説明

透過性放射線測定

本発明では、生物組織サンプルに対する透過性放射線測定用の機器であって、組織サンプルロケータ、透過性放射線の線源、使用の際に、前記線源からの放射線を、前記組織サンプルロケータに誘導されたビームとして誘導するコリメータ、および前記サンプルからの放射線を検出する、少なくとも2つの検出器、を有し、前記少なくとも2つの検出器は、それぞれ異なる角度で、前記サンプルからの放射線を検出するように配置されることを特徴とする機器について示した。また、本発明では、生物組織サンプルに対する透過性放射線測定用の類似の機器について示した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過性放射線(例えばX線)測定を行うための機器および方法に関する。特に、この機器は、生体外用途に適している。本発明は、必ずしも生物組織の特徴化に限定する必要はないが、例えば、正常な(例えば健康な)または異常な(疾患のある)組織の特徴化に特に使用される。この機器は、乳ガンを含むガンの診断および処置の際に有益である。
【背景技術】
【0002】
疑わしいまたは明白な乳ガンを処置するため、生検標本の形で、患者から組織が切除され、組織病理学者によって、この組織が専門的に解析される。この情報から、患者に対する疾患処置プログラムが得られる。解析には、組織サンプルの慎重な調製が必要であり、その後、この組織サンプルは、顕微鏡によって、腫瘍寸法、種類および悪性度のような予後パラメータについて解析される。組織の分類の中で重要なパラメータは、サンプル内に含まれる構成成分の量である。組織の判断は、観察者内および観察者相互間での誤差が生じやすいプロセスであり、組織の判断には、専門的な知識が要求され、この知識は、組織サンプルの定性的な分析に基づく何年もの修練によってのみ会得される。
【0003】
組織病理学的分析は相対値であるにも関わらず、個々のケースにおいて、腫瘍の挙動を予測する際に、不明確性が残る。追加の技術は、現在使用されている技術に比べて、幅広く組織特性を微調整することができる可能性があり、これにより患者に対して目指すべき処置が改善される。
【0004】
この分野における既存の研究では、X線蛍光(XRF)技術を用いて、乳房細胞の微量元素成分の研究が行われ、乳ガンは、微量元素の変化を伴い、そのような測定は、組織の等級化に寄与することが示されている。また、X線回折効果は、ある種類の組織を識別する有効な手段として使用し得ることが示されている。さらに、そのような回折効果によって、組織成分内の微小な差異を検出する際に、安定に解析を行うことができ、この解析は、組織の定量的な特徴化に結びつけることが可能であることが示されている。
【0005】
我々は、同時係属のPCT特許出願PCT/GB04/005185号で、生物組織サンプルを特徴化するための方法を示した。これによれば、組織の特徴は、多変量モデルを用いてモデル化される。モデルへの入力には、測定された多様な組織特性を含めることができ、これには、例えばX線蛍光(XRF)、エネルギーまたは角度分散X線回折(EDXRD)、広角X線散乱(WAXS)、小角X線分散(SAXS)、超低角X線散乱(ULAX)、コンプトン散乱および直線減衰(透過)の各測定結果が含まれる。
【0006】
これらの多重測定結果を、組織サンプルから好適に採取するために使用し得る機器に対する要望がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の全般的な目的は、生物組織サンプルから、複数の異なる測定結果を採取することが可能な、透過性放射線(例えばX線)測定用の機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下の説明において、「垂直」、「縦」および「横」と言う用語ならびにこれに関連する用語は、機器の素子の相互に対する配向を定める際の理解を助け容易にするために使用されており、空間内での絶対的な配向を定めるために使用されているものではない。「垂直」は、放射線の入射ビームに対して、略平行であることを意味する場合に使用される。「縦」および「横」は、相互に直交し、垂直(ビーム)軸に対して直交する軸を表す。
【0009】
本発明の第1の態様では、生物組織サンプルに対する透過性放射線測定用の機器であって、
組織サンプルロケータ、
透過性放射線の線源、
前記線源からの放射線を、前記組織サンプルロケータに誘導されたビームとして誘導するコリメータ、および
前記サンプルからの放射線を検出する、少なくとも2つの検出器、
を有し、
前記少なくとも2つの検出器は、それぞれ異なる角度で、前記サンプルからの放射線を検出するように配置されることを特徴とする機器が提供される。
