説明

透過画像検出装置、透過画像エッジ検出装置、透過画像検出方法、および透過画像エッジ検出方法

【課題】透過画像またはそのエッジを従来よりも確実に検出する。
【解決手段】画像形成装置1に、原稿画像50の中から隣接する隣接画素の濃度よりも高い濃度を有する画素である孤立点画素を検出する孤立点検出部601と、検出された孤立点画素のうちの一定の間隔で表れる孤立点画素である規則性有画素を検出する周期性検出部602と、検出された規則性有画素を膨張させることによって表れる領域を透過画像として検出する透過領域拡張部603と、を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過画像またはそのエッジを検出する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー、PCプリント、スキャン、ファックス、およびファイルサーバなどの様々な機能を備えた画像形成装置が普及している。このような画像形成装置は、「複合機」または「MFP(Multi Function Peripherals)」などと呼ばれる。
【0003】
PCプリントは、パーソナルコンピュータから画像データを受信し画像を用紙に印刷する機能である。
【0004】
また、近年、パーソナルコンピュータで描画を行うためのアプリケーションが流通している。このようなアプリケーションは、「描画ソフト」と呼ばれている。描画ソフトの中には、透過画像をディスプレイに表示する機能が備わっているものがある。
【0005】
「透過画像」は、後ろに他のオブジェクトの画像があっても当該他のオブジェクトの画像が透けて表れる性質を有する。例えば、図4(A)において、円形の透過画像50aは矩形の背後画像50bの上に配置されているが、背後画像50bの、透過画像50aと重なっている部分は、透けて見える。透過率が高いほど、よく透けて見える。つまり、透過画像は、半透明の画像であると、言える。
【0006】
画像形成装置は、パーソナルコンピュータに表示されている透過画像を用紙に印刷することができる。印刷されるまでに透過画像は、透過率の高さに応じて、図6(A)に示すように、画素の間引きの処理が施される。そして、間引かれた画素の位置に、透過画像の後ろにある他の画像が印刷される。これにより、当該他の画像が透けて表れているように見える。
【0007】
透過画像の画素は、透過率に応じた一定の周期で間引かれる。よって、透過画像は、一定の周期で濃度を有する画素とそうでない画素とが表れる点で、いわゆる網点画像と共通する。
【0008】
また、印刷の際に透過画像のエッジ(輪郭)を強調することがある。透過画像のエッジを強調するためには、透過画像のエッジの位置を特定しなければならない。特定の方法として、次のような方法が提案されている。
【0009】
各画素を注目画素として、上下左右に隣接する4つの周囲画素を順次抽出する。そして、注目画素がエッジ画素であるかどうかを次のように判定する。まず、注目画素と1つ目の周囲画素との濃度差を算出して、その濃度差と一定値とを比較する。濃度差が一定値未満である場合、次に注目画素と2つ目の周囲画素との濃度差とを一定値とを比較する。以下同様に、その濃度差が一定値未満である場合、3つ目の周囲画素との濃度差と比較する。その濃度差が一定値未満である場合、さらに4つ目の周囲画素との濃度差と比較する。そして、その濃度差も一定値未満であった場合には、注目画素がエッジ画素ではないと判定する。一方、上記の4つの濃度差のうちのいずれかが、一定値を越えていた場合、注目画素がエッジ画素であると判定する(特許文献1)。
【0010】
そのほか、特許文献2には、写真領域、文字領域、および網点領域を分離する方法が提案されている。また、特許文献3には、網点の中の文字のエッジを検出する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平5−236260号公報
【特許文献2】特開平8−237475号公報
【特許文献3】特開2002−218235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述の通り、透過画像は、透過率の高さに応じて、図6(A)に示すように、画素が間引かれる。したがって、間引かれた画素と残った画素との間に濃度差が生じる。しかし、従来の方法では、この濃度差に起因し、両画素の間にエッジがあると誤って判別されるおそれがある。
【0013】
本発明は、このような問題点に鑑み、透過画像のエッジを従来よりも確実に検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一形態に係る透過画像エッジ検出装置は、画像の中から隣接する隣接画素の濃度よりも第一の閾値以上高い濃度を有する画素である第一の孤立点画素を検出する第一の孤立点画素検出手段と、前記画像の中から、隣接する隣接画素の濃度よりも、前記第一の閾値よりも低い第二の閾値以上高い濃度を有する画素である第二の孤立点画素を検出する第二の孤立点画素検出手段と、前記画像の中から、前記第一の孤立点画素としては検出されなかったが前記第二の孤立点画素としては検出された画素である第三の孤立点画素を選出する、第三の孤立点画素選出手段と、前記画像の中から透過画像のエッジを検出する透過画像エッジ検出手段と、前記透過画像エッジ検出手段によって検出された前記エッジから、前記第三の孤立点画素を膨張させることによって表れる領域と重複する重複部分を削除する、非エッジ部分削除手段と、を有する。
【0015】
本発明の他の一形態に係る透過画像エッジ検出装置は、透過画像の属性データに、当該透過画像の中の一定以上の濃度を有する画素の位置が示される場合に、当該画素の分布を示す分布画像に対してクロージングの処理を行うことによってクロージング領域を算出するクロージング処理手段と、算出された前記クロージング領域を拡大することによって拡大領域を算出する拡大領域算出手段と、算出された前記クロージング領域を縮小することによって縮小領域を算出する縮小領域算出手段と、算出された前記拡大領域と算出された前記縮小領域との差分を透過画像のエッジとして算出する透過画像エッジ算出手段と、を有する。
【0016】
本発明の他の一形態に係る透過画像検出装置は、画像の中から隣接する隣接画素の濃度よりも高い濃度を有する画素である孤立点画素を検出する孤立点画素検出手段と、検出された前記孤立点画素のうちの一定の間隔で表れる孤立点画素である規則性有画素を検出する規則性有画素判別手段と、検出された前記規則性有画素を膨張させることによって表れる領域を透過画像として検出する透過画像検出手段と、を有する。
【0017】
本発明の一形態に係る透過画像エッジ検出装置は、画像の中から隣接する隣接画素の濃度よりも高い濃度を有する画素である孤立点画素を検出する孤立点画素検出手段と、検出された前記孤立点画素のうちの一定の間隔で表れる孤立点画素である規則性有画素を検出する規則性有画素判別手段と、検出された前記規則性有画素を含む領域に対してクロージングの処理を行うことによってクロージング領域を算出するクロージング処理手段と、算出された前記クロージング領域を拡大することによって拡大領域を算出する拡大領域算出手段と、算出された前記クロージング領域を縮小することによって縮小領域を算出する縮小領域算出手段と、算出された前記拡大領域と算出された前記縮小領域との差分を透過画像のエッジとして算出する透過画像エッジ算出手段と、を有する。
【0018】
本発明の他の一形態に係る透過画像エッジ検出装置は、透過画像の位置および形状を示す属性データを取得する属性データ取得手段と、前記属性データに基づいて前記透過画像の領域を拡大することによって拡大領域を算出する拡大領域算出手段と、前記属性データに基づいて前記透過画像の領域を縮小することによって縮小領域を算出する縮小領域算出手段と、算出された前記拡大領域と算出された前記縮小領域との差分を透過画像のエッジとして算出する透過画像エッジ算出手段と、を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、透過画像のエッジを従来よりも確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】画像形成装置を含むネットワークシステムの例を示す図である。
【図2】画像形成装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【図3】画像処理回路の構成の例を示す図である。
【図4】原稿画像の中の透過画像と背後画像との位置関係の例を示す図である。
【図5】第一のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部の構成の例を示す図である。
