送風機
【課題】室内で空気流を発生させる送風機組立体を提供する。
【解決手段】室内に空気流を発生させる送風機組立体は、内部通路を形成する環状ケーシングを備える。内部通路は空気入口を有し、空気入口の下流にインペラ及び該インペラを駆動して空気入口から送風機組立体へ空気流を引き込むモータを収容する。更に、内部通路は、空気流の少なくとも一部が送風機組立体から噴出される空気出口を有する。環状ケーシングは、その周りに内部通路が延びるボアを形成し、送風機組立体の外部からの二次空気流が空気出口から噴出される空気によって引き込まれるようになっている。
【解決手段】室内に空気流を発生させる送風機組立体は、内部通路を形成する環状ケーシングを備える。内部通路は空気入口を有し、空気入口の下流にインペラ及び該インペラを駆動して空気入口から送風機組立体へ空気流を引き込むモータを収容する。更に、内部通路は、空気流の少なくとも一部が送風機組立体から噴出される空気出口を有する。環状ケーシングは、その周りに内部通路が延びるボアを形成し、送風機組立体の外部からの二次空気流が空気出口から噴出される空気によって引き込まれるようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内で空気流を発生させる送風機組立体に関する。好ましい実施形態において、本発明は、天井送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の天井送風機が知られている。標準的な天井送風機は、第1の回転軸の周りに取り付けられたブレードセット及びブレードセットを回転させるために第1の回転軸の周りに取り付けられた駆動部を備える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
第1の態様において、本発明は、室内に空気流を発生させる送風機組立体に関し、送風機組立体は、少なくとも1つの空気入口を有する内部通路を形成する環状ケーシングを備え、内部通路は、少なくとも1つの空気入口の下流にインペラ及び該インペラを駆動して少なくとも1つの空気入口から送風機組立体へ空気流を引き込むモータを収容し、更に、内部通路は、空気流の少なくとも一部が送風機組立体から噴出される少なくとも1つの空気出口を有し、ケーシングは、その周りに内部通路が延びるボアを形成し、ボアを通って送風機組立体の外部からの空気流が少なくとも1つの空気出口から噴出される空気によって引き込まれるようになっている。
【0004】
以下では一次空気流と称する、環状ケーシングから噴出される空気は、ケーシングを取り囲む空気を同伴するので、送風機組立体は、空気増幅器として作用して一次空気流及び同伴空気の両方をユーザに供給する。同伴空気は以下では二次空気流と称する。二次空気流は、室内空間、ケーシングを取り囲む領域又は外部環境から引き込まれる。一次空気流は、同伴二次空気流と合体してケーシングから前方に噴出される合体又は総空気流を生成する。
【0005】
送風機組立体をコンパクトな外観とするために、インペラ及び該インペラを駆動するモータは、環状ケーシングの内部通路の中に配置される。更に、モータ及びインペラを内部通路の中に配置することで、インペラと空気出口を含む内部通路の部分との間の空気流の方向の急激な変化を最小にできるので、空気流が内部通路のこの部分を通過する際のエネルギ損失が低減して、結果的にインペラから空気出口までを進む空気流の効率が高くなる。
【0006】
ケーシングは、ボアを形成する第1の環状側壁、第1の側壁の周りに延びる第2の側壁、上壁、及び下壁を備えることが好ましい。空気出口は、下壁と第1の側壁との間、又は下壁に配置できる。空気出口は、一次空気流をボア軸から離れる方向に噴出するようになっていることが好ましく、外向きのテーパー付き円錐形状であることが好ましい。
【0007】
本出願人は、ケーシングから、ボア軸から離れる方向に延びる方向への一次空気流の噴出により、一次空気流による二次空気流の同伴度が高くなり、送風機組立体によって生成される合体空気流の流量を増大できることを見出した。合体空気流の流量の絶対値又は相対値、又は最大速度に関する参照は、ケーシングの空気出口の直径の3倍の距離で記録した値に関して行われる。
【0008】
何らかの理論に縛られることは望まないが、本出願人は、一次空気流による二次空気流の同伴割合は、ケーシングから噴出される一次空気流の外側プロファイルの表面積の大きさに関連すると考えている。一次空気流が外向きにテーパー付けされるか又は張り出す場合、外側プロファイルの表面積は相対的に大きくなり、一次空気流とケーシングを取り囲む空気との混合が促進されて、合体空気流の流量が増大する。ケーシングが発生する合体空気流の流量が増大すると、合体空気流の最大速度が低下する。これにより、送風機組立体は室内又はオフィスの中を通る空気の流れを発生させる天井送風機として適切に使用できる。
【0009】
第1の側壁は、ボア軸から離れる方向にテーパー付けされた方向に下壁に向かって延びる、下壁に隣接する部分を備えることが好ましい。ボア軸に対する側壁の部分の傾斜角は0度から45度の間とすることができる。側壁のこの部分は、実質的に切頭円錐形であることが好ましい。空気出口は、側壁のこの部分に対して実質的に平行な方向に一次空気流を噴出するように構成できる。側壁のこの部分は、下端壁と一緒になってケーシングの空気出口を形成できる。側壁のこの部分は下壁の一部と一体にできる。
【0010】
空気出口は、ボア軸の周りに延びることが好ましい。ケーシングはボア軸の周りで所定角度離間した複数の空気出口を備えることができるが、好ましい実施形態において、ケーシングは、ボア軸が空気出口の中心を通る円形空気出口を備える。空気出口に隣接して配置される内部通路の一部は、一次空気流がボア軸から離れる方向に向かうように、空気出口を通る一次空気流を差し向けるように形状付けられている。
【0011】
ケーシングの空気入口又は各空気入口は、ケーシングの空気出口に実質的に直交することが好ましい。内部通路は、空気入口を有する入口部分、及び入口部分の下流に配置されて空気出口を有する出口部分を備えることができる。入口部分は、出口部分の少なくとも一部の周りに延びて、ケーシングの環状形状を維持するようになっており、入口部分と出口部分との間の重なりの程度に応じて、ケーシングは、該ケーシングのボアの周りに延びるコイル形状とすることができる。
【0012】
内部通路の出口部分はボアの周りに延びることが好ましい。出口部分の断面プロファイルは、ボアの周りで変化することが好ましい。空気流が出口部分を通過する場合、出口部分内に残留する空気流の流量は、空気がケーシングから噴出されるのでボアの周りで低下する。出口部分内の空気流の速度を実質的に一定に維持するために、出口部分の断面積は入口部分から延びる方向に低減することが好ましい。出口部分内の空気流の速度を実質的に一定に維持することで、一次空気流が出口部分から噴出される場所での速度がボアの周りで実質的に一定になり、その結果、送風機組立体が発生する合体空気流の速度をボア軸の周りで均一にすることができる。
【0013】
出口部分は、略矩形断面とすることができる。出口部分の断面積の変化は、種々の方法の中の1つの方法で実現できる。例えば、上壁と下壁との間の距離をボアの周りで変えることができる。別の方法として又は追加的に、第1の側壁と第2の側壁との間の距離をボアの周りで変えることができるが、この方法は、出口部分がボアの周りで同じ高さとなるので好適である。
【0014】
出口部分は連続的であることが好ましい。出口部分の断面積がボアの周りで変化する場合、出口部分は、スクロール入口部分からスクロール出口部分に向かって断面積が減少するスクロール部分の形態であることが好ましい。スクロール入口部分は空気流を受け入れる入口ポートを備え、スクロール出口部分は空気流の一部をスクロール入口部分に戻す出口ポートを備えることが好ましい。これにより、ボアの周りで一次空気流の速度をさらに一定に保つのを助けることができる。
【0015】
第2の態様において、本発明は、室内に空気流を発生させる送風機組立体に関し、送風機組立体は、インペラ及びインペラを駆動して空気流を送風機組立体に引き込むモータ、及びスクロール入口部分からスクロール出口部分に向かって減少する断面積をもつスクロール部分を有する内部通路を含むケーシングを備え、スクロール入口部分は、空気流を受け入れる入口ポートを備え、スクロール出口部分は、空気流の第1の部分をスクロール入口部分に戻す出口ポートを備え、スクロール部分は、空気流の第2の部分をケーシングから噴出させる少なくとも1つの空気出口を有し、ケーシングは、ボアを形成し、ボアによって送風機組立体の外部からの空気が少なくとも1つの空気出口から噴出される空気によって引き込まれるようになっている。
【0016】
出口ポートは入口ポートに隣接して配置されることが好ましい。入口ポート及び出口ポートは、実質的に同一平面にあることが好ましく、空気流の第1の部分がスクロール入口部分に再度流入する方向は、空気流がスクロール入口部分に流入する方向と実質的に同一となる。
【0017】
インペラ及びモータは、入口部分の中に配置されることが好ましい。インペラ及びモータは、入口部分内の任意の所望の場所に配置できる。入口部分は、インペラ及びモータを収容するインペラハウジング部分を備えることが好ましい。インペラハウジング部分は、内部通路の出口部分に隣接して配置されることが好ましく、ボアの周りに延びるように出口部分の半径方向外側に配置されることが好ましく、インペラ軸がケーシングのボアと交差しないことが好ましい。インペラハウジング部分は、ケーシングの出口部分とは異なる断面をもつことができ、従って、内部通路は、断面が変化する中間部分を備えることができ、中間部分はインペラハウジング部分を出口部分に結合するようになっている。インペラハウジング部分は略円形断面をもつことができ、中間部分の断面は、一端の略円形断面から他端の略矩形断面まで変わることができる。
【0018】
内部通路は、空気入口からインペラハウジング部分まで延びる導管部分を備えることが好ましい。導管部分は、ケーシングの環状形状を維持するために、出口部分の少なくとも一部の周りに延びることができ、アーチ形の形状とすることができる。
【0019】
空気入口部分は、空気流が空気入口部分に引き込まれる、単一の空気入口又は複数の空気入口を備えることができる。空気入口が、導管部分の一端に配置されることが好ましい。この空気入口は、ケーシングのボアに対して実質的に接線方向で空気流を送風機組立体に流入させる、接線方向の空気入口であることが好ましい。これにより、空気流は急激な方向変化を伴うことなく、ケーシングの内部通路に流入することができる。
【0020】
第3の態様において、本発明は、室内に空気流を発生させる送風機組立体に関し、送風機組立体は、インペラ及びインペラを駆動して空気流を送風機組立体に引き込むモータ、及び空気流が内部通路に流入する接線方向の空気入口と、空気流の少なくとも一部分を噴出する少なくとも1つの空気出口とを有する、連続した内部通路を含むケーシングを備え、ケーシングは、その周りに内部通路が延びるボアを形成し、ボアを通って送風機組立体の外部からの空気流が、少なくとも1つの空気出口から噴出される空気によって引き込まれる。
【0021】
インペラはインペラ軸の周りを回転可能であり、ボアはインペラ軸と実質的に直交することが好ましいボア軸を備える。入口部分の寸法を最小にするために、インペラは軸流インペラであることが好ましが、インペラは混流インペラとすることもできる。入口部分は、インペラの下流に配置され、空気流をケーシングの出口部分に導くディフューザを備えることが好ましい。
【0022】
送風機組立体は、室内天井にケーシングを支持するための支持組立体を含むことが好ましい。支持組立体は、室内天井に取り付け可能な取り付けプレートを備えることが好ましい。インペラ軸は、取り付けプレートに対して90度未満の角度であることが好ましい。インペラ軸は、取り付けプレートに対して45度未満の角度であることがより好ましく、取り付けプレートに対して実質的に平行な角度とすることができる。前述のように、ボア軸は、インペラ軸に対して実質的に直交であることが好ましく、これにより、インペラ軸が取り付けプレートに対して実質的に平行、つまり取り付けプレートが取り付けられる水平天井に対して実質的に平行の場合、送風機組立体は比較的浅いプロファイルとすることができる。ケーシングは、天井に比較的近く配置できるので、ユーザが、又はユーザが持ち運ぶ物品がケーシングに接触するリスクを低減できる。
【0023】
インペラハウジング部分は、外側ケーシング、モータ及びインペラの周りに延びるシュラウド、及びシュラウドを外側ケーシング内に取り付ける取り付け機構を備えることが好ましい。シュラウド及び外側ケーシングの各々は、実質的に円筒形とすることができる。取り付け機構は、外側ケーシングとシュラウドとの間に配置された複数の取り付け部、及び取り付け部とシュラウドとの間に結合された複数の弾性要素を備えることができる。好ましくはシュラウドが外側ケーシングと実質的に同軸となるように、シュラウドを外側ケーシングに対して位置決めする機能に加えて、弾性要素は、送風機組立体の使用時に発生する振動を吸収することができる。弾性要素は、取り付け部とシュラウドとの間に引張状態で保持されることが好ましく、各々が、一端がシュラウドに結合され他端が支持部材の1つに結合された複数の引張バネを備えることが好ましい。バネを引張状態で保持するために、引張バネの両端を離すように付勢する手段を備えることができる。例えば、取り付け機構は、取り付け部の間に配置されて取り付け部を離すように付勢して、結果的に各バネの一端を他端から離れる方向に付勢する、スペーサーリングを備えることができる。
【0024】
支持組立体は、送風機組立体の入口部分又は出口部分に結合できる。例えば、入口部分の一端は支持組立体に結合できる。もしくは、支持組立体は、入口部分の空気入口とインペラハウジング部分との間に配置された入口部分の一部に結合できる。
【0025】