【0010】
本発明の第2の態様では、生物組織サンプルに対する透過性放射線測定用の機器であって、
組織サンプルロケータ、
透過性放射線の線源、
前記線源からの放射線を、前記組織サンプルロケータに誘導されたビームとして誘導するコリメータ、および
前記サンプルからの放射線を検出する、少なくとも1つの検出器、
を有し、
前記検出器は、少なくとも2通りの配置で配置することができ、それぞれ異なる角度で前記サンプルからの放射線を検出するように適合されていることを特徴とする請求項1に記載の機器が提供される。
【0011】
本発明の第3の態様では、生物組織サンプルに対する透過性放射線測定用の機器であって、
組織サンプルロケータ、
透過性放射線の線源、
前記線源からの放射線を、前記組織サンプルロケータに誘導されたビームとして誘導するコリメータ、および
前記サンプルからの放射線を検出する、少なくとも2つの検出器、
を有し、
前記少なくとも2つの検出器は、サンプルと透過性放射線との、異なる形態の相互作用を検出するように適合されていることを特徴とする機器が提供される。
【0012】
前記異なる形態の相互作用には、例えば、X線蛍光(XRF)、エネルギーまたは角度分散X線回折(EDXRD)、広角X線散乱(WAXS)、小角X線散乱(SAXS)、超低角X線散乱(ULAX)、コンプトン散乱および直線減衰(透過)の各測定結果が含まれても良い。
【0013】
本発明の各種態様のいくつかの実施例では、機器は、さらに、組織サンプルロケータによって配置されたサンプルに、ビームを走査する手段を有する。この場合、検出器は、ビームに対して可動であることが好ましい。
【0014】
本発明の好適実施例では、生物組織サンプルは、人間または動物の器官の生体組織を有する。生体組織サンプルは、外科的操作手順または獣医的操作手順によって取得しても良い。あるいは、生物組織サンプルは、培養細胞または細胞株によって取得しても良い。これらの培養細胞または細胞株は、ペトリ皿等の中で、成長、繁殖または育成させても良い。
【0015】
使用される適当な検出器は、いかなる数であっても良く、これには、例えばCCDアレーまたは大面積アモルファスシリコンもしくはセレン検出器が含まれる。
【0016】
本発明の各種態様、特に本発明の第2の態様の実施例に関しては、位置が可変の1または2以上の検出器が提供され、検出され得る散乱放射線の角度を変化させることができる。また、この位置可変性は、異なる用途のため、検出器を調整する際に有益である。
【0017】
例えば、入射放射線に対する検出器または対応するコリメータの角度は、調整することができる。広角散乱測定の場合でも、角度の変更は、最大数度であることが多く、検出器の角度は、公称角度の少なくとも数分の範囲内で正確に設定できることが望まれている。可動式検出器またはコリメータの角度位置は、高精度マイクロアクチュエータによって制御されることが好ましい。好適なアクチュエータの一例には、圧電アクチュエータ、微小動作ウォームドライブ、電磁アクチュエータおよび水(油)圧アクチュエータが含まれる。
【0018】
また、しばしば、入射放射線ビームに対する検出器および/または対応するコリメータの角度が、変更可能であることが重要な場合がある。従って、ある好適実施例では、入射放射線ビームおよび検出器の照準ミスを同定するために使用される、参照ビームまたは信号が提供される。これは、例えば温度の影響を補正する際に必要となる。
【0019】
位置が可変の検出器の別の例は、実質的に入射ビームの透過軸の直線に沿って配置されるものである。検出器は、測定が行われた位置から、サンプルに近づくように動かされるため、(入射放射線ビームの横方向における)所与の検出器範囲で、検出され得る散乱放射線の角度が増大する。
【0020】
そのような位置が可変の検出器は、最小限の検出器数で、複数の測定結果を得るための好適な方法を提供するが、これらの検出器では、測定結果取得時間が長くなる。一つの測定を実施した後、検出器を再配置して、その後別の測定を行う必要があるためである。
【0021】
従って、取得速度が重要である場合、通常は、測定を同時に行うため、複数の検出器を利用することが好ましい。この場合、複数の検出器の配置は、相互の作動性に干渉することなく、それらの検出器の全てが作動可能な位置に置かれるように選択されることが好ましい。
【0022】
好適な配置には、入射放射線ビームの方向に対して、サンプルの上側、下側または側面側の、横方向または同心円状の配列が含まれる。コンプトン散乱およびXRFを含む測定用の検出器は、サンプルの上部に(すなわち、入射放射線ビームをサンプルの方に誘導する側に)設置され、これらの測定と同様に、「後方散乱」を検出することが好ましい。