【図6】属性画像によって示される、透過画像の属性の例を示す図である。
【図7】透過画像と背後画像との重なりの例を画素単位で表す図である。
【図8】孤立点画素および非孤立点画素の配置の例を示す図である。
【図9】拡張後の孤立点画素の範囲の例を示す図である。
【図10】第二のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部の構成の例を示す図である。
【図11】第三のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部の構成の例を示す図である。
【図12】第四のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部の構成の例を示す図である。
【図13】グラデーションによって表現される透過画像50aの例を示す図である。
【図14】第五のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部の構成の例を示す図である。
【図15】孤立点画素、仮孤立点画素、および非孤立点画素の位置関係の例を示す図である。
【図16】透過画像、背後画像、およびエッジ強調領域の位置関係の例を示す図である。
【図17】第六のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部の構成の例を示す図である。
【図18】第七のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部の構成の例を示す図である。
【図19】第八のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部の構成の例を示す図である。
【図20】孤立点画素が検出された領域の例を示す図である。
【図21】第九のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部の構成の例を示す図である。
【図22】第十のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部の構成の例を示す図である。
【図23】孤立点画素および仮孤立点画素の位置関係の例を示す図である。
【図24】第十一のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部の構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、画像形成装置1を含むネットワークシステムの例を示す図である。図2は、画像形成装置1のハードウェア構成の例を示す図である。
【0022】
図1に示す画像形成装置1は、一般に複合機またはMFP(Multi Function Peripherals)などと呼ばれる装置であって、コピー、ネットワークプリンティング(PCプリント)、ファックス、およびスキャナなどの機能を集約した装置である。
【0023】
画像形成装置1は、LAN(Local Area Network)、公衆回線、またはインターネットなどの通信回線3を介してパーソナルコンピュータ2などの装置と画像データのやり取りを行うこととができる。
【0024】
画像形成装置1は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、大容量記憶装置10d、スキャナ10e、印刷装置10f、ネットワークインタフェース10g、タッチパネル10h、モデム10i、および画像処理回路10jなどによって構成される。
【0025】
スキャナ10eは、原稿の用紙に記されている写真、文字、絵、図表などの画像を読み取って画像データを生成する装置である。
【0026】
タッチパネル10hは、ユーザに対してメッセージまたは指示を与えるための画面、ユーザが処理の指令および条件を入力するための画面、およびCPU10aの処理の結果を示す画面などを表示する。また、ユーザが指で触れた位置を検知し、検知結果を示す信号をCPU10aに送信する。
【0027】
ネットワークインタフェース10gは、通信回線3を介してパーソナルコンピュータなどの他の装置と通信を行うためのNIC(Network Interface Card)である。
【0028】
モデム10iは、固定電話網を介して他のファックス端末との間でG3などのプロトコルで画像データをやり取りするための装置である。
【0029】
画像処理回路10jは、パーソナルコンピュータ2から送信されてきた画像データに基づいて、いわゆるエッジ強調処理を行う。これについては、後述する。
【0030】
印刷装置10fは、スキャナ10eによって読み取られた画像または画像処理回路10jによってエッジ強調処理が施された画像などを用紙に印刷する。
【0031】
ROM10cおよび大容量記憶装置10dには、OS(Operating System)のほかファームウェアおよびアプリケーションなどのプログラムが記憶されている。これらのプログラムは、必要に応じてRAM10bにロードされ、CPU10aによって実行される。大容量記憶装置10dとして、ハードディスクまたはフラッシュメモリなどが用いられる。
【0032】
画像処理回路10jの機能の一部または全部を、プログラムをCPU10aに実行させることによって、実現してもよい。この場合は、後述する各処理の手順を記述したプログラムを用意し、そのプログラムをCPU10aに実行させればよい。
【0033】
次に、画像処理回路10jの構成および画像処理回路10jによるエッジ強調処理について、詳細に説明する。
【0034】
図3は、画像処理回路10jの構成の例を示す図である。図4は、原稿画像50の中の透過画像50aと背後画像50bとの位置関係の例を示す図である。
【0035】
画像処理回路10jは、図3に示すように、エッジ強調領域検出部101およびエッジ強調処理部102などによって構成される。
【0036】
画像処理回路10jは、パーソナルコンピュータ2から送信されてきた画像データ70によって再現される画像に対してエッジ強調処理を行う。以下、この画像を「原稿画像50」と記載する。
【0037】
「エッジ強調処理」とは、原稿画像50の中に含まれる文字、図表、またはイラストなどのオブジェクトの輪郭つまりエッジを強調する処理である。
【0038】
「透過画像」は、一般に、後ろに他のオブジェクトの画像があっても当該他のオブジェクトの画像が透けて表れる性質を有する。例えば、図4(A)において、円形の透過画像50aは矩形の背後画像50bの上に配置されているが、背後画像50bの、透過画像50aと重なっている部分は、透けて見える。透過率が高いほど、よく透けて見える。透過率が0%であれば、図4(B)に示すように、背後画像50bの、透過画像50aと重なっている部分は、完全に隠れてしまい一切見えない。なお、本実施形態では、背後画像50bとして、透過画像でない画像(いわゆる非透過画像)を例に挙げて説明する。
【0039】
エッジ強調領域検出部101は、透過画像50aの中からエッジ強調処理の対象とする領域(以下、「エッジ強調領域50e」と記載する。)を検出する。
【0040】
エッジ強調処理部102は、エッジ強調領域検出部101によって検出されたエッジ強調領域の濃度を高くするなどして、エッジ強調領域に対してエッジ強調処理を施す。
【0041】
以下、エッジ強調領域検出部101について、さらに詳細に説明する。エッジ強調領域50eの検出の方法として、次の11の方法があげられる。
【0042】
〔第一のエッジ強調領域検出方法〕
図5は、第一のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部101の構成の例を示す図である。図6は、属性画像5Aによって示される、透過画像50aの属性の例を示す図である。図7は、透過画像50aと背後画像50bとの重なりの例を画素単位で表す図である。図8、は孤立点画素および非孤立点画素の配置の例を示す図である。図9は、拡張後の孤立点画素の範囲の例を示す図である。
【0043】
第一のエッジ強調領域検出方法においては、エッジ強調領域検出部101は、図5に示すように、孤立点検出部601、周期性検出部602、透過領域拡張部603、およびエッジ強調領域検出部604などによって構成される。
【0044】
ところで、一般に、透過画像は、パーソナルコンピュータ2で表示されるときには図6(B)に示すようにすべての画素に一定の濃度があっても、印刷時には、図6(A)において黒い正方形で示すように一定の濃度がある画素とない画素とによって構成されるように変換される。一定の濃度がある画素は、孤立したドットのように見えるので、「孤立点画素」と呼ばれる。一方、一定の濃度がない画素は、「非孤立点画素」と呼ばれる。
