説明

通信システム、通信管理装置、通信管理方法、及び通信管理プログラム

【課題】閉じたネットワーク同士を接続したときに、通信装置が正確に通信を行うことができること。
【解決手段】ネットワーク判定部c222が第1の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、第2の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、が同一のネットワーク識別情報であるか否かを判定する。アドレス判定部c223が、ネットワーク判定部c222が同一のネットワーク識別情報であると判定した場合、第1の通信アドレスと第2の通信アドレスとに同じ通信アドレスがあるか否かを判定する。ネットワーク判定部c222とアドレス判定部c223の判定結果に基づいて、第1の通信ネットワークと第2の通信ネットワークとの接続方式を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信管理装置、通信管理方法、及び通信管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報技術の発展により、デジタル関連技術を使用したデジタル家庭電化機器が、家庭内に多く見られるようになった。最近では、これらのデジタル家庭電化機器を互いにネットワークで接続し、様々な機能を提供する技術が提案されている。例えば、映像や音楽等のコンテンツを再生するメディア再生装置(DMP:Digital Medeia Player)は、大容量の記憶領域に大量のコンテンツを保存するメディアサーバ(DMS:Digital Media Server)から、コンテンツをダウンロードして再生する。
このような家庭内での電化機器のネットワーク(ホームネットワークという)では、各電化機器に互換性を持たせ、電化機器間の相互接続や通信等を容易にすることが検討されている。例えば、非特許文献1には、ホームネットワークでの標準規格として、DLNA(Digital Living Network Alliance(登録商標))ガイドラインについて記載されている。
【0003】
しかし、DLNAガイドラインは、主にホームネットワーク内での利用を目的としているため、電化機器は、インターネット網を介して接続している他のネットワークの電化機器の発見、制御を行うことができなかった。
このような課題に対し、特許文献1には、ホームネットワークでの通信パケットをカプセル化し、カプセル化した通信データをインターネットに送信するプロキシ装置が記載されている。また、このプロキシ装置は、インターネットから受信した通信データのカプセルを解除してホームネットワーク内へ送信することが記載されている。つまり、この技術は、ホームネットワーク同士を、VPNを用いて接続する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−236344号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】“DLNAガイドライン”、[online]、Digital Living Network Alliance(登録商標)、[2009年2月27日検索]、インターネット<http://www.dlna.org/home>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、接続するホームネットワークは、互いに異なるネットワークアドレスのネットワーク(異なるネットワークという)とは限られず、互いに同じネットワークアドレスのネットワーク(同一ネットワークという)のこともある。例えば、同一ネットワーク同士を接続するときに、特許文献1記載の技術を適用すると、一方のネットワーク内の通信装置と他方のネットワーク内の通信装置とで、割り当てられたアドレスが重複する場合がある。この場合、接続したホームネットワークでは、通信装置が正確に通信を行うことができないという欠点があった。また、このようなアドレスの重複を解消するために、時間がかかるという欠点があった。
なお、このような課題は、ホームネットワークに限らず、例えば、LAN(Local Aria Network)同士の接続でも同じである。
このように、従来技術では、ネットワーク同士を接続したときに、通信装置が迅速かつ正確に通信を行うことができない場合があるという欠点があった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ネットワーク同士を接続したときに、ネットワーク内の通信装置が正確に通信を行うことができる通信システム、通信管理装置、通信管理方法、及び通信管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明は、第1の通信ネットワークに接続された第1の通信装置に割り当てた第1の通信アドレスを管理する第1の通信管理装置と、第2の通信ネットワークに接続された第2の通信装置に割り当てた第2の通信アドレスを管理する第2の通信管理装置と、を具備する通信システムにおいて、前記第1の通信管理装置又は前記第2の通信管理装置は、前記第1の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、前記第2の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、が同一のネットワーク識別情報であるか否かを判定するネットワーク判定部と、前記ネットワーク判定部が同一のネットワーク識別情報であると判定した場合、前記第1の通信アドレスと前記第2の通信アドレスとに同じ通信アドレスがあるか否かを判定するアドレス判定部と、を備え、前記第1の通信管理装置は、前記ネットワーク判定部と前記アドレス判定部の判定結果に基づいて、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置とを通信可能にする接続方式を選択する接続設定部を備えることを特徴とする通信システムである。
上記構成によると、前記通信システムは、前記第1の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、前記第2の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、が同一のネットワーク識別情報であるか否かを判定し、同一のネットワーク識別情報であると判定した場合、前記第1の通信アドレスと前記第2の通信アドレスとに同じ通信アドレスがあるか否かを判定し、判定結果に基づいて、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置とを通信可能にする接続方式を選択する。これにより、前記通信システムは、第1の通信ネットワークと第2の通信ネットワークとが、互いに同じネットワーク識別情報が割り当てられたネットワークでも、互いに異なるネットワーク識別情報が割り当てられたネットワークでも、接続方式を選択して接続することができ、第1の通信装置と第2の通信装置とを迅速かつ正確に通信可能にすることができる。
【0009】
(2)また、本発明は、上記の通信システムにおいて、前記第1の通信管理装置又は前記第2の通信管理装置は、前記アドレス判定部が同じ通信アドレスがあると判定した場合、前記第2の通信アドレスと異なる通信アドレスであって前記第2の通信アドレスが示すネットワーク識別情報の通信アドレスであるネットワーク同一アドレスを、前記第1の通信装置のすべてに割り当てることができるか否かを判定する払出アドレス検索部を備え、前記接続設定部は、払出アドレス検索部の判定結果に基づいて、前記接続方式を選択することを特徴とする。
上記構成によると、前記通信システムは、前記アドレス判定部が同じ通信アドレスがあると判定した場合、前記第2の通信アドレスと異なる通信アドレスであって前記第2の通信アドレスが示すネットワーク識別情報の通信アドレスであるネットワーク同一アドレスを、前記第1の通信装置のすべてに割り当てることができるか否かを判定し、判定結果に基づいて、前記接続方式を選択する。これにより、前記通信システムは、ネットワーク同一アドレスを前記第1の通信装置のすべてに割り当てることができる場合は、ネットワーク同一アドレスを第1の通信装置に割り当て、第1のネットワークと第2のネットワークとを同一のネットワークとして接続することができる。また、前記通信システムは、例えば、ネットワーク同一アドレスを前記第1の通信装置のすべてに割り当てることができない場合は、前記第2の通信アドレスが示すネットワーク識別情報以外のネットワーク識別情報の通信アドレスを第1の通信装置に割り当て、第1のネットワークと第2のネットワークとを異なるネットワークとして接続することができる。よって、前記通信システムは、第1の通信装置と第2の通信装置とを迅速かつ正確に通信可能にすることができる。
【0010】
(3)また、本発明は、上記の通信システムにおいて、前記第1の通信装置は、接続されたネットワークにマルチキャストを行い、その応答により通信先の通信装置を検出する通信装置であり、前記接続設定部は、前記払出アドレス検索部がネットワーク同一アドレスを前記第1の通信装置のすべてに割り当てることができないと判定した場合、前記マルチキャストを行った第1の通信装置と前記第2の通信装置との接続方式を、同一のネットワーク内の装置として通信可能にする第1の接続方式を選択し、前記マルチキャストを行った第1の通信装置を前記第1の接続方式にて通信可能とした後、前記第1の通信装置のすべてと前記第2の通信装置との接続方式を、異なるネットワークとして通信可能にする第2の接続方式に変更する接続方式変更部を備えることを特徴とする。
上記構成によると、前記通信システムは、ネットワーク同一アドレスを前記第1の通信装置のすべてに割り当てることができないと判定した場合、前記マルチキャストを行った第1の通信装置と前記第2の通信装置とを前記第1の接続方式にて通信可能とし、その後、前記第1の通信装置のすべてと前記第2の通信装置との接続方式を、前記第2の接続方式に変更する。これにより、前記通信システムは、マルチキャストを行った第1の通信装置を、他の第1の通信装置より優先して、第2のネットワークに接続することができ、前記マルチキャストを行った第1の通信装置を、さらに迅速に通信可能にすることができる。
【0011】
(4)また、本発明は、上記の通信システムにおいて、前記第1の通信管理装置又は前記第2の通信管理装置は、前記払出アドレス検索部がネットワーク同一アドレスを前記第1の通信装置のすべてに割り当てることができないと判定した場合、2個の前記ネットワーク同一アドレスを払い出すアドレス決定部を備え、前記第1の通信管理装置は、前記アドレス決定部が払い出したネットワーク同一アドレスの1個を前記第2の通信装置と通信可能とする接続装置に割り当てることを決定し、もう1個のネットワーク同一アドレスを、前記マルチキャストを行った第1の通信装置に割り当てることを決定する正式アドレス設定部と、前記接続装置と前記マルチキャストを行った第1の通信装置とを、前記ネットワーク同一アドレスが示すネットワークの装置として登録する一時同一ネットワーク生成部と、を備えることを特徴とする。
上記構成によると、前記通信システムは、ネットワーク同一アドレスの1個を前記第2の通信装置と通信可能とする接続装置に割り当て、もう1個のネットワーク同一アドレスを、前記マルチキャストを行った第1の通信装置に割り当てて、前記接続装置と第1の通信装置を前記ネットワーク同一アドレスが示すネットワークの装置として登録する。これにより、前記通信システムは、前記接続装置と前記マルチキャストを行った第1の通信装置とを、第2のネットワークと同一のネットワークの装置として接続することができる。また、前記マルチキャストを行った第1の通信装置以外の第1の通信装置に割り当てられた第1の通信アドレスと、第2の通信装置に割り当てられた第2の通信アドレスの重複を防止することができる。
【0012】
(5)また、本発明は、上記の通信システムにおいて、前記通信システムは、前記第1の通信装置から前記第2の通信装置への通信データを、中継する複数の中継装置を具備し、 前記第1の通信装置は、前記通信データを中継させる前記中継装置の数を示す中継数を含む前記通信データを送信し、前記中継装置は、前記通信データを中継した中継装置の数が前記中継数の数を超えた場合、当該通信データを破棄し、前記第1の通信管理装置は、前記中継数を増加させるTTL延長処理部を備えることを特徴とする。
上記構成によると、前記通信システムは、前記通信データの中継数を増加させるので、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置とを通信可能にしたときに前記中継装置の数が増加する場合であっても、前記第1の通信装置が送信した通信データを中継させ、確実に前記第2の通信装置に受信させることができる。
【0013】
(6)また、本発明は、第1の通信ネットワークに接続された第1の通信装置に割り当てた第1の通信アドレスを管理する第1の通信管理装置において、前記第1の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、第2の通信ネットワークに接続された第2の通信装置に割り当てた第2の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、が同一のネットワーク識別情報であるか否かを判定するネットワーク判定部と、前記ネットワーク判定部が同一のネットワーク識別情報であると判定した場合、前記第1の通信アドレスと前記第2の通信アドレスとに同じ通信アドレスがあるか否かを判定するアドレス判定部と、前記ネットワーク判定部と前記アドレス判定部の判定結果に基づいて、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置とを通信可能にする接続方式を選択する接続設定部と、を備えることを特徴とする第1の通信管理装置である。
【0014】
(7)また、本発明は、第1の通信ネットワークに接続された第1の通信装置に割り当てた第1の通信アドレスを管理する第1の通信管理装置における通信管理方法において、前記第1の通信管理装置が、前記第1の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、第2の通信ネットワークに接続された第2の通信装置に割り当てた第2の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、が同一のネットワーク識別情報であるか否かを判定する第1の過程と、前記第1の通信管理装置が、第1の過程にて同一のネットワーク識別情報であると判定した場合、前記第1の通信アドレスと前記第2の通信アドレスとに同じ通信アドレスがあるか否かを判定する第2の過程と、前記第1の通信管理装置が、前記第1の過程と前記第2の過程の判定結果に基づいて、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置とを通信可能にする接続方式を選択する第3の過程と、を有することを特徴とする通信管理方法である。
【0015】
(8)また、本発明は、第1の通信ネットワークに接続された第1の通信装置に割り当てた第1の通信アドレスを管理する第1の通信管理装置のコンピュータを、前記第1の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、第2の通信ネットワークに接続された第2の通信装置に割り当てた第2の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、が同一のネットワーク識別情報であるか否かを判定するネットワーク判定手段、前記ネットワーク判定手段にて同一のネットワーク識別情報であると判定した場合、前記第1の通信アドレスと前記第2の通信アドレスとに同じ通信アドレスがあるか否かを判定するアドレス判定手段、前記ネットワーク判定手段と前記アドレス判定手段の判定結果に基づいて、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置とを通信可能にする接続方式を選択する接続設定手段、として機能させる通信方法管理プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、通信システムは、第1の通信ネットワークと第2の通信ネットワークとが、互いに同じネットワーク識別情報が割り当てられたネットワークでも、互いに異なるネットワーク識別情報が割り当てられたネットワークでも、接続方式を選択して接続することができ、第1の通信装置と第2の通信装置とが迅速かつ正確に通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の実施形態に係る通信システムの概念図である。
