説明

逆止弁

【課題】円筒管内部に、柔軟性のある薄膜逆止弁を取り付けた逆止弁付き管であり、靴の内部先端部分の空気を出し入れする場合に、逆止弁ポンプの吸気管及び排気管の内部に装着出来る薄膜逆止弁。円筒管内部に装着した柔軟性の薄膜逆止弁で、流体の逆流を防止する。
【解決手段】管内部に略三角形状のロール状の柔軟性のある薄膜を取付け、この薄膜を逆止弁とする。気体が矢印6の方向から流入する場合は、ロール状の薄膜逆止弁4は、気体の流れに沿うように円筒の内壁に付着するような状態になる。流入してきた気体6は、抵抗無く薄幕の表面を流れる様にして矢印7の方向に通過する。逆方向、矢印8方向より、気体が流入してきた場合は、其の圧力により薄膜逆止弁4は点線矢印9の方向に反転し、管の内部に拡がり管を閉じ、薄膜逆止弁効果を奏する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、内径が1.0ミリメートルから20.0ミリメートル程度の円筒管の内部に、柔軟性のある厚さ0.02ミリメートルから0.1ミリメートル程度の薄膜を弁として取り付けた逆止弁である。
【背景技術】
【0002】
従来の逆止弁は、主として工業用や医療用の用途に開発された逆止弁で、円筒の内径が1.0ミリメートル程度の管の内部に取り付けた逆止弁はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
靴の内部に新鮮な空気を出し入れすることにより、足の指が蒸れることなく爽快に歩行できる事は、周知の事実である。
この発想に基ずく特許出願は、靴の中敷にポンプ機構を取り付ける方法や、靴本体にポンプ機構を取り付けて、歩行の度びにポンプが作用して靴の内部に新鮮な空気を送風する機構についての特許出願件数は、調査の結果十数件ある。
【0004】
前述した靴の内部に新鮮な空気を出し入れすることにより、爽快に歩行できる事は既に公知であるが、現実にはポンプで靴の内部に新鮮な空気を出し入れする機構を付加した靴や、靴の中敷(ライナー)等は、市場に存在しない。
【0005】
本発明は、前述した機構を満足する為のポンプの吸気管内部と排気管内部に装着する逆止弁の発明である。靴を履いて歩行中に、靴内部の空気を出し入れするポンプの逆止弁の発明で、靴内部に違和感を感じる事のない逆止弁の開発を課題として発明した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、円筒管の内径が1.0ミリメートルから20ミリメートル程度の管内にロール状の逆止弁を取り付けることである。
本発明の逆止弁の構造は、略三角形状の薄膜を三角形の2辺により円筒管の内部に取り付けたことを特徴とする逆止弁である。
この逆止弁を、吸気管と排気管に設けて、前記吸気管と前記排気管を靴の内部に新鮮な空気を出し入れするポンプと組み合わせ靴の内部に取り付ける。
又、本発明の逆止弁は心臓の人口血流弁や、ゴム風船等の空気注入器等の流体の逆流を防止することが出来る。
【発明の効果】
【0007】
本発明による効果に付いて説明する。
圧力ポンプの吸気管及び排気管の管内部に逆止弁を取り付ける発想自体は、既に公知であり、逆止弁ポンプを考える時には必要な発想であるが、このような発想の逆止弁ポンプは、現実には市場には存在しない。
以上のような現状を、本発明の逆止弁を採用する事により解決する事が出来、単純な機構の逆止弁ポンプの発明をする事が出来る。
本発明の逆止弁は、略三角形状の薄膜の2辺を円筒管の内部に取付けるだけで形成できるので、構造が非常に簡単である。従って非常に安価に製作することが出来る。
【0008】
本発明による逆止弁を有する圧力ポンプを開発することにより、請求項3に示すような靴内部の空気を出し入れする逆止弁ポンプが出来る。
スポーツ選手の履く各種シューズ、工事現場や工場等で装着を義務付けされている安全靴や、自衛隊員が装着している軍靴、デザインを優先して作られている女性のブーツ及び最近流行のデザイン雨靴等、これらの靴は特に内部に空気が滞留し、足より発生する水分で悪臭を発生したり、水虫の原因となっている。
