説明

透過型液晶表示装置

【課題】液晶パネルのみならずカラーフィルタによって吸収される光量をも減らし、消費電力のさらなる削減を達成できる透過型液晶表示装置を実現する。
【解決手段】液晶パネルとバックライトとを備えた透過型液晶表示装置において、液晶パネルは、1画素が、赤(R)、緑(G)、青(B)、および白(W)の4サブピクセルに分割されている液晶パネル15とする。また、バックライトは、発光輝度を制御可能な白色バックライト17とする。さらに、原入力信号である入力RGB信号は、彩度・輝度低減部11によって彩度・輝度低減処理(彩度のみの低減で所望のバックライト値以下になる場合は彩度のみを低減させ、彩度の低減のみでは所望のバックライト値以下にならない場合は彩度を0に低減し、かつ輝度を低減させるような処理)が施されて彩度・輝度低減後RGB信号とされた後、出力信号生成部13において透過率およびバックライト値が求められる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライトと液晶パネルから構成される透過型液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラーディスプレイには様々な種類があり、それぞれ実用化がなされている。薄型ディスプレイを大別すると、PDP(プラズマディスプレイパネル)のような自発光型ディスプレイと、LCD(液晶ディスプレイ)に代表される非発光型ディスプレイとに分類される。非発光型ディスプレイであるLCDでは、液晶パネルの背面側にバックライトを配置する透過型LCDが知られている。
【0003】
図19は、透過型LCDの一般的な構造を示す断面図である。この透過型LCDは、液晶パネル100の背面にバックライト110を配置している。液晶パネル100は、一対の透明基板101,102の間に液晶層103を配置し、一対の透明基板101,102の外側には偏光板104,105を備えた構成となっている。また、液晶パネル100内にカラーフィルタ106を備えることでカラー表示が可能となる。
【0004】
図示は省略するが、透明基板101,102の内側には、電極層および配向膜が形成されており、液晶層103への印加電圧を制御することによって、液晶パネル100を透過する光の透過量が画素ごとに制御される。すなわち、透過型LCDは、バックライト110からの照射光を液晶パネル110で透過量制御を行うことによって表示制御を行う。
【0005】
バックライト110は、カラーディスプレイに必要なRGB三色の波長を含む光を照射するものであり、カラーフィルタ106との組み合わせによって、RGBの各色の光の透過率をそれぞれ調整することで、画素としての輝度や色相を任意に設定することが可能である。このようなバックライト110は、エレクトロ・ルミネッセンス(EL)、冷陰極管(CCFL)、発光ダイオード(LED)などの白色光源が一般的に使用されている。
【0006】
液晶パネル100においては、図20に示すように、複数の画素がマトリクス状に配置され、各画素は通常3つのサブピクセルから構成される。それぞれのサブピクセルは、カラーフィルタ106における赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)のフィルタ層が対応するように配置される。以下、それぞれのサブピクセルをRサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルと呼ぶことにする。
【0007】
R,G,Bの各サブピクセルは、バックライト110から発生された白色光の中で、該当波長帯(すなわち、赤色、緑色、青色)の光を選択的に透過させ、他の波長帯の光は吸収する。
【0008】
上記構成の透過型LCDにおいてバックライト110から照射される光は、液晶パネル100の各画素において透過量制御されるため、当然ながら液晶パネル100によって吸収される光が生じる。また、カラーフィルタ106においても、R,G,Bの各サブピクセルは、バックライト110から発生された白色光の中で、該当波長帯以外の光を吸収する。このように、一般的な透過型LCDでは、液晶パネルやカラーフィルタによる光の吸収量が多くバックライトからの照射光の利用効率が低いため、バックライトにおける消費電力が大きくなるといった課題がある。
【0009】
このような透過型LCDの消費電力を削減する技術として、表示画像に応じて発光輝度を調整可能なアクティブバックライトを用いる方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0010】
すなわち、特許文献1には、輝度調整可能なアクティブバックライトを用い、LCDの表示制御(輝度制御)を、液晶パネルの透過率とアクティブバックライトの輝度制御とによって行い、バックライトの消費電力の低減を図る技術が開示されている。
【0011】
特許文献1においては、バックライトの輝度は入力画像(入力信号)における最大輝度値に一致するように制御される。そして、液晶パネルの透過率は、その時のバックライトの輝度に合わせて透過率を調整される。
【0012】
この時、入力信号の最大値となるサブピクセルの透過率は100%となり、また、その他のサブピクセルの透過率もバックライト値によって計算された100%以下の値となる。よって、画像全体が暗い時にはバックライトを暗くし、バックライトの消費電力を少なくすることができる。
【0013】
このように、特許文献1では、入力画像の入力信号RGBを基にバックライトの明るさを必要最小限に抑え、かつバックライトを暗くした分、液晶の透過率を上げているため、液晶パネルによって吸収される光量を減らし、バックライトの消費電力を削減することができる。
【特許文献1】特開平11−65531号公報(平成11年(1999)3月9日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記従来の構成では、液晶パネルによって吸収される光量を減らすことでバックライトの消費電力削減を図ることはできるものの、カラーフィルタによって吸収される光量を減らすことはできない。このため、カラーフィルタによって吸収される光量を減らすことができれば、消費電力のさらなる削減効果を得ることができる。
【0015】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、液晶パネルのみならずカラーフィルタによって吸収される光量をも減らし、消費電力のさらなる削減を達成できる透過型液晶表示装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る透過型液晶表示装置は、上記課題を解決するために、1画素が、赤(R)、緑(G)、青(B)、および白(W)の4サブピクセルに分割されている液晶パネルと、発光輝度を制御可能な白色アクティブバックライトと、輝度及び色相を保持したまま彩度のみを低減する処理、あるいは、彩度を0に低減し、かつ輝度を低減する処理のいずれか一方の処理を、入力画像である入力RGB信号内の個々のRGB信号値に対し選択的に実施することで、入力RGB信号を彩度・輝度低減後RGB信号に変換する彩度・輝度低減部と、上記彩度・輝度低減後RGB信号に対してγ補正を行い、γ補正後RGB信号に変換するγ補正部と、上記γ補正後RGB信号から、上記液晶パネルの各画素におけるR,G,B,Wの各サブピクセルの透過率信号を生成するとともに、上記アクティブバックライトにおけるバックライト値を算出する出力信号生成部と、上記出力信号生成部で生成された上記透過率信号をもとに液晶パネルを駆動制御する液晶パネル制御部と、上記出力信号生成部で算出されたバックライト値に基づき、上記アクティブバックライトの発光輝度を制御するバックライト制御部とを備えていることを特徴としている。
【0017】
上記の構成によれば、1画素が、R,G,B,Wの4サブピクセルに分割されている液晶パネルを用いることにより、R,G,Bの各色成分の一部をフィルタ吸収による光量損失が無い(もしくは少ない)Wサブピクセルに振り分けることができる。これにより、カラーフィルタによる光量吸収を減らし、これに応じてバックライト値を下げることで透過型液晶表示装置における消費電力の削減を実現できる。
【0018】
さらに、原入力である入力RGB信号に対して彩度・輝度低減処理を行い、入力RGB信号に対して、彩度のみの低減で所望のバックライト値以下になる場合は彩度のみを低減させ、彩度の低減のみでは所望のバックライト値以下にならない場合は彩度を0に低減し、かつ輝度を低減させる。このような彩度・輝度低減処処理が施されたRGB信号に基づいてバックライト値およびRGBW透過率を算出することで、バックライト値をより確実に低減させることができる。
【0019】
また、上記透過型液晶表示装置においては、上記彩度・輝度低減部は、上記アクティブバックライトにおけるバックライト値の低減度合を示すバックライト値低減率を指定することで、上記出力信号生成部において上記バックライト値低減率に応じたバックライト値以下になることが保証されるように、上記彩度・輝度低減後RGB信号を生成する構成とすることができる。
【0020】
また、上記透過型液晶表示装置においては、上記彩度・輝度低減部および出力信号生成部は、RGBWサブピクセルにおいて、各RGBWサブピクセルそれぞれの透過率を同じ値にした時のRGBサブピクセルから出力される輝度に対し、Wサブピクセルから出力される輝度が何倍明るいかを示す値を白色輝度比WRとし、この白色輝度比WRを考慮した彩度・輝度低減処理および出力信号生成処理を行う構成とすることができる。
【0021】
また、上記透過型液晶表示装置は、上記液晶パネルに対して複数のアクティブバックライトを備え、各アクティブバックライトに対応する領域毎に、液晶パネルの透過率制御およびバックライトのバックライト値制御を行う構成とすることができる。
【0022】
上記の構成によれば、バックライトを分割することで、分割されたバックライト領域毎に最適にバックライト値を設定することができ、全体のバックライト消費電力を下げることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る透過型液晶表示装置は、以上のように、1画素が、赤(R)、緑(G)、青(B)、および白(W)の4サブピクセルに分割されている液晶パネルと、発光輝度を制御可能な白色アクティブバックライトと、輝度及び色相を保持したまま彩度のみを低減する処理、あるいは、彩度を0に低減し、かつ輝度を低減する処理のいずれか一方の処理を、入力画像である入力RGB信号内の個々のRGB信号値に対し選択的に実施することで、入力RGB信号を彩度・輝度低減後RGB信号に変換する彩度・輝度低減部と、上記彩度・輝度低減後RGB信号に対してγ補正を行い、γ補正後RGB信号に変換するγ補正部と、上記γ補正後RGB信号から、上記液晶パネルの各画素におけるR,G,B,Wの各サブピクセルの透過率信号を生成するとともに、上記アクティブバックライトにおけるバックライト値を算出する出力信号生成部と、上記出力信号生成部で生成された上記透過率信号をもとに液晶パネルを駆動制御する液晶パネル制御部と、上記出力信号生成部で算出されたバックライト値に基づき、上記アクティブバックライトの発光輝度を制御するバックライト制御部とを備えている構成である。
【0024】
それゆえ、1画素が、R,G,B,Wの4サブピクセルに分割されている液晶パネルを用いることにより、R,G,Bの各色成分の一部をフィルタ吸収による光量損失が無い(もしくは少ない)Wサブピクセルに振り分けることができる。これにより、カラーフィルタによる光量吸収を減らし、これに応じてバックライト値を下げることで透過型液晶表示装置における消費電力の削減を実現できる。
【0025】
さらに、原入力である入力RGB信号に対して彩度・輝度低減処理を行い、入力RGB信号に対して、彩度のみの低減で所望のバックライト値以下になる場合は彩度のみを低減させ、彩度の低減のみでは所望のバックライト値以下にならない場合は彩度を0に低減し、かつ輝度を低減させる。このような彩度・輝度低減処処理が施されたRGB信号に基づいてバックライト値およびRGBW透過率を算出することで、バックライト値をより確実に低減させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の一実施形態について図1ないし図18に基づいて説明すると以下の通りである。
【0027】
〔実施の形態1〕
先ずは、本実施の形態1に係る液晶表示装置(以下、本液晶表示装置と称する)の概略構成を図1を参照して説明する。
【0028】
本液晶表示装置は、彩度・輝度低減部11、γ補正部12、出力信号生成部13、液晶パネル制御部14、RGBW液晶パネル(以下、単に液晶パネルと称する)15、バックライト制御部16、および白色バックライト(以下、単にバックライトと称する)17を備えている。
【0029】
液晶パネル15は、Np個の画素をマトリクス上に配置してなり、図2(a),(b)に示すように、各画素はR(赤),G(緑),B(青),W(白)の4サブピクセルで構成されている。尚、各画素におけるR,G,B,Wサブピクセルの形状および配置関係は特に限定されない。また、バックライト17は、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)や白色発光ダイオード(白色LED)などの白色光源を用いたものであり、照射光の明るさを制御できるアクティブバックライトである。
【0030】
液晶パネル15におけるR,G,Bの各サブピクセルは、カラーフィルタ(図示せず)におけるR,G,Bのフィルタ層がそれぞれ対応するように配置される。したがって、R,G,Bの各サブピクセルは、バックライト17から発生された白色光の中で、該当波長帯の光を選択的に透過させ、他の波長帯の光は吸収する。また、Wサブピクセルは、基本的にはカラーフィルタにおいて対応する吸収フィルタ層を有しない。すなわち、Wサブピクセルを透過する光は、カラーフィルタによる一切の吸収を受けることなく、白色光のまま液晶パネル15から出射される。但し、Wサブピクセルは、R,G,Bのカラーフィルタよりもバックライトの光の吸収が少ないフィルタ層を持つ構成でもよい。
