説明

通信サービスのIP相互接続におけるネットワーク間インターフェース上のサービス品質(QoS)

技術、装置、およびシステムは、末端間サービス品質を提供するメカニズムを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許文献は、米国に出願された以下の2つの米国仮出願の利益と優先権を請求する。(1)2009年9月4日に出願された、米国仮出願第61/240,187号、「QOS ACROSS NETWORK−TO−NETWORK INTERFACES FOR IP INTERCONNECTION OF SERVICES IN WIRELESS COMMUNICATIONS」、(2)2009年9月11日に出願された、米国仮出願第61/241,618号、「QOS ACROSS NETWORK−TO−NETWORK INTERFACES FOR IP INTERCONNECTION OF SERVICES IN WIRELESS COMMUNICATIONS」。
【0002】
上記出願の全開示は、参照により本文献の一部として組み込まれる。
【0003】
本文献は、通信技術およびシステムに関し、無線通信と有線通信の技術およびシステムを含む。
【背景技術】
【0004】
データパケットが有線または無線の通信リンクまたはネットワークを介して配信されるパケットスイッチネットワークにおいて、通信リソースを確保し、データパケットの配信を制御して、データパケット配信におけるあるレベルのパフォーマンスを実現するため、サービス品質(QoS)が実装される。QoSパフォーマンスのレベルは、1以上のパラメータによって測定し得る。例えば、送信ビットレート、送信遅延、パケットデータジッタ、データロス確率、ビットエラーレートである。あるデータサービスが遅延やパケットロスに対して耐性がある一方、例えばVOIP(Voice Over IP)、相互データサービス、ビデオおよびマルチメディアデータサービスのような他のデータサービスは遅延やパケットロスに対して非常に敏感であり、高レベルのQoSを必要とする場合がある。
【0005】
QoSメカニズムは、パケットスイッチングに基づく有線または無線の通信リンクまたはネットワークを介したパケット配信を制御および管理するために実装し、QoS要求に合致させることができる。無線通信システムは、1以上の基地局のネットワークを備え、携帯デバイス、携帯電話、無線カード、モバイルステーション(MS)、ユーザデバイス(User Equipment)、アクセスターミナル(TA)、加入者設備などのような1以上の無線デバイスと通信することができる。各基地局は、音声データその他のデータコンテンツのようなデータを無線デバイスへ搬送する無線信号を送出することができる。基地局は、アクセスポイント(AP)またはアクセスネットワーク(AN)である場合があり、アクセスネットワークの一部に含めることもできる。さらに無線通信システムは、1以上のコアネットワークを介して互いに通信し、または有線通信システムと通信する。無線デバイスは、通信のために1以上の異なる無線技術を用いることができる。無線技術の例として、CDMA2000 1xのような符号分割多重アクセス(CDMA)、High Rate Packet Data(HRPD)、Global System for Mobile communications(GSM)ベースの技術、Long−Term Evolution(LTE)、直交周波数分割多重(OFDM)、ワイマックス(WiMAX)などがある。これらの実装のなかには、無線通信システムが異なる無線技術を用いる複数のネットワークを備えることができるものもある。
【0006】
様々な通信アプリケーションにおいて、パケットスイッチングに基づくデータ通信サービスが、異なるネットワークキャリアまたはオペレータが運用する2以上の通信ネットワークをまたがって提供される。上記の様なアプリケーションにおいて、ネットワーク間相互接続上でQoSメカニズムを実装し、所望のデータ配信パフォーマンスレベルを実現することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本文書は、無線および有線通信の技術を記載している。
【0008】
ある側面において、無線および/または有線通信システム間の通信技術は、ネットワーク間インターフェース(NNI)上で末端間QoSを可能にする方法、装置およびシステムを有し、IPマルチメディアサービス(IMS)を提供する。
【0009】
他の側面において、異なる通信ネットワークを介したパケットデータ通信におけるサービス品質(QoS)を提供する方法は、以下のステップを含む:
異なる通信ネットワークにおいてそれぞれQoSサービスマネージャを提供し、前記異なる通信ネットワークにおいて、前記異なる通信ネットワークを接続するネットワーク間相互接続上でQoSシグナル伝達を管理するステップ;
相互接続している2つの前記異なる通信ネットワークの前記QoSマネージャを動作させて互いに通信し、各前記QoSマネージャが前記異なる通信ネットワークによってサポートされるデータ通信サービスについてのサービスレベル合意(SLA)のQoS情報、および各通信ネットワークにおけるネットワーク通信リソースについての情報を取得できるようにするステップ;
各前記通信ネットワークにおいて、相互接続する通信ネットワークへシグナル伝達し、2つの相互接続する通信ネットワーク間でデータ通信するための境界ゲートウェイを提供するステップであって、2つの他の通信ネットワークと相互接続する通信ネットワークが存在する場合は、その通信ネットワークはそれぞれ前記2つの他の通信ネットワークと接続するように設計された2つの境界ゲートウェイを有するステップ;
各前記QoSサービスマネージャを動作させ、各通信ネットワークにおける1以上の前記境界ゲートウェイへ、前記SLAのQoS情報および前記データ通信サービスのネットワーク通信リソースについての情報を含むデータ通信サービスについてのQoSポリシー情報を送信するステップ;
各前記境界ゲートウェイを、前記QoSポリシーを施行するQoSポリシー施行要素として動作させるステップ。
【0010】
これら側面、その他の側面、およびその実装は、以下の説明、図面、および特許請求の範囲において記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】QoS技術とシステムに関連して、無線RFネットワークと無線トランシーバの例を示す。
【図2】QoS技術とシステムに関連して、無線RFネットワークと無線トランシーバの例を示す。
【図3】高レベルIP eXchange(IPX)アーキテクチャモデルを示す。
【図4】欧州TISPAN(Telecommunications and Internet converged Services and Protocols for Advanced Networking)によるIPXアーキテクチャの例を示す。
【図5】ネットワーク間インターフェース(NNI)上の公衆交換電話網(PSTN)および地上波公共移動体通信ネットワーク(PLMN)キャリア相互接続の例を示す。
【図6】リモートキャリアアクセスについてのNNI上の末端間(E2E)QoSを保証するIPXアーキテクチャの例を示す。
【図7】ユーザがホームプロバイダAからホームブロードバンドとプレミアム映像サービスの提供を受けるマルチデバイスアクセスについてのNNI上のE2E QoSを提供するIPXアーキテクチャの例を示す。
【図8】E2E QoSを保証する、提案するスケーラブルIPXアーキテクチャの例を示す。
【図9】図8に示すIPXアーキテクチャおけるE2E QoS保証コールフローの例を示す。
【図10】図9のコールフローの実装例を示す。
【図11】図9のコールフローの実装例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例えばパケットベースネットワークのような通信ネットワークは、異なる無線および有線通信システムに接続することができる。このような通信システムは、異なるサービスレベルとサービス品質(QoS)をユーザへ提供することができる。無線、有線通信システムおよびパケットベースネットワークのようなネットワークは、様々な接続について末端間(E2E)QoSを提供することができる。
【0013】
ネットワーク間インターフェース(NNI)は、2つのネットワークが相互接続し情報交換する方法を規定する。NNI相互接続上のQoSは、最適なネットワーク利用と高品質なサービスを経済的に配信することにとって重要である。従来、キャリアのなかにはQoSの問題を、ネットワークを過剰供給することによって解決しているものがある。しかし、インターネットプロトコル(IP)ベースネットワークへ移行された時分割多重(TDM)トラフィック量が増加し、マルチメディアサービスのようなIPベースサービスの利用が増加すると、ネットワーク規模がピークトラフィック要求を満たすことは不可能または困難になるであろう。そこで、NNI上のQoSが主要な標準規格組織(SDO)において重要な研究トピックとなっている。
【0014】
NNI上のQoSに関する問題は、様々な業界フォーラムにおいて活発に議論されている。GSM協会(GSMA)は、General Packet Radio Service Roaming Exchange(GRX)モデルを用いて、QoS能力を含むことによりGRXを拡張するIP eXchange(IPX)相互接続モデルを定義している。その他2つのSDO、the 3rd Generation Partnership Project(3GPP)とETSI TISPAN(Telecommunications and Internet converged Services and Protocols for Advanced Networking)は、QoS問題を解決するアプローチに着手している。IPXは、拡張QoS機能、様々な要素、既にGRXにおいてIPベースデータサービスの性能、品質およびセキュリティを保証するため商用されている原理、を用いている。IPXは、ディフサーブ(DiffServ)技術を用いることにより、差別化されたサービス(DiffServ)へのサポートをGRXに追加している。この技術においては、データサービスはデータパケットを様々なサービスクラスへ分類することに基づき差別化されている。各パケットのサービスクラス(CoS)は、IPXにおいて優先度とネットワークリソースを割り当て、個々のパケットを他のデータパケットに対して転送するために用いられている。IPXは、データパケットのIPヘッダ内にDiffServ Code Point(DSCP)とともにサービスタイプ(ToS)フィールドを規定し、複数のデータパケットのCoS分類に基づく優先度情報にしたがって、複数のパケットを個別に処理できるようにしている。しかし、DiffServにおけるエッジルータの静的構成に起因する制約により、ネットワークリソースを過小供給したり過剰供給したりすることになってしまう。
