び冗長パケットを送信し、
請求項3の順序制御/FEC処理部は、前記映像信号符号化処理部からトリガを入力し、前記トリガを入力する毎に、前記入力した第2の音声信号における所定数のサンプルについてのIPパケットを用いて冗長パケットを生成し、前記IPパケット及び冗長パケットを複製し、前記複製したIPパケット及び冗長パケットを繰り返し送信する、ことを特徴とする送信装置。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一項に記載の送信装置において、
前記映像信号パケタイズ部は、映像信号の符号を格納してTS(Transport Stream)パケットを生成し、
前記第1の音声信号パケタイズ部は、第1の音声信号の符号を格納してTSパケットを生成し、
前記映像信号の符号を格納したTSパケット及び第1の音声信号を格納したTSパケットを放送波として放送ネットワークへ送信する、ことを特徴とする送信装置。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1から5までのいずれか一項に記載の送信装置として機能させるための送信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−15875(P2012−15875A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151625(P2010−151625)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】