説明

通信ケーブル誤抜防止装置

【課題】通信機器からの通信ケーブルの誤抜去を確実に防止すること。
【解決手段】LANケーブル5を挿入し、鍵付きラベル1が差し込まれる挿入・差込穴30と、その挿入・差込穴30を形成しているコネクタキャップ3の内表面に形成され、差し込まれた鍵付きラベル1の突起部14a,14bを溝に沿ってそれぞれ奥に導く差込溝32a,32bと、コネクタキャップ3の内表面に形成され、差し込まれた突起部14a,14bをそれぞれ固定する突起固定部33a、33bとを有するコネクタキャップ3、及び、挿入・差込穴30に差し込まれる鍵部13と、その鍵部13の表面に形成され、差込溝32a,32bにそれぞれ差し込まれる突起部14a,14bと、その鍵部13の差込先端に形成され、LANケーブル5と通信ネットワーク機器7との接続ロックを解除するロックレバー解除部15とを有する鍵付きラベル1で構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置に接続された通信ケーブルの誤抜を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
通信機器の高集積化や通信ネットワーク領域の分散化に伴い、1つの通信機器に多くの通信ケーブルが配線され、接続されることが多い。
【0003】
通信機器に接続された通信ケーブルを識別する方法として、一般に、その通信ケーブルの属する通信ネットワーク領域名や接続先・接続元の通信機器名や通信ポート名などの識別情報を、通信ケーブルごとに付与する手法が採用される。例えば、通信ケーブルへのラベルの取り付けや、通信ケーブル表面への直接の印字である。
【0004】
一方、通信機器から通信ケーブルを抜き去る際には、そのラベル表面や通信ケーブル表面に付与された識別情報を確認することで、抜去対象の通信ケーブルが特定される。
【0005】
このような通信ケーブルは、偶発的な張力により意図しない誤抜去を防止するため、結束バンド等によって通信機器の収容棚に結わい付けられることが多い。その場合、識別情報が付与されたラベルなどを利用して、接続されている通信機器やその通信ポートを辿ることは難しく、通信ケーブルを誤って特定してしまう可能性が高い。
【0006】
また、通信ケーブルが、集積化された通信機器の奥まった場所に配線されている場合には、ラベル表面や通信ケーブル表面の識別情報を目視できないため、抜去対象の通信ケーブルを識別することは難しい。
【0007】
このような場合には、密集した通信ケーブルから特定の通信ケーブルを抜去する作業負荷が高くなることから、その作業負荷軽減を目的として、抜去治具や、抜去治具を内蔵するコネクタが提案されている(特許文献1乃至3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭60−102808号公報
【特許文献2】特開平6−96834号公報
【特許文献3】特開2009−42767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、そのような抜去治具などを用いて作業負荷を軽減させたとしても、やはり、作業中に通信ケーブルを取り違えて、抜去対象でない通信ケーブルを掴み抜いてしまう場合がある。これにより、その通信機器やその通信ポートで提供しているサービスが停止するなどの様々な影響が発生するという課題があった。
【0010】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、通信機器からの通信ケーブルの誤抜去を確実に防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の通信ケーブル誤抜防止装置は、通信ケーブルの通信機器との接続端に取り付けられ、対応する鍵機構が差し込まれたときのみ前記通信ケーブルを前記通信機器から取り外す鍵穴機構と、前記鍵穴機構に対応し、紐づいた前記通信ケーブルを識別する識別手段が付された鍵機構と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、通信ケーブルの通信機器との接続端に取り付けられ、対応する鍵機構が差し込まれたときのみ通信ケーブルを通信機器から取り外す鍵穴機構と、その鍵穴機構に対応し、紐づいた通信ケーブルを識別する識別手段が付された鍵機構と、を有するため、通信機器からの通信ケーブルの誤抜去を確実に防止できる。
【0013】
