説明

送風ユニット

【課題】駆動モータを積極的に冷却することができ、また、限られた収容空間に送風ユニットを収容する場合においても、スクロールケース内に形成される送風路を大きく確保し、吸込み抵抗の低減を図り、風量不足や騒音の増加を回避する。
【解決手段】スクロールケース2の内部に駆動モータ3のモータ本体部30を突出させると共に、駆動モータ3の回転軸11に装着された多羽翼ファン4をモータ本体部30の径とほぼ等しいかそれより小さい径に形成してモータ本体部30に対して軸方向で前後に並設配置する。これにより、モータ本体部30のスクロールケース内に突出した部分の側面と多羽翼ファン4の外周及びスクロールケース2の内面とにより空気を吐出する送風路32を画成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にバッテリー冷却用に適した送風ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両等に搭載される送風ユニットは、スクロールケースに収容された遠心式多羽翼ファンを駆動モータで回転させる構成が多用されている(特許文献1,2,3等参照)。
これは、図5に示されるように、軸方向から吸引した空気を径外方向へ送風する多羽翼ファン100と、前記多羽翼ファンを収容するスクロールケース110と、前記スクロールケース110に取り付けられ、前記多羽翼ファン100を回転させる駆動モータ120とを有して構成されているもので、多羽翼ファン100は、駆動モータ120の回転軸121に固装されるボス部101と、このボス部101から連接されるコーン部102と、回転軸121の軸方向に立設されると共にコーン部102の外周縁の円周方向に沿って設けられた複数の羽根103とを有して構成され、スクロールケース110に形成された開口部111と対峙する部分が空気を吸引する吸込口104に形成されている。
【0003】
また、駆動モータ120は、制御基板が収容されたモータ本体部122と、このモータ本体部122から突出形成された図示しないステータと、このステータを覆うように囲設されてステータに生じる回転磁界によって回転するロータ123と、このロータ123が固設される回転軸121とを有して構成されている。
【0004】
そして、ロータ123をスクロールケース110内に突出させるようにモータ本体部122の上部に設けられたフランジ部124をスクロールケース110に固着し、このスクロールケース内に突出したロータ123を多羽翼ファン100のコーン部102の内側空間に収容するようにしている。
【0005】
したがって、スクロールケース110内には、多羽翼ファン100の外周とスクロールケース110の内面とによってスクロール状の送風路130が画成され、駆動モータ120により多羽翼ファン100が回転すると、吸込口104を介して軸方向から空気が吸引され、この吸引された空気がコーン部102に沿って流れて羽根103間に流入し、その後周囲の送風路130へ圧送されるようになっている。
【特許文献1】特開平10−225059号公報
【特許文献2】特開平11−37096号公報
【特許文献3】特開2004−68741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した構成においては、駆動モータの制御基板等を収容したモータ本体部122がスクロールケース110の下部に突出して取り付けられ、また、ロータ123がスクロールケース内に突出して設けられるが、このロータ123は、多羽翼ファン100のコーン部102の内側空間に収容されているので、送風路130を流れる空気の主流に接触することがなく、駆動モータ120を冷却しにくい構成であった。このため、従来においては、前記特許文献1にも示されているように、発熱しやすい箇所にヒートシンクを設け、このヒートシンクを送風路130に表出するようにしていた。特に、ブラシレスモータにおいては、通電制御を行う制御基板に設けられた電子部品が発熱しやすくなるため、積極的に冷却することが望ましい。
【0007】
また、駆動モータ120のモータ本体部122がスクロールケース110の下部に突出して取り付けられるので、送風ユニットのモータ本体部122の周囲にはデッドスペースが形成されてしまい、送風ユニットの軸方向の寸法(H)を十分に確保できない場合には、送風路の断面積を十分に大きく確保することができない。このため、吸込み抵抗が増加し(通路圧損が悪化し)、風量不足や騒音増大等の不都合が生じるものであった。
【0008】