【0015】
本文書に記載している、複数のネットワークをまたがったQoSメカニズムのための技術およびシステムは、例えばIPX差別化サービスモデルにおいてE2E QoS保障を提供することによって実装することができる。この実装により、サービスレベル合意(SLA)の動的マルチレベルチェーンの拡張についてE2E手法を提供し、E2E QoS保証を提供することができる。この実装は、プロバイダドメインにおけるポリシー決定ポイント(PDP)エンティティ間のポリシールール交換についてのドメイン間NNIシグナル伝達に基づくことができる。PDPと各ドメインのエッジにおける境界ゲートウェイ間で、ポリシー施行のためドメイン内QoSルールシグナル伝達を実施できる実装もある。クラスベーストランク上のDiffServマークは、異なるトラフィッククラスを識別するため、およびクラス固有ポリシーを施行するために用いることができる。無線および/または有線通信システム間のQoSを提供するメカニズムを備えることができる実装もある。本技術およびシステムは、ネットワーク間インターフェース(NNI)上の末端間QoSを可能にしてIPマルチメディアサービス(IMS)を提供する手法により実装することもできる。本文書内において、サービスプロバイダとIPXが差別化されたサービスを協調的に処理し、NNI上のQoS E2Eを信頼性高く保証できるようにするアーキテクチャの例を提供する。
【0016】
異なるネットワークをまたがったQoSメカニズムのための技術およびシステムに関連するデータ配信は、無線RFリンクのような無線通信リンクまたはケーブルまたは光ファイバのような有線通信リンクを介してすることができる。無線RFリンクは、様々な無線技術に基づく様々な構成において実装することができる。図1と図2は、無線RFネットワークと無線トランシーバの例を示す。
【0017】
図1は、無線デバイスまたはユーザに無線アクセスを提供する無線通信システムの例を示す。この例において、通信システムは1以上の基地局(BS)105、107と、1以上の無線デバイス110を備えることができる。基地局105、107は、ダウンリンク(DL)と呼ばれる転送リンク(FL)上で、信号を1以上の無線デバイス110へ送信することができる。無線デバイス110は、アップリンク(UL)と呼ばれる上りリンク上で、信号を1以上の基地局105、107へ送信することができる。無線通信システムは、1以上のコアネットワーク125、127を備え、1以上の基地局105、107を制御することができる。本技術およびシステムを実装することができる無線通信システムの例は、CDMA2000 1xなどのような符号分割多重アクセス(CDMA)、High Rate Packet Data(HRPD)、Global System for Mobile communications(GSM)ベースの技術、Long−Term Evolution(LTE)、Universal Terrestrial Radio Access Network(UTRAN)、ワイマックス(WiMAX)に基づく無線通信システムを含む。
【0018】
複数無線および/または有線通信システムは、相互接続して無線通信についてのE2E QoSを提供することができる。コアネットワーク125、127が異なるモードを用いてデータを異なる無線および/または有線通信システム間で伝送することができる実装もある。
【0019】
図2は、無線局アーキテクチャの例を示す。無線局の例として、基地局と無線デバイスが含まれる。基地局または無線デバイスなどのような無線局205は、マイクロプロセッサなどのプロセッサ電子部品210を備えることができる。無線局205は、トランシーバ電子部品215を備え、例えば1以上のアンテナ220のような1以上の通信インターフェース上で無線信号を送信および/または受信することができる。無線局205は、データを送受信するためのその他の通信インターフェースを備えることができる。無線局205が1以上の有線通信インターフェースを備え、有線ネットワークと通信することができる実装もある。無線局205は、データおよび/または命令などのような情報を格納するように構成された、1以上のメモリ225を備えることができる。プロセッサ電子部品210がトランシーバ電子部品215とメモリ225の少なくとも一部を含むことができる実装もある。
【0020】
無線局205が、CDMAインターフェースに基づき互いに通信することができる実装もある。無線局205が、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)インターフェースを備える直交周波数分割多重(OFDM)インターフェースに基づき互いに通信することができる実装もある。無線局205が、例えばCDMA2000 1x、HRPD、WiMAX、LTE、Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)のような1以上の無線技術を用いて通信することができる実装もある。
【0021】
ネットワーク間インターフェース上のQoS
ネットワーク間インターフェース(NNI)は、2つのネットワークが相互接続して情報交換する方法を規定する。相互接続したネットワークドメインは互いに外部ネットワークであり通常は異なるキャリアによって運用される一方、上記のような相互接続したネットワークは分離された内部ドメインを備えることもできる。上記のようなNNI接続したIPネットワークについてのサービス品質(QoS)は、末端間(E2E)パケット遅延の上限、パケットロスの上限、パケット送信遅延変化(ジッタ)、およびサービスレベル合意(SLA)において定められている帯域幅プロファイル、トラフィック分類、可用性要件のような属性に関連する。NNI上のQoSは、差別化サービスクラス(CoS)の性能と、帯域幅割当および相互接続したキャリアドメインをまたがったトラフィック特性の観点において対応するQoS保証を割り当てる能力とに関連する。
【0022】
主要なIPネットワークは、大帯域幅を確保することによってQoS保証を達成した。このアプローチは、ネットワーク性能の利用が低くなることをもたらした。ネットワークリソースをより活用してユーザ体験を拡張することは、適正な帯域幅リソースが得られる場合であっても、キャリアにとって重要である。ますます多くのネットワークが完全にIPベースのネットワークアーキテクチャへ移行しつつあり、サービスプロバイダは、ネットワーク相互接続のための最適なネットワーク利用とコスト削減についての解決手法をさらに求めている。したがってIPベース通信サービスのサービス品質は、ネットワーク間相互接続において重要な役割を演じることになる。
【0023】
ネットワーク相互接続上のQoSは、通信業界と、the 3rd Generation Partnership Project(3GPP)、TISPAN(Telecommunications and Internet converged Services and Protocols for Advanced Networking)、GSM協会(GSMA)のような標準化団体(SDO)によって調査されてきた。
【0024】
主要なSDOは、NNIインターフェースと関連するネットワーク要素を規定した。QoS機能を規定したSDOもある。以下の説明は、NNI上のQoSに関する主要なSDOの努力の高レベル概要である。
【0025】
GSMA:
GSMAは、GRX(GPRS Roaming eXchange)に基づくIP Packet eXchange(IPX)のアーキテクチャフレームワークを規定した。これは「Inter−Service Provider IP Backbone Guidelines」(GSMA IR.34)に記載されている。図3は、異なるネットワークオペレータA、B、Cが記載された、高レベルIPXアーキテクチャモデルを示す。
【0026】
IPXは、様々なタイプのサービスプロバイダに、末端接続を用いてサービスプロバイダ間IPバックボーン(IPX)へ接続させることができる。サービスプロバイダの種類は、例えばモバイルネットワークオペレータ(MNO)、固定ネットワークオペレータ(FNO)、インターネットサービスプロバイダ(ISP)、アプリケーションサービスプロバイダ(ASP)である。末端接続は、レイヤー1物理接続、レイヤー2における論理接続、または公衆IPネットワーク上のレイヤー3 IP VPN接続を介して実装されている場合がある。レイヤー3を介した接続は、推奨されない。サービスプロバイダは、1以上のIPXプロバイダと接続している場合がある。IPXは、個々の競合するIPXプロバイダから形成されている。
【0027】
IPX相互接続は、3タイプの接続オプションをサポートする。送信専用接続、双方向サービス通過接続、多点間サービスハブ接続である。IPXは、始端サービスプロバイダ境界ゲートウェイから終端サービスプロバイダ境界ゲートウェイまでの、末端間(E2E)サービス品質をサポートする。後者2つの接続タイプオプションにおけるIPXプロキシ機能により、IPXプロバイダはサービスレベル合意にしたがって全てのトラフィッククラスについてE2E QoSを確保するよう促される。
【0028】
IPXにおいて、E2E QoSは、サービスレベル合意(SLA)に規定されるサービスクラス(CoS)とQoSプロファイルの上に構成されている。SLAは、サービスプロバイダとIPXプロバイダの間の、さらに2つのIPXプロバイダの間のサービス仕様を規定する。サービス可用性、ジッタ、パケットロス、遅延は、QoSプロファイルに含まれている測定項目である。このようなQoS測定項目は、サービスプロバイダとIPXプロバイダの間の個々の接続上でサポートする必要がある。このSLAは、複数のIPXプロバイダを含む全IPXネットワークへも拡張することができる。送信元および送信先サービスプロバイダにおける境界ゲートウェイは、QoSプロファイルについて合意した測定/施行についての境界点である。E2E QoSを確保するため、GSMA IR.34は、下記表1に示すトラフィック分類とサービスプロバイダトラフィックのDiffServマークを推奨している。6ビットDSCPマークは、Internet Engineering Task Force(IETF)によるIETF RFC3246とRFC2597において推奨されている、各トラフィッククラスに属するホップ毎の振舞い(PHB)を示す。
【表1】

【0029】