請求項2記載の通信ケーブル誤抜防止装置は、請求項1記載の通信ケーブル誤抜防止装置において、前記鍵穴機構は、前記接続端での接続をロックするロック機構を覆う被覆手段を有することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、鍵穴機構は、通信ケーブルの通信機器との接続端での接続をロックするロック機構を覆う被覆手段を有するため、通信機器からの通信ケーブルの誤抜去をより確実に防止できる。
【0015】
請求項3記載の通信ケーブル誤抜防止装置は、請求項1又は2記載の通信ケーブル誤抜防止装置において、前記鍵穴機構は、前記通信ケーブルを挿入し、前記鍵機構が差し込まれる挿入・差込穴と、前記挿入・差込穴を形成している前記鍵穴機構の内表面に形成され、差し込まれた前記鍵機構の突起部を溝に沿って奥に導く差込溝と、前記内表面に形成され、差し込まれた前記突起部を固定する固定部と、を有し、前記鍵機構は、前記挿入・差込穴に差し込まれる鍵部と、前記鍵部の表面に形成され、前記差込溝に差し込まれる突起部と、前記鍵部の差込先端に形成され、前記通信ケーブルと前記通信機器との接続ロックを解除する解除部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、通信機器からの通信ケーブルの誤抜去を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】鍵付きラベルの斜視図である。
【図2】鍵付きラベルの上面図である。
【図3】鍵付きラベルの正面図である。
【図4】鍵付きラベルの断面図である。
【図5】鍵付きラベルの断面図である。
【図6】コネクタキャップの斜視図である。
【図7】コネクタキャップの上面図である。
【図8】コネクタキャップの正面図である。
【図9】コネクタキャップの断面図である。
【図10】通信ケーブル誤抜防止装置の使用方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。但し、本発明は多くの異なる様態で実施することが可能であり、本実施の形態の記載内容に限定して解釈すべきではない。
【0019】
本実施の形態に係る通信ケーブル誤抜防止装置は、鍵としての機能を有する鍵付きラベルと、その鍵に対応する鍵穴としての機能を有するコネクタキャップとで構成される。
【0020】
まず、鍵付きラベルの構成について説明する。図1〜図5は、鍵付きラベル1の構成を示す図である。図1は、LANケーブル5を含む鍵付きラベル1の斜視図である。図2は、鍵付きラベル1の上面図である。図3は、図1のYから見た鍵付きラベル1の正面図である。図4は、鍵部13及び突起部14a、14bの断面図である。図5は、図1のXから見た鍵付きラベル1の断面図である。
【0021】
なお、LANケーブル5は、図1に示すように、通信ネットワーク機器に物理的に接続されるコネクタ部5aと、その通信ネットワーク機器間を電気的に接続するケーブル部5bとで構成される。コネクタ部5aの一表面には、通信ネットワーク機器の物理的LANポートとの接続時に抜けを防止するロックレバー5cが具備されている。このロックレバー5cのコネクタ部5aとの非固定端(非接続端)を、コネクタ部5aの上記一表面の方向に押下することにより、その物理的LANポートからLANケーブル5を取り外す(抜く)ことができる。
【0022】
鍵付きラベル1は、図1に示すように、鍵付きラベル1をLANケーブル5のケーブル部5bに結び付ける紐10と、その紐10を通す通し穴11と、LANケーブル5に関する情報を記載する板状の通信ケーブル情報記載部12と、その通信ケーブル情報記載部12に固定(連結)され、コネクタキャップに形成された挿入・差込穴(後述)に差し込まれ、通信ネットワーク機器とLANケーブル5との嵌合(接続)を解除(接続→非接続)する瓦状の鍵部13と、その鍵部13の一表面(挿入・差込穴を形成しているコネクタキャップの内表面との近接対向面)に形成され、コネクタキャップの差込溝に差し込まれ、その差込方向(図1のY方向)に沿って平行する2つの突起部14a、14bと、鍵部13の差込先端に形成され、コネクタキャップの挿入・差込穴に差し込まれた際に、LANケーブル5のロックレバー5cを下方に押し下げて、LANケーブル5と通信ネットワーク機器との接続ロックを解除するロックレバー解除部15とで構成されている。
【0023】