【0031】
本液晶表示装置は、パソコンやテレビチューナーなどの外部から、表示すべき画像情報をRGB信号として受け取り、該RGB信号を入力RGB信号R[i],G[i],B[i](i=1,2,…,Np)として処理を行うものである。
【0032】
彩度・輝度低減部11は、入力RGB信号に対して彩度・輝度低減処理を施すものであり、該処理が施された後の彩度・輝度低減後RGB信号を後段のγ補正部12へ出力する。彩度・輝度低減部11では、入力RGB信号に対して、彩度のみの低減で所望のバックライト値以下になる場合は彩度のみを低減させ、彩度の低減のみでは所望のバックライト値以下にならない場合は彩度を0に低減し、かつ輝度を低減させるような処理を行う。彩度・輝度低減処理のより具体的な内容については、後に詳細に説明する。
【0033】
γ補正部12は、彩度・輝度低減後RGB信号にγ補正処理を施してγ補正後RGB信号を算出し、このγ補正後RGB信号を後段の出力信号生成部13へ出力する。
【0034】
出力信号生成部13は、γ補正後RGB信号から、バックライト17におけるバックライト値と、液晶パネル15の各画素におけるRGBWのサブピクセル透過率を算出し、出力する。すなわち、出力信号生成部13は、γ補正後RGB信号からバックライト値を求めると共に、γ補正後RGB信号を上記バックライトに適合する透過率信号に変換する。
【0035】
出力信号生成部13で求められたバックライト値は、バックライト制御部16に出力され、バックライト制御部16は、このバックライト値に応じてバックライト17の輝度を調節する。バックライト17はCCFLや白色LEDなどの白色光源を利用したものであり、バックライト制御部16によって、バックライト値に比例した明るさに制御することができる。バックライト17の明るさの制御方法は、用いられる光源の種類によって異なるが、例えば、バックライト値に比例した電圧をかけたり、バックライト値に比例した電流を流したりして明るさを制御することができる。また、バックライトがLEDなどの場合は、パルス幅変調(PWM)でデューティー比を変えて明るさを制御することも可能である。さらに、バックライト光源の明るさが非線形特性を持つ場合、バックライト値からルックアップテーブルで光源への印加電圧や印加電流等を求めてバックライトへの明るさ制御を行うことにより所望の明るさに制御する方法などもある。
【0036】
出力信号生成部13で求められた透過率信号は、液晶パネル制御部14に出力され、液晶パネル制御部14は、この透過率信号に基づいて液晶パネル15の各サブピクセルの透過率が所望の透過率になるように制御する。液晶パネル制御部14は、走査線駆動回路、信号線駆動回路等を含む構成であり、走査信号およびデータ信号を生成して、この走査信号およびデータ信号等のパネル制御信号によって液晶パネル15を駆動する。上記透過率信号は、信号線駆動回路でのデータ信号の生成に用いられる。液晶パネル15の透過率制御には、サブピクセルの透過率に比例した電圧をかけ液晶パネルの透過率を制御する方法や、非線形特性を線形化するために、サブピクセルの透過率から液晶パネルにかける電圧をルックアップテーブルから表引きし、液晶パネルを所望の透過率に制御する方法などがある。
【0037】
尚、本発明の液晶表示装置において、入力信号は上述のようなRGB信号に限られるものではなく、YUV信号などのカラー信号でもよい。RGB信号以外のカラー信号が入力される場合、それをRGB信号に変換してから出力信号生成部13に入力する構成であっても良く、あるいは、出力信号生成部13がRGB信号以外のカラー入力信号をRGBW信号へ変換可能な構成であっても良い。
【0038】
本液晶表示装置において、液晶パネル15の各サブピクセルにおける表示輝度は、バックライトの明るさ(照射輝度)と、該サブピクセルにおける透過率との積によって表される。ここで、本液晶表示装置における表示原理、および消費電力削減効果について以下に詳細に説明する。尚、本液晶表示装置では、バックライト値およびサブピクセル透過率は、出力信号生成部13において求められる。したがって、以下に説明するバックライト値およびサブピクセル透過率の算出方法は、彩度・輝度低減部11およびγ補正部12での処理が施された後のγ補正後RGB信号に対して実施される。しかしながら、以下の説明では、入力RGB信号からバックライト値およびサブピクセル透過率を求める場合を例示する。また、以下の説明では、RGBWサブピクセルそれぞれの透過率を同じ値にした時に、RGBサブピクセルから出力される輝度とWサブピクセルから出力される輝度と等しいと仮定する。
【0039】
以下の説明では、入力RGB信号を(R[i],G[i],B[i])として表し、出力信号生成部13において求められる透過率信号を(r[i],g[i],b[i])として表し、出力信号生成部13において求められるバックライト値をWbsとして表す。
【0040】
本液晶表示装置におけるバックライト値およびサブピクセルの透過率の決定方法では、最初に、バックライトに対応する表示領域内の全ての画素毎に必要最小限のバックライト値を求める。このとき、画素の表示データ内容に応じて、バックライト値の求め方は2つの方法に分かれる。具体的には、注目画素内のサブピクセルにおける最大輝度(すなわちmax(R[i],G[i],B[i]))と最小輝度(すなわちmin(R[i],G[i],B[i]))との関係によって、その注目画素に対するバックライト値の求め方が異なる。
【0041】
先ずは、min(R[i],G[i],B[i])≧max(R[i],G[i],B[i])/2となる画素において、バックライト値の求め方を図3(a),(b)を参照して説明する。ここで、図3(a)は本液晶表示装置におけるバックライト値の求め方を示す図である。また、図3(b)は、比較のために特許文献1におけるバックライト値の求め方を示した図である。
【0042】
図3(a),(b)において、ある注目画素の目標とするパネル出力輝度が(R,G,B)=(50,60,40)の場合を考える。このとき、Gの輝度値60がmax(R[i],G[i],B[i])であり、Bの輝度値40がmin(R[i],G[i],B[i])であり、min(R[i],G[i],B[i])≧max(R[i],G[i],B[i])/2の関係が満たされている。
【0043】
特許文献1における表示方法では、図3(b)に示すように、バックライトの輝度値は、max(R[i],G[i],B[i])=60に設定され、各サブピクセルの透過率はこのバックライト値に合わせて決定される。すなわち、R,G,Bの各サブピクセルにおけるそれぞれの透過率は、83%(=50/60),100%(=60/60),67%(=40/60)に設定される。
【0044】
一方、本液晶表示装置においては、入力信号R[i],G[i],B[i]のR,G,B各成分において、max(R[i],G[i],B[i])/2に相当する値分をW成分の輝度値(すなわちW透過量)に振り分ける。その結果、RGB信号で表されている入力信号(R,G,B)=(50,60,40)は、RGBW信号で表される出力信号(R,G,B,W)=(20,30,10,30)に変換される。また、この注目画素において、バックライトの輝度値はmax(R[i],G[i],B[i])/2=30に設定される。また、R,G,B,Wの各サブピクセルにおけるそれぞれの透過率は、このバックライト値に合わせて決定される。具体的には、各サブピクセルの透過率は(出力輝度値)/(バックライト値)で決定される。すなわち、R,G,B,Wの各サブピクセルにおけるそれぞれの透過率は、67%(=20/30),100%(=30/30),33%(=10/30),100%(=30/30)に設定される。但し、図3(a)において示される透過率は、この注目画素において求められたバックライト値が全画素に対して求められた複数のバックライト値のうちで最も大きく、そのバックライトにおける輝度値として採用された場合の透過率を例示したものである。
【0045】
また、本液晶表示装置における上述のバックライト値を特許文献1の方法で求められるバックライト値と比較するには、サブピクセルの面積比をも考慮する必要がある。すなわち、特許文献1では1画素が3つのサブピクセルに分割されているのに対し、本液晶表示装置では1画素が4つのサブピクセルに分割されている。このため、本液晶表示装置では、1つのサブピクセルの面積が、特許文献1に比べ3/4の面積しかなく、このようなサブピクセルにおける面積の低下を補うため、本液晶表示装置では、バックライトの輝度値を4/3倍することで、特許文献1の方法で求められるバックライト値と同一の基準にて比較可能となる。
【0046】
この結果、図3(a)の例におけるバックライト値を図3(b)のバックライト値と同一基準に補正すれば、(4/3)×60/2=40となる。同様の表示を行う図3(b)の例ではバックライト値は60であるため、上記注目画素において、本発明による消費電力の削減効果があることが分かる。
【0047】
次に、min(R[i],G[i],B[i])<max(R[i],G[i],B[i])/2となる画素におけるバックライト値の求め方を図4(a),(b)を参照して説明する。ここで、図4(a)は本液晶表示装置におけるバックライト値の求め方を示す図である。また、図4(b)は、比較のために特許文献1におけるバックライト値の求め方を示した図である。
【0048】
図4(a),(b)において、ある注目画素の目標とするパネル出力輝度が(R,G,B)=(50,60,20)の場合を考える。このとき、Gの輝度値60がmax(R[i],G[i],B[i])であり、Bの輝度値20がmin(R[i],G[i],B[i])であり、min(R[i],G[i],B[i])<max(R[i],G[i],B[i])/2の関係が満たされている。
【0049】
特許文献1における表示方法では、図4(b)に示すように、バックライトの輝度値は、max(R[i],G[i],B[i])=60に設定され、各サブピクセルの透過率はこのバックライト値に合わせて決定される。すなわち、R,G,Bの各サブピクセルにおけるそれぞれの透過率は、83%(=50/60),100%(=60/60),33%(=20/60)に設定される。
【0050】
一方、本液晶表示装置においては、入力信号R[i],G[i],B[i]のR,G,B各成分において、min(R[i],G[i],B[i])に相当する値分をW成分の輝度値に振り分ける。その結果、RGB信号で表されている入力信号(R,G,B)=(50,60,20)は、RGBW信号で表される出力信号(R,G,B,W)=(30,40,0,20)に変換される。また、この注目画素において、バックライトの輝度値は、(max(R[i],G[i],B[i])−min(R[i],G[i],B[i]))=40に設定される。また、R,G,B,Wの各サブピクセルにおけるそれぞれの透過率は、このバックライト値に合わせて決定される。具体的には、各サブピクセルの透過率は(出力輝度値)/(バックライト値)で決定される。すなわち、R,G,B,Wの各サブピクセルにおけるそれぞれの透過率は、75%(=30/40),100%(=40/40),0%(=0/40),50%(=20/40)に設定される。
【0051】
但し、図4(a)において示される透過率は、この注目画素において求められたバックライト値が全画素に対して求められた複数のバックライト値のうちで最も大きく、そのバックライトにおける輝度値として採用された場合の透過率を例示したものである。また、図4(a)の例においても、バックライトの輝度値を4/3倍することで、特許文献1の方法で求められるバックライト値と同一の基準にて比較可能となる。
【0052】
この結果、図4(a)の例において、バックライト値は(4/3)×(60−20)=53.3となる。同様の表示を行う図4(b)の例ではバックライト値は60であるため、上記注目画素において、本発明による消費電力の削減効果があることが分かる。
【0053】
上記図3(a),(b)および図4(a),(b)は、各画素についての必要最小限のバックライト値の求め方を説明したものであるが、上記の方法に則って、バックライトに対応する表示領域内の全ての画素毎に必要最小限のバックライト値を求める。こうして求まった複数のバックライト値のうち、最大の値をそのバックライトにおける輝度値として設定する。
【0054】
上記説明の方法によって実施される、本液晶表示装置におけるバックライト値およびサブピクセル透過率の決定手順を図5(a)〜(e)を参照して説明する。
【0055】
図5(a)は、ある一つのバックライトに対応する表示領域の入力信号(R[i],G[i],B[i])を示すものである。ここでは、説明を簡単にするために、上記表示領域が4つの画素A〜Dから構成されているとする。
【0056】
これらの画素A〜Dについて、入力信号(R[i],G[i],B[i])をRGBW信号で表される出力信号(Rt[i],Gt[i],Bt[i],Wt[i])に変換した結果は、図5(b)に示すものとなる。この出力信号は、RGBW各サブピクセルにおける透過量を示すものである。この透過量を求める際には、先ずW透過量Wt[i]が、
Wt[i]=min(maxRGB/2,minRGB)
ただし、
maxRGB=max(R[i],G[i],B[i])
minRGB=min(R[i],G[i],B[i])
の式によって求められる。
【0057】
W透過量Wt[i]が求められると、求まったW透過量Wt[i]を入力信号(R[i],G[i],B[i])から差し引くように、
Rt[i]=R[i]−Wt[i]
Gt[i]=G[i]−Wt[i]
Bt[i]=B[i]−Wt[i]
の式によってRGB透過量(Rt[i],Gt[i],Bt[i])が求められる。
【0058】