【図2】本実施形態に係る通信システムの別の概念図である。
【図3】本実施形態に係るメディア再生装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】本実施形態に係るDHCPサーバの構成を示す概略ブロック図である。
【図5】本実施形態に係る払出アドレステーブルの一例を示す概略図である。
【図6】本実施形態に係る第1のDLNA接続装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図7】本実施形態に係るネットワーク接続処理部の構成を示す概略ブロック図である。
【図8】本実施形態に係る接続設定部の構成を示す概略ブロック図である。
【図9】本実施形態に係る通信データ変換部の構成を示す概略ブロック図である。
【図10】本実施形態に係るメディアサーバの構成を示す概略ブロック図である。
【図11】本実施形態に係る第2のDLNA接続装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図12】本実施形態に係るネットワーク接続処理部の構成を示す概略ブロック図である。
【図13】本実施形態に係る接続設定部の構成を示す概略ブロック図である。
【図14】本実施形態に係る通信システムの動作の一例を示すフロー図である。
【図15】本実施形態に係る暫定IPアドレス払出処理の動作の一例を示すフロー図である。
【図16】本実施形態に係る正式IPアドレス決定処理の動作の一例を示すフロー図である。
【図17】本実施形態に係る正式IPアドレス決定処理の動作の一例を示すフロー図である。
【図18】本実施形態に係る正式IPアドレス決定処理の概念図である。
【図19】本実施形態に係る正式IPアドレス決定処理の概念図である。
【図20】本実施形態に係る正式IPアドレス設定処理の動作の一例を示すフロー図である。
【図21】本実施形態に係る一時同一NWモード割当処理の動作の一例を示すフロー図である。
【図22】本実施形態に係る正式IPアドレス設定処理の概念図である。
【図23】本実施形態に係る正式IPアドレス設定処理の概念図である。
【図24】本実施形態に係る一時同一NWモード割当処理の概念図である。
【図25】本実施形態に係る払出アドレステーブルの一例を示す概略図である。
【図26】本実施形態に係る払出アドレステーブルの別の一例を示す概略図である。
【図27】本実施形態に係る払出アドレステーブルの別の一例を示す概略図である。
【図28】本実施形態に係る払出アドレステーブルの別の一例を示す概略図である。
【図29】本実施形態に係るVPN接続処理の動作の一例を示すフロー図である。
【図30】本実施形態に係るNATテーブルの一例を示す概略図である。
【図31】本実施形態に係る逆NAT変換テーブルの一例を示す概略図である。
【図32】本実施形態に係る通信パケットのヘッダ情報を示す概略図である。
【図33】本実施形態に係るTTL延長処理の動作の一例を示すフロー図である。
【図34】本実施形態に係るサーチメッセージの通信の一例を示すフロー図である。
【図35】本実施形態に係るサーチメッセージの通信の別の一例を示すフロー図である。
【図36】本実施形態に係る使用済正式IPアドレス通知処理及び使用済正式IPアドレス回収処理の動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0019】
<通信システムについて>
図1は、この発明の実施形態に係る通信システムの概念図である。
この図において、通信システムは、2つのホームネットワークH1、H2を備える。この2つのホームネットワークH1、H2は、それぞれ、WAN(Wide Area Network)W1に接続されている。
【0020】
ホームネットワークH1(第1の通信ネットワーク)は、メディア再生装置(DMP:Digital Medeia Player)A11、A12(第1の通信装置)、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバB1、及びホームゲートウェイC1を具備する。ホームネットワークH1が具備する装置は、LAN(Local Area Network)L1に接続され、プライベートIPアドレスが割り当てられている(プライベートIPアドレスのように、予め定められた範囲のネットワークアドレスのIPアドレスが割り当てられたネットワークを閉じたネットワークという)。
ホームネットワークH2(第2の通信ネットワーク)は、メディアサーバ(DMS:Digital Medeia Server)A21(第2の通信装置)、DHCPサーバB2、及びホームゲートウェイC2を具備する。ホームネットワークH2が具備する装置は、LAN L2に接続される。ホームネットワークH2は、閉じたネットワークである。
ここで、LAN L1で使用するプライベートIPアドレスのネットワークアドレスと、LAN L2で使用するプライベートIPアドレスのネットワークアドレスと、は同じ場合(ホームネットワークH1とH2は、同一ネットワークという)もあり、異なる場合(ホームネットワークH1とH2は、異なるネットワークという)もある。
【0021】
メディアサーバA21は、大容量の記憶領域を有し、その記憶領域に映像や音楽等のコンテンツを大量に記憶する。メディア再生装置A11、A12は、メディアサーバA21からコンテンツをダウンロードして再生する。このメディア再生装置A11、A12とメディアサーバA21とが通信をするためには、ホームネットワークH1とH2を予め接続し、通信可能にしておく必要がある。
ホームネットワークH1とH2を予め接続するため、本実施形態に係るホームゲートウェイC1とホームゲートウェイC2とは、以下のような接続処理を行う。
まず、ホームゲートウェイC1は、ホームゲートウェイC2へ接続要求を送信する。ホームゲートウェイC2は、ホームゲートウェイC1からの接続要求に対して、ホームネットワークH1で割り当てるプライベートIPアドレスを決定する。ホームゲートウェイC1は、ホームゲートウェイC2が決定したプライベートIPアドレスに基づいて、ホームネットワークH1内のプライベートIPアドレスの割り当てを行う。また、ホームゲートウェイC1は、ホームゲートウェイC2が決定したプライベートIPアドレスに基づいて、ホームゲートウェイC2との接続方式を選択する。
なお、以下、ホームネットワークH1において、ホームゲートウェイC2が決定したプライベートIPアドレスであって、ホームネットワークH1で割り当てるプライベートIPアドレスを正式IPアドレスという。また、正式IPアドレス以外(ホームゲートウェイC2が決定する前)のプライベートIPアドレスを暫定IPアドレスという。
【0022】
図2は、本実施形態に係る通信システムの別の概念図である。
この図において、ホームネットワークH1は、メディア再生装置A11、A12、DHCPサーバB1、及びホームゲートウェイC1を具備する。ホームネットワークH2は、メディアサーバA21、DHCPサーバB2、及びホームゲートウェイC2を具備する。
また、ホームゲートウェイC1は、第1のDLNA(Digital Living Network Alliance(登録商標))接続装置c1(第1の通信管理装置)、第2のDLNA接続装置c2(第2の通信管理装置)を含んで構成される。
【0023】
メディア再生装置A11、A12は、メディアサーバを検出するサーチメッセージであって自装置の宛先情報を含むサーチメッセージを、マルチキャストパケットにて送信する。また、メディア再生装置A11、A12は、サーチメッセージを受信したメディアサーバA21からの応答メッセージを、ユニキャストパケットにて受信する。メディア再生装置A11、A12は、応答メッセージからメディアサーバA21の宛先情報を抽出し、メディアサーバA21と通信を行う。すなわち、メディア再生装置A11、A12は、接続されたネットワークにマルチキャストを行い、その応答により通信先のメディアサーバA21を検出する。
メディア再生装置A11、A12は、メディアサーバA21からコンテンツをダウンロードし、ダウンロードしたコンテンツを再生する。
メディア再生装置A11、A12は、例えば、ハードディスクレコーダ、テレビ、プリンタ、又はパーソナルコンピュータである。また、メディア再生装置A11、A12は、無線通信によりLAN L1と接続してもよく、例えば、携帯電話装置、又は、映像や音楽等を再生するモバイル再生装置であってもよい。
【0024】
DHCPサーバB1、B2は、それぞれ、LAN L1、L2で使用するプライベートIPアドレスを払い出す。なお、DHCPサーバB1、B1が払い出すプライベートIPアドレスは、それぞれ、第1のDLNA接続装置c1、第2のDLNA接続装置c2から登録することができる。DHCPサーバB1、B2が払い出した各装置のプライベートIPアドレスは、それぞれ、ホームネットワークH1、H2内の各装置に登録される。なお、DHCPサーバB1、B2が持つ機能は、ホームゲートウェイC1、C2が備えてもよい。また、DHCPサーバB1、B2は、IPアドレスの動的な割り当てに限られず、静的な割り当てを行ってもよい
【0025】
第1のDLNA接続装置c1は、第2のDLNA接続装置c2との接続処理を行う。図2は、この接続処理の結果、第1のDLNA接続装置c1と第2のDLNA接続装置c2とが、VPN(Virtual Private Network)接続されていることを示す。このVPN接続には、2つの種類がある。
1つは、例えば、WAN W1内のルータ装置(図示せず)に、接続するネットワーク間のルーティング情報を登録し、IPパケットのルーティングを固定するレイヤ3−VPNである。もう1つは、例えば、ソフトウェアでネットワークデバイスの動作を仮想的に実現するTAPが、レイヤ2(データリンク層)の通信フレームにレイヤ2のヘッダ情報を付加することで、VPNを実現するレイヤ2−VPNである。なお、レイヤ2、3とは、それぞれ、OSI参照モデルの第2層(データリンク層)、第3層(ネットワーク層)を示す。なお、レイヤ2−VPNとしてレイヤ2以上のレイヤに関する通信技術、例えば、MPLS(Multi−Protocol Label Switching)を用いてVPNを実現してもよい。
【0026】
第1のDLNA接続装置c1は、ホームネットワークH1とH2とが同一ネットワークの場合、レイヤ2−VPNを生成する。一方、第1のDLNA接続装置c1は、ホームネットワークH1とH2とが異なるネットワークの場合、レイヤ3−VPNを生成する。
また、レイヤ2−VPNを用いて他のネットワークに接続する接続方式を「同一セグメント方式」(第1の接続方式)といい、レイヤ3−VPNを用いて他のネットワークに接続する接続方式を「ルーティング方式」(第2の接続方式)という。特に、レイヤ3−VPNを用いて他のネットワークにマルチキャストを行う方式を、「マルチキャストルーティング方式」という。
【0027】
メディアサーバA21は、メディア再生装置A11又はA12から送信されたサーチメッセージを受信し、メディア再生装置A11又はA12の宛先情報を抽出する。メディアサーバA21は、自装置の宛先情報を含む応答メッセージを生成し、抽出した宛先情報が示す宛先にユニキャストパケットにて送信する。
【0028】
以下、ホームネットワークH1、H2内の装置について詳細を説明する。ここで、図1、2中のメディア再生装置A11、A12は同一の構成であるので、メディア再生装置a1として説明をする。また、メディアサーバA21をメディアサーバa2という。また、DHCPサーバB1、B2を、それぞれ、DHCPサーバb1、b2という。
【0029】
<メディア再生装置a1の構成について>
まず、メディア再生装置a1について説明をする。
図3は、本実施形態に係るメディア再生装置a1の構成を示す概略ブロック図である。
この図において、メディア再生装置a1は、LAN接続部a10、アドレス更新部a111、アドレス情報記憶部a112、メディアサーバ検出部a113、メディアサーバ情報記憶部a114、コンテンツ取得部a115、コンテンツ再生部c116、及び出力部a117を含んで構成される。
【0030】
LAN接続部a10は、LANケーブルに接続されるネットワークインタフェースカードである。メディア再生装置a1は、LAN接続部a10を介して、他の装置と通信を行う。
アドレス更新部a111は、メディア再生装置a1がLANに接続されたとき、プライベートIPアドレスの払い出しを要求するアドレス払出要求を、DHCPサーバB1に送信する。アドレス更新部a111は、自装置に払い出されたIPアドレス情報をアドレス払出要求の応答から抽出し、アドレス情報記憶部a112に記憶する。このIPアドレス情報は、LAN L1でのプライベートIPアドレス、払い出し日時、及びリース期間の情報である(図5参照)。ここで、払い出し日時は、プライベートIPアドレスが払い出された日時を示し、リース期間は、プライベートIPアドレスを使用できる期間を示す。
【0031】
また、アドレス更新部a111は、定期的又は通信データの生成時にアドレス情報記憶部a112が記憶するIPアドレス情報を抽出し、プライベートIPアドレスの払い出し日時からリース期間が経過していないか否かを判定する。リース期間が経過している場合、アドレス更新部a111は、リース期間が経過したプライベートIPアドレス(使用済IPアドレスという)を第1のDLNA接続装置c1に送信する。また、この場合、アドレス更新部a111は、アドレス払出要求をDHCPサーバB1に送信する。アドレス更新部a111は、このアドレス払出要求の応答からIPアドレス情報を抽出し、アドレス情報記憶部a112に記憶する。
このように、メディア再生装置a1は、IPアドレス情報の更新処理を、そのIPアドレス情報のリース期間経過後に行う。
【0032】
なお、上記実施形態において、アドレス更新部a111は、IPアドレス情報の更新処理をIPアドレス情報のリース期間後に行う場合について説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、アドレス更新部a111は、DHCPサーバB1からIPアドレス情報を受信した場合、リース期間にかかわらず、随時更新してもよい。また、アドレス更新部a111は、サーチメッセージの送信後すぐに、或いは、サーチメッセージの送信から一定期間経過後にアドレス払出要求を送信し、このアドレス払出要求に対してDHCPサーバB1が送信したIPアドレス情報を受信し、アドレス情報記憶部a112に記憶してもよい。
【0033】
メディアサーバ検出部a113は、アドレス情報記憶部a112が記憶するIPアドレス情報から自装置のプライベートIPアドレスを抽出する。メディアサーバ検出部a113は、抽出したプライベートIPアドレスを含むサーチメッセージを生成し、生成したサーチメッセージを、LAN接続部a10を介してLAN内にマルチキャストする。このサーチメッセージの送信処理は、例えば、定期的に、又は、ユーザがコンテンツを選択する等のユーザ操作を契機に行われる。
メディアサーバ検出部a113は、サーチメッセージの応答メッセージを、ユニキャストにて受信する。メディアサーバ検出部a113は、応答メッセージからメディアサーバa2の宛先情報を抽出し、メディアサーバ情報記憶部a114に記憶する。すなわち、
【0034】
コンテンツ取得部a115は、メディアサーバ情報記憶部a114が記憶するメディアサーバa2の宛先情報が示す宛先に、コンテンツの送信を要求するコンテンツ要求を送信する。コンテンツ取得部a115は、ダウンロードの許可を示す応答メッセージを受信した場合、応答メッセージに含まれる宛先のメディアサーバa2からコンテンツデータをダウンロードし、コンテンツ再生部a116に出力する。
コンテンツ再生部a116は、コンテンツ取得部a115から入力されたコンテンツデータを再生し、出力部a117にて出力する。
出力部a117は、ディスプレイやスピーカであり、コンテンツ再生部b116が出力したコンテンツデータを映像や音として出力する。
【0035】
<DHCPサーバb1の構成について>
次に、DHCPサーバb1について説明をする。
図4は、本実施形態に係るDHCPサーバb1の構成を示す概略ブロック図である。
この図において、DHCPサーバb1は、LAN接続部b10、予約アドレス情報取得部b111、予約アドレス情報記憶部b112、アドレス払出部b113、リース期間設定部b114、払出アドレス情報記憶部b115、及び払出アドレス情報通知部b116を含んで構成される。
LAN接続部b10は、LANケーブルに接続されるネットワークインタフェースカードである。DHCPサーバb1は、LAN接続部b10を介して、他の装置と通信を行う。