本発明は、係る事状に鑑みてなされたものであり、駆動モータを積極的に冷却することができ、また、限られた収容空間に送風ユニットを収容する場合においても、スクロールケース内に形成される送風路を大きく確保し、これにより、吸込み抵抗の低減を図り、風量不足や騒音の増加を回避することが可能な送風ユニットを提供することを主たる課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するために、本発明に係る送風ユニットは、軸方向から吸引した空気を径外方向へ送風する多羽翼ファンと、前記多羽翼ファンを収容するスクロールケースと、前記スクロールケースに取り付けられ、前記多羽翼ファンを回転させる駆動モータとを有する構成において、前記スクロールケースの内部に前記駆動モータのモータ本体部を突出させると共に、前記駆動モータの回転軸に装着された前記多羽翼ファンが前記モータ本体部の径とほぼ等しいかそれより小さい径に形成されて前記モータ本体部に軸方向で前後に並設配置され、前記モータ本体部の前記スクロールケース内に突出した部分の側面が前記多羽翼ファンの外周及び前記スクロールケースの内面と共に空気を吐出する送風路を画成していることを特徴としている。
【0010】
したがって、スクロールケース内にモータ本体部が突設されると共に、多羽翼ファンが駆動モータの周囲を覆うことなく軸方向に並設され、モータ本体部のスクロールケース内に突出した部分の側面と、多羽翼ファンの外周及びスクロールケースの内面とにより空気を送出するスクロール状の送風路が画成されるので、モータ本体部の側面に送風路を流れる空気が直接接触することとなり、モータ本体部を送風路を流れる空気によって冷却することが可能となる。
【0011】
また、駆動モータの軸方向に十分なスペースを確保できない場合でも、駆動モータのスクロールケースから突出した部分を少なくして、スクロールケースの軸方向寸法を大きくすることで、送風路の通路断面を大きく確保することが可能となる。
【0012】
ここで、モータ本体部の冷却を促進するために、スクロールケース内に突出するモータ本体部は、そのハウジングが金属製で構成されることが好ましい。
【0013】
特に、上述の送風ユニットは、与えられた収容空間で送風路の面積を大きく確保しつつ駆動モータの冷却を促進できるので、比較的温度が高い空気を吸引排出するような箇所、例えば、バッテリー冷却用としてバッテリーの下流側に配置される場合にも適した構成である。
【0014】
尚、送風ユニットをバッテリー冷却用として用いる場合には、バッテリーと熱交換した空気中には水素等のガスが混在していることもあるため、特に、駆動モータとして、ブラシレスモータを用いることが好ましい。
【0015】
また、モータ本体部に、ステータ、ロータ、電機子巻線に給電する電流を制御する制御基板が少なくとも収容される構成においては、冷却を必要とする制御基板を前記ステータ及びロータよりも前記多羽翼ファン側に配置することが好ましい。
【0016】
さらに、スクロールケース内に突出したモータ本体部の冷却を促進するために、多羽翼ファンのモータ本体部と対峙する部分の外周縁部を、モータ本体部の多羽翼ファンと対峙する部分の外周縁部の形状に沿った形状に形成し、モータ本体部の側面へ吸引空気を導入しやすくしてもよい。
【0017】
さらにまた、スクロールケース内に突出したモータ本体部の冷却を促進するために、モータ本体部の外表面に、放熱フィンを設けるようにしてもよい。
【0018】
尚、上述した多羽翼ファンと送風機との関係は、より具体的には、多羽翼ファンが、駆動モータの回転軸に固装されるボス部と、このボス部から連接されるコーン部と、前記回転軸の軸方向に立設されると共に前記コーン部の外周縁の円周方向に沿って設けられた複数の羽根とを具備し、軸方向から吸引した空気を前記コーン部に沿って前記羽根へ導き、羽根と羽根との間を通過させる構成である場合に、モータ本体部は、前記コーン部の内側に突出配置されていない構成となる。このようにコーン部の内側にモータ本体部が突出配置されない構成とすることで、送風路を流れる空気がコーン部に遮られてモータ本体部の側面に当たらなくなる不都合がなくなる。
【発明の効果】
【0019】
以上述べたように、本発明によれば、スクロールケースの内部に駆動モータのモータ本体部を突出させると共に、この駆動モータの回転軸に装着される多羽翼ファンの径をモータ本体部の径とほぼ等しいかそれより小さい径に形成して、モータ本体部と多羽翼ファンとを軸方向で前後に並設配置し、スクロールケース内に、モータ本体部のスクロールケース内に突出した部分の側面と、多羽翼ファンの外周およびスクロールケースの内面とにより空気を圧送する送風路が画成されるので、送風路を流れる空気によりモータ本体部を直接冷却することが可能となる。
【0020】