このような状態の靴内部に、本発明の逆止弁を有するポンプを装着して、靴の内部の空気を出し入れすれば、これらの靴を履くすべての人々に爽快感と悪臭による不快感を軽減する事が出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の形態について、実施例に基づき図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0010】
図4に示す円筒管の内部に柔軟性のある薄膜弁4を取り付けた本発明の薄膜逆止弁の実施例1について説明する。
【0011】
図1に示す如く、内径1.5ミリメートルの円筒管を60度の角度1を付けて図2に示すように切断する。管を切断する角度は60度で斜め方向に切断するが、切断する角度に付いては、30度〜70度でもよい。
本実施例の管の内径が1.5ミリの場合は、切断角度が60度前後が薄膜弁を取り付けるための最良の角度である。
【0012】
図3に示すように、柔軟性のある厚さ0.02ミリメートルの図3に示す略三角形状の薄膜3を図3の4に示す様にロール状4に形成し、管Aの切断面2の内面2に沿って略三角形の二辺を取り付ける。この時この薄膜4が管内部に取り付けたロール状の逆止弁となる。切断した図2の管Bと管Aを切断面に沿って取り付け、元にもどす。
【0013】
管内部に取り付けた薄膜の逆止弁4の動きについて説明する。
図4の矢印6方向から流入する気体は、柔軟性のある薄膜のロール状の逆止弁4の内面に沿って管内を矢印7の方向に通過する。
通過する気体は、管内部の側面に取り付けたロール状の逆止弁4の内面を通過する際、理論的には多少の摩擦抵抗があるが、現実には殆ど薄膜逆止弁4の抵抗を受けることなく、矢印6方向から矢印7方向に通過する。
【0014】
図4に示すように、矢印8方向から気体が管内を流入してきた場合の、管内に取り付けた柔軟性のある薄膜のロール状の逆止弁4について説明する。
流入する気体が柔軟性のあるロール状の逆止弁4の表面を通過する際に、流入してきた気体とロール状の逆止弁4の内面に僅かな摩擦抵抗が生じる。
この際生じた摩擦抵抗により、柔軟性のあるロール状の逆止弁4は、図4に示す如く底辺5の部分が気体の圧力により点線矢印9方向に押し流されて、切断面2に沿うように拡がる。これにより薄膜逆止弁4は完全に図5の10に示すように管内面に反転して密着する。これにより流入してきた気体を点線矢印11方向に流出するのを完全に遮断する。
なお、本発明の説明について気体をもって説明したが、液体を含む流体に対応することが出来る。
【実施例2】
【0015】
靴の内部に取り付けたポンプの逆止弁について説明する。
図6及び図7に示す如く、靴の内部の先端部分の空気を入れ替えするポンプ専用逆止弁12,14として違和感の無い事を前提に、内径が1.5ミリメートルの吸気管16と排気管17の管の内部に柔軟性のある厚さ0.02ミリメートルの本発明の逆止弁12,14を取り付け、新鮮な空気を靴内部の先端に出し入れするポンプ13を、靴内部の踵部分に装着した。
【0016】
図6及び図7を参考にして、靴内部先端の空気を出し入れする機構に付いて説明する。図6は靴の断面を示す。
靴を履いて歩く場合に、踵の上下により吸気管16内部の逆止弁12から流入する新鮮な空気は、ポンプ13の圧力により排気管17の逆止弁14より靴の先端部分、矢印方向に送風する。
【0017】
次に機能についてポンプの吸気及び排気別に説明する。
ポンプ13本体の空気室に対して、歩行の際に踵に掛かる圧力により、ポンプ本体13の空気室に貯留している空気は、其の圧力により吸気管16内部の逆止弁12が閉じるのと殆ど同時に、排気管17内に取付けた逆止弁14が開いて、空気室に貯留した新鮮な空気を靴内部の先端に送風する。
歩行の際に踵があがった時に、圧力を加えて収縮したポンプ本体13の空気室が拡張すると、ポンプ13の空気室が負の圧力となる。と同時に排気管17に取付けた逆止弁14が閉じて次の瞬間、靴内部の土踏まず付近に取り付けたに吸気管16内の逆止弁12が開いて、吸気管16から外部の新鮮な空気をポンプ本体13の空気室に流入させる事が出来る。
【0018】