【0023】
ある場合には、いずれかの特定の測定結果を得るため、2以上の検出器を使用することが望ましい場合がある。例えば、通常XRF測定では、前述の他の測定種に比べて、測定時間が長くなるが、その時間は、複数のXRF検出器を使用することにより、低減することができる。
【0024】
例えば同時係属中のPCT特許出願第PCT/GB04/005185号に示されているように、これらの測定は、組織サンプルを解析および/または特徴化する多変量モデルへの入力として、組み合わせて使用されることが有意である。
【0025】
また、本発明では、前述のおよび以下に示す機器とシステムを操作するための方法ならびに制御するためのソフトウェアが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
一例としての添付図面を参照して、本発明の実施例を以下に示す。
【0027】
図1には、組織サンプル(例えば、生検から得られた乳房組織サンプル)の生体外照射に適した機器を示す。この機器は、透過性放射線(この例ではX線)ビーム源2を有し、このビーム源は、X線放射線のビームを被検査組織サンプル4の上に誘導する。一連の検出器6、8、10、12、14は、サンプル4の上部および下部に配置され、透過したX線と散乱したX線の両方の放射線を検出する。
【0028】
使用時には、ビーム源および検出器配置は、矢印Sで示すように、組織サンプルの全長にわたって走査されるが、サンプルは、静止状態のまま維持される。
【0029】
入射ビームは、サンプルの全幅にわたって十分に延伸することが可能な幅(図1に示すように、紙面に入る方向)を有するスリット型ビームであっても良い。あるいは、ビームは、より狭小であっても良く(例えば、ペンシル型ビーム)、この場合、縦方向での各ステップで、横方向にわたってサンプル全体に走査される。
【0030】
図1に示された検出器配置を詳細に眺めると、サンプル4の下方には、散乱放射線16、18を検出するように配置された2組の検出器8、10と、透過性放射線14を検出するための単一の検出器6とが存在することがわかる。検出器8は、超低角度(約1度)の散乱を検出するためのものである。検出器10は、より広角側の散乱(本例では、約5乃至8度)を検出するためのものである。
【0031】
サンプルの上部には、広角度(約120度以上)でのコンプトン散乱を検出する検出器12と、XRF検出器14とが存在する。
【0032】
この実施例では、広角散乱検出器10は、角度が可変となるように配置されており(矢印Aで示されている)、これらの検出器10を用いて、複数の選択角度で、散乱放射線を検出することができる。また、組み立て時に、角度が可変である特性を利用して、例えば温度変化のために補正が必要な検出器の角度に対して、いかなる微細な調整をして、機器の較正を行うことも可能である。
【0033】
検出器角度は、1または2以上のマイクロアクチュエータを用いて変化させることが好ましい。例えば、検出器組立体または対応する組立体は、概して、圧電駆動/位置合わせリグ(rig)/台(mount)に取り付けられ、その(角度)位置を残りの装置に対して調整することができる。
【0034】
較正用の微小動作の一例を挙げれば、組み立て時に、例えば「装置チェック」モードにおいて、微小調整機能を用いて、参照ビームもしくは信号に対するコリメータ組立体または検出器組立体の位置が変更される。これにより、コリメータ/検出器組立体の(重要な)角度およびアライメントを、標準基準に照合させることができる(例えば、温度の影響、装置がその周囲で可動か静止か、等を考慮して)。圧電システムを用いて、連続フィードバックシステムで、または(例えば)システム(発電機)を毎回もしくは一日に一回もしくは他のある規則的な周期で始動させることにより、その位置を変更したり制御したりすることができる。
【0035】
これに加えてあるいはこれに代えて、この微小動作は、(i)放射線源入射ビーム、または(ii)ビームに対する角度に対して、コリメータ配列または検出器を異なる角度に設定するために、使用することも可能である。(i)では、コリメータビームの設定角度は、入射ビームに対して「1次」の角度であると見なすことができる。(ii)では、コリメータビームの設定角度は、「2次」であると見なされる。この角度は、調査される「出力」角度に対して設定される(例えば、広角では6度であり、コンプトンの場合は、120度である等)ためである。
【0036】