【0045】
孤立点画素は、決められた濃度で印刷される。一方、非孤立点画素は、後ろに他の画像がなければ印刷されないが、他の画像があれば、当該他の画像の中の、当該非孤立点画素と同じ位置にある画素が印刷される。このようにして、図7に示すように透過画像50aの非孤立点画素の位置に背後画像50bの対応する画素を印刷することによって、背後画像50bのうちの透過画像50aと重なる部分が、透けて見えるように印刷される。透過率が高いほど、孤立点画素が出現する頻度が低い。
【0046】
図5において、孤立点検出部601は、画像データ70に示される原稿画像50の中から孤立点画素を検出する。
【0047】
ところで、一般に、透過画像の孤立点画素は、一定の間隔に並んでいる。つまり、透過画像の出現には、一定の周期性(規則性)がある。
【0048】
周期性検出部602は、孤立点検出部601によって検出された孤立点画素の出現の周期性(規則性)を検出する。孤立点画素および非孤立点画素が例えば図8のように配置されている原稿画像50からは、周期性検出部602は、X軸方向およびY軸方向それぞれに5画素に1画素の間隔(周期)で孤立点画素が出現することを検知する。
【0049】
透過領域拡張部603は、周期性検出部602によって周期性が検知された孤立点画素の領域に対して拡張(膨張)の処理を行うことによって、透過画像50aの領域を検出する。具体的には、周期性が検知された各孤立点画素を、隣同士で接するまで拡張させる。これにより、例えば図8に示す各孤立点画素は、図9に太線で示すように5×5画素の領域に拡張する。
【0050】
そして、透過領域拡張部603は、拡張後のすべての領域の集合を、透過画像50aの領域として検出する。
【0051】
エッジ強調領域検出部604は、透過領域拡張部603によって検出された透過画像50aの領域のうちの所定の幅のエッジ(輪郭)をエッジ強調領域50eとして検出する。
【0052】
〔第二のエッジ強調領域検出方法〕
図10は、第二のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部101の構成の例を示す図である。
【0053】
図3に示すように、エッジ強調領域検出部101には、パーソナルコンピュータ2から画像データ70とともに、属性データ7Aが入力される。

属性データ7Aは、透過画像50aの属性を示すデータであって、「文字領域」または「写真領域」などの領域の種類(領域情報)を示す1ビットまたは2ビットのデータである。透過画像50aの画素ごとの領域情報を示す場合もあれば、透過画像50a全体の領域情報を示す場合もある。前者の場合は、領域情報を表す1ビットまたは2ビットのデータが画素ごとに用意され、それらの集合が属性データ7Aとなる。
【0054】
第二のエッジ強調領域検出方法は、入力された画像データ70の原稿画像50の中の透過画像50aが既に図6(A)に示すように孤立点画素および非孤立点画素によって構成される場合に用いられる。この場合は、透過画像50aの大体の領域は分かるがエッジが未確定である、と言える。
【0055】
第二のエッジ強調領域検出方法においては、エッジ強調領域検出部101は、図10に示すように、クロージング処理部611、属性画像拡張部612、属性画像縮小部613、および差分領域算出部614などによって構成される。
【0056】
クロージング処理部611は、属性データ7Aに示される、透過画像50aの各画素の、一定以上の濃度の有無の分布を表す画像(以下、「属性画像5A」と記載する。)に対してクロージングの処理を行う。つまり、各ドットを拡張(膨張)させ縮小(収縮)させる処理を行う。なお、属性画像5Aにおいて、一定以上の濃度を有する画素は黒のドットで表わされ、そうでない画素は白のドットで表わされる。また、属性画像5Aと原稿画像50とは、図6(A)の場合には、形状がほぼ一致する。
【0057】
属性画像拡張部612は、クロージングの処理がなされた属性画像5Aの範囲を所定の画素数だけ拡張することによって、拡張領域5K1を算出する。
【0058】
属性画像縮小部613は、クロージングの処理がなされた属性画像5Aの範囲を、所定の画素数だけ縮小することによって、縮小領域5S1を算出する。
【0059】
差分領域算出部614は、拡張領域5K1と縮小領域5S1との差分の領域、つまり、拡張領域5K1から縮小領域5S1を除いた領域を算出する。算出された領域が、透過画像50aのエッジ強調領域50eである。
【0060】
〔第三のエッジ強調領域検出方法〕
図11は、第三のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部101の構成の例を示す図である。
【0061】
第三のエッジ強調領域検出方法は、属性データ7Aとして、入力された画像データ70の原稿画像50の中の透過画像50aが図6(B)のようにすべての画素に一定の濃度があることを示す場合に、用いられる。この場合は、図6(A)に示す場合と異なり、透過画像50aのエッジが明確であると、言える。
【0062】
第三のエッジ強調領域検出方法においては、エッジ強調領域検出部101は、図11に示すように、属性画像拡張部622、属性画像縮小部623、および差分領域算出部624などによって構成される。
【0063】
属性データ7Aによると、透過画像50aの領域、特に、エッジは、図6(B)に示す通りに特定される。よって、第二のエッジ強調領域検出方法においては、属性画像5Aに対してクロージングの処理を行う必要がない。
【0064】
属性画像拡張部622は、属性画像5Aの範囲を所定の画素数だけ拡張することによって、拡張領域5K2を算出する。
【0065】
属性画像縮小部623は、属性画像5Aの範囲を所定の画素数だけ縮小することによって、縮小領域5S2を算出する。
【0066】
差分領域算出部624は、図10の差分領域算出部614と同様に、拡張領域5K2と縮小領域5S2との差分の領域、つまり、拡張領域5K2から縮小領域5S2を除いた領域を算出する。算出された領域が、透過画像50aのエッジ強調領域50eである。
【0067】
〔第四のエッジ強調領域検出方法〕
図12は、第四のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部101の構成の例を示す図である。
【0068】
第四のエッジ強調領域検出方法は、入力された画像データ70の原稿画像50の中の透過画像50aの形状が、属性データ7Aによって再現される属性画像5Aと一致しない場合に、用いられる。つまり、属性画像5Aが図6(A)および図6(B)のそれぞれに示したいずれの形状にも該当しない場合に、例えば、図6(C)に示すような場合に、用いられる。
【0069】
第四のエッジ強調領域検出方法においては、エッジ強調領域検出部101は、図12に示すように、孤立点検出部631、周期性検出部632、クロージング処理部633、拡張領域算出部634、縮小領域算出部635、および差分領域算出部636などによって構成される。
【0070】
孤立点検出部631は、画像データ70に示される原稿画像50の中から孤立点画素を検出する。
【0071】
周期性検出部632は、孤立点検出部631によって検出された孤立点画素の出現の周期性(規則性)を検出する。そして、一定の周期性がみられる孤立点画素の集合を検出する。
【0072】
クロージング処理部633は、一定の周期性が見られる孤立点画素の集合を含む領域(例えば、これらの孤立点画素が収まる矩形の領域)に対してクロージングの処理を行う。
【0073】
拡張領域算出部634は、クロージングの処理がなされた画像を所定の画素数だけ拡張することによって、拡張領域5K3を算出する。
【0074】
縮小領域算出部635は、クロージングの処理がなされた画像を所定の画素数だけ縮小することによって、縮小領域5S3を算出する。
【0075】
差分領域算出部636は、図10の差分領域算出部614および図11の差分領域算出部624と同様に、拡張領域5K3と縮小領域5S3との差分の領域、つまり、拡張領域5K3から縮小領域5S3を除いた領域を算出する。算出された領域が、透過画像50aのエッジ強調領域50eである。
【0076】
〔第五のエッジ強調領域検出方法〕
図13は、グラデーションによって表現される透過画像50aの例を示す図である。図14は、第五のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部101の構成の例を示す図である。図15は、孤立点画素、仮孤立点画素、および非孤立点画素の位置関係の例を示す図である。
【0077】