また、各画素毎に求まるバックライト値は、図5(c)に示すものとなる。これにより、バックライト値は、画素毎に求まった複数のバックライト値のうちの最大の値、すなわち100に設定される。
【0059】
こうして求まったバックライト値100に対して各画素の透過率(r[i],g[i],b[i],w[i])が、図5(b)に示す出力信号(Rt[i],Gt[i],Bt[i],Wt[i])の値に基づいて求められ、その結果は図5(d)に示すものとなる。そして、最終的な各画素における表示輝度は、図5(e)に示す結果となり、図5(a)に示す入力信号(R[i],G[i],B[i])の輝度値と一致していることが確認できる。
【0060】
このように、上述した出力信号生成部13でのバックライト値およびサブピクセル透過率の算出処理では、Wサブピクセルに白成分の光量を分担させることでカラーフィルタによる光の吸収を抑え、バックライト17における消費電力を削減できるものである。このため、表示画像データにおいては、Wサブピクセルへの白成分光量の振り分けが可能であることが、バックライト消費電力の削減効果を得るための必須条件となる。
【0061】
すなわち、出力信号生成部13でのバックライト値およびサブピクセル透過率の算出処理は、バックライトに対応する表示領域内の全ての画素でWサブピクセルへ振り分ける白成分光量が多い(すなわち、彩度が低い)場合には、バックライト消費電力の削減効果が大きくなる。一方で、バックライトに対応する表示領域内にWサブピクセルへ振り分ける白成分光量が少ない(すなわち、彩度が高い)画素があれば、バックライト消費電力の削減効果は小さく、さらに輝度が高ければ、特許文献1の表示方法に比べてむしろ消費電力が増加することもありうる。
【0062】
以下に、輝度が同じで彩度が異なる2つの画素についての、バックライト値の設定例を示す。
【0063】
まず、(R,G,B)=(175,239,111)の画素A(輝度=207、彩度=0.536)の場合、バックライト値は以下のように算出される。
【0064】
画素Aにおいて、Wサブピクセルへ振り分けられる光量(W透過量)は、(111)である。そして、Wサブピクセルへの振り分け光量を差し引いた、R,G,Bサブピクセルの各光量は、(64,128,0)となる。その結果、画素Aにおいて設定されるバックライト値は(128)となる。
【0065】
一方、(R,G,B)=(159,255,63)の画素B(輝度=207、彩度=0.753)の場合、バックライト値は以下のように算出される。
【0066】
画素Bにおいて、Wサブピクセルへ振り分けられる光量は、(63)である。そして、Wサブピクセルへの振り分け光量を差し引いた、R,G,Bサブピクセルの各光量は、(96,192,0)となる。その結果、画素Bにおいて設定されるバックライト値は(192)となる。
【0067】
このように、画素Aと画素Bとを比較すると、両者は輝度が等しいにも関わらず、彩度の高い画素Bのほうがバックライト値が大きく設定されており、バックライト消費電力の削減効果が小さいことが分かる。
【0068】
ここで、出力信号生成部13は、本液晶表示装置に対して最初に入力される原画像データ(すなわち、入力RGB信号)に対しても、上記処理によってバックライト値およびサブピクセル透過率を算出することはできる。しかしながらこの場合には、上述した理由により、全ての画像に対して消費電力削減効果が得られるとは限らない(尚、実際には、最も表示機会が多いと考えられる通常の中間調表示画面では、消費電力削減の効果が得られる場合が多い)。
【0069】
このため、本液晶表示装置においては、出力信号生成部13の前段に彩度・輝度低減部11を配置し、入力RGB信号に彩度・輝度低減処理を施している。これにより、出力信号生成部13における処理において、バックライト消費電力の低減効果をより確実により大きく得ることができる。
【0070】
これより、本液晶表示装置における信号処理内容について詳細に説明する。先ずは、彩度・輝度低減部11おける彩度・輝度低減処理を説明する。
【0071】
図6は、彩度・輝度低減部11の要部構成を説明する図である。彩度・輝度低減部11は、バックライト上限値算出部21、γ補正後RGB信号最大・最小値算出部22、第1彩度・輝度低減率算出部23、彩度・輝度低減後RGB信号算出部25を備えて構成されている。また、図7は、彩度・輝度低減部11の動作を説明するフローチャートである。
【0072】
最初に、バックライト上限値算出部21において、入力RGB信号の上限値、及びバックライト値低減率から、下記の(1)式を用いてバックライト上限値MAXwが算出される(S11)。(1)式の導出方法については後述する。
【0073】
MAXw=MAX×BlRatio …(1)
ただし、
MAX:彩度・輝度低減処理を行わない場合のバックライト値の上限値
(≧入力RGB信号の全てのRGB値の最大値)
BlRatio:バックライト値設定率(=1−BlLowRatio)
BlLowRatio:バックライト値低減率(0≦BlLowRatio≦1)
次に、S12〜S15の処理を、入力RGB信号の画素の数だけ繰り返すことにより、全ての画素に対して、彩度・輝度低減後RGB信号が算出される。
【0074】
S12では、γ補正後RGB信号最大・最小値算出部22により、入力RGB信号、およびγ係数から、下記の(2),(3)式を用いてγ補正後のRGB信号の最大値maxRGBgおよび最小値minRGBgが算出される。
【0075】
maxRGBg=max(Rg[i],Gg[i],Bg[i])
=fg(maxRGB,γ) …(2)
minRGBg=min(Rg[i],Gg[i],Bg[i])
=fg(minRGB,γ) …(3)
ただし、
Rg[i],Gg[i],Bg[i]:γ補正後のRGB信号
max(A,B,…):A,B,…の最大値
min(A,B,…):A,B,…の最小値
maxRGB:入力RGB信号の最大値
(=max(R[i],G[i],B[i]))
minRGB:入力RGB信号の最小値
(=min(R[i],G[i],B[i]))
γ:γ係数(>0)
fg(x,g):γ補正関数(γ補正により、入力RGB信号値の大小関係が逆転しないものとし、例えば、fg(x,g)=(x/MAX)×MAXとする)
S13では、第1彩度・輝度低減率算出部23において、入力RGB信号、γ係数、バックライト上限値、白色輝度比、及びγ補正後RGB信号最大・最小値から、彩度・輝度低減率αを算出する。彩度・輝度低減率αの算出にあたっては、まず、注目画素の輝度が高いかどうかを下記の(4)式を用いて判定する。
【0076】
MAXw<max(maxRGBg/(1+WR),
maxRGBg−minRGBg) …(4)
輝度が高い場合、すなわち(4)式を満たす場合は、下記の(5)式を満たす彩度・輝度低減率αを算出する(彩度・輝度低減率αの算出方法については後述する)。また、輝度が低い場合、すなわち(4)式を満たさない場合は、(6)式で彩度・輝度低減率αを1に設定する。
【0077】
max(maxRGBsg/(1+WR),maxRGBsg−minRGBsg)
−MAXw=0 …(5)
α=1 …(6)
ただし、
maxRGBsg=max(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])
=fg(max(Rs[i],Gs[i],Bs[i]),γ)
=fg(max(α,0)×maxRGB+(1−|α|)×Y[i],γ)
…(7)
minRGBsg=min(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])
=fg(min(Rs[i],Gs[i],Bs[i]),γ)
=fg(max(α,0)×minRGB+(1−|α|)×Y[i],γ)
…(8)
Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i]:γ補正後RGB信号
S15では、彩度・輝度低減後RGB信号算出部25により、入力RGB信号、及び彩度・輝度低減率αから、下記の(9)〜(11)式を用いて彩度・輝度低減後RGB信号(Rs[i],Gs[i],Bs[i])が算出される。
【0078】
Rs[i]=max(α,0)×R[i]+(1−|α|)×Y[i] …(9)
Gs[i]=max(α,0)×G[i]+(1−|α|)×Y[i] …(10)
Bs[i]=max(α,0)×B[i]+(1−|α|)×Y[i] …(11)
ただし、
Y[i]:入力RGB信号(R[i],G[i],B[i])の輝度
(例えば、Y[i]=(2×R[i]+5×G[i]+B[i])/8)
上記(9)〜(11)式を用いた彩度・輝度低減処理では、彩度・輝度低減率αが0≦α<1の範囲にある場合に、輝度・色相が不変で、彩度のみが低減される処理が行われる。そして、彩度・輝度低減率αが−1≦α<0の範囲にある場合には、彩度を0にし、かつ輝度を低減させる処理が行われる。
【0079】
すなわち、上記説明における彩度・輝度低減処理では、まず、画像内の画素一つ一つについて、その画素の存在によりバックライト値が所望のバックライト値(ここでは、バックライト上限値MAXw)を超えるのかどうかを判定する。その判定式が(4)式である。ある画素のRGB信号値が(4)式を満たす場合は、その画素の存在によりバックライト値がMAXwを超えることになるため、バックライト値がMAXwを超えないように、より正確には、バックライト値が丁度MAXwになるように、その画素のRGB値を変換する。
【0080】
バックライト値を丁度MAXwにするための条件が(5)式であり、その変換式が(9)〜(11)式である。すなわち、(5)式を満たすような彩度・輝度低減率αを求め、その結果0≦α<1であれば、彩度の低減のみで、その画素の存在によりバックライト値を丁度MAXwにすることができる。一方、−1≦α<0であれば、その画素の存在により彩度の低減のみではバックライト値をMAXw以下にすることができないため、更に輝度まで低減させることで、その画素の存在によりバックライト値を丁度MAXwにすることができる。
【0081】
以上の処理を、画像内の全ての画素について行うと、(4)式を満たす画素が少なくとも一つ以上あった場合は、バックライト値は丁度MAXwに、(4)式を満たす画素が全くなかった場合は、バックライト値はMAXw以下になることが保証される。
【0082】
ここで、各ステップにおける、算出式の導出方法について説明する。まず、バックライト上限値MAXwの取り得る値の範囲と上記(1)式とを導出する。
【0083】
最初に、画像データ(入力RGB信号)に対して彩度・輝度低減処理を行わない場合で、かつ、バックライト値が最も大きくなる場合を考える。これは、彩度が1であり(Wサブピクセルに光量を分担できない)、かつRGB値の少なくとも1つがMAX(入力RGB信号の上限値)であるような画素が存在する場合であり、この時のバックライト値はMAXとなる。
【0084】
尚、ここでいうMAXは、入力RGB信号の上限値を指すが、一意の値ではなく複数の値が考えられる。すなわち、MAXの下限値は、入力RGB信号の全てのRGB値の最大値(MAXi)となる。これは、MAXをMAXiより小さな値にすると、所望のバックライト値にすることを保障できないからである。一方、MAXの上限値は、入力RGB信号の取り得る値の最大値(MAXs)となる。これは、MAXsより大きいバックライト値を必要としないからである。
【0085】
入力RGB信号のビット幅をBwとした場合、MAXsは、
MAXs=2Bw−1
で表される。例えば、Bwが8の場合、MAXsは2−1=255となる。よって、有効なMAXの範囲は、
MAXi≦MAX≦MAXs
で表される。
【0086】
基本的にMAXの設定値としては、MAXi≦MAX≦MAXsを満たせば、どのような値でも良い。MAX=MAXiに設定すれば、バックライト値を最も下げることができる。ただし、画像ごとにMAXを計算する必要がある。一方、MAX=MAXsに設定すれば、MAXiに比べてバックライト上限値(MAXw)が高くなるが、MAXが画像に依存しない一定値となるため、画像ごとにMAXを計算し直す必要がない。
【0087】
次に、画像データ(入力RGB信号)に対して彩度・輝度低減処理を行う場合で、かつ、バックライト値が最も大きくなる場合を考える。この場合、RGB値のいかんにかかわらず、最大限の彩度・輝度低減、すなわち彩度・輝度設定率αを−1にすることで、バックライト値を0にすることができる。すなわち、彩度・輝度低減処理を行う場合のバックライト値の最大値は0となる。
【0088】
従って、バックライト上限値MAXwの範囲は、0〜MAXとなり、BlRatioの範囲を0〜1としたとき、BlLowRatioの範囲は0〜1となり、バックライト上限値MAXwは、(1)式で表すことができる。
【0089】
次に、γ補正後のRGB信号の最大・最小値算出式は、γ補正によっても入力RGB信号値の大小関係が逆転しないので、それぞれ(2)ないし(3)式のように展開することができる。
【0090】
次に、彩度・輝度低減処理を行うかどうかの判定条件である(4)式を導出する。最初に、彩度・輝度低減を行わない場合の、バックライト値算出までのアルゴリズムは以下のようになる。
1)γ補正(Rg[i],Gg[i],Bg[i])
Rg[i]=fg(R[i],γ) …(29)
Gg[i]=fg(G[i],γ) …(30)
Bg[i]=fg(B[i],γ) …(31)
2)W透過量算出(Wtg[i])
Wtg[i]=min(maxRGBg/(1+1/WR),minRGBg)
…(32)
3)RGB透過量算出(Rtg[i],Gtg[i],Btg[i])
Rtg[i]=Rg[i]−Wtg[i] …(33)
Gtg[i]=Gg[i]−Wtg[i] …(34)
Btg[i]=Bg[i]−Wtg[i] …(35)
4)バックライト値算出(Wbg)
Wbg=max(Rtg[1],Gtg[1],Btg[1],Wtg[1]/WR,
...