【0036】
予約アドレス情報取得部b111は、予約アドレス情報を、第1のDLNA接続装置c1からLAN接続部b10を介して取得する。予約アドレス情報は、後述するアドレス払出部b113に払い出させるIPアドレスの情報であり、IPアドレス、機器MACアドレス、及びリース期間の情報が含まれる。ここで、機器MACアドレスとは、ネットワーク装置のハードウェア固有の物理アドレスであって、ハードウェアを識別する情報である。なお、予約アドレス情報は、後述するように、正式IPアドレスのIPアドレス情報である。
予約アドレス情報取得部b111は、取得した予約アドレス情報を、予約アドレス情報記憶部b112に記憶する。
【0037】
アドレス払出部b113は、アドレス払出要求を、メディア再生装置a1からLAN接続部a10を介して受信する。アドレス払出部b113は、受信したアドレス払出要求から機器MACアドレスを抽出する。アドレス払出部b113は、予約アドレス情報取得部b111から予約アドレス情報を読み出し、抽出した機器MACアドレスを含む予約アドレス情報があるか否かを判定する。
予約アドレス情報があると判定した場合、アドレス払出部b113は、抽出した機器MACアドレスを含む予約アドレス情報を、IPアドレス情報として、アドレス払出要求を行ったメディア再生装置a1に送信する。一方、予約アドレス情報がないと判定した場合、アドレス払出部b113は、後述する暫定IPアドレス払出処理を行って、IPアドレス情報を払い出す。なお、この場合に払い出すIPアドレス情報は、暫定IPアドレスのIPアドレス情報である。
【0038】
リース期間設定部b114は、アドレス払出部b113が行う暫定IPアドレス払出処理において、暫定IPアドレスのリース期間として、正式IPアドレスのリース期間より短いリース期間を設定する。これにより、メディア再生装置a1に、正式IPアドレスのリース期間より短い期間で、アドレス払出要求を送信させることができ、暫定IPアドレスの更新頻度を高めることができる。
アドレス払出部b113は、払い出したIPアドレス情報を、払出アドレス情報記憶部b115に記憶する(図5参照)。
払出アドレス情報通知部b116は、アドレス払出部b113がIPアドレス情報を払い出すと、払出アドレス情報記憶部b115が記憶するIPアドレス情報を払出アドレス情報としてメディア再生装置a1へ送信する。
【0039】
図5は、本実施形態に係る払出アドレステーブルの一例を示す概略図である。図示するように払出アドレステーブルは、プライベートIPアドレス、機器MACアドレス、払出日時、及びリース期間の各項目の列を有している。払出アドレステーブルは、プライベートIPアドレス毎に払出アドレス情報が格納される。
【0040】
例えば、図5の1行目の払出アドレス情報は、図2中のメディア再生装置A11に払い出した払出アドレス情報を示す。この払出アドレス情報は、機器MACアドレス「MAC_A11」のメディア再生装置A11に、プライベートIPアドレス「PA_A11」(例えば、192.168.1.1)を払い出したことを示す。また、この払出アドレス情報は、IPアドレス情報を払い出した日時が、払出日時「3月15日15時11分」であることを示し、また、リース期間が「60分」であることを示す。
なお、プライベートIPアドレスの先頭部分の「192.168.1.0」(サブネットマスク255.255.255.0)がネットワークアドレスである。
【0041】
<第1のDLNA接続装置c1の構成について>
次に、第1のDLNA接続装置c1について説明をする。
図6は、本実施形態に係る第1のDLNA接続装置c1の構成を示す概略ブロック図である。
この図において、第1のDLNA接続装置c1は、LAN接続部c10、払出アドレス取得部c111、払出アドレス情報記憶部c112、ネットワーク接続処理部c12、正式アドレス記憶部c124、暫定アドレス記憶部c125、接続設定部c13、仮デバイスc14(接続装置)、通信データ変換部c15、及びWAN接続部c16を含んで構成される。
【0042】
LAN接続部c10は、LANケーブルに接続されるネットワークインタフェースカードである。第1のDLNA接続装置c1は、LAN接続部c10を介して、他の装置と通信を行う。
払出アドレス取得部c111は、DHCPサーバB1が送信した払出アドレス情報を、LAN接続部c10を介して受信し、払出アドレス情報記憶部c112に記憶する。また、払出アドレス取得部c111は、受信した払出アドレス情報を接続設定部c13に出力する。
【0043】
ネットワーク接続処理部c12は、払出アドレス情報記憶部c112が記憶する払出アドレス情報と、正式アドレス情報記憶部c124が記憶する正式アドレスと、に基づいて暫定IPアドレス情報を生成し、暫定IPアドレス情報記憶部c125に記憶する。
ネットワーク接続処理部c12は、メディア再生装置a1が送信したサーチメッセージを受信すると、接続要求を生成する。この接続要求には、暫定IPアドレス情報記憶部c125が記憶する暫定IPアドレス情報が含まれる。生成した接続要求は、WAN接続部c16を介して第2のDLNA接続装置c2に送信される。
また、ネットワーク接続処理部c12は、接続要求の応答である正式IPアドレス応答を、第2のDLNA接続装置c2から受信する。ネットワーク接続処理部c12は、受信した正式IPアドレス応答に含まれる正式IPアドレスを正式アドレス情報記憶部c124に記憶し、また、正式IPアドレス応答に含まれる接続モード情報を接続設定部c13に出力する。
なお、この接続モード情報は、ホームネットワークH1とH2との関係を示す情報である。この接続モード情報には、ホームネットワークH1とH2が異なるネットワークであることを示す「異なるNW(NetWork)」モード、同一ネットワークであることを示す「同一NW」モードがある。また、一時的に同一ネットワークとし、その後、異なるネットワークとする「一時同一NW」モードがある。
ネットワーク接続処理部c12の構成の詳細については、後述する。
【0044】
接続設定部c13は、ネットワーク接続処理部c12から入力された接続モード情報に基づき、暫定IPアドレスのメディア再生装置a1に対して、正式IPアドレス情報記憶部c124が記憶する正式IPアドレスの割り当てを決定する。接続設定部c13は、決定した割り当てを示す予約アドレス情報を生成し、LAN接続部c10を介してDHCPサーバb1に送信する。
また、接続設定部c13は、後述するように、接続モードが「一時同一NW」の場合、正式IPアドレスの1つを、LAN接続部c10のIPアドレスとして登録する。例えば、ifconfigコマンドで呼び出されるIPエイリアス機能を用いてIPアドレスを登録する。
このようにIPアドレスが登録されたLAN接続部c10は、あたかも登録されたIPアドレスのネットワークインタフェースカードが新たに増設されたように動作する。この仮想的なネットワークインタフェースカードを仮デバイスという。なお、1つのネットワークインタフェースカードに1つの仮デバイスのIPアドレスを登録してもよく、この場合、仮デバイスは、実際の物理デバイスであるネットワークインタフェースカードに対応する。以下、LAN接続部c10にIPアドレスを登録することを、仮デバイスを生成するという。
【0045】
接続設定部c13は、ネットワーク接続処理部c12から入力された接続モード情報に応じて、接続方式(同一セグメント方式、ルーティング方式)を選択する。接続設定部c13は、選択した接続方式に基づいて、レイヤ2−VPN、又はレイヤ3−VPNを生成し、また、通信データ内の通信情報の変換に用いる通信データ変換情報を生成する。接続設定部c13は、生成した通信データ変換情報を通信データ変換部c15に出力する。
なお、接続設定部c13の構成の詳細については、後述する。
【0046】
通信データ変換部c15は、接続設定部c13から入力された通信データ変換情報に基づいて、通信パケット内の宛先情報の変換を行う。なお、通信データ変換部c15の構成の詳細については、後述する。
WAN接続部c16は、WANの回線ケーブルに接続されるネットワークインタフェースカードである。第1のDLNA接続装置c1は、WAN接続部c16を介して、他の装置と通信を行う。
【0047】
<ネットワーク接続処理部c12の構成について>
以下、ネットワーク接続処理部c12の詳細について説明をする。
図7は、本実施形態に係るネットワーク接続処理部c12の構成を示す概略ブロック図である。この図において、ネットワーク接続処理部c12は、接続処理部c121、接続モード変更部c122、接続モード記憶部c123を含んで構成される。
【0048】
接続処理部c121は、LAN接続部c10を介して受信したサーチメッセージから、このサーチメッセージを送信したメディア再生装置a1のプライベートIPアドレスを抽出する。また、接続処理部c121は、正式アドレス情報記憶部c124から正式IPアドレスを読み出し、抽出したプライベートIPアドレスが読み出した正式IPアドレスに含まれるか否かを判定する。正式IPアドレスに含まれると判定した場合、つまり、サーチメッセージの送信元のプライベートIPアドレスが正式IPアドレスであると判定した場合、接続処理部c121は、受信したサーチメッセージを通信データ変換部c15に出力する(図示せず)。
【0049】
一方、正式IPアドレスに含まれないと判定した場合、つまり、サーチメッセージの送信元のプライベートIPアドレスが暫定IPアドレスと判定した場合、接続処理部c121は、次のように接続要求を生成し、第2のDLNA接続装置c2に送信する。
まず、接続処理部c121は、払出アドレス情報記憶部c112から払出アドレス情報を読み出す。接続処理部c121は、読み出した払出アドレス情報のうち、プライベートIPアドレスが正式IPアドレスでない払出アドレス情報を抽出する(抽出した情報を暫定IPアドレス情報という)。接続処理部c121は、抽出した暫定IPアドレス情報を暫定アドレス情報記憶部c125に記憶する。また、接続処理部c121は、抽出した暫定IPアドレス情報を含む接続要求を生成し、WAN接続部b16を介して第2のDLNA接続装置c2に送信する。
【0050】
接続処理部c121は、接続要求の応答である正式IPアドレス応答を、第2のDLNA接続装置c2からWAN接続部c16を介して受信する。接続処理部c121は、受信した正式IPアドレス応答から正式IPアドレス及び接続モードを抽出する。接続処理部c121は、抽出した正式IPアドレスを正式アドレス情報記憶部c124に記憶する。また、接続処理部c121は、抽出した接続モードを接続モード変更部c122に出力する。
また、接続処理部c121は、後述する接続モード変更部c122から入力された接続モードを、第2のDLNA接続装置c2に送信する。また、接続処理部c121は、メディア再生装置a1から使用済IPアドレスを受信すると、使用済正式IPアドレス通知処理を行う。使用済正式IPアドレス通知処理については、後述する。
【0051】
接続モード変更部c122は、接続処理部c121から入力された接続モードを接続設定部c13に出力し、また、接続モード記憶部c123に記憶する。
また、接続モード変更部c122は、接続モード記憶部c123が記憶する接続モードが「一時同一NW」モードの場合、払出アドレス情報記憶部c112が記憶する払出アドレス情報、及び、後述する接続設定部c13の予約アドレス情報記憶部c134が記憶する予約アドレス情報に基づいて、接続モードを変更する。接続モード変更部c122は、変更した接続モードを接続処理部c121及び接続設定部c13に出力する。
【0052】
<接続設定部c13の構成について>
以下、接続設定部c13の詳細について説明をする。
図8は、本実施形態に係る接続設定部c13の構成を示す概略ブロック図である。
この図において、接続設定部c13は、正式アドレス設定部C13、通信データ変換設定部c136、及びVPN設定部c137を含んで構成される。正式アドレス設定部C13は、アドレス判定部c131、ネットワークアドレス判定部c132、予約アドレス情報設定部c133、予約アドレス情報記憶部c134、及び仮デバイス生成部c135(一時同一ネットワーク生成部)を含んで構成される。
【0053】
正式アドレス設定部C13は、ネットワーク接続処理部c122から接続モードが入力されると、以下の正式IPアドレス設定処理を行う。
アドレス判定部c131は、正式アドレス情報記憶部c124が記憶する正式IPアドレスと、暫定アドレス情報記憶部c125が記憶する暫定IPアドレスと、が一致するか否かを判定する。
ネットワークアドレス判定部c132は、正式アドレス情報記憶部c124が記憶する正式IPアドレスと、暫定アドレス情報記憶部c125が記憶する暫定IPアドレスと、のネットワークアドレスが、同一のネットワークアドレスであるか、一部同一のネットワークアドレスであるか、又は、異なるネットワークアドレスであるか、を判定する。
【0054】
予約アドレス情報設定部c133は、暫定アドレス情報記憶部c125が記憶する暫定アドレス情報の機器MACアドレスを読み出す。予約アドレス情報設定部c133は、アドレス判定部c131及びネットワークアドレス判定部c132の判定結果に基づいて、読み出した機器MACアドレスに対して正式アドレス情報記憶部c124が記憶する正式IPアドレスを対応付ける。つまり、予約アドレス情報設定部c133は、暫定IPアドレスのメディア再生装置a1に対して、正式IPアドレス情報記憶部c124が記憶する正式IPアドレスの割り当てを決定する。
予約アドレス情報設定部c133は、正式IPアドレスと機器MACアドレスとを対応付けた予約アドレス情報を生成し、LAN接続部c10を介してDHCPサーバb1に送信する。また、予約アドレス情報設定部c133は、生成した予約アドレス情報を予約アドレス情報記憶部c134に記憶する。
また、予約アドレス情報設定部c133は、接続モードが「一時同一NW」モードの場合、仮デバイスc14に割り当てる正式IPアドレスを決定する。予約アドレス情報設定部c133は、決定した正式IPアドレスを仮デバイス生成部c135に出力する。
【0055】
仮デバイス生成部c135は、予約アドレス情報設定部c133から入力された正式IPアドレスを用いて仮デバイスc14を生成する。また、仮デバイス生成部c135は、仮デバイスc14に、仮デバイスc14を介してホームネットワークH2に接続させるメディア再生装置a1の機器MACアドレスと正式IPアドレスを登録する。また、仮デバイス生成部c135は、仮デバイスの正式IPアドレスと機器MACアドレスとを対応付けた情報を予約アドレス情報設定部c133に出力する。この情報に基づいて、予約アドレス情報設定部c133が仮デバイスの予約アドレス情報を生成してDHCPサーバb1に登録する。
上記の仮デバイス生成部c135が行う登録(仮デバイスc14とメディア再生装置a1とを接続という)により、メディア再生装置a1は仮デバイスと同じネットワークの装置として登録される。これにより、仮デバイスc14は、ホームネットワークH2から送信された通信データを、登録した機器MACアドレスのメディア再生装置A11に送信をすることができる。
なお、上記の正式アドレス設定部C13が行う正式IPアドレス設定処理の詳細については後述する。
【0056】
通信データ変換設定部c136は、ネットワーク接続処理部c12から入力された接続モードに応じて、接続方式を選択する。例えば、接続モードが「異なるNW」モードの場合、通信データ変換設定部c136は、「ルーティング方式」を選択する。また、接続モードが「同一NW」モード或いは「一時同一NW」モードの場合、通信データ変換設定部c136は、「同一セグメント方式」を選択する。すなわち、通信モードに基づいて、ホームネットワークH1とH2との接続方式を選択する。
【0057】
また、通信データ変換設定部c136は、払出アドレス情報取得部c111から入力された払出アドレス情報のプライベートIPアドレスと、WAN接続部c16に設定された自装置のグローバルIPアドレスと対応付けたNAT(Network Address Translation)情報を生成する。
また、通信データ変換設定部c136は、接続モードが「異なるNW」モードの場合、ホームネットワークH2の装置のIPアドレスと、ホームネットワークH1のネットワークアドレスの仮想的なIPアドレスと、を対応付けた逆NAT変換情報を生成する。なお、通信データ変換設定部c136は、第2のDLNA接続装置c2と通信を行い、ホームネットワークH2の装置のIPアドレスを取得する。