会話トラフィッククラスは、遅延とジッタの値に厳密な要求を課す。ストリーミングトラフィッククラスについては、要求はユーザ装置が通常データを再生前にバッファするほどには厳しくない。双方向トラフィッククラスは、サービス要求を満たすため、帯域幅確保を要求する。バックグラウンドトラフィッククラスについては、遅延とジッタには敏感ではないものの、パケットサイズは通常大きい。再送信とネットワークへの余分な負荷を避けるため、パケットロスが最小化される。サービスプロバイダは、トラフィックをIPXプロバイダへ転送する前に、トラフィック分類ルールに基づきパケットをマークする。DiffServとともに用いられるキューイング、パケット処理アルゴリズム、およびその他の技術は、IPXプロバイダが定める。上記のようなトラフィック分類は、同じクラスに属するユーザトラフィックフローを集約することに基づいている。異なるトラフィックに属するクラスは、DSCPマークされ、IPXプロバイダへ送信される。このときGeneric Routing Encapsulation(GRE)トンネル内にカプセル化される場合もある。IPXプロバイダは、個々の自ドメインの脱出点においてDSCPマークが元の値を戻す限り、自ドメイン内でルーティングするためDSCP値を再マークする。
【0030】
ETSI TISPAN:
TISPAN IPXは、European Telecommunications Standards Institute(ETSI)による標準規格であり、サービスプロバイダ間の接続をサポートするためのIPバックボーンネットワークを規定する。図4は、間接SoIx相互接続の例を含む、TISPAN IPXアーキテクチャの例を示す。
【0031】
TISPAN IPXフレームワークにおいて、E2E QoSについての固定サポートはない。TISPAN IPXは、3つの相互接続GSMA IPXタイプをカバーする。送信専用接続、双方向サービス通過接続、多点間サービスハブ接続である。E2E QoSを提供するため、GSMA IPXとの上記共通点は、異なるSDOにおけるカバー範囲をさらに促進することができる。
【0032】
3GPP:
3GPPは、IMSマルチメディアサービスをサポートするためのオペレータ間相互接続についての技術要件、およびIPインフラ上で送信される公衆交換電話網(PSTN)と地上波公共移動体通信ネットワーク(PLMN)による従来の音声映像サービス(例えばVoIP)(TR 22.893)についての技術要件を研究している。この研究は、その他の機関(例えばGSMA、ETSI、ITU−T)によって規定された相互接続モデルを考慮している。
【0033】
3GPP TR 22.893は、3つの相互接続シナリオを指定している。オペレータ間直接接続、オペレータ間間接接続、オペレータからサードパーティへの接続である。オペレータ間間接接続は、IPXのようなIP相互接続中間キャリアを介したサービスプロバイダ間のIP接続を想定している。オペレータからサードパーティへの接続は、間接接続シナリオの特殊ケースであり、IPXなどの相互接続を用いたサービスプロバイダとアプリケーションプロバイダの相互接続をサポートする。
【0034】
3GPP TR 22.893 IPXモデルは、相互接続したネットワークにおいてプロキシ機能を使用することにより、焦点をGRXの送信と接続のアプローチからサービスを意識した相互接続へ拡張する。相互接続点は、SLAによって固有識別される。相互接続は、トラフィッククラスを差別化しマークすることにより、E2E QoSをサポートする。シグナル伝達とメディアトラフィックは、適正なE2E QoSを保証するため、マークに基づき処理される。これはIR.34においてGSMA IPXガイドラインが採っているアプローチとよく合致している。
【0035】
ATIS:
次世代キャリア相互接続(NG−CI)ワーキンググループは、相互接続シナリオのための複数のユースケースとNNI上のQoS要件を規定している。これは、VoIP、ビデオ会議、データ、IPTVのためのQoSメカニズムを含む。ATISにおいて、サードパーティネットワークとして動作して始端と終端としてサービス提供する2つのサービスプロバイダの相互接続を提供するIPプロキシネットワークの概念に基づくアプリケーションシナリオについて提案がされている。
【0036】
IETF:
IETFは、DiffServと、トラフィックエンジニアリング(TE)のリソース予約プロトコル(RSVP)であるRSVP−TEとを組み合わせることにより、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)ネットワークについてのNNI上のQoSを保証する手法を規定している。DiffServは、パケット毎のサービスクラス(CoS)を区別し、優先度を割り当て、高優先度サービスのパケット転送の優先権を確保する。しかしDiffServは、異なるサービスクラスについて帯域幅をスケジューリングすることができない。利用可能な帯域幅を超過するトラフィックイベントにおいて、DiffServは、鄭優先度サービスを犠牲にして、高優先度サービスのための優先権を保証することができる。極限状況においては、高優先度サービスであっても遅延とパケットロスから免れることはできない。したがって、IPXネットワークについて規定されたDiffServ技術のみでは、E2E QoSとサービスレベル合意を保証することができない。
【0037】
IETFが規定したRSVP−TEプロトコルは、リソースを予約して混雑状態に対するルーティング経路を確保する。これにより、規定のサービスクラスのための帯域幅リソースを保証する。RSVP−TEは、サービス識別能力を有していない。MPLSトンネル内のトラフィックが予約したトラフィックレートを超過すると、QoSに敏感なサービスは影響を受ける。したがって、RSVP−TEのみではE2E QoS保証問題を解決することができない。
【0038】
DiffServとRSVP−TE技術を組み合わせると、MPLSコアネットワークはCoSを区別することができ、これにより高優先度サービスのためのCoSと転送優先権に基づくリソース予約を可能にする。したがって、DiffServとRSVP−TE技術を組み合わせると、MPLSベースコアネットワークについて、E2E QoSとNNI上のサービスレベル合意を保証することができる。図5は、NNI上のPSTNとPLMNキャリア相互接続の例を示す。この例において、PSTNキャリアとPLMNキャリアは、全IPネットワークであるIP相互接続中間キャリア(IPXキャリア)を介して相互接続されている。PSTNキャリアとPLMNキャリアはともに、IPXキャリアにおけるSLAを有するが、PSTNとPLMNの間の直接SLAはない。IPXキャリアは、IPXが単にIPトラフィックをキャリア間で中継する送信専用サービスを提供する。またIPXは、中継前に要求されると、TDMトラフィックをIPトラフィックへ変換する。セッション初期化プロトコル(SIP)は、IETF(Internet Engineering Task Force)により、1999年、例えば1以上の参加者がともなうインターネット電話、マルチメディア配信、マルチメディア会議のようなIPベースセッションを確立、修正、終了するためのアプリケーション層シグナル伝達プロトコルとして、特にIPネットワークのために規定されている(RFC 2543)。IPXは、複数のSIPプロファイルをサポートし、SIPプロファイル間の変換/互換性を提供する。
【0039】
PLMNユーザがPSTNユーザ宛にまたはその反対に発呼したとき、IPXキャリアは、E2E QoSを確保するため、DiffServベースの差別化されたサービスを提供する。IPXキャリアドメイン内のIPXプロキシは、PSTNとPLNMにおいて有するSLA内のポリシー情報に基づき、NNI上の時刻ルーティング、ブラックリストチェック、トランスコード、SIPおよびISUP変換のようなサービスを提供する。
【0040】
図6は、リモートキャリアアクセスについてのNNI上のE2E QoSを保証するIPXアーキテクチャの例を示す。キャリアXは、ユーザAのホームサービスプロバイダである。ユーザAは、ホームブロードバンドとプレミアム映像サービスをキャリアXから購入している。キャリアXは、映像ダウンロードサーバを保持し、またはそのサービスをサードパーティコンテンツプロバイダと契約しているが、ユーザからはその違いは見えない。ユーザAが上記サービスを購入すると、キャリアXパートナーネットワークにおいてローミングする一方で、上記プレミアムサービスを取得することができる。キャリアYは、国内各所のホットスポットを有するWLANサービスプロバイダである。キャリアXとキャリアYのホットスポットは、全てIPX Xクリアリングハウスと契約し、キャリアXユーザにとってシームレスなサービス体験を可能にする。キャリアXとキャリアYは、IPX NNIを介してIPX Xクリアリングハウスと接続している。キャリアXとキャリアYはともに、ユーザへのQoSを保証するため、IPX XにおいてSLAを有している。
【0041】
ユーザAは、自宅を出てキャリアY カフェにおいてWLANホットスポット経由でラップトップデバイスのインターネット接続を取得する。ユーザAは、ホームビデオポータル(キャリアX)にログインして(SIPシグナル伝達などを介して)スポーツ動作を見たいと思っている。キャリアXは、ユーザAのプレミアム契約状態を認識し、IPX XクリアリングハウスのSLAを開始して、ユーザAメディアパケットストリームのDiffServクラスマーク(例えばDiffServマーク AF4x)を介した高帯域幅ストリーミングサービスを可能にする。IPX Xクリアリングハウスは、入口の境界ゲートウェイにおいて、キャリアXとのSLAに基づき、ユーザAのメディアストリーミングパケット上のDiffServマークを順守する。しかし、現在のIPXパラダイムにおいては、ユーザAのメディアストリーミングパケットE2Eにとって、上記のようなプレミアムQoSサービスが、キャリアYネットワークと接続している間に保証されることを保証する手段がない。
【0042】
本文書に記載しているNNI上のQoS技術を実装して、NNI相互接続上のE2E QoSを保証する能力を提供することができる。この実装により、IPX Xドメインにおける適正な帯域幅その他のリソースを予約し、ユーザAがキャリアYネットワークに接続している間に高スループットのメディアストリーミングサービスを受信できるようにすることができる。
【0043】
本文書は、上記のようなNNI相互接続上のE2E QoSの保証を提供するQoSメカニズムを記載している。同メカニズムにおいて、IPXドメイン内のリソース予約のためのドメイン間NNIシグナル伝達と、QoS E2Eの施行のためのIPXドメイン内シグナル伝達とを備えることができる実装もある。
【0044】
図7は、ユーザがホームブロードバンドとプレミアム映像サービスをホームプロバイダAから購入している複数デバイスアクセスについての、NNI上のE2E QoSを提供するIPXアーキテクチャの例を示す。プロバイダAは、固定モバイル収束(FMC)プロバイダであり、地上通信線と無線ブロードバンドアクセスを介したサービスを提供する。ユーザは、メディア能力が異なる複数のデバイスを介してサービスにアクセスすることができる。例えばユーザは、高解像度マルチメディアデバイス(例えばHDTV)と低解像度ビデオデバイス(例えば無線デバイス)を有している。ホームプロバイダAは、複数のコンテンツプロバイダからユーザへコンテンツを配信する。図示する例において、ASP AはIPTV映像コンテンツを提供するアプリケーションサービスプロバイダである。ホームプロバイダAとASP Aは、IPXクリアリングハウスを介して接続を維持する。ホームプロバイダAとASP Aは、ユーザに対するQoSを保証するため、IPXクリアリングハウスにおけるSLAを維持する。