例えば、臨床的な理由から、異なる検出器に対して、特定の角度または多くの異なる角度を選定する場合がある。圧電または他の微小動作制御を利用する場合、例えば広角検出器10の一つまたは両方(または、更なる検出器が提供される場合、より多く)は、同じ角度に設定されても、あるいはいかなる角度の組み合わせで設定されても良い。例えば、全てを同じ角度に設定する(例えば6度);一つ(または一組)をある角度(例えば6度)に設定し、他方を第2の角度(例えば7度)に設定する;または全てを異なる角度に設定する(例えば4つの検出器がある場合、それぞれ、5.5度、6度、6.5度7度とする);等である。
【0037】
例えば、極めて高感度で検査を行う場合、いくつかの好ましい検出器角度配置があるが(例えば、全ての検出器を同じ角度に設定して使用する)、他の検出器配置によって、組織の特徴の特異性を最大にすることができる場合がある(例えば、2、3またはそれ以上の角度)。
【0038】
一般に、走査中には、検出器角度を固定することが望ましい。ただし、走査中に、1または2以上の検出器の角度を変えることが有意である場合がある。例えば、(約)4つの広角検出器の配置では、標準的な態様で、全ての検出器がある角度(例えば6度)に設定されても良い。この標準的な態様での角度は、例えば、正常な組織と異常な組織の間の診断上の差異が最大となるように選定されても良い。
【0039】
ただし、組織サンプルの特定の領域に対して、組織が異常である可能性が高いと判断された場合、すぐにコリメータ/検出器の角度を再設定して、例えば異常な良性の組織と異常な悪性の組織の間の差異が最大となるようにすることが有意である。例えば、4つの検出器のうちの一つを同じ角度(例えば6度)のままにして、他の3つを3種類の異なる角度(例えば、それぞれ6.8度、7.0度および7.5度)に設定しても良い。
【0040】
図2には、別の検出器配置を示すが、この配置は、透過性放射線(例えばX線)の低角散乱および広角散乱の測定の際に使用することができる。図1のコンプトン散乱検出器とXRF検出器は、この図には示されていないが、これらを使用することも可能である。
【0041】
図2の機器では、低角と広角の両方の測定に、検出器20の単一の配列(例えば組)が使用される。検出器20の配列は、透過性放射線ビームの軸Xに沿って、サンプル4から離れた位置(実線と符号20で示されている)から、サンプル4に接近した位置(破線と符号20’で示されている)まで、直線的に動かすことができる。
【0042】
サンプルから離れた位置では、検出器20は、低角散乱16を検出するように配置される。検出器20がサンプルに接近した位置(20’)に移動した場合、これらの検出器は、広角散乱18を検出することができる。
【0043】
使用の際、測定は、一つの検出器位置20で行われ、その後、検出器が他の位置20’に移るため、サンプルを動かさずに、更なる測定組を実施することができる。
【0044】
図3および4には、低角および広角の散乱測定用の第3の検出器配置を示す。図1の例のように、低角および広角測定用の別個の検出器30、32がある。しかしながら、この場合、図4に示すように、検出器30、32は、環状である。低角検出器30は、広角検出器32の下方の内側に、同心円状に取り付けられている。同様に、透過性放射線測定用の検出器6は、低角検出器30の内側に、同心円状に設置されている。
【0045】
この検出器配置によって、図1の配置よりも広い検出器表面が提供される。
【0046】
図2の実施例で示したように、コンプトン散乱検出器およびXRF検出器は、図3には示されていないが、図1に示すように、サンプルの上部にこれらを設置することも有意である。
【0047】
例えば同時係属中のPCT特許出願第PCT/GB04/005185号に示されているように、図1、2および3の検出器配置を用いて得られる測定結果は、組織サンプルの解析および/または特徴化のための多変量モデルへの入力として、組み合わせて使用することができる点で有意である。
【0048】
前述の記載は、一例を示すためのものであって、本発明の範囲内で、特に記載された例に対して、各種変更、省略または追加を行うことが可能であることは明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施例による機器を概略的に示した図である。
【図2】本発明の第2の実施例による機器を概略的に示した図である。
【図3】本発明の第3の実施例による機器を概略的に示した図である。
【図4】図3の機器の検出器配置の平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物組織サンプルに対する透過性放射線測定用の機器であって、
組織サンプルロケータ、
透過性放射線の線源、
使用の際に、前記線源からの放射線を、前記組織サンプルロケータに誘導されたビームとして誘導するコリメータ、および
前記サンプルからの放射線を検出する、少なくとも2つの検出器、