通信データ変換設定部c136は、選択した接続方式、NAT情報、及び逆NAT変換情報を、アドレス変換情報として、通信データ変換部c15に出力する。また、通信データ変換設定部c136は、選択した接続方式及び自装置のグローバルIPアドレスをVPN設定部c137に出力する。
【0058】
VPN設定部c137は、通信データ変換設定部c136から入力された接続モード、及び接続方式を第2のDLNA接続装置c2に送信する。また、VPN設定部c137は、第2のDLNA接続装置c2と通信を行って、接続方式に応じたVPNを生成する。
例えば、通信データ変換設定部c136から入力された接続方式「ルーティング方式」の場合、VPN設定部c137は、第2のDLNA接続装置c2のグローバルIPアドレスを取得する。VPN設定部c137は、取得した第2のDLNA接続装置c2のグローバルIPアドレスと、通信データ変換設定部c136から入力された自装置のグローバルIPアドレスを、WAN W1内のルータ装置に送信する。ルータ装置は、第1のDLNA接続装置c1と第2のDLNA接続装置c2との間にレイヤ3−VPNを生成する。
また、通信データ変換設定部c136から入力された接続方式「同一セグメント方式」の場合、VPN設定部c137は、通信データ変換部c15に、後述するTAP−ETHのブリッジ設定を行う。
VPN設定部c137が行うVPN接続処理について詳細については後述する。
【0059】
<通信データ変換部c15の構成について>
以下、通信データ変換部c15の詳細について説明をする。
図9は、本実施形態に係る通信データ変換部c15の構成を示す概略ブロック図である。
この図において、通信データ変換部c15は、変換方式選択部c151、逆NAT変換情報記憶部c152、NAT情報記憶部c153、ルーティング方式変換部c154、TTL(Time To Live)延長処理部c155、及び同一セグメント方式変換部c156を含んで構成される。
【0060】
変換方式選択部c151は、接続設定部c13から入力された接続方式が「ルーティング方式」の場合、ルーティング方式変換部c154に通信データの中継をさせる。一方、接続方式が「同一セグメント方式」の場合、同一セグメント方式変換部c156に通信データの中継をさせる。
逆NAT変換情報記憶部c152、NAT情報記憶部c153は、それぞれ、接続設定部c13から入力された逆NAT変換情報、NAT情報を記憶する。
【0061】
ルーティング方式変換部c154には、メディア再生装置a1がメディアサーバa2宛てに送信した通信データ、及び、メディアサーバa2がメディア再生装置a1宛てに送信した通信データが入力される。ルーティング方式変換部c154は、入力された通信データ内の宛先情報を、NAT情報記憶部c153が記憶するNAT情報に基づいて変換(NAT変換という)する。
また、ルーティング方式変換部c154は、逆NAT変換情報記憶部c152が記憶する逆NAT変換情報に基づいて、通信パケット内の送信元のIPアドレスであってホームネットワークH2の装置のIPアドレスを、ホームネットワークH1のネットワークアドレスの仮想IPアドレスに変換する。これにより、自装置のIPアドレスと送信元のIPアドレスとが同じネットワークアドレスの場合にのみ通信データを受信するメディア再生装置a1であっても、この変換を行った通信パケットを受信することができる。つまり、ホームネットワークH1の装置からの通信パケットのみを受信する装置であっても、ホームネットワークH2の装置からの通信パケットを受信することができる。なお、ルーティング方式変換部c154が行うマルチキャストルーティング処理の詳細については、後述する。
【0062】
TTL延長処理部c155は、ネットワーク接続部c12から入力されたサーチメッセージの受信回数及び受信時刻を記憶する。TTL延長処理部c155は、記憶した受信回数及び受信時刻に基づいて、TTL(中継数)の延長をする(TTLの値を増加させる)か否かを判定する。TTL延長処理部c155は、判定結果により、TTLの延長をする。このTTLとは、通信パケットの有効期間を表わす値であり、ルータを1回経由するたびに値が1減少するものである。
このTTLの延長処理を行うことにより、サーチメッセージに設定されたTTLの値が第2のDLNA接続装置c2との間のルータの数より小さい場合であっても、TTLの値を増加させ、サーチメッセージを確実に第2のDLNA接続装置c2に送信することができる。TTL延長処理部c155が行うTTL延長処理についての詳細は、後述する。
【0063】
同一セグメント方式変換部c156は、TAP機能を備え、接続設定部c13からの設定により、通信フレームにレイヤ2のヘッダ情報を付加させる(TAP−ETHのブリッジ設定という)。また、同一セグメント方式変換部c156は、ルーティング方式変換部c154と同様に、NAT情報に基づいて通信パケットのNAT変換を行う。
【0064】
<メディアサーバa2の構成について>
以下、ホームネットワークH2内の装置について説明をする。まず、メディアサーバa2について説明をする。なお、DHCPサーバb2が持つ構成及び機能は、上記のDHCPサーバb1が持つ構成及び機能と同じであるので、DHCPサーバb2についての説明は省略する。
【0065】
図10は、本実施形態に係るメディアサーバa2の構成を示す概略ブロック図である。メディアサーバa2(図10)とメディア再生装置a1(図3)とを比較すると、LAN接続部a10、アドレス更新部a111、及びアドレス情報記憶部a112が同じである。メディア再生装置a1と同じ機能の説明は省略する。
【0066】
アクセス制御部a214は、通信データの送信元IPアドレスを抽出する。アクセス制御部a214は、抽出した送信元IPアドレスのネットワークアドレスが、ホームネットワークH2のネットワークアドレスである場合、通信データの受信を許可し、メディアサーバa2の各部へ通信データを出力する。一方、アクセス制御部a214は、抽出した送信元IPアドレスのネットワークアドレスが、ホームネットワークH2のネットワークアドレスでない場合、通信データの受信を拒否する。
なお、本実施形態では、後述する第2のDLNA接続装置c2が第1のDLNA接続装置c1の通信データ変換部c15と同じ機能を有する。つまり、第2のDLNA接続装置c2は、メディア再生装置a1からの通信データの送信元がホームネットワークH1の装置のIPアドレスである場合、ホームネットワークH2のネットワークアドレスの仮想IPアドレスに変換する。よって、メディアサーバa2は、ホームネットワークH1とH2が異なるネットワークであっても、メディア再生装置a1からの通信データを受信することができる。
【0067】
サーチメッセージ応答部a213は、メディア再生装置a1からのサーチメッセージを、アクセス制御部a214を介して受信する。サーチメッセージ応答部a213は、受信したサーチメッセージから送信元の宛先情報を抽出する。また、サーチメッセージ応答部a213は、アドレス情報記憶部a112が記憶するIPアドレス情報から自装置のプライベートIPアドレスを抽出する。サーチメッセージ応答部a213は、抽出した宛先情報の送信元を宛先とした応答メッセージであって、抽出した自装置のプライベートIPアドレスを含む応答メッセージを生成する。サーチメッセージ応答部a213は、生成したサーチメッセージを、LAN接続部a10を介してユニキャストする
【0068】
コンテンツ送信部a215は、メディア再生装置a1からのコンテンツ要求を受信すると、例えば、自装置の負荷状況や他装置からの接続数に基づいて、コンテンツのダウンロードを許可するか否かを判定する。コンテンツ送信部a215は、ダウンロードを許可すると判定した場合、コンテンツ要求を送信したメディア再生装置a1に対して、ダウンロードの許可を示す応答メッセージを送信する。また、コンテンツ送信部a215は、応答メッセージを受信したメディア再生装置a1にコンテンツ記憶部a216が記憶するコンテンツのダウンロードを許可する。
【0069】
<第2のDLNA接続装置c2の構成について>
次に、第2のDLNA接続装置c2について説明をする。
図11は、本実施形態に係る第2のDLNA接続装置c2の構成を示す概略ブロック図である。第2のDLNA接続装置c2(図10)と第1のDLNA接続装置c1(図6)とを比較すると、ネットワーク接続処理部c22、及び接続設定部c23が異なる。しかし、他の構成要素(LAN接続部c10、払出アドレス取得部c111、払出アドレス情報記憶部c112、通信データ変換部c15、及びWAN接続部c16)が持つ機能は第1のDLNA接続装置c1と同じである。第1のDLNA接続装置c1と同じ機能の説明は省略する。
【0070】
<ネットワーク接続処理部c22の構成について>
以下、ネットワーク接続処理部c22の詳細について説明をする。
図12は、本実施形態に係るネットワーク接続処理部c22の構成を示す概略ブロック図である。
この図において、ネットワーク接続処理部c22は、接続処理部c221及び正式アドレス払出部C22を含んで構成される。正式アドレス払出部C22は、ネットワーク判定部c222、アドレス判定部c223、払出アドレス検索部c224、正式アドレス決定部c225、接続モード記憶部c226、及び正式アドレス記憶部c227を含んで構成される。
【0071】
接続処理部c221は、第1のDLNA接続装置c1からの接続要求を、WAN接続部c16を介して受信する。接続処理部c221は、受信した接続要求に含まれる暫定IPアドレス情報を抽出し、ネットワーク判定部c222に出力する。
また、接続処理部c221は、接続要求に対して、正式アドレス選択部c224から入力された正式IPアドレス、及び接続モードを含む正式IPアドレス応答を生成する。接続処理部c221は、生成した正式IPアドレス応答を、WAN接続部c16を介して接続要求の送信元のメディア再生装置a1に送信する。
また、接続処理部c221は、正式アドレス選択部c224から入力された正式IPアドレスをDHCPサーバb2に送信する。DHCPサーバb2は、受信した正式IPアドレスを、払い出し済みのIPアドレスとして払出アドレス情報記憶部b115(図4参照)に記憶させる。つまり、接続処理部c221は、正式IPアドレスを払い出し済みのIPアドレスとして、DHCPサーバb2に登録する。
また、接続処理部c221は、後述する使用済正式IPアドレス回収処理を行う。
【0072】
ネットワーク判定部c222は、接続処理部c221から入力された暫定IPアドレスのネットワークアドレス(ネットワーク識別情報)と、払出アドレス情報記憶部a112が記憶する払出アドレス情報のプライベートIPアドレスのネットワークアドレスと、が同一のネットワークアドレスか否かを判定する。つまり、ホームネットワークH1がホームネットワークH2と同一ネットワークであるか否かを判定する。ネットワーク判定部c222は、暫定IPアドレス、払出アドレス情報のプライベートIPアドレス、及び判定結果をアドレス判定部c223に出力する。
【0073】
アドレス判定部c223は、ネットワーク判定部c222が、ホームネットワークH1とホームネットワークH2とが同一ネットワークであると判定した場合、以下の処理を行う。アドレス判定部c223は、ネットワーク判定部c222から入力された暫定IPアドレスと、払出アドレス情報のプライベートIPアドレスと、に同じIPアドレスがあるか否かを判定する。つまり、アドレス判定部c223は、ホームネットワークH1の暫定IPアドレスとホームネットワークH2の暫定IPアドレスとに競合するIPアドレスがあるか否かを判定する。アドレス判定部c223は、暫定IPアドレス、払出アドレス情報のプライベートIPアドレス、及び、ネットワーク判定部c222とアドレス判定部c223とが行った判定結果を払出アドレス検索部c224に出力する。
【0074】
払出アドレス検索部c224は、アドレス判定部c223が、ホームネットワークH1の暫定IPアドレスとホームネットワークH2の暫定IPアドレスとに競合すると判定した場合、以下の処理を行う。
払出アドレス検索部c224は、暫定IPアドレス含む払出可能アドレス要求を、LAN接続部c10を介してDHCPサーバB2に送信する。この払出可能アドレス要求により、払出アドレス検索部c224は、DHCPサーバB2が払い出すことができるIPアドレスであって、既に払い出したIPアドレスを除いたIPアドレス(払出可能IPアドレスという)を要求する。払出アドレス検索部c224は、払出可能アドレス要求の応答をDHCPサーバB2から受信し、払出可能IPアドレスを抽出する。
【0075】
払出アドレス検索部c224は、抽出した払出可能IPアドレスのうち、ホームネットワークH2のネットワークアドレスと同じネットワークアドレスの払出可能IPアドレス(以下、払出可能IPアドレスH2という)の個数を算出する。また、払出アドレス検索部c224は、アドレス判定部c223から入力された暫定IPアドレスの個数を算出する。払出アドレス検索部c224は、算出した払出可能IPアドレスH2の個数が、算出した暫定IPアドレスの個数以上であるか否かを判定する。払出可能IPアドレスH2の個数が暫定IPアドレスの個数以上である場合、後述するように、正式アドレス決定部c225は、ホームネットワークH2のネットワークアドレスと同じネットワークアドレスの払出可能IPアドレスを、正式IPアドレスとして決定する。つまり、払出アドレス検索部c224は、ホームネットワークH2と同じネットワークアドレスの払出可能IPアドレス(ネットワーク同一アドレス)を、正式IPアドレスとして、メディア再生装置a1のすべてに払い出すことができるか否かを判定する。
【0076】
払出アドレス検索部c224は、ホームネットワークH2と同じネットワークアドレスの払出可能IPアドレスを、正式IPアドレスとして払い出すことができないと判定した場合、払出可能IPアドレスH2の個数が2個以上であるか否かを判定する。払出可能IPアドレスH2の個数が2個以上である場合、後述するように、正式アドレス決定部c225は、2個の払出可能IPアドレスH2を正式IPアドレスとして決定する。つまり、払出アドレス検索部c224は、ホームネットワークH2と同じネットワークアドレスの払出可能IPアドレスを2個、割り当てることができるか否かを判定する。
払出アドレス検索部c224は、暫定IPアドレス、払出アドレス情報のプライベートIPアドレス、及び、ネットワーク判定部c222とアドレス判定部c223と払出アドレス検索部c224とが行った判定結果を正式アドレス決定部c225に出力する。
なお、上記の正式アドレス割当部C22が行うアドレス判定処理については、後述する正式IPアドレス決定処理の動作とあわせて説明をする。
【0077】
正式アドレス決定部c225は、ネットワーク判定部c222とアドレス判定部c223と払出アドレス検索部c224とが行った判定結果により、接続モードを決定し、決定した接続モードを接続モード記憶部c226に記憶する。正式アドレス決定部c225は、決定した接続モードに基づいて、正式IPアドレスを決定する。正式アドレス決定部c225は、決定した正式IPアドレスを接続処理部c221に出力する。
なお、上記の正式アドレス割当部C22が行う正式IPアドレス決定処理の動作については後述する。
【0078】
<接続設定部c23の構成について>
以下、接続設定部c23の詳細について説明をする。
図13は、本実施形態に係る接続設定部c23の構成を示す概略ブロック図である。
この図において、接続設定部c23は、ルータ設定部c231及び通信データ変換設定部c232を含んで構成される。
【0079】
ルータ設定部c231は、第1のDLNA接続装置c1から受信した接続モード及び接続方式を通信データ変換設定部c232に出力する。また、ルータ設定部c231は第1のDLNA接続装置c1と通信を行って、接続方式に応じたVPNを生成する。
通信データ変換設定部c232は、払出アドレス情報取得部c111から入力された払出アドレス情報のプライベートIPアドレスと、WAN接続部c16に設定された自装置のグローバルIPアドレスと対応付けたNAT情報を生成する。
【0080】
また、通信データ変換設定部c232は、ルータ設定部c231から入力された接続モードが「異なるNW」モードの場合、ホームネットワークH1の装置のIPアドレスと、ホームネットワークH2のネットワークアドレスの仮想IPアドレスと、を対応付けた逆NAT変換情報を生成する。なお、通信データ変換設定部c232は、第1のDLNA接続装置c1と通信を行い、ホームネットワークH1の装置のIPアドレスを取得する。
通信データ変換設定部c232は、接続モード、NAT情報、及び逆NAT変換情報を、アドレス変換情報として、通信データ変換部c15に出力する。
【0081】
<通信システムの動作について>
以下、通信システムの動作について説明をする。まず、通信システム全体の動作の概要について説明をする。