靴内部側面の土踏まず付近は、どのような形態の靴でも、少し余裕があるように製作されている。この場所から新鮮な外気を取り入れるため吸気管16の吸気口15を取り付ける。吸気管16の先端部から雨水や塵埃の流入を防ぐために、空気は通すが湿気や塵埃は遮断する逆浸透膜で保護する等の対策を講じる。その他、靴内部に空気を出し入れするための吸気口及び排気口については、専門的には多くの方法があると推測するが、これは靴の製造メーカーの問題であり、本発明に関しては、一例として靴の土踏まず付近を想定した。
前述した如く、歩行を繰り返す事により、ポンプ本体13の空気の流れは、吸気管16内部に取付けた逆止弁12の開閉と反対動作をする排気管17内部に取付けた逆止弁14の作用により、ポンプ本体13を稼動させる(歩行を継続する)と、継続的に靴内部の先端部分に新鮮な空気を送風する事が出来る。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明の逆止弁を採用したポンプを靴の踵部分に装着して、空気の流入が困難な靴内部の先端部分に、新鮮な空気を入れ替えする事が出来る。
前述したが、本発明の逆止弁ポンプは、スポーツ選手の履く各種シューズ、工事現場や工場等で装着を義務付けられている安全靴や、自衛隊員が装着している軍靴、デザインを優先の女性が履くブーツ及びデザイン雨靴、調理場の白長靴や魚市場で履くゴム長靴等々、枚挙にいとまがない。
これらの靴は、すべて靴内部の先端部分に空気が滞留して、悪臭を発生したり、水虫の原因となっている。
本発明の逆止弁の発明により、これらの靴を履く人々の歩行時に、足の指に爽快感を与え、悪臭による不快感や水虫の原因を軽減する事が出来、靴を履く総ての人間社会に貢献できる。
又、ゴム風船に空気を注入する場合、ゴム風船を口にくわえて膨らます際に、膨らみ始めたゴム風船の内圧による逆流を防止するための逆止弁として、ゴム風船空気注入器を円筒管で作成し、その管の内部に本発明の逆止弁を装着すれば、肺活量の少ない幼児や児童でも、容易にゴム風船を膨らませることができる。
その他、心臓の人工血流弁や医療関係のみならず、あらゆる流体の逆流防止のための逆止弁として貢献できる事を確信する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】管の切断角度を示す図
【図2】切断した管の断面を示す図
【図3】薄膜逆止弁の形状を示す図
【図4】柔軟性のある薄膜逆止弁を管に取り付けた図
【図5】柔軟性のある薄幕逆止弁の動作図
【図6】逆止弁つきポンプを取り付けた靴の側面断面図
【図7】逆止弁つきポンプを取り付けた靴を上部からの断面図
【符号の説明】
【0021】
1 管の切断角度
2 管の切断面
3 略三角形状の薄膜
4 ロール状に整形した薄膜逆止弁
5 薄膜逆止弁の先端部
6 流入する気体の方向
7 排出する気体の方向
8 逆流してきた気体の方向
9 薄膜逆止弁の反転する方向
10 反転した薄膜逆止弁
11 遮断された気体の方向
12 靴内部に付けた吸気管内の薄膜逆止弁
13 靴の踵に装着したポンプ本体
14 排気管内部の薄膜逆止弁
15 逆浸透膜の空気取り入れ口
16 靴内部に取付けた吸気管
17 靴内部に取付けた排気管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒管の内部に、柔軟性のある薄膜のロール状の弁を取り付けたことを特徴とする逆止弁。
【請求項2】
略三角形状の薄膜の逆止弁を三角形の2辺により円筒管の内部に取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の逆止弁
【請求項3】
靴の内部に新鮮な空気を出し入れする吸気管と排気管とポンプを設け、前記吸気管と前記排気管に請求項1又は、請求項2に記載の逆止弁を設けたことを特徴とする靴。
【請求項4】
心臓の人工血流弁及び、流体の逆流を防止することを特徴とする請求項1又は、請求項2に記載の逆止弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−54047(P2010−54047A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171619(P2009−171619)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(592116187)
【Fターム(参考)】