ケーシングは、一次空気流が室内に噴出される方向をユーザが変更できるように、支持組立体に対して回転可能であることが好ましい。ケーシングは、一次空気流が天井から離れるように差し向けられる第1の方向と、一次空気流が天井に向かって差し向けられる第2の方向との間で、支持組立体に対して回転軸の周りに回転可能であることが好ましい。例えば、夏季にユーザは、送風機が発生した空気流が送風機の真下にいるユーザを冷やすために比較的涼しい風をもたらすように、一次空気流が、送風機が取り付けられる天井から室内に噴出されるようケーシングを向けることを望む場合がある。しかしながら、冬季には、ユーザは、送風機の真下に微風を発生することなく、部屋の壁の上部に上昇している温かい空気を動かして循環させるために一次空気流が天井に向かって噴出されるように、ケーシングを180度反転することを望む場合がある。
【0026】
ケーシングは、第1の方向と第2の方向で回転されると反転できる。ケーシングの回転軸はボア軸に実質的に直交することが好ましく、インペラ軸と実質的に同一平面であることが好ましい。
支持組立体は、送風機組立体を天井に取り付けるための天井取り付け部、天井取り付け部に結合される第1の端部を有するアーム、及びアームの第2の端部をケーシングに結合するコネクタを備えることが好ましい。
【0027】
本発明の第1の態様と共に前述した特徴部は、本発明の第2及び第3の態様の全てに同様に適用できる。
本発明の好ましい特徴部は、単に例示的に、添付の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】天井送風機の第1の実施例の上から見た正面斜視図である。
【図2】天井に取り付けられた図1の天井送風機の左側側面図であり、天井送風機の環状ノズルは上昇位置にある。
【図3】図1の天井送風機の正面図である。
【図4】図1の天井送風機の背面図である。
【図5】図1の天井送風機の上面図である。
【図6】図5のA−A線に沿った図1の天井送風機の横断面図である。
【図7】図6に表示された区域Aの拡大図であり、図1の天井送風機の空気入口部分のモータ及びインペラを示す。
【図8】図6に表示された区域Bの拡大図であり、環状ノズルの空気出口を示す。
【図9】図6に表示された区域Dの拡大図であり、図1の天井送風機の天井取り付け部と支持組立体のアームとの間の結合部を示す。
【図10】図6のC−C線に沿った天井取り付け部及び支持組立体のアームの横断面図である。
【図11】図6の区域Cの拡大図であり、環状ノズルを上昇位置に保持するための解除式ロック機構を示す。
【図12】図11のB−B線に沿ったロック機構の断面図である。
【図13】天井に取り付けられた図1の天井送風機の左側面図であり、天井送風機の環状ノズルは下降位置にある。
【図14】天井送風機の第2の実施例の環状ケーシングの上面図である。
【図15】図14の環状ケーシングの下面図である。
【図16】図14の環状ケーシングの正面図である。
【図17】図16のK−K線に沿った環状ケーシングの上側の断面図である。
【図18a】図17のF−F線に沿った環状ケーシングの断面図である。
【図18b】図17のG−G線に沿った環状ケーシングの断面図である。
【図18c】図17のH−H線に沿った環状ケーシングの断面図である。
【図18d】図17のJ−J線に沿った環状ケーシングの断面図である。
【図18e】図17のラインL−Lで切り取った環状ケーシングの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1から5は、室内に空気流を発生させる送風機組立体の第1の実施例を示す。本実施例において、送風機組立体は、部屋の天井Cに結合可能な天井送風機10の形態である。天井送風機10は、空気入口部分12、空気出口部分14、及び空気入口部分12及び空気出口部分14を部屋の天井Cに支持するための支持組立体16を備える。空気出口部分14は、空気入口部分12の一端に結合された環状ノズルの形態である。
【0030】
空気入口部分12は、空気出口部分14から噴出される空気流を発生させるシステムを収容する略円筒形の外側ケーシング18を備える。図1、2、及び5に示すように、外側ケーシング18には複数の軸方向に延びる補強リブ20を形成することができ、補強リブ20は外側ケーシング18の長手方向軸Lの周りで離間しているが、外側ケーシング18が形成される材料の強度に応じて省略することもできる。
【0031】
図6及び7を参照すると、空気入口部分12は、空気流を天井送風機10に引き込むためのインペラ22を収容する。インペラ22は、軸流インペラの形態であり、外側ケーシング18の長手方向軸Lと実質的に同一線上のインペラ軸の周りに回転可能である。インペラ22は、モータ26から外方に延びる回転軸24に結合される。本実施例において、モータ26はDCブラシレスモータであり、支持組立体16内に配置される制御回路(図示せず)によって速度が可変となっている。モータ26は、前側モータケーシング部分28及び後側モータケーシング部分30を備えるモータケーシング内に収容される。組み立て時に、まず、モータ26は前側モータケーシング部分28に挿入され、後側モータケーシング部分30は、次に前側ケーシング部分28に挿入され、モータケーシング内にモータ26を保持及び支持するようになっている。
【0032】
また、空気入口部分12は、インペラ22の下流に配置されるディフューザを収容する。ディフューザは、ディフューザの内側円筒壁34と外側円筒壁との間に配置される複数のディフューザ羽根32を備える。ディフューザは、単体として成形されることが好ましいが、別の方法として、ディフューザは、相互結合される複数の部品又は部分から形成することもできる。内側円筒壁34は、モータケーシングの周りに延び、このモータケーシングを支持する。外側円筒壁は、インペラ22及びモータケーシングの周りに延びるシュラウド36を形成する。本実施例において、シュラウド36は実質的に円筒形である。シュラウド36は、一端において空気流が天井送風機10の空気入口部分12に入る空気入口38、及び他端において空気流が天井送風機10の空気入口部分12から排気される空気出口40を備える。インペラ22及びシュラウド36は、インペラ22及びモータケーシングがディフューザで支持される場合に、インペラ22のブレード先端がシュラウド36の内面に隣接するが接触しないように且つインペラ22がシュラウド36と実質的に同軸であるように形作られている。円筒形ガイド部材42が、インペラ22の回転で発生した空気流をシュラウド36の空気出口40へ導くために、ディフューザの内側円筒壁34の後側に結合される。
【0033】
空気入口部分12は、インペラ軸が外側ケーシング18の長手方向軸Lと実質的に同一線上にあるように、外側ケーシング18内にディフューザを取り付けるための取り付け機構を備える。取り付け機構は、外側ケーシング18とシュラウド36との間に延びる環状チャネル44内に配置される。取り付け機構は、第1の取り付け部46及び長手方向軸Lに沿って第1の取り付け部46から軸方向に離間した第2の取り付け部48を備える。第1の取り付け部46は、長手方向軸Lに沿って互いに軸方向に離間した一対の相互結合されたアーチ形部材46a、46bを備える。第2の取り付け部48は、同様に長手方向軸Lに沿って互いに軸方向に離間した一対の相互結合されたアーチ形部材48a、48bを備える。各取り付け部46、48のアーチ形部材46a、48aは、各々がそれぞれの引張バネ(図示せず)の一端に結合される複数のバネコネクタ50を備える。本実施例において、取り付け機構は4つの引張バネを備え、アーチ形部材46a、48aの各々は、対称位置に2つのコネクタ50を備える。各引張バネの他端は、シュラウド36に形成されたそれぞれのバネコネクタ52に結合される。取り付け部46、48は、引張バネがコネクタ50、52の間で引張状態に保持されるように、取り付け部46、48の間の環状チャネル44に挿入されたアーチ形スペーサーリング54によって離すように付勢される。これはモータケーシングから外側ケーシング18へ伝達される振動を低減するために、取り付け部46、48に対するシュラウド36の半径方向の移動をある程度可能にしながら、シュラウド36と取り付け部46、48との間の所定の間隔を維持する機能を果たす。可撓性シール56が、環状チャネル44の一端に設けられており、空気流の一部が環状チャネル44に沿ってシュラウド36の空気入口38へ戻るのを防止する。
【0034】
環状取り付けブラケット58が、例えばボルト60によって、シュラウド36の空気出口40の周りに延びる外側ケーシング18の端部に結合される。天井送風機10の空気出口部分14の環状フランジ62が、例えばボルト64によって、取り付けブラケット58に結合される。もしくは、取り付けブラケット58は、空気出口部分14と一体とすることができる。
【0035】
前述のように、空気出口部分14は環状ノズルの形態である。図1から5に戻ると、ノズルは、外側セクション70、及びノズルの上端(図示のように)で外側セクション70に結合される内側セクション72を備える。外側セクション70は、相互に結合してノズルの環状外側壁74を形成する、複数のアーチ形セクションを備える。内側セクション72は、同様に、各々が外側セクション70のそれぞれのセクションに結合してノズルの環状内側壁76を形成する、複数のアーチ形セクションを備える。内壁76は、中心ボア軸Xの周りに延びてノズルのボア78を形成する。ボア軸Xは、外側ケーシング18の長手方向軸Lと実質的に直交する。ボア78は、略円形断面を有し、ボア軸Xに沿って直径が変化する。また、ノズルは、外壁74の一端と内壁76の一端との間に延びる環状上壁80、及び外壁74の他端と内壁76の他端との間に延びる環状下壁82を備える。内側セクション70は上壁80に沿った中ほどで外側セクション72に結合されるが、ノズルの外側セクション72は、下壁82の大部分を形成する。
【0036】
特に図8を参照すると、ノズルは、環状出口部分84を備えることができる。出口部分84は、ノズルの環状内側壁76の一部分を形成するように内側セクション72の下端に結合された、内側の略切頭円錐形の内壁86を備える。内壁86は、ボア軸Xから離れる方向にテーパー付けされる。本実施例において、内壁86とボア軸Xとの間に内在する角度は約15度である。また、出口部分84は、ノズルの外側セクション70の下端に結合され、ノズルの環状下壁82の一部を形成する環状出口壁88を備える。出口部分84の内壁86及び外壁88は、ボア軸Xの周りの内壁86と外壁88との間の間隔を制御する機能を果たす複数のウェブ(図示せず)によって互いに結合される。出口部分84は、単体として形成できるが、相互に結合される複数の構成部品として形成できる。代替的に、内壁86は内側セクション70と一体とすることができ、外壁88は外側セクション72と一体とすることができる。この場合、内壁86及び外壁88の一方は、内壁86及び外壁88の他方と係合してボア軸Xの周りの内壁86と外壁88の間の隙間を制御するための複数のスペーサーを用いて形成することができる。
【0037】
内壁76は、ボア軸Xを含む平面内の、翼形表面の一部の形状の断面プロファイルをもつと考えられる。この翼形は、ノズルの上壁80における前縁、ノズルの下壁82における後縁、及び前縁と後縁との間に延びる翼弦線CLを有する。本実施例において、翼弦線CLはボア軸Xと略平行である。
【0038】
ノズルの空気出口90は、出口部分84の内壁86と外壁88との間に配置される。空気出口90は、図6に示すようにノズルの内壁76に隣接して結果的に翼弦線CLとボア軸Xとの間のある、ノズルの下壁82に配置されると考えられる。空気出口90は、環状スロットの形態であることが好ましい。スロットは、略円形でありボア軸Xと直交する平面に配置されることが好ましい。スロットは、0.5から5mmの範囲の比較的一定の幅であることが好ましい。
【0039】
ノズルを空気入口部分12に結合する環状フランジ62は、ノズルの外側セクション70の一部分と一体である。フランジ62は、空気入口部分12からの空気流を受け入れるために、ノズルの空気入口92の周りに延びると考えられる。ノズルの外側セクション70のこの部分は、空気流をノズルの環状内部通路94へ送るように形作られている。ノズルの外壁74、内壁76、上壁80、及び下壁82は、ボア軸Xの周りに延びる内部通路94を形成する。内部通路94は、ボア軸Xを通過する平面において略矩形断面を有する。
【0040】
図8に示すように、内部通路94は、空気出口90を通る空気流を差し向けるための空気チャネル96を備える。空気チャネル96の幅は、空気出口90の幅と実質的に同じである。本実施例において、空気チャネル96は、空気チャネル96が翼形の翼弦線CL及びノズルのボア軸Xに対して傾斜するように、ボア軸Xから離れる方向に延びるD方向に、空気出口90に向かって延びている。
【0041】
方向Dに対するボア軸X又は翼弦線CLの傾斜角度は、任意の値とすることができる。この角度は、0度から45度の範囲であることが好ましい。本実施例において、傾斜角度は、ボア軸Xの周りで実質的に一定の約15度である。従って、ボア軸Xに対する空気チャネル96の傾斜は、ボア軸Xに対する内壁86の傾斜と実質的に等しい。
【0042】
従って、空気流はノズルのボア軸Xに対して傾斜したD方向にノズルから噴出される。また、空気流はノズル104の内壁76から離れる方向に噴出される。空気チャネル96がボア軸Xから離れる方向に延びるように空気チャネル96の形状を管理することで、天井送風機10が発生した合体空気流の流量は、空気流がボア軸Xと略平行するか又はボア軸Xに向かって傾斜する方向Dに噴出される場合に発生する合体空気流の流量に比較して、増大させることができる。何らかの理論に縛られることは望まないが、本出願人は、比較的大きな表面積を備える外側プロファイルを有する空気流の噴出に起因すると考えている。本実施例において、空気流は、略外向きのテーパー付き円錐形状のノズルから噴出される。これにより、増大した表面積により、空気流がノズル周囲の空気と混ざることが促進され、噴出された空気流による周囲空気の同伴度が高くなり、合体空気流の流量が増大する。
【0043】
図1から5に戻ると、支持組立体16は、天井送風機10を天井Cに取り付けるための天井取り付け部100と、天井取り付け部100に結合される第1の端部及び支持組立体100の本体104に結合される第2の端部を有するアーム102と、を備える。本体104は、天井送風機10の空気入口部分12に結合される。
【0044】