次に、コネクタキャップの構成について説明する。図6〜図9は、コネクタキャップ3の構成を示す図である。図6は、コネクタキャップ3の斜視図である。図7は、図6のZから見たコネクタキャップの上面図である。図8は、図6のYから見たコネクタキャップの正面図である。図9は、図6のXから見たコネクタキャップの断面図である。
【0024】
コネクタキャップ3は、断面がカマボコ状である筒状の形状を有し、方形状であるLANケーブル5のコネクタ部5a及びケーブル部5bを挿入すると同時に、鍵付きラベル1の瓦状の鍵部13が差し込まれる挿入・差込穴30と、その挿入・差込穴30を形成しているコネクタキャップ3の一内表面で、挿入されたLANケーブル5のコネクタ部5aの一表面(ロックレバー5cのない表面)を接着する接着部31と、その一内表面に対向するコネクタキャップ3の対向内表面に形成され、差し込まれた鍵付きラベル1の鍵部13の2つの突起部14a、14bを溝に沿ってそれぞれ奥に導く2つの差込溝32a、32bと、その対向内表面に形成され、差し込まれた2つの突起部14a、14bをそれぞれ固定する2つの突起固定部33a、33bとで構成されている。
【0025】
差込溝32aと突起固定部33aとは、図6に示すように、鍵付きラベル1の突起部14aが溝内を通過して固定されるように、L字状の一連なる状態で形成されている。差込溝32bと突起固定部33bとについても同様である。
【0026】
ここで、鍵付きラベル1の突起部14a、14bと、コネクタキャップ3の差込溝32a、32bとの形状(大きさ・形)やそれらの位置関係は対応関係にある。具体的には、突起部14aと突起部14bとの間隔は、差込溝32aと32bとの間隔に一致し、各突起部14a、14bのサイズ(図1のY方向から見た突起部の縦・横の長さ)は、差込溝32a、32bのサイズ(図6のY方向から見た差込溝の縦・横の長さ)にそれぞれ一致している。
【0027】
すなわち、それら突起部14a、14bと差込溝32a、32bとは、鍵と鍵穴との関係を構成しており、その組み合わせに合致するもの、つまり、対応関係にある鍵付きラベル1とコネクタキャップ3とでのみ差込可能となる。従い、通信ケーブル誤抜防止装置は、それら形状や位置関係に基づく認証機能も具備している。
【0028】
次に、上述した通信ケーブル誤抜防止装置の使用方法について説明する。図10は、通信ケーブル誤抜防止装置の使用方法の説明図である。
【0029】
まず、図10(a)に示すように、通信ネットワーク機器7の物理的LANポート71に接続されたLANケーブル5にコネクタキャップ3を装着する。具体的には、コネクタキャップ3の挿入・差込穴30にLANケーブル5を挿入し、そのコネクタキャップ3を、LANケーブル5のコネクタ部5aとロックレバー5cとを覆う位置まで移動させ、挿入・差込穴30内の接着部31で接着し、固定する。
【0030】
なお、接着方法としては、一般的な接着剤を利用してもよいし、コネクタ部5aに嵌合する爪などの接着手段を利用してもよい。
【0031】
このとき、LANケーブル5のコネクタ部5aは、ロックレバー5cにより抜けが防止され、更に、ロックレバー5cは、何ら押下されていない状態でコネクタキャップ3により覆われていることから、LANケーブル5のケーブル部5bを単に引っ張っただけでは通信ネットワーク機器7から抜けることはなく、更に、意図しない誤抜去を防止できる。本実施の形態では、コネクタキャップ3自体が、ロックレバー5cを覆う被覆手段として機能している。
【0032】
一方、LANケーブル5を通信ネットワーク機器7から抜き去る場合には、鍵付きラベル1の通信ケーブル情報記載部12に記載された情報を元に、抜去対象のラベルを識別し、その鍵付きラベル1に結び付いた紐10によって、抜去対象のLANケーブル5を特定する。そして、その特定されたLANケーブル5を辿ることにより、そのLANケーブル5に取り付けられたコネクタキャップ3を特定する。
【0033】
次に、図10(b)に示すように、識別・特定された鍵付きラベル1の鍵部13を用いて、通信ネットワーク機器7からLANケーブル5を取り外す。具体的には、その鍵付きラベル1の突起部14a、14bをコネクタキャップ3の差込溝32a、32bにそれぞれあてがい、鍵付きラベル1の鍵部13をコネクタキャップ3の挿入・差込穴30に差し込み、突起部14a,14bのある奥まで入れたところで右方向に回転させて、突起部14a、14bを突起固定部33a、33bにそれぞれ嵌合させる。
【0034】