Rtg[Np],Gtg[Np],Btg[Np],
Wtg[Np]/WR) …(36)
尚、(36)式におけるWRは白色輝度比であり、RGBWサブピクセルそれぞれの透過率を同じ値にした時のRGBサブピクセルから出力される輝度に対し、Wサブピクセルから出力される輝度が何倍明るいかを示す値である。
【0091】
まず、白色輝度比WRを考慮したW透過量(Wtg[i]/WR)がMAXwを超えない条件は、以下のとおりである。
【0092】
Wtg[i]/WR≦MAXw …(37)
(37)式に(32)式を代入すると、
min(maxRGBg/(1+1/WR),minRGBg)/WR≦MAXw
…(38)
となる。
【0093】
次に、各RGB透過量がMAXwを超えない条件は、以下のとおりである。
【0094】
Rtg[i]≦MAXw …(39)
Gtg[i]≦MAXw …(40)
Btg[i]≦MAXw …(41)
(32)〜(35),(39)〜(41)式より、全てのRGB透過量がMAXwを超えない条件は、以下のとおりである。
【0095】
max(Rtg[i],Gtg[i],Btg[i])≦MAXw
maxRGBg−Wtg[i]≦MAXw
よって、
maxRGBg−min(maxRGBg/(1+1/WR),minRGBg)
≦MAXw …(42)
となる。
【0096】
ここで、
maxRGBg/(1+1/WR)≦minRGBg …(43)
が満たされるとき、W透過量がMAXwを超えない条件は、(38)式より以下の通りである。
{maxRGBg/(1+1/WR)}/WR≦MAXw
よって、
maxRGBg/(1+WR)≦MAXw …(44)
となる。
【0097】
また、同じく(43)式が満たされるとき、RGB透過量がMAXwを超えない条件は、(42)式より以下の通りである。
【0098】
maxRGBg−maxRGBg/(1+1/WR)≦MAXw
よって、
maxRGBg/(1+WR)≦MAXw
となり、(44)式と同じとなる。
【0099】
よって(43)式を満たすとき、RGBW透過量全てがMAXwを超えない条件は、(44)式となる。
【0100】
一方、
minRGBg<maxRGBg/(1+1/WR) …(45)
が満たされるとき、W透過量がMAXwを超えない条件は、(38)式より以下の通りである。
【0101】
minRGBg/WR≦MAXw …(46)
また、同じく(45)式が満たされるとき、RGB透過量がMAXwを超えない条件は、(42)式より以下の通りである。
【0102】
maxRGBg−minRGBg≦MAXw …(47)
よって(45)式を満たすとき、RGBW透過量全てがMAXwを超えない条件は、(46)式と(47)式とをまとめることで、以下のようになる。
【0103】
max(minRGBg/WR,maxRGBg−minRGBg)≦MAXw
…(48)
ここで(45)式より、
minRGBg/WR
<maxRGBg/(WR×(1+1/WR))
=maxRGBg/(1+WR)
=maxRGBg−maxRGBg/(1+1/WR)
<maxRGBg−minRGBg
となるので、(48)式は次式のようになる。
【0104】
maxRGBg−minRGBg≦MAXw
この式は、(47)式と同じである。
【0105】
逆に、上記(43)式が満たされるとき、RGBW透過量の少なくとも1つがMAXwを超える条件は、(44)式より、
MAXw<maxRGBg/(1+WR) …(49)
となる。
【0106】
また、上記(45)式が満たされるとき、RGBW透過量の少なくとも1つがMAXwを超える条件は、(47)式より、
MAXw<maxRGBg−minRGBg …(50)
となる。
【0107】
上記(43),(49),(45),(50)式を、更に式変形すると以下の通りである。
【0108】
まず、(43)式より、
maxRGBg−maxRGBg/(1+WR)≦minRGBg
となる。よって、
maxRGBg−minRGBg≦maxRGBg/(1+WR) …(51)
となる。
【0109】
(51)式を満たすときは、(49)式は次のように変形できる。
【0110】
MAXw
<max(maxRGBg/(1+WR),maxRGBg−minRGBg)
この式は、上記(4)式と同じとなる。
【0111】
次に、(45)式より、
minRGBg<maxRGBg−maxRGBg/(1+WR)
となる。よって、
maxRGBg/(1+WR)<maxRGBg−minRGBg …(52)
となる。
【0112】
(52)式を満たすときは、(50)式は、同じく(4)式のように変形できる。
【0113】
(51)〜(52)式より、RGBW透過量の少なくとも1つがMAXwを超える条件は、単に(4)式に簡略化することができる。すなわち、入力RGB値が(4)式を満たす場合は、彩度・輝度低減処理を行うことで、バックライト値がMAXwを超えないようにする。
【0114】
次に、彩度・輝度低減の算出式である(9)〜(11)式を導出する。
【0115】
まず、輝度・色相は不変で、彩度のみを低減させるRGBの変換式は下記の(53)乃至(55)式である。
【0116】
Rs[i]=α×R[i]+(1−α)×Y[i] …(53)
Gs[i]=α×G[i]+(1−α)×Y[i] …(54)
Bs[i]=α×B[i]+(1−α)×Y[i] …(55)
ただし、
0≦α<1 …(56)
ただし、彩度・輝度低減をさせないときだけ、α=1とする。
【0117】
一方、彩度が0になり、輝度を低減させるRGBの変換式は下記の(57)乃至(59)式である。
【0118】
Rs[i]=(1+α)×Y[i] …(57)
Gs[i]=(1+α)×Y[i] …(58)
Bs[i]=(1+α)×Y[i] …(59)
ただし、
−1≦α<0 …(60)
上記の(53)乃至(55)式と(57)乃至(59)式とをまとめると、(9)乃至(11)式となる。
【0119】
ただし、
−1≦α<1 …(61)
ここで、(53)乃至(55)式が、彩度・輝度低減前後で輝度・色相を変えないことの証明を行う。
【0120】
まず、RGB値が(R,G,B)のときの輝度の算出式を(2×R+5×G+B)/8とすると、彩度・輝度低減後の輝度Ys[i]は、下記の(62)式のようになる。
【0121】
Ys[i]=(2×Rs[i]+5×Gs[i]+Bs[i])/8 …(62)
(62)式に、(53)乃至(55)式を代入すると、
Ys[i]
=α×(2×R[i]+5×G[i]+B[i])/8+(1−α)×Y[i]
=α×Y[i]+(1−α)×Y[i]
=Y[i] …(63)
となる。(63)式より、彩度・輝度低減前後で輝度値は変化していないことが分かる。
【0122】
一方、色相に関しては、R値が最大のときを考える。まず、R値が最大のときの、彩度・輝度低減前の色相H[i]は、下記の(64)式のようになる。
【0123】
H[i]=(Cb−Cg)×60 …(64)
ここでは、
Cb=(maxRGB−B[i])/(maxRGB−minRGB)
Cg=(maxRGB−G[i])/(maxRGB−minRGB)
である。
【0124】
次に、彩度・輝度低減後の色相Hs[i]は、下記の(65)式のようになる。
【0125】
Hs[i]=(Cbs−Cgs)×60 …(65)
ここでは、
Cbs=(maxRGBs−Bs[i])/(maxRGBs−minRGBs)
Cgs=(maxRGBs−Gs[i])/(maxRGBs−minRGBs)
minRGBs:彩度・輝度低減後のminRGB
maxRGBs:彩度・輝度低減後のmaxRGB
である。
【0126】
(65)式を変形し、更に(53)乃至(55)式を代入すると、
Hs[i]
=[{(maxRGBs−Bs[i])−(maxRGBs−Gs[i])}
/(maxRGBs−minRGBs)]×60
={(Gs[i]−Bs[i])/(maxRGBs−minRGBs)}×60
=[α×(G[i]−B[i])/{α×(maxRGB−minRGB)}]×60
={(G[i]−B[i])/(maxRGB−minRGB)}×60
=[{(maxRGB−B[i])−(maxRGB−G[i])}
/(maxRGB−minRGB)]×60
=(Cb−Cg)×60
=H[i] …(66)
となる。(66)式より、彩度・輝度低減前後で色相も変化しないことが分かる。G値、あるいはB値が最大のときも同様である。
【0127】
次に、彩度・輝度低減率αの算出式である(5)乃至(8)式を導出する。
【0128】
まず、(4)式から、バックライト値をMAXw以下にするための条件式である(5)式が導かれる。
【0129】
(5)式のmaxRGBsg及びminRGBsgは、γ補正及び彩度・輝度低減処理によっても入力RGB信号値の大小関係が逆転しないので、それぞれ(7)乃至(8)式のように展開することができ、更に、(5)式に(7)乃至(8)式を代入することで、αを未知数とした方程式が導かれる。
【0130】
すなわち、(4)式を満たす全ての画素に対して、(5)式を満たすαを算出し、そのαを用いて(9)乃至(11)式により彩度・輝度低減を行えば、バックライト値は必ずMAXw以下になる。但し、(5)式は、αを未知数とした非線形方程式であるため、これを簡単に解くことはできない。そのため、(5)式は、近似的な方法を用いて解くことが考えられるが、その解法については後述する実施の形態3または4において詳細に説明する。
【0131】
尚、(4)式を満たさない画素の場合は、(6)式でαを1に設定することにより、(9)乃至(11)式において、(R[i],G[i],B[i])=(Rs[i],Gs[i],Bs[i])となる(すなわち、(彩度・輝度低減前のRGB値)=(彩度・輝度低減後のRGB値)となる)。従って、この場合は、結果的に彩度・輝度低減を行わないことになる。
【0132】
この彩度・輝度低減処理においては、色彩の鮮やかさや明るさの点で入力画像の画質が劣化するが、一般的な画像では高輝度の部分はそれほど多くなく、彩度あるいは輝度が低下する部分は画像の一部に限られる場合が多い。
【0133】
更に、人間の視覚特性は、輝度の変化に比べ、彩度の変化にはそれほど敏感ではないため、高輝度の画素に対し、まずは彩度のみを低下させ、それでも所望のバックライト値以下にならないときのみ、輝度も低下させることで、できるだけ画質劣化が目立たないような処理を行っている。
【0134】
上記説明の処理により、入力RGB信号(R[i],G[i],B[i])は、彩度・輝度低減部11によって彩度・輝度低減後RGB信号(Rs[i],Gs[i],Bs[i])に変換される。この彩度・輝度低減後RGB信号は、続いてγ補正部12においてγ補正処理され、γ補正後RGB信号(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])に変換される。
【0135】
続いて、出力信号生成部13の構成を図8を参照して説明する。出力信号生成部13は、W透過量算出部41、RGB透過量算出部42、バックライト値算出部43、透過率算出部44を備えて構成されている。また、図9は、出力信号生成部13の動作を説明するためのフローチャートである。
【0136】
W透過量算出部41は、γ補正後RGB信号及び白色輝度比から、下記(19)式を用いて注目画素におけるW透過量Wtsg[i]を算出する(S41)。
【0137】
Wtsg[i]=min(maxRGBsg/(1+1/WR),minRGBsg)
…(19)
ただし、
maxRGBsg=max(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])
minRGBsg=min(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])
次に、RGB透過量算出部42は、γ補正後RGB信号、及びW透過量算出部41から出力されたW透過量から、下記(20)乃至(22)式を用いて注目画素におけるRGB透過量(Rtsg[i],Gtsg[i],Btsg[i])を算出する(S42)。
【0138】
Rtsg[i]=Rsg[i]−Wtsg[i] …(20)
Gtsg[i]=Gsg[i]−Wtsg[i] …(21)