天井取り付け部100は、取り付けプレート106の開口108を貫通して挿入可能なネジを用いて部屋の天井Cに結合可能な取り付けプレート106を備える。図9及び10を参照すると、天井取り付け部100は、アーム102の第1の端部110を取り付けプレート106に連結する連結組立体を更に備える。連結組立体は、取り付けプレート106の環状溝116内に収容される環状リム114を有する連結ディスク112を備え、連結ディスク112は、取り付けプレート106に対して回転軸Rの周りに回転可能になっている。アーム102は、回転軸Rに対して45度から75度の範囲が好ましい角度θだけ傾いており、本実施例においては約60度である。結果として、アーム102が回転軸Rの周りに回転すると、空気入口部分12及びノズルは回転軸Rの周りを回る。
【0045】
アーム102の第1の端部110は、連結組立体の複数の連結部材118、120、122によって連結ディスク112に結合される。連結組立体は、取り付けプレート106に固定され且つアーム102の第1の端部110が貫通して突出する開口を含む、環状キャップ124によって取り囲まれている。また、キャップ124は、天井送風機10へ電力を供給するための電線へ接続する電気接続箱126を取り囲んでいる。電線(図示せず)は、接続箱126から、連結組立体に形成された開口128、130、及びアーム102の第1の端部100に形成された開口132を通って、雰囲気中まで延びる。図9から11に示すように、アーム102は管状であり、アーム102の全長にわたって延びるボア134を備え、この中を電線が天井取り付け部100から本体104まで延びている。
【0046】
アーム102の第2の端部136は、支持組立体16の本体104に結合している。支持組立体16の本体104は、環状内側本体部分138と、内側本体部分138の周りに延びる環状外側本体部分140とを備える。内側本体部分138は、空気入口部分12の外側ケーシング18上に配置されたフランジ144と係合する環状フランジ142を備える。C形クリップ等の環状コネクタ146は、外側ケーシング18のフランジ144の周りに延びて支持するように、内側本体部分138のフランジ142に結合されており、外側ケーシング18は内側本体部分138に対して長手方向軸Lの周りに回転可能になっている。環状入口シール148は、シュラウド36と内側本体部分138のフランジ142との間の気密シールを形成する。
【0047】
従って、空気入口部分12及び取り付けブラケット58によって外側ケーシング18に結合されるノズルは、支持組立体16に対して長手方向軸Lの周りに回転可能である。これにより、ユーザは、支持組立体16に対するノズルの方向、結果的に支持組立体16が取り付けられる天井Cに対するノズルの方向を調節することができる。天井Cに対するノズルの方向を調節するために、ユーザは空気入口部分12及びノズルの両方が長手方向軸Lの周りに回転するようにノズルを引き寄せる。例えば、夏季にユーザは、送風機が発生した空気流が天井送風機10の真下にいるユーザを冷やすために比較的涼しい風をもたらすように、空気流が天井Cから離れる方向に室内に噴出されるようノズルを向けることを望む場合がある。しかしながら、冬季には、ユーザは、天井送風機の真下に微風を発生することなく、部屋の壁の上部に上昇している温かい空気を動かして循環させるために空気流が天井Cに向かって噴出されるように、ノズルを180度反転することを望む場合がある。
【0048】
本実施例において、空気入口部分12及びノズルの両方は長手方向軸Lの周りに回転できる。もしくは、天井送風機10は、ノズルが外側ケーシング18に対して、結果的に空気入口部分12及び支持組立体16に対して回転できるように構成できる。例えば、外側ケーシング18は、ボルト又はネジによって内側本体部分138に固定でき、ノズルは、外側ケーシング18に対して長手方向軸Lの周りに回転できる方法で、外側ケーシング18に固定できる。この場合、ノズルと外側ケーシング18との間の結合方法は、本実施例の空気入口部分12と支持組立体16との間と同様の結合方法とすることができる。
【0049】
図11を参照すると、内側本体部分138は、空気流を空気入口部分12の空気入口38へ送るための空気通路150を形成する。シュラウド36は、空気入口部分12を通って延びる空気通路152を形成し、支持組立体16の空気通路152は空気入口部分12の空気通路150と実質的に同軸である。空気通路150は、長手方向軸Lと直交する空気入口154を備えている。
【0050】
内側本体部分138及び外側本体部分140は一緒になって支持組立体16の本体104のハウジング156を形成する。ハウジング156は、モータ26へ電力を供給するための制御回路(図示せず)を保持することができる。電線は、アーム102の第2の端部136に形成された開口(図示せず)を通って延び、制御回路に接続される。 第2の電線(図示せず)は、制御回路からモータ26へ延びる。第2の電線は、本体104の内側本体部分138のフランジ142に形成された開口を通って、外側ケーシング18とシュラウド36との間に延びる環状チャネル44に入る。第2の電線は、次に、ディフューザを通ってモータ26まで延びる。例えば、第2の電線は、シュラウドのディフューザ羽根32を通ってモータケーシングに入ることができる。グロメットを第2の電線の周りに配置し、シュラウド36に形成された開口の周囲面に気密シールを形成して開口からの空気漏れを防止できるようになっている。また、本体104は、制御回路に接続され、ユーザが天井送風機10の作動を制御できるユーザインタフェースを備えることができる。例えば、ユーザインタフェースは1つ又はそれ以上のボタン又はダイアルを備えることができ、ユーザはモータ26を作動又は非作動とすること、及びモータ26の速度を制御することができる。別の方法として又は追加的に、ユーザインタフェースは、天井送風機10の作動を制御するリモコン装置からの制御信号を受信するためのセンサを備えることができる。
【0051】
ノズルの外壁74の半径、アーム102の長さ、及び天井送風機10が接続される天井の形状に応じて、ノズルが周りを回転する外側ケーシング18の長手方向軸Lと天井との間の距離は、ノズルの外壁74の半径よりも短くすることができるが、このことはノズルが長手方向軸Lの周りを90度回転するのを邪魔する可能性がある。ノズルを反転可能にするために、支持組立体16の本体104は、アーム102に対して第1の枢動軸P1の周りを枢動可能であり、環状ノズルは図2に示すような上昇位置と図13に示すような下降位置との間を動くことができる。第1の枢動軸P1は図11に示されている。第1の枢動軸P1は、アーム102の第2の端部136を貫通して延び且つ本体104の内側本体部分138によって保持される両端部を有するピン158の長手方向軸によって形成される。第1の枢動軸P1は、回転軸Rと実質的に直交しており、アーム102は天井取り付け部100に対して回転軸Rの周りを回転する。また、第1の枢動軸P1は、外側ケーシング18の長手方向軸Lとも実質的に直交する。
【0052】
図2に示す上昇位置において、外側ケーシング18の長手方向軸Lつまりインペラ軸は、取り付けプレート106と実質的に平行である。これにより、ノズルを、ボア軸Xが長手方向軸Lに対して実質的に垂直で天井送風機10が取り付けられる天井Cと垂直になる方向に向けることができる。下降位置において、外側ケーシング18の長手方向軸Lつまりインペラ軸は、好ましくは90度未満の角度、より好ましくは45度未満の角度で取り付けプレート106に対して傾斜する。本体104は、アーム102に対して5度から45度の角度範囲で枢動でき、ノズルを上昇位置から下降位置に動かすことができる。ノズルの外壁74の半径に応じて、ノズルを天井と接触することなく反転させるのに十分なだけノズルを下降させるには、10度から20度の角度範囲の枢動で十分な場合もある。本実施例において、本体104は、ノズルを上昇位置から下降位置に動かすために、アーム102に対して約12度から15度の角度範囲で枢動する。
【0053】
また、本体104のハウジング156は、アーム102に対する本体104の位置をロックするための解除式ロック機構160を収容する。ロック機構160は、ノズルが上昇位置にある位置に本体104を保持する機能を果たす。図11及び12を参照すると、本実施例において、ロック機構160は、アーム102の第2の端部136と本体103の上部を係合してアーム102と本体104との間の相対移動を防止するロックウェッジ162を備える。ロックウェッジ162は、内側本体部分138に結合され、第2の枢動軸P2の周りで内側本体部分138に対して枢動する。第2の枢動軸P2は第1の枢動軸P1と実質的に平行である。ロックウェッジ162は、図11に示すロック位置に、本体104の内側本体部分138の周りに延びるロックアーム166によって保持される。ロックアームローラ168が、ロックアーム166の上端に回転可能に結合され、ロックウェッジ162に係合して、ロックウェッジ162とロックアーム166との間の摩擦力を最小にするようになっている。ロックアーム166は、内側本体部分138に結合され、第3の枢動軸P3の周りで内側本体部分138に対して枢動する。第3の枢動軸P3は、第1の枢動軸P1及び第2の枢動軸P2と実質的に平行である。ロックアーム166は、ロックアーム166と内側本体部分138のフランジ142との間に配置された、好ましくはバネである、弾性要素170によって図11に示す位置に向かって付勢される。
【0054】
ロック機構160を解除するために、ユーザは、弾性要素170の付勢力に抗してロックアーム166を押圧して、ロックアーム166を第3の枢動軸P3の周りで枢動させる。外側本体部分140は、ユーザがロックアーム166と係合するツールを挿入できる窓部172を備える。もしくは、窓部172から突出するユーザ操作ボタンをロックアーム166の下端に取り付けてユーザが押圧できようにすることもできる。ロックアーム166が第3の枢動軸P3の周りで動くと、ロックアームローラ168は、アーム102の第2の端部136から離れ、結果的にロックウェッジ162が第2の枢動軸P2の周りを枢動してロック位置から離れて、アーム102の第2の端部136との係合が外れる。ロックウェッジ162のロック位置から離れる動きにより、本体104は、アーム102に対して第1の枢動軸P1の周りを枢動でき、ノズルは上昇位置から下降位置へ移動する。
【0055】
ユーザは、長手方向軸Lの周りで所望の角度だけ回転させた時点で、本体104が第1の枢動軸P1の周りを枢動するようにノズルの端部を持ち上げることで、ノズルを上昇位置に戻すことができる。ロックアーム166は図11に示す位置に向かって付勢されるので、ノズルが上昇位置に戻るとロックアーム166は図11に示す位置に自動的に戻り、ロックウェッジ162はロック位置に戻る。
【0056】
天井送風機10を作動するために、ユーザはユーザインタフェース又はリモコン装置の適切なボタンを押圧する。ユーザインタフェースの制御回路はこの操作を主制御回路に伝え、これに応答して主制御回路はモータ26を作動してインペラ22を回転させる。インペラ22の回転により、空気流が空気入口150を通って支持組立体16の本体104に引き込まれる。ユーザはユーザインタフェース又はリモコン装置を用いてモータ26の速度、ひいては支持組立体16に引き込まれる空気量を制御できる。空気流は、順に支持組立体16の空気通路150及び空気入口部分の空気通路152に沿って進み、ノズルの内部通路94に流入する。
【0057】
ノズルの内部通路94内において、空気流は、ノズル16のボア78の周りで反対方向に進む2つの空気ストリームに分かれる。各空気ストリームは内部通路94を通って流れるので、空気は空気出口90を通って噴出される。ボア軸Xを通りこれを包含する平面において見られるように、空気流は、空気出口90を通って方向Dに噴出される。空気出口90からの空気流の噴出は、外部環境、特にノズル周りの領域からの空気の同伴によって発生する二次空気流を引き起こす。この二次空気流は、噴出空気流と混ざり合って、ノズルから前方に放出される合体又は総空気流又は気流を生じさせる。
【0058】
図14から16は、室内に空気流を発生させる送風機組立体の第2の実施例を示す。この第2の実施例において、送風機組立体200は、部屋の天井に結合可能な天井送風機の一部を形成する。支持組立体(図示せず)は、送風機組立体200を部屋の天井に支持するように設けられている。天井送風機10の支持組立体16は、送風機組立体200に結合して送風機組立体200を天井に支持できるようになっており、支持組立体については第2の実施例では以下に詳細に説明しない。
【0059】
第2の実施例において、送風機組立体200は、空気入口204及び空気出口206を備える内部通路202を有する環状ケーシングの形態である。ケーシングは、内部通路202の空気出口206及び出口部分210を形成する環状空気出口部分208と、ケーシングの空気出口部分208の周りに部分的に延び、内部通路202の空気入口204及び入口部分214を形成するアーチ形空気入口部分212と、を有する。
【0060】
ケーシングの空気出口部分208は、内側ケーシング部分及びケーシング上端(図示の通り)で内側セクションに結合された外側ケーシング部分を備える。図14を参照すると、内側ケーシング部分は、一緒に結合されてケーシングの第1の環状側壁218の上部218aを形成する複数のアーチ形部分216a、216b、216c、216dを備える。第1の側壁218は、中心ボア軸Xの周りに延びてケーシングのボア222を形成する。ボア222は、略円形断面を有する。また、外側ケーシング部分は、内側ケーシング部分に結合された複数のアーチ形部分224a、224b、224c、224d、224eを備える。また、図17、及び図18(a)から18(e)を参照すると、外側ケーシング部分のアーチ形部分224a、224b、224c、224d及び内側ケーシング部分のアーチ形部分216aは一緒になってケーシングの第2の側壁226を形成する。第2の側壁226は、第1の側壁218の周りに延びる。また、外側ケーシング部分のアーチ形部分224a、224b、224c、224d及び内側ケーシング部分のアーチ形部分216aは一緒になって、ケーシングの側壁218、226の間に延びる上壁228を形成する。