【0045】
検討するシナリオにおいて、ユーザは最初に無線デバイスを介してIPTVを視聴する。ユーザが無線デバイスからSIPプロトコルを用いてIPTVセッションを開始すると、ホームプロバイダAとASP Aはアクセスデバイス能力を認識し、ユーザデバイスが低解像度マルチメディアストリーミングのみをサポートしていると判定する。ASP Aは認識したユーザ無線デバイスの能力にしたがって、メディアストリームをエンコードおよび変調する。プロバイダAまたはASP AがIPX Xと通信する手法が存在し、メディアストリームをユーザへ送信するための帯域幅要件とトラフィック特性があるものと想定する。また、ユーザメディアストリームがIPX Xドメイン上で送信される間にユーザへ送信するメディアストリームについて合意した帯域幅とトラフィック特性を施行するために、IPX Xがエッジルーティング機能(境界ゲートウェイ)と通信する能力があるものと想定する。
【0046】
次にユーザは、高解像度マルチメディアデバイスへ切り替える。ホームプロバイダAとASP Aは再び、高解像度マルチメディアデバイスのアクセスデバイス性能を認識する。ASP Aは、ユーザデバイスの高解像度マルチメディア性能に基づき、メディアストリームをエンコードおよび変調する。プロバイダAとASP AがIPX Xと通信する手法が存在し、高解像度メディアストリームをユーザへ送信するための増加した帯域幅および拡張したトラフィック特性要件があるものと想定する。IPX Xは次に、上記拡張された要件を、IPX Xドメインの入口と出口における、適正な監視とユーザへ配信するメディアストリームの形成のため、エッジルーティング機能(境界ゲートウェイ)へ通知する。上記状況の下、メディアストリームがIPX Xドメイン上を伝送しながら、ユーザメディアストリームのE2E QoSを保証することができる。IPX Xドメインは、1以上のIPXプロバイダを含むことができる。上記E2E QoS保証は、複数のIPXプロバイダドメインをまたがって提供される。
【0047】
NNI上のE2E QoSアーキテクチャ
GSMA IPXの周辺で産業的機運が高まっている。3GPP SA1は、「Study into Identification of Advanced Requirements for IP Interconnection of Services」(3GPP TR 29.893)に取り組んでおり、GSMA IPXを支持している。GSMA IPXは、DiffServ技術を用いることによる差別化されたサービスを提案している。しかし、非常に多くのフローによるスケーリング問題のため、IPXネットワークにおいて差別化されたサービスを提供することは困難をともなう。これとともに、IPXプロバイダは、異なるクラスに属するフロー上でトラフィック調整を実施する能力を必要とする。例えば3GPP Policy and Charging Control(PCC)、ETSI TISPAN RACS リソース管理コントロールサブシステム(RACS)などのように、サービスプロバイダドメイン内のQoSを保証する手法が複数規定されているが、このような手法はドメイン間NNI相互接続上のE2E QoSには適用できない。
【0048】
ここでは、サービスプロバイダとIPXプロバイダが、差別化されたサービスを協調的に処理するためのドメイン間サービスレベル合意を作成し、NNI上のE2E QoSを信頼性高く保証することを可能にするスケーラブルIPXアーキテクチャを提案する。このスケーラブルIPXアーキテクチャのための機能要素とインターフェースについては以下に詳細を説明する。
【0049】
GSMA IPXは、トラフィック調整と境界ゲートウェイ(BG)の静的構成に基づく監視のため、DiffServを利用する。このDiffServの使用により、ネットワークを意図せず過小供給したり過剰供給したりする可能性がある。保証されたE2E差別化サービスをサポートするため、1実装例において、提案するスケーラブルIPXアーキテクチャを構成して、トラフィックがIPXプロバイダネットワークに入る前に、サービスプロバイダがパケットフローを異なる「トラフィッククラス」へ分離できるようにすることができる。この分類の後、パケットフローはトラフィッククラスに基づき集約される。集約されたフローは、IPXネットワーク上で伝送するためトンネル化される。上記のようなフローのクラスベース集約は、「トランク」と呼ばれる。
【0050】
サービスプロバイダとIPXプロバイダは、差別化されたサービスをサポートするためのSLAを有している。これに対応して、IPX内の異なるプロバイダも個々のSLAを有している。SLAの詳細内容に触れなくとも、プロバイダが他のプロバイダへ提供する差別化されたサービスのタイプを含むとともに、プロバイダが容易に受諾し他のプロバイダから搬送する各上記「トラフィッククラス」に関連するトラフィック量の上限値を含むようにSLAを作成できることが想定し得る。SLAは、州やky下トラフィックトランク上のDiffServマークに基づき受信するキャリア/プロバイダによって施行することができる。
【0051】
例えば、サービスプロバイダ境界ゲートウェイ(BG)からの脱出トラフィックを、クラスベーストランクへ分類することができる実装例もある。例えばベストエフォートトランク、優先トランク、ミッションクリティカルトランクである。このような分類は、例えば帯域幅の優先度、遅延上限値、ジッタ保証、パケットロス上限値、その他のトランクに関連する特定の要件に基づくことができる。優先トラフィックはさらに、例えばDiffServがサポートするEF、FF、BEなどの複数カテゴリへ分類することができる。トラフィッククラスベーストランクへの分類に基づき、このような集約されたトラフィックは、必要であれば、IPXプロバイダネットワーク上で伝送するため、GREカプセル化トンネルへ束ねることができる。
【0052】
図8は、E2E QoSを保証し、DiffServとRSVP−TEシグナルタイプを活用する、提案するスケーラブルIPXアーキテクチャの例を示す。提案するアーキテクチャにおいて、少なくとも1つのサービスマネージャ(SM)機能がQoSサービスマネージャとして提供され、各プロバイダドメイン内に配置されてQoSシグナルと動作を管理および制御する。図8に示す例において、4つのSM機能が、サービスプロバイダAネットワークドメイン、IPX Aネットワークドメイン、IPX Bネットワークドメイン、およびサービスプロバイダBネットワークドメインそれぞれにおいて提供されている。各SM機能は、異なる通信ネットワークを接続するネットワーク間相互接続上の個々の通信ネットワークにおいてQoSシグナル伝達を管理するように構成され、QoS動作を制御する。
【0053】
図8の4つの異なるネットワークにおいて、サービスプロバイダAネットワークとIPX Aネットワークは互いに接続し、互いに直接通信する。同様に、IPX AネットワークとIPX Bネットワークは互いに接続し、IPX BネットワークとサービスプロバイダBネットワークは互いに接続する。これらは図8において3つの接続ネットワークペアである。サービスプロバイダAネットワークとIPX Bネットワークは互いに接続しておらず、IPX Aネットワークを中継して通信する。同様に、サービスプロバイダAネットワークとサービスBネットワーク、サービスプロバイダBネットワークとIPX Aネットワークは互いに接続していない。サービスプロバイダAネットワークとサービスプロバイダBネットワークは、IPX AおよびBネットワークを介して通信する。
【0054】
図8において、境界ゲートウェイ(BG)が各通信ネットワーク内に提供され、2つの接続する通信ネットワーク間におけるシグナル伝達とデータ通信のため、他方の通信ネットワークと接続している。2つの他通信ネットワークと接続する通信ネットワーク、例えばサービスプロバイダAネットワークとIPX Bネットワークに接続するIPX Aネットワークは、2つの通信ネットワークと接続するようにそれぞれ指定された2つの境界ゲートウェイを有する。各境界ゲートウェイは、他のネットワークに対するゲートウェイであることに加え、QoSポリシー施行エンティティとして動作する。
【0055】
図8のアーキテクチャにおいて、各IPXネットワークドメインは、SIP/SDPシグナルのためのIPXプロキシを備える。本例における各IPXプロバイダドメインのSM機能は、IPXプロバイダドメイン内のIPXプロキシによってホストされている。これは例に過ぎず、サービスマネージャをIPXプロバイダドメイン内の他の場所にホストすることもできる。例えばサービスマネージャ機能は、接続するサービスプロバイダ(SP)ドメイン内にホストすることができる。IPXドメイン内のSMは、帯域幅ブローカ(BB)およびポリシー決定ポイント(PDP)のような能力を提供する。BBおよびPDP能力は、個々のIPXプロバイダドメイン内に統合することができる。NNI相互接続上のQoSについて、サービスプロバイダドメイン内のSMは、BB機能を必要としない場合がある。帯域幅ブローカは、角度メイン内のネットワークリソースとポリシーを管理する中央管理制御エンティティであってもよい。BBが、各ドメイン内のリンクレベル負荷ステータスを含む全ネットワークリソースを見渡せるようにし、効率的なリソース割り当てとルーティング決定を促進することができる。PDPは、SLAに基づき静的に構成されたポリシー情報を有することができる。この情報は、ネットワーク管理機能を介して構成し更新することができる。このポリシー情報をSM間シグナル伝達経由で動的に更新できる実装もある。
【0056】
図9は、図8のIPXアーキテクチャについてのE2E QoS保証コールフローの例を示す。この例において、サービスプロバイダA(SP−A)ドメイン内のユーザは、サービスプロバイダB(SP−B)ドメイン内のユーザと、SIPシグナル伝達を介して通信する。SIPシグナル伝達が成功すると、SP−AドメインとSP−Bドメインそれぞれのユーザ間のVoIPメディアフローE2Eは、付設されている送信ネットワークをまたがった管理制御機能の提供を受け、メディアフローについてE2E QoSが保証される。このようなメディアフロー送信についてのE2E QoSを保証するため、SP−AとSP−BはIPXネットワークを介して、SP−AおよびSP−BそれぞれとNNI相互接続を提供するIPX−AおよびIPX−Bと接続する。接続インターフェースをまたがった送信機能は、各ドメインのエッジにおいて、境界ゲートゲートウェイ(BG)を介して提供される。サービスマネージャは、SP−Aドメイン、IPX−Aドメイン、IPX−Bドメイン、SP−Bドメインそれぞれによってホストされている。SMは、SLAのQoSコンポーネントの知識または情報を有する。これはクラスベーストランク帯域幅制約などを含む。サービスプロバイダドメイン内のSMはまた、異なるクラストランクに属する出口トラフィックについての帯域幅要件の知識または情報を有する。