図14は、本実施形態に係る通信システムの動作の一例を示すフロー図である。
【0082】
(ステップS101)メディア再生装置a1は、ホームネットワークH1に接続された際に、アドレス払出要求を行う。その後、ステップS11に進む。
(ステップS11)DHCPサーバb1は、暫定IPアドレス払出処理を行う。暫定IPアドレス払出処理の詳細については、後述する。その後、ステップS102に進む。
(ステップS102)メディアサーバa2は、ホームネットワークH2に接続された際に、IPアドレス要求を行う。その後、ステップS12に進む。
(ステップS12)DHCPサーバb2は、暫定IPアドレス払出処理を行う。その後、ステップS103に進む。
なお、ステップS101及びステップS11の処理と、ステップS102及びステップS12の処理と、には依存関係はなく、これらの処理の順序は逆でもよい。
【0083】
(ステップS103)メディア再生装置a1は、サーチメッセージをマルチキャストする。その後、ステップS104に進む。
(ステップS104)第1のDLNA接続装置c1は、接続要求を生成して送信する。その後、ステップS13に進む。
(ステップS13)第2のDLNA接続装置c2は、正式IPアドレス決定処理を行う。正式IPアドレス決定処理の詳細については、後述する。第2のDLNA接続装置c2は、正式IPアドレス応答を送信する。その後、ステップS14に進む。
(ステップS14)第1のDLNA接続装置c1は、正式IPアドレス設定処理を行う。正式IPアドレス設定処理の詳細については、後述する。第1のDLNA接続装置c1は、DHCPサーバb1に正式IPアドレスを払い出させる。その後、ステップS15に進む。
【0084】
(ステップS15)第1のDLNA接続装置c1は、VPN接続処理を行う。VPN接続処理の詳細については、後述する。その後、ステップS105に進む。
(ステップS105)メディア再生装置a1とメディアサーバa2は、ステップS15で生成したVPNを介して、サーチメッセージ、コンテンツ要求、コンテンツのダウンロード等の通信を行う。その後、ステップS106に進む。
(ステップS106)メディア再生装置a1は、使用済IPアドレスの情報を送信する。その後、ステップS16に進む。
(ステップS16)第1のDLNA接続装置c1は、使用済正式IPアドレス通知処理を行う。使用済正式IPアドレス通知処理の詳細については、後述する。第1のDLNA接続装置c1は、使用済IPアドレスであって正式IPアドレスである使用済み正式IPアドレスを通知する。その後、ステップS17に進む。
(ステップS17)第2のDLNA接続装置c2は、使用済正式IPアドレス回収処理を行う。使用済正式IPアドレス回収処理の詳細については、後述する。
【0085】
<暫定IPアドレス払出処理について>
以下、図14中のステップS11、S12の暫定IPアドレス払出処理について詳細を説明する。
図15は、本実施形態に係る暫定IPアドレス払出処理の動作の一例を示すフロー図である。なお、この暫定IPアドレス払出処理は、DHCPサーバb1(図4)が行う処理であるので、図4を参照しながら説明をする。
【0086】
(ステップS1101)DHCPサーバb1のアドレス払出部b113は、アドレス払出要求から送信元のIPアドレスを抽出する。アドレス払出部b113は、抽出した送信元のIPアドレスが、払出アドレス情報記憶部b115が記憶する払出アドレス情報のIPアドレスに含まれるか否かを判定する。払出アドレス情報のIPアドレスに含まれると判定した場合(YES)、ステップS1102に進む。一方、払出アドレス情報のIPアドレスに含まれないと判定した場合(NO)、ステップS1104に進む。
【0087】
(ステップS1102)アドレス払出部b113は、アドレス払出要求から送信元のIPアドレス及び機器MACアドレスを抽出する。アドレス払出部b113は、抽出したIPアドレス及び機器MACアドレスの対応が、払出アドレス情報のIPアドレス及び機器MACアドレスの対応と一致するか否かを判定する。対応が一致すると判定した場合(YES)、ステップS1103に進む。一方、対応が一致しないと判定した場合(NO)、ステップS1104に進む。
(ステップS1103)アドレス払出部b113は、アドレス払出要求から抽出した送信元のIPアドレスと同じIPアドレスのIPアドレス情報を生成し、送信元のメディア再生装置a1に送信する。つまり、IPアドレスの継続払い出しを実施する。その後、処理を終了する。
【0088】
(ステップS1104)リース期間設定部b114は、ステップS1105にて払い出すIPアドレスのリース期間を、正式IPアドレスのリース期間より短い期間に設定する。その後、ステップS1105に進む。
(ステップS1105)アドレス払出部b113は、予め定められたアドレスの範囲内でIPアドレスを選択し、選択した新規のIPアドレスのIPアドレス情報を生成する。アドレス払出部b113は、生成したIPアドレス情報を送信元のメディア再生装置a1に送信する。つまり、IPアドレスの新規払い出しを実施する。その後、処理を終了する。
【0089】
<正式IPアドレス決定処理について>
以下、図14中のステップS13の正式IPアドレス決定処理について詳細を説明する。
図16、図17は、本実施形態に係る正式IPアドレス決定処理の動作の一例を示すフロー図である。なお、この正式IPアドレス決定処理は、第2のDLNA接続装置c2の正式アドレス割当部C22(図12)が行う処理であるので、図12を参照しながら説明をする。
【0090】
まず、図16について説明をする。
(ステップS1301)接続処理部c221は、第1のDLNA接続装置c1からの接続要求を受信する。その後、ステップS1302に進む。
(ステップS1302)ネットワーク判定部c222は、ホームネットワークH1がホームネットワークH2と同一ネットワークであるか否かを判定する。ホームネットワークH1がホームネットワークH2と同一ネットワークであると判定した場合(YES)、ステップS1303に進む。一方、ホームネットワークH1がホームネットワークH2と異なるネットワークであると判定した場合(NO)、ステップS1310に進む。
【0091】
(ステップS1303)アドレス判定部c223は、ホームネットワークH1の暫定IPアドレスとホームネットワークH2の暫定IPアドレスとに競合するIPアドレスがあるか否かを判定する。ホームネットワークH1の暫定IPアドレスとホームネットワークH2の暫定IPアドレスとに競合すると判定した場合(YES)、ステップS1304に進む。一方、ホームネットワークH1の暫定IPアドレスとホームネットワークH2の暫定IPアドレスとに競合しないと判定した場合(NO)、ステップS1309に進む。
【0092】
(ステップS1304)払出アドレス検索部c224は、ホームネットワークH2と同じネットワークアドレスの払出可能IPアドレスを、正式IPアドレスとして払い出すことができるか否かを判定する。ホームネットワークH2と同じネットワークアドレスの払出可能IPアドレスを正式IPアドレスとして払い出すことができると判定した場合(YES)、ステップS1308に進む。一方、ホームネットワークH2と同じネットワークアドレスの払出可能IPアドレスを正式IPアドレスとして払い出すことができないと判定した場合(NO)、ステップS1305に進む。
【0093】
(ステップS1305)払出アドレス検索部c224は、ホームネットワークH2と同じネットワークアドレスの払出可能IPアドレスを2個、払い出すことができるか否かを判定する。ホームネットワークH2と同じネットワークアドレスの払出可能IPアドレスを2個、払い出すことができると判定した場合(YES)、ステップS1307に進む。一方、ホームネットワークH2と同じネットワークアドレスの払出可能IPアドレスを2個以上払い出すことができないと判定した場合(NO)、ステップS1306に進む。
【0094】
(ステップS1306)正式アドレス決定部c225は、接続モードを「異なるNWモード」に決定する。その後、図17のステップS1311に進む。
(ステップS1307)正式アドレス決定部c225は、接続モードを「一時同一NWモード」に決定する。その後、図17のステップS1312に進む。
(ステップS1308)正式アドレス決定部c225は、接続モードを「同一NWモード」に決定する。その後、図17のステップS1313に進む。
(ステップS1309)正式アドレス決定部c225は、接続モードを「同一NWモード」に決定する。その後、図17のステップS1314に進む。
(ステップS1310)正式アドレス決定部c225は、接続モードを「異なるNWモード」に決定する。その後、ステップS1315に進む。
【0095】
次に、図17について説明をする。
(ステップS1311)正式アドレス決定部c225は、ホームネットワークH2と異なるネットワークアドレスのIPアドレスを、接続要求に含まれる暫定IPアドレスの個数、選択する。正式アドレス決定部c225は、選択した払出可能IPアドレスを、正式IPアドレスとして決定する。その後、ステップS1316に進む。
(ステップS1312)正式アドレス決定部c225は、ホームネットワークH2と同じネットワークアドレスの払出可能IPアドレス(払出可能IPアドレスH2)を、2個、正式IPアドレスとして決定する。また、正式アドレス決定部c225は、ホームネットワークH2と異なるネットワークアドレスのIPアドレスを、接続要求に含まれる暫定IPアドレスの個数、選択する。正式アドレス決定部c225は、選択した払出可能IPアドレスを、正式IPアドレスとして決定する。
なお、ステップS1312では、正式IPアドレスの個数は、暫定IPアドレスの個数に2個を足した個数である。後述するように、2個の払出可能IPアドレスH2は、図6中の仮デバイスc14、及び接続要求の契機となったサーチメッセージを送信したメディア再生装置a1に払い出される。その後、ステップS1316に進む。
【0096】
(ステップS1313)正式アドレス決定部c225は、払出可能IPアドレスH2を、接続要求に含まれる暫定IPアドレスの個数、選択する。正式アドレス決定部c225は、選択した払出可能IPアドレスを、正式IPアドレスとして決定する。その後、ステップS1316に進む。
(ステップS1314)正式アドレス決定部c225は、接続要求に含まれる暫定IPアドレスを、正式IPアドレスとして決定するその後、ステップS1316に進む。
(ステップS1315)正式アドレス決定部c225は、接続要求に含まれる暫定IPアドレスを、正式IPアドレスとして決定するその後、ステップS1316に進む。
【0097】
(ステップS1316)接続処理部c221は、ステップS1311〜S1315のいずれかで決定した正式IPアドレスを含む正式IPアドレス応答を生成し、第1のDLNA接続装置c1に送信する。その後、ステップS1317に進む。
【0098】
(ステップS1316)接続処理部c221は、正式アドレス決定部c225が決定した接続モードが「同一NW」モードであるか否かを判定する。「同一NW」モードであると判定した場合(YES)、ステップS1318に進む。一方、「同一NW」モードでない(「異なるNW」モード又は「同一NW」モード)と判定した場合(NO)、処理を終了する。
(ステップS1317)接続処理部c221は、正式IPアドレスを払い出し済みのIPアドレスとして、DHCPサーバb2に登録する。
【0099】
図18、図19は、本実施形態に係る正式IPアドレス決定処理の概念図である。図18、図19において、符号H1を付した楕円はホームネットワークH1を示し、符号H2を付した楕円はホームネットワークH2を示す。また、実線の丸印は暫定IPアドレスを示し、破線の丸印は正式IPアドレスとして新規に払い出されたIPアドレスを示す。また、斜線でハッチングした丸印は、それぞれ、異なるIPアドレスを示す。また、格子状にハッチングした丸印は、競合するIPアドレスを示す。
【0100】
図18(A)は、閉じたネットワークH1とH2とが異なるネットワークである場合を示す図である。この図は、ホームネットワークH1と、横線でハッチングしたホームネットワークH2とは、異なるネットワークアドレスであることを示す。この図は、図16中のステップS1302にて「NO」と判定され、ステップS1310に進む場合を示す。この場合、新規のIPアドレスが払い出されることなく、暫定IPアドレスが正式IPアドレスとなる。
【0101】
図18(B)は、閉じたネットワークH1とH2とが同一ネットワークである場合、かつ、IPアドレスが競合しない場合を示す図である。この図は、図16中のステップS1303にて「NO」と判定され、ステップS1309に進む場合を示す。この場合、新規のIPアドレスが払い出されることなく、暫定IPアドレスが正式IPアドレスとなる。
【0102】
図18(C)は、閉じたネットワークH1とH2とが同一ネットワークである場合、かつ、IPアドレスが競合する場合、かつ、競合するIPアドレスと同じ個数のIPアドレスであってホームネットワークH2と同一ネットワークのIPアドレスを払い出すことができる場合、を示す図である。この図は、図16中のステップS1304にて「YES」と判定され、ステップS1308に進む場合を示す。
図18(C)は、ホームネットワークH1内のIPアドレスADR1、ADR2、ADR3が、それぞれ、ホームネットワークH2内のIPアドレスADR1、ADR2、ADR3と同じであること、つまり、IPアドレスが競合していることを示す。この図は、この場合に、新規にIPアドレスADR4〜6が払い出されることを示す。
【0103】
図19(D)は、閉じたネットワークH1とH2とが同一ネットワークである場合、かつ、IPアドレスが競合する場合、かつ、競合するIPアドレスと同じ個数のIPアドレスであってホームネットワークH2と同一ネットワークのIPアドレスを払い出すことができない場合、かつ、ホームネットワークH2と同一ネットワークのIPアドレスを2個、払い出すことができる場合、を示す図である。この図は、図16中のステップS1305にて「YES」と判定され、ステップS1307に進む場合を示す。
図19(D)は、IPアドレスADR1、ADR2、ADR3が競合することを示す。この図は、この場合に、新規にIPアドレスADR4〜9が払い出されることを示す。また、この図は、2個のIPアドレスADR4、5がホームネットワークH2と同一ネットワークのIPアドレスであることを示す。また、この図は、暫定IPアドレスの数と同じ個数である4個のIPアドレスADR6〜9がホームネットワークH2と異なるネットワークN3のIPアドレスであることを示す。
【0104】
図19(E)は、閉じたネットワークH1とH2とが同一ネットワークである場合、かつ、IPアドレスが競合する場合、かつ、競合するIPアドレスと同じ個数のIPアドレスであってホームネットワークH2と同一ネットワークのIPアドレスを払い出すことができない場合、かつ、ホームネットワークH2と同一ネットワークのIPアドレスを2個、払い出すことができない場合、を示す図である。この図は、図16中のステップS1305にて「NO」と判定され、ステップS1306に進む場合を示す。
図19(E)は、IPアドレスADR1、ADR2、ADR3が競合することを示す。この図は、この場合に、新規にIPアドレスADR4〜7が払い出されることを示す。また、この図は、暫定IPアドレスの数と同じ個数である4個のIPアドレスADR4〜7がホームネットワークH2と異なるネットワークN3のIPアドレスであることを示す。
【0105】
<正式IPアドレス決定処理について>
以下、図14中のステップS14の正式IPアドレス設定処理について詳細を説明する。
図20は、本実施形態に係る正式IPアドレス設定処理の動作の一例を示すフロー図である。なお、この正式IPアドレス設定処理は、第1のDLNA接続装置c1の正式アドレス設定部C13(図8)が行う処理であるので図8を参照しながら説明をする。
【0106】
(ステップS1401)図7中の接続処理部c121は、正式IPアドレス応答を、第2のDLNA接続装置c2から受信し、図8中のアドレス判定部c131に出力する。その後、ステップS1402に進む。
(ステップS1402)アドレス判定部c131は、正式IPアドレスと暫定IPアドレスが全て一致するか否かを判定する。正式IPアドレスと暫定IPアドレスとが全て一致すると判定した場合(YES)、ステップS1408に進む。一方、正式IPアドレスと暫定IPアドレスとが少なくとも1個一致しない場合(NO)、ステップS1403に進む。
【0107】