また、モータ本体部の周囲に形成されていたデッドスペースを通風路として形成することが可能となるので、送風ユニットの軸方向の寸法に制約があっても、通風路の通路断面を大きく確保することが可能となり、吸込み抵抗の増加に伴う風量不足を回避することが可能となり、また、騒音の悪化を避けることが可能となる。
【0021】
特に、上述の構成において、モータ本体部のハウジングを金属製とすれば、モータ本体部の熱伝導を高めることで放熱効果を高めることが可能となる。
【0022】
さらに、上述した送風ユニットは、バッテリーを冷却するために、バッテリーの下流側に配置しなければならない場合に特に有用な構成である。すなわち、バッテリーの下流側に送風ユニットが配置される場合には、バッテリーで暖められた空気が吸引されるので、従来の構成であれば、暖かい空気を利用して駆動モータを冷却することは予想できないものであるが、本構成においては、暖かい空気が吸引されても、モータ本体部の側面が送風路の一部分を構成して送風路に表出されているので、吸引空気の温度が高い場合でも冷却効果を期待することが可能となる。
【0023】
尚、駆動モータをブラシレスモータとすることで、特にバッテリー冷却用として用いられる場合も、バッテリーから放出されたガスを吸引排出するような場合に危険が伴うことが無くなる。
【0024】
また、モータ本体部に収容される制御基板をステータやロータよりも多羽翼ファン側に配置することで、発熱しやすい制御基板をモータ本体部のスクロールケース内に突出した部分に配置させることができ、制御基板の冷却効果を高めることが可能となる。
【0025】
さらに、多羽翼ファンのモータ本体部と対峙する部分の外周縁部を、モータ本体部の多羽翼ファンと対峙する部分の外周縁部の形状に沿った形状に形成することで、多羽翼ファンから径外方向に流れる空気をモータ本体部の周囲に効果的に導くことが可能となり、駆動モータの冷却性能を高めることが可能となる。
【0026】
さらにまた、モータ本体部の外表面に放熱フィンを設けることで、モータ本体部の放熱効果を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の最良の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0028】
図1において、送風ユニット1は、例えば、図示しないバッテリーを冷却するためにバッテリーの下流側に配置され、バッテリーにより暖められた空気を吸引して排出するために用いられるもので、スクロールケース2と、駆動モータ3と、多羽翼ファン4とを有して構成されている。
【0029】
スクロールケース2は樹脂等により構成され、ベルマウス5が一体又は別体に設けられた開口部6を有する上側壁7と、この上側壁と所定の間隔を開けて対向配置され、駆動モータを取り付けるモータ挿入孔8が形成された下側壁9と、これら上側壁7と下側壁9との外周縁を結ぶように吐出口20を残すように設けられた外周壁10とを有している。
外周壁10は、巻始部10aを起点として、ここからシロッコファンの周方向に沿って多羽翼ファン4の中心からの距離が徐々拡大する螺旋状に形成されている。
【0030】
多羽翼ファン4は、それ自体周知のもので、駆動モータ3の回転軸11に固装されるボス部12と、このボス部12から連接されるコーン部13と、前記回転軸11の軸方向に立設されると共に前記コーン部13の外周縁の円周方向に沿って設けられた複数の羽根14とを具備し、コーン部13と対峙する複数の羽根で画成された吸込口15から流入された空気をコーン部13に沿って前記羽根14へ導き、羽根と羽根との間を通過させる構成となっている。
【0031】
駆動モータ3は、図2にも示されるアウターロータ式のブラシレスモータからなり、ロータ21と一体に回転する回転軸11がモータ本体部30を構成するハウジング30aの中心に軸受け23,24を介して軸支され、この回転軸11の周囲に電機子巻線25を巻設したステータ26を設け、さらにその外側に前記ロータ21に取り付けられたマグネット27をステータ26と対峙して配置し、ステータ26によって生じる回転磁界でロータ21を回転させて回転軸11を回転させる構成となっている。
【0032】
また、ステータ26に設けられた電機子巻線25に給電される電流を電子スイッチで切り替える等の制御を行う電子部品が配設された制御基板28が、ステータ26及びロータ21よりも多羽翼ファン側に配置され、この例では、ハウジング内部の最も多羽翼ファン4に近い位置(図中、モータ本体部30の上端近傍)に配置されている。
【0033】