【0057】
SMは、ポリシールールについての情報を、カスケード状のE2Eで、相互接続したSPおよびIPXプロバイダドメイン内のSMへシグナル伝達する。このシグナル伝達は、プロトコル固有の意味の観点で規定され、接続するSMへ伝達された、合意した構文規則のリソース要件を含む。リソース要件は、異なるクラストランクの帯域幅要件、上限遅延の観点におけるトラフィック特性、ジッタ保証、パケットロス上限、その他SLAによってサポートされる情報などに関連する。図示するように、「ポリシールール更新」NNIシグナル伝達は、SM間のポリシールール通信のために用いられる。
【0058】
上記SM間シグナル伝達の例は、構文と意味を適性に修正した、RFC3209 RSVP−TEシグナル伝達を用いることができる。RSVP−TE拡張およびオブジェクトは、個々のSDOによって規定することができる。SDOは、上記のようなSM間のポリシールール更新NNIシグナル伝達について、RSVP−TE以外のプロトコルを規定することができる。アップストリームSMによってシグナル伝達された異なるトラフィッククラストランクに属する帯域幅要件の動的特性に基づいて、IPXドメイン内の受信SMはそのBBと通信する。BBは、管理制御を実施して、そのトラフィックを伝搬することをコミットする前に個々のドメイン内の適正な帯域幅その他のリソースを予約する。例えば、SP−Aが「P1クラス」トラフィックを2倍にしたい場合、SP−AはIPXを介してSP−Bと通信する。まずプロトコル固有ポリシールール更新NNIシグナルをSP−AからIPX−Aへ送信し、IPX−AからIPX−Bへ、さらにIPX−BからSP−Bへカスケードする。これにより、NNI上でIPX−Aに入る「P1クラス」トラフィックを2倍にすることをSP−Aが許可される前に、要求した帯域幅その他のリソースのE2Eを予約する。
【0059】
SMにおけるポリシー決定の合意は、境界ゲートウェイ(BG)のドメイン内QoSルールプロビジョンシグナル伝達を介して施行される。BGはポリシー施行エンティティ(PEP)である。このシグナル伝達は、プロトコル固有QoS意味論の観点で規定され、合意したQOS構文でSMとBGの間において伝送されるQoSリクエストを含む。上記のようなシグナル伝達の例は、構文と性能の観点で適性に修正された、IETF RSVP、RSVP−TE、3GPP PCC、ETSI TISPAN RACSなどを含む。
【0060】
IPXプロバイダドメイン内において、SMはネットワークのエッジに配置されたBGと通信する。BGによる監視およびポリシー施行は、プロバイダドメインを出るトラフィックが、合意したトラフィック特性と性能にしたがうようにするために用いられる。このメカニズムの簡易な例は、トランク毎ベースで実装されたトークンバケットシステムである。同様に、トラフィックトランクを受信する入口プロバイダは、受信したトラフィックがSLAに準拠していることが必要である。
【0061】
SMは、図9に示す「QoSルールプロビジョンシグナル伝達」を用いることにより、個々のドメインのエッジにおけるBGと通信する。ピアSMからのリソース予約(RR)リクエストを示すポリシールール更新要求(PR−R)NNIメッセージを受け取ると、IPXドメイン内のSMは、個々のドメイン内のリソースが取得できるか否かについてBBをチェックする。リソースが取得できる場合、SMはPR−Rを宛先SPカスケードチェーン内の次のSMへ転送する前にリソースを予約のためマークする。ドメイン内SM−BB通信は、SNMPその他の適切なプロトコルを介して実施することができる。管理制御決定により拒否された場合、失敗応答が送信元SMへ送信される。要求したリソースがE2Eを取得すると、返信するポリシールール更新応答(PR−A)メッセージチェーンを用いて実際のリソース予約を実施することができる。その他の可能なアプローチとしては、実際のリソース予約を実施する際に、SM間でそれぞれ別のシグナル伝達を用いるものがある。
【0062】
BGにおける監視およびポリシー施行において、SMは「QoSルールプロビジョン」プロトコルを用いて、QoSルールと施行決定を個々のBGへ通知する。QoSルールプロビジョンシグナル伝達内のフロー仕様は、クラスベーストランクの特性を含む。このアーキテクチャ機能エンティティ間の「ポリシールール更新」および「QoSルールプロビジョン」シグナル伝達を、図9に示す。
【0063】
実装によっては、IPXアーキテクチャ内のNNI上のE2E QoSは、以下の要素に基づいている。相互接続したドメイン間のサービスレベル合意(SLA)、合意したクラス分類条件に基づくトラフィックトランクについてのDiffServマーク、カスケードE2Eにおけるポリシーおよびリソース要求の交換についてのドメイン間SM−SM NNIシグナル伝達、SNMPその他の適正なプロトコルを介した管理制御およびリソース割当についてのドメイン内SM−BB通信、合意したポリシーおよびトラフィックトランクについてのDiffServマークに基づくポリシー施行についてのドメイン内SM−BGシグナル伝達である。
【0064】
NNI上のE2E QoSの実装手法についての第1例
例として、ユーザがホームブロードバンドとプレミアム映像サービスをFMCホームプロバイダAから購入している図7のシナリオを再び参照する。サービスにアクセスするためどのユーザデバイスが用いられるかに関わらず、E2E QoSをユーザに保証する手法が存在しているものと想定する。図10のコールフローは、図8と図9に基づくNNI上のQoSを実現する1手法例を示す。この手法は、ホームプロバイダAとASP AがIPX Xクリアリングは椅子 IPX Xとの間で保持するSLAに基づく。図10のシグナル伝達メッセージについてのコードは、IPXにおいて用いられるSIPステータスコードである。
【0065】
図10のコールフローは、ユーザが最初に低解像度無線デバイスを介してIPTVを視聴することを示している。ホームプロバイダAとASP Aは、アクセスデバイス性能を認識する。ASP Aは、ユーザ無線デバイスの低解像度性能に基づきメディアストリームをエンコードする。プロバイダAは、帯域幅要件やトラフィック特性などの観点におけるユーザデバイス性能を、「ポリシールール更新」リクエスト(PRリクエスト)NNIシグナル伝達を介してIPX Xクリアリングハウスへシグナル伝達するためのアクションを取る。プロバイダA、IPX X、およびASP Aにおけるサービスマネージャ(SM)機能は、IPX Xドメイン内のリソース割当および予約についてドメイン間SM−SMシグナル伝達を実施する。IPX Xドメイン内のSMは、境界ゲートウェイにおけるE2E QoS要件の施行についてドメイン内SM−BGシグナル伝達を実施する。IPTVセッションの確立についてSIPシグナル伝達が成功すると、ASP Aは、適切にエンコードされDiffServマークされたメディアストリームを、クリアリングハウスIPX Xを介してユーザへ送信する。上記のようなメディアストリームについてのE2E QoSは、キャリア間の帯域幅予約およびSLA施行によって保証される。
【0066】
ユーザは次に、例えば地上線アクセスのような高解像度デバイスに切り替える。ホームプロバイダAとASP Aは、ユーザアクセスデバイス性能を再認識する。ASP Aはユーザホームデバイスの高解像度性能に基づきメディアストリームをエンコードする。プロバイダAは再び、拡張された帯域幅要件やトラフィック特性などの観点におけるユーザデバイス性能を、「ポリシールール更新」リクエスト(PRリクエスト)NNIシグナル伝達を介してIPX Xクリアリングハウスへシグナル伝達するためのアクションを取る。プロバイダA、IPX X、およびASP Aにおけるサービスマネージャ(SM)は、IPX Xドメイン内のリソース割当および予約についてドメイン間SM−SMシグナル伝達を実施する。IPX Xドメイン内のSMは、境界ゲートウェイにおける拡張E2E QoS要件の施行についてドメイン内SM−BGシグナル伝達を実施する。SIPシグナル伝達が成功すると、ASP Aは、適切にエンコードされDiffServマークされたメディアストリームを、クリアリングハウスIPX Xを介してユーザへ送信する。上記のようなメディアストリームについてのE2E QoSは、キャリア間の帯域幅予約およびSLA施行によって改めて保証される。
【0067】
図10は、QoS保証されたマルチメディアサービスのセッションおよびコネクション確立についてのコールフロー例を示す。特に図10は、複数デバイスアクセスについてのNNI上のE2E QoSを保証することに関連するコールフロー例を示す。この例においてユーザ(呼出者)は、SIP:INVITEリクエストを介してASP A IPTVサーバ(被呼出者)と低解像度IPTVセッションを開始する。中間SIPプロキシはSIPメッセージを呼出者と被呼出者の間で配信する。呼出者が作成したINVITEメッセージ内において、メッセージボディは呼出者デバイスの特性に関する情報を含む。この情報は、メディア処理能力、QoS要件、セキュリティなどに関するセッション記述プロトコル(SDP)コンテンツを含む。INVITEを受信すると、被呼出者はSDP情報を解析し、要求されたメディアとサポートしているメディア、QoS要件などをチェックする。被呼出者は次に、呼出者へ応答メッセージ(例えば183 セッション継続応答)を送信する。この時点で被呼出者(アプリケーションサービスプロバイダ)は、INVITEメッセージ内の要求に対応するユーザが取得できるサービス、メディアタイプ、QoSを特定する。183メッセージを受信すると、呼出者が被呼出者の申出に対応できる場合、呼出者はPRACK(プロビジョン応答ACK)メッセージを183メッセージに対する応答として被呼出者へ送信する。対応できない場合、呼出者はセッション確立失敗を被呼出者へ通知する。被呼出者はPRACKを受信し、200 OKメッセージを応答する。
【0068】