(ステップS1403)ネットワークアドレス判定部c132は、すべての正式IPアドレスが暫定IPアドレスのネットワークアドレスのIPアドレスであるか否かを判定する。すべての正式IPアドレスが暫定IPアドレスのネットワークアドレスのIPアドレスであると判定した場合(YES)、ステップS1406に進む。一方、少なくとも一部の正式IPアドレスが暫定IPアドレスのネットワークアドレスのIPアドレスでないと判定した場合(NO)、ステップS1404に進む。
(ステップS1404)ネットワークアドレス判定部c132は、一部の正式IPアドレスが暫定IPアドレスのネットワークのIPアドレスであるか否かを判定する。一部の正式IPアドレスが暫定IPアドレスのネットワークのIPアドレスである場合(YES)、ステップS142に進む。一方、すべての正式IPアドレスが暫定IPアドレスのネットワークのIPアドレスでないと判定した場合(NO)、ステップS1405に進む。
【0108】
(ステップS142)予約アドレス情報設定部c133は、一時同一NWモード割当処理を行う。なお、一時同一NWモード割当処理の詳細については、後述する。その後、処理を終了する。
(ステップS1405)予約アドレス情報設定部c133は、暫定IPアドレスのメディア再生装置a1に対して、正式IPアドレスの割り当てを任意に、重複しないように決定する。その後、ステップS1409に進む。
(ステップS1406)予約アドレス情報設定部c133は、正式IPアドレスに含まれる暫定IPアドレスのメディア再生装置a1に対して、暫定IPアドレスと同じ正式IPアドレスの割り当てを行う。その後、ステップS1407に進む。
(ステップS1407)予約アドレス情報設定部c133は、ステップS1407にて割り当てを行ったメディア再生装置a1以外のメディア再生装置a1に対して、残りの正式IPアドレスの割り当てを任意に、重複しないように決定する。その後、ステップS1409に進む。
【0109】
(ステップS1408)予約アドレス情報設定部c133は、暫定IPアドレスのメディア再生装置a1に対して、暫定IPアドレスと同じ正式IPアドレスの割り当てを行う。その後、ステップS1409に進む。
(ステップS1409)予約アドレス情報設定部c133は、ステップS1405、S1407、S1408にて決定した割り当てを示す予約アドレス情報を生成し、DHCPサーバb1に登録する。その後、処理を終了する。
【0110】
<一時同一NWモード割当処理について>
以下、図20中のステップS142の一時同一NWモード割当処理について詳細を説明する。
図21は、本実施形態に係る一時同一NWモード割当処理の動作の一例を示すフロー図である。なお、この一時同一NWモード割当処理は、第1のDLNA接続装置c1の正式アドレス設定部C13(図8)が行う処理であるので図8を参照しながら説明をする。
【0111】
(ステップS1421)予約アドレス情報設定部c133は、暫定IPアドレスと同一のネットワークアドレスの2個の正式IPアドレスを抽出し、このうち1個を選択する。なお、この2個の正式IPアドレスは、図17のステップS1312にて決定された正式IPアドレスであり、ホームネットワークH2と同じネットワークアドレスのIPアドレスである。
予約アドレス情報設定部c133は、接続要求の契機となったサーチメッセージを送信したメディア再生装置(以下、メディア再生装置A11とする)に、選択した正式IPアドレスを割り当てる。その後、ステップS1422に進む。
【0112】
(ステップS1422)予約アドレス情報設定部c133は、ステップS1421にて抽出した2個の正式IPアドレスのうち、ステップS1412で選択した正式IPアドレスと異なる正式IPアドレスを選択する。仮デバイス生成部c135は、予約アドレス情報設定部c133が選択した正式IPアドレスの仮デバイスc14を生成する。また、仮デバイス生成部c135は、ステップS1421で割り当てた正式IPアドレスとメディア再生装置A11の機器MACアドレスとを、仮デバイスc14に登録する。その後、ステップS1423に進む。つまり、予約アドレス情報設定部c133は、ステップS1421、S1422にて、仮デバイス及びメディア再生装置A11に対して、ホームネットワークH2と同じネットワークアドレスのIPアドレスの割り当てを決定する。
(ステップS1423)予約アドレス情報設定部c133は、ステップS1421、S1423にて決定した割り当てを示す予約アドレス情報を生成し、DHCPサーバb1に登録する。その後、ステップS1424進む。
【0113】
(ステップS1424)予約アドレス情報設定部c133は、払出アドレス情報取得部c111から入力された払出アドレス情報からメディア再生装置A11の機器MACアドレス及びIPアドレスを抽出する。また、予約アドレス情報設定部c133は、予約アドレス情報記憶部c134が記憶する予約アドレス情報からメディア再生装置A11の機器MACアドレス及びIPアドレスを読み出す。予約アドレス情報設定部c133は、抽出した機器MACアドレス及びIPアドレスの対応と、読み出した機器MACアドレス及びIPアドレスの対応とが同じであるか否かを判定する。つまり、予約アドレス情報設定部c133は、メディア再生装置A11に正式IPアドレスの払い出しが完了したか否かを判定する。
正式IPアドレスの払い出しが完了したと判定した場合(YES)、ステップS1425に進む。なお、この場合、メディア再生装置A11は、仮デバイスを介し、ホームネットワークH2内のメディアサーバa2と同一ネットワークの装置として通信を行う。この通信は、「同一NW」モードの場合と同じ通信である。一方、正式IPアドレスの払い出しが完了していないと判定した場合(NO)、ステップS1424に戻る。
【0114】
(ステップS1425)予約アドレス情報設定部c133は、メディア再生装置A11以外の装置に対して、正式IPアドレスの割り当てを決定する。なお、この正式IPアドレスは、図17のステップS1312にて決定された正式IPアドレスであり、ホームネットワークH2と異なるネットワークアドレスのIPアドレスである。
予約アドレス情報設定部c133は、決定した割り当てを示す予約アドレス情報を生成し、DHCPサーバb1に登録する。その後、ステップS1426に進む。
(ステップS1426)予約アドレス情報設定部c133は、メディア再生装置A11以外の装置の機器MACアドレスについて、ステップS1424と同様の処理を行うことにより、メディア再生装置A11以外の装置に正式IPアドレスの払い出しが完了したか否かを判定する。正式IPアドレスの払い出しが完了したと判定した場合(YES)、ステップS1427に進む。一方、正式IPアドレスの払い出しが完了していないと判定した場合(NO)、ステップS1426に戻る。
【0115】
(ステップS1427)予約アドレス情報設定部c133は、メディア再生装置A11に対して、残りの正式IPアドレスの割り当てを決定する。なお、この正式IPアドレスは、ホームネットワークH2と異なるネットワークアドレスのIPアドレスである。
予約アドレス情報設定部c133は、決定した割り当てを示す予約アドレス情報を生成し、DHCPサーバb1に登録する。その後、ステップS1428に進む。
【0116】
(ステップS1428)予約アドレス情報設定部c133は、メディア再生装置A11の機器MACアドレスについて、ステップS1425と同様の処理を行うことにより、メディア再生装置A11に正式IPアドレスの払い出しが完了したか否かを判定する。
正式IPアドレスの払い出しが完了したと判定した場合(YES)、処理を終了する。なお、この場合、メディア再生装置A11は、ホームネットワークH2内のメディアサーバa2と異なるネットワークの装置として通信を行う。この通信は、「異なるNW」モードの場合と同じ通信である。また、この場合、図7中の接続モード変更部c122は、接続モードを「一時同一NW」モードから「異なるNW」モードに変更する。
一方、正式IPアドレスの払い出しが完了していないと判定した場合(NO)、ステップS1428に戻る。
【0117】
図22、図23は、本実施形態に係る正式IPアドレス設定処理の概念図である。図22、図23において、符号S1〜S4を付した楕円は正式IPアドレスを示し、符号Z1を付した楕円は暫定IPアドレスを示す。また、ハッチングされた丸印はIPアドレスをし、縦線でハッチングされた丸印は暫定IPアドレスと異なる正式IPアドレスを示す。なお、楕円内の丸印(IPアドレス)は、ネットワークアドレスが同じIPアドレスであることを示す。なお、図22(B)、図23(C)は、暫定IPアドレスと正式IPアドレスが3つ異なる場合を示す。
【0118】
図22(A)は、正式IPアドレスと暫定IPアドレスが一致する場合を示す図である。この図は、正式IPアドレスと暫定IPアドレスが一致していることを示す。この図は、図20中のステップS1402にて「YES」と判定され、ステップS1408に進む場合を示す。この場合、暫定IPアドレスと同じ正式IPアドレスとは同じIPアドレスであり、各メディア再生装置a1は、同じIPアドレスを、そのまま利用し続ける。
【0119】
図22(B)は、正式IPアドレスと暫定IPアドレスが一致しない場合、かつ、正式IPアドレスと暫定IPアドレスが同一ネットワークアドレスの場合を示す図である。この図は、正式IPアドレスADR4〜6が暫定IPアドレスと異なることを示す。この図は、図20中のステップS1403にて「YES」と判定され、ステップS1406に進む場合を示す。この場合、暫定IPアドレスと正式IPアドレスが異なるメディア再生装置a1に対して、暫定IPアドレスと正式IPアドレスへの変更を行うことにより、異なるIPアドレスへの変更を行う。
【0120】
図23(C)は、正式IPアドレスと暫定IPアドレスが一致しない場合、かつ、正式IPアドレスと暫定IPアドレスが異なるネットワークアドレスの場合、かつ、暫定IPアドレスと同じネットワークアドレスの正式IPアドレスがある場合を示す図である。この図は、正式IPアドレスADR4〜8が暫定IPアドレスと異なることを示す。また、この図は、正式IPアドレスADR4、5が暫定IPアドレスと同じネットワークアドレスであり、正式IPアドレスADR6、7、8が暫定IPアドレスと異なるネットワークアドレスであることを示す。この図は、図20中のステップS1404にて「YES」と判定され、ステップS142に進む場合を示す。
この場合、正式IPアドレスADR4、5のうち一方を仮デバイスc14に割り当て、他方をメディア再生装置A11に割り当てる。また、正式IPアドレスADR6〜9をメディア再生装置A11以外の装置に割り当てる。また、メディア再生装置A11以外の装置に割り当てた正式IPアドレスを払い出した後、正式IPアドレスADR6〜9のうち、残りの1個をメディア再生装置A11に割り当てる。
【0121】
図23(D)は、正式IPアドレスと暫定IPアドレスが一致しない場合、かつ、正式IPアドレスと暫定IPアドレスが異なるネットワークアドレスの場合、かつ、暫定IPアドレスと同じネットワークアドレスの正式IPアドレスがない場合を示す図である。この図は、正式IPアドレスADR4〜7が暫定IPアドレスと異なり、また、暫定IPアドレスと異なるネットワークアドレスであることを示す。この図は、図20中のステップS1404にて「NO」と判定され、ステップS1405に進む場合を示す。
この場合、正式IPアドレスADR4〜7をメディア再生装置a1に割り当てる。
【0122】
図24は、本実施形態に係る一時同一NWモード割当処理の概念図である。図24において、符号H1を付した楕円はホームネットワークH1を示し、符号H2を付した楕円はホームネットワークH2を示す。また、実線の丸印はIPアドレスを示す。また、縦線でハッチングした丸印は、正式IPアドレスとして新規に割り当てたIPアドレスを示す。また、格子状にハッチングした丸印は、競合するIPアドレスを示す。
なお、この図は、正式IPアドレス決定処理にて図19の(D)のように正式IPアドレスが決定された場合に行われる処理を示す。
【0123】
図24(A)、(B)は、図21中のステップS1421〜ステップS1423の処理を示す図である。
図24(A)は、仮デバイスc14が生成され、暫定IPアドレスと同一のネットワークアドレスの正式IPアドレスADR5が割り当てられることを示す。また、この図は、暫定IPアドレスと同一のネットワークアドレスの正式IPアドレスADR4が、メディア再生装置A11に割り当てられることを示す。
【0124】
図24(B)は、図21中のステップS1421〜ステップS1423の処理を示す図である。この図は、仮デバイスc14がVPNを介してホームネットワークH2に接続されていることを示す。また、仮デバイスc14とメディア再生装置A11が接続、つまり、メディア再生装置a1は仮デバイスと同じネットワークの装置として登録されたことを示す。
これにより、仮デバイスc14は、ホームネットワークH2から送信された通信データを、メディア再生装置A11に送信をすることができる。また、ホームネットワークH1において、仮デバイスc14とメディア再生装置A11のみがホームネットワークH2と同一のネットワークの装置として登録されるので、IPアドレスの競合を防止することができる。例えば、図24のホームネットワークH1内の前提IPアドレスADR2、ADR3は、ホームネットワークH2内のIPアドレスと重複しているが、仮デバイスc14に接続されていないので、仮デバイスc14、メディア再生装置A11、及びホームネットワークH2内の装置で構成されるネットワークにおいて、IPアドレスの競合を防止することができる。
【0125】
図24(C)は、ステップS1425の処理を示す図である。この図は、暫定IPアドレスと異なるネットワークアドレスの正式IPアドレスADR6〜8が、メディア再生装置A11以外の装置に割り当てられることを示す。
図24(D)は、ステップS1427の処理を示す図である。この図は、暫定IPアドレスと異なるネットワークアドレスの正式IPアドレスADR9が、メディア再生装置A11に割り当てられることを示す。また、この図は、仮デバイスc14が削除されたことを示す。
【0126】
<払出アドレス情報について>
以下、正式IPアドレス設定処理によって払い出された正式IPアドレスについて、払出アドレス情報記憶部b115が記憶する払出アドレス情報(図25〜図28)を用いて説明をする。なお、この説明において、接続処理前の暫定IPアドレスの払出アドレス情報は、図5に示す払出アドレス情報である。
【0127】
図25は、本実施形態に係る払出アドレステーブルの一例を示す概略図である。この図は、図20中のステップS1406、S1407で割り当てられた正式IPアドレスが払い出された場合の図である。
図25の1行目の払出アドレス情報と図5の1行目の払出アドレス情報とを比較すると、機器マックアドレスとプライベートIPアドレスとの対応が同じである。つまり、図25の1行目の払出アドレス情報は、機器MACアドレス「MAC_A11」のメディア再生装置A11に、暫定IPアドレスと同じ正式IPアドレス(192.168.1.1)が払い出されたことを示す。また、この払出アドレス情報は、正式IPアドレスのリース期間が「4320分」であることを示し、暫定IPアドレスのリース期間「60分」と比較して長いことを示す。
【0128】
一方、図25の2〜4行目の払出アドレス情報と図5の2〜4行目の払出アドレス情報とを比較すると、機器マックアドレスとプライベートIPアドレスとの対応が異なる。例えば、図25の2行目の払出アドレス情報は、機器MACアドレス「MAC_A12」のメディア再生装置A12に、暫定IPアドレス(192.168.1.2)と異なる正式IPアドレス(192.168.1.5)が払い出されたことを示す。
なお、図25中のプライベートIPアドレスのネットワークアドレスは、すべて「192.168.1.0」であり、暫定IPアドレスのネットワークアドレスと同一である。
【0129】
図26〜図28は、本実施形態に係る払出アドレステーブルの別の一例を示す概略図である。この図は、図20中のステップS142で割り当てられた正式IPアドレスが払い出された場合の図である。この場合、一時同一NWモード割当処理(図21)にて正式IPアドレスが割り当てられるので、図21を参照しながら図26〜図28の説明をする。
【0130】
図26は、図21のステップ1424にて「YES」と判定された場合の払出アドレス情報を示す。
図26の1〜3行目の払出アドレス情報は、図5の2〜4行目の払出アドレス情報と同じである。つまり、図26の1〜3行目の払出アドレス情報は、暫定IPアドレスの払出アドレス情報である。
図26の4行目の払出アドレス情報は、仮デバイスc14に払い出した払出アドレス情報を示す。この払出アドレス情報は、機器MACアドレス「MAC_C1」のネットワークインタフェースカードに、プライベートIPアドレス「PA_V10」(192.168.1.6)を登録したことを示す。このプライベートIPアドレスは、「192.168.1.0」であり、暫定IPアドレスのネットワークアドレスと同一である。