さらに、モータ本体部30のハウジング30aの下端部(回転軸が突出している側と反対側)には、スクロールケース2に駆動モータ3を取り付けるためのフランジ部31が形成されている。この例では、モータ本体部30のハウジング30aはアルミ等の熱伝導に優れた金属材で構成され、フランジ部31は樹脂で構成されている。
【0034】
前記駆動モータ3の回転軸11に装着される多羽翼ファン4は、モータ本体部30の径とほぼ等しいかそれより小さい径に形成され、モータ本体部30の外周を覆うことなく軸方向で前後に並設されている。即ち、モータ本体部30は、コーン部13の内側空間に突出配置されることなく多羽翼ファン4と対峙して設けられている。
【0035】
このため、多羽翼ファン4は、軸方向の寸法が従来と同じであれば、駆動モータ3の回転軸11を挿着するボス部12が従来よりもモータ本体部側に寄せられて設けられ、吸込口15から羽根14間に至る空気導入路の通路面積が大きく確保されている。
【0036】
そして、多羽翼ファン4が吸込口15をスクロールケース2の開口部6に近接させてスクロールケース内に収容されると共にモータ本体部30がスクロールケース2の内部に突出するように駆動モータ3をスクロールケース2の下側壁9にフランジ部31を介して取り付け、モータ本体部30のスクロールケース内に突出した部分の側面と、多羽翼ファン4の外周及びスクロールケース2の内面とにより、多羽翼ファン4の羽根間から径外方向へ送出した空気を吐出口20にかけて圧送するスクロール状の送風路32が画成されている。
【0037】
即ち、送風ユニット自体の軸方向寸法(H)が従来の送風ユニットと同じであるとすれば、スクロールケース2の下側壁9が、モータ本体部30の下端に設けられたフランジ部31に当接するように外周壁の軸方向寸法が従来よりも大きくなり、送風路32がモータ本体部30の下端に設けられたフランジ部31に至るまで拡大形成されている。このため、従来においては、制御基板等が収容されたモータ本体部がスクロールケースの外側に配置されて、その周囲がデッドスペースとして有効に利用されなかったが、本構成においては、モータ本体部30の周囲が送風路32として用いられることとなる。
【0038】
したがって、駆動モータ3に通電して多羽翼ファン4が回転すると、バッテリーで温められた空気が、吸込口15から吸引し、コーン部13に沿って羽根14間に導かれ、この羽根間から径外方向へ送出されて送風路32に至り、この送風路32を通って、吐出口20から送風される。
【0039】
このため、モータ本体部30の側面が送風路32に表出されて吸引空気がモータ本体部30に直接接触するので、バッテリー下流側の温かい空気を吸引する場合においても、モータ本体部30の効果的な冷却が可能となる。また、上述の構成においては、送風ユニット1の軸方向の寸法が従来と同じであっても、多羽翼ファン4の吸込口15から羽根間に至る通路が大きく確保されることに加え、送風路32の通路断面も大きく確保されるので、吸込み抵抗の低減を図り、風量不足や騒音の増加を回避することが可能となる。
【0040】
特に、上述の構成においては、モータ本体部30のハウジング30aが金属製であるので、モータ本体部30内で発熱した熱がハウジングに伝達されやすくなり、放熱を促進することが可能となる。
【0041】
また、上述の構成においては、発熱しやすい制御基板28がステータ26やロータ21よりも多羽翼ファン4側に配置されてモータ本体部30のスクロールケース内に突出した部分に収容されているので、モータ本体部30の冷却に伴い制御基板28の冷却を効果的に行うことが可能となる。
【0042】
さらに、上述の構成においては、駆動モータ3としてブラスレスモータが用いられているので、ブラシによる火花の発生がなく、バッテリーから出る水素等のガスを含有した空気を吸引排出する場合においても、危険な状態を回避することが可能となる。
【0043】
図3に、上述した送風ユニットの変形例が示されている。この例では、多羽翼ファンのモータ本体部と対峙する部分の外周縁部が、モータ本体部30の多羽翼ファンと対峙する部分の外周縁部のテーパ形状に沿ってモータ本体部側に突出させた形状に形成されている。この例では、羽根14の外側部分に、モータ本体部30の外周縁部のテーパ形状に沿って突出させたガイド突部33を設けて構成されている。それ以外の構成については、前記構成例と同一であるので、同一箇所に同一番号を付して説明を省略する。
【0044】
このような構成においては、吸込口15から吸引された空気が羽根14間を通過するする際に送風路32のモータ本体部30の側方に積極的に誘導されるので、モータ本体部30の冷却を高めることが期待できる。
【0045】
また、図4に示されるように、モータ本体部30のハウジング30aの外周面に多数のフィン34を突設させるようにしてもよい。このような構成においては、送風路32を流れる空気との接触面積を大きく確保することが可能となるので、放熱効果を高めることが可能となる。