鍵付きラベル1の鍵部13の差込時や回転時に、ロックレバー解除部15によりLANケーブル5のロックレバー5cがコネクタ部5aのある下方に押し下げられることから、通信ネットワーク機器7とLANケーブル5との嵌合(接続)が解除(接続→非接続)され、LANケーブル5を通信ネットワーク機器7から抜き去ることができようになる。
【0035】
その後、この状態で、鍵付きラベル1を、LANケーブル5を引き抜く方向に引っ張ることにより、接着されているLANケーブル5とコネクタキャップ3とを同時に通信ネットワーク機器7から取り外すことができる。
【0036】
以上より、本実施の形態によれば、通信ケーブル誤抜防止装置が、LANケーブル5を挿入し、鍵付きラベル1が差し込まれる挿入・差込穴30と、その挿入・差込穴30を形成しているコネクタキャップ3の内表面に形成され、差し込まれた鍵付きラベル1の突起部14a,14bを溝に沿ってそれぞれ奥に導く差込溝32a,32bと、コネクタキャップ3の内表面に形成され、差し込まれた突起部14a,14bをそれぞれ固定する突起固定部33a、33bとを有するコネクタキャップ3、及び、挿入・差込穴30に差し込まれる鍵部13と、その鍵部13の表面に形成され、差込溝32a,32bにそれぞれ差し込まれる突起部14a,14bと、その鍵部13の差込先端に形成され、LANケーブル5と通信ネットワーク機器7との接続ロックを解除するロックレバー解除部15とを有する鍵付きラベル1で構成されるので、そのコネクタキャップ3に対応する鍵付きラベル1でしか解除することができなくなり、抜去対象のLANケーブル5の取り間違え発生の可能性を低減でき、通信ネットワーク機器7からのLANケーブル5の誤抜去を確実に防止できる。
【0037】
また、通信ネットワーク機器7の高集積化が進むにつれてLANケーブル5が密集することになり、抜去対象のLANケーブル5を特定することが難しくなるが、鍵付きラベル1には、その抜去対象のLANケーブル5に関する情報を多く記載できるので、LANケーブル5をより正確に特定できる。これにより、安全な抜去を実施できる。
【0038】
また、LANケーブル5の抜去と同時にコネクタキャップ3も取り外すので、抜去後の通信ネットワーク機器7に何らの装置を残すことはなく、その後のネットワーク運用やサービス運用に影響を与えることはない。
【0039】
以上説明した通信ケーブル誤抜防止装置は、あくまでも一例である。
【0040】
すなわち、上述した一実施の形態及び後述する様々な変形例により、コネクタキャップ3は、通信ケーブルの通信機器との接続端に取り付けられ、対応する鍵機構が差し込まれたときのみその通信ケーブルをその通信機器から取り外す鍵穴機構に上位概念化できる。また、鍵付きラベル1は、その鍵穴機構に対応し、紐づいた上記通信ケーブルを識別する識別手段が付された鍵機構に上位概念化できる。
【0041】
例えば、鍵付きラベル1とコネクタキャップ3との組み合わせを認証する方法として、上述したような物理的構造に代えて、電気信号や電波信号による電気的認証方法を採用することができる。具体的には、突起部14a,14bに変えて、鍵付きラベル1を識別する識別信号の出力回路を鍵付きラベル1に具備し、差込溝32a、32bや突起固定部33a、33bに代えて、その識別信号を受信して認証する受信・認証回路をコネクタキャップ3に内蔵するようにしてもよい。
【0042】
また、LANケーブル5と通信ネットワーク機器7との接続ロックを解除する解除機構(ロックレバー解除部15)を鍵付きラベル1に形成するのに代えて、コネクタキャップ3に具備してもよい。具体的には、鍵付きラベル1の挿入を検知する検知回路や、検知された場合や上記認証された場合にロックレバー5cを押し下げる押下機構をコネクタキャップ3に設けてもよい。
【0043】
また、鍵付きラベル1が差し込まれる穴と、LANケーブル5が挿入される穴とが同一であるのに代えて、入り口のみ分けるようにしてもよい。特に、接続ロックの解除機構がコネクタキャップ3に具備される場合には、鍵付きラベル1の差込先端にロックレバー解除機構を形成する必要がないので、それら穴を個々に区別する専用の穴をそれぞれ用意してもよい。
【0044】
また、鍵付きラベル1の突起部14a,14bと、それに対応するコネクタキャップ3の差込溝32a、32bとの形状や位置関係を変えることにより、様々な組み合わせのバリエーションを生成することができ、特定の対応関係にあるペアでしか、抜去することができない機構を作る事ができる。これによって、仮に作業者が異なる鍵付きラベル1を特定してLANケーブル5を抜去しようとしても、コネクタキャップ3に鍵付きラベル1の鍵部13を差し込むことができず、誤ってケーブルを抜去することを防ぐことができる。