【0131】
また、図26の5行目の払出アドレス情報は、機器MACアドレス「MAC_A11」のメディア再生装置A11に、暫定IPアドレス(192.168.1.1)と異なる正式IPアドレス(192.168.1.5)が払い出されたことを示す。このプライベートIPアドレスは、「192.168.1.0」であり、暫定IPアドレスのネットワークアドレスと同一である。また、この払出アドレス情報は、リース期間が他の接続モードの場合の正式IPアドレスのリース期間より短いリース期間であることを示す。これにより、メディア再生装置A11に、「一時同一NW」モードの場合に、他の接続モードの場合の正式IPアドレスのリース期間より短い期間でアドレス払出要求を送信させることができる。
【0132】
図27は、図21のステップ1426にて「YES」と判定された場合の払出アドレス情報を示す。
図27の3〜5行目の払出アドレス情報と図5の2〜4行目の払出アドレス情報とを比較すると、機器マックアドレスとプライベートIPアドレスとの対応が異なる。例えば、図27の2行目の払出アドレス情報は、機器MACアドレス「MAC_A12」のメディア再生装置A12に、暫定IPアドレス(192.168.1.2)と異なる正式IPアドレス(192.168.2.2)が払い出されたことを示す。この正式IPアドレスは、「192.168.2.0」であり、暫定IPアドレスのネットワークアドレスと異なるネットワークアドレスである。
【0133】
図28は、図21のステップ1428にて「YES」と判定された場合の払出アドレス情報を示す。
図28の4行目の払出アドレス情報と図27の2行目の払出アドレス情報とを比較すると、機器マックアドレスとプライベートIPアドレスとの対応が異なる。図28の4行目の払出アドレス情報は、機器MACアドレス「MAC_A11」のメディア再生装置A11に、図27中の正式IPアドレス(192.168.1.5)と異なる正式IPアドレス(192.168.2.4)が払い出されたことを示す。この正式IPアドレスは、「192.168.2.0」であり、図27中の正式IPアドレスのネットワークアドレスと異なるネットワークアドレスである。
【0134】
<VPN接続処理について>
以下、図14中のステップS15のVPN接続処理について詳細を説明する。
図29は、本実施形態に係るVPN接続処理の動作の一例を示すフロー図である。なお、この正式IPアドレス設定処理は、第1のDLNA接続装置c1のVPN設定部c137(図8)及び通信データ変換部c15が行う処理であるので図8を参照しながら説明をする。
【0135】
(ステップS1501)図8中のVPN設定部c137は、VPN接続に必要な通信ポートを解放する。また、VPN設定部c137は、解放した通信ポートのポート番号毎に通信先を振り分けるポートフォワーディング設定を行う。その後、ステップS1502に進む。
(ステップS1502)VPN設定部c137は、接続モードが「異なるNW」モードであるか否かを判定する。「異なるNW」モードであると判定した場合(YES)、ステップS1509に進む。一方、「異なるNW」モードでない、つまり「同一NW」モード又は「一時同一NW」モードである場合(NO)、ステップS1503に進む。
【0136】
(ステップS1503)VPN設定部c137は、TAP−ETHのブリッジ設定を行う。その後、ステップS1504に進む。
(ステップS1504)VPN設定部c137は、ステップS1503にて行った設定により、レイヤ2−VPN接続を実施する。その後、ステップS1505に進む。
(ステップS1505)VPN設定部c137は、接続モードが「一時同一NW」モードであるか否かを判定する。「一時同一NW」モードであると判定した場合(YES)、ステップS1506に進む。なお、この場合、正式アドレス設定部C13は、図21に示す一時同一NWモード割当処理を行う。一方、「一時同一NW」モードでない、つまり「同一NW」モードである場合(NO)、処理を終了する。
【0137】
(ステップS1506)VPN設定部c137は、正式アドレス設定部C13の一時同一NWモード割当処理が完了したか否かを判定する。つまり、VPN設定部c137は、暫定IPアドレスと異なるネットワークアドレスの正式IPアドレスの払い出しが完了したか否かを判定する。払い出しが完了したと判定した場合(YES)、ステップS1507に進む。一方、払い出しが完了していないと判定した場合(NO)、ステップS1506に戻る。
(ステップS1507)VPN設定部c137は、レイヤ2−VPN接続を停止する。その後、ステップS1508に進む。
(ステップS1508)VPN設定部c137は、仮デバイスc14を削除する。その後、ステップS1509に進む。
【0138】
(ステップS1509)VPN設定部c137は、レイヤ3−VPN接続を実施する。その後、ステップS18に進む。
(ステップS18)図9中のTTL延長処理部c155は、TTL延長処理を行う。TTL延長処理の詳細については、後述する。その後、ステップS1510に進む。
(ステップS1510)図9中のルーティング方式変換部c154は、後述するように、逆NAT変換情報に基づいて逆NAT変換処理を行う。その後、処理を終了する。
【0139】
<マルチキャストルーティング処理について>
以下、第2のDLNA接続装置c2のルーティング方式変換部c154が行うマルチキャストルーティング処理の詳細について説明をする。まず、NAT情報(図30)、逆NAT変換情報(図31)について説明をし、その後、通信パケットのヘッダ情報(図32)について説明をする。
【0140】
図30は、本実施形態に係るNATテーブルの一例を示す概略図である。図示するようにNATテーブルは、IPアドレス1、ポート番号1、IPアドレス2、及びポート番号2の各項目の列を有している。NATテーブルは、IPアドレス1毎にNAT情報が格納される。
例えば、図30の1行目のNAT情報は、図2中のメディアサーバA21のNAT情報を示す。このNAT情報は、IPアドレス1「GA_C2」及びポート番号1「n1」を、IPアドレス2「PA_A21」(例えば、192.168.1.2)及びポート番号2「s1」に変換する対応付けを示す。
【0141】
図31は、本実施形態に係る逆NAT変換テーブルの一例を示す概略図である。図示するように逆NAT変換テーブルは、IPアドレス1、ポート番号1、IPアドレス2、及びポート番号2の各項目の列を有している。逆NAT変換テーブルは、IPアドレス1毎に逆NAT変換情報が格納される。
例えば、図31の1行目の逆NAT変換情報は、図2中のメディア再生装置A11の逆NAT変換情報を示す。この逆NAT変換情報は、IPアドレス1「GA_C1」及びポート番号1「m1」を、IPアドレス2「VPA_A21」(例えば、192.168.1.3)及びポート番号2「t1」に変換する対応付けを示す。ここで、「VPA_A21」は、ホームネットワークH2のネットワークアドレスの仮想的なIPアドレスであり、図13中の通信データ変換設定部c232が割り当てたIPアドレスである。
【0142】
図32は、本実施形態に係る通信パケットのヘッダ情報を示す概略図である。この図は、メディア再生装置A11(プライベートIPアドレス「A11」及びポート番号「p1」)からメディアサーバ(プライベートIPアドレス「A11」及びポート番号「p1」)へ送信された通信パケットのヘッダ情報を示す。また、この図が示す通信パケットのヘッダ情報の変換の例は、図30の例のNAT情報及び図31の例の逆NAT変換情報に基づいて行った例である。
【0143】
図32において、符号P11を付したヘッダ情報P11は、メディア再生装置A11から送信された通信パケットが第1のDLNA接続装置A1にて宛先情報及び送信元情報が変換されたヘッダ情報を示す。この図は、ヘッダ情報P11の宛先情報が、IPアドレス「GA_C2」及びポート番号「n1」であることを示す。また、この図は、ヘッダ情報P11の送信元情報が、IPアドレス「GA_C1」及びポート番号「m1」であることを示す。
【0144】
図32において、符号P12を付したヘッダ情報P12は、ヘッダ情報P11が第2のDLNA接続装置C1にて宛先情報及び送信元情報が変換されたヘッダ情報を示す。この図は、ヘッダ情報P12の宛先情報が、IPアドレス「PA_A21」及びポート番号「s1」であることを示す。また、この図は、ヘッダ情報P11の送信元情報が、IPアドレス「VPA_A11」及びポート番号「t1」であることを示す。ここで、ヘッダ情報P11の宛先情報は、図30のNAT情報により、ヘッダ情報P22の宛先情報にNAT変換されている。
【0145】
また、ヘッダ情報P11の送信元情報は、図31の逆NAT変換情報により、ヘッダ情報P12の送信元情報(符号P121を付した破線で囲った情報)に逆NAT変換されている。この変換後の送信元情報のIPアドレスは、ホームネットワークH2のネットワークアドレスの仮想的なIPアドレスである。上述のように、この変換によって、ホームネットワークH2の装置からの通信パケットのみを受信する装置であっても、ホームネットワークH1の装置からの通信パケットを受信することができる。
【0146】
<TTL延長処理について>
以下、図29中のステップS18のTTL延長処理について詳細を説明する。
図33は、本実施形態に係るTTL延長処理の動作の一例を示すフロー図である。なお、このTTL延長処理は、図9中のTTL延長処理部c155が行う処理である。
【0147】
(ステップS1801)TTL延長処理部c155は、ルーティング方式変換部c154を介して、サーチメッセージを受信する。その後、ステップS1802に進む。
(ステップS1802)TTL延長処理部c155は、記憶部(図示せず)から、サーチメッセージ受信情報を読み出す。このサーチメッセージ受信情報は、サーチメッセージの送信元の機器MACアドレス、サーチメッセージの受信回数、及びサーチメッセージの直近の受信回数を含む情報である。また、TTL延長処理部c155は、サーチメッセージに含まれる機器MACアドレスを抽出する。TTL延長処理部c155は、抽出した機器MACアドレスのサーチメッセージ受信情報がない場合、又は抽出した機器MACアドレスについてのサーチメッセージ受信情報の受信回数が「0回」の場合(YES)、ステップS1808に進む。一方、抽出した機器MACアドレスのサーチメッセージ受信情報の受信回数が1回以上の場合、ステップS1803に進む。
【0148】
(ステップS1803)TTL延長処理部c155は、ステップS1802にて抽出した機器MACアドレスについてのサーチメッセージ受信情報の受信時刻から、予め定めた一定時間が経過しているか否かを判定する。一定時間が経過していると判定した場合(YES)、ステップS1808に進む。一方、一定時間が経過していないと判定した場合(NO)、ステップS1804に進む。
(ステップS1804)TTL延長処理部c155は、ステップS1802にて抽出した機器MACアドレスについてのサーチメッセージ受信情報の受信回数が、予め定めた規定値より大きいか否かを判定する。規定値より大きいと判定した場合(YES)、ステップS1806に進む。一方、規定値より以下と判定した場合(NO)、ステップS1805に進む。
【0149】
(ステップS1805)TTL延長処理部c155は、サーチメッセージ受信情報の受信回数を1回増加させた値に更新する。その後、ステップS1807に進む。
(ステップS1806)TTL延長処理部c155は、サーチメッセージ受信情報の受信回数を「0回」に更新する。その後、ステップS1807に進む。
(ステップS1807)TTL延長処理部c155は、サーチメッセージ受信情報の受信時刻を現在時刻で更新する。その後、処理を終了する。
【0150】
(ステップS1808)TTL延長処理部c155は、サーチメッセージのTTLの延長をする。その後、ステップS1809に進む。
(ステップS1809)TTL延長処理部c155は、サーチメッセージ受信情報の受信回数を1回増加させた値に更新する。その後、ステップS1810に進む。
(ステップS1810)ルーティング方式変換部c154は、サーチメッセージを第2のDLNA接続装置c2へ送信する。
【0151】
以下、サーチメッセージの詳細について説明をする。
図34は、本実施形態に係るサーチメッセージの通信の一例を示すフロー図である。この図は、同一セグメント方式の場合についてのサーチメッセージの通信を示す図である。
【0152】
(ステップS201)第1のDLNA接続装置c1は、TAP−ETHのブリッジ設定を行う。その後、ステップS202に進む。
(ステップS202)第2のDLNA接続装置c2は、TAP−ETHのブリッジ設定を行う。その後、ステップS203に進む。
(ステップS203)第1のDLNA接続装置c1と弟2のDLNA接続装置c2は、VPN接続を行う。その後、ステップS204に進む。
【0153】
(ステップS204)メディア再生装置a1は、サーチメッセージを送信する。このサーチメッセージは、ステップS203のVPN接続にて生成されたVPNトンネルを介して、第1のDLNA接続装置c1から弟2のDLNA接続装置c2へ送信される。弟2のDLNA接続装置c2は、受信したサーチメッセージをLAN L2にマルチキャストする。その後、ステップS205に進む。
(ステップS205)メディアサーバa2は、ステップS204にて送信されたサーチメッセージを受信する。メディアサーバa2は、受信したサーチメッセージの応答メッセージであってメディア再生装置a1宛の応答メッセージを生成する。メディアサーバa2は、生成した応答メッセージを送信する。この応答メッセージは、弟2のDLNA接続装置c2、VPNトンネル、及び第1のDLNA接続装置c1を介して、メディア再生装置a1にユニキャストされる。
その後、メディア再生装置a1とメディアサーバa2は、同様にVPNトンネルを介した通信を行う。
【0154】
図35は、本実施形態に係るサーチメッセージの通信の別の一例を示すフロー図である。この図は、マルチキャストルーティング方式の場合についてのサーチメッセージの通信を示す図である。
【0155】
(ステップS211)第1のDLNA接続装置c1と弟2のDLNA接続装置c2は、VPN接続を行う。その後、ステップS212に進む。
(ステップS212)メディア再生装置a1は、サーチメッセージを送信する。その後、ステップS18に進む。
(ステップS18)第1のDLNA接続装置c1は、TTL延長処理を行う。TTL延長処理にてTTLの延長が行われたサーチメッセージは、ステップS211のVPN接続にて生成されたVPNトンネルを介して、弟2のDLNA接続装置c2へ送信される。弟2のDLNA接続装置c2は、受信したサーチメッセージに逆NAT変換を行い、LAN L2にマルチキャストする。その後、ステップS213に進む。
(ステップS213)メディアサーバa2は、ステップS18にて送信されたサーチメッセージを受信する。メディアサーバa2は、受信したサーチメッセージの応答メッセージであってメディア再生装置a1宛の応答メッセージを生成する。メディアサーバa2は、生成した応答メッセージを送信する。この応答メッセージは、弟2のDLNA接続装置c2、VPNトンネル、及び第1のDLNA接続装置c1を介して、メディア再生装置a1にユニキャストされる。
その後、メディア再生装置a1とメディアサーバa2は、同様にVPNトンネルを介した通信を行う。
【0156】
<使用済正式IPアドレス通知処理及び使用済正式IPアドレス回収処理について>
以下、図14中のステップS16の使用済正式IPアドレス通知処理、及び、ステップS17の使用済正式IPアドレス回収処理について詳細を説明する。
図36は、本実施形態に係る使用済正式IPアドレス通知処理及び使用済正式IPアドレス回収処理の動作の一例を示すフロー図である。
【0157】
(ステップS161)第1のDLNA接続装置c1は、リース期間が経過した(リース期間切れ)の正式IPアドレス、又は、割り当てを終了した(リリース済み)正式IPアドレス(これらの正式IPアドレスを使用済正式IPアドレスという)があるか否かを判定する。なお、割り当てを終了する場合とは、例えば、正式IPアドレスが割り当てられていたメディア再生装置a1がLAN L1から外された場合である。使用済正式IPアドレスがあると判定した場合(YES)、ステップS162に進む。一方、使用済正式IPアドレスがないと判定した場合(NO)、ステップS161に戻る。
(ステップS162)第1のDLNA接続装置c1は、使用済正式IPアドレスを含む使用済正式IPアドレス通知を送信する。その後、ステップS171に進む。