PRACKを被呼出者へ送信するのと並行して、プロバイダAドメインにおけるサービスマネージャ(SM)は、ASP Aドメイン宛の帯域幅その他のリソースE2E予約について、クリアリングハウスIPX Xドメイン内のSMとNNIシグナル伝達を開始する。プロバイダAドメイン内のSMは、ドメイン内のSIPプロキシとの通信を介したこのコールについて、合意したメディア要件に関する情報を受信する。このSIPプロキシとSM機能は、個々のドメイン内の任意の場所に配置することができる。プロバイダドメイン内のSIPプロキシとSMの間の通信について用いられるプロトコルの構文と意味は、システム固有のものでもよいし標準のものでもよい。プロバイダA、IPX X、およびASP Aドメイン内のSM間のポリシールール更新リクエストNNIシグナル伝達により、ドメイン間SLA毎にリソースE2Eを割当および予約することができる。IPXドメイン内のSMは次に、E2E QoS要件の施行について、ドメイン内SM−BG QoSルールプロビジョンシグナル伝達を境界ゲートウェイと実施する。
【0069】
帯域幅の予約と施行に関連するシグナル伝達が完了すると、呼出者と被呼出者は残りのSIPメッセージ(UPDATE、リンギング、200 OK、ACK)を交換し、IPTVセッションが継続する。QoS E2Eを保証して、低解像度リアルタイムメディアストリームをユーザ無線デバイスへ提供することができる。
【0070】
その後、ユーザが高解像度マルチメディアデバイスへ切り替えると、同様のSIPシグナル伝達がユーザ(呼出者)とASP A IPTVサーバ(被呼出者)の間で生じる。高解像度マルチメディア要件は、呼出者と被呼出者の間で交換され合意される。被呼出者は183 セッション継続応答を呼出者へ送信する。アプリケーションサービスプロバイダ(被呼出者)は、INVITEメッセージ内のリクエストに対応するユーザが取得できる高解像度メディアタイプとQoSを特定する。183メッセージを受信すると、呼出者が被呼出者の申出に対応できる場合、呼出者はPRACKメッセージを呼出者へ183メッセージに対する応答として送信する。対応できない場合、セッション確立失敗を被呼出者へ通知する。被呼出者はPRACKを受信し、200 OKメッセージを応答する。
【0071】
PRACKを被呼出者へ送信するのと並行して、プロバイダAドメインにおけるサービスマネージャ(SM)は、拡張帯域幅その他のリソースASP Aドメイン宛E2E予約について、クリアリングハウスIPX Xドメイン内のSMとNNIシグナル伝達を開始する。プロバイダAドメイン内のSMは、ドメイン内のSIPプロキシ機能との通信を介したこのコールについて、合意した高解像度メディア要件に関する情報を受信する。プロバイダA、IPX X、およびASP Aドメイン内のSM間のポリシールール更新リクエストNNIシグナル伝達により、ドメイン間SLA毎に広帯域リソースE2Eを割当および予約することができる。IPXドメイン内のSMは次に、拡張E2E QoS要件の施行について、ドメイン内SM−BG QoSルールプロビジョンシグナル伝達を境界ゲートウェイと実施する。広帯域幅の予約と施行に関連するシグナル伝達が完了すると、呼出者と被呼出者は残りのSIPメッセージ(UPDATE、リンギング、200 OK、ACK)を交換し、IPTVセッションが継続する。QoS E2Eを保証して、高解像度リアルタイムメディアストリームをユーザ無線デバイスへ提供することができる。
【0072】
NNI上のE2E QoSの実装手法についての第2例
図11は、図7のシナリオにおけるNNI上のQoSについての図8と図9に基づく他手法のコールフローを示す。ユーザはホームブロードバンドとプレミアム映像サービスをFMCホームプロバイダAから購入している。この手法は、ホームプロバイダAとASP AがIPXクリアリングハウスIPX Xと保持するSLAに基づく。
【0073】
図11のコールフローは、ユーザが最初にIPTVを低解像度無線デバイスで視聴することを示す。ホームプロバイダAとASP Aは、アクセスデバイス性能を認識する。ASP Aは、ユーザ無線デバイスの低解像度性能に基づき、メディアストリームをエンコードする。
【0074】
プロバイダAは、低解像度帯域幅やトラフィック特性などの観点におけるユーザデバイス性能を記録し、ユーザデバイス性能をIPX−Xと交渉したNNI上のSLAにおける「クラスベーストランク」のいずれか1つに分類する。プロバイダAは、既に予約/コミットしたユーザトラフィックをともなうユーザデバイス低解像度帯域幅とQoS要件を、そのクラスベーストランクへ集約する。
【0075】
そのクラスベーストランクについての集約したトラフィック要件が交渉したクラスベーストランクトラフィック制約の範囲内である場合、IPTVセッション確立についてのSIPシグナル伝達が成功すると、ASP Aは適切にエンコードされDiffServマークされたメディアストリームを、クリアリングハウスIPX X経由でユーザへ送信し始める。
【0076】
同クラスベーストランクについての集約したトラフィック要件が交渉したクラスベーストランクトラフィック制約を超過する場合、プロバイダAはそのクラスベーストランクについての増加したトラフィック要件を、IPX Xクリアリングハウスへ「ポリシールール更新」リクエスト(PRリクエスト)NNIシグナル伝達を介してシグナル伝達するためのアクションを取る。プロバイダA、IPX X、およびASP Aにおけるサービスマネージャ(SM)機能は、IPX Xドメイン内のクラスベーストランクへのリソース割当および予約について、ドメイン間SM−SMシグナル伝達を実施する。IPX Xドメイン内のSMは次に、境界ゲートウェイにおけるE2E QoS要件の施行についてドメイン内SM−BGシグナル伝達を実施する。IPTVセッション確立についてのSIPシグナル伝達が完了すると、ASP Aは適切にエンコードされDiffServマークされたメディアストリームをクリアリングハウスIPX X経由でユーザへ送信する。このメディアストリームについてのE2E QoSは、キャリア間SLAの帯域幅予約および施行によって保証される。
【0077】
ユーザは次に、地上線アクセスを介した高解像度デバイスへ切り替える。ホームプロバイダAとASP Aは、ユーザアクセスデバイス性能を再認識する。ASP Aは、ユーザホームデバイスの高解像度性能に基づき、メディアストリームをエンコードする。
【0078】
プロバイダAは、拡張帯域幅やトラフィック特性などの観点におけるユーザデバイス性能を記録し、ユーザデバイス性能をIPX−Xと交渉したNNI上のSLAにおける「拡張クラスベーストランク」のいずれか1つに分類する。プロバイダAは、既に予約/コミットしたユーザトラフィックをともなうユーザデバイス拡張帯域幅とQoS要件を、その拡張クラスベーストランクへ集約する。
【0079】
その拡張クラスベーストランクについての集約したトラフィック要件が交渉したクラスベーストランクトラフィック制約の範囲内である場合、IPTVセッション確立についてのSIPシグナル伝達が成功すると、ASP Aは適切にエンコードされDiffServマークされたメディアストリームを、クリアリングハウスIPX X経由でユーザへ送信し始める。
【0080】
同拡張クラスベーストランクについての集約したトラフィック要件が交渉したクラスベーストランクトラフィック制約を超過する場合、プロバイダAはそのクラスベーストランクについての増加したトラフィック要件を、IPX Xクリアリングハウスへ「ポリシールール更新」リクエスト(PRリクエスト)NNIシグナル伝達を介してシグナル伝達するためのアクションを取る。プロバイダA、IPX X、およびASP Aにおけるサービスマネージャ(SM)機能は、IPX Xドメイン内のクラスベーストランクへのリソース割当および予約について、ドメイン間SM−SMシグナル伝達を実施する。IPX Xドメイン内のSMは次に、境界ゲートウェイにおけるE2E QoS要件の施行についてドメイン内SM−BGシグナル伝達を実施する。IPTVセッション確立についてのSIPシグナル伝達が完了すると、ASP Aは適切にエンコードされDiffServマークされたメディアストリームをクリアリングハウスIPX X経由でユーザへ送信する。このメディアストリームについてのE2E QoSは、キャリア間SLAの帯域幅予約および施行によって保証される。
【0081】
図11は、QoS保証されたマルチメディアサービスのセッションおよびコネクション確立についてのコールフロー例を示す。特に図11は、複数デバイスアクセスについてのNNI上のE2E QoSを保証することに関連するコールフロー例を示す。この例においてユーザ(呼出者)は、SIP:INVITEリクエストを介してASP A IPTVサーバ(被呼出者)と低解像度IPTVセッションを開始する。中間SIPプロキシはSIPメッセージを呼出者と被呼出者の間で配信する。呼出者が作成したINVITEメッセージ内において、メッセージボディは呼出者デバイスの特性に関する情報を含む。この情報は、メディア処理能力、QoS要件、セキュリティなどに関するSDPコンテンツを含む。INVITEを受信すると、被呼出者はSDP情報を解析し、要求されたメディアとサポートしているメディア、QoS要件などをチェックする。被呼出者は次に、呼出者へ応答メッセージ(183 セッション継続応答)を送信する。この時点で被呼出者(アプリケーションサービスプロバイダ)は、INVITEメッセージ内の要求に対応するユーザが取得できるサービス、メディアタイプ、QoSを特定する。183メッセージを受信すると、呼出者が被呼出者の申出に対応できる場合、呼出者はPRACK(プロビジョン応答ACK)メッセージを183メッセージに対する応答として被呼出者へ送信する。対応できない場合、呼出者はセッション確立失敗を被呼出者へ通知する。被呼出者はPRACKを受信し、200 OKメッセージを応答する。
【0082】
低解像度クラスベーストランクについての集約したトラフィック要件の超過に起因して必要であれば、PRACKを被呼出者へ送信するのと並行して、プロバイダAドメインにおけるサービスマネージャ(SM)は、ASP Aドメイン宛クラスベーストランクのより多くのE2E帯域幅その他のリソースの予約について、クリアリングハウスIPX Xドメイン内のSMとNNIシグナル伝達を開始することができる。プロバイダAドメイン内のSMは、ドメイン内のSIPプロキシとの通信を介したこのクラスベーストランクについて、合意したメディア要件に関する情報を受信する。このSIPプロキシとSM機能は、個々のドメイン内の任意の場所に配置することができる。プロバイダドメイン内のSIPプロキシとSMの間の通信について用いられるプロトコルの構文と意味は、システム固有のものでもよいし標準のものでもよい。プロバイダA、IPX X、およびASP Aドメイン内のSM間のポリシールール更新リクエストNNIシグナル伝達により、ドメイン間SLA毎にクラスベーストランクについてより多くのリソースE2Eを割当および予約することができる。IPXドメイン内のSMは次に、E2E QoS要件の施行について、ドメイン内SM−BG QoSルールプロビジョンシグナル伝達を境界ゲートウェイと実施する。
【0083】
帯域幅の予約と施行に関連するシグナル伝達が完了すると、必要であれば、呼出者と被呼出者は残りのSIPメッセージ(UPDATE、リンギング、200 OK、ACK)を交換し、IPTVセッションが継続する。QoS E2Eを保証して、低解像度リアルタイムメディアストリームをユーザ無線デバイスへ提供することができる。