【0061】
また、ケーシングの空気出口部分208は、内側ケーシング部分及び外側ケーシング部分に結合される出口ケーシング部分を備える。図15を参照すると、出口ケーシング部分は、同様に複数のアーチ形部分230a、230b、230c、230d、230e、230fを備える。出口ケーシング部分の各アーチ形部分は、第1の側壁218の上部218aの下端から外側ケーシング部分のアーチ形部分まで延びて、第1の側壁218の下部218b及び上壁228の反対側に位置する下壁232を形成する。第1の側壁218の下部218bの外面は、略切頭円錐形の形状であり、ボア軸Xから離れる方向にテーパー付けされている。本実施例において、ボア軸Xと第1の側壁218の下部218bの外面との間に内在する角度は約15度である。
【0062】
従って、内部通路202の出口部分210は、ケーシングの側壁218、226、上壁228、及び下壁232のよって形成される。内部通路202の出口部分210は略矩形断面を有する。
【0063】
第2の側壁226は、第1の側壁218の周りに実質的に360度延びる。図17に明確に示すように、側壁218、226の間の半径方向距離はボア軸Xの周りで変わり、内部通路202の出口部分210は、ボア軸Xの周りで連続的に変化する断面を有するスクロール部分の形態である。出口部分210は、比較的広いスクロール入口部分234及び比較的狭いスクロール出口部分236を備えており、出口部分210の断面積は、スクロール入口部分234とスクロール出口部分236との間で連続的に減少する。また、図18(e)を参照すると、スクロール入口部分234は、ケーシングの空気入口部分212から空気流を受け入れる入口ポート238を有し、スクロール出口部分236は、空気流の第1の部分をスクロール入口部分234へ戻す出口ポート240を有する。従って、内部通路202の出口部分210は、ボア軸Xの周りで連続している。
【0064】
入口ポート238は、第2の側壁226の端部242、244の間に配置される。出口ポート240は、第1の側壁218と第2の側壁226の一端242との間に配置される。出口ポート240は入口ポート238に隣接して配置される。図17に示すように、入口ポート238及び出口ポート240は実質的に同一平面上にあることが好ましい。
【0065】
出口ケーシング部分はケーシングの空気出口206を形成し、ここを通って空気流の第2の部分がケーシングから噴出する。本実施例において、空気出口206は環状スロットの形態であることが好ましい。スロットは略円形の形状であり、ボア軸Xと直交する平面内に配置されることが好ましい。スロットは、0.5から5mmの範囲の比較的一定の幅をもつことが好ましい。空気出口206は、第1の側壁218の下部218bと下壁232との間に配置される。第1の側壁218の下部218bの内面は、空気出口206を通る空気流の第2の部分をボア軸Xに対して傾いてボア軸Xから離れて延びる方向に案内するように形作られる。第1の実施例と同様に、空気流の第2の部分は、空気出口206を通ってボア軸Xに対して約15度だけ傾いた方向に噴出される。
【0066】
第1の側壁218の下部218b及び下壁232は、スロットの幅を管理する機能を果たす複数のウェブ252によって結合される。図15及び17に示すように、これらのウェブ252は、ボア軸Xの周りに所定角度離間している。第1の実施例と同様に、第1の側壁218の上部218a及び下部218bは一体とすることができ、下壁232は、第2の側壁226と一体にすることができる。この場合、一方の側壁には複数のスペーサーを備えることができ、他方の側壁と係合して側壁の間の間隔、つまりボア軸Xの周りの空気出口206の幅を管理するようになっている。
【0067】
前述のように、ケーシングは、ケーシングの空気出口部分208の周りに部分的に延び且つ送風機組立体200の空気入口204及び内部通路202の入口部分214を形成するアーチ形空気入口部分212を備える。内部通路202の入口部分214は、空気流を空気入口204からスクロール入口部分234の入口ポート238に送る。第1の実施例と同様に、入口部分214は、空気流を送風機組立体200へ引き込むインペラ22、及びインペラ22を駆動するモータ26を収容する。また、入口部分214は、インペラ22の下流側に配置されて複数のディフューザ羽根32を備えるディフューザを収容する。インペラ22、モータ26、及びディフューザは、空気入口部分212の略円筒形のインペラハウジング部分254の中に配置される。インペラハウジング部分254は、外側ケーシング部分のアーチ形部分224eで形成される。
【0068】
インペラ22は長手方向軸Lを備え、インペラ22は長手方向軸Lがボア軸Xと実質的に垂直であるが交差しないようにインペラハウジング部分254内に配置される。インペラハウジング部分254内のインペラ22、モータ26、及びディフューザの配置は、天井送風機10の空気入口部分12の円筒形外側ケーシング18内の構成部品の配置と実質的に同じなので、インペラハウジング部分254内のこれらの構成部品の配置は本明細書では再度説明しない。リモコン装置から制御信号を受信して、受信した制御信号に応じてモータ26を制御する制御回路が、インペラハウジング部分254内に配置できる。別の方法として又は追加的に、ユーザインタフェースをインペラハウジング部分254上に配置できる。このユーザインタフェースは1つ又はそれ以上のボタン又はダイアルを備えることができ、ユーザはモータ26を作動又は非作動とすること、及びモータ26の速度を制御することができる。
【0069】
インペラハウジング部分254内にこれらの構成部品を取り付けるための取り付け機構は、天井送風機10の空気入口部分12の円筒形外側ケーシング18内のこれらの構成部品の配置と実質的に同じであり、取り付け機構も同様に本明細書では説明しない。また、インペラハウジング部分254は、インペラ22の上流に配置された第1の消音機構256、及びディフューザ羽根32の下流に配置された第2の消音機構258を備える。各消音機構256、258は、1つ又はそれ以上の音響発泡体及び複数のヘルムホルツレゾネータを備える。インペラハウジング部分254は略円筒断面を備えるので、内部通路202の入口部分214は、断面が変化する中間部分260を備え、中間部分260は、インペラハウジング部分254を内部通路202の出口部分210に結合する。また、中間部分260は、外側ケーシング部分のアーチ形部分224eによって形成される。
【0070】
内部通路202の入口部分214は、空気入口204からインペラハウジング部分254へ空気流を送る導管262を更に備える。導管262は、ケーシングの空気出口部分208の周りに延び、アーチ形の形状を備える。空気入口204は導管262の一端に配置される。本実施例において、導管262は、外側ケーシング部分のアーチ形部分224dに結合される第1の導管部分262a、及び第1の導管部分262aとインペラハウジング部分254との間に結合される第2の導管部分262bを備える。導管262は、ケーシングの空気出口部分208の周りにより広い又はより狭い範囲で延びるように、任意数の導管部分を備えることができる。本実施例において、導管262は略矩形断面を有し、内部通路202の入口部分214は断面が変化する第2の中間部分264を備え、中間部分264は導管262をインペラハウジング部分254に結合する。
【0071】
ケーシングの空気入口部分212は、1つ又はそれ以上の消音機構を更に備える。本実施例において、空気入口部分212は、第1の導管部分262aの互いに反対側に配置された音響発泡体の2つのアーチ形部分266a、266b、及び第2の導管部分262bの一方側に配置された音響発泡体のアーチ形部分266cを備える。
【0072】
空気入口204は接線方向の空気入口であり、空気入口は、ケーシングのボア222に対して実質的に接線方向で空気流を送風機組立体200に流入させる。これにより空気流は方向を急に変えることなくケーシングの内部通路202に流入できるので、インペラ上流の乱流によって発生する騒音を低減できる。天井送風機10の支持組立体16は空気入口204に結合できる。
【0073】
送風機組立体200を作動させるために、ユーザはユーザインタフェース又はリモコン装置の適切なボタンを押圧する。ユーザインタフェースの制御回路はこの操作を主制御回路に伝え、これに応答して主制御回路はモータ26を作動してインペラ22を回転させる。インペラ22の回転により、空気流が空気入口204を通って内部通路202の空気入口部分214に引き込まれる。ユーザは、ユーザインタフェース又はリモコン装置を用いてモータ26の速度、ひいては内部通路202に引き込まれる空気量を制御できる。空気流は、順に導管262、第2の中間部分264、インペラハウジング部分254、及び中間部分260に沿って進み、入口ポート238を通って内部通路202の出口部分210に流入する。空気流が内部通路202の出口部分210を通ると、空気流の一部は空気出口206を通って噴出される。ボア軸Xを通りこれを包含する平面において見られるように、空気流のこの部分は、空気出口206を通ってボア軸Xから離れる方向に延びる方向Dに噴出される。空気流のこの部分の噴出は、外部環境、特に送風機組立体200周りの領域からの空気の同伴によって発生する二次空気流を引き起こす。この二次空気流は、噴出空気流と混ざり合って、送風機組立体200から前方に放出される合体又は総空気流又は気流を生じさせる。
【0074】
前述のように、空気流の他の部分は、出口ポート240を通ってスクロール入口部分234に再度流入する。空気流のこの部分がスクロール入口部分234に戻ることにより、ボア軸Xの周りで空気は略一定の速度で空気出口206から噴出される。前述のように、入口ポート238及び出口ポート240は略同一平面にあるので、空気流の一部がスクロール入口部分234に再度流入する方向は、空気流がスクロール入口部分234に流入する方向と略同一である。これによりスクロール入口部分234で発生する乱流を最小にできる。
【符号の説明】
【0075】
22 インペラ
26 モータ
200 送風機組立体
202 内部通路
204 空気入口
206 空気出口
208 空気出口部分
212 空気入口部分
214 入口部分
210 出口部分
222 ボア
238 入口ポート
240 出口ポート
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内で空気流を発生させる送風機組立体に関する。好ましい実施形態において、本発明は、天井送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の天井送風機が知られている。標準的な天井送風機は、第1の回転軸の周りに取り付けられたブレードセット及びブレードセットを回転させるために第1の回転軸の周りに取り付けられた駆動部を備える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
第1の態様において、本発明は、室内に空気流を発生させる送風機組立体に関し、送風機組立体は、少なくとも1つの空気入口を有する内部通路を形成する環状ケーシングを備え、内部通路は、少なくとも1つの空気入口の下流にインペラ及び該インペラを駆動して少なくとも1つの空気入口から送風機組立体へ空気流を引き込むモータを収容し、更に、内部通路は、空気流の少なくとも一部が送風機組立体から噴出される少なくとも1つの空気出口を有し、ケーシングは、その周りに内部通路が延びるボアを形成し、ボアを通って送風機組立体の外部からの空気流が少なくとも1つの空気出口から噴出される空気によって引き込まれるようになっている。
【0004】
以下では一次空気流と称する、環状ケーシングから噴出される空気は、ケーシングを取り囲む空気を同伴するので、送風機組立体は、空気増幅器として作用して一次空気流及び同伴空気の両方をユーザに供給する。同伴空気は以下では二次空気流と称する。二次空気流は、室内空間、ケーシングを取り囲む領域又は外部環境から引き込まれる。一次空気流は、同伴二次空気流と合体してケーシングから前方に噴出される合体又は総空気流を生成する。
【0005】
送風機組立体をコンパクトな外観とするために、インペラ及び該インペラを駆動するモータは、環状ケーシングの内部通路の中に配置される。更に、モータ及びインペラを内部通路の中に配置することで、インペラと空気出口を含む内部通路の部分との間の空気流の方向の急激な変化を最小にできるので、空気流が内部通路のこの部分を通過する際のエネルギ損失が低減して、結果的にインペラから空気出口までを進む空気流の効率が高くなる。
【0006】
ケーシングは、ボアを形成する第1の環状側壁、第1の側壁の周りに延びる第2の側壁、上壁、及び下壁を備えることが好ましい。空気出口は、下壁と第1の側壁との間、又は下壁に配置できる。空気出口は、一次空気流をボア軸から離れる方向に噴出するようになっていることが好ましく、外向きのテーパー付き円錐形状であることが好ましい。
【0007】
本出願人は、ケーシングから、ボア軸から離れる方向に延びる方向への一次空気流の噴出により、一次空気流による二次空気流の同伴度が高くなり、送風機組立体によって生成される合体空気流の流量を増大できることを見出した。合体空気流の流量の絶対値又は相対値、又は最大速度に関する参照は、ケーシングの空気出口の直径の3倍の距離で記録した値に関して行われる。
【0008】
何らかの理論に縛られることは望まないが、本出願人は、一次空気流による二次空気流の同伴割合は、ケーシングから噴出される一次空気流の外側プロファイルの表面積の大きさに関連すると考えている。一次空気流が外向きにテーパー付けされるか又は張り出す場合、外側プロファイルの表面積は相対的に大きくなり、一次空気流とケーシングを取り囲む空気との混合が促進されて、合体空気流の流量が増大する。ケーシングが発生する合体空気流の流量が増大すると、合体空気流の最大速度が低下する。これにより、送風機組立体は室内又はオフィスの中を通る空気の流れを発生させる天井送風機として適切に使用できる。
【0009】