Btsg[i]=Bsg[i]−Wtsg[i] …(22)
S41〜S42の処理は入力RGB信号の画素の数だけ繰り返され、全ての画素に対してRGBW透過量(Rtsg[i],Gtsg[i],Btsg[i],Wtsg[i])が算出される。
【0139】
バックライト値算出部43は、白色輝度比、全画素のRGBW透過量から、下記(23)式を用いてバックライト値Wbsgを算出する(S43)。
【0140】
Wbsg
=max(Rtsg[1],Gtsg[1],Btsg[1],
Wtsg[1]/WR,
...
Rtsg[Np],Gtsg[Np],Btsg[Np],
Wtsg[Np]/WR) …(23)
透過率算出部44は、白色輝度比、RGBW透過量、及びバックライト値から、(24)乃至(28)式を用いて注目画素のRGBW透過率(rsg[i],gsg[i],bsg[i],wsg[i])を算出する(S44)。S44の処理は入力RGB信号の画素の数だけ繰り返され、各サブピクセルの透過率が算出される。
【0141】
rsg[i]=Rtsg[i]/Wbsg …(24)
gsg[i]=Gtsg[i]/Wbsg …(25)
bsg[i]=Btsg[i]/Wbsg …(26)
wsg[i]=(Wtsg[i]/Wbsg)/WR …(27)
ただし、Wbsg=0のとき、
rsg[i]=gsg[i]=bsg[i]=wsg[i]=0 …(28)
尚、バックライト値Wbsgの算出に使用される(23)式は、次式のように簡略化することも可能である。
【0142】
Wbsg=max(Rtsg[1],Gtsg[1],Btsg[1],
...
Rtsg[Np],Gtsg[Np],Btsg[Np])
これは、W透過量(Wtsg[i]/WR)は、常にRGB透過量(Rtsg[i],Gtsg[i],Btsg[i])の最大値以下になるからである。以下に、その証明を行う。
【0143】
max(Rtsg[i],Gtsg[i],Btsg[i])−Wtsg[i]/WR
=maxRGBsg−Wtsg[i]−Wtsg[i]/WR
=maxRGBsg−(1+1/WR)×Wtsg[i]
=maxRGBsg−(1+1/WR)×min(maxRGBsg/(1+1/WR),minRGBsg)
=maxRGBsg−min(maxRGBsg,(1+1/WR)×minRGBsg)
ここで、
min(maxRGBsg,(1+1/WR)×minRGBsg)
≦maxRGBsgより、
0≦max(Rtsg[i],Gtsg[i],Btsg[i])
−Wtsg[i]/WR
よって、Wtsg[i]/WR≦max(Rtsg[i],Gtsg[i],Btsg[i])となる。
【0144】
このように、本実施の形態1に係る液晶表示装置では、出力信号生成部13においてバックライト値およびRGBW透過率を算出する前に、原入力である入力RGB信号に対して彩度・輝度低減処理を行うことで、バックライト値を確実に低減させることができる。
【0145】
〔実施の形態2〕
上記実施の形態1では、(4)式を用いて注目画素毎に彩度低減が必要か否かを判断するようにしている。この場合、(4)式を満たす画素、すなわち彩度・輝度低減が必要な画素だけに対して、彩度・輝度低減処理を通し、(4)式を満たさない画素、すなわち彩度・輝度低減が必要ない画素については、彩度・輝度低減処理をスキップすることができる。
【0146】
しかしながら、彩度・輝度低減部11をハードウェアによって実現することを考えた場合には、そのようなスキップ処理がない方がハードウェアを簡素化できるため好ましい。本実施の形態2では、入力画像内の全ての画素に対して彩度・輝度低減処理を施す変形例について説明する。尚、実施の形態1と同一の処理部に対しては、実施の形態1と同じ番号を付けると共に、詳細説明を省略する。
【0147】
図10は、本実施の形態2にかかる液晶表示装置において彩度・輝度低減部11の構成を示す図である。彩度・輝度低減部11は、バックライト上限値算出部21、第2第2彩度・輝度低減率算出部33、彩度・輝度低減後RGB信号算出部25を備えて構成されている。また、図11は、彩度・輝度低減部11の動作を説明するフローチャートである。
【0148】
最初に、バックライト上限値算出部21において、(1)式を用いてバックライト上限値が算出される(S11)。
【0149】
次に、第2彩度・輝度低減率算出部33において、入力RGB信号、γ係数、バックライト上限値、及び白色輝度比から、(12)式を満たすαの中で、(5)式の左辺の絶対値が最も小さくなる彩度・輝度低減率αを算出する(S23)。彩度・輝度低減率αの算出方法については、後述する実施の形態3または4において説明する。
【0150】
次に、彩度・輝度低減後RGB信号算出部25において、(9)乃至(11)式を用いて、彩度・輝度低減後RGB信号を算出する(S15)。
【0151】
S23及びS15の処理を、入力RGB信号の画素の数だけ繰り返すことにより、全ての画素についての彩度・輝度低減後RGB信号を算出することができる。
【0152】
〔実施の形態3〕
本実施の形態3は、実施の形態1における第1彩度・輝度低減率算出部23における彩度・輝度低減率αの近似的な算出手段の第1の例である。
【0153】
実施の形態1においては、(4)式が満たされる場合に、彩度・輝度低減率αを(5)式を用いて算出する必要があるが、該(5)式は非線型方程式であるため、簡単に算出することができない。そこで、本実施の形態3では、二分探索法を用いることでαを算出する。尚、実施の形態1と同一の処理部に対しては、実施の形態1と同じ番号を付けると共に、詳細説明を省略する。
【0154】
図12は、本実施の形態1にかかる液晶表示装置において彩度変換部11の別の構成を示す図である。図12に示す彩度・輝度低減部11は、実施の形態1における第1彩度・輝度低減率算出部23(図6参照)を、第3彩度・輝度低減率算出部93に置き換えたものである。
【0155】
第3彩度・輝度低減率算出部93は、入力RGB信号、γ係数、バックライト上限値、白色輝度比、及びγ補正後RGB信号最大・最小値から、二分探索法により彩度・輝度低減率αを算出し、出力する。
【0156】
図13は、第3彩度・輝度低減率算出部93の動作を説明するフローチャートである。
【0157】
まず、S100では、注目画素におけるγ補正後のRGB信号の最大・最小値が(4)式を満たすかどうかを判定し、満たす場合はS101に、満たさない場合はS109に進む。
【0158】
(4)式を満たす場合、すなわちS101では、下記の(13)および(14)式を用いて、二分探索用彩度・輝度低減率下限値low及び上限値highを、それぞれ−1及び1に設定する。
【0159】
low=−1 …(13)
high=1 …(14)
次に、S102〜S107の処理が、low+alphaTol≦highの間、繰り返される。ここでalphaTolは、彩度・輝度低減率α算出ループ判定用閾値である。また、S102〜S107の処理は、ある決められた一定回数だけ繰り返されても良い。
【0160】
S102では、(15)式を用いて、現時点でのαを算出する。
【0161】
α=(low+high)/2 …(15)
次に、S103では、(16)式を用いて、α算出判定値(judgeSi)を算出する。
【0162】
judgeSi
=max(maxRGBsg/(1+WR),maxRGBsg−minRGBsg)
−MAXw …(16)
このjudgeSiは、0に近いほど、現時点でのαが所望のαに近づいていることを示しており、また、負の値の場合は、現時点でのαが所望の値より小さく、正の場合は、現時点でのαが所望の値より大きいことを示している。
【0163】
次に、S104において、judgeSiが−judgeTolより小さければ、現時点でのαが所望の値より小さいことになるため、(17)式を用いて、lowを現時点でのαに更新する(S105)。また、S104において、judgeSiが−judgeTolより小さくなければ、S106に進む。ここでjudgeTolは、彩度・輝度低減率算出判定用閾値である。
【0164】
low=α …(17)
次に、S106において、judgeSiがjudgeTolより大きければ、現時点でのαが所望の値より大きいことになるため、(18)式を用いて、highを現時点でのαに更新する(S107)。また、S106において、judgeSiがjudgeTolより大きくなければ、現時点でのαが所望のαになっていると判断し、ループを抜けて処理を終了する。
【0165】
high=α …(18)
また、S106の判定条件でNoにならず、かつループ処理を終了した場合は、所望のαを算出できていないため、何らかのエラー処理を行う(S108)。
【0166】
S100において(4)式を満たさない場合は、S109において(6)式を用いてαを1に設定する。
【0167】
以下に、本実施の形態3にかかるバックライト値の算出例を示す。ここでは、説明を簡単にするために、1画素で構成される画像が入力された場合で、入力画像の画素値(R[1],G[1],B[1])=(159,255,63)である場合を例示する(第1の算出例)。尚、以下の説明では、MAX=255,γ=2,WR=1.25,BlLowRatio=0.5,judgeTol=1,alphaTol=10−7に設定されているものとする。
【0168】
まず、彩度・輝度低減処理を行わない場合のバックライト値は、以下のように算出される。
1)γ補正(Rg[1],Gg[1],Bg[1])
Rg[1]=(R[1]/MAX)γ×MAX=(159/255)×255
=99
Gg[1]=(G[1]/MAX)γ×MAX=(255/255)×255
=255
Bg[1]=(B[1]/MAX)γ×MAX=(63/255)×255
=16
2)W透過量算出(Wtg[1])
Wtg[1]=min(maxRGBg/(1+1/WR),minRGBg)
=min(255/(1+1/1.25),16)
=min(142,16)=16
3)RGB透過量算出(Rtg[1],Gtg[1],Btg[1])
Rtg[1]=Rg[1]−Wtg[1]=99−16=83
Gtg[1]=Gg[1]−Wtg[1]=255−16=239
Btg[1]=Bg[1]−Wtg[1]=16−16=0
4)バックライト値算出(Wbg)
Wbg
=max(Rtg[1],Gtg[1],Btg[1],Wtg[1]/WR)
=max(83,239,0,16/1.25)
=max(83,239,0,13)=239
よって、この場合のバックライト値は239になる。
【0169】
一方、彩度・輝度低減処理を行った場合のバックライト値は以下のように算出される。
1)バックライト上限値算出
MAXw=MAX×BlRatio=255×(1−0.5)=128
2)γ補正後のRGB信号の最大・最小値算出
maxRGBg=(maxRGB/MAX)γ×MAX
=(255/255)×255=255
minRGBg=(minRGB/MAX)γ×MAX
=(63/255)×255=16
3)彩度・輝度低減率算出
先ず、
max(maxRGBg/(1+WR),maxRGBg−minRGBg)
=max(255/(1+1.25),255−16)
=max(113,239)=239
より、注目画素は(4)式を満たす。このため、(5)式を満たすαを二分探索法で算出する。
【0170】
次に、入力画素値に対応する輝度Y[1]が以下のように求められる。
【0171】
Y[1]=(2×R[1]+5×G[1]+B[1])/8
=(2×159+5×255+63)/8=207
本算出例では、図13のフローにおけるS102〜S107のステップが、S106の判定条件を満たしてループを抜けるまで繰り返される。このフローによって算出されるlow,high,α,judgeSiの値の変化は、以下の表1に示すようなものとなる。
【0172】
【表1】

【0173】
表1において、最終的なαの値は、
α=0.4609375
と算出される。
4)彩度・輝度低減後入力RGB信号算出
彩度・輝度低減率αが算出されると、彩度・輝度低減後入力RGB信号は、(9)〜(11)式を用いて以下のように算出される。
【0174】
Rs[1]=max(α,0)×R[1]+(1−|α|)×Y[1]