第五のエッジ強調領域検出方法も、第四のエッジ強調領域検出方法と同様に、入力された画像データ70の原稿画像50の中の透過画像50aの形状が、図6(A)および図6(B)のそれぞれに示したいずれの形状にも該当しない場合に、好適に用いられる。
【0078】
図13(A)に示すように、透過画像50aが特定の色(例えば、黒)から白へのグラデーションによって表現される場合は、濃度が低い孤立点画素は、隣接する非孤立点画素との間の濃度の差が十分でないので、検出されないことがある。したがって、このような透過画像50aに対してエッジ強調処理を行うと、エッジでない部分が図13(B)のように強調されてしまうおそれがある。
【0079】
そこで、エッジ強調領域検出部101は、第五のエッジ強調領域検出方法によって、透過画像50aがグラデーションによって表現される場合であっても、図13(C)のようにエッジ強調領域50eを従来よりも的確に検出する。
【0080】
第五のエッジ強調領域検出方法においては、エッジ強調領域検出部101は、図5に示した孤立点検出部601ないしエッジ強調領域検出部604の各モジュールを有する。これらのモジュールの代わりに、図10に示したクロージング処理部611ないし差分領域算出部614の各モジュールを有していてもよい。または、図11に示した属性画像拡張部622ないし差分領域算出部624の各モジュールを有していてもよいし、図12に示した孤立点検出部631ないし差分領域算出部636の各モジュールを有していてもよい。
【0081】
つまり、エッジ強調領域検出部101は、第一のエッジ強調領域検出方法ないし第四のエッジ強調領域検出方法によってエッジ強調領域50eを求める手段を有する。以下、エッジ強調領域50eを求める手段を「エッジ強調領域算出部600」と記載する。
【0082】
さらに、エッジ強調領域検出部101は、図14に示すように、孤立点検出部801、周期性検出部802、孤立点濃度検出部803、孤立点存在推定部804、仮孤立点濃度検出部805、孤立点濃度差分算出部806、孤立点下地濃度検出部807、仮孤立点下地濃度検出部808、下地濃度差分算出部809、孤立点判別部80A、拡張領域検出部80B、およびエッジ強調領域調整部80Cなどを有する。
【0083】
孤立点検出部801は、画像データ70に示される原稿画像50の中から孤立点画素を検出する。
【0084】
周期性検出部802は、孤立点検出部801によって検出された孤立点画素の出現の周期性を検出する。
【0085】
孤立点濃度検出部803は、孤立点検出部801によって検出された孤立点画素ごとの濃度を検出する。
【0086】
孤立点存在推定部804は、孤立点検出部801および周期性検出部802それぞれの検出結果に基づいて、孤立点検出部801によっては検出されなかったが孤立点画素である可能性のある画素を推定する。
【0087】
具体的には、孤立点存在推定部804は、周期性検出部802によって周期性が検知された孤立点画素のうちの周期性が途切れるところに位置する孤立点画素を選出する。そして、もう1周期だけ周期性が途切れなかったとすれば孤立点画素に該当するはずの画素に、孤立点画素である可能性があると、推定する。
【0088】
例えば、図15(A)のような4×4個の孤立点画素が検出された場合は、孤立点存在推定部804は、図15(B)において、黒の塗り潰しで示す12個の孤立点画素の周囲にある、一点鎖線で示す20個の画素に、孤立点画素である可能性があると、推定する。
【0089】
仮孤立点濃度検出部805は、孤立点画素である可能性があると孤立点存在推定部804によって推定された画素(以下、「仮孤立点画素」と記載する。)それぞれの濃度を検出する。
【0090】
孤立点濃度差分算出部806は、仮孤立点画素それぞれの濃度と仮孤立点画素それぞれの最も近くにある孤立点画素の濃度との差分Dpを算出する。例えば、図15(B)に示す仮孤立点画素PE1については、仮孤立点画素PE1の濃度と孤立点画素PK1の濃度との差分を差分Dpとして算出する。
【0091】
孤立点下地濃度検出部807は、孤立点画素それぞれに隣接する任意の1つの非孤立点画素の濃度を下地の濃度として検出する。例えば、図15(B)に示す孤立点画素PK1については、その孤立点画素に隣接しかつ点線で示す非孤立点画素PH1の濃度を下地の濃度として検出する。
【0092】
仮孤立点下地濃度検出部808は、仮孤立点画素それぞれに隣接する任意の1つの非孤立点画素の濃度を下地の濃度として検出する。例えば、図15(B)に示す仮孤立点画素PE1については、仮孤立点画素PE1に隣接しかつ点線で示す非孤立点画素PH2の濃度を下地の濃度として検出する。
【0093】
下地濃度差分算出部809は、仮孤立点画素それぞれの下地の濃度と仮孤立点画素それぞれの最も近くにある孤立点画素の下地の濃度との差分Dsを算出する。例えば、図15(B)に示す仮孤立点画素PE1については、仮孤立点画素PE1の下地の濃度つまり非孤立点画素PH2の濃度と孤立点画素PK1の下地の濃度つまり非孤立点画素PH1の濃度との差分を差分Dsとして算出する。
【0094】
孤立点判別部80Aは、各仮孤立点画素が孤立点画素であるか否かを判別する。以下、図15(B)に示す仮孤立点画素PE1を例に、判別の方法について説明する。
【0095】
孤立点判別部80Aは、仮孤立点画素PE1の濃度とそれの最も近くにある孤立点画素つまり孤立点画素PK1の濃度との差分Dpが閾値α1(256階調の場合は、例えば、10)を超えている否かをチェックする。さらに、仮孤立点画素PE1の下地の濃度と孤立点画素PK1の下地の濃度との差分Dsが所定の閾値α2(256階調の場合は、例えば、2)以下であるか否かをチェックする。
【0096】
そして、差分Dpが閾値α1を超えておりかつ差分Dsが閾値α2以下である場合は、孤立点判別部80Aは、仮孤立点画素PE1が孤立点画素であると、判別する。そうでない場合は、仮孤立点画素PE1が非孤立点画素であると、判別する。
【0097】
つまり、孤立点判別部80Aは、孤立点画素PK1の濃度と仮孤立点画素PE1の濃度との間に一定以上の変化があり、かつ、孤立点画素PK1の下地の濃度と仮孤立点画素PE1の下地の濃度との間にまったくまたはほとんど変化がない場合に、仮孤立点画素PE1が孤立点画素であると、判別する。
【0098】
仮孤立点画素PE1が孤立点画素であれば、孤立点存在推定部804によって未だ推定が行われていない画素の中に透過画像50aの孤立点画素がある可能性がある。
【0099】
そこで、ある画素が孤立点判別部80Aによって孤立点画素であると判別された場合は、孤立点濃度検出部803ないし孤立点判別部80Aは、この画素を、周期性が検知された孤立点画素の1つとして加え、上述の処理を実行し直す。そして、新たな孤立点画素が孤立点判別部80Aによって判別されなくなるまで、上述の処理を実行し直す。
【0100】
このようにして原稿画像50の中から検出されまたは判別された孤立点画素が、透過画像50aの孤立点画素である。
【0101】
孤立点画素であると孤立点判別部80Aによって判別された仮孤立点画素の領域は、エッジ強調領域算出部600によっては透過画像50aの一部分であることが検知されなくても、本来、透過画像50aの一部分である。
【0102】
そこで、拡張領域検出部80Bは、孤立点画素であると孤立点判別部80Aによって判別された仮孤立点画素の領域を、クロージングの処理などを用いて拡張領域50kとして検出する。
【0103】
エッジ強調領域調整部80Cは、エッジ強調領域算出部600によって得られたエッジ強調領域50eを、拡張領域検出部80Bによって検出された拡張領域50kと重複する部分を除去することによって、調整する。以下、拡張領域50kと重複する部分が除去されたエッジ強調領域50eを「エッジ強調領域50e2」と記載する。
【0104】
〔第六のエッジ強調領域検出方法〕
図16は、透過画像50a、背後画像50b、およびエッジ強調領域50e2の位置関係の例を示す図である。図17は、第六のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部101の構成の例を示す図である。
【0105】
第六のエッジ強調領域検出方法も、第四のエッジ強調領域検出方法および第五のエッジ強調領域検出方法と同様に、入力された画像データ70の原稿画像50の中の透過画像50aの形状が、図6(A)および図6(B)のそれぞれに示したいずれの形状にも該当しない場合に、好適に用いられる。
【0106】
図16(A)に示すように透過画像50aの後ろに背後画像50bがある状態で、原稿画像50全体に対してエッジ強調処理を行うと、図16(B)に示すように透過画像50aと背後画像50bとが重なる部分をすべて囲うようにエッジが強調されてしまうことがある。なぜなら、重なる部分においては、孤立点画素の周囲の非孤立点画素の濃度が高くなり、孤立点画素の濃度と非孤立点画素の濃度との差が、孤立点画素を検出するのに十分でなくなってしまうからである。