【0046】
尚、上述においては、アウターロータ式のブラシレスモータの例を示したが、インナーロータ式のブラシレスモータを用いてもよい。また、上述の例では、送風ユニット1をバッテリーの下流側に配置する構成例を示したが、本送風ユニット1は、このような使用に限定されるものではなく、軸方向寸法が十分に確保されない箇所において、モータを冷却すると共にスクロールケース内の送風路を大きく確保する場合に有用な構成である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、本発明にかかる送風ユニットの構成例を示す図であり、(a)は駆動モータの回転軸に対して垂直方向に切断した断面図であり、(b)は(a)のA−A線で切断した断面図である。
【図2】図2は、駆動モータの具体的構成例を示す図である。
【図3】図3は、本発明に係る送風ユニットの他の構成例を示す図である。
【図4】図4は、本発明に係る送風ユニットのさらに他の構成例を示す図である。
【図5】図5は、従来の送風ユニットの例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1 送風ユニット
2 スクロールケース
3 駆動モータ
4 多羽翼ファン
12 ボス部
13 コーン部
14 羽根
21 ロータ
25 電機子巻線
26 ステータ
28 制御基板
30 モータ本体部
31 ハウジング
33 ガイド突部
34 放熱フィン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向から吸引した空気を径外方向へ送風する多羽翼ファンと、前記多羽翼ファンを収容するスクロールケースと、前記スクロールケースに取り付けられ、前記多羽翼ファンを回転させる駆動モータとを有する送風ユニットにおいて、
前記スクロールケースの内部に前記駆動モータのモータ本体部を突出させると共に、前記駆動モータの回転軸に装着された前記多羽翼ファンが前記モータ本体部の径とほぼ等しいかそれより小さい径に形成されて前記モータ本体部に軸方向で前後に並設配置され、前記モータ本体部の前記スクロールケース内に突出した部分の側面が前記多羽翼ファンの外周及び前記スクロールケースの内面と共に空気を吐出する送風路を画成していることを特徴とする送風ユニット。
【請求項2】
前記スクロールケースの内部に突出させる前記モータ本体部は、そのハウジングが金属製であることを特徴とする請求項1記載の送風ユニット。
【請求項3】
バッテリーを冷却するために用いられ、前記バッテリーの下流側に配置されることを特徴とする請求項1記載の送風ユニット。
【請求項4】
前記駆動モータは、ブラシレスモータであることを特徴とする請求項1記載の送風ユニット。
【請求項5】
前記モータ本体部には、ステータ、ロータ、電機子巻線に給電する電流を制御する制御基板が少なくとも収容され、前記制御基板は前記ステータ及びロータよりも前記多羽翼ファン側に配置されていることを特徴とする請求項1記載の送風ユニット。
【請求項6】
前記多羽翼ファンの前記モータ本体部と対峙する部分の外周縁部は、前記モータ本体部の前記多羽翼ファンと対峙する部分の外周縁部の形状に沿った形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の送風ユニット。
【請求項7】
前記モータ本体部の外表面に、放熱フィンが設けられることを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の送風ユニット。
【請求項8】
前記多羽翼ファンは、前記駆動モータの回転軸に固装されるボス部と、このボス部から連接されるコーン部と、前記回転軸の軸方向に立設されると共に前記コーン部の外周縁の円周方向に沿って設けられた複数の羽根とを具備し、軸方向から吸引した空気を前記コーン部に沿って前記羽根へ導き、羽根と羽根との間を通過させる構成であり、前記モータ本体部は、前記コーン部の内側に突出配置されていないことを特徴とする請求項1記載の送風ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−59847(P2010−59847A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225906(P2008−225906)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(500309126)株式会社ヴァレオサーマルシステムズ (282)
【Fターム(参考)】