【0045】
また、紐10の素材については何ら問われない。糸、毛糸、ワイヤなど、鍵付きラベル1をLANケーブル5に紐付けるものであればどのようなものでもよい。
【0046】
また、コネクタキャップ3の挿入・差込穴30や鍵付きラベル1の鍵部13の断面形状については、カマボコ状や半円形状である必要はなく、方形状であってもよい。その場合には、回転するのに代えて、鍵部13を横にスライドさせることで嵌合させる方法などが採用できる。
【0047】
また、LANケーブルは一例であり、通信ネットワーク機器7に接続可能であり、爪などのロックレバーを具備する通信ケーブルであればよい。通信ネットワーク機器も一例であり、パソコンなどの通信機器であればよい。
【0048】
また、通信ネットワーク機器7の物理的LANポート71は、通常、複数が近接した状態で多段に配列されていることから、コネクタキャップ3の大きさ(図6のX方向やZ方向での外枠の長さ)は、その物理的LANポート71を形成している枠の大きさと同一であることが好ましい。
【0049】
また、コネクタキャップ3の接着部31でLANケーブル5のコネクタ部5aを接着・固定するのに代えて、挿入・差込穴30の大きさをコネクタ部5aよりも小さくしておき、その挿入・差込穴30を形成しているコネクタキャップ3の内側面からの圧を利用して固定するようにしてもよい。
【0050】
また、コネクタキャップ3の構造について、LANケーブル5のロックレバー5cをカバーする構造と、LANケーブル5のコネクタ部5aを接着する接着部31を具備していれば、筒状の構造である必要はなく、ロックレバー5cを覆う、下部半分のない半円形の瓦型の構造なども採用できる。
【0051】
また、鍵部13の長さは、コネクタキャップ3の挿入・差込穴30に挿入できる十分な長さがあればよい。例えば、より長い構造を具備することにより、手では届かない場所にあるLANケーブル5のロックレバー5cを押下させ、通信ネットワーク機器7から取り外すことができる。これにより、作業者の負荷をより一層軽減できる。
【符号の説明】
【0052】
1…鍵付きラベル(鍵機構)
10…紐
11…通し穴
12…通信ケーブル情報記載部(識別手段)
13…鍵部
14a,14b…突起部
15…ロックレバー解除部(解除部)
3…コネクタキャップ(鍵穴機構)
30…挿入・差込穴
31…接着部
32a、32b…差込溝
33a、33b…突起固定部(固定部)
5…LANケーブル
5a…コネクタ部
5b…ケーブル部
5c…ロックレバー(ロック機構)
7…通信ネットワーク機器
71…物理的LANポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ケーブルの通信機器との接続端に取り付けられ、対応する鍵機構が差し込まれたときのみ前記通信ケーブルを前記通信機器から取り外す鍵穴機構と、
前記鍵穴機構に対応し、紐づいた前記通信ケーブルを識別する識別手段が付された鍵機構と、
を有することを特徴とする通信ケーブル誤抜防止装置。
【請求項2】
前記鍵穴機構は、
前記接続端での接続をロックするロック機構を覆う被覆手段を有することを特徴とする請求項1に記載の通信ケーブル誤抜防止装置。
【請求項3】
前記鍵穴機構は、
前記通信ケーブルを挿入し、前記鍵機構が差し込まれる挿入・差込穴と、
前記挿入・差込穴を形成している前記鍵穴機構の内表面に形成され、差し込まれた前記鍵機構の突起部を溝に沿って奥に導く差込溝と、
前記内表面に形成され、差し込まれた前記突起部を固定する固定部と、を有し、
前記鍵機構は、
前記挿入・差込穴に差し込まれる鍵部と、
前記鍵部の表面に形成され、前記差込溝に差し込まれる突起部と、
前記鍵部の差込先端に形成され、前記通信ケーブルと前記通信機器との接続ロックを解除する解除部と、
を有することを特徴とする請求項1又は2記載の通信ケーブル誤抜防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−84504(P2013−84504A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224874(P2011−224874)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】