=α×R[1]+(1−α)×Y[1]
=0.4609375×159+(1−0.4609375)×207
=185
Gs[1]=max(α,0)×G[1]+(1−|α|)×Y[1]
=α×G[1]+(1−α)×Y[1]
=0.4609375×255+(1−0.4609375)×207
=229
Bs[1]=max(α,0)×B[1]+(1−|α|)×Y[1]
=α×B[1]+(1−α)×Y[1]
=0.4609375×63+(1−0.4609375)×207
=141
5)γ補正
Rsg[1]=(Rs[1]/MAX)γ×MAX
=(185/255)×255=134
Gsg[1]=(Gs[1]/MAX)γ×MAX
=(229/255)×255=206
Bsg[1]=(Bs[1]/MAX)γ×MAX
=(141/255)×255=78
6)W透過量算出
Wtsg[1]
=min(maxRGBsg/(1+1/WR),minRGBsg)
=min(206/(1+1/1.25),78)
=min(114,78)=78
7)RGB透過量算出
Rtsg[1]=Rsg[1]−Wtsg[1]=134−78=56
Gtsg[1]=Gsg[1]−Wtsg[1]=206−78=128
Btsg[1]=Bsg[1]−Wtsg[1]=78−78=0
8)バックライト値算出
Wbsg
=max(Rtsg[1],Gtsg[1],Btsg[1],Wtsg[1]/WR)=max(56,128,0,56/1.25)
=max(56,128,0,45)=128
すなわち、彩度・輝度低減処理を行う場合のバックライト値は、128である。以上のように、第1の算出例では、彩度・輝度低減処理により、輝度はそのままで彩度のみの低減により、バックライト値を239から128に低減できることが分かる(約46%の低減)。
【0175】
次に、上記第1の算出例において、BlLowRatio=0.75に変更した場合のバックライト値の算出例を示す(第2の算出例)。すなわち、以下の説明では、MAX=255,γ=2,WR=1.25,BlLowRatio=0.75,judgeTol=1,alphaTol=10−7に設定されている。
【0176】
まず、彩度・輝度低減処理を行わない場合のバックライト値の算出は、第1の算出例の場合と同様であり、この時のバックライト値は239になる。
【0177】
一方、彩度・輝度低減処理を行った場合のバックライト値は以下のように算出される。
1)バックライト上限値算出
MAXw=MAX×BlRatio=255×(1−0.75)=64
2)γ補正後のRGB信号の最大・最小値算出
maxRGBg=(maxRGB/MAX)γ×MAX
=(255/255)×255=255
minRGBg=(minRGB/MAX)γ×MAX
=(63/255)×255=16
3)彩度・輝度低減率算出
先ず、
max(maxRGBg/(1+WR),maxRGBg−minRGBg)
=max(255/(1+1.25),255−16)
=max(113,239)=239
より、注目画素は(4)式を満たす。このため、(5)式を満たすαを二分探索法で算出する。
【0178】
次に、入力画素値に対応する輝度Y[1]が以下のように求められる。
【0179】
Y[1]=(2×R[1]+5×G[1]+B[1])/8
=(2×159+5×255+63)/8=207
本算出例でも、図13のフローにおけるS102〜S107のステップが、S106の判定条件を満たしてループを抜けるまで繰り返される。このフローによって算出されるlow,high,α,judgeSiの値の変化は、以下の表2に示すようなものとなる。
【0180】
【表2】

【0181】
表2において、最終的なαの値は、
α=−0.078125
と算出される。
4)彩度・輝度低減後入力RGB信号算出
彩度・輝度低減率αが算出されると、彩度・輝度低減後入力RGB信号は、(9)〜(11)式を用いて以下のように算出される。
【0182】
Rs[1]=max(α,0)×R[1]+(1−|α|)×Y[1]
=(1+α)×Y[1]=(1−0.078125)×207=191
Gs[1]=max(α,0)×G[1]+(1−|α|)×Y[1]
=(1+α)×Y[1]=(1−0.078125)×207=191
Bs[1]=max(α,0)×B[1]+(1−|α|)×Y[1]
=(1+α)×Y[1]=(1−0.078125)×207=191
5)γ補正
Rsg[1]=(Rs[1]/MAX)γ×MAX
=(191/255)×255=143
Gsg[1]=(Gs[1]/MAX)γ×MAX
=(191/255)×255=143
Bsg[1]=(Bs[1]/MAX)γ×MAX
=(191/255)×255=143
6)W透過量算出
Wtsg[1]
=min(maxRGBsg/(1+1/WR),minRGBsg)
=min(143/(1+1/1.25),143)
=min(79,143)=79
7)RGB透過量算出
Rtsg[1]=Rsg[1]−Wtsg[1]/WR=143−79=64
Gtsg[1]=Gsg[1]−Wtsg[1]/WR=143−79=64
Btsg[1]=Bsg[1]−Wtsg[1]/WR=143−79=64
8)バックライト値算出
Wbsg
=max(Rtsg[1],Gtsg[1],Btsg[1],Wtsg[1]/WR)=max(64,64,64,79/1.25)
=max(64,64,64,63)=64
すなわち、彩度・輝度低減処理を行う場合のバックライト値は、64である。以上のように、第2の算出例では、彩度・輝度低減処理により、彩度及び若干の輝度の低減により、バックライト値を239から64に低減できることが分かる(約73%の低減)。
【0183】
次に、1画素で構成される画像が入力された場合で、入力画像の画素値(R[1],G[1],B[1])=(159,187,85)である場合を例示する(第3の算出例)。尚、第3の算出例では、各パラメータは、上記第1の算出例と同様とする。
【0184】
まず、彩度・輝度低減処理を行わない場合のバックライト値は、以下のように算出される。
1)γ補正(Rg[1],Gg[1],Bg[1])
Rg[1]=(R[1]/MAX)γ×MAX=(159/255)×255
=99
Gg[1]=(G[1]/MAX)γ×MAX=(187/255)×255
=137
Bg[1]=(B[1]/MAX)γ×MAX=(85/255)×255
=28
2)W透過量算出(Wtg[1])
Wtg[1]=min(maxRGBg/(1+1/WR),minRGBg)
=min(137/(1+1/1.25),28)
=min(76,28)=28
3)RGB透過量算出(Rtg[1],Gtg[1],Btg[1])
Rtg[1]=Rg[1]−Wtg[1]=99−28=71
Gtg[1]=Gg[1]−Wtg[1]=137−28=109
Btg[1]=Bg[1]−Wtg[1]=28−28=0
4)バックライト値算出(Wbg)
Wbg
=max(Rtg[1],Gtg[1],Btg[1],Wtg[1]/WR)
=max(71,109,0,28/1.25)
=max(71,109,0,22)=109
よって、この場合のバックライト値は109になる。
【0185】
一方、彩度・輝度低減処理を行った場合のバックライト値は以下のように算出される。
1)バックライト上限値算出
MAXw=MAX×BlRatio=255×(1−0.5)=128
2)γ補正後のRGB信号の最大・最小値算出
maxRGBg=(maxRGB/MAX)γ×MAX
=(187/255)×255=137
minRGBg=(minRGB/MAX)γ×MAX
=(85/255)×255=28
3)彩度・輝度低減率算出
先ず、
max(maxRGBg/(1+WR),maxRGBg−minRGBg)
=max(137/(1+1.25),137−28)
=max(61,109)=109
より、注目画素は(4)式を満たさない。このため、(6)式よりα=1とされる。
4)彩度・輝度低減後入力RGB信号算出
α=1の場合、(9)乃至(11)式より、彩度・輝度低減前後のRGB値は同じになるので、結果的に彩度・輝度低減が行われない。よって、この時のバックライト値は、彩度・輝度低減処理を行わないときと同じく109になる。
【0186】
〔実施の形態4〕
本実施の形態4は、実施の形態2の第2彩度・輝度低減率算出部33における彩度・輝度低減率αの近似的な算出手段の例であり、実施の形態3に対しては入力画像内の全ての画素に対して彩度・輝度低減処理を通すように変更を加えたものである。尚、実施の形態2および3と同一の処理部に対しては、実施の形態2および3と同じ番号を付けると共に、詳細説明を省略する。
【0187】
図14は、本実施の形態4にかかる液晶表示装置において彩度・輝度低減部11の別の構成を示す図である。図14に示す彩度・輝度低減部11は、実施の形態2における彩度・輝度低減部11(図10参照)の第2彩度・輝度低減率算出部33を、第4彩度・輝度低減率算出部103に置き換えたものである。
【0188】
第4彩度・輝度低減率算出部103は、入力RGB信号、γ係数、バックライト上限値、及び白色輝度比から、二分探索法により彩度・輝度低減率αを算出し、出力する。
【0189】
図15は、第4彩度・輝度低減率算出部103の動作を説明するフローチャートである。
【0190】
まず、S101では、 (13)および(14)式を用いて、二分探索用彩度・輝度低減率下限値low及び上限値highを、それぞれ−1及び1に設定する。
【0191】
次に、S102〜S107の処理が、low+alphaTol≦highの間、繰り返される。また、S102〜S107の処理は、ある決められた一定回数だけ繰り返されても良い。
【0192】
S102では、(15)式を用いて、現時点でのαを算出する。次に、S103では、(16)式を用いて、α算出判定値(judgeSi)を算出する。
【0193】
次に、S104において、judgeSiが−judgeTolより小さければ、現時点でのαが所望の値より小さいことになるため、(17)式を用いて、lowを現時点でのαに更新する(S105)。また、S104において、judgeSiが−judgeTolより小さくなければ、S106に進む。
【0194】
次に、S106において、judgeSiがjudgeTolより大きければ、現時点でのαが所望の値より大きいことになるため、(18)式を用いて、highを現時点でのαに更新する(S107)。また、S106において、judgeSiがjudgeTolより大きくなければ、現時点でのαが所望のαになっていると判断し、ループを抜けて処理を終了する。
【0195】
また、S106の判定条件でNoにならず、かつループ処理を終了した場合は、その時点でのαを所望のαとする。
【0196】
以下に、本実施の形態4にかかるバックライト値の算出例を示す。ここでは、説明を簡単にするために、1画素で構成される画像が入力された場合で、入力画像の画素値(R[1],G[1],B[1])=(159,255,63)である場合を例示する(第1の算出例)。尚、以下の説明では、MAX=255,γ=2,WR=1.25,BlLowRatio=0.5,judgeTol=1,alphaTol=10−7に設定されているものとする。
【0197】
まず、彩度・輝度低減処理を行わない場合のバックライト値算出過程は、実施の形態3の第1の算出例の場合と同様であり、この時のバックライト値は239になる。
【0198】
さらに、彩度・輝度低減処理を行った場合のバックライト値算出過程も、(4)式による判定処理を除いて、実施の形態3の第1の算出例の場合と同様であり、この時のバックライト値は128になる。
【0199】
すなわち、本算出例では、輝度はそのままで彩度のみの低減により、バックライト値を239から128に低減させることができる(約46%の低減)。
【0200】
次に、上記第1の算出例において、BlLowRatio=0.75に変更した場合のバックライト値の算出例を示す(第2の算出例)。すなわち、以下の説明では、MAX=255,γ=2,WR=1.25,BlLowRatio=0.75,judgeTol=1,alphaTol=10−7に設定されている。
【0201】