【0084】
その後、ユーザが高解像度マルチメディアデバイスへ切り替えると、同様のSIPシグナル伝達がユーザ(呼出者)とASP A IPTVサーバ(被呼出者)の間で生じる。高解像度マルチメディア要件は、呼出者と被呼出者の間で交換され合意される。被呼出者は183 セッション継続応答を呼出者へ送信する。アプリケーションサービスプロバイダ(被呼出者)は、INVITEメッセージ内のリクエストに対応するユーザが取得できる高解像度メディアタイプとQoSを特定する。183メッセージを受信すると、呼出者が被呼出者の申出に対応できる場合、呼出者はPRACKメッセージを呼出者へ183メッセージに対する応答として送信する。対応できない場合、セッション確立失敗を被呼出者へ通知する。被呼出者はPRACKを受信し、200 OKメッセージを応答する。
【0085】
拡張クラスベーストランクについての集約したトラフィック要件の超過に起因して必要であれば、PRACKを被呼出者へ送信するのと並行して、プロバイダAドメインにおけるサービスマネージャ(SM)は、ASP Aドメイン宛拡張クラスベーストランクのより多くのE2E帯域幅その他のリソースの予約について、クリアリングハウスIPX Xドメイン内のSMとNNIシグナル伝達を開始することができる。プロバイダAドメイン内のSMは、ドメイン内のSIPプロキシとの通信を介したその拡張クラスベーストランクについて、合意したメディア要件に関する情報を受信する。このSIPプロキシとSM機能は、個々のドメイン内の任意の場所に配置することができる。プロバイダドメイン内のSIPプロキシとSMの間の通信について用いられるプロトコルの構文と意味は、システム固有のものでもよいし標準のものでもよい。プロバイダA、IPX X、およびASP Aドメイン内のSM間のポリシールール更新リクエストNNIシグナル伝達により、ドメイン間SLA毎に拡張クラスベーストランクについてより多くのリソースE2Eを割当および予約することができる。IPXドメイン内のSMは次に、E2E QoS要件の施行について、ドメイン内SM−BG QoSルールプロビジョンシグナル伝達を境界ゲートウェイと実施する。
【0086】
広帯域幅の予約と施行に関連するシグナル伝達が完了すると、呼出者と被呼出者は残りのSIPメッセージ(UPDATE、リンギング、200 OK、ACK)を交換し、IPTVセッションが継続する。QoS E2Eを保証して、高解像度リアルタイムメディアストリームをユーザ無線デバイスへ提供することができる。
【0087】
その他の例:
複数の無線または有線通信システムは、末端間(E2E)QoSを提供することができる。無線または有線通信システムが、IPXにサービス認識情報をキャリア間でカスケード状に伝送させるメカニズムを用いることができる実装もある。サービス認識情報は、QoS、セキュリティ、チャージのようなサービスプロバイダ要件を含むことができる。例えば無線通信システムは、キャリア間IP相互接続を動作させて、ポリシールールを交換することができる。キャリア間IP相互接続は、以下のモードのいずれかに基づくことができる。(1)IP相互接続がIPトラフィックをキャリア間で中継する送信専用モード、(2)IPトラフィックの中継に加え、IP相互接続キャリア(IPX)が「サービス認識」有し、これにしたがってトラフィックを処理できる、サービス通過モード、(3)IP相互接続キャリアがIPトラフィックを複数のサービスプロバイダへ中継して「サービス認識」を提供する、ハブモード。IPXが「IPXプロキシ」機能を提供できる実装もある。IPXプロキシは、SIPプロキシ性能を備えることができる。
【0088】
無線または有線通信システムは、サービスレベル合意(SLA)に基づき、音声およびデータを送信し転送することができる。サービスプロバイダとIPXキャリアが1以上のSLAを保持できる実装もある。対応して、IPX内の異なるキャリアはSLAを保持できる。SLAは、様々なクラスに属するトラフィック相互についての期待する処理などのポリシー情報を含むことができる。
【0089】
サービスプロバイダは、脱出トラフィックを複数のクラスへ分類することができる。例えばベストエフォートクラス、優先クラス、ミッションクリティカルクラスなどである。この分類は、例えば帯域幅の優先度、遅延、ジッタ耐性、パケットロス感度、などのトラフィック特性に基づくことができる。優先トラフィックはさらに、複数のカテゴリに分類することができる。例えばDiffServによって提供されるEF、FFなどである。
【0090】
上述のトラフィック分類が、サービスプロバイダ出口ポイントからIPXへのフローの集約に基づき、個々のコールベースに基づかないようにすることができる実装もある。この複数の「クラス」への分類に基づき、受信キャリアによるDiffServマークに基づく期待される処理を施行するようにSLAを作成することができる。
【0091】
IPXがマルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)をサポートできる実装もある。MPLSフレームワークは、IPXネットワークをまたがったトラフィック送信をサポートできる。
【0092】
サービスプロバイダおよびIPXネットワーク内の異なるルーティング/送信エンティティ間のRFC3209 RSVP−TEシグナル伝達を用いることができる実装もある。RSVP−TEシグナル伝達は、LABEL交換(MPLS LSP間のRequestおよびExplicit Routeオブジェクト)を提供し、トラフィック特性/クラス情報E2Eを搬送する。これによりE2E帯域幅を確保し、トラフィック「クラス」要件を満たすことができる。「クラス」要件が、DiffServ/CoSマークを介して伝搬される。
【0093】
IPXのDiffServを用い、RFC3209 RSVP−TEが提供する性能を活用できる実装もある。IPXプロキシが「サービス/トラフィック/ポリシーマネージャ」機能をホストできる実装もある。サービスマネージャ(SM)は、(IPXと接続または相互接続する)サービスプロバイダ(SP)ネットワークによってもホストすることができる。SMはポリシーマネージャであり、相互接続したSP/IPXキャリアネットワーク内のSMと通信する。RSVP−TEシグナル伝達タイプを、末端間カスケード接続されたSM間におけるポリシー情報、トラフィック情報、トラフィック特性などの交換のために用いることができる。SM間で交換されるポリシー情報などは、相互接続したキャリア間のSLA内の情報と同様である場合もある点に留意されたい。異なる「クラス」に属するトラフィックの動的特性に基づき、SMはあるサービスクラスに対してコミットする前にリソース/帯域幅E2Eを予約することができる。例えば、SP−Sが急に「P−1クラス」トラフィックを2倍にしたいと考えた場合、SP−SはIPX−Xを介してSD−PとRSVP−VEシグナル伝達を交換する。これはまずSM−SからSM−Xへ、次にSM−XからSM−Dへカスケードされ、IPX−Xに入るP−1トラフィックをSP−Sが許可される前に、要求された帯域幅E2Eを確保する。
【0094】
特定のネットワーク内において、SMがネットワークのエッジに配置された境界機能(BF)と通信できる実装もある。BFはポリシー施行エンティティである。SMは、個々のネットワークのエッジにおいて、RSVP−TEと同様の(またはこれから派生した)プロトコル、またはその他の合意したプロトコルを用いて、BFと通信する。ピアSMからのリソース予約(RR)リクエストを示すメッセージを受信すると、SMは個々のネットワーク内のリソース取得可否をチェックし、リソース予約(RR)リクエストを宛先SPへ向かうカスケードチェーン内の次のSMへ転送する前に、通常はリソースを予約のためマークする。要求されたリソースがE2Eを取得できるようになると、返送するRR(応答メッセージチェーン)を用いて実際にリソースを予約することができる。
【0095】
その他の実装、例えばリソースを実際に予約するために、SM間の個別のシグナル伝達セットを使用することも考慮可能である。実際のリソース予約および施行において、SMはQoSルールと施行決定を、合意したプロトコルとシグナル伝達を用いて個々のBFへ送信する。
【0096】
NNI上で交換されるトラフィックがDiffServマークされる実装もある。ポリシーとルールについての合意は、個々の「クラス」に属する集約されたトラフィックについてのDiffServマークに基づき、BFエンティティによって施行される。E2Eポリシー交換およびリソース予約をSM間シグナル伝達によって実施できる実装もある。DiffServマークに基づく集約されたトラフィッククラスベースのE2E QoSは、SM−BFシグナル伝達を介して施行することができる。具体的な手法として、SLA、トラフィッククラス集約についてのDiffServマーク、SM間シグナル伝達、SM−BFシグナル伝達がある。
【0097】
本開示その他の実施形態、および本文書に記載する機能動作は、デジタル電子回路内またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア内に実装することができる。これは本文書において開示する構造およびその等価物、それらの1以上の組み合わせを含む。本開示その他の実施形態は、1以上のコンピュータプログラム製品として実装することができる。すなわち、データ処理装置によって実行しまたはデータ処理装置の動作を制御するためコンピュータ読取可能媒体に記録された1以上のコンピュータプログラム命令のモジュールである。コンピュータ読取可能媒体は、機械読取可能な記憶装置、機械読取可能な記憶基板、メモリデバイス、機械読取可能な伝送信号に影響する組成物、またはこれらの1以上の組み合わせである。「データ処理装置」は、データを処理する全ての装置および機械を包含する。例えばプログラム可能プロセッサ、コンピュータ、複数のプロセッサまたはコンピュータを含む。装置は、ハードウェアに加え、コンピュータプログラムの命令環境を生成するコードを含む。例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはこれらの1以上の組み合わせを構成するコードである。伝送信号は、人工生成した信号である。例えば機械生成した電気信号、光信号、電磁気信号であって、情報を符号化して適当な受信装置へ送信するために生成されたものである。