第1の側壁は、ボア軸から離れる方向にテーパー付けされた方向に下壁に向かって延びる、下壁に隣接する部分を備えることが好ましい。ボア軸に対する側壁の部分の傾斜角は0度から45度の間とすることができる。側壁のこの部分は、実質的に切頭円錐形であることが好ましい。空気出口は、側壁のこの部分に対して実質的に平行な方向に一次空気流を噴出するように構成できる。側壁のこの部分は、下端壁と一緒になってケーシングの空気出口を形成できる。側壁のこの部分は下壁の一部と一体にできる。
【0010】
空気出口は、ボア軸の周りに延びることが好ましい。ケーシングはボア軸の周りで所定角度離間した複数の空気出口を備えることができるが、好ましい実施形態において、ケーシングは、ボア軸が空気出口の中心を通る円形空気出口を備える。空気出口に隣接して配置される内部通路の一部は、一次空気流がボア軸から離れる方向に向かうように、空気出口を通る一次空気流を差し向けるように形状付けられている。
【0011】
ケーシングの空気入口又は各空気入口は、ケーシングの空気出口に実質的に直交することが好ましい。内部通路は、空気入口を有する入口部分、及び入口部分の下流に配置されて空気出口を有する出口部分を備えることができる。入口部分は、出口部分の少なくとも一部の周りに延びて、ケーシングの環状形状を維持するようになっており、入口部分と出口部分との間の重なりの程度に応じて、ケーシングは、該ケーシングのボアの周りに延びるコイル形状とすることができる。
【0012】
内部通路の出口部分はボアの周りに延びることが好ましい。出口部分の断面プロファイルは、ボアの周りで変化することが好ましい。空気流が出口部分を通過する場合、出口部分内に残留する空気流の流量は、空気がケーシングから噴出されるのでボアの周りで低下する。出口部分内の空気流の速度を実質的に一定に維持するために、出口部分の断面積は入口部分から延びる方向に低減することが好ましい。出口部分内の空気流の速度を実質的に一定に維持することで、一次空気流が出口部分から噴出される場所での速度がボアの周りで実質的に一定になり、その結果、送風機組立体が発生する合体空気流の速度をボア軸の周りで均一にすることができる。
【0013】
出口部分は、略矩形断面とすることができる。出口部分の断面積の変化は、種々の方法の中の1つの方法で実現できる。例えば、上壁と下壁との間の距離をボアの周りで変えることができる。別の方法として又は追加的に、第1の側壁と第2の側壁との間の距離をボアの周りで変えることができるが、この方法は、出口部分がボアの周りで同じ高さとなるので好適である。
【0014】
出口部分は連続的であることが好ましい。出口部分の断面積がボアの周りで変化する場合、出口部分は、スクロール入口部分からスクロール出口部分に向かって断面積が減少するスクロール部分の形態であることが好ましい。スクロール入口部分は空気流を受け入れる入口ポートを備え、スクロール出口部分は空気流の一部をスクロール入口部分に戻す出口ポートを備えることが好ましい。これにより、ボアの周りで一次空気流の速度をさらに一定に保つのを助けることができる。
【0015】
第2の態様において、本発明は、室内に空気流を発生させる送風機組立体に関し、送風機組立体は、インペラ及びインペラを駆動して空気流を送風機組立体に引き込むモータ、及びスクロール入口部分からスクロール出口部分に向かって減少する断面積をもつスクロール部分を有する内部通路を含むケーシングを備え、スクロール入口部分は、空気流を受け入れる入口ポートを備え、スクロール出口部分は、空気流の第1の部分をスクロール入口部分に戻す出口ポートを備え、スクロール部分は、空気流の第2の部分をケーシングから噴出させる少なくとも1つの空気出口を有し、ケーシングは、ボアを形成し、ボアによって送風機組立体の外部からの空気が少なくとも1つの空気出口から噴出される空気によって引き込まれるようになっている。
【0016】
出口ポートは入口ポートに隣接して配置されることが好ましい。入口ポート及び出口ポートは、実質的に同一平面にあることが好ましく、空気流の第1の部分がスクロール入口部分に再度流入する方向は、空気流がスクロール入口部分に流入する方向と実質的に同一となる。
【0017】
インペラ及びモータは、入口部分の中に配置されることが好ましい。インペラ及びモータは、入口部分内の任意の所望の場所に配置できる。入口部分は、インペラ及びモータを収容するインペラハウジング部分を備えることが好ましい。インペラハウジング部分は、内部通路の出口部分に隣接して配置されることが好ましく、ボアの周りに延びるように出口部分の半径方向外側に配置されることが好ましく、インペラ軸がケーシングのボアと交差しないことが好ましい。インペラハウジング部分は、ケーシングの出口部分とは異なる断面をもつことができ、従って、内部通路は、断面が変化する中間部分を備えることができ、中間部分はインペラハウジング部分を出口部分に結合するようになっている。インペラハウジング部分は略円形断面をもつことができ、中間部分の断面は、一端の略円形断面から他端の略矩形断面まで変わることができる。
【0018】
内部通路は、空気入口からインペラハウジング部分まで延びる導管部分を備えることが好ましい。導管部分は、ケーシングの環状形状を維持するために、出口部分の少なくとも一部の周りに延びることができ、アーチ形の形状とすることができる。
【0019】
空気入口部分は、空気流が空気入口部分に引き込まれる、単一の空気入口又は複数の空気入口を備えることができる。空気入口が、導管部分の一端に配置されることが好ましい。この空気入口は、ケーシングのボアに対して実質的に接線方向で空気流を送風機組立体に流入させる、接線方向の空気入口であることが好ましい。これにより、空気流は急激な方向変化を伴うことなく、ケーシングの内部通路に流入することができる。
【0020】
第3の態様において、本発明は、室内に空気流を発生させる送風機組立体に関し、送風機組立体は、インペラ及びインペラを駆動して空気流を送風機組立体に引き込むモータ、及び空気流が内部通路に流入する接線方向の空気入口と、空気流の少なくとも一部分を噴出する少なくとも1つの空気出口とを有する、連続した内部通路を含むケーシングを備え、ケーシングは、その周りに内部通路が延びるボアを形成し、ボアを通って送風機組立体の外部からの空気流が、少なくとも1つの空気出口から噴出される空気によって引き込まれる。
【0021】
インペラはインペラ軸の周りを回転可能であり、ボアはインペラ軸と実質的に直交することが好ましいボア軸を備える。入口部分の寸法を最小にするために、インペラは軸流インペラであることが好ましが、インペラは混流インペラとすることもできる。入口部分は、インペラの下流に配置され、空気流をケーシングの出口部分に導くディフューザを備えることが好ましい。
【0022】
送風機組立体は、室内天井にケーシングを支持するための支持組立体を含むことが好ましい。支持組立体は、室内天井に取り付け可能な取り付けプレートを備えることが好ましい。インペラ軸は、取り付けプレートに対して90度未満の角度であることが好ましい。インペラ軸は、取り付けプレートに対して45度未満の角度であることがより好ましく、取り付けプレートに対して実質的に平行な角度とすることができる。前述のように、ボア軸は、インペラ軸に対して実質的に直交であることが好ましく、これにより、インペラ軸が取り付けプレートに対して実質的に平行、つまり取り付けプレートが取り付けられる水平天井に対して実質的に平行の場合、送風機組立体は比較的浅いプロファイルとすることができる。ケーシングは、天井に比較的近く配置できるので、ユーザが、又はユーザが持ち運ぶ物品がケーシングに接触するリスクを低減できる。
【0023】
インペラハウジング部分は、外側ケーシング、モータ及びインペラの周りに延びるシュラウド、及びシュラウドを外側ケーシング内に取り付ける取り付け機構を備えることが好ましい。シュラウド及び外側ケーシングの各々は、実質的に円筒形とすることができる。取り付け機構は、外側ケーシングとシュラウドとの間に配置された複数の取り付け部、及び取り付け部とシュラウドとの間に結合された複数の弾性要素を備えることができる。好ましくはシュラウドが外側ケーシングと実質的に同軸となるように、シュラウドを外側ケーシングに対して位置決めする機能に加えて、弾性要素は、送風機組立体の使用時に発生する振動を吸収することができる。弾性要素は、取り付け部とシュラウドとの間に引張状態で保持されることが好ましく、各々が、一端がシュラウドに結合され他端が支持部材の1つに結合された複数の引張バネを備えることが好ましい。バネを引張状態で保持するために、引張バネの両端を離すように付勢する手段を備えることができる。例えば、取り付け機構は、取り付け部の間に配置されて取り付け部を離すように付勢して、結果的に各バネの一端を他端から離れる方向に付勢する、スペーサーリングを備えることができる。
【0024】
支持組立体は、送風機組立体の入口部分又は出口部分に結合できる。例えば、入口部分の一端は支持組立体に結合できる。もしくは、支持組立体は、入口部分の空気入口とインペラハウジング部分との間に配置された入口部分の一部に結合できる。
【0025】
ケーシングは、一次空気流が室内に噴出される方向をユーザが変更できるように、支持組立体に対して回転可能であることが好ましい。ケーシングは、一次空気流が天井から離れるように差し向けられる第1の方向と、一次空気流が天井に向かって差し向けられる第2の方向との間で、支持組立体に対して回転軸の周りに回転可能であることが好ましい。例えば、夏季にユーザは、送風機が発生した空気流が送風機の真下にいるユーザを冷やすために比較的涼しい風をもたらすように、一次空気流が、送風機が取り付けられる天井から室内に噴出されるようケーシングを向けることを望む場合がある。しかしながら、冬季には、ユーザは、送風機の真下に微風を発生することなく、部屋の壁の上部に上昇している温かい空気を動かして循環させるために一次空気流が天井に向かって噴出されるように、ケーシングを180度反転することを望む場合がある。
【0026】
ケーシングは、第1の方向と第2の方向で回転されると反転できる。ケーシングの回転軸はボア軸に実質的に直交することが好ましく、インペラ軸と実質的に同一平面であることが好ましい。
支持組立体は、送風機組立体を天井に取り付けるための天井取り付け部、天井取り付け部に結合される第1の端部を有するアーム、及びアームの第2の端部をケーシングに結合するコネクタを備えることが好ましい。
【0027】
本発明の第1の態様と共に前述した特徴部は、本発明の第2及び第3の態様の全てに同様に適用できる。
本発明の好ましい特徴部は、単に例示的に、添付の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】天井送風機の第1の実施例の上から見た正面斜視図である。
【図2】天井に取り付けられた図1の天井送風機の左側側面図であり、天井送風機の環状ノズルは上昇位置にある。
【図3】図1の天井送風機の正面図である。
【図4】図1の天井送風機の背面図である。
【図5】図1の天井送風機の上面図である。
【図6】図5のA−A線に沿った図1の天井送風機の横断面図である。
【図7】図6に表示された区域Aの拡大図であり、図1の天井送風機の空気入口部分のモータ及びインペラを示す。
【図8】図6に表示された区域Bの拡大図であり、環状ノズルの空気出口を示す。
【図9】図6に表示された区域Dの拡大図であり、図1の天井送風機の天井取り付け部と支持組立体のアームとの間の結合部を示す。
【図10】図6のC−C線に沿った天井取り付け部及び支持組立体のアームの横断面図である。
【図11】図6の区域Cの拡大図であり、環状ノズルを上昇位置に保持するための解除式ロック機構を示す。
【図12】図11のB−B線に沿ったロック機構の断面図である。
【図13】天井に取り付けられた図1の天井送風機の左側面図であり、天井送風機の環状ノズルは下降位置にある。
【図14】天井送風機の第2の実施例の環状ケーシングの上面図である。
【図15】図14の環状ケーシングの下面図である。
【図16】図14の環状ケーシングの正面図である。
【図17】図16のK−K線に沿った環状ケーシングの上側の断面図である。
【図18a】図17のF−F線に沿った環状ケーシングの断面図である。
【図18b】図17のG−G線に沿った環状ケーシングの断面図である。
【図18c】図17のH−H線に沿った環状ケーシングの断面図である。
【図18d】図17のJ−J線に沿った環状ケーシングの断面図である。
【図18e】図17のラインL−Lで切り取った環状ケーシングの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1から5は、室内に空気流を発生させる送風機組立体の第1の実施例を示す。本実施例において、送風機組立体は、部屋の天井Cに結合可能な天井送風機10の形態である。天井送風機10は、空気入口部分12、空気出口部分14、及び空気入口部分12及び空気出口部分14を部屋の天井Cに支持するための支持組立体16を備える。空気出口部分14は、空気入口部分12の一端に結合された環状ノズルの形態である。
【0030】
空気入口部分12は、空気出口部分14から噴出される空気流を発生させるシステムを収容する略円筒形の外側ケーシング18を備える。図1、2、及び5に示すように、外側ケーシング18には複数の軸方向に延びる補強リブ20を形成することができ、補強リブ20は外側ケーシング18の長手方向軸Lの周りで離間しているが、外側ケーシング18が形成される材料の強度に応じて省略することもできる。
【0031】
図6及び7を参照すると、空気入口部分12は、空気流を天井送風機10に引き込むためのインペラ22を収容する。インペラ22は、軸流インペラの形態であり、外側ケーシング18の長手方向軸Lと実質的に同一線上のインペラ軸の周りに回転可能である。インペラ22は、モータ26から外方に延びる回転軸24に結合される。本実施例において、モータ26はDCブラシレスモータであり、支持組立体16内に配置される制御回路(図示せず)によって速度が可変となっている。モータ26は、前側モータケーシング部分28及び後側モータケーシング部分30を備えるモータケーシング内に収容される。組み立て時に、まず、モータ26は前側モータケーシング部分28に挿入され、後側モータケーシング部分30は、次に前側ケーシング部分28に挿入され、モータケーシング内にモータ26を保持及び支持するようになっている。
【0032】