を有し、
前記少なくとも2つの検出器は、それぞれ異なる角度で、前記サンプルからの放射線を検出するように配置されることを特徴とする機器。
【請求項2】
生物組織サンプルに対する透過性放射線測定用の機器であって、
組織サンプルロケータ、
透過性放射線の線源、
使用の際に、前記線源からの放射線を、前記組織サンプルロケータに誘導されたビームとして誘導するコリメータ、および
前記サンプルからの放射線を検出する、少なくとも1つの検出器、
を有し、
前記検出器は、少なくとも2通りの配置で配置することができ、それぞれ異なる角度で前記サンプルからの放射線を検出するように適合されていることを特徴とする請求項1に記載の機器。
【請求項3】
生物組織サンプルに対する透過性放射線測定用の機器であって、
組織サンプルロケータ、
透過性放射線の線源、
使用の際に、前記線源からの放射線を、前記組織サンプルロケータに誘導されたビームとして誘導するコリメータ、および
前記サンプルからの放射線を検出する、少なくとも2つの検出器、
を有し、
前記少なくとも2つの検出器は、サンプルと透過性放射線との、異なる形態の相互作用を検出するように適合されていることを特徴とする機器。
【請求項4】
前記異なる形態の相互作用には、X線蛍光(XRF)、エネルギーまたは角度分散X線回折(EDXRD)、広角X線散乱(WAXS)、小角X線散乱(SAXS)、超低角X線散乱(ULAX)、コンプトン散乱および直線減衰(透過)の各測定結果が含まれることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の機器。
【請求項5】
当該機器は、使用の際に、前記組織サンプルロケータによって配置されたサンプルに、ビームを走査する手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の機器。
【請求項6】
前記検出器は、前記ビームに対して移動できるように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の機器。
【請求項7】
位置が可変の、1または2以上の検出器が提供されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の機器。
【請求項8】
入射放射線ビームに対する前記検出器または対応するコリメータの角度は、調整可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の機器。
【請求項9】
移動可能な検出器またはコリメータの角度位置は、高精度マイクロアクチュエータによって制御されることを特徴とする請求項8に記載の機器。
【請求項10】
前記入射放射線ビームと前記検出器の照準ミスを同定するために使用される、参照ビームまたは信号が提供されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一つに記載の機器。
【請求項11】
前記検出器は、横方向または同心円状の配列で提供されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一つに記載の機器。
【請求項12】
前記検出器は、前記入射放射線ビームの方向に対して、前記サンプルの上部、下部または側部に提供されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一つに記載の機器。
【請求項13】
前記サンプルの上部に、コンプトン散乱およびXRFの測定用の検出器が設置されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一つに記載の機器。
【請求項14】
特定の測定を行うため、2以上の検出器が配置されることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一つに記載の機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−538247(P2007−538247A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517430(P2007−517430)
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【国際出願番号】PCT/GB2005/002002
【国際公開番号】WO2005/112752
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(506200429)ティシュオミクス リミテッド (6)
【Fターム(参考)】