【0107】
しかし、透過画像50aと背後画像50bとの境界は、図16(C)に示すように強調されないことが、望ましい。
【0108】
そこで、エッジ強調領域検出部101は、第六のエッジ強調領域検出方法によって、透過画像50aと背後画像50bとの境界が強調されないようにエッジ強調処理を行う。
【0109】
第六のエッジ強調領域検出方法においては、第五のエッジ強調領域検出方法と同様に、図5に示した孤立点検出部601ないしエッジ強調領域検出部604の各モジュールの組合せ、図10に示したクロージング処理部611ないし差分領域算出部614の各モジュールの組合せ、図11に示した属性画像拡張部622ないし差分領域算出部624の各モジュールの組合せ、および図12に示した孤立点検出部631ないし差分領域算出部636の各モジュールの組合せのうちのいずれかの組合せを、エッジ強調領域算出部600として有する。
【0110】
さらに、エッジ強調領域検出部101は、図17に示すように、孤立点検出部811、周期性検出部812、孤立点濃度検出部813、孤立点存在推定部814、仮孤立点濃度検出部815、孤立点濃度差分算出部816、孤立点下地濃度検出部817、仮孤立点下地濃度検出部818、下地濃度差分算出部819、境界画素判別部81A、境界領域検出部81B、およびエッジ強調領域調整部81Cなどを有する。
【0111】
孤立点検出部811ないし下地濃度差分算出部819による処理は、図14に示した孤立点検出部801ないし下地濃度差分算出部809による処理と、同様である。
【0112】
つまり、孤立点検出部811は、画像データ70に示される原稿画像50の中から孤立点画素を検出する。周期性検出部812は、孤立点検出部811によって検出された孤立点画素の出現の周期性を検出する。
【0113】
さらに、孤立点存在推定部814は、孤立点検出部811および周期性検出部812それぞれの検出結果に基づいて、孤立点検出部811によっては検出されなかったが孤立点画素である可能性のある画素を推定する。つまり、仮孤立点画素を検出する。
【0114】
孤立点濃度検出部813は、孤立点検出部811によって検出された孤立点画素ごとの濃度を検出する。仮孤立点濃度検出部815は、孤立点存在推定部814によって検出された仮孤立点画素それぞれの濃度を検出する。孤立点濃度差分算出部816は、仮孤立点画素それぞれの濃度と仮孤立点画素それぞれの最も近くにある孤立点画素の濃度との差分Dpを算出する。
【0115】
孤立点下地濃度検出部817は、孤立点画素それぞれに隣接する任意の1つの非孤立点画素の濃度を下地の濃度として検出する。仮孤立点下地濃度検出部818は、仮孤立点画素それぞれに隣接する任意の1つの非孤立点画素の濃度を下地の濃度として検出する。下地濃度差分算出部819は、仮孤立点画素それぞれの下地の濃度と仮孤立点画素それぞれの最も近くにある孤立点画素の下地の濃度との差分Dsを算出する。
【0116】
境界画素判別部81Aは、各仮孤立点画素が透過画像50aと背後画像50bとの境界付近に位置するのか否かを、次のように判別する。
【0117】
境界画素判別部81Aは、仮孤立点画素の濃度とそれの最も近くにある孤立点画素の濃度との差分Dpが閾値α3(256階調の場合は、例えば、2)以下であるか否かをチェックする。さらに、その仮孤立点画素の下地の濃度とその孤立点画素の下地の濃度との差分Dsが所定の閾値α4(256階調の場合は、例えば、10)を超えているか否かをチェックする。
【0118】
そして、差分Dpが閾値α3以下でありかつ差分Dsが閾値α4を超えている場合は、境界画素判別部81Aは、その仮孤立点画素が境界付近に位置すると、判別する。そうでない場合は、その仮孤立点画素が境界付近には位置しないと、判別する。
【0119】
つまり、境界画素判別部81Aは、仮孤立点画素の濃度と直近の孤立点画素の濃度の間にほとんど変化がないが、その仮孤立点画素の下地の濃度とその孤立点画素の下地の濃度との間には一定以上の変化がある場合に、その仮孤立点画素が境界付近に位置すると、判別する。
【0120】
境界領域検出部81Bは、境界付近に位置すると境界画素判別部81Aによって判別された仮孤立点画素を含む領域を、クロージングの処理などを用いて境界領域50sとして検出する。
【0121】
エッジ強調領域調整部81Cは、エッジ強調領域算出部600によって得られたエッジ強調領域50eを、境界領域検出部81Bによって検出された境界領域50sと重複する部分を除去することによって、調整する。以下、境界領域50sと重複する部分が除去されたエッジ強調領域50eを「エッジ強調領域50e3」と記載する。
【0122】
〔第七のエッジ強調領域検出方法〕
図18は、第七のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部101の構成の例を示す図である。
【0123】
第七のエッジ強調領域検出方法も、第四ないし第六のエッジ強調領域検出方法と同様に、入力された画像データ70の原稿画像50の中の透過画像50aの形状が、図6(A)および図6(B)のそれぞれに示したいずれの形状にも該当しない場合に、好適に用いられる。
【0124】
第七のエッジ強調領域検出方法は、第五のエッジ強調領域検出方法および第六のエッジ強調領域検出方法を組み合わせたものである。
【0125】
第七のエッジ強調領域検出方法においては、エッジ強調領域検出部101は、図18に示すように、エッジ強調領域算出部600、孤立点検出部821、周期性検出部822、孤立点濃度検出部823、孤立点存在推定部824、仮孤立点濃度検出部825、孤立点濃度差分算出部826、孤立点下地濃度検出部827、仮孤立点下地濃度検出部828、下地濃度差分算出部829、孤立点判別部82A、拡張領域検出部82B、境界画素判別部82C、境界領域検出部82D、およびエッジ強調領域調整部82Eなどを有する。
【0126】
エッジ強調領域算出部600は、第五のエッジ強調領域検出方法および第六のエッジ強調領域検出方法の場合と同様に、第一のエッジ強調領域検出方法または第四のエッジ強調領域検出方法によってエッジ強調領域50eを求めるモジュールである。
【0127】
孤立点検出部821ないし下地濃度差分算出部829は、第五のエッジ強調領域検出方法における孤立点検出部801ないし下地濃度差分算出部809(図14参照)および第六のエッジ強調領域検出方法における孤立点検出部811ないし下地濃度差分算出部819(図17参照)と同様に機能する。
【0128】
孤立点判別部82Aおよび拡張領域検出部82Bは、それぞれ、第五のエッジ強調領域検出方法における孤立点判別部80Aおよび拡張領域検出部80Bと同様に機能する。したがって、孤立点判別部82Aおよび拡張領域検出部82Bによって拡張領域50kが検出される。
【0129】
境界画素判別部82Cおよび境界領域検出部82Dは、それぞれ、第六のエッジ強調領域検出方法における境界画素判別部81Aおよび境界領域検出部81Bと同様に機能する。したがって、境界画素判別部82Cおよび境界領域検出部82Dによって境界領域50sが検出される。
【0130】
そして、エッジ強調領域調整部82Eは、エッジ強調領域算出部600によって得られたエッジ強調領域50eを、拡張領域50kおよび境界領域50sのうちの少なくとも一方と重複する部分を除去することによって、調整する。以下、拡張領域50kと重複する部分が除去されたエッジ強調領域50eを「エッジ強調領域50e4」と記載する。
【0131】
〔第八のエッジ強調領域検出方法〕
図19は、第八のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部101の構成の例を示す図である。図20は、孤立点画素が検出された領域の例を示す図である。
【0132】
第八のエッジ強調領域検出方法も、第四ないし第七のエッジ強調領域検出方法と同様に、入力された画像データ70の原稿画像50の中の透過画像50aの形状が、図6(A)および図6(B)のそれぞれに示したいずれの形状にも該当しない場合に、好適に用いられる。
【0133】
第八のエッジ強調領域検出方法においては、エッジ強調領域検出部101は、図19に示すように、エッジ強調領域算出部600、第一の孤立点検出部831、第二の孤立点検出部832、非重複画素選出部833、重畳領域拡張部834、およびエッジ強調領域調整部835などによって構成される。
【0134】
第一の孤立点検出部831は、原稿画像50の中から孤立点画素を検出する。この際に第一の孤立点検出部831は、正の閾値である閾値γ1を用いる。具体的には、第一の孤立点検出部831は、任意の画素に注目し、その画素の濃度が周囲の画素の濃度と閾値γ1との和以上であれば、その画素を孤立点画素として検出する。