【0158】
(ステップS171)第2のDLNA接続装置c2は、使用済正式IPアドレス通知を受信する。その後、ステップS172に進む。
(ステップS172)第2のDLNA接続装置c2は、使用済正式IPアドレス通知から使用済正式IPアドレスを抽出する。第2のDLNA接続装置c2は、抽出した使用済正式IPアドレスを、正式アドレス記憶部c227から削除する。その後、処理を終了する。
【0159】
このように、本実施形態によれば、第2のDLNA接続装置c2のネットワーク判定部c222が、ホームネットワークH1での暫定IPアドレスのネットワークアドレスと、ホームネットワークH2でのプライベートIPアドレスのネットワークアドレスと、が同一のネットワークアドレスであるか否かを判定する。また、アドレス判定部c223が、ネットワーク判定部c222が同一のネットワークアドレスであると判定した場合、ホームネットワークH1での暫定IPアドレスのネットワークアドレスと、ホームネットワークH2でのプライベートIPアドレスのネットワークアドレスとに同じIPアドレスがあるか否かを判定する。VPN設定部c137は、ネットワーク判定部c222とアドレス判定部c223との判定結果(接続モード)に基づいて、ホームネットワークH1とH2との接続方式を選択して、メディア再生装置a1とメディアサーバa2とを通信可能にする。これにより、通信システムは、ホームネットワークH1とH2とが、互いに同じネットワークアドレスが割り当てられたネットワークでも、互いに異なるネットワークアドレスが割り当てられたネットワークでも、接続方式を選択して接続することができ、メディア再生装置a1とメディアサーバa2とが迅速かつ正確に通信を行うことができる。
【0160】
また、本実施形態によれば、通信システムは、アドレス判定部c223が同じIPアドレスがあると判定した場合、払出アドレス検索部c224が、払出可能IPアドレスH2を、正式IPアドレスとして、メディア再生装置a1のすべてに払い出すことができるか否かを判定し、判定結果に基づいて、接続方式を選択する。これにより、通信システムは、例えば、メディア再生装置a1のすべてに払い出すことができる場合は、払出可能IPアドレスH2をメディア再生装置a1に割り当て、ホームネットワークH1とH2とを同一のネットワークとして接続することができる。また、通信システムは、メディア再生装置a1のすべてに払い出すことができない場合は、ホームネットワークH2のネットワークアドレス以外のネットワークアドレスのIPアドレスをメディア再生装置a1に割り当て、ホームネットワークH1とH2とを異なるネットワークとして接続することができる。よって、通信システムは、メディア再生装置a1とメディアサーバa2とが迅速かつ正確に通信を行うことができる。
【0161】
また、本実施形態によれば、通信システムは、払出アドレス検索部c224が、払出可能IPアドレスH2をメディア再生装置a1のすべてに払い出すことができないと判定した場合、サーチメッセージを送信したメディア再生装置A11とメディアサーバa2との接続方式を同一セグメント方式にて通信可能とし、その後、メディア再生装置a1のすべてとメディアサーバa2との接続方式をマルチキャストルーティング方式に変更する。これにより、通信システムは、サーチメッセージを送信したメディア再生装置A11を、他のメディア再生装置a1より優先して、ホームネットワークH2に接続することができ、前メディア再生装置A11を、さらに迅速に通信可能にすることができる。
【0162】
また、本実施形態によれば、通信システムは、正式アドレス設定部C13が、ホームネットワークH2と同じネットワークアドレスの正式IPアドレスの1個を仮デバイスc14に割り当て、もう1個の正式IPアドレスを、メディア再生装置A11に割り当てる。また、仮デバイス生成部c135が仮デバイスc14とメディア再生装置A11を接続する。これにより、通信システムは、仮デバイスとメディア再生装置A11とを、ホームネットワークH2と同一のネットワークの装置として接続することができる。また、メディア再生装置A11以外のメディア再生装置a1に割り当てられた暫定IPアドレスと、メディアサーバa2に割り当てられたプライベートIPアドレスの重複を防止することができる。
また、本実施形態によれば、通信システムは、TTL延長処理部c155が、通信データのTTLを増加させるので、メディア再生装置a1とメディアサーバa2とを通信可能にしたときにルータ装置の数が増加する場合であっても、メディア再生装置a1が送信した通信データを中継させて、確実にメディアサーバa2に受信させることができる。
【0163】
なお、上記実施形態において、正式アドレス払出部C22は、第2のDLNA接続装置c2が持つ構成であったが、本発明はこれに限らず、第1のDLNA接続装置c1が備えてもよい。この場合、第1のDLNA接続装置c1は、第2のDLNA接続装置c2からホームネットワークH2の暫定IPアドレス情報を受信し、正式IPアドレス決定処理を行う。
【0164】
また、上記実施形態において、第1のDLNA接続装置c1及び第2のDLNA接続装置c2は、DLNA装置である場合を説明したが、本発明はこれに限らず、サーバ等の装置であってもよい。また、メディア再生装置a1、メディアサーバa2は、PC等のコンピュータであってもよい。また、ホームネットワークは、LAN等のコンピュータネットワークであってもよい。本発明は、ローカルネットワーク内で、マルチキャストパケットおよびユニキャストパケットを用いて、ネットワーク機器の発見および制御を行い、アプリケーションを実現する通信に好適であり、複数のローカルネットワーク内にあるネットワーク機器をワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、通信することが可能となる。
【0165】
また、本実施形態によれば、TTL延長処理部c155が受信回数及び受信時刻に基づいてTTLの延長をするか否かを判定するので、TTLを延長したサーチメッセージの数を制御することができ、TTLが長いサーチメッセージによりネットワークの負荷が高くなることを防止することができる。
【0166】
なお、上述した実施形態におけるメディア再生装置a1、DHCPサーバb1、第1のDLNA接続装置c1、第2のDLNA装置d1の一部をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、メディア再生装置a1、DHCPサーバb1、第1のDLNA接続装置c1、又は第2のDLNA装置d1に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0167】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0168】
a111・・・アドレス更新部、a112・・・アドレス情報記憶部、a113・・・メディアサーバ検出部、a114・・・メディアサーバ情報記憶部、b111・・・予約アドレス情報取得部、b112・・・予約アドレス情報記憶部、b113・・・アドレス払出部、b114・・・リース期間設定部、b115・・・払出アドレス情報記憶部、b116・・・払出アドレス情報通知部、c111・・・払出アドレス取得部、c112・・・払出アドレス情報記憶部、c12・・・ネットワーク接続処理部、c124・・・正式アドレス記憶部、c125・・・暫定アドレス記憶部、c13・・・接続設定部、c14・・・仮デバイス、c15・・・通信データ変換部、c121・・・接続処理部、c131・・・アドレス判定部、c123・・・接続モード記憶部、c131・・・アドレス判定部、c132・・・ネットワークアドレス判定部、c133・・・予約アドレス情報設定部、c134・・・予約アドレス情報記憶部、c135・・・仮デバイス生成部(一時同一ネットワーク生成部)、c151・・・変換方式選択部、c152・・・逆NAT変換情報記憶部、c153・・・NAT情報記憶部、c154・・・ルーティング方式変換部、c155・・・TTL延長処理部、c156・・・同一セグメント方式変換部、a214・・・アクセス制御部、a213・・・サーチメッセージ応答部、c22・・・ネットワーク接続処理部、c23・・・接続設定部、c221・・・接続処理部、c222・・・ネットワーク判定部、c223・・・アドレス判定部、c224・・・払出アドレス検索部、c225・・・正式アドレス決定部、c226・・・接続モード記憶部、c227・・・正式アドレス記憶部、c231・・・ルータ設定部、c232・・・通信データ変換設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信ネットワークに接続された第1の通信装置に割り当てた第1の通信アドレスを管理する第1の通信管理装置と、第2の通信ネットワークに接続された第2の通信装置に割り当てた第2の通信アドレスを管理する第2の通信管理装置と、を具備する通信システムにおいて、
前記第1の通信管理装置又は前記第2の通信管理装置は、
前記第1の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、前記第2の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、が同一のネットワーク識別情報であるか否かを判定するネットワーク判定部と、
前記ネットワーク判定部が同一のネットワーク識別情報であると判定した場合、前記第1の通信アドレスと前記第2の通信アドレスとに同じ通信アドレスがあるか否かを判定するアドレス判定部と、
を備え、
前記第1の通信管理装置は、
前記ネットワーク判定部と前記アドレス判定部の判定結果に基づいて、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置とを通信可能にする接続方式を選択する接続設定部を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記第1の通信管理装置又は前記第2の通信管理装置は、
前記アドレス判定部が同じ通信アドレスがあると判定した場合、前記第2の通信アドレスと異なる通信アドレスであって前記第2の通信アドレスが示すネットワーク識別情報の通信アドレスであるネットワーク同一アドレスを、前記第1の通信装置のすべてに割り当てることができるか否かを判定する払出アドレス検索部を備え、
前記接続設定部は、払出アドレス検索部の判定結果に基づいて、前記接続方式を選択することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記第1の通信装置は、接続されたネットワークにマルチキャストを行い、その応答により通信先の通信装置を検出する通信装置であり、
前記接続設定部は、前記払出アドレス検索部がネットワーク同一アドレスを前記第1の通信装置のすべてに割り当てることができないと判定した場合、前記マルチキャストを行った第1の通信装置と前記第2の通信装置との接続方式を、同一のネットワーク内の装置として通信可能にする第1の接続方式を選択し、
前記マルチキャストを行った第1の通信装置を前記第1の接続方式にて通信可能とした後、前記第1の通信装置のすべてと前記第2の通信装置との接続方式を、異なるネットワークとして通信可能にする第2の接続方式に変更する接続方式変更部を備えることを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記第1の通信管理装置又は前記第2の通信管理装置は、
前記払出アドレス検索部がネットワーク同一アドレスを前記第1の通信装置のすべてに割り当てることができないと判定した場合、2個の前記ネットワーク同一アドレスを払い出すアドレス決定部を備え、
前記第1の通信管理装置は、
前記アドレス決定部が払い出したネットワーク同一アドレスの1個を前記第2の通信装置と通信可能とする接続装置に割り当てることを決定し、もう1個のネットワーク同一アドレスを、前記マルチキャストを行った第1の通信装置に割り当てることを決定する正式アドレス設定部と、
前記接続装置と前記マルチキャストを行った第1の通信装置とを、前記ネットワーク同一アドレスが示すネットワークの装置として登録する一時同一ネットワーク生成部と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記通信システムは、前記第1の通信装置から前記第2の通信装置への通信データを、中継する複数の中継装置を具備し、
前記第1の通信装置は、前記通信データを中継させる前記中継装置の数を示す中継数を含む前記通信データを送信し、
前記中継装置は、前記通信データを中継した中継装置の数が前記中継数の数を超えた場合、当該通信データを破棄し、
前記第1の通信管理装置は、
前記通信データの中継数を増加させるTTL延長処理部を備えることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項6】
第1の通信ネットワークに接続された第1の通信装置に割り当てた第1の通信アドレスを管理する第1の通信管理装置において、
前記第1の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、第2の通信ネットワークに接続された第2の通信装置に割り当てた第2の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、が同一のネットワーク識別情報であるか否かを判定するネットワーク判定部と、
前記ネットワーク判定部が同一のネットワーク識別情報であると判定した場合、前記第1の通信アドレスと前記第2の通信アドレスとに同じ通信アドレスがあるか否かを判定するアドレス判定部と、
前記ネットワーク判定部と前記アドレス判定部の判定結果に基づいて、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置とを通信可能にする接続方式を選択する接続設定部と、
を備えることを特徴とする第1の通信管理装置。
【請求項7】
第1の通信ネットワークに接続された第1の通信装置に割り当てた第1の通信アドレスを管理する第1の通信管理装置における通信管理方法において、
前記第1の通信管理装置が、前記第1の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、第2の通信ネットワークに接続された第2の通信装置に割り当てた第2の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、が同一のネットワーク識別情報であるか否かを判定する第1の過程と、
前記第1の通信管理装置が、第1の過程にて同一のネットワーク識別情報であると判定した場合、前記第1の通信アドレスと前記第2の通信アドレスとに同じ通信アドレスがあるか否かを判定する第2の過程と、
前記第1の通信管理装置が、前記第1の過程と前記第2の過程の判定結果に基づいて、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置とを通信可能にする接続方式を選択する第3の過程と、
を有することを特徴とする通信管理方法。
【請求項8】
第1の通信ネットワークに接続された第1の通信装置に割り当てた第1の通信アドレスを管理する第1の通信管理装置のコンピュータを、
前記第1の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、第2の通信ネットワークに接続された第2の通信装置に割り当てた第2の通信アドレスが示すネットワーク識別情報と、が同一のネットワーク識別情報であるか否かを判定するネットワーク判定手段、
前記ネットワーク判定手段にて同一のネットワーク識別情報であると判定した場合、前記第1の通信アドレスと前記第2の通信アドレスとに同じ通信アドレスがあるか否かを判定するアドレス判定手段、
前記ネットワーク判定手段と前記アドレス判定手段の判定結果に基づいて、前記第1の通信装置と前記第2の通信装置とを通信可能にする接続方式を選択する接続設定手段、
として機能させる通信管理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate


【公開番号】特開2010−278636(P2010−278636A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127753(P2009−127753)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(397065480)エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社 (187)
【Fターム(参考)】