まず、彩度・輝度低減処理を行わない場合のバックライト値算出過程は、実施の形態3の第1の算出例の場合と同様であり、この時のバックライト値は239になる。
【0202】
さらに、彩度・輝度低減処理を行った場合のバックライト値算出過程も、(4)式による判定処理を除いて、実施の形態3の第2の算出例の場合と同様であり、この時のバックライト値は64になる。
【0203】
すなわち、本算出例では、彩度及び若干の輝度の低減により、バックライト値を239から64に低減させることができる(約73%の低減)。
【0204】
次に、1画素で構成される画像が入力された場合で、入力画像の画素値(R[1],G[1],B[1])=(159,187,85)である場合を例示する(第3の算出例)。尚、第3の算出例では、各パラメータは、上記第1の算出例と同様とする。
【0205】
まず、彩度・輝度低減処理を行わない場合のバックライト値算出過程は、実施の形態3の第3の算出例の場合と同様であり、この時のバックライト値は109になる。
【0206】
一方、彩度・輝度低減処理を行った場合のバックライト値は以下のように算出される。
1)バックライト上限値算出
MAXw=MAX×BlRatio=255×(1−0.5)=128
2)彩度・輝度低減率算出
まず、入力画素値に対応する輝度Y[1]が以下のように求められる。
【0207】
Y[1]=(2×R[1]+5×G[1]+B[1])/8
=(2×159+5×187+85)/8=167
本算出例では、図15のフローによって算出されるlow,high,α,judgeSiの値の変化は、以下の表3に示すようなものとなる。尚、本算出例のフローでは、S106の判定条件がNoになる前に、ループ条件low+alphaTol≦highを満たさなくなったため、処理を終了している。
【0208】
【表3】

【0209】
表3において、最終的なαの値は、
α=0.99999994≒1
と算出される。
3)彩度・輝度低減後入力RGB信号算出
α=1の場合、(9)乃至(11)式より、彩度・輝度低減前後のRGB値は同じになるので、結果的に彩度・輝度低減が行われない。よって、この時のバックライト値は、彩度・輝度低減処理を行わないときと同じく109になる。
【0210】
本液晶表示装置において、バックライト17は、基本的には複数の画素に対して1つ設けられる。このため、例えば図1に示す液晶表示装置は、液晶パネル15の表示画面全体に対して一つの白色バックライト17を対応させた構成を例示している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、液晶パネル15の表示画面を複数の領域に分割し、各領域毎にバックライト輝度調整が可能となるように、複数のバックライトを備えた構成としても良い。
【0211】
図16は、1枚の表示領域に対し2つの白色バックライトを持つ例を示したものであるが、バックライトの数は限定されない。
【0212】
図16に示す液晶表示装置は、彩度・輝度低減部11、γ補正部12、入力信号分割部151、出力信号生成部13aおよび13b、液晶パネル制御部14aおよび14b、液晶パネル15、バックライト制御部16aおよび16b、および白色バックライト17aおよび17bを備えて構成されている。
【0213】
入力信号分割部151は、γ補正部12から入力される1画面分のγ補正後RGB信号を2つのエリア分の信号に振り分け、それぞれのエリアの入力RGB信号を出力信号生成部13aおよび13bに入力する。出力信号生成部13aおよび13bは、対応する各エリアに対して、図1における出力信号生成部13と同等の処理を行う。
【0214】
液晶パネル制御部14aおよび14bは、対応する各エリアに対して、図1における液晶パネル制御部14と同等の処理を行うが、各制御部は、液晶パネル15の対応するエリアに相当する位置の画素透過率を制御する。
【0215】
バックライト制御部16aおよび16bは、対応する各エリアに対して、図1におけるバックライト制御部16と同等の処理を行う。白色バックライト17aおよび17bは、それぞれバックライト17と同じ構造であるが、各バックライトは、それぞれ対応するエリアを照明する。
【0216】
このように、1画面を複数のエリアに分割し、エリア単位で制御を行うことで、更にバックライト値を下げることができる。尚、本実施の形態では、1画面を2つのエリアに分割しているが、3つ以上のエリアに分割して制御することも可能である。
【0217】
一般的な画像においては、近傍領域に似たような色が連続する性質がある。このため、図16に示す構成のように、バックライト領域を分割することにより、暗い画素が集まったバックライト領域のバックライトはより暗くできる。その結果、バックライトを分割しない時より、バックライトを分割した方が、全体のバックライト消費電力を下げることができる。
【0218】
また、彩度・輝度低減部11、γ補正部12、および出力信号生成部13の処理は、これをパソコン上で動作可能なソフトウェアで実現することが可能である。以下に、上記処理をソフトウェアで実現する場合の手順を説明する。
【0219】
図17は、上記処理をソフトウェアで実現する場合のシステム構成を示す図である。上記システムは、パソコン本体161、入出力装置165で構成されている。また、パソコン本体161は、CPU162、メモリ163、入出力インタフェース164を備えている。入出力装置165は、記憶媒体166を備えている。
【0220】
まずCPU162は、入出力インタフェース164を介して、入出力装置165を制御し、記憶媒体166から彩度・輝度低減、γ補正、出力信号生成の各プログラム、パラメータファイル(入力RGB信号の上限値、バックライト値低減率、γ係数、及び白色輝度比や、1画面を複数エリアに分割する際に用いるエリア情報など)、及び入力画像データを読み込んで、メモリ163に格納する。
【0221】
さらに、CPU162は、メモリ163からプログラム、パラメータファイル、及び入力画像データを読み取り、メモリ163からプログラムの各命令に従って、入力された入力画像データに対して、彩度・輝度低減、γ補正、及び出力信号生成処理を行った後、入出力インタフェース164を介して、入出力装置165を制御し、出力信号生成後のバックライト値、及びRGBW透過率を記憶媒体166に出力する。
【0222】
あるいは、図18のように、入出力インタフェース164を介して、出力信号生成後のバックライト値、及びRGBW透過率を、それぞれ、バックライト制御部16、液晶パネル制御部14に出力することで、白色バックライト17、及び液晶パネル15を制御して、実際に画像を表示させることもできる。
【0223】
このように、上記システムでは、パソコン上で上述した彩度・輝度低減、γ補正、及び出力信号生成を行うことができる。これにより、実際に彩度・輝度低減部や出力信号生成部を試作する前に、彩度・輝度低減方法や出力信号生成方法の妥当性や、バックライト値低減の効果を確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0224】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、実施の形態1に示す液晶表示装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a),(b)は、上記透過型液晶表示装置におけるサブピクセルの配置例を示す図である。
【図3】図3(a)は本液晶表示装置におけるバックライト輝度値の求め方を示す図であり、図3(b)は、比較のために特許文献1におけるバックライト輝度値の求め方を示した図である。
【図4】図4(a)は本液晶表示装置におけるバックライト輝度値の求め方を示す図であり、図4(b)は、比較のために特許文献1におけるバックライト輝度値の求め方を示した図である。
【図5】図5(a)〜(e)は、上記液晶表示装置におけるバックライト輝度値およびサブピクセル透過率の決定手順を示す図である。
【図6】上記液晶表示装置において、実施の形態1における彩度・輝度低減部の構成例を示すブロック図である。
【図7】図6の彩度・輝度低減部の動作手順を示すフローチャートである。
【図8】上記液晶表示装置において、出力信号生成部の構成例を示すブロック図である。
【図9】上記出力信号生成部の動作手順を示すフローチャートである。
【図10】上記液晶表示装置において、実施の形態2における彩度・輝度低減部の構成例を示すブロック図である。
【図11】図10の彩度・輝度低減部の動作手順を示すフローチャートである。
【図12】上記液晶表示装置において、実施の形態3における彩度・輝度低減部の構成例を示すブロック図である。
【図13】図12の彩度・輝度低減部の動作手順を示すフローチャートである。
【図14】上記液晶表示装置において、実施の形態4における彩度・輝度低減部の構成例を示すブロック図である。
【図15】図14の彩度・輝度低減部の動作手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の他の実施形態を示すものであり、液晶表示装置の要部構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の表示制御処理をソフトウェアで実現する場合のシステム構成を示す図である。
【図18】本発明の表示制御処理をソフトウェアで実現する場合のシステム構成の変形例を示す図である。
【図19】透過型液晶表示装置の一般的な構成を示す断面図である。
【図20】透過型液晶表示装置におけるサブピクセルの一般的な配置例を示す図である。
【符号の説明】
【0225】
11 彩度・輝度低減部
12 γ補正部
13,13a,13b 出力信号生成部
14,14a,14b 液晶パネル制御部
15 RGBW液晶パネル
16,16a,16b バックライト制御部
17,17a,17b 白色バックライト
21 バックライト上限値算出部
22 γ補正後RGB信号最大・最小値算出部
23 第1彩度・輝度低減率算出部
25 彩度・輝度低減後RGB信号算出部
33 第2彩度・輝度低減率算出部
41 W透過量算出部
42 RGB透過量算出部
43 バックライト値算出部
44 透過率算出部
93 第3彩度・輝度低減率算出部
103 第4彩度・輝度低減率算出部
151 入力信号分割部
161 パソコン本体
162 CPU
163 メモリ
164 入出力インタフェース
165 入出力装置
166 記憶媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1画素が、赤(R)、緑(G)、青(B)、および白(W)の4サブピクセルに分割されている液晶パネルと、
発光輝度を制御可能な白色アクティブバックライトと、
輝度及び色相を保持したまま彩度のみを低減する処理、あるいは、彩度を0に低減し、かつ輝度を低減する処理のいずれか一方の処理を、入力画像である入力RGB信号内の個々のRGB信号値に対し選択的に実施することで、入力RGB信号を彩度・輝度低減後RGB信号に変換する彩度・輝度低減部と、
上記彩度・輝度低減後RGB信号に対してγ補正を行い、γ補正後RGB信号に変換するγ補正部と、
上記γ補正後RGB信号から、上記液晶パネルの各画素におけるR,G,B,Wの各サブピクセルの透過率信号を生成するとともに、上記アクティブバックライトにおけるバックライト値を算出する出力信号生成部と、
上記出力信号生成部で生成された上記透過率信号をもとに液晶パネルを駆動制御する液晶パネル制御部と、
上記出力信号生成部で算出されたバックライト値に基づき、上記アクティブバックライトの発光輝度を制御するバックライト制御部とを備えていることを特徴とする透過型液晶表示装置。
【請求項2】
上記彩度・輝度低減部は、上記アクティブバックライトにおけるバックライト値の低減度合を示すバックライト値低減率を指定することで、上記出力信号生成部において上記バックライト値低減率に応じたバックライト値以下になることが保証されるように、上記彩度・輝度低減後RGB信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の透過型液晶表示装置。
【請求項3】
上記彩度・輝度低減部および出力信号生成部は、