【0135】
第二の孤立点検出部832は、第一の孤立点検出部831によって検出された孤立点画素を含む一定の領域から、孤立点画素を検出する。ただし、第二の孤立点検出部832は、閾値γ1よりも小さい正の閾値γ2を用いる。
【0136】
例えば、図4(A)に示した原稿画像50の中から第一の孤立点検出部831によって、図20(A)に示す領域から孤立点画素が検出されたとする。すると、第二の孤立点検出部832は、図20(A)に示す領域が納まる一定の領域(例えば、矩形の領域)の中から孤立点画素を検出する。
【0137】
第二の孤立点検出部832が用いる閾値γ2は、第一の孤立点検出部831が用いる閾値γ1よりも小さいので、第一の孤立点検出部831によっては検出されなかった孤立点画素が検出され得る。例えば、図20(B)示す領域から孤立点画素が検出される。
【0138】
非重複画素選出部833は、第一の孤立点検出部831によって検出されなかったが第二の孤立点検出部832によって検出された孤立点画素を選出する。つまり、図20(C)に示す領域に属する孤立点画素を選出する。
【0139】
重畳領域拡張部834は、非重複画素選出部833が選出した孤立点画素の領域に対して拡張(膨張)の処理を行うことによって、透過画像50aと背後画像50bとが重なり合う重畳領域50cを検出する。なお、拡張の処理によって重畳領域50cを検出するので、重畳領域50cは、透過画像50aと背後画像50bとが実際に重なり合う領域、つまり、図20(C)に示す領域よりも、若干、広くなる。
【0140】
エッジ強調領域調整部835は、エッジ強調領域算出部600によって得られたエッジ強調領域50eを、重畳領域拡張部834によって検出された重畳領域50cと重複する部分を除去することによって、調整する。以下、重畳領域50cと重複する部分が除去されたエッジ強調領域50eを「エッジ強調領域50e5」と記載する。
【0141】
〔第九のエッジ強調領域検出方法〕
図21は、第九のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部101の構成の例を示す図である。
【0142】
第九のエッジ強調領域検出方法も、第四ないし第八のエッジ強調領域検出方法と同様に、入力された画像データ70の原稿画像50の中の透過画像50aの形状が、図6(A)および図6(B)のそれぞれに示したいずれの形状にも該当しない場合に、好適に用いられる。
【0143】
また、第九のエッジ強調領域検出方法によると、第八のエッジ強調領域検出方法の精度を向上させることができる。
【0144】
第八のエッジ強調領域検出方法においては、エッジ強調領域検出部101は、図21に示すように、エッジ強調領域算出部600、第一の孤立点検出部841、第一の周期性検出部84A、第二の孤立点検出部842、第二の周期性検出部84B、非重複画素選出部843、重畳領域拡張部844、およびエッジ強調領域調整部845などによって構成される。
【0145】
第一の孤立点検出部841は、第八のエッジ強調領域検出方法の第一の孤立点検出部831(図19参照)と同様に、閾値γ1を用いて原稿画像50の中から孤立点画素を検出する。
【0146】
第一の周期性検出部84Aは、第一の孤立点検出部841によって検出された孤立点画素の出現の周期性(規則性)を検出する。そして、一定の周期性がみられる孤立点画素の集合を検出する。
【0147】
第二の孤立点検出部842は、第一の周期性検出部84Aによって検出された集合の中から、閾値γ2を用いて孤立点画素を検出する。
【0148】
第二の周期性検出部84Bは、第二の孤立点検出部842によって検出された孤立点画素の出現の周期性を検出する。そして、一定の周期性がみられる孤立点画素の集合を検出する。
【0149】
非重複画素選出部843は、第一の周期性検出部84Aによって検出された集合には含まれないが第二の周期性検出部84Bによって検出された集合には含まれる孤立点画素を選出する。
【0150】
重畳領域拡張部844およびエッジ強調領域調整部845は、それぞれ、重畳領域拡張部834およびエッジ強調領域調整部835と同様に機能する。つまり、重畳領域拡張部844は、非重複画素選出部843が選出した孤立点画素の領域に基づいて重畳領域50cを検出する。エッジ強調領域調整部845は、エッジ強調領域50e5を求める。
【0151】
〔第十のエッジ強調領域検出方法〕
図22は、第十のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部101の構成の例を示す図である。図23は、孤立点画素および仮孤立点画素の位置関係の例を示す図である。
【0152】
第十のエッジ強調領域検出方法も、第四ないし第九のエッジ強調領域検出方法と同様に、入力された画像データ70の原稿画像50の中の透過画像50aの形状が、図6(A)および図6(B)のそれぞれに示したいずれの形状にも該当しない場合に、好適に用いられる。
【0153】
第十のエッジ強調領域検出方法においては、エッジ強調領域検出部101は、図22に示すように、孤立点検出部671、周期性検出部672、透過画像推定領域濃度検出部673、近傍孤立点濃度検出部674、第一の濃度差分算出部675、第二の濃度差分算出部676、境界画素判別部677、およびエッジ強調領域検出部678などによって構成される。
【0154】
孤立点検出部671は、原稿画像50の中から孤立点画素を検出する。周期性検出部672は、孤立点検出部671によって検出された孤立点画素の出現の周期性(規則性)を検出する。そして、一定の周期性がみられる孤立点画素の集合を検出する。
【0155】
透過画像推定領域濃度検出部673は、周期性検出部672によって検出された孤立点画素の集合を含む領域、つまり、透過画像50aであると推測される領域の、全体的な濃度(以下、「全体濃度」と記載する。)を検出する。例えば、図8において黒の塗り潰しで示す9個の孤立点画素の集合が検出された場合は、それらの孤立点画素および周囲の非孤立点画素を含む15×15個の画素からなる領域の平均の濃度を全体濃度として検出する。
【0156】
近傍孤立点濃度検出部674は、周期性検出部672によって検出された集合に含まれる孤立点画素の近傍にある他の孤立点画素および仮孤立点画素それぞれの濃度を周期性になどに基づいて検出する。本実施形態では、孤立点画素の左、右、上、下、左上、左下、右上、および右下の8つの他の孤立点画素および仮孤立点画素それぞれの濃度を検出する。
【0157】
例えば、図9に示す9つの孤立点画素のうちの真ん中の孤立点画素の近傍には、8つの他の孤立点画素がある。よって、近傍孤立点濃度検出部674は、これらの他の孤立点画素それぞれについて、濃度を算出する。
【0158】
一方、左上隅に位置する孤立点画素(以下、「孤立点画素PK3」と記載する。)の近傍には、右、下、および右下の3箇所に他の孤立点画素(孤立点画素PK4〜PK6)があるが、残りの5箇所には他の孤立点画素がない。そこで、近傍孤立点濃度検出部674は、図23に示す、孤立点画素PK4〜PK6それぞれの濃度を検出する。さらに、周期性検出部672によって検出された周期性に基づいて決まる仮孤立点画素PE4〜PE8それぞれの濃度を検出する。
【0159】
第一の濃度差分算出部675および第二の濃度差分算出部676は、周期性検出部672によって検出された集合の中の孤立点画素それぞれに関して、次のような処理を行う。
【0160】
第一の濃度差分算出部675は、ある1つの孤立点画素に注目する。以下、注目した孤立点画素を「注目孤立点画素」と記載する。
【0161】
そして、第一の濃度差分算出部675は、注目孤立点画素を点対称の中心とする、2つの孤立点画素または仮孤立点画素のうちの一方の濃度と、透過画像推定領域濃度検出部673によって検出された全体濃度との差分Duを算出する。例えば、図23に示す孤立点画素PK3が注目孤立点画素である場合は、2つの孤立点画素または仮孤立点画素の組合せが4組存在する。したがって、透過画像推定領域濃度検出部673は、4つの差分Duを算出する。2つの孤立点画素または仮孤立点画素のうちのどちらの濃度を用いて差分Duを算出するのかは、予め決められている。
【0162】
第二の濃度差分算出部676は、注目孤立点画素を点対称の中心とする、2つの孤立点画素または仮孤立点画素同士の濃度の差分Dvを算出する。例えば、図23に示す孤立点画素PK3が注目孤立点画素である場合は、第二の濃度差分算出部676は、4つの差分Dvを算出する。
【0163】
第一の濃度差分算出部675および第二の濃度差分算出部676は、残りの孤立点画素についても同様に注目し、差分DuおよびDvを算出する。
【0164】