【0098】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、コードとも呼ぶ)は、任意形態のプログラム言語で記述することができる。これはコンパイル言語、インタープリタ言語を含む。また、任意形態で配布することができる。これはスタンドアロンプログラムまたはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、その他コンピュータ環境において用いられる適当な単位を含む。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに対応している必要はない。プログラムは、その他のプログラムやデータを保持するファイルの一部のなか(例えば、マークアップ言語文書内に記録された1以上のスクリプト)、当該プログラム専用の単一のファイル内、または複数のファイル内(例えば1以上のモジュール、サブプログラム、コード部分を格納するファイル)に格納することができる。コンピュータプログラムをあるサイトに配置されたコンピュータに配布して実行し、または通信ネットワークで相互接続された複数サイトにわたって分散して配置された複数のコンピュータへ配布して実行することができる。
【0099】
本文書において記載する処理およびロジックフローは、1以上のコンピュータプログラムを実行する1以上のプログラム可能プロセッサによって実施し、入力データに基づき動作して出力を生成する機能を実施することができる。処理およびロジックフローはまた、特定用途論理回路によって実施し、または装置をその特定要と論理回路として実装することができる。例えばFPGA(field programmable gate array)またはASIC(アプリケーション特定集積回路)である。
【0100】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例えば汎用および特定用途マイクロプロセッサ、さらには任意タイプのデジタルコンピュータの1以上のプロセッサを含む。一般にプロセッサは、命令とデータを読取専用メモリ、ランダムアクセスメモリまたはその双方から受信する。コンピュータの必要要素は、命令を実施するプロセッサと命令およびデータを記憶する1以上のメモリ装置である。一般にコンピュータは、データを受信し、書き込み、またはその両方を実施するため、1以上の大規模記憶装置を備え、または接続されている。例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスクである。しかしコンピュータ自体はこれら装置を備える必要はない。コンピュータプログラム命令およびデータを格納するのに適したコンピュータ読取可能媒体は、任意形態の不揮発性メモリ、媒体およびメモリ装置を含む。例えばEPROM、EEPROM、フラッシュメモリデバイスのような半導体メモリデバイス、磁気ディスク、内部ハードディスク、リムーバブルディスク、光磁気ディスク、CD ROM、DVD−ROMである。プロセッサとメモリは、特定用途論理回路と置き換え、またはそのなかに組み込むことができる。
【0101】
本文書は多くの特定例と記載しているが、これらは特許請求しまたは特許請求し得る本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。むしろ、特定の実施形態の特徴を記載しているものと解釈すべきである。個々の実施形態の文脈において本文書に記載している特徴は、単一の実施形態の組み合わせにおいて実装することができる。反対に、単一の実施形態の文脈において記載している様々な特徴を、複数の実施形態またはその適当な組み合わせにおいて個々に実装することができる。さらに、各特徴はある組み合わせにおいて動作するように記載され、そのように特許請求されているが、特許請求している1以上の組み合わせを他の組み合わせにおいて用いることもできるし、特許請求する組み合わせを組み合わせまたはその変形に適用することもできる。同様に、動作は図面において特定の順序で記載しているが、これは所望の結果を得るためにそのような動作を図示する順序で実施し、または図示する全ての動作を実施することが必要であると解するべきではない。
【0102】
一部の例および実装例を開示した。本開示に基づいて、本開示例および実装例に対する変形、修正、拡張およびその他の実装も可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる通信ネットワークを介したパケットデータ通信におけるサービス品質(QoS)を提供する方法であって、
異なる通信ネットワークにおいてそれぞれQoSサービスマネージャを提供し、前記異なる通信ネットワークにおいて、前記異なる通信ネットワークを接続するネットワーク間相互接続上でQoSシグナル伝達を管理するステップ;
相互接続している2つの前記異なる通信ネットワークの前記QoSサービスマネージャを動作させて互いに通信し、各前記QoSサービスマネージャが前記異なる通信ネットワークによってサポートされるデータ通信サービスについてのサービスレベル合意(SLA)のQoS情報、および各前記通信ネットワークにおけるネットワーク通信リソースについての情報を取得できるようにするステップ;
各前記通信ネットワークにおいて、相互接続する他の通信ネットワークへシグナル伝達し、2つの相互接続する前記通信ネットワーク間でデータ通信するための境界ゲートウェイを提供するステップであって、2つの他の通信ネットワークと相互接続する通信ネットワークが存在する場合は、その通信ネットワークはそれぞれ前記2つの他の通信ネットワークと接続するように指定された2つの境界ゲートウェイを有するステップ;
各前記QoSサービスマネージャを動作させ、各通信ネットワークにおける1以上の前記境界ゲートウェイへ、前記SLAのQoS情報および前記データ通信サービスのネットワーク通信リソースについての情報を含むデータ通信サービスについてのQoSポリシー情報を送信するステップ;
各前記境界ゲートウェイを、前記QoSポリシーを施行するQoSポリシー施行要素として動作させるステップ、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記異なる通信ネットワークのうちいずれか1つの上で第1QoSサービスマネージャを動作させて、前記データ通信サービスについてのQoS更新リクエストを他の隣接する通信ネットワーク内の第2QoSサービスマネージャへ送信するステップ、
前記隣接する通信ネットワーク内で前記第2QoSサービスマネージャを動作させて、要求されたQoS更新についての情報を取得し、前記第1QoSサービスマネージャへ応答を送信するステップ、
前記第1QoSサービスマネージャを動作させ、前記QoS更新を前記通信ネットワーク情報内の1以上の境界ゲートウェイへ通知するステップ、
を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記データ通信サービスについての前記QoS更新要求が、前記第2QoSサービスマネージャにおける情報に基づき満たされていない条件を含む場合、前記第2QoSサービスマネージャを前記他の隣接する通信ネットワーク内で動作させ、前記条件が満たされていない旨を示すメッセージを応答内に含めるステップを有する
ことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記QoS更新についてのさらなるリクエストを他の隣接する通信ネットワークへ送信しないように前記第2QoSサービスマネージャを動作させるステップを有する
ことを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記データ通信サービスについての前記QoS更新要求が、前記第2QoSサービスマネージャにおける情報に基づき満たされている条件を含む場合、前記第2QoSサービスマネージャを前記他の隣接する通信ネットワーク内で動作させ、前記QoS更新についての第2リクエストを、前記第2通信ネットワークに隣接し前記データ通信サービスに関係する第3通信ネットワーク内の第3QoSサービスマネージャへ送信して、前記更新ようを前記第3QoSサービスマネージャから取得するステップ、
前記更新要求を前記第3QoSサービスマネージャから取得した後、前記第2QoSサービスマネージャを動作させて前記第1QoSサービスマネージャへ前記第3QoSサービスマネージャからの前記更新要求に基づき応答を送信するステップ、
を有することを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項6】
前記データ通信サービスをサポートする前記異なる通信ネットワーク内の前記QoSサービスマネージャのいずれか1つを動作させ、前記データ通信サービスについての前記サービスレベル合意(SLA)に基づき個々の通信ネットワークの通信帯域幅を調整するステップを有する
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記異なる通信ネットワークの1つは、無線デバイスへデータサービスを提供する無線ネットワークである
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記異なる通信ネットワークの1つは、1以上の有線通信リンクを介してデータサービスを提供する有線ネットワークである
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記異なる通信ネットワークの1つは、無線デバイスへデータサービスを提供する無線ネットワークである
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記異なる通信ネットワークは、1以上の有線通信リンクを介してデータサービスを提供する有線ネットワーク、および無線デバイスへデータサービスを提供する無線ネットワークを含む
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
無線または有線通信方法であって、
1以上のネットワーク間でポリシールール情報を交換して、異なるサービスプロバイダ間の1以上の接続について末端間サービス品質を提供するステップを有する
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
ポリシールール情報をネットワークルータへ通知して前記ネットワークルータを制御し、1以上のポリシールールを施行するステップを有する
ことを特徴とする請求項11記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−504271(P2013−504271A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528114(P2012−528114)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/047934
【国際公開番号】WO2011/029083
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(512054171)ゼットティーイー コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】