RGBWサブピクセルにおいて、各RGBWサブピクセルそれぞれの透過率を同じ値にした時のRGBサブピクセルから出力される輝度に対し、Wサブピクセルから出力される輝度が何倍明るいかを示す値を白色輝度比WRとし、この白色輝度比WRを考慮した彩度・輝度低減処理および出力信号生成処理を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の透過型液晶表示装置。
【請求項4】
上記彩度・輝度低減部は、
上記彩度・輝度低減処理を以下の(A)〜(D)の手順によって行い、入力RGB信号(R[i],G[i],B[i])を彩度・輝度低減後RGB信号(Rs[i],Gs[i],Bs[i])に変換することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の透過型液晶表示装置。
(A) バックライト上限値MAXwを、(1)式を用いて算出する。
MAXw=MAX×BlRatio …(1)
ただし、
MAX:彩度・輝度低減処理を行わない場合のバックライト値の上限値
(≧入力RGB信号の全てのRGB値の最大値)
BlRatio:バックライト値設定率(=1−BlLowRatio)
BlLowRatio:バックライト値低減率(0≦BlLowRatio≦1)
以下の(B)〜(D)の処理を、入力画像内の画素数だけ繰り返す。
(B) γ補正後のRGB信号の最大値maxRGBgおよび最小値minRGBgを、(2)および(3)式を用いて算出する。
maxRGBg=max(Rg[i],Gg[i],Bg[i])
=fg(maxRGB,γ) …(2)
minRGBg=min(Rg[i],Gg[i],Bg[i])
=fg(minRGB,γ) …(3)
ただし、
Rg[i],Gg[i],Bg[i]:γ補正後のRGB信号
max(A,B,…):A,B,…の最大値
min(A,B,…):A,B,…の最小値
maxRGB:入力RGB信号の最大値
(=max(R[i],G[i],B[i]))
minRGB:入力RGB信号の最小値
(=min(R[i],G[i],B[i]))
γ:γ係数(>0)
fg(x,g):γ補正関数
(C) 以下の手順で彩度・輝度低減率αを算出する。
以下の(4)式が満たされる場合は、以下の(5)式を満たすαを算出する。
MAXw<max(maxRGBg/(1+WR),
maxRGBg−minRGBg) …(4)
max(maxRGBsg/(1+WR),maxRGBsg−minRGBsg)
−MAXw=0 …(5)
(4)式が満たされない場合は、
α=1 …(6)
に設定する。
ただし、
maxRGBsg=max(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])
=fg(max(Rs[i],Gs[i],Bs[i]),γ)
=fg(max(α,0)×maxRGB+(1−|α|)×Y[i],γ)
minRGBsg=min(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])
=fg(min(Rs[i],Gs[i],Bs[i]),γ)
=fg(max(α,0)×minRGB+(1−|α|)×Y[i],γ)
(D) 彩度・輝度低減後RGB信号(Rs[i],Gs[i],Bs[i])を(9)〜(11)式により算出する。
Rs[i]=max(α,0)×R[i]+(1−|α|)×Y[i] …(9)
Gs[i]=max(α,0)×G[i]+(1−|α|)×Y[i] …(10)
Bs[i]=max(α,0)×B[i]+(1−|α|)×Y[i] …(11)
ただし、
Y[i]:入力RGB信号(R[i],G[i],B[i])の輝度
【請求項5】
上記彩度・輝度低減部は、
上記彩度・輝度低減処理を以下の(A)〜(C)の手順によって行い、入力RGB信号(R[i],G[i],B[i])を彩度・輝度低減後RGB信号(Rs[i],Gs[i],Bs[i])に変換することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の透過型液晶表示装置。
(A) バックライト上限値MAXwを、(1)式を用いて算出する。
MAXw=MAX×BlRatio …(1)
ただし、
MAX:彩度・輝度低減処理を行わない場合のバックライト値の上限値
(≧入力RGB信号の全てのRGB値の最大値)
BlRatio:バックライト値設定率(=1−BlLowRatio)
BlLowRatio:バックライト値低減率(0≦BlLowRatio≦1)
以下の(B)〜(C)の処理を、入力画像内の画素数だけ繰り返す。
(B) (12)式を満たすαの中で、(5)式の左辺の絶対値が最も小さくなるαを算出する。
−1≦α≦1 …(12)
max(maxRGBsg/(1+WR),maxRGBsg−minRGBsg)
−MAXw=0 …(5)
ただし、
maxRGBsg=max(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])
=fg(max(Rs[i],Gs[i],Bs[i]),γ)
=fg(max(α,0)×maxRGB+(1−|α|)×Y[i],γ)
minRGBsg=min(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])
=fg(min(Rs[i],Gs[i],Bs[i]),γ)
=fg(max(α,0)×minRGB+(1−|α|)×Y[i],γ)
(C) 彩度・輝度低減後RGB信号(Rs[i],Gs[i],Bs[i])を(9)〜(11)式により算出する。
Rs[i]=max(α,0)×R[i]+(1−|α|)×Y[i] …(9)
Gs[i]=max(α,0)×G[i]+(1−|α|)×Y[i] …(10)
Bs[i]=max(α,0)×B[i]+(1−|α|)×Y[i] …(11)
ただし、
Y[i]:入力RGB信号(R[i],G[i],B[i])の輝度
【請求項6】
上記彩度・輝度低減部は、(4)式を満たす画素に対して、以下の(A)〜(E)の手順によって彩度・輝度低減率αを算出することを特徴とする請求項4に記載の透過型液晶表示装置。
(A) 二分探索用彩度・輝度低減率下限値low及び二分探索用彩度・輝度低減率上限値highを、low=−1およびhigh=1に初期化する。
low+alphaTol≦highの間、あるいは決められた回数だけ、以下の(B)〜(D)の手順を繰り返す。
ただし、
alphaTol:彩度・輝度低減率α算出ループ判定用閾値(>0)
(B) (15)式によって現時点でのαを算出する。
α=(low+high)/2 …(15)
(C) 次に、(16)式を用いて、α算出判定値(judgeSi)を算出する。
judgeSi
=max(maxRGBsg/(1+WR),maxRGBsg−minRGBsg)
−MAXw …(16)
(D) judgeSi<−judgeTolの場合、lowを現時点でのαに更新する。
judgeTol<judgeSiの場合、highを現時点でのαに更新する。
−judgeTol≦judgeSi≦judgeTolの場合は、αの算出を終了する。
(E) −judgeTol≦judgeSi≦judgeTolを満たすことなく、所定のループを終了した場合はエラーとする。
【請求項7】
上記彩度・輝度低減部は、以下の(A)〜(D)の手順によって彩度・輝度低減率αを算出することを特徴とする請求項5に記載の透過型液晶表示装置。
(A) 二分探索用彩度・輝度低減率下限値low及び二分探索用彩度・輝度低減率上限値highを、low=−1およびhigh=1に初期化する。
low+alphaTol≦highの間、あるいは決められた回数だけ、以下の(B)〜(D)の手順を繰り返す。
ただし、
alphaTol:彩度・輝度低減率α算出ループ判定用閾値(>0)
(B) (15)式によって現時点でのαを算出する。
α=(low+high)/2 …(15)
(C) 次に、(16)式を用いて、α算出判定値(judgeSi)を算出する。
judgeSi
=max(maxRGBsg/(1+WR),maxRGBsg−minRGBsg)
−MAXw …(16)
(D) judgeSi<−judgeTolの場合、lowを現時点でのαに更新する。
judgeTol<judgeSiの場合、highを現時点でのαに更新する。
−judgeTol≦judgeSi≦judgeTolの場合は、αの算出を終了する。
【請求項8】
上記出力信号生成手段は、
以下の(A)の手順を入力画像内の画素数だけ繰り返すことにより、各Wサブピクセルの透過量(Wtsg[i])を算出するW透過量算出部と、
以下の(B)の手順を入力画像内の画素数だけ繰り返すことにより、各RGBサブピクセルの透過量(Rtsg[i],Gtsg[i],Btsg[i])を算出するRGB透過量算出部と、
以下の(C)の手順により、バックライト値(Wbsg)を算出するバックライト値算出部と、
以下の(D)の手順を入力画像内の画素数だけ繰り返すにより、各RGBWサブピクセルの透過率(rsg[i],gsg[i],bsg[i],wsg[i])を算出する透過率算出手段とを備えていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の透過型液晶表示装置。
(A) W透過量(Wtsg[i])を、(19)式により算出する。
Wtsg[i]
=min(maxRGBsg/(1+1/WR),minRGBsg) …(19)
ただし、
maxRGBsg=max(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])
minRGBsg=min(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])
Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i]:γ補正後RGB信号
WR:白色輝度比(各RGBWサブピクセルそれぞれの透過率を同じ値にした時のRGBサブピクセルから出力される輝度に対し、Wサブピクセルから出力される輝度が何倍明るいかを示す値)
(B) RGB透過量(Rtsg[i],Gtsg[i],Btsg[i])を、(20)〜(22)式により算出する。
Rtsg[i]=Rsg[i]−Wtsg[i] …(20)
Gtsg[i]=Gsg[i]−Wtsg[i] …(21)
Btsg[i]=Bsg[i]−Wtsg[i] …(22)
(C) バックライト値Wbsgを、(23)式により算出する。
Wbsg=max(Rtsg[1],Gtsg[1],Btsg[1],
Wtsg[1]/WR,
...
Rtsg[Np],Gtsg[Np],Btsg[Np],
Wtsg[Np]/WR) …(23)
(D) RGBW透過率(rsg[i],gsg[i],bsg[i],wsg[i])を、(24)〜(27)式により算出する。
rsg[i]=Rtsg[i]/Wbsg …(24)
gsg[i]=Gtsg[i]/Wbsg …(25)
bsg[i]=Btsg[i]/Wbsg …(26)
wsg[i]=(Wtsg[i]/Wbsg)/WR …(27)
ただし、Wbsg=0のとき、
rsg[i]=gsg[i]=bsg[i]=wsg[i]=0とする。
【請求項9】
上記液晶パネルに対して複数のアクティブバックライトを備え、
各アクティブバックライトに対応する領域毎に、液晶パネルの透過率制御およびバックライトのバックライト値制御を行うことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の透過型液晶表示装置。
【請求項10】
コンピュータに、上記請求項4から9の何れかに記載の各機能部の処理を行わせることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2009−210924(P2009−210924A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55334(P2008−55334)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】