境界画素判別部677は、各注目孤立点画素が透過画像50aと背後画像50bとの境界付近に位置するのか否かを、次のように判別する。
【0165】
ある注目孤立点画素について第一の濃度差分算出部675によって算出された差分Duのすべてが閾値γ3を超えている場合は、境界画素判別部677は、その注目孤立点画素が境界付近に位置すると、判別する。または、ある注目孤立点画素について第二の濃度差分算出部676によって算出された差分Dvのうちの少なくとも1つが閾値γ4を超えていれば、境界画素判別部677は、その注目孤立点画素が境界付近に位置すると、判別する。
【0166】
エッジ強調領域検出部678は、境界付近に位置すると境界画素判別部677によって判別された孤立点画素を含む領域をクロージングの処理などを用いて検出し、エッジ強調領域50e6として出力する。
【0167】
〔第十一のエッジ強調領域検出方法〕
図24は、第十一のエッジ強調領域検出方法を用いる場合のエッジ強調領域検出部101の構成の例を示す図である。
【0168】
第十一のエッジ強調領域検出方法も、第四ないし第十のエッジ強調領域検出方法と同様に、入力された画像データ70の原稿画像50の中の透過画像50aの形状が、図6(A)および図6(B)のそれぞれに示したいずれの形状にも該当しない場合に、好適に用いられる。
【0169】
第十一のエッジ強調領域検出方法においては、エッジ強調領域検出部101は、図24に示すように、孤立点検出部681、周期性検出部682、透過画像推定領域濃度検出部683、近傍孤立点濃度検出部684、第一の濃度差分算出部685、第二の濃度差分算出部686、第三の濃度差分算出部687、境界画素判別部688、エッジ強調領域検出部689、注目孤立点濃度検出部68B、および第四の濃度差分算出部68Cなどによって構成される。
【0170】
孤立点検出部681ないし近傍孤立点濃度検出部684は、それぞれ、第十の孤立点検出部671ないし近傍孤立点濃度検出部674(図22参照)と同様に機能する。注目孤立点濃度検出部68Bは、注目孤立点画素の濃度を検出する。
【0171】
第一の濃度差分算出部685は、第一の濃度差分算出部675と同様に、注目孤立点画素を点対称の中心とする、2つの孤立点画素または仮孤立点画素のうちの一方の濃度と、透過画像推定領域濃度検出部683によって検出された全体濃度との差分Du2を算出する。
【0172】
第二の濃度差分算出部686は、第二の濃度差分算出部676と同様に、注目孤立点画素を点対称の中心とする、2つの孤立点画素または仮孤立点画素同士の濃度の差分Dv2を算出する。
【0173】
第三の濃度差分算出部687は、注目孤立点画素の濃度とその近傍にある他の注目孤立点画素または仮孤立点画素(図23の例では、8つの他の注目孤立点画素または仮孤立点画素)それぞれの濃度との差分Dw2を算出する。
【0174】
第四の濃度差分算出部68Cは、注目孤立点画素の濃度と全体濃度との差分Dt2を算出する。
【0175】
境界画素判別部688は、各注目孤立点画素が透過画像50aと背後画像50bとの境界付近に位置するのか否かを、次のように判別する。
【0176】
ある注目孤立点画素について第一の濃度差分算出部685によって算出された差分Du2のすべてが閾値γ5を超えている場合は、境界画素判別部688は、その注目孤立点画素が境界付近に位置すると、判別する。または、ある注目孤立点画素について第二の濃度差分算出部686によって算出された差分Dv2のうちの少なくとも1つが閾値γ6を超えていれば、境界画素判別部688は、その注目孤立点画素が境界付近に位置すると、判別する。または、注目孤立点画素を点対称の中心とする、いずれかの組の2つの孤立点画素または仮孤立点画素それぞれの濃度とその注目孤立点画素の濃度との差分Dwが等しくなければ、境界画素判別部688は、その注目孤立点画素が境界付近に位置すると、判別する。または、差分Dt2が閾値γ7以下であれば、境界画素判別部688は、その注目孤立点画素が境界付近に位置すると、判別する。
【0177】
エッジ強調領域検出部689は、エッジ強調領域検出部678と同様に、境界付近に位置すると境界画素判別部688によって判別された孤立点画素を含む領域をエッジ強調領域50e6として検出する。
【0178】
図3に戻って、エッジ強調処理部102は、原稿画像50の中の、エッジ強調領域検出部101が第一ないし第十一のいずれかのエッジ強調領域検出方法によって検出したエッジ強調領域50e、50e2、50e3、50e4、50e5、または50e6に対して、エッジ強調処理を施す。
【0179】
例えば、エッジ強調処理部102は、透過画像50aの孤立点画素の色でエッジ強調領域50e、50e2、50e3、50e4、50e5、または50e6を塗り潰すことによって、エッジ強調処理を施す。または、エッジ強調領域50e、50e2、50e3、50e4、50e5、または50e6の透過率を、透過画像50aの中心付近の透過率よりも下げることによって(つまり、濃度を濃くすることによって)、エッジ強調処理を施す。
【0180】
本実施形態によると、透過画像50aのエッジを従来よりも確実に検出することができる。また、図4(A)に示したように透過画像50aが背後画像50bと重ねっている場合や図13(A)に示したように透過画像50aがグラデーションで表現される場合にも、エッジを好適に検出することができる。
【0181】
本実施形態では、エッジ強調領域を検出する方法として、第一ないし第十一のエッジ強調領域検出方法を例示したが、これらの方法を種々の場合に応じて使い分けられるようにしてもよい。例えば、図10、図11、および図12にそれぞれ示すモジュールをエッジ強調領域検出部101に設ける。そして、エッジ強調領域検出部101は、図6(A)に示すような特徴を表す属性データ7Aを取得した場合は、第二のエッジ強調領域検出方法によってエッジ強調領域50eを検出する。または、図6(B)に示すような特徴を表す属性データ7Aを取得した場合は、第三のエッジ強調領域検出方法によってエッジ強調領域50eを検出する。または、図6(C)に示すような特徴を表す属性データ7Aを取得した場合は、第四のエッジ強調領域検出方法によってエッジ強調領域50eを検知する。
【0182】
なお、図10、図11、および図12にそれぞれ示すモジュールのうち同等の機能を有するモジュールについては、1つだけ設け、第二ないし第四のエッジ強調領域検出方法で共用してもよい。
【0183】
その他、画像形成装置1の全体または各部の構成、処理内容、処理順序、データの構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0184】
1 画像形成装置(透過画像検出装置、透過画像エッジ検出装置、コンピュータ)
102 エッジ強調処理部(エッジ強調手段)
5K1 拡張領域
5K2 拡張領域
5K3 拡張領域
5S1 縮小領域
5S2 縮小領域
5S3 縮小領域
601 孤立点検出部(孤立点画素検出手段)
602 周期性検出部(規則性有画素判別手段)
603 透過領域拡張部(透過画像検出手段)
604 エッジ強調領域検出部(エッジ検出手段)
611 クロージング処理部(クロージング処理手段)
612 属性画像拡張部(拡大領域算出手段)
613 属性画像縮小部(縮小領域算出手段)
614 差分領域算出部(透過画像エッジ算出手段)
622 属性画像拡張部(拡大領域算出手段)
623 属性画像縮小部(縮小領域算出手段)
624 差分領域算出部(透過画像エッジ算出手段)
631 孤立点検出部(孤立点画素検出手段)
632 周期性検出部(規則性有画素判別手段)
633 クロージング処理部(クロージング処理手段)
634 拡張領域算出部(拡大領域算出手段)
635 縮小領域算出部(縮小領域算出手段)
636 差分領域算出部(透過画像エッジ算出手段)
804、814、824 孤立点存在推定部(非検出画素選出手段)
80B、82B 拡張領域検出部(非エッジ画素選出手段)
80C、81C、82E エッジ強調領域調整部(非エッジ部分削除手段)
81B、82D 境界領域検出部(非エッジ画素選出手段)
831 第一の孤立点検出部(第一の孤立点画素検出手段)
832 第二の孤立点検出部(第二の孤立点画素検出手段)
833 非重複画素選出部(第三の孤立点画素選出手段)
834 重畳領域拡張部(透過画像エッジ検出手段)
835 エッジ強調領域調整部(非エッジ部分削除手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の中から隣接する隣接画素の濃度よりも高い濃度を有する画素である孤立点画素を検出する孤立点画素検出手段と、
検出された前記孤立点画素のうちの一定の間隔で表れる孤立点画素である規則性有画素を検出する規則性有画素判別手段と、