また、空気入口部分12は、インペラ22の下流に配置されるディフューザを収容する。ディフューザは、ディフューザの内側円筒壁34と外側円筒壁との間に配置される複数のディフューザ羽根32を備える。ディフューザは、単体として成形されることが好ましいが、別の方法として、ディフューザは、相互結合される複数の部品又は部分から形成することもできる。内側円筒壁34は、モータケーシングの周りに延び、このモータケーシングを支持する。外側円筒壁は、インペラ22及びモータケーシングの周りに延びるシュラウド36を形成する。本実施例において、シュラウド36は実質的に円筒形である。シュラウド36は、一端において空気流が天井送風機10の空気入口部分12に入る空気入口38、及び他端において空気流が天井送風機10の空気入口部分12から排気される空気出口40を備える。インペラ22及びシュラウド36は、インペラ22及びモータケーシングがディフューザで支持される場合に、インペラ22のブレード先端がシュラウド36の内面に隣接するが接触しないように且つインペラ22がシュラウド36と実質的に同軸であるように形作られている。円筒形ガイド部材42が、インペラ22の回転で発生した空気流をシュラウド36の空気出口40へ導くために、ディフューザの内側円筒壁34の後側に結合される。
【0033】
空気入口部分12は、インペラ軸が外側ケーシング18の長手方向軸Lと実質的に同一線上にあるように、外側ケーシング18内にディフューザを取り付けるための取り付け機構を備える。取り付け機構は、外側ケーシング18とシュラウド36との間に延びる環状チャネル44内に配置される。取り付け機構は、第1の取り付け部46及び長手方向軸Lに沿って第1の取り付け部46から軸方向に離間した第2の取り付け部48を備える。第1の取り付け部46は、長手方向軸Lに沿って互いに軸方向に離間した一対の相互結合されたアーチ形部材46a、46bを備える。第2の取り付け部48は、同様に長手方向軸Lに沿って互いに軸方向に離間した一対の相互結合されたアーチ形部材48a、48bを備える。各取り付け部46、48のアーチ形部材46a、48aは、各々がそれぞれの引張バネ(図示せず)の一端に結合される複数のバネコネクタ50を備える。本実施例において、取り付け機構は4つの引張バネを備え、アーチ形部材46a、48aの各々は、対称位置に2つのコネクタ50を備える。各引張バネの他端は、シュラウド36に形成されたそれぞれのバネコネクタ52に結合される。取り付け部46、48は、引張バネがコネクタ50、52の間で引張状態に保持されるように、取り付け部46、48の間の環状チャネル44に挿入されたアーチ形スペーサーリング54によって離すように付勢される。これはモータケーシングから外側ケーシング18へ伝達される振動を低減するために、取り付け部46、48に対するシュラウド36の半径方向の移動をある程度可能にしながら、シュラウド36と取り付け部46、48との間の所定の間隔を維持する機能を果たす。可撓性シール56が、環状チャネル44の一端に設けられており、空気流の一部が環状チャネル44に沿ってシュラウド36の空気入口38へ戻るのを防止する。
【0034】
環状取り付けブラケット58が、例えばボルト60によって、シュラウド36の空気出口40の周りに延びる外側ケーシング18の端部に結合される。天井送風機10の空気出口部分14の環状フランジ62が、例えばボルト64によって、取り付けブラケット58に結合される。もしくは、取り付けブラケット58は、空気出口部分14と一体とすることができる。
【0035】
前述のように、空気出口部分14は環状ノズルの形態である。図1から5に戻ると、ノズルは、外側セクション70、及びノズルの上端(図示のように)で外側セクション70に結合される内側セクション72を備える。外側セクション70は、相互に結合してノズルの環状外側壁74を形成する、複数のアーチ形セクションを備える。内側セクション72は、同様に、各々が外側セクション70のそれぞれのセクションに結合してノズルの環状内側壁76を形成する、複数のアーチ形セクションを備える。内壁76は、中心ボア軸Xの周りに延びてノズルのボア78を形成する。ボア軸Xは、外側ケーシング18の長手方向軸Lと実質的に直交する。ボア78は、略円形断面を有し、ボア軸Xに沿って直径が変化する。また、ノズルは、外壁74の一端と内壁76の一端との間に延びる環状上壁80、及び外壁74の他端と内壁76の他端との間に延びる環状下壁82を備える。内側セクション70は上壁80に沿った中ほどで外側セクション72に結合されるが、ノズルの外側セクション72は、下壁82の大部分を形成する。
【0036】
特に図8を参照すると、ノズルは、環状出口部分84を備えることができる。出口部分84は、ノズルの環状内側壁76の一部分を形成するように内側セクション72の下端に結合された、内側の略切頭円錐形の内壁86を備える。内壁86は、ボア軸Xから離れる方向にテーパー付けされる。本実施例において、内壁86とボア軸Xとの間に内在する角度は約15度である。また、出口部分84は、ノズルの外側セクション70の下端に結合され、ノズルの環状下壁82の一部を形成する環状出口壁88を備える。出口部分84の内壁86及び外壁88は、ボア軸Xの周りの内壁86と外壁88との間の間隔を制御する機能を果たす複数のウェブ(図示せず)によって互いに結合される。出口部分84は、単体として形成できるが、相互に結合される複数の構成部品として形成できる。代替的に、内壁86は内側セクション70と一体とすることができ、外壁88は外側セクション72と一体とすることができる。この場合、内壁86及び外壁88の一方は、内壁86及び外壁88の他方と係合してボア軸Xの周りの内壁86と外壁88の間の隙間を制御するための複数のスペーサーを用いて形成することができる。
【0037】
内壁76は、ボア軸Xを含む平面内の、翼形表面の一部の形状の断面プロファイルをもつと考えられる。この翼形は、ノズルの上壁80における前縁、ノズルの下壁82における後縁、及び前縁と後縁との間に延びる翼弦線CLを有する。本実施例において、翼弦線CLはボア軸Xと略平行である。
【0038】
ノズルの空気出口90は、出口部分84の内壁86と外壁88との間に配置される。空気出口90は、図6に示すようにノズルの内壁76に隣接して結果的に翼弦線CLとボア軸Xとの間のある、ノズルの下壁82に配置されると考えられる。空気出口90は、環状スロットの形態であることが好ましい。スロットは、略円形でありボア軸Xと直交する平面に配置されることが好ましい。スロットは、0.5から5mmの範囲の比較的一定の幅であることが好ましい。
【0039】
ノズルを空気入口部分12に結合する環状フランジ62は、ノズルの外側セクション70の一部分と一体である。フランジ62は、空気入口部分12からの空気流を受け入れるために、ノズルの空気入口92の周りに延びると考えられる。ノズルの外側セクション70のこの部分は、空気流をノズルの環状内部通路94へ送るように形作られている。ノズルの外壁74、内壁76、上壁80、及び下壁82は、ボア軸Xの周りに延びる内部通路94を形成する。内部通路94は、ボア軸Xを通過する平面において略矩形断面を有する。
【0040】
図8に示すように、内部通路94は、空気出口90を通る空気流を差し向けるための空気チャネル96を備える。空気チャネル96の幅は、空気出口90の幅と実質的に同じである。本実施例において、空気チャネル96は、空気チャネル96が翼形の翼弦線CL及びノズルのボア軸Xに対して傾斜するように、ボア軸Xから離れる方向に延びるD方向に、空気出口90に向かって延びている。
【0041】
方向Dに対するボア軸X又は翼弦線CLの傾斜角度は、任意の値とすることができる。この角度は、0度から45度の範囲であることが好ましい。本実施例において、傾斜角度は、ボア軸Xの周りで実質的に一定の約15度である。従って、ボア軸Xに対する空気チャネル96の傾斜は、ボア軸Xに対する内壁86の傾斜と実質的に等しい。
【0042】
従って、空気流はノズルのボア軸Xに対して傾斜したD方向にノズルから噴出される。また、空気流はノズル104の内壁76から離れる方向に噴出される。空気チャネル96がボア軸Xから離れる方向に延びるように空気チャネル96の形状を管理することで、天井送風機10が発生した合体空気流の流量は、空気流がボア軸Xと略平行するか又はボア軸Xに向かって傾斜する方向Dに噴出される場合に発生する合体空気流の流量に比較して、増大させることができる。何らかの理論に縛られることは望まないが、本出願人は、比較的大きな表面積を備える外側プロファイルを有する空気流の噴出に起因すると考えている。本実施例において、空気流は、略外向きのテーパー付き円錐形状のノズルから噴出される。これにより、増大した表面積により、空気流がノズル周囲の空気と混ざることが促進され、噴出された空気流による周囲空気の同伴度が高くなり、合体空気流の流量が増大する。
【0043】
図1から5に戻ると、支持組立体16は、天井送風機10を天井Cに取り付けるための天井取り付け部100と、天井取り付け部100に結合される第1の端部及び支持組立体100の本体104に結合される第2の端部を有するアーム102と、を備える。本体104は、天井送風機10の空気入口部分12に結合される。
【0044】
天井取り付け部100は、取り付けプレート106の開口108を貫通して挿入可能なネジを用いて部屋の天井Cに結合可能な取り付けプレート106を備える。図9及び10を参照すると、天井取り付け部100は、アーム102の第1の端部110を取り付けプレート106に連結する連結組立体を更に備える。連結組立体は、取り付けプレート106の環状溝116内に収容される環状リム114を有する連結ディスク112を備え、連結ディスク112は、取り付けプレート106に対して回転軸Rの周りに回転可能になっている。アーム102は、回転軸Rに対して45度から75度の範囲が好ましい角度θだけ傾いており、本実施例においては約60度である。結果として、アーム102が回転軸Rの周りに回転すると、空気入口部分12及びノズルは回転軸Rの周りを回る。
【0045】
アーム102の第1の端部110は、連結組立体の複数の連結部材118、120、122によって連結ディスク112に結合される。連結組立体は、取り付けプレート106に固定され且つアーム102の第1の端部110が貫通して突出する開口を含む、環状キャップ124によって取り囲まれている。また、キャップ124は、天井送風機10へ電力を供給するための電線へ接続する電気接続箱126を取り囲んでいる。電線(図示せず)は、接続箱126から、連結組立体に形成された開口128、130、及びアーム102の第1の端部100に形成された開口132を通って、雰囲気中まで延びる。図9から11に示すように、アーム102は管状であり、アーム102の全長にわたって延びるボア134を備え、この中を電線が天井取り付け部100から本体104まで延びている。
【0046】
アーム102の第2の端部136は、支持組立体16の本体104に結合している。支持組立体16の本体104は、環状内側本体部分138と、内側本体部分138の周りに延びる環状外側本体部分140とを備える。内側本体部分138は、空気入口部分12の外側ケーシング18上に配置されたフランジ144と係合する環状フランジ142を備える。C形クリップ等の環状コネクタ146は、外側ケーシング18のフランジ144の周りに延びて支持するように、内側本体部分138のフランジ142に結合されており、外側ケーシング18は内側本体部分138に対して長手方向軸Lの周りに回転可能になっている。環状入口シール148は、シュラウド36と内側本体部分138のフランジ142との間の気密シールを形成する。
【0047】
従って、空気入口部分12及び取り付けブラケット58によって外側ケーシング18に結合されるノズルは、支持組立体16に対して長手方向軸Lの周りに回転可能である。これにより、ユーザは、支持組立体16に対するノズルの方向、結果的に支持組立体16が取り付けられる天井Cに対するノズルの方向を調節することができる。天井Cに対するノズルの方向を調節するために、ユーザは空気入口部分12及びノズルの両方が長手方向軸Lの周りに回転するようにノズルを引き寄せる。例えば、夏季にユーザは、送風機が発生した空気流が天井送風機10の真下にいるユーザを冷やすために比較的涼しい風をもたらすように、空気流が天井Cから離れる方向に室内に噴出されるようノズルを向けることを望む場合がある。しかしながら、冬季には、ユーザは、天井送風機の真下に微風を発生することなく、部屋の壁の上部に上昇している温かい空気を動かして循環させるために空気流が天井Cに向かって噴出されるように、ノズルを180度反転することを望む場合がある。
【0048】
本実施例において、空気入口部分12及びノズルの両方は長手方向軸Lの周りに回転できる。もしくは、天井送風機10は、ノズルが外側ケーシング18に対して、結果的に空気入口部分12及び支持組立体16に対して回転できるように構成できる。例えば、外側ケーシング18は、ボルト又はネジによって内側本体部分138に固定でき、ノズルは、外側ケーシング18に対して長手方向軸Lの周りに回転できる方法で、外側ケーシング18に固定できる。この場合、ノズルと外側ケーシング18との間の結合方法は、本実施例の空気入口部分12と支持組立体16との間と同様の結合方法とすることができる。
【0049】
図11を参照すると、内側本体部分138は、空気流を空気入口部分12の空気入口38へ送るための空気通路150を形成する。シュラウド36は、空気入口部分12を通って延びる空気通路152を形成し、支持組立体16の空気通路152は空気入口部分12の空気通路150と実質的に同軸である。空気通路150は、長手方向軸Lと直交する空気入口154を備えている。
【0050】
内側本体部分138及び外側本体部分140は一緒になって支持組立体16の本体104のハウジング156を形成する。ハウジング156は、モータ26へ電力を供給するための制御回路(図示せず)を保持することができる。電線は、アーム102の第2の端部136に形成された開口(図示せず)を通って延び、制御回路に接続される。 第2の電線(図示せず)は、制御回路からモータ26へ延びる。第2の電線は、本体104の内側本体部分138のフランジ142に形成された開口を通って、外側ケーシング18とシュラウド36との間に延びる環状チャネル44に入る。第2の電線は、次に、ディフューザを通ってモータ26まで延びる。例えば、第2の電線は、シュラウドのディフューザ羽根32を通ってモータケーシングに入ることができる。グロメットを第2の電線の周りに配置し、シュラウド36に形成された開口の周囲面に気密シールを形成して開口からの空気漏れを防止できるようになっている。また、本体104は、制御回路に接続され、ユーザが天井送風機10の作動を制御できるユーザインタフェースを備えることができる。例えば、ユーザインタフェースは1つ又はそれ以上のボタン又はダイアルを備えることができ、ユーザはモータ26を作動又は非作動とすること、及びモータ26の速度を制御することができる。別の方法として又は追加的に、ユーザインタフェースは、天井送風機10の作動を制御するリモコン装置からの制御信号を受信するためのセンサを備えることができる。
【0051】
ノズルの外壁74の半径、アーム102の長さ、及び天井送風機10が接続される天井の形状に応じて、ノズルが周りを回転する外側ケーシング18の長手方向軸Lと天井との間の距離は、ノズルの外壁74の半径よりも短くすることができるが、このことはノズルが長手方向軸Lの周りを90度回転するのを邪魔する可能性がある。ノズルを反転可能にするために、支持組立体16の本体104は、アーム102に対して第1の枢動軸P1の周りを枢動可能であり、環状ノズルは図2に示すような上昇位置と図13に示すような下降位置との間を動くことができる。第1の枢動軸P1は図11に示されている。第1の枢動軸P1は、アーム102の第2の端部136を貫通して延び且つ本体104の内側本体部分138によって保持される両端部を有するピン158の長手方向軸によって形成される。第1の枢動軸P1は、回転軸Rと実質的に直交しており、アーム102は天井取り付け部100に対して回転軸Rの周りを回転する。また、第1の枢動軸P1は、外側ケーシング18の長手方向軸Lとも実質的に直交する。
【0052】
図2に示す上昇位置において、外側ケーシング18の長手方向軸Lつまりインペラ軸は、取り付けプレート106と実質的に平行である。これにより、ノズルを、ボア軸Xが長手方向軸Lに対して実質的に垂直で天井送風機10が取り付けられる天井Cと垂直になる方向に向けることができる。下降位置において、外側ケーシング18の長手方向軸Lつまりインペラ軸は、好ましくは90度未満の角度、より好ましくは45度未満の角度で取り付けプレート106に対して傾斜する。本体104は、アーム102に対して5度から45度の角度範囲で枢動でき、ノズルを上昇位置から下降位置に動かすことができる。ノズルの外壁74の半径に応じて、ノズルを天井と接触することなく反転させるのに十分なだけノズルを下降させるには、10度から20度の角度範囲の枢動で十分な場合もある。本実施例において、本体104は、ノズルを上昇位置から下降位置に動かすために、アーム102に対して約12度から15度の角度範囲で枢動する。
【0053】
また、本体104のハウジング156は、アーム102に対する本体104の位置をロックするための解除式ロック機構160を収容する。ロック機構160は、ノズルが上昇位置にある位置に本体104を保持する機能を果たす。図11及び12を参照すると、本実施例において、ロック機構160は、アーム102の第2の端部136と本体103の上部を係合してアーム102と本体104との間の相対移動を防止するロックウェッジ162を備える。ロックウェッジ162は、内側本体部分138に結合され、第2の枢動軸P2の周りで内側本体部分138に対して枢動する。第2の枢動軸P2は第1の枢動軸P1と実質的に平行である。ロックウェッジ162は、図11に示すロック位置に、本体104の内側本体部分138の周りに延びるロックアーム166によって保持される。ロックアームローラ168が、ロックアーム166の上端に回転可能に結合され、ロックウェッジ162に係合して、ロックウェッジ162とロックアーム166との間の摩擦力を最小にするようになっている。ロックアーム166は、内側本体部分138に結合され、第3の枢動軸P3の周りで内側本体部分138に対して枢動する。第3の枢動軸P3は、第1の枢動軸P1及び第2の枢動軸P2と実質的に平行である。ロックアーム166は、ロックアーム166と内側本体部分138のフランジ142との間に配置された、好ましくはバネである、弾性要素170によって図11に示す位置に向かって付勢される。
【0054】
ロック機構160を解除するために、ユーザは、弾性要素170の付勢力に抗してロックアーム166を押圧して、ロックアーム166を第3の枢動軸P3の周りで枢動させる。外側本体部分140は、ユーザがロックアーム166と係合するツールを挿入できる窓部172を備える。もしくは、窓部172から突出するユーザ操作ボタンをロックアーム166の下端に取り付けてユーザが押圧できようにすることもできる。ロックアーム166が第3の枢動軸P3の周りで動くと、ロックアームローラ168は、アーム102の第2の端部136から離れ、結果的にロックウェッジ162が第2の枢動軸P2の周りを枢動してロック位置から離れて、アーム102の第2の端部136との係合が外れる。ロックウェッジ162のロック位置から離れる動きにより、本体104は、アーム102に対して第1の枢動軸P1の周りを枢動でき、ノズルは上昇位置から下降位置へ移動する。
【0055】
ユーザは、長手方向軸Lの周りで所望の角度だけ回転させた時点で、本体104が第1の枢動軸P1の周りを枢動するようにノズルの端部を持ち上げることで、ノズルを上昇位置に戻すことができる。ロックアーム166は図11に示す位置に向かって付勢されるので、ノズルが上昇位置に戻るとロックアーム166は図11に示す位置に自動的に戻り、ロックウェッジ162はロック位置に戻る。
【0056】
天井送風機10を作動するために、ユーザはユーザインタフェース又はリモコン装置の適切なボタンを押圧する。ユーザインタフェースの制御回路はこの操作を主制御回路に伝え、これに応答して主制御回路はモータ26を作動してインペラ22を回転させる。インペラ22の回転により、空気流が空気入口150を通って支持組立体16の本体104に引き込まれる。ユーザはユーザインタフェース又はリモコン装置を用いてモータ26の速度、ひいては支持組立体16に引き込まれる空気量を制御できる。空気流は、順に支持組立体16の空気通路150及び空気入口部分の空気通路152に沿って進み、ノズルの内部通路94に流入する。
【0057】
ノズルの内部通路94内において、空気流は、ノズル16のボア78の周りで反対方向に進む2つの空気ストリームに分かれる。各空気ストリームは内部通路94を通って流れるので、空気は空気出口90を通って噴出される。ボア軸Xを通りこれを包含する平面において見られるように、空気流は、空気出口90を通って方向Dに噴出される。空気出口90からの空気流の噴出は、外部環境、特にノズル周りの領域からの空気の同伴によって発生する二次空気流を引き起こす。この二次空気流は、噴出空気流と混ざり合って、ノズルから前方に放出される合体又は総空気流又は気流を生じさせる。
【0058】
図14から16は、室内に空気流を発生させる送風機組立体の第2の実施例を示す。この第2の実施例において、送風機組立体200は、部屋の天井に結合可能な天井送風機の一部を形成する。支持組立体(図示せず)は、送風機組立体200を部屋の天井に支持するように設けられている。天井送風機10の支持組立体16は、送風機組立体200に結合して送風機組立体200を天井に支持できるようになっており、支持組立体については第2の実施例では以下に詳細に説明しない。
【0059】
第2の実施例において、送風機組立体200は、空気入口204及び空気出口206を備える内部通路202を有する環状ケーシングの形態である。ケーシングは、内部通路202の空気出口206及び出口部分210を形成する環状空気出口部分208と、ケーシングの空気出口部分208の周りに部分的に延び、内部通路202の空気入口204及び入口部分214を形成するアーチ形空気入口部分212と、を有する。
【0060】
ケーシングの空気出口部分208は、内側ケーシング部分及びケーシング上端(図示の通り)で内側セクションに結合された外側ケーシング部分を備える。図14を参照すると、内側ケーシング部分は、一緒に結合されてケーシングの第1の環状側壁218の上部218aを形成する複数のアーチ形部分216a、216b、216c、216dを備える。第1の側壁218は、中心ボア軸Xの周りに延びてケーシングのボア222を形成する。ボア222は、略円形断面を有する。また、外側ケーシング部分は、内側ケーシング部分に結合された複数のアーチ形部分224a、224b、224c、224d、224eを備える。また、図17、及び図18(a)から18(e)を参照すると、外側ケーシング部分のアーチ形部分224a、224b、224c、224d及び内側ケーシング部分のアーチ形部分216aは一緒になってケーシングの第2の側壁226を形成する。第2の側壁226は、第1の側壁218の周りに延びる。また、外側ケーシング部分のアーチ形部分224a、224b、224c、224d及び内側ケーシング部分のアーチ形部分216aは一緒になって、ケーシングの側壁218、226の間に延びる上壁228を形成する。
【0061】
また、ケーシングの空気出口部分208は、内側ケーシング部分及び外側ケーシング部分に結合される出口ケーシング部分を備える。図15を参照すると、出口ケーシング部分は、同様に複数のアーチ形部分230a、230b、230c、230d、230e、230fを備える。出口ケーシング部分の各アーチ形部分は、第1の側壁218の上部218aの下端から外側ケーシング部分のアーチ形部分まで延びて、第1の側壁218の下部218b及び上壁228の反対側に位置する下壁232を形成する。第1の側壁218の下部218bの外面は、略切頭円錐形の形状であり、ボア軸Xから離れる方向にテーパー付けされている。本実施例において、ボア軸Xと第1の側壁218の下部218bの外面との間に内在する角度は約15度である。
【0062】
従って、内部通路202の出口部分210は、ケーシングの側壁218、226、上壁228、及び下壁232のよって形成される。内部通路202の出口部分210は略矩形断面を有する。
【0063】
第2の側壁226は、第1の側壁218の周りに実質的に360度延びる。図17に明確に示すように、側壁218、226の間の半径方向距離はボア軸Xの周りで変わり、内部通路202の出口部分210は、ボア軸Xの周りで連続的に変化する断面を有するスクロール部分の形態である。出口部分210は、比較的広いスクロール入口部分234及び比較的狭いスクロール出口部分236を備えており、出口部分210の断面積は、スクロール入口部分234とスクロール出口部分236との間で連続的に減少する。また、図18(e)を参照すると、スクロール入口部分234は、ケーシングの空気入口部分212から空気流を受け入れる入口ポート238を有し、スクロール出口部分236は、空気流の第1の部分をスクロール入口部分234へ戻す出口ポート240を有する。従って、内部通路202の出口部分210は、ボア軸Xの周りで連続している。
【0064】
入口ポート238は、第2の側壁226の端部242、244の間に配置される。出口ポート240は、第1の側壁218と第2の側壁226の一端242との間に配置される。出口ポート240は入口ポート238に隣接して配置される。図17に示すように、入口ポート238及び出口ポート240は実質的に同一平面上にあることが好ましい。
【0065】
出口ケーシング部分はケーシングの空気出口206を形成し、ここを通って空気流の第2の部分がケーシングから噴出する。本実施例において、空気出口206は環状スロットの形態であることが好ましい。スロットは略円形の形状であり、ボア軸Xと直交する平面内に配置されることが好ましい。スロットは、0.5から5mmの範囲の比較的一定の幅をもつことが好ましい。空気出口206は、第1の側壁218の下部218bと下壁232との間に配置される。第1の側壁218の下部218bの内面は、空気出口206を通る空気流の第2の部分をボア軸Xに対して傾いてボア軸Xから離れて延びる方向に案内するように形作られる。第1の実施例と同様に、空気流の第2の部分は、空気出口206を通ってボア軸Xに対して約15度だけ傾いた方向に噴出される。
【0066】
第1の側壁218の下部218b及び下壁232は、スロットの幅を管理する機能を果たす複数のウェブ252によって結合される。図15及び17に示すように、これらのウェブ252は、ボア軸Xの周りに所定角度離間している。第1の実施例と同様に、第1の側壁218の上部218a及び下部218bは一体とすることができ、下壁232は、第2の側壁226と一体にすることができる。この場合、一方の側壁には複数のスペーサーを備えることができ、他方の側壁と係合して側壁の間の間隔、つまりボア軸Xの周りの空気出口206の幅を管理するようになっている。
【0067】
前述のように、ケーシングは、ケーシングの空気出口部分208の周りに部分的に延び且つ送風機組立体200の空気入口204及び内部通路202の入口部分214を形成するアーチ形空気入口部分212を備える。内部通路202の入口部分214は、空気流を空気入口204からスクロール入口部分234の入口ポート238に送る。第1の実施例と同様に、入口部分214は、空気流を送風機組立体200へ引き込むインペラ22、及びインペラ22を駆動するモータ26を収容する。また、入口部分214は、インペラ22の下流側に配置されて複数のディフューザ羽根32を備えるディフューザを収容する。インペラ22、モータ26、及びディフューザは、空気入口部分212の略円筒形のインペラハウジング部分254の中に配置される。インペラハウジング部分254は、外側ケーシング部分のアーチ形部分224eで形成される。
【0068】
インペラ22は長手方向軸Lを備え、インペラ22は長手方向軸Lがボア軸Xと実質的に垂直であるが交差しないようにインペラハウジング部分254内に配置される。インペラハウジング部分254内のインペラ22、モータ26、及びディフューザの配置は、天井送風機10の空気入口部分12の円筒形外側ケーシング18内の構成部品の配置と実質的に同じなので、インペラハウジング部分254内のこれらの構成部品の配置は本明細書では再度説明しない。リモコン装置から制御信号を受信して、受信した制御信号に応じてモータ26を制御する制御回路が、インペラハウジング部分254内に配置できる。別の方法として又は追加的に、ユーザインタフェースをインペラハウジング部分254上に配置できる。このユーザインタフェースは1つ又はそれ以上のボタン又はダイアルを備えることができ、ユーザはモータ26を作動又は非作動とすること、及びモータ26の速度を制御することができる。
【0069】
インペラハウジング部分254内にこれらの構成部品を取り付けるための取り付け機構は、天井送風機10の空気入口部分12の円筒形外側ケーシング18内のこれらの構成部品の配置と実質的に同じであり、取り付け機構も同様に本明細書では説明しない。また、インペラハウジング部分254は、インペラ22の上流に配置された第1の消音機構256、及びディフューザ羽根32の下流に配置された第2の消音機構258を備える。各消音機構256、258は、1つ又はそれ以上の音響発泡体及び複数のヘルムホルツレゾネータを備える。インペラハウジング部分254は略円筒断面を備えるので、内部通路202の入口部分214は、断面が変化する中間部分260を備え、中間部分260は、インペラハウジング部分254を内部通路202の出口部分210に結合する。また、中間部分260は、外側ケーシング部分のアーチ形部分224eによって形成される。
【0070】
内部通路202の入口部分214は、空気入口204からインペラハウジング部分254へ空気流を送る導管262を更に備える。導管262は、ケーシングの空気出口部分208の周りに延び、アーチ形の形状を備える。空気入口204は導管262の一端に配置される。本実施例において、導管262は、外側ケーシング部分のアーチ形部分224dに結合される第1の導管部分262a、及び第1の導管部分262aとインペラハウジング部分254との間に結合される第2の導管部分262bを備える。導管262は、ケーシングの空気出口部分208の周りにより広い又はより狭い範囲で延びるように、任意数の導管部分を備えることができる。本実施例において、導管262は略矩形断面を有し、内部通路202の入口部分214は断面が変化する第2の中間部分264を備え、中間部分264は導管262をインペラハウジング部分254に結合する。
【0071】
ケーシングの空気入口部分212は、1つ又はそれ以上の消音機構を更に備える。本実施例において、空気入口部分212は、第1の導管部分262aの互いに反対側に配置された音響発泡体の2つのアーチ形部分266a、266b、及び第2の導管部分262bの一方側に配置された音響発泡体のアーチ形部分266cを備える。
【0072】
空気入口204は接線方向の空気入口であり、空気入口は、ケーシングのボア222に対して実質的に接線方向で空気流を送風機組立体200に流入させる。これにより空気流は方向を急に変えることなくケーシングの内部通路202に流入できるので、インペラ上流の乱流によって発生する騒音を低減できる。天井送風機10の支持組立体16は空気入口204に結合できる。
【0073】
送風機組立体200を作動させるために、ユーザはユーザインタフェース又はリモコン装置の適切なボタンを押圧する。ユーザインタフェースの制御回路はこの操作を主制御回路に伝え、これに応答して主制御回路はモータ26を作動してインペラ22を回転させる。インペラ22の回転により、空気流が空気入口204を通って内部通路202の空気入口部分214に引き込まれる。ユーザは、ユーザインタフェース又はリモコン装置を用いてモータ26の速度、ひいては内部通路202に引き込まれる空気量を制御できる。空気流は、順に導管262、第2の中間部分264、インペラハウジング部分254、及び中間部分260に沿って進み、入口ポート238を通って内部通路202の出口部分210に流入する。空気流が内部通路202の出口部分210を通ると、空気流の一部は空気出口206を通って噴出される。ボア軸Xを通りこれを包含する平面において見られるように、空気流のこの部分は、空気出口206を通ってボア軸Xから離れる方向に延びる方向Dに噴出される。空気流のこの部分の噴出は、外部環境、特に送風機組立体200周りの領域からの空気の同伴によって発生する二次空気流を引き起こす。この二次空気流は、噴出空気流と混ざり合って、送風機組立体200から前方に放出される合体又は総空気流又は気流を生じさせる。
【0074】
前述のように、空気流の他の部分は、出口ポート240を通ってスクロール入口部分234に再度流入する。空気流のこの部分がスクロール入口部分234に戻ることにより、ボア軸Xの周りで空気は略一定の速度で空気出口206から噴出される。前述のように、入口ポート238及び出口ポート240は略同一平面にあるので、空気流の一部がスクロール入口部分234に再度流入する方向は、空気流がスクロール入口部分234に流入する方向と略同一である。これによりスクロール入口部分234で発生する乱流を最小にできる。
【符号の説明】
【0075】
22 インペラ
26 モータ
200 送風機組立体
202 内部通路
204 空気入口
206 空気出口
208 空気出口部分
212 空気入口部分
214 入口部分
210 出口部分
222 ボア
238 入口ポート
240 出口ポート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内に空気流を発生させる送風機組立体であって、前記送風機組立体は、少なくとも1つの空気入口を有する内部通路を形成する環状ケーシングを備え、前記内部通路は、前記少なくとも1つの空気入口の下流にインペラ及び該インペラを駆動して前記少なくとも1つの空気入口から前記送風機組立体へ空気流を引き込むモータを収容し、更に、前記内部通路は、前記空気流の少なくとも一部が前記送風機組立体から噴出される少なくとも1つの空気出口を有し、前記ケーシングは、周りに前記内部通路が延びるボアを形成し、前記ボアを通って前記送風機組立体の外部からの二次空気流が、前記少なくとも1つの空気出口から噴出される空気によって引き込まれるようになっている、送風機組立体。
【請求項2】
前記内部通路は、前記少なくとも1つの空気入口を含む入口部分、及び前記入口部分の下流に配置され少なくとも1つの空気出口を含む出口部分を備える、請求項1に記載の送風機組立体。
【請求項3】
前記入口部分は、前記出口部分の少なくとも一部の周りに延びる、請求項2に記載の送風機組立体。
【請求項4】
前記出口部分は、前記ボアの周りで連続的に変化する断面を有する、請求項2又は請求項3に記載の送風機組立体。
【請求項5】
前記出口部分は連続している、請求項2から4のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項6】
前記出口部分は略矩形断面を有する、請求項2から5のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項7】
前記インペラ及び前記モータは、前記入口部分の中に配置されている、請求項2から6のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項8】
前記入口部分は、前記インペラ及び前記モータを収容するインペラハウジング部分、及び前記少なくとも1つの空気入口から前記インペラハウジング部分まで延びる導管部分を備える、請求項7に記載の送風機組立体。
【請求項9】
前記導管部分は、前記出口部分の周りに延びる、請求項8に記載の送風機組立体。
【請求項10】
前記導管部分はアーチ形の形状である、請求項8又は請求項9に記載の送風機組立体。
【請求項11】
前記少なくとも1つの空気入口は、前記導管部分の一端に配置される空気入口を備える、請求項8から10のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項12】
前記インペラはインペラ軸の周りに回転可能であり、前記ボアはボア軸を有し、前記ボア軸は前記インペラ軸と実質的に直交する、請求項1から11のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項13】
前記インペラは、軸流インペラ及び混流インペラのうちの1つである、請求項1から12のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項14】
前記インペラの下流に配置されるディフューザを備える、請求項1から13のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項15】
前記ケーシングは、前記ボアを形成する第1の環状側壁、前記第1の側壁の周りに延びる第2の側壁、前記側壁の間を延びる上壁、及び前記上壁の反対側に配置される下壁を備える、請求項1から14のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項16】
前記少なくとも1つの空気出口は、前記下壁と前記第1の側壁との間に配置される、請求項15に記載の送風機組立体。
【請求項17】
前記少なくとも1つの空気出口は円形スロットを備える、請求項1から16のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項1】
室内に空気流を発生させる送風機組立体であって、前記送風機組立体は、少なくとも1つの空気入口を有する内部通路を形成する環状ケーシングを備え、前記内部通路は、前記少なくとも1つの空気入口の下流にインペラ及び該インペラを駆動して前記少なくとも1つの空気入口から前記送風機組立体へ空気流を引き込むモータを収容し、更に、前記内部通路は、前記空気流の少なくとも一部が前記送風機組立体から噴出される少なくとも1つの空気出口を有し、前記ケーシングは、周りに前記内部通路が延びるボアを形成し、前記ボアを通って前記送風機組立体の外部からの二次空気流が、前記少なくとも1つの空気出口から噴出される空気によって引き込まれるようになっている、送風機組立体。
【請求項2】
前記内部通路は、前記少なくとも1つの空気入口を含む入口部分、及び前記入口部分の下流に配置され少なくとも1つの空気出口を含む出口部分を備える、請求項1に記載の送風機組立体。
【請求項3】
前記入口部分は、前記出口部分の少なくとも一部の周りに延びる、請求項2に記載の送風機組立体。
【請求項4】
前記出口部分は、前記ボアの周りで連続的に変化する断面を有する、請求項2又は請求項3に記載の送風機組立体。
【請求項5】
前記出口部分は連続している、請求項2から4のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項6】
前記出口部分は略矩形断面を有する、請求項2から5のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項7】
前記インペラ及び前記モータは、前記入口部分の中に配置されている、請求項2から6のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項8】
前記入口部分は、前記インペラ及び前記モータを収容するインペラハウジング部分、及び前記少なくとも1つの空気入口から前記インペラハウジング部分まで延びる導管部分を備える、請求項7に記載の送風機組立体。
【請求項9】
前記導管部分は、前記出口部分の周りに延びる、請求項8に記載の送風機組立体。
【請求項10】
前記導管部分はアーチ形の形状である、請求項8又は請求項9に記載の送風機組立体。
【請求項11】
前記少なくとも1つの空気入口は、前記導管部分の一端に配置される空気入口を備える、請求項8から10のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項12】
前記インペラはインペラ軸の周りに回転可能であり、前記ボアはボア軸を有し、前記ボア軸は前記インペラ軸と実質的に直交する、請求項1から11のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項13】
前記インペラは、軸流インペラ及び混流インペラのうちの1つである、請求項1から12のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項14】
前記インペラの下流に配置されるディフューザを備える、請求項1から13のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項15】
前記ケーシングは、前記ボアを形成する第1の環状側壁、前記第1の側壁の周りに延びる第2の側壁、前記側壁の間を延びる上壁、及び前記上壁の反対側に配置される下壁を備える、請求項1から14のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【請求項16】
前記少なくとも1つの空気出口は、前記下壁と前記第1の側壁との間に配置される、請求項15に記載の送風機組立体。
【請求項17】
前記少なくとも1つの空気出口は円形スロットを備える、請求項1から16のいずれか1項に記載の送風機組立体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18a】
【図18b】
【図18c】
【図18d】
【図18e】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18a】
【図18b】
【図18c】
【図18d】
【図18e】
【公開番号】特開2013−24242(P2013−24242A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−157734(P2012−157734)
【出願日】平成24年7月13日(2012.7.13)
【出願人】(508032310)ダイソン テクノロジー リミテッド (286)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年7月13日(2012.7.13)
【出願人】(508032310)ダイソン テクノロジー リミテッド (286)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]