検出された前記規則性有画素を含む領域に対してクロージングの処理を行うことによってクロージング領域を算出するクロージング処理手段と、
算出された前記クロージング領域を拡大することによって拡大領域を算出する拡大領域算出手段と、
算出された前記クロージング領域を縮小することによって縮小領域を算出する縮小領域算出手段と、
算出された前記拡大領域と算出された前記縮小領域との差分を透過画像のエッジとして算出する透過画像エッジ算出手段と、
を有することを特徴とする透過画像エッジ検出装置。
【請求項2】
前記孤立点画素検出手段によって検出されなかった画素であって、前記孤立点画素検出手段によって検出された2つの前記孤立点画素のうちの一方の孤立点画素を定点として他方の孤立点画素と点対称の位置にある画素である非検出画素を選出する、非検出画素選出手段と、
選出された前記非検出画素の濃度と、前記定点として用いられた前記孤立点画素の濃度との差が、閾値よりも小さく、かつ、当該非検出画素に隣接する画素の濃度と当該孤立点画素に隣接する画素の濃度との差が閾値よりも大きい場合に、当該孤立点画素を非エッジ画素として選出する、非エッジ画素選出手段と、
前記透過画像エッジ算出手段によって算出された前記エッジから、前記非エッジ画素を膨張させることによって表れる領域と重複する重複部分を削除する、非エッジ部分削除手段と、を有する、
請求項1記載の透過画像エッジ検出装置。
【請求項3】
前記孤立点画素検出手段によって検出されなかった画素であって、前記孤立点画素検出手段によって検出された2つの前記孤立点画素のうちの一方の孤立点画素を定点として他方の孤立点画素と点対称の位置にある画素である非検出画素を選出する、非検出画素選出手段と、
選出された前記非検出画素の濃度と、前記定点として用いられた前記孤立点画素の濃度との差が、閾値よりも大きく、かつ、当該非検出画素に隣接する画素の濃度と当該孤立点画素に隣接する画素の濃度との差が閾値よりも小さい場合に、当該孤立点画素を非エッジ画素として選出する、非エッジ画素選出手段と、
前記透過画像エッジ算出手段によって算出された前記エッジから、前記非エッジ画素を膨張させることによって表れる領域と重複する重複部分を削除する、非エッジ部分削除手段と、を有する、
請求項1記載の透過画像エッジ検出装置。
【請求項4】
画像の中から隣接する隣接画素の濃度よりも第一の閾値以上高い濃度を有する画素である第一の孤立点画素を検出する第一の孤立点画素検出手段と、
前記画像の中から、隣接する隣接画素の濃度よりも、前記第一の閾値よりも低い第二の閾値以上高い濃度を有する画素である第二の孤立点画素を検出する第二の孤立点画素検出手段と、
前記画像の中から、前記第一の孤立点画素としては検出されなかったが前記第二の孤立点画素としては検出された画素である第三の孤立点画素を選出する、第三の孤立点画素選出手段と、
前記画像の中から透過画像のエッジを検出する透過画像エッジ検出手段と、
前記透過画像エッジ検出手段によって検出された前記エッジから、前記第三の孤立点画素を膨張させることによって表れる領域と重複する重複部分を削除する、非エッジ部分削除手段と、
を有することを特徴とする透過画像エッジ検出装置。
【請求項5】
前記第一の孤立点画素検出手段は、一定の間隔で表れる複数の前記第一の孤立点画素を検出し、
前記第二の孤立点画素検出手段は、前記一定の間隔で表れる複数の前記第二の孤立点画素を検出する、
請求項4記載の透過画像エッジ検出装置。
【請求項6】
画像の中から隣接する隣接画素の濃度よりも高い濃度を有する画素である孤立点画素を検出する孤立点画素検出手段と、
検出された前記孤立点画素のうちの一定の間隔で表れる孤立点画素である規則性有画素を検出する規則性有画素判別手段と、
検出された前記規則性有画素を膨張させることによって表れる領域を透過画像として検出する透過画像検出手段と、
を有することを特徴とする透過画像検出装置。
【請求項7】
前記透過画像のエッジを検出するエッジ検出手段と、
検出された前記エッジを強調する処理を行うエッジ強調手段と、
を有する請求項6記載の透過画像検出装置。
【請求項8】
透過画像の属性データに、当該透過画像の中の一定以上の濃度を有する画素の位置が示される場合に、当該画素の分布を示す分布画像に対してクロージングの処理を行うことによってクロージング領域を算出するクロージング処理手段と、
算出された前記クロージング領域を拡大することによって拡大領域を算出する拡大領域算出手段と、
算出された前記クロージング領域を縮小することによって縮小領域を算出する縮小領域算出手段と、
算出された前記拡大領域と算出された前記縮小領域との差分を透過画像のエッジとして算出する透過画像エッジ算出手段と、
を有することを特徴とする透過画像エッジ検出装置。
【請求項9】
透過画像の位置および形状を示す属性データを取得する属性データ取得手段と、
前記属性データに基づいて前記透過画像の領域を拡大することによって拡大領域を算出する拡大領域算出手段と、
前記属性データに基づいて前記透過画像の領域を縮小することによって縮小領域を算出する縮小領域算出手段と、
算出された前記拡大領域と算出された前記縮小領域との差分を透過画像のエッジとして算出する透過画像エッジ算出手段と、
を有することを特徴とする透過画像エッジ検出装置。
【請求項10】
コンピュータに、
画像の中から隣接する隣接画素の濃度よりも高い濃度を有する画素である孤立点画素を検出する処理と、
検出した前記孤立点画素のうちの一定の間隔で表れる孤立点画素である規則性有画素を検出する処理と、
検出した前記規則性有画素を含む領域に対してクロージングの処理を行うことによってクロージング領域を算出する処理と、
算出した前記クロージング領域を拡大することによって拡大領域を算出する処理と、
算出した前記クロージング領域を縮小することによって縮小領域を算出する処理と、
算出した前記拡大領域と算出された前記縮小領域との差分を透過画像のエッジとして算出する処理と、
を実行させることを特徴とする透過画像エッジ検出方法。
【請求項11】
コンピュータに、
画像の中から隣接する隣接画素の濃度よりも第一の閾値以上高い濃度を有する画素である第一の孤立点画素を検出する処理と、
前記画像の中から、隣接する隣接画素の濃度よりも、前記第一の閾値よりも低い第二の閾値以上高い濃度を有する画素である第二の孤立点画素を検出する処理と、
前記画像の中から、前記第一の孤立点画素としては検出されなかったが前記第二の孤立点画素としては検出された画素である第三の孤立点画素を選出する処理と、
前記画像の中から透過画像のエッジを検出する処理と、
検出した前記エッジから、前記第三の孤立点画素を膨張させることによって表れる領域と重複する重複部分を削除する処理と、
を実行させることを特徴とする透過画像エッジ検出方法。
【請求項12】
コンピュータに、
透過画像の属性データに、当該透過画像の中の一定以上の濃度を有する画素の位置が示される場合に、当該画素の分布を示す分布画像に対してクロージングの処理を行うことによってクロージング領域を算出する処理と、
算出された前記クロージング領域を拡大することによって拡大領域を算出する処理と、
算出された前記クロージング領域を縮小することによって縮小領域を算出する処理と、
算出された前記拡大領域と算出された前記縮小領域との差分を透過画像のエッジとして算出する処理と、
を実行させることを特徴とする透過画像エッジ検出方法。
【請求項13】
コンピュータに、
画像の中から隣接する隣接画素の濃度よりも高い濃度を有する画素である孤立点画素を検出する処理と、
検出した前記孤立点画素のうちの一定の間隔で表れる孤立点画素である規則性有画素を検出する処理と、
検出した前記規則性有画素を膨張させることによって表れる領域を透過画像として検出する処理と、
を実行させることを特徴とする透過画像検出方法。
【請求項14】
コンピュータに、
透過画像の位置および形状を示す属性データを取得する処理と、
前記属性データに基づいて前記透過画像の領域を拡大することによって拡大領域を算出する処理と、
前記属性データに基づいて前記透過画像の領域を縮小することによって縮小領域を算出する処理と、
算出された前記拡大領域と算出された前記縮小領域との差分を透過画像のエッジとして算出する処理と、
を実行させることを特徴とする透過画像エッジ検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−244205(P2011−244205A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114486(P